説明

赤外線撮像装置および赤外線撮像方法

【課題】異なる距離にある対象物を同時に撮像する。
【解決手段】所定波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1のレーザ照射器12Aと、第1の赤外パルスレーザ光の反射光を第1の検知素子131で逐次受光し、光電変換して電気信号を出力する第1の赤外線検知器13と、この電気信号から第1の赤外線反射画像用信号を生成する第1の信号処理器15Aと、第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射するレーザ照射器12Bと、第2の赤外パルスレーザ光の反射光を第2の検知素子141で逐次受光し、光電変換して電気信号を出力する第2の赤外線検知器14と、この電気信号から第2の赤外線反射画像用信号を生成する第2の信号処理器15Bを備え、第1の検知素子131と第2の検知素子141が外表面上に市松状で配置された赤外線撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域内の物体を検知し、その画像を生成する赤外線撮像装置および赤外線撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
監視領域内の物体を検知するための装置としては、物体から放出される赤外線を受光し、その赤外線の解析によって画像データを生成する赤外線検知器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この赤外線検知器は、物体から放出される可視光線や近赤外線が僅かであっても、これを増幅して明瞭な画像を得ることができるので、夜間利用も可能な利点がある。
【0003】
また、監視領域内にレーザ光(赤外光など)を照射し、その反射光を受光して監視領域における対象物の有無、対象物までの距離、および対象物の画像データを生成するレーザレーダ装置が知られている(例えば特許文献2参照)。このレーザレーダ装置は、雨天、濃霧、夜間などの悪条件下でも遠距離にある物体の画像監視が可能な利点がある。
【特許文献1】特開2001−268440号公報
【特許文献2】特開2004−28602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、赤外線検知器は、夜間利用可能であるが、対象物までの距離が不明であるため、複雑な背景下での利用に制約がある。一方、レーザレーダ装置は、指定距離の画像のみが取得されるため、距離の異なる対象物を同時に撮像することが出来ないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、従来技術の問題に鑑み、異なる距離に存在する対象物を同時、かつ、選択的に撮像可能な赤外線撮像装置および赤外線撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る赤外線撮像装置は、所定の波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1のレーザ照射器と、前記第1の赤外パルスレーザ光の照射に連動して、前記監視領域内の第1の物体からの反射光を外表面上に配置された複数の第1の検知素子により受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第1の赤外線検知器と、この第1の赤外線検知器から出力された電気信号を変換し、第1の赤外線反射画像用信号を生成する第1の信号処理器と、前記第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、前記監視領域内へ照射する第2のレーザ照射器と、前記第2の赤外パルスレーザ光の照射に連動して、前記外表面において直交する2軸の各方向で前記第1の検知素子に対して交互に配置された複数の第2の検知素子により前記監視領域内で前記第1の物体と異なる距離に存在する第2の物体から前記第2の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第2の赤外線検知器と、この第2の赤外線検知器から出力された電気信号を変換し、第2の赤外線反射画像用信号を生成する第2の信号処理器と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る赤外線撮像装置は、所定の波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1のレーザ照射器と、前記第1の赤外パルスレーザ光の照射に連動し、前記監視領域内の第1の物体から前記第1の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光する第1の検知素子と、前記第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、前記監視領域内へ照射する第2のレーザ照射器と、前記第2の赤外パルスレーザ光の照射に連動し、前記監視領域内の第2の物体から前記第2の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光する第2の検知素子と、を備え、前記第1および第2の検知素子は、同一面上において直交する2軸の各方向で交互に配置された受光領域を形成し、かつ、前記第1および第2のレーザ照射器のレーザ照射口は、前記受光領域の外周部に配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る赤外線撮像方法は、所定の波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1の赤外レーザ照射ステップと、前記第1の赤外パルスレーザ光の照射に連動して前記監視領域内の第1の物体から前記第1の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第1の赤外線受光ステップと、この第1の赤外線受光ステップにおいて出力された電気信号を変換し、第1の赤外線反射画像用信号を生成する第1の信号処理ステップと、前記第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、前記監視領域内へ照射する第2の赤外レーザ照射ステップと、前記第2の赤外パルスレーザ光の照射に連動して前記監視領域内で前記第1の物体と異なる距離に存在する第2の物体から前記第2の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第2の赤外線受光ステップと、この第2の赤外線受光ステップにおいて出力された電気信号を変換し、第2の赤外線反射画像用信号を生成する第2の信号処理ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異なる距離に存在する対象物を同時、かつ、選択的に撮像可能な赤外線撮像装置および赤外線撮像方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る赤外線撮像装置1の全体構成例を示す図である。同図に示されるように、赤外線撮像装置1は、制御器11、レーザ照射器12、第1の赤外線検知器13、第2の赤外線検知器14、信号処理器15、および画像表示器16から構成されている。
【0011】
制御器11は、赤外線撮像装置1を構成する各機器を制御する中央処理装置である。レーザ照射器12は、第1のレーザ発生器12A、第2のレーザ発生器12B、照射方向制御器12C、および冷却器12Dから構成され、レーザ光を所望の方向へ照射する装置である。第1のレーザ発生器12Aおよび第2のレーザ発生器12Bは、制御器11からの制御情報に基づいてレーザ光を生成し、照射方向制御器12Cで定められた方向へ照射する。
【0012】
ここでは、媒質としてYAGを用い、第1の赤外線検知器13および第2の赤外線検知器14は、例えば原波長1.06μmのレーザ光を波長変換によって各々異なる波長とし、これを短パルスあるいは超短パルスの赤外パルスレーザ光として照射する。レーザ発生タイミングは、取得画像のフレーム間隔以上とするため、60Hz以上若しくは120Hz以上とすることが好ましい。使用波長の具体例としては、赤外線の透過率の高い大気の窓を利用し、(1)中波長帯内の3μm付近と5μm付近の2波長を組み合わせる場合や(2)中波長帯の3〜5μmと長波長帯8〜12μmを組み合わせる場合などが考えられる。
【0013】
照射方向制御器12Cは、ジンバル機構(図示省略する)を回転駆動させることにより、第1のレーザ発生器12Aおよび第2のレーザ発生器12Bで生成される赤外パルスレーザ光の照射方向を変更する装置である。冷却器12Dは、第1のレーザ発生器12Aおよび第2のレーザ発生器12Bにおいて赤外パルスレーザ光の生成の際に生じる熱を冷却する装置である。
【0014】
第1の赤外線検知器13は、監視領域内の対象物に対して第1のレーザ発生器12Aから照射された赤外パルスレーザ光の反射光(波長λの赤外線)を内設された高速シャッター(図示省略する)の開閉動作と複数の検知素子131によって所定の周期で受光し、この反射光を光電変換して監視領域内の対象物に係る電気信号を出力する。
【0015】
第2の赤外線検知器14は、監視領域内の対象物に対して第2のレーザ発生器12Bから照射された赤外パルスレーザ光の反射光(波長λの赤外線)を内設された高速シャッター(図示省略する)の開閉動作と複数の検知素子141によって所定の周期で受光し、この反射光を光電変換して監視領域内の対象物に係る電気信号を出力する。高速シャッターを連続的に開閉することによって対象物までの距離が測定可能である。また、高速シャッターの開閉周期は、後述する生成画像の取得時間に関連するので、第1の赤外線検知器13と同期させることが好ましい。受光する反射光は波長によって識別されるため、第2の距離ゲートの設定範囲は第1の距離ゲートと重複しても良い。
【0016】
信号処理器15は、第1の信号処理部15Aおよび第2の信号処理部15Bから構成され、各赤外線検知器から取得される電気信号を変換して画像用信号を生成し、出力する。第1の信号処理部15Aは、第1の赤外線検知器13から出力された電気信号に基づいて波長λの反射光に係る画像(以下、「第1の赤外線反射画像」という。)用信号を生成する。同様に、第2の信号処理部15Bは、第2の赤外線検知器14から出力された電気信号に基づいて波長λの反射光に係る画像(以下、「第2の赤外線反射画像」という。)用信号を生成する。
【0017】
画像表示器16は、信号処理器15から出力された画像用信号を制御器11の制御に基づいて処理し、各赤外線反射画像(レーザレーダ画像)を表示する装置である。
【0018】
図2は、赤外線撮像装置1の具体例を示す概観図である。ここでは、赤外線撮像装置1の中央部には第1の赤外線検知器13の単位センサである検知素子131並びに第2の赤外線検知器14の検知素子141が同一の平面において直交するX軸およびY軸の各方向で交互に複数組み合わせ、市松状に一体化した受光領域が設けられている。また、第1のレーザ発生器12Aおよび第2のレーザ発生器12Bのレーザ照射口は、受光領域の外周部の四隅に交互に設けられ、各々が対角線上で向かい合っている。受光領域において検知素子131、141を市松状に配置した理由は、異なる波長の赤外線の受光条件を同等とするためであるが、配置方法はこれに限られない。例えば、行単位あるいは列単位で同種の検知素子を配置してもよい。
【0019】
また、第1のレーザ発生器12Aおよび第2のレーザ発生器12Bのレーザ照射口は、レーザ照射方向が2種の検知素子の受光方向と平行であるように同一面上に配置されている。したがって、照射方向制御器12Cのジンバル機構(図示省略する)を監視領域に向けて回転駆動させ、レーザの照射方向を変更した場合には、受光領域の傾斜角度も連動して変更される。すなわち、受光領域で反射光を受光し易い構成となっている。また、第1のレーザ発生器12Aおよび第2のレーザ発生器12Bのレーザ照射口の配置は四隅に限定されない、例えば四辺の中間で各々が向かい合うように配置しても良い。同様に、個数も特に限定されない。
【0020】
図3は、赤外線撮像装置1により撮像が行われる監視領域の具体例を示す図である。ここでは、赤外パルスレーザ光の照射が行われる領域が監視領域である。この監視領域には、境界面2Aと境界面2Bに囲まれた第1の距離ゲートおよび境界面2Cと境界面2Dに囲まれた第2の距離ゲートが設定されており、飛翔体3A、3B、山4A、4B、4C、および樹木5A、5B、5Cが存在している。第1の距離ゲート内には飛翔体3A、樹木5A、および樹木5B、第2の距離ゲート内には飛翔体3Bおよび樹木5Cが含まれている。そして、上空を移動する飛翔体3A、3Bに対して赤外線撮像装置1のレーザ照射器12から赤外パルスレーザ光が照射され、その反射光を受光する様子が示されている。距離ゲートの幅は例えば1km、2km、5kmなど任意に設定可能である。また、距離ゲートの数は高速シャッターを開放した回数と等しい。
【0021】
図4は、赤外線撮像装置1における撮像処理の具体例を示すフローチャートである。S401において、制御器11は、ユーザインターフェース(図示省略する)を介してユーザから外部入力された情報に基づいてレーザ照射器12の照射方向制御器12Cを動作させ、監視領域に照射方向を合わせる。
【0022】
S402において、第1のレーザ発生器12Aから赤外パルスレーザ光を照射すると共に、第1の赤外線検知器13が第1の距離ゲート内に存在する対象物から波長λの反射光を受光して第1の赤外線反射画像用信号を生成する。
【0023】
S403において、第2のレーザ発生器12Bから赤外パルスレーザ光を照射すると共に、第2の赤外線検知器14が第2の距離ゲート内に存在する対象物から波長λの反射光を受光して第2の赤外線反射画像用信号を生成する。ここでは、S402およびS403は並列して行われる。
【0024】
S404において、制御器11は、ユーザインターフェース(図示省略する)を介してユーザから外部入力された情報が第1の赤外線反射画像の表示要求か否かを判定する。ここで、第1の赤外線反射画像の表示が要求された場合には、制御器11は画像表示器16に第1の赤外線反射画像用信号に基づいて第1の赤外線反射画像を表示させ(S405)、処理を終了する。
【0025】
図5は、図3の監視領域について画像表示器16に表示される画像の具体例を示す図である。図5(a)は、第1の赤外線検知器13から出力された電気信号に係る第1の赤外線反射画像(レーザレーダ画像)であり、第1の距離ゲート内に存在する飛翔体3A、樹木5A、および樹木5Bの画像が表示されている。
【0026】
これに対し、第2の赤外線反射画像の表示が要求された場合には、制御器11は画像表示器16に第2の赤外線反射画像用信号に基づいて第2の赤外線反射画像を表示させ(S406)、処理を終了する。図5(b)は、第2の赤外線検知器14から出力された電気信号に係る第2の赤外線反射画像(レーザレーダ画像)であり、第2の距離ゲート内に存在する飛翔体3Bおよび樹木5Cの画像が表示されている。
【0027】
図6は、赤外線反射画像生成処理(S402およびS403)の具体例を示すフローチャートである。第1および第2の赤外線反射画像生成処理は、対象とする反射光の波長以外は共通しているので、ここでは第1の赤外線反射画像の生成処理を例として説明する。
【0028】
S601において、第1のレーザ発生器12Aは、制御器11からの制御情報に基づいて赤外パルスレーザ光を生成し、照射方向制御器12Cで定められた方向へ照射する。ここで、赤外パルスレーザ光を監視領域の全範囲について照射するのに長時間を要する場合は、所定の条件で照射領域を狭めることが好ましい。例えば、照射方向を中心部のみに限定する方法、ユーザが範囲を指定する方法、あるいは、連携可能な他のシステムで取得される画像を解析して移動物体を検知し、その周辺範囲のみを照射する方法など任意に設定できる。
【0029】
S603において、第1の赤外線検知器13は、第1のレーザ発生器12Aから照射された赤外パルスレーザ光の反射光(波長λ)を検知素子131において逐次受光する。S604において、第1の赤外線検知器13は、所定時間の経過後に高速シャッターを閉じ、受光を終える。
【0030】
尚、高速シャッターの開放時間(受光時間)に基づいて画像の取得範囲である距離ゲートの長さが決定される。図7は、高速シャッターの開閉と反射光到達時間の関係を説明する図である。同図において、縦軸は反射光の光量、横軸は反射光到達時間であり、受光対象となる反射光を斜線で示している。受光時間T、Tの長さは距離ゲートの幅に比例し、反射光到達時間は被照射体からの距離に比例するので、tで高速シャッターを開いてからtで閉じるまでに受光した赤外パルスレーザ光の反射光(波長λ)が第1の距離ゲート内に存在する被照射体(対象物)に係る反射光として選択的に受光される。同様に、高速シャッターを開閉してt〜tの間で受光した波長λの反射光が第2の距離ゲート内に存在する被照射体(対象物)に係る反射光として選択的に受光される。すなわち、高速シャッターの開閉によって連続的に撮像することで、特定波長の反射光の受光タイミングの相違に基づいて被照射体がどの距離ゲートに含まれるのかを判別でき、高速で移動する被照射体(例えば飛翔体)をそれぞれ追跡できる。ここでは、2波長であるため2物体を同時に追跡できるが、対応する波長数を増やせば更に多くの対象物を追跡可能である。
【0031】
S605において、第1の赤外線検知器13は、受光した赤外パルスレーザ光の反射光(波長λ)を光電変換し、生成した電気信号を信号処理器15(第1の信号処理部15A)へ出力する。S606において、信号処理器15(第1の信号処理部15A)は、出力された電気信号の変換処理を行い、第1の赤外線反射画像用信号を生成・出力して処理を終了する。
【0032】
このように、異なる波長の赤外パルスレーザ光を照射し、その反射光(赤外線)の波長と反射光の到達時間に基づいて別々に処理することによって、異なる距離にある複数の対象物の画像を同時、かつ、選択的に撮像可能な赤外線撮像装置を構築できる。
【0033】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る赤外線撮像装置1の全体構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る赤外線撮像装置1の具体例を示す概観図。
【図3】本発明の一実施形態に係る赤外線撮像装置1により撮像が行われる監視領域の具体例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る赤外線撮像装置1における撮像処理の具体例を示すフローチャート。
【図5】図3の監視領域について画像表示器16に表示される画像の具体例を示す図。
【図6】赤外線反射画像生成処理の具体例を示すフローチャート。
【図7】高速シャッターの開閉と反射光到達時間の関係を説明する図。
【符号の説明】
【0035】
1…赤外線撮像装置、
2A〜D…境界面、
3A、B…飛翔体、
4A〜C…山、
5A〜C…樹木、
11…制御器、
12…レーザ照射器、
12A…第1のレーザ発生器、
12B…第2のレーザ発生器、
12C…照射方向制御器、
12D…冷却器、
13…第1の赤外線検知器、
14…第2の赤外線検知器、
15…信号処理器、
15A…第1の信号処理部、
15B…第2の信号処理部、
16…画像表示器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1のレーザ照射器と、
前記第1の赤外パルスレーザ光の照射に連動して、前記監視領域内の第1の物体からの反射光を外表面上に配置された複数の第1の検知素子により受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第1の赤外線検知器と、
この第1の赤外線検知器から出力された電気信号を変換し、第1の赤外線反射画像用信号を生成する第1の信号処理器と、
前記第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、前記監視領域内へ照射する第2のレーザ照射器と、
前記第2の赤外パルスレーザ光の照射に連動して、前記外表面において直交する2軸の各方向で前記第1の検知素子に対して交互に配置された複数の第2の検知素子により前記監視領域内で前記第1の物体と異なる距離に存在する第2の物体から前記第2の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第2の赤外線検知器と、
この第2の赤外線検知器から出力された電気信号を変換し、第2の赤外線反射画像用信号を生成する第2の信号処理器と、
を備えることを特徴とする赤外線撮像装置。
【請求項2】
前記第1および第2の信号処理器に接続され、前記第1および第2の赤外線反射画像用信号を外部入力情報に基づいて切り替えて表示する画像表示器を更に有することを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像装置。
【請求項3】
前記第1および第2の赤外線検知器は、前記反射光の到達時間に基づいて前記第1および第2の赤外パルスレーザ光の照射地点から所望の距離に存在する前記第1および第2の物体に係る電気信号をそれぞれ出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載の赤外線撮像装置。
【請求項4】
所定の波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1のレーザ照射器と、
前記第1の赤外パルスレーザ光の照射に連動し、前記監視領域内の第1の物体から前記第1の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光する第1の検知素子と、
前記第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、前記監視領域内へ照射する第2のレーザ照射器と、
前記第2の赤外パルスレーザ光の照射に連動し、前記監視領域内の第2の物体から前記第2の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光する第2の検知素子と、
を備え、
前記第1および第2の検知素子は、同一面上において直交する2軸の各方向で交互に配置された受光領域を形成し、かつ、前記第1および第2のレーザ照射器のレーザ照射口は、前記受光領域の外周部に配置されることを特徴とする赤外線撮像装置。
【請求項5】
所定の波長の第1の赤外パルスレーザ光を生成し、監視領域内へ照射する第1の赤外レーザ照射ステップと、
前記第1の赤外パルスレーザ光の照射に連動して前記監視領域内の第1の物体から前記第1の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第1の赤外線受光ステップと、
この第1の赤外線受光ステップにおいて出力された電気信号を変換し、第1の赤外線反射画像用信号を生成する第1の信号処理ステップと、
前記第1の赤外パルスレーザ光と異なる波長の第2の赤外パルスレーザ光を生成し、前記監視領域内へ照射する第2の赤外レーザ照射ステップと、
前記第2の赤外パルスレーザ光の照射に連動して前記監視領域内で前記第1の物体と異なる距離に存在する第2の物体から前記第2の赤外パルスレーザ光の反射光を逐次受光し、この反射光を光電変換して電気信号を出力する第2の赤外線受光ステップと、
この第2の赤外線受光ステップにおいて出力された電気信号を変換し、第2の赤外線反射画像用信号を生成する第2の信号処理ステップと、
を有することを特徴とする赤外線撮像方法。
【請求項6】
前記第1および第2の赤外線反射画像用信号を外部入力情報に基づいて処理し、画面表示する画像表示ステップを更に有することを特徴とする請求項5記載の赤外線撮像方法。
【請求項7】
前記第1および第2の赤外線受光ステップにおいて、前記反射光の到達時間に基づいて前記第1および第2の赤外パルスレーザ光の照射地点から所望の距離に存在する前記第1および第2の物体に係る電気信号をそれぞれ出力することを特徴とする請求項5または請求項6記載の赤外線撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−8093(P2010−8093A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164707(P2008−164707)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】