説明

路線情報提供装置、路線情報提供システム

【課題】 ユーザの向きに応じた表示画像を携帯端末の表示器に表示すること。
【解決手段】 乗車した車両の加速度を検出する加速度センサ(SN1)と、検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面(11)の向きを検出する向き検出手段(KC17)と、乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する路線情報記憶手段(KC18)と、前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像を前記表示画面(11)に表示する路線案内画像表示手段(KC20)であって、前記表示画面(11)の向きに応じた前記路線案内画像(41)を表示する前記路線案内画像表示手段(KC20)と、を備えた路線情報提供装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関の路線の案内を行う路線情報提供システム及び、交通機関の路線の案内が可能な携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)、ノート型パーソナルコンピュータ等の路線情報提供装置に関し、特に、交通機関の車両の加速度を検出する加速度センサを有する前記路線情報提供システム及び路線情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、鉄道や地下鉄等の交通機関において、車両に次に到着する駅や、車両の両側に設けられた乗降扉のどちらが開くのかを表示することが行われている。近年の携帯電話等の携帯端末の高機能化により、携帯端末で経路案内を行うことが可能となっているが、携帯端末で交通機関の駅を案内できれば便利である。
しかしながら、携帯端末で交通機関の駅の案内をするためには、携帯端末を携帯したユーザが鉄道等の交通機関に乗車していることを検出すると共に、乗車した路線を特定し、路線上の次の駅を判別する必要があるため、携帯端末で路線の案内をする(情報を提供する)ことは容易ではない。
【0003】
このような、交通機関の駅の案内を行うための技術として、本出願人は特願2004−136957号において、交通機関の車両の発車を検出して、現在位置を求め、次の駅の情報(路線情報)を提供する携帯端末を提案した。前記本出願人の出願では、経路探索の結果に応じて、駅の構内に入った後、携帯端末に内蔵した従来公知の加速度センサ(例えば、特許文献1(特開平7−134641号公報)等参照)の検出出力に基づいて、車両の発車を検出して、次の駅や乗換駅、降車駅の案内を行った。
【0004】
【特許文献1】特開平7−134641号公報(段落番号「0012」〜「0029」、第1図〜第13図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図15は交通機関の車両内の状態の説明図である。
前記本出願人の出願では、文字情報により次の駅の案内をすることができるが、路線画像や地図画像により案内を行おうとした場合、どのような路線画像等を表示すればよいのかが問題となる。図15において、ユーザP1、P5にとって進行方向は左方向であるが、ユーザP4にとって進行方向は右方向となり、逆方向である。同様にユーザP2にとっての進行方向は前方向となり、ユーザP3にとっての進行方向は後方向となる。このとき、例えば、ユーザP1、P5にとっての進行方向(左方向)にあわせた路線画像等を表示すると、他のユーザP2〜P4にとっては、自分にとっての進行方向と異なる方向にあわせた路線画像等であるため、違和感があり、わかりにくい。即ち、携帯端末に路線画像等を表示する場合、ユーザが進行方向に対してどのような向き、姿勢であるかが分からないので、表示された路線画像等がユーザにとってわかりにくい場合があるという問題がある。
【0006】
前記特許文献1に記載されているように、ユーザが携帯端末を揺らした動作を加速度センサで検出して画像をスクロールさせる技術では、携帯端末を携帯したユーザの向きと車両の進行方向との関係を検出することができない。
また、従来、電車の現在位置にあわせて電車内に経路画像等を表示することが行われているが、電車の車内表示器は、車両に固定されているため、進行方向に対する向きは常時固定されている。したがって、進行方向に対するユーザの向きが問題となることはなく、違和感のある路線画像等が表示されることはない。
さらに、カーナビゲーション装置等において、高速道路のインターチェンジやサービスエリアの路線情報等を表示することが行われているが、カーナビゲーション装置では、車の進行方向に対して、ユーザおよび表示器の向きは固定されているので、やはり進行方向に対するユーザの向きが問題となることはない。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み、ユーザの向きに応じた表示画像を携帯端末の表示器に表示することを第1の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施の形態の具体例(実施例)の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。また、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0009】
(本発明)
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために第1発明の路線情報提供装置(1)は、
乗車した車両の加速度を検出する加速度センサ(SN1)と、
検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面(11)の向き(D1〜D6)を検出する向き検出手段(KC17)と、
乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する路線情報記憶手段(KC18)と、
前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像(41)を前記表示画面(11)に表示する路線案内画像表示手段(KC20)であって、前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)に応じた前記路線案内画像(41)を表示する前記路線案内画像表示手段(KC20)と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の路線情報提供装置(1)では、加速度センサ(SN1)は、乗車した車両の加速度を検出する。向き検出手段(KC17)は、検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面(11)の向き(D1〜D6)を検出する。路線情報記憶手段(KC18)は、乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する。前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像(41)を前記表示画面(11)に表示する路線案内画像表示手段(KC20)は、前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)に応じた前記路線案内画像(41)を表示する。
【0011】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の路線情報提供装置(1)は、前記第1発明において、
前記加速度センサ(SN1)で検出された加速度の履歴を記憶する加速度履歴記憶手段(KC15A)と、
前記加速度履歴記憶手段(KC15A)に記憶された加速度から計算された平均加速度(a1)に基づいて交通機関の車両の発車を検出する発車検出手段(KC16)と、
前記車両の発車が検出された場合に、発車検出時の加速度に基づいて前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)を検出する前記向き検出手段(KC17)と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1の路線情報提供装置(1)では、加速度履歴記憶手段(KC15A)は、前記加速度センサ(SN1)で検出された加速度の履歴を記憶する。発車検出手段(KC16)は、前記加速度履歴記憶手段(KC15A)に記憶された加速度から計算された平均加速度(a1)に基づいて交通機関の車両の発車を検出する。前記向き検出手段(KC17)は、前記車両の発車が検出された場合に、発車検出時の加速度に基づいて前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)を検出する。
【0013】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の路線情報提供装置(1)は、前記第1発明または第1発明の形態1において、
前記車両の進行方向と、前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)とに応じた前記路線案内画像(41)を表示する前記路線案内画像表示手段(KC20)、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2の路線情報提供装置(1)では、前記路線案内画像表示手段(KC20)は、前記車両の進行方向と、前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)とに応じた前記路線案内画像(41)を表示する。
【0014】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の路線情報提供装置(1)は、第1発明および第1発明の形態1,2において、
前記車両の駅間の移動に伴い前記路線案内画像(41)を更新する前記路線案内画像表示手段(KC20)、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態3の路線情報提供装置(1)では、前記路線案内画像表示手段(KC20)は、前記車両の駅間の移動に伴い前記路線案内画像(41)を更新する。
【0015】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4の路線情報提供装置(1)は、前記第1発明および第1発明の形態1〜3において、
前記車両が駅に到着した時に、前記車両の両側に設けられた乗降扉のうちのいずれかの側の乗降扉が開閉するかを判別する扉開閉方向判別手段(KC20C)と、
前記扉開閉方向判別手段(KC20C)の判別結果を前記路線案内画像(41)に表示する前記路線案内画像表示手段(KC20)と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4の路線情報提供装置(1)では、扉開閉方向判別手段(KC20C)は、前記車両が駅に到着した時に、前記車両の両側に設けられた乗降扉のうちのいずれかの側の乗降扉が開閉するかを判別する。前記路線案内画像表示手段(KC20)は、前記扉開閉方向判別手段(KC20C)の判別結果を前記路線案内画像(41)に表示する。
【0017】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5の路線情報提供装置(1)は、前記第1発明および第1発明の形態1〜4において、
前記路線情報を配信する路線情報配信サーバ(7)から送信された前記路線情報を受信する路線情報受信手段(KC22B)と、
前記路線情報受信手段(KC22B)で受信した前記路線情報を記憶する前記路線情報記憶手段(KC18)と、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態5の路線情報提供装置(1)では、路線情報受信手段(KC22B)は、前記路線情報を配信する路線情報配信サーバ(7)から送信された前記路線情報を受信する。前記路線情報記憶手段(KC18)は、前記路線情報受信手段(KC22B)で受信した前記路線情報を記憶する。
【0018】
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために第2発明の路線情報提供システム(S)は、
乗車した車両の加速度を検出する加速度センサ(SN1)と、検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面(11)の向き(D1〜D6)を検出する向き検出手段(KC17)と、乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する路線情報記憶手段(KC18)と、前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像(41)を前記表示画面(11)に表示する路線案内画像表示手段(KC20)であって、前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)に応じた前記路線案内画像(41)を表示する前記路線案内画像表示手段(KC20)と、を有する路線情報提供装置(1)、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
(第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の路線情報提供システム(S)では、路線情報提供装置(1)の加速度センサ(SN1)は、乗車した車両の加速度を検出する。向き検出手段(KC17)は、検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面(11)の向き(D1〜D6)を検出する。路線情報記憶手段(KC18)は、乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する。前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像(41)を前記表示画面(11)に表示する路線案内画像表示手段(KC20)は、前記表示画面(11)の向き(D1〜D6)に応じた前記路線案内画像(41)を表示する。
【0020】
(第2発明の形態1)
第2発明の形態1の路線情報提供システム(S)は、前記第2発明において、
前記路線情報を配信する路線情報配信サーバ(7)と、
前記路線情報配信サーバ(7)から送信された前記路線情報を受信する路線情報受信手段(KC22B)と、前記路線情報受信手段(KC22B)で受信した前記路線情報を記憶する前記路線情報記憶手段(KC18)と、を有する前記路線情報提供装置(1)と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
(第2発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第2発明の形態1の路線情報提供システム(S)では、路線情報配信サーバ(7)は、前記路線情報を配信する。前記路線情報提供装置(1)の路線情報受信手段(KC22B)は、前記路線情報配信サーバ(7)から送信された前記路線情報を受信する。前記路線情報記憶手段(KC18)は、前記路線情報受信手段(KC22B)で受信した前記路線情報を記憶する。
【発明の効果】
【0022】
前述の本発明は、ユーザの向きに応じた表示画像を携帯端末の表示器に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の携帯ナビゲーションシステムの実施例1の説明図である。
図1において、実施例1の携帯ナビゲーションシステムSは、ユーザが携帯可能な携帯端末としての携帯電話(路線情報提供装置)1を有する。前記携帯電話1は、携帯電話ネットワーク2を介して携帯電話事業者のデータ通信装置3と接続している。そして、前記データ通信装置3は、専用線4やインターネット6を介して、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ(路線情報配信サーバ)7やその他の情報配信業者(コンテンツプロバイダ、アプリケーションサービスプロバイダ)の情報配信サーバ8に接続されている。また、前記データ通信装置3には、専用線4を介して、入場管理サーバ9が接続されており、前記入場管理サーバ9は、交通機関の各駅に設置された自動改札機10との間でデータ送受信可能に構成されている。なお、実施例1では、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7や入場管理サーバ9は、専用線4を介してデータ通信装置3に接続されているが、インターネット6を介して接続することも可能である。
【0025】
前記携帯電話1は、表示画像が表示される情報表示画面(表示器)11や、ユーザが各種入力を行う入力キー12を有し、内部にプログラム等が記録された記憶装置(記録媒体)を備えている。また、実施例1の携帯電話1には、交通機関の運賃の決済に利用可能な残高(残金)を記憶する非接触型IC(「無線タグ」、「RFID」等とも呼ばれることがある)を内蔵している。
また、前記携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7も、サーバ本体16及びディスプレイ(図示せず)、キーボードやマウス等の入力装置(図示せず)、ハードディスクドライブ(記録媒体、図示せず)、CDドライブ等の光学ドライブ(記録媒体読み取り装置、図示せず)等を有している。
【0026】
また、前記自動改札機10は、非接触型の読取り部10aを有しており、非接触型ICを内蔵した携帯電話1または、非接触型ICを内蔵した乗車券21が読取り部10aに接近した時にICに記録された情報を、無線交信により読み取ったり、書き込んだり(更新したり)することができる。したがって、前記非接触型ICの情報を読み書きすることにより、携帯電話1や乗車券21を使用しているユーザが入場した出発駅や下車した降車駅の情報を取得してユーザの入出場を管理したり、非接触型ICに記録された残高の情報等を取得したりすることができる。なお、前記非接触型ICを利用して駅への入場の管理を行うシステムは従来公知(例えば、特開平11−16011号公報等参照)であるので、その詳細な説明は省略する。
【0027】
(携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7の制御部の説明)
図2は実施例1の携帯ナビゲーションシステムのサーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図2において、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7のコントローラSCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、ハードディスク等の記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0028】
(サーバのコントローラSCに接続された信号入力要素)
前記携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7のコントローラSCは、キーボードやマウス等の入力装置(図示せず)やその他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力装置は、ユーザによりそれらが入力されたことを検出して、その検出信号をコントローラSCに入力する。
【0029】
(サーバのコントローラSCに接続された制御要素)
また、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7のコントローラSCは、ディスプレイ(図示せず)や図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記ディスプレイには、ユーザの操作に応じた表示画像が表示される。
【0030】
(サーバのコントローラSCの機能)
携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7のコントローラSCは、携帯電話1のナビゲーションソフトAP2により送信された各データの処理を行う携帯ナビゲーション用アプリケーションプログラムAP4や、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素等からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素等に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。次に、前記コントローラSCの携帯ナビゲーション用アプリケーションプログラムAP4の機能(制御手段)を説明する。
【0031】
SC1:サーバ側データ受信手段
サーバ側データ受信手段SC1は、乗車駅データ受信手段SC1Aと、選択路線データ受信手段SC1Bと、を有し、携帯電話1から送信されたデータを受信する。
SC1A:乗車駅データ受信手段
乗車駅データ受信手段SC1Aは、携帯電話1から送信されたユーザが乗車した乗車駅および入場時刻または乗換駅および乗り換えした時刻を特定する乗車駅データ(改札データ)を受信し、記憶する。
SC1B:選択路線データ受信手段
選択路線データ受信手段SC1Bは、携帯電話1から送信されたユーザが選択した路線を特定する選択路線データを受信し、記憶する。
【0032】
図3は進行方向と駅の停車番線データと乗降扉の開閉方向との関係を示す説明図である。
SC2:全駅記憶手段
全駅記憶手段SC2は、路線データ記憶手段SC2Aと、駅データ記憶手段SC2Bと、駅間データ記憶手段SC2Cと、時刻表記憶手段SC2Dとを有し、日本国内の交通機関の全駅を記憶する。
SC2A:路線データ記憶手段
路線データ記憶手段SC2Aは、交通機関の路線を特定する路線データを記憶する。図3において、実施例1の路線データ記憶手段SC2Aは、各路線のデータに、一方のターミナル駅の方向を「+1」、他方のターミナル駅の方向を「−1」とする進行方向データを付加して記憶している。
【0033】
SC2B:駅データ記憶手段
駅データ記憶手段SC2Bは、番線データ記憶手段SC2B1と、乗換駅記憶手段SC2B2とを有し、各路線の全駅の駅名等の駅データを記憶する。
SC2B1:番線データ記憶手段
番線データ記憶手段SC2B1は、各駅のプラットホームの番線のデータ(番線データ)を駅毎に記憶する。実施例1の番線データ記憶手段SC2B1は、図3に示すように、例えば1番線〜8番線までプラットホームがある駅の場合、奇数番線に「−1」、偶数番線に「+1」の開閉方向判別用データを付加した(関連づけた)番線データを記憶している。
SC2B2:乗換駅記憶手段
乗換駅記憶手段SC2B2は、各駅が他の路線に乗換可能な乗換駅であるか否かを駅毎に記憶している。
【0034】
SC2C:駅間データ記憶手段
駅間データ記憶手段SC2Cは、各駅間のデータを記憶する。実施例1の駅間データ記憶手段SC2Cは、駅間データとして、各駅間の所要時間を記憶する。なお、駅間データとしては所要時間に限定されず、例えば、駅間距離を使用することも可能である。
SC2D:時刻表記憶手段
時刻表記憶手段SC2Dは、日本全国の交通機関の時刻表のデータを記憶する。実施例1の時刻表記憶手段SC2Dは、各列車の時刻表のデータと、各列車が到着した駅に入線する番線のデータとを含む時刻表データを記憶する。
【0035】
SC3:路線検索手段
路線検索手段SC3は、受信した乗車駅データと、前記全駅記憶手段SC2に記憶された全駅のデータとに基づいて、乗車駅に乗り入れている路線を検索する。
SC4:案内路線データ検索手段
案内路線データ検索手段SC4は、受信した選択路線データと前記全駅記憶手段SC2に記憶された全駅のデータとに基づいて、選択された路線上の進行方向の駅データと、進行方向データ(「+1」または「−1」)と、各駅の番線データ及び時刻表のデータに基づいて各駅に到着した時に入線する番線および扉開閉方向判別用データ(「+1」または「−1」)と、を含む案内路線データ(路線情報)を検索する。
【0036】
SC5:サーバ側データ送信手段
サーバ側データ送信手段SC5は、路線検索結果送信手段SC5Aと、案内路線データ送信手段SC5Bとを有し、携帯電話1にデータを送信する。
SC5A:路線検索結果送信手段
路線検索結果送信手段SC5Aは、前記路線検索手段SC3により検索された乗車駅データに対応する路線検索結果を携帯電話1に送信する。
SC5B:案内路線データ送信手段
案内路線データ送信手段SC5Bは、前記案内路線データ検索手段SC4により検索された案内路線データ(路線情報)を携帯電話1に送信する。
【0037】
(携帯電話1の制御部の説明)
図4は前記図1に示す携帯ナビゲーションシステムの携帯端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図4において、携帯電話1のコントローラKCは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、記録媒体)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0038】
(携帯電話のコントローラKCに接続された信号入力要素)
前記携帯電話1のコントローラKCは、前記入力キー12や加速度センサSN1、その他の信号入力要素からの信号が入力されている。
前記入力キー12は、ユーザにより入力された入力信号を検出して、その検出信号をコントローラKCに入力する。
【0039】
図5は実施例1の携帯電話の拡大図であり、図5Aは平面図、図5Bは側面図である。 なお、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
前記加速度センサSN1は、携帯電話1の移動時の加速度(車両乗車時には車両の加速度)を検出する。実施例1の加速度センサSN1は、図5に示すように、携帯電話1に対して固定された直交する3軸(X,Y,Z軸)方向の加速度を検出する。図5において、実施例1の加速度センサSN1は、携帯電話1の幅方向をX軸方向、長さ方向をY軸方向、厚み方向をZ軸方向として、それぞれの方向の加速度成分を検出する。なお、前記直交する3軸方向の加速度を検出可能な3次元加速度センサは、従来公知(例えば、特許第3359781号明細書等参照)であり、種々のセンサを使用できるので、詳細な説明は省略する。また、前記携帯電話1に対して固定された直交する3軸は、図5に示す方向に限定されず、例えば、ユーザが表示画面11を見る角度の統計的なデータに基づいて設定することも可能である。
【0040】
(携帯電話のコントローラKCに接続された制御要素)
また、携帯電話1のコントローラKCは、液晶駆動回路KD1、スピーカ駆動回路KD2、非接触型ICや図示しない電源回路、その他の制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。
前記液晶駆動回路KD1は、液晶表示パネルの表示用電極のオン・オフを制御して情報表示画面11に表示画像を表示する。
前記スピーカ駆動回路KD2は、音声信号を制御してスピーカから音声や効果音等を流す。
【0041】
前記非接触型ICは、交通機関の運賃の決済に使用可能な残高を記憶する残高記憶手段KC1と、交通機関の定期乗車券(定期券)の区間、定期券の有効期限及び定期券が大人料金/子供料金のいずれかであるかを記憶する定期券記憶手段KC2と、ユーザが交通機関に乗車した乗車駅、乗車駅への入場時刻、降車した降車駅、降車駅の出場時刻等の改札情報を記憶する改札情報記憶手段(出発駅記憶手段)KC3と、前記自動改札機10の読取り部10aに接近した場合に、読取り部10aとの間で無線交信する無線交信手段KC4とを有する。そして、非接触型ICは、コントローラKCから要求信号が入力されると要求信号に応じた情報をコントローラKCに入力する。なお、非接触型ICの前記残高記憶手段KC1、定期券記憶手段KC2及び改札情報記憶手段KC3は、通常、セキュリティのために、運賃決済プログラムAP1(後述)以外のアプリケーションプログラムからのアクセス(データの読み書き)はできないように構成されているが、実施例1の非接触型ICは、残高記憶手段KC1、定期券記憶手段KC2及び改札情報記憶手段KC3は公開領域に指定され、他のアプリケーションプログラムからのデータの読み取りは可能に構成されている。なお、このように、非接触型ICのデータが公開領域に記憶されることは、例えば、本出願人の特願2004−224776号等に詳細に記載されているので、詳細な説明は省略する。
【0042】
(携帯電話のコントローラKCの機能)
携帯電話1のコントローラKCは、残高管理プログラム(アプリケーションソフトウェア)AP1や、ナビゲーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)AP2や、通話制御プログラムAP3、その他のプログラム等を有しており、前記各信号出力要素からの出力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能(制御手段)を有している。前記コントローラKCの機能(制御手段)を次に説明する。なお、前記通話制御プログラムAP3は、携帯電話1の通話を制御するプログラムであり、従来公知の種々の技術を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0043】
KC11:液晶駆動手段
液晶駆動手段KC11は、液晶駆動回路KD1を制御して、情報表示画面11に画像を表示する。
KC12:スピーカ制御手段
スピーカ制御手段KC12は、スピーカ駆動回路KD2を制御して、スピーカから音声等を出力する。
AP1:運賃決済プログラム
運賃決済プログラムAP1は、残高チャージ手段KC13を有し、前記非接触型ICに記憶された残高等の運賃関連情報の管理(読み書き)を行う。
【0044】
KC13:残高チャージ手段
残高チャージ手段KC13は、ユーザの入力に応じて、非接触型ICに記憶された残高のチャージ(金額の追加)等を行う。なお、前記残高チャージ手段KC13は、電話回線を利用して、ユーザが入力した金額を、ユーザが登録しておいた銀行口座等から引き落として決済を行う従来公知の技術(例えば、特開平11−16011号公報等参照)であるので、詳細な説明は省略する。
AP2:ナビゲーションプログラム
ナビゲーションプログラムAP2は、運賃関連情報照会手段KC14と、加速度検出手段KC15と、発車検出手段KC16と、加速方向検出手段KC17と、案内路線データ記憶手段(路線情報記憶手段)KC18と、路線案内画像表示手段KC20と、携帯側データ送信手段KC21と、携帯側データ受信手段KC22とを有する。実施例1のナビゲーションプログラムAP2は、ユーザが乗車した車両の路線の案内(ナビゲーション)を行う。
【0045】
KC14:運賃関連情報照会手段
運賃関連情報照会手段KC14は、残高照会手段KC14Aと、定期券区間照会手段KC14Bと、改札情報照会手段KC14Cとを有し、非接触型ICに記憶された残高や定期券区間、改札情報(出発駅及び降車駅)等の運賃関連情報を非接触型ICから読取る(照会する)。
KC14A:残高照会手段
残高照会手段KC14Aは、前記残高記憶手段KC1に記憶された残高を読取り、記憶する。
KC14B:定期券照会手段
定期券照会手段KC14Bは、前記定期券記憶手段KC2に記憶された定期券区間、有効期限及び料金体系(大人料金か子供料金か)を読取り、記憶する。
【0046】
KC14C:改札情報照会手段
改札情報照会手段KC14Cは、前記改札情報記憶手段KC3に記憶された乗車駅や降車駅、乗車駅の入場時刻等の改札情報を読取り、記憶する。
KC15:加速度検出手段
加速度検出手段KC15は、加速度履歴記憶手段KC15Aを有し、加速度センサSN1から出力される加速度データを読取り、携帯電話1の加速度を検出する。
KC15A:加速度履歴記憶手段
加速度履歴記憶手段KC15Aは、加速度検出手段KC15で読み取った加速度データの履歴を記憶する。実施例1の加速度履歴記憶手段KC15Aは、加速度センサSN1で検出可能な3軸方向の加速度を、各軸方向毎に記憶している。発車と停止の判断を行うためには、例えば、10秒程度の加速度データの履歴、すなわち、1秒間隔でセンサ出力をサンプリングする場合10回分の加速度データの履歴を記憶できれば十分である。
なお、理想的には本アプリケーションに割り当てられたメモリ領域が許す限り加速度データを記憶するとよい。例えば、10分間程度の履歴を記憶できれば後で発車と停車の再確認をするなどの応用的な用途に利用できる。1/8秒間隔でセンサ出力をサンプリングしても、1軸あたり4800バイトのデータで済むため、最近の携帯電話のメモリ容量を考慮しても全く問題なく記憶できるデータ量である。
【0047】
KC16:発車検出手段
発車検出手段KC16は、鉛直方向軸判別手段KC16Aと、平均加速度検出手段KC16Bと、発車判別用加速度記憶手段KC16Cと、停車判別用加速度記憶手段KC16Dと、発車判別フラグFL1とを有し、前記加速度検出手段KC15で検出した加速度データに基づいて、ユーザが乗車した車両の発車及び停車を検出する。
【0048】
図6は重力加速度と交通機関の車両の加速時に検出される加速度との関係を示す説明図である。
KC16A:鉛直方向軸判別手段
鉛直方向軸判別手段KC16Aは、加速度センサSN1で検出された3軸方向の中で、どの軸方向が鉛直方向に近いかを判別する。実施例1の鉛直軸方向判別手段KC16Aは、3軸方向の加速度データの中で、最も大きな加速度成分が検出された軸方向を鉛直軸方向と判別する。図6に示すように、重力加速度35.28[km/h/s](=9.8[m/s2])が常に鉛直方向(図6ではZ軸方向)に向いているのに対して、鉄道は勾配が非常に緩やかであるため、ほぼ水平面上(図6ではXY平面上)に2.0〜2.5[km/h/s]程度の加速度が検出されることに基づいて、加速度成分が最大の軸方向(図6ではZ軸方向)が鉛直軸方向と判定(推定)できることを利用している。なお、従来公知の傾斜センサ(例えば、特開平8−278137号公報等参照)を内蔵して、携帯電話1の鉛直軸に対する傾斜量を正確に計算し、鉛直軸や水平面を判別することも可能である。
【0049】
図7は加速度センサで検出された加速度の一例の説明図であり、図7Aは加速度センサで検出された加速度データの履歴グラフ、図7Bは図7Aの加速度データの絶対値の履歴グラフである。
図8は図7Bに示す加速度データの絶対値の履歴グラフから算出される10秒平均加速度の履歴グラフの説明図である。
KC16B:平均加速度検出手段
平均加速度検出手段KC16Bは、加速度履歴記憶手段KC15Aに記憶された前記鉛直軸方向以外の2軸の加速度成分データに基づいて、車両移動時の加速度の平均を検出(演算)する。実施例1の平均加速度検出手段KC16Bは、まず、1秒おきに検出された加速度データに基づいて、2軸の加速度成分データから新たなベクトルを合成する。次に、その大きさ(即ち加速度の大きさ)の絶対値を演算する。その後、演算された絶対値のデータに基づいて、10秒間の加速度の平均値(10秒平均加速度)a1を演算する。例えば、2軸の加速度成分データから合成された新たなベクトルの大きさが図7Aに示す履歴となるデータが観測された場合、ベクトルの大きさの絶対値は、図7Bに示す履歴となる。そして、前記図7Bの絶対値の履歴グラフから、図8に示す履歴となる10秒平均加速度を演算する。
【0050】
KC16C:発車判別用加速度記憶手段
発車判別用加速度記憶手段KC16Cは、ユーザが乗車した車両が発車したことを判別(検出)するための発車判別用加速度ahを記憶する。実施例1の発車判別用加速度記憶手段KC16Cは、前記10秒平均加速度a1に基づいて発車を判別するための発車判別用加速度ahとして、1.0[km/h/s]を記憶している。
KC16D:停車判別用加速度記憶手段
停車判別用加速度記憶手段KC16Dは、ユーザが乗車した車両が発車したことを判別(検出)するための停車判別用加速度atを記憶する。実施例1の停車判別用加速度記憶手段KC16Dは、前記10秒平均加速度a1に基づいて停車を判別するための停車判別用加速度atとして、0.1[km/h/s]を記憶している。なお、前記停車止判別用加速度atは、車両が加速後(図7Bの期間B参照)、定速度移動している期間(図7Bの期間C参照)の車両の揺れによって検出される10秒平均加速度a1が、停車中(図7Bの期間A及び期間E参照)の客の乗降等による車両の揺れによって検出される10秒平均加速度a1よりも4倍程度大きい(図7B、図8参照)ことの知見に基づいて設定されている。
【0051】
FL1:発車判別フラグ
発車判別フラグFL1は、初期値は「0」であり、車両の発車が検出されると「1」となり、車両の停車が検出されると「0」となる。
KC17:向き検出手段
向き検出手段KC17は、進行方向軸判別手段KC17Aと、向き判別手段KC17Bとを有し、加速度センサSN1で検出した加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対するユーザの向き(即ち、表示画面11の向き)を検出する。
KC17A:進行方向軸判別手段
進行方向軸判別手段KC17Aは、加速度センサSN1で検出された3軸方向の中で、鉛直方向以外の2つの軸方向のどちらの軸が進行方向に近いかを判別する。実施例1の進行方向軸判別手段KC17Aは、鉛直方向以外の2つの軸方向の加速度データの中で、大きな加速度成分が検出された軸方向を進行方向軸と判別する。
【0052】
図9は3軸方向と進行方向と向きとの関係を示す説明図である。
KC17B:向き判別手段
向き判別手段KC17Bは、前記進行方向軸判別手段KC17Aで判別された進行方向軸に基づいて、ユーザの進行方向に対する向きを判別する。図9において、例えば、進行方向軸がX軸方向で、X軸方向成分の加速度データが(+)である場合(図7A参照)、向き判別手段KC17Bは、前記図15のユーザP4のようにユーザに対して進行方向は右方向(D1)であると判別する。また、向き判別手段KC17Bは、加速度データが(−)である場合、図15のユーザP1,P5のようにユーザに対する進行方向は左方向(D2)であると判別する。同様に、向き判別手段KC17Bは、進行方向軸がY軸方向で加速度データが(+)である場合、前記図15のユーザP2のようにユーザに対して進行方向は前方向(D3)であると判別し、加速度データが(−)である場合、図15のユーザP3のようにユーザに対する進行方向は後方向(D4)であると判別する。また、進行方向軸がZ軸方向で加速度データが(+)である場合、ユーザに対する進行方向は奥方向(D5)であると判別し、加速度データが(−)である場合、ユーザに対する進行方向は手前方向(D6)であると判別する。
【0053】
KC18:案内路線データ記憶手段(路線情報記憶手段)
案内路線データ記憶手段KC18は、駅データ記憶手段KC18Aと、進行方向データ記憶手段KC18Bと、番線データ記憶手段KC18Cと、駅間データ記憶手段KC18Dとを有し、ユーザが乗車した車両の路線(案内対象路線)の駅名等の案内路線データを記憶する。実施例1の案内路線データ記憶手段KC18は、前記携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された前記案内路線データを記憶する。
KC18A:駅データ記憶手段
駅データ記憶手段KC18Aは、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された路線上の駅の順番や駅名、乗換駅であるか否か等の駅データを記憶する。
【0054】
KC18B:進行方向データ記憶手段
進行方向データ記憶手段KC18Bは、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信されたユーザが乗車した車両の路線上の進行方向を特定する進行方向データ(実施例1では「+1」または「−1」)を記憶する。
KC18C:番線データ記憶手段
番線データ記憶手段KC18Cは、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された前記扉開閉方向判別データ(実施例1では「+1」または「−1」)を含む番線データを記憶する。
KC18D:駅間データ記憶手段
駅間データ記憶手段KC18Dは、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された駅間データ(実施例1では所要時間のデータ)を記憶する。
【0055】
図10は路線選択画像の一例の説明図であり、図10Aは神田駅から乗車した場合の路線選択画像の説明図、図10Bは図10Aで次ページを選択した場合の路線選択画像の説明図である。
KC19:路線選択画像表示手段
路線選択画像表示手段KC19は、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された路線選択結果に応じた路線選択画像31(図10参照)を作成し、情報表示画面11に表示する。図10において、実施例1の路線選択画像31は、乗車駅が神田駅の場合の路線選択画像の一例であり、路線選択結果を受信すると図10Aの路線選択画像31が表示され、図10Aの路線選択画像31において「次ページ」のアイコン31aが選択された場合に図10Bの路線選択画像31に表示が切り替えられる(更新される)。図10Bの路線選択画像31において、「前ページ」のアイコン31bが選択された場合に図10Aの路線選択画像31に表示が切り替えられる。
【0056】
図11は実施例1の路線案内画像の一例の説明図であり、図11Aはユーザに対する進行方向が右方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Bはユーザに対する進行方向が左方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Cはユーザに対する進行方向が前方向または奥方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Dはユーザに対する進行方向が後方向または手前方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Eは乗換駅に到着した場合の路線案内画像の説明図である。
KC20:路線案内画像表示手段
路線案内画像表示手段KC20は、案内対象駅設定手段KC20Aと、表示方向判別手段KC20Bと、扉開閉方向判別手段KC20Cと、乗換駅判別手段KC20Dと、移動時間計測タイマTM1と、路線案内画像作成手段KC20Eとを有する。前記路線案内画像表示手段KC20は、路線上の駅の案内を行う路線案内画像41(図11参照)を情報表示画面11に表示する。
【0057】
KC20A:案内対象駅設定手段
案内対象駅設定手段KC20Aは、ユーザが乗車した乗車駅と、受信した路線上の駅のデータ及び、車両の発車、停車の判別に応じて、現在位置の次の駅を案内対象駅に設定する。
KC20B:表示方向判別手段
表示方向判別手段KC20Bは、前記向き検出手段KC17で検出された進行方向に対するユーザの向き(D1〜D6)に応じて、路線案内画像を表示する方向を判別する。実施例1の表示方向判別手段KC20Bは、ユーザに対する進行方向が右方向(D1)と判別された場合に、図11Aに示すように、路線案内画像41の表示方向は、路線画像41aが左右方向であり且つ、案内対象駅画像41b(図11Aでは東京駅)が情報表示画面11の右方と判別する。同様に、表示方向判別手段KC20Bは、ユーザに対する進行方向が左方向(D2)と判別された場合には、図11Bに示すように、路線画像41aが左右方向であり且つ、案内対象駅画像41bが情報表示画面11の左方と判別する。また、前方向(D3)または奥方向(D5)と判別された場合には、図11Cに示すように、路線画像41aが上下方向であり且つ、案内対象駅画像41bが情報表示画面11の上方と判別し、後方向(D4)または手前方向(D6)と判別された場合には、図11Dに示すように、路線画像41aが上下方向であり且つ、案内対象駅画像41bが情報表示画面11の下方と判別する。
【0058】
KC20C:扉開閉方向判別手段
扉開閉方向判別手段KC20Cは、前記進行方向データ記憶手段KC18Bに記憶された進行方向データと、番線データ記憶手段KC18Cに記憶された番線データとに基づいて、案内対象駅に到着した場合に、車両の両側に設けられた乗降扉のどちらが開閉するのかを判別する。実施例1の扉開閉方向判別手段KC20Cは、進行方向データ(「+1」または「−1」)と、番線データに含まれる扉開閉方向判別データ(「+1」または「−1」)とを掛け合わせて、「+1」の場合には進行方向に対して左側の乗降扉が開閉し、「−1」の場合には進行方向に対して右側の乗降扉が開閉すると判別する。なお、図11A〜図11Dにおいて、扉開閉方向の判別結果及び前記表示方向に応じて、路線案内画像41に扉画像アイコン41cが表示される。
KC20D:乗換駅判別手段
乗換駅判別手段KC20Dは、前記駅データ記憶手段KC18Aに記憶された駅データに基づいて、案内対象駅が乗換駅であるか否かを判別する。なお、乗換駅の場合、図11Eに示すように、駅に到着した場合に路線案内画像41に「乗換え」アイコン41dが表示される。
【0059】
TM1:移動時間計測タイマ
移動時間計測タイマTM1は、車両の発車を検出してからの経過時間である移動時間t1を計測する。
KC20E:路線案内画像作成手段
路線案内画像作成手段KC20Eは、前記案内対象駅設定手段KC20Aの設定や、各判別手段KC20B〜KC20Dでの判別結果、および、移動時間t1に応じて、情報表示画面11に表示する路線案内画像41を作成する。なお、図11A〜図11Dにおいて、路線案内画像41に現在位置アイコン41eが表示されており、案内対象駅までの所要時間に対する移動時間t1の割合に応じて、現在位置アイコン41eの位置が少しずつ案内対象駅画像41bに近づいていくように路線案内画像41が随時更新される。
【0060】
KC21:携帯側データ送信手段
携帯側データ送信手段KC21は、乗車駅データ送信手段KC21Aと、選択路線データ送信手段KC21Bとを有し、携帯電話1から携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7へデータを送信する。
KC21A:乗車駅データ送信手段
乗車駅データ送信手段KC21Aは、改札情報照会手段KC14Cで読取った乗車駅、または、「乗換え」アイコン41dが選択されてユーザが乗り換えを行った乗換駅を特定する乗車駅データ(改札データ)を携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7へ送信する。
KC21B:選択路線データ送信手段
選択路線データ送信手段KC21Bは、前記路線選択画像31(図10参照)において、ユーザの選択入力がされた場合に、その選択結果である選択路線データを携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7へ送信する。
【0061】
KC22:携帯側データ受信手段
携帯側データ受信手段KC22は、路線検索結果受信手段KC22Aと、案内路線データ受信手段KC22Bと、を有し、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信されたデータを送信する。
KC22A:路線検索結果受信手段
路線検索結果受信手段KC22Aは、前記路線検索結果送信手段SC5Aにより送信された路線検索結果を受信する。
KC22B:案内路線データ受信手段(路線情報受信手段)
案内路線データ受信手段KC22Bは、案内路線データ送信手段SC5Bが送信した案内路線データを受信する。
【0062】
(フローチャートの説明)
(サーバのフローチャートの説明)
図12は実施例1の携帯ナビゲーションシステムのサーバが備えている携帯ナビゲーション用プログラムの路線案内処理のメインフローチャートである。
図12のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、サーバ7のコントローラSCのROM等に記憶された携帯ナビゲーション用プログラムAP4に従って行われる。また、この処理はサーバ7の他の各種処理と並行して実行される。
【0063】
図12に示すフローチャートは携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7の電源オンにより開始される。
図12のST1において、携帯電話1から送信された改札データを受信したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST4に移る。
ST2において、改札データに応じて、乗車駅または乗換駅に乗り入れている路線を検索する。そして、ST3に移る。
ST3において、乗車駅または乗換駅に乗り入れている路線の検索結果を携帯電話1に送信する。そして、ST1に戻る。
【0064】
ST4において、携帯電話1から送信された選択路線データを受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST1に戻り、イエス(Y)の場合はST5に移る。
ST5において、選択された路線および入場時刻等に応じて、選択路線上のターミナル駅までの駅名や各駅の番線データ(扉開閉方向判別データを含む)、進行方向データ、駅間データ等を含む案内路線データを検索する。そして、ST6に移る。
ST6において、検索された案内路線データを携帯電話1に送信する。そして、ST1に戻る。
【0065】
(携帯端末のフローチャートの説明)
(路線案内処理のフローチャートの説明)
図13は実施例1の携帯ナビゲーションシステムの携帯電話が備えている路線案内処理のフローチャートである。
図13のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラKCのROM等に記憶されたナビゲーションプログラムAP2に従って行われる。また、この処理は携帯電話1の他の各種処理(後述する発車・停止および向き判別処理等)と並行して実行される。
図13に示すフローチャートは、ナビゲーションプログラムAP2の起動により開始される。
【0066】
図13のST11において、改札データ(乗車駅データや乗車駅への入場時刻)を非接触ICから読取る。そして、ST12に移る。
ST12において、読取った改札データを携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7に送信する。そして、ST13に移る。
ST13において、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された路線検索結果を受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST13を繰り返し、イエス(Y)の場合はST14に移る。
ST14において、情報表示画面11に路線選択画像31(図10参照)を表示し、ST15に移る。
ST15において、路線選択画像31において、路線を選択する入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST15を繰り返し、イエス(Y)の場合はST16に移る。
【0067】
ST16において、選択された路線を特定する選択路線データを携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7に送信する。そして、ST17に移る。
ST17において、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7から送信された案内路線データを受信したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST17を繰り返し、イエス(Y)の場合はST18に移る。
ST18において、乗車駅または乗換駅を案内対象駅とする路線案内画像41(図11E参照)を作成し、表示する。なお、実施例1の路線案内処理では、このときの表示方向はデフォルトの表示方向である右方向(D1)の路線案内画像41が表示される。
ST19において、発車判別フラグFL1が「1」であるか否か、即ち、車両が乗車駅または案内対象駅を出発したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST20に移り、イエス(Y)の場合はST23に移る。
【0068】
ST20において、路線案内画像31に「乗換え」アイコン41dが表示されており、前記「乗換え」アイコン41dを選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST21に移り、ノー(N)の場合はST22に移る。
ST21において、案内対象駅を乗換駅とした改札データを携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7に送信する。そして、ST13に戻る。
ST22において、ナビゲーションプログラムAP2による路線案内を終了する入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST19に戻り、イエス(Y)の場合は図13の路線案内処理を終了する。
ST23において、次の処理(1)〜(3)を実行して、ST24に移る。
(1)移動時間計測タイマTM1による移動時間t1の計測を開始する。
(2)案内対象駅を路線上の次の駅に設定する。
(3)案内対象駅の扉開閉方向判別データと進行方向データとに応じて案内対象駅に到着した時に開く扉の方向を判別する。
【0069】
ST24において、発車、停車および向き判別処理(後述する図14のフローチャート参照)において、進行方向のユーザに対する向きが決定されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST24を繰り返し、イエス(Y)の場合はST25に移る。
ST25において、決定された向きと、案内対象駅の駅名、開く扉の方向に応じた路線案内画像41(図11A〜図11D参照)を作成し、情報表示画面11に表示する。そして、ST26に移る。
ST26において、ナビゲーションプログラムAP2による路線案内を終了する入力がされたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST27に戻り、イエス(Y)の場合は図13の路線案内処理を終了する。
【0070】
ST27において、発車判別フラグFL1が「0」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST28に移り、ノー(N)の場合はST29に移る。
ST28において、案内対象駅到着時の路線案内画像41(図11E参照)を作成し、情報表示画面11に表示する。そして、ST19に移る。
ST29において、移動時間計測タイマTM1で計測した移動時間t1と案内対象駅までの所要時間に応じて、路線案内画像41(現在位置アイコン41eの位置)を更新する。そして、ST26に戻る。
【0071】
(発車、停車および向き判別処理のフローチャートの説明)
図14は実施例1の携帯ナビゲーションシステムの携帯電話が備えている発車、停車および向き判別処理のフローチャートである。
図14のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記コントローラKCのROM等に記憶されたナビゲーションプログラムAP2に従って行われる。また、この処理は携帯電話1の他の各種処理(前記路線案内処理等)と並行して実行される。
図14に示すフローチャートは、ナビゲーションプログラムAP2の起動により開始され、前記路線案内処理の終了により終了する。
【0072】
図14のST41において、次の処理(1)〜(3)を実行して、ST42に移る。
(1)加速度センサSN1からX,Y,Z軸方向の加速度データax、ay、azを読取り、加速度履歴記憶手段KC15Aに記憶する。
(2)ax、ay、azの中で最大の値の軸を鉛直軸に設定する。
(3)10秒平均加速度a1を演算する。
ST42において、発車判別フラグFL1が「0」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST43に移り、ノー(N)の場合はST46に移る。
ST43において、10秒平均加速度a1が発車判別用加速度ah以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST44に移り、ノー(N)の場合はST46に移る。
ST44において、発車判別フラグFL1を「1」とする。そして、ST45に移る。
【0073】
ST45において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST41に戻る。
(1)鉛直軸以外の2軸の中で加速度成分の大きさが大きい方向を進行方向に設定(判別)する。
(2)加速度の値の正負に応じて、進行方向に対するユーザの向き(D1〜D6)、即ち、情報表示画面11の向きを決定する。
ST46において、10秒平均加速度a1が体は判別用加速度at以下であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST47に移り、ノー(N)の場合はST41に戻る。
ST47において、発車判別フラグFL1を「0」にする。そして、ST41に戻る。
【0074】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の携帯ナビゲーションシステム(路線情報提供システム)Sでは、ユーザが乗車した路線および進行方向(〜方面)がユーザにより選択され、ユーザの選択に応じた案内路線データが携帯電話1に送信される。そして、ユーザが乗車した車両の発車が検出された場合に、進行方向に対するユーザの向き(情報表示画面11の向き)が検出され、検出されたユーザの向きに応じた路線案内画像41が表示される。したがって、図11に示すような路線画像により路線の案内を行う場合に、ユーザの向きに応じた路線案内画像41が表示することができるので、違和感がなく、わかりやすい路線案内画像41を表示できる。
また、実施例1の携帯ナビゲーションシステムSでは、扉開閉方向判別データおよび進行方向により、案内対象駅に到着した時にどちら側の乗降扉が開閉するかを表示して、ユーザに告知することができる。
さらに、実施例1の携帯ナビゲーションシステムSでは、移動時間t1に応じて、現在位置アイコン41eを含む路線案内画像41が更新されるので、現在位置をユーザが容易に認識することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、前記各実施例において、比較結果をユーザに告知する際に路線案内画像を表示して告知したが、これにガイド音声や照明の点滅、あるいはこれらの組み合わせによる告知を追加することも可能である。
【0076】
また、本発明は、携帯電話1に限定されず、PDA等の携帯端末(路線情報提供装置)に適用可能である。また、このほかにも携帯型のミュージックプレイヤー等にこの機能を内蔵することも可能である。
さらに、前記各実施例では、全駅記憶手段は携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7に設けられていたが、携帯電話1等のデータ記憶容量が大きく、全駅のデータを記憶できる場合には、携帯電話1で全駅のデータを記憶することも可能である。この場合、携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7との交信を省略することも可能である。
【0077】
また、前記実施例1において、携帯電話1から携帯ナビゲーション用データ配信サーバ7へは、乗車駅または乗換駅の情報が送信され、自動的に路線が検索されたが、これに限定されず、ユーザが乗車駅や乗換駅、あるいは乗車中の車両が次に到着する駅のデータを入力可能に構成し、入力された駅のデータに応じて路線を検索するように構成することも可能である。この場合、非接触ICを省略することも可能である。
さらに、前記実施例において、非接触ICの残高等のデータを公開領域に指定したが、これに限定されず、例えば、非接触ICの記憶領域は運賃決済プログラムAP1のみがアクセス可能とし、運賃決済プログラムAP1が非接触IC以外の記憶領域以外の記憶領域に、非接触ICに記憶された残高等のデータと同じデータを書き込むように構成し、他のアプリケーションから残金や改札データ等の運賃関連データを読取り可能とすることも可能である。また、非接触ICに残金等のデータを記憶したが、これに限定されず、非接触ICには、ID(識別情報)のみを記憶し、図示しない運賃決済用サーバで残金等を管理するように構成し、ナビゲーションプログラムAP2は、前記運賃決済サーバと交信して残高等のデータを入手するように構成することも可能である。
【0078】
また、前記実施例において、路線案内は単独でナビゲーションプログラムにより実行されたが、これに限定されず、例えば、出発地から目的地までの経路探索を行う経路探索プログラムと連動させて、経路探索結果の交通機関利用区間になると実施例1のナビゲーションプログラムを実行するように構成することも可能である。
さらに、前記実施例において、10秒平均加速度a1に基づいて、車両の発車、停車を検出したが、これに限定されず、10秒間よりも長い期間または短い期間の平均加速度を使用したり、発車判別用加速度以上の加速度が所定期間以上検出された場合に発車と判別し、停車判別用加速度以下の加速度が所定期間以上検出された場合に停車と判別するように構成することも可能である。あるいは、検出した加速度データを積分して速度を検出し、速度データに基づいて発車や停車の検出を行うことも可能である。これに関連して、前記速度データを積分して移動距離を演算し、駅間データとして所要時間でなく駅間距離を使用して現在位置アイコン41eの位置を更新することも可能である。
【0079】
また、前記実施例において、乗降扉が開閉する方向の表示や現在位置アイコン41eの更新は省略することも可能である。
さらに、前記実施例において、加速度センサで検出した加速度に基づいて発車、停車を検出し、案内対象駅の案内を行ったが、例えば、発車や停車の検出を行わず、進行方向に対するユーザの向きに応じてスクロール方向(画像送り方向)の異なる地図画像(路線案内画像)を表示し、路線の案内を行うように構成することも可能である。
【0080】
また、前記実施例において、ユーザが乗車した路線をユーザの選択入力により判別したが、磁方位を検出する地磁気センサを内蔵して、移動する方位を検出し、どの路線の、どの方面行の車両に乗車したかを判別することにより、ユーザが乗車した路線を自動的に検出することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の携帯ナビゲーションシステムの実施例1の説明図である。
【図2】実施例1の携帯ナビゲーションシステムのサーバの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図3】進行方向と駅の停車番線データと乗降扉の開閉方向との関係を示す説明図である。
【図4】前記図1に示す携帯ナビゲーションシステムの携帯端末の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
【図5】実施例1の携帯電話の拡大図であり、図5Aは平面図、図5Bは側面図である。
【図6】重力加速度と交通機関の車両の加速時に検出される加速度との関係を示す説明図である。
【図7】加速度センサで検出された加速度の一例の説明図であり、図7Aは加速度センサで検出された加速度データの履歴グラフ、図7Bは図7Aの加速度データの絶対値の履歴グラフである。
【図8】図7Bに示す加速度データの絶対値の履歴グラフから算出される10秒平均加速度の履歴グラフの説明図である。
【図9】3軸方向と進行方向と向きとの関係を示す説明図である。
【図10】路線選択画像の一例の説明図であり、図10Aは神田駅から乗車した場合の路線選択画像の説明図、図10Bは図10Aで次ページを選択した場合の路線選択画像の説明図である。
【図11】実施例1の路線案内画像の一例の説明図であり、図11Aはユーザに対する進行方向が右方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Bはユーザに対する進行方向が左方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Cはユーザに対する進行方向が前方向または奥方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Dはユーザに対する進行方向が後方向または手前方向の場合の路線案内画像の説明図、図11Eは乗換駅に到着した場合の路線案内画像の説明図である。
【図12】実施例1の携帯ナビゲーションシステムのサーバが備えている携帯ナビゲーション用プログラムの路線案内処理のメインフローチャートである。
【図13】実施例1の携帯ナビゲーションシステムの携帯電話が備えている路線案内処理のフローチャートである。
【図14】実施例1の携帯ナビゲーションシステムの携帯電話が備えている発車、停車および向き判別処理のフローチャートである。
【図15】交通機関の車両内の状態の説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1…路線情報提供装置
7…路線情報配信サーバ
11…表示画面
41…路線案内画像
a1…平均加速度
D1〜D6…向き
KC15A…加速度履歴記憶手段
KC16…発車検出手段
KC17…向き検出手段
KC18…路線情報記憶手段
KC20…路線案内画像表示手段
KC20C…扉開閉方向判別手段
KC22B…路線情報受信手段
S…路線情報提供システム
SN1…加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗車した車両の加速度を検出する加速度センサと、
検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面の向きを検出する向き検出手段と、
乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する路線情報記憶手段と、
前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像を前記表示画面に表示する路線案内画像表示手段であって、前記表示画面の向きに応じた前記路線案内画像を表示する前記路線案内画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする路線情報提供装置。
【請求項2】
前記加速度センサで検出された加速度の履歴を記憶する加速度履歴記憶手段と、
前記加速度履歴記憶手段に記憶された加速度から計算された平均加速度に基づいて交通機関の車両の発車を検出する発車検出手段と、
前記車両の発車が検出された場合に、発車検出時の加速度に基づいて前記表示画面の向きを検出する前記向き検出手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の路線情報提供装置。
【請求項3】
前記車両の進行方向と、前記表示画面の向きとに応じた前記路線案内画像を表示する前記路線案内画像表示手段、
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の路線情報提供装置。
【請求項4】
前記車両の駅間の移動に伴い前記路線案内画像を更新する前記路線案内画像表示手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の路線情報提供装置。
【請求項5】
前記車両が駅に到着した時に、前記車両の両側に設けられた乗降扉のうちのいずれかの側の乗降扉が開閉するかを判別する扉開閉方向判別手段と、
前記扉開閉方向判別手段の判別結果を前記路線案内画像に表示する前記路線案内画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の路線情報提供装置。
【請求項6】
前記路線情報を配信する路線情報配信サーバから送信された前記路線情報を受信する路線情報受信手段と、
前記路線情報受信手段で受信した前記路線情報を記憶する前記路線情報記憶手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の路線情報提供装置。
【請求項7】
乗車した車両の加速度を検出する加速度センサと、検出された前記加速度に基づいて、前記車両の進行方向に対する表示画面の向きを検出する向き検出手段と、乗車した車両の進行方向に存在する駅に関する路線情報を少なくとも記憶する路線情報記憶手段と、前記路線情報に基づいて路線の案内をする路線案内画像を前記表示画面に表示する路線案内画像表示手段であって、前記表示画面の向きに応じた前記路線案内画像を表示する前記路線案内画像表示手段と、を有する路線情報提供装置、
を備えたことを特徴とする路線情報提供システム。
【請求項8】
前記路線情報を配信する路線情報配信サーバと、
前記路線情報配信サーバから送信された前記路線情報を受信する路線情報受信手段と、前記路線情報受信手段で受信した前記路線情報を記憶する前記路線情報記憶手段と、を有する前記路線情報提供装置と、
を備えたことを特徴とする請求項7記載の路線情報提供システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−118908(P2006−118908A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305182(P2004−305182)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】