説明

負圧源供給装置

【課題】バキュームポンプの動作音を外部に漏れ難くすることができる負圧源供給装置を提供する。
【解決手段】電動モータ10で駆動されて負圧を発生させる電動バキュームポンプ20を備えた負圧源供給装置において、電動バキュームポンプ20の周囲を隙間をあけて覆うカバー40を設け、このカバー40と電動バキュームポンプ20との隙間に負圧の減衰空間Uを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内で真空を得るための負圧源供給装置であって、特に、ブレーキ倍力装置に使用する負圧源供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車では、ガソリン車と違い油圧ブレーキ力を増加させるための負圧源がないため、その負圧を供給するために負圧源供給装置が必要となる。この負圧源供給装置は、負圧を発生させるための電動バキュームポンプと、発生した負圧を蓄圧するための真空タンク(負圧タンク)とを備えており、これらはエンジンルーム内のスペースに配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この負圧源供給装置は、真空タンク内から送られる気体を圧縮する際に動作音が発生する。そのため、従来では、電動バキュームポンプの周囲をケース(sound-absorber cap)で覆って減衰室(damping space of a sound absorber)を設け、この減衰室内を通過するように排出空気を送流させ、この排出空気で騒音を低減させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−329701号公報
【特許文献2】米国特許第6491505号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気自動車は、ガソリン車と比較して静粛性能が高い。そのため、電動バキュームポンプの動作音についても、外部から聞こえる動作音をより小さくすることが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、バキュームポンプの動作音を外部に漏れ難くすることができる負圧源供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、電動モータで駆動されて負圧を発生させるバキュームポンプを備えた負圧源供給装置において、前記バキュームポンプの周囲を隙間をあけて覆うカバーを設け、このカバーと前記バキュームポンプとの間に負圧の減衰空間を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、音の伝搬し難い負圧空気でバキュームポンプの周囲を覆うようにすることができる。
【0006】
また、前記バキュームポンプには、前記減衰空間内の負圧空気を取り込む吸気通路を形成してもよい。
この構成によれば、例えば、真空タンク内から減衰空間内に送り込まれた負圧空気を、さらにバキュームポンプへ取り込むようにすることができる。
【0007】
さらに、前記バキュームポンプで圧縮した空気が前記電動モータ内を経由して排出される排出通路を備えるようにしてもよい。
この構成によれば、バキュームポンプに排出口を設ける必要がなく、電動モータの全体を減衰空間で覆うようにすることができる。
【0008】
また、前記カバーは、前記バキュームポンプに連通する真空タンクの一部を構成し、この真空タンク内に当該バキュームポンプ及び前記電動モータを収容してもよい。
この構成によれば、バキュームポンプ及び電動モータの動作音を負圧空気で減衰することができるため、これらバキュームポンプ及び電動モータの動作音を負圧源供給装置の外部に漏れ難くすることができる。さらに、バキュームポンプ及び電動モータが真空タンク内に収容されるため、エンジンルーム内のスペースを有効利用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る負圧源供給装置によれば、電動モータで駆動されて負圧を発生させるバキュームポンプを備えた負圧源供給装置において、前記バキュームポンプの周囲を隙間をあけて覆うカバーを設け、このカバーと前記バキュームポンプとの間に負圧の減衰空間を形成したので、大気或いは圧縮空気と比較して音の伝搬し難い負圧空気でバキュームポンプの周囲を覆うようになり、バキュームポンプの動作音がこの負圧空気で減衰されるようになる。その結果、バキュームポンプの動作音を負圧源供給装置の外部に漏れ難くすることができる。また、真空タンク内の負圧空気を利用することで、この負圧源供給装置以外に負圧を発生させる装置を設ける必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る負圧源供給装置50について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る負圧源供給装置50を使用したブレーキ装置の概要図である。
ブレーキ装置100は、左右の前輪に取り付けられたフロントブレーキ1a、1b、及び左右の後輪に取り付けられたリアブレーキ2a、2bを備えている。これらのブレーキは、マスターシリンダ3とブレーキ配管9によって接続されており、マスターシリンダ3からブレーキ配管9を介して送られる油圧によって各ブレーキが作動する。
また、ブレーキ装置100は、ブレーキペダル4と連結されたブレーキブースター5を備え、バキュームタンク6(真空タンク)内の空気圧によってブレーキペダル4の踏力が軽減され、マスターシリンダ3のピストン(図示せず)を移動させるようになっている。
【0011】
また、バキュームタンク6には、空気を排出するための負圧源供給装置50が接続されている。この負圧源供給装置50は、バキュームタンク6内を真空状態にするために、タンク内の空気を車両外部へ排出する。これらのブレーキブースター5、バキュームタンク6、負圧源供給装置50は、空気配管8によってそれぞれ接続されている。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態に係る負圧源供給装置50の側面図である。また、図3は図2の負圧源供給装置50を3−3線で切断した状態を示す断面図である。
なお、以下の説明において、左右方向及び上下方向とは、図2に基づくものである。
【0013】
負圧源供給装置50は、図2に示すように、左右方向に延びる中心軸Xを有し、右側に位置する電動モータ10と、左側に位置するベーンポンプ20(バキュームポンプ)と、この電動モータ10及びベーンポンプ20の間に介在するモータカバー30とを備えている。
【0014】
電動モータ10は、その外部を覆うモータケース11と、このモータケース11の内側に設けられ、中心軸Xを中心にして回転可能な回転軸12と、この回転軸12に取り付けられた回転子13と、この回転子13の外周部と間隔をあけて配置され、モータケース11に取り付けられた固定子14とを備えている。
【0015】
モータケース11は、図2に示すように、左側が開口する略円筒形状をなしており、この開口縁部に外周面11aから外側に突出するようにフランジ部11bが形成されている。このフランジ部11bは、モータカバー30にボルト15で固定されている。このモータケース11の右側内部には、回転軸12の右側端部を軸支する軸受16aが設けられている。
さらに、モータケース11の右側下部には、モータケース11から突出する排出口11cが設けられている。この排出口11cは、ベーンポンプ20で圧縮された圧縮空気140を大気開放するためのものである。
【0016】
モータカバー30は、モータケース11の左側開口を塞ぐ態様で取り付けられる。このモータカバー30には、フランジ部11bと接触する面に、溝部30aが周方向に連続して形成されており、この溝部30aの内部には、モータケース11の内部に外気が侵入するのを防止するためのシールリング31が入れられている。
この構成により、モータカバー30及びモータケース11によって密閉空間Sが形成され、この密閉空間S内の圧縮空気140が、シールリング31によってモータカバー30とモータケース11との接触面から漏れないようになっている。また、密閉空間Sは、排出口11cとベーンポンプ20との間に位置し、ベーンポンプ20で圧縮された空気を排出口11cまで導く排出通路となっている。
また、モータケース11は、密閉空間S内の圧縮空気140の圧力に耐えうるような十分な板厚を有している。
【0017】
さらに、モータカバー30には、ベーンポンプ20内部から密閉空間Sまで連通する圧縮空気導通路27が図2における左右方向に延びるように形成されている。この圧縮空気導通路27には、ベーンポンプ20側から密閉空間Sへの圧縮空気140の流入を許容し、逆には流れないようにするための逆止弁(図示せず)が設けられている。
【0018】
モータカバー30には、その中央部に回転軸12の左側を軸支する軸受16bが設けられている。また、モータカバー30の下側からは、電動モータ10の制御用及び電力を供給するための配線17が延出している。
これにより、電動モータ10は、配線17を介して電源が供給されると、軸受16a、16bに支持された回転軸12が回転し、駆動されることになる。
【0019】
一方、ベーンポンプ20は、回転式のベーン型真空ポンプであり、図3に示すように、ベーンポンプ20の外形を構成するシリンダ本体21と、このシリンダ本体21の内部に位置するロータ22と、シリンダ本体21の左右の両端に位置するプレート23a、23bとを備えている。また、プレート23aのさらに左側には、シリンダ本体21に3本のボルト34で締結された外板24が取り付けられている。
シリンダ本体21は、図2に示すように、左右に開口を有する円筒形状をなしており、左右に延びる中心軸Xに沿って内周壁面21aが形成されている。また、外板24及びプレート23aには、図2に示すように、ベーンポンプ20の上下方向の上側に位置する吸気通路32が形成されている。
【0020】
ロータ22は、中心軸Xから偏心した位置に中心軸Yを有する円柱形状をなしている。このロータ22は、回転軸12と連結キー26を介して駆動力が伝達される。また、プレート23a、23bは、図2に示すように、シリンダ本体21の左右両端の開口を塞いでおり、かつ、ロータ22の両端部との隙間が空かないように組み立てられている。
【0021】
また、ロータ22には、図3に示すように、シリンダ本体21の内周壁面21aに向けて斜めに突出する複数のベーン25が設けられている。このベーン25は、ロータ22に設けられた摺動溝22bに沿ってロータ22の外方へ回転に伴う遠心力によって突出し、ベーン25の先端部が内周壁面21aと当接する。図3のベーン25の状態について詳細に説明すると、上側部分に位置するベーン25は、ロータ22の内側から外方へ突出しており、ベーン25の先端部がシリンダ本体21の内周壁面21aに当接している。他方、下側部分に位置するベーン25は、その先端部が内周壁面21aに当接してロータ22の内方へ押されて、ロータ22の内部に引退している。この構造により、例えば、ロータ22が時計回りに回転すると、ロータ22の外壁面、シリンダ本体21の内周壁面21a、及び隣り合うベーン25によって仕切られた圧力室Pが移動することにより、吸気通路32から取り込まれた負圧空気120が、圧縮されながら、吸気通路32(圧力室Pの体積が大きい箇所に形成される)から圧縮空気導通路27(圧力室Pの体積が小さい箇所に形成される)まで送り出されるようになる。
【0022】
一方、モータカバー30には、図2に示すように、ベーンポンプ20の外周を覆うようにポンプカバー40が取り付けられている。このポンプカバー40は、モータカバー30の外周面にボルト41等の締結部材によって取り付けられている。これにより、ベーンポンプ20の周囲(詳細には、モータカバー30に取り付けられる面以外の周囲)には、ポンプカバー40によって覆われた減衰空間Uが形成されることになる。
【0023】
このポンプカバー40には、バキュームタンク6(図1参照)と連通させるための開口部42が形成されている。この開口部42には、図2に示すように、バキュームタンク6から延びる接続配管43がシール部材等を介して気密に接続されるようになっており、バキュームタンク6内の負圧空気120が減衰空間U内に流入可能になっている。
また、この開口部42には、バキュームタンク6内から減衰空間Uへの負圧空気120の流入を許容し、その逆には流れないようにするための逆止弁(図示せず)が設けられている。
【0024】
この減衰空間U内の負圧空気120は、吸気通路32からベーンポンプ20内へと流れる。そのため、減衰空間Uの気密性を確保するために、モータカバー30の外周面とポンプカバー40の取付面との間には、シール部材44を介在させてボルト41を締結している。
また、ポンプカバー40は、負圧空気120の圧力に耐えうるような十分な板厚を有している。
【0025】
次に、この負圧源供給装置50の作用について説明する。
ベーンポンプ20が開口部42からバキュームタンク6内の負圧空気120が流入することによって、減衰空間Uに負圧空気120が満たされる。この負圧空気120は、音を伝える空気振動がより少ないため、ベーンポンプ20の動作音をポンプカバー40の外側に漏れにくくする。
【0026】
また、減衰空間U内の負圧空気120は、吸気通路32を介してベーンポンプ20内へ移動し、圧力室Pの容積の変化に伴って圧縮される。これにより、減衰空間U内の真空度が高められ、それに従ってバキュームタンク6内の真空度も高くなる。
一方、ベーンポンプ20で圧縮された空気は、圧縮空気導通路27を介して密閉空間Sへと導かれる。そして、密閉空間S内で圧縮状態が解除されつつ排出口11cまで送流され、排出口11cから外部(大気)へ放出されるようになる。
【0027】
本発明の実施の形態に係る負圧源供給装置50によれば、電動モータ10で駆動されて負圧を発生させるベーンポンプ20を備えた負圧源供給装置50において、ベーンポンプ20の周囲を隙間をあけて覆うポンプカバー40を設け、このポンプカバー40とベーンポンプ20との間に、バキュームタンク6内と連通する負圧の減衰空間Uを形成したので、大気或いは圧縮空気と比較して音の伝搬し難い負圧空気120でベーンポンプ20の周囲を覆うようになり、ベーンポンプ20の動作音がこの負圧空気120で減衰されるようになる。その結果、ベーンポンプ20の動作音を負圧源供給装置50の外部に漏れ難くすることができる。また、バキュームタンク6内の負圧空気120を利用することで、この負圧源供給装置50以外に負圧を発生させる装置を設ける必要がない。
【0028】
また、ベーンポンプ20には、減衰空間U内の負圧空気120を取り込む吸気通路32を形成しているので、バキュームタンク6内から減衰空間U内に送り込まれた負圧空気120を、さらにベーンポンプ20へ取り込むようにすることができる。これにより、バキュームタンク6から減衰空間Uまでの経路をそのまま利用して、バキュームタンク6内の負圧空気120をベーンポンプ20内へ取り込むことができる。
【0029】
さらに、ベーンポンプ20で圧縮した空気が電動モータ10内の密閉空間Sを経由して排出される排出通路を備えるようにしているので、ベーンポンプ20に圧縮空気140の排出口を設ける必要がなく、ベーンポンプ20の全体を減衰空間Uで覆うようにすることができる。
【0030】
また、ベーンポンプ20で圧縮した圧縮空気140を密閉空間S内に導いているので、圧縮空気140が電動モータ10の固定子14を通過する際に、コイルを冷却する効果を期待することができる。これにより、負圧源供給装置50全体の信頼性を向上させることができる。
【0031】
以上、本発明を実施するための実施の形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、バキュームポンプとしてベーンポンプ20を使用しているが、ベーンポンプ20以外のバキュームポンプ(例えば、スクロールポンプなど)であっても使用することができる。すなわち、バキュームタンク6の負圧空気120で、バキュームポンプの周囲を覆うことにより、バキュームポンプの動作音を負圧源供給装置の外部に漏れにくくすることができる。
【0032】
また、本実施の形態では、ポンプカバー40に開口部42を設け、バキュームタンク6と減衰空間Uとを接続配管43で連通させるようにしているが、負圧源供給装置50全体をバキュームタンク6内に収容・取り付けして、バキュームタンク6内の全体を減衰空間として利用するようにしてもよい。これにより、ベーンポンプ20にポンプカバー40を設けなくとも、ベーンポンプ20の周囲を負圧空気120で囲うようにすることができる。
これにより、ベーンポンプ20の動作音をバキュームタンク6の外部に漏れ難くすることができる。また、バキュームタンク6内の負圧空気120を利用することで、この負圧源供給装置50以外に負圧を発生させる装置を設ける必要がない。
【0033】
次に、バキュームタンク6内に負圧源供給装置50を収容して取り付ける構造について説明する。この構成において、上記した実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。バキュームタンク6は、図4に示すように、二分割に構成された第1タンク体60と第2タンク体61とを備える。これら第1タンク体60及び第2タンク体61の開口部の周囲には、それぞれ外フランジ60a、61aが形成され、これら外フランジ60a、61a間は、Oリング62が介装されるとともに、不図示のボルト及びナットにより固定されている。
また、ベーンポンプ20側に位置する第1タンク体60には、この第1タンク体60の内部と外部とを連通する連通口60bが形成され、この連通口60bには、上記した空気配管8が接続されている。一方、電動モータ10側に位置する第2タンク体61は、第2タンク体61の円筒形の胴部内面61bに負圧源供給装置50を支持するための支持部材63を備える。この支持部材63は、第2タンク体61の胴部内面61bから中心部に向けて延びた後、第2タンク体61の開口部側へ屈曲されて略L字状に形成されている。この支持部材63は略等間隔をあけて複数設けられている。
【0034】
また、電動モータ10は、モータケース11の周囲に設けられた略L字状のステー65を備え、このステー65と支持部材63との間には、防振ゴム64が介装され、これら支持部材63とステー65とがボルト(不図示)により固定されている。これにより、負圧源供給装置50が第2タンク体61に支持される。
また、第1タンク体60は、開口部の内周に延在し、電動モータ10のステー65との間で防振ゴム66を狭持する挟持片60cを備える。この挟持片60cは、第1タンク体60を第2タンク体61に組み付けた際に、支持部材63に対応する位置に形成されている。この構成では、負圧源供給装置50は、電動モータ10のモータケース11に形成されたステー65が防振ゴム64を介して、第2タンク体61の支持部材63に固定され、さらに、当該ステー65の支持部材63と反対側の面と第1タンク体60の挟持片60cとの間に防振ゴム66が挟持されているため、これら防振ゴム64、66により、負圧源供給装置50の振動を抑制した状態で当該負圧源供給装置50をバキュームタンク6内に取り付けることができる。
【0035】
また、第2タンク体61には、電動モータ10の配線17をバキュームタンク6の外部に導出するための導出口67が形成され、この導出口67と配線17との間にはパッキン68が配置されて当該バキュームタンク6の気密性を保持している。さらに、第2タンク体61には排気口69が形成され、この排気口69には、バキュームタンク6の外部から内部への空気の流入を防止するチェックバルブ70が設けられている。このチェックバルブ70は、連結チューブ71を介して、電動モータ10の排出口11cに連結されている。
このため、ベーンポンプ20が動作すると、バキュームタンク6内の空気はベーンポンプ20の吸気通路32を通じて、このベーンポンプ20内に吸い込まれる。このベーンポンプ20で圧縮された空気は、圧縮空気導通路27を介して密閉空間Sへと導かれ、この密閉空間S内で圧縮状態が解除されつつ排出口11cまで送流され、連結チューブ71及びチェックバルブ70を通じて外部(大気)へ放出される。これにより、バキュームタンク6内の真空度が高くなり、当該バキュームタンク6内の全体を減衰空間Uとして利用することができる。これによれば、ベーンポンプ20及び電動モータ10の動作音を負圧空気で減衰することができるため、これらベーンポンプ20及び電動モータ10の動作音をバキュームタンク6の外部に漏れ難くすることができる。さらに、ベーンポンプ20及び電動モータ10がバキュームタンク6内に収容されるため、エンジンルーム内のスペースを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る負圧源供給装置を備えたブレーキ装置の概要図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る負圧源供給装置の側面図である。
【図3】図2に示す負圧源供給装置を3−3線で切断した状態を示す断面図である。
【図4】負圧源供給装置をバキュームタンク内に収容した状態を示す概要図である。
【符号の説明】
【0037】
1a フロントブレーキ
2a リアブレーキ
3 マスターシリンダ
4 ブレーキペダル
5 ブレーキブースター
6 バキュームタンク(真空タンク)
8 空気配管
9 ブレーキ配管
10 電動モータ
11 モータケース
11a 外周面
11b フランジ部
11c 排出口
12 回転軸
13 回転子
14 固定子
15 ボルト
16a、16b 軸受
17 配線
20 ベーンポンプ(バキュームポンプ)
21 シリンダ本体
21a 内周壁面
22 ロータ
22b 摺動溝
23a プレート
24 外板
25 ベーン
26 連結キー
27 圧縮空気導通路
30 モータカバー
30a 溝部
31 シールリング
32 吸気通路
34 ボルト
40 ポンプカバー(カバー)
41 ボルト
42 開口部
43 接続配管
44 シール部材
50 負圧源供給装置
60 第1タンク体
61 第2タンク体
63 支持部材
70 チェックバルブ
100 ブレーキ装置
120 負圧空気
140 圧縮空気
P 圧力室
S 密閉空間(排出通路)
U 減衰空間
X、Y 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータで駆動されて負圧を発生させるバキュームポンプを備えた負圧源供給装置において、
前記バキュームポンプの周囲を隙間をあけて覆うカバーを設け、このカバーと前記バキュームポンプとの隙間に負圧の減衰空間を形成したことを特徴とする負圧源供給装置。
【請求項2】
前記バキュームポンプには、前記減衰空間内の負圧空気を取り込む吸気通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の負圧源供給装置。
【請求項3】
前記バキュームポンプで圧縮した空気が前記電動モータ内を経由して排出される排出通路を備えたことを特徴とする請求項2に記載の負圧源供給装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記バキュームポンプに連通する真空タンクの一部を構成し、この真空タンク内に当該バキュームポンプ及び前記電動モータを収容したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の負圧源供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−151065(P2010−151065A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331810(P2008−331810)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(510063502)ナブテスコオートモーティブ株式会社 (34)
【Fターム(参考)】