説明

走行ライン監視システム

【課題】抄紙機等の走行ラインに複数設定した各通過位置を走行通過する被加工物等の被写体をそれぞれのビデオカメラで撮像し、その記録画像を読み出し表示して走行の途中経過を認知する監視システムは、速い走行での撮影に限界があり、ハードディスク等の記録媒体は形が大きく、その記録画像の読み出し処理は遅くて迅速な認知ができなかった。
【解決手段】複数の通過位置における被写体はそれぞれ高速走査作用のビデオカメラで撮像し、小型のエンドレス画像メモリに記録する。そして、その所定の状態が検知手段で検知された被写体の個所が、それぞれの通過位置を通過した時に撮像された記録画像を迅速に自動的に読出して画像表示し、該個所の途中経過を認知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視システムに係り、走行ラインを走行する被加工物等の状態の途中経過を複数のビデオカメラを用いて認知する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤによる加工ラインなどの走行ラインは、被加工物等が加工または事象の変化など(以降は単に加工等と記載する)をともなってその順路を走行する。
従来、この順路に複数設定した通過位置を順次走行通過する被加工物等を被写体として該各位置に配設したビデオカメラで撮像・記録して、走行した途中経過を認知する監視システムがある。これは、走行ラインを連続して走行する長大な被写体でも同様である。
【0003】
例えば、通常の製紙工場では、原料調成工程で調成された紙原料液が走行ラインである抄紙機に注入され、抄紙工程の各部を長大な抄紙として走行しながら連続加工される。
これは、紙原料液が抄紙機の網(ワイヤ)等よりなる脱水部で脱水され、かなりの水分を含む湿紙の状態の抄紙となる。そして、プレス部を走行し圧搾されてさらに水分が除去され、次にドライヤ部で熱乾燥される。これは、さらに、平滑性・光沢性などに係る表面処理をされて紙となり、抄紙工程の終端である紙リールに巻き取られる。
このような抄紙工程の順路のいずれかで、様々の要因により長大な抄紙の個所に紙切れの異常状態が発生することがあり、走行により拡大して破断に至ることもある。
【0004】
ここで、抄紙機に係る従来の監視システムは、複数のそれぞれの前記通過位置を通過するときの抄紙を、それぞれに配設したNTSC方式等通常のビデオカメラで撮像し、長時間記録できるハードディスク等の記録媒体にリアルタイムで記録するものであった。
これは、この抄紙機の順路に設定した検知手段で紙切れが検知されたとき、その検知位置と抄紙の流れの走行速度とのデータに基づき、その検知された抄紙の個所がより上流の通過位置を通過した時に撮像され記録された上記記録媒体のアドレスを算出し、その記録画像を読出し表示して紙切れの経過を認知するものである。
一般に、抄紙などのような被写体の前記加工等または紙切れなどその異常の状態に係る個所の走行した途中経過は、該個所がその上流での通過位置を通過した時に撮像された記録画像を参照すれば認知できる。
【0005】
しかし、NTSC等の通常の走査作用によるビデオカメラでは、相当に早い被写体の走行速度における撮像には限界があり、速度に対応するため1フィールドを1画面とした画像では解像度が問題であった。そこで、例えば、本出願人は、固体撮像素子のレンズによる受光面の一部を遮光して受光面の受光領域内の画素数を減らし、かつ受光面の縦横比をも変化させて高速撮影を可能にする高速撮影装置(特許文献1参照)を提案した。
これは、この撮影装置に備えた固体撮像素子の受光面の前に、その光学像の一部を遮光して該撮像素子の通常動作時における画像信号の各コマの最初に電荷が出力される画素を含む任意の面積に縮小制限できる遮光板を備え、遮光された遮光領域内の水平方向の画素列の各画素からの電荷と次の水平方向の画素列の受光領域内の各画素からの電荷とを水平転送CCDで加算することにより、遮光板で縮小制限された受光領域内の各画素の単位時間あたりの電荷読み出し回数を受光面全体の画素からの電荷を読み出す通常動作時の読み出し回数より増加させられるようにして高速撮影が簡便に実現できるものであり、高画素数の固体撮像素子を用いることができる。
【特許文献1】特開2003−298959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した抄紙機等走行ラインにおける被写体の走行速度は相当に早い場合があり、各通過位置で被写体の所定の個所を的確なタイミングで撮影するために、通過する被写体を短い時間間隔で連続撮像する必要がある。そのため、通常のビデオカメラでは限界があり、単位時間の撮像コマ数の多い高速走査作用によるビデオカメラが望ましい。
また、ハードディスクなど長時間記録できる大容量の記録媒体にリアルタイムで記録する装置は大型となり、ビデオカメラの出力の画像信号はディジタル変換手段を要し、また、画像圧縮手段等による画質劣化をともない、さらに、記録画像の所定アドレスの読出しの処理に時間がかかって前記検知された個所の迅速な認知が困難であった。
【0007】
本発明は、このような背景になされ、走行ラインを走行する被写体をその複数の通過位置において、それぞれ高速走査作用のビデオカメラで撮像し、エンドレス記録の画像メモリに記録する。そして、前記加工等またはその異常に係る所定の状態が検知手段で検知されたとき、その被写体の個所がそれぞれの通過位置を走行通過時に撮像された記録画像を自動的に読出し制御して画像表示し、該個所の走行の途中経過を迅速に認知して前記所定の状態への対処ができる小型簡便の走行ライン監視システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、次の課題解決手段によりこの問題を解決した。
本発明の特徴とする第1の課題解決手段は、その順路のアドレスと複数の通過位置とを設定した走行ラインを備え、順次通過する前記通過位置の被写体を高速走査作用で撮像する複数のビデオカメラを備え、それぞれのビデオカメラは前記撮像した画像信号を上書きしながらエンドレス記録する画像メモリを具備し、前記画像メモリを制御し演算手段を有する制御装置とこれに接続した画像モニタと前記走行の速度データを出力する速度センサと1または複数の検知位置で被写体の加工等または異常に係る所定の状態を検知出力する検知手段と通信手段とを備えたシステムであって、前記エンドレス記録の動作は前記検知出力に基づき停止され、前記速度データと前記検知出力の動作をした検知位置のアドレスデータとに基づき前記動作した被写体の個所がそれぞれの通過位置を通過したときの画像信号が画像メモリから通信手段を介し制御装置にダウンロードし前記所定の状態の途中経過の画像が画像モニタに表示されるところにある(請求項1)。
【0009】
これにより、走行ラインを走行する被写体がその複数の通過位置でそれぞれ撮像され、小容量でも必要記録個所が記録可能なエンドレス記録の画像メモリに記録できる小型簡便な監視システムが構築できる。そして、その加工等またはその異常に係る所定の状態が検知手段で検知された被写体の個所が、それぞれの通過位置を走行通過時に撮像された記録画像が自動的に読出し制御されて画像表示され、該個所の状態の走行の途中経過が迅速に認知できる。また、これにより前記所定の状態への対処ができる。
【0010】
本発明第2の課題解決手段は、前記通信手段はハブを用いた専用ネットワークとするものである(請求項2)。すなわち、制御装置と複数のそれぞれの前記画像メモリとは、ハブ(HUB)を用いた専用ネットワークで接続することにより、その配設および接続は簡便容易であり、また、それぞれの画像信号を迅速にダウンロードすることができる。
【0011】
また、第3の課題解決手段としては、前記被写体の撮像は前記通過位置の両側に対応してそれぞれ前記ビデオカメラを設けて行なうものである(請求項3)。
これにより、走行ラインまたは被写体の幅が広い場合の前記撮像は、その幅が広い走行ラインまたは被写体の部分をそれぞれ分担することにより精度のよい撮像ができ、または、被写体が立体的の場合には互いに相対する撮像視角の死角を改善できる。
【0012】
さらに、第4の課題解決手段は、前記画像モニタは複数の通過位置に基づく前記途中経過の画像を分割多画面表示する(請求項4)。
これにより、前記所定の状態が検知出力された被写体の個所がそれぞれの通過位置を走行通過したときの一連の複数の撮像画像を一つの画面に分割多画面表示するので、一連の途中経過の状態を容易に比較して認知できる。
【0013】
また、第5の課題解決手段として、前記ビデオカメラは、これに備えた固体撮像素子の受光面の前にその光学像の一部を遮光する水平方向に移動可能で、かつ撮像素子の通常動作時における画像信号の各コマの最初に電荷が出力される画素を含む任意の面積に縮小制限できる遮光板と、前記固体撮像素子を制御するパルス発生器とを備え、前期パルス発生器の動作により、前記遮光版で遮光された遮光領域内の水平方向の画素列の各画素からの電荷と次の水平方向の画素列の前記受光領域内の各画素からの電荷とを水平転送CCDで加算することにより、前記遮光板で縮小制限された受光領域内の各画素の単位時間あたりの電荷読み出し回数を受光面全体の画素からの電荷を読み出す通常動作時の読み出し回数より増加させられるようにした高速撮影装置である(請求項5)。
【0014】
これにより、前記ビデオカメラは、前記遮光板で縮小制限された受光領域内の各画素の単位時間あたりの電荷読み出し回数を受光面全体の画素からの電荷を読み出す通常動作時の読み出し回数より増加させて高速走査とし、また、高画素数の固体撮像素子を用いて高画質にすることができる。
【0015】
さらに、第6の課題解決手段として、前記走行ラインは抄紙機であり、前記被写体は抄紙であり、前記加工等または異常に係る所定の状態は紙切れとする(請求項6)。
したがって、抄紙機の抄紙が複数の設定通過位置で撮像されてエンドレスの画像メモリに記録される。そして、抄紙の紙切れが検知された個所がそれぞれの通過位置を走行通過したときの画像信号を、自動的に読出して画像表示して検知された紙切れの途中経過を迅速に認知でき、また、これにより紙切れの対処またはその要因の解析が迅速にできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、抄紙機等の走行ラインを走行する抄紙などの被写体の加工等またたはその異常に係る所定の状態が検知手段で検知された個所が、走行ラインの複数の設定位置を走行し通過した時に撮像・記録された画像が自動的に読み出されて画像表示され、該検知された個所の走行の途中経過を迅速に認知して前記所定の状態への対処ができる小型簡便で高画質の走行ライン監視システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための実施の形態を図1を参照して説明する。図1は本発明実施例の走行ライン監視システムの要部構成図、図2は本発明実施例の抄紙機監視システムの要部構成図である。
【0018】
図においては、1は走行ライン、2は被写体、3は速度センサ、4は通過位置、5はビデオカメラ、6は画像メモリ、7は検知手段、8は通信手段、9は制御装置、10は画像モニタ、11は検知位置、12は端子、13は抄紙機、14は抄紙である。
【0019】
図1に示す本発明実施例の走行ライン監視システムは、その順路のアドレスと複数の通過位置4とを設定した走行ライン1を備え、順次通過する通過位置4の被写体2を高速走査作用で撮像する複数のビデオカメラ5を備え、それぞれのビデオカメラ5は前記撮像した画像信号を上書きしながらエンドレス記録する画像メモリ6を具備し、画像メモリ6を制御し演算手段を有する制御装置9とこれに接続した画像モニタ10と前記走行の速度データを出力する速度センサ3と1または複数の検知位置11で被写体2の加工等または異常に係る所定の状態を検知出力する検知手段7と通信手段8とを備えたシステムであって、前記エンドレス記録の動作は前記検知出力に基づき停止され、前記速度データと前記検知出力の動作をした検知位置11のアドレスデータとに基づき前記動作した被写体2の個所がそれぞれの通過位置4を通過したときの画像信号が両像メモリ6から通信手段8を介し制御装置9にダウンロードし前記所定の状態の途中経過の画像が画像モニタ10に表示されることを特徴とする。
【0020】
上記構成により、走行ライン1の走行の順路には、位置アドレスとこれに基づく複数の通過位置4とが設定され、被加工物などである被写体2が前記加工等をともなって、点線の矢印で示す方向に走行する。速度センサ3は走行する被写体2の速度を検知して速度データを出力し、コンピュータ装置等からなり演算手段を備える制御装置9に入力する。
そして、被写体2は、順次通過するそれぞれの通過位置4を写角として配設されたビデオカメラ5により、高速走査作用で撮像される。ビデオカメラ5は、上書きしながらエンドレス記録する画像メモリ6を内設または具備し、撮像したディジタル画像信号を記録する。この画像メモリ6はエンドレス記録であることにより、小容量の集積回路等の画像メモリを用いて小型ローコスト化され、その制御は容易である。
また、前記順路には前記位置アドレスに基づき1または複数の検知位置11が設定され、そのそれぞれには、これを通過する被写体2に係る加工等または異常などに基づく所定の状態を光学装置等により検知出力する検知手段7が設けられ、そのそれぞれの検知出力は制御装置9に入力する。
【0021】
いま、いずれかの検知手段7により前記所定の状態が検知出力されると、端子12を介してそれぞれの画像メモリ6に停止信号が入力されてエンドレス記録が停止される。
そして、制御装置9は、その検知手段7が検知出力した検知位置11の位置アドレスを基点とし、前記速度データに基づく逆算により、該検知出力した被写体2の個所がそれぞれの通過位置4を通過した時の時点が容易に算出できる。
これにより、前記被写体2の個所がそれぞれの通過位置4を通過した時に撮像し記録された、それぞれの画像メモリ6における記録アドレスが特定できる。そして制御装置9は、その記録アドレスの画像信号を自動的に読み出し制御し、ハブ(HUB)等を用いた通信手段8を経由してダウンロードする。このようにして、上述した被写体2の個所の走行の途中経過である通過位置4で撮像した画像を画像モニタ10に表示する。
また、制御装置9の操作者は、それぞれの画像メモリ6の任意の記録アドレスの記録画像を読み出し制御することもできる。
【0022】
ここで、前述した第2の課題解決手段は、前記通信手段8はハブを用いた専用ネットワークとする。これは、制御装置9と複数のそれぞれの画像メモリ6との配設および接続を簡便容易とし、それらの画像信号の制御装置9へのダウンロードを迅速に行なう。
【0023】
また、前述の前記第3の課題解決手段は、被写体2の撮像は、通過位置4の両側に対応してそれぞれビデオカメラ5を設けて行なうものである。
走行ライン1または被写体2の幅が広い場合、走行ライン1の通過位置4の両側に対応して一対のビデオカメラ5を設ける。そして、前記幅が広い走行ライン1または被写体2の部分をそれぞれ分担して撮像することにより、高解像度で精度のよい撮像ができ、又は、被写体2が立体的の場合には互いに相対する撮像視角の死角を改善できる。
【0024】
前述において、第4の課題解決手段として、画像モニタ10は複数の通過位置4に基づく前記途中経過の画像を分割多画面表示することが望ましい。
すなわち、前記加工等または異常に係る所定の状態が検知出力された被写体2の個所が、複数の通過位置4を走行通過したときの途中経過の一連の複数の撮像画像を、画像モニタ10の一つの画面を分割して表示する分割多画面表示とする。
【0025】
さらに、前記第5の課題解決手段は、ビデオカメラ5は前述した特許文献1のように、これに備えた固体撮像素子の受光面の前にその光学像の一部を遮光する水平方向に移動可能で、かつ撮像素子の通常動作時における画像信号の各コマの最初に電荷が出力される画素を含む任意の面積に縮小制限できる遮光板と、前記固体撮像素子を制御するパルス発生器とを備え、前期パルス発生器の動作により、前記遮光版で遮光された遮光領域内の水平方向の画素列の各画素からの電荷と次の水平方向の画素列の前記受光領域内の各画素からの電荷とを水平転送CCDで加算することにより、前記遮光板で縮小制限された受光領域内の各画素の単位時間あたりの電荷読み出し回数を受光面全体の画素からの電荷を読み出す通常動作時の読み出し回数より増加させられるようにする。
【0026】
これは、前記特許文献1に記載した説明のように、ビデオカメラ5は、前記遮光板で遮光された遮光領域内の水平方向の画素列の各画素からの電荷と次の水平方向の画素列の前記受光領域内の各画素からの電荷とを水平転送CCDで加算することにより、前記遮光板で縮小制限された受光領域内の各画素の単位時間あたりの電荷読み出し回数を受光面全体の画素からの電荷を読み出す通常動作時の読み出し回数より増加させられる高速撮像装置である。したがって、この単位時間の撮像コマ数の多い高速走査により、また、高画素数の固体撮像素子を用いて小型簡便で高画質の高速撮像ができる。
【0027】
さらにまた、走行ライン1は抄紙機であり、被写体2は抄紙であり、前記加工等または異常に係る所定の状態は紙切れによるものであって、これを図2に示す本発明実施例の抄紙機監視システムにより説明する。図2の3〜12は図1で説明した。
紙原料液が脱水部、プレス部、ドライヤ部などの工程を備えた抄紙機13に送られ、網(ワイヤ)等による脱水部で脱水されてかなりの水分を含む湿紙の状態となる。これは長大に連続して走行する抄紙14としてプレス部を走行し圧搾により更に水分が除去され、ドライヤ部で熱乾燥され、平滑性・光沢性などの表面処理をされて紙となる。
このような長大な抄紙14を連続加工する工程において、紙切れの状態が発生することがある。その多くは、そのいずれかの工程における様々の要因で抄紙14の部分に紙切れが発生し、走行とともに拡大して抄紙14の破断に至ることが多い。
【0028】
ここで、前述した第6の課題解決手段のように、その順路のアドレスと複数の通過位置4とを設定した抄紙機13を備え、順次通過する通過位置4の抄紙14を高速走査作用で撮像する複数のビデオカメラ5を備え、それぞれのビデオカメラ5は前記撮像した画像信号を上書きしながらエンドレス記録する画像メモリ6を具備し、画像メモリ6を制御し演算手段を有する制御装置9とこれに接続した画像モニタ10と前記走行の速度データを出力する速度センサ3と1または複数の検知位置11で抄紙14の紙切れを検知出力する検知手段7と通信手段8とを備えたシステムであって、前記エンドレス記録動作は前記検知出力に基づき停止され、前記速度データと前記検知出力動作した検知位置11のアドレスデータとに基づき検知出力動作した抄紙14の個所がそれぞれの通過位置4を通過したときの画像信号が画像メモリ6から通信手段8を介し制御装置9にダウンロードし前記紙切れに係る走行の途中経過の画像が画像モニタ10に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明実施例の走行ライン監視システムの要部構成図
【図2】本発明実施例の抄紙機監視システムの要部構成図
【符号の説明】
【0030】
1 走行ライン
2 被写体
3 速度センサ
4 通過位置
5 ビデオカメラ
6 画像メモリ
7 検知手段
8 通信手段
9 制御装置
10 画像モニタ
11 検知位置
12 端子
13 抄紙機
14 抄紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その順路のアドレスと複数の通過位置とを設定した走行ラインを備え、順次通過する前記通過位置の被写体を高速走査作用で撮像する複数のビデオカメラを備え、
それぞれのビデオカメラは前記撮像した画像信号を上書きしながらエンドレス記録する画像メモリを具備し、前記画像メモリを制御し演算手段を有する制御装置とこれに接続した画像モニタと前記走行の速度データを出力する速度センサと1または複数の検知位置で被写体の加工等または異常に係る所定の状態を検知出力する検知手段と通信手段とを備えたシステムであって、
前記エンドレス記録の動作は前記検知出力に基づき停止され、
前記速度データと前記検知出力の動作をした検知位置のアドレスデータとに基づき前記動作した被写体の個所がそれぞれの通過位置を通過したときの画像信号が画像メモリから通信手段を介し制御装置にダウンロードし前記所定の状態の途中経過の画像が画像モニタに表示されることを特徴とする走行ライン監視システム。
【請求項2】
前記通信手段はハブを用いた専用ネットワークであることを特徴とする請求項1に記載の走行ライン監視システム。
【請求項3】
前記被写体の撮像は前記通過位置の両側に対応してそれぞれ前記ビデオカメラを設けて行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の走行ライン監視システム。
【請求項4】
前記画像モニタは複数の通過位置に基づく前記途中経過の画像を分割多画面表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行ライン監視システム。
【請求項5】
前記ビデオカメラは、これに備えた固体撮像素子の受光面の前にその光学像の一部を遮光する水平方向に移動可能で、かつ撮像素子の通常動作時における画像信号の各コマの最初に電荷が出力される画素を含む任意の面積に縮小制限できる遮光板と、前記固体撮像素子を制御するパルス発生器とを備え、前期パルス発生器の動作により、前記遮光版で遮光された遮光領域内の水平方向の画素列の各画素からの電荷と次の水平方向の画素列の前記受光領域内の各画素からの電荷とを水平転送CCDで加算することにより、前記遮光板で縮小制限された受光領域内の各画素の単位時間あたりの電荷読み出し回数を受光面全体の画素からの電荷を読み出す通常動作時の読み出し回数より増加させられるようにした高速撮影装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の走行ライン監視システム。
【請求項6】
前記走行ラインは抄紙機であり、前記被写体は抄紙であり、前記加工等または異常に係る所定の状態は紙切れであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の走行ライン監視システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−50513(P2006−50513A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−256294(P2004−256294)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(391040320)株式会社朋栄 (16)
【Fターム(参考)】