説明

走行支援装置、走行支援方法および走行支援プログラム

【課題】目的地が設定されていないと目的地が駐車禁止であるか否かの報知をできない。
【解決手段】所定以上の頻度で車両が駐車される道路を特定し、前記道路に前記車両を駐車した場合における前記車両の前記道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得し、前記駐車時走行軌跡と前記車両の現在の走行軌跡とに基づいて、前記車両が前記道路に向けて走行しているか否かを判定し、前記車両が前記道路に向けて走行していると判定された場合、前記道路に前記車両を駐車させる際に当該道路が駐車禁止となっているか否かを判定し、前記道路が駐車禁止となっていると判定された場合、当該道路が駐車禁止となることを案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行支援装置、走行支援方法および走行支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車禁止地域に車両が駐車されることを防止するための各種の技術が知られている。例えば、特許文献1においては、目的地が設定された場合、当該目的地が駐車禁止地域に該当するか否かを判定し、目的地が駐車禁止地域に該当する場合には目的地が駐車禁止地域である旨を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−20210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、目的地が駐車禁止地域に該当するか否かを判定する構成であるため、予め目的地が設定されていなければ報知を行うことができない。しかし、ナビゲーション装置のユーザが頻繁に訪れる目的地まで走行するために目的地を設定することはまれである。従って、従来の技術においては、一般のユーザが日常的に利用する経路を走行する際に、目的地が駐車禁止地域であるか否かの報知を行うことができないことが多い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、走行予定経路が設定されていなくても駐車禁止地域に車両が駐車されることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明においては、所定以上の頻度で車両が駐車される道路(以下、日常駐車道路と呼ぶ)に車両が駐車された場合に当該日常駐車道路までの車両の走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得し、当該駐車時走行軌跡と車両の現在の走行軌跡とに基づいて車両が日常駐車道路に向けて走行しているか否かを判定する。そして、車両が日常駐車道路に向けて走行していると判定された場合、日常駐車道路に車両を駐車させる際に日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かを判定し、日常駐車道路が駐車禁止となっていると判定された場合には日常駐車道路が駐車禁止となることを案内する。
【0007】
すなわち、日常駐車道路に車両を駐車させた場合の過去の走行軌跡と現在の走行軌跡との類似度に基づいて車両が日常駐車道路に駐車するか否かを推定する。そして、日常駐車道路に車両を駐車させる際に当該日常駐車道路が駐車禁止となる場合にはその旨を案内する。従って、走行予定経路や目的地が設定されていない状態で車両が走行している状態であっても、日常駐車道路に車両を駐車させる際に当該日常駐車道路が駐車禁止になるのであればその旨が案内される。このため、運転者が当該案内に従って日常駐車道路への駐車を避けることによって駐車禁止地域に車両が駐車されることを防止することができる。
【0008】
さらに、日常駐車道路が駐車禁止ではない状態において運転者が日常的に当該日常駐車道路に車両を駐車させる場合、当該運転者は、当該日常駐車道路が駐車禁止となり得ることや駐車禁止となる時間帯を知らないことが考えられる。しかし、本発明においては、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する構成を採用しており、運転者が日常駐車道路に車両を駐車させる際に駐車禁止となるのであればその旨が案内されるため、日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを運転者が熟知していなくても、駐車禁止の状態の日常駐車道路に車両を駐車させることを防止することができる。
【0009】
ここで、駐車道路特定手段は、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路を特定することができればよく、車両が駐車された道路の中で基準と比較して駐車頻度が相対的に高い道路を日常駐車道路として特定することができればよい。従って、例えば、所定の期間(例えば、車両の走行軌跡の取得開始から現在までの期間や単位期間)内に車両が駐車した全道路の中で駐車回数が他の道路よりも多い道路や所定の回数よりも多数回駐車された道路を日常駐車道路とすることが可能である。また、道路は予め決められた所定区間毎に定義されればよく、地図情報にて定義された道路区間や同一属性の連続する道路区間毎に駐車禁止か否かを特定する構成とすればよい。
【0010】
駐車時走行軌跡取得手段は、車両が日常駐車道路に駐車した場合の当該日常駐車道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得することができればよい。すなわち、車両において走行軌跡を取得して所定の記録媒体に記録し続ける構成とし、車両が任意の道路に駐車した時点でそれまでの走行軌跡を当該駐車位置が存在する道路に対応づけて記録する構成としておく。そして、車両が日常駐車道路に向かっているか否かを推定する段階で当該日常駐車道路に対応づけて記録媒体に記録されている走行軌跡を駐車時走行軌跡として取得すればよい。なお、駐車時走行軌跡は、車両が日常駐車道路に駐車した場合に車両が走行した道路を示していればよい。従って、例えば、車両のエンジンを駆動するとともに走行軌跡を記録するナビゲーション装置の電源スイッチをオンにして走行を開始した後、エンジンの停止とともに当該ナビゲーション装置の電源スイッチをオフにして車両の走行を終了するまでの間に走行した道路の推移等によって構成することができる。また、駐車時走行軌跡は、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路についての走行軌跡であるため、駐車された道路が日常駐車道路であったか否かを記録媒体に記録する時点で特定して記録媒体に記録していってもよいし、全走行軌跡を記録媒体に記録して記録媒体を参照する際に所定以上の頻度で駐車された道路についての情報を抽出して駐車時走行軌跡としてもよい。
【0011】
走行予測手段は、駐車時走行軌跡と現在の走行軌跡とに基づいて車両が日常駐車道路に向けて走行しているか否かを判定することができればよい。すなわち、駐車時走行軌跡と現在の走行軌跡との類似度に基づいて車両が現在日常駐車道路に向かって走行しているか否かを判定することができればよい。現在の走行軌跡は車両が走行している際に逐次取得すればよい。
【0012】
駐車禁止判定手段は、車両が日常駐車道路に向けて走行していると判定された場合に、日常駐車道路に車両を駐車させる際に当該日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かを判定することができればよい。すなわち、車両を日常駐車道路に駐車させると仮定したときに所定以上の確率あるいは頻度で当該日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かを判定することができればよい。例えば、車両の現在位置から日常駐車道路までの距離が所定距離以下になった場合に、現在時刻において日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを判定する構成としてもよい。また、車両の現在位置から日常駐車道路までの距離が所定距離以下になった場合に、日常駐車道路への到達予測時刻において日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを判定する構成としてもよい。むろん、現在時刻と到達予測時刻の双方において日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを判定してもよい。
【0013】
駐車禁止案内手段は、日常駐車道路が駐車禁止となっていると判定された場合、日常駐車道路が駐車禁止となることを案内することができればよく、案内は日常駐車道路の定義に対応する所定区間毎に行われる構成に限定されない。例えば、日常駐車道路が駐車禁止であることを案内する際に、日常駐車道路の周辺に存在する他の道路であって、日常駐車道路と同一属性の他の道路も駐車禁止となることを案内してもよい。すなわち、道路に対して属性が対応づけられるとともに、当該属性に応じて駐車禁止あるいは駐車許可が決定される構成において、日常駐車道路が駐車禁止の場合には、日常駐車道路と同一属性の他の道路も駐車禁止であるため、その旨を案内することによって日常駐車道路の周囲の駐車禁止道路に車両が駐車されることを防止することが可能である。
【0014】
さらに、駐車禁止の状態と駐車許可の状態とが時刻によって変動する道路から日常駐車道路を特定する構成としてもよい。この構成によれば、日常駐車道路において駐車が許可された時刻に当該日常駐車道路に対して運転者が日常的に車両を駐車させている場合であっても、日常駐車道路が駐車禁止となる状態で運転者が日常駐車道路に車両を駐車させようとすると駐車禁止である旨が案内される。従って、運転者が当該日常駐車道路の駐車禁止時刻を熟知していない場合であっても、運転者が駐車禁止状態の日常駐車道路に車両を駐車させることを防止することができる。
【0015】
さらに、日常駐車道路に車両が駐車された駐車時刻を特定し、当該駐車時刻が現在時刻と異なる場合に、日常駐車道路が駐車禁止であるか否か判定する構成としてもよいし、当該駐車時刻が到達予測時刻と異なる場合に、日常駐車道路が駐車禁止であるか否か判定する構成としてもよい。むろん、現在時刻と到達予測時刻の双方と異なる場合に日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを判定してもよい。すなわち、駐車時刻は、駐車が許可された状態の日常駐車道路に対して運転者が車両を駐車させた時刻であると推定されるため、現在時刻や到達予測時刻が駐車時刻と異なる場合には、現在時刻や到達予測時刻において日常駐車道路への駐車が禁止されている可能性がある。従って、このような場合に日常駐車道路に対する駐車の可否を判定することで、運転者が駐車禁止状態の日常駐車道路に車両を駐車させることを防止することができる。なお、駐車時刻は、運転者が日常駐車道路に車両を駐車させた時刻の代表値(平均値、中央値など)によって決定してもよいし、運転者が日常駐車道路に車両を複数回駐車させた場合の各時刻であってもよいし、車両を複数回駐車させた場合の各時刻から特定される時間帯であってもよい。
【0016】
さらに、日常駐車道路に車両が駐車していた駐車期間を特定し、現在時刻から当該駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する構成としてもよいし、到達予測時刻から当該駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する構成としてもよい。むろん、現在時刻と到達予測時刻の双方から駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定してもよい。すなわち、駐車期間は、日常駐車道路において運転者が車両の駐車を継続した期間であるため、運転者が今後、日常駐車道路に車両を駐車させる場合においても車両の駐車が同等の期間継続される可能性が高い。従って、現在時刻や到達予測時刻から駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車許可の状態から駐車禁止の状態へとなり得るか否かを判定することで、駐車中に駐車禁止の状態へと変動する日常駐車道路に運転者が車両を駐車させることを防止することができる。なお、駐車期間は、運転者が日常駐車道路において車両の駐車を継続した期間の代表値(平均値、中央値など)によって決定してもよいし、運転者が日常駐車道路に車両を複数回駐車させた場合の各時刻から特定してもよい。
【0017】
なお、本発明のように、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する手法は、この処理を行う方法やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような走行支援装置、方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置として実現される場合もある。また、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあれば、車両に搭載されない各部と連携して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、走行支援装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】走行支援装置を示すブロック図である。
【図2】駐車道路記憶処理を示すフローチャートである。
【図3】日常駐車道路特定処理を示すフローチャートである。
【図4】走行支援処理を示すフローチャートである。
【図5】(5A)は車両が道路上に駐車した状態を模式的に示す図である。(5B)は車両が日常駐車道路に接近した状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)走行支援装置の構成:
(2)駐車道路記憶処理:
(3)日常駐車道路特定処理:
(4)走行支援処理:
(5)他の実施形態:
【0020】
(1)走行支援装置の構成:
図1は、車両に搭載された走行支援装置の構成を示すブロック図である。本実施形態において走行支援装置は、ナビゲーション装置10によって実現される。ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして走行支援プログラム21を実行可能である。車両には、走行支援プログラム21によって、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定するために、GPS受信部40、車速センサ41、ジャイロセンサ42、ユーザI/F部43が備えられている。
【0021】
GPS受信部40は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して自車両の現在位置を算出するための信号や現在時刻を示す信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して自車両の現在位置および現在時刻を取得する。車速センサ41は、自車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、自車両の速度を取得する。ジャイロセンサ42は、自車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、自車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、自車両の走行方向を取得する。車速センサ41およびジャイロセンサ42等は、GPS受信部40の出力信号から特定される自車両の現在位置を補正するためなどに利用される。また、制御部20は、自車両の現在位置を、後述する地図情報30aと照合することにより適宜補正する。ユーザI/F部43は、運転者の指示を入力し、また運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイやスイッチ、スピーカ等を備えている。ユーザI/F部43は信号を制御部20から受信し、特定の道路が駐車禁止であることを運転者に対して案内する。
【0022】
制御部20は、走行支援プログラム21を実行することにより、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する処理を行う。そのため走行支援プログラム21は、駐車道路特定部21aと駐車時走行軌跡取得部21bと走行予測部21cと駐車禁止判定部21dと駐車禁止案内部21eを備えている。また、記憶媒体30には予め地図情報30aと走行軌跡情報30bと駐車道路情報30cとが記録されている。
【0023】
地図情報30aは、車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、路上駐車場(例えばパーキングメーターが設置された道路上の駐車場)の位置データ、時刻毎の駐車の可否(駐車禁止あるいは駐車許可)を示すデータ等を含み、車両の現在位置の取得や走行軌跡の取得、道路に対する駐車可否の特定等に利用される。すなわち、地図情報30aにおいては、リンクデータによって定義される所定区間毎に道路が定義されている。なお、本実施形態において、路上駐車場の位置データは、位置データが示す位置が存在する道路を示すリンクデータに対応づけられている。また、リンクデータには、当該リンクデータが示す道路における時刻毎の駐車の可否を示すデータが対応づけられている。
【0024】
走行軌跡情報30bは、車両の走行軌跡を示すデータであり、本実施形態においては車両が走行した道路の推移に対応するリンクデータの推移を示すデータである。制御部20は、車両の現在位置と地図情報30aとに基づいて走行軌跡を取得し、走行軌跡情報30bに逐次記録し続ける。このため、走行軌跡情報30bは、車両の現在の走行軌跡と過去に車両が走行した走行軌跡の双方を含む。制御部20は、車両が任意の道路に駐車した時点でそれまでの走行軌跡を当該駐車位置が存在する道路に対応づけて記憶し、駐車道路情報30cとする。
【0025】
駐車道路情報30cは、車両が駐車した道路である駐車道路を示すデータを含む。駐車道路には、所定以上の頻度で車両が駐車された道路である日常駐車道路が含まれる。このため、駐車道路情報30cにおいて日常駐車道路とそれ以外の駐車道路とを識別するための情報が付加される。本実施形態ではフラグを設定することで日常駐車道路とそれ以外の駐車道路とを識別する。
【0026】
駐車道路特定部21aは、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路を特定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、全駐車道路のうち基準と比較して駐車頻度が相対的に高い道路を日常駐車道路として特定する。本実施形態では、所定の期間(例えば、車両の走行軌跡の取得開始から現在までの期間や単位期間)内に所定の回数よりも多数回駐車された道路を日常駐車道路とするが、所定の期間内における全駐車道路の中で駐車回数が他の道路よりも多い道路を日常駐車道路としてもよい。
【0027】
駐車時走行軌跡取得部21bは、日常駐車道路に車両を駐車した場合における車両の当該日常駐車道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態では車両が日常駐車道路に向かっているか否かを推定する段階で当該日常駐車道路に対応づけて記録媒体に記録されている走行軌跡を駐車時走行軌跡として取得する。なお、駐車時走行軌跡は、所定以上の頻度で車両が駐車される日常駐車道路についての走行軌跡であるため、駐車道路が日常駐車道路であったか否かを記録媒体に記録する時点で特定して記録媒体に記録されてもよいし、全走行軌跡を記録媒体に記録して記録媒体を参照する際に日常駐車道路についての情報を抽出して駐車時走行軌跡としてもよい。取得した駐車時走行軌跡は走行予測部21cに受け渡される。
【0028】
走行予測部21cは、駐車時走行軌跡と車両の現在の走行軌跡とに基づいて、車両が日常駐車道路に向けて走行しているか否かを判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、駐車時走行軌跡と現在の走行軌跡との類似度に基づいて車両が現在、日常駐車道路に向かって走行しているか否かを判定する。類似度は、両軌跡を構成する車両が走行した道路がどの程度一致しているかによって求められ、例えば駐車時走行軌跡を構成する道路のうち現在の走行軌跡を構成する道路と一致している道路が占める割合によって類似度が決定されてもよい。
【0029】
駐車禁止判定部21dは、車両が日常駐車道路に向けて走行していると判定された場合、日常駐車道路に車両を駐車させる際に当該日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かを判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、運転者が車両を日常駐車道路に駐車させると仮定したときに所定以上の確率あるいは頻度で当該日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かを判定する。日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かを判定するための基準の時刻として、当該判定が実行される際の現在時刻が用いられる。
【0030】
駐車禁止案内部21eは、日常駐車道路が駐車禁止となっていると判定された場合、当該日常駐車道路が駐車禁止となることを案内する機能を制御部20に実現させるモジュールである。運転者への案内は、ユーザI/F43によって視覚的に行われてもよいし、音声案内によって聴覚的に行われてもよい。むろん、視覚的な案内と聴覚的な案内が同時に行われてもよい。
【0031】
(2)駐車道路記憶処理:
図2は、駐車道路情報30cに駐車道路の記憶を行う際の処理を示すフローチャートである。制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、車両においてナビゲーション装置の電源スイッチをオンにした後に図2に示す駐車道路記憶処理を実行する。なお、車両が走行している際に制御部20は駐車時走行軌跡取得部21bの処理により車両の現在位置と地図情報30aとに基づいて車両の走行軌跡を逐次取得し、取得した走行軌跡を走行軌跡情報30aに記憶させている。
【0032】
まず、制御部20は、車両の停車位置が道路上であるか否かを判定する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、GPS受信部40,車速センサ41,ジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在位置を特定する。図2に示す処理はナビゲーション装置10の電源スイッチがオンにされた場合に実行されるため、当該現在位置は、当該電源スイッチがオンにされた時点で当該車両が停車していた停車位置である。制御部20は、地図情報30aに基づいて車両の停車位置が道路上であるのかあるいは道路を外れた場所(例えば道路脇の駐車場等)であるのかを判定する。車両の停車位置が道路上でないと判定された場合(ステップS100のN)、制御部20は駐車道路記憶処理を終了させる。
【0033】
一方、車両の停車位置が道路上であると判定された場合(ステップS100のY)、制御部20は、車両の停車位置が駐車場であるか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、車両の停車位置と地図情報30aとに基づいて車両が停止した位置が路上駐車場に該当するか否かを判定する。車両の停車位置が駐車場であると判定された場合(ステップS105のY)、制御部20は駐車道路記憶処理を終了させる。
【0034】
車両の停車位置が駐車場でないと判定された場合(ステップS105のN)、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、車両の停車の期間が所定期間以上か否かを判定する(ステップS110)。すなわち、制御部20はナビゲーション装置10の電源スイッチがオフにされた時刻を記録しておき、当該ナビゲーション装置10の電源スイッチがオンにされた時刻を取得して両時刻の差分に基づいて停車の期間を特定する。なお、ここでは、所定期間以上の停車を駐車とみなすために当該所定期間を定義している。
【0035】
車両の停車の期間が所定期間よりも短い場合(ステップS110のN)、制御部20は駐車道路記憶処理を終了させる。一方、車両の停車の期間が所定期間以上の場合(ステップS110のY)、車両が駐車していたとみなし、制御部20は、走行軌跡に対応づけて駐車道路を記憶させる(ステップS115)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、当該停車位置が存在する道路(リンクデータ)を含む道路である駐車道路とし、当該駐車道路を走行軌跡情報30bとして記録されている停車位置までの走行軌跡(リンクデータの推移)と対応づけ、当該駐車道路を駐車道路情報30cとして記録する。なお、ここで駐車道路に対応づけられる走行軌跡は、車両のエンジンを駆動するとともに電源スイッチをオンにして走行を開始した後、車両を当該駐車道路まで走行させてエンジンを停止させるとともに当該ナビゲーション装置の電源スイッチをオフにして車両の走行を終了するまでの間に走行した道路の推移に対応するリンクデータの推移である。以上の駐車道路記憶処理により、制御部20は、車両が駐車した全道路の中から一時的に駐車した道路を除外した駐車道路を特定し、記憶させることができる。特定された駐車道路は図3に示す日常駐車道路特定処理において使用される。
【0036】
図5Aを例にとり駐車道路記憶処理を説明する。道路は実線で示され、停車位置50は丸印で示され、破線は車両が停車位置50に到着するまでの走行軌跡52を示す。停車位置50は道路上に位置しているが、路上駐車場には該当しない。車両が停車位置50に停車された期間は所定期間以上である。従って、制御部20は、停車位置50を含む道路は駐車道路とみなされ、走行軌跡52に対応づけて駐車道路情報30cとして記憶媒体30に記録される。なお、地図情報30aでは停車位置50を含む道路は、交差点54と交差点56の間の道路として定義されており、当該道路が駐車道路58に該当することになる。
【0037】
(3)日常駐車道路特定処理:
図3は、日常駐車道路の特定を行う際の処理を示すフローチャートである。制御部20は、図2に示す処理を実行した後、駐車道路特定部21aの処理により、図3に示す日常駐車道路特定処理を実行する。まず、制御部20は記憶媒体30を参照して駐車道路情報30cを取得する(ステップS200)。次に、制御部20は駐車道路毎の駐車回数を特定する(ステップS205)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、取得した全駐車道路の情報を参照して各駐車道路に車両が駐車した回数を特定する。
【0038】
次に、制御部20は、駐車道路への駐車回数が所定回数以上か否かを判定する(ステップS210)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、全駐車道路の中から1つの駐車道路を選択し、当該駐車道路における車両の駐車回数が所定回数以上か否かを判定する。所定回数は予め設定されていればよく、ユーザによって設定された回数が使用されてもよい。
【0039】
駐車回数が所定回数よりも少ない場合(ステップS210のN)、制御部20は全駐車道路の処理が終了したか否かを判定する(ステップS225)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により全駐車道路に対してステップS210の処理が行われたかを確認する。全駐車道路の処理が終了している場合(ステップS225のY)、制御部20は日常駐車道路特定処理を終了させる。
【0040】
一方、全駐車道路の処理が終了していない場合(ステップS225のN)、制御部20はステップS210の処理対象を別の駐車道路に変更する(ステップS230)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、まだステップS210の処理が行われていない駐車道路を特定し、当該駐車道路に対してステップS210の処理を実行する。
【0041】
ステップS210に戻り、駐車回数が所定回数以上の場合(ステップS210のY)、制御部20は、当該駐車道路において駐車禁止と駐車許可とが時刻で変動するか否かを判定する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、駐車道路の状態が時刻によって駐車禁止から駐車許可へと変わったり、駐車許可から駐車禁止へと変わったりするか否かについて地図情報30aを参照して確認する。
【0042】
駐車道路の状態が変動しない場合(ステップS215のN)、制御部20はステップS225の処理を行う。一方、駐車道路の状態が変動する場合(ステップS215のY)、制御部20は当該駐車道路を日常駐車道路として特定する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、駐車道路特定部21aの処理により、駐車禁止と駐車許可の状態が変動する駐車道路を日常駐車道路として特定し、当該駐車道路が日常駐車道路であることを識別するためのフラグを駐車道路情報30cに設定する。その後、制御部20はステップS225の処理を行う。なお、日常駐車道路と関連づけられて走行軌跡情報30bに記憶されている走行軌跡が日常駐車道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡となる。
【0043】
以上の日常駐車道路特定処理によれば、制御部20は、図2の駐車道路記憶処理で特定された駐車道路の中から車両が日常的に駐車される道路であり且つ駐車の可否を示す道路の状態が時刻によって変動する道路を特定することができる。特定された日常駐車道路は図4に示す走行支援処理において使用される。
【0044】
(4)走行支援処理:
図4は、走行支援を行う際の処理を示すフローチャートである。制御部20は図4に示す走行支援処理を一定の期間毎に繰り返し実行する。まず、制御部20は、駐車時走行軌跡を取得する(ステップS300)。すなわち、制御部20は、駐車時走行軌跡取得部21bの処理により駐車道路情報30cを参照して日常駐車道路を特定し、当該日常駐車道路に関連づけられている駐車時走行軌跡を全て取得する。
【0045】
次に、制御部20は、車両の現在の走行軌跡と駐車時走行軌跡の類似度が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS305)。すなわち、制御部20は、走行予測部21cの処理により全駐車時走行軌跡の中から1つの駐車時走行軌跡を選択し、選択した駐車時走行軌跡と走行軌跡情報30bに記憶されている車両の現在の走行軌跡とを比較して両軌跡がどの程度類似しているかを確認する。なお、現在の走行軌跡は車両のエンジンを駆動するとともに電源スイッチをオンにして走行を開始した後、車両の現在位置までに走行した道路の推移に対応するリンクデータの推移である。従って、ステップS305においては、現在の走行軌跡を示すリンクデータの推移と、駐車時走行軌跡を示すリンクデータの推移との類似度を判定すればよい。また、所定値は予め設定されていればよく、ユーザによって設定された値が使用されてもよい。
【0046】
類似度が所定値より小さい場合(ステップS305のN)、制御部20は、全駐車時走行軌跡の処理が終了したか否かを判定する(ステップS325)。すなわち、制御部20は、ステップS300にて取得した全ての駐車時走行軌跡を対象とした処理が終了したか否かを確認する。全駐車時走行軌跡について処理が終了している場合(ステップS325のY)、制御部20は走行支援処理を終了させる。
【0047】
一方、全駐車時走行軌跡について処理が終了していない場合(ステップS325のN)、制御部20はステップS305の処理対象を別の駐車時走行軌跡に変更する(ステップS330)。すなわち、制御部20はまだステップS305の処理が行われていない駐車時走行軌跡を特定し、当該駐車時走行軌跡に対してステップS305の処理を実行する。
【0048】
ステップS305に戻り、類似度が所定値以上の場合(ステップS305のY)、制御部20は、駐車禁止判定部21dの処理により、車両の現在位置と地図情報30aに基づいて車両の現在位置から日常駐車道路までの距離が所定距離以下であるか否かを判定する(ステップS310)。所定値は予め設定されていればよく、ユーザによって設定された値が使用されてもよい。
【0049】
車両の現在位置から日常駐車道路までの距離が所定距離より大きい場合(ステップS310のN)、制御部20はステップS325の処理を実行する。一方、車両の現在位置から日常駐車道路までの距離が所定距離以下の場合(ステップS310のY)、制御部20は、現在時刻において日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを判定する(ステップS315)。すなわち、制御部20は、駐車禁止判定部21dの処理により、車両が向かっている可能性の高い日常駐車道路の状態が現在時刻において駐車禁止であるか否かについて地図情報30aを参照して確認する。
【0050】
現在時刻において日常駐車道路が駐車禁止でない場合(ステップS315のN)、制御部20は、ステップS325の処理を実行する。一方、現在時刻において日常駐車道路が駐車禁止である場合(ステップS325のY)、制御部20は、駐車禁止を案内する(ステップS320)。すなわち、制御部20は、駐車禁止案内部21eの処理により、車両が向かっている可能性の高い日常駐車道路が駐車禁止である旨を運転者に案内する。制御部20は、ステップS320を実行した後、ステップS325を実行する。
【0051】
以上の走行支援処理によれば、走行予定経路や目的地が設定されていない状態で車両が走行している場合であっても、日常駐車道路に車両を駐車させる際に当該日常駐車道路が駐車禁止になるのであればその旨が案内される。このため、運転者が当該案内に従って日常駐車道路への駐車を避けることによって駐車禁止地域に車両が駐車されることを防止することができる。
【0052】
さらに、日常駐車道路が駐車禁止ではない状態において運転者が日常的に当該日常駐車道路に車両を駐車させる場合、当該運転者は、当該日常駐車道路が駐車禁止となり得ることや駐車禁止となる時間帯を知らないことが考えられる。しかし、上記の走行支援処理によれば、運転者が日常駐車道路に車両を駐車させる際に駐車禁止となる場合にその旨が案内されるため、日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを運転者が熟知していなくても、駐車禁止の状態で日常駐車道路に車両を駐車させることを防止することができる。
【0053】
図5Bを例にとり走行支援処理を説明する。図5Bは、車両が日常駐車道路に向けて走行している様子を模式的に示した図である。図5Aと同じ要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図5Aで説明した駐車道路58が日常駐車道路特定処理によって日常駐車道路68と判定されている場合、図5Aの駐車道路58に対応づけられている走行軌跡52は駐車時走行軌跡62となる。車両の現在位置は、三角形を内包した円状の現在位置マーク60によって示され、一点鎖線は車両の現在の走行軌跡64を示す。
【0054】
制御部20によって車両の現在の走行軌跡64と車両の過去の軌跡である駐車時走行軌跡62との類似度が所定値以上であると判定されると、車両の現在位置と日常駐車道路68までの距離が算出される。ここでは、当該距離として車両の現在位置から日常駐車道路68の下端である交差点56までの直線距離が算出される。この結果、算出された距離が所定距離以下である場合、制御部20は、現在時刻において日常駐車道路68が駐車禁止であるかを確認する。すなわち、駐車禁止あるいは駐車許可といった道路の状態はある程度の期間を定めて設定されるのが一般的であり、算出された距離が所定距離以下であれば車両はまもなく日常駐車道路68に到着し得る。従って、現在時刻を車両が停車位置に停車する際の時刻と想定して駐車禁止か否かを確認する。現在時刻において駐車禁止と判定された場合には、運転者にその旨が案内されることになる。
【0055】
(5)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、上述の実施形態で日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かの判定では、判定の際の基準となる時刻として現在時刻を用いているが、車両が日常駐車道路に到着する時刻として算出された到達予測時刻が用いられてもよい。なお、到達予測時刻は、車両の現在の車速や予測車速等に基づいて車両の現在位置から日常駐車道路に向かって駐車時走行軌跡上を走行した場合の走行時間と現在時刻とに基づいて特定すればよい。
【0056】
また、上述の実施形態では制御部20が駐車道路記憶処理の後に日常駐車道路特定処理を実行することで予め日常駐車道路を特定している。しかし、日常駐車道路の情報が必要な際に駐車道路の中から日常駐車道路を特定する構成であってもよい。例えば、走行支援処理において車両の現在位置から日常駐車道路までの距離を算出する際、駐車道路の中から日常駐車道路を特定した上で車両の現在位置から当該日常駐車道路までの距離を算出してもよい。
【0057】
さらに、上述の実施形態では駐車道路や日常駐車道路の特定の際に、地図情報30aに定義されている道路区間を単位として道路を特定する処理がなされるが、同一属性の連続する道路区間毎に特定してもよい。また、日常駐車道路が駐車禁止であることを案内する際に、日常駐車道路の周辺に存在する他の道路であって日常駐車道路と同一属性の他の道路(すなわち、駐車禁止あるいは駐車許可となる時刻が日常駐車道路と同一の他の道路)も駐車禁止となることを案内してもよい。すなわち、日常駐車道路が駐車禁止の場合には、同一属性の他の道路も駐車禁止であるため、その旨を案内することによって日常駐車道路の周囲の駐車禁止道路に車両が駐車されることを防止することができる。
【0058】
さらに、日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かの判定では、日常駐車道路に車両が駐車された駐車時刻を特定し、当該駐車時刻が現在時刻と異なる場合に、日常駐車道路が駐車禁止であるか否か判定する構成としてもよいし、当該駐車時刻が到達予測時刻と異なる場合に、日常駐車道路が駐車禁止であるか否か判定する構成としてもよい。むろん、現在時刻と到達予測時刻の双方と異なる場合に日常駐車道路が駐車禁止であるか否かを判定してもよい。すなわち、駐車時刻は、駐車が許可された状態の日常駐車道路に対して運転者が車両を駐車させた時刻であると推定されるため、現在時刻や到達予測時刻が駐車時刻と異なる場合には、現在時刻や到達予測時刻において日常駐車道路への駐車が禁止されている可能性がある。従って、このような場合に日常駐車道路に対する駐車の可否を判定することで、運転者が駐車禁止状態の日常駐車道路に車両を駐車させることを防止することができる。なお、駐車時刻は、運転者が日常駐車道路に車両を駐車させた時刻の代表値(平均値、中央値など)によって決定してもよいし、運転者が日常駐車道路に車両を複数回駐車させた場合の各時刻であってもよいし、車両を複数回駐車させた場合の各時刻から特定される時間帯であってもよい。
【0059】
さらに、日常駐車道路が駐車禁止となっているか否かの判定では、日常駐車道路に車両が駐車していた駐車期間を特定し、現在時刻から当該駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する構成としてもよいし、到達予測時刻から当該駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定する構成としてもよい。むろん、現在時刻と到達予測時刻の双方から駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車禁止となるか否かを判定してもよい。すなわち、駐車期間は、日常駐車道路において運転者が車両の駐車を継続した期間であるため、運転者が今後、日常駐車道路に車両を駐車させる場合においても車両の駐車が同等の期間継続される可能性が高い。従って、現在時刻や到達予測時刻から駐車期間が経過するまでの間に日常駐車道路が駐車許可の状態から駐車禁止の状態へとなり得るか否かを判定することで、駐車中に駐車禁止の状態へと変動する日常駐車道路に運転者が車両を駐車させることを防止することができる。なお、駐車期間は、運転者が日常駐車道路において車両の駐車を継続した期間の代表値(平均値、中央値など)によって決定してもよいし、運転者が日常駐車道路に車両を複数回駐車させた場合の各時刻から特定してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…走行支援プログラム、21a…駐車道路特定部、21b…駐車時走行軌跡取得部、21c…走行予測部、21d…駐車禁止判定部、21e…駐車禁止案内部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…走行軌跡情報、30c…駐車道路情報、40…GPS受信部、41…車速センサ、42…ジャイロセンサ、43…ユーザI/F部、50…停車位置、52…走行軌跡、54、56…交差点、58…駐車道路、60…現在位置マーク、62…駐車時走行軌跡、64…現在の走行軌跡、68…日常駐車道路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定以上の頻度で車両が駐車される道路を特定する駐車道路特定手段と、
前記道路に前記車両を駐車した場合における前記車両の前記道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得する駐車時走行軌跡取得手段と、
前記駐車時走行軌跡と前記車両の現在の走行軌跡とに基づいて、前記車両が前記道路に向けて走行しているか否かを判定する走行予測手段と、
前記車両が前記道路に向けて走行していると判定された場合、前記道路に前記車両を駐車させる際に当該道路が駐車禁止となっているか否かを判定する駐車禁止判定手段と、
前記道路が駐車禁止となっていると判定された場合、当該道路が駐車禁止となることを案内する駐車禁止案内手段と、
を備える走行支援装置。
【請求項2】
前記駐車禁止案内手段は、前記道路が駐車禁止となっていると判定された場合、前記道路の周辺に存在する、前記道路と同一属性の他の道路が駐車禁止となることを案内する、
請求項1に記載の走行支援装置。
【請求項3】
前記駐車道路特定手段は、駐車禁止の状態と駐車許可の状態とが時刻によって変動する道路のうち、所定以上の頻度で車両が駐車される道路を特定する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項4】
前記駐車禁止判定手段は、前記車両の現在位置から前記道路までの距離が所定距離以下になった場合に、現在時刻と前記道路への到達予測時刻とのいずれかまたは双方において前記道路が駐車禁止であるか否かを判定する、
請求項3に記載の走行支援装置。
【請求項5】
前記駐車道路特定手段は、前記道路に前記車両が駐車された駐車時刻を特定し、
前記駐車禁止判定手段は、前記駐車時刻が、前記現在時刻と前記到達予測時刻とのいずれかまたは双方と異なる場合に、前記道路が駐車禁止であるか否かを判定する、
請求項4に記載の走行支援装置。
【請求項6】
前記駐車道路特定手段は、前記道路に前記車両が駐車していた駐車期間を特定し、
前記駐車禁止判定手段は、前記現在時刻と前記到達予測時刻とのいずれかまたは双方から、前記駐車期間が経過するまでの間に前記道路が駐車禁止となるか否かを判定する、
請求項4または請求項5のいずれかに記載の走行支援装置。
【請求項7】
所定以上の頻度で車両が駐車される道路を特定する駐車道路特定工程と、
前記道路に前記車両を駐車した場合における前記車両の前記道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得する駐車時走行軌跡取得工程と、
前記駐車時走行軌跡と前記車両の現在の走行軌跡とに基づいて、前記車両が前記道路に向けて走行しているか否かを判定する走行予測工程と、
前記車両が前記道路に向けて走行していると判定された場合、前記道路に前記車両を駐車させる際に当該道路が駐車禁止となっているか否かを判定する駐車禁止判定工程と、
前記道路が駐車禁止となっていると判定された場合、当該道路が駐車禁止となることを案内する駐車禁止案内工程と、
を含む走行支援方法。
【請求項8】
所定以上の頻度で車両が駐車される道路を特定する駐車道路特定機能と、
前記道路に前記車両を駐車した場合における前記車両の前記道路までの走行軌跡を示す駐車時走行軌跡を取得する駐車時走行軌跡取得機能と、
前記駐車時走行軌跡と前記車両の現在の走行軌跡とに基づいて、前記車両が前記道路に向けて走行しているか否かを判定する走行予測機能と、
前記車両が前記道路に向けて走行していると判定された場合、前記道路に前記車両を駐車させる際に当該道路が駐車禁止となっているか否かを判定する駐車禁止判定機能と、
前記道路が駐車禁止となっていると判定された場合、当該道路が駐車禁止となることを案内する駐車禁止案内機能と、
をコンピュータに実現させる走行支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−210479(P2010−210479A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57818(P2009−57818)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】