説明

身分証明支援方法及び身分証明書

【課題】 より確実に簡易な作業で身分証明することができる身分証明支援システムを提供する。
【解決手段】 訪問者に対する身分証明をコンピュータのデータ処理により支援する身分証明支援方法であって、身分証明を要する訪問者の身分証明書に一体に設けられた記録媒体に、訪問者に固有の身分照明用WEBページのURLを示す識別情報が記録されており、所定の記憶手段に、訪問者毎に、身分証明書に記載された情報に一致する若しくは情報を補充する身分証明情報を記憶する記憶工程と、身分証明用WEBページを閲覧可能に構成され識別情報を取得した閲覧者端末から電気通信回線を介して身分証明情報の開示要求があった場合に、記憶手段から身分証明情報を取得する身分証明情報取得工程と、身分証明情報を記載した身分証明用WEBページを表示するためのデータを閲覧者端末に対し電気通信回線を介して送信する身分証明情報開示工程と、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の閲覧者に対する訪問者の身分証明をコンピュータのデータ処理により支援する身分証明支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客を訪問して設備点検等の業務を行う場合、顧客に対し信用ある企業の社員であることを示した上で顧客の敷地内で業務を行っている。信用ある企業の社員であることを示すために、従来は、例えば、制服・名札の着用、訪問目的、社名・氏名等の自己紹介、写真入りIDカード等の身分証明書を提示する等していた(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】”ご注意ください!”、[online]、大阪ガス、[平成18年2月22日検索]、インターネット〈URL:http://www.osakagas.co.jp/html/warning.htm〉。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、身分証明書が偽造であると疑いを持った場合、顧客は、訪問者が所属する企業に電話し、訪問した従業員が実在するかどうかを確認するしかないが、電話では従業員の顔等を確認することができないため、完全な確認を行うことが困難であった。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より確実に簡易な作業で身分証明することができる身分証明支援システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る身分証明支援方法は、訪問者に対する身分証明をコンピュータのデータ処理により支援する身分証明支援方法であって、身分証明を要する前記訪問者の身分証明書に一体に設けられた記録媒体に、前記訪問者に固有の身分照明用WEBページのURLを示す識別情報が記録されており、所定の記憶手段に、前記訪問者毎に、前記身分証明書に記載された情報に一致する若しくは前記身分証明書に記載された情報を補充する身分証明情報を記憶する記憶工程と、前記身分証明用WEBページを閲覧可能に構成され前記記録媒体に記録された前記識別情報を取得した閲覧者端末から電気通信回線を介して前記訪問者の前記身分証明情報の開示要求があった場合に、前記記憶手段から前記身分証明情報を取得する身分証明情報取得工程と、前記身分証明情報を記載した前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し前記電気通信回線を介して送信する身分証明情報開示工程と、を実行することを第1の特徴とする。
【0007】
上記特徴の身分証明支援方法によれば、訪問者の携帯するIDカード等の記録媒体の情報に基づいて身分証明用WEBページにアクセスして身分証明情報を確認するので、訪問者の身分証明を簡易な作業でより確実に行うことができる。
【0008】
上記特徴の身分証明支援方法は、前記閲覧者端末から前記訪問者の前記身分証明情報の開示要求があった場合に、前記閲覧者端末から訪問先または前記訪問者に固有の照合情報の入力を受け付ける照合情報取得工程を実行し、前記身分証明情報開示工程において、前記身分証明情報に対応した情報とともに前記照合情報を記載した前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し送信することを第2の特徴とする。
【0009】
上記特徴の身分証明支援方法によれば、訪問先または訪問者に固有の照合情報、例えば、合言葉、パスワード、若しくは、顧客番号等を身分証明用WEBページに記載する。これらの情報は、他人が取得することは困難であることから、身分証明用WEBページの偽造がより困難となり、より確実に身分証明を行うことができる。
【0010】
上記特徴の身分証明支援方法は、前記照合情報が前記訪問先に固有である場合、前記照合情報を予め前記訪問先に通知する照合情報通知工程を実行することを第3の特徴とする。
【0011】
上記特徴の身分証明支援方法によれば、照合情報を予め訪問先に通知することで、訪問先は通知された照合情報に基づいて訪問者の身元確認をより適切に行うことができる。
【0012】
上記特徴の身分証明支援方法は、前記照合情報通知工程において、前記照合情報に対応した情報として、前記訪問者の訪問内容に関する訪問情報を通知するとともに、前記記憶工程において、前記記憶手段に前記身分証明情報とともに前記訪問情報を記憶しておき、前記身分証明情報開示工程において、前記身分証明情報とともに前記訪問情報を記載した前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し送信することを第4の特徴とする。
【0013】
上記特徴の身分証明支援方法によれば、訪問情報として、例えば、訪問先への訪問者の訪問日時、作業内容、若しくは、訪問者名等を身分証明用WEBページに記載する。これらの情報は、他人が取得することは困難であることから、身分証明用WEBページの偽造がより困難となり、より確実に身分証明を行うことができる。
【0014】
上記特徴の身分証明支援方法は、前記身分証明情報の開示側の制御端末が前記閲覧者端末からの身分証明情報の開示要求に対する可否を制御する開示制御部にアクセス中または前記制御端末による前記開示制御部に対するアクセス後一定期間内をアクセス許可期間と規定し、前記閲覧者端末から前記身分証明情報の開示要求があると、前記アクセス許可期間内であるか否かを確認する確認工程を実行し、前記身分証明情報開示工程は、前記確認工程において前記身分証明情報の開示要求が前記アクセス許可期間内に行われたことが確認された場合に、前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し送信することを第5の特徴とする。
【0015】
上記特徴の身分証明支援方法によれば、訪問者が制御可能なアクセス許可期間にのみ身分証明用WEBページへのアクセスを許可するので、身分証明用WEBページを必要なときにだけ訪問先に開示することができる。これによって、訪問者の身分証明情報に対するセキュリティを高めることができる。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る身分証明書は、上記第1〜第5の特徴の身分照明支援方法で使用する前記身分証明書であって、前記訪問者に固有の前記身分証明用WEBページのURLを示す前記識別情報が、前記記録媒体に光学的、電磁気的、または、電気的に読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【0017】
上記特徴の身分証明書によれば、識別情報を光学的、電磁気的、または、電気的に読み取り可能に記憶するので、閲覧者端末の読み取り機能または訪問先の設備状況に柔軟に対応することができ、閲覧者端末への識別情報の入力を正確且つ容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る身分証明支援方法(以下、適宜「本発明方法」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
〈第1実施形態〉
本発明方法の第1実施形態について図1及び図2を基に説明する。
【0020】
本発明方法は、図1に示すように、身分証明支援システム1、及び、身分証明情報及び身分証明情報を記載した身分証明用WEBページのURL(Uniform Resource Locator)を示すバーコード(記録媒体に相当)を記載したIDカード4(身分証明書に相当)を用いて実現される。
【0021】
身分証明支援システム1は、顧客を訪問する社員(訪問者)の身分証明情報を受け付け管理するIDカード管理手段11、身分証明情報を記憶するID情報データベース12(記憶手段に相当)、IDカード4に身分証明情報及びバーコードを印刷するための印刷データを作成するIDカード作成手段13、訪問先の閲覧者端末3からアクセスがあった場合に身分証明用WEBページを表示するためのデータを送信するWEBサーバとして機能する身分証明情報開示手段14、及び、IDカード4に身分証明情報及びバーコードを印刷するIDカード印刷機15を備えて構成されている。身分証明支援システム1は、コンピュータのハードウェアとそのハードウェア上で実行されるアプリケーションソフトウェアで構成されており、IDカード管理手段11、IDカード作成手段13及び身分証明情報開示手段14をソフトウェア処理により実現させるためのプログラムを前記コンピュータ上で実行することにより実現される。更に、身分証明支援システム1は、閲覧者端末3と電気通信回線としての通信ネットワーク2を介してアクセス可能に構成されている。
【0022】
閲覧者端末3は、WEB画面を閲覧可能なブラウザを搭載し、アプリケーションサービスを利用可能に構成され、IDカード4に記載されたバーコードを読み取る読み取り手段31、及び、読み取ったバーコードが示すURLにアクセスして身分証明用WEBページを表示する表示手段32を備えている。本実施形態では、閲覧者端末3として携帯電話を想定して説明する。尚、閲覧者端末3は、訪問先の閲覧者が使用可能な端末であれば良く、訪問先の所有する携帯電話、または、訪問者の所有する携帯電話等の何れでもかまわない。
【0023】
次に、本発明方法について図2を基に説明する。本実施形態では、訪問者が顧客を訪問する前に行う前処理と、訪問者が顧客を訪問したときに行う訪問時処理とを実施する。
【0024】
身分証明支援システム1のIDカード管理手段11は、IDカード4の発行対象である訪問者毎に、顔写真を含む身分証明情報を受け付け、ID情報データベース12に記憶する(ステップ#101、記憶工程)。尚、IDカード4の発行対象としては、顧客訪問業務に携わる全ての社員(派遣社員や協力会社社員等も含む)とする。
【0025】
IDカード作成手段13は、ID情報データベース12に記憶された身分証明情報に基づいて、IDカード4に、身分証明情報と、身分証明情報を記載した身分証明用WEBページのURLを示すバーコードを含む印刷データを生成し(ステップ#102)、IDカード印刷機15が、当該印刷データをIDカード4に印刷する(ステップ#103)。ここで、身分証明用WEBページのURLを示すバーコードは、IDカード4の発行対象者のIDをパラメータとする身分証明用WEBページのURLをバーコード化したものである。
【0026】
訪問者は、訪問先を訪問する際、IDカード4を携帯し、訪問先から身分証明を求められた場合にIDカード4を提示する。更に、IDカード4の偽造が疑われた場合等、IDカード4が正規に発行されたものであることを示す必要が生じた場合には、訪問先の閲覧者端末3にIDカード4に記載されたバーコードを光学的に読み取らせて身分証明用WEBページのURLを提示する(ステップ#104)。
【0027】
訪問先において、身分証明用WEBページにアクセスする場合に、閲覧者端末3の読み取り手段31を用いてIDカード4に記載されたバーコードを読み取らせる(ステップ#105)。続いて、閲覧者端末3において、閲覧制御用WEBページにアクセスするためのアプリケーションを起動させ、バーコードが示すURLにアクセスさせる(ステップ#106)。
【0028】
身分証明支援システム1の身分証明情報開示手段14は、閲覧者端末3から身分証明用WEBページに対するアクセスがあると、該当する訪問者の身分証明情報をID情報データベース12から取得し(身分証明情報取得工程)、身分証明情報を記載した身分証明用WEBページを表示するためのデータを作成し(ステップ#107)、身分証明用WEBページを表示するためのデータを閲覧者端末3に送信する(ステップ#108、身分証明情報開示工程)。本実施形態の身分証明情報開示手段14は、閲覧者端末3が携帯電話である場合には、携帯電話向けの身分証明用WEBページデータを作成する。更に、本実施形態の身分証明支援システム1は、正式な第三者認証機関によって発行されたサーバ証明書を有しており、身分証明情報開示手段14は、身分証明用WEBページにおいてサーバ証明書を有するWEBサイトである旨提示する。
【0029】
閲覧者端末3は、身分証明支援システム1から身分証明用WEBページを表示するためのデータを受け取ると、身分証明用WEBページを表示手段32に表示する(ステップ#109)。訪問先は、身分証明用WEBページに記載された顔写真を含む身分証明情報が、訪問者の携帯するIDカード4の身分証明情報と一致することを確認するとともに、アクセスしているサーバが正式な第三者認証機関によって発行されたサーバ証明書を有していることを確認する。これによって、簡易な作業で訪問者の身分証明を行うことができる。
【0030】
〈第2実施形態〉
本発明方法の第2実施形態について図3及び図4を基に説明する。本実施形態では、身分証明用WEBページに、訪問先または訪問者に固有の照合情報、及び、訪問者の訪問内容に関する訪問情報を記載する場合について説明する。
【0031】
本実施形態の身分証明支援システム1は、図3に示すように、第1実施形態の各構成に加え、作業計画を登録する作業予定管理手段16を備えている。作業予定管理手段16は、照合情報及び訪問情報を管理する。
【0032】
次に、本実施形態の本発明方法について図4を基に説明する。尚、本実施形態の本発明方法のステップ#102〜#106については、上記第1実施形態と同じであるので、ここではその説明を割愛する。
【0033】
本実施形態では、作業予定管理手段16が、訪問先及び訪問者との間で作業計画が決定すると、決定した作業計画に基づいて、照合情報及び訪問情報をID情報データベース12に記憶する(ステップ#110)。ここでの照合情報は、例えば、合言葉、パスワード、顧客番号、及び、作業番号等である。また、訪問情報は、例えば、訪問者名、作業内容、及び、訪問日時等である。
【0034】
作業予定管理手段16は、訪問先に固有に設定された照合情報を予め訪問先に通知する(ステップ#111、照合情報通知工程)。本実施形態では、照合情報とともに訪問情報についても訪問先に通知する。通知手段は、例えば、電話、郵便、電子メール等を利用すればよい。
【0035】
本実施形態の身分証明情報開示手段14は、閲覧者端末3からアクセスがあると、閲覧者端末3に照合情報の入力を受け付けるためのWEB画面を表示するためのデータを送信する(ステップ#112、照合情報取得工程)。閲覧者端末3から照合情報が送信されると(ステップ#113)、身分証明情報開示手段14は、該当する身分証明情報とともに訪問情報をID情報データベース12から取得し(身分証明情報取得工程)、身分証明情報、照合情報及び訪問情報を記載した身分証明用WEBページを表示するためのデータを作成し(ステップ#107)、身分証明用WEBページを表示するためのデータを閲覧者端末3に送信する(ステップ#108)。
【0036】
閲覧者端末3は、身分証明支援システム1から身分証明用WEBページを表示するためのデータを受け取ると、身分証明用WEBページを表示手段32に表示する(ステップ#109)。訪問先は、身分証明用WEBページに記載された身分証明情報が訪問者の携帯するIDカード4の身分証明情報と一致することを確認するとともに、アクセスしているサーバが正式な第三者認証機関によって発行されたサーバ証明書を有していることを確認する。更に、本実施形態では、身分証明用WEBページに記載された訪問先または訪問者に固有の照合情報、及び、訪問者の訪問内容に関する訪問情報を確認することによって、より確実に訪問者の身分証明を行うことができる。
【0037】
尚、身分証明情報開示手段14は、身分証明情報取得工程において、ID情報データベース12に訪問情報として訪問日時が記憶されている場合に、閲覧者端末3からのアクセスがあった日時が、記憶されている訪問日時の前、後若しくは前後の所定時間範囲内である場合にのみ身分証明用WEBページを表示するためのデータを作成するように構成しても良い。この場合には、閲覧者に対して訪問者の身分証明情報を開示する必要があると考えられる期間内にのみ身分証明用WEBページを表示することができ、訪問者の個人情報に対するセキュリティを高めることができる。
【0038】
〈第3実施形態〉
本発明方法の第3実施形態について図5〜図7を基に説明する。
【0039】
本実施形態の身分証明支援システム1は、図5に示すように、上記第1及び第2実施形態の各手段に加え、制御端末5からアクセス要求があった場合に制御端末5の認証を行う認証手段21と、閲覧者端末3からの身分証明情報の開示要求に対する可否を制御する開示制御部23と、制御端末5が開示制御部23にアクセス中または制御端末5による開示制御部23に対するアクセス後一定期間内をアクセス許可期間と規定し、閲覧者端末3から身分証明情報の開示要求があると、アクセス許可期間内であるか否かを確認する確認手段24と、を備えて構成され、身分証明情報開示手段14が、確認手段24によって身分証明情報の開示要求がアクセス許可期間内に行われたことが確認された場合に、閲覧者端末3に対し身分証明用WEBページを開示するように構成されている。更に、身分証明支援システム1は、制御端末5と通信ネットワーク2を介してアクセス可能に構成されている。
【0040】
本実施形態では、制御端末5として携帯電話を利用する場合を想定して説明する。制御端末5は、アプリケーションサービスを利用可能であり、身分証明支援システム1にアクセスする機能を備えたアプリケーションが搭載されている。
【0041】
以下、本実施形態における身分証明支援システム1の各処理工程について図6及び図7を基に説明する。先ず、制御端末5による身分証明情報の開示の可否設定について図6を基に説明する。
【0042】
訪問者は、訪問先を訪問して業務を行う際に、訪問先に対しIDカード4を提示して身分証明用WEBページを開示する必要が生じた場合、訪問先に対してIDカード4を提示する前に、制御端末5から開示制御用WEBページにアクセスする(ステップ#201)。
【0043】
身分証明支援システム1は、制御端末5から開示制御用WEBページ(開示制御部23)に対するアクセスがあると、先ず、制御端末5の認証を行う。具体的には、認証手段21が、制御端末5に搭載されたアプリケーションを起動させ、ID及びパスワードを取得するための認証画面をアプリケーション画面上に表示させる(ステップ#202)。
【0044】
制御端末5は、認証画面上の所定の入力欄にID及びパスワードが入力されると、入力されたID及びパスワードを身分証明支援システム1に対して送信する(ステップ#203)。
【0045】
身分証明支援システム1の認証手段21は、制御端末5からID及びパスワードが送信されると、送信されたID及びパスワードと、認証データベース22内に記憶されたID及びパスワードとを比較し、制御端末5の認証を行う(ステップ#204)。具体的には、制御端末5から送信されたID及びパスワードと一致するID及びパスワードが認証データベース22内に記憶されている場合、認証手段21は制御端末5を認証する。これに対し、制御端末5から送信されたID及びパスワードと一致するID及びパスワードが認証データベース22内に記憶されていない場合(ステップ#204でNo分岐)、認証手段21は、制御端末5の認証が失敗であると判定する。この場合、本実施形態の認証手段21は、ID及びパスワードの取得要求が規定回数内であれば、再度、制御端末5に対しID及びパスワードの取得要求を行う。
【0046】
確認手段24は、認証手段21において制御端末5が認証されると(ステップ#204でYes分岐)、制御端末5からの開示制御用WEBページに対するアクセスが継続中である否かを確認することで、アクセス許可期間であるか否かを確認する(ステップ#205)。具体的には、制御端末5が開示制御用WEBページにアクセス中である場合をアクセス許可期間と規定する。ここで、本実施形態の制御端末5に搭載されたアプリケーションは、認証後、自動的定期的に開示制御用WEBページにアクセスするように構成されている。また、確認手段24は、制御端末5が開示制御用WEBページに一定周期内で定期的にアクセスしている期間中をアクセス中であると判断するように構成されている。
【0047】
確認手段24は、制御端末5が開示制御用WEBページに上記要領でアクセス中であると判断した場合(ステップ#205でYes分岐)、閲覧者端末3に対し、身分証明用WEBページへのアクセスを許可するアクセス許可期間と判定する(ステップ#206)。また、確認手段24は、制御端末5が開示制御用WEBページにアクセス中ではないと判断した場合、アクセス許可期間内ではないと判断し(ステップ#205でNo分岐)、閲覧者端末3に対し、身分証明用WEBページへのアクセスを禁止する(ステップ#207)。
【0048】
次に、閲覧者端末3からのアクセスに対する身分証明支援システム1の処理について図7を基に説明する。尚、ステップ#101〜#106については、上記第1及び第2実施形態と同じであるので、ここではその説明を割愛する。
【0049】
本実施形態では、上記第1実施形態のステップ#101〜#106の実行後、身分証明支援システム1の身分証明情報開示手段14が、閲覧者端末3からの身分証明用WEBページに対するアクセスに応じて、アクセス許可期間内であるかを確認する。更に、身分証明情報開示手段14は、確認手段24においてアクセス許可期間であると判定されてから1回目のアクセスであるか否かを判定する(ステップ#114)。アクセス許可期間内における1回目のアクセスであると判定された場合(ステップ#114でYes分岐)、身分証明情報開示手段14は、身分証明用WEBページを表示するためのデータを作成し(ステップ#107)、身分証明用WEBページを表示するためのデータを閲覧者端末3に送信する(ステップ#108)。
【0050】
閲覧者端末3は、身分証明用WEBページを表示するためのデータを受け取ると、アプリケーション画面上に身分証明用WEBページを表示する(ステップ#109)。
【0051】
確認手段24においてアクセス許可期間ではないと判定された場合、若しくは、アクセス許可期間における1回目のアクセスではないと判定された場合(ステップ#114でNo分岐)、身分証明情報開示手段14は、閲覧者端末3のアプリケーション画面上に、身分証明情報の開示を拒否する旨記載したWEB画面を表示させる(ステップ#115)。
【0052】
〈別実施形態〉
〈1〉上記各実施形態では、閲覧者端末3として携帯電話を想定して説明したが、これに限られるものではない。閲覧者端末3としては、インターネット等を介してWEBページへのアクセス機能と、WEBページの表示機能を備えていれば良い。
【0053】
〈2〉上記各実施形態では、IDカード4に身分証明用WEBページのURLを記録する記録媒体としてバーコードを用いたが、記録媒体はこれに限られるものではなく、磁気記録媒体やIC無線タグ、電磁気的、電気的に読み取り可能な媒体等でも良く、更に、身分証明用WEBページのURLコードを直接印字しても良い。
【0054】
〈3〉上記各実施形態では、記録媒体としてIDカード4を想定して説明したが、これに限られるものではなく、身分証明情報及び身分証明用WEBページのURLを記憶した接触型或いは非接触型のICカードであっても良い。この場合には、ICカードが身分証明書であり、ICカードを読み取る機能を備えた閲覧者端末3を用い、ICカードの情報に基づいて身分証明用WEBページにアクセスするように構成する。更に、身分証明用WEBページのURLに加え、ICカード読み取り処理以降、身分証明用WEBページの表示までを自動的に行うプログラム若しくはコマンドをICカードに記憶させることにより、ICカード読み取り処理以降、身分証明用WEBページの表示までを自動的に行うように構成しても良い。
【0055】
〈4〉上記第3実施形態において、身分証明支援システム1は、キャッシュ機能を非活性化した状態で、閲覧者端末3のアプリケーション画面上に身分証明用WEBページを表示するためのデータを送信するように構成しても良い。これにより、閲覧者端末3に、身分証明情報が記憶されるのを防止して、身分証明情報が漏洩するのをより適切に防止することができる。
【0056】
〈5〉上記第3実施形態では、制御端末5として、携帯電話を利用する場合について説明したが、これに限られるものではない。制御端末5としては、訪問先において開示制御部23にアクセスする機能を備えていれば良い。また、閲覧者端末3と制御端末5は同じ端末でも構わない。
【0057】
〈6〉上記第3実施形態では、身分証明支援システム1の認証手段21が、ID及びパスワードの入力により制御端末5を認証するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、制御端末5が携帯電話である場合には、携帯電話の機器固有の固体番号を用いることで、ID及びパスワードの入力を省略するように構成してもよい。
【0058】
〈7〉上記第3実施形態では、制御端末5に搭載されたアプリケーションが、認証後、自動的定期的に開示制御用WEBページにアクセスするように構成し、制御端末5が開示制御用WEBページにアクセス中である場合をアクセス許可期間と規定したが、制御端末5による開示制御用WEBページに対するアクセス後一定期間内をアクセス許可期間と規定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る身分証明支援方法の第1実施形態における概略システム構成を示す概略ブロック図
【図2】本発明に係る身分証明支援方法の第1実施形態における処理工程を示すフロー図
【図3】本発明に係る身分証明支援方法の第2実施形態における概略システム構成を示す概略ブロック図
【図4】本発明に係る身分証明支援方法の第2実施形態における処理工程を示すフロー図
【図5】本発明に係る身分証明支援方法の第3実施形態における概略システム構成を示す概略ブロック図
【図6】本発明に係る身分証明支援方法の第3実施形態における処理工程を示すフロー図
【図7】本発明に係る身分証明支援方法の第3実施形態における処理工程を示すフロー図
【符号の説明】
【0060】
1 身分証明支援システム
2 通信ネットワーク
3 閲覧者端末
4 IDカード
5 制御端末
11 IDカード管理手段
12 ID情報データベース
13 IDカード作成手段
14 身分証明情報開示手段
15 IDカード印刷機
16 作業予定管理手段
21 認証手段
22 認証データベース
23 開示制御部
24 確認手段
31 読み取り手段
32 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
訪問者に対する身分証明をコンピュータのデータ処理により支援する身分証明支援方法であって、身分証明を要する前記訪問者の身分証明書に一体に設けられた記録媒体に、前記訪問者に固有の身分照明用WEBページのURLを示す識別情報が記録されており、
所定の記憶手段に、前記訪問者毎に、前記身分証明書に記載された情報に一致する若しくは前記身分証明書に記載された情報を補充する身分証明情報を記憶する記憶工程と、
前記身分証明用WEBページを閲覧可能に構成され前記記録媒体に記録された前記識別情報を取得した閲覧者端末から電気通信回線を介して前記訪問者の前記身分証明情報の開示要求があった場合に、前記記憶手段から前記身分証明情報を取得する身分証明情報取得工程と、
前記身分証明情報を記載した前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し前記電気通信回線を介して送信する身分証明情報開示工程と、を実行することを特徴とする身分証明支援方法。
【請求項2】
前記閲覧者端末から前記訪問者の前記身分証明情報の開示要求があった場合に、前記閲覧者端末から訪問先または前記訪問者に固有の照合情報の入力を受け付ける照合情報取得工程を実行し、
前記身分証明情報開示工程において、前記身分証明情報とともに前記照合情報に対応した情報を記載した前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し送信することを特徴とする請求項1に記載の身分証明支援方法。
【請求項3】
前記照合情報が前記訪問先に固有である場合、前記照合情報を予め前記訪問先に通知する照合情報通知工程を実行することを特徴とする請求項2に記載の身分証明支援方法。
【請求項4】
前記照合情報通知工程において、前記照合情報に対応した情報として、前記訪問者の訪問内容に関する訪問情報を通知するとともに、
前記記憶工程において、前記記憶手段に前記身分証明情報とともに前記訪問情報を記憶しておき、
前記身分証明情報開示工程において、前記身分証明情報とともに前記訪問情報を記載した前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し送信することを特徴とする請求項3に記載の身分証明支援方法。
【請求項5】
前記身分証明情報の開示側の制御端末が前記閲覧者端末からの身分証明情報の開示要求に対する可否を制御する開示制御部にアクセス中または前記制御端末による前記開示制御部に対するアクセス後一定期間内をアクセス許可期間と規定し、
前記閲覧者端末から前記身分証明情報の開示要求があると、前記アクセス許可期間内であるか否かを確認する確認工程を実行し、
前記身分証明情報開示工程は、前記確認工程において前記身分証明情報の開示要求が前記アクセス許可期間内に行われたことが確認された場合に、前記身分証明用WEBページを表示するためのデータを前記閲覧者端末に対し送信することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の身分証明支援方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の身分照明支援方法で使用する前記身分証明書であって、前記訪問者に固有の前記身分証明用WEBページのURLを示す前記識別情報が、前記記録媒体に光学的、電磁気的、または、電気的に読み取り可能に記録されていることを特徴とする身分証明書。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−226427(P2007−226427A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45543(P2006−45543)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】