貯湯ユニット
【課題】給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用し、暖房の熱負荷が高くとも安定して給湯できる貯湯ユニットを提供する。
【解決手段】貯湯タンク14の温水は、給湯流路46によって給湯口44へ送られる。また、貯湯タンク14の温水は、バーナ部68で加熱される。加熱された温水の一部はバイパス流路79を通り、暖房機用熱交換器114を経由しないで貯湯タンク14へ戻る。加熱された温水の残りはバーナ循環復路76bを通り、暖房機用熱交換器114で暖房機へ熱を供給したのちに貯湯タンク14へ戻る。暖房機用熱交換器114で暖房機へ熱を供給しながら、暖房機用熱交換器114を経由せずに高温のまま貯湯タンク145へ戻される温水によって要求される温度の温水を安定して給湯することができる。
【解決手段】貯湯タンク14の温水は、給湯流路46によって給湯口44へ送られる。また、貯湯タンク14の温水は、バーナ部68で加熱される。加熱された温水の一部はバイパス流路79を通り、暖房機用熱交換器114を経由しないで貯湯タンク14へ戻る。加熱された温水の残りはバーナ循環復路76bを通り、暖房機用熱交換器114で暖房機へ熱を供給したのちに貯湯タンク14へ戻る。暖房機用熱交換器114で暖房機へ熱を供給しながら、暖房機用熱交換器114を経由せずに高温のまま貯湯タンク145へ戻される温水によって要求される温度の温水を安定して給湯することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクの温水を必要に応じて熱源機で加熱し、貯湯タンクの温水を給湯に利用するとともに、暖房用の熱源に利用する貯湯ユニットに関する。本明細書にいう暖房は、エアコンや床暖房機などの暖房機の他に風呂の追焚き装置を含む。
【背景技術】
【0002】
貯湯タンクの温水を給湯用の温水として利用したり、温水の熱量を暖房機や風呂の追焚き装置への熱源に利用したりできる貯湯ユニットが知られている。貯湯タンクの温水が給湯に適した温度よりも低い場合、或いは暖房機への熱供給に適した温度よりも低い場合には熱源機によって温水を加熱する。そのような貯湯ユニットは、給湯と暖房という2つの目的に対してひとつの熱源機で足りるため、低コスト化できるというメリットがある。ひとつの熱源機で温水を加熱し、加熱した温水を給湯に利用したり、暖房機への熱供給に利用したりできる技術が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−57984号公報
【特許文献2】特開2006−46891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用する貯湯ユニットでは、貯湯タンクの温水を熱源機へ送り、熱源機で加熱された温水を貯湯タンクへ戻す循環流路と、その循環流路の熱源機より下流側に、加熱された温水と暖房用の熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、温水を貯湯タンクから給湯口へ送る給湯流路を備えることが有効である。
循環流路の熱源機より下流に熱交換器を配置することで、熱源機で加熱された直後の温水と暖房用の熱媒体の間で熱交換を行なうことができる。これにより暖房用の熱媒体を効率よく加熱することができる。
他方、熱源機で加熱された温水は貯湯タンクへ戻されるため、暖房機の熱負荷の変動により熱交換器から貯湯タンクへ戻る温水の温度が変動しても、貯湯タンクがバッファとなり給湯流路には温度の安定した温水を供給することができる。
【0005】
上記の貯湯ユニットの構成では、貯湯タンクが給湯の際のバッファとなるので暖房機の熱負荷変動をある程度許容できる。しかしながら暖房機の熱負荷が高い場合には、熱交換器で暖房用の熱媒体へ熱を与えることにより温度の低下した温水が貯湯タンクへ戻ることになる。そのような状態が続くと貯湯タンクの温水温度が徐々に低下し、ついには要求される温度の温水を給湯できなくなる虞がある。そのような課題は、熱交換器を通過した温水がなお給湯に十分な温度を維持できるほど加熱能力の高い熱源機を用いれば解決できる。しかし加熱能力の高い熱源機を備えることは貯湯ユニットのコスト増を招く。また上記課題は、給湯用の熱源機と暖房用の熱源機をそれぞれ別個に備えることによっても解決できるが、複数の熱源機を備えることも貯湯ユニットのコスト増を招く。
本発明の目的は、給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用する貯湯ユニットにおいて、コスト増を抑制しながら、暖房の熱負荷が高くとも要求される温度の温水を給湯し続けることを可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による貯湯ユニットは、熱源機で加熱された温水の全てを熱交換器を通してから貯湯タンクへ戻すのではなく、熱源機で加熱された温水の一部を熱交換器を通さずに貯湯タンクへ戻す。これによって、熱源機で加熱されて高温となった温水の一部を熱交換器で温度低下させることなく貯湯タンクへ戻すことができる。残りの温水は熱交換器へ送られるため、暖房機への熱供給は継続される。暖房機の熱負荷が高い状態でも貯湯タンクに高温の温水を供給できるので、常に要求温度の温水を給湯することができる。
【0007】
本発明に係る貯湯ユニットは、温水を貯湯する貯湯タンクと、貯湯タンクの温水を給湯口へ送る給湯流路と、貯湯タンクへ給水する給水流路と、通過する水を加熱する熱源機と、貯湯タンクの温水を熱源機へ送る温水往路と、熱源機を通過した温水を貯湯タンクへ戻す温水復路を備える。貯湯タンクの温水は、温水往路を通って熱源機へ送られ、熱源機を通過した温水は温水復路を通って貯湯タンクへ戻る。さらにこの貯湯ユニットは、温水復路を通る温水と暖房用の熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、熱源機を通過した温水を、熱交換器をバイパスして貯湯タンクへ戻すバイパス流路と、熱交換器を通過する温水の流量とバイパス流路を通過する温水の流量の割合を調整する流量調整手段を備える。
【0008】
流量調整手段によって、熱源機を通過した温水の一部は温水復路を通じて熱交換器へ送られるとともに、残りの温水はバイパス流路を通じて熱交換器を通さずに直接貯湯タンクへ戻すことができる。熱源機がその能力上限で運転している場合であっても、暖房の熱負荷と給湯の熱負荷に応じて熱交換器へ送る温水の流量と熱交換器を通らずに貯湯タンクへ戻す温水の流量の割合を調整できるので、暖房への熱供給を継続しながら安定して給湯できる貯湯ユニットを実現することができる。換言すれば、上記貯湯ユニットは、熱源機が温水に与える熱量を、暖房用と給湯用に並列に分配することができる。熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配できるので、加熱能力の高い熱源機、即ち高コストの熱源機を備えることなく安定して給湯できる貯湯ユニットを実現できる。流量調整手段が、熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配する機能を果たす。従って、ここでいう「割合」とは、熱交換器を通過する温水とバイパス流路を通過する温水の流量比をいう。流量調整手段は、流量比そのものを指標として割合を調整するものであってもよいし、熱交換器を通過する温水とバイパス流路を通過する温水の流量差を指標として割合を調整するものであってもよい。但し後者の場合には、流量差を指標とするが、結果的に「割合」が調整されるものである必要がある。具体的には、熱源機を通過する温水の流量を変化させるだけの装置は、本発明にいう流量調整手段には含まれない。熱源機を通過する温水の流量を変化させるだけでも、前記流量差は変化する。しかしその場合には流量比は変化しない。流量比が変化しなければ、熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配することができないからである。
【0009】
流量調整手段は、熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配するために、例えば、給湯流路を通過する温水によって貯湯タンクから減少する熱量に応じて流量を調整すればよい。
【0010】
流量調整手段は、例えばバイパス流路を開閉する弁であってよい。バイパス流路は、熱交換器が配置されていないので熱交換器が配置された温水復路よりも流路抵抗が小さい。従って、バイパス流路を開閉する弁であっても、弁の開度に応じて熱交換器を通過する温水の流量とバイパス流路を通過する温水の流量を調整することができる。また、より簡便にはバイパス流路を開閉する弁は、全閉と全開の2者択一式の弁であってもよい。
【0011】
上記の貯湯ユニットにおいて、給水流路は貯湯タンクの下部へ給水し、給湯流路は貯湯タンクの上部の温水を給水口へ送り、温水復路とバイパス流路は温水を貯湯タンクの上部へ戻すように配置されていることが好ましい。そうすることによって、温度成層型の貯湯タンクを実現できる。給湯時に貯湯タンクの下部へ給水されても貯湯タンクの上部の温水の温度を低下させることを防止できる。
【0012】
温度成層型の貯湯タンクの場合、熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクを通さずに温水往路に温水を導く第2温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第2温水復路のいずれかに切換える第1切換手段を備えることが好ましい。
温水復路を通る温水は、熱交換器で暖房機用の熱媒体へ熱を与えることによって温度が低下する。貯湯タンクが温度成層型の場合、貯湯タンクの上部の温水温度よりも低温水が貯湯タンクの上部に戻されると温度成層が乱れる可能性がある。そのような場合に、熱交換器を通過した温水を貯湯タンクへ戻さずに温水往路へ導くことによって、貯湯タンクの温度成層を安定して維持することができる。貯湯タンクの上部にはバイパス流路によって高温水のみが戻されることになるため、貯湯タンクの上部から安定して給湯することができる。
【0013】
温度成層型の貯湯タンクの場合、熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクの下部に温水を導く第3温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第3温水復路のいずれかに切換える第2切換手段を備えることが好ましい。
熱交換器で暖房機用の熱媒体へ熱を与えた温水の温度が貯湯タンクの下部の温水温度と同等の場合には、第3温水復路によって貯湯タンクの下部へ戻すことによっても、貯湯タンクの温度成層を安定して維持することができる。
【0014】
発明者らは、上記したバイパス流路には上記の効果の他に次の効果を得られる場合もあることを発見した。暖房機がフル運転から停止される場合など、暖房機の熱負荷が急減する場合がある。暖房機の熱負荷が急減した場合、熱源機による温水の加熱も不要となるため加熱を停止する(給湯には加熱が必要ない場合)。しかし熱源機の残熱により温水復路を流れる温水はしばらく加熱され続ける。暖房機は熱の供給を必要としていないため、熱源機の残熱により加熱された温水が温水復路を通過して熱交換器へ送られても熱交換器を不要に加熱するだけである。この場合、熱源機の残熱は無駄となる。そこで、暖房機の熱負荷が急減した場合にバイパス流路への流量を増やすことによって、熱源機の残熱を貯湯タンクへ回収することができる。熱効率を向上させることができる。
【0015】
暖房機の熱負荷が急減した場合は、熱源機を通過した温水の温度及び/又は経時的温度上昇率が所定値以上となることをもって判断できる。流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度が所定温度未満のときよりも所定温度以上のときの方が多くなるように前記割合を調整すればよい。或いは、流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度の経時的上昇率が所定値未満のときよりも所定値以上のときの方が多くなるように前記割合を調整すればよい。そうすることで、暖房機の熱負荷が急減したときに熱源機の残熱を貯湯タンクへ回収することができる。ここで、「所定温度以上」と「所定温度未満」における「以上」と「未満」との表現は、所定温度を境として温度域を2分する際に、数学的に矛盾しないように便宜上用いるものであって、「所定温度」が高温側の温度域に属すること自体は本発明にとって重要ではない。即ち、「所定温度以上」と「所定温度未満」との表現を、「所定温度より高い」と「所定温度以下」と変更した発明も、請求項に記載された発明の技術的範囲に属することをここに明言する。本明細書において、「以上」と「未満」、及び「より大きい」と「以下」との領域の分割は全て同様である。
なお、暖房機の熱負荷が急減したときに熱源機への温水の供給を停止すると、熱源機の残熱により熱源機内に滞留する温水が沸騰温度に達する虞もある。熱源機に温水を滞留させることなく、バイパス流路によって熱源機を通過した温水を貯湯タンクへ戻すことによって、熱源機内の温水の温度が異常に高温となることを防止する効果も期待できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用する貯湯ユニットにおいて、コスト増を抑制しながら、暖房機の熱負荷が高い場合であっても要求される温度の温水を給湯し続ける貯湯ユニットを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1)温水往路は貯湯タンクの中間部に接続されている。
(形態2)暖房用の熱媒体は水である。
(形態3)暖房機は風呂の追焚きユニットである。
(形態4)熱媒体は、エアコン、床暖房、或いは風呂の追焚きユニットなど複数の暖房装置へ送られる。
(形態5)貯湯タンクの温水と暖房用の熱媒体の間で熱交換する熱交換器を通過した温水の温度を検出する温度センサを備えており、第1切換手段と第2切換手段は、温度センサが検出する温度が第1所定より高い場合に熱交換器を通過した温水の流路を温水復路に切換え、温度センサが検出する温度が第1所定温度より低く第2所定温度より高い場合に熱交換器を通過した温水の流路を第2温水復路に切換え、温度センサが検出する温度が第2所定温度より低い場合に熱交換器を通過した温水の流路を第3温水復路に切換える。
【実施例】
【0018】
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る貯湯ユニットを組み込んだコージェネレーションシステムである。このコージェネレーションシステムは、図1に示すように、発電ユニット150、貯湯ユニット10、熱負荷装置108を備えている。
【0019】
発電ユニット150は、燃料電池(図示省略)、改質器(図示省略)、熱媒循環流路152、熱回収用熱交換器154を備えている。燃料電池は、改質器で生成される水素ガスを空気中の酸素と反応させて発電を行う。発電に伴って発電熱が発生し、発電熱によって熱媒循環流路152内の熱媒が加熱される。熱媒循環流路152内の熱媒の熱は熱回収用熱交換器154に入力される。熱交換器154は、改質器を加熱した排気ガスが通過する熱交換器と、燃料電池の冷却水が通過する熱交換器で構成されている。
【0020】
貯湯ユニット10は、貯湯部12、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、風呂用熱交換器124、各種流路、コントローラ146等を備えている。
コントローラ146は、制御プログラムを記憶している。コントローラ146には、リモコン148の操作信号と、以下で説明する各種流量センサの検出信号と各種サーミスタの検出信号等が入力される。コントローラ146は、入力された信号を制御プログラムで処理し、以下で説明する各種ポンプ、各種弁、バーナ等を制御する。
【0021】
貯湯部12は、貯湯タンク14、第1タンクサーミスタ16、第2タンクサーミスタ18、第3タンクサーミスタ20、第4タンクサーミスタ22を備えている。各タンクサーミスタ16,18,20,22は縦方向にほぼ均等に配置されており、貯湯タンク14内のそれぞれの位置の温水の温度を検出する。各タンクサーミスタ16,18,20,22の検出信号はコントローラ146に出力される。
貯湯タンク14の底部には、貯湯タンク14に水道水を給水する給水流路24が接続されている。給水流路24には、減圧弁26、給水サーミスタ28、給水量センサ30、給水量サーボ32、混合サーボ34が介装されている。減圧弁26は、給水流路24の上流端近傍に配置されている。減圧弁26は給水圧力を調整するものであり、減圧弁26の下流側圧力が低下すると開き、圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯タンク14内の温水が減少したり、後述する混合サーボ34が開いたりすると、減圧弁26の作用によって水道水が給水される。給水サーミスタ28は、給水される水道水の温度を検出する。給水量センサ30は、給水される水道水の流量を検出する。給水サーミスタ28の検出信号と給水量センサ30の検出信号はコントローラ146に出力される。給水量サーボ32と混合サーボ34は、いずれもステッピングモータを内蔵しており、これが駆動されることによって開度が調整されて流量を変化させる。給水量サーボ32は、給水される水道水の流量を調整する。給水量サーボ32の開度はコントローラ146によって制御される。混合サーボ34は、給水流路24と混合流路36の接続部に配置されている。混合サーボ34については後で詳述する。
給水流路24の混合サーボ34の下流側に排水流路38が接続されている。排水流路38の他端は圧力開放流路42に接続されている。圧力開放流路42はコージェネレーションシステムの外部に開放されている。排水流路38には排水弁40が介装されている。排水弁40の開閉は手動で行う。排水弁40が開かれると、貯湯タンク14内の温水が排水流路38と圧力開放流路42を経て排水される。
【0022】
貯湯タンク14の上部(より具体的には天井部)には、貯湯タンク14内の温水を給湯栓44に給湯する給湯流路46が接続されている。給湯栓44は、浴室、洗面所、台所等にそれぞれ配設されている。給湯流路46には、圧力逃し弁48、給湯量センサ49、温水電磁弁50、高温サーミスタ52、給湯サーミスタ54が介装されている。また、給湯流路46には、先述の混合流路36が接続されている。混合流路36は、温水電磁弁50の下流側であり、かつ高温サーミスタ52と給湯サーミスタ54の間に接続されている。
圧力逃し弁48は圧力開放流路42と接続されている。温水電磁弁50は、給湯が開始されると開かれ、給湯が終了すると閉じられる。給湯が開始されたか否かは、給水量センサ30の検出流量に基づいてコントローラ146によって判断される(後で詳述する)。高温サーミスタ52は、貯湯タンク14から送り出された温水の温度を検出する。給湯サーミスタ54は、給湯流路46からの温水と混合流路36からの水道水との混合水の温度を検出する。高温サーミスタ52と給湯サーミスタ54の検出信号はコントローラ146に出力される。給湯流路46からの温水と混合流路36からの水道水との混合比は、混合サーボ34の開度によって調整される。混合サーボ34の開度を調整することによって給湯温度を調温することができる。混合サーボ34の開度は、給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度に基づいてコントローラ146によって指示される。給湯のために貯湯タンク14から放出される温水の流量は、給湯量センサ49で検出されてコントローラ146に送られる。
【0023】
貯湯タンク14と発電ユニット150は熱回収循環流路56によって接続されている。熱回収循環流路56は熱回収用熱交換器154を通過するように配設されている。熱回収循環流路56は、貯湯タンク14から熱回収用熱交換器154へ向かう流路が熱回収循環往路56aであり、熱回収用熱交換器154から貯湯タンク14へ向かう流路が熱回収循環復路56bである。
熱回収循環往路56aは貯湯タンク14の底部と熱回収用熱交換器154の上流端を接続している。熱回収循環往路56aには熱回収循環ポンプ58と循環往路サーミスタ60が介装されている。熱回収循環ポンプ58は熱回収循環流路56内の温水を循環させる。熱回収循環ポンプ58は、発電運転中や熱回収循環流路56内の温水の凍結防止運転中に駆動される。熱回収循環ポンプ58の駆動はコントローラ146によって制御される。循環往路サーミスタ60は、貯湯タンク14の近傍に配置されて、貯湯タンク14から送り出される温水の温度を検出する。循環往路サーミスタ60の検出信号はコントローラ146に出力される。
熱回収循環復路56bは熱回収用熱交換器154の下流端と貯湯タンク14の上部(よりグ具体的には天井部)を接続している。熱回収循環復路56bには循環復路サーミスタ62と三方弁64が介装されている。循環復路サーミスタ62は三方弁64の上流側に配置されて、熱回収用熱交換器154を通過した後の温水の温度を検出する。循環復路サーミスタ62の検出信号はコントローラ146に出力される。三方弁64は2つの入口64a,64bと出口64cを有している。熱回収循環復路56bの上流側部分が入口64aに接続されており、熱回収循環復路56bの下流側部分が出口64cに接続されている。三方弁64の入口64bにはバイパス流路66の一端が接続されている。バイパス流路66の他端は熱回収循環往路56aの途中に接続されている。三方弁64の入口64aと出口64cが連通すると、発電ユニット150と貯湯タンク14を経由する循環流路が形成され、三方弁64の入口64aと出口64cが連通すると、発電ユニット150を経由して貯湯タンク14をバイパスする循環流路が形成される。三方弁64の切換えはコントローラ146によって制御される。
【0024】
バーナ部68は、バーナ70、潜熱熱交換器72、顕熱熱交換器74を備えている。バーナ70は、ガスを燃料として燃焼する。潜熱熱交換器72に流れ込む水の温度が低いためにバーナ70の燃焼排ガスに含まれる水蒸気が結露し、水蒸気が結露とするときに放出する潜熱で潜熱熱交換器72に流れ込む水が予備加熱される。潜熱熱交換器72で予備加熱された温水は、顕熱熱交換器74でバーナ70の燃焼熱によって再加熱される。
顕熱熱交換器74で結露した水には窒素酸化物が溶け込んでおり、酸性ドレインが生じる。潜熱熱交換器72には、ドレインを排出又は回収するためのドレイン流路92が接続されている。ドレイン流路92は、圧力開放流路42に接続されている。ドレイン流路92には、中和器94が介装されている。中和器94内には炭酸カルシウムが充填されている。酸性のドレインは、中和器94内を通過する間に、炭酸カルシウムによってpH6から7に中和される。中和器内のドレインが所定の水位を超えると、その水位を超えた分のドレインは圧力開放流路42を介して排出される。
【0025】
貯湯タンク14とバーナ部68はバーナ循環流路76によって接続されている。バーナ循環流路76は、バーナ部68内の潜熱熱交換器72と顕熱熱交換器74を順に通過するように配設されている。バーナ循環流路76は、貯湯タンク14からバーナ部68へ向かう流路がバーナ循環往路76aであり、バーナ部68から貯湯タンク14へ向かう流路がバーナ循環復路76bである。バーナ循環流路76にはバーナ部68をバイパスするバーナ部バイパス流路78が形成されている。バーナ部バイパス流路78の上流端はバーナ循環往路76aに接続されており、バーナ部バイパス流路78の下流端はバーナ循環復路76bに接続されている。バーナ循環復路76bには、後述する暖房機用熱交換器114をバイパスする熱交バイパス流路79が形成されている。熱交バイパス流路79は、暖房機用熱交換器114の上流側でバーナ循環復路76bから分岐し、下流側でバーナ循環復路76bと合流している。
バーナ循環往路76aは貯湯タンク14の中間部(第1タンクサーミスタ16と第2タンクサーミスタ18との中間)と潜熱熱交換器72の上流端を接続している。バーナ循環往路76aには、バーナ循環往路サーミスタ81、バーナ循環ポンプ80、バーナ循環流量センサ82、バーナ循環流量サーボ84、バーナバイパスサーボ86が介装されている。バーナ循環往路サーミスタ81は、バーナ循環往路76aを通過する温水の温度を検出する。バーナ循環ポンプ80はバーナ循環流路76内の温水を循環させる。バーナ循環ポンプ80の駆動はコントローラ146によって制御される。バーナ循環流量センサ82は、バーナ循環流路76内の温水の流量を検出する。バーナ循環流量センサ82の検出信号はコントローラ146に出力される。バーナ循環流量サーボ84とバーナバイパスサーボ86は、いずれもステッピングモータを内蔵しており、これが駆動されることによって開度が調整されて流量を変化させる。バーナ循環流量サーボ84は、バーナ循環流路76内の温水の流量を調整する。バーナ循環流量サーボ84の開度はコントローラ146によって制御される。バーナバイパスサーボ86は、バーナ循環往路76aとバーナ部バイパス流路78の上流端との接続部に配置されており、バーナ循環流路76内の温水のうち、バーナ部68側へ流れる温水の流量とバーナ部バイパス流路78側へ流れる温水の流量の割合を調整する。バーナバイパスサーボ86の開度を調整することによって、バーナ循環復路76bとバーナ部バイパス流路78の下流端との接続部の下流側の温水温度を調温することができる。バーナバイパスサーボ86の開度はコントローラ146によって制御される。
バーナ循環復路76bは顕熱熱交換器74の下流端と貯湯タンク14の天井部を接続している。バーナ循環復路76bは暖房機用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房機用熱交換器114にはバーナ循環復路76b内の温水の熱が入力される。バーナ循環復路76bにはバーナ出口サーミスタ88と熱交換器出口サーミスタ90が介装されている。バーナ出口サーミスタ88は、バーナ循環復路76bとバーナ部バイパス流路78の下流端との接続部よりも下流側に配置されて、バーナ部68及び/又はバーナ部バイパス流路78を通過した後の温水の温度を検出する。熱交換器出口サーミスタ90は、暖房機用熱交換器114の下流側に配置されて、暖房機用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。バーナ出口サーミスタ88の検出信号と熱交換器出口サーミスタ90の検出信号はコントローラ146に出力される。バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90の下流側には、第1制御弁160が設けられている。第1制御弁160の開閉は、コントローラ146によって制御される。
【0026】
バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90と第1制御弁160の間に、第2バーナ循環復路166の一端が接続している。第2バーナ循環復路166の他端は、バーナ循環往路76aの貯湯タンク14とバーナ循環ポンプ80の間に接続している。第2バーナ循環復路166には第2制御弁162が設けられている。第2制御弁162の開閉は、コントローラ146によって制御される。
【0027】
バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90と第1制御弁160の間に、第3バーナ循環復路168の一端が接続している。第3バーナ循環復路168の他端は、貯湯タンク14の下部に接続している。第3バーナ循環復路168には第3制御弁164が設けられている。第3制御弁164の開閉は、コントローラ146によって制御される。
【0028】
第1制御弁160、第2制御弁162および第3制御弁164は、何れか1つが開かれ、他の2つは閉じられるように、コントローラ146によって制御される。第1制御弁160が開かれ、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bを経由して貯湯タンク14の上部に流入する。第2制御弁162が開かれ、第1制御弁160と第3制御弁164が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bから第2バーナ循環復路166を経由してバーナ循環往路76aに流入する。第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bから第3バーナ循環復路166を経由して貯湯タンク14の下部に流入する。
【0029】
熱交バイパス流路79には、バイパス流路弁87が設けられている。バイパス流路弁87の開閉は、コントローラ146によって制御される。バイパス流路弁87が閉じると、バーナ部68を通過した温水は全て暖房機用熱交換器114を通過することになる。バイパス流路弁87が開くと、バーナ部68を通過した温水の一部は暖房機用熱交換器114を通過し、残りは熱交バイパス流路79を通過することになる。即ち、バイパス流路弁87を開閉することによって、バーナ部68を通過した温水について、暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量と熱交バイパス流路79を通過する温水の流量の割合を調整することができる。なお、その割合は、バーナ循環復路76bと熱交バイパス流路79の合流点と分岐点の間における、バーナ循環復路76bの流路抵抗と熱交バイパス流路79の流路抵抗により定まる。
【0030】
給湯流路46からは、シスターン給水流路102が分岐している。シスターン給水流路102には、負圧弁104、シスターン給水弁106が介装されている。負圧弁104は、断水時等で給水流路24が負圧になったときに開かれ、大気を吸引して貯湯タンク14の負圧による破損を防止する。シスターン給水弁106は、シスターン100に貯湯タンク14からの温水を給水するときに開かれる。シスターン100内の温水は図示しない水位センサによって水位が監視されている。シスターン100内の温水の水位が、所定の水位範囲内であるときにはシスターン給水弁106は閉じられており、所定の水位範囲を逸脱したことが判別されるとシスターン給水弁106が開かれる。シスターン給水弁106の開閉はコントローラ146によって制御される。シスターン100にはオーバーフロー流路98が接続している。オーバーフロー流路98の他端は、中和器94の下流側でドレイン流路92に接続している。シスターン100内の温水が所定の水位を超える場合に、その所定の水位を超える分の温水は、オーバーフロー流路98と圧力開放流路42を介して排出される。
【0031】
本実施例では、熱負荷装置108として暖房装置、風呂装置、給湯装置を有している。暖房装置の端末機としては、エアコンと床暖房機を有している。図1中では、エアコンと床暖房機を暖房端末機110として示している。シスターン100と暖房端末機110は暖房循環流路112によって接続されている。暖房循環流路112は、シスターン100から暖房端末機110へ向かう流路が暖房循環往路112aであり、暖房端末機110からシスターン100へ向かう流路が暖房循環復路112bである。暖房循環往路112aは暖房機用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房循環往路112aには、暖房循環ポンプ116、暖房循環サーミスタ118が介装されている。暖房循環ポンプ116は、暖房循環流路112内の温水を循環させる。即ち、本実施例では、暖房用の熱媒体として温水を用いる。暖房循環ポンプ116は、暖房端末機110のスイッチの操作に伴って駆動される。暖房循環ポンプ116の駆動はコントローラ146によって制御される。暖房循環サーミスタ118は、暖房機用熱交換器114の下流側に配置されて、暖房機用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。暖房循環サーミスタ118の検出信号はコントローラ146に出力される。暖房端末機110内の暖房循環流路112には暖房熱動弁120が介装されている。暖房熱動弁120は、暖房端末機のスイッチの操作に伴って開閉する。暖房熱動弁120の開閉はコントローラ146によって制御される。
【0032】
暖房循環往路112aの暖房機用熱交換器114の下流側であり、かつ暖房循環サーミスタ118の下流側からは、追焚き流路122が分岐している。追焚き流路122の下流端は暖房循環復路112bのシスターン100近傍に接続されている。追焚き流路122は風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。暖房循環往路112a内の温水の熱は、風呂用熱交換器124に入力される。追焚き流路122には、追焚き熱動弁126が介装されている。追焚き熱動弁126は、風呂の追焚きスイッチの操作に伴って開閉する。追焚き熱動弁126の開閉はコントローラ146によって制御される。
【0033】
風呂の浴槽128には風呂循環流路130が接続されている。風呂循環流路130は、風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。風呂循環流路130は、浴槽128から風呂用熱交換器124へ向かう流路が風呂循環往路130aであり、風呂用熱交換器124から浴槽128へ向かう流路が風呂循環復路130bである。風呂循環往路130aには、風呂水位センサ132、風呂循環ポンプ134、風呂水流スイッチ136、風呂循環サーミスタ138が介装されている。風呂水位センサ132は、風呂循環流路130内の温水の水圧を検出する。風呂水位センサ132の検出信号はコントローラ146に出力される。風呂水位センサ132によって検出される水圧は、浴槽128内の温水の水位を推定するために利用される。風呂循環ポンプ134は、風呂循環流路130内の温水を循環させる。風呂循環ポンプ134は、リモコン148のスイッチの操作に伴って駆動される。風呂循環ポンプ134の駆動はコントローラ146によって制御される。風呂水流スイッチ136は、風呂循環流路130内を温水が流れるとオンとなる。風呂水流スイッチ136のオンオフ信号はコントローラ146に出力される。風呂循環サーミスタ138は、風呂用熱交換器124の上流側に配置されて、風呂用熱交換器124に入水する温水の温度を検出する。風呂循環サーミスタ138の検出信号はコントローラ146に出力される。
【0034】
給湯流路46と風呂循環流路130は、湯張り流路140によって接続されている。湯張り流路140の上流端は給湯流路46の給湯サーミスタ54の下流側に接続されており、湯張り流路140の下流端は風呂循環流路130の風呂循環往路130aの風呂循環ポンプ134と風呂水流スイッチ136との間に接続されている。湯張り流路140には、湯張り量センサ142、注湯電磁弁144が介装されている。湯張り量センサ142は、湯張り流路140を通過する温水の流量を検出する。湯張り量センサ142の検出信号はコントローラ146に出力される。注湯電磁弁144は、リモコン148のスイッチの操作や浴槽128内の温水の水位によって開閉する。注湯電磁弁144の開閉はコントローラ146によって制御される。
【0035】
次に、貯湯ユニット10で行われる蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、風呂湯張り運転、風呂追焚き運転についてそれぞれ説明する。
【0036】
(蓄熱運転)
蓄熱運転については、従来のコージェネレーションシステムと同様に行われるため、詳細な説明を避け、概略の説明に留める。発電ユニット150において発電運転が行われると、熱媒循環流路152内の熱媒が循環し、熱回収用熱交換器154に発電熱が入力される。貯湯ユニット10では、熱回収循環ポンプ58が駆動され、貯湯タンク14内の温水が、貯湯タンク14の底部から熱回収循環往路56aへ吸い出される。熱回収循環往路56a内の温水は、熱回収用熱交換器154へ流入して加熱される。加熱された温水は熱回収循環復路56bを経て貯湯タンク14の天井部へ戻される。これによって、発電ユニット150において発電に伴って発生する発電熱が貯湯タンク14内へ回収されて蓄熱される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。
【0037】
貯湯タンク14内への蓄熱が完了し、満蓄状態となると、シスターン給水弁106が開かれる。これによって、貯湯タンク14の上部に貯められていた高温水がシスターン給水流路102を経てシスターン100内へ供給される。シスターン100内の温水は、後述する暖房運転や風呂の追焚き運転を行うときに利用する。
【0038】
(給湯運転)
給湯運転について、図2−図4を用いて説明する。図2は給湯運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。給湯運転では、図2中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、後述するように、熱交バイパス流路79には温水が流れるときもあれば流れないときもある。図3、図4は給湯運転のフローチャートである。
【0039】
図3のステップS10では、給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上であるか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上となると(ステップS10でYESとなると)、給湯栓44が開かれて給湯要求があったとみなされる。ステップS12に進み、温水電磁弁50が開かれる。これによって、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯流路46に送り出される。
【0040】
ステップS14に進み、第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であるか否かが判別される。第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であれば(ステップS14でYESであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく給湯に利用することが可能とみなされる。このような場合、ステップS16に進み、非燃焼給湯運転が行われる。非燃焼給湯運転では、バーナ70を燃焼させず、バーナ循環ポンプ80も駆動されない。ステップS16では、バーナ70が燃焼していれば消火し、バーナ循環ポンプ80が駆動していれば停止する。
【0041】
第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃未満であれば(ステップS14でNOであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく給湯に利用することが不可能とみなされる。このような場合、ステップS18に進み、燃焼給湯運転が行われる。燃焼給湯運転では、バーナ70を燃焼させ、バーナ循環ポンプ80を駆動させる。まず、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するために第1制御弁160を開く(ステップS18)。なお、ステップS18では、第1制御弁160を開くと同時に、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。次に、バーナ循環ポンプ80を駆動する(ステップS19)。こうして温水がバーナ部68を流れる状態にした上で、バーナ70を点火する(ステップS20)。ステップS20の処理は、より具体的には、バーナ循環流量センサ82によって検出される流量が、2.7(リットル/分)以上となったらバーナ70を点火する。この処理は、顕熱熱交換器74内の温水の局所的な沸騰を防止するためである。
ステップS18〜S20の処理によって、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出されて加熱される。ステップS22では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。バーナ部68に送り出された温水は65℃に加熱され、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
【0042】
燃焼給湯運転中には、バーナ部68を通過した温水の一部を熱交バイパス流路79へ導くか否かのバイパス流路制御が行なわれる(ステップS23)。このバイパス流路制御は、給湯運転と後述する暖房運転や風呂追焚き運転が同時に行なわれたときに、要求される温度の温水を安定して供給するために行なわれる。暖房運転や風呂追焚き運転が行なわれると、暖房機用熱交換器114を介してバーナ部68を通過した温水から暖房用の熱媒体へ伝熱される。その結果、暖房機用熱交換器114を通過した温水によって貯湯タンク14へ加えられる熱量が減少する。一方、給湯によって貯湯タンク14から熱量が放出される。バーナ循環流路76を通る温水がもたらす貯湯タンク14への入熱量より、給湯によって貯湯タンク14から奪われる出熱量の方が多いと、貯湯タンク14内の温水の温度が徐々に低下する。そのような状態が続くと、要求されている温度の温水を給湯し続けることができなくなる。そこで、給湯運転と暖房運転及び/又は風呂追焚き運転が行なわれている場合に、安定した給湯し続けることができるように、前記した入熱量が常に出熱量を上回るように制御する。
バイパス流路制御のフローチャートを図4に示す。まず、ステップS200で、暖房機用熱交換器114を通る温水がもたらす貯湯タンク14への入熱量と、給湯によって貯湯タンク14から奪われる出熱量を計算する。入熱量(単位時間当りの入熱量)は、{[熱交換器出口サーミスタ90の検出温度]−[バーナ循環往路サーミスタ81の検出温度]}×[バーナ循環流量センサ82の検出流量]で求まる。ここで、{[熱交換器出口サーミスタ90の検出温度]−[バーナ循環往路サーミスタ81の検出温度]}は、単位流量当たりの温水が、バーナから得た熱量から暖房機用熱交換器114で放出した熱量を差し引いた熱量を表す。また、この入熱量は、バーナ部68を通過した全ての温水が暖房機用熱交換器114を通過すると仮定した場合の熱量を表す。
一方、出熱量(単位時間当たりの出熱量)は、{[高温サーミスタ52の検出温度]−[給水サーミスタ28の検出温度]}×[給湯量センサ49の検出流量]で求まる。ここで、{[高温サーミスタ52の検出温度]−[給水サーミスタ28の検出温度]}は、給水と給湯によって貯湯タンク14から放出される単位流量当たりの熱量を表す。
ステップS202では、計算された入熱量と出熱量を比較する。入熱量が出熱量以上の場合には(ステップS202:YES)、バイパス流路弁87が閉じられる(ステップS204)。一方、入熱量が出熱量より小さい場合には(ステップS202:NO)、バイパス流路弁87が開かれる(ステップS206)。バイパス流路87が開かれると、バーナ部68で加熱された温水の一部は熱交バイパス流路79を通過することによって、暖房機用熱交換器114を通過することなく貯湯タンク14に戻る。そうすることで、暖房機用熱交換器114で熱を消費しない高温の温水を貯湯タンク14へ戻すことができる。貯湯タンク14への入熱量を増加させることができる。その結果、給湯による貯湯タンク14の蓄熱量の減少を防止できるので、要求される温度の温水を長時間安定して供給することができる。一方、ステップS202の判断がYESの場合は、バーナ部68で加熱された温水の全てが暖房機用熱交換器114を通過しても貯湯タンク14の蓄熱量は低下しないことを意味する。その場合には、バイパス流路弁87を閉じてバーナ部68で加熱された温水の全てを暖房機用熱交換器114へ導く。
【0043】
バーナ部68の加熱能力が十分に高ければ、暖房用熱交換器114を通過後の温水温度を常に給湯に適する程度に高温に維持することができる。しかし、加熱能力の高いバーナ部68を備えることは、貯湯ユニット10のコスト増となる。可能な限り加熱能力の低いバーナ部68で暖房と給湯が同時に行われるときにも対処できる方が良い。ここで、暖房に比べて給湯の要求は一時的であることが多い。従って、給湯が要求された場合に、バーナ部68が温水に与えることのできる熱量を一時的に優先的に貯湯タンク14へ割り当てられれば良い。
本実施例では、ステップS206でバイパス流路弁87が開かれると、熱交バイパス流路を温水が流れるようになる一方、暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量が減少する。即ち、バーナ部68がその能力の上限で運転されている状態でも、熱交バイパス流路を流れる温水の流路と暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量の割合を変化させることができる。暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量が減少する分だけ暖房用の熱媒体へ供給できる熱量が減少するが、その分の熱量は貯湯タンク14へ送られる。本実施例では、熱交バイパス流路を流れる温水の流路と暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量の割合を変化させることによって、バーナ部が温水に与える総熱量の給湯と暖房への配分比を変化させる。これによって、加熱能力の低いバーナ部であっても、給湯と暖房が同時に行われても安定した給湯を実現することが可能となる。
【0044】
ステップS24では、給湯サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように、混合サーボ34の開度が調整される。これによって、貯湯タンク14の上部から給湯流路46に送り出された温水が、給湯設定温度に調温されて、給湯栓44に供給される。
ステップS26では、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下であるか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/minを超えていれば(ステップS26でNOであれば)、まだ給湯栓44は開かれており、給湯中であるとみなされてステップS14へ戻る。貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃以上であれば非燃焼給湯運転が行われ、貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃未満であれば燃焼給湯運転が行われることとなる。燃焼給湯運転が行われることによって、バーナ70によって65℃に加熱された温水が、貯湯タンク14の第1タンクサーミスタ16より上部に貯められる。これによって、貯湯タンク14の上部は65℃の温水が貯められたバッファタンクとなる。バッファタンク化した貯湯タンク14の上部から65℃の温水が給湯流路46に送り出され、給湯設定温度に調温されて給湯される。給湯温度の調温は、混合サーボ34の開度を調整することによってなされる。給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度から、給湯サーミスタ28の検出温度が給湯設定温度となるように混合サーボ34の開度が調整される。
ステップS26で、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下となれば(YESとなれば)、給湯栓44が閉じられたとみなされる。ステップS28へ進み、温水電磁弁50が閉じられて給湯運転が終了される。
【0045】
(暖房運転)
暖房運転について、図5から図10を用いて説明する。図5から図7は暖房運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。暖房運転では、温水の流路の切換えに応じて、図5から図7中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、暖房運転と前述した給湯運転が同時に行われる場合は、図5から図7に示す太線とともに図2に示した太線で示す流路内を水又は温水が流れる。図8から図10は暖房運転のフローチャートである。
【0046】
図8のステップS40では、暖房装置のリモコンのスイッチが操作されて、暖房のオン信号が出力されたか否かが判別される。暖房のオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS40でYESとなると)、暖房端末機110の運転要求があったとみなされる。以下では、起動した暖房装置が低温端末機である床暖房機である場合について説明する。まず、ステップS41で、第1制御弁160を開く。この処理は、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するためであり、後述するように、温水の流路は各所に設けられたサーミスタの検出値によって適宜切り替えられる。
次にステップS42に進み、バーナ循環ポンプ80が駆動される。これによって、バーナ部68に温水が送り出される。また、暖房端末機110の暖房熱動弁120が開かれ、暖房循環ポンプ116が駆動される。これによって、シスターン100内の温水が、暖房機用熱交換器114を通過して、暖房端末機110に送り出される。
【0047】
ステップS44では、第2タンクサーミスタ18の検出温度が62℃以上であるか否かが判別される。第2タンクサーミスタ18の検出温度が62℃以上であれば(ステップS44でYESであれば)、貯湯タンク14の中間部より上方の蓄熱のみで暖房運転が可能とみなされる。このような場合、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14の上部に戻す必要はなく、その温水を貯湯タンク14の下部に戻すか、貯湯タンク14をバイパスしてバーナ循環往路76aへ流入させるかを、ステップS46以降で選択する。ステップS46では、第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上であるか否かが判別される。第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上の場合(ステップS46でYESの場合)、貯湯タンク14が満蓄状態であって、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収は行われていないから、貯湯タンク14の下部の温水が高温となっても問題はない。従って、このような場合、ステップS48へ進み、バーナ循環復路76bからの温水を貯湯タンク14の下部へ流入させる。ステップS48では、この時点でバーナ70が燃焼していれば消火する。ステップS50では、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、図7に示すように、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、暖房端末機110での暖房に利用される。暖房端末機110を通過した温水は、シスターン100へ戻る。
【0048】
図8のステップS46で第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃未満の場合(NOの場合)、貯湯タンク14は満蓄状態ではないから、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収が行われる可能性がある。従って、このような場合には、貯湯タンク14の下部の温水が高温とならないようにする必要がある。ステップS52では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(ステップS52でNOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっているから、ステップS48へ進み、その温水を貯湯タンク14の下部に戻す。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS52でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっていないから、ステップS54へ進み、その温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。ステップS54では、第2制御弁162が開かれ、第1制御弁160と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図6に示すように、温水はバーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、再びバーナ循環往路76aに流入する。
【0049】
ステップS54の処理によって、温水は、バーナ循環往路76a、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、を通過し、再びバーナ循環往路76aに戻って循環を続ける。この状態が続くと循環する温水の温度が低下してくるので、次に図9のステップS62に進み、燃焼暖房運転を行う。以下、図9に示す暖房運転の処理について説明する。
ステップS62では、バーナ70がすでに燃焼しているか否かが判別される。バーナ70が燃焼していない場合(ステップS62でNOの場合)、バーナ70の点火の要否を判断するために、処理はステップS66へ進む。ステップS66では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が48℃を下回るか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が48℃を下回る場合(ステップS66でYESの場合)、暖房端末機110へ送り出される温水の温度が低いため、ステップS68に進み、バーナ70を点火する。ステップS70では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0050】
ステップS66で、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が48℃以上の場合(ステップS66でNOの場合)、バーナ70を燃焼させなくても、暖房端末機110で必要とされる温度の温水が暖房端末機110へ送り出されているため、バーナ70を点火することなく、処理はステップS72へ進む。
【0051】
ステップS62で、バーナ70がすでに燃焼している場合(ステップS62でYESの場合)、バーナ70の消火の要否を判断するために、処理はステップS64へ進む。ステップS64では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が72℃を超えているか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が72℃を超えている場合(ステップS64でYESの場合)、暖房端末機110に送り出される温水が高温となり過ぎているから、ステップS65へ進んで、バーナ70を消火する。
【0052】
ステップS64で、暖房循環サーミスタ118の検出する温度が72℃以下の場合(NOの場合)、バーナ70の燃焼が維持される。この場合、処理はステップS70へ進んで、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0053】
ステップS62〜S70の処理によって、暖房機用熱交換器114から暖房端末機110へ送り出される温水の温度が60℃±12℃の範囲に収まるように、バーナ70の点火と消火が制御される。バーナ70が燃焼していないときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が48℃を下回ると、ステップS68でバーナ70を点火する。バーナ70が燃焼しているときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が72℃を超えると、ステップS65でバーナ70を消火する。これによって、暖房端末機110へ送り出される温水が必要とされる温度まで暖房機用熱交換器114で加熱されるように、バーナ70の点火と消火が制御される。
【0054】
ステップS72では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が60℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が60℃以上の場合(ステップS72でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻しても問題がない程度に高温である。このような場合、ステップS74へ進み、第1制御弁160が開かれ、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図5に示すように、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻される。この場合には、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、必要に応じて加熱されて、暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水(冷却後の温度が60℃以上である点に留意されたい)は、貯湯タンク14の上部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、暖房端末機110での暖房に利用される。暖房端末機110を通過した温水は、シスターン100へ戻る。
【0055】
図9のステップS72で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が60℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部へ戻すには低温であるから、ステップS76へ進む。ステップS76では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS76でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部へ戻すには高温であるから、ステップS80へ進み、第2制御弁162を開いて、第1制御弁160と第3制御弁164を閉じる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14をバイパスして、バーナ循環往路76aへ流入する。
【0056】
ステップS76で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部に戻しても問題がない程度に低温である。このような場合、ステップS78へ進み、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回るか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回る場合(ステップS78でYESの場合)、ステップS82へ進み、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。
【0057】
ステップS78で熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度以上の場合(NOの場合)、貯湯タンク14からバーナ部68に送り出される温水の温度より、暖房機用熱交換器114から送り出される温水の温度の方が高い。このような場合には、ステップS80へ進み、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。これによって、バーナ部68へより高温の温水を供給することができる。暖房運転で必要とされるバーナ70の燃焼量を抑制することができ、熱効率を向上することができる。
【0058】
上記の通り、暖房機用熱交換器114を通過した温水は、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度、即ち、暖房機用熱交換器114の通過後温度に応じて、適切な場所へ戻される。暖房運転とともに前述した給湯運転が同時に行われる場合もある。そのような場合について説明を加える。給湯運転が行なわれている場合には、図8と図9に示すフローチャートの処理と同時に、図3と図4に示したフローチャートの処理も行われる。図4に示したバイパス流路制御によって、給湯により貯湯タンク14から出ていく熱量が多い場合には、バーナ部68で加熱された温水の一部は暖房機用熱交換器114を通らずに直接に貯湯タンク14の上部に戻される。即ち、暖房運転と前述した給湯運転が同時に行われている場合には、バーナ部68で加熱された温水の一部は給湯を安定させるために直接に貯湯タンク14の上部へ戻される。その一方で、バーナ部68で加熱された温水の残りは暖房を継続するために暖房機用熱交換器114へ送られ、暖房機用熱交換器114出口での温度に応じて適切な場所へ戻される。ここで、暖房機用熱交換器114の出口での温度が給湯に適する温度より低い場合には(ステップS72:NO)、暖房機用熱交換器114を通過した温水は貯湯タンク14へは戻らない。従って貯湯タンク14の上部へはバーナ部68で加熱された温水の一部が直接戻されるだけである。給湯運転と暖房運転が同時に行われている場合でも貯湯タンク14の上部の温水温度を低下させることなく、給湯を安定して行なうことが可能となる。
ステップS74、ステップS80またはステップS82の後、処理は図8のステップS56へ移行する。
一方、図8のステップS44で第2タンクサーミスタ18の検出温度が62℃未満であれば(NOであれば)、貯湯タンク14の上部の蓄熱のみでは暖房運転を行えないと判断される。このような場合にも、図9のステップS62に進み、燃焼暖房運転を行う。図9に示す処理については前述した通りである。
【0059】
ステップS56では、暖房装置のリモコンのスイッチが操作されて、暖房のオフ信号が出力されたか否かが判別される。暖房のオフ信号が出力されるまでは、上記のステップS44以降の処理が繰返される。暖房のオフ信号が出力されると(ステップS56でYESとなると)、暖房端末機110の運転停止要求があったとみなされる。この場合、ステップS58に進み、バーナ70がこの時点で燃焼していれば、バーナ70が消火される。さらにステップS60に進み、暖房熱動弁120が閉じられ、暖房循環ポンプ56が停止されて暖房運転が終了する。
【0060】
暖房運転が終了した後に、ステップS61の残熱回収制御が行なわれる。この制御は、暖房運転が終了した後のバーナ部68の残熱を貯湯タンク14へ回収する処理である。残熱回収制御の処理を図10に示す。ステップS210でバーナ出口サーミスタ88の検出温度、即ち、バーナ部68を通過した後の温水の温度が70℃以上であるか否かを判断する。バーナ出口サーミスタ88の検出温度が70℃以上の場合には(ステップS210:YES)、バイパス流路弁87を開く(ステップS212)。そうすることで、暖房運転終了後にバーナ部68の残熱によって加熱された温水を、暖房機用熱交換器114を経由することなく直接に貯湯タンク14へ戻すことができる。バーナ部68の残熱を吸収した温水を効率的に貯湯タンク14へ回収することができる。バーナ出口サーミスタ88の検出温度が70℃未満となると(ステップS210:NO)、バーナ部68の残熱回収はほぼ終了するので、次の運転に備えてバイパス流路弁を閉じ(ステップS214)、バーナ循環ポンプ80を停止する(ステップS216)。なお、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が70℃未満となるまで、バーナ循環ポンプ80によってバーナ部68内の温水は循環を続ける。従って、バーナ部68が高温のうちは、バーナ部68内に温水が滞留することがないので、バーナ部内で温水が異常に(例えば沸騰するほどに)高温となることを防止する効果が得られる。
【0061】
なお上記では暖房端末機110において低温端末機である床暖房機が起動した場合について説明したが、高温端末機であるエアコンが起動した場合にも、同様の処理によって暖房運転を行うことができる。この場合、ステップS44、ステップS64、ステップS66、ステップS72、およびステップS210で判断の基準としている温度が、高温端末機に合わせた温度に変更される。またステップS70で制御の基準としている温度が、高温端末機に合わせた温度に変更される。
【0062】
(風呂追焚き運転)
風呂の追焚き運転について、図11から図15を用いて説明する。図11から図13は追焚き運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。追焚き運転では、温水の流路の切換えに応じて、図11から図13中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、風呂の追焚き運転と前述した給湯運転が同時に行われる場合は、図11から図13に示す太線とともに図2に示した太線で示す流路内を水又は温水が流れる。図14と図15は追焚き運転のフローチャートである。
【0063】
図14のステップS90では、リモコン148の風呂の追焚きスイッチが操作されて、追焚きのオン信号が出力されたか否かが判別される。追焚きのオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS90でYESとなると)、追焚き要求があったとみなされる。その場合には、まずステップS91で、第1制御弁160を開く。この処理は、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するためであり、後述するように、温水の流路は各所に設けられたサーミスタの検出値によって適宜切り替えられる。
次にステップS92に進み、バーナ循環ポンプ80が駆動される。これによって、バーナ部68に温水が送り出される。また、追焚き熱動弁126が開かれ、暖房循環ポンプ116が駆動される。これによって、シスターン100内の温水が、暖房機用熱交換器114を通過して、風呂用熱交換器124に送り出される。さらに、風呂循環ポンプ134が駆動される。これによって、浴槽128内の温水が、風呂循環往路130aに送り出され、風呂用熱交換器124を通過して、浴槽128へ戻る。
【0064】
ステップS94では、第2タンクサーミスタ18の検出温度が82℃以上であるか否かが判別される。第2タンクサーミスタ18の検出温度が82℃以上であれば(ステップS94でYESであれば)、貯湯タンク14の中間部より上方の蓄熱のみで追焚き運転が可能とみなされる。このような場合、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14の上部に戻す必要はなく、その温水を貯湯タンク14の下部に戻すか、貯湯タンク14をバイパスしてバーナ循環往路76aへ流入させるかを、ステップS96以降で選択する。ステップS96では、第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上であるか否かが判別される。第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上の場合(ステップS96でYESの場合)、貯湯タンク14が満蓄状態であって、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収は行われていないから、貯湯タンク14の下部の温水が高温となっても問題はない。従って、このような場合、ステップS98へ進み、バーナ循環復路76bからの温水を貯湯タンク14の下部へ流入させる。ステップS98では、この時点でバーナ70が燃焼していれば消火する。ステップS100では、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、図13に示すように、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、風呂用熱交換器124に送り出される。風呂用熱交換器124での熱交換によって冷却された温水は、シスターン100に戻される。さらに、浴槽128から送り出された温水は、風呂用熱交換器124での熱交換によって加熱されて、浴槽128へ戻る。
【0065】
図14のステップS96で第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃未満の場合(NOの場合)、貯湯タンク14は満蓄状態ではないから、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収が行われる可能性がある。従って、このような場合には、貯湯タンク14の下部の温水が高温とならないようにする必要がある。ステップS102では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(ステップS102でNOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっているから、ステップS98へ進み、その温水を貯湯タンク14の下部に戻す。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS102でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっていないから、ステップS104へ進み、その温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。ステップS104では、第2制御弁162が開かれ、第1制御弁160と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図12に示すように、温水はバーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、再びバーナ循環往路76aに流入する。
【0066】
ステップS104の処理によって、温水は、バーナ循環往路76a、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、を通過し、再びバーナ循環往路76aに戻って循環を続ける。この状態が続くと循環する温水の温度が低下してくるので、次に図15のステップS112に進み、燃焼追焚き運転を行う。以下、図15に示す燃焼追焚き運転の処理について説明する。
ステップS112では、バーナ70がすでに燃焼しているか否かが判別される。バーナ70が燃焼していない場合(ステップS112でNOの場合)、バーナ70の点火の要否を判断するために、処理はステップS118へ進む。ステップS118では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が68℃を下回るか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が68℃を下回る場合(ステップS118でYESの場合)、浴槽128の温水を加熱するために風呂用熱交換器124へ送り出される温水の温度が低いため、ステップS120に進み、バーナ70を点火する。ステップS122では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が85℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0067】
ステップS118で、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が68℃以上の場合(ステップS118でNOの場合)、バーナ70を燃焼させなくても、浴槽128の温水を加熱するうえで十分に高温な温水が風呂用熱交換器124に送り出されているため、バーナ70を点火することなく、処理はステップS124へ進む。
【0068】
ステップS112で、バーナ70がすでに燃焼している場合(ステップS112でYESの場合)、バーナ70の消火の要否を判断するために、処理はステップS114へ進む。ステップS114では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が87℃を超えているか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が87℃を超えている場合(ステップS114でYESの場合)、風呂用熱交換器124に送り出される温水が高温となり過ぎているから、ステップS116へ進んで、バーナ70を消火する。
【0069】
ステップS114で、暖房循環サーミスタ118の検出する温度が87℃以下の場合(NOの場合)、バーナ70の燃焼が維持される。この場合、処理はステップS122へ進んで、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が85℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0070】
ステップS112〜S122の処理によって、暖房機用熱交換器114から風呂用熱交換器124へ送り出される温水の温度が80℃−12℃=68℃から80℃+7℃=87℃の範囲に収まるように、バーナ70の点火と消火が制御される。バーナ70が燃焼していないときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が68℃を下回ると、ステップS120でバーナ70を点火する。バーナ70が燃焼しているときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が87℃を超えると、ステップS116でバーナ70を消火する。これによって、風呂用熱交換器124へ送り出される温水が必要とされる温度まで暖房機用熱交換器114で加熱されるように、バーナ70の点火と消火が制御される。
【0071】
ステップS124では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が80℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が80℃以上の場合(ステップS124でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻しても問題がない程度に高温である。このような場合、ステップS126へ進み、第1制御弁160が開かれ、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図11に示すように、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻される。この場合には、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、必要に応じて加熱されて、暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水(冷却後の温度が80℃以上である点に留意されたい)は、貯湯タンク14の上部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、風呂用熱交換器124に送り出される。風呂用熱交換器124での熱交換によって冷却された温水は、シスターン100に戻される。さらに、浴槽128から送り出された温水は、風呂用熱交換器124での熱交換によって加熱されて、浴槽128へ戻る。
【0072】
図15のステップS124で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が80℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部へ戻すには低温であるから、ステップS128へ進む。ステップS128では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS128でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部へ戻すには高温であるから、ステップS130へ進み、第2制御弁162を開いて、第1制御弁160と第3制御弁164を閉じる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14をバイパスして、バーナ循環往路76aへ流入する。
【0073】
ステップS128で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部に戻しても問題がない程度に低温である。このような場合、ステップS132へ進み、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回るか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回る場合(ステップS132でYESの場合)、ステップS134へ進み、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。
【0074】
ステップS132で熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度以上の場合(NOの場合)、貯湯タンク14からバーナ部68に送り出される温水の温度より、暖房機用熱交換器114から送り出される温水の温度の方が高い。このような場合には、ステップS130へ進み、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。これによって、バーナ部68へより高温の温水を供給することができる。追焚き運転で必要とされるバーナ70の燃焼量を抑制することができ、熱効率を向上することができる。
ステップS126、ステップS130またはステップS134の後、処理は図14のステップS106へ移行する。
一方、図14のステップS94で第2タンクサーミスタ18の検出温度が82℃未満であれば(NOであれば)、貯湯タンク14の上部の蓄熱のみでは追焚き運転を行えないと判断される。このような場合にも、図15のステップS112に進み、燃焼追焚き運転を行う。図15に示す処理については前述した通りである。
【0075】
風呂の追焚き運転とともに前述した給湯運転が行なわれる場合もある。そのような場合でも、暖房運転と給湯運転が同時に行われている場合と同様に、暖房機用熱交換器114を通過せずに高温のままの温水が貯湯タンク14の上部に戻される一方、暖房機用熱交換器114を通過して温度が低下した温水が貯湯タンク14の上部に戻ることはない。給湯運転と風呂の追焚き運転が同時に行われている場合でも貯湯タンク14の上部の温水温度を低下させることなく、給湯を安定して行なうことが可能となる。
【0076】
図14に戻り説明を続ける。
ステップS106では、風呂循環サーミスタ138の検出温度が追焚き設定温度となったか否かが判別される。風呂循環サーミスタ138の検出温度が追焚き設定温度となるまでは、上記のステップS94以降の処理が繰り返される。風呂循環サーミスタ138の検出温度が追焚き設定温度となると(ステップS106でYESとなると)、浴槽128内の温水の温度が追焚き設定温度となったとみなされる。この場合、ステップS108に進み、バーナ70がこの時点で燃焼していれば、バーナ70が消火される。さらにステップS110に進み、追焚き熱動弁126が閉じられ、暖房循環ポンプ56が停止され、風呂循環ポンプ134が停止されて、風呂の追焚き運転が終了する。
【0077】
暖房運転が終了した後に、ステップS61の残熱回収制御が行なわれる。ステップS61の処理は、暖房運転の場合と同様に図4に示す処理が行われるので説明を省略する。
【0078】
(風呂湯張り運転)
風呂の湯張り運転について、図16、図17を用いて説明する。図16は湯張り運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。湯張り運転では、図16中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、給湯運転のときと同様に、熱交バイパス流路79には温水が流れるときもあれば流れないときもある。図17は湯張り運転のフローチャートである。
【0079】
図17のステップS140では、リモコン148の風呂の湯張りスイッチが操作されて、湯張りのオン信号が出力されたか否かが判別される。湯張りのオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS140でYESとなると)、湯張り要求があったとみなされる。ステップS142に進み、注湯電磁弁144が開かれるとともに、温水電磁弁50が開かれる。これによって、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯流路46に送り出され、湯張り流路140、風呂循環流路130を経て、浴槽128内に供給される。ステップS144では、湯張り量センサ142の検出流量の積算が開始される。
【0080】
ステップS146に進み、第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であるか否かが判別される。第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であれば(ステップS146でYESであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく湯張りに利用することが可能とみなされる。このような場合、ステップS148に進み、非燃焼湯張り運転が行われる。非燃焼湯張り運転では、バーナ70を燃焼させず、バーナ循環ポンプ80も駆動されない。ステップS148では、バーナ70が燃焼していれば消火し、バーナ循環ポンプ80が駆動していれば停止する。
【0081】
第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃未満であれば(ステップS146でNOであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく湯張りに利用することが不可能とみなされる。このような場合、ステップS150に進み、燃焼湯張り運転が行われる。燃焼湯張り運転では、バーナ70が点火され、バーナ循環ポンプ80が駆動される。まず、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するために第1制御弁160を開く(ステップS150)。なお、ステップS150では、第1制御弁160を開くと同時に、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。次に、バーナ循環ポンプ80を駆動する(ステップS151)。こうして温水がバーナ部68を流れる状態にした上で、バーナ70を点火する(ステップS152)。ステップS152の処理は、より具体的には、バーナ循環流量センサ82によって検出される流量が、2.7(リットル/分)以上となったらバーナ70を点火する。この処理は、顕熱熱交換器74内の温水の局所的な沸騰を防止するためである。
ステップS150〜S152の処理によって、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出されて加熱される。ステップS154では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。バーナ部68に送り出された温水は65℃に加熱され、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
【0082】
燃焼給湯運転中には、バーナ部68を通過した温水の一部を熱交バイパス流路79へ導くか否かのバイパス流路制御が行なわれる(ステップS23)。このバイパス流路制御は、風呂湯張り運転と前述した暖房運転や風呂追焚き運転が同時に行なわれたときに、要求される温度の温水を安定して風呂へ供給するために行なわれる。バイパス流路制御は、図4と同じであるので説明を省略する。
【0083】
ステップS156では、給湯サーミスタ54の検出温度が湯張り設定温度となるように、混合サーボ34の開度が調整される。これによって、貯湯タンク14の上部から給湯流路46に送り出された温水が、湯張り設定温度に調温されて、浴槽128に供給される。
ステップS158では、湯張り量センサ142の積算流量が湯張り設定水量であるか否かが判別される。湯張り量センサ142の積算流量が湯張り設定水量に満たなければ(ステップS158でNOであれば)、ステップS146へ戻る。貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃以上であれば非燃焼湯張り運転が行われ、貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃未満であれば燃焼湯張り運転が行われることとなる。燃焼湯張り運転が行われることによって、バーナ70によって65℃に加熱された温水が、貯湯タンク14の第1タンクサーミスタ16より上部に貯められる。これによって、貯湯タンク14の上部は60℃以上の温水が貯められたバッファタンクとなる。バッファタンク化した貯湯タンク14の上部から60℃以上の温水が給湯流路46に送り出され、湯張り設定温度に調温されて給湯される。湯張り温度の調温は、混合サーボ34の開度を調整することによってなされる。給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度から、給湯サーミスタ28の検出温度が湯張り設定温度となるように混合サーボ34の開度が調整される。
ステップS158で、湯張り量センサ142の積算流量が湯張り設定水量となれば(YESとなれば)、湯張りが完了したとみなされる。ステップS160へ進み、注湯電磁弁144が閉じられるとともに、温水電磁弁50が閉じられて湯張り運転が終了される。
【0084】
本実施例の部品と請求項に記載した部品との関係を説明する。バーナ部68が請求項の熱源機の一態様に相当する。バーナ循環往路76aが、請求項の温水往路の一態様に相当する。バーナ循環復路76bが、請求項の温水復路の一態様に相当する。暖房機用熱交換器114が、請求項の熱交換器の一態様に相当する。熱交バイパス流路79が、請求項のバイパス流路の一態様に相当する。バイパス流路弁87が、請求項の流量調整手段の一態様に相当する。第2バーナ循環復路166が、請求項の第2温水復路の一態様に相当する。第3バーナ循環復路168が、請求項の第3温水復路の一態様に相当する。第1制御弁160と第2制御弁162が、請求項の第1切換手段の一態様に相当する。第1制御弁160と第3制御弁164が、請求項の第2切換手段の一態様に相当する。
【0085】
本実施例では、貯湯タンク14の中間部から温水を取り出してバーナ70に送り出すため、貯湯タンク14内の蓄熱量が少ないときであっても、蓄熱を有効利用することができる。
【0086】
本実施例では、貯湯タンク14内の温水をバーナ70に送り出し、バーナ70で加熱された温水を貯湯タンク14へ戻すためのバーナ循環流路76を利用して、暖房循環流路112内の温水を加熱することができる。また、この暖房循環流路112から分岐した風呂の追焚き流路122を利用して、浴槽128と接続されている風呂循環流路130内の温水を加熱することができる。1つの循環流路(バーナ循環流路76)を多様に活用することができるため、システムの構成を簡素化し、システムをコンパクト化することができる。
【0087】
本実施例では、バーナ循環復路76bを通る温水の戻り先を、熱交換器出口サーミスタ90での検出温度に応じて切換えることができる。熱交換器出口サーミスタ90での検出温度に応じて、温水の戻り先を貯湯タンク14の上部としたり、貯湯タンク14の下部としたり、貯湯タンク14をバイパスしてバーナ循環往路76aとしたりすることができる。このように温水の戻り先を切換えることによって、貯湯タンク14の内部に形成される温度成層状態を崩すことがない。
【0088】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0089】
例えば、図10に示した残熱回収制御のステップS210では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が所定温度以上の場合にバイパス流路弁87を開き(ステップS212)、検出温度が所定温度以上でない場合にバイパス流路弁87を閉じた(ステップS214)。これによって、熱交バイパス流路79を流れる温水の流量を、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が所定温度未満のときよりも所定温度以上のときの方が多くすることができる。そうすることで、バーナ部の残熱を貯湯タンク14へ効率的に回収することができた。ここで、ステップS200の判断を、バーナ出口サーミスタ88の検出温度から計算される経時的温度上昇率が所定値以上の場合にバイパス流路弁87を開き、経時的温度上昇率が所定値以上でない場合にバイパス流路弁87を閉じるように構成してもよい。温度上昇率が所定値以上の場合も暖房機用熱交換器114が要求する熱量が急減した場合を意味する。温度上昇率を監視することで、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が高くなくとも、バーナ部68に残熱が発生している場合にその残熱を回収することが可能となる。
【0090】
上記実施例では、給水流路24は貯湯タンク14の下部へ給水し、給湯流路46は貯湯タンクの上部の温水を給湯口44へ送り、バーナ循環復路76bと熱交バイパス流路79はバーナ部68を通過した温水を貯湯タンク14の上部へ戻すように配置した。即ち、貯湯タンク14を温度成層型とした。温度成層型でない貯湯タンクであっても、熱交バイパス流路79とバイパス流路弁87を備えることによって、暖房機の熱負荷が高くとも要求される温度の温水を給湯し続けることが可能な貯湯ユニットを実現することができる。
【0091】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は実施例のコージェネレーションシステムの系統図である。
【図2】図2は給湯運転中の温水の流れを説明するための図である。
【図3】図3は給湯運転の処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、バイパス流路制御の処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は暖房運転中の温水の流れの一態様を説明するための図である。
【図6】図6は暖房運転中の温水の流れの他の一態様を説明するための図である。
【図7】図7は暖房運転中の温水の流れのさらに他の一態様を説明するための図である。
【図8】図8は暖房運転の処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は暖房運転の処理を示すフローチャートの一部である。
【図10】図10は残熱回収制御の処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は風呂の追焚き運転中の温水の流れの一態様を説明するための図である。
【図12】図12は風呂の追焚き運転中の温水の流れの他の一態様を説明するための図である。
【図13】図13は風呂の追焚き運転中の温水の流れのさらに他の一態様を説明するための図である。
【図14】図14は風呂の追焚き運転の処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は風呂の追焚き運転の処理を示すフローチャートの一部である。
【図16】図16は風呂の湯張り運転中の温水の流れを説明するための図である。
【図17】図17は風呂の湯張り運転の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
10:貯湯ユニット
12:貯湯部
14:貯湯タンク
16:第1タンクサーミスタ
18:第2タンクサーミスタ
20:第3タンクサーミスタ
22:第4タンクサーミスタ
24:給水流路
26:減圧弁
28:給水サーミスタ
30:給水量センサ
32:給水量サーボ
34:混合サーボ
36:混合流路
38:排水流路
40:排水弁
42:圧力開放流路
44:給湯栓
46:給湯流路
48:圧力逃し弁
49:給湯量センサ
50:温水電磁弁
52:高温サーミスタ
54:給湯サーミスタ
56:熱回収循環流路、56a:循環往路、56b:循環復路
58:熱回収循環ポンプ
60:循環往路サーミスタ
62:循環復路サーミスタ
64:三方弁、64a:入口、64b:入口、64c:出口
66:バイパス流路
68:バーナ部
70:バーナ
72:潜熱熱交換器
74:顕熱熱交換器
76:バーナ循環流路、76a:循環往路、76b:循環復路
78:バーナ部バイパス流路
79:熱交バイパス流路
80:バーナ循環ポンプ
81:バーナ循環往路サーミスタ
82:バーナ循環流量センサ
84:バーナ循環流量サーボ
86:バーナバイパスサーボ
87:バイパス流路弁
88:バーナ出口サーミスタ
90:熱交換器出口サーミスタ
92:ドレイン流路
94:中和器
98:オーバーフロー流路
100:シスターン
102:シスターン給水流路
104:負圧弁
106:シスターン給水弁
108:熱負荷装置
110:暖房端末機
112:暖房循環流路、112a:循環往路、112b:循環復路
114:暖房機用熱交換器
116:暖房循環ポンプ
118:暖房循環サーミスタ
120:暖房熱動弁
122:追焚き流路
124:風呂用熱交換器
126:追焚き熱動弁
128:浴槽
130:風呂循環流路、130a:循環往路、130b:循環復路
132:風呂水位センサ
134:風呂循環ポンプ
136:風呂水流スイッチ
138:風呂循環サーミスタ
140:湯張り流路
142:湯張り量センサ
144:注湯電磁弁
146:コントローラ
148:リモコン
150:発電ユニット
152:熱媒循環流路
154:熱回収用熱交換器
160:第1制御弁
162:第2制御弁
164:第3制御弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクの温水を必要に応じて熱源機で加熱し、貯湯タンクの温水を給湯に利用するとともに、暖房用の熱源に利用する貯湯ユニットに関する。本明細書にいう暖房は、エアコンや床暖房機などの暖房機の他に風呂の追焚き装置を含む。
【背景技術】
【0002】
貯湯タンクの温水を給湯用の温水として利用したり、温水の熱量を暖房機や風呂の追焚き装置への熱源に利用したりできる貯湯ユニットが知られている。貯湯タンクの温水が給湯に適した温度よりも低い場合、或いは暖房機への熱供給に適した温度よりも低い場合には熱源機によって温水を加熱する。そのような貯湯ユニットは、給湯と暖房という2つの目的に対してひとつの熱源機で足りるため、低コスト化できるというメリットがある。ひとつの熱源機で温水を加熱し、加熱した温水を給湯に利用したり、暖房機への熱供給に利用したりできる技術が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−57984号公報
【特許文献2】特開2006−46891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用する貯湯ユニットでは、貯湯タンクの温水を熱源機へ送り、熱源機で加熱された温水を貯湯タンクへ戻す循環流路と、その循環流路の熱源機より下流側に、加熱された温水と暖房用の熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、温水を貯湯タンクから給湯口へ送る給湯流路を備えることが有効である。
循環流路の熱源機より下流に熱交換器を配置することで、熱源機で加熱された直後の温水と暖房用の熱媒体の間で熱交換を行なうことができる。これにより暖房用の熱媒体を効率よく加熱することができる。
他方、熱源機で加熱された温水は貯湯タンクへ戻されるため、暖房機の熱負荷の変動により熱交換器から貯湯タンクへ戻る温水の温度が変動しても、貯湯タンクがバッファとなり給湯流路には温度の安定した温水を供給することができる。
【0005】
上記の貯湯ユニットの構成では、貯湯タンクが給湯の際のバッファとなるので暖房機の熱負荷変動をある程度許容できる。しかしながら暖房機の熱負荷が高い場合には、熱交換器で暖房用の熱媒体へ熱を与えることにより温度の低下した温水が貯湯タンクへ戻ることになる。そのような状態が続くと貯湯タンクの温水温度が徐々に低下し、ついには要求される温度の温水を給湯できなくなる虞がある。そのような課題は、熱交換器を通過した温水がなお給湯に十分な温度を維持できるほど加熱能力の高い熱源機を用いれば解決できる。しかし加熱能力の高い熱源機を備えることは貯湯ユニットのコスト増を招く。また上記課題は、給湯用の熱源機と暖房用の熱源機をそれぞれ別個に備えることによっても解決できるが、複数の熱源機を備えることも貯湯ユニットのコスト増を招く。
本発明の目的は、給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用する貯湯ユニットにおいて、コスト増を抑制しながら、暖房の熱負荷が高くとも要求される温度の温水を給湯し続けることを可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による貯湯ユニットは、熱源機で加熱された温水の全てを熱交換器を通してから貯湯タンクへ戻すのではなく、熱源機で加熱された温水の一部を熱交換器を通さずに貯湯タンクへ戻す。これによって、熱源機で加熱されて高温となった温水の一部を熱交換器で温度低下させることなく貯湯タンクへ戻すことができる。残りの温水は熱交換器へ送られるため、暖房機への熱供給は継続される。暖房機の熱負荷が高い状態でも貯湯タンクに高温の温水を供給できるので、常に要求温度の温水を給湯することができる。
【0007】
本発明に係る貯湯ユニットは、温水を貯湯する貯湯タンクと、貯湯タンクの温水を給湯口へ送る給湯流路と、貯湯タンクへ給水する給水流路と、通過する水を加熱する熱源機と、貯湯タンクの温水を熱源機へ送る温水往路と、熱源機を通過した温水を貯湯タンクへ戻す温水復路を備える。貯湯タンクの温水は、温水往路を通って熱源機へ送られ、熱源機を通過した温水は温水復路を通って貯湯タンクへ戻る。さらにこの貯湯ユニットは、温水復路を通る温水と暖房用の熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、熱源機を通過した温水を、熱交換器をバイパスして貯湯タンクへ戻すバイパス流路と、熱交換器を通過する温水の流量とバイパス流路を通過する温水の流量の割合を調整する流量調整手段を備える。
【0008】
流量調整手段によって、熱源機を通過した温水の一部は温水復路を通じて熱交換器へ送られるとともに、残りの温水はバイパス流路を通じて熱交換器を通さずに直接貯湯タンクへ戻すことができる。熱源機がその能力上限で運転している場合であっても、暖房の熱負荷と給湯の熱負荷に応じて熱交換器へ送る温水の流量と熱交換器を通らずに貯湯タンクへ戻す温水の流量の割合を調整できるので、暖房への熱供給を継続しながら安定して給湯できる貯湯ユニットを実現することができる。換言すれば、上記貯湯ユニットは、熱源機が温水に与える熱量を、暖房用と給湯用に並列に分配することができる。熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配できるので、加熱能力の高い熱源機、即ち高コストの熱源機を備えることなく安定して給湯できる貯湯ユニットを実現できる。流量調整手段が、熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配する機能を果たす。従って、ここでいう「割合」とは、熱交換器を通過する温水とバイパス流路を通過する温水の流量比をいう。流量調整手段は、流量比そのものを指標として割合を調整するものであってもよいし、熱交換器を通過する温水とバイパス流路を通過する温水の流量差を指標として割合を調整するものであってもよい。但し後者の場合には、流量差を指標とするが、結果的に「割合」が調整されるものである必要がある。具体的には、熱源機を通過する温水の流量を変化させるだけの装置は、本発明にいう流量調整手段には含まれない。熱源機を通過する温水の流量を変化させるだけでも、前記流量差は変化する。しかしその場合には流量比は変化しない。流量比が変化しなければ、熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配することができないからである。
【0009】
流量調整手段は、熱源機が温水へ与える熱量を暖房と給湯の熱負荷の割合に応じて分配するために、例えば、給湯流路を通過する温水によって貯湯タンクから減少する熱量に応じて流量を調整すればよい。
【0010】
流量調整手段は、例えばバイパス流路を開閉する弁であってよい。バイパス流路は、熱交換器が配置されていないので熱交換器が配置された温水復路よりも流路抵抗が小さい。従って、バイパス流路を開閉する弁であっても、弁の開度に応じて熱交換器を通過する温水の流量とバイパス流路を通過する温水の流量を調整することができる。また、より簡便にはバイパス流路を開閉する弁は、全閉と全開の2者択一式の弁であってもよい。
【0011】
上記の貯湯ユニットにおいて、給水流路は貯湯タンクの下部へ給水し、給湯流路は貯湯タンクの上部の温水を給水口へ送り、温水復路とバイパス流路は温水を貯湯タンクの上部へ戻すように配置されていることが好ましい。そうすることによって、温度成層型の貯湯タンクを実現できる。給湯時に貯湯タンクの下部へ給水されても貯湯タンクの上部の温水の温度を低下させることを防止できる。
【0012】
温度成層型の貯湯タンクの場合、熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクを通さずに温水往路に温水を導く第2温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第2温水復路のいずれかに切換える第1切換手段を備えることが好ましい。
温水復路を通る温水は、熱交換器で暖房機用の熱媒体へ熱を与えることによって温度が低下する。貯湯タンクが温度成層型の場合、貯湯タンクの上部の温水温度よりも低温水が貯湯タンクの上部に戻されると温度成層が乱れる可能性がある。そのような場合に、熱交換器を通過した温水を貯湯タンクへ戻さずに温水往路へ導くことによって、貯湯タンクの温度成層を安定して維持することができる。貯湯タンクの上部にはバイパス流路によって高温水のみが戻されることになるため、貯湯タンクの上部から安定して給湯することができる。
【0013】
温度成層型の貯湯タンクの場合、熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクの下部に温水を導く第3温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第3温水復路のいずれかに切換える第2切換手段を備えることが好ましい。
熱交換器で暖房機用の熱媒体へ熱を与えた温水の温度が貯湯タンクの下部の温水温度と同等の場合には、第3温水復路によって貯湯タンクの下部へ戻すことによっても、貯湯タンクの温度成層を安定して維持することができる。
【0014】
発明者らは、上記したバイパス流路には上記の効果の他に次の効果を得られる場合もあることを発見した。暖房機がフル運転から停止される場合など、暖房機の熱負荷が急減する場合がある。暖房機の熱負荷が急減した場合、熱源機による温水の加熱も不要となるため加熱を停止する(給湯には加熱が必要ない場合)。しかし熱源機の残熱により温水復路を流れる温水はしばらく加熱され続ける。暖房機は熱の供給を必要としていないため、熱源機の残熱により加熱された温水が温水復路を通過して熱交換器へ送られても熱交換器を不要に加熱するだけである。この場合、熱源機の残熱は無駄となる。そこで、暖房機の熱負荷が急減した場合にバイパス流路への流量を増やすことによって、熱源機の残熱を貯湯タンクへ回収することができる。熱効率を向上させることができる。
【0015】
暖房機の熱負荷が急減した場合は、熱源機を通過した温水の温度及び/又は経時的温度上昇率が所定値以上となることをもって判断できる。流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度が所定温度未満のときよりも所定温度以上のときの方が多くなるように前記割合を調整すればよい。或いは、流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度の経時的上昇率が所定値未満のときよりも所定値以上のときの方が多くなるように前記割合を調整すればよい。そうすることで、暖房機の熱負荷が急減したときに熱源機の残熱を貯湯タンクへ回収することができる。ここで、「所定温度以上」と「所定温度未満」における「以上」と「未満」との表現は、所定温度を境として温度域を2分する際に、数学的に矛盾しないように便宜上用いるものであって、「所定温度」が高温側の温度域に属すること自体は本発明にとって重要ではない。即ち、「所定温度以上」と「所定温度未満」との表現を、「所定温度より高い」と「所定温度以下」と変更した発明も、請求項に記載された発明の技術的範囲に属することをここに明言する。本明細書において、「以上」と「未満」、及び「より大きい」と「以下」との領域の分割は全て同様である。
なお、暖房機の熱負荷が急減したときに熱源機への温水の供給を停止すると、熱源機の残熱により熱源機内に滞留する温水が沸騰温度に達する虞もある。熱源機に温水を滞留させることなく、バイパス流路によって熱源機を通過した温水を貯湯タンクへ戻すことによって、熱源機内の温水の温度が異常に高温となることを防止する効果も期待できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、給湯と暖房の双方に共通の熱源機を利用する貯湯ユニットにおいて、コスト増を抑制しながら、暖房機の熱負荷が高い場合であっても要求される温度の温水を給湯し続ける貯湯ユニットを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1)温水往路は貯湯タンクの中間部に接続されている。
(形態2)暖房用の熱媒体は水である。
(形態3)暖房機は風呂の追焚きユニットである。
(形態4)熱媒体は、エアコン、床暖房、或いは風呂の追焚きユニットなど複数の暖房装置へ送られる。
(形態5)貯湯タンクの温水と暖房用の熱媒体の間で熱交換する熱交換器を通過した温水の温度を検出する温度センサを備えており、第1切換手段と第2切換手段は、温度センサが検出する温度が第1所定より高い場合に熱交換器を通過した温水の流路を温水復路に切換え、温度センサが検出する温度が第1所定温度より低く第2所定温度より高い場合に熱交換器を通過した温水の流路を第2温水復路に切換え、温度センサが検出する温度が第2所定温度より低い場合に熱交換器を通過した温水の流路を第3温水復路に切換える。
【実施例】
【0018】
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る貯湯ユニットを組み込んだコージェネレーションシステムである。このコージェネレーションシステムは、図1に示すように、発電ユニット150、貯湯ユニット10、熱負荷装置108を備えている。
【0019】
発電ユニット150は、燃料電池(図示省略)、改質器(図示省略)、熱媒循環流路152、熱回収用熱交換器154を備えている。燃料電池は、改質器で生成される水素ガスを空気中の酸素と反応させて発電を行う。発電に伴って発電熱が発生し、発電熱によって熱媒循環流路152内の熱媒が加熱される。熱媒循環流路152内の熱媒の熱は熱回収用熱交換器154に入力される。熱交換器154は、改質器を加熱した排気ガスが通過する熱交換器と、燃料電池の冷却水が通過する熱交換器で構成されている。
【0020】
貯湯ユニット10は、貯湯部12、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、風呂用熱交換器124、各種流路、コントローラ146等を備えている。
コントローラ146は、制御プログラムを記憶している。コントローラ146には、リモコン148の操作信号と、以下で説明する各種流量センサの検出信号と各種サーミスタの検出信号等が入力される。コントローラ146は、入力された信号を制御プログラムで処理し、以下で説明する各種ポンプ、各種弁、バーナ等を制御する。
【0021】
貯湯部12は、貯湯タンク14、第1タンクサーミスタ16、第2タンクサーミスタ18、第3タンクサーミスタ20、第4タンクサーミスタ22を備えている。各タンクサーミスタ16,18,20,22は縦方向にほぼ均等に配置されており、貯湯タンク14内のそれぞれの位置の温水の温度を検出する。各タンクサーミスタ16,18,20,22の検出信号はコントローラ146に出力される。
貯湯タンク14の底部には、貯湯タンク14に水道水を給水する給水流路24が接続されている。給水流路24には、減圧弁26、給水サーミスタ28、給水量センサ30、給水量サーボ32、混合サーボ34が介装されている。減圧弁26は、給水流路24の上流端近傍に配置されている。減圧弁26は給水圧力を調整するものであり、減圧弁26の下流側圧力が低下すると開き、圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯タンク14内の温水が減少したり、後述する混合サーボ34が開いたりすると、減圧弁26の作用によって水道水が給水される。給水サーミスタ28は、給水される水道水の温度を検出する。給水量センサ30は、給水される水道水の流量を検出する。給水サーミスタ28の検出信号と給水量センサ30の検出信号はコントローラ146に出力される。給水量サーボ32と混合サーボ34は、いずれもステッピングモータを内蔵しており、これが駆動されることによって開度が調整されて流量を変化させる。給水量サーボ32は、給水される水道水の流量を調整する。給水量サーボ32の開度はコントローラ146によって制御される。混合サーボ34は、給水流路24と混合流路36の接続部に配置されている。混合サーボ34については後で詳述する。
給水流路24の混合サーボ34の下流側に排水流路38が接続されている。排水流路38の他端は圧力開放流路42に接続されている。圧力開放流路42はコージェネレーションシステムの外部に開放されている。排水流路38には排水弁40が介装されている。排水弁40の開閉は手動で行う。排水弁40が開かれると、貯湯タンク14内の温水が排水流路38と圧力開放流路42を経て排水される。
【0022】
貯湯タンク14の上部(より具体的には天井部)には、貯湯タンク14内の温水を給湯栓44に給湯する給湯流路46が接続されている。給湯栓44は、浴室、洗面所、台所等にそれぞれ配設されている。給湯流路46には、圧力逃し弁48、給湯量センサ49、温水電磁弁50、高温サーミスタ52、給湯サーミスタ54が介装されている。また、給湯流路46には、先述の混合流路36が接続されている。混合流路36は、温水電磁弁50の下流側であり、かつ高温サーミスタ52と給湯サーミスタ54の間に接続されている。
圧力逃し弁48は圧力開放流路42と接続されている。温水電磁弁50は、給湯が開始されると開かれ、給湯が終了すると閉じられる。給湯が開始されたか否かは、給水量センサ30の検出流量に基づいてコントローラ146によって判断される(後で詳述する)。高温サーミスタ52は、貯湯タンク14から送り出された温水の温度を検出する。給湯サーミスタ54は、給湯流路46からの温水と混合流路36からの水道水との混合水の温度を検出する。高温サーミスタ52と給湯サーミスタ54の検出信号はコントローラ146に出力される。給湯流路46からの温水と混合流路36からの水道水との混合比は、混合サーボ34の開度によって調整される。混合サーボ34の開度を調整することによって給湯温度を調温することができる。混合サーボ34の開度は、給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度に基づいてコントローラ146によって指示される。給湯のために貯湯タンク14から放出される温水の流量は、給湯量センサ49で検出されてコントローラ146に送られる。
【0023】
貯湯タンク14と発電ユニット150は熱回収循環流路56によって接続されている。熱回収循環流路56は熱回収用熱交換器154を通過するように配設されている。熱回収循環流路56は、貯湯タンク14から熱回収用熱交換器154へ向かう流路が熱回収循環往路56aであり、熱回収用熱交換器154から貯湯タンク14へ向かう流路が熱回収循環復路56bである。
熱回収循環往路56aは貯湯タンク14の底部と熱回収用熱交換器154の上流端を接続している。熱回収循環往路56aには熱回収循環ポンプ58と循環往路サーミスタ60が介装されている。熱回収循環ポンプ58は熱回収循環流路56内の温水を循環させる。熱回収循環ポンプ58は、発電運転中や熱回収循環流路56内の温水の凍結防止運転中に駆動される。熱回収循環ポンプ58の駆動はコントローラ146によって制御される。循環往路サーミスタ60は、貯湯タンク14の近傍に配置されて、貯湯タンク14から送り出される温水の温度を検出する。循環往路サーミスタ60の検出信号はコントローラ146に出力される。
熱回収循環復路56bは熱回収用熱交換器154の下流端と貯湯タンク14の上部(よりグ具体的には天井部)を接続している。熱回収循環復路56bには循環復路サーミスタ62と三方弁64が介装されている。循環復路サーミスタ62は三方弁64の上流側に配置されて、熱回収用熱交換器154を通過した後の温水の温度を検出する。循環復路サーミスタ62の検出信号はコントローラ146に出力される。三方弁64は2つの入口64a,64bと出口64cを有している。熱回収循環復路56bの上流側部分が入口64aに接続されており、熱回収循環復路56bの下流側部分が出口64cに接続されている。三方弁64の入口64bにはバイパス流路66の一端が接続されている。バイパス流路66の他端は熱回収循環往路56aの途中に接続されている。三方弁64の入口64aと出口64cが連通すると、発電ユニット150と貯湯タンク14を経由する循環流路が形成され、三方弁64の入口64aと出口64cが連通すると、発電ユニット150を経由して貯湯タンク14をバイパスする循環流路が形成される。三方弁64の切換えはコントローラ146によって制御される。
【0024】
バーナ部68は、バーナ70、潜熱熱交換器72、顕熱熱交換器74を備えている。バーナ70は、ガスを燃料として燃焼する。潜熱熱交換器72に流れ込む水の温度が低いためにバーナ70の燃焼排ガスに含まれる水蒸気が結露し、水蒸気が結露とするときに放出する潜熱で潜熱熱交換器72に流れ込む水が予備加熱される。潜熱熱交換器72で予備加熱された温水は、顕熱熱交換器74でバーナ70の燃焼熱によって再加熱される。
顕熱熱交換器74で結露した水には窒素酸化物が溶け込んでおり、酸性ドレインが生じる。潜熱熱交換器72には、ドレインを排出又は回収するためのドレイン流路92が接続されている。ドレイン流路92は、圧力開放流路42に接続されている。ドレイン流路92には、中和器94が介装されている。中和器94内には炭酸カルシウムが充填されている。酸性のドレインは、中和器94内を通過する間に、炭酸カルシウムによってpH6から7に中和される。中和器内のドレインが所定の水位を超えると、その水位を超えた分のドレインは圧力開放流路42を介して排出される。
【0025】
貯湯タンク14とバーナ部68はバーナ循環流路76によって接続されている。バーナ循環流路76は、バーナ部68内の潜熱熱交換器72と顕熱熱交換器74を順に通過するように配設されている。バーナ循環流路76は、貯湯タンク14からバーナ部68へ向かう流路がバーナ循環往路76aであり、バーナ部68から貯湯タンク14へ向かう流路がバーナ循環復路76bである。バーナ循環流路76にはバーナ部68をバイパスするバーナ部バイパス流路78が形成されている。バーナ部バイパス流路78の上流端はバーナ循環往路76aに接続されており、バーナ部バイパス流路78の下流端はバーナ循環復路76bに接続されている。バーナ循環復路76bには、後述する暖房機用熱交換器114をバイパスする熱交バイパス流路79が形成されている。熱交バイパス流路79は、暖房機用熱交換器114の上流側でバーナ循環復路76bから分岐し、下流側でバーナ循環復路76bと合流している。
バーナ循環往路76aは貯湯タンク14の中間部(第1タンクサーミスタ16と第2タンクサーミスタ18との中間)と潜熱熱交換器72の上流端を接続している。バーナ循環往路76aには、バーナ循環往路サーミスタ81、バーナ循環ポンプ80、バーナ循環流量センサ82、バーナ循環流量サーボ84、バーナバイパスサーボ86が介装されている。バーナ循環往路サーミスタ81は、バーナ循環往路76aを通過する温水の温度を検出する。バーナ循環ポンプ80はバーナ循環流路76内の温水を循環させる。バーナ循環ポンプ80の駆動はコントローラ146によって制御される。バーナ循環流量センサ82は、バーナ循環流路76内の温水の流量を検出する。バーナ循環流量センサ82の検出信号はコントローラ146に出力される。バーナ循環流量サーボ84とバーナバイパスサーボ86は、いずれもステッピングモータを内蔵しており、これが駆動されることによって開度が調整されて流量を変化させる。バーナ循環流量サーボ84は、バーナ循環流路76内の温水の流量を調整する。バーナ循環流量サーボ84の開度はコントローラ146によって制御される。バーナバイパスサーボ86は、バーナ循環往路76aとバーナ部バイパス流路78の上流端との接続部に配置されており、バーナ循環流路76内の温水のうち、バーナ部68側へ流れる温水の流量とバーナ部バイパス流路78側へ流れる温水の流量の割合を調整する。バーナバイパスサーボ86の開度を調整することによって、バーナ循環復路76bとバーナ部バイパス流路78の下流端との接続部の下流側の温水温度を調温することができる。バーナバイパスサーボ86の開度はコントローラ146によって制御される。
バーナ循環復路76bは顕熱熱交換器74の下流端と貯湯タンク14の天井部を接続している。バーナ循環復路76bは暖房機用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房機用熱交換器114にはバーナ循環復路76b内の温水の熱が入力される。バーナ循環復路76bにはバーナ出口サーミスタ88と熱交換器出口サーミスタ90が介装されている。バーナ出口サーミスタ88は、バーナ循環復路76bとバーナ部バイパス流路78の下流端との接続部よりも下流側に配置されて、バーナ部68及び/又はバーナ部バイパス流路78を通過した後の温水の温度を検出する。熱交換器出口サーミスタ90は、暖房機用熱交換器114の下流側に配置されて、暖房機用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。バーナ出口サーミスタ88の検出信号と熱交換器出口サーミスタ90の検出信号はコントローラ146に出力される。バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90の下流側には、第1制御弁160が設けられている。第1制御弁160の開閉は、コントローラ146によって制御される。
【0026】
バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90と第1制御弁160の間に、第2バーナ循環復路166の一端が接続している。第2バーナ循環復路166の他端は、バーナ循環往路76aの貯湯タンク14とバーナ循環ポンプ80の間に接続している。第2バーナ循環復路166には第2制御弁162が設けられている。第2制御弁162の開閉は、コントローラ146によって制御される。
【0027】
バーナ循環復路76bの熱交換器出口サーミスタ90と第1制御弁160の間に、第3バーナ循環復路168の一端が接続している。第3バーナ循環復路168の他端は、貯湯タンク14の下部に接続している。第3バーナ循環復路168には第3制御弁164が設けられている。第3制御弁164の開閉は、コントローラ146によって制御される。
【0028】
第1制御弁160、第2制御弁162および第3制御弁164は、何れか1つが開かれ、他の2つは閉じられるように、コントローラ146によって制御される。第1制御弁160が開かれ、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bを経由して貯湯タンク14の上部に流入する。第2制御弁162が開かれ、第1制御弁160と第3制御弁164が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bから第2バーナ循環復路166を経由してバーナ循環往路76aに流入する。第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられると、暖房機用熱交換器114を通過した温水はバーナ循環復路76bから第3バーナ循環復路166を経由して貯湯タンク14の下部に流入する。
【0029】
熱交バイパス流路79には、バイパス流路弁87が設けられている。バイパス流路弁87の開閉は、コントローラ146によって制御される。バイパス流路弁87が閉じると、バーナ部68を通過した温水は全て暖房機用熱交換器114を通過することになる。バイパス流路弁87が開くと、バーナ部68を通過した温水の一部は暖房機用熱交換器114を通過し、残りは熱交バイパス流路79を通過することになる。即ち、バイパス流路弁87を開閉することによって、バーナ部68を通過した温水について、暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量と熱交バイパス流路79を通過する温水の流量の割合を調整することができる。なお、その割合は、バーナ循環復路76bと熱交バイパス流路79の合流点と分岐点の間における、バーナ循環復路76bの流路抵抗と熱交バイパス流路79の流路抵抗により定まる。
【0030】
給湯流路46からは、シスターン給水流路102が分岐している。シスターン給水流路102には、負圧弁104、シスターン給水弁106が介装されている。負圧弁104は、断水時等で給水流路24が負圧になったときに開かれ、大気を吸引して貯湯タンク14の負圧による破損を防止する。シスターン給水弁106は、シスターン100に貯湯タンク14からの温水を給水するときに開かれる。シスターン100内の温水は図示しない水位センサによって水位が監視されている。シスターン100内の温水の水位が、所定の水位範囲内であるときにはシスターン給水弁106は閉じられており、所定の水位範囲を逸脱したことが判別されるとシスターン給水弁106が開かれる。シスターン給水弁106の開閉はコントローラ146によって制御される。シスターン100にはオーバーフロー流路98が接続している。オーバーフロー流路98の他端は、中和器94の下流側でドレイン流路92に接続している。シスターン100内の温水が所定の水位を超える場合に、その所定の水位を超える分の温水は、オーバーフロー流路98と圧力開放流路42を介して排出される。
【0031】
本実施例では、熱負荷装置108として暖房装置、風呂装置、給湯装置を有している。暖房装置の端末機としては、エアコンと床暖房機を有している。図1中では、エアコンと床暖房機を暖房端末機110として示している。シスターン100と暖房端末機110は暖房循環流路112によって接続されている。暖房循環流路112は、シスターン100から暖房端末機110へ向かう流路が暖房循環往路112aであり、暖房端末機110からシスターン100へ向かう流路が暖房循環復路112bである。暖房循環往路112aは暖房機用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房循環往路112aには、暖房循環ポンプ116、暖房循環サーミスタ118が介装されている。暖房循環ポンプ116は、暖房循環流路112内の温水を循環させる。即ち、本実施例では、暖房用の熱媒体として温水を用いる。暖房循環ポンプ116は、暖房端末機110のスイッチの操作に伴って駆動される。暖房循環ポンプ116の駆動はコントローラ146によって制御される。暖房循環サーミスタ118は、暖房機用熱交換器114の下流側に配置されて、暖房機用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。暖房循環サーミスタ118の検出信号はコントローラ146に出力される。暖房端末機110内の暖房循環流路112には暖房熱動弁120が介装されている。暖房熱動弁120は、暖房端末機のスイッチの操作に伴って開閉する。暖房熱動弁120の開閉はコントローラ146によって制御される。
【0032】
暖房循環往路112aの暖房機用熱交換器114の下流側であり、かつ暖房循環サーミスタ118の下流側からは、追焚き流路122が分岐している。追焚き流路122の下流端は暖房循環復路112bのシスターン100近傍に接続されている。追焚き流路122は風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。暖房循環往路112a内の温水の熱は、風呂用熱交換器124に入力される。追焚き流路122には、追焚き熱動弁126が介装されている。追焚き熱動弁126は、風呂の追焚きスイッチの操作に伴って開閉する。追焚き熱動弁126の開閉はコントローラ146によって制御される。
【0033】
風呂の浴槽128には風呂循環流路130が接続されている。風呂循環流路130は、風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。風呂循環流路130は、浴槽128から風呂用熱交換器124へ向かう流路が風呂循環往路130aであり、風呂用熱交換器124から浴槽128へ向かう流路が風呂循環復路130bである。風呂循環往路130aには、風呂水位センサ132、風呂循環ポンプ134、風呂水流スイッチ136、風呂循環サーミスタ138が介装されている。風呂水位センサ132は、風呂循環流路130内の温水の水圧を検出する。風呂水位センサ132の検出信号はコントローラ146に出力される。風呂水位センサ132によって検出される水圧は、浴槽128内の温水の水位を推定するために利用される。風呂循環ポンプ134は、風呂循環流路130内の温水を循環させる。風呂循環ポンプ134は、リモコン148のスイッチの操作に伴って駆動される。風呂循環ポンプ134の駆動はコントローラ146によって制御される。風呂水流スイッチ136は、風呂循環流路130内を温水が流れるとオンとなる。風呂水流スイッチ136のオンオフ信号はコントローラ146に出力される。風呂循環サーミスタ138は、風呂用熱交換器124の上流側に配置されて、風呂用熱交換器124に入水する温水の温度を検出する。風呂循環サーミスタ138の検出信号はコントローラ146に出力される。
【0034】
給湯流路46と風呂循環流路130は、湯張り流路140によって接続されている。湯張り流路140の上流端は給湯流路46の給湯サーミスタ54の下流側に接続されており、湯張り流路140の下流端は風呂循環流路130の風呂循環往路130aの風呂循環ポンプ134と風呂水流スイッチ136との間に接続されている。湯張り流路140には、湯張り量センサ142、注湯電磁弁144が介装されている。湯張り量センサ142は、湯張り流路140を通過する温水の流量を検出する。湯張り量センサ142の検出信号はコントローラ146に出力される。注湯電磁弁144は、リモコン148のスイッチの操作や浴槽128内の温水の水位によって開閉する。注湯電磁弁144の開閉はコントローラ146によって制御される。
【0035】
次に、貯湯ユニット10で行われる蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、風呂湯張り運転、風呂追焚き運転についてそれぞれ説明する。
【0036】
(蓄熱運転)
蓄熱運転については、従来のコージェネレーションシステムと同様に行われるため、詳細な説明を避け、概略の説明に留める。発電ユニット150において発電運転が行われると、熱媒循環流路152内の熱媒が循環し、熱回収用熱交換器154に発電熱が入力される。貯湯ユニット10では、熱回収循環ポンプ58が駆動され、貯湯タンク14内の温水が、貯湯タンク14の底部から熱回収循環往路56aへ吸い出される。熱回収循環往路56a内の温水は、熱回収用熱交換器154へ流入して加熱される。加熱された温水は熱回収循環復路56bを経て貯湯タンク14の天井部へ戻される。これによって、発電ユニット150において発電に伴って発生する発電熱が貯湯タンク14内へ回収されて蓄熱される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。
【0037】
貯湯タンク14内への蓄熱が完了し、満蓄状態となると、シスターン給水弁106が開かれる。これによって、貯湯タンク14の上部に貯められていた高温水がシスターン給水流路102を経てシスターン100内へ供給される。シスターン100内の温水は、後述する暖房運転や風呂の追焚き運転を行うときに利用する。
【0038】
(給湯運転)
給湯運転について、図2−図4を用いて説明する。図2は給湯運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。給湯運転では、図2中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、後述するように、熱交バイパス流路79には温水が流れるときもあれば流れないときもある。図3、図4は給湯運転のフローチャートである。
【0039】
図3のステップS10では、給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上であるか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上となると(ステップS10でYESとなると)、給湯栓44が開かれて給湯要求があったとみなされる。ステップS12に進み、温水電磁弁50が開かれる。これによって、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯流路46に送り出される。
【0040】
ステップS14に進み、第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であるか否かが判別される。第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であれば(ステップS14でYESであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく給湯に利用することが可能とみなされる。このような場合、ステップS16に進み、非燃焼給湯運転が行われる。非燃焼給湯運転では、バーナ70を燃焼させず、バーナ循環ポンプ80も駆動されない。ステップS16では、バーナ70が燃焼していれば消火し、バーナ循環ポンプ80が駆動していれば停止する。
【0041】
第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃未満であれば(ステップS14でNOであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく給湯に利用することが不可能とみなされる。このような場合、ステップS18に進み、燃焼給湯運転が行われる。燃焼給湯運転では、バーナ70を燃焼させ、バーナ循環ポンプ80を駆動させる。まず、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するために第1制御弁160を開く(ステップS18)。なお、ステップS18では、第1制御弁160を開くと同時に、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。次に、バーナ循環ポンプ80を駆動する(ステップS19)。こうして温水がバーナ部68を流れる状態にした上で、バーナ70を点火する(ステップS20)。ステップS20の処理は、より具体的には、バーナ循環流量センサ82によって検出される流量が、2.7(リットル/分)以上となったらバーナ70を点火する。この処理は、顕熱熱交換器74内の温水の局所的な沸騰を防止するためである。
ステップS18〜S20の処理によって、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出されて加熱される。ステップS22では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。バーナ部68に送り出された温水は65℃に加熱され、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
【0042】
燃焼給湯運転中には、バーナ部68を通過した温水の一部を熱交バイパス流路79へ導くか否かのバイパス流路制御が行なわれる(ステップS23)。このバイパス流路制御は、給湯運転と後述する暖房運転や風呂追焚き運転が同時に行なわれたときに、要求される温度の温水を安定して供給するために行なわれる。暖房運転や風呂追焚き運転が行なわれると、暖房機用熱交換器114を介してバーナ部68を通過した温水から暖房用の熱媒体へ伝熱される。その結果、暖房機用熱交換器114を通過した温水によって貯湯タンク14へ加えられる熱量が減少する。一方、給湯によって貯湯タンク14から熱量が放出される。バーナ循環流路76を通る温水がもたらす貯湯タンク14への入熱量より、給湯によって貯湯タンク14から奪われる出熱量の方が多いと、貯湯タンク14内の温水の温度が徐々に低下する。そのような状態が続くと、要求されている温度の温水を給湯し続けることができなくなる。そこで、給湯運転と暖房運転及び/又は風呂追焚き運転が行なわれている場合に、安定した給湯し続けることができるように、前記した入熱量が常に出熱量を上回るように制御する。
バイパス流路制御のフローチャートを図4に示す。まず、ステップS200で、暖房機用熱交換器114を通る温水がもたらす貯湯タンク14への入熱量と、給湯によって貯湯タンク14から奪われる出熱量を計算する。入熱量(単位時間当りの入熱量)は、{[熱交換器出口サーミスタ90の検出温度]−[バーナ循環往路サーミスタ81の検出温度]}×[バーナ循環流量センサ82の検出流量]で求まる。ここで、{[熱交換器出口サーミスタ90の検出温度]−[バーナ循環往路サーミスタ81の検出温度]}は、単位流量当たりの温水が、バーナから得た熱量から暖房機用熱交換器114で放出した熱量を差し引いた熱量を表す。また、この入熱量は、バーナ部68を通過した全ての温水が暖房機用熱交換器114を通過すると仮定した場合の熱量を表す。
一方、出熱量(単位時間当たりの出熱量)は、{[高温サーミスタ52の検出温度]−[給水サーミスタ28の検出温度]}×[給湯量センサ49の検出流量]で求まる。ここで、{[高温サーミスタ52の検出温度]−[給水サーミスタ28の検出温度]}は、給水と給湯によって貯湯タンク14から放出される単位流量当たりの熱量を表す。
ステップS202では、計算された入熱量と出熱量を比較する。入熱量が出熱量以上の場合には(ステップS202:YES)、バイパス流路弁87が閉じられる(ステップS204)。一方、入熱量が出熱量より小さい場合には(ステップS202:NO)、バイパス流路弁87が開かれる(ステップS206)。バイパス流路87が開かれると、バーナ部68で加熱された温水の一部は熱交バイパス流路79を通過することによって、暖房機用熱交換器114を通過することなく貯湯タンク14に戻る。そうすることで、暖房機用熱交換器114で熱を消費しない高温の温水を貯湯タンク14へ戻すことができる。貯湯タンク14への入熱量を増加させることができる。その結果、給湯による貯湯タンク14の蓄熱量の減少を防止できるので、要求される温度の温水を長時間安定して供給することができる。一方、ステップS202の判断がYESの場合は、バーナ部68で加熱された温水の全てが暖房機用熱交換器114を通過しても貯湯タンク14の蓄熱量は低下しないことを意味する。その場合には、バイパス流路弁87を閉じてバーナ部68で加熱された温水の全てを暖房機用熱交換器114へ導く。
【0043】
バーナ部68の加熱能力が十分に高ければ、暖房用熱交換器114を通過後の温水温度を常に給湯に適する程度に高温に維持することができる。しかし、加熱能力の高いバーナ部68を備えることは、貯湯ユニット10のコスト増となる。可能な限り加熱能力の低いバーナ部68で暖房と給湯が同時に行われるときにも対処できる方が良い。ここで、暖房に比べて給湯の要求は一時的であることが多い。従って、給湯が要求された場合に、バーナ部68が温水に与えることのできる熱量を一時的に優先的に貯湯タンク14へ割り当てられれば良い。
本実施例では、ステップS206でバイパス流路弁87が開かれると、熱交バイパス流路を温水が流れるようになる一方、暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量が減少する。即ち、バーナ部68がその能力の上限で運転されている状態でも、熱交バイパス流路を流れる温水の流路と暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量の割合を変化させることができる。暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量が減少する分だけ暖房用の熱媒体へ供給できる熱量が減少するが、その分の熱量は貯湯タンク14へ送られる。本実施例では、熱交バイパス流路を流れる温水の流路と暖房機用熱交換器114を通過する温水の流量の割合を変化させることによって、バーナ部が温水に与える総熱量の給湯と暖房への配分比を変化させる。これによって、加熱能力の低いバーナ部であっても、給湯と暖房が同時に行われても安定した給湯を実現することが可能となる。
【0044】
ステップS24では、給湯サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように、混合サーボ34の開度が調整される。これによって、貯湯タンク14の上部から給湯流路46に送り出された温水が、給湯設定温度に調温されて、給湯栓44に供給される。
ステップS26では、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下であるか否かが判別される。給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/minを超えていれば(ステップS26でNOであれば)、まだ給湯栓44は開かれており、給湯中であるとみなされてステップS14へ戻る。貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃以上であれば非燃焼給湯運転が行われ、貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃未満であれば燃焼給湯運転が行われることとなる。燃焼給湯運転が行われることによって、バーナ70によって65℃に加熱された温水が、貯湯タンク14の第1タンクサーミスタ16より上部に貯められる。これによって、貯湯タンク14の上部は65℃の温水が貯められたバッファタンクとなる。バッファタンク化した貯湯タンク14の上部から65℃の温水が給湯流路46に送り出され、給湯設定温度に調温されて給湯される。給湯温度の調温は、混合サーボ34の開度を調整することによってなされる。給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度から、給湯サーミスタ28の検出温度が給湯設定温度となるように混合サーボ34の開度が調整される。
ステップS26で、給水量センサ30の検出流量が2.0リットル/min以下となれば(YESとなれば)、給湯栓44が閉じられたとみなされる。ステップS28へ進み、温水電磁弁50が閉じられて給湯運転が終了される。
【0045】
(暖房運転)
暖房運転について、図5から図10を用いて説明する。図5から図7は暖房運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。暖房運転では、温水の流路の切換えに応じて、図5から図7中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、暖房運転と前述した給湯運転が同時に行われる場合は、図5から図7に示す太線とともに図2に示した太線で示す流路内を水又は温水が流れる。図8から図10は暖房運転のフローチャートである。
【0046】
図8のステップS40では、暖房装置のリモコンのスイッチが操作されて、暖房のオン信号が出力されたか否かが判別される。暖房のオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS40でYESとなると)、暖房端末機110の運転要求があったとみなされる。以下では、起動した暖房装置が低温端末機である床暖房機である場合について説明する。まず、ステップS41で、第1制御弁160を開く。この処理は、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するためであり、後述するように、温水の流路は各所に設けられたサーミスタの検出値によって適宜切り替えられる。
次にステップS42に進み、バーナ循環ポンプ80が駆動される。これによって、バーナ部68に温水が送り出される。また、暖房端末機110の暖房熱動弁120が開かれ、暖房循環ポンプ116が駆動される。これによって、シスターン100内の温水が、暖房機用熱交換器114を通過して、暖房端末機110に送り出される。
【0047】
ステップS44では、第2タンクサーミスタ18の検出温度が62℃以上であるか否かが判別される。第2タンクサーミスタ18の検出温度が62℃以上であれば(ステップS44でYESであれば)、貯湯タンク14の中間部より上方の蓄熱のみで暖房運転が可能とみなされる。このような場合、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14の上部に戻す必要はなく、その温水を貯湯タンク14の下部に戻すか、貯湯タンク14をバイパスしてバーナ循環往路76aへ流入させるかを、ステップS46以降で選択する。ステップS46では、第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上であるか否かが判別される。第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上の場合(ステップS46でYESの場合)、貯湯タンク14が満蓄状態であって、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収は行われていないから、貯湯タンク14の下部の温水が高温となっても問題はない。従って、このような場合、ステップS48へ進み、バーナ循環復路76bからの温水を貯湯タンク14の下部へ流入させる。ステップS48では、この時点でバーナ70が燃焼していれば消火する。ステップS50では、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、図7に示すように、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、暖房端末機110での暖房に利用される。暖房端末機110を通過した温水は、シスターン100へ戻る。
【0048】
図8のステップS46で第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃未満の場合(NOの場合)、貯湯タンク14は満蓄状態ではないから、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収が行われる可能性がある。従って、このような場合には、貯湯タンク14の下部の温水が高温とならないようにする必要がある。ステップS52では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(ステップS52でNOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっているから、ステップS48へ進み、その温水を貯湯タンク14の下部に戻す。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS52でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっていないから、ステップS54へ進み、その温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。ステップS54では、第2制御弁162が開かれ、第1制御弁160と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図6に示すように、温水はバーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、再びバーナ循環往路76aに流入する。
【0049】
ステップS54の処理によって、温水は、バーナ循環往路76a、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、を通過し、再びバーナ循環往路76aに戻って循環を続ける。この状態が続くと循環する温水の温度が低下してくるので、次に図9のステップS62に進み、燃焼暖房運転を行う。以下、図9に示す暖房運転の処理について説明する。
ステップS62では、バーナ70がすでに燃焼しているか否かが判別される。バーナ70が燃焼していない場合(ステップS62でNOの場合)、バーナ70の点火の要否を判断するために、処理はステップS66へ進む。ステップS66では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が48℃を下回るか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が48℃を下回る場合(ステップS66でYESの場合)、暖房端末機110へ送り出される温水の温度が低いため、ステップS68に進み、バーナ70を点火する。ステップS70では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0050】
ステップS66で、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が48℃以上の場合(ステップS66でNOの場合)、バーナ70を燃焼させなくても、暖房端末機110で必要とされる温度の温水が暖房端末機110へ送り出されているため、バーナ70を点火することなく、処理はステップS72へ進む。
【0051】
ステップS62で、バーナ70がすでに燃焼している場合(ステップS62でYESの場合)、バーナ70の消火の要否を判断するために、処理はステップS64へ進む。ステップS64では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が72℃を超えているか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が72℃を超えている場合(ステップS64でYESの場合)、暖房端末機110に送り出される温水が高温となり過ぎているから、ステップS65へ進んで、バーナ70を消火する。
【0052】
ステップS64で、暖房循環サーミスタ118の検出する温度が72℃以下の場合(NOの場合)、バーナ70の燃焼が維持される。この場合、処理はステップS70へ進んで、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0053】
ステップS62〜S70の処理によって、暖房機用熱交換器114から暖房端末機110へ送り出される温水の温度が60℃±12℃の範囲に収まるように、バーナ70の点火と消火が制御される。バーナ70が燃焼していないときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が48℃を下回ると、ステップS68でバーナ70を点火する。バーナ70が燃焼しているときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が72℃を超えると、ステップS65でバーナ70を消火する。これによって、暖房端末機110へ送り出される温水が必要とされる温度まで暖房機用熱交換器114で加熱されるように、バーナ70の点火と消火が制御される。
【0054】
ステップS72では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が60℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が60℃以上の場合(ステップS72でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻しても問題がない程度に高温である。このような場合、ステップS74へ進み、第1制御弁160が開かれ、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図5に示すように、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻される。この場合には、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、必要に応じて加熱されて、暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水(冷却後の温度が60℃以上である点に留意されたい)は、貯湯タンク14の上部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、暖房端末機110での暖房に利用される。暖房端末機110を通過した温水は、シスターン100へ戻る。
【0055】
図9のステップS72で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が60℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部へ戻すには低温であるから、ステップS76へ進む。ステップS76では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS76でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部へ戻すには高温であるから、ステップS80へ進み、第2制御弁162を開いて、第1制御弁160と第3制御弁164を閉じる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14をバイパスして、バーナ循環往路76aへ流入する。
【0056】
ステップS76で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部に戻しても問題がない程度に低温である。このような場合、ステップS78へ進み、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回るか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回る場合(ステップS78でYESの場合)、ステップS82へ進み、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。
【0057】
ステップS78で熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度以上の場合(NOの場合)、貯湯タンク14からバーナ部68に送り出される温水の温度より、暖房機用熱交換器114から送り出される温水の温度の方が高い。このような場合には、ステップS80へ進み、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。これによって、バーナ部68へより高温の温水を供給することができる。暖房運転で必要とされるバーナ70の燃焼量を抑制することができ、熱効率を向上することができる。
【0058】
上記の通り、暖房機用熱交換器114を通過した温水は、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度、即ち、暖房機用熱交換器114の通過後温度に応じて、適切な場所へ戻される。暖房運転とともに前述した給湯運転が同時に行われる場合もある。そのような場合について説明を加える。給湯運転が行なわれている場合には、図8と図9に示すフローチャートの処理と同時に、図3と図4に示したフローチャートの処理も行われる。図4に示したバイパス流路制御によって、給湯により貯湯タンク14から出ていく熱量が多い場合には、バーナ部68で加熱された温水の一部は暖房機用熱交換器114を通らずに直接に貯湯タンク14の上部に戻される。即ち、暖房運転と前述した給湯運転が同時に行われている場合には、バーナ部68で加熱された温水の一部は給湯を安定させるために直接に貯湯タンク14の上部へ戻される。その一方で、バーナ部68で加熱された温水の残りは暖房を継続するために暖房機用熱交換器114へ送られ、暖房機用熱交換器114出口での温度に応じて適切な場所へ戻される。ここで、暖房機用熱交換器114の出口での温度が給湯に適する温度より低い場合には(ステップS72:NO)、暖房機用熱交換器114を通過した温水は貯湯タンク14へは戻らない。従って貯湯タンク14の上部へはバーナ部68で加熱された温水の一部が直接戻されるだけである。給湯運転と暖房運転が同時に行われている場合でも貯湯タンク14の上部の温水温度を低下させることなく、給湯を安定して行なうことが可能となる。
ステップS74、ステップS80またはステップS82の後、処理は図8のステップS56へ移行する。
一方、図8のステップS44で第2タンクサーミスタ18の検出温度が62℃未満であれば(NOであれば)、貯湯タンク14の上部の蓄熱のみでは暖房運転を行えないと判断される。このような場合にも、図9のステップS62に進み、燃焼暖房運転を行う。図9に示す処理については前述した通りである。
【0059】
ステップS56では、暖房装置のリモコンのスイッチが操作されて、暖房のオフ信号が出力されたか否かが判別される。暖房のオフ信号が出力されるまでは、上記のステップS44以降の処理が繰返される。暖房のオフ信号が出力されると(ステップS56でYESとなると)、暖房端末機110の運転停止要求があったとみなされる。この場合、ステップS58に進み、バーナ70がこの時点で燃焼していれば、バーナ70が消火される。さらにステップS60に進み、暖房熱動弁120が閉じられ、暖房循環ポンプ56が停止されて暖房運転が終了する。
【0060】
暖房運転が終了した後に、ステップS61の残熱回収制御が行なわれる。この制御は、暖房運転が終了した後のバーナ部68の残熱を貯湯タンク14へ回収する処理である。残熱回収制御の処理を図10に示す。ステップS210でバーナ出口サーミスタ88の検出温度、即ち、バーナ部68を通過した後の温水の温度が70℃以上であるか否かを判断する。バーナ出口サーミスタ88の検出温度が70℃以上の場合には(ステップS210:YES)、バイパス流路弁87を開く(ステップS212)。そうすることで、暖房運転終了後にバーナ部68の残熱によって加熱された温水を、暖房機用熱交換器114を経由することなく直接に貯湯タンク14へ戻すことができる。バーナ部68の残熱を吸収した温水を効率的に貯湯タンク14へ回収することができる。バーナ出口サーミスタ88の検出温度が70℃未満となると(ステップS210:NO)、バーナ部68の残熱回収はほぼ終了するので、次の運転に備えてバイパス流路弁を閉じ(ステップS214)、バーナ循環ポンプ80を停止する(ステップS216)。なお、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が70℃未満となるまで、バーナ循環ポンプ80によってバーナ部68内の温水は循環を続ける。従って、バーナ部68が高温のうちは、バーナ部68内に温水が滞留することがないので、バーナ部内で温水が異常に(例えば沸騰するほどに)高温となることを防止する効果が得られる。
【0061】
なお上記では暖房端末機110において低温端末機である床暖房機が起動した場合について説明したが、高温端末機であるエアコンが起動した場合にも、同様の処理によって暖房運転を行うことができる。この場合、ステップS44、ステップS64、ステップS66、ステップS72、およびステップS210で判断の基準としている温度が、高温端末機に合わせた温度に変更される。またステップS70で制御の基準としている温度が、高温端末機に合わせた温度に変更される。
【0062】
(風呂追焚き運転)
風呂の追焚き運転について、図11から図15を用いて説明する。図11から図13は追焚き運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。追焚き運転では、温水の流路の切換えに応じて、図11から図13中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、風呂の追焚き運転と前述した給湯運転が同時に行われる場合は、図11から図13に示す太線とともに図2に示した太線で示す流路内を水又は温水が流れる。図14と図15は追焚き運転のフローチャートである。
【0063】
図14のステップS90では、リモコン148の風呂の追焚きスイッチが操作されて、追焚きのオン信号が出力されたか否かが判別される。追焚きのオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS90でYESとなると)、追焚き要求があったとみなされる。その場合には、まずステップS91で、第1制御弁160を開く。この処理は、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するためであり、後述するように、温水の流路は各所に設けられたサーミスタの検出値によって適宜切り替えられる。
次にステップS92に進み、バーナ循環ポンプ80が駆動される。これによって、バーナ部68に温水が送り出される。また、追焚き熱動弁126が開かれ、暖房循環ポンプ116が駆動される。これによって、シスターン100内の温水が、暖房機用熱交換器114を通過して、風呂用熱交換器124に送り出される。さらに、風呂循環ポンプ134が駆動される。これによって、浴槽128内の温水が、風呂循環往路130aに送り出され、風呂用熱交換器124を通過して、浴槽128へ戻る。
【0064】
ステップS94では、第2タンクサーミスタ18の検出温度が82℃以上であるか否かが判別される。第2タンクサーミスタ18の検出温度が82℃以上であれば(ステップS94でYESであれば)、貯湯タンク14の中間部より上方の蓄熱のみで追焚き運転が可能とみなされる。このような場合、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14の上部に戻す必要はなく、その温水を貯湯タンク14の下部に戻すか、貯湯タンク14をバイパスしてバーナ循環往路76aへ流入させるかを、ステップS96以降で選択する。ステップS96では、第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上であるか否かが判別される。第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃以上の場合(ステップS96でYESの場合)、貯湯タンク14が満蓄状態であって、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収は行われていないから、貯湯タンク14の下部の温水が高温となっても問題はない。従って、このような場合、ステップS98へ進み、バーナ循環復路76bからの温水を貯湯タンク14の下部へ流入させる。ステップS98では、この時点でバーナ70が燃焼していれば消火する。ステップS100では、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、図13に示すように、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、風呂用熱交換器124に送り出される。風呂用熱交換器124での熱交換によって冷却された温水は、シスターン100に戻される。さらに、浴槽128から送り出された温水は、風呂用熱交換器124での熱交換によって加熱されて、浴槽128へ戻る。
【0065】
図14のステップS96で第4タンクサーミスタ22の検出温度が40℃未満の場合(NOの場合)、貯湯タンク14は満蓄状態ではないから、発電ユニット150から貯湯タンク14への熱回収が行われる可能性がある。従って、このような場合には、貯湯タンク14の下部の温水が高温とならないようにする必要がある。ステップS102では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(ステップS102でNOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっているから、ステップS98へ進み、その温水を貯湯タンク14の下部に戻す。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS102でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は十分に低温となっていないから、ステップS104へ進み、その温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。ステップS104では、第2制御弁162が開かれ、第1制御弁160と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図12に示すように、温水はバーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、加熱されることなく暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水は、再びバーナ循環往路76aに流入する。
【0066】
ステップS104の処理によって、温水は、バーナ循環往路76a、バーナ部68、暖房機用熱交換器114、を通過し、再びバーナ循環往路76aに戻って循環を続ける。この状態が続くと循環する温水の温度が低下してくるので、次に図15のステップS112に進み、燃焼追焚き運転を行う。以下、図15に示す燃焼追焚き運転の処理について説明する。
ステップS112では、バーナ70がすでに燃焼しているか否かが判別される。バーナ70が燃焼していない場合(ステップS112でNOの場合)、バーナ70の点火の要否を判断するために、処理はステップS118へ進む。ステップS118では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が68℃を下回るか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が68℃を下回る場合(ステップS118でYESの場合)、浴槽128の温水を加熱するために風呂用熱交換器124へ送り出される温水の温度が低いため、ステップS120に進み、バーナ70を点火する。ステップS122では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が85℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0067】
ステップS118で、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が68℃以上の場合(ステップS118でNOの場合)、バーナ70を燃焼させなくても、浴槽128の温水を加熱するうえで十分に高温な温水が風呂用熱交換器124に送り出されているため、バーナ70を点火することなく、処理はステップS124へ進む。
【0068】
ステップS112で、バーナ70がすでに燃焼している場合(ステップS112でYESの場合)、バーナ70の消火の要否を判断するために、処理はステップS114へ進む。ステップS114では、暖房循環サーミスタ118で検出される温度が87℃を超えているか否かが判別される。暖房循環サーミスタ118で検出される温度が87℃を超えている場合(ステップS114でYESの場合)、風呂用熱交換器124に送り出される温水が高温となり過ぎているから、ステップS116へ進んで、バーナ70を消火する。
【0069】
ステップS114で、暖房循環サーミスタ118の検出する温度が87℃以下の場合(NOの場合)、バーナ70の燃焼が維持される。この場合、処理はステップS122へ進んで、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が85℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。
【0070】
ステップS112〜S122の処理によって、暖房機用熱交換器114から風呂用熱交換器124へ送り出される温水の温度が80℃−12℃=68℃から80℃+7℃=87℃の範囲に収まるように、バーナ70の点火と消火が制御される。バーナ70が燃焼していないときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が68℃を下回ると、ステップS120でバーナ70を点火する。バーナ70が燃焼しているときに暖房循環サーミスタ118の検出温度が87℃を超えると、ステップS116でバーナ70を消火する。これによって、風呂用熱交換器124へ送り出される温水が必要とされる温度まで暖房機用熱交換器114で加熱されるように、バーナ70の点火と消火が制御される。
【0071】
ステップS124では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が80℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が80℃以上の場合(ステップS124でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻しても問題がない程度に高温である。このような場合、ステップS126へ進み、第1制御弁160が開かれ、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。これによって、図11に示すように、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部に戻される。この場合には、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出され、必要に応じて加熱されて、暖房機用熱交換器114に送り出される。暖房機用熱交換器114での熱交換によって冷却された温水(冷却後の温度が80℃以上である点に留意されたい)は、貯湯タンク14の上部に戻される。一方、シスターン100から送り出された温水は、暖房機用熱交換器114での熱交換によって加熱されて、風呂用熱交換器124に送り出される。風呂用熱交換器124での熱交換によって冷却された温水は、シスターン100に戻される。さらに、浴槽128から送り出された温水は、風呂用熱交換器124での熱交換によって加熱されて、浴槽128へ戻る。
【0072】
図15のステップS124で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が80℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の上部へ戻すには低温であるから、ステップS128へ進む。ステップS128では、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上であるか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃以上の場合(ステップS128でYESの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部へ戻すには高温であるから、ステップS130へ進み、第2制御弁162を開いて、第1制御弁160と第3制御弁164を閉じる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14をバイパスして、バーナ循環往路76aへ流入する。
【0073】
ステップS128で、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が38℃に満たない場合(NOの場合)、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は貯湯タンク14の下部に戻しても問題がない程度に低温である。このような場合、ステップS132へ進み、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回るか否かが判別される。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度を下回る場合(ステップS132でYESの場合)、ステップS134へ進み、第3制御弁164が開かれ、第1制御弁160と第2制御弁162が閉じられる。これによって、暖房機用熱交換器114から送り出される温水は、貯湯タンク14の下部に戻される。
【0074】
ステップS132で熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が第2タンクサーミスタ18の検出温度以上の場合(NOの場合)、貯湯タンク14からバーナ部68に送り出される温水の温度より、暖房機用熱交換器114から送り出される温水の温度の方が高い。このような場合には、ステップS130へ進み、暖房機用熱交換器114から送り出される温水を貯湯タンク14に戻さずに、バーナ循環往路76aへ流入させる。これによって、バーナ部68へより高温の温水を供給することができる。追焚き運転で必要とされるバーナ70の燃焼量を抑制することができ、熱効率を向上することができる。
ステップS126、ステップS130またはステップS134の後、処理は図14のステップS106へ移行する。
一方、図14のステップS94で第2タンクサーミスタ18の検出温度が82℃未満であれば(NOであれば)、貯湯タンク14の上部の蓄熱のみでは追焚き運転を行えないと判断される。このような場合にも、図15のステップS112に進み、燃焼追焚き運転を行う。図15に示す処理については前述した通りである。
【0075】
風呂の追焚き運転とともに前述した給湯運転が行なわれる場合もある。そのような場合でも、暖房運転と給湯運転が同時に行われている場合と同様に、暖房機用熱交換器114を通過せずに高温のままの温水が貯湯タンク14の上部に戻される一方、暖房機用熱交換器114を通過して温度が低下した温水が貯湯タンク14の上部に戻ることはない。給湯運転と風呂の追焚き運転が同時に行われている場合でも貯湯タンク14の上部の温水温度を低下させることなく、給湯を安定して行なうことが可能となる。
【0076】
図14に戻り説明を続ける。
ステップS106では、風呂循環サーミスタ138の検出温度が追焚き設定温度となったか否かが判別される。風呂循環サーミスタ138の検出温度が追焚き設定温度となるまでは、上記のステップS94以降の処理が繰り返される。風呂循環サーミスタ138の検出温度が追焚き設定温度となると(ステップS106でYESとなると)、浴槽128内の温水の温度が追焚き設定温度となったとみなされる。この場合、ステップS108に進み、バーナ70がこの時点で燃焼していれば、バーナ70が消火される。さらにステップS110に進み、追焚き熱動弁126が閉じられ、暖房循環ポンプ56が停止され、風呂循環ポンプ134が停止されて、風呂の追焚き運転が終了する。
【0077】
暖房運転が終了した後に、ステップS61の残熱回収制御が行なわれる。ステップS61の処理は、暖房運転の場合と同様に図4に示す処理が行われるので説明を省略する。
【0078】
(風呂湯張り運転)
風呂の湯張り運転について、図16、図17を用いて説明する。図16は湯張り運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。湯張り運転では、図16中に太線で示す流路内を水又は温水が流通する。なお、給湯運転のときと同様に、熱交バイパス流路79には温水が流れるときもあれば流れないときもある。図17は湯張り運転のフローチャートである。
【0079】
図17のステップS140では、リモコン148の風呂の湯張りスイッチが操作されて、湯張りのオン信号が出力されたか否かが判別される。湯張りのオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS140でYESとなると)、湯張り要求があったとみなされる。ステップS142に進み、注湯電磁弁144が開かれるとともに、温水電磁弁50が開かれる。これによって、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯流路46に送り出され、湯張り流路140、風呂循環流路130を経て、浴槽128内に供給される。ステップS144では、湯張り量センサ142の検出流量の積算が開始される。
【0080】
ステップS146に進み、第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であるか否かが判別される。第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上であれば(ステップS146でYESであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく湯張りに利用することが可能とみなされる。このような場合、ステップS148に進み、非燃焼湯張り運転が行われる。非燃焼湯張り運転では、バーナ70を燃焼させず、バーナ循環ポンプ80も駆動されない。ステップS148では、バーナ70が燃焼していれば消火し、バーナ循環ポンプ80が駆動していれば停止する。
【0081】
第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃未満であれば(ステップS146でNOであれば)、貯湯タンク14内の温水を加熱することなく湯張りに利用することが不可能とみなされる。このような場合、ステップS150に進み、燃焼湯張り運転が行われる。燃焼湯張り運転では、バーナ70が点火され、バーナ循環ポンプ80が駆動される。まず、バーナ部68を通過する温水の流路を確保するために第1制御弁160を開く(ステップS150)。なお、ステップS150では、第1制御弁160を開くと同時に、第2制御弁162と第3制御弁164が閉じられる。次に、バーナ循環ポンプ80を駆動する(ステップS151)。こうして温水がバーナ部68を流れる状態にした上で、バーナ70を点火する(ステップS152)。ステップS152の処理は、より具体的には、バーナ循環流量センサ82によって検出される流量が、2.7(リットル/分)以上となったらバーナ70を点火する。この処理は、顕熱熱交換器74内の温水の局所的な沸騰を防止するためである。
ステップS150〜S152の処理によって、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出されて加熱される。ステップS154では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が65℃となるようにバーナ70の燃焼量とバーナバイパスサーボ86の開度が制御される。バーナ部68に送り出された温水は65℃に加熱され、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
【0082】
燃焼給湯運転中には、バーナ部68を通過した温水の一部を熱交バイパス流路79へ導くか否かのバイパス流路制御が行なわれる(ステップS23)。このバイパス流路制御は、風呂湯張り運転と前述した暖房運転や風呂追焚き運転が同時に行なわれたときに、要求される温度の温水を安定して風呂へ供給するために行なわれる。バイパス流路制御は、図4と同じであるので説明を省略する。
【0083】
ステップS156では、給湯サーミスタ54の検出温度が湯張り設定温度となるように、混合サーボ34の開度が調整される。これによって、貯湯タンク14の上部から給湯流路46に送り出された温水が、湯張り設定温度に調温されて、浴槽128に供給される。
ステップS158では、湯張り量センサ142の積算流量が湯張り設定水量であるか否かが判別される。湯張り量センサ142の積算流量が湯張り設定水量に満たなければ(ステップS158でNOであれば)、ステップS146へ戻る。貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃以上であれば非燃焼湯張り運転が行われ、貯湯タンク14の上部の温水温度が60℃未満であれば燃焼湯張り運転が行われることとなる。燃焼湯張り運転が行われることによって、バーナ70によって65℃に加熱された温水が、貯湯タンク14の第1タンクサーミスタ16より上部に貯められる。これによって、貯湯タンク14の上部は60℃以上の温水が貯められたバッファタンクとなる。バッファタンク化した貯湯タンク14の上部から60℃以上の温水が給湯流路46に送り出され、湯張り設定温度に調温されて給湯される。湯張り温度の調温は、混合サーボ34の開度を調整することによってなされる。給水サーミスタ28の検出温度と給湯サーミスタ54の検出温度から、給湯サーミスタ28の検出温度が湯張り設定温度となるように混合サーボ34の開度が調整される。
ステップS158で、湯張り量センサ142の積算流量が湯張り設定水量となれば(YESとなれば)、湯張りが完了したとみなされる。ステップS160へ進み、注湯電磁弁144が閉じられるとともに、温水電磁弁50が閉じられて湯張り運転が終了される。
【0084】
本実施例の部品と請求項に記載した部品との関係を説明する。バーナ部68が請求項の熱源機の一態様に相当する。バーナ循環往路76aが、請求項の温水往路の一態様に相当する。バーナ循環復路76bが、請求項の温水復路の一態様に相当する。暖房機用熱交換器114が、請求項の熱交換器の一態様に相当する。熱交バイパス流路79が、請求項のバイパス流路の一態様に相当する。バイパス流路弁87が、請求項の流量調整手段の一態様に相当する。第2バーナ循環復路166が、請求項の第2温水復路の一態様に相当する。第3バーナ循環復路168が、請求項の第3温水復路の一態様に相当する。第1制御弁160と第2制御弁162が、請求項の第1切換手段の一態様に相当する。第1制御弁160と第3制御弁164が、請求項の第2切換手段の一態様に相当する。
【0085】
本実施例では、貯湯タンク14の中間部から温水を取り出してバーナ70に送り出すため、貯湯タンク14内の蓄熱量が少ないときであっても、蓄熱を有効利用することができる。
【0086】
本実施例では、貯湯タンク14内の温水をバーナ70に送り出し、バーナ70で加熱された温水を貯湯タンク14へ戻すためのバーナ循環流路76を利用して、暖房循環流路112内の温水を加熱することができる。また、この暖房循環流路112から分岐した風呂の追焚き流路122を利用して、浴槽128と接続されている風呂循環流路130内の温水を加熱することができる。1つの循環流路(バーナ循環流路76)を多様に活用することができるため、システムの構成を簡素化し、システムをコンパクト化することができる。
【0087】
本実施例では、バーナ循環復路76bを通る温水の戻り先を、熱交換器出口サーミスタ90での検出温度に応じて切換えることができる。熱交換器出口サーミスタ90での検出温度に応じて、温水の戻り先を貯湯タンク14の上部としたり、貯湯タンク14の下部としたり、貯湯タンク14をバイパスしてバーナ循環往路76aとしたりすることができる。このように温水の戻り先を切換えることによって、貯湯タンク14の内部に形成される温度成層状態を崩すことがない。
【0088】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0089】
例えば、図10に示した残熱回収制御のステップS210では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が所定温度以上の場合にバイパス流路弁87を開き(ステップS212)、検出温度が所定温度以上でない場合にバイパス流路弁87を閉じた(ステップS214)。これによって、熱交バイパス流路79を流れる温水の流量を、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が所定温度未満のときよりも所定温度以上のときの方が多くすることができる。そうすることで、バーナ部の残熱を貯湯タンク14へ効率的に回収することができた。ここで、ステップS200の判断を、バーナ出口サーミスタ88の検出温度から計算される経時的温度上昇率が所定値以上の場合にバイパス流路弁87を開き、経時的温度上昇率が所定値以上でない場合にバイパス流路弁87を閉じるように構成してもよい。温度上昇率が所定値以上の場合も暖房機用熱交換器114が要求する熱量が急減した場合を意味する。温度上昇率を監視することで、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が高くなくとも、バーナ部68に残熱が発生している場合にその残熱を回収することが可能となる。
【0090】
上記実施例では、給水流路24は貯湯タンク14の下部へ給水し、給湯流路46は貯湯タンクの上部の温水を給湯口44へ送り、バーナ循環復路76bと熱交バイパス流路79はバーナ部68を通過した温水を貯湯タンク14の上部へ戻すように配置した。即ち、貯湯タンク14を温度成層型とした。温度成層型でない貯湯タンクであっても、熱交バイパス流路79とバイパス流路弁87を備えることによって、暖房機の熱負荷が高くとも要求される温度の温水を給湯し続けることが可能な貯湯ユニットを実現することができる。
【0091】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は実施例のコージェネレーションシステムの系統図である。
【図2】図2は給湯運転中の温水の流れを説明するための図である。
【図3】図3は給湯運転の処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、バイパス流路制御の処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は暖房運転中の温水の流れの一態様を説明するための図である。
【図6】図6は暖房運転中の温水の流れの他の一態様を説明するための図である。
【図7】図7は暖房運転中の温水の流れのさらに他の一態様を説明するための図である。
【図8】図8は暖房運転の処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は暖房運転の処理を示すフローチャートの一部である。
【図10】図10は残熱回収制御の処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は風呂の追焚き運転中の温水の流れの一態様を説明するための図である。
【図12】図12は風呂の追焚き運転中の温水の流れの他の一態様を説明するための図である。
【図13】図13は風呂の追焚き運転中の温水の流れのさらに他の一態様を説明するための図である。
【図14】図14は風呂の追焚き運転の処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は風呂の追焚き運転の処理を示すフローチャートの一部である。
【図16】図16は風呂の湯張り運転中の温水の流れを説明するための図である。
【図17】図17は風呂の湯張り運転の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
10:貯湯ユニット
12:貯湯部
14:貯湯タンク
16:第1タンクサーミスタ
18:第2タンクサーミスタ
20:第3タンクサーミスタ
22:第4タンクサーミスタ
24:給水流路
26:減圧弁
28:給水サーミスタ
30:給水量センサ
32:給水量サーボ
34:混合サーボ
36:混合流路
38:排水流路
40:排水弁
42:圧力開放流路
44:給湯栓
46:給湯流路
48:圧力逃し弁
49:給湯量センサ
50:温水電磁弁
52:高温サーミスタ
54:給湯サーミスタ
56:熱回収循環流路、56a:循環往路、56b:循環復路
58:熱回収循環ポンプ
60:循環往路サーミスタ
62:循環復路サーミスタ
64:三方弁、64a:入口、64b:入口、64c:出口
66:バイパス流路
68:バーナ部
70:バーナ
72:潜熱熱交換器
74:顕熱熱交換器
76:バーナ循環流路、76a:循環往路、76b:循環復路
78:バーナ部バイパス流路
79:熱交バイパス流路
80:バーナ循環ポンプ
81:バーナ循環往路サーミスタ
82:バーナ循環流量センサ
84:バーナ循環流量サーボ
86:バーナバイパスサーボ
87:バイパス流路弁
88:バーナ出口サーミスタ
90:熱交換器出口サーミスタ
92:ドレイン流路
94:中和器
98:オーバーフロー流路
100:シスターン
102:シスターン給水流路
104:負圧弁
106:シスターン給水弁
108:熱負荷装置
110:暖房端末機
112:暖房循環流路、112a:循環往路、112b:循環復路
114:暖房機用熱交換器
116:暖房循環ポンプ
118:暖房循環サーミスタ
120:暖房熱動弁
122:追焚き流路
124:風呂用熱交換器
126:追焚き熱動弁
128:浴槽
130:風呂循環流路、130a:循環往路、130b:循環復路
132:風呂水位センサ
134:風呂循環ポンプ
136:風呂水流スイッチ
138:風呂循環サーミスタ
140:湯張り流路
142:湯張り量センサ
144:注湯電磁弁
146:コントローラ
148:リモコン
150:発電ユニット
152:熱媒循環流路
154:熱回収用熱交換器
160:第1制御弁
162:第2制御弁
164:第3制御弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を貯湯する貯湯タンクと、
貯湯タンクの温水を給湯口へ送る給湯流路と、
貯湯タンクへ給水する給水流路と、
通過する水を加熱する熱源機と、
貯湯タンクの温水を熱源機へ送る温水往路と、
熱源機を通過した温水を貯湯タンクへ戻す温水復路と、
温水復路を通る温水と暖房用の熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、
熱源機を通過した温水を、熱交換器をバイパスして貯湯タンクへ戻すバイパス流路と、
熱交換器を通過する温水の流量とバイパス流路を通過する温水の流量の割合を調整する流量調整手段を備える貯湯ユニット。
【請求項2】
流量調整手段は、給湯流路を通過する温水によって貯湯タンクから減少する熱量に応じて前記割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の貯湯ユニット。
【請求項3】
流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度が所定温度未満のときよりも所定温度以上のときの方が多くなるように前記割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の貯湯ユニット。
【請求項4】
流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度の経時的上昇率が所定値未満のときよりも所定値以上のときの方が多くなるように前記割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の貯湯ユニット。
【請求項5】
流量調整手段は、バイパス流路を開閉する弁であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の貯湯ユニット。
【請求項6】
給水流路は貯湯タンクの下部へ給水し、給湯流路は貯湯タンクの上部の温水を給湯口へ送り、温水復路とバイパス流路は熱源機を通過した温水を貯湯タンクの上部へ戻すように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の貯湯ユニット。
【請求項7】
熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクを通さずに温水往路へ温水を導く第2温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第2温水復路のいずれかに切換える第1切換手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の貯湯ユニット。
【請求項8】
熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクの下部に温水を導く第3温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第3温水復路のいずれかに切換える第2切換手段を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の貯湯ユニット。
【請求項1】
温水を貯湯する貯湯タンクと、
貯湯タンクの温水を給湯口へ送る給湯流路と、
貯湯タンクへ給水する給水流路と、
通過する水を加熱する熱源機と、
貯湯タンクの温水を熱源機へ送る温水往路と、
熱源機を通過した温水を貯湯タンクへ戻す温水復路と、
温水復路を通る温水と暖房用の熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、
熱源機を通過した温水を、熱交換器をバイパスして貯湯タンクへ戻すバイパス流路と、
熱交換器を通過する温水の流量とバイパス流路を通過する温水の流量の割合を調整する流量調整手段を備える貯湯ユニット。
【請求項2】
流量調整手段は、給湯流路を通過する温水によって貯湯タンクから減少する熱量に応じて前記割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の貯湯ユニット。
【請求項3】
流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度が所定温度未満のときよりも所定温度以上のときの方が多くなるように前記割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の貯湯ユニット。
【請求項4】
流量調整手段は、バイパス流路の流量を、熱源機を通過した温水の温度の経時的上昇率が所定値未満のときよりも所定値以上のときの方が多くなるように前記割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の貯湯ユニット。
【請求項5】
流量調整手段は、バイパス流路を開閉する弁であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の貯湯ユニット。
【請求項6】
給水流路は貯湯タンクの下部へ給水し、給湯流路は貯湯タンクの上部の温水を給湯口へ送り、温水復路とバイパス流路は熱源機を通過した温水を貯湯タンクの上部へ戻すように配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の貯湯ユニット。
【請求項7】
熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクを通さずに温水往路へ温水を導く第2温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第2温水復路のいずれかに切換える第1切換手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の貯湯ユニット。
【請求項8】
熱交換器より下流で温水復路から分岐しており、貯湯タンクの下部に温水を導く第3温水復路と、熱交換器を通過した温水の流路を温水復路と第3温水復路のいずれかに切換える第2切換手段を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の貯湯ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−51383(P2008−51383A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226996(P2006−226996)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】
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