説明

車両用ヒートポンプシステム及びその制御方法

【課題】暖房性能、効率と除湿性能を向上させ、極低温時には外部積霜を防止すると同時に暖房負荷を減少させて走行距離を増加させるようにする車両用ヒートポンプシステム及び制御方法を提供する。
【解決手段】モータと電装品に冷却水を供給、循環させるクーリング手段と、車室内の冷暖房を調節するエアコン手段とを含む車両用ヒートポンプシステムにおいて、クーリング手段は、車両前面に配設されてウォータポンプを通じて冷却ラインに冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータと、ラジエータの後方に装着されるクーリングファンとを含み、冷却ラインと連結されて冷却水が循環され、各モードに応じてモータと電装品から発生する廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を変化させ、エアコン手段の冷媒ラインと連結され流入した冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヒートポンプシステム及びその制御方法に関し、より詳しくは、電気自動車に水冷コンデンサを適用し、モータと電装品で発生する廃熱を利用して暖房性能と除湿性能を向上させる車両用ヒートポンプシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に自動車用空気調和装置は、自動車の室内を冷暖房するためのエアコンモジュールを含む。このようなエアコンモジュールは、圧縮器の駆動により吐出される熱交換媒体が凝縮器、レシーバードライヤー、膨張バルブ及び蒸発器を経て再び圧縮器へ循環する過程で蒸発器による熱交換によって自動車の室内を冷房したり、冷却水をヒータに流入して熱交換させることによって室内を暖房するように構成される。一方、最近、エネルギー効率と環境汚染問題に対する関心が日々高まり、内燃機関自動車を実質的に代替することができる親環境自動車の開発が要求されており、このような親環境自動車は、普通燃料電池や電気を動力源として駆動される電気自動車や、エンジンと電気バッテリーを利用して駆動されるハイブリッド自動車に区分される。このような親環境車両のうち、電気自動車には一般車両の空気調和装置とは異なり、別途のヒータが使用されず、電気自動車に適用される空気調和装置を通常ヒートポンプシステムという。このようなヒートポンプシステムは、夏季の冷房モード時には圧縮器から圧縮された高温、高圧の気相冷媒が凝縮器を通じて凝縮された後、レシーバードライヤー及び膨張バルブを経て蒸発器での蒸発を通じて室内の温度及び湿度を低める一般的な原理と同一であるが、冬季の暖房モード時には高温、高圧の気相冷媒をヒータ媒体として利用するという特徴を有している。つまり、電気自動車は、暖房モードで高温、高圧の気相冷媒がバルブを通じて室外凝縮器でない室内凝縮器に流動して吸入された外気との熱交換が行われ、熱交換された外気がPCT(Positive Temperature Coefficient)ヒータを通過しながら車両の室内に流入されることによって、車両室内温度を高めるようになる。そして、室内凝縮器に流入された高温、高圧の気相冷媒は、吸入された外気との熱交換を通じて凝縮されて再び液冷媒で吐出される。
【0003】
しかし、上述のような従来のヒートポンプシステムは、外部空気を冷媒との熱交換媒体として利用する空冷式が適用されるところ、圧縮器をはじめとする熱交換機及び各構成要素の構造が複雑になり、全体的なシステムパッケージが複雑になる問題点がある。また、冬季の極低温または低温状態の外気と熱交換された冷媒が室内凝縮器から熱交換されて超低温状態で排出されて外部凝縮器に流入されることによって、外部凝縮器に表面結氷が発生して熱交換媒体の熱交換効率と暖房性能及び効率が低下し、冷房モードから暖房モードへ転換する場合、蒸発器外部に残留した凝縮水により湿度が増加して車両の車窓に湿気がこもるようになる。これを防止するために、外部凝縮器の表面結氷を除去する除霜モードでは、コンプレッサーの作動を中止し、PTCヒータのみで暖房を行わなければならないことによって、暖房性能が極めて低下すると同時に、電源使用量の増加による暖房負荷の上昇及び暖房走行時に走行距離が短縮される問題点がある。また、室内凝縮器からの液冷媒が圧縮器に吸入される時、気相冷媒に転換せしめる熱源が不足するため圧縮効率が低下し、外気温度が低い場合には暖房性能が顕著に不足し、システムが不安定であるばかりか、液冷媒が圧縮器に流入される時、圧縮器の耐久性が低下する問題点もある。また、車両室内の湿気除去のための別途の除湿モードでは、2ウェイバルブの頻繁な開閉作動による騒音及び振動が発生する問題点も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−13901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、冷却水を熱交換媒体として使用する水冷コンデンサを適用し、モータと電装品で発生する廃熱源を利用して冷媒と熱交換させることによって、暖房性能及び効率と除湿性能を向上させる車両用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による車両用ヒートポンプシステムは、車両に設けられて冷却ラインを通じてモータと電装品に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ラインにより連結されるエアコン手段とを含む車両用ヒートポンプシステムにおいて、前記クーリング手段は、車両の前面に配設されてウォータポンプを通じて冷却ラインに沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータと、前記ラジエータの後方に装着されるクーリングファンとを含み、前記冷却ラインと連結されて冷却水が循環され、各モードに応じて前記モータと電装品から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を変化させ、前記エアコン手段の冷媒ラインと連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサをさらに含むことを特徴とする。
このような車両用ヒートポンプシステムにおいて、前記ラジエータは、前方に外気を選択的に流入させる複数の開閉膜が設置されることが好ましく、また、前記エアコン手段は、暖房、冷房、及び除湿モードに応じて蒸発器を通過した外気が内部凝縮器とPCTヒータに流入されるように選択的に調節する開閉ドアを内部に備えたHVACモジュールと、蒸発器と冷媒ラインを通じて連結され、気体状態の冷媒を圧縮させる圧縮器と、前記圧縮器と蒸発器の間の冷媒ライン上に備えられ、前記圧縮器に気体冷媒のみを供給するアキュムレータと、前記圧縮器から排出される冷媒を車両のモードに応じて前記内部凝縮器に選択的に供給する第1バルブと、前記内部凝縮器を通過した冷媒を供給されて膨張させる第1膨張バルブと、前記第1膨張バルブを通じて膨張された冷媒を、前記蒸発器に供給すると共にアキュムレータに供給する第2バルブと、前記蒸発器と第2バルブの間に備えられ、前記第2バルブの開閉を通じて流入される冷媒を膨張させる第2膨張バルブと、を含むことが好適である。そして、前記第1、第2バルブは、3ウェイバルブからなることが好ましく、また、前記クーリング手段とエアコン手段は、夫々制御器と連結され、前記制御器の制御信号により作動されることが好ましい。さらに、前記クーリング手段は、前記ラジエータとモータの間で前記冷却ライン上に設置され、車両の暖房、冷房及び除湿モードに応じて供給された冷却水を前記ラジエータまたはウォータポンプに供給するように前記冷却ラインをバイパスさせて選択的に連結する第3バルブをさらに含むことが良く、また、前記第3バルブは、3ウェイバルブからなることが好ましい。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明による他の車両用ヒートポンプシステムは、車両に設けられて冷却ラインを通じてモータと電装品に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ラインにより連結されるエアコン手段とを含む車両用ヒートポンプシステムにおいて、前記クーリング手段は、車両の前面に配設されてウォータポンプを通じて冷却ラインに沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータと、前記ラジエータの後方に装着されるクーリングファンとを含み、前記電装品と並列に配置された状態で、前記冷却ラインと相互連結されて冷却水が循環され、各モードに応じて前記モータと電装品から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を調節し、前記エアコン手段の冷媒ラインと連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサをさらに含むことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明の車両用ヒートポンプシステム制御方法は、制御器と連結され、それぞれ冷却ラインを通じて相互連結され、ラジエータ、ウォータポンプ、電装品、及びモータを含むクーリング手段と、それぞれ冷媒ラインを通じて相互連結され、複数のバルブと膨張バルブ、圧縮器、及びアキュムレータと、蒸発器、内部凝縮器、PTCヒータ、及び開度ドアから構成されたHAVCモジュールを含むエアコン手段とから構成され、前記冷却ラインと冷媒ラインに連結される水冷コンデンサをさらに含むヒートポンプシステムに適用され、使用者の選択により暖房モード、冷房モード、及び除湿モードでそれぞれ作動させるための車両用ヒートポンプシステム制御方法において、前記暖房モードで、前記クーリング手段は、前記モータと電装品から発生される廃熱源を通じて前記水冷コンデンサに流入された冷却水の温度を上昇させ、前記冷媒ラインを通じて前記水冷コンデンサに流入された冷媒との熱交換を通じて冷媒の温度を上昇させ、前記エアコン手段は、前記水冷コンデンサの内部で前記冷却水との熱交換を通じて温度が上昇した冷媒を第2バルブの開放を通じて冷媒ラインに沿って前記アキュムレータと圧縮器を通過させて高温高圧状態の気体冷媒に圧縮させた状態で、第1バルブの開閉を通じて前記HAVCモジュールの内部凝縮器に供給し、前記内部凝縮器を通過した冷媒は、第1膨張バルブを通じて膨張させた状態で、前記水冷コンデンサに供給して循環させ、外部から前記HAVCモジュールの蒸発器を通過した外気が前記内部凝縮器を通過するように前記開閉ドアを開放させ、流入された外気が前記内部凝縮器を通過しながらPTCヒータの選択的な作動と共に車両室内を暖房することを特徴とする。
このような車両用ヒートポンプシステム制御方法において、前記暖房モードでは、車両の走行時、前記ラジエータの前面に設置された各開閉膜が閉鎖されて前記ラジエータに走行風の流入を防止することが好ましく、また、前記冷房モードで、前記クーリング手段は、クーリングファンが作動して外気と共にラジエータに流入された冷却水を冷却させ、前記ウォータポンプの作動を通じて前記モータと電装品を冷却させながら前記水冷コンデンサに流入させ、前記水冷コンデンサに流入された低温の冷却水と熱交換を通じて冷媒の温度を低め、前記エアコン手段は、前記水冷コンデンサを通過しながら冷却された低温の冷媒が前記HAVCモジュールの蒸発器と連結された第2膨張バルブに流入されるように第2バルブを開放させ、膨張された冷媒を前記蒸発器に供給し、前記蒸発器で外気との熱交換を通じて蒸発された冷媒を排出して前記アキュムレータと圧縮器を経ながら圧縮させた状態で、第1バルブの作動を通じて前記水冷コンデンサと連結された冷媒ラインを開放させて前記水冷コンデンサに循環させ、前記蒸発器に流入された冷媒により前記蒸発器を通過しながら冷却された外気が前記内部凝縮器に流入されないように前記開閉ドアを閉鎖し、冷却された外気を車両の内部に直接流入させて車両室内を冷房することが好適である。そして、前記冷房モードでは、車両の走行時、前記ラジエータの前面に設置された各開閉膜が開放されて前記ラジエータに走行風を流入させることが好ましく、また、前記除湿モードで、前記クーリング手段は、クーリングファンが作動して外気と共にラジエータに流入された冷却水を冷却させ、前記ウォータポンプの作動を通じて前記モータと電装品を冷却させながら前記水冷コンデンサに流入させ、前記水冷コンデンサに流入された低温の冷却水と熱交換を通じて冷媒の温度を低め、前記エアコン手段は、前記水冷コンデンサを通過しながら冷却された低温の冷媒が前記HAVCモジュールの蒸発器と連結された第2膨張バルブに流入されるように第2バルブを開放させ、膨張された冷媒を前記蒸発器に供給し、前記蒸発器で外気との熱交換を通じて蒸発された冷媒を排出して前記アキュムレータと圧縮器を経ながら圧縮させた状態で、第1バルブの作動を通じて前記内部凝縮器と連結された冷媒ラインを開放させて前記内部凝縮器に冷媒を供給し、前記内部凝縮器を通過した冷媒は、第1膨張バルブを通じて膨張させた状態で、前記水冷コンデンサに供給して循環させ、外部から前記HAVCモジュールの蒸発器を通過しながら冷却された外気が前記内部凝縮器を通過するように前記開閉ドアを開放させ、流入された外気が前記内部凝縮器とPTCヒータを通過しながら車両室内を除湿することが好ましい。さらに、前記除湿モードは、前記制御器が前記第1、第2膨張バルブの開度量の調節を通じて冷媒の膨張量を調節することが好ましく、また、前記暖房モード、冷房モード、及び除湿モードは、前記制御器が前記モータと電装品から発生される廃熱源の温度状態と、冷却水と冷媒の温度状態に応じて、前記クーリングファンの風量とウォータポンプの流量を制御することが好適である。
【発明の効果】
【0009】
上述した本発明による車両用ヒートポンプシステム及びその制御方法によれば、冷却水を熱交換媒体として使用する水冷コンデンサを適用し、モータと電装品で発生する廃熱源を利用して冷媒と熱交換させることによって、全体的な暖房性能及び効率と除湿性能を向上させ、極低温時に外部に設置された前記水冷コンデンサの外部積霜を防止する効果がある。また、暖房モードで極低温時のアイドル状態及び走行条件では、PTCヒータと共に全体的なシステムを同時に駆動させることによって、電源使用量が増加することを防止して暖房負荷を減少させ、走行距離を増加させる長所がある。そして、車両の冷房モードでは、冷却水を低温の冷媒と熱交換させて水温を低めることができるため、冷房性能を向上させることができ、除湿モードでは、3ウェイバルブを通じて頻繁な開閉作動を減らしてバルブ開閉作動による騒音及び振動発生を低減させることができる。また、水冷コンデンサを適用して冷媒との熱交換媒体として冷却水を使用することによって、各構成要素の構造を簡素化すると同時に、一つのラジエータでモータと電装品を冷却させることができるため、全体的なシステムパッケージの縮小及びラジエータの効率を向上させる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態による車両用ヒートポンプシステムの暖房モードの作動状態図である。
【図3】本発明の第1実施形態による車両用ヒートポンプシステムの冷房モードの作動状態図である。
【図4】本発明の第1実施形態による車両用ヒートポンプシステムの除湿モードの作動状態図である。
【図5】本発明の第2実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図である。
【図6】本発明の第3実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。本明細書に記載した実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想を全て代弁するのではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があり得る。
【0012】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図を図1に示した。本実施形態による車両用ヒートポンプシステム100及びその制御方法は、冷却水を熱交換媒体として使用する水冷コンデンサ130を適用し、モータ111と電装品113で発生する廃熱源を利用して冷媒と熱交換させることによって、暖房性能及び効率と除湿性能を向上させ、極低温時には外部積霜を防止すると同時に、暖房負荷を減少させて走行距離を増加させるようにする。このために、本実施形態による車両用ヒートポンプシステム100は、図1に示したように、基本的に車両に設けられて冷却ライン(Colling Line:以下、「C.L」と略記する場合がある)を通じてモータ111と電装品113に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段110と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ライン(Refrigerant Line:以下、「R.L」と略記する場合がある)に連結されるエアコン手段150を含む。
【0013】
本第1実施形態において、クーリング手段110は、車両の前面に配設されてウォータポンプ115を通じて冷却ライン(C.L)に沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータ117と、ラジエータ117の後方に装着されるクーリングファン119を含んで構成される。ここで、ラジエータ117は、前方に車両の外部から走行風または外気を選択的に流入させる複数の開閉膜121が設置される。各開閉膜121は、運転者の選択による車両の暖房モード、冷房モード、及び除湿モードに応じてラジエーター117の前面を開放したり閉鎖して外気の流入を調節することによって、ラジエータ117の冷却性能を調節するようになる。
【0014】
そして、本実施形態によるヒートポンプシステム100は、モータ111と電装品113の間に配置され、冷却ライン(C.L)と連結されて冷却水が循環し、暖房、冷房、及び除湿モードに応じてモータ111と電装品113から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を変化させ、エアコン手段150の冷媒ライン(R.L)と連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサ130をさらに含む。水冷コンデンサ130は、内部に温度センサー(図示せず)が備えられ、温度センサーは、流入された冷却水の水温と冷媒の温度を感知するようになる。
【0015】
本第1実施形態において、エアコン手段150は、HVAC(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)モジュール151、圧縮器161、アキュムレータ163、第1、第2バルブ165、169、第1、第2膨張バルブ167、171から構成され、これを各構成別により詳しく説明する。
【0016】
HVACモジュール151は温湿度、換気などを含む空調(機能)を実際に調節するためのモジュールであり、冷房、暖房、及び除湿モードに応じて蒸発器157を通過した外気が内部凝縮器153とPCTヒータ155に流入されるように選択的に調節する開閉ドア159が内部に備えられる。つまり、開閉ドア159は、車両の暖房時、蒸発器157を通過した外気が内部凝縮器153とPCTヒータ155に流入されるように開放され、冷房時には、蒸発器157を通過しながら冷却された外気が車両内部に直ちに流入されるように内部凝縮器153とPCTヒータ155側を閉鎖するようになる。
【0017】
圧縮器161は、蒸発器157と冷媒ライン(R.L)を通じて連結され、気体状態の冷媒を圧縮させるようになる。アキュムレータ163は、圧縮器161と蒸発器157の間で冷媒ライン(R.L)上に備えられ、圧縮器161に気体冷媒のみを供給するように内部に液体冷媒を貯蔵後、貯蔵された液体冷媒を気化させて再び圧縮器161に気体冷媒を供給して圧縮器161の効率及び耐久性を向上させるようになる。
【0018】
この実施形態において、第1バルブ165は、圧縮器161から排出される冷媒を車両のモードに応じて内部凝縮器153に選択的に供給し、第1膨張バルブ167は、内部凝縮器153を通過した冷媒を供給されて膨張させるようになる。ここで、圧縮器161と第1バルブ165の間で冷媒ライン(R.L)上には圧力センサー173が装着され、圧縮器161から圧縮された状態で排出する冷媒の圧力を感知するようになる。
【0019】
第2バルブ169は、第1膨張バルブ167を通じて膨張した冷媒や第1バルブ165の作動を通じて水冷コンデンサ130を通過した冷媒を蒸発器157に供給したりアキュムレータ163に選択的に供給するようになる。
【0020】
そして、第2膨張バルブ171は、蒸発器157と第2バルブ169の間に備えられ、第2バルブ169の開閉を通じて流入される冷媒を膨張させて蒸発器157に供給するようになる。ここで、第1バルブ165は、冷媒を内部凝縮器153や水冷コンデンサ130に供給し、第2バルブ169は、冷媒をアキュムレータ163や第2膨張バルブ171に供給するように前記冷媒ライン(R.L)を選択的に開閉して連結させる3ウェイバルブからなることが好ましい。
【0021】
このような構成を有するクーリング手段110とエアコン手段150は、それぞれ制御器180と連結され、制御器180の制御信号により作動される。つまり、制御器180は、使用者の選択による車両の暖房モード、冷房モード、及び除湿モードと、水冷コンデンサ130の温度センサーから出力された信号によって、クーリング手段110のクーリングファン119、ウォータポンプ115、及び開閉膜121を制御するようになる。また、制御器180は、車両のモードに応じてエアコン手段150でHVACモジュール151の開閉ドア159の開閉作動を制御すると同時に、各バルブ165、169の開閉作動を制御し、第1、第2膨張バルブ167、171を制御して冷媒の膨張量を制御するようになる。
【0022】
以下、第1実施形態による車両用ヒータポンプシステムの作動及び制御方法を図2乃至図4を通じて具体的に説明する。図2乃至図4は、第1実施形態による車両用ヒートポンプシステムの暖房モード、冷房モード、及び除湿モードの作動状態図である。
【0023】
まず、ヒートポンプシステム100の暖房モード時の作動及び制御方法を図2を参照して説明する。暖房モードで、クーリング手段110は、モータ111と電装品113から発生される廃熱源を利用して冷却ライン(C.L)に沿って水冷コンデンサ130に流入された冷却水の温度を上昇させるようになる。この時、ラジエータ117の前面に設置された各開閉膜121は、制御器180の制御信号により閉鎖された状態になり、ラジエータ117に走行風の流入が防止され、同時に、クーリングファン119も作動が中止されたり風速が低下することによって、ラジエータ117に流入された冷却水の冷却が防止される。このような状態で、水冷コンデンサ130は、冷媒ライン(R.L)を通じて流入された冷媒との熱交換を通じて冷媒の温度を上昇させるようになる。ここで、制御器180は、水冷コンデンサ130に装着された温度センサーを通じて冷却水と冷媒の温度を判断し、モータ111と電装品113から発生される廃熱源の温度状態、冷却水の温度状態、及び冷媒の圧力状態に応じて、ウォータポンプ115の流量を制御したりクーリングファン119の風量を制御するようになる。
【0024】
そして、エアコン手段150は、水冷コンデンサ130の内部で冷却水との熱交換を通じて温度が上昇した冷媒を第2バルブ169の開放を通じて冷媒ライン(R.L)に沿って前記アキュムレータ163と圧縮器161を通過させる。これによって、冷媒は、圧縮器161を通過しながら高温高圧状態の気体冷媒で圧縮された状態で、内部凝縮器153と連結された冷媒ライン(R.L)が第1バルブ165により開放されて内部凝縮器153に流入される。ここで、圧縮器161と第1バルブ165の間で冷媒ライン(R.L)上に装着された圧力センサー173は、圧縮器161から排出される冷媒の圧力を測定して制御器180にその測定値を出力するようになる。制御器180は、圧力センサー173から出力された測定値に基づいて冷媒の圧力を判断し、要求された車両状態に応じて第1バルブ165の開度量を調節するようになる。
【0025】
内部凝縮器153を通過した冷媒は、第1膨張バルブ167を通じて膨張された状態で冷媒ライン(R.L)に沿って水冷コンデンサ130に流入され、前述した作動の反復を通じて冷媒ライン(R.L)に沿って循環するようになる。つまり、暖房モードで高温高圧状態の気体冷媒が内部凝縮器153に供給されると、制御器180は、外部からHAVCモジュール151の蒸発器157を通過した外気が内部凝縮器153を通過するように開閉ドア159を開放させるようになる。これによって、外部から流入された外気は、冷媒が供給されていない蒸発器157を通過時、冷却されていない室温状態で流入され、内部凝縮器153を通過しながら高温状態に変換されてPTCヒータ155の選択的な作動と共に車両室内に供給されることによって、暖房が行われるようになる。
【0026】
本実施形態において、ヒートポンプシステム100の冷房モード時の作動及び制御方法を図3を参照して説明する。まず、冷房モードで、クーリング手段110は、図3に示したように、制御器180によりクーリングファン119が作動して外気と共にラジエータ117に流入された冷却水を冷却させるようになる。この時、各開閉膜121は、ラジエータ117に走行風及び外気が流入されるように制御器180の制御信号により開放された状態になり、ラジエータ117の冷却効率が増加する。
【0027】
このような状態で、冷却された冷却水は、ウォータポンプ115の作動を通じて冷却ライン(C.L)に沿って循環してモータ111と電装品113を冷却させながら水冷コンデンサ130に流入され、水冷コンデンサ130に流入された低温の冷却水と熱交換を通じて冷媒の温度を低めるようになる。ここで、制御器180は、水冷コンデンサ130に装着された温度センサーを通じて冷却水と冷媒の温度を判断し、モータ111と電装品113から発生される廃熱源の温度状態、冷却水の温度状態、及び冷媒の圧力状態に応じて、ウォータポンプ115の流量を制御したりクーリングファン119の風量を制御するようになる。
【0028】
エアコン手段150は、水冷コンデンサ130を通過しながら低温状態の冷却水との熱交換を通じて冷却された低温の冷媒を前記HAVCモジュール151の蒸発器157と連結された第2膨張バルブ171に流入されるように第2バルブ169の作動を通じて冷媒ライン(R.L)を開放するようになる。そうすると、第2膨張バルブ171に流入された低温の冷媒は、膨張された状態で、冷媒ライン(R.L)に沿って蒸発器157に供給される。その後、冷媒は、蒸発器157で外気との熱交換を通じて蒸発し、冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ163と圧縮器161を経ながら圧縮される。このような状態で、冷媒は、第1バルブ165の作動を通じて水冷コンデンサ130と連結された冷媒ライン(R.L)を開放させて水冷コンデンサ130に流入され、前述した作動を反復的に行いながら冷媒ライン(R.L)に沿って循環するようになる。ここで、HVACモジュール151に流入される外気は、蒸発器157に流入された低温状態の冷媒により蒸発器157を通過しながら冷却される。この時、開閉ドア159は、冷却された外気が内部凝縮器153とPTCヒータ155を通過しないように内部凝縮器153へ通過する部分を閉鎖し、冷却された外気を車両の内部に直接流入させることによって冷房が行われるようになる。
【0029】
ヒートポンプシステム100の除湿モード時の作動及び制御方法を図4を参照して説明する。まず、除湿モードで、クーリング手段110は、制御器180によりクーリングファン119が作動して外気と共にラジエータ117に流入された冷却水を冷却させるようになる。この時、各開閉膜121は、ラジエータ117に走行風及び外気が流入されるように制御器180の制御信号により開放された状態になり、ラジエータ117の冷却効率が増加する。このような状態で、冷却された冷却水は、ウォータポンプ115の作動を通じて冷却ライン(C.L)に沿って循環してモータ111と電装品113を冷却させながら水冷コンデンサ130に流入され、水冷コンデンサ130に流入された低温の冷却水と熱交換を通じて冷媒の温度を低めるようになる。ここで、制御器180は、水冷コンデンサ130に装着された温度センサーを通じて冷却水と冷媒の温度を判断し、モータ111と電装品113から発生される廃熱源の温度状態、冷却水の温度状態、及び冷媒の圧力状態に応じて、ウォータポンプ115の流量を制御したりクーリングファン119の風量を制御するようになる。
【0030】
エアコン手段150は、水冷コンデンサ130を通過しながら低温状態の冷却水との熱交換を通じて冷却された低温の冷媒をHAVCモジュール151の蒸発器157と連結された第2膨張バルブ171に流入するように第2バルブ169の作動を通じて冷媒ライン(R.L)を開放するようになる。そうすると、第2膨張バルブ171に流入された低温の冷媒は、膨張された状態で、冷媒ライン(R.L)に沿って蒸発器157に供給される。その後、冷媒は、蒸発器157で外気との熱交換を通じて蒸発し、冷媒ライン(R.L)に沿ってアキュムレータ163と圧縮器161を通過しながら高温高圧状態の気体冷媒と圧縮される。圧縮された気体冷媒は、内部凝縮器153と連結された冷媒ライン(R.L)が第1バルブ165により開放されて内部凝縮器153に供給される。ここで、圧縮器161と第1バルブ165の間で冷媒ライン(R.L)上に装着された圧力センサー173は、圧縮器161から排出される冷媒の圧力を測定して制御器180にその測定値を出力するようになる。
【0031】
制御器180は、圧力センサー173から出力された測定値に基づいて冷媒の圧力を判断し、要求された車両状態に応じて第1バルブ165の開度量を調節するようになる。そして、内部凝縮器153を通過した冷媒は、第1膨張バルブ167を通じて膨張された状態で前記冷媒ライン(R.L)に沿って水冷コンデンサ130に流入され、前述した作動を反復的に行いながら冷媒ライン(R.L)に沿って循環するようになる。この場合、制御器180は、第1、第2膨張バルブ167、171の開度量の調節を通じて冷媒の膨張量を調節するようになる。ここで、HVACモジュール151に流入される外気は、蒸発器157に流入された低温状態の冷媒により蒸発器157を通過しながら冷却される。この時、開閉ドア159は、冷却された外気が内部凝縮器153を通過するように内部凝縮器153と連結された部分を開放させるようになり、流入された外気は蒸発器157を通過しながら除湿された後、内部凝縮器153を通じて加熱されて車両内部に流入されることによって、車両の室内を除湿するようになる。
【0032】
第1実施形態による車両用ヒートポンプシステム制御方法を説明するに当たり、暖房モードで外気と共にPTCヒータ155が作動されることを説明したが、これに限定されるものではなく、使用者の選択による暖房温度設定に応じてPTCヒータ155の作動有無を選択して実現することができる。したがって、上述した本第1実施形態による車両用ヒートポンプシステム100及びその制御方法によれば、冷却水を熱交換媒体として使用する水冷コンデンサ130を適用し、モータ111と電装品113で発生する廃熱源を利用して冷媒と熱交換させることによって、全体的な暖房性能及び効率と除湿性能を向上させ、極低温時に外部に設置された前記水冷コンデンサ130の外部積霜を防止することができる。また、暖房モードで極低温時のアイドル状態及び走行条件では、PTCヒータ155と共に全体的なシステムを同時に駆動させることによって、電源使用量が増加することを防止して暖房負荷を減少させ、走行距離を増加させることができる。そして、車両の冷房モードでは、冷却水を低温の冷媒と熱交換させて水温を低めることができるため、冷房性能を向上させることができ、除湿モードでは、第1、第2バルブ165、169が3ウェイバルブとして適用されることによって、頻繁な開閉作動を減らしてバルブ開閉作動による騒音及び振動発生を低減させることができる。また、水冷コンデンサ130を適用し、冷媒との熱交換媒体として冷却水を使用することによって、各構成要素の構造を簡素化すると同時に、一つのラジエータ117でモータ111と電装品113を冷却させることができるため、全体的なシステムパッケージの縮小及びラジエータ117の効率を向上させることができる。
【0033】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図を図5に示した。本第2実施形態による車両用ヒートポンプシステム200は、基本的に車両に構成されて冷却ライン(C.L)を通じてモータ211と電装品213に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段210と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ライン(R.L)に連結されるエアコン手段250を含む。
【0034】
この実施形態において、クーリング手段210は、車両の前面に構成されてウォータポンプ215を通じて冷却ライン(C.L)に沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータ217と、ラジエータ217の後方に装着されるクーリングファン219を含んで構成される。ここで、ラジエータ217は、前方に車両の外部から走行風または外気を選択的に流入させる複数の開閉膜221が設置される。各開閉膜221は、運転者の選択による車両の暖房モード、冷房モード、及び除湿モードに応じてラジエーター217の前面を開放したり閉鎖して外気の流入を調節することによって、ラジエータ217の冷却性能を調節するようになる。そして、本実施形態によるヒートポンプシステム200は、モータ211と電装品213の間に配置され、冷却ライン(C.L)と連結されて冷却水が循環し、暖房、冷房、及び除湿モードに応じてモータ211と電装品213から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を変化させ、エアコン手段250の冷媒ライン(R.L)と連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサ230をさらに含む。水冷コンデンサ230は、内部に温度センサー(図示せず)が備えられ、温度センサーは、流入された冷却水の水温と冷媒の温度を感知するようになる。
【0035】
本第2実施形態によるクーリング手段210は、ラジエータ217とモータ211の間で冷却ライン(C.L)上に設置され、車両の暖房、冷房及び除湿モードに応じて供給された冷却水をラジエータ217またはウォータポンプ215に供給するように冷却ライン(C.L)をバイパスさせて選択的に連結する第3バルブ223をさらに含む。第3バルブ223は、制御器280により制御され、車両の暖房モード時、冷却水を開閉作動を通じてラジエータ217に流入されないように冷却ライン(C.L)をバイパスさせ、ウォータポンプ215を通じてモータ211と電装品213を通過させることによって、廃熱源を通じて冷却水の水温を上昇させる機能をするようになる。このような第3バルブ223は、冷却水をラジエータ217や電装品213に供給するように冷却ライン(C.L)を選択的に開閉して連結させる3ウェイバルブからなることが好ましい。
【0036】
エアコン手段250は、HVACモジュール(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)251、圧縮器261、アキュムレータ263、第1、第2バルブ265、269、第1、第2膨張バルブ267、271から構成される。そして、HVACモジュール251は、冷房、暖房、及び除湿モードに応じて蒸発器257を通過した外気が内部凝縮器253とPCTヒータ255に流入されるように選択的に調節する開閉ドア259が内部に備えられる。このような構成を有するエアコン手段250は、前述した第1実施形態と同一であるため、以下、詳細な説明は省略する。
【0037】
また、本第2実施形態によるヒートポンプシステム制御方法は、暖房モードで、第3バルブ223の開閉を通じて冷却水をラジエータ217に流入させず、冷却ライン(C.L)に沿ってモータ211、電装品213、及び水冷コンデンサ230を循環させることによって、廃熱源との熱交換を通じて冷却水の温度をより迅速に昇させることができる。
【0038】
この第2実施形態によるヒートポンプシステム制御方法は、第3バルブ223が作動する暖房モードで、クーリング手段210の冷却水循環経路のみが変換されるだけであり、上述した第1実施形態と冷房モード、除湿モードにおける各構成要素の作動及び制御が同一であるため、以下、詳細な説明は省略する。
【0039】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態による車両用ヒートポンプシステムの構成図を図6に示した。本第3実施形態による車両用ヒートポンプシステムは300は、基本的に車両に設けられて冷却ライン(C.L)を通じてモータ323と電装品313に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段310と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ライン(R.L)に連結されるエアコン手段350を含む。
【0040】
この実施形態において、クーリング手段310は、車両の前面に配設されてウォータポンプ315を通じて冷却ライン(C.L)に沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータ317と、ラジエータ317の後方に装着されるクーリングファン319を含んで構成される。ここで、ラジエータ317は、前方に車両の外部から走行風または外気を選択的に流入させる複数の開閉膜321が設置される。各開閉膜321は、運転者の選択による車両の暖房モード、冷房モード、及び除湿モードに応じてラジエーター317の前面を開放したり閉鎖して外気の流入を調節することによって、ラジエータ317の冷却性能を調節するようになる。
【0041】
そして、本第3実施形態によるヒートポンプシステム300でクーリング手段310は、電装品313と並列に配置された状態で、冷却ライン(C.L)と相互連結されて冷却水が循環し、車両の暖房、冷房及び除湿モードに応じてモータ323と電装品313から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を調節し、エアコン手段350の冷媒ライン(R.L)と連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサ330をさらに含む。水冷コンデンサ330は、内部に温度センサー(図示せず)が備えられ、温度センサーは、流入された冷却水の水温と冷媒の温度を感知するようになる。
【0042】
エアコン手段350は、HVACモジュール(Heating、Ventilation、and Air Conditioning)351、圧縮器361、アキュムレータ363、第1、第2バルブ365、369、第1、第2膨張バルブ367、371から構成される。そして、HVACモジュール351は、冷房、暖房、及び除湿モードに応じて蒸発器357を通過した外気が内部凝縮器353とPCTヒータ355に流入されるように選択的に調節する開閉ドア359が内部に備えられる。クーリング手段310とエアコン手段350は、制御器380と連結され、制御器380の制御信号によりそれぞれ作動する。エアコン手段350は、上述した第1実施形態と同一であるため、以下、詳細な説明は省略する。
【0043】
また、本第3実施形態によるヒートポンプシステム制御方法は、電装品313が水冷コンデンサ130と並列に配置され、冷却ライン(C.L)を通じて相互連結されて冷却水が循環することが異なるが、上述した第1実施形態の暖房モード、冷房モード、及び除湿モードにおける各構成要素の作動及び制御が同一であるため、以下、より詳細な説明は省略する。一方、本第3実施形態では、ヒートポンプシステム300は、クーリング手段310で電装品313と水冷コンデンサ330が並列に配置されることを説明したが、これに限定されるものではなく、水冷コンデンサ330は電装品313ではなくモータ323と並列に配置されてもよい。以上、本発明を限定された実施形態と図面により説明したが、本発明はこれにより限定されず、本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0044】
110、210、310…クーリング手段
111、211、323…モータ
113、213、313…電装品
115、215、315…ウォータポンプ
117、217、317…ラジエータ
119、219、319…クーリングファン
121、221、321…開閉膜
130、230、330…水冷コンデンサ
150、250、350…エアコン手段
151、251、351…HVACモジュール
153、253、353…内部凝縮器
155、255、355…PTCヒータ
157、257、357…蒸発器
159、259、359…開閉ドア
161、261、361…圧縮器
163、263、363…アキュムレータ
165、265、365…第1バルブ
167、267、367…第1膨張バルブ
169、269、369…第2バルブ
171、271、371…第2膨張バルブ
173…圧力センサー
180、280、380…制御器
223…第3バルブ
C.L…冷却ライン
R.L…冷媒ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられて冷却ラインを通じてモータと電装品に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ラインにより連結されるエアコン手段とを含む車両用ヒートポンプシステムにおいて、
前記クーリング手段は、車両の前面に配設されてウォータポンプを通じて冷却ラインに沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータと、前記ラジエータの後方に装着されるクーリングファンとを含み、
前記冷却ラインと連結されて冷却水が循環され、各モードに応じて前記モータと電装品から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を変化させ、前記エアコン手段の冷媒ラインと連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサをさらに含むことを特徴とする車両用ヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記ラジエータは、前方に外気を選択的に流入させる複数の開閉膜が設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記エアコン手段は、
暖房、冷房、及び除湿モードに応じて蒸発器を通過した外気が内部凝縮器とPCTヒータに流入されるように選択的に調節する開閉ドアを内部に備えたHVACモジュールと、
前記蒸発器と冷媒ラインを通じて連結され、気体状態の冷媒を圧縮させる圧縮器と、
前記圧縮器と蒸発器の間で冷媒ライン上に備えられ、前記圧縮器に気体冷媒のみを供給するアキュムレータと、
前記圧縮器から排出される冷媒を車両のモードに応じて前記内部凝縮器に選択的に供給する第1バルブと、
前記内部凝縮器を通過した冷媒を供給されて膨張させる第1膨張バルブと、
前記第1膨張バルブを通じて膨張された冷媒を前記蒸発器に供給したりアキュムレータに供給する第2バルブと、
前記蒸発器と第2バルブの間に備えられ、前記第2バルブの開閉を通じて流入される冷媒を膨張させる第2膨張バルブと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記第1、第2バルブは、3ウェイバルブからなることを特徴とする請求項3に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記クーリング手段とエアコン手段は、それぞれ制御器と連結され、前記制御器の制御信号により作動されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記クーリング手段は、前記ラジエータとモータの間で前記冷却ライン上に設置され、車両の暖房、冷房及び除湿モードに応じて供給された冷却水を前記ラジエータまたはウォータポンプに供給するように前記冷却ラインをバイパスさせて選択的に連結する第3バルブをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項7】
前記第3バルブは、3ウェイバルブからなることを特徴とする請求項6に記載の車両用ヒートポンプシステム。
【請求項8】
車両に設けられて冷却ラインを通じてモータと電装品に冷却水を供給及び循環させるクーリング手段と、車両室内の冷暖房を調節するように冷媒ラインにより連結されるエアコン手段とを含む車両用ヒートポンプシステムにおいて、
前記クーリング手段は、車両の前面に配設されてウォータポンプを通じて冷却ラインに沿って冷却水を循環させ、供給される冷却水を外気との熱交換を通じて冷却させるラジエータと、前記ラジエータの後方に装着されるクーリングファンと、を含み、
前記電装品と並列に配置された状態で、前記冷却ラインと相互連結されて冷却水が循環され、各モードに応じて前記モータと電装品から発生される廃熱源を選択的に利用して冷却水の水温を調節し、前記エアコン手段の冷媒ラインと連結され流入された冷媒を冷却水と熱交換させる水冷コンデンサをさらに含むことを特徴とする車両用ヒートポンプシステム。
【請求項9】
制御器と連結され、それぞれ冷却ラインを通じて相互連結され、ラジエータ、ウォータポンプ、電装品、及びモータを含むクーリング手段と、それぞれ冷媒ラインを通じて相互連結され、複数のバルブと膨張バルブ、圧縮器、及びアキュムレータと、蒸発器、内部凝縮器、PTCヒータ、及び開度ドアから構成されたHAVCモジュールを含むエアコン手段とから構成され、前記冷却ラインと冷媒ラインに連結される水冷コンデンサをさらに含むヒートポンプシステムにおいて、使用者の選択により暖房モード、冷房モード、及び除湿モードでそれぞれ作動させるための車両用ヒートポンプシステム制御方法において、
前記暖房モードで、前記クーリング手段は、
前記モータと電装品から発生される廃熱源を通じて前記水冷コンデンサに流入された冷却水の温度を上昇させ、前記冷媒ラインを通じて前記水冷コンデンサに流入された冷媒との熱交換を通じて冷媒の温度を上昇させ、
前記エアコン手段は、
前記水冷コンデンサの内部で前記冷却水との熱交換を通じて温度が上昇した冷媒を第2バルブの開放を通じて冷媒ラインに沿って前記アキュムレータと圧縮器を通過させて高温高圧状態の気体冷媒に圧縮させた状態で、第1バルブの開閉を通じて前記HAVCモジュールの内部凝縮器に供給し、
前記内部凝縮器を通過した冷媒は、第1膨張バルブを通じて膨張させた状態で、前記水冷コンデンサに供給して循環させ、外部から前記HAVCモジュールの蒸発器を通過した外気が前記内部凝縮器を通過するように前記開閉ドアを開放させ、流入された外気が前記内部凝縮器を通過しながらPTCヒータの選択的な作動と共に車両室内を暖房することを特徴とする車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項10】
前記暖房モードでは、
車両の走行時、前記ラジエータの前面に設置された各開閉膜が閉鎖されて前記ラジエータに走行風の流入を防止することを特徴とする請求項9に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項11】
前記冷房モードで、前記クーリング手段は、
クーリングファンが作動して外気と共にラジエータに流入された冷却水を冷却させ、前記ウォータポンプの作動を通じて前記モータと電装品を冷却させながら前記水冷コンデンサに流入させ、前記水冷コンデンサに流入された低温の冷却水と熱交換を通じて冷媒の温度を低め、
前記エアコン手段は、
前記水冷コンデンサを通過しながら冷却された低温の冷媒が前記HAVCモジュールの蒸発器と連結された第2膨張バルブに流入されるように第2バルブを開放させ、膨張された冷媒を前記蒸発器に供給し、
前記蒸発器で外気との熱交換を通じて蒸発された冷媒を排出して前記アキュムレータと圧縮器を経ながら圧縮させた状態で、第1バルブの作動を通じて前記水冷コンデンサと連結された冷媒ラインを開放させて前記水冷コンデンサに循環させ、
前記蒸発器に流入された冷媒により前記蒸発器を通過しながら冷却された外気が前記内部凝縮器に流入されないように前記開閉ドアを閉鎖し、冷却された外気を車両の内部に直接流入させて車両室内を冷房することを特徴とする請求項9に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項12】
前記冷房モードでは、
車両の走行時、前記ラジエータの前面に設置された各開閉膜が開放されて前記ラジエータに走行風を流入させることを特徴とする請求項11に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項13】
前記除湿モードで、前記クーリング手段は、
クーリングファンが作動して外気と共にラジエータに流入された冷却水を冷却させ、前記ウォータポンプの作動を通じて前記モータと電装品を冷却させながら前記水冷コンデンサに流入させ、前記水冷コンデンサに流入された低温の冷却水と熱交換を通じて冷媒の温度を低め、
前記エアコン手段は、
前記水冷コンデンサを通過しながら冷却された低温の冷媒が前記HAVCモジュールの蒸発器と連結された第2膨張バルブに流入されるように第2バルブを開放させ、膨張された冷媒を前記蒸発器に供給し、
前記蒸発器で外気との熱交換を通じて蒸発された冷媒を排出して前記アキュムレータと圧縮器を経ながら圧縮させた状態で、第1バルブの作動を通じて前記内部凝縮器と連結された冷媒ラインを開放させて前記内部凝縮器に冷媒を供給し、
前記内部凝縮器を通過した冷媒は、第1膨張バルブを通じて膨張させた状態で、前記水冷コンデンサに供給して循環させ、外部から前記HAVCモジュールの蒸発器を通過しながら冷却された外気が前記内部凝縮器を通過するように前記開閉ドアを開放させ、流入された外気が前記内部凝縮器とPTCヒータを通過しながら車両室内を除湿することを特徴とする請求項9に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項14】
前記除湿モードは、
前記制御器が前記第1、第2膨張バルブの開度量の調節を通じて冷媒の膨張量を調節することを特徴とする請求項13に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。
【請求項15】
前記暖房モード、冷房モード、及び除湿モードは、
前記制御器が前記モータと電装品から発生される廃熱源の温度状態と、冷却水と冷媒の温度状態に応じて、前記クーリングファンの風量とウォータポンプの流量を制御することを特徴とする請求項9に記載の車両用ヒートポンプシステム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−201360(P2012−201360A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271441(P2011−271441)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】