説明

車両の前部構造

【課題】通常時にはサブフレームをフロントサイドフレームにより確実に固定しながら、前突時にはサブフレームをより確実に脱落させること。
【解決手段】車両の前後方向に延び、上面部11c、側面部11d、側面部11dより車幅方向外方側に配される側面部11e、及び下面部11fによって形成された閉断面Sを有するフロントサイドフレーム11と、上面部11cから鉛直方向に延びて下面部11fを貫通するボルト41と下面部11fの鉛直方向下方からボルト41に螺合するナット部42とにより、フロントサイドフレーム10に締結固定されたサブフレーム30と、を備えた車両の前部構造100であって、フロントサイドフレーム11は、車両の前後方向に延び、側面部11d、11eにおける鉛直方向の中間部位が閉断面Sを狭める方向に絞られた絞り部11g、11hを有しており、ボルト41は、その腹部41bが絞り部11g、11hの内壁に結合されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に関する。特に、フロントサイドフレームにサブフレームを締結固定する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前突対策として、特許文献1には、車体前後方向に延びて後端が開放するスリットを形成したブラケットをフロントサイドフレームの下面に固定し、サブフレームの後部を支持するボルトをブラケットのスリットを貫通させて締結することにより、前突時にサブフレームをスリットの開放端から脱落させる技術が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、サブフレーム内に、ボルトが挿通可能な円筒状のカラーを設け、そのカラーの下端部に、その中心軸方向へ突出する突出部を設けることにより、前突時にサブフレームが受ける応力を突出部からボルトに集中的に伝達することにより、ボルトを破断させてサブフレームを脱落させる技術が提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、フロントサイドフレームの閉断面の長手方向中央に凹部を設けるように成形して稜線を増加させることにより、フロントサイドフレームの衝撃吸収量を向上する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平11−171046号公報
【特許文献2】特開2004−256052号公報
【特許文献3】特開2006−207726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示されている技術では、鉛直方向上方へ向けて延びるボルトに螺合するナット部が下面部に固定されたブラケットのスリットで支持されるため、フロントサイドフレームの下部でしかサブフレームを支持することができない。
【0006】
また、特許文献2で開示されている技術では、鉛直方向上方へ向けて延びるボルトが、鉛直方向を軸方向として下面部に固定されたカラーに締結固定されるものであるため、特許文献1と同様に、フロントサイドフレームの下部でしかサブフレームを支持することができない。なお、特許文献3には、サブフレームをフロントサイドフレームに固定する構造について開示されていない。
【0007】
従って、本発明の目的は、サブフレームが受けた荷重をフロントサイドフレームにより確実に伝達することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、車両の前後方向に延び、上面部、第1の側面部、前記第1の側面部より車幅方向外方側に配される第2の側面部、及び下面部によって形成された閉断面を有するフロントサイドフレームと、前記上面部から鉛直方向に延びて前記下面部を貫通するボルトと前記下面部の鉛直方向下方から前記ボルトに螺合するナット部とにより、前記フロントサイドフレームに締結固定されたサブフレームと、を備えた車両の前部構造であって、前記フロントサイドフレームは、前記車両の前後方向に延び、前記第1及び第2の側面部の内の少なくとも一方の側面部における鉛直方向の中間部位が前記閉断面を狭める方向に絞られた絞り部を有しており、前記ボルトは、その腹部が前記絞り部の内壁に結合されたことを特徴とする車両の前部構造が提供される。
【0009】
本発明によれば、前記ボルトの腹部が前記絞り部の内壁に結合されたため、前記サブフレームを前記フロントサイドフレームに確実に固定することができる。これにより、前記サブフレームが受けた荷重を前記フロントサイドフレームにより確実に伝達することができる。
【0010】
また、本発明においては、前記フロントサイドフレームは、前記上面部に設けられ、前記ボルトの頭部を係止可能な寸法であるスリットと、前記上面部において、前記スリットの前記車両の前後方向前方側に連続して設けられ、前記ボルトの頭部を係止不可能な寸法である孔部と、を有し、前記ボルトは、その頭部が前記スリットに係止されている構成としてもよい。この構成によれば、前記車両の前突時には、前記孔部に連続する前記スリットの開放端から前記孔部内に、前記サブフレームをより確実に脱落させることができる。
【0011】
また、本発明においては、前記ボルトは、その頭部が、該頭部の前記車両の前後方向後方側において、前記フロントサイドフレームの前記上面部に結合された構成であってもよい。本発明によれば、前記ボルトの頭部を前記上面部に結合したため、前記ボルトの頭部が通常時に前記スリットの開放端から脱落してしまうことを抑制することができる。一方、前記ボルトの頭部の前記車両の前後方向後方側を結合したため、前記車両の前突時には、その結合を容易に剥離して前記サブフレームを確実に脱落させることができる。
【0012】
また、本発明においては、前記フロントサイドフレームの前記上面部には、鉛直方向上方に突出する座面部が設けられており、前記スリットは、前記座面部上に設けられた構成であってもよい。本発明によれば、鉛直方向上方に突出する前記座面部を設けることにより、前記ボルトの頭部を支持する平面強度を向上させることができる。
【0013】
また、本発明においては、前記孔部は、前記座面部以外の前記上面部に設けられた構成であってもよい。この構成によれば、前記車両の前突時には、前記ボルトの頭部を前記孔部から確実に脱落させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サブフレームが受けた荷重をフロントサイドフレームにより確実に伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で以下の実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の前部構造100を示す斜視図である。また、図2は、車両の前部構造100の上面図であり、図3は、車両の前部構造100の下面図であり、図4は、図2のC−C線に沿った概略断面図である。
【0017】
車両の前部には、車両の前端部からダッシュパネル1までの間に、車両の前後方向に延びるフロントサイドフレーム11、12が車幅方向にずれて2つ配設される。
【0018】
フロントサイドフレーム11、12は、エンジン2aやトランスミッション2b等から構成されるエンジンユニット2をエンジンマウント21、22を介して支持する。このため、フロントサイドフレーム11、12には、高張力鋼板等を用いた高強度部材が用いられる。また、トランスミッション2bから動力が伝達され、左右の駆動輪の回転数差を制御するディファレンシャルギヤユニット3が、左右の駆動輪に連結されるドライブシャフト間に配設される。
【0019】
エンジンマウント21は、フロントサイドフレーム11にボルト21aによって固定され、エンジンユニット2のうち、エンジン2aの一部を支持する。また、エンジンマウント21は、サスタワー7の前方に接合されるフェンダーエプロン8にもボルト21aによって固定されている。一方、エンジンマウント22は、フロントサイドフレーム12にボルト22aによって固定され、エンジンユニット2のうち、トランスミッション2bの一部を支持する。エンジンマウント21、22は、ゴム等の弾性部材によって、エンジンユニット2から発生する振動が車体に直接伝達されることが防止されている。
【0020】
また、フロントサイドフレーム11、12の下方には、サスペンション4からの荷重を支持するサブフレーム30が配設される。サブフレーム30は、フロントサイドフレーム11、12に沿って、車両の前後方向に延びるフレーム部材31、32と、車幅方向に延び、フレーム部材31、32の前端部31a、32aを連結するフレーム部材33と、車幅方向に延び、フレーム部材31、32の後端部31b、32bを連結するフレーム部材34とによって、矩形状の枠体を構成している。
【0021】
フレーム部材31、32の前端部31a、32aは、不図示のボルト及びナット部によって、フロントサイドフレーム11、12に下方から脱落不可能に締結固定される。フレーム部材31、32の後端部31b、32bは、補強ブラケット31c、32cと共にフロアパネル9に締結固定される。
【0022】
フレーム部材31は、前端部31aと後端部31bとの中間部近傍(図1のD部参照)において、鉛直方向上方に延びて、フレーム部材31をフロントサイドフレーム11、12に取り付ける取付部31dを有する。取付部31dは、ボルト41及びナット部42によって、フロントサイドフレーム11に脱落可能に締結固定される。フレーム部材32についても、同様の構造により固定される。なお、フレーム部材31の取付部31dをフロントサイドフレーム11に脱落可能に締結固定する構造については後述する。
【0023】
また、サブフレーム30には、フレーム部材31、32に支持されたサスペンション4と、フレーム部材34に配設され、エンジン2aの一部を下方から支持するエンジンマウント23とが固定される。サスペンション4は、タイヤを確実に地面に接触させるスプリング4aと、スプリング4aの振動を減衰させるダンパ4bと、車輪の可動範囲を制限するアーム4cとを有する。また、サブフレーム30には、フレーム部材31、32の前端部31a、32aに固定され、車両の前部衝突時の衝撃を吸収するクラッシュカン5、5’と、クラッシュカン5、5’の間に車幅方向に架け渡されたクロスビーム6とが設けられる。
【0024】
クラッシュカン5、5’は、車両が低速で前突した際に、その衝撃が車体に及んで、車体が変形することを防止して、修理費用を低減させるために設けられる。一方、車両が中、高速で前突した際には、クラッシュカン5、5’でその衝撃を吸収するだけでなく、フロントサイドフレーム11、12が蛇腹状に潰れることによって、衝突時の衝撃を吸収する。このため、車両が高速になるにつれて、衝突時の衝撃が大きくなるため、フロントサイドフレーム11、12の潰れ代を大きく確保する必要がある。
【0025】
図5は、ブラケットBの配設状態を示す拡大斜視図であり、図6は、車両の前部構造100の構成を示す概略斜視図である。ここでは、フロントサイドフレーム11にフレーム部材31を固定する構造について説明するが、フロントサイドフレーム12にフレーム部材32を固定する構造についても同様に説明することができる。
【0026】
フロントサイドフレーム11は、図6で示すように、インナパネル11a及びアウタパネル11bの鉛直方向上方側の端部に形成された車両の前後方向に延びるフランジ部11i、11i’を互いに接合し、また、インナパネル11a及びアウタパネル11bの鉛直方向下方側の端部に形成された車両の前後方向に延びるフランジ部11j、11j’を互いに接合することにより、閉断面Sを形成している。
【0027】
閉断面Sは、上面部11cと、側面部11dと、側面部11dに対面し、側面部11dより車幅方向外方側に配される側面部11eと、上面部11cに対面し、上面部11cより上下方向下方側に配される下面部11fとによって形成される。閉断面Sは、車両の前後方向に延びている。
【0028】
インナパネル11aは、車幅方向外方に開放部分を有する断面略コの字状であり、フロントサイドフレーム11の上面部11c、側面部11d、及び下面部11fを形成する。一方、アウタパネル11bは、インナパネル11aの開放部分を閉塞するようにインナパネル11aに溶接等で接合され、フロントサイドフレーム11の側面部11eを形成する。
【0029】
サブフレーム30のフレーム部材31は、フロントサイドフレーム11の上面部11cから鉛直方向に延びて、フロントサイドフレーム11の下面部11fを貫通するボルト41と、フロントサイドフレーム11の下面部11fの鉛直方向下方からボルト41に螺合するナット部42とにより、フロントサイドフレーム11に締結固定される。
【0030】
フロントサイドフレーム11は、車両の前後方向に延び、側面部11dにおける鉛直方向の中間部位が閉断面Sを狭める方向に絞られた絞り部11gを有する。同様に、フロントサイドフレーム11は、車両の前後方向に延び、側面部11eにおける鉛直方向の中間部位が閉断面Sを狭める方向に絞られた絞り部11hを有する。絞り部11g、11hは、閉断面S側から見て膨出する形状であり、車両の前後方向に延びる稜線を形成している。
【0031】
また、絞り部11g、11hは、フロントサイドフレーム11のインナパネル11a及びアウタパネル11bをプレス成形する際に同時に加工される形状であるため、加工硬化によって、側面部11d、11eの板剛性を向上させることができる。これにより、図5で示すようなブラケットBを設けた場合と同程度に、フロントサイドフレーム11の強度を向上させることができる。
【0032】
ここで、図5で示すように、ブラケットBを設けた場合には、ブラケットBの幅Lの距離の間において、フロントサイドフレーム11の強度が高まることになるため、フロントサイドフレーム11の強度分布が急激に変化することになる。従って、フロントサイドフレーム11が蛇腹状に潰れずに屈曲して、前突時の衝撃を吸収しきれない可能性がある。
【0033】
一方、本実施形態によれば、ブラケットBを用いないでサブフレーム30をフロントサイドフレーム11に固定することができる。このため、フロントサイドフレーム11を蛇腹状に潰れて、前突時の衝撃を効果的に吸収することができる。また、部品数の削減により、車体の軽量化及び組立工数の削減を図ることができる。さらに、ブラケットBに設けられるネジ孔の位置やフランジの角度等の精度管理が必要なくなるため、生産性を向上させることができる。
【0034】
一方、絞り部11g、11hの前端部11k及び後端部11l(図4参照)の形状を緩やかにすることで、フロントサイドフレーム11の強度分布の変化を緩やかにすることができる。これにより、フロントサイドフレーム11が屈曲することなく前方から蛇腹状に潰れさせることが可能となる。
【0035】
次に、サブフレーム30をフロントサイドフレーム11に脱落可能に固定するための構造について説明する。
【0036】
フロントサイドフレーム11は、上面部11cに設けられ、上面部11cから鉛直方向上方に突出する座面部11mと、上面部11cの座面部11m上に設けられ、ボルト41の頭部41aを係止可能な寸法であるスリット11nと、座面部11m以外の上面部11c上であって、かつ、スリット11nの車両の前後方向前方側に連続して設けられ、ボルト41の頭部41aを係止不可能な寸法である孔部11pと、を有する。
【0037】
スリット11nは、車両の前後方向前方において、孔部11pに連続する開放端11n’を有する。また、孔部11pは、例えば、ボルト41の頭部41aが通過可能な径を有する半円状の孔であり、座面部11mを切り欠いて形成される。
【0038】
ボルト41は、その頭部41aが車両の前後方向後方側において、フロントサイドフレーム11の上面部11cの座面部11mに溶接固定され、その腹部41bが、絞り部11g、11hの内壁に溶接固定される。従って、ボルト41の頭部41aを座面部11mに溶接固定するだけでなく、ボルト41の腹部41bを絞り部11g、11hに溶接固定するため、通常時にボルト41が緩んでサブフレーム30が脱落することをより確実に抑制することができ、また、サブフレーム30が受ける荷重をフロントサイドフレーム11に確実に伝達することができる。
【0039】
図7は、車両の前部構造100の動作手順を示す断面図である。ボルト41は、その頭部41aが、通常時には、スリット11nに係止されているため、サブフレーム30は、フロントサイドフレーム11に支持されている。
【0040】
サブフレーム30は、車両が前突した場合には、車両の前後方向後方に衝撃を受けて移動する。すなわち、サブフレーム30の取付部31dも車両の前後方向後方(矢印Z方向)に移動することになる。一方、フロントサイドフレーム11は、車両が前突した際に車両の前後方向前方から潰して衝撃を吸収するものであるため、車両の前後方向後方には移動しない。つまり、サブフレーム30とフロントサイドフレーム11との間で、衝突の前後において、車両の前後方向に位置のズレが生じることになる。このため、車両の前突時には、ボルト41は、溶接点Xを中心にして矢印Y方向に回転し、孔部11pを通過して閉断面S内に脱落することになる。これにより、サブフレーム30は、車両が前突した際には、スリット11nでの係止状態が解除され、スリット11nの開放端11n’から孔部11p内に脱落することとなる。
【0041】
以上述べた通り、本実施形態によれば、通常時にはサブフレーム30をフロントサイドフレーム11により確実に固定しながら、前突時にはサブフレーム30をより確実に脱落させることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、フロントサイドフレーム11、12は、車両の前後方向に延び、側面部11d、11eにおける鉛直方向の中間部位が閉断面Sを狭める方向に絞られた絞り部11g、11hを有する構成としたが、サブフレーム30を支持するために必要な強度に応じて設定すればよいため、側面部11d、11eのいずれか一方に絞り部を有する構成であってもよい。
【0043】
また、絞り部11g、11hは、本実施形態では、サブフレーム30の締結部近傍のみに形成されるものとしたが、フロントサイドフレーム11、12の前後方向全域にわたって形成されていてもよい。この場合には、サブフレーム30だけでなく、エンジンマウント21、22等をフロントサイドフレーム11、12に締結する場合にも同様の効果を得ることができる。また、絞り部11g、11hをフロントサイドフレーム11、12の前後方向全域にわたって設けることによって、より広い範囲で稜線部が延在することになる。このため、フロントサイドフレーム11、12の前後方向の圧縮エネルギを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の前部構造100を示す斜視図である。
【図2】車両の前部構造100を示す上面図である。
【図3】車両の前部構造100を示す下面図である。
【図4】図2のC−C線に沿った概略断面図である。
【図5】ブラケットBの配設状態を示す拡大斜視図である。
【図6】車両の前部構造100の構成を示す概略斜視図である。
【図7】車両の前部構造100の動作手順を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0045】
B ブラケット
S 閉断面
11、12 フロントサイドフレーム
11a インナパネル
11b アウタパネル
11c 上面部
11d、11e 側面部
11f 下面部
11g、11h 絞り部
11n スリット
11n’ スリットの開放端
11p 孔部
21、22、23 エンジンマウント
30 サブフレーム
41 ボルト
41a ボルトの頭部
41b ボルトの腹部
42 ナット部
100 車両の前部構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前後方向に延び、上面部、第1の側面部、前記第1の側面部より車幅方向外方側に配される第2の側面部、及び下面部によって形成された閉断面を有するフロントサイドフレームと、
前記上面部から鉛直方向に延びて前記下面部を貫通するボルトと前記下面部の鉛直方向下方から前記ボルトに螺合するナット部とにより、前記フロントサイドフレームに締結固定されたサブフレームと、
を備えた車両の前部構造であって、
前記フロントサイドフレームは、前記車両の前後方向に延び、前記第1及び第2の側面部の内の少なくとも一方の側面部における鉛直方向の中間部位が前記閉断面を狭める方向に絞られた絞り部を有しており、
前記ボルトは、その腹部が前記絞り部の内壁に結合されたことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項2】
前記フロントサイドフレームは、
前記上面部に設けられ、前記ボルトの頭部を係止可能な寸法であるスリットと、
前記上面部において、前記スリットの前記車両の前後方向前方側に連続して設けられ、前記ボルトの頭部を係止不可能な寸法である孔部と、を有し、
前記ボルトは、その頭部が前記スリットに係止されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の前部構造。
【請求項3】
前記ボルトは、その頭部が、該頭部の前記車両の前後方向後方側において、前記フロントサイドフレームの前記上面部に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部構造。
【請求項4】
前記フロントサイドフレームの前記上面部には、鉛直方向上方に突出する座面部が設けられており、
前記スリットが前記座面部上に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の前部構造。
【請求項5】
前記孔部は、前記座面部以外の前記上面部に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の車両の前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−179245(P2009−179245A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21596(P2008−21596)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】