車両の後部車体構造
【課題】 サイドシルの剛性の高い閉断面形状をホイールハウスに補強構造を分断することなく連結することができ、ホイールハウスの強度・剛性を向上させることができるような車両の後部車体構造を提供する。
【解決手段】 少なくともサイドシル6の後端でホイールハウス1との連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメント8によって閉断面形状部Sを形成して、サイドシル6を2重の閉断面構造にすると共に、サイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部Sの後端開口部分にホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3との重ね合わせ部11を配置する。
【解決手段】 少なくともサイドシル6の後端でホイールハウス1との連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメント8によって閉断面形状部Sを形成して、サイドシル6を2重の閉断面構造にすると共に、サイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部Sの後端開口部分にホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3との重ね合わせ部11を配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後部車体構造に関し、さらに詳しくは、車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシルの後端に、ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとによって形成したホイールハウス(リヤホイールハウス)を接続するようにした車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リヤホイールハウスの内方前側の車体構造は、足回りからの振動や衝突時の応力、走行時の捻り応力などの観点から車体の剛性・強度に関して極めて重要な部位である。そのため、車体の開発初期段階より各種のシミュレーションを使って最適な車体構造にしているものの、実車でのテストとの整合性がとれない場合もあるのが実状である。
【0003】
その不確定要素として下記の事項が挙げられる。
【0004】
図9に示すように、リヤホイールハウス20はホイールハウスアウタパネル21とホイールハウスインナパネル22とを接合することによって形成されており、このリヤホイールハウス20とサイドシル23との連結部におけるパネル合わせは、図10及び図11に示すような断面構造となっている。図10は、リヤホイールハウス20の下側箇所における断面形状を示しており、サイドボディーアウタパネル24に溶接結合されたホイールハウスアウタパネル21が、閉断面形状のサイドシル23の内部に配置された断面ハット形状のリーンフォースメント25のエクステンション部25aに溶接結合されている。そして、上述のリーンフォースメント25とサイドシルインナパネルとの間にホイールハウスインナパネル22(補強部材)が溶接結合されている。また、図11は、リヤホイールハウス20の上側部分箇所における断面形状を示しており、ホイールハウスアウタパネル21の接合片21aとホイールハウスインナパネル22の接合片22aとが溶接結合されている。なお、図10及び図11に示す各断面におけるパネル合わせ構造は、車両生産上(溶接条件上)の都合に依存するものであり、このパネル合わせ部分27には剥離方向に応力が加わる構造であるため、剛性・強度に対しては不利な構造になっている。その対策として、図9及び図11に示す如く、剛性・強度が弱い部分のみに補強用の平板28,29を当てがって補強するようにしている。そのため、剛性・強度の点で不具合がある箇所が見つかる度に補強用の平板を追加し、その結果としてつぎはぎだらけの外観となって見栄えが悪くなり、しかもコスト高になっているのが実状である。
【0005】
また、サイドシル23の内部には、既述の断面ハット形状のリーンフォースメント25が配設されており、強度上の観点からは、リヤホイールハウス前側(ホイールハウスアウタパネル21の曲面)まで、直接、一定断面を通して、リヤホイールハウス前側の近くにあるリヤサスペンション取付用ブラケット30(図9及び図10参照)を補強する部材としてのホイールハウスインナパネル22とも溶接結合させることにより、その箇所の全体の車体剛性を上げるのが望ましい。しかしながら、溶接組付上、ホイールハウスインナパネル22の合わせフランジ22aは図9及び図12に示すように車両後側を向いており、ホイールハウスアウタパネル21の合わせフランジ21aとは真逆であるため、これらの部材を互いに溶接結合するためにはリーンフォースメント25のハット形状の断面をつぶして(平面状に成形して)、ホイールハウスアウタパネル21及びホイールハウスインナパネル22の合わせフランジ22aへと繋げる構造にするしかなかった(図9,図10及び図12参照)。そのため、サイドシル23の後側部分の断面強度が低下してしまっているのが実状である。
【特許文献1】実開平3−53383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の如き不具合を解消するためになされたものであって、その目的は、サイドシルの剛性の高い閉断面形状をホイールハウスに補強構造を分断することなく連結することができ、ホイールハウスの強度・剛性を向上させることができるような車両の後部車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明では、車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシルの後端に、ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとによって形成したホイールハウスを接続するようにした車両の後部車体構造において、少なくとも前記サイドシルの後端で前記ホイールハウスとの連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメントによって閉断面形状部を形成して、前記サイドシルを2重の閉断面構造にすると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分にホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの重ね合わせ部を配置するようにしている。
また本発明では、前記サイドシルリーンフォースメントをアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントにて構成し、前記ホイールハウスアウタパネルと前記アウタリーンフォースメントとを互いに溶接結合すると共に、前記ホイールハウスインナパネルと前記インナリーンフォースメントとを互いに溶接結合するようにしている。
また、本発明では、前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルを、前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの一方の部材に溶接結合すると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を横断する横断部を設けて前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの他方の部材に溶接結合するようにしている。
また、本発明では、前記横断部に対して屈曲されかつ前記サイドシルリーンフォースメントに沿って車両前方側に延びる前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルの屈曲片部を前記他方の部材に溶接結合すると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、横断部を有しないホイールハウス構成部材に溶接結合するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、少なくともサイドシルの後端でホイールハウスとの連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメントによって閉断面形状部を形成して、サイドシルを2重の閉断面構造にすると共に、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分にホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの重ね合わせ部を配置するようにしたものであるから、サイドシルの剛性の高い閉断面構造をホイールハウスに連結することができると共に、剛性の高いホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルの重ね合わせ部を上述の閉断面形状部に連続させることができ、これによりホイールハウスの強度・剛性を向上させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、サイドシルリーンフォースメントをアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントにて構成し、ホイールハウスアウタパネルとアウタリーンフォースメントとを互いに溶接結合すると共に、ホイールハウスインナパネルとインナリーンフォースメントとを互いに溶接結合するようにしたものであるから、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分に重ね合わせ部を配置したことに加えて、閉断面形状部を構成するサイドシルアウタリーンフォースメント及びサイドシルインナリーンフォースメントのそれぞれにホイールハウスアウタパネル及びホイールハウスインナパネルが溶接結合されるので、途切れることなく力を十分に伝達することができ、剛性の向上を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、ホイールハウスアウタパネル又はホイールハウスインナパネルを、アウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントのうちの一方の部材に溶接結合すると共に、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を横断する横断部を設けてアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントのうちの他方の部材に溶接結合するようにしたものであるから、ホイールハウスアウタパネル又はホイールハウスインナパネルの単一の部品によって、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を塞ぎ、バルクヘッドとして働くので、閉断面形状部の端部強度を向上させることができると共に、力を効率良く伝達することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明は、横断部に対して屈曲されかつサイドシルリーンフォースメントに沿って車両前方側に延びるホイールハウスアウタパネル又はホイールハウスインナパネルの屈曲片部を他方の部材に溶接結合すると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、横断部を有しないホイールハウス構成部材に溶接結合するようにしたものであるから、ホイールハウスアウタパネルと、ホイールハウスインナパネルと、サイドシルリーンフォースメントを構成する部材との3部品が相互に接合されることとなるので、結合剛性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造について図1〜図8を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造を備えた自動車40を示すものであって、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とを接合することによって形成されたリヤホイールハウス1が、サイドボディーアウタパネル4とサイドシルインナパネル5とによって形成されて車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシル6の後端に接続されている(図1及び図2参照)。
【0014】
リヤホイールハウス1との連結部7となるサイドシル6の後端の内部には、図3及び図5に示すように、サイドシルリーンフォースメント8が配設されており、このサイドシルリーンフォースメント8によって閉断面形状部Sが形成されてサイドシル6の後端が2重の閉断面構造となされている。本実施形態においては、サイドシルリーンフォースメント8は、図4及び図5に示す如く断面ハット形状に屈曲成形されたアウタリーンフォースメント9と、このアウタリーンフォースメント9の車両中央側に溶接結合されたインナリーンフォースメント10とで構成されており、図3に示すように、サイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部(アウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10とによって形成された閉断面形状部)Sの後端開口部分にホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3との重ね合わせ部(溶接結合部)11が配置されている。
【0015】
また、図3に示すように、ホイールハウスアウタパネル2とアウタリーンフォースメント9とが互いに溶接結合されると共に、ホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10とが互いに溶接結合されている。さらに具体的に述べると、ホイールハウスアウタパネル2は、その車幅方向の中間部がアウタリーンフォースメント9に溶接結合されており、車幅方向の外側端部がサイドボディーアウタパネル4に溶接結合されると共に、車幅方向の内側部分がインナリーンフォースメント10に溶接結合されている。また、ホイールハウスインナパネル3は、車両後方側に向けてかつ車両中央側に向けて延出され、車幅方向の外側部分がインナリーンフォースメント10に溶接結合されると共に、車幅方向の内側部分がサイドシルインナパネル5とリヤサスペンション取付用ブラケット12との接合部に溶接結合されている。ホイールハウスインナパネル3についてさらに詳細に述べると、その延出部3bに取付ボルト挿通孔13が形成され(図2及び図5参照)、リヤサスペンションの取付用ブラケット12の車両外側の支持部P(図3参照)に重ねられて結合されている。
【0016】
また、上述のホイールハウスアウタパネル2は、サイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部Sの後端開口部分をほぼ車幅方向に沿って横断する横断部14を有している。すなわち、ホイールハウスアウタパネル2のうちアウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10との間の部分が横断部14としてこれらのリーンフォースメント9,10間に掛け渡された状態で配設され、これにより、これらのリーンフォースメント9,10の後端部が互いに連結された状態となっている。そして、この横断部14に対して屈曲されたホイールハウスアウタパネル2の屈曲片部2aが、インナリーンフォースメント10に溶接結合されている。
【0017】
かくして、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10との重ね合わせ部M(図3参照)においては、横断部14に対して屈曲されかつアウタリーンフォースメント10に沿って車両前方側に延びるホイールハウスアウタパネル2の屈曲片部2aがアウタリーンフォースメント10に溶接結合されると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、アウタリーンフォースメント10が横断部を有しないホイールハウス構成部材であるホイールハウスインナパネル3に溶接結合されている。さらに、この重ね合わせ部Mにおいては、ホイールハウスインナパネル3の車幅方向の内側端部がホイールハウスアウタパネル2の横断部14に重ね合わされて溶接結合されている。従って、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とが車両前後方向で重ね合わせされた状態となされ、この重ね合わせ部11がサイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部Sの後端開口部分に配置されている。
【0018】
なお、ホイールハウスアウタパネル2の裏面へのアウタリーンフォースメント9の溶接結合は、アウタリーンフォースメント9の後端部に形成されたフランジ9aにおけるスポット溶接W1(図6及び図8参照)にて行なわれ、アウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10との溶接結合は、アウタリーンフォースメント9のフランジ9b,9cにおけるスポット溶接W2(図6及び図7参照)にて行なわれている。また、ホイールハウスアウタパネル2とインナリーンフォースメント10との溶接結合は、スポット溶接W3(図7参照)にて行なわれ、ホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10との溶接結合は、スポット溶接W4(図8参照)にて行なわれている。また、アウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10とホイールハウスアウタパネル2との3部材の溶接結合は、スポット溶接W5(図7参照)にて行なわれ、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とアウタリーンフォースメント9との3部材の溶接結合は、スポット溶接W6(図8参照)にて行なわれている。
【0019】
このような構成の車両の後部車体構造によれば、サイドシルリーンフォースメントの構成部材としてインナリーンフォースメント10を追加してホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とを繋ぎ、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10との3部材をそれぞれ互いに溶接結合し、さらに車両前側より一定のハット形状の断面を有する高剛性のアウタリーンフォースメント9をホイールハウスアウタパネル2に直接溶接結合すると共に、このアウタリーンフォースメント9をサイドシル6の閉断面形状部Sの後端開口部分においてホイールハウスアウタパネル2及びホイールハウスインナパネル3にも結合させるようにしているので、サイドシル6とリヤホイールハウス1の連結部における補強構造を分断することなく連続させることができ、サイドシル6とリヤサスペンション取付部N(図3参照)との繋ぎ部を補強することができ、車体の剛性・強度を向上させることができる。
【0020】
また、パネル合せ部である重ね合わせ部Mは、剥離方向から剪断方向への応力方向変更に伴う応力の分散効果を得ることができ、ひいては強度を満足させつつスポット溶接の打点を減らして作業性を向上させることができる。さらに、従来用いていたような補強用の平板28,29(図9参照)をホイールハウスインナパネル3のように一体化したことにより、部分的な補強にとどまらず、リヤホイールハウス1の内方前側部分の全体の車体剛性および車体強度を向上させることができる。また、部品点数の削減が可能となり、型費の削減や溶接工程の短縮にもつながり生産性の向上、さらに、ホイールハウス内部が視覚的にもすっきりとしたデザインにして外観性の向上を図ることができる。また、ホイールハウスインナパネルをパネル合せ部の隙間を埋めるかたちで車両外側から被せているため、泥水の浸入防止や車内への透過音の低減などの効果も得ることができる。
【0021】
また、フランジがリヤホイールハウス1内に突出しない構造なので、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3との接合部に泥等の付着を少なくすることができる。その上、本実施形態の構造によれば、サイドシル6とリヤホイールハウス1との連結部の近傍に配設される、サスペンションから力を受けるサスペンション取付用ブラケット12の剛性を向上させることができる。また、リヤサスペンションから受ける力を剛性のある溶接結合部やサイドシルリーンフォースメントに伝えることが可能となり、これにより、リヤサスペンションの取付剛性も向上、並びに、乗り心地や操縦安定性の向上を図ることが可能となり、ひいては商品性の向上を図ることが可能となる。
【0022】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の実施形態では、ホイールハウスアウタパネル2に横断部14を設けて屈曲片部2aをインナリーンフォースメント10に溶接結合するようにしたが、ホイールハウスインナパネル3に既述の如き横断部を設けてその屈曲片部をアウタリーンフォースメント9に溶接結合するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造を備えた自動車の側面図である。
【図2】図1において符号Xで示す車体箇所(サイドシルとリヤホイールハウスとの連結部)を車体後方側から見た斜視図であって、ホイールハウスインナブラケットを分解して示す斜視図である。
【図3】図2におけるA−A線拡大断面図である。
【図4】サイドボディーアウタパネルを取り外した状態での連結部を示す斜視図である。
【図5】サイドボディーアウタパネル及びホイールハウスアウタパネルの取付前における連結部を示す斜視図である。
【図6】リヤホイールハウスを車両斜め前方より見た斜視図である。
【図7】ホイールハウスアウタパネルとアウタリーンフォースメントとインナリーンフォースメントとの溶接結合状態を示す側面図である。
【図8】ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの溶接結合状態を示す正面図である。
【図9】従来における車両の後部車体構造を示す図2と同様の斜視図である。
【図10】図9におけるB−B線拡大断面図である。
【図11】図9におけるC−C線拡大断面図である。
【図12】サイドボディーアウタパネル及びホイールハウスアウタパネルの取付前における図9の後部車体構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 リヤホイールハウス
2 ホイールハウスアウタパネル
3 ホイールハウスインナパネル
4 サイドボディーアウタパネル
5 サイドシルインナパネル
6 サイドシル
7 連結部
8 サイドシルリーンフォースメント
9 アウタリーンフォースメント
10 インナリーンフォースメント
11 重ね合わせ部
12 リヤサスペンション取付用ブラケット
14 横断部
S 閉断面形状部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後部車体構造に関し、さらに詳しくは、車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシルの後端に、ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとによって形成したホイールハウス(リヤホイールハウス)を接続するようにした車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リヤホイールハウスの内方前側の車体構造は、足回りからの振動や衝突時の応力、走行時の捻り応力などの観点から車体の剛性・強度に関して極めて重要な部位である。そのため、車体の開発初期段階より各種のシミュレーションを使って最適な車体構造にしているものの、実車でのテストとの整合性がとれない場合もあるのが実状である。
【0003】
その不確定要素として下記の事項が挙げられる。
【0004】
図9に示すように、リヤホイールハウス20はホイールハウスアウタパネル21とホイールハウスインナパネル22とを接合することによって形成されており、このリヤホイールハウス20とサイドシル23との連結部におけるパネル合わせは、図10及び図11に示すような断面構造となっている。図10は、リヤホイールハウス20の下側箇所における断面形状を示しており、サイドボディーアウタパネル24に溶接結合されたホイールハウスアウタパネル21が、閉断面形状のサイドシル23の内部に配置された断面ハット形状のリーンフォースメント25のエクステンション部25aに溶接結合されている。そして、上述のリーンフォースメント25とサイドシルインナパネルとの間にホイールハウスインナパネル22(補強部材)が溶接結合されている。また、図11は、リヤホイールハウス20の上側部分箇所における断面形状を示しており、ホイールハウスアウタパネル21の接合片21aとホイールハウスインナパネル22の接合片22aとが溶接結合されている。なお、図10及び図11に示す各断面におけるパネル合わせ構造は、車両生産上(溶接条件上)の都合に依存するものであり、このパネル合わせ部分27には剥離方向に応力が加わる構造であるため、剛性・強度に対しては不利な構造になっている。その対策として、図9及び図11に示す如く、剛性・強度が弱い部分のみに補強用の平板28,29を当てがって補強するようにしている。そのため、剛性・強度の点で不具合がある箇所が見つかる度に補強用の平板を追加し、その結果としてつぎはぎだらけの外観となって見栄えが悪くなり、しかもコスト高になっているのが実状である。
【0005】
また、サイドシル23の内部には、既述の断面ハット形状のリーンフォースメント25が配設されており、強度上の観点からは、リヤホイールハウス前側(ホイールハウスアウタパネル21の曲面)まで、直接、一定断面を通して、リヤホイールハウス前側の近くにあるリヤサスペンション取付用ブラケット30(図9及び図10参照)を補強する部材としてのホイールハウスインナパネル22とも溶接結合させることにより、その箇所の全体の車体剛性を上げるのが望ましい。しかしながら、溶接組付上、ホイールハウスインナパネル22の合わせフランジ22aは図9及び図12に示すように車両後側を向いており、ホイールハウスアウタパネル21の合わせフランジ21aとは真逆であるため、これらの部材を互いに溶接結合するためにはリーンフォースメント25のハット形状の断面をつぶして(平面状に成形して)、ホイールハウスアウタパネル21及びホイールハウスインナパネル22の合わせフランジ22aへと繋げる構造にするしかなかった(図9,図10及び図12参照)。そのため、サイドシル23の後側部分の断面強度が低下してしまっているのが実状である。
【特許文献1】実開平3−53383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の如き不具合を解消するためになされたものであって、その目的は、サイドシルの剛性の高い閉断面形状をホイールハウスに補強構造を分断することなく連結することができ、ホイールハウスの強度・剛性を向上させることができるような車両の後部車体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明では、車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシルの後端に、ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとによって形成したホイールハウスを接続するようにした車両の後部車体構造において、少なくとも前記サイドシルの後端で前記ホイールハウスとの連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメントによって閉断面形状部を形成して、前記サイドシルを2重の閉断面構造にすると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分にホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの重ね合わせ部を配置するようにしている。
また本発明では、前記サイドシルリーンフォースメントをアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントにて構成し、前記ホイールハウスアウタパネルと前記アウタリーンフォースメントとを互いに溶接結合すると共に、前記ホイールハウスインナパネルと前記インナリーンフォースメントとを互いに溶接結合するようにしている。
また、本発明では、前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルを、前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの一方の部材に溶接結合すると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を横断する横断部を設けて前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの他方の部材に溶接結合するようにしている。
また、本発明では、前記横断部に対して屈曲されかつ前記サイドシルリーンフォースメントに沿って車両前方側に延びる前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルの屈曲片部を前記他方の部材に溶接結合すると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、横断部を有しないホイールハウス構成部材に溶接結合するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、少なくともサイドシルの後端でホイールハウスとの連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメントによって閉断面形状部を形成して、サイドシルを2重の閉断面構造にすると共に、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分にホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの重ね合わせ部を配置するようにしたものであるから、サイドシルの剛性の高い閉断面構造をホイールハウスに連結することができると共に、剛性の高いホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルの重ね合わせ部を上述の閉断面形状部に連続させることができ、これによりホイールハウスの強度・剛性を向上させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、サイドシルリーンフォースメントをアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントにて構成し、ホイールハウスアウタパネルとアウタリーンフォースメントとを互いに溶接結合すると共に、ホイールハウスインナパネルとインナリーンフォースメントとを互いに溶接結合するようにしたものであるから、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分に重ね合わせ部を配置したことに加えて、閉断面形状部を構成するサイドシルアウタリーンフォースメント及びサイドシルインナリーンフォースメントのそれぞれにホイールハウスアウタパネル及びホイールハウスインナパネルが溶接結合されるので、途切れることなく力を十分に伝達することができ、剛性の向上を図ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、ホイールハウスアウタパネル又はホイールハウスインナパネルを、アウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントのうちの一方の部材に溶接結合すると共に、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を横断する横断部を設けてアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントのうちの他方の部材に溶接結合するようにしたものであるから、ホイールハウスアウタパネル又はホイールハウスインナパネルの単一の部品によって、サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を塞ぎ、バルクヘッドとして働くので、閉断面形状部の端部強度を向上させることができると共に、力を効率良く伝達することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明は、横断部に対して屈曲されかつサイドシルリーンフォースメントに沿って車両前方側に延びるホイールハウスアウタパネル又はホイールハウスインナパネルの屈曲片部を他方の部材に溶接結合すると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、横断部を有しないホイールハウス構成部材に溶接結合するようにしたものであるから、ホイールハウスアウタパネルと、ホイールハウスインナパネルと、サイドシルリーンフォースメントを構成する部材との3部品が相互に接合されることとなるので、結合剛性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造について図1〜図8を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造を備えた自動車40を示すものであって、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とを接合することによって形成されたリヤホイールハウス1が、サイドボディーアウタパネル4とサイドシルインナパネル5とによって形成されて車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシル6の後端に接続されている(図1及び図2参照)。
【0014】
リヤホイールハウス1との連結部7となるサイドシル6の後端の内部には、図3及び図5に示すように、サイドシルリーンフォースメント8が配設されており、このサイドシルリーンフォースメント8によって閉断面形状部Sが形成されてサイドシル6の後端が2重の閉断面構造となされている。本実施形態においては、サイドシルリーンフォースメント8は、図4及び図5に示す如く断面ハット形状に屈曲成形されたアウタリーンフォースメント9と、このアウタリーンフォースメント9の車両中央側に溶接結合されたインナリーンフォースメント10とで構成されており、図3に示すように、サイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部(アウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10とによって形成された閉断面形状部)Sの後端開口部分にホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3との重ね合わせ部(溶接結合部)11が配置されている。
【0015】
また、図3に示すように、ホイールハウスアウタパネル2とアウタリーンフォースメント9とが互いに溶接結合されると共に、ホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10とが互いに溶接結合されている。さらに具体的に述べると、ホイールハウスアウタパネル2は、その車幅方向の中間部がアウタリーンフォースメント9に溶接結合されており、車幅方向の外側端部がサイドボディーアウタパネル4に溶接結合されると共に、車幅方向の内側部分がインナリーンフォースメント10に溶接結合されている。また、ホイールハウスインナパネル3は、車両後方側に向けてかつ車両中央側に向けて延出され、車幅方向の外側部分がインナリーンフォースメント10に溶接結合されると共に、車幅方向の内側部分がサイドシルインナパネル5とリヤサスペンション取付用ブラケット12との接合部に溶接結合されている。ホイールハウスインナパネル3についてさらに詳細に述べると、その延出部3bに取付ボルト挿通孔13が形成され(図2及び図5参照)、リヤサスペンションの取付用ブラケット12の車両外側の支持部P(図3参照)に重ねられて結合されている。
【0016】
また、上述のホイールハウスアウタパネル2は、サイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部Sの後端開口部分をほぼ車幅方向に沿って横断する横断部14を有している。すなわち、ホイールハウスアウタパネル2のうちアウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10との間の部分が横断部14としてこれらのリーンフォースメント9,10間に掛け渡された状態で配設され、これにより、これらのリーンフォースメント9,10の後端部が互いに連結された状態となっている。そして、この横断部14に対して屈曲されたホイールハウスアウタパネル2の屈曲片部2aが、インナリーンフォースメント10に溶接結合されている。
【0017】
かくして、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10との重ね合わせ部M(図3参照)においては、横断部14に対して屈曲されかつアウタリーンフォースメント10に沿って車両前方側に延びるホイールハウスアウタパネル2の屈曲片部2aがアウタリーンフォースメント10に溶接結合されると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、アウタリーンフォースメント10が横断部を有しないホイールハウス構成部材であるホイールハウスインナパネル3に溶接結合されている。さらに、この重ね合わせ部Mにおいては、ホイールハウスインナパネル3の車幅方向の内側端部がホイールハウスアウタパネル2の横断部14に重ね合わされて溶接結合されている。従って、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とが車両前後方向で重ね合わせされた状態となされ、この重ね合わせ部11がサイドシルリーンフォースメント8の閉断面形状部Sの後端開口部分に配置されている。
【0018】
なお、ホイールハウスアウタパネル2の裏面へのアウタリーンフォースメント9の溶接結合は、アウタリーンフォースメント9の後端部に形成されたフランジ9aにおけるスポット溶接W1(図6及び図8参照)にて行なわれ、アウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10との溶接結合は、アウタリーンフォースメント9のフランジ9b,9cにおけるスポット溶接W2(図6及び図7参照)にて行なわれている。また、ホイールハウスアウタパネル2とインナリーンフォースメント10との溶接結合は、スポット溶接W3(図7参照)にて行なわれ、ホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10との溶接結合は、スポット溶接W4(図8参照)にて行なわれている。また、アウタリーンフォースメント9とインナリーンフォースメント10とホイールハウスアウタパネル2との3部材の溶接結合は、スポット溶接W5(図7参照)にて行なわれ、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とアウタリーンフォースメント9との3部材の溶接結合は、スポット溶接W6(図8参照)にて行なわれている。
【0019】
このような構成の車両の後部車体構造によれば、サイドシルリーンフォースメントの構成部材としてインナリーンフォースメント10を追加してホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とを繋ぎ、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3とインナリーンフォースメント10との3部材をそれぞれ互いに溶接結合し、さらに車両前側より一定のハット形状の断面を有する高剛性のアウタリーンフォースメント9をホイールハウスアウタパネル2に直接溶接結合すると共に、このアウタリーンフォースメント9をサイドシル6の閉断面形状部Sの後端開口部分においてホイールハウスアウタパネル2及びホイールハウスインナパネル3にも結合させるようにしているので、サイドシル6とリヤホイールハウス1の連結部における補強構造を分断することなく連続させることができ、サイドシル6とリヤサスペンション取付部N(図3参照)との繋ぎ部を補強することができ、車体の剛性・強度を向上させることができる。
【0020】
また、パネル合せ部である重ね合わせ部Mは、剥離方向から剪断方向への応力方向変更に伴う応力の分散効果を得ることができ、ひいては強度を満足させつつスポット溶接の打点を減らして作業性を向上させることができる。さらに、従来用いていたような補強用の平板28,29(図9参照)をホイールハウスインナパネル3のように一体化したことにより、部分的な補強にとどまらず、リヤホイールハウス1の内方前側部分の全体の車体剛性および車体強度を向上させることができる。また、部品点数の削減が可能となり、型費の削減や溶接工程の短縮にもつながり生産性の向上、さらに、ホイールハウス内部が視覚的にもすっきりとしたデザインにして外観性の向上を図ることができる。また、ホイールハウスインナパネルをパネル合せ部の隙間を埋めるかたちで車両外側から被せているため、泥水の浸入防止や車内への透過音の低減などの効果も得ることができる。
【0021】
また、フランジがリヤホイールハウス1内に突出しない構造なので、ホイールハウスアウタパネル2とホイールハウスインナパネル3との接合部に泥等の付着を少なくすることができる。その上、本実施形態の構造によれば、サイドシル6とリヤホイールハウス1との連結部の近傍に配設される、サスペンションから力を受けるサスペンション取付用ブラケット12の剛性を向上させることができる。また、リヤサスペンションから受ける力を剛性のある溶接結合部やサイドシルリーンフォースメントに伝えることが可能となり、これにより、リヤサスペンションの取付剛性も向上、並びに、乗り心地や操縦安定性の向上を図ることが可能となり、ひいては商品性の向上を図ることが可能となる。
【0022】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の実施形態では、ホイールハウスアウタパネル2に横断部14を設けて屈曲片部2aをインナリーンフォースメント10に溶接結合するようにしたが、ホイールハウスインナパネル3に既述の如き横断部を設けてその屈曲片部をアウタリーンフォースメント9に溶接結合するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造を備えた自動車の側面図である。
【図2】図1において符号Xで示す車体箇所(サイドシルとリヤホイールハウスとの連結部)を車体後方側から見た斜視図であって、ホイールハウスインナブラケットを分解して示す斜視図である。
【図3】図2におけるA−A線拡大断面図である。
【図4】サイドボディーアウタパネルを取り外した状態での連結部を示す斜視図である。
【図5】サイドボディーアウタパネル及びホイールハウスアウタパネルの取付前における連結部を示す斜視図である。
【図6】リヤホイールハウスを車両斜め前方より見た斜視図である。
【図7】ホイールハウスアウタパネルとアウタリーンフォースメントとインナリーンフォースメントとの溶接結合状態を示す側面図である。
【図8】ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの溶接結合状態を示す正面図である。
【図9】従来における車両の後部車体構造を示す図2と同様の斜視図である。
【図10】図9におけるB−B線拡大断面図である。
【図11】図9におけるC−C線拡大断面図である。
【図12】サイドボディーアウタパネル及びホイールハウスアウタパネルの取付前における図9の後部車体構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 リヤホイールハウス
2 ホイールハウスアウタパネル
3 ホイールハウスインナパネル
4 サイドボディーアウタパネル
5 サイドシルインナパネル
6 サイドシル
7 連結部
8 サイドシルリーンフォースメント
9 アウタリーンフォースメント
10 インナリーンフォースメント
11 重ね合わせ部
12 リヤサスペンション取付用ブラケット
14 横断部
S 閉断面形状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシルの後端に、ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとによって形成したホイールハウスを接続するようにした車両の後部車体構造において、少なくとも前記サイドシルの後端で前記ホイールハウスとの連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメントによって閉断面形状部を形成して、前記サイドシルを2重の閉断面構造にすると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分にホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの重ね合わせ部を配置したことを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項2】
前記サイドシルリーンフォースメントをアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントにて構成し、前記ホイールハウスアウタパネルと前記アウタリーンフォースメントとを互いに溶接結合すると共に、前記ホイールハウスインナパネルと前記インナリーンフォースメントとを互いに溶接結合したことを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルを、前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの一方の部材に溶接結合すると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を横断する横断部を設けて前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの他方の部材に溶接結合したことを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
前記横断部に対して屈曲されかつ前記サイドシルリーンフォースメントに沿って車両前方側に延びる前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルの屈曲片部を前記他方の部材に溶接結合すると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、横断部を有しないホイールハウス構成部材に溶接結合したことを特徴とする請求項3に記載の車両の後部車体構造。
【請求項1】
車両前後方向に沿って延びる閉断面形状のサイドシルの後端に、ホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとによって形成したホイールハウスを接続するようにした車両の後部車体構造において、少なくとも前記サイドシルの後端で前記ホイールハウスとの連結部となるサイドシル部分の内部にサイドシルリーンフォースメントによって閉断面形状部を形成して、前記サイドシルを2重の閉断面構造にすると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分にホイールハウスアウタパネルとホイールハウスインナパネルとの重ね合わせ部を配置したことを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項2】
前記サイドシルリーンフォースメントをアウタリーンフォースメント及びインナリーンフォースメントにて構成し、前記ホイールハウスアウタパネルと前記アウタリーンフォースメントとを互いに溶接結合すると共に、前記ホイールハウスインナパネルと前記インナリーンフォースメントとを互いに溶接結合したことを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルを、前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの一方の部材に溶接結合すると共に、前記サイドシルリーンフォースメントの閉断面形状部の後端開口部分を横断する横断部を設けて前記アウタリーンフォースメント及び前記インナリーンフォースメントのうちの他方の部材に溶接結合したことを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
前記横断部に対して屈曲されかつ前記サイドシルリーンフォースメントに沿って車両前方側に延びる前記ホイールハウスアウタパネル又は前記ホイールハウスインナパネルの屈曲片部を前記他方の部材に溶接結合すると共に、この溶接結合箇所の車両後方側において、横断部を有しないホイールハウス構成部材に溶接結合したことを特徴とする請求項3に記載の車両の後部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−131264(P2007−131264A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328668(P2005−328668)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
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