説明

車両用ドラムブレーキ

【課題】交換容易な異音対策構造を備える車両用ドラムブレーキを提供する。
【解決手段】車両用ドラムブレーキ1は、バックプレート4と、リム3aによって支持されるライニング3cと、リム3aに結合されかつバックプレート4の底面4aと平行に延在するウェブ3bと、弾性体6を備える。弾性体6は、リム3aに固着される固着部6d,6eと、固着部6d,6eからバックプレート4の底面4aに向けて延在しバックプレート4の底面4aとリム3aとの間に介在される弾性本体部6cとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドラムブレーキに関する。とりわけ異音やブレーキ鳴きの対策が施された車両用ドラムブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
ドラムにブレーキシューのライニングを押付けて制動力を得る際に、ドラムもしくはブレーキシューが振動し、この振動が原因で異音やブレーキ鳴きが発生する場合がある。その対策として、例えば、ブレーキシューを移動可能に支持するバックプレートとブレーキシューとの間に制振材を有するドラムブレーキが従来知られている(特許文献1)。その制振材は、バックプレート側に取付けられており、その制振材にブレーキシューが圧接される構造になっている。したがってブレーキシューの振動を制振材によって抑制することで、振動によってブレーキシューがバックプレートに当たって生じ得る振動音やビビリ音等の異音を防止することができる。
【特許文献1】実開平4−136336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし制振材は、ゴム等であるために、塑性流動などの理由により弾性力が経時的に弱くなる。また制振材が、バックプレート側に貫通穴を設けて取付けているので、この貫通穴を形成することにより、バックプレートの強度が低下するおそれがある。そこで本発明は、これらの課題を解決し得る車両用ドラムブレーキを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える車両用ドラムブレーキであることを特徴とする。すなわち請求項1に記載の発明によると、ドラムブレーキは、バックプレート、ライニング、ライニングを支持するリムとウェブを有している。そしてリムまたはウェブに固着される固着部を有し、かつその固着部からバックプレートの底面に向けて延在しバックプレートの底面とリムもしくはウェブとの間に介在される弾性本体部とを有する弾性体を備えている。したがって弾性体がライニング側に設けられるために、バックプレート側に弾性体取付用の貫通穴を設ける必要がない。さらに弾性体は、ライニング側の部材とともにメンテナンス時において交換され得る。そのため弾性体を容易に交換することができる。
【0005】
請求項2に記載の発明によると、弾性本体部が中空状に形成されている。したがって弾性本体部は、中空状であるために弾性変形量が大きくなる。かくしてバックプレートに対するライニング側の部材の振動を効果的に抑制することができる。また中空状に形成された一部がバックプレートの底面に当接することにより、車両用ドラムブレーキの通常の作動時に、リムを外側へ押し出す際に弾性本体部がバックプレートの底面を摺動する抵抗を小さく抑えることができる。
【0006】
請求項3に記載の発明によると、弾性本体部が中空円筒状に形成され、弾性本体部の中心軸線がバックプレートの底面と略平行に設定される。したがって弾性本体部は、中空円筒状であるために種々の方向の振動を効果的に抑制し得る。また弾性本体部の中心軸線がバックプレートの底面と略平行に設定されるために、弾性本体部は、ライニング側の部材とバックプレートとの間で潰れ得る。そのためライニング側の部材の振動を弾性本体部によって確実に抑制することができる。
【0007】
請求項4に記載の発明によると、ライニングがリムの円弧長手方向の中央に設けられ、弾性体がリムの円弧長手方向の両端部に固着されている。したがって弾性体は、ライニングが設けられていない位置においてリムに固着される。そのためリムに対して容易に固着され得る。またリムの両端部に設けられるために、リムの振動を確実に抑制することができる。
【0008】
請求項5に記載の発明によると、弾性体の固着部がリムの内周面に固着されている。したがって弾性体は、ライニングが装着されたリムの外周面の裏側である内周面に固着されるために、容易にリムに固着され得る。
【0009】
請求項6に記載の発明によると、ウェブは、リムの内周面に接合する外側端部に連通穴を有している。そして弾性体の固着部は、ウェブの連通穴を貫通した状態でリムに固着される。したがって弾性体は、ウェブの連通穴を利用してリムに対して広い面積で固着され、安定良くリムに固着され得る。
【0010】
請求項7に記載の発明によると、弾性体は、板材から構成され、その板材の一端部にリムの内周面に固着される固着部を有し、その板材の他端部にリムの外周面に固着される固着部を有し、これら固着部の間に中空状の弾性本体部を有している。したがって弾性体は、閉じた形状になる。そのためリム側の部材の振動を強く抑制することができる。
【0011】
請求項8に記載の発明によると、弾性体は、ステンレス鋼を素材とする第一弾性体と、ゴムを素材としかつ第一弾性体に積層される第二弾性体を有している。したがってステンレス鋼の弾性特性とゴムの弾性特性とによってバックプレートに対するライニング側の部材の振動を効果的に抑制することができる。
【0012】
請求項9に記載の発明によると、中空状に形成された弾性本体部が金属材で形成されている。したがってバックプレートの底面とリムもしくはウェブとの間で発生する振動を抑制する弾性力を経時的に変化することなく維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
実施の形態1を図1〜7にしたがって説明する。車両用ドラムブレーキ1は、図1に示すように円盤状のバックプレート4と、バックプレート4に移動可能に装着される一対のブレーキシュー3と、車輪とともに回転する円筒状のドラム2を有している。バックプレート4は、ドーナツ円盤状の底面4aと、底面4aの外周縁に沿って立設される円環状側壁4bを有している。底面4aは、車体側に取付けられる。
【0014】
ブレーキシュー3は、図1,2に示すようにライニング3cとリム3aとウェブ3bを一体に有している。ライニング3cは、円弧状の摩擦材であって、バックプレート4の底面4aに対して立設される。ライニング3cの外周面は、バックプレート4の円環状側壁4bに対向し、ライニング3cと円環状側壁4bの間に設置されて回転するドラム2に押付けられて制動力を発生する。ライニング3cの内周面は、リム3aの外周面に接着されてリム3aにより支持される。
【0015】
リム3aは、図2,3に示すように金属を円弧状に形成し、バックプレート4の底面4aに立設される。リム3aの外周面には、円弧長手方向の中央にライニング3cが接着される。リム3aの円弧長手方向の中央と両端部寄りには、リム3aの本体から円弧中心側に張出す張出部3a1が形成されている。張出部3a1は、バックプレート4の底面4aからリム3a側に突出するレッジ部4a1に対して摺動可能に当接される。
【0016】
ウェブ3bは、図2,3に示すように三日月状であって、外側端部がリム3aの内周面3a4に結合される。詳しくは、リム3aの内周面3a4の短手略中心においてリム3aの長手全長に渡って結合される。そしてウェブ3bは、図1に示すようにホールド体7によってバックプレート4に移動可能に取付けられ、バックプレート4の底面4aと略平行に延在する。
【0017】
ホールド体7は、図3に示すようにダウンスプリング7aとホールドピン7bを有している。ダウンスプリング7aは、ウェブ3bのバックプレート4に対向する面の反対側面に設けられる。ホールドピン7bは、ダウンスプリング7aを弾性変形させた状態で、ダウンスプリング7aを介してウェブ3bをバックプレート4に取付ける。したがってブレーキシュー3は、ダウンスプリング7aによってバックプレート4側に付勢された状態にて取付けられる。
【0018】
ウェブ3bの一端部には、図1に示すようにアンカ10に当接するヒール部3b2が形成されている。ウェブ3bの他端部には、ホイールシリンダ11に当接するトー部3b1が形成されている。アンカ10は、車体側に固定される部材であって、一対のブレーキシュー3のヒール部3b2間に突出しており、ブレーキシュー3の周方向の移動を規制する。ホイールシリンダ11は、車体側に固定される本体部11aと、一対のピストン11bを有している。ピストン11bは、本体部11a内に充填されたオイルの液圧をブレーキペダルの踏込み操作に連動して上昇させることでトー部3b1に向けて移動する。したがってピストン11bによってブレーキシュー3がドラム2の内周面に押付けられ、これによって制動力が発生する。
【0019】
一対のブレーキシュー3の間には、図1に示すようにリターンスプリング12,13が設けられている。リターンスプリング12の各端部は、各ウェブ3bの外側端部に形成された連通穴3b1の端縁に係止される。リターンスプリング13の各端部は、各ウェブ3bのトー部3b1の近傍に係止される。したがってブレーキシュー3は、リターンスプリング12,13の付勢力によってドラム2の内周面から離れた待機位置に移動する。
【0020】
図2に示すようにブレーキシュー3には、弾性体(振動吸収体)5,6が固着される。弾性体5は、リム3aの円弧長手方向の両端部に固着される。弾性体6は、リム3aの円弧長手方向のやや中央寄りに固着される。弾性体5,6は、図4〜7に示すように板状の第一弾性体5a,6aと第二弾性体5b,6bを層状に有している。第一弾性体5a,6aは、ステンレス鋼等から形成され、第二弾性体5b,6bは、第一弾性体5a,6aよりも弾性率が小さいゴムや樹脂などから形成されている。
【0021】
弾性体5,6は、図4〜7に示すように一端部と他端部にリム3aに固着される固着部5d,5e,6d,6eを有しており、中央に弾性本体部5c,6cを有している。弾性体5の固着部5dは、リム3aの外周面3a3に接着剤等によって固着され、固着部5eがリム3aの内周面3a4に固着される。そして固着部5d,5eは、いずれも第一弾性体5a側がリム3aに固着される。弾性体6の固着部6dは、ウェブ3bの連通穴3b1を貫通した状態でリム3aの内周面3a4に固着され、リム3aの短手方向両端部に渡って固着される。固着部6eは、リム3aの外周面3a3に固着される。そして固着部6d,6eは、いずれも第一弾性体6a側がリム3aに固着される。
【0022】
弾性本体部5c,6cは、図4〜7に示すように固着部5d,5e,6d,6eからバックプレート4の底面4aに向けて延出している。弾性本体部5c,6cは、中空円筒状であって中空部5fを有している。弾性本体部5c,6cの中心軸線は、バックプレート4の底面4aと略平行であり、リム3aの円弧に対する略接線方向に設定されている(図1参照)。弾性本体部5c,6cは、第二弾性体5b,6b側がバックプレート4の底面4aに当接する。図3に示すように弾性本体部5c,6cは、レッジ部4a1を避けた位置において弾性変形された状態でバックプレート4とリム3aの間に設置される。
【0023】
これによりブレーキシュー3は、弾性体5,6とホールド体7のダウンスプリング7aとによってバックプレート4の厚み方向に弾性的に支持される(図1参照)。そのためブレーキシュー3の振動、例えば、バックプレート4の底面4a厚み方向の振動(面外振動)および底面4aと平行方向の振動(面内振動)は、弾性体5,6の弾性本体部5c,6cの弾性変形によって吸収され得る。したがってブレーキシュー3の振動によって発生する異音(低周波)やブレーキ鳴き(高周波)を弾性体5,6によって抑制することができる。また弾性係数の小さい第二弾性体5b,6bがバックプレート4に直接当接しているため、第二弾性体5b,6bによってブレーキシュー3の振動を効果的に抑制することができる。
【0024】
以上のようにドラムブレーキ1は、図4,5に示すようにリム3aに固着される弾性体5,6を有している。したがって弾性体5,6がライニング3c側に設けられるために、バックプレート4側に弾性体取付用の貫通穴を設ける必要がない。さらに弾性体5,6は、ライニング3c側の部材とともにメンテナンス時において交換され得る。そのため弾性体5,6を容易に交換することができる。
【0025】
また弾性本体部5c,6cは、中空状に形成されている。したがって弾性本体部5c,6cは、中空状であるために弾性変形量が大きくなる。かくしてバックプレート4に対するライニング3c側の部材の振動を効果的に抑制することができる。また中空状に形成された一部がバックプレート4の底面4aに当接することにより、ドラムブレーキ1の通常の作動時に、リム3aを外側へ押し出す際に弾性本体部5c,6cがバックプレート4の底面4aを摺動する抵抗を小さく抑えることができる。
【0026】
また図4,5に示すように弾性本体部5c,6cが中空円筒状に形成され、弾性本体部5c,6cの中心軸線がバックプレート4の底面4aと略平行に設定されている。したがって弾性本体部5c,6cは、中空円筒状であるために種々の方向の振動を効果的に抑制し得る。また弾性本体部5c,6cの中心軸線がバックプレート4の底面4aと略平行に設定されるために、弾性本体部5c,6cは、ライニング3c側の部材とバックプレート4との間で潰れ得る。そのためライニング3c側の部材の振動を弾性本体部5c,6cによって確実に抑制することができる。
【0027】
また図2に示すように弾性体5がリム3aの円弧長手方向の両端部に固着されている。したがって弾性体5は、ライニング3cが設けられていない位置においてリム3aに固着される。そのためリム3aに対して容易に固着され得る。またリム3aの両端部に設けられるために、リム3aの振動を確実に抑制することができる。
【0028】
また図4,5に示すように弾性体5,6の固着部5e,6dがリム3aの内周面3a4に固着されている。したがって弾性体5,6は、ライニング3cが装着されたリム3aの外周面3a3の裏側である内周面3a4に固着されるために、容易にリム3aに固着され得る。また弾性体6の固着部6dは、ウェブ3bの連通穴3b1を貫通した状態でリム3aに固着される。したがって弾性体6は、ウェブ3bの連通穴3b1を利用してリム3aに対して広い面積で固着され、安定良くリム3aに固着され得る。
【0029】
また図4,5に示すように弾性体5,6は、板材から構成され、その板材の一端部にリム3aの内周面3a4に固着される固着部5e,6dを有し、その板材の他端部にリム3aの外周面3a3に固着される固着部5d,6eを有し、これら固着部5d,5e,6d,6eの間に中空状の弾性本体部5c,6cを有している。したがって弾性体5,6は、閉じた形状になる。そのためリム3a側の部材の振動を強く抑制することができる。
【0030】
また図4,5に示すように弾性体5,6は、ステンレス鋼を素材とする第一弾性体5a,6aと、ゴムを素材とする第二弾性体5b,6bを有している。したがってステンレス鋼の弾性特性とゴムの弾性特性とによってバックプレート4に対するライニング3c側の部材の振動を効果的に抑制することができる。
【0031】
(実施の形態2)
実施の形態2を図8に従って説明する。実施の形態2は、実施の形態1とほぼ同様に形成されているが、図5に示す弾性体6に代えて図8に示す弾性体8を有している点において実施の形態1と相違している。以下、相違点を中心に実施の形態2について説明する。
【0032】
弾性体8は、図8に示すように弾性本体部8aと固着部8bを有している。固着部8bは、ウェブ3bよりもバックプレート4側のリム3aの内周面3a4に固着される。弾性本体部8aは、開いた形状に円筒状に形成されており、中央に中空部8cを有している。弾性本体部8aは、弾性変形された状態でリム3aとバックプレート4との間に設置される。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態3を図9に従って説明する。実施の形態3は、実施の形態1とほぼ同様に形成されているが、図5に示す弾性体6に代えて図9に示す弾性体9を有している点において実施の形態1と相違している。以下、相違点を中心に実施の形態3について説明する。
【0034】
弾性体9は、図9に示すように弾性本体部9aと固着部9bを有している。固着部9bは、バックプレート4に対面するウェブ3bの一側面に固着される。弾性本体部9aは、固着部9bからバックプレート4の底面4aに向けて延在し、中空円筒状に形成され、中央に中空部9cを有している。弾性本体部9aの中心軸線は、バックプレート4の底面と略平行でかつウェブ3bの円弧に対する略接線方向に設定される。そして弾性本体部9aは、弾性変形された状態でウェブ3bとバックプレート4との間に配設される。
【0035】
また本発明は、実施の形態1〜3に限定されず、以下の形態等であっても良い。
(1)実施の形態1〜3の弾性体5,6,8,9は、断面が円形または楕円形の円筒状に形成されていた。しかし弾性体は、断面矩形状等の筒状に形成されている形態であっても良い。
(2)実施の形態1〜3の弾性体5,6,8,9の中心軸線は、リム3aまたはウェブ3bの円弧の略接線方向に設定されていた。しかし中心軸線がリムまたはウェブの円弧の径方向になるように設定される形態であっても良い。
(3)実施の形態1〜3の弾性体5,6,8,9は、第一弾性体と第二弾性体を層状に有する形態であった。しかし弾性体が第一弾性体のみから形成される形態(つまり金属材であるステンレス鋼のみで形成される形態)、あるいは第一弾性体と第二弾性体等を二層以上有している形態等であっても良い。したがって中空状に形成された弾性本体部が金属材で形成されていることで、バックプレートの底面とリムもしくはウェブとの間で発生する振動を抑制する弾性力を経時的に変化することなく維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ドラムを軸に対して垂直な平面で切断した状態におけるドラムブレーキの正面図である。
【図2】ブレーキシューの正面図である。
【図3】バックプレートの側方断面図およびブレーキシューの側面図である。
【図4】図2のIV―IV線矢視図である。
【図5】図2のV―V線矢視図である。
【図6】弾性体の斜視図である。
【図7】弾性体の斜視図である。
【図8】図5に相当する実施の形態2のブレーキシューの断面図である。
【図9】図5に相当する実施の形態3のブレーキシューの断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…ドラムブレーキ
2…ドラム
3…ブレーキシュー
3a…リム
3b…ウェブ
3b1…連通穴
3c…ライニング
4…バックプレート
4a…底面
4b…円環状側壁
5,6,8,9…弾性体
5a,6a…第一弾性体
5b,6b…第二弾性体
5c,6c,8a,9a…弾性本体部
5d,5e,6d,6e,8b,9b…固着部
5f,8c,9c…中空部
7…ホールド体
10…アンカ
11…ホイールシリンダ
12,13…リターンスプリング



【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面(4a)と、その底面(4a)に立設された円環状側壁(4b)とを有するバックプレート(4)と、
前記バックプレート(4)の円環状側壁(4b)に対向する外周面と、リム(3a)の外周面(3a3)によって支持される内周面とを有するライニング(3c)と、
前記リム(3a)の内周面(3a4)に結合され、前記バックプレート(4)の底面(4a)と平行に延在するウェブ(3b)と、
前記ライニング(3c)を前記バックプレート(4)の側壁側へ押出すピストン(11b)と、
前記リム(3a)または前記ウェブ(3b)に固着される固着部(5d,5e;6d,6e;8b;9b)を有し、かつその固着部(5d,5e;6d,6e;8b;9b)から前記バックプレート(4)の底面(4a)に向けて延在し前記バックプレート(4)の底面(4a)と前記リム(3a)もしくは前記ウェブ(3b)との間に介在される弾性本体部(5c;6c;8a;9a)とを有する弾性体(5;6;8;9)を備える車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記弾性本体部(5c;6c;8a;9a)が中空状に形成されている車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記弾性本体部(5c;6c;8a;9a)が中空円筒状に形成され、前記弾性本体部(5c;6c;8a;9a)の中心軸線が前記バックプレート(4)の底面(4a)と略平行に設定される車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記ライニング(3c)が前記リム(3a)の円弧長手方向の中央に設けられ、
前記弾性体(5)が前記リム(3a)の円弧長手方向の両端部に固着されている車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記弾性体(5;6;8)の固着部(5e;6d;8b)が前記リム(3a)の内周面(3a4)に固着されている車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記ウェブ(3b)は、前記リム(3a)の内周面(3a4)に接合する外側端部に連通穴(3b3)を有し、
前記弾性体(6)の固着部(6d)は、前記ウェブ(3b)の連通穴(3b3)を貫通した状態で前記リム(3a)に固着される車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項7】
請求項2または3に記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記弾性体(5;6)は、板材から構成され、その板材の一端部に前記リム(3a)の内周面(3a4)に固着される固着部(5e;6d)を有し、その板材の他端部に前記リム(3a)の外周面(3a3)に固着される固着部(5d;6e)を有し、これら固着部(5d,5e;6d,6e)の間に中空状の前記弾性本体部(5c;6c)を有する車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記弾性体(5;6)は、ステンレス鋼を素材とする第一弾性体(5a;6a)と、ゴムを素材としかつ前記第一弾性体(5a;6a)に積層される第二弾性体(5b;6b)を有する車両用ドラムブレーキ(1)。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれか一つに記載の車両用ドラムブレーキ(1)であって、
前記弾性本体部(5c;6c;8a;9a)が金属材で形成されている車両用ドラムブレーキ(1)。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−222176(P2009−222176A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69140(P2008−69140)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】