説明

車両システム

両システムを操作する操作装置と、操作装置を介する車両システムの操作を制御する制御部とを備えた自動車における運転のための車両システムにおいて、操作装置への操作アクセスが車両ドライバにより行われるか、車両の他の乗員により行われるかを識別するために構成されている装置が設けられおり、制御部は操作装置を介する車両システムの操作を少なくとも、操作装置への操作アクセスが車両ドライバにより行われるか、車両の他の乗員により行われるかに依存して制御するよう構成されていることを特徴とする、車両システムが提案される。独立請求項の特徴を備えた本発明による車両システムは、車両システムに車両ドライバがアクセスするか、その他の車両の乗員がアクセスするかに依存して操作が制御されるという利点を有する。したがって、車両ドライバを本来の運転任務から過度に注意を逸らさせる可能性のある操作アクセスは効果的に阻止される。しかしながらそれと同時に車両システムはその他の車両乗員に対して少なくとも広範に操作可能のままであるか、完全な範囲で操作可能のままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、独立請求項の上位概念による、車両における運転のための車両システムに関する。
【0002】
車両ナビゲーションシステムの形態の車両システムが公知であり、そのような車両システムは車両ドライバを事前に算出された走行ルートに沿って目的地に案内するための走行方向指示を音響的および/または光学的な形で出力する。走行ルートを算出するために、予め車両ドライバが車両ナビゲーションシステムの操作面を介して目的地を入力する必要がある。走行中に目的地を入力することは交通事象から注意を著しく逸らすことになるので、車両の走行中の機器の操作、殊に目的地入力を阻止すること(本明細書においては以下これを「スピードロック機能」と表す)が議論されてきている。
【0003】
DE 199 52 857 Clには車両コンポーネントをドライバの状態に依存して制御するための装置が記載されており、この装置ではドライバの状態が検出され、ドライバの状態に依存して表すべき情報の情報フィルタリングが行われる。これによってドライバへの負担は軽減されるので、ドライバによる操作および制御が改善されて安全性が高まる。この装置では電子機器の機能の操作が状況に依存して制限される。例えば、走行中にはナビゲーション装置の目的地入力を使用することができない、またはテレビをスイッチオンすることができない。同様に走行速度に依存して、電子機器の完全なアプリケーションまたはアプリケーションの部分機能をオンまたはオフすることができる。
【0004】
未公開のドイツ連邦共和国特許明細書第102 55 435.8号では操作装置を備えたドライバ情報システムが提案されており、このドライバ情報システムでは車両の走行が識別された場合には操作が制限され、すなわち前述のスピードロック機能でもって操作が制限されるが、この制限は例えばシートベルトロックセンサまたは重量センサを用いて同乗者シートの占有が確認される場合には少なくとも部分的に相殺される。この解決手段は、同乗者シートが占有されているならば実際にも同乗者がドライバ情報システムの操作を行い、しかしながら車両ドライバによる操作は排除されていることを信頼する。実際のところ、同乗者シートが占有されている場合であっても頻繁に車両ドライバ自身が機器の操作を行うことが判明している。
【0005】
発明の利点
これに対して、独立請求項の特徴を備えた本発明による車両システムは、車両システムに車両ドライバがアクセスするか、その他の車両の乗員がアクセスするかに依存して操作が制御されるという利点を有する。したがって、車両ドライバを本来の運転任務から過度に注意を逸らさせる可能性のある操作アクセスは効果的に阻止される。しかしながらそれと同時に車両システムはその他の車両乗員に対して少なくとも広範に操作可能のままであるか、完全な範囲で操作可能のままである。ここで操作とは、本発明との関連においては第一に操作者の車両システムへの入力と解釈されるが、車両システムによるユーザへの出力とも解釈される。
【0006】
したがってナビゲーションシステムの場合には、例えば同乗者は殊に車両の走行中にナビゲーションシステムの操作を行うことができる。走行中の操作は例えば、先行して行われたルートの算出の際に考慮されなかった交通渋滞またはナビゲーションデータ資料における誤りに基づき走行ルートを手動で変更する際に必要となる可能性がある。
【0007】
走行時に同乗者によってそのような付加的な入力が可能であって、不必要な停止は回避され、同様に安全性の論証となる。本発明は場合によっては、殊にスピードロック機能の枠組みにおいての車両ドライバによる操作アクセスの場合、すなわち車両の走行時に、従来のスピードロック機能に比べてさらなる操作の制限も可能にする。
【0008】
あらゆる場合において本発明はスピードロック機能のユーザ受諾性を高め、また市場競争の利点も保証する。
【0009】
図面
本発明の実施例を図面に示し、以下詳細に説明する。ここで、
図1は本発明による車両システムの本発明にとって重要な部分のブロック回路図を示し、
図2は車両システムの制御部において実行される制御ソフトウェアの本発明にとって重要な部分の実行計画を示す。
【0010】
実施例の説明
本発明による車両システムを以下では主として車両ナビゲーションシステムを例にして詳細に説明する。しかしながらこのことは本発明の車両ナビゲーションシステムへの制限を意味するものではない。むしろ本発明は他の車両システム、例えばカーラジオまたは車両において操作される移動電話にも適用することができる。
【0011】
本発明による車両システム1は命令および/または運転パラメータを車両システム1に入力するための図面には詳細に示していない操作素子、有利にはキースイッチおよび/または増分式ダイヤルセンサを備えた入力装置13を包含する。車両ナビゲーションシステムの場合には、前述の操作素子は例えばナビゲーションシステムの制御部12と接続されて、出発地から目的地までの後続のルート算出のための目的地入力およびそれに続く目的地案内に使用される。移動電話の場合には操作素子は例えば所望の通話相手の所定の電話番号のダイヤルまたは着信した通話呼び出しの応答に使用される。
【0012】
本発明による車両システム1はさらに出力装置14を包含し、この出力装置14は有利には光学的および/または音響的な出力部として実施されている。車両ナビゲーションシステムの場合には、出力装置14は目的地案内と関連して、車両ドライバを導くための走行方向指示を音声式の走行方向指示および/またはディスプレイ上に表示される方向矢印の形で出力するために使用される。択一的または補完的に地図表示を行うことができ、この地図上には算出された走行ルートまたは走行ルートの一部を車両ドライバの位置確認のために表示することができる。
【0013】
さらに出力装置14は目的地入力と関連して例えば選択可能な目的地の表示および/または地図の表示に使用され、この地図には入力装置13の操作素子によって操作可能なカーソルを用いて目的地をマーキングすることができる。
【0014】
カーラジオの場合、出力装置14は例えばカーラジオのディスプレイを包含し、このディスプレイに目下チューニングされている送信側の名称や受信周波数の他にラジオデータシステムを用いて伝送される変化する表示、例えば目下伝送されている音楽または電光ニュースの動く文字、例えば広告文のタイトルおよび演奏家が表示される。
【0015】
制御部12とそれぞれ接続されている入力装置13および出力装置14は一緒に、本発明による車両システムの操作装置15を形成する。
【0016】
本発明による車両システムの制御部12には別の手段11が接続されており、これらの手段11は車両システム11の操作装置15に車両ドライバ自身と他の車両乗員のどちらがアクセスしているかを識別し、またアクセスしている人間に依存して相応のアクセス識別信号を形成するために構成されている。
【0017】
このためにアクセス識別手段11は情報を検出するセンサを包含し、その情報に基づきどの車両乗員が車両システム1を操作するために操作装置15にアクセスしているかを確認することができる。
【0018】
操作識別の第1の実施形態ではこのセンサがカメラ115であり、このカメラ115の画像検出範囲は少なくともドライバシート(2)または同乗者シート(3)を検出するが、有利にはドライバシートも同乗者シートも検出する。カメラによって記録された画像情報は制御部12の第1のソフトウェアモジュール111において処理され、この処理に基づいて、車両ドライバ2または同乗者3のどちらが操作装置15、殊に入力装置13の操作素子にアクセスするか否かを表す信号が導出される。
【0019】
操作を行う車両乗員の内の1人を導出するための第1のソフトウェアモジュール111の正確な機能は本発明の対象ではなく、したがって詳細には説明しない。このためのアプローチが文献から十分に公知である。
【0020】
これについては例示的に概略的な論説D. M. Gavrila:"The Visual Analysis of Human Movement : A Survey"in Computer Vision an Image Understanding,第73巻、第1号、1999年1月、第82〜98頁に示されており、そこにおいては解決のアプローチが記載されており、したがってドライバ識別または同乗者識別に関する完全な範囲が引用される。
【0021】
このために例えば画像パターン比較が適しており、この際比較のベースは例えば予め記録されており且つソフトウェアコンポーネントの構成部分として記憶されている画像、例えば手ないし付加的に腕また必要に応じて操作する同乗者の上半身を使用する。択一的に三次元またはその他の画像識別アルゴリズムを使用することができる。
【0022】
本発明との関連において、第1のソフトウェアコンポーネント111がカメラ115の画像信号から、車両システム1の入力装置13の操作素子に車両ドライバ2の手または同乗者3の手31のどちらがアクセスしているかを一義的に検出できることのみが重要である。
【0023】
アクセス識別手段11のこの第1の実施形態の有利な変形形態では、ただ1つのカメラ115の代わりに、相互に距離を置く少なくとも2つのビデオセンサまたはマルチカメラビデオセンサが設けられている。これらのセンサによって検出されるステレオ画像情報ないしマルチチャネル画像情報はドライバシートまたは同乗者シートもしくはドライバまたは同乗者の三次元的な検出を実現する。
【0024】
第1の実施形態の発展形態によれば、アクセス識別11のためにさらにビデオ信号に包含されるグレー値情報が評価される。
【0025】
この第1の実施形態のさらに有利な変形形態では、アクセス検出手段(11)が深度センサの原理にしたがい動作し、この深度センサは本発明においてはいわゆる構造化照明の原理に基づいてビデオセンサをカバーする。
【0026】
ステレオビデオ情報またはマルチチャネルビデオ情報の評価も、構造化照明の原理も従来技術であり、例えばX. Jiang "Dreidimensionales Computersehen", Springer-Verlag, Berlin Heidelbergに詳細に記載されており、したがってこの刊行物の開示内容は明示的に参照され、その結果この原理の詳細な説明はここでは必要ない。
【0027】
操作識別部11の第2の実施形態では、車両システム1の操作が少なくとも部分的な操作機能、殊に完全な操作機能が音声命令によって行われることを基礎とする。音声命令を検出するために少なくとも1つのマイクロフォン112が必要である。このマイクロフォンは例えば移動電話のためのフリートーク装置の枠組みにおいて、有利にはドライバシートの前方において自動車の計器盤内または計器盤上に配置されている。音声命令が車両ドライバ2によって発声されたものか、同乗者3によって発声されたものかを検出するために少なくとも1つの第2のマイクロフォン113が設けられており、この第2のマイクロフォン113は第1のマイクロフォン112から空間的に分離されており、有利には同乗者シートの前方において自動車の計器盤内に取り付けられている。第1のマイクロフォンの信号も第2のマイクロフォンの信号も制御部12の第1のソフトウェアコンポーネント111に供給されている。このソフトウェアコンポーネント111は第1のマイクロフォンの信号と第2のマイクロフォンの信号との間の伝播時間差に基づいて、例えば2つのマイクロフォン信号の相互相関によって、音声命令を車両ドライバ2が発声したか、同乗者3が発声したかを識別する。このことはマイクロフォン112および113の前述の配置によって可能である。何故ならば例えば車両ドライバ2によって発声された命令が第2のマイクロフォン113に到達するまでには、車両ドライバの前方に配置されている第1のマイクロフォン112にその命令が到達するよりも比較的長い伝播時間を要するからである。相応のことが同乗者3によって発声される命令にも該当する。
【0028】
アクセス識別手段11の別の実施形態は殊に代替的なセンサに関する。
【0029】
つまりアクセス識別手段は前述のセンサの代わりにレーダセンサも包含することができる。
【0030】
同様にアクセス識別手段11はセンサを包含し、このセンサおよびセンサの信号評価部は伝播時間原理または択一的にレーザスキャン原理にしたがう深度センサに基づき処理を行う。
【0031】
この択一的な測定および評価方法も従来技術から十分に公知であり、たとえばR. Schwarteらの"New Powerful Sensory Tool in Automotive Safety Systems Based on PMD-Technology", Advanced Microsystems for Automotive Applications 2000, Springer-Verlag, Berlin Heidelberg, 2000,から公知であり、したがってその開示内容は明示的に引用され、その結果この原理の詳細な説明はここでは必要ない。
【0032】
操作制御の第1の簡単な実施形態によれば、車両システム1の操作ないし操作可能性を、識別された操作者、殊に車両ドライバ2または他の車両乗員3に基づいてのみ制御することができる。このために制御部12は第2のソフトウェアコンポーネントを包含し、この第2のソフトウェアコンポーネントは操作識別部11の信号をさらに処理し、この処理に依存して操作装置15、殊にその機能範囲を制御する。ここで車両システム1の操作の制御は殊に、操作を行う車両乗員に依存する操作機能の制限ないし遮断を包含する。つまり、車両ドライバには制限された操作面、すなわち制限された機能範囲13および制限的な機能選択ないし操作案内14しか提供されず、他方同乗者3には車両システム1の完全な操作範囲にアクセスすることができる。
【0033】
本発明の有利な実施形態によれば、本発明による車両システム1の制御部12にはさらに、運動状態、殊に自動車の停止状態とは反対の走行を表す少なくとも1つの信号を形成するための手段16が接続されている。この手段16は例えばタコ信号発生器162であり、このタコ信号発生器162は目下の車両速度を表す信号を形成する。車両ナビゲーションシステム1の場合手段16は、目下の車両位置に関する位置データを評価し、この評価に基づいて車両の目下の運動状態を表す信号を導出するGPS受信器も包含する。
【0034】
車両の運動状態を表す例えばタコ信号発生器162の信号は評価部163に供給され、この評価部163は有利には制御部の構成部分として第3のソフトウェアルーチンの形で実施されている。評価部162は車両の運動状態を表す信号に基づいて車両が静止しているか、走行しているか、所定の最低速度で走行しているかを判断する。
【0035】
信号発生器162および評価部161は一緒に自動車の走行を識別するための装置16を形成する。
【0036】
運動識別部16を備えた車両システムの有利な実施形態に基づく操作制御の有利な第2の実施形態によれば、車両システム1の操作の制御が車両の運動状態ならびに車両システム1の識別された操作者2または3に依存して行われる。
【0037】
このことを以下では自動車内の車両ナビゲーションシステムを例として図2のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0038】
ここでは実質的に3つの状態を区別することができる。
【0039】
1.車両静止状態
運動識別部16はセンサ162を用いて検出された運動データに基づいて車両の静止状態を検出する(ステップ21,択一「ノー」)。この場合に対して制御部12は車両ナビゲーションシステム1の操作を完全な範囲で可能にする(ステップ23)。このことは、例えば走行目的地、すなわち殊に目的地の名称および所属の道路名をナビゲーションシステムの入力装置13の操作素子を介して入力できることを意味しており、この際入力は相応の表示によって、例えば入力された文字に基づいて表示装置14にナビゲーションシステム1によって名称を提示することにより支援される。
【0040】
2.車両の運動、車両ドライバ2の操作アクセス
運動識別部16はセンサ162を用いて検出された運動データに基づいて車両の運動、すなわち走行を識別する(ステップ21,択一「イエス」)。さらにアクセス識別部は、車両ドライバが操作装置15にアクセスすること(ステップ22,択一「イエス」)、すなわち車両ドライバ2の手が車両ナビゲーションシステム1の入力装置2の領域内に存在し、車両ナビゲーションシステム1の操作素子が操作されることを識別する。択一的にこのアクセス状態は、入力装置13の操作素子が操作され、且つ同乗者の手31が車両ナビゲーションシステムの入力装置13の領域内には存在しないことによっても識別することができる。
【0041】
この場合には、制御部12はナビゲーションシステム1の機能を以下のように制御する。すなわち、車両ドライバ2が交通事象から注意を背けることを可能な限り少なく保つために、ナビゲーションシステム1が出力装置14を用いて車両ドライバに対してなされる出力を制限ないし簡略化するように制御する。本発明の車両ナビゲーションシステムの例においては、目的地案内の枠組みにおいて、例えば車両の走行中にルートが記入されている地図表示が容易且つ迅速に理解されるべき方向転換矢印の表示および方向転換指示の簡単で音響的なアナウンスに代替される。つまり複雑なアナウンス、例えば「500m先でヒンデスハイム通りへと左折してください」、「速度を落としてください、カーブは狭いです」などが、より短く且つ容易に理解すべき行動指示、例えば「間もなく左折」または「次の通りを左折」に代替される。
【0042】
さらに制御部12は操作装置15の入力装置13を車両ドライバ2の入力に関して完全に停止し、すなわち前述の意味でのそれ自体公知のスピードロック機能を実現する(ステップ25)。
【0043】
3.車両の運動、車両ドライバ3の操作アクセス
運動識別部16はセンサ162を用いて検出された運動データに基づいて車両の運動、すなわち走行を識別する(ステップ21、択一「イエス」)。さらにアクセス識別部11は、同乗者3が操作装置15にアクセスすること(ステップ22、択一「ノー」)、すなわち同乗者3の手31が車両ナビゲーションシステム1の入力装置13の領域内に存在し、且つ車両ナビゲーションシステム1の操作素子が操作されることを識別する。択一的にこのアクセス状態は、入力装置13の操作素子が操作され、且つ車両ドライバ2の手が車両ナビゲーションシステム1の入力装置13の領域内には存在しないことによっても識別することができる。
【0044】
この場合に対して制御部12は、少なくとも車両システム1の制限された操作可能性、本発明の実施形態に応じて車両システム1の完全な操作可能性も可能にする(ステップ24)。有利にはこの場合、すなわち車両が運動しており且つ同乗者3により操作アクセスが行われている場合には、車両の静止状態においても可能である全ての表示可能性および入力過程が可能となる。何故ならば、このことは車両の運転に集中する必要のない同乗者3によって行うことができるからである。しかしながら有利には、大部分が直接的に運転任務に取り組む車両ドライバに対して直接的になされる指示は、前述のようにより簡略化された形、したがって容易に理解できる形で出力される。
【0045】
ここでは(ステップ24)択一的に、例えばナビゲーションシステム1の音響的な走行方向指示を容易に理解できるよう簡略化された形で出力することができ、これに対して車両ナビゲーションシステムのディスプレイ上には走行ルートが記入された詳細な地図が表示されるので、この地図を同乗者は辿り直すことができ、同乗者は次いで車両ドライバに対して必要に応じて、説明的または補足的な指示を与えることができる。さらにはこの択一形態は、同乗者にルートを辿り直すための改善された可能性、また必要に応じてルートの訂正を可能にする。
【0046】
さらには、車両の走行時の操作可能性の範囲を同乗者3の操作アクセスに関して個別に調節することもできる。
【0047】
車両ドライバおよび同乗者がそれぞれ固有の操作装置、すなわち固有の出力装置および/または入力装置を使用する場合、例えば後部座席の乗員のための固有の娯楽システムの場合、または組み合わされた機器において車両システムの中央コンソールに配置されている表示部に付加的に別の表示装置が存在する場合には、有利には別の操作ストラテジを設けることができる。つまりこの場合には、車両が走行しており且つ同乗者による操作アクセスが行われている場合には、例えば車両ドライバ2に対して組み合わされた機器の付加的なディスプレイを介して目的地案内のための簡潔な方向矢印を表示することができ、他方では同乗者に中央コンソールまたは前部シートのヘッドレストにおけるディスプレイ上にルートが記入されている詳細な地図が提供される。さらには例えば任意の地図部分またはズーム係数を入力装置を介して調節することを同乗者3に可能にさせ、他方ではドライバ2には引き続き方向矢印のみが表示されることも十分に可能である。
【0048】
したがって制御部12は操作装置15による車両システム1の操作の運動および操作に依存する制御を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による車両システムの本発明にとって重要な部分のブロック回路図。
【図2】車両システムの制御部において実行される制御ソフトウェアの本発明にとって重要な部分の実行計画。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両システム(1)を操作する操作装置(15)と、前記操作装置(15)を介する前記車両システムの操作を制御する制御部(12)とを備えた自動車における運転のための車両システム(1)において、
前記操作装置への操作アクセスが車両ドライバ(2)により行われるか、車両の他の乗員(3)により行われるかを識別するために構成されている装置(11)が設けられおり、
前記制御部(12)は前記操作装置(15)を介する前記車両システム(1)の操作を少なくとも、前記操作装置(15)への操作アクセスが車両ドライバにより行われるか、車両の他の乗員(3)により行われるかに依存して制御するよう構成されていることを特徴とする、車両システム。
【請求項2】
自動車の運動状態を検出する装置(16)を有し、前記制御部は前記操作装置(15)を介する前記車両システム(1)の操作を付加的に、車両の識別された運動状態に依存して制御するよう構成されている、請求項1記載の車両システム。
【請求項3】
前記制御部(12)は、前記車両ドライバ(2)による車両の走行および操作アクセスが確認される場合には、前記操作装置(15)を介する操作を制限するよう構成されている、請求項1または2記載の車両システム。
【請求項4】
アクセス識別手段(11)はビデオセンサ、殊にカメラ(115)を包含し、該カメラ(115)の画像検出領域は少なくともドライバシート(2)または同乗者シート(3)、有利にはドライバシートも同乗者シートも検出する、請求項1から3までのいずれか1項記載の車両システム。
【請求項5】
前記アクセス識別手段(11)はステレオビデオセンサまたはマルチカメラビデオセンサを包含する、請求項4記載の車両システム。
【請求項6】
前記アクセス識別手段(11)は、ビデオセンサ信号の評価に該ビデオセンサ信号に包含されるグレー値情報を取り入れる、請求項4または5記載の車両システム。
【請求項7】
前記アクセス識別手段(11)はレーダセンサを包含する、請求項1から3までのいずれか1項記載の車両システム。
【請求項8】
前記アクセス識別手段(11)は、伝播時間原理にしたがい動作する少なくとも1つの深度センサを包含する、請求項1から3までのいずれか1項記載の車両システム。
【請求項9】
前記アクセス識別手段(11)は、レーザスキャン原理にしたがい動作する少なくとも1つの深度センサを包含する、請求項1から3までのいずれか1項記載の車両システム。
【請求項10】
前記アクセス識別手段(11)は、構造化照明の原理にしたがい動作する少なくとも1つの深度センサを包含する、請求項1から5までのいずれか1項記載の車両システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−526840(P2007−526840A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500127(P2006−500127)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051779
【国際公開番号】WO2005/016701
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】