走行制御装置
【課題】 ドライバに与える違和感を軽減できる走行制御装置を提供する。
【解決手段】 自車走行路前方の車幅方向と高さ方向による走行路および障害物を検出し、走行路前方の立体空間を検出する立体空間検出部11と、検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する衝突リスク推定部12と、推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の目標経路を演算する目標経路演算部13と、演算された推奨経路に基づいて運転支援を行う運転支援部14と、を備えた。
【解決手段】 自車走行路前方の車幅方向と高さ方向による走行路および障害物を検出し、走行路前方の立体空間を検出する立体空間検出部11と、検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する衝突リスク推定部12と、推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の目標経路を演算する目標経路演算部13と、演算された推奨経路に基づいて運転支援を行う運転支援部14と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の走行制御装置では、自車前方の先行車または障害物の横の道路上の幅方向距離(走行可能領域)に応じて目標経路を生成し、生成した目標経路に基づいてブレーキ制御やステアリング制御等の運転支援を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−132498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、衝突時のリスクを軽減させるように障害物に対してマージンを取った目標経路を生成していないため、ドライバの運転操作意志と合致した運転支援を行うことができず、ドライバに違和感を与えるという問題があった。
本発明の目的は、ドライバに与える違和感を軽減できる走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、走行路前方の立体空間に対して自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定し、衝突リスクの高さに応じて衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の推奨経路を求め、推奨経路に基づいて運転支援を行う。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、衝突リスクを軽減させる自車の推奨経路に基づいて運転支援を行うため、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を実現でき、ドライバが走行する経路に対する違和感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の走行制御装置の構成図である。
【図2】実施例1の運転支援制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】車速に応じた閾値設定マップである。
【図4】車速に応じたマージン設定マップである。
【図5】立体形状の高さの絶対値に応じた第1係数設定マップである。
【図6】立体形状の車幅方向の長さ変化に対する高さの変化の絶対値に応じた第2係数設定マップである。
【図7】立体空間の各部の属性に応じた第3係数設定マップである。
【図8】総和Jの算出方法を示す模式図である。
【図9】総和Jに応じた目標車速設定マップである。
【図10】走行路の左右境界が自車の車高よりも高い壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図である。
【図11】走行路の左境界が区画線、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図である。
【図12】走行路の左境界が自車の車高よりも低い盛り土、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の走行制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0009】
〔実施例1〕
図1は、実施例1の走行制御装置の構成図であり、実施例1の走行制御装置は、カメラ1と、車輪速センサ2と、液圧制御ユニット3と、コントローラ4とを備える。
カメラ1は、自車走行路前方の映像を撮影する。
車輪速センサ2は、各車輪に設けられ、対応する車輪の車輪速を検出する。
液圧制御ユニット3は、ドライバのブレーキ操作に応じて、またはコントローラ4からの指令に応じて、各車輪に設けられたホイルシリンダ5の液圧(ホイルシリンダ圧)を増減または保持し、車両の制動力を制御する。
コントローラ4は、カメラ1により撮影された自車走行路前方の映像から得られる情報と、各車輪速センサ2からの各車輪速から算出した車体速(車速)とに基づいて、自車の目標経路(推奨経路)を生成し、目標経路に基づいて液圧制御ユニット3を駆動し、車両を減速させる運転支援を行う。
【0010】
コントローラ4は、上記運転支援を実現するための構成として、立体空間検出部(立体空間検出手段)11と、衝突リスク推定部(衝突リスク推定手段)12と、目標経路演算部(推奨経路演算手段)13と、運転支援部(運転支援手段)14とを備える。
立体空間検出部11は、カメラ1からの映像に基づいて、自車走行路前方の走行路および障害物の立体形状を検出し、各立体形状から走行路前方の立体空間を検出する。
衝突リスク推定部12は、立体空間検出部11により検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する。
目標経路演算部13は、衝突リスク推定部12により推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の目標経路を演算する。
運転支援部14は、目標経路演算部13により演算された目標経路に基づいて運転支援を行う。運転支援部14は、衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する減速制御部(減速制御手段)15を有する。
【0011】
以下、各部の具体的な処理内容を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2は、コントローラ4により実行される実施例1の運転支援制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、立体空間検出部11において、カメラ1からの映像を取り込み、自車の走行路前方の走行可能領域を検出する。例えば、走行路前方に先行車が存在し、走行路左右の境界が壁である場合、左側の壁と先行車との間、および右側の壁と先行車との間が走行可能領域となる。
ステップS2では、立体空間検出部11において、自車に対して最も近い位置で、走行路前方の車幅方向と高さ方向と奥行き方向とによる走行路および障害物の立体形状を検出し、各立体形状に基づいて、走行路前方の立体空間を検出する。
【0012】
ステップS3では衝突リスク推定部12において、ステップS2で検出された立体空間から、衝突したときに重大性が高い部分を、衝突リスクが高い部分として抽出する。実施例1では、障害物立体空間を構成する各立体形状の高さが自車の高さよりも所定の閾値(例えば、5cm)以上高い部分を、衝突リスクが高い部分として抽出する。ここで、閾値は、図3に示すように、車速に応じて可変としてもよい。図3の例では、車速Vが30km/h以下の場合は車速Vが高くなるにつれて閾値Thを10から徐々に小さくし、車速Vが30km/hを超える場合は閾値Thを最小値(2cm)とする。
【0013】
ステップS4では、衝突リスク推定部12において、ステップS3で抽出された衝突リスクが高い部分に対し、自車の車速に応じたマージン[m]を設定する。図4は、車速に応じたマージン設定マップであり、マージンMは、車速Vが10km/h以下の場合は最小値(0.5m)とし、車速Vが10km/hを超えて30km/h以下の場合は車速Vが高くなるにつれてマージンMを大きくし、車速Vが30km/hを超える場合は最大値(1m)とする。
【0014】
図4のマップから求めたマージンMは、立体空間の大きさに応じた第1係数と、立体空間の車幅方向と高さ方向との比率に応じた第2係数と、立体空間の各部の属性に応じた第3係数とをそれぞれ乗算して補正する。
図5は、立体形状の高さの絶対値に応じた第1係数設定マップであり、第1係数は、障害物立体形状の高さの絶対値[cm]が閾値Th以下の場合は0、閾値Thを超えて10cm以下の場合は絶対値が大きくなるにつれて大きくし、10cmを超える場合は1とする。
【0015】
図6は、立体形状の車幅方向の長さ変化に対する高さの変化の絶対値に応じた第2係数設定マップであり、第2係数は、障害物立体形状の車幅方向の長さの変化に対する高さの変化の絶対値が10以下の場合は絶対値が大きくなるにつれて大きくし、10を超える場合は1とする。
図7は、立体空間の各部(各障害物立体形状)の属性に応じた第3係数設定マップであり、第3係数は、属性が歩行者、自転車およびバイクの場合は1.5、車両の場合は1.2、その他の場合は1とする。ここで、属性の判定は、障害物立体形状から判定する(属性設定手段に相当)。例えば細い2本のポールが隣接していたら人間の足とみなして歩行者と判定する。また、車幅方向に約1.5〜2.0m、高さが1m以上の障害物は車両と判定し、それ以外は壁面や段差と判定する。
【0016】
ステップS5では、目標経路演算部13において、ステップS4で設定された、衝突リスクが高い部分からのマージンが最小となる車幅方向位置を、自車の目標経路として設定する。実施例1では、ステップS1で検出された走行可能領域の中で、ステップS3で抽出された衝突リスクが高い部分との距離を、衝突リスクが高い部分にステップS4で設定されたマージンMから差し引いた値の総和Jが最小となる目標経路を求める。例えば、図8の場合、盛り土に対するマージンM1からマージンM1が自車に重なる長さW1を差し引いた値(M1-W1)と、壁に対するマージンM2からマージンM2が自車に重なる長さW2を差し引いた値(M2-W2)との総和J=(M1-W1)+(M2-W2)が最小となる車幅方向位置を目標経路とする。
【0017】
ステップS6では、減速制御部15において、自車の走行経路がステップS5で設定された目標経路に追従するように液圧制御ユニット3を駆動して運転支援を行う。実施例1では、ステップS5で求めた最小の総和Jから、図9のマップを参照して目標車速Vtを設定し、自車の車速が目標車速Vtとなるように減速支援を行う。すなわち、十分なマージンが取れないときほど、車速を落として通過させるようにする。このとき、目標車速Vtの上限は走行路の制限車速Vlimにより制限する。図9に示すように、目標車速Vtは、総和Jが0未満の場合は制限車速Vlim(例えば、100km/h)とし、総和Jが0以上の場合は総和Jが大きくなるにつれて小さくし、総和Jが所定値以上の場合、徐行速度(例えば、10km/h)とする。
【0018】
次に、作用を説明する。
[運転支援作用]
特に住宅街などの狭い道路や追い越し(通り抜け)といった走行シーンにおいて、ドライバは走行路内外の衝突時のリスクが高い段差や障害物に対し、その衝突リスクに応じたマージンを取って走行を行う。例えば、走行路の左右境界が壁である場合には、ドライバは左右の壁から均等に距離を取るため、自車を走行路の中央位置で走行させるのに対し、左右一方の境界が壁ではなく区画線や中央線である場合には、ドライバは衝突時のリスクが高い壁に対してマージンを取り、自車を走行路の中央位置よりも区画線または中央線側に寄せて走行させる。
【0019】
ところが、従来の走行制御装置では、障害物に対する衝突時のリスクを考慮せず、走行可能領域のみに応じて目標経路を生成しているため、走行路の左右一方の境界が壁で他方が区画線や中央線である場合であっても、先行車が走行路の中央位置を走行している場合には、走行路の中央位置が目標経路に設定される。つまり、上記従来技術では、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を行うことができないため、ドライバに違和感を与えてしまう。
【0020】
これに対し、実施例1では、走行路前方の立体空間から衝突時のリスクが高い部分を見積もり、見積もった部分の衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクを軽減させるようにマージンを取って目標経路を生成し、十分なマージンが取れない場合には、自車を減速させることで衝突時のリスクを軽減させるため、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を実現でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0021】
また、実施例1では、衝突リスクが高い部分の自車に対して最も近い位置で障害物の立体形状を検出するため、自車近傍の障害物に対しても衝突リスクに応じたマージンを考慮した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
このとき、奥行き方向の形状も考慮して障害物の立体形状を検出するため、例えば、逸脱防止用のポールのように奥行き方向に不連続に衝突リスクの高い部分が存在する場合であっても、これを考慮して立体形状を検出でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0022】
実施例1では、衝突リスクが高い障害物形状の高さが高くなるほど、車速Vに応じたマージンMに乗算する第1係数の値を大きくする。すなわち、障害物形状が大きくなるほど、換言すると、立体空間の大きさが小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定する。よって、例えば、障害物として路面段差が存在する場合、段差が高くなるほどマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0023】
また、障害物立体形状の車幅方向の長さの変化に対する高さの変化の絶対値が大きくなるほど、車速Vに応じたマージンMに乗算する第2係数の値を大きくする。すなわち、長さの変化に対する高さの変化が大きくなるほど、衝突リスクが高いと推定する。よって、例えば、同じ段差でもスロープが付いている場合は、付いていない場合よりもマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0024】
さらに、立体空間の各部の属性が歩行者、自転車およびバイクである場合には第3係数の値を1.5とし、属性が車両である場合は第3係数の値を1.2とし、その他の属性の場合は第3係数を1とする。すなわち、各部の属性に基づいて衝突リスクの高さを推定する。衝突時のリスクは人間が最も大きく、次いで車両、最後が壁や路面段差、電柱等となるため、属性に基づいて衝突リスクの高さを推定することで、ドライバに与える違和感を軽減できる。
実施例1では、衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する。つまり、衝突リスクが高い障害物に対して十分なマージンを取れないような狭いスペースを通過する走行シーンでは、車両を減速させることでドライバの運転操作意志と合致した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0025】
以下、各走行シーン別に実施例1の運転支援作用を説明する。
図10は、走行路の左右境界が自車の車高よりも高い壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図であり、このシーンでは、左右の壁は共に衝突リスクが高い部分であり、左側の壁に対するマージンと右側の壁に対するマージンは同一となり、左右の壁に対して十分なマージンが取れない。よって、自車を減速させる運転支援を実施することで、衝突時のリスクを軽減する。
【0026】
図11は、走行路の左境界が区画線(白線)、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図であり、このシーンでは、右側の壁のみが衝突リスクが高い部分であって、ドライバは自車を走行路の中央位置から左側(区画線側)に寄せることで右側の壁に対するマージンを確保できるため、自車を減速させる運転支援は不要である。
図12は、走行路の左境界が自車の車高よりも低い盛り土、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図であり、このシーンでは、右側の壁の方が左側の盛り土よりも衝突リスクが高いため、ドライバは自車を走行路の中央位置から左側に寄せても左右の障害物に対して十分なマージンが取れない。よって、自車を減速させる運転支援を実施することで、衝突時のリスクを軽減する。
【0027】
次に、効果を説明する。
実施例1の走行制御装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 自車走行路前方の車幅方向と高さ方向による走行路および障害物を検出し、走行路前方の立体空間を検出する立体空間検出部11と、検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する衝突リスク推定部12と、推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の目標経路を演算する目標経路演算部13と、演算された推奨経路に基づいて運転支援を行う運転支援部14と、を備えた。
よって、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を実現でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0028】
(2) 立体空間検出部11は、衝突リスクが高い部分の自車に対して最も近い位置で障害物立体形状を検出するため、自車近傍の障害物に対しても衝突リスクに応じたマージンを考慮した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0029】
(3) 立体空間検出部11は、自車からより前方の奥行き方向の形状も考慮して障害物立体形状を検出するため、例えば、逸脱防止用のポールのように奥行き方向に不連続に衝突リスクの高い部分が存在する場合であっても、これを考慮して立体形状を検出でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0030】
(4) 衝突リスク推定部12は、検出された立体空間の大きさが小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定するため、例えば、障害物として路面段差が存在する場合、段差が高くなるほどマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0031】
(5) 衝突リスク推定部12は、検出された立体空間の車幅方向距離が高さ方向距離に対して小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定するため、例えば、同じ段差でもスロープが付いている場合は、付いていない場合よりもマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0032】
(6) 衝突リスク推定部12は、検出された立体空間の各部の属性を設定する属性設定手段(ステップS4)を有し、設定した属性に基づいて衝突リスクの高さを推定するため、属性に応じて衝突リスクの高さが変化するのに対し、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0033】
(7) 運転支援部14は、推定された衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する減速制御部15を有するため、衝突リスクが高い障害物に対して十分なマージンを取れないような狭いスペースを通過する走行シーンでは、車両を減速させることでドライバの運転操作意志と合致した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0034】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、運転支援としてブレーキ制御を実施する例を示したが、自車が推奨経路上を走行するように操向輪を自動で転舵するステアリング制御を併用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 カメラ
2 車輪速センサ
3 液圧制御ユニット
4 コントローラ
5 ホイルシリンダ
11 立体空間検出部(立体空間検出手段)
12 衝突リスク推定部(衝突リスク推定手段)
13 目標経路演算部(推奨経路演算手段)
14 運転支援部(運転支援手段)
15 減速制御部(減速制御手段)
S4 属性設定手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の走行制御装置では、自車前方の先行車または障害物の横の道路上の幅方向距離(走行可能領域)に応じて目標経路を生成し、生成した目標経路に基づいてブレーキ制御やステアリング制御等の運転支援を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−132498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、衝突時のリスクを軽減させるように障害物に対してマージンを取った目標経路を生成していないため、ドライバの運転操作意志と合致した運転支援を行うことができず、ドライバに違和感を与えるという問題があった。
本発明の目的は、ドライバに与える違和感を軽減できる走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、走行路前方の立体空間に対して自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定し、衝突リスクの高さに応じて衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の推奨経路を求め、推奨経路に基づいて運転支援を行う。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、衝突リスクを軽減させる自車の推奨経路に基づいて運転支援を行うため、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を実現でき、ドライバが走行する経路に対する違和感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の走行制御装置の構成図である。
【図2】実施例1の運転支援制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】車速に応じた閾値設定マップである。
【図4】車速に応じたマージン設定マップである。
【図5】立体形状の高さの絶対値に応じた第1係数設定マップである。
【図6】立体形状の車幅方向の長さ変化に対する高さの変化の絶対値に応じた第2係数設定マップである。
【図7】立体空間の各部の属性に応じた第3係数設定マップである。
【図8】総和Jの算出方法を示す模式図である。
【図9】総和Jに応じた目標車速設定マップである。
【図10】走行路の左右境界が自車の車高よりも高い壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図である。
【図11】走行路の左境界が区画線、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図である。
【図12】走行路の左境界が自車の車高よりも低い盛り土、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の走行制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0009】
〔実施例1〕
図1は、実施例1の走行制御装置の構成図であり、実施例1の走行制御装置は、カメラ1と、車輪速センサ2と、液圧制御ユニット3と、コントローラ4とを備える。
カメラ1は、自車走行路前方の映像を撮影する。
車輪速センサ2は、各車輪に設けられ、対応する車輪の車輪速を検出する。
液圧制御ユニット3は、ドライバのブレーキ操作に応じて、またはコントローラ4からの指令に応じて、各車輪に設けられたホイルシリンダ5の液圧(ホイルシリンダ圧)を増減または保持し、車両の制動力を制御する。
コントローラ4は、カメラ1により撮影された自車走行路前方の映像から得られる情報と、各車輪速センサ2からの各車輪速から算出した車体速(車速)とに基づいて、自車の目標経路(推奨経路)を生成し、目標経路に基づいて液圧制御ユニット3を駆動し、車両を減速させる運転支援を行う。
【0010】
コントローラ4は、上記運転支援を実現するための構成として、立体空間検出部(立体空間検出手段)11と、衝突リスク推定部(衝突リスク推定手段)12と、目標経路演算部(推奨経路演算手段)13と、運転支援部(運転支援手段)14とを備える。
立体空間検出部11は、カメラ1からの映像に基づいて、自車走行路前方の走行路および障害物の立体形状を検出し、各立体形状から走行路前方の立体空間を検出する。
衝突リスク推定部12は、立体空間検出部11により検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する。
目標経路演算部13は、衝突リスク推定部12により推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の目標経路を演算する。
運転支援部14は、目標経路演算部13により演算された目標経路に基づいて運転支援を行う。運転支援部14は、衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する減速制御部(減速制御手段)15を有する。
【0011】
以下、各部の具体的な処理内容を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2は、コントローラ4により実行される実施例1の運転支援制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、立体空間検出部11において、カメラ1からの映像を取り込み、自車の走行路前方の走行可能領域を検出する。例えば、走行路前方に先行車が存在し、走行路左右の境界が壁である場合、左側の壁と先行車との間、および右側の壁と先行車との間が走行可能領域となる。
ステップS2では、立体空間検出部11において、自車に対して最も近い位置で、走行路前方の車幅方向と高さ方向と奥行き方向とによる走行路および障害物の立体形状を検出し、各立体形状に基づいて、走行路前方の立体空間を検出する。
【0012】
ステップS3では衝突リスク推定部12において、ステップS2で検出された立体空間から、衝突したときに重大性が高い部分を、衝突リスクが高い部分として抽出する。実施例1では、障害物立体空間を構成する各立体形状の高さが自車の高さよりも所定の閾値(例えば、5cm)以上高い部分を、衝突リスクが高い部分として抽出する。ここで、閾値は、図3に示すように、車速に応じて可変としてもよい。図3の例では、車速Vが30km/h以下の場合は車速Vが高くなるにつれて閾値Thを10から徐々に小さくし、車速Vが30km/hを超える場合は閾値Thを最小値(2cm)とする。
【0013】
ステップS4では、衝突リスク推定部12において、ステップS3で抽出された衝突リスクが高い部分に対し、自車の車速に応じたマージン[m]を設定する。図4は、車速に応じたマージン設定マップであり、マージンMは、車速Vが10km/h以下の場合は最小値(0.5m)とし、車速Vが10km/hを超えて30km/h以下の場合は車速Vが高くなるにつれてマージンMを大きくし、車速Vが30km/hを超える場合は最大値(1m)とする。
【0014】
図4のマップから求めたマージンMは、立体空間の大きさに応じた第1係数と、立体空間の車幅方向と高さ方向との比率に応じた第2係数と、立体空間の各部の属性に応じた第3係数とをそれぞれ乗算して補正する。
図5は、立体形状の高さの絶対値に応じた第1係数設定マップであり、第1係数は、障害物立体形状の高さの絶対値[cm]が閾値Th以下の場合は0、閾値Thを超えて10cm以下の場合は絶対値が大きくなるにつれて大きくし、10cmを超える場合は1とする。
【0015】
図6は、立体形状の車幅方向の長さ変化に対する高さの変化の絶対値に応じた第2係数設定マップであり、第2係数は、障害物立体形状の車幅方向の長さの変化に対する高さの変化の絶対値が10以下の場合は絶対値が大きくなるにつれて大きくし、10を超える場合は1とする。
図7は、立体空間の各部(各障害物立体形状)の属性に応じた第3係数設定マップであり、第3係数は、属性が歩行者、自転車およびバイクの場合は1.5、車両の場合は1.2、その他の場合は1とする。ここで、属性の判定は、障害物立体形状から判定する(属性設定手段に相当)。例えば細い2本のポールが隣接していたら人間の足とみなして歩行者と判定する。また、車幅方向に約1.5〜2.0m、高さが1m以上の障害物は車両と判定し、それ以外は壁面や段差と判定する。
【0016】
ステップS5では、目標経路演算部13において、ステップS4で設定された、衝突リスクが高い部分からのマージンが最小となる車幅方向位置を、自車の目標経路として設定する。実施例1では、ステップS1で検出された走行可能領域の中で、ステップS3で抽出された衝突リスクが高い部分との距離を、衝突リスクが高い部分にステップS4で設定されたマージンMから差し引いた値の総和Jが最小となる目標経路を求める。例えば、図8の場合、盛り土に対するマージンM1からマージンM1が自車に重なる長さW1を差し引いた値(M1-W1)と、壁に対するマージンM2からマージンM2が自車に重なる長さW2を差し引いた値(M2-W2)との総和J=(M1-W1)+(M2-W2)が最小となる車幅方向位置を目標経路とする。
【0017】
ステップS6では、減速制御部15において、自車の走行経路がステップS5で設定された目標経路に追従するように液圧制御ユニット3を駆動して運転支援を行う。実施例1では、ステップS5で求めた最小の総和Jから、図9のマップを参照して目標車速Vtを設定し、自車の車速が目標車速Vtとなるように減速支援を行う。すなわち、十分なマージンが取れないときほど、車速を落として通過させるようにする。このとき、目標車速Vtの上限は走行路の制限車速Vlimにより制限する。図9に示すように、目標車速Vtは、総和Jが0未満の場合は制限車速Vlim(例えば、100km/h)とし、総和Jが0以上の場合は総和Jが大きくなるにつれて小さくし、総和Jが所定値以上の場合、徐行速度(例えば、10km/h)とする。
【0018】
次に、作用を説明する。
[運転支援作用]
特に住宅街などの狭い道路や追い越し(通り抜け)といった走行シーンにおいて、ドライバは走行路内外の衝突時のリスクが高い段差や障害物に対し、その衝突リスクに応じたマージンを取って走行を行う。例えば、走行路の左右境界が壁である場合には、ドライバは左右の壁から均等に距離を取るため、自車を走行路の中央位置で走行させるのに対し、左右一方の境界が壁ではなく区画線や中央線である場合には、ドライバは衝突時のリスクが高い壁に対してマージンを取り、自車を走行路の中央位置よりも区画線または中央線側に寄せて走行させる。
【0019】
ところが、従来の走行制御装置では、障害物に対する衝突時のリスクを考慮せず、走行可能領域のみに応じて目標経路を生成しているため、走行路の左右一方の境界が壁で他方が区画線や中央線である場合であっても、先行車が走行路の中央位置を走行している場合には、走行路の中央位置が目標経路に設定される。つまり、上記従来技術では、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を行うことができないため、ドライバに違和感を与えてしまう。
【0020】
これに対し、実施例1では、走行路前方の立体空間から衝突時のリスクが高い部分を見積もり、見積もった部分の衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクを軽減させるようにマージンを取って目標経路を生成し、十分なマージンが取れない場合には、自車を減速させることで衝突時のリスクを軽減させるため、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を実現でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0021】
また、実施例1では、衝突リスクが高い部分の自車に対して最も近い位置で障害物の立体形状を検出するため、自車近傍の障害物に対しても衝突リスクに応じたマージンを考慮した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
このとき、奥行き方向の形状も考慮して障害物の立体形状を検出するため、例えば、逸脱防止用のポールのように奥行き方向に不連続に衝突リスクの高い部分が存在する場合であっても、これを考慮して立体形状を検出でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0022】
実施例1では、衝突リスクが高い障害物形状の高さが高くなるほど、車速Vに応じたマージンMに乗算する第1係数の値を大きくする。すなわち、障害物形状が大きくなるほど、換言すると、立体空間の大きさが小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定する。よって、例えば、障害物として路面段差が存在する場合、段差が高くなるほどマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0023】
また、障害物立体形状の車幅方向の長さの変化に対する高さの変化の絶対値が大きくなるほど、車速Vに応じたマージンMに乗算する第2係数の値を大きくする。すなわち、長さの変化に対する高さの変化が大きくなるほど、衝突リスクが高いと推定する。よって、例えば、同じ段差でもスロープが付いている場合は、付いていない場合よりもマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0024】
さらに、立体空間の各部の属性が歩行者、自転車およびバイクである場合には第3係数の値を1.5とし、属性が車両である場合は第3係数の値を1.2とし、その他の属性の場合は第3係数を1とする。すなわち、各部の属性に基づいて衝突リスクの高さを推定する。衝突時のリスクは人間が最も大きく、次いで車両、最後が壁や路面段差、電柱等となるため、属性に基づいて衝突リスクの高さを推定することで、ドライバに与える違和感を軽減できる。
実施例1では、衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する。つまり、衝突リスクが高い障害物に対して十分なマージンを取れないような狭いスペースを通過する走行シーンでは、車両を減速させることでドライバの運転操作意志と合致した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0025】
以下、各走行シーン別に実施例1の運転支援作用を説明する。
図10は、走行路の左右境界が自車の車高よりも高い壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図であり、このシーンでは、左右の壁は共に衝突リスクが高い部分であり、左側の壁に対するマージンと右側の壁に対するマージンは同一となり、左右の壁に対して十分なマージンが取れない。よって、自車を減速させる運転支援を実施することで、衝突時のリスクを軽減する。
【0026】
図11は、走行路の左境界が区画線(白線)、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図であり、このシーンでは、右側の壁のみが衝突リスクが高い部分であって、ドライバは自車を走行路の中央位置から左側(区画線側)に寄せることで右側の壁に対するマージンを確保できるため、自車を減速させる運転支援は不要である。
図12は、走行路の左境界が自車の車高よりも低い盛り土、右境界が壁である走行シーンにおける運転支援作用を示す模式図であり、このシーンでは、右側の壁の方が左側の盛り土よりも衝突リスクが高いため、ドライバは自車を走行路の中央位置から左側に寄せても左右の障害物に対して十分なマージンが取れない。よって、自車を減速させる運転支援を実施することで、衝突時のリスクを軽減する。
【0027】
次に、効果を説明する。
実施例1の走行制御装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 自車走行路前方の車幅方向と高さ方向による走行路および障害物を検出し、走行路前方の立体空間を検出する立体空間検出部11と、検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する衝突リスク推定部12と、推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の目標経路を演算する目標経路演算部13と、演算された推奨経路に基づいて運転支援を行う運転支援部14と、を備えた。
よって、ドライバの運転操作意志に合致した運転支援を実現でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0028】
(2) 立体空間検出部11は、衝突リスクが高い部分の自車に対して最も近い位置で障害物立体形状を検出するため、自車近傍の障害物に対しても衝突リスクに応じたマージンを考慮した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0029】
(3) 立体空間検出部11は、自車からより前方の奥行き方向の形状も考慮して障害物立体形状を検出するため、例えば、逸脱防止用のポールのように奥行き方向に不連続に衝突リスクの高い部分が存在する場合であっても、これを考慮して立体形状を検出でき、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0030】
(4) 衝突リスク推定部12は、検出された立体空間の大きさが小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定するため、例えば、障害物として路面段差が存在する場合、段差が高くなるほどマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0031】
(5) 衝突リスク推定部12は、検出された立体空間の車幅方向距離が高さ方向距離に対して小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定するため、例えば、同じ段差でもスロープが付いている場合は、付いていない場合よりもマージンが大きくなり、ドライバの運転操作意志と合致するため、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0032】
(6) 衝突リスク推定部12は、検出された立体空間の各部の属性を設定する属性設定手段(ステップS4)を有し、設定した属性に基づいて衝突リスクの高さを推定するため、属性に応じて衝突リスクの高さが変化するのに対し、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0033】
(7) 運転支援部14は、推定された衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する減速制御部15を有するため、衝突リスクが高い障害物に対して十分なマージンを取れないような狭いスペースを通過する走行シーンでは、車両を減速させることでドライバの運転操作意志と合致した運転支援を行うことができ、ドライバに与える違和感を軽減できる。
【0034】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、運転支援としてブレーキ制御を実施する例を示したが、自車が推奨経路上を走行するように操向輪を自動で転舵するステアリング制御を併用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 カメラ
2 車輪速センサ
3 液圧制御ユニット
4 コントローラ
5 ホイルシリンダ
11 立体空間検出部(立体空間検出手段)
12 衝突リスク推定部(衝突リスク推定手段)
13 目標経路演算部(推奨経路演算手段)
14 運転支援部(運転支援手段)
15 減速制御部(減速制御手段)
S4 属性設定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車走行路前方の車幅方向と高さ方向による走行路および障害物を検出し、走行路前方の立体空間を検出する立体空間検出手段と、
検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する衝突リスク推定手段と、
推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の推奨経路を演算する推奨経路演算手段と、
演算された推奨経路に基づいて運転支援を行う運転支援手段と、
を備えたことを特徴とする走行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の走行制御装置において、
前記立体空間検出手段は、前記衝突リスクが高い部分の自車に対して最も近い位置で障害物立体形状を検出することを特徴とする走行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の走行制御装置において、
前記立体空間検出手段は、自車からより前方の奥行き方向の形状も考慮して障害物立体形状を検出することを特徴とする走行制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載に走行制御装置において、
前記衝突リスク推定手段は、検出された立体空間の大きさが小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定することを特徴とする走行制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の走行制御装置において、
前記衝突リスク推定手段は、検出された立体空間の車幅方向距離が高さ方向距離に対して小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定することを特徴とする走行制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の走行制御装置において、
前記衝突リスク推定手段は、検出された立体空間の各部の属性を設定する属性設定手段を有し、
設定した属性に基づいて衝突リスクの高さを推定することを特徴とする走行制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の走行制御装置において、
前記運転支援手段は、推定された衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する減速制御手段を有することを特徴とする走行制御装置。
【請求項1】
自車走行路前方の車幅方向と高さ方向による走行路および障害物を検出し、走行路前方の立体空間を検出する立体空間検出手段と、
検出された立体空間に対し、自車の障害物に対する衝突リスクの高さを推定する衝突リスク推定手段と、
推定された衝突リスクの高さに応じて、衝突リスクが高い部分から距離を取るように自車の推奨経路を演算する推奨経路演算手段と、
演算された推奨経路に基づいて運転支援を行う運転支援手段と、
を備えたことを特徴とする走行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の走行制御装置において、
前記立体空間検出手段は、前記衝突リスクが高い部分の自車に対して最も近い位置で障害物立体形状を検出することを特徴とする走行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の走行制御装置において、
前記立体空間検出手段は、自車からより前方の奥行き方向の形状も考慮して障害物立体形状を検出することを特徴とする走行制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載に走行制御装置において、
前記衝突リスク推定手段は、検出された立体空間の大きさが小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定することを特徴とする走行制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の走行制御装置において、
前記衝突リスク推定手段は、検出された立体空間の車幅方向距離が高さ方向距離に対して小さくなるほど、衝突リスクが高いと推定することを特徴とする走行制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の走行制御装置において、
前記衝突リスク推定手段は、検出された立体空間の各部の属性を設定する属性設定手段を有し、
設定した属性に基づいて衝突リスクの高さを推定することを特徴とする走行制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の走行制御装置において、
前記運転支援手段は、推定された衝突リスクが高い部分に近づくにつれて、自車を減速するように制御する減速制御手段を有することを特徴とする走行制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−43563(P2013−43563A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182947(P2011−182947)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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