説明

車両の制動装置及び制動方法

【課題】自動減速制御への移行時の応答遅れを低減可能な車両の制動制御技術を提供する。
【解決手段】マスタシリンダM/Cからの流体を遮断可能な制動切替弁5,6を備え、制動操作子の操作とは異なる制動条件を満足すると、制動切替弁5,6を開状態に保持し且つ上記流体圧制御回路7を制御する自動制動制御状態にする。その上記自動制動制御状態が終了しても、弁保持解除条件を満足するまで上記制動切替弁5,6の閉状態を継続する。上記弁保持解除条件は、運転者に対し上記制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生している状態であるマスキング状態と推定しているときである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の制動操作子の操作によって制動力を設定する手動ブレーキ状態と、制動操作子の操作とは別の制動条件によって自動減速制御を行う自動制動制御状態とを有する車両の制動制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の制動装置としては例えば特許文献1に記載の技術がある。このような従来技術では、自動制動制御への切替のための常開型切替弁が、マスタシリンダとホイールシリンダとを連通する油路の途中に介装する。また、上記切替弁よりも下流側の油路に、自動減速制御時の液圧調整を実施するための制御弁を介装する。そして、自動減速制御による制動を行う場合には、上記切替弁のソレノイドに通電を行い上記切替弁を閉弁状態に切り替える。又、自動減速制御による制動が終了すると、上記切替弁を開状態に戻して手動ブレーキが可能な状態とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−335400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動減速制御に移行する際には、常に切替弁を閉弁状態に切り替える動作が必要となる。そして、この切り替え動作を行ってから目標制動力とするための液圧発生状態にする必要がある分だけ、自動減速制御への移行に応答遅れが発生する。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、自動減速制御への移行時の応答遅れを低減可能な車両の制動制御技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。すなわち、運転者が制動指示のために操作する制動操作子の操作によって発生した液圧とは独立して別に設けられた液圧生成手段を有する。マスタシリンダからの液圧のホイールシリンダへの伝達を遮断可能な制動切替弁を備える。車両の挙動に応じて制動操作子の操作とは異なる制動条件を満足すると、上記液圧生成手段を作動して制動切替弁を開状態に保持し且つ流体圧制御回路を介して上記ホイールシリンダの液圧を制御する。そして、上記液圧生成手段の作動が終了しても、車両の状態あるいは運転者の車両操作に応じた弁保持解除条件を満足するまで、上記制動切替弁の閉状態を継続する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自動制動制御状態が終了しても車両の状態あるいは運転者の車両操作に応じた弁保持解除条件を満足するまで上記制動切替弁の閉状態を継続する。この結果、次に自動制動制御を行う制動条件を満足したとき、制動切替弁の切替動作が不要となる可能性が増大する分、自動減速制御への移行時の応答遅れを低減可能となる。また、制動切替弁の開閉の切替動作が減る分、弁切替による作動音の発生頻度を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る流体圧回路の構成図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係るブレーキコントローラの構成を示す図である。
【図3】制動制御本体手段の処理を説明する図である。
【図4】弁保持継続判定手段の処理を説明する図である。
【図5】ブレーキオーバーライド判定手段の処理を説明する図である。
【図6】本発明に基づく実施形態に係るタイムチャート例を示す図である。
【図7】比較のタイムチャート例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に掛かる制動装置の流体圧回路を示す構成図である。
(構成)
まず構成について説明する。
図1中、符号1はブレーキペダルであり、ブレーキペダル1はマスタシリンダM/Cに連結する。ブレーキペダル1は運転者が制動指示のために操作する制動操作子を構成する。なおブレーキペダル1とマスタシリンダM/Cとの間に液圧ブースタが介装していても構わない。本実施形態のマスタシリンダM/Cは、第1連通路3及び第2連通路4を通じて各輪に設けたホイールシリンダW/Cに接続する。また図1中、符号5はリザーバ11を示す。
【0009】
ここで、本実施形態では、4輪全輪を制動輪とし且つ前後輪を個別に制動制御可能とするために、マスタシリンダM/Cとしてタンデムマスタシリンダを採用する。そして、マスタシリンダM/Cのプライマリ室2Aを、第1連通路3を通じて後輪のホイールシリンダW/Cに接続する。又、マスタシリンダM/Cのセカンダリ室2Bを、第2連通路4を通じて前輪のホイールシリンダW/Cに接続する。なお、マスタシリンダM/Cはタンデム式である必要は無く、また制動輪を例えば後輪だけに設定しても良い。
【0010】
上記第1連通路3及び第2連通路4に、制動切替弁5,6をそれぞれ介挿する。各制動切替弁5,6は、非通電時が開状態のノーマルオープン形式の電磁切替弁又は電磁比例弁である。すなわち、各制動切替弁5,6は、非通電時は開状態となり、マスタシリンダM/Cの液圧をホイールシリンダW/Cに供給可能な状態となっている。また、各制動切替弁5,6は、ブレーキコントローラ20からの制御信号(電流供給)による通電によって閉状態となり、マスタシリンダM/CとホイールシリンダW/Cとの接続を遮断した状態とする。
【0011】
また、流体圧制御回路7が上記第1連通路3及び第2連通路4に介装する。流体圧制御回路7は、上記制動切替弁5,6よりも下流側に位置して、マスタシリンダ圧とは別にホイールシリンダW/Cの液圧を調整する。上記流体圧制御回路7は、電磁比例弁からなる保持弁8及び減圧弁9を備える。保持弁8は、第1及び第2連通路3,4の途中に介挿する。また、第1及び第2連通路3,4における保持弁8よりも下流位置は、減圧弁9を介して第3連通路10に接続する。その第3連通路10は上記リザーバ11に接続する。
【0012】
更に、制動装置の流体圧回路は、制動力アクチュエータを備える。制動力アクチュエータは、自動制動制御における制動力を発生するためのアクチュエータである。本実施形態の制動力アクチュエータは、モータ12及び当該モータ12で駆動される油圧ポンプ13と、アキュムレータ14を備える。モータ12は、ブレーキコントローラ20からの制御信号(制御電流)によって作動が制御され、そのモータ12の回転トルクで油圧ポンプ13を駆動する。油圧ポンプ13は、入力ポートがリザーバ11及びマスタシリンダM/Cのプライマリ室2Aに接続し、吐出ポートが第4連通路15を介して上記第1連通路3に接続する。また、第5連通路16が第1連通路3と第2連通路4を接続する。これによって、ポンプ13は、リザーバ11内及びマスタシリンダM/Cのプライマリ室2A内の作動液を吸引し、その作動液を第4連通路15を介して各ホイールシリンダW/Cに吐出可能となっている。
【0013】
また、上記第5連通路16に対し連通弁17を備える。連通弁17は、非通電時が閉状態のノーマルクローズ形式の電磁切替弁である。すなわち、連通弁17は、非通電時は閉状態となっていて、第1連通路3と第2連通路4との間の作動流体の移動を遮断する。また、連通弁17は、ブレーキコントローラ20からの制御信号(通電指令)による通電によって開状態となり、第4連通路15を介した制動力アクチュエータからの作動液を、第1連通路3及び第2連通路4の両方に供給可能となる。
【0014】
また、増圧制御弁18が、上記第4連通路15に介装する。この増圧制御弁18は、各輪に対応した複数のホイールシリンダW/Cに対し共通の増圧制御弁18となる。ここで、この増圧制御弁18の入力側と出口側の差圧は、アキュムレータ14の圧力と第5連通路16の差圧に対応する。
なお、本実施形態では、第1連通路3に介挿した制動切替弁5が各輪に対応した複数のホイールシリンダW/Cに対し共通の減圧制御弁としても働く場合を例示している。減圧制御弁を別に設けても良い。
【0015】
そして、自動制動制御の状態では、閉指令の電流指令をソレノイドに供給して上記制動切替弁5,6を閉状態に保持すると共に、開指令の電流指令をソレノイドに供給して連通弁17を開状態に保持する。かつ、増圧制御時には、保持弁8が開状態、減圧弁9が閉状態となって、ポンプ13から吐出される作動液をホイールシリンダW/Cに供給して増圧する。また、減圧制御時には、保持弁8が閉状態、減圧弁9が開状態となってホイールシリンダW/C内の作動液がリザーバ11に戻されて減圧される。
【0016】
ここで、符号21は、マスタシリンダ圧Pm(運転者の制動要求量相当)を検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ20に出力する。符号22は、ホイールシリンダ圧力Pwを検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ20に出力する。符号23はポンプ13の吐出圧を検出する圧力センサであって、検出した圧力信号をブレーキコントローラ20に出力する。
【0017】
上記ブレーキコントローラ20は、例えば、CPU、ROM、RAM、デジタルポート、A/Dポート、各種タイマー機能を内蔵するワンチップマイコン(あるいは同機能を実現する複数チップ)によって構成する。このブレーキコントローラ20では、各弁、及びモータ12に制御信号を出力する。
又、車両には、車輪速センサ31,舵角センサ32,エンジン回転数センサ33などを備え、各センサは検出信号をブレーキコントローラ20に出力する。
このブレーキコントローラ20は、図2に示すように、自動制動制御手段20A、制動制御本体手段20B、弁保持継続判定手段20C、及びブレーキオーバーライド判定手段20Dを備える。
【0018】
自動制動制御手段20Aとしては、先行車追従制御手段、レーンキープのための制動制御などを例示することが出来る。この自動制動制御手段20Aは、制動操作子であるブレーキペダルの操作とは異なる制動条件を満足すると作動して、上記流体圧制御回路7を制御することで上記ホイールシリンダW/Cの液圧を制御する。液圧の制御は、液圧生成手段である保持弁8、減圧弁9、増圧制御弁18、及びポンプ13に制御指令を供給することで、目的とする目標制動力を実現する。この目標制動力は、対象とする自動制動によって異なる。ブレーキペダル1の操作とは異なる制動条件とは、自動制御開始の条件を満足した場合である。例えば先行車追随制御であれば、先行車との車間時間が予め設定した開始車間時間以下となった場合に、ブレーキの操作とは異なる制動条件を満足、つまり自動制動条件を満足したと判定する。
【0019】
また自動制動制御手段20Aは、自動制動の終了条件を満足すると、自動制動の処理を終了する。例えば先行車追随制御であれば、先行車との車間時間が予め設定した終了車間時間以上となった場合に、つまり自動制動の終了条件を満足したと判定する。
制動制御本体手段20Bは、制動切替弁閉制御手段20Baを備える。
制動切替弁閉制御手段20Baは、上記自動制動制御手段20Aが作動中は上記制動切替弁5,6を閉状態に保持し、上記自動制動制御手段20Aが非作動に移行、つまり制御停止すると弁保持解除条件を満足するまで上記制動切替弁5,6を閉状態に保持する。また、上記制動切替弁5,6の制御と同期をとって、連通弁17を制御する。すなわち、上記自動制動制御手段20Aが作動中は連通弁17を開状態に保持し、上記自動制動制御手段20Aが非作動に移行すると弁保持解除条件を満足するまで上記連通弁17を開状態に保持する。
【0020】
弁保持継続判定手段20Cは、弁保持解除条件を満足しているか否かを判定する。弁保持継続判定手段20Cは、マスキング検出手段20Ca、温度推定手段20Cb、制動指示子作動判定手段20Ccを備える。マスキング検出手段20Caは、運転者に対し上記制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生している状態であるマスキング状態か否かを推定する。
温度推定手段20Cbは、制動切替弁5,6及び連通弁17の温度が、予め設定した耐熱温度を超えたか否かを判定する。制動指示子作動判定手段20Ccは、ブレーキペダル1が踏み込まれているか否かを判定する。
【0021】
次に、制動制御本体手段20Bの処理について図3を参照して説明する。
イグニッションがオンとなると処理を開始する。このとき初期処理として、制御ループカウンタNをゼロクリアする。また保持継続フラグHLD−FLGをOFFとする。なお、制動制御本体手段20Bは、イグニッションがOFFとなると処理が終了する。
まずステップS100では、自動制動制御手段20Aからの信号に基づき自動制動開始の有無を判定する。自動制動開始と判定した場合にはステップS110に移行する。自動制動開始と判定した場合には、自動制動開始と判定するまで上記ステップS110の処理を一定の周期で繰り返す。
【0022】
ステップS110では、制動切替弁5,6に閉指令を供給し、連通弁17に開指令を供給する状態として、ステップS120に移行する。
ステップS120では上記自動制動制御手段20Aを起動する。自動制動制御手段20Aが終了して復帰するとステップS130に移行する。自動制動制御手段20Aでは、減圧指令値に基づき、ブレーキ液圧の制御処理を実施する。
ステップS130では、次回の減圧指令を判定するため、制御ループカウンタをカウントアップ(N←N+1)を行う。
【0023】
続いてステップS140では、自動制動制御手段20Aからの信号に基づき自動制動開始の有無を判定する。自動制動開始と判定した場合にはステップS150に移行する。自動制動開始でないと判定した場合にはステップS200に移行する。
ステップS150では、制動切替弁5,6が開状態か否か(閉のための通電中か否か)を判定する。制動切替弁5,6が開状態の場合にはステップS160に移行し、制御開始弁が閉状態の場合にはステップS170に移行する。
【0024】
ステップS160では、制動切替弁5,6に閉指令を供給し、連通弁17に開指令を供給する状態として、ステップS170に移行する。
ステップS170では、上記自動制動制御手段20Aを起動する。自動制動制御手段20Aが終了して復帰するとステップS130に移行する。
一方、ステップS140にて、自動制動開始で無いと判定してステップS200に移行すると、保持継続フラグHLD−FLGがONか否かを判定する。保持継続フラグHLD−FLGがOFFの場合にはステップS210に移行する。一方、保持継続フラグHLD−FLGがONの場合にはステップS220に移行する。
【0025】
ステップS210では、制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドへの通電を止める。すなわち、制動切替弁5,6を開状態とすると共に、連通弁17を閉状態とする。そしてステップS140に移行する。
ステップS220では、制動切替弁5,6に閉指令を供給し、連通弁17に開指令を供給する状態(ソレノイドへの通電状態)を保持して、ステップS140に移行する。
【0026】
弁保持継続判定手段20Cの処理を、図4を参照して説明する。
弁保持継続判定手段20Cは、予め設定したサンプリング周期毎に作動する。
まずステップS300にて、制動切替弁5,6若しくは連通弁17の温度が、予め設定した耐熱温度を越えたか否かを判定する。耐熱温度は、例えば弁の仕様や実験などに基づき、バルブ耐性の関係から設定する。制動切替弁5,6若しくは連通弁17の温度が、予め設定した耐熱温度を越えたと判定した場合にはステップS400に移行する。制動切替弁5,6若しくは連通弁17の温度が、予め設定した耐熱温度以下の場合には、ステップS310に移行する。制動切替弁5,6若しくは連通弁17の温度は、直接計測しても良いし、油温や弁の作動時間等に基づき温度を推定しても良い。
【0027】
ステップS310では、運転者によるブレーキ操作がオーバーライドしているかどうかを判定する。ドライバーブレーキオーバーライド時は、ペダルフィールが悪くならないようにステップS400に移行する。ブレーキペダル1が踏み込まれたと推定するとオーバーライバと判定する。オーバーライドの判定は、ブレーキセンサ25の検出とブレーキオーバーライド判定手段の判定のOR判定によって判定する。
【0028】
ステップS320では、車体速が予め設定した設定車速Vlimitを超えている場合には、ステップS400に移行する。一方、車体速が設定車速Vlimit以下の場合にはステップS330に移行する。設定車速Vlimitは、上記制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生していると推定可能な車速の下限値、つまり外部音騒音によりバルブ作動音が気にならないと推定可能な車速の下限値である。例えば設定車速Vlimitを83km/hに設定する。
【0029】
ステップS330では、操舵角の舵角値が予め設定した設定舵角値STRGlimitを超えている場合には、ステップS400に移行する。一方、舵角値が設定舵角値STRGlimit以下の場合にはステップS340に移行する。設定舵角値STRGlimitは、車両の走行車線の変更の意図を想定可能な舵角値の下限値とする。設定舵角値STRGlimitは例えば90度とする。舵角値の代わりにウインカーの作動の有無によって車両の走行車線の変更中と判定しても良い。車両の走行車線の変更中の状態では、ドライバー操作、外部音騒音(ウインカー音)によりバルブ作動音が気にならないと推定出来る。
【0030】
ステップS340では、車両の駆動源が、上記制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生していると推定可能な作動音を発生している状態と判定した場合には、ステップS400に移行する。そうでない場合にはステップS350に移行する。
駆動源がエンジンの場合には、上記制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生していると推定可能な作動音を発生している状態とか否かの判定は、エンジン回転数が予め設定した設定回転数ENGlimitを超えたか否かで判定する。設定回転数ENGlimitは、制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生していると推定可能な作動音を発生と推定されるエンジン回転数の下限値である。設定回転数ENGlimitとしては、例えば2500rpmを設定する。駆動源がモータ12の場合にあっては、そのモータ12の回転数で規定すればよい。
【0031】
ステップS350では、その他、外部暗騒音、運転者の車両操作などによって発生する音でバルブ作動音がマスキングされる領域つまり、その他の弁保持解除条件を満足しているか否か判定する。弁保持解除条件を満足している場合には、ステップS400に移行する。一方、弁保持解除条件を満足していない場合にはステップS410に移行する。
表1に、上の条件を含む、ステップS350で判定対象とする弁保持解除条件(マスキング条件)を例示する。
なお、上記全ての判定を実施する必要はない。又、運転席の実際の音を集音してマスキングとなるだけの音が発生しているか否かを判定しても良い。
【0032】
【表1】

【0033】
ステップS400では、保持継続フラグHLD−FLGをOFFに設定して、復帰する。
ステップS410では、保持継続フラグHLD−FLGをONに設定して、復帰する。
次に、ブレーキオーバーライド判定手段20Dについて図5を参照して説明する。
ブレーキオーバーライド判定手段20Dは、予め設定したサンプリング周期毎に作動する。
そして、まずステップS500にて、圧力センサが検出したスタシリンダ圧及びホイールシリンダ圧Pwを取得し、そのマスタシリンダ圧Pmとホイールシリンダ圧の差圧ΔPを算出する。
【0034】
次にステップS510では、差圧ΔPの勾配である差分勾配S(=ΔP/t)を算出してステップS520に移行する。差分勾配は、例えば直近の数周期分の差圧ΔPを使用して演算すればよい。
ステップS520では、図5に記載のようなマップに基づき上記差分勾配Sからゲインmc_gainを演算する。そして、下記式によって液圧上昇率を加味した補正後のマスタシリンダ圧mc−P2を演算する。
m = mc_gain × Pm
【0035】
続いて、ステップS530では、補正後のマスタシリンダ圧Pmとホイールシリンダ圧Pwとを比較して、補正後のマスタシリンダ圧Pmがホイールシリンダ圧Pw以上であれば、ブレーキオーバードライブと判定して、ステップS540に移行する。そうでなければステップS550に移行する。ブレーキオーバードライブとは、運転者によってブレーキペダル1が踏み込まれたことを示す。
ステップS550では、オーバードライブフラグBOV−FLGをONにして復帰する。
ステップS560では、オーバードライブフラグBOV−FLGをOFFにして復帰する。
【0036】
(動作・作用)
自動制動条件を満足すると、制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドに通電を行い、制動切替弁5,6を閉状態とし、且つ連通弁17を開状態とする。そして、自動制動を実施して各輪のホイールシリンダW/Cの液圧Pwを目標制動液圧に制御する。
続いて自動制動の終了条件を満足すると自動制動制御を終了する。このとき、本実施形態では自動制動制御が終了しても、弁保持解除条件を満足するまでは、制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドに通電を行い、制動切替弁5,6を閉状態に保持した状態を継続すると共に連通弁17を開状態に保持した状態を継続する。
【0037】
この制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドを通電に保持、つまり制動切替弁5,6が閉状態であり且つ連通弁17が開状態を継続しているときに、自動制動条件を満足すると、自動制動手段が作動して自動制動状態となる。このとき、制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドを通電して弁の切替が不要であるので、その分、自動制動状態への移行の際の液圧応答性が良い。又このことは、制動切替弁5,6及び連通弁17の切替動作が低減して、弁の作動音頻度の低減に繋がる。更に、制御バルブ作動頻度低減によるバルブ接触部(バルブ面、シート面)の耐久向上にも繋がる。
【0038】
図6に本実施形態のタイムチャート例を示す。また図7に比較のタイムチャート例を示す。比較のタイムチャート例は、自動制動制御が終了する毎に制動切替弁等を初期状態に戻す場合である。
図7の比較例では、自動制動制御への移行時に流体圧の立上り開始に遅れが生じる。これに対し、図6に示すように、本実施形態では、この流体圧の立上り開始の遅れを低減することが出来ることが分かる。
一方、制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドを長時間通電状態としておくことは、弁の耐久性上からは好ましくない。このため、弁保持解除条件を満足した場合には、制動切替弁5,6及び連通弁17のソレノイドの通電を停止して、非通電状態に復帰させる。このとき、一定以上のマスキング音が発生している状態で解除することで、制動切替弁5,6及び連通弁17の切替動作時の弁作動音が、運転者に気づき難くなる。
【0039】
また、制動切替弁5,6が閉じている状態では、ブレーキペダル1が硬くなっていてストロークし難い状態となっている。このため、ブレーキセンサ25でブレーキペダル1の踏込みが検出出来ない恐れがある。これに対し本実施形態では、液圧に基づきブレーキオーバーライド判定手段20Dが判定することで、制動切替弁5,6が閉じている状態でもブレーキペダル1の踏込みを検出可能となる。
ここで、上記実施形態では、制動切替弁5を制動減圧弁としても使用している関係から、自動制動制御時において、制動切替弁5が完全に閉となっていない状態も考えられるが、制御指令によって制動切替弁5が通電状態となっている。すなわち、本実施形態では、制動切替弁5が通電状態となっている場合を閉状態とする。
【0040】
ここで、ブレーキペダル1は制動操作子を構成する。第1連通路3及び第2連通路4はブレーキ配管を構成する。ステップS200〜220は、制動切替弁閉制御手段20Baである。ステップS320〜ステップS350はマスキング検出手段20Caである。ステップS300は温度推定手段20Cbである。ステップS310は制動指示子作動判定手段20Ccである。弁保持継続判定手段20Cは弁保持解除条件設定手段である。制御弁やモータ、油圧ポンプは液圧生成手段を構成する。制動指示子作動判定手段20Ccは、制動要求検出手段を構成する。ステップS510は差分勾配検出手段を構成する。
【0041】
(本実施形態の効果)
(1)弁保持解除条件設定手段は、車両の状態あるいは運転者の車両操作に応じて上記制動切替弁5,6を開状態に保持解除する。制動切替弁閉制御手段20Baは、自動制動制御手段20Aが上記ホイールシリンダの液圧を制御中は上記制動切替弁5,6を閉状態に保持し、上記自動制動制御手段20Aが制御停止かつ上記弁保持解除条件設定手段が設定した弁保持解除条件を満足すると上記制動切替弁を開状態に保持解除する。
自動制動制御状態が終了しても弁保持解除条件を満足するまで上記制動切替弁5,6の閉状態を継続する。この結果、次に自動制動制御を行う制動条件を満足したとき、制動切替弁5,6の切替動作が不要となる可能性が増大する分、自動減速制御への移行時の応答遅れを低減可能となる。また、制動切替弁5,6の開閉の切替動作が減る分、弁切替による作動音の発生頻度を低減可能となる。
【0042】
(2)上記弁保持解除条件設定手段は、車両の状態である上記制動切替弁の温度に基づき設定し、解除条件は、予め設定した温度閾値を越えたときである。
これによって、自動減速制御への移行時の応答遅れを低減しつつ、制動切替弁5,6に熱による耐力劣化を抑えることが出来る。
(3)マスキング検出手段は、運転者に対し上記制動切替弁の作動音をマスキング可能な音が発生している状態であるマスキング状態か否かを検出する。上記弁保持解除条件は、マスキング検出手段がマスキング状態を検出しているときである。
マスキング状態のときに制動切替弁5,6を閉から開に切り替えることで、制動切替弁5,6の切替動作時の作動音を運転者が気づき難くなる。
【0043】
(4)上記マスキング検出手段は、車両の状態である車速やエンジン回転数やアクセル開度やステアリング操舵角の少なくとも1つに基づき設定し、上記各パラメータの予め設定した閾値のいずれかの1つを越えたときである。
車両状態によって発生する作動音は、各車両状態によって予め推定することが出来る。従って、上記マスキング状態か否かを推定することが出来る。
例えば、車体速がマスキング車速(設定車速Vlimit)を越えている場合には、外部音騒音によって弁の作動音が気にならない。このためマスキング状態と推定出来る。なお、この外部音騒音は、運転者のアクセルペダルの操作によっても発生する。又、駆動力制御が作動している場合には、その駆動力制御によって発生する場合もある。
【0044】
また例えば、車両の走行車線の変更の処理中の場合には、ステアリングホイール操作やウインカー音等の外部音騒音によって弁の作動音が気にならない。このためマスキング状態と推定出来る。
また例えば、車両の駆動源が、上記制動切替弁5,6の作動音をマスキング可能な音が発生していると推定可能な作動音を発生している状態と判定すると、マスキング状態と推定出来る。例えば駆動源がエンジンやモータ12の場合には、出力軸の回転数が設定回転数を超えた場合にマスキング状態と推定する。設定回転数は、使用する駆動源に応じて、仕様や実験などによって設定すればよい。
【0045】
(5)上記マスキング検出手段は、運転者の車両操作であるエアコン作動やオーディオ作動やナビゲーション作動や窓作動やドアミラー作動やワイパー作動やドア開閉作動の少なくとも1つに基づき、上記運転者の車両操作のいずれかの1つの作動が予め設定したマスキング状態であることを検出する。
運転者の車両操作によって発生する作動音は、車両操作の種別によって予め推定することが出来る。従って、上記マスキング状態か否かを推定することが出来る。
【0046】
(6)上記弁保持解除条件設定手段は、運転者が制動指示のために制動操作子の操作による制動要求を検出する制動要求検出手段を有し、上記弁保持解除条件は、制動要求検出手段が制動要求を検出したときである。
これによって、運転者が制動操作を行う場合には、制動切替弁5,6が開に復帰して手動ブレーキが可能な状態となる。
(7)上記制動要求検出手段は、更にマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の差分の変化率である差分勾配を検出する差分勾配検出手段を有し、差分勾配検出手段が検出した差分勾配に基づき補正した後のマスタシリンダ圧と上記ホイールシリンダ圧とによって、制動操作子の操作を検出する。
本実施形態では、自動制御制御が終了した後も制動切替弁5,6が閉じていることで、制動操作子に作動がかたくなっている。しかしながら、上記判定によって、制動切替弁5,6が閉じた状態においても、制動操作子の操作を検出可能となる。
【0047】
(変形例)
(1)上記マスキング検出手段が、上記マスキング状態が設定時間以上継続すると判断した場合には、上記制動切替弁の閉保持状態から開状態への切替を遅延させても良い。
この遅延させる処理は、例えば自動制動制御終了からのカウンタN1を設け、ステップS210にて、カウンタN1が予め設定したカウンタ値となるまで開状態への切替を禁止することで実現する。
上記マスキング状態が一定以上継続すると推定可能な運転者の車両操作とは、エアコンの作動やオーディオの操作、ワイパの操作を例示出来る。
これによって、マスキング状態が長時間連続する場合であっても、切替頻度を抑えることが出来る。
【0048】
(2)上記制動切替弁閉制御手段は、上記自動制動制御手段がホイールシリンダの液圧を制御中から制御停止に移行してから、マスキング状態が継続するか否かを判定する継続判定時間が経過するまでは、上記制動切替弁の閉状態から開状態への切替を禁止しても良い。継続判定時間は例えば5秒〜15秒の間で設定する。
この処理は、例えば、自動制動制御終了からのカウンタN1を設け、ステップS210にてカウンタN1が継続判定時間に相当するカウンタ値となるまで、開状態への切替を禁止することで実現する。
これによって、自動制動制御手段20Aが作動状態から非作動に移行しても、直ぐに制動切替弁5,6の閉状態から開状態に切り替わることが回避される。
例えばマスキング状態が長時間連続する場合であっても、継続判定時間だけは制動切替弁5,6の閉状態から開状態への切替を禁止することで、弁の切替頻度を抑えることが出来る。
【0049】
(3)制動切替弁閉制御手段は、上記自動制動制御手段がホイールシリンダの液圧を制御中から制御停止に移行してから上記継続判定時間が経過するまでの間、継続してマスキング検出手段がマスキング状態を検出すると、継続判定時間終了後、さらに予め設定した時間が経過するまで、上記制動切替弁の閉状態から開状態への切替を禁止しても良い。
継続判定時間の間、マスキング状態が継続している場合には、その後のマスキング状態が継続すると推定出来るので、予め設定した時間継続するまで制動切替弁5,6の閉状態から開状態への切替を禁止することで、弁の切替頻度を抑えることが出来る。
(4)ここで流体圧回路は上記実施形態の構成に限定しない。上記第5連通路16を有しない形式の流体圧回路であっても適用可能である。マスタシリンダM/CとホイールシリンダW/Cとの間を、自動制動時に閉じる制動切替弁を備える流体圧回路であれば適用出来る。
【符号の説明】
【0050】
1 ブレーキペダル(制動操作子)
3 第1連通路
4 第2連通路
5,6 制動切替弁
7 流体圧制御回路
8 保持弁(液圧生成手段)
9 減圧弁(液圧生成手段)
10 第3連通路
12 モータ(液圧生成手段)
13 油圧ポンプ(液圧生成手段)
14 アキュムレータ
15 第4連通路
16 第5連通路
17 連通弁
18 増圧制御弁(液圧生成手段)
20 ブレーキコントローラ
20A 自動制動制御手段
20B 制動制御本体手段
20Ba 制動切替弁閉制御手段
20C 弁保持継続判定手段(弁保持解除条件設定手段)
20Ca マスキング検出手段
20Cb 温度推定手段
20Cc 制動指示子作動判定手段(制度要求検出手段)
20D ブレーキオーバーライド判定手段(差分勾配検出手段)
M/C マスタシリンダ
W/C ホイールシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が制動指示のために操作する制動操作子と、その制動操作子に連結し、制動操作子の操作によって内部に液圧を保持可能なマスタシリンダと、車輪に掛かる制動力を発生させるホイールシリンダと、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続し、マスタシリンダの内部に発生した液圧をホイールシリンダに伝達させるブレーキ配管と、そのブレーキ配管に介装されて、制動操作子の操作によって発生した液圧とは独立して別に設けられた液圧生成手段を有し、その液圧生成手段によって生成された液圧をホイールシリンダに伝達可能に設けられた流体圧制御回路と、上記ブレーキ配管における上記流体圧制御回路よりも液圧が伝達する上流位置に介装されてマスタシリンダからの液圧のホイールシリンダへの伝達を遮断可能な制動切替弁と、
車両の挙動に応じて制動操作子の操作とは異なる制動条件を満足すると上記液圧生成手段を作動して上記流体圧制御回路を介して上記ホイールシリンダの液圧を制御する自動制動制御手段と、
車両の状態あるいは運転者の車両操作に応じて上記制動切替弁を開状態に保持解除する弁保持解除条件設定手段と、
上記自動制動制御手段が上記ホイールシリンダの液圧を制御中は上記制動切替弁を閉状態に保持し、上記自動制動制御手段が制御停止かつ上記弁保持解除条件設定手段が設定した弁保持解除条件を満足すると上記制動切替弁を開状態に保持解除する制動切替弁閉制御手段と、
を備えることを特徴とする車両の制動装置。
【請求項2】
上記弁保持解除条件設定手段は、車両の状態である上記制動切替弁の温度に基づき設定し、解除条件は、予め設定した温度閾値を越えたときであることを特徴とする請求項1に記載した車両の制動装置。
【請求項3】
運転者に対し上記制動切替弁の作動音をマスキング可能な音が発生している状態であるマスキング状態か否かを検出するマスキング検出手段と、を備え、
上記弁保持解除条件は、マスキング検出手段がマスキング状態を検出しているときであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の制動装置。
【請求項4】
上記マスキング検出手段は、車両の状態である車速やエンジン回転数やアクセル開度やステアリング操舵角の少なくとも1つに基づき設定し、上記各パラメータの予め設定した閾値のいずれかの1つを越えたときであることを特徴とする請求項3に記載した車両の制動装置。
【請求項5】
上記マスキング検出手段は、運転者の車両操作であるエアコン作動やオーディオ作動やナビゲーション作動や窓作動やドアミラー作動やワイパー作動やドア開閉作動の少なくとも1つに基づき、上記運転者の車両操作のいずれかの1つの作動が予め設定したマスキング状態であることを検出することを特徴とする請求項3に記載した車両の制動装置。
【請求項6】
上記マスキング検出手段が、上記マスキング状態が設定時間以上継続すると判断した場合には、上記制動切替弁の閉保持状態から開状態への切替を遅延させることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載した車両の制動装置。
【請求項7】
上記制動切替弁閉制御手段は、上記自動制動制御手段がホイールシリンダの液圧を制御中から制御停止に移行してから、マスキング状態が継続するか否かを判定する継続判定時間が経過するまでは、上記制動切替弁の閉状態から開状態への切替を禁止することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の制動装置。
【請求項8】
制動切替弁閉制御手段は、上記自動制動制御手段がホイールシリンダの液圧を制御中から制御停止に移行してから上記継続判定時間が経過するまでの間、継続してマスキング検出手段がマスキング状態を検出すると、継続判定時間終了後、さらに予め設定した時間が経過するまで、上記制動切替弁の閉状態から開状態への切替を禁止することを特徴とする請求項7に記載した車両の制動装置。
【請求項9】
上記弁保持解除条件設定手段は、運転者が制動指示のために制動操作子の操作による制動要求を検出する制動要求検出手段を有し、上記弁保持解除条件は、制動要求検出手段が制動要求を検出したときであることを特徴とする請求項1に記載した車両の制動装置。
【請求項10】
上記制動要求検出手段は、更にマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の差分の変化率である差分勾配を検出する差分勾配検出手段を有し、差分勾配検出手段が検出した差分勾配に基づき補正した後のマスタシリンダ圧と上記ホイールシリンダ圧とによって、制動操作子の操作を検出することを特徴とする請求項9に記載した車両の制動装置。
【請求項11】
運転者が制動指示のために操作する制動操作子と、その制動操作子に連結し、制動操作子の操作によって内部に液圧を保持可能なマスタシリンダと、車輪に掛かる制動力を発生させるホイールシリンダと、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続し、マスタシリンダの内部に発生した液圧をホイールシリンダに伝達させるブレーキ配管と、そのブレーキ配管に介装されて、制動操作子の操作によって発生した液圧とは独立して別に設けられた液圧生成手段を有し、その液圧生成手段によって生成された液圧をホイールシリンダに伝達可能に設けられた流体圧制御回路と、上記ブレーキ配管における上記流体圧制御回路よりも液圧が伝達する上流位置に介装されてマスタシリンダからの液圧のホイールシリンダへの伝達を遮断可能な制動切替弁とを備え、車両の挙動に応じて制動操作子の操作とは異なる制動条件を満足すると、上記液圧生成手段を作動して、制動切替弁を開状態に保持し且つ上記流体圧制御回路を介して上記ホイールシリンダの液圧を制御する車両の制動制御方法であって、
上記液圧生成手段の作動が終了しても、車両の状態あるいは運転者の車両操作に応じた弁保持解除条件を満足するまで上記制動切替弁の閉状態を継続することを特徴とする車両の制動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−42194(P2011−42194A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190234(P2009−190234)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】