説明

車上制御装置及び無線通信システム

【課題】地上車上間通信の信頼性を高めることができる車上制御装置及び無線通信システムを提供する。
【解決手段】地上基地局からの信号を受信する送受信アンテナ101と、送受信アンテナでの受信レベルを計測する受信レベル計測手段105と、列車の停止を検知する検知手段106と、検知手段により列車の停止が検知された時、受信レベル計測手段により計測された受信レベルが所定レベル未満である場合、受信レベルが所定レベル以上となる位置まで送受信アンテナを移動させる移動制御手段100aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車に設けられ列車を制御するための車上制御装置及びこの車上制御装置と地上基地局とを備えた無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の列車制御システムとして、従来の軌道回路、信号システムに代わり、無線通信により地上から列車を制御する方法や、列車から様々な情報を地上に伝送する方法が検討されている。この場合、地上には固定の基地局無線装置、列車上には移動局としての無線装置が実装され、これらの基地局無線装置と車上無線装置との間で、地上車上間通信が行われる。
【0003】
特開平2−109770号公報(特許文献1)や文献「馬場、他:『無線による列車制御システム(ATACS)』,JR EAST Technical Review,No.5,pp.31−38,2003.11.1.」(非特許文献1)にも、制御信号を無線通信する列車制御システムの開発について記載されている。
【0004】
特許文献1においては、車上制御装置が検知した自己列車の位置と速度情報、地上制御装置から伝達される停止目標位置と臨時速度制限情報等に基づき、車上制御装置が自己列車の保安速度を求める方法に関する発明が記載されている。これにより、従来の地上側の列車位置検知設備が不要となる。
【0005】
非特許文献1においては、これまでの地上設備主体の制御方式に代えて、情報通信技術をベースに地上・車上の制御分担を機能面から配置した安全・シンプルな鉄道制御システムに関して記載されている。車上設備による制御方式を多く取り入れ、列車それぞれが自己列車の性能に応じて自立的に制御を行うことにより、コストダウン、安全性向上、輸送効率向上の効果がある。
【特許文献1】特開平2−109770号公報
【非特許文献1】馬場、他:「無線による列車制御システム(ATACS)」, JR EAST Technical Review,No.5,pp.31−38,2003.11.1.(http://www.jreast.co.jp/development/paper/index.html)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、列車制御に無線通信を適用するに当たっては、どんな場所であっても通信が途絶えることがあってはならず、通信の信頼性が極めて重要である。特許文献1や非特許文献1に記載のシステムにおいては、地上設置の基地局アンテナと、車上設置の移動局アンテナの間には直接の見通しが得られず、直接波が受信できない場合が多い。このような場合、例えば車上側アンテナで受信をする場合には、大地からの反射波、様々な線路近傍の構造物からの反射波等、複数で不確かな電波を同時に受信する、いわゆるマルチパス波の受信が行われる。
【0007】
マルチパス波の受信は、受信される複数の電波の位相と振幅の関係で、ある場所ではそれらが加えあって受信レベルが高くなり、またある場所ではそれらが打ち消しあって受信レベルが低くなる。したがって、受信レベルは場所的に大きく変動するものとなる。場所によっては、受信レベルが極端に低下する極小点となり、通信が不可能になることも有り得る。
【0008】
地上車上間通信システムの無線回路設計においては、通信可能エリア内で十分にマージンを持った受信レベルが得られるように、無線装置送信機の出力レベル、受信機の感度等を決めていく。しかし、それは確率的に受信可能な場所の割合を高めるものであって、線路上、全ての場所で確実に通信が可能かを保証できるものではない。その線路の特性にもよるが、上記のような受信不可能な場所の発生は避け難いものである。
【0009】
列車制御に無線通信を適用するにあたっては、どんな場所であっても通信が途絶えることがあってはならない。通信は列車の走行中、停電中を通して継続する必要がある。列車の走行中は、受信レベルの極小点を通過する瞬間に通信が不可能になったとしても、移動していることにより、次の瞬間には極小点を脱しており、すぐにデータを再送することによって多少の時間遅れはあっても、通信の継続が可能になる。しかし、駅で、あるいは何らかの理由により停車した場合に、たまたまそこが受信レベルの極小点であって、通信が不可能な場所であった場合には、地上から列車を制御することができないという重大な事態になる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、上記のような事態を回避し、地上車上間通信の信頼性を高めることができる車上制御装置及び無線通信システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る車上制御装置及び無線通信システムは、上記課題を解決するために、請求項1記載の発明の車上制御装置は、地上基地局からの信号を受信する送受信アンテナと、前記送受信アンテナでの受信レベルを計測する受信レベル計測手段と、列車の停止を検知する検知手段と、前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを移動させる移動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明の車上制御装置は、請求項1において、前記移動制御手段は、前記送受信アンテナを回転させる回転駆動手段と、前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記回転駆動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを回転させる回転制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明の車上制御装置は、請求項1又は請求項2において、前記移動制御手段は、前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動手段と、前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記水平移動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明の無線通信システムは、車上制御装置と、この車上制御装置と無線通信を行う地上基地局を備え、前記車上制御装置は、地上基地局からの信号を受信する送受信アンテナと、前記送受信アンテナでの受信レベルを計測する受信レベル計測手段と、列車の停止を検知する検知手段と、前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを移動させる移動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明の無線通信システムは、請求項4において、前記移動制御手段は、前記送受信アンテナを回転させる回転駆動手段と、前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記回転駆動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを回転させる回転制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明の無線通信システムは、請求項4又は請求項5において、前記移動制御手段は、前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動手段と、前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記水平移動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1乃至6記載の発明によれば、列車が停止した場所が受信レベルの極小点であって、通信が不可能な場所であった場合にも、移動制御手段により通信が可能な位置まで送受信アンテナの移動制御を行うことで通信不能状態を脱することが可能となり、地上車上間通信の信頼性を高めた車上制御装置及び無線通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の車上制御装置及び無線通信システムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態の無線通信システムは、列車108内の装置類と、列車108と無線通信を行う沿線上の地上基地局109a〜109cと、列車の運行制御を行う中央制御システム110と、地上基地局109a〜109cと中央制御システム110を接続して情報をやり取りする沿線LAN111とから構成されている。列車108は、装置類として、アンテナ回転制御装置100a、送受信アンテナ101、無線送受信装置102、アンテナ回転駆動装置104a、受信レベル測定装置105、停車検知装置106、列車駆動装置107を備えている。
【0020】
送受信アンテナ101は、地上基地局109a〜109cとの間で無線通信信号を送受信する。無線送受信装置102は、送受信アンテナ101を介して無線通信信号を送受信する。列車駆動装置107は列車108を駆動又は停止させる。停車検知装置106は、本発明の検知手段に対応し、列車駆動装置107から列車駆動停止信号を入力されたときに列車108の停止を検知し、列車停止信号を受信レベル測定装置105に出力する。受信レベル測定装置105は、本発明の受信レベル計測手段に対応し、停車検知装置106からの列車停止信号を入力したとき、すなわち列車の停止が検知されたときに、無線送受信装置102からの無線通信信号のレベル、すなわち受信レベルを測定する。アンテナ回転制御装置100aは、本発明の回転制御手段に対応し、受信レベル測定装置105で測定された受信レベルが所定の受信レベル未満である場合、受信レベルが所定のレベル以上になるまで送受信アンテナ101を水平面内で回転制御する。アンテナ回転駆動装置104aは、本発明の回転駆動手段に対応し、アンテナ回転制御装置100aからの回転制御信号により、送受信アンテナ101を回転させる。
【0021】
図2は本発明の実施例1に係る無線通信システムの動作を示すフローチャート図である。図2を参照し実施例1に係る無線通信システムの動作を説明する。地上側無線装置のアンテナ(基地局アンテナ)は線路近傍に設置されているため、列車側無線装置のアンテナは一般にはその指向性が線路に沿った方向に向けられている。まず、停車検知装置106は、列車が停止したか否かの判断を行う(S201)。ここで列車の停車が検知された場合には、受信レベル測定装置105が受信レベルを測定する(S205)。受信レベルが一般には通信の可能な限界レベル(レベル1)以上である場合には通信を継続し、レベル1未満である場合にはアンテナ回転駆動装置104aが送受信アンテナ101をわずかに回転させる(S207)。回転後、受信レベル測定装置105が再び受信レベルを測定する(S209)。受信レベルが充分に通信が可能なレベル(レベル2)以上である場合には通信を再開し、レベル2未満である場合にはアンテナ回転制御装置100aが既に送受信アンテナ101を1回転させたか否かの判断を行う(S211)。送受信アンテナ101が1回転していない場合はS207に戻り再びアンテナ回転駆動装置104aが送受信アンテナ101をわずかに回転させる。送受信アンテナ101が既に1回転をしている場合はアンテナ回転制御装置100aが最も受信レベルの強かった位置まで送受信アンテナ101を回転させる(S213)。回転後、受信レベル測定装置105が再び受信レベルの測定を行う(S215)。受信レベルが一般には通信の可能な限界レベル(レベル1)以上である場合には通信を再開し、それ未満であるならば無線通信エラーとなり(S217)、他の通信手段で列車を制御する(S219)。列車が再び走行を開始した場合には、アンテナ回転制御装置100aが送受信アンテナ101を回転させて、指向性が元の線路に沿った方向になるように戻す。
【0022】
ここで受信レベルについての補足を行う。例えばAM(振幅変調)方式の場合、信号対雑音比(S/N)は20dB程度が限界の目安として考えられている。そこでレベル1は、目安としてアナログ方式では信号対雑音比(S/N比)が20dB程度、デジタル方式ではビット誤り率(BER)が1×10-3程度とする。またレベル2は、目安としてアナログ方式ではS/N比が25dB程度、デジタル方式ではBERが1×10-4程度とする。もちろん、通信方式により様々な考え方があるため、以上はあくまで1例である。
【0023】
図3は、本発明の実施例1に係るアンテナ回転駆動装置104aを例示したものである。アンテナ回転駆動装置104aを列車108の前方上部に配置し、必要に応じてアンテナ回転駆動装置104aが送受信アンテナ101を図3に示すように水平面内で回転させる。
【0024】
図4及び図5は、本発明の実施例1に係るアンテナ回転駆動装置による受信レベルに対する回転の効果を示したものである。
【0025】
一般にマルチパス波受信で、受信レベルの極小点は、たとえば到来波が2波の場合で説明すると、2波の振幅がほぼ同じでほぼ逆位相の場合に、それらが打ち消しあうことにより発生する(図4)。図4(a)はアンテナの志向性特性及び到来方向の異なる到来波2波を示している。
【0026】
指向性アンテナを回転させることにより、到来波の方向に対するアンテナ利得が変化させ、到来波2波のそれぞれの振幅を変えることができる(図5)。これにより、2波が逆位相であっても振幅に差が発生し、完全に打ち消しあうことを回避でき、受信レベルは高くなる。
【0027】
マルチパス波受信の場合の信頼性改善のための対策としては、1例として複数のアンテナで受信するスペースダイバーシティが効果的であるが、実装上、あるいはコスト的観点から複数のアンテナが実装できない場合も多い。本発明の実施例1の形態に係る無線通信システムによれば、一つのアンテナで受信レベルの極小点を回避し、通信の信頼性を高めることができる。もちろん、スペースダイバーシティと本発明の両方の機能を具備することにより、一層の通信の信頼性改善を図ることも可能である。
【実施例2】
【0028】
図6は、本発明の実施例2に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。尚、本実施例の無線通信システムにおいて、実施例1と共通する構成要素には共通の符号を用いて示してある。実施例1の構成と異なる点としては、アンテナ回転制御装置100aの代わりにアンテナ移動制御装置100bを設け、アンテナ回転駆動装置104aの代わりにアンテナ水平移動装置104bを設けたことを特徴とする。アンテナ移動制御装置100bは、本発明の水平移動制御手段に対応し、受信レベル測定装置105で測定された受信レベルが所定の受信レベル未満である場合、受信レベルが所定のレベル以上になるまで送受信アンテナ101を水平移動制御する。アンテナ水平移動装置104bは、本発明の水平移動手段に対応し、アンテナ移動制御装置100bからの移動制御信号により送受信アンテナ101を水平移動させる。
【0029】
図7は本発明の実施例2に係る無線通信システムの動作を示すフローチャート図である。実施例1の動作と異なる点としては、送受信アンテナ101をわずかに回転(S207)させる代わりに、送受信アンテナ101をわずかに移動(S207a)させる。また、送受信アンテナ101は1回転したか(S211)を判断する代わりに、送受信アンテナ101は移動限界か(S211a)を判断する。また、受信レベルの最も強かった位置まで回転(S213)させる代わりに、受信レベルの最も強かった位置まで移動(S213a)させる。実施例1に係る無線通信システムとほぼ同様の動作を示すが、受信レベルが低い場合に送受信アンテナ101が回転を行う代わりに、水平移動を行う。アンテナが水平移動できる領域を全て水平移動したか否かを判断し(S211a)、その後、受信レベルの最も強かった位置までアンテナ水平移動装置が送受信アンテナ101を水平移動させる。
【0030】
図8は、本発明の実施例2に係るアンテナ水平移動装置104bを例示したものである。アンテナ水平移動装置104bを列車108の前方上部に配置し、必要に応じてアンテナ水平移動装置104bが送受信アンテナ101を図8に示すように水平移動させる。送受信アンテナ101は、可動域120aの全域を水平移動し、所定の受信レベル以上となる位置で水平移動を止める。
【0031】
上述のとおり、本発明の実施例2の形態に係る無線通信システムによれば、送受信アンテナを水平面内で移動させることにより、送受信アンテナが無指向性であった場合にも、到来方向の異なる2波の位相関係は変化し、完全な逆位相という条件を回避し、受信レベルを高めるとともに、通信の信頼性を高めることができる。
【実施例3】
【0032】
図9は、本発明の実施例3に係る回転移動装置の使用例図である。尚、本実施例の無線通信システムにおいて、実施例1又は実施例2と共通する構成要素には共通の符号を用いて示してある。構成で実施例1、実施例2と異なる点は回転移動装置104cが用いられている点のみである。
【0033】
回転移動装置104cは、アンテナ回転駆動装置104aとアンテナ水平移動装置104bの両方の機能を併せ持つ。すなわち、送受信アンテナ101は受信レベルが所定のレベル未満であった場合に回転駆動を行い、1回転を行ってもなお、受信レベルが所定のレベル未満であった場合には、水平移動を行って、受信レベルの強い位置を求める。
【0034】
上述のとおり、本発明の実施例3の形態に係る無線通信システムによれば、送受信アンテナを回転駆動又は水平面内で移動させることにより、より広範な選択肢の中で受信レベルを高め、通信の信頼性を高めることができる。
【0035】
なお、図9に示すように、可動域120bが実装上、H型のような狭い範囲に限定されていたとしても、水平移動手段によって可能な限りより強い受信レベルを確保できる位置を求めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る車上制御装置及び無線通信システムは、列車と地上基地局との地上車上間無線通信システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例1の形態の無線通信システムのブロック図である。
【図2】本発明の実施例1の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係るアンテナ回転駆動装置を示す。
【図4】本発明の実施例1のアンテナ回転効果を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施例1のアンテナ回転効果を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施例2の形態の無線通信システムのブロック図である。
【図7】本発明の実施例2の形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2に係るアンテナ水平移動装置を示す。
【図9】本発明の実施例3に係る回転移動装置を示す。
【符号の説明】
【0038】
100a アンテナ回転制御装置
100b アンテナ移動制御装置
101 送受信アンテナ
102 無線送受信装置
104a アンテナ回転駆動装置
104b アンテナ水平移動装置
104c 回転移動装置
105 受信レベル測定装置
106 停車検知装置
107 列車駆動装置
108 列車
109a, 109b, 109c 沿線上の地上基地局
110 中央制御システム
111 沿線LAN
120a, 120b 可動域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上基地局からの信号を受信する送受信アンテナと、
前記送受信アンテナでの受信レベルを計測する受信レベル計測手段と、
列車の停止を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを移動させる移動制御手段と、
を備えることを特徴とする車上制御装置。
【請求項2】
前記移動制御手段は、
前記送受信アンテナを回転させる回転駆動手段と、
前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記回転駆動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを回転させる回転制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の車上制御装置。
【請求項3】
前記移動制御手段は、
前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動手段と、
前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記水平移動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車上制御装置。
【請求項4】
車上制御装置と、この車上制御装置と無線通信を行う地上基地局を備え、
前記車上制御装置は、
前記地上基地局からの信号を受信する送受信アンテナと、
前記送受信アンテナでの受信レベルを計測する受信レベル計測手段と、
列車の停止を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを移動させる移動制御手段と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
前記移動制御手段は、
前記送受信アンテナを回転させる回転駆動手段と、
前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記回転駆動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを回転させる回転制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項4記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記移動制御手段は、
前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動手段と、
前記検知手段により前記列車の停止が検知された時、前記受信レベル計測手段により計測された前記受信レベルが所定レベル未満である場合、前記水平移動手段を作動させて前記受信レベルが所定レベル以上となる位置まで前記送受信アンテナを水平移動させる水平移動制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−153228(P2007−153228A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353794(P2005−353794)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】