説明

車両情報管理システム

【課題】運転免許証や保険証等又はそれらの内容をドライバが一元的に管理することを可能にする車両情報管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の車両情報管理システムは、車両1に搭載される端末装置3と、端末装置3と通信接続されるサーバ11a-eとを具えており、サーバ11a-eは、車両に関する車両情報データを保持すると共に、端末装置3の求めに応じて、端末装置3に車両情報データを送信し、端末装置3は、車両情報データを受信して記録手段に記録すると共に、ドライバからの指示に応じて、前両情報データを表示手段に表示することを特徴とする。車両情報データは、運転免許証、車両保険証、ロードサービスの会員証若しくは車検証の内容を含むデータ、又は整備の履歴に関するデータである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転免許証や車検証等に記載されている車両に関する情報を提供及び管理する車両情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置の普及に伴って、自動車の高度情報化が著しく進展しており、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)に対応したカーナビゲーション装置を利用することで、自動車への道路交通情報の提供が行われている(例えば、特許文献1参照)。また、このように自動車側が一方的に情報を受け取るシステムとは異なり、通信手段を用いて自動車側が情報を外部に送信するシステムも多数提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−151076号公報
【特許文献2】特開2000−48290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車又は二輪車等の車両に関する書類は、運転免許証、車両保険証、車検証や整備履歴書など多数存在しているが、それらの保管は、ドライバにとって非常に面倒である。さらに、運転免許証及び車両保険証等は更新される必要があるが、ドライバがそれらの更新時期を忘れてしまう恐れもある。また、運転免許証は、法律上携帯が義務付けられているものの、ドライバが家などにうっかり忘れてしまうことがあり、その場合に、運転免許証を他人に提示したり、それに記載された情報を他人に教える必要が生じると、非常に困ったことになる。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するものであり、運転免許証や車両保険証等又はそれらの内容を、ドライバが一元的に管理することを可能にする車両情報管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両情報管理システムは、車両に搭載される端末装置と、前記端末装置と通信接続されるサーバとを具える車両情報管理システムにおいて、前記サーバは、前記車両に関する車両情報データを保持すると共に、前記端末装置の求めに応じて、前記端末装置に前記車両情報データを送信し、前記端末装置は、前記車両情報データを受信して記録手段に記録すると共に、ドライバからの指示に応じて、前記車両情報データを表示手段に表示することを特徴とする。
【0007】
本発明の車両情報管理システムでは、前記車両情報データは、運転免許証、車両保険証、ロードサービスの会員証又は車検証の内容を含んでおり、さらに、前記端末装置は、前記車両情報データに含まれる運転免許証等の更新期限を参照して、所定の時期に至ると、運転免許証等の更新が必要な旨を前記表示手段に表示する。
【0008】
また、本発明の車両情報管理システムでは、前記車両情報データは、前記車両の整備に関するデータであって、前記端末装置は、前記車両情報データを参照して前記車両の整備が必要な旨を前記表示手段に表示する。
【0009】
さらに、本発明の車両情報管理システムでは、前記端末装置は、前記車両の故障又は事故に関する情報と共に、前記車両情報データの全て又は一部を、前記車両の故障又は事故の処理に関係する組織が運営するサーバに送信する。また、前記端末装置は、前記車両情報データを表示又は取得する際に、前記ドライバの認証を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転免許証や車両保険証等の書類の内容を電子データ化して、車両にて一元的に管理することが可能になる。そして、ドライバは、インターネット等を通じて、それらのデータを車両にて取得することが可能となる。また、それらのデータに基づいて、運転免許証や車両保険証の更新の必要を、又は車両のメンテナンスの必要を、適切な時期にドライバに通知することや、車両の故障や事故が発生した場合に、警察やロードサービス等に必要な情報を迅速に提供することも可能となる。加えて、車両情報に係るデータを表示又は取得する際に、端末装置がドライバの認証を行うことで、車両情報データに第三者がアクセスすることが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について図を用いて説明する。図1は、本発明の車両情報管理システムの一例を示す概略図である。車両情報管理システムは、自動車(1)に搭載される端末装置(3)と、この端末装置(3)と無線通信を行う基地局(5)と、基地局(5)が接続されている移動体通信網(7)と、移動体通信網(7)が繋がっているインターネット(9)と、インターネット(9)に接続された各種サーバ(11a-e)(13)(15)とを含んでいる。なお、本発明の車両情報管理システムにて、端末装置(3)が搭載される車両は自動車に限定される必要はなく、端末装置(3)は例えば二輪車に搭載されてもよい。
【0012】
第1サーバ(11a)は、運転免許証(の記載内容)に相当するデータ(以下、「免許証データ」と称する)をネットワークを通じて配布することを目的として設置されたサーバであって、例えば、運転免許センター又はその委託を受けた団体によって運営されている。運転免許センター又はこの団体に対して、免許証データの配布サービスの申し込みをすることで、第1サーバ(11a)にアクセスするのに必要なユーザID及びパスワードがドライバに付与される。これにより、後述するように、ドライバは、端末装置(3)を用いて第1サーバ(11a)にアクセスして、第1サーバ(11a)から自己の免許証データを取得可能となる。免許証データは、ドライバの氏名、顔写真、運転免許証番号、交付日、有効期限、免許の条件、生年月日、本籍及び現住所等を含んでいる。
【0013】
第2サーバ(11b)は、例えば、車両保険会社によって運営されているサーバであって、ドライバが加入している車両保険の保険証に相当するデータ(以下、「保険証データ」と称する)と、保険の規約に相当するデータ(以下、「保険規約データ」と称する)をネットワークを通じて配布することを目的として設置されている。例えば、ドライバが車両保険を申し込む際に、このデータの配布サービスを受けることを希望すると、第2サーバ(11b)にアクセスするのに必要なユーザID及びパスワードが、ドライバに付与される。ドライバは、端末装置(3)を用いて第2サーバ(11b)にアクセスして、自己の保険証データ及び保険規約データを取得する。保険証データは、ドライバの氏名、生年月日、住所、保険番号、加入日、有効期限及び保険内容等を含んでいる。保険規約データは、保険契約に関する各種条項等を含んでいる。
【0014】
第3サーバ(11c)は、例えば、社団法人日本自動車連盟のようなロードサービスを行う団体又は企業によって運営されているサーバであって、ロードサービスの会員証に相当するデータ(以下、「会員証データ」)と、会員規約に相当するデータ(以下、「会員規約データ」と称する)をネットワークを通じて配布することを目的として設置されている。例えば、団体やロードサービスへの加入を申し込む際に、これらデータの配布サービスを受けることを希望すると、第3サーバ(11c)にアクセスするのに必要なユーザID及びパスワードが、ドライバに付与される。ドライバは、端末装置(3)を用いて第3サーバ(11c)にアクセスして、自己の会員証データを取得する。会員証データは、会員番号、名前、住所、加入日及び有効期限等を含んでおり、会員規約データは、団体や会員が順守する各種規則等を含んでいる。
【0015】
第4サーバ(11d)は、例えば、陸運局(又は、自動車を整備する整備会社や自動車を販売するディーラ)によって運営されているサーバであって、車検証に相当するデータ(以下、「車検証データ」)をネットワークを通じて配布することを目的として設置されている。例えば、ドライバが車検を申し込む際に、このデータの配布サービスを受けることを希望すると、ドライバに、第4サーバ(11d)にアクセスするのに必要なユーザID及びパスワードが付与される。ドライバは、端末装置(3)を用いて第4サーバ(11d)にアクセスして、保有する自動車(1)に係る車検証データを取得する。車検証データは、車検証番号、車体番号、型式及びナンバープレート番号等を含んでいる。
【0016】
第5サーバ(11e)は、自動車を整備する整備会社や自動車を販売するディーラによって運営されているサーバであって、整備履歴書に相当するデータ(以下、「整備履歴データ」)をネットワークを通じて配布することを目的として設置されている。例えば、ドライバが整備を申し込む際に、このデータの配布サービスを受けることを希望すると、第5サーバ(11e)にアクセスするのに必要なユーザID及びパスワードがドライバに付与される。ドライバは、端末装置(3)を用いて第5サーバ(11e)にアクセスして、保有する自動車(1)に係る整備履歴データを取得する。
【0017】
免許証データや保険証データ等は、別個に存在する免許証や保険証等を補完する役割をしている。これらデータを端末装置(3)にて記録及び表示することで、さらに、後述するように、これらデータに基づいて、端末装置(3)が運転免許証や車検証の更新時期等をドライバに通知することで、ドライバは、端末装置(3)を用いて、運転免許証や車検証に記載された車両情報を一元的に管理可能となる。
【0018】
第6サーバ(13)は、警察によって運営されるサーバであって、自動車(1)が事故を起こした場合、端末装置(3)から送られる事故に関する情報を受け取ることを主目的として設置されている。また、第7サーバ(15)はメールサーバであって、例えば、ドライバに付与されているメールアドレスに送られる電子メールを受信し、端末装置(3)からの要請があると、保管している電子メールを端末装置(3)に転送する。
【0019】
車載式のナビゲーション装置は、一般的に表示手段や記録手段を具えていることから、端末装置(3)は、ナビゲーション機能と統合されて実施されるのが好ましい。車両情報の管理機能を有するナビゲーション装置として端末装置(3)を捉えることも可能であろう。また、端末装置(3)は、ナビゲーション機能に加えて、AM/FMラジオ放送やCD等を再生するオーディオ再生機能と統合されて実施されるのが好ましい。
【0020】
図2は、本実施例の端末装置(3)の概要を示すブロック図である。端末装置(3)は、それが搭載されている自動車(1)の現在位置や方位等を決定する位置検出手段と、ナビゲーション機能に用いる地図情報等や取得した車両情報を記録する記録手段と、地図情報等を用いた経路探索処理、誘導経路に沿った経路誘導処理(例えば、誘導用の画像データや音声データの作成)、及び端末装置(3)の統括的な制御等を行う制御手段と、車両の現在位置とその周囲の地図等が示された誘導用画面、取得した車両情報や各種設定画面等を表示する表示手段と、誘導用音声等を発生する音声出力手段と、移動体通信網(7)、さらにはインターネット(9)を通じて外部と通信するための通信手段と、ドライバが端末装置(3)に各種指示を行うための操作手段とを具えている。
【0021】
位置検出手段は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナ(31)を介して受信して、受信したGPS信号から自動車(1)の現在位置(例えば、緯度及び経度)を特定するGPS受信部(33)を含んでいる。また、位置検出手段は、ジャイロスコープ(35)及び車速センサ(37)と、これらから送られた信号を処理して自動車(1)の方位及び速度を特定するジャイロマイクロコンピュータ(以下、マイクロコンピュータを「マイコン」と称する)(39)を含んでいる。端末装置(3)が車両の経路誘導動作を行っている際に、GPS受信部(33)及びジャイロマイコン(39)は、自動車(1)の位置、方位及び速度を決定し、それらの情報を制御手段に送る。
【0022】
記録手段は、地図情報や車両情報等が記録される記録媒体(41)と、制御手段からの指示に基づいて、記録媒体(41)から情報を読み出すドライバ(43)とを含んでいる。本実施例では、記録媒体(41)に、ハードディスクが用いられるが、例えば、CD−ROM、DVD、又はICメモリ等が用いられてもよい。地図情報は、道路に関するノード及びリンクのデータ、各種施設の位置データや、誘導用画面を生成するためのキャラクタデータ等で構成されている。なお、車両情報が記録される記録媒体は、車両情報が記録される記録媒体と別個に設けられてもよい。例えば、車両情報が記録される記録媒体は、ICカードのようにカード状に形成されて、端末装置(3)に着脱自在に構成されてもよい。この場合、端末装置(3)には、カード用のリーダ/ライタが設けられる。このように記録媒体を構成することで、車両情報を他人に提示することが容易に行えて、一般的なカード型の運転免許証や会員証と同じ感覚で、免許証データや会員証データを所持することも可能となる。
【0023】
制御手段には、CPU(45)、RAM(47)、ROM(49)、フラッシュメモリ(51)や図示を省略したローカルバス等を含む制御マイコン(53)が用いられている。ROM(49)には、端末装置(3)の各種制御及び処理を実行するためのプログラム及びパラメータ等が記憶されている。経路探索処理や経路誘導処理を行うためのプログラム(記録媒体(41)に記録されてもよい)など、更新される可能性があるプログラム及びパラメータ等は、フラッシュメモリ(51)に記憶される。これらのプログラムは、CPU(45)により実行される。また、RAM(47)は、経路探索処理や経路誘導処理にて読み出された地図情報や演算結果などの一時的なデータの記憶に用いられる。サーバ(11a-e)から送られた車両情報も、記録媒体(41)に書き込まれる前に、RAM(47)に一時的に記憶される。
【0024】
表示手段は、描画IC(55)と、液晶表示装置(以下、「LCD」と称する)(57)と、LCDI/F(59)とを含んでいる。誘導用画面や車両情報等の表示に必要なデータが制御マイコン(53)から送られると、描画IC(55)は、送られたデータに基づいて誘導用画面や車両情報等を示す画像データを作成し、作成された画像データは、LCDI/F(59)を介してLCD(57)に表示される。
【0025】
音声出力手段は、デジタルアナログコンバータ(以下、「DAC」と称する)(61)と、アンプ(63)と、スピーカ(65)とを含んでいる。制御手段は、ドライバを誘導経路に沿って案内する音声に係るデジタル音声信号を、経路誘導動作中に適宜作成してDAC(61)に送る。デジタル音声信号は、DAC(61)にてアナログ音声信号に変換されてアンプ(63)に送られる。そして、アナログ音声信号はアンプ(63)にて増幅された後にスピーカ(65)に送られて、スピーカ(65)から案内音声が出力される。
【0026】
通信手段は、無線通信部(67)及び無線通信用アンテナ(69)を含んでいる。無線通信部(67)は、携帯電話網やPHS網等である移動体通信網(7)を用いた信号の送受信に必要な変調・復調処理等を行う。また、制御マイコン(53)のフラッシュメモリ(51)には、HTTP、SMTP及びPOP等の通信プロトコルに基づいて通信手段を用いて外部と通信を行うためのプログラムが記憶されており、それらプログラムを実行するCPU(45)と併せて通信手段を構成する。
【0027】
操作手段は、端末装置(3)の筐体に設けられた各種操作キー(69)と、LCD(57)上に配置されるタッチパネル(71)と、図示を省略したリモートコントローラ(以下、「リモコン」と称する)と、リモコンから送られる赤外線信号を受信するリモコン受光部(73)と、キーマイコン(75)とを含んでいる。操作キー(69)が押されると、キーマイコン(75)は、押された操作キー(69)を判別して、それに応じた動作コマンドを制御マイコン(53)に送る。また、キーマイコン(75)は、LCD(57)に設定画面等が表示されている状態にて、タッチパネル(71)が押された領域を判別して、操作に対応した動作コマンドを制御マイコン(53)に送る。リモコン受光部(73)は、受光した赤外線信号を電気信号に変換及び復調してキーマイコン(75)に送り、キーマイコン(75)は、送られた信号から特定した動作コマンドを制御マイコン(53)に送る。
【0028】
後述するように、ドライバが、操作手段を用いて自己の名前や住所等を入力することがある。この際、例えば、LCD(57)には、ひらがなやアルファベット等の文字や数字等の一覧が表示されて、選択した文字等の上にあるタッチパネル(71)の領域を押すことにより、さらには、必要に応フラッシュメモリ(51)等に記憶されたかな−漢字変換プログラムが働くことにより、ドライバが所望の文字、数字及び記号等を入力可能となっている。
【0029】
上述した車両情報取得手段や記憶手段等に加えて、端末装置(3)には、道路交通情報を提供する情報システムや高速道路の自動料金徴収システム等のインフラストラクチャを利用する手段が設けられている。端末装置(3)は、VICSを利用して、渋滞情報、事故・工事情報及び速度規制情報等の道路交通情報を取得可能である。VICSチューナ(77)は、FM用アンテナ(79)を介して、道路交通情報が重畳されたFM多重放送を受信し、RFアンテナ(81)を介して、道路上に設けられた電波ビーコンから送られた、道路交通情報に関するRF信号を受信して復調する。また、VICSマイコン(83)には、道路上に設けられた光ビーコンから送られた、道路交通情報に関する赤外線信号を受光する光ビーコン受光部(85)が接続されており、光ビーコン受光部(85)は、受光した赤外線信号を電気信号に変換、さらには電気信号を復調する。VICSマイコン(83)は、VICSチューナ(77)や光ビーコン受光部(85)から送られる復調信号を処理して道路交通情報を得る。得られた道路交通情報は、制御マイコン(53)で処理されて、LCD(57)に表示される。また、端末装置(3)には、高速道路の自動料金徴収システムを利用するためのETC装置(87)が接続されている。ETC装置(87)は、5.8GHzのRF信号を送受信するためのRFアンテナと、変復調処理を行う送受信部と、ETCカードを読み書きするリーダ/ライタと等で構成されている(何れも図示せず)。
【0030】
以下、車両情報に関連した端末装置(3)の動作について詳細に説明する。端末装置(3)の電源がオンにされると、後述する初期画面が表示された後、端末装置(3)の動作モードを選択する動作モード選択画面がLCD(57)に表示される。端末装置(3)の動作モードには、車両情報の表示、取得及び更新等を行う情報管理モードや、経路探索動作や経路誘導動作を行うナビゲーションモード等がある。動作モード選択画面にて、ドライバが情報管理モードを選択すると、端末装置(3)は情報管理モードに移行する。
【0031】
図3及び図4は、情報管理モードにおける端末装置(3)の動作(制御マイコン(53)のCPU(45)によって実行される処理)を示すフローチャートである。車両情報に誰でもアクセスできることは好ましくないことから、端末装置(3)が情報管理モードに移行すると、最初にドライバの認証が行われる。図3を参照すると、まず、制御マイコン(53)のCPU(45)は、ドライバに対応した登録データがフラッシュメモリ(51)に記憶されているか否かを判断する(S1)。登録データは、例えば、ユーザID及びパスワードである。登録データが記憶されている場合、CPU(45)の指示によって、認証用の入力画面がLCD(57)に表示される(S3)。この入力画面は、認証用の入力を、例えば、ユーザID及びパスワードの入力をドライバに促す画面である。
【0032】
ステップS1にて、認証用データは記憶されていないと判断された場合、登録データの設定を、例えば、ユーザID及びパスワードの登録を促す設定画面が表示される(S5)。ドライバは、操作手段を用いてこれら登録データの入力を行う。入力された登録データは、フラッシュメモリ(51)に記憶される。CPU(45)は、登録が完了したか否かを判断し(S7)、登録が完了するとステップS3が行われる。
【0033】
ステップS3の後、ドライバは、操作手段を用いて認証用の入力を行う。CPU(45)は、必要事項の入力が完了したか否かを判断し(S9)、入力が完了すると、フラッシュメモリ(51)に記憶されている登録データと、ステップS9にて入力されてRAM(47)に記憶されている入力データとを照合する(S11)。そして、CPU(45)は、ステップS11の結果から、入力を行ったドライバが登録されている正規のドライバと一致しているか否かを判断する(S13)。入力を行ったドライバが正規のドライバであると判断された場合、車両データの表示や取得等の動作をドライバに選択させるメニュー画面がLCD(57)に表示される(S15)。
【0034】
ステップS13にて、入力を行ったドライバが正規のドライバではないと判断された場合、ステップS3、S9、S11及びS13が所定の回数(例えば、3回)繰り返されたか否かが判断される(S17)。これらステップが所定の回数繰り返された場合、情報管理モードは終了して(図4参照)、例えば、動作モード選択画面がLCD(57)に再度表示される。これらステップの繰り返し回数が、所定の回数未満である場合、入力事項が登録事項と異なる旨を告げる警告画面がLCD(57)に表示された後(S19)、ステップS3が再度行われる。なお、カメラ、スキャナやマイク等と、画像データ処理手段や音声データ処理手段とが端末装置(3)に設けられて、指紋認証、毛細血管認証、顔認証、網膜認証や音声認証等によって、ドライバの認証処理が行われてもよい。
【0035】
ステップS15にてLCD(57)に表示されるメニュー画面では、情報管理モードにて端末装置(3)が行う動作、つまり車両情報表示等の動作が選択される。図4を参照すると、ステップS15の後、CPU(45)は、メニュー画面にて車両情報の表示が選択された否かを判断する(S21)。車両情報の表示が選択された場合、免許証情報、保険証情報、保険の規約情報や車検証情報等から、表示を行う車両情報を選択する表示情報選択画面がLCD(57)に表示される(S23)。ドライバは、操作手段を用いて所望の車両情報を選択する。ステップS23の後、CPU(45)は、車両情報の選択が完了したか否かを判断し(S25)、その後、選択された車両情報に係る車両情報データが、記録媒体(41)に記録されているか否かを判断する(S27)。車両情報データが記録媒体(41)に記録されている場合、そのデータが記録媒体(41)から読み出されてLCD(57)に表示される(S29)。
【0036】
図5は、免許証データの一部が端末装置(3)のLCD(57)に表示された模様を示している。この例では、運転免許証の表面に対応した画像(89)がLCD(57)に表示されており、右上に表示されたアイコン(91)上(のタッチパネル(71)の領域)を押すことにより、運転免許証の裏面に対応した画像がLCD(57)に表示される。保険証データ、会員証データ及び車検証データも同様に表示される。また、保険規約データ、会員規約データや整備履歴データは、複数の頁に分割されて免許証データと同様に表示される。なお、免許証データや保険証データ等は、実際の運転免許証や保険証の形態に対応したように表示されなくともよい。
【0037】
CPU(45)は、LCD(57)の表示領域の右下に示されたアイコン(93)上(のタッチパネル(71)の領域)が押されたか否かを判断し(S31)、このアイコン(93)が押された場合、再度、ステップS15が行われて、メニュー画面がLCD(57)に表示される(図3参照)。また、CPU(45)は、LCD(57)の表示領域の左下に示されたアイコン(95)上(のタッチパネル(71)の領域)が押されたか否かを判断する(S33)。このアイコン(95)が押された場合、情報管理モードは終了し、例えば、動作モード選択画面がLCD(57)に表示される。
【0038】
ステップS27にて、選択された車両情報に係るデータが、記録媒体(41)に記録されていないと判断された場合、そのデータの取得を行うか否かをドライバに指示させる画面がLCD(57)に表示されて、CPU(45)は、その画面にて、データの取得が指示されたかを判断する(S35)。データの取得が指示されなかった場合、メニュー画面に戻ることと、情報管理モードを終了することとを選択させる画面がLCD(57)に表示されて(S37)、ステップS31、又は、さらにステップS33が行われる。
【0039】
ステップS35にて、車両情報データの取得が指示された場合、端末装置(3)は、そのデータの取得を行う(S39)。図6は、ステップS39にて行われる端末装置(3)側の処理と、それらに対応したサーバ(11a-e)側の処理とを示すフローチャートである。制御マイコン(53)のフラッシュメモリ(51)には、車両情報に関係するサーバ(11a-e)やその他のサーバ(13)(15)にアクセスするために用いられるURLが記憶されており、端末装置(3)と各サーバ(11a-e)の間では、HTTPプロトコルに基づいて通信が行われる。これらURLは、例えば、端末装置(3)の製造メーカや自動車(1)のディーラ等にて設定される。なお、適当な画面上にて、ドライバがこれらURLを設定又は変更することも可能である。
【0040】
ステップS39が行われると、取得する車両情報データを保持するサーバ(11a-e)のURLが特定されて、ユーザID及びパスワードの入力フォームの送信要求が、端末装置(3)からそのサーバ(11a-e)に送られる(S71)。この要求を受け取ったサーバ(11a-e)は、ユーザID及びパスワードの入力フォーム(のHTMLファイル)を端末装置(3)に送信する(S73)。端末装置(3)の記録媒体(41)又はフラッシュメモリ(51)には、WWWブラウザのプログラムが格納されており、このプログラムが実行されていることで、送信された入力フォームが、端末装置(3)のLCD(57)に表示される(S75)。
【0041】
ステップS75の後、ドライバは、操作手段を操作して、自己のユーザID及びパスワードを入力する。入力フォームには、ユーザID及びパスワードの入力欄に加えて送信ボタンも設けられている。CPU(45)は、送信ボタンが押されたか否かを判断し(S77)、送信ボタンが押されると、入力されたユーザID及びパスワードをサーバ(11a-e)に送信する(S79)。ドライバが入力したユーザID及びパスワードを受信したサーバ(11a-e)は、認証処理を行う(S81)。具体的には、サーバ(11a-e)が有するドライバ管理用のデータベースが検索されて、受信したユーザID及びパスワードに対応するドライバを見つけ出す処理が行われる。ステップS81の後、その結果がOKであったか否かが判断されて(S83)、認証がOKである場合、所定の事項を入力するための必要事項入力フォームが、サーバ(11a-e)から端末装置(3)に送信される(S85)。認証がOKでなかった場合、例えば、ステップS73が再度行われる。
【0042】
サーバ(11a-e)から送信された必要事項入力フォームは、WWWブラウザのプログラムが実行されていることで、端末装置(3)のLCD(57)にて表示される(S87)。ステップS87の後、ドライバは、操作手段を操作して、免許証データや保険証データ等の車両情報データをドライバに送信するために必要とされる事項を入力する(S89)。例えば、氏名等に加えて、免許証データを取得する場合には免許証番号等が、会員証データを取得する場合には会員番号等が入力される。また、サーバを運営する事業者に手数料を支払う必要がある場合(車両情報の配信は有料でも無料でもよい)、クレジットカード番号及び暗証番号等が入力される。また、必要事項入力フォームには、これらの入力欄に加えて送信ボタンも設けられている。CPU(45)は、入力が完了されて送信ボタンが押されたか否かを判断し(S89)、送信ボタンが押されると、入力された事項をサーバ(11a-e)に送信する(S91)。
【0043】
ドライバが入力した事項を受信したサーバ(11a-e)は、これらの事項や、ドライバ管理用のデータベースに登録されているドライバに関する情報等とに基づいて、求められている車両情報データを端末装置(3)に送信するか否かを判断する(S93)。例えば、必要事項入力フォームで入力された事項と、データベースに登録されている情報との間に矛盾がある場合(例えば、免許証番号や保険証番号等がデータベースに登録されている内容と一致しない)、車両情報データがまだ作成されていない場合、費用の支払いがされてない場合(具体的には、整備履歴データの取得において、整備の代金をドライバが支払っていない場合や、車両情報データの配信が有料であるのに、クレジットカード番号が送られていない場合)、車両情報データの送信を行わないと、サーバ(11a-e)は判断する。
【0044】
ステップS93にて、車両情報データの送信を行うと判断された場合、サーバ(11a-e)は、そのデータを端末装置(3)に向けて送信する(S95)。そして、端末装置(3)は、送られたデータを記録媒体(41)に記録する(S97)。ステップS93にて、車両情報データの送信をしないと判断された場合、サーバ(11a-e)は、その旨をドライバに告げる警告データ(例えば、画像データやHTMLファイル)を端末装置(3)に向けて送信する(S99)。
【0045】
なお、図4のステップS39で行われる車両情報データの取得は、電子メールを用いて行うことも可能である。この場合、図6に示すステップS87にて、ドライバの電子メールアドレスが入力されて、ステップS95にて、車両情報データではなく、ドライバの申し込みを受理した旨を示すデータが、サーバ(11a-e)から端末装置(3)に送信される。また、運転免許証の取得又は更新や、車両保険の加入又は更新の際に、ドライバが自己のメールアドレスを、車両情報データの配信サービスを行う事業者(運転免許センターや保険会社等)に知らせておくことにより、新たに車両情報データが作成された場合に、サーバ(11a-e)がそのデータを電子メールに添付して送信してもよい。
【0046】
記録媒体(41)には、電子メールプログラム(メーラ)が記憶されており、動作モード選択画面にてメータの起動を指示可能である(この際、先に説明したドライバの認証が端末装置(3)にて行われるのが好ましい)。メーラが起動されると、SMTP/POPプロトコルに基づいて端末装置(3)とメールサーバ(15)との間で通信が行われて,メールサーバ(15)に蓄積されているドライバのメールアドレス宛の電子メールが端末装置(3)に送られる。ドライバは、取得された電子メールに添付されている車両情報データを、記録媒体(41)の所定のフォルダ内にコピー又は移動し、又は、そのデータで古い車両情報データを書き換える。
【0047】
再度図4を参照すると、図6に示すステップS97の後、又はステップS99で送られた警告データを受信した後、CPU(45)は、車両情報データか警告データが取得できたか否かを判断し(S41)、取得できた場合、ステップS29が行われて、データがLCD(57)に表示される。取得できなかった場合、例えば、ドライバによってWWWブラウザプログラムの実行が中止されたり、通信接続状態が悪くて図6に示す処理が完了しなかった場合、ステップS37が行われる。
【0048】
ステップS21にて、メニュー画面にて車両情報の表示が選択されなかったと判断された場合、CPU(45)は、メニュー画面にて車両情報の取得が選択されたか否かが判断される(S43)。車両情報の取得が選択された場合、取得する車両情報を選択する取得情報選択画面がLCD(57)に表示される(S45)。ステップS43の後、CPU(45)は、取得する車両情報の選択が完了すると(S47)、ステップS39を行う。
【0049】
ステップS43にて、メニュー画面にて車両情報の取得が選択されなかった場合、車両情報管理に関する設定内容を選択するための設定選択画面が、LCD(57)に表示される(S49)。本発明では、記録している免許証データや車検証データ等の更新時期が到来した場合に、端末装置(3)が、その旨をドライバに通知することを特徴としている。さらに、端末装置(3)は、記録している整備履歴データ等に基づいて、メンテナンス時期が到来した場合に、その旨をドライバに通知することを特徴としている。本実施例の設定選択画面では、運転免許証等に関する更新時期の通知に関する設定を行うか、メンテナンスの通知に関する設定を行うかが選択される。
【0050】
CPU(45)は、更新時期の通知に関する設定が選択されたかを判断し(S51)、それが選択された場合には、更新時期の通知に関する設定を行う設定画面をLCD(57)に表示する(S53)。この設定画面では、運転免許証、車両保険証、会員証及び車検証の各々について、更新日、更新期限又は契約期限の何日前から通知を行うかが設定可能である。CPU(45)は、更新時期の通知に関する設定が完了したが否かを判断し(例えば、完了を告げるボタンが押されたか否かを判断し)(S55)、設定が完了すると、ステップS37を行う。
【0051】
更新時期の通知に関する設定が選択されなかった場合、ステップS51の後、メンテナンス通知設定画面がLCD(57)に表示されて、メンテナンス時期の通知に関する設定が行われる(S57)。図7は、この処理の詳細を示すフローチャートである。まず、通知を行う項目(ラジエータ、ブレーキバッド、タイヤやオイル等)を選択する選択画面が表示される(S111)。なお、選択画面には、自動車整備会社等が運営する第5サーバ(11e)から送られた整備履歴データにはない項目(洗車等の項目)があってもよい(これら項目に関するデータは、整備履歴データとは別個に記録媒体(41)に記憶される)。CPU(45)は、項目の選択が完了したか否かを判断する(S113)。
【0052】
項目の選択が完了すると、選択された項目に関する走行距離・時間入力画面が表示される(S115)。この画面は、メンテナンス時期の通知を開始する走行距離と、時間(年月日)とを設定する画面である。走行距離と時間の何れかが入力されてもよく、これらの両方が入力されてもよい(両方が入力された場合、先に到来した方が優先される)。CPU(45)は、入力が完了したか否かを判断し(S117)、完了した場合には、入力内容をフラッシュメモリ(51)に記憶した後に、他の項目の設定を行うために選択画面に戻るか、設定動作を終了するかをドライバに指示させる画面を表示する(S119)。ステップS119にて、選択画面に戻る旨が指示された場合、ステップS111が再度行われる。ステップS119にて、設定動作を終了する旨が指示された場合、図7に示す処理は終了して、図4に示すステップS37が行われる。
【0053】
次に、端末装置(3)に記録されている車両情報データに基づいたドライバへの警告通知を説明する。本実施例の端末装置(3)では、端末装置(3)の立ち上げ時にLCD(57)に表示される初期画面を利用して警告通知が行われる。電源がオンにされると、免許証データや保険証データ等の車両情報データが順次参照されて、更新の通知が必要か否かが判断される。さらに、整備履歴データ等が参照されて、メンテナンス通知が必要か否かが判断される。そして、それらの結果に基づいて初期画面の画像データが作成される。
【0054】
図8は、端末装置(3)の電源がオンにされて、初期画面が出されるまでの処理を示すフローチャートである。まず、記録媒体(41)内の車両情報データ用のフォルダに、ある特定の車両情報データが存在するか否かが判断される(S141)。例えば、免許証データがあるか否かが判断される。その車両情報データが存在する場合、CPU(45)は、その車両情報データに含まれる更新日、更新期限又は契約期限を参照する(S143)。免許証データの場合、運転免許証の有効期限が参照される。その後、CPU(45)は、現在の日付と、データに含まれる有効期限等と、図4のステップS53で行った設定とに基づいて、現在の日付が、更新の警告期間に入っているか否かを判断する(S145)。更新の警告期間に入っている場合、制御マイコン(53)のRAM(47)に記憶されている初期画面を規定するデータが変更されて、更新を通知する表示が初期画面に含められる(S147)。ステップS141にて、車両情報データがないと判断された場合、データが未取得である旨をドライバに通知する表示が初期画面に含められる(S149)。
【0055】
ステップS145で、現在の日付が、更新の警告期間に入っていないと判断された場合、又はステップS147若しくはS149の後、更新期限等を確認すべき全ての車両情報データを処理したか否かが判断される(S151)。確認していない車両情報データがある場合、次のデータに関してステップS141以降の処理が行われる。このようにして、例えば、運転免許証、車両保険証、会員証及び車検証に関して、免許証データ等の有無の判断と、更新期限を通知すべきか否かの判断と、必要ならば更新を(又はデータが未取得である旨を)通知する表示の作成とが行われる。
【0056】
ステップS151の後、メンテナンスに関する警告通知に関する処理が行われる。まず、整備履歴データがあるか否かが判断される(S153)。整理履歴データがないと判断された場合、RAM(47)に記憶されている初期画面を規定するデータが変更されて、データが未取得である旨をドライバに通知する表示が初期画面に含められる(S155)。ステップS153又はS155の後、CPU(45)は、整備履歴データ(例えばある部品の交換時期)、又は、図7にて設定した整理履歴データと異なるメンテナンス情報に含まれるある特定の項目(例えば洗車時期)を参照する(S157)。ステップS157の後、参照した項目と、図7のステップS115で行った設定とに基づいて、警告すべきか否かが判断される(S159)。具体的には、現在の日付が警告期間に入っているか否か、又は現在の走行距離が警告すべき値に至っているか否かが判断される。ステップS159で警告すべきと判断された場合、その項目についてメンテナンスの必要をドライバに警告する表示が、初期画面に追加される(S161)。なお、ステップS161では、メンテナンス情報の項目が未設定である場合、その旨の表示が初期画面に追加される。
【0057】
ステップS159で警告不要と判断された場合に、又はステップS161の後に、(判断可能な)全ての項目について確認したか否かが判断されて(S163)、残りの項目がある場合、ステップS157以降の処理が行われる。全ての項目について確認された場合、制御マイコン(53)のRAM(47)に記憶されている初期画面を規定するデータが描画IC(55)に送られて、端末装置(3)のLCD(57)に初期画面が表示される(S165)。
【0058】
図9は、端末装置(3)のLCD(57)に初期画面が表示された状態を示す説明図である。例えば、免許証データについて、図8に示すステップS147が行われることによって、運転免許証の更新を促す文字列(97)が表示されており、保険証データについて、ステップS149が行われることによって、保険証データが未取得であることを示す文字列(99)が表示されている。また、タイヤとオイルに関して、ステップS161が行われることによって、それらの交換の必要を警告するアイコン(101)(103)が表示されている。
【0059】
本発明の車両情報管理システムは、上述したような車両情報の管理や送受信等に加えて、自動車(1)の故障や事故への対応にも使用される。自動車(1)が故障した場合、端末装置(3)は、ロードサービスの第3サーバ(11c)と通信接続されて、GPS受信部(33)で得られた自動車(1)の現在位置と、ロードサービスの会員証データの全て又は幾つかの事項(氏名や会員番号等)と、故障に関する情報とを第3サーバ(11c)に送信してもよい。これらの情報を受け取った第3サーバ(11c)は、自動車(1)に最も近いロードサービス支部が運営するサーバ(図示せず)に対して、これらの情報を転送し、同サーバから送られたロードサービスの到着時刻に関する情報等を端末装置(3)に転送する。なお、GPS受信部(33)で得られた現在位置から、端末装置(3)にて、自動車(1)に最も近いロードサービス支部が運営するサーバ(にアクセスするためのURL)が割り出されて、端末装置(3)と、このサーバとが情報の送受信を行ってもよい。
【0060】
また、自動車(1)が事故に遭った場合、端末装置(3)は、警察の第6サーバ(13)と通信接続されて、GPS受信部(33)で得られた自動車(1)の現在位置と、免許証データの全て又は幾つかの事項(氏名や免許証番号等)と、事故に関する情報とを警察のサーバ(13)に送信する。情報を受け取った第6サーバ(13)は、自動車(1)に最も近い警察署のサーバ(図示せず)に対して、これらの情報を転送し、同サーバから送られた署員の到着時刻に関する情報等を端末装置(3)に転送する。なお、GPS受信部(33)で得られた現在位置から、端末装置(3)にて、自動車(1)に最も近い警察署が運営するサーバ(にアクセスするためのURL)が割り出されて、端末装置(3)とこのサーバとが情報の送受信を行ってもよい。さらに、事故の処理が終わった後、行政処分に関する情報等が電子メールを用いて第6サーバ(13)から端末装置(3)に送られてもよい。さらに、端末装置(3)は、保険会社の第2サーバ(11b)と通信接続されて、保険証データや事故に関する情報を第2サーバ(11b)に送信し、第2サーバ(11b)は、示談等を担当する保険会社の担当者の連絡先等を端末装置(3)に送るのが好ましい。示談等の経過や結果は、電子メールを用いて第2サーバ(11b)から端末装置(3)に送られてもよい。
【0061】
さらに、本発明の車両情報管理システムは、電子化された運転免許証や保険証の更新に使用されてもよい。また、端末装置(3)と第5サーバ(11e)の間で通信接続が行われて、端末装置(3)から第5サーバ(11e)に希望日時を含む整備の申し込みが送信されて、第5サーバ(11e)から端末装置(3)に整備可能日時を含む回答が送信されてもよい。また、整備に関する費用が入金された後には、電子メールを用いて第5サーバ(11e)から端末装置(3)に領収書等が送られてもよい。
【0062】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の車両情報管理システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の車両情報管理システムに含まれる端末装置のブロック図である。
【図3】情報管理モードにおける端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】情報管理モードにおける端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】免許証データが端末装置のLCDに表示された模様を示す説明図である。
【図6】車両情報の取得における端末装置側の処理と、サーバ側の処理とを示すフローチャートである。
【図7】端末装置にて行われるメンテナンス通知設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】端末装置の電源がオンにされて、初期画面が表示されるまでの処理を示すフローチャートである。
【図9】初期画面の一例が端末装置のLCDに表示された模様を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
(1) 自動車
(3) 端末装置
(9) インターネット
(11a-e) サーバ
(13) サーバ
(15) メールサーバ
(33) GPS受信部
(41) 記録媒体
(53) 制御マイクロコンピュータ
(57) 液晶表示装置
(67) 無線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される端末装置と、前記端末装置と通信接続されるサーバとを具える車両情報管理システムにおいて、
前記サーバは、前記車両に関する車両情報データを保持すると共に、前記端末装置の求めに応じて、前記端末装置に前記車両情報データを送信し、
前記端末装置は、前記車両情報データを受信して記録手段に記録すると共に、ドライバからの指示に応じて、前記車両情報データを表示手段に表示することを特徴とする車両情報管理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記車両の故障又は事故に関する情報と共に、前記車両情報データの全て又は一部を、前記車両の故障又は事故の処理に関係する組織が運営するサーバに送信する、請求項1に記載の車両情報管理システム。
【請求項3】
前記車両情報データは、運転免許証、車両保険証、ロードサービスの会員証又は車検証の内容を含む、請求項1又は請求項2に記載の車両情報管理システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記車両情報データに含まれる運転免許証等の更新期限を参照して、所定の時期に至ると、運転免許証等の更新が必要な旨を前記表示手段に表示する、請求項3に記載の車両情報管理システム。
【請求項5】
前記車両情報データは、前記車両の整備に関するデータであって、前記端末装置は、前記車両情報データを参照して前記車両の整備が必要な旨を前記表示手段に表示する、請求項1又は請求項2に記載の車両情報管理システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記車両情報データを前記表示手段に表示する際に、又は前記車両情報データを前記サーバから取得する際に、前記ドライバの認証を行う、請求項1乃至5の何れかに記載の車両情報管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−11833(P2007−11833A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193436(P2005−193436)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】