説明

超音波診断装置

【課題】超音波診断装置において、整相加算後の信号に含まれる不要波成分の抑圧を適切に行う。特に過剰な抑圧がなされないようにする。
【解決手段】スペクトル演算部34は、整相処理後(遅延処理後)かつ加算処理前の受信信号列に対して、素子配列方向に沿って信号レベルをサンプリングして複数のサンプリング値からなる波形を得て、それに対する周波数解析により方位スペクトルを取得する。方位特性処理部36は、方位スペクトルに対して、前記整相処理及び加算処理により生じる振動素子列の方位特性を用いた重み付け処理を適用することにより、重み付け後の方位スペクトルを生成する。係数演算部38は、重み付け後の方位スペクトルに基づいて不要波成分抑圧用の係数を演算する。乗算器40は、加算部28の出力信号に対して係数を乗算することにより不要波成分を抑圧する。乗算に代えて減算を利用することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に関し、特に、受信信号中に含まれる不要波成分の抑圧に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置においては、アレイ振動子から生体に対して超音波パルスが送波され、生体内からの反射波がアレイ振動子にて受波される。送信時においては、送信ビームを形成するための所定の遅延関係をもった複数の送信信号がアレイ振動子に供給され、受信時においては、アレイ振動子からの複数の受信信号に対して整相処理(遅延処理)及び加算処理(両者併せて整相加算処理)が適用され、これによって受信ビームが電子的に形成される。整相加算処理によって受信ビーム方位(あるいは受信焦点)からの信号成分が増強され、他の方位(あるいは焦点外の地点)からの信号成分が除去、低減される。不要波成分としては、グレーティングローブ、サイドローブ、多方向同時送信時における他の方向から回り込み成分、ノイズといったものがあげられる。超音波画像を高めるためには受信信号中に含まれる不要波成分を効果的に除外することが望まれる。
【0003】
非特許文献1には、GCF(Generalized Coherence Factor)という係数を用いて不要波成分を抑圧する手法が開示されている。これは空間分解能とコントラスト分解能を高めるものである。以下にGCFを用いた方法について説明する。
【0004】
複数の振動素子は素子配列方向に整列しており、それらから複数の受信信号(受信信号列)が出力される。受信信号列に対しては受信ビーム形成あるいは受信焦点形成のために整相加算処理が適用される。それは上記のように整相処理(遅延処理)と加算処理とからなるものである。整相処理後の受信信号列に対してその横断方向つまり素子配列方向に沿ってデータサンプリングが実行され、サンプリングされたデータ列が周波数解析される。これによって方位スペクトルが得られる。焦点からの成分であれば整相処理によって位相が揃うので、サンプリングされたデータ列のレベルは一様に揃う筈であり、空間周波数で見ればそれは直流成分として表れる。焦点外においてはサンプリングされたデータ列のレベルは周期的に変動することになりそれが周波数成分として表れる。ここで、方位スペクトルにおける横軸の周波数は不要波が表れる方位(角度)に対応していることが知られている。
【0005】
受信信号列についての上記の方位スペクトルにおいてメインビーム相当部分の面積とそれ以外の(不要波成分全体)の面積との比は、不要波成分の混入量を表す。その比が上記GCFである。整相加算後の受信信号に対してGCFを乗算すれば、不要波成分の大小に応じて信号抑圧レベルを適応的に抑圧できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Pai-Chi Li, "Adaptive Imaging Using the Generalized Coherence Factor", IEEE Transactions Ultrasonics, Vol.50, No.2, 2003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来方法では、場合によっては、受信信号の抑圧が過度に大きくなるという問題がある。すなわち、上記従来方法では、遅延処理後の情報を利用しているために空間的な不揃いが参照されてはいるが、整相処理後の加算処理での不要信号成分の低減まで考慮されていない。GCFの算定基礎となっている周波数分布は整相加算処理が適用される前の段階のものであり、実際には整相加算処理の段階において不要波成分がある程度相殺されているのである。
【0008】
本発明の目的は、受信信号中に含まれる不要信号成分の適度な抑圧を実現することにあり、特に、整相加算処理での不要波信号成分の抑圧までを考慮して受信信号を処理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、素子配列方向に整列した複数の振動素子により構成され、受信信号列を出力する振動素子列と、前記受信信号列に対して整相処理及び加算処理を段階的に適用する整相加算部と、前記整相処理後で前記加算処理前の受信信号列に対して前記素子配列方向に周波数解析を行って方位スペクトルを取得する周波数解析部と、前記方位スペクトルに対して、前記整相処理及び加算処理により生じる前記振動素子列の方位特性を用いた重み付け処理を適用することにより、重み付け後の方位スペクトルを生成する重み付け処理部と、前記重み付け後の方位スペクトルに基づいて不要波成分抑圧信号を生成する生成部と、前記不要波成分抑圧信号を用いて、前記整相加算部の出力信号に対して不要波成分抑圧処理を実行する抑圧処理部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、整相処理後で加算処理前の受信信号列に対して素子配列方向に周波数解析を行って方位スペクトルが取得される。方位スペクトルは上記非特許文献1の手法でも取得されているが、非特許文献1の手法では、整相加算処理による不要信号成分の抑圧までが考慮されていなかったので過剰な抑圧が生じていた。上記構成によれば、方位スペクトルに対して振動素子列の方位特性を用いた重み付け処理を適用することによって、つまり整相加算部の抑圧作用に相当する処理を施すことによって、過剰な抑圧を防止できる。すなわち受信部の作用までを踏まえた抑圧処理を事後的に施せる。振動素子列の方位特性は、振動素子列の物理的特性及び整相加算処理の作用が反映された特性である。それは実験によりあるいはシミュレーション等の数値計算によって事前に又はリアルタイムで求めることが可能である。電子セクタ等の電子ビーム走査が実行される場合、メインビーム偏向角度ごとに方位特性が求められ、メインビーム偏向角度に応じて、使用する方位特性が切り換えられる。電子リニア走査の場合にはメインビームの走査に当たって方位特性を維持することも可能である。送信開口や受信開口、その他の送受信条件が変更された場合には、それに適合した方位特性を利用するのが望ましい。超音波診断時においては、各時刻で方位スペクトルがリアルタイム演算され、同時に、適切な方位特性を用いた重み付け処理がリアルタイムで実行される。
【0011】
望ましくは、前記生成部は、前記重み付け後の方位スペクトルにおいてメインビーム相当部分及び不要波相当部分の内の少なくとも一方を特定することにより前記不要波成分抑圧信号を生成する。不要波成分抑制信号は、抑制度合いあるいは利得を表す係数であってもよいし、信号パワーそれ自体を表すものであってもよい。望ましくは、前記整相加算部の出力信号から前記不要波成分抑圧信号が減算される。望ましくは、前記整相加算部の出力信号に対して前記不要波成分抑圧信号が乗算される。
【0012】
望ましくは、前記整相加算部の出力信号に対して検波処理を施す検波処理部を含み、 前記抑圧処理部は前記検波処理後の信号に対して前記不要波成分抑圧処理を実行する。不要波抑圧信号が正負の符号を有しない場合には検波後の信号に対して乗算処理又は減算処理が適用される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、受信信号中に含まれる不要信号成分の適度な抑圧を実現できる。特に、整相加算処理での不要波信号成分の抑圧までを考慮して受信信号を処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】メインビーム成分に相当する遅延処理後の受信信号列を示す図である。
【図2】メインビーム成分についての方位スペクトルを示す図である。
【図3】θ1の方向から到来する不要波成分に相当する遅延処理後の受信信号列を示す図である。
【図4】不要波成分の方位スペクトルを示す図である。
【図5】メインビーム成分及び不要波成分の両者を含む方位スペクトルを示す図である。
【図6】振動素子列の方位特性(方位プロファイル)を示す図である。
【図7】図6に示した方位特性を利用して図5に示した方位スペクトルに対して重み付け処理を適用した後の方位スペクトルを示す図であある。
【図8】本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
最初に図1乃至図7を用いて不要波成分の抑圧処理の原理について説明する。図1には、アレイ振動子10が示されている。アレイ振動子10は、例えば直線状に配列された複数の振動素子12により構成される。符号100はメインビームを示している。この図1に示す例ではメインビーム成分のみが観測されている。遅延部(整相部)20は、複数の遅延器22により構成され、複数の振動素子12からの複数の受信信号に対して遅延量分布(ディレイカーブ)に従って遅延処理が実行される。符号101は遅延処理後(加算処理前)の受信信号列を示している。それは複数の受信信号102からなる。各タイミング104において、素子配列方向に複数の受信信号102のサンプリングを行うと、複数のサンプリング値の並びからなる一次元の波形が得られる。その波形に対して周波数解析処理を適用すると、図2に示す方位スペクトルが得られる。図2において、横軸は方位θを示し、それは空間周波数に相当する。縦軸はパワーPである。横軸の中央が方位角度ゼロ度であり、そこにメインビームが存在している。方位スペクトル106のパワーがそこに集中している。これは概ね理想的な整相処理がなされた結果であり、各信号の位相が揃うと、空間周波数はゼロとなり、方位スペクトル106上において方位角度ゼロ度付近にエネルギーが集中する。
【0017】
一方、図3に示す例では、方位θ1から不要波が到来している。メインビーム成分は現れていない。各タイミング104において、受信信号列をサンプリングすると、上記同様に一次元の波形が得られ、それを周波数解析した結果が図4に示す方位スペクトル108である。その方位スペクトル108には方位θ1から到来した不要波成分が顕著に表れている。実際には各方位から大小様々な不要波成分が到来する。
【0018】
図5には、メインビーム成分と不要波成分の両者を含んだ方位スペクトル110aが示されている。メインビームに相当するスペクトル部分が110bで示され、その両側に不要波成分に相当するスペクトル部分が110c、110dで示されている。方位スペクトル110a全体の面積Saは、個々のスペクトル部分の面積の総和(Sb+Sc+Sd)である。例えば、全体面積Saに対するメインビーム成分に相当する部分の面積Sbの比として不要波抑圧用の係数kが演算される。しかし、この方法によると、不要波成分は実際には整相加算処理によって低減されるにもかかわらず、方位スペクトル中の当該不要波成分の全部が忠実に評価されてしまい、その結果、不要波成分の抑圧が過大となるおそれがある。
【0019】
そこで、本実施形態では、図5に示した方位スペクトルに対して、図6に示す方位特性112を乗算する重み付け処理が適用される。方位特性は、振動素子列の物理的な特性及び整相加算部の電子的な作用の両者が反映されたものであり、また必要に応じて他の送受信条件(送信開口、受信開口、送信焦点深度、受信焦点深度、等)が反映されたものである。図7には、重み付け処理後の方位スペクトル114aが示されている。その方位スペクトル114aでは、図5に示した方位スペクトル110aに含まれていた不要波成分が大幅に低減されている。一方、方位ゼロ度付近に存在するメインビーム成分はそのまま保存されている。このような重み付け処理後の方位スペクトルを基礎として不要波成分抑圧用の係数あるいは信号が生成される。例えば、メインビームに相当するスペクトル部分114bの面積Sb、その両側に存在する不要波成分に相当するスペクトル部分114c,114dの面積Sc,Sdが特定され、係数kがSb/Saとして演算される。これはメインビーム成分に着目したものであるが、不要波成分に着目して不要波成分抑圧用の係数又は信号を演算することも可能である。全体面積を利用しないで不要波成分抑圧用の係数又は信号を演算することもできる。なお、メインビーム成分の特定方法としては各種の手法があげられる。例えば半値幅を利用してもよいし、ピークから両側へ所定レベル下がった地点を境界点として定めてもよい。勾配を利用することも可能である。
【0020】
方位スペクトルは各時刻においてリアルタイムで演算される。重み付け用の方位特性は電子セクタ走査においてビーム方位に応じて動的に変更され、電子リニア走査においては望ましくは一定のものが固定的に利用される。それぞれの送受信条件に最適な方位特性を用意しておいて、選択的に利用するのが望ましい。使用プローブに応じて方位特性を変更するようにしてもよい。
【0021】
図8には本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。この超音波診断装置は医療の分野において用いられ、生体に対する超音波の送受波によって得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。本実施形態においては、超音波画像としてBモード断層画像が形成されているが、もちろんドプラ画像等が形成されてもよい。この超音波診断装置においては、上述した不要波成分の抑圧機能を有している。
【0022】
図8において、アレイ振動子10は、複数の振動素子12により構成されるものである。複数の振動素子12は直線状に配列されている。もちろんそれらが円弧状に配列されていてもよい。複数の振動素子12を利用して超音波ビーム(送信ビーム、受信ビーム)が形成され、それが電子的に走査される。電子走査方式としては、電子セクタ走査、電子リニア走査等が知られている。もちろん1Dアレイ振動子に代えて2Dアレイ振動子を用いることも可能である。
【0023】
送信部14は送信ビームフォーマーである。すなわち、送信部14は送信時において複数の振動素子12に対して所定の遅延関係をもった複数の送信信号を供給する。これにより送信ビームが形成される。受信時において、生体内の各点からの反射波がアレイ振動子10にて受波される。これにより複数の受信信号が生じ、それが増幅部16へ出力される。ちなみに、増幅部16、遅延部20、アポダイゼーション処理部24、及び加算部28は受信部を構成し、それは受信ビームフォーマーである。
【0024】
増幅部16は、複数のアンプ18により構成されている。その後段には遅延部20が設けられ、その遅延部20は複数の遅延器22により構成されている。それらの遅延器22によって遅延処理(整相処理)が実行される。各遅延器22に与える遅延時間すなわちディレイデータは制御部50から供給される。遅延部20の後段にはアポダイゼーション処理部24が設けられ、それは複数の利得調整器すなわちアンプ26によって構成されている。アポダイゼーション処理部24は送受信開口内における素子配列方向に沿って重み付けを行う公知の回路である。遅延処理後であって重み付け処理後の各受信信号が加算部28に出力される。複数の受信信号は加算部28において加算され、これによって電子的に受信ビームが形成される。整相加算後の受信信号が検波部32に出力されている。検波部32は検波処理を行う公知の回路である。
【0025】
本実施形態においては不要波成分の抑圧を行うために不要波成分抑圧部30が設けられている。それは具体的には、スペクトル演算部34、方位特性処理部36、係数演算部38及び乗算器40によって構成されている。
【0026】
スペクトル演算部34は、遅延処理後の受信信号列に対して各時刻においてサンプリングを行い各時刻毎に素子配列方向に沿ったサンプリングデータからなる波形を取得する。そして、スペクトル演算部34は各時刻の波形に対して周波数解析を実行しこれによってスペクトルすなわち方位スペクトルを生成する。この方位スペクトルは各方位における受信エネルギーを表したものであり、すなわちメインビーム成分と不要波成分とが表れたスペクトルである。方位特性処理部36は上述した重み付け処理を実行するものであり、具体的には方位スペクトルに対して重み付け関数としての方位特性すなわち方位プロファイルを乗算する回路である。方位特性は、制御部50の制御の下、ビーム変更角度に応じて動的に切り替えられており、また送受信条件の変更によっても切り替えられる。本実施形態においては電子セクタ走査が実行されているが、電子リニア走査が選択されている場合にはビーム走査にあたって方位特性を維持するようにしてもよい。すなわち動作モードに応じて重み付け処理の内容を切り替えることが可能である。係数演算部38は、重み付け処理後の方位スペクトルに基づいて不要波成分抑圧のための係数を演算する。その係数の演算方法については各種のものが考えられ、いずれにしてもメインビーム成分あるいは不要波成分のいずれか一方が少なくとも用いられ、それによって整相加算後の受信信号に対する利得を変更するための係数が演算される。それらの係数は乗算器40に送られ、検波部32から出力される検波後の受信信号に対して乗算される。これによって信号の利得が調整される。不要波成分が大きい場合にはより抑圧が大きくされ、これによって画像上に生じる不要波成分が軽減される。ただし、本実施形態においては整相加算部における不要波の抑圧処理を考慮してすなわち方位特性を考慮して係数が演算されているため、従来のように過剰の抑圧が生じてしまう問題を効果的に防止することが可能である。
【0027】
ちなみに、本実施形態においては係数の乗算が行われていたが、信号の減算等の他の手法を利用して不要波成分の抑圧あるいは低減を行うようにしてもよい。重み付け後の方位スペクトルにおいて不要波成分の量は定量化可能であるため不要波成分の量を表す信号を生成し、受信信号から当該信号を減算する処理を行ってもよい。
【0028】
以上のような処理を経た受信信号は信号処理部42へ送られる。信号処理部42は対数変換等の各種信号処理を実行し、その処理後の信号が画像形成部44へ送られる。画像形成部44は本実施形態においてデジタルスキャンコンバータ(DSC)により構成されている。これによりBモード断層画像が構成される。その画像のデータは表示処理部46を介して表示器48へ送られる。上述したように、本実施形態においてはDモード画像が形成されていたが、2次元血流画像等が形成されてもよい。
【0029】
本実施形態によれば、不要波成分の抑圧にあたって、受信ビームフォーマーが有する不要波成分抑圧作用を考慮した上で整相加算後の受信信号の抑圧処理を行えるので過剰な信号低減といった問題を効果的に防止でき、これによって超音波画像の画質を高めることが可能となる。特に、従来においては抑圧が過度に行われて超音波画像上においていわゆる黒抜け等が生じ易いという問題があったが、上記実施形態の構成によればそのような黒抜けを効果的に防止して疾病診断上有益な画像を形成できるという利点が得られる。
【符号の説明】
【0030】
10 アレイ振動子、30 不要波成分抑圧部、34 スペクトル演算部、36 方位特性処理部、38 係数演算部、40 乗算器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子配列方向に整列した複数の振動素子により構成され、受信信号列を出力する振動素子列と、
前記受信信号列に対して整相処理及び加算処理を段階的に適用する整相加算部と、
前記整相処理後で前記加算処理前の受信信号列に対して前記素子配列方向に周波数解析を行って方位スペクトルを取得する周波数解析部と、
前記方位スペクトルに対して、前記整相処理及び加算処理により生じる前記振動素子列の方位特性を用いた重み付け処理を適用することにより、重み付け後の方位スペクトルを生成する重み付け処理部と、
前記重み付け後の方位スペクトルに基づいて不要波成分抑圧信号を生成する生成部と、
前記不要波成分抑圧信号を用いて、前記整相加算部の出力信号に対して不要波成分抑圧処理を実行する抑圧処理部と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記振動素子列の方位特性がメインビーム偏向角度に基づいて変更される、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の装置において、
前記生成部は、前記重み付け後の方位スペクトルにおいてメインビーム相当部分及び不要波相当部分の内の少なくとも一方を特定することにより前記不要波成分抑圧信号を生成する、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記整相加算部の出力信号から前記不要波成分抑圧信号が減算される、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項3記載の装置において、
前記整相加算部の出力信号に対して前記不要波成分抑圧信号が乗算される、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、
前記整相加算部の出力信号に対して検波処理を施す検波処理部を含み、
前記抑圧処理部は前記検波処理後の信号に対して前記不要波成分抑圧処理を実行する、ことを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−80994(P2012−80994A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228374(P2010−228374)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(390029791)日立アロカメディカル株式会社 (899)
【Fターム(参考)】