説明

走査ビーム照射装置

【課題】位置ずれ補正に要する走査画像の取得回数を1回で済まし、また、y軸方向の位置ずれ補正およびx軸方向の位置ずれ補正に要する演算を1回で済まして、位置ずれ補正に要する時間を短縮する。
【解決手段】荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査して走査画像を形成する走査ビーム照射装置において、試料を支持するステージ上に設けたマークと、このマークを含む走査画像を取得する走査画像取得手段と、走査画像取得手段で取得した走査画像に基づいて位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備え、走査画像取得手段は、同一のマークを走査画像中に含む2つの異なる走査画像を取得し、この2つの走査画像の取得は同じ走査期間内で行う。2つの走査画像は同一のマークを走査画像中に含むため、2つの走査画像中のマークの位置を比較することによって、走査画像間に位置ずれを求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームやイオンビーム等の荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査して走査画像を形成する走査ビーム照射装置に関し、特に、走査画像の直線性の補正に関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査するには、荷電粒子ビームと試料ステージをX軸方向及びY軸方向に相対的に移動することによって、通常、X軸方向に1ライン分移動して検出信号を取得する操作と、Y軸方向に1ライン分ずらす操作を繰り返すことによって1フレーム分の走査信号を取得している。
【0003】
ステージの座標系と走査ビームの座標系との間が一致していない場合には、検出信号を取得して得られる走査画像の位置とステージ上に配置した試料の位置との間に位置ずれ(走査信号の視野ずれ)が生じることになる。
【0004】
従来、この位置ずれの補正は、試料上に位置合わせのためのマークを設け、ステージを動作させながら試料上に設けたマークの位置を確認し、ステージの座標系と走査ビームの座標系を座標変換することによって行っている。
【0005】
この走査信号の視野ずれの補正において、走査画像を目視で確認しながら補正値を手動で求める場合には、作業時間が長くなるという問題や、客観的な基準がないため作業者によって補正値が異なるという問題が指摘されている。
【0006】
また、複数のビーム源によってビーム走査を行う構成では、これら複数のビーム源間の相対位置を補正する必要があり、このビーム源間の相対位置の補正は、ビーム源間のビームピッチや、制御値あたりの移動量等を計算しながら行わなければならず、演算を人手によって行う場合には計算やずれ方向の間違い等の誤りについても指摘されている。
【0007】
このような走査信号の視野ずれの問題に対して、複数のビーム源の相対的位置関係を補正する走査ビーム照射装置が提案されている。この走査ビーム照射装置では、ステージに設けたマークをビーム走査し、ビーム走査で得られた走査画像から位置ずれを検出し、ビーム源間の位置補正を行うものである(特許文献1参照)。
【0008】
特許文献1で提案される補正は、複数の走査画像間の位置ずれ補正において、ステージを移動させながら、ステージ上のマークの位置を確認し、ステージの座標系と走査ビームの座標系と座標変換によって一致させるものであり、走査画像の取得と位置ずれ補正とを2段階の手順によって行っている。第1の補正段階において、走査画像に基づいてy方向の位置ずれを補正し、第2の補正段階において、再度取得した走査画像に基づいてx方向の位置ずれを補正する。
【0009】
図14は、従来の走査画像間の位置ずれ補正を説明するための図である。図14(a)は、同一のマークを隣接するビーム源mとビーム源m+1で走査して得られる走査画像を示している。マークは横線を斜め線から形成されている。ビーム源間の境界線100の右方に示す走査画像101はビーム源m+1のビーム走査で得られる走査画像であり、ビーム源間の境界線100の左方に示す走査画像102はビーム源mのビーム走査で得られる走査画像である。ビーム源mとビーム源m+1の位置ずれは、走査画像101と走査画像102像の位置ずれとして観察される。
【0010】
走査画像101の横線101aと走査画像102の横線102aのy軸方向のずれは、y軸方向の位置ずれを表している。図14(b),(c)は第1の補正段階を示し、横線101aと横線102aのy軸方向のずれ量に基づいて、y軸方向のずれを補正する。
【0011】
図14(d)はy軸方向のずれを補正した後の走査画像である。斜め線の角度が45°である場合には、2本の斜め線がそれぞれ境界線100と交差する点のy軸方向のずれは、x軸方向の位置ずれを表している。図14(d),(e)は第2の補正段階を示し、斜め線101bと斜め線102bのy軸方向のずれ量に基づいて、x軸方向のずれを補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】再公表特許WO2006/082714
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術の、走査画像に基づいてy方向の位置ずれを補正する第1の補正段階と、再度走査画像を取得し、2回目の走査画像に基づいてx方向の位置ずれを補正する第2の補正段階とによる2段階の手順では、走査画像を2回取得する必要があるため、位置ずれ補正に時間を要するという問題がある。
【0014】
例えば、液晶基板のアレイ検査では、一つの走査画像を取得するために約5分の時間を要し、検査時間が長くなる要因となる。
【0015】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、位置ずれ補正に要する走査画像の取得回数を1回で済ますことを目的とする。
【0016】
また、y軸方向の位置ずれ補正およびx軸方向の位置ずれ補正に要する演算を1回で済ますことを目的とする。
【0017】
また、位置ずれ補正に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査して走査画像を形成する走査ビーム照射装置において、試料を支持するステージ上に設けたマークと、このマークを含む走査画像を取得する走査画像取得手段と、走査画像取得手段で取得した走査画像に基づいて位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備える。
【0019】
走査画像取得手段は、同一のマークを走査画像中に含む2つの異なる走査画像を取得する。この2つの走査画像の取得は同じ走査期間内で行うことができる。2つの走査画像は同一のマークを走査画像中に含むため、2つの走査画像中のマークの位置を比較することによって、走査画像間に位置ずれを求めることができる。
【0020】
また、この2つの走査画像の取得は同じ走査期間内で行うことができるため、画像取得に要する時間は1つの走査画像の取得に要する時間と同様とすることができる。
【0021】
位置ずれ補正手段は、走査画像取得手段で取得した2つの走査画像において、各マークの座標をそれぞれ求め、求めた2つのマークのx軸方向の位置ずれ量からx軸方向の補正値を算出し、求めた2つのマークのy軸方向の位置ずれ量からy軸方向の補正値を算出する。
【0022】
本発明の構成によれば、1回の画像取得処理によって位置ずれ補正に要する走査画像を取得することができ、また、1回の演算によってx軸方向の位置ずれ補正とy軸方向の位置ずれ補正を行うことができる。
【0023】
本発明に用いるマークは、走査画像取得手段が走査するビームの走査方向と同方向の水平線と、この水平線に対して所定角で交差する斜め線を備える。
【0024】
このマークにおいて、水平線と斜め線とが交差する2つの交点位置の座標をマークの座標とし、このマークの座標を用いて走査画像の位置ずれ量を求める。2つの走査画像の2つの交点位置の位置座標において、x軸方向の座標値の差分からx軸方向の位置ずれ量を算出し、y軸方向の座標値の差分からy軸方向の位置ずれ量を算出する。
【0025】
各走査画像において、マークの水平線と斜め線が交差する交点を検出できない場合には、マークの水平線上の2点を結ぶ延長線と、マークの斜め線上の2点を結ぶ延長線との交点位置を外挿演算等によって求め、求めた交点位置の座標をマークの座標とする。
【0026】
水平線と斜め線から成るマークの一例として、走査方向の水平線とこの水平線に対して45°で交差する斜め線とを備える構成とすることができる。この水平線と45°の斜め線が、走査画像の境界線と交差する4つの交点位置の座標をマークの座標とする。
【0027】
斜め線を水平線に対して45°の角度とすることによって、x軸方向のずれ量は境界線上で斜め線が交差する交点と水平線との間のy軸方向のずれ量と同量となる。2つの走査画像において、マークが境界線と交差する4つの交点位置の位置座標において、水平線が交差する交点のy軸方向の座標値の差分からy軸方向の位置ずれ量を算出し、斜め線が交差する交点のy軸方向の座標値の差分からx軸方向の位置ずれ量を算出する。
【0028】
また、マークの水平線と斜め線が走査画像の境界線と交差する交点に代えて、境界線から所定距離だけ離れたy軸方向の直線を用い、マークがこの直線と交差する4つの交点位置の位置座標を用いて位置ずれ量を算出することもできる。
【0029】
本発明のマークは、上記した水平線と斜め線の組み合わせに限らず、一点の座標位置が特定できるマークであれば使用することができる。例えば、走査画像上においてマークの座標位置を検出することができる場合には、一つの点でマークを形成してもよい。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、位置ずれ補正に要する走査画像の取得回数を1回で済ますことができ、y軸方向の位置ずれ補正およびx軸方向の位置ずれ補正に要する演算を1回で済ますことができる。
【0031】
本発明によれば、1回の画像取得処理によって位置ずれ補正に要する走査画像を取得することができ、また、1回の演算によってx軸方向の位置ずれ補正とy軸方向の位置ずれ補正を行うことができるため、位置ずれ補正に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の走査ビーム照射装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明の走査ビーム照射装置1が備えるマークを説明するための図である。
【図3】本発明のマークの形状例を説明するための図である。
【図4】回転ずれ、X,Y軸方向ずれを説明するための図である。
【図5】本発明のX,Y軸方向ずれを説明するための図である。
【図6】本発明の位置ずれ補正による走査画像のずれ補正を説明するための図である。
【図7】本発明の回転方向ずれ、X,Y軸方向ずれの各位置ずれを補正するパラメータを求める手順について説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の回転方向ずれ補正、X,Y軸方向ずれ補正の補正演算の順序を説明するための図である。
【図9】本発明のビーム源のX,Y軸方向ずれ補正係数の算出を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明のビーム源間のX,Y軸方向ずれ補正を説明するための図である。
【図11】本発明のマークの交点の位置座標からX軸方向とY軸方向のずれ量を求める手順を説明するための図である。
【図12】本発明において交点の検出方法を説明するための図である。
【図13】Y軸方向のずれ量ΔyおよびX軸方向のずれ量Δxを求める別の態様を説明するための図である。
【図14】従来の走査画像間の位置ずれ補正を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。以下、本発明のTFTアレイ検査装置の構成例について、図1〜図6を用いて説明する。図1〜2は第1の形態の構成例を説明するための図であり、図3〜図6は第2の形態の構成例を説明するための図である。
【0034】
図1は本発明のTFTアレイ検査装置の第1の形態の概略を説明するための図である。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の走査ビーム照射装置を説明するための概略図である。
走査ビーム照射装置1は、電子やイオン等の荷電粒子ビームを試料上に照射するビーム源2と、基板等の試料を支持しX,Y方向に移動可能なステージ3と、荷電粒子ビームの照射によって試料から発生する二次電子等を検出する検出器4と、検出器4で取得された検出信号を用いて走査画像を形成する走査画像取得手段5と、得られた走査画像に基づいて位置ずれ補正値を求める位置ずれ補正手段6と、得られた位置ずれ補正値やその他のパラメータに基づいてビーム源2やステージ3の駆動制御を行う制御手段7を備える。
【0037】
走査画像取得手段5は、走査画像を形成する走査画像形成手段5aと形成した走査画像を記憶する走査画像記憶手段5bを備える。
【0038】
位置ずれ補正手段6は、ビーム源2の基準座標(ビーム座標系あるいはステージ座標系)に対する回転方向ずれのずれ量を求める回転方向ずれ量算出手段6a、各ビーム源間のX軸方向およびY軸方向ずれのずれ量を求めるX,Y軸方向ずれ量算出手段6b、回転方向ずれ量算出手段6aで求めた回転方向ずれ量を補正する補正係数を算出する回転方向ずれ補正係数算出手段算出6c、X,Y軸方向ずれ量算出手段6bで求めたX,Y方向ずれ量を補正する補正係数を算出するX,Y方向ずれ補正係数算出手段算出6d、算出した補正係数やその他のパラメータを記憶するパラメータ記憶手段6eを備える。
【0039】
なお、ここでは、位置ずれ補正値として、回転方向ずれ量を補正する補正係数、およびX,Y方向ずれ量を補正する補正係数を算出しているが、補正量を算出してもよい。
【0040】
本発明の走査ビーム照射装置1は、ステージ3上に位置ずれを算出するためのマークを備える。図2は、本発明の走査ビーム照射装置1が備えるマークを説明するための図である。
【0041】
図2において、マークは、ステージ座標を取得するステージ用シンボル11と、走査ビームの位置ずれを算出するための走査ビーム用シンボル12を備える。マークはステージの上端及び/又は下端にエッチング等によって形成される。図2ではマークはステージの上端に設けた例を示しているが、下端に設ける構成の他、上端及び下端の両端に設ける構成としてもよい。ステージ用シンボル11はビーム源2毎に設けられ、走査ビーム用シンボル12はビーム源間に設けられる。
【0042】
ビーム源2は、照射ビームのスキャン及びステージの移動によってパス13の走査範囲内を走査して走査画像を取得する。
【0043】
図3はマークの形状例を説明するための図である。図3(a)はステージ用シンボル11の一形状例を示している。ステージ用シンボル11は、ステージ上の位置を定める位置シンボル11aと、位置シンボル11aが走査範囲のいずれの方向にあるかを示す方向シンボル11bとを備える。得られた走査画像内に位置シンボル11aが見つからない場合には、この方向シンボル11bを参照することで位置シンボル11aが存在する方向を確認することができる。
【0044】
なお、図3(a)に示す位置シンボル11a及び方向シンボル11bの形状は一例であり、この形状に限定されるものではない。
【0045】
図3(b)は走査ビーム用シンボル12の一形状例を示している。走査ビーム用シンボル12は各ビーム源2の走査ビームの各走査範囲内に設け、走査ビームの座標系においてビーム源の回転方向ずれ、Y軸方向ずれ、X軸方向ずれ等の位置ずれを求めるための指標として用いる。
【0046】
走査ビーム用シンボル12は、走査方向の直線を含む水平シンボル12aと、水平シンボル12aに対して例えば45度方向に傾斜した直線を含む斜めシンボル12bを備える。
【0047】
以下、主に走査ビーム用シンボル12と、回転方向ずれ、Y軸方向ずれ、及びX軸方向ずれとの関係について説明する。以下では、走査ビーム用シンボル12をマークの用語で称し、水平シンボル12aを水平線の用語で、斜めシンボル12bを斜め線の用語で表すものとする。
【0048】
はじめに、水平線の両端のY軸方向の位置ずれ量と回転方向ずれとの関係を説明する。図4(a)は水平線と回転方向ずれ量との関係を説明するための図である。図4(a)において、回転方向のずれ角度θは水平線の両端のY軸方向の位置ずれ量に対応しているため、Y軸方向の位置ずれ量から回転方向ずれ量を算出することができる。
【0049】
次に、水平線間のY軸方向の位置ずれ量とY軸方向ずれとの関係、および斜め線のY軸方向の位置ずれ量とX軸方向ずれとの関係を説明する。
【0050】
図4(b)は2つの水平線間のY軸方向の位置ずれ量とY軸方向ずれとの関係を説明するための図である。図4(b)において、各ビーム源が同一のマークを走査して得られる二つの走査画像の各水平線のY軸方向の位置ずれ量は、二つのビーム源のY軸方向のずれ量および走査画像のY軸方向のずれ量に対応しているため、水平線間のY軸方向の位置ずれ量からビーム源間(走査画像間)のY軸方向ずれ量を算出することができる。
【0051】
図4(c)は2つの斜め線間のY軸方向の位置ずれ量とX軸方向ずれとの関係を説明するための図である。図4(c)において、各ビーム源が同一のマークを走査して得られる二つの走査画像の各斜め線のY軸方向の位置ずれ量は、二つのビーム源のX軸方向のずれ量および走査画像のX軸方向のずれ量に対応しているため、斜め線間のY軸方向の位置ずれ量からビーム源間(走査画像間)のX軸方向ずれ量を算出することができる。
【0052】
この斜め線のY軸方向のずれとビーム源間(走査画像間)のX軸方向との対応関係は、この斜め線の角度を水平線に対して45°の角度とする場合には、X軸方向ずれのずれ量とY軸方向ずれのずれ量とは同量となる関係に依るものであり、この関係から、Y軸方向ずれのずれ量をX軸方向ずれのずれ量として求めることができる。
【0053】
なお、斜め線の角度を水平線に対して45°以外の任意の角度とすることもできる。この場合には、X軸方向ずれのずれ量とY軸方向ずれのずれ量とは同量ではなく所定の比例関係となるため、Y軸方向ずれのずれ量に対して所定の比例関係に基づいた演算を行うことでX軸方向ずれのずれ量を求めることができる。
【0054】
なお、図4(c)の左方は、太い線で示すマークを基準としたとき、細い線で示すマークが右方にずれた場合を示し、図4(c)の右方は、太い線で示すマークを基準としたとき細い線で示すマークが左方にずれた場合を示している。このX軸方向ずれは、斜め線(実線で示す)のY軸方向ずれから求めることができる。
【0055】
図5はX,Y軸方向ずれを説明するための図である。図5(a)は、ビーム源mとビーム源m+1の間のずれについて示し、ビーム源mを基準としたときのビーム源m+1のX軸方向のずれΔxとY軸方向のずれΔyを示している。
【0056】
図5(c)は、ビーム源mおよびビーム源m+1が図5(b)に示すマーク12を走査して得られる走査画像を示している。図5(c)中の境界線10よりも左方に示される水平線12a,mおよび斜め線12b,mはビーム源mによる走査画像を示し、境界線10よりも右方に示される水平線12a,m+1および斜め線12b,m+1はビーム源m+1による走査画像を示している。
【0057】
ビーム源mとビーム源m+1の間のX軸方向のずれ量およびY軸方向のずれ量は、水平線12a,mと斜め線12b,mの交点Mと水平線12a,m+1と斜め線12b,m+1の交点M+1とのずれ量によって求めることができ、X軸方向のずれ量は交点Mと交点M+1とのX軸方向のずれ量から求めることができ、Y軸方向のずれ量は交点Mと交点M+1とのY軸方向のずれ量から求めることができる。
【0058】
上記した回転方向ずれ、Y軸方向ずれ、及びX軸方向ずれの各位置ずれを補正することで、走査画像のずれを補正することができる。図6は、位置ずれ補正による走査画像のずれ補正を説明するための図である。なお、ここでは、3つのビーム源がそれぞれ4つのパスによって走査画像を取得する状態を示している。
【0059】
図6(a)は、回転方向ずれを含む走査画像例を示している。ビーム源2の設置角度やビームの照射状態によって回転方向にずれが生じると、得られる走査画像に回転方向ずれが含まれることになる。直線の走査画像は、回転方向ずれによって水平に対して角度を有した傾斜線として表れる。
【0060】
図6(b)は回転方向ずれを補正した状態を示している。回転方向ずれ補正によって走査画像は水平な直線となる。このとき、ビーム源間においてY軸方向にずれが存在する場合には、各ビーム源で得られる走査画像の直線はY軸方向にずれΔyが表れる。また、ビーム源間においてX軸方向にずれが存在する場合には、各ビーム源で得られる走査画像の直線はX軸方向にずれΔxが生じ、走査画像に重複部分が生じる。
【0061】
図6(c)は、マークを用いてX軸方向ずれおよびY軸方向ずれを補正した状態を示している。X,Y軸方向ずれ補正によってビーム源間のX,Y軸方向のずれは解消される。
【0062】
次に、図7のフローチャートを用いて、回転方向ずれ、Y軸方向ずれおよびX軸方向ずれの各位置ずれを補正するパラメータを求める手順について説明する。
【0063】
はじめに、走査画像を取得する際の制御パラメータの内で回転方向ずれ、Y軸方向ずれ、X軸方向ずれ等を補正するパラメータを"0"に設定し(S1)、この状態でビームを走査して、ステージ上に形成したマークの走査画像を取得する。ここでは、回転方向ずれ、Y軸方向ずれおよびX軸方向ずれを補正するために、マークの走査画像を取得する(S2)。
【0064】
取得したマークの走査画像を用いてビーム源の回転方向ずれの補正係数を求め(S3)、求めた回転方向ずれ補正係数を用いて制御パラメータを設定し(S4)、回転方向ずれを補正した状態で再度ビームを走査して、マークの走査画像を取得する(S5)。
【0065】
次に、回転方向ずれを補正して取得した走査画像のマークを用いてX軸方向ずれ補正係数(補正量)およびY軸方向ずれ補正係数(補正量)を求める(S6)。
【0066】
前記S6の工程で求めたX軸方向ずれ補正係数、Y軸方向ずれ補正係数を用いてX,Y軸方向ずれ補正量のビーム制御のパラメータを設定する(S7)。
【0067】
図8は、回転方向ずれ補正、X,Y軸方向ずれ補正の補正演算の順序を説明するための図である。
【0068】
図8(a)は、一例として左から右に向かって順にビーム源の回転方向ずれ補正の演算処理を行う場合について示している。回転方向ずれ補正は、各ビーム源との間で関連がなく、一ビームの回転方向ずれ補正が他のビーム源の回転方向ずれ補正に影響しないため、ビーム源について任意の順序で行うことができる。
【0069】
図8(b)はX,Y軸方向ずれ補正の順序の一例であり、7個のビーム源において中央のビーム源No.4を基準として順にX,Y軸方向ずれ補正を行う。第1番目に基準のビーム源No.4に対して左側に隣接するNo.3のビーム源との間でX,Y軸方向ずれ補正を行い、次に、No.3とNo.2のビーム源との間でX,Y軸方向ずれ補正を行った後、No.2とNo.1のビーム源との間でX,Y軸方向ずれ補正を行って左方にあるビーム源のX,Y軸方向ずれ補正を完了する。
【0070】
次に、第4番目に基準のビーム源No.4に対して右側に隣接するNo.5のビーム源との間でX,Y軸方向ずれ補正を行い、次に、No.5とNo.6のビーム源との間でX,Y軸方向ずれ補正を行った後、No.6とNo.7のビーム源との間でX,Y軸方向ずれ補正を行って右方にあるビーム源のX,Y軸方向ずれ補正を完了する。これにより、全てのビーム源についてX,Y軸方向ずれを補正することができる。
【0071】
なお、X,Y軸方向の補正において、補正を補正後のマークと順次比較することによって補正を行う場合には、基準のマークに対する補正係数を求めるために前回の補正値を考慮する必要がある。
【0072】
次に、X,Y軸方向ずれ補正係数の算出について説明する。
図9はビーム源のX,Y軸方向ずれ補正係数の算出(図7のフローチャート中のS6)を説明するためのフローチャートである。なお、ここでは、複数のビーム源(ビーム源の個数をNとする)を備える場合について、ビーム源mを基準として他のビーム源のX,Y軸方向ずれ補正する補正係数を順に求める手順を示している。
【0073】
基準のビーム源mを設定する。複数のビーム源に内で何れのビーム源を基準のビーム源として設定するかは任意とすることができる。例えば、ビーム源の個数が"7"である場合に、m=4として中央に位置する第4番目のビーム源を基準とすることができる(S6a)。
【0074】
以下、基準のビーム源に対して隣接するビーム源のX,Y軸方向ずれを求め、このX,Y軸方向ずれを補正する補正係数を求め、さらに、隣接するビーム源のX,Y軸方向ずれを求めて補正係数を求める。この演算を基準のビーム源の両側について行うことで、全てのビーム源について基準のビーム源に対してX,Y軸方向ずれを補正する補正係数を求めることができる。
【0075】
はじめに、基準のビーム源mに対して一方の側に存在するビーム源(m−1,m−2,…,1)についてX,Y軸方向ずれ量を求め(S6b〜S6e)、次に基準のビーム源mに対して他方の側に存在するビーム源(m+1,m+2,…,N)についてX,Y軸方向ずれ量を求める(S6f〜S6i)。
【0076】
X,Y軸方向ずれ量を求める場合、ビーム源mとビーム源m+1の2つの走査画像について、各マークの水平線と斜め線の交点を指定し(S6b)、指定した2つの交点の座標からX,Y軸方向のずれ量を求める(S6c)。
【0077】
m=m−1として(S6d)、mと"0"とを比較し(S6e)、mが"0"となるまで(S6b)〜(S6d)の工程を繰り返すことによって、基準のビーム源1〜m−1のビーム源についてX,Y軸方向ずれ量を算出する。
【0078】
次に、ビーム源mとビーム源m+1の2つの走査画像について、各マークの水平線と斜め線の交点を指定し(S6f)、指定した2つの交点のX,Y軸方向のずれ量を求める(S6g)。
【0079】
m=m+1として(S6h)、mと"N"とを比較し(S6i)、mが"N"となるまで(S6f)〜(S6h)の工程を繰り返すことによって、基準のビーム源m+1〜Nのビーム源についてX,Y軸方向ずれ量を算出する。
【0080】
これによって、基準のビーム源mに対して全てのビーム源のX,Y軸方向ずれを補正する補正量を求めることができる。
【0081】
なお、求めたずれ補正量からずれ補正量あるいはずれ補正係数を算出することができる。ずれ補正係数は、走査画像においてビームが照射されるサンプリング点の個数(ポイント数)に基づいて求めることができ、軸方向のずれ量をフレーム中のポイント数に対応づけることで軸方向ずれのずれ補正係数を算出する。
【0082】
例えば、軸方向ずれ補正係数の算出は以下の式
軸方向ずれ補正係数=ずれ量×フレームの長さ/フレームのポイント数/最小分解能
によって行うことができる。
【0083】
例えば、一フレームの範囲が(47mm×3mm)であり、一フレームのY方向のサンプリング点数が68であるとき、ずれ量としてY軸方向で−4ポイント数分ずれている場合には、
-44=-4(point)×3000(um)/68(point)/4(um)
となる。
【0084】
また、回転方向ずれ補正係数の算出は、例えば、
回転方向ずれ補正係数=フレームY方向の長さ/フレームのポイント数/フレームX方向の長さ×ずれ量
によって行うことができる。
【0085】
例えば、一フレームの範囲が(47mm×3mm)であり、一フレームのポイント数が(3000ポイント×68ポイント)であるとき、ずれ量としてY軸方向に2ポイント数分ずれている場合には、
0.001855437=3(mm)/68(point)/47(mm)/2(point)
となる。
【0086】
図10はビーム源間のX,Y軸方向ずれ補正を説明するための図である。図10(a)は、ビーム源mおよびビーム源m+1とマーク12との位置関係を示し、図10(b)は各ビーム源によるマーク12の走査画像を示している。ビーム源mの走査画像を基準とした場合、ビーム源m+1の走査画像は、ビーム源のX,Y軸方向ずれによってX軸方向およびY軸方向にずれが像となる。
【0087】
ここで、図10(c)において、境界線10の左方はビーム源mの走査画像であり、境界線10の右方はビーム源m+1の走査画像である。走査画像の位置関係は、各走査画像中のマークの位置によって求めることができ、ビーム源mの走査画像のマークの位置座標は、水平線12a,mと斜め線12b,mとの交点Mの位置座標で表すことができ、ビーム源m+1の走査画像のマークの位置座標は、水平線12a,m+1と斜め線12b,m+1との交点M+1の位置座標で表すことができる。
【0088】
次に、図11を用いてマークの交点の位置座標からX軸方向とY軸方向のずれ量を求める手順について説明する。
【0089】
図11(a)は、前記図10で示したマークの走査画像と同様であり、境界線10の左方のビーム源mによるマークの位置座標は、水平線12a,mと斜め線12b,mとの交点Mの位置座標[xm,ym]で表すことができ、また、境界線10の右方のビーム源m+1によるマークの位置座標は、水平線12a,m+1と斜め線12b,m+1との交点Mの位置座標[xm+1,ym+1]で表すことができる。
【0090】
ここで、Y軸方向のずれ量ΔyおよびX軸方向のずれ量Δxは、以下の式で表すことができる。
Δy=ym+1−ym
Δx=xm+1−xm
【0091】
図12は、交点の検出方法を説明するための図である。交点は水平線と斜め線とが交差する点であるため、走査画像から水平線と斜め線を抽出し、これら直線が交差する点を演算により求めることができる。
【0092】
水平線は、走査画像のマークの水平線上で少なくとも2点を選出し、選出点を繋ぐ直線を算出することで抽出することができる。また、同様に、斜め線は、走査画像のマークの斜め線上で少なくとも2点を選出し、選出点を繋ぐ直線を算出することで抽出することができる。水平線および斜め線は直線式によって表すことができる。
【0093】
交点は、抽出した水平線と斜め線の直線式を用い、これらの直線が交わる点を演算によって求めることができる。
【0094】
図12において、水平線12a,m+1は、この水平線上で選出した点(図中の三角印)の位置座標を満たす直線式を算出することで求め、斜め線12b,m+1は、この斜め線上で選出した点(図中の四角印)の位置座標を満たす直線式を算出することで求めることができる。交点M+1は、求めた水平線12a,m+1と斜め線12b,m+1を表す直線式を用いて演算によって求めることができる。
【0095】
また、水平線12a,mは、この水平線上で選出した点(図中の三角印)の位置座標を満たす直線式を算出することで求め、斜め線12b,mは、この斜め線上で選出した点(図中の四角印)の位置座標を満たす直線式を算出することで求めることができる。交点Mは、求めた水平線12a,mと斜め線12b,mを表す直線式を用いて演算によって求めることができる。
【0096】
ここで、図12中において破線で示す交点Mのように、交点が走査画像上に現れない場合であっても、水平線上および斜め線上の点を選出することによって、上記した演算によって求めることができる。
【0097】
この態様によれば、交点は一回の走査ビーム照射によって得られる走査画像から取得することができるため、Y軸方向のずれ量ΔyおよびX軸方向のずれ量Δxの検出を、一回の走査ビーム照射で取得した走査画像を用いて行うことができる。
【0098】
次に、Y軸方向のずれ量ΔyおよびX軸方向のずれ量Δxの検出を、一回の走査ビーム照射による走査画像で行う別の態様を図13を用いて説明する。
【0099】
図13は、Y軸方向のずれ量ΔyおよびX軸方向のずれ量Δxを求める別の態様を説明するための図である。
【0100】
この態様では、ずれ量を算出するために用いる位置座標を、マークとY軸方向の直線とが交差する点の位置座標から求めるものである。
【0101】
図13(a)は、マークが交差するY軸方向の直線として、走査画像間の境界線を用いる態様である。
【0102】
境界線10の左方のビーム源mによるマークの水平線12a,mが境界線10と交差するY軸方向の位置座標をym,1とし、境界線10の右方のビーム源m+1によるマークの水平線12a,m+1が境界線10と交差するY軸方向の位置座標はym+1,1とすると、Y軸方向のずれ量Δyは、以下の式で表すことができる。
Δy=ym+1,1−ym,1
【0103】
また、境界線10の左方のビーム源mによるマークの斜め線12b,mが境界線10と交差するY軸方向の位置座標をym,2とし、境界線10の右方のビーム源m+1によるマークの水平線12a,m+1が境界線10と交差するY軸方向の位置座標はym+1,2とすると、X軸方向のずれ量Δxは、以下の式で表すことができる。
Δx=(ym+1,1−ym+1,2)+(ym,1−ym,2)
【0104】
図13(b)は、マークが交差するY軸方向の直線として、走査画像間の境界線からX軸方向に所定距離離れたY軸方向の直線を用いる態様である。
【0105】
境界線10の左方のビーム源mによるマークの水平線12a,mが境界線10からd1だけ離れたY軸方向の直線14と交差するY軸方向の位置座標をym,1とし、境界線10の右方のビーム源m+1によるマークの水平線12a,m+1が境界線10からd2だけ離れたY軸方向の直線15と交差するY軸方向の位置座標はym+1,1とすると、Y軸方向のずれ量Δyは、以下の式で表すことができる。
Δy=ym+1,1−ym,1
【0106】
また、境界線10の左方のビーム源mによるマークの斜め線12b,mが境界線10からd1だけ離れたY軸方向の直線14と交差するY軸方向の位置座標をym,2とし、境界線10の右方のビーム源m+1によるマークの水平線12a,m+1が境界線10からd2だけ離れたY軸方向の直線15と交差するY軸方向の位置座標はym+1,2とすると、X軸方向のずれ量Δxは、以下の式で表すことができる。
Δx=(ym+1,1−ym+1,2)+d2+(ym,1−ym,2)+d1
【0107】
この態様においても、交点は一回の走査ビーム照射によって得られる走査画像から取得することができるため、Y軸方向のずれ量ΔyおよびX軸方向のずれ量Δxの検出を、一回の走査ビーム照射で取得した走査画像を用いて行うことができる。
【0108】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の走査ビーム照射装置はTFTアレイ検査に適用することができ、又、液晶基板に限らず、半導体基板の検査に適用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 走査ビーム照射装置
2 ビーム源
3 ステージ
4 検出器
5 走査画像取得手段
5a 走査画像形成手段
5b 走査画像記憶手段
6 補正手段
6a 回転方向ずれ量算出手段
6b X,Y軸方向ずれ量算出手段
6c 回転方向ずれ補正係数算出手段算出
6d X,Y方向ずれ補正係数算出手段算出
6e パラメータ記憶手段
7 制御手段
10 境界線
11 ステージ用シンボル
11a 位置シンボル
11b 方向シンボル
12 マーク(走査ビーム用シンボル)
12a 水平線
12b 斜め線
13 パス
100 境界線
101 走査画像
101a 横線
101b 斜め線
102 走査画像
102a 横線
102b 斜め線
M 交点
m ビーム源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームを試料上で二次元的に走査して走査画像を形成する走査ビーム照射装置において、
試料を支持するステージ上に設けたマークと、
前記マークを含む走査画像を取得する走査画像取得手段と、
前記走査画像に基づいて位置ずれを補正する位置ずれ補正手段とを備え、
前記走査画像取得手段は、同一のマークを走査画像中に含む2つの異なる走査画像を取得し、
前記位置ずれ補正手段は、2つ異なる走査画像の各マークの座標をそれぞれ求め、
前記2つのマークのx軸方向の位置ずれ量からx軸方向の補正値を算出し、
前記2つのマークのy軸方向の位置ずれ量からy軸方向の補正値を算出することを特徴とする走査ビーム照射装置。
【請求項2】
前記マークは、前記走査方向の水平線と、前記水平線に対して所定角で交差する斜め線を備え、
前記水平線と前記斜め線とが交差する2つの交点位置の座標を前記マークの座標とし、
前記2つの走査画像の2つの交点位置の位置座標において、x軸方向の座標値の差分からx軸方向の位置ずれ量を算出し、y軸方向の座標値の差分からy軸方向の位置ずれ量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の走査ビーム照射装置。
【請求項3】
前記各走査画像において、マークの水平線と斜め線が交差していない場合には、
前記マークの水平線上の2点を結ぶ延長線と、前記マークの斜め線上の2点を結ぶ延長線との交点位置の座標を前記マークの座標とすることを特徴とする、請求項2に記載の走査ビーム照射装置。
【請求項4】
前記マークは、前記走査方向の水平線と、前記水平線に対して45°で交差する斜め線を備え、
前記水平線および前記斜め線が、走査画像の境界線と交差する4つの交点位置の座標を前記マークの座標とし、
前記2つの走査画像の4つの交点位置の位置座標において、水平線が交差する交点のy軸方向の座標値の差分からy軸方向の位置ずれ量を算出し、斜め線が交差する交点のy軸方向の座標値の差分からx軸方向の位置ずれ量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の走査ビーム照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−8968(P2011−8968A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149021(P2009−149021)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】