車両前部構造および車両前部組付方法
【課題】 フードロックがラジエータコアサポートの車両後面側に配され、車両後方側より締結する構造であったため、ラジエータコアサポートの車両後方側にはエンジン等があり、車両後方側より、フードロックの締結作業スペースが少なく、作業性が悪かった。
【解決手段】 ラジエータコアサポート20の後壁部22にフードロック16を配し、車両前方側より、フードロック16を締結部材で締結可能とするように、前壁部21の前記締結部材に対応する位置に前壁穴35を設けた。
【解決手段】 ラジエータコアサポート20の後壁部22にフードロック16を配し、車両前方側より、フードロック16を締結部材で締結可能とするように、前壁部21の前記締結部材に対応する位置に前壁穴35を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両フードのフードロックにおける車両前部構造および車両前部組付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体の前部構造において、ラジエータコアサポートの車両後面側に、フードに設けられたストライカに対応するフードロックが締結されている。フードロックは、車両後方側より締結される構造が開示されている。
【特許文献1】特開2003-306168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来技術においては、フードロックがラジエータコアサポートの車両後面側に配され、車両後方側より締結する構造であったため、ラジエータコアサポートの車両後方側にはエンジン等があり、車両後方側より、フードロックの締結作業スペースが少なく、作業性が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題点を解決するために、本発明は、ラジエータコアサポートの車両後面部にフードロックを配し、車両前方側より、フードロックを締結部材で締結可能とするように、車両前面部の前記締結部材に対応する位置に締結作業穴を設けた。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、フードロックをラジエータコアサポートの車両後面側に配した場合に、車両前方側より締結作業をすることができるので、エンジン等の周辺部品に作業スペースを悪化されることなく、フードロックを締結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図面と共に説明する。
第1の実施例における車両前部構造の構成を説明する。
【0007】
フードとしてのエンジンフード10は、図1、図2に示す通り、エンジンルームERの上方を覆い、後部にヒンジ機構13を設けて回動自在に支持され、エンジンフードアウタ11とエンジンフードインナ12で構成されている。エンジンフード10の前部には、車幅方向中央部近傍位置で、エンジンフードインナ12より下方へ突出するストライカ15が固定されている。
【0008】
フードロック16は、エンジンフード10に固定されたストライカ15と嵌合する。また、フードロック16には、図2、図3に示す通り、被締結部材としてのナット30が溶接等で固着されて、締結具としてのボルト25を締結可能としている。ボルト25およびナット30は、締結部材である。さらに、フードロック16には、ナット30を固着した面とその裏面とを貫通し、ボルト25の軸部27を挿入可能な大きさで形成されたフードロック穴31が設けられている。尚、ナット30を設定せずに、フードロック穴31にねじ溝を設けて、ボルト25と締結可能としてもよい。
【0009】
ラジエータコアサポート20は、図1に示す通り、エンジンルームERの車両前部かつラジエータRの上方に配され、車幅方向に延在している。また、ラジエータコアサポート20は、図2に示す通り、車両前後方向に離間して配置された車両前面部としての前壁部21および車両後面部としての後壁部22と、この前壁部21と後壁部22との上端をつなぐ上面部28とで構成される。この構成から、ラジエータコアサポート20は、前壁部21と後壁部22と上面部28によって、断面が逆U字状に形成されている。また、上面部28の車幅方向両側部には、図1に示す通り、ゴムなどの弾性体で形成され、エンジンフードインナ12と当接して、エンジンフード10の振動を抑制するバンパーラバー23が設けられている。
【0010】
車両後面穴としての後壁穴36は、図1、図4、図5に示す通り、ラジエータコアサポート20の後壁部22の車幅方向中央部近傍で、車両上下方向略中央部に複数設けられている。また、後壁穴36は、ボルト25の軸部27を挿通可能とするように、車幅方向を短軸とし、車両上下方向を長軸とする長穴で形成されている。短軸は、軸部27の幅と略等しくし、長軸は、軸部27の幅よりも長く形成されている。
【0011】
締結作業穴としての前壁穴35は、図1、図2に示す通り、ラジエータコアサポート20の前壁部21の車幅方向中央部近傍に、車両上下方向略中央部から工具60を挿通可能とするように、車両上下方向に延びる砲弾状の長穴を車幅方向に並べて複数形成されている。前壁穴35は、図5に示す通り、前面視で、後壁穴36を包含するように後壁穴36よりも大きく形成し、後壁穴36と同じ個数だけ設けられている。
【0012】
ラジエータコアサポートロア40は、図2、図4に示す通り、その下方を閉塞するように断面が逆U字形に形成され、後壁穴36がラジエータコアサポートロア40の上方に配されるように、車両前後方向のそれぞれの端面43をそれぞれラジエータコアサポート20の前壁部21および後壁部22の裏面に溶接等で固定されている。ラジエータコアサポートロア40の逆U字形の端面43の下端は、前壁部21と後壁部22の下端と略一致している。
【0013】
また、ラジエータコアサポートロア40には、図4、図5に示す通り、前壁穴35と後壁穴36との間に凹部としてのラジエータコアサポートロア凹部42と、前壁穴35に向けて車幅方向に対して下方に傾斜した傾斜部としての下方傾斜面41を設けている。
【0014】
また、ラジエータコアサポートロア40は、図2、図4に示す通り、ラジエータコアサポートロア40の上面を前壁穴35の砲弾状の長穴の下端と略一致させている。尚、この略一致とは、図4に示す通り、段差Gが生じていたとしても、ラジエータコアサポートロア40上のボルト25を指で取り出せる程度の段差であれば、この段差Gも略一致とみなす。
【0015】
フードロック調整装置としての位置調整装置70は、図6に示す通り、本体部材73と、可動部材77と、回動レバー72と、スプリング76と、スプリング押さえ部材78と、ピン81とを備えている。
【0016】
本体部材73は、図6に示す通り、本体部材側面85の上部に、固定レバー71を締結あるいは溶接等で固定している。また、固定レバー71が固定された本体部材側面85の下部には、本体部材側面85より突出し、本体部材ピン挿通穴83を設けた本体部材フランジ84が離間して一対設けられている。
【0017】
また、本体部材73は、本体部材前面86の上部に、エンジンフードアウタ11と当接可能となる上部押さえ部74を締結あるいは溶接等で固定している。
【0018】
さらに、本体部材73には、本体部材上面87と本体部材下面88とを貫通する棒状部材挿通穴89が設けられている。また、本体部材側面85の本体部材フランジ84間には回動レバー挿通穴91が設けられ、棒状部材挿通穴89とつながっている。
【0019】
回動レバー72には、本体部材73と当接可能な先端部95と、ピン81を挿通可能とする回動レバーピン挿通穴82とが設けられている。また、回動レバー72は、本体部材フランジ84間に配され、回動レバー挿通穴91に通されて、先端部95を回動レバー係止穴80の内面に当接可能とするように、本体部材ピン挿通穴83および回動レバーピン挿通穴82を挿通するピン81によって回動自在に軸支されている。
【0020】
可動部材77は、下部押さえ部75と、棒状部材79とを備えている。下部押さえ部75は、ラジエータコアサポート20の下部を押さえることができるように、爪部90を幅方向に離間して一対設け、棒状部材79の下部に固定されている。棒状部材79は、図6、図8、図9に示す通り、回動する回動レバー72の先端部95が係止可能なように、回動レバー係止穴80を有している。また、可動部材77は、その棒状部材79を本体部材73の棒状部材挿通穴89の本体部材下面88側より挿通され、棒状部材79の上部を本体部材上面87より突出させる。その突出された棒状部材79の外周側にスプリング76を配し、スプリング76の上端と当接するようにスプリング押さえ部材78を棒状部材79の上端に締結あるいは溶接等で固定する。
【0021】
次に第1の実施例におけるフードロック16をラジエータコアサポート20に締結する車両前部組付方法について説明する。
【0022】
フードロック16をラジエータコアサポート20の後壁部22に配し、後壁部22に設けられた後壁穴36と、フードロック16のフードロック穴31とを合わせる。
【0023】
車両前方側より、工具60の先端にボルト25を取り付けた状態で、ボルト25が取り付いた工具60をラジエータコアサポート20の前壁部21に設けられた前壁穴35より挿入し、ボルト25の軸部27を後壁穴36、フードロック穴31に通し、フードロック16と後壁部22とをボルト25およびナット30によって仮締結する。尚、仮締結とは、ボルト25とナット30とが完全に締め付けられていない遊嵌状態をいい、フードロック16に外力を加えることによりフードロック16が移動可能な状態をいう。
【0024】
次に、エンジンフード10を閉じ、ストライカ15とフードロック16とを嵌合した状態にする。そして、エンジンフード10を閉じた状態において、エンジンフードアウタ11の上面を下方に押し、エンジンフード10を下方に移動させることで、エンジンフード10の前部に設けられたストライカ15と嵌合したフードロック16を下方に移動させ、エンジンフード10と図示しないヘッドランプ等の周辺部品との隙間や面差、バンパーラバー23の潰れ量などを調整することができる。
【0025】
また、エンジンフード10を下方に移動させ、フードロック16を下方に移動させる手段は、フードロック調整装置としての位置調整装置70を用いても行うことができる。
【0026】
位置調整装置70は、図8に示す静止状態から、固定レバー71と回動レバー72とを握り、回動レバー72を図9に示す通り、X方向に回動させることにより、回動レバーの先端部95をY方向に移動させる。回動レバー72の先端部95をY方向に移動することにより、回動レバー72が棒状部材79に当接し、棒状部材79と一体となった可動部材77をZ方向に移動させる。また、可動部材77のZ方向の移動に伴い、可動部材77と一体のスプリング押さえ部材78もZ方向に移動するため、スプリング押さえ部材78によりスプリング76が押されて縮みながら、上部押さえ部74と下部押さえ部75間の距離Cを広げる。この上部押さえ部74と下部押さえ部75間の距離Cを広げた状態で、図2に示す通り、位置調整装置70の上部押さえ部74をエンジンフードアウタ11の前部に、下部押さえ部75の爪部90をラジエータコアサポート20の前壁部21の下端に合わせ、可動レバー72を放す。
【0027】
回動レバー72を放すことで、スプリング76が静止状態に戻る付勢力により、スプリング76がスプリング押さえ部材78を押し上げ、可動部材77全体をZ方向と逆方向に移動させ、上部押さえ部74と下部押さえ部75間の距離Cが縮まることにより、閉じたエンジンフード10とラジエータサポート20の下部とが挟持され、エンジンフードアウタ11を下方に移動させることによって、フードロック16を下方に移動させることができる。
【0028】
次に、フードロック16を仮締結しているボルト25に向けて、車両前方側より、工具60を前壁穴35より挿入し、工具60の先端をボルト25の頭部26に当て、工具60によってボルト25を締め付け、フードロック16と後壁部22とをボルト25およびナット30によって本締結する。
【0029】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例における車両前部構造の構成を説明する。
尚、第1の実施例と同一構成部分には同一符合を付して重複する説明を省略して述べる。
【0030】
ラジエータコアサポート120は、図10に示す通り、前述のラジエータコアサポート20に対して、前壁穴135が設けられた前壁部121によって構成される。
【0031】
前壁穴135は、図10に示す通り、ボルト25を締め付ける工具60が挿入可能となるように、前壁部121に設けられている。前壁穴135の大きさは、ボルト25の頭部26にまっすぐに当てた工具60と隙間を確保でき、工具60が後壁部22のボルト25にアクセス可能となるように、設定されている。
【0032】
前壁穴135の下端は、図10に示す通り、ラジエータコアサポートロア40の上面に対して下方に設定されている。
【0033】
第2の実施例におけるフードロック16をラジエータコアサポート120に締結する車両前部組付方法については、第1の実施例と同様の為、省略する。
【0034】
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例における車両前部構造の構成を説明する。
尚、第1および第2の実施例と同一構成部分には同一符合を付して重複する説明を省略して述べる。
【0035】
ラジエータコアサポート220は、図11に示す通り、前述のラジエータコアサポート20に対して、前壁穴235が設けられた前壁部221および後壁穴236が設けられた後壁部222によって構成される。
【0036】
フードロック216には、図11に示す通り、被締結部材としてのボルト225が溶接等で固着されて、締結具としてのナット230を締結可能としている。尚、フードロック216のボルト225の頭部226を固着した裏面を貫通し、ボルト225の軸部227を挿通可能な大きさで形成されたフードロック穴231が設けられている。
【0037】
第3の実施例におけるフードロック216をラジエータコアサポート220に締結する動作については第1の実施例と同様の為、省略する。
次に本発明における作用効果について説明する。
【0038】
本発明によれば、フードロック16をラジエータコアサポート20の後壁部22に配した場合に、前壁部21には前壁穴35が設けられているため、車両前方側の前壁穴35より締結作業をすることができ、エンジン等の周辺部品に作業スペースを悪化されることなく、フードロック16を締結することができる。
【0039】
また、フードロック16をラジエータコアサポート20の後壁部22に配し、エンジンフード10を閉めた状態で、フードロック16を位置調整し、車両前方側よりボルト25を締め付けることができるため、作業が容易である。
【0040】
前壁穴35は、長穴で形成され、工具60に対して隙間を確保した大きさで設けられているため、仮締結されたフードロック16およびボルト25を位置調整によって下方に移動させたとしても、工具60を前壁穴35より挿入し、後面部22のボルト25の頭部26を締め付けることができる。
【0041】
ラジエータコアサポート20の下方を閉塞するようにラジエータコアサポートロア40を配しているため、ラジエータコアサポート20とラジエータコアサポートロア40によって閉塞される閉断面の面積を大きくすることができ、ラジエータコアサポート20の強度、剛性を高めることができる。
【0042】
前壁穴35の下端は、ラジエータコアサポートロア40の上面と略一致するように設けられているため、ラジエータコアサポートロア40上に誤って落としたボルト25を前壁穴35より取り出しやすくすることができる。さらに、ラジエータコアサポート20およびラジエータコアサポートロア40が一体となって電着塗装される際に塗装溶液を前壁穴35より排出しやすくし、また走行中に前壁穴35より浸入した水を前壁穴35より排出しやすくすることができる。
【0043】
前壁穴135の下端がラジエータコアサポート40の下方に設けられているため、ラジエータコアサポートロア40をラジエータコアサポート120に取り付ける車両上下方向の位置精度を緩和することができる。
【0044】
ラジエータコアサポートロア40に前壁穴35に向けて下方に傾斜する下方傾斜面41を設けているため、ボルト25の車幅方向への移動を防止するとともにし、ラジエータコアサポートロア40に落下したボルト25を重力の作用により前壁穴35へ移動させ、落下したボルト25を前壁穴35より取り出しやすくすることができる。また、前述の塗装溶液や浸入した水も重力の作用により排出しやすくすることができる。
【0045】
後壁穴36をラジエータコアサポートロア40の上方に配しているため、後壁穴36に向けてボルト25を挿通しようとした際にボルト25が下方に落下した場合でも、ボルト25がラジエータコアサポートロア40上に落下し、落下したボルト25を探す手間を省くことができる。
【0046】
後壁穴36は、長穴で形成されているため、フードロック16の位置調整する際、仮締結されたフードロック16およびボルト25が一体となって、フードロック16を仮締結した状態で下方に移動させることができる。
【0047】
前壁穴35は後壁穴36を包含するように後壁穴36よりも大きく形成されているため、フードロック16が位置調整により移動したとしても、工具60を前壁穴35より挿入し、工具60をボルト25の頭部26に向けてまっすぐに当て、締め付けることができる。
【0048】
ラジエータコアサポートロア40の前壁穴35と後壁穴36との間にラジエータコアサポートロア凹部42が設けられているため、先端にボルト25を取り付けた工具60を前壁穴35から後壁穴36へ移動する途中で、ボルト25が外れて落下したとしても、ボルト25をラジエータコアサポートロア凹部42内に留め、落下したボルト25を探す手間を省くことができる。
【0049】
フードロック16にナット30が設けられているため、ボルト25の軸部27をフードロック穴31に挿入する際、フードロック16を手で持ちながら後壁穴36に合わせて動かすことができ、締め付け作業を容易にすることができる。
【0050】
後壁部22にフードロック16を配した場合には、エンジンフード10を開けた状態で車両後方側よりフードロック16を締結していたため、エンジンフード10を閉じた状態で仮締結したフードロック16の位置調整をし、エンジンフード10が閉じた状態で車両前方側よりボルト25を締め付け、本締結することができなかった。しかし、前壁部21には前壁穴35を設け、この前壁穴を介してフードロック16の締結作業をすることで、エンジンフード10を閉じた状態で、仮締結されたフードロック16の位置調整を行い、車両前方側より本締結可能とすることができる。
【0051】
位置調整装置70は、エンジンフードアウタ11の前部とラジエータコアサポート20の下部とを挟持しているため、装置の大きさを小さくでき、作業時に位置調整装置70をセットするために持ち運ぶ労力を低減することができる。
【0052】
尚、本発明の実施形態は上記のものに限らず、他の種々の態様を採用できるものであり、例えば、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせたものでもよく、或いは、第1の実施形態と第3の実施形態を組み合わせたものや、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施例における車両前部構造を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例における車両前部構造及び車両前部組付方法を示す側面図。(断面I-I)
【図3】本発明の第1の実施例におけるフードロックを示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施例における車両前部構造及び車両前部組付方法を示す側面図。
【図5】本発明の第1の実施例におけるラジエータコアサポートを示す前面図。(断面II-II)
【図6】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す斜視図。
【図7】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す斜視図。
【図8】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す側面図。(断面III-III)
【図9】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す側面図。(断面III-III)
【図10】本発明の第2の実施例における車体前部構造を示す側面図。
【図11】本発明の第3の実施例における車両前部構造及び車両前部組付方法を示す側面図。
【符号の説明】
【0054】
15 ストライカ
16 フードロック
20 ラジエータコアサポート
21 前壁部
22 後壁部
31 フードロック穴
35 前壁穴
36 後壁穴
40 ラジエータコアサポートロア
70 位置調整装置
【技術分野】
【0001】
車両フードのフードロックにおける車両前部構造および車両前部組付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車体の前部構造において、ラジエータコアサポートの車両後面側に、フードに設けられたストライカに対応するフードロックが締結されている。フードロックは、車両後方側より締結される構造が開示されている。
【特許文献1】特開2003-306168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来技術においては、フードロックがラジエータコアサポートの車両後面側に配され、車両後方側より締結する構造であったため、ラジエータコアサポートの車両後方側にはエンジン等があり、車両後方側より、フードロックの締結作業スペースが少なく、作業性が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題点を解決するために、本発明は、ラジエータコアサポートの車両後面部にフードロックを配し、車両前方側より、フードロックを締結部材で締結可能とするように、車両前面部の前記締結部材に対応する位置に締結作業穴を設けた。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、フードロックをラジエータコアサポートの車両後面側に配した場合に、車両前方側より締結作業をすることができるので、エンジン等の周辺部品に作業スペースを悪化されることなく、フードロックを締結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図面と共に説明する。
第1の実施例における車両前部構造の構成を説明する。
【0007】
フードとしてのエンジンフード10は、図1、図2に示す通り、エンジンルームERの上方を覆い、後部にヒンジ機構13を設けて回動自在に支持され、エンジンフードアウタ11とエンジンフードインナ12で構成されている。エンジンフード10の前部には、車幅方向中央部近傍位置で、エンジンフードインナ12より下方へ突出するストライカ15が固定されている。
【0008】
フードロック16は、エンジンフード10に固定されたストライカ15と嵌合する。また、フードロック16には、図2、図3に示す通り、被締結部材としてのナット30が溶接等で固着されて、締結具としてのボルト25を締結可能としている。ボルト25およびナット30は、締結部材である。さらに、フードロック16には、ナット30を固着した面とその裏面とを貫通し、ボルト25の軸部27を挿入可能な大きさで形成されたフードロック穴31が設けられている。尚、ナット30を設定せずに、フードロック穴31にねじ溝を設けて、ボルト25と締結可能としてもよい。
【0009】
ラジエータコアサポート20は、図1に示す通り、エンジンルームERの車両前部かつラジエータRの上方に配され、車幅方向に延在している。また、ラジエータコアサポート20は、図2に示す通り、車両前後方向に離間して配置された車両前面部としての前壁部21および車両後面部としての後壁部22と、この前壁部21と後壁部22との上端をつなぐ上面部28とで構成される。この構成から、ラジエータコアサポート20は、前壁部21と後壁部22と上面部28によって、断面が逆U字状に形成されている。また、上面部28の車幅方向両側部には、図1に示す通り、ゴムなどの弾性体で形成され、エンジンフードインナ12と当接して、エンジンフード10の振動を抑制するバンパーラバー23が設けられている。
【0010】
車両後面穴としての後壁穴36は、図1、図4、図5に示す通り、ラジエータコアサポート20の後壁部22の車幅方向中央部近傍で、車両上下方向略中央部に複数設けられている。また、後壁穴36は、ボルト25の軸部27を挿通可能とするように、車幅方向を短軸とし、車両上下方向を長軸とする長穴で形成されている。短軸は、軸部27の幅と略等しくし、長軸は、軸部27の幅よりも長く形成されている。
【0011】
締結作業穴としての前壁穴35は、図1、図2に示す通り、ラジエータコアサポート20の前壁部21の車幅方向中央部近傍に、車両上下方向略中央部から工具60を挿通可能とするように、車両上下方向に延びる砲弾状の長穴を車幅方向に並べて複数形成されている。前壁穴35は、図5に示す通り、前面視で、後壁穴36を包含するように後壁穴36よりも大きく形成し、後壁穴36と同じ個数だけ設けられている。
【0012】
ラジエータコアサポートロア40は、図2、図4に示す通り、その下方を閉塞するように断面が逆U字形に形成され、後壁穴36がラジエータコアサポートロア40の上方に配されるように、車両前後方向のそれぞれの端面43をそれぞれラジエータコアサポート20の前壁部21および後壁部22の裏面に溶接等で固定されている。ラジエータコアサポートロア40の逆U字形の端面43の下端は、前壁部21と後壁部22の下端と略一致している。
【0013】
また、ラジエータコアサポートロア40には、図4、図5に示す通り、前壁穴35と後壁穴36との間に凹部としてのラジエータコアサポートロア凹部42と、前壁穴35に向けて車幅方向に対して下方に傾斜した傾斜部としての下方傾斜面41を設けている。
【0014】
また、ラジエータコアサポートロア40は、図2、図4に示す通り、ラジエータコアサポートロア40の上面を前壁穴35の砲弾状の長穴の下端と略一致させている。尚、この略一致とは、図4に示す通り、段差Gが生じていたとしても、ラジエータコアサポートロア40上のボルト25を指で取り出せる程度の段差であれば、この段差Gも略一致とみなす。
【0015】
フードロック調整装置としての位置調整装置70は、図6に示す通り、本体部材73と、可動部材77と、回動レバー72と、スプリング76と、スプリング押さえ部材78と、ピン81とを備えている。
【0016】
本体部材73は、図6に示す通り、本体部材側面85の上部に、固定レバー71を締結あるいは溶接等で固定している。また、固定レバー71が固定された本体部材側面85の下部には、本体部材側面85より突出し、本体部材ピン挿通穴83を設けた本体部材フランジ84が離間して一対設けられている。
【0017】
また、本体部材73は、本体部材前面86の上部に、エンジンフードアウタ11と当接可能となる上部押さえ部74を締結あるいは溶接等で固定している。
【0018】
さらに、本体部材73には、本体部材上面87と本体部材下面88とを貫通する棒状部材挿通穴89が設けられている。また、本体部材側面85の本体部材フランジ84間には回動レバー挿通穴91が設けられ、棒状部材挿通穴89とつながっている。
【0019】
回動レバー72には、本体部材73と当接可能な先端部95と、ピン81を挿通可能とする回動レバーピン挿通穴82とが設けられている。また、回動レバー72は、本体部材フランジ84間に配され、回動レバー挿通穴91に通されて、先端部95を回動レバー係止穴80の内面に当接可能とするように、本体部材ピン挿通穴83および回動レバーピン挿通穴82を挿通するピン81によって回動自在に軸支されている。
【0020】
可動部材77は、下部押さえ部75と、棒状部材79とを備えている。下部押さえ部75は、ラジエータコアサポート20の下部を押さえることができるように、爪部90を幅方向に離間して一対設け、棒状部材79の下部に固定されている。棒状部材79は、図6、図8、図9に示す通り、回動する回動レバー72の先端部95が係止可能なように、回動レバー係止穴80を有している。また、可動部材77は、その棒状部材79を本体部材73の棒状部材挿通穴89の本体部材下面88側より挿通され、棒状部材79の上部を本体部材上面87より突出させる。その突出された棒状部材79の外周側にスプリング76を配し、スプリング76の上端と当接するようにスプリング押さえ部材78を棒状部材79の上端に締結あるいは溶接等で固定する。
【0021】
次に第1の実施例におけるフードロック16をラジエータコアサポート20に締結する車両前部組付方法について説明する。
【0022】
フードロック16をラジエータコアサポート20の後壁部22に配し、後壁部22に設けられた後壁穴36と、フードロック16のフードロック穴31とを合わせる。
【0023】
車両前方側より、工具60の先端にボルト25を取り付けた状態で、ボルト25が取り付いた工具60をラジエータコアサポート20の前壁部21に設けられた前壁穴35より挿入し、ボルト25の軸部27を後壁穴36、フードロック穴31に通し、フードロック16と後壁部22とをボルト25およびナット30によって仮締結する。尚、仮締結とは、ボルト25とナット30とが完全に締め付けられていない遊嵌状態をいい、フードロック16に外力を加えることによりフードロック16が移動可能な状態をいう。
【0024】
次に、エンジンフード10を閉じ、ストライカ15とフードロック16とを嵌合した状態にする。そして、エンジンフード10を閉じた状態において、エンジンフードアウタ11の上面を下方に押し、エンジンフード10を下方に移動させることで、エンジンフード10の前部に設けられたストライカ15と嵌合したフードロック16を下方に移動させ、エンジンフード10と図示しないヘッドランプ等の周辺部品との隙間や面差、バンパーラバー23の潰れ量などを調整することができる。
【0025】
また、エンジンフード10を下方に移動させ、フードロック16を下方に移動させる手段は、フードロック調整装置としての位置調整装置70を用いても行うことができる。
【0026】
位置調整装置70は、図8に示す静止状態から、固定レバー71と回動レバー72とを握り、回動レバー72を図9に示す通り、X方向に回動させることにより、回動レバーの先端部95をY方向に移動させる。回動レバー72の先端部95をY方向に移動することにより、回動レバー72が棒状部材79に当接し、棒状部材79と一体となった可動部材77をZ方向に移動させる。また、可動部材77のZ方向の移動に伴い、可動部材77と一体のスプリング押さえ部材78もZ方向に移動するため、スプリング押さえ部材78によりスプリング76が押されて縮みながら、上部押さえ部74と下部押さえ部75間の距離Cを広げる。この上部押さえ部74と下部押さえ部75間の距離Cを広げた状態で、図2に示す通り、位置調整装置70の上部押さえ部74をエンジンフードアウタ11の前部に、下部押さえ部75の爪部90をラジエータコアサポート20の前壁部21の下端に合わせ、可動レバー72を放す。
【0027】
回動レバー72を放すことで、スプリング76が静止状態に戻る付勢力により、スプリング76がスプリング押さえ部材78を押し上げ、可動部材77全体をZ方向と逆方向に移動させ、上部押さえ部74と下部押さえ部75間の距離Cが縮まることにより、閉じたエンジンフード10とラジエータサポート20の下部とが挟持され、エンジンフードアウタ11を下方に移動させることによって、フードロック16を下方に移動させることができる。
【0028】
次に、フードロック16を仮締結しているボルト25に向けて、車両前方側より、工具60を前壁穴35より挿入し、工具60の先端をボルト25の頭部26に当て、工具60によってボルト25を締め付け、フードロック16と後壁部22とをボルト25およびナット30によって本締結する。
【0029】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例における車両前部構造の構成を説明する。
尚、第1の実施例と同一構成部分には同一符合を付して重複する説明を省略して述べる。
【0030】
ラジエータコアサポート120は、図10に示す通り、前述のラジエータコアサポート20に対して、前壁穴135が設けられた前壁部121によって構成される。
【0031】
前壁穴135は、図10に示す通り、ボルト25を締め付ける工具60が挿入可能となるように、前壁部121に設けられている。前壁穴135の大きさは、ボルト25の頭部26にまっすぐに当てた工具60と隙間を確保でき、工具60が後壁部22のボルト25にアクセス可能となるように、設定されている。
【0032】
前壁穴135の下端は、図10に示す通り、ラジエータコアサポートロア40の上面に対して下方に設定されている。
【0033】
第2の実施例におけるフードロック16をラジエータコアサポート120に締結する車両前部組付方法については、第1の実施例と同様の為、省略する。
【0034】
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例における車両前部構造の構成を説明する。
尚、第1および第2の実施例と同一構成部分には同一符合を付して重複する説明を省略して述べる。
【0035】
ラジエータコアサポート220は、図11に示す通り、前述のラジエータコアサポート20に対して、前壁穴235が設けられた前壁部221および後壁穴236が設けられた後壁部222によって構成される。
【0036】
フードロック216には、図11に示す通り、被締結部材としてのボルト225が溶接等で固着されて、締結具としてのナット230を締結可能としている。尚、フードロック216のボルト225の頭部226を固着した裏面を貫通し、ボルト225の軸部227を挿通可能な大きさで形成されたフードロック穴231が設けられている。
【0037】
第3の実施例におけるフードロック216をラジエータコアサポート220に締結する動作については第1の実施例と同様の為、省略する。
次に本発明における作用効果について説明する。
【0038】
本発明によれば、フードロック16をラジエータコアサポート20の後壁部22に配した場合に、前壁部21には前壁穴35が設けられているため、車両前方側の前壁穴35より締結作業をすることができ、エンジン等の周辺部品に作業スペースを悪化されることなく、フードロック16を締結することができる。
【0039】
また、フードロック16をラジエータコアサポート20の後壁部22に配し、エンジンフード10を閉めた状態で、フードロック16を位置調整し、車両前方側よりボルト25を締め付けることができるため、作業が容易である。
【0040】
前壁穴35は、長穴で形成され、工具60に対して隙間を確保した大きさで設けられているため、仮締結されたフードロック16およびボルト25を位置調整によって下方に移動させたとしても、工具60を前壁穴35より挿入し、後面部22のボルト25の頭部26を締め付けることができる。
【0041】
ラジエータコアサポート20の下方を閉塞するようにラジエータコアサポートロア40を配しているため、ラジエータコアサポート20とラジエータコアサポートロア40によって閉塞される閉断面の面積を大きくすることができ、ラジエータコアサポート20の強度、剛性を高めることができる。
【0042】
前壁穴35の下端は、ラジエータコアサポートロア40の上面と略一致するように設けられているため、ラジエータコアサポートロア40上に誤って落としたボルト25を前壁穴35より取り出しやすくすることができる。さらに、ラジエータコアサポート20およびラジエータコアサポートロア40が一体となって電着塗装される際に塗装溶液を前壁穴35より排出しやすくし、また走行中に前壁穴35より浸入した水を前壁穴35より排出しやすくすることができる。
【0043】
前壁穴135の下端がラジエータコアサポート40の下方に設けられているため、ラジエータコアサポートロア40をラジエータコアサポート120に取り付ける車両上下方向の位置精度を緩和することができる。
【0044】
ラジエータコアサポートロア40に前壁穴35に向けて下方に傾斜する下方傾斜面41を設けているため、ボルト25の車幅方向への移動を防止するとともにし、ラジエータコアサポートロア40に落下したボルト25を重力の作用により前壁穴35へ移動させ、落下したボルト25を前壁穴35より取り出しやすくすることができる。また、前述の塗装溶液や浸入した水も重力の作用により排出しやすくすることができる。
【0045】
後壁穴36をラジエータコアサポートロア40の上方に配しているため、後壁穴36に向けてボルト25を挿通しようとした際にボルト25が下方に落下した場合でも、ボルト25がラジエータコアサポートロア40上に落下し、落下したボルト25を探す手間を省くことができる。
【0046】
後壁穴36は、長穴で形成されているため、フードロック16の位置調整する際、仮締結されたフードロック16およびボルト25が一体となって、フードロック16を仮締結した状態で下方に移動させることができる。
【0047】
前壁穴35は後壁穴36を包含するように後壁穴36よりも大きく形成されているため、フードロック16が位置調整により移動したとしても、工具60を前壁穴35より挿入し、工具60をボルト25の頭部26に向けてまっすぐに当て、締め付けることができる。
【0048】
ラジエータコアサポートロア40の前壁穴35と後壁穴36との間にラジエータコアサポートロア凹部42が設けられているため、先端にボルト25を取り付けた工具60を前壁穴35から後壁穴36へ移動する途中で、ボルト25が外れて落下したとしても、ボルト25をラジエータコアサポートロア凹部42内に留め、落下したボルト25を探す手間を省くことができる。
【0049】
フードロック16にナット30が設けられているため、ボルト25の軸部27をフードロック穴31に挿入する際、フードロック16を手で持ちながら後壁穴36に合わせて動かすことができ、締め付け作業を容易にすることができる。
【0050】
後壁部22にフードロック16を配した場合には、エンジンフード10を開けた状態で車両後方側よりフードロック16を締結していたため、エンジンフード10を閉じた状態で仮締結したフードロック16の位置調整をし、エンジンフード10が閉じた状態で車両前方側よりボルト25を締め付け、本締結することができなかった。しかし、前壁部21には前壁穴35を設け、この前壁穴を介してフードロック16の締結作業をすることで、エンジンフード10を閉じた状態で、仮締結されたフードロック16の位置調整を行い、車両前方側より本締結可能とすることができる。
【0051】
位置調整装置70は、エンジンフードアウタ11の前部とラジエータコアサポート20の下部とを挟持しているため、装置の大きさを小さくでき、作業時に位置調整装置70をセットするために持ち運ぶ労力を低減することができる。
【0052】
尚、本発明の実施形態は上記のものに限らず、他の種々の態様を採用できるものであり、例えば、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせたものでもよく、或いは、第1の実施形態と第3の実施形態を組み合わせたものや、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施例における車両前部構造を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例における車両前部構造及び車両前部組付方法を示す側面図。(断面I-I)
【図3】本発明の第1の実施例におけるフードロックを示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施例における車両前部構造及び車両前部組付方法を示す側面図。
【図5】本発明の第1の実施例におけるラジエータコアサポートを示す前面図。(断面II-II)
【図6】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す斜視図。
【図7】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す斜視図。
【図8】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す側面図。(断面III-III)
【図9】本発明の第1の実施例におけるフードロック位置調整装置を示す側面図。(断面III-III)
【図10】本発明の第2の実施例における車体前部構造を示す側面図。
【図11】本発明の第3の実施例における車両前部構造及び車両前部組付方法を示す側面図。
【符号の説明】
【0054】
15 ストライカ
16 フードロック
20 ラジエータコアサポート
21 前壁部
22 後壁部
31 フードロック穴
35 前壁穴
36 後壁穴
40 ラジエータコアサポートロア
70 位置調整装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なフードの前部に設けられたストライカと、
前記ストライカに対応し、ラジエータコアサポートに配されるフードロックとを有する車体前部構造において、
前記ラジエータコアサポートは、車幅方向に延在し、車両前後方向に互いに離間する車両前面部および車両後面部を有し、
前記車両後面部に、締結部材で前記フードロックを締結し、
前記車両前面部は、車両前方側より、前記締結部材を締付可能とするように、前記締結部材に対応する位置に締結作業穴を有することを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
前記締結作業穴は、車両上下方向の長穴で形成することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
前記ラジエータコアサポートの車両下方を閉塞するように、ラジエータコアサポートロアを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両前部構造。
【請求項4】
前記締結作業穴の下端は、前記ラジエータコアサポートロアの上面と略一致することを特徴とする請求項3に記載の車両前部構造。
【請求項5】
前記締結作業穴の下端は、前記ラジエータコアサポートロアの上面より下方にあることを特徴とする請求項3に記載の車両前部構造。
【請求項6】
前記ラジエータコアサポートロアの上面は、前記締結作業穴に向けて、車幅方向に対して下方に傾斜するように形成することを特徴とする請求項3〜5に記載の車両前部構造。
【請求項7】
前記ラジエータコアサポートの車両後面部に車両後面穴を設け、前記車両後面穴は前記ラジエータコアサポートロアの上方に配され、前記締結部材は前記車両後面穴を通して締結されることを特徴とする請求項3〜6に記載の車両前部構造。
【請求項8】
前記車両後面穴は、車両上下方向の長穴で形成することを特徴とする請求項7に記載の車両前部構造。
【請求項9】
前記締結作業穴の大きさは、車両前面視で、前記車両後面穴を包含するように、前記車両後面穴の大きさよりも大きく形成することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両前部構造。
【請求項10】
前記ラジエータコアサポートロアは、前記締結作業穴と前記車両後面穴との間に、凹部を有することを特徴とする請求項7〜9に記載の車両前部構造。
【請求項11】
前記締結部材は被締結部材と締結具とを含んで構成し、前記フードロックは、記被締結部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項12】
開閉可能なフードの前部に設けられたストライカと、
前記ストライカに対応するフードロックと、
車両前後方向に互いに離間する車両前面部および車両後面部を有するラジエータコアサポートとを備え、
前記フードロックを前記ラジエータコアサポートに組み付ける車両前部組付方法であって、
前記フードロックを締結部材で前記車両後面部に仮締結し、
閉じた前記フードを下方に押し、前記車両後面部に仮締結した前記フードロックを下方に移動させることで、前記フードロックの位置を調整し、
前記車両前面部に設けられた締結作業穴を介して、車両前方側より仮締結された前記締結部材を本締結することを特徴とする車両前部組付方法。
【請求項13】
閉じた前記フードの前部と前記ラジエータコアサポートの下部とを挟持するフードロック調整装置を用いて、前記フードロックの位置を調整することを特徴とする請求項12に記載の車両前部組付方法。
【請求項1】
開閉可能なフードの前部に設けられたストライカと、
前記ストライカに対応し、ラジエータコアサポートに配されるフードロックとを有する車体前部構造において、
前記ラジエータコアサポートは、車幅方向に延在し、車両前後方向に互いに離間する車両前面部および車両後面部を有し、
前記車両後面部に、締結部材で前記フードロックを締結し、
前記車両前面部は、車両前方側より、前記締結部材を締付可能とするように、前記締結部材に対応する位置に締結作業穴を有することを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
前記締結作業穴は、車両上下方向の長穴で形成することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
前記ラジエータコアサポートの車両下方を閉塞するように、ラジエータコアサポートロアを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両前部構造。
【請求項4】
前記締結作業穴の下端は、前記ラジエータコアサポートロアの上面と略一致することを特徴とする請求項3に記載の車両前部構造。
【請求項5】
前記締結作業穴の下端は、前記ラジエータコアサポートロアの上面より下方にあることを特徴とする請求項3に記載の車両前部構造。
【請求項6】
前記ラジエータコアサポートロアの上面は、前記締結作業穴に向けて、車幅方向に対して下方に傾斜するように形成することを特徴とする請求項3〜5に記載の車両前部構造。
【請求項7】
前記ラジエータコアサポートの車両後面部に車両後面穴を設け、前記車両後面穴は前記ラジエータコアサポートロアの上方に配され、前記締結部材は前記車両後面穴を通して締結されることを特徴とする請求項3〜6に記載の車両前部構造。
【請求項8】
前記車両後面穴は、車両上下方向の長穴で形成することを特徴とする請求項7に記載の車両前部構造。
【請求項9】
前記締結作業穴の大きさは、車両前面視で、前記車両後面穴を包含するように、前記車両後面穴の大きさよりも大きく形成することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両前部構造。
【請求項10】
前記ラジエータコアサポートロアは、前記締結作業穴と前記車両後面穴との間に、凹部を有することを特徴とする請求項7〜9に記載の車両前部構造。
【請求項11】
前記締結部材は被締結部材と締結具とを含んで構成し、前記フードロックは、記被締結部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項12】
開閉可能なフードの前部に設けられたストライカと、
前記ストライカに対応するフードロックと、
車両前後方向に互いに離間する車両前面部および車両後面部を有するラジエータコアサポートとを備え、
前記フードロックを前記ラジエータコアサポートに組み付ける車両前部組付方法であって、
前記フードロックを締結部材で前記車両後面部に仮締結し、
閉じた前記フードを下方に押し、前記車両後面部に仮締結した前記フードロックを下方に移動させることで、前記フードロックの位置を調整し、
前記車両前面部に設けられた締結作業穴を介して、車両前方側より仮締結された前記締結部材を本締結することを特徴とする車両前部組付方法。
【請求項13】
閉じた前記フードの前部と前記ラジエータコアサポートの下部とを挟持するフードロック調整装置を用いて、前記フードロックの位置を調整することを特徴とする請求項12に記載の車両前部組付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−105430(P2010−105430A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276765(P2008−276765)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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