説明

車両用変速機のチェンジレバー装置

【課題】Nレンジ、Dレンジ及び制御モード切換用のモード切換レンジを一直線上に配置したレンジレイアウトにおいて、NレンジからDレンジへの切換の際に、Dレンジを通過してモード切換レンジに切り換えてしまう誤操作を未然に防止できる車両用変速機のチェンジレバー装置を提供する。
【解決手段】チェンジレバー13がNレンジからDレンジを経てA/Mレンジに操作されたとき、A/Mレンジへの所定時間にわたる保持、或いはA/Mレンジへの2回操作の何れかが行われて、運転者による意識的な操作であると見なせるときに、A/Mレンジに対応して変速制御モードを切り換え、何れの操作も行われなかったときには誤操作と見なして変速制御モードの切換を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用変速機のチェンジレバー装置に係り、詳しくはNレンジ(ニュートラルレンジ)、Dレンジ(ドライブレンジ)及び変速機の制御モードを切り換えるためのモード切換レンジが一直線上に配置され、NレンジからDレンジへの切換の際に、Dレンジを通過してモード切換レンジに切り換えてしまう誤操作を防止する機能を備えた車両用変速機のチェンジレバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では乗用車のみならずトラックやバスなどの大型車両においても、運転者のアクセル操作量や車速などに応じて変速段を自動的に切り換える自動変速機が普及している。
この種の自動変速機の形式としては、例えばトルクコンバータに遊星歯車機構を組み合わせた自動変速機やベルト式などの無段変速機の他に、従来からの手動変速機をベースとして変速操作及び変速に伴うクラッチ操作をアクチュエータにより自動化した自動変速機なども存在する。
【0003】
何れの自動変速機においても、運転席に設けられたチェンジレバー装置はチェンジレバー(セレクトレバー)の操作位置に応じて作動状態を切り換えるようになっている。例えばNレンジではエンジン回転を伝達せず、Pレンジ(パーキングレンジ)ではNレンジの機能に加えて車両を移動規制し、Dレンジは予め設定されたシフトマップに基づき自動変速を行い、Rレンジ(リバースレンジ)では後退方向に駆動力を伝達している。
【0004】
また、近年ではより運転者の希望に沿った変速動作を実現するために、Dレンジによる自動変速モードに加えて手動変速モードを選択可能な自動変速機も実用化されている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1の自動変速機に備えられたチェンジレバー装置は、左右にジグザグの凹凸状をなすゲート上に各レンジを配し、レンジを切り換える際にチェンジレバーの前後移動のみならず左右への傾動も要することにより誤操作の防止を図っている。
【0005】
そして、Dレンジの右側にはMレンジ(マニュアルレンジ)をバネによる復帰位置として、その前後に+レンジ(シフトアップレンジ)及び−レンジ(シフトダウンレンジ)を設け、DレンジからMレンジへのチェンジレバーの移動操作時には手動変速モードに切り換えるようにしている。
手動変速モードへの切換当初はDレンジで達成されていた変速段を維持し、その状態からチェンジレバーが+レンジまたは−レンジに傾動操作される毎に変速段をシフトアップまたはシフトダウンし、これにより運転者が任意に変速段を切換可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4123289号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1に記載されたチェンジレバー装置とは別に、手動変速モードへの切換機能を有するチェンジレバー装置として図2に示すものも考えられる。このチェンジレバー装置では、Pレンジ、Nレンジ、Rレンジを前後方向に一直線上に設け、Nレンジの左側に配置したDレンジをバネによる復帰位置として、前後に+レンジ及び−レンジを設けると共に左側にA/Mレンジを設けている。
A/Mレンジは自動変速モードと手動変速モードとを切り換えるためのモード切換レンジであり、DレンジからA/Mレンジに傾動操作する毎に自動変速モードと手動変速モードとの間で切換が行われる。
【0008】
このチェンジレバー装置では、自動変速モードにおいてDレンジから+レンジや−レンジに傾動操作するだけでも手動変速モードへの切換が可能であり、モード切換と同時に傾動操作に応じたシフトアップやシフトダウンも完了することから、一旦DレンジからMレンジに切り換えた後に+レンジや−レンジへの傾動操作を要する特許文献1のチェンジレバー装置に比較すると、使い勝手が良好であるという特徴がある。
【0009】
しかしながら、図2に示したチェンジレバー装置は、Nレンジ、Dレンジ及びA/Mレンジが一直線上に配置されているためチェンジレバーを誤操作する要因になり得る。例えば、駐車している車両を自動変速モードで発進させるときには、NレンジからDレンジ、またはPレンジからNレンジを経てDレンジに切り換えることになるが、このときDレンジを素通りしてチェンジレバーをA/Mレンジに傾動操作してしまう場合がある。
【0010】
従って、このときには運転者の意志に反して手動変速モードに切り換えられてしまうことになり、しかも、A/Mレンジに傾動操作されたチェンジレバーはバネによりDレンジに復帰することから、NレンジからDレンジに正常に切り換えられた場合と判別がつかない。
よって、運転者は手動変速モードのまま車両を発進させてしまい、自動変速されないことに気付いた時点ではじめて自動変速モードへの切換を行うことから、使い勝手が悪いという問題が生じる。
【0011】
なお、運転席にチェンジレバー位置の表示部が設けられる場合もあるが、その表示を運転者が常に確認することは不可能なため、抜本的な対策にはなり得ない。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、Nレンジ、Dレンジ及びモード切換用のモード切換レンジを一直線上に配置したレンジレイアウトにおいて、NレンジからDレンジへの切換の際に、Dレンジを通過してモード切換レンジに切り換えてしまう誤操作を未然に防止することができる車両用変速機のチェンジレバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジン回転を伝達しないニュートラルレンジ、予め設定されたシフトマップに基づく自動変速モードを実行するドライブレンジ、及び変速機の変速制御モードを切り換えるモード切換レンジが略一直線上に配置され、ドライブレンジから隣接するモード切換レンジにチェンジレバーが切換操作されたときにはドライブレンジにチェンジレバーを自動復帰させると共に、モード切換レンジへの切換操作毎にモード切換制御手段により変速制御モードが切り換えられる車両用変速機のチェンジレバー装置において、チェンジレバーのモード切換レンジへの所定時間にわたる保持、またはモード切換レンジへの所定時間内での複数回の切換操作の内の少なくとも一方が予め特定操作として設定され、特定操作が実行されたか否かを判定する特定操作判定手段と、チェンジレバーがドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されたとき、特定操作判定手段により特定操作が判定されないときには、切換操作に応じた変速制御モードの切換をモード切換制御手段に禁止する一方、特定操作判定手段により特定操作が判定されたときには、切換操作に応じた変速制御モードの切換をモード切換制御手段に許可する禁止許可手段とを備えたものである。
【0013】
従って、ドライブレンジからモード切換レンジへのチェンジレバーの切換操作毎に、モード切換制御手段により変速制御モードが切り換えられる。このときの変速制御モードは、例えば自動変速モードと手動変速モードとの間で切り換えられたり、或いは異なる特性のシフトマップ特性に基づく自動変速モード間で切り換えられたりする。
そして、このようなモード切換レンジへの切換は、ニュートラルレンジからドライブレンジへの切換を目的として行われたものの、ドライブレンジを素通りしてモード切換レンジに誤操作された場合にも生じる。
【0014】
本発明では、チェンジレバーがドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されたとき、運転者による意識的な特定操作(チェンジレバーのモード切換レンジへの保持、モード切換レンジへの複数回の切換操作)が判定されたときに限って、誤操作ではないと見なして変速制御モードの切換が許可される。そして、特定操作が判定されないときにはドライブレンジを素通りしたモード切換レンジへの誤操作であると見なし、変速制御モードの切換を禁止することから、運転者が意図したドライブレンジに対応する変速制御モードが実行される。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、禁止許可手段が、特定操作判定手段により特定操作が判定されたときには、変速制御モードの切換をモード切換制御手段に許可すると共に、以降にチェンジレバーがドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されると、特定操作判定手段による特定操作の判定に関わらず、切換操作に応じた変速制御モードの切換をモード切換制御手段に許可するものである。
従って、特定操作の判定に基づき変速制御モードの切換が許可されると、以降のドライブレンジからモード切換レンジへの切換操作時には、特定操作の判定に関わらず変速制御モードの切換が許可されて直ちに実行される。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2において、禁止許可手段が、チェンジレバーがドライブレンジに所定時間に亘って保持されたとき、またはドライブレンジの両側に配置された手動変速操作のためのシフトアップレンジまたはシフトダウンレンジにチェンジレバーが切換操作されたとき、以降にチェンジレバーがドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されると、特定操作判定手段による特定操作の判定に関わらず、切換操作に応じた変速制御モードの切換をモード切換制御手段に許可するものである。
従って、チェンジレバーのドライブレンジへの保持、または手動操作のためのシフトアップレンジやシフトダウンレンジへの切換操作が行われたときには、再びニュートラルレンジ側に戻らない限り、もはやニュートラルレンジからドライブレンジを素通りしたモード切換レンジへの誤操作は起こり得ない。このため、以降のドライブレンジからモード切換レンジへの切換操作時には、特定操作の判定に関わらず変速制御モードの切換が許可されて直ちに実行される。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2または3において、禁止許可手段が、変速制御モードの切換を許可した後に、チェンジレバーが再びニュートラルレンジに切換操作されたときには、特定操作判定手段による特定操作の判定に基づく変速制御モードの切換禁止をモード切換制御手段に対して再開するものである。
従って、変速制御モードの切換を許可した後に、チェンジレバーが再びニュートラルレンジに切換操作されたときには、ニュートラルレンジからドライブレンジを素通りしたモード切換レンジへの誤操作が起こり得るが、このときには特定操作の判定に基づく変速制御モードの切換禁止が再開される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように請求項1の発明の車両用変速制御装置によれば、チェンジレバーがドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されたとき、運転者による意識的な特定操作が判定されたときに限って、誤操作ではないと見なして変速制御モードの切換を許可する一方、特定操作が判定されないときにはドライブレンジを素通りしたモード切換レンジへの誤操作であると見なし、変速制御モードの切換を禁止することから、運転者が意図したドライブレンジに対応する変速制御モードを実行でき、これにより運転者の誤操作を未然に防止することができる。
【0019】
請求項2の発明の車両用変速制御装置によれば、請求項1に加えて、特定操作の判定に基づき変速制御モードの切換が許可されると、以降のドライブレンジからモード切換レンジへの切換操作時には、特定操作の判定に関わらず変速制御モードの切換が許可されて直ちに変速制御モードが切り換えられるため、運転者は何ら意識することなく変速制御モードの切換を容易且つ迅速に操作することができる。
【0020】
請求項3の発明の車両用変速制御装置によれば、請求項1または2に加えて、チェンジレバーのドライブレンジへの保持、または手動操作のためのシフトアップレンジやシフトダウンレンジへの切換操作が行われると、以降のドライブレンジからモード切換レンジへの切換操作時には、特定操作の判定に関わらず変速制御モードの切換が許可されて直ちに変速制御モードが切り換えられるため、運転者は何ら意識することなく変速制御モードの切換を容易且つ迅速に操作することができる。
【0021】
請求項4の発明の車両用変速制御装置によれば、請求項2または3に加えて、変速制御モードの切換を許可した後に、チェンジレバーが再びニュートラルレンジに切換操作されたときには、ニュートラルレンジからドライブレンジを素通りしたモード切換レンジへの誤操作が起こり得るが、このときには特定操作の判定に基づく変速制御モードの切換禁止を再開するため、如何なる場合であっても運転者の誤操作を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態の車両用変速機のチェンジレバー装置が適用されたトラックの駆動系を示す全体構成図である。
【図2】チェンジレバーのレンジ配置を示す模式図である。
【図3】ECUが実行する誤操作防止フラグ設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】ECUが実行するレンジ確定ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した車両用変速機のチェンジレバー装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の車両用変速機のチェンジレバー装置が適用されたトラックの駆動系を示す全体構成図である。但し、本発明の車両用変速機のチェンジレバー装置の適用対象はトラックに限ることはなく、例えばバスや乗用車に適用してもよい。
【0024】
車両には走行用動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1が搭載されている。エンジン1は、加圧ポンプによりコモンレールに蓄圧した高圧燃料を各気筒の燃料噴射弁に供給し、各燃料噴射弁の開弁に伴って筒内に噴射する所謂コモンレール式機関として構成されている。
なお、エンジン1の形式はこれに限ることはなく、コントロールラックの作動に応じて各気筒への燃料噴射を制御する従来形式のディーゼル機関としてもよいし、ガソリンエンジンとしてもよい。
【0025】
エンジン1の出力軸1bにはクラッチ装置2を介して自動変速機(以下、単に変速機という)3の入力軸3aが接続され、クラッチ装置2の接続時にエンジン1の回転が変速機3に伝達されるようになっている。当該変速機3は、前進12段(1速段〜12速段)及び後退1段を備えた手動式変速機をベースとしたものであり、以下に述べるように、その変速操作及び変速に伴うクラッチ装置2の断接操作を自動化したものである。言うまでもないが、変速機3の変速段は上記に限ることなく任意に変更可能である。
【0026】
クラッチ装置2は、フライホイール4にクラッチ板5をプレッシャスプリング6により圧接させて接続される一方、フライホイール4からクラッチ板5を離間させることにより切断される摩擦式クラッチとして構成されている。クラッチ板5にはアウタレバー7を介してエアシリンダ8が連結され、エアシリンダ8には電磁弁9が介装されたエア通路10を介して圧縮エアを充填したエアタンク11が接続されている。
電磁弁9の開弁時にはエアタンク11からエア通路10を介してエアシリンダ8に圧縮エアが供給され、エアシリンダ8が作動してアウタレバー7を介してクラッチ板5をフライホイール4から離間させ、これによりクラッチ装置2が接続状態から切断状態に切り換えられる。一方、電磁弁9が閉弁すると、圧縮エアの供給中止によりエアシリンダ8が作動しなくなることから、クラッチ板5はプレッシャスプリング6によりフライホイール4に圧接され、これによりクラッチ装置2は切断状態から接続状態に切り換えられる。このように電磁弁9の開閉に応じてエアシリンダ8が作動して、クラッチ装置2を自動的に断接操作可能になっている。
【0027】
車両の運転席にはチェンジレバー13が設けられ、このチェンジレバー13のレンジ配置を図2に従って説明する。Pレンジ(パーキングレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)は前後方向に一直線上に配置され、Nレンジの左側にDレンジ(ドライブレンジ)が設けられている。これらのPレンジ、Nレンジ、Rレンジ及びDレンジ間においてチェンジレバー13は任意に移動操作でき、移動操作後のレンジに保持されるようになっている。
なお、一般的なチェンジレバー装置と同様に、エンジン始動はPレンジ及びNレンジでのみ可能となっている。
【0028】
Dレンジの前側には+レンジ(シフトアップレンジ)が設けられ、Dレンジの後側には−レンジ(シフトダウンレンジ)が設けられ、Dレンジの左側にはA/Mレンジ(モード切換レンジ)が設けられている。結果として、A/MレンジはDレンジに隣接した状態で、Nレンジ及びDレンジに対して左右方向に一直線上に配置されている。そして、これらの+レンジ、−レンジ及びA/Mレンジは、Dレンジをバネによる復帰位置として傾動操作可能となっており、傾動操作後にはバネの付勢力により自動的にDレンジに戻るようになっている。
後に詳述するが、A/Mレンジは自動変速モードと手動変速モードとを切り換えるためのモード切換レンジとして機能し、チェンジレバー13をDレンジからA/Mレンジに傾動操作する毎に、自動変速モードと手動変速モードとの間で切換が行われるようになっている。また、+レンジ及び−レンジは手動変速モードにおいてシフトアップやシフトダウンを行うためのレンジであり、チェンジレバー13をDレンジから+レンジまたは−レンジに傾動操作する毎に、現在の変速段から1段シフトアップまたは1段シフトダウンされるようになっている。
【0029】
変速機3にはギヤ段を切り換えるためのギヤシフトユニット14が設けられ、図示はしないがギヤシフトユニット14は、変速機3内の各ギヤ段に対応するシフトフォークを作動させる複数のエアシリンダ、及び各エアシリンダを作動させる複数の電磁弁を内蔵している。ギヤシフトユニット14はエア通路12を介して上記したエアタンク11と接続されており、各電磁弁の開閉に応じてエアタンク11からの圧縮エアが対応するエアシリンダに供給され、そのエアシリンダが作動して対応するシフトフォークを切換操作すると、切換操作に応じて変速機3のギヤ段が切り換えられる。このようにギヤシフトユニット14の電磁弁の開閉に応じてエアシリンダが作動して、変速機3を自動的に変速操作可能になっている。
【0030】
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAMなど)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなどを備えたECU(制御ユニット)21が設置されており、エンジン1、クラッチ装置2、変速機3の総合的な制御を行う。
ECU21の入力側には、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ22、変速機3の入力軸3aの回転速度(クラッチ回転速度)を検出するクラッチ回転速度センサ23、チェンジレバー13の切換位置を検出するレバー位置センサ24、変速機3のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ25、アクセルペダル26の操作量Accを検出するアクセルセンサ27、及び変速機3の出力軸3bに設けられて車速Vを検出する車速センサ28などのセンサ類が接続されている。
【0031】
また、ECU21の出力側には、上記したクラッチ装置2の電磁弁9、ギヤシフトユニット14の各電磁弁などが接続されると共に、図示はしないが、コモンレール蓄圧用の加圧ポンプや各気筒の燃料噴射弁などが接続されている。
なお、このように単一のECU21で総合的に制御することなく、例えばECU21とは別にエンジン制御専用のECUを備えるようにしてもよい。
【0032】
そして、例えばECU21は、エンジン回転速度センサ22により検出されたエンジン回転速度Ne及びアクセルセンサ27により検出されたアクセル操作量Accに基づき、図示しないマップから加圧ポンプにより蓄圧されるコモンレールのレール圧や各気筒への燃料噴射量を算出すると共に、エンジン回転速度Ne及び燃料噴射量Qに基づき図示しないマップから燃料噴射時期を算出する。そして、これらの算出値に基づき加圧ポンプを駆動制御すると共に、各気筒の燃料噴射弁を駆動制御しながらエンジン1を運転させる。
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジへの切換が検出されているとき、アクセル操作量Acc及び車速センサ28により検出された車速Vに基づき、図示しないシフトマップから目標ギヤ段tgtGを算出する。そして、クラッチ装置2の電磁弁を開閉してエアシリンダ11によりクラッチ装置を断接操作させながら、ギヤシフトユニット14の所定の電磁弁を開閉してエアシリンダにより対応するシフトフォークを切換操作して目標ギヤ段tgtGを達成し、これにより常に適切なギヤ段をもって車両を走行させる。
【0033】
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジからA/Mレンジへの切換が検出されたとき、その検出毎に自動変速モードと手動変速モードとの間で変速制御モードを切り換える。本実施形態では、このA/Mレンジへの切換に応じて変速制御モードの切換処理を実行するときのECU21がモード切換制御手段として機能する。そして、自動変速モードでは上記のように目標ギヤ段tgtGに基づき変速制御を実行し、手動変速モードではシフトマップとは関係なくDレンジで達成されていた現在の変速段を維持する。
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジから+レンジまたは−レンジへの切換が検出されたとき、その検出毎に現在の変速段から1段シフトアップまたはシフトダウンする。
【0034】
そして、本実施形態のチェンジレバー装置はNレンジ、Dレンジ及びA/Mレンジが一直線上に配置されているため、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、駐車されていた車両を発進させる際などには、NレンジからDレンジを素通りしてA/Mレンジに誤操作してしまうという不具合が生じる。そこで、本実施形態ではチェンジレバー13の誤操作を防止する対策を講じており、以下、当該対策について詳述する。
図3はECU21が実行する誤操作防止フラグ設定ルーチンを示すフローチャートであり、ECU21は車両のイグニションスイッチがオンされているとき当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。
【0035】
まず、ステップS2でレバー位置センサ24からの検出情報に基づき現在のレバー位置がPレンジ、Nレンジ、Rレンジの何れかであるか否かを判定する。判定がYes(肯定)のときには現在のレバー位置からチェンジレバー13がDレンジ側に操作される可能性があり、必然的にA/Mレンジへの誤操作の虞があると見なすことができる。この場合、ECU21はステップS4に移行して、誤操作防止が必要であることを示す誤操作防止フラグFをセット(=1)して一旦ルーチンを終了する。
また、上記ステップS2の判定がNo(否定)のときには、チェンジレバー13がNレンジからDレンジ側の何れかのレンジに切り換えられていることを意味する。この場合のチェンジレバー13の操作状態としては、以下の3つの場合が考えられる。
【0036】
1)NレンジからDレンジに移動操作された場合。
2)Dレンジへの移動操作後に+レンジまたは−レンジに傾動操作された場合。
3)Dレンジへの操作後にA/Mレンジに傾動操作された場合。
条件3)については、運転者による意識的な操作の他にDレンジを素通りした誤操作も含まれる。
このときのECU21はステップS6に移行してDレンジが確定したか否かを判定し、判定がYesのときにはステップS8で誤操作防止フラグFをリセット(=0)してルーチンを終了する。ステップS6の判定処理は条件1)を想定したものであるが、Dレンジの確定は、レバー位置検出センサ24によりDレンジが検出された状態で、所定時間tが経過したときに行われるものである。所定時間tは、Dレンジ以外のレンジからDレンジへの切換と同時にカウントが開始される。
【0037】
そして、Dレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作はNレンジを起点として開始されることから、Dレンジの確定により誤操作防止フラグFがリセットされた後は、再びNレンジ側(Pレンジ及びRレンジも含む)に戻らない限り、もはやDレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作は起こり得ない。
ステップS6の判定がNoのときにはステップS10に移行して、レバー位置検出センサ24により+レンジまたは−レンジが検出されたか否かを判定し、判定がYesのときには上記ステップS8で誤操作防止フラグFをリセットする。この判定処理は条件2)を想定したものである。そして、+レンジまたは−レンジの検出により誤操作防止フラグFがリセットされたときにも、やはり再びNレンジ側に戻らない限り、Dレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作は起こり得ない。
【0038】
ステップS10の判定がNoのときにはステップS12に移行して、A/Mレンジが確定したか否かを判定する。この判定処理は条件3)を想定したものであり、以下の2つの条件の何れかが成立したときに、A/Mレンジが確定したと判定される。
a)所定時間t1が経過するまでA/Mレンジが検出され続けたとき。
b)所定時間t2が経過するまでにA/Mレンジが2回検出されたとき。
条件a)は、チェンジレバー13がDレンジからA/Mレンジに傾動操作された後にそのまま保持された操作状態であり、条件b)は、A/Mレンジに傾動操作されたチェンジレバー13がDレンジに自動復帰した後に再びA/Mレンジに傾動操作された操作状態(2回操作)である。何れの条件も通常は行われない操作であり、運転者が意識的に行ったものと見なせる。このときのチェンジレバー13は、一旦Dレンジに保持された後(所定時間tの経過前)にA/Mレンジに傾動操作された場合のみならず、NレンジからDレンジを素通りしてA/Mレンジに傾動操作された場合(この操作自体は誤操作と同様)も含まれるが、上記のように運転者の意識的な操作を伴うことから誤操作ではない。
【0039】
そして、ステップS12の判定がYesのときには上記ステップS8で誤操作防止フラグFをリセットし、ステップS12の判定がNoのときにはルーチンを終了する。本実施形態では、この条件a),b)に関するステップS12の処理を実行するときのECU21が特定操作判定手段として機能する。
以上の処理により、誤操作防止フラグFは、レバー位置がPレンジ、Nレンジ、Rレンジの何れかに切り換えられたとき、換言すればその後にDレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作が起こり得るときにセットされる。また、Dレンジの確定、+レンジまたは−レンジへの切換、A/Mレンジの確定の何れかが成立したとき、即ち上記A/Mレンジへの誤操作が起こり得なくなったとき、或いは誤操作と同様であるが運転者による意識的な操作の確証が得られたときにリセットされることになる。
【0040】
一方、以上の誤操作防止フラグ設定ルーチンと並行して、ECU21は図4に示すレンジ確定ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。
まず、ステップS102でレバー位置検出センサ24の検出に基づきチェンジレバー13が操作されたか否かを判定し、判定がNoのときには一旦ルーチンを終了する。ステップS102の判定がYesになるとステップS104に移行し、チェンジレバー13の操作がDレンジからA/Mレンジへの切換であったか否かを判定する。
【0041】
ステップS104の判定がNoのときにはステップS106に移行し、チェンジレバー操作に対応して変速機3の作動状態を切り換える。例えばチェンジレバー13がNレンジからDレンジに移動操作されたときには自動変速モードを開始し、Dレンジから+レンジや−レンジに傾動操作されたときには手動変速モードに切り換えると同時にシフトアップまたはシフトダウンを実行する。
一方、ステップS104の判定がYesであるときには、ステップS108に移行して誤操作防止フラグFがセットされているか否かを判定する。判定がNoのときにはステップS110に移行して変速機3の作動状態をA/Mレンジに対応して切り換える。即ち、現在自動変速モード中のときには手動変速モードに切り換え、手動変速モード中のときには自動変速モードに切り換える。
【0042】
また、誤操作防止フラグFのセットに基づきステップS108でYesの判定を下したときには、そのままルーチンを終了する。従って、この場合のECU21はA/Mレンジへの傾動操作を認識せず、ステップS110での変速制御モードの切換は実行しない。本実施形態では、ステップS104,108,110の処理を実行するときのECU21が禁止許可手段として機能する。
【0043】
以上のECU21の処理により、チェンジレバー13の切換操作に応じて変速機3の作動状態は以下に述べるように制御される。
例えば駐車中の車両を走行させる場合、運転者はPレンジにあるチェンジレバー13をNレンジを経てDレンジに移動操作する。このとき図4のステップS104の判定に基づきステップS106でDレンジに対応して自動変速モードが開始されることから、運転者はアクセル操作に応じて車両の走行を開始することができる。
【0044】
また、Dレンジへの切換後にチェンジレバー13が+レンジまたは−レンジに傾動操作されると、上記と同じくステップS106の処理により手動変速モードへの切換と同時にシフトアップまたはシフトダウンが実行され、運転者はチェンジレバー13の傾動操作に応じて任意の変速段に変速可能となる。
なお、駐車中のPレンジへの切換に対応して、誤操作防止フラグFは図3のステップS2の判定に基づきステップS4でセットされているが、図4から明らかなように、上記したDレンジや+レンジまたは−レンジへの操作時には誤操作防止フラグFの設定状態に関わらずステップS106の処理が行われる。
【0045】
一方、車両の発進のためにチェンジレバー13がDレンジからA/Mレンジに傾動操作された場合には、変速制御モードの切換を目的とした操作ばかりでなく、車両の発進のためにNレンジからDレンジへの切換を目的としたものの、誤操作でDレンジを素通りしてA/Mレンジに切り換えられた場合も含まれる。このとき図4のステップS104からステップS108に移行して誤操作防止フラグFの判定に応じた処理が行われる。
即ち、誤操作防止フラグFがセットされているときには、ECU21はA/Mレンジへの傾動操作を認識せず、その傾動操作に応じた変速制御モードの切換を実行しない。このように誤操作防止フラグFがセットされている場合、車両の駐車などに起因して図3のステップS4で誤操作防止フラグFがセットされた後、ステップS6,10,12の何れの条件も成立しない状況である。
【0046】
従って、Dレンジの確定や+レンジまたは−レンジの検出に基づき、Dレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作が起こり得ないと断定できず、また、A/Mレンジの確定(条件a)またはb)の成立)に基づきA/Mレンジへの傾動操作が意識的に行われたものと見なすこともできない。よって、この場合のチェンジレバー13は、例えばDレンジへの切換を目的としたものの、Dレンジを素通りしてA/Mレンジに誤操作されたと推測できる。
仮にA/Mレンジへの傾動操作に基づき変速制御モードの切換が行われると、運転者が意図しない手動変速モードで車両を発進させてしまうが、上記のようにECU21がA/Mレンジへの傾動操作を認識しないため、変速制御モードとしてDレンジに対応する自動変速モードが維持される。よって、誤操作したにも拘わらず運転者の本来の意図に沿って自動変速モードで車両を発進でき、チェンジレバー13の誤操作を未然に防止することができる。
【0047】
一方、A/Mレンジへの傾動操作時において誤操作防止フラグFがリセットされているときには、ECU21はステップS110でA/Mレンジへの傾動操作に応じて変速制御モードを切り換える。
誤操作防止フラグFのリセットがステップS12のA/Mレンジの確定に基づき行われた場合には、条件a)及び条件b)の何れであっても、通常は行われない操作を運転者が意識的に行ったものである。従って、運転者の誤操作ではなく、手動変速モードでの発進を意図したものである。
【0048】
そして、このときには図3のステップS8でA/Mレンジの確定に基づき誤操作防止フラグFがリセットされるのと同時に、リセットされた誤操作防止フラグFに基づき図4のステップS108でA/Mレンジへの傾動操作が認識される。
従って、変速制御モードはDレンジの通過の際にステップS106で一時的に自動変速モードに切り換えられるが、その直後にA/Mレンジへの傾動操作が認識されることによりステップS110で手動変速モードに切り換えられる。よって、運転者が意図したように手動変速モードで車両を発進させることができる。
【0049】
ここで、条件a)の成立には所定時間t1にわたるA/Mレンジへの傾動操作を要し、条件b)の成立には2回のA/Mレンジへの傾動操作を要するため、通常よりも若干煩雑なチェンジレバー操作を運転者に要求することになる。
しかし、一旦誤操作防止フラグFがリセットされた後の2回目以降のA/Mレンジへのチェンジレバー13の傾動操作時には、その傾動操作に応じて図4のステップS110で直ちに変速制御モードの切換が実行される。よって、2回目以降では、運転者は何ら意識することなく変速制御モードの切換を容易且つ迅速に操作することができる。
【0050】
また、誤操作防止フラグFのリセットがステップS6でのDレンジの確定に基づく場合、及びリセットがステップS10での+レンジまたは−レンジの検出に基づく場合には、何れでも、再びNレンジ側に戻らない限り、もはやNレンジからDレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作は起こり得ない。よって、これらのDレンジや+レンジまたは−レンジへの操作後にA/Mレンジへの傾動操作が行われた場合には、それに応じて変速制御モードを切り換えるべきであり、また、この切換を実行することによる弊害は一切発生しない。
そして、この場合にもA/Mレンジへの傾動操作に応じて、図4のステップS110で直ちに変速制御モードの切換が実行されるため、変速制御モードの切換を容易且つ迅速に操作することができる。
【0051】
一方、誤操作防止フラグFのリセット後において、チェンジレバー13が再びPレンジ、Nレンジ、Rレンジの何れかに切り換えられると、図3のステップS4で誤操作防止フラグFがセットされる。よって、車両を発進させる毎にDレンジを素通りしたA/Mレンジへの誤操作が常に判定され、誤操作時にはA/Mレンジへの傾動操作を認識せずに自動変速モードを維持し、もって常に確実にチェンジレバー13の誤操作を防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、手動式変速機をベースとして変速操作及び変速に伴うクラッチ装置2の断接操作を自動化した変速機3を用いたが、変速機3の種別はこれに限ることはない。例えば、所謂デュアルクラッチ式変速機、或いはトルクコンバータに遊星歯車機構を組み合わせた自動変速機やベルト式などの無段変速機に適用してもよい。
【0052】
なお、デュアルクラッチ式変速機は、奇数段と偶数段とに分けた歯車機構をそれぞれクラッチを介してエンジン側と連結して構成され、一方の歯車機構のクラッチを接続して動力伝達しているとき、他方の歯車機構のクラッチを切断して次に予測されるギヤ段に予め切り換えておき、変速タイミングになると両クラッチの断接状態を逆転させて他方の歯車機構による動力伝達を開始するものである。これらの変速機においても図2のレンジ配列を採用している場合には、本実施形態の構成を適用することにより同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
また、上記実施形態では、モード切換レンジとしてA/Mレンジを設け、A/Mレンジへの切換毎に自動変速モードと手動変速モードとの間で変速制御モードの切換を行ったが、モード切換レンジの態様はこれに限ることはない。例えば、モード切換レンジとしてエコレンジを設け、通常特性のシフトマップに基づくノーマルモードと省燃費を目的としてより変速段を高ギヤ側に保つエコモードとの間で、エコレンジへの切換毎に変速制御モードを切り換えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、一旦誤操作防止フラグFがリセットされた後の2回目以降のA/Mレンジへのチェンジレバー13の傾動操作時には、その傾動操作に応じて直ちに変速制御モードを切り換えたが、これに限ることはない。例えば、図4のステップS104でA/Mレンジへの切換が判定されると、その都度ステップS108でA/Mレンジの確定に関する条件a),b)を判定し、何れかの条件が成立したときに限ってステップS110で変速制御モードを切り換えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
3 変速機
13 チェンジレバー
21 ECU(モード切換制御手段、特定操作判定手段、禁止許可手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン回転を伝達しないニュートラルレンジ、予め設定されたシフトマップに基づく自動変速モードを実行するドライブレンジ、及び変速機の変速制御モードを切り換えるモード切換レンジが略一直線上に配置され、上記ドライブレンジから隣接するモード切換レンジにチェンジレバーが切換操作されたときには該ドライブレンジにチェンジレバーを自動復帰させると共に、該モード切換レンジへの切換操作毎にモード切換制御手段により上記変速制御モードが切り換えられる車両用変速機のチェンジレバー装置において、
上記チェンジレバーの上記モード切換レンジへの所定時間にわたる保持、または該モード切換レンジへの所定時間内での複数回の切換操作の内の少なくとも一方が予め特定操作として設定され、該特定操作が実行されたか否かを判定する特定操作判定手段と、
上記チェンジレバーが上記ドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されたとき、上記特定操作判定手段により上記特定操作が判定されないときには、該切換操作に応じた変速制御モードの切換を上記モード切換制御手段に禁止する一方、上記特定操作判定手段により上記特定操作が判定されたときには、該切換操作に応じた変速制御モードの切換を上記モード切換制御手段に許可する禁止許可手段と
を備えたことを特徴とする車両用変速機のチェンジレバー装置。
【請求項2】
上記禁止許可手段は、上記特定操作判定手段により上記特定操作が判定されたときには、上記変速制御モードの切換を上記モード切換制御手段に許可すると共に、以降に上記チェンジレバーが上記ドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されると、上記特定操作判定手段による特定操作の判定に関わらず、該切換操作に応じた変速制御モードの切換を上記モード切換制御手段に許可することを特徴とする請求項1記載の車両用変速機のチェンジレバー装置。
【請求項3】
上記禁止許可手段は、上記チェンジレバーがドライブレンジに所定時間に亘って保持されたとき、または該ドライブレンジの両側に配置された手動変速操作のためのシフトアップレンジまたはシフトダウンレンジにチェンジレバーが切換操作されたとき、以降に上記チェンジレバーが上記ドライブレンジからモード切換レンジに切換操作されると、上記特定操作判定手段による特定操作の判定に関わらず、該切換操作に応じた変速制御モードの切換を上記モード切換制御手段に許可することを特徴とする請求項1または2記載の車両用変速機のチェンジレバー装置。
【請求項4】
上記禁止許可手段は、上記変速制御モードの切換を許可した後に、上記チェンジレバーが再び上記ニュートラルレンジに切換操作されたときには、上記特定操作判定手段による特定操作の判定に基づく変速制御モードの切換禁止を上記モード切換制御手段に対して再開することを特徴とする請求項2または3記載の車両用変速機のチェンジレバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−57707(P2012−57707A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201109(P2010−201109)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】