説明

車両用情報端末装置

【課題】誤動作によるセンターへのデータ転送を防止するとともに、犯罪を防止するための車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置を提供する。
【解決手段】少なくとも車両内部を撮影し、基地局と送受信する車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置であって、車内の映像を常時撮影可能な映像入力手段及び、車内の音声等を録音する音声入力手段とを設けるとともに、映像、音声等の車内データを順次サイクリックで書き込む第一の記憶手段と、映像、音声等、直近の車内データを一時的に書き込む第二の記憶手段とからなる二つの記憶手段を設け、前記映像入力手段による映像データと、前記音声入力手段による音声データを前記第一の記憶手段に順次書き込むようにして、前記異常検出手段により異常信号を受信したときには、前記第二の記憶手段に記憶された車内データを通信手段によって基地局に送信制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用情報端末装置に関し、特にタクシーにおける広告情報における情報端末装置に犯罪を防止するための車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内の監視用カメラについては、各種提案されており、特にタクシーなどの乗務員のセキュリティ及び乗務員のマナー向上、顧客の忘れ物などのサービスに貢献している。特に乗務員のセキュリティについては、防犯システムが知られるにつれて、犯罪の手口も巧妙になり安全性の点で問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開平04−224433号公報
【特許文献2】特開平10−230820号公報
【特許文献3】特開2002−29387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の技術のうち、タクシー車内の画像を撮影する技術の一例が特開平04−224433号公報(以下、文献1という)及び特開平10−230820号公報(以下、文献2という)に記載されている。
【0005】
文献1に記載された技術は、賃金メータに連動してタクシ−車内の画像を撮影し、撮影画像を車内の記録装置に格納するというものである。又、文献2に記載された技術は、車両の盗難防止を目的に車両の周囲を監視するカメラを設置し、車内に搭載されたショックセンサに連動したもので、撮影画像を自動車電話にて自宅及び警察に転送するというものである。
【0006】
しかし、文献1記載の発明では、車内に撮影画像が保存されているだけなので、装置の存在に気づいた被疑者が装置の破壊行為をする可能性がある為、撮影画像の安全性が十分ではないという欠点がある。
【0007】
また、文献2記載の発明では、相手先の電話が一時不通又は通話中の場合、画像転送不能あるいは送信した画像デ−タに転送エラ−が発生する場合があるという欠点がある。
【0008】
さらに、文献1及び2記載の発明では、画像取得の場合、乗客の動作による画像のぶれや周囲の明暗による画像品質の低下により、識別が困難になる場合があるという欠点がある。
【0009】
そこで特開2002−29387号公報(以下、文献3という)に示される発明は、車内情報を確実に基地局に送信するための車両用防犯監視システム及びその監視方法が示されている。
【0010】
この文献3における構成は、前記車両は乗客が乗車したことを検知する乗車検知手段と、前記乗車検知手段により乗客の乗車が検知された場合に車内の状況を示す車内情報を圧縮して基地局に送信する車内情報送信手段とを有し、前記基地局は前記車内情報送信手段により送信された前記車内情報を受信する車内情報受信手段を有することを特徴とするもので、具体的には、乗客が犯罪性の高い言語を発した時に画像を撮影し送信する音声認識機能を有する。
【0011】
しかしながら、実際には、犯罪性の高い言語を認識することはきわめて難易度の高い制御で、冗談や、顧客が携帯電話などで乱暴な言葉を発しただけで、作動してしまうことが想定される。
【0012】
本発明は、これらの問題を解決するために誤動作によるセンターへのデータ転送を防止するとともに、犯罪を防止するための車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために請求項1に係る発明の車両用情報端末装置は、少なくとも車両内部を撮影し、基地局と送受信する車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置であって、車内の映像を常時撮影可能な映像入力手段と、車内の音声等を録音する音声入力手段と、映像、音声等の車内データを順次サイクリックで書き込む第一の記憶手段と、動画映像、音声等、直近の車内データを一時的に書き込む第二の記憶手段とを設け、前記映像入力手段と音声入力手段は、装置本体とは別体で構成し、さらにこれらの前記映像入力手段と音声入力手段の異常信号を検出する異常検出手段と、車内データを基地局に送信する通信手段とを有し、前記映像入力手段による映像データと、前記音声入力手段による音声データを前記第一の記憶手段に順次書き込むとともに、前記異常検出手段により異常信号を受信したときには、第一の記憶手段に書き込まれている直近の動画映像、音声等、車内データを一時的に書き込み、前記第二の記憶手段に記憶された車内データを前記通信手段によって基地局に送信制御する制御手段からなる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記異常検出手段が衝撃センサーであり、前記映像入力手段又は前記音声入力手段に衝撃が加わったことにより、異常信号を発することを特徴とするものである。
【0015】
さらに請求項3に係る発明は、請求項1において、前記前記異常検出手段は、前記映像入力手段又は前記音声入力手段が装置本体と別体で構成されて情報送受信をデータ線で接続され、このデータ線が切断されたことを検出した場合にも異常信号を発することを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両用情報端末装置を設置する車内を後方から見た状態を示す説明図。
【図2】本発明の車両用情報端末装置を設置する車内を側面から見た状態を示す説明図。
【図3】本発明の車両用情報端末装置を設置する車内を上面から見た状態を示す説明図。
【図4】本発明の車両用情報端末装置におけるリアディスプレイを示す説明図。
【図5】本発明の車両用情報端末装置の制御状態を示すブロック説明図。
【図6】本発明に搭載された車載報知メッセージ表示システムのフロー示す説明図。
【図7】本発明の車両用情報端末装置の制御フローを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の車両用情報端末装置を設置したタクシー1車内の状態を示すもので後列席から見た状態である。また、図2は、本発明の車両用情報端末装置を設置したタクシー車内を側面から見た状態の説明図である。さらに、図3は、本発明の車両用情報端末装置を設置するタクシー車内を上面から見た状態の説明図である。
【0018】
まず、本発明の車両用情報端末装置は、少なくとも車両内部を撮影し、基地局と送受信する車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置であって、以下図面に従って説明する。その構成は、車内の映像を常時撮影可能なカメラ2及び画像圧縮処理部54からなる映像入力手段と、車内の音声等を録音するマイク10及び音声処理部56等の音声入力手段と、映像、音声等の車内データを順次サイクリックで書き込む外部メモリ60を設けた第一の記憶手段と、動画映像、音声等、直近の車内データを一時的に書き込む内部メモリからなる第二の記憶手段とを設け、前記映像入力手段と音声入力手段は、装置本体とは別体で構成し、さらにこれらの前記映像入力手段と音声入力手段の異常信号を検出するカメラ破壊センサ52やディスプレイセンサ53などからなる異常検出手段と、車内データを基地局に送信する通信処理部65、無線通信インタフェース66などからなる通信手段とを有し、前記映像入力手段による映像データと、前記音声入力手段による音声データを前記第一の記憶手段に順次書き込むとともに、前記異常検出手段により異常信号を受信したときには、外部メモリ60の第一の記憶手段に書き込まれている直近の動画映像、音声等、車内データを内部メモリからなる前記第二記憶手段に一時的に書き込み、前記第二の記憶手段に記憶された車内データを前記通信手段によって基地局に送信制御する制御手段51から構成されてなる。
【0019】
本実施例において、カメラ破壊センサ52やディスプレイセンサ53などの異常検出手段が衝撃センサーであり、前記映像入力手段又は前記音声入力手段に衝撃が加わったことにより、異常信号を発してメイン処理部(制御手段)51に緊急事態の処理を行うようになっている。
【0020】
さらに他の実施例において、前記異常検出手段は、前記映像入力手段又は前記音声入力手段が装置本体と別体で構成されて情報送受信をデータ線で接続され、このデータ線が切断されたことを検出した場合にも異常信号を発することであってもよい。このデータ線欠線によって、緊急事態処理が行われるように判断される。
【0021】
本発明の車両用情報端末装置を搭載したタクシーは、乗客にシートベルトなどの装着を報知するようになっており、そのメッセージ表示システムは、タクシー1内にてシートベルト15が付設された各座席(運転席のシートベルトは便宜上省略する)において、所定の座席にて利用者の着座時に、当該利用者が視認可能としてなる表示手段として、ディスプレイ4a、4bに、シートベルト15a、15bを着用を所定時間促す第1報知メッセージと、シートベルト未着用を所定時間警告する第2報知メッセージの少なくとも何れかの報知メッセージを表示するためのシステムが提供されるようになっている。
【0022】
本発明には、タクシーが走行しているか、停止しているかを判断し、シートベルトの着用を二段階で表示及びメッセージを報知している。
【0023】
図中2は、車内を撮影するカメラがバックミラー付近に設置されており、図3に示す通り、車内の様子がほぼ撮影(図中Aの範囲)できるようになっている。運転席、助手席の背面に設けられたディスプレイ4a、4bには、利用者の声を録音するマイク10、及び映像にともなって、必要な音声を出力するスピーカ13が設けられている。
【0024】
5は、車両では周知のナビゲーションシステムである。3は、タクシーにおいては、必須の賃走メータで、本発明における、後述する第二実施例として、走停判別手段を賃走判別手段によって達成している。
【0025】
15a、15bは、シートベルトで、このシートベルトの装着状態は、周知のフックが閉じられたかの有無で装着信号が得られるようになっている。10は、車載データをタクシーの管理センターに送信するアンテナである。
【0026】
図5に示すように本発明の車載報知メッセージ表示システムの制御回路ブロック50(メッセージ表示制御手段を含む)を説明すると、メインの処理部51には、各種の装置が接続されており、まずカメラ2が画像処理部54を介して接続され、ディスプレイ4a、4bは、画像処理部55を介して接続されている。さらにマイク10及びスピーカ13は、音声処理部56を介してそれぞれ接続されている。また、ディスプレイ4a、4bは、タッチパネルになっており、操作ボタン11やこのディスプレイ4a、4bの側部に各種の状態を示すLED11がそれぞれ入出力制御部57を介して接続されている。シートベルト15は、シートベルトセンサ58を介して接続され各シートベルトの装着状態が検出できるようになっている。
【0027】
一方、利用者(乗客)が座席に着座した状態は、重量センサー(図示せず)からデータの供給をうけ、後部席に所定の重量負荷があった時、着座の状態を判別する着座判別手段72がメイン処理部51に接続されている。また、第一実施例においては、ドア開閉判別手段(図示せず)から走行状態の信号を受け、走行しているか停止しているか判別する走停判別手段71が接続されている。
【0028】
さらに、このメイン処理部51には、車内の映像や、音声をタクシーの管理センターとの間でデータ交換や、タクシー表示手段(ディスプレイ4a、4b)に前記タクシーの管理センターや、所望の基地局から配信される広告情報や商取引情報の送受信を行う通信手段として、テキスト処理部64、通信処理部65、無線通信インターフェース66が設けられている。データは、アンテナ14を介して行われる。
【0029】
データの保存や管理は、通常、外部メモリ60に蓄積され、メイン処理部51に外部メモリインタフェース61を介して接続されている。また、内部メモリ62はデータ処理やデータの一時保存用として設けられてメイン処理部51に接続されている。
【0030】
上記のように構成された、車載報知メッセージ表示システムにおいて、前記走停判別手段は、前記車両が走行しているのか停止しているのかを判別するとともに、前記着座判別手段は、前記所定の座席の何れかに利用者が着座しているか否かを判別し、さらに前記シートベルト装着検知手段は、各座席それぞれに付設されたシートベルトの装着状態を検知し、前記メッセージ表示制御手段は以下の処理を行い、前記各報知メッセージの表示を制御するものである。その状態を図6のメッセージ表示システムの説明図に従って説明する。
【0031】
まず処理1としては、前記走停判別手段(ステップ101)が停止を判別した場合、前記着座判別手段(ステップ102)が所定の座席にて利用者の着座(Yes)を判別すると、当該判別された座席につき、前記シートベルト装着検知手段が装着状態を検知するまで(ステップ103)、当該座席に対応する表示手段にて前記第1報知メッセージを表示させる(ステップ104)。表示内容は、「お客様の安全のためシートベルトをお締めください。」と表示される(図4(a)参照)。また、この表示時間は、フロー図のステップ101に戻って、前記シートベルト装着検知手段が装着状態(Yes)を検知するまで(ステップ103)ループを形成し表示される。
【0032】
一方、処理2としては、ステップ101で前記走停判別手段が、走行を判断して、ステップ106の着座判別手段では、再度利用者の着座を判別し(ステップ106)、当該座席に対応する表示手段にて、前記シートベルト装着検出手段がシートベルト未装着の場合、前記第2報知メッセージを表示させる(ステップ108)。このときの表示内容は、「シートベルトが未装着です。」と表示される(図4(b)参照)。また、この表示はフロー図のステップ106に戻って、前記シートベルト装着検知手段が装着状態(Yes)を検知するまで(ステップ107)ループを形成し表示されるが、ステップ109で所定時間(設定時間であり、数秒〜数分)が経過したら、表示をやめ処理を停止するようになっている。
【0033】
第1報知メッセージ及び第2報知メッセージの表示は、必ずしも両方表示しなくてはならないものではなく、少なくとも一方であってもよく、それぞれのメッセージは、あらかじめ設定された所定時間が望ましい。たとえば数秒から数分間の時間内(ステップ109)で、たとえシートベルトの装着がなされなくても所定時間の限度で表示をやめる。また、フロー図における、前記シートベルト装着検知手段が装着状態(Yes)を検知するまで(ステップ103)及び(ステップ107)表示及びアナウンスされるようにコントロールされている。これらの表示やアナウンスは、音声などアナウンスを伴うボリュームの大きさにもよるが、お客様の安全を確保するという安全上のアナウンスであり、利用客がうっとうしく思わない程度に多少ボリュームを下げていくという方法もある。
【0034】
このように、運転手が常に乗客である利用者にシートベルトの装着を促さずとも確実に利用者にアナウンスされ、シートベルトの装着率を高めることができ、運転手は運転に専念でき、安全性を高めることができる。
【0035】
実施例としては、前記タクシー1内にて、車内を撮影するカメラ2を設置し、乗客である利用者を前記表示手段に表示可能とし、前記メッセージ表示制御手段によって、当該座席に対応する表示手段に利用者毎の映像とともに前記第1または第2メッセージを表示させるようにしている。
【0036】
カメラ2で撮影した映像のうち当該座席に対応する表示手段に対応する利用者を表示しながら、前記第1または第2メッセージを表示させることにより、表示された利用者は自分のシートベルトが装着されていない点が問題であることを強く認識し、シートベルトの装着率が高まる。
さらに、タクシー内で強盗、窃盗などをもくろむ悪意の利用者が存在した場合、自分の映像が撮影されていることで、潜在的に犯罪を抑止する別の効果も出てくる。
【0037】
上記の実施例において、前記走停判別手段をドア開閉判別手段で構成し、このドア開閉判別手段によって、前記車両における任意のドアが開いている場合、前記走停判別手段が車両の停止を判別し、ドアが閉じている場合、前記走停判別手段が車両の走行を便宜的に判別している。
【0038】
またさらに、別の実施例として、前記走停判別手段を賃走判別手段で構成し、この賃走判別手段によって、前記タクシー内に付設されている賃走スイッチ機構と連動し、賃送スイッチの入り切り状態を判別し、賃送スイッチが切り状態を判別した場合、前記走停判別手段が車両の停止を判別し、賃送スイッチが入り状態を判別した場合、前記走停判別手段が車両の走行を判別するようになっているが、この場合は、利用者が利用していない着座判別手段が、利用者の着座を検出していない状態、すなわち利用客を乗せていない状態は常に賃送スイッチは、切り状態を判別しているので、便宜上、停止を判別している。タクシーが実際に停止して、利用客が着座して初めて、図6のフローのステップ102から、ステップ103に移り、シートベルト装着がNOであれば、フローのステップ104で「お客様の安全のためシートベルトをお締めください。」と表示される。そして、賃送スイッチが入り状態を判別した場合、フローのステップ101からステップ106を通過し、ステップ107に移り、それでもシートベルト装着がNOであれば、「シートベルトが未装着です。」と表示される。
【0039】
以後は、シートベルトが装着されるか、所定時間経過まで、表示、アナウンスが継続される。本実施例の形態において、走停判別手段をドア開閉判別手段や賃走判別手段で構成したが、車本体の走行メータやナビゲーションシステムから得ることも可能であるが、便宜的にドアの開閉や賃走メータなどから信号を受けることで情報の処理が軽減できシステムを安価にできる。
【0040】
本発明の車両用情報端末装置において、車内のカメラや音声などの報知システムがあることを気づいた犯罪者が、車内のカメラやディスプレイ4a,4bに取り付けられたマイク10を破壊しようとし、それらに衝撃を加えたり、車内に設置されているカメラ2やマイク10やディスプレイ4a,4bなどを引き剥がすなどの暴挙にも及ぶ場合がある。
【0041】
これらの緊急事態について図7に従って、車両用情報端末装置の車内データ処理フローを説明する。先ずタクシーなどの運転手は、車に乗り込み運行が開始されると初期設定(ステップ201)が行われ、車内の画像・音声データが取り込まれ、第一の記憶手段にデータの書き込みが開始される(ステップ202)。
【0042】
この状態で運行終了まで(ステップ203でYESになるまで)常時データが取り込まれる。車内でカメラ2マイク10が内蔵されているディスプレイ4a、4bに衝撃が加わったり、カメラ2とマイク10が内蔵されているディスプレイ4a、4bとの装置本体50を接続するデータ線が切断された状態がカメラ破壊センサ52やディスプレイセンサ53から異常信号として発せられるとステップ204でYESとなり第一記憶手段(外部メモリ60)に記憶されている直近(本実施例では数分)の画像データや音声データを第二記憶手段(内部メモリ62)に転送し(ステップ205)、さらに第二記憶手段(内部メモリ62)に記憶されたデータを通信処理部65を介してセンターに送信する(ステップ206)。
【0043】
その後は、センターとタクシーは、リアルタイムで交信できるようにモードが変わり(ステップ207)、センターと運転手が交信できるようになる。そこで、異常事態がまさに異常なのか、単なる衝撃によるものなのかを見極め、単なる衝撃による異常の場合には、運転手はリセットボタン(図示せず)を押し、安全を確認しYESされるとステップ202に戻り、通常状態に戻る。
【0044】
ステップ208で安全確認ができない場合、事故の場合は、センタと運転手は、お互いに交信しながら事故処理が行える。また、犯罪などが発生した異常事態の場合、センターは異常事態をロックし、交信状態を継続し、運転手と交信したり、犯罪者と交信し、緊急事態処理を行う(ステップ209)。
【0045】
上記の実施例において、第一記憶手段を外部メモリ60にし、第二記憶手段を内部メモリ62としたが、回路設計上第一記憶手段を内部メモリ62にし、第二記憶手段を外部メモリ60にして、常時データを書き込むメモリを逆にしても良い。このようにすることにより事故や犯罪性の高いデータを一時待避させ、素早くセンターに送信することができる。
【0046】
以上、本発明によれば、運転手は、運転に専念し、窃盗や強盗などの緊急事態が発生しても確実にデータがセンターに転送され、運転手の安全性を高めることができ産業上有益な運営ができる。
【符号の説明】
【0047】
1・・・タクシー
2・・・カメラ
3・・・賃走メータ
4a、4b・・・ディスプレイ
5・・・ナビゲーションシステム
10・・・マイク
13・・・スピーカ
14・・・アンテナ
15a、15b・・・シートベルト
52・・・カメラ破壊センサ
53・・・ディスプレイセンサ
60・・・外部メモリ
62・・・内部メモリ
71・・・走停判別手段
72・・・着座判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車両内部を撮影し、基地局と送受信する車両用防犯監視システムを搭載した車両用情報端末装置であって、
車内の乗車状況を監視し、装置を駆動させる駆動信号を発する駆動検出手段と、
車内の映像を常時撮影可能な映像入力手段と、
車内の音声等を録音する音声入力手段と、
映像、音声等の車内データを順次サイクリックで書き込む第一の記憶手段と、
映像、音声等、直近の車内データを一時的に書き込む第二の記憶手段と、
前記映像入力手段と音声入力手段は、装置本体とは別体で構成し、これらの前記映像入力手段と音声入力手段の異常信号を検出する異常検出手段と、
車内データを基地局に送信する通信手段とを有し、
前記駆動検出手段による駆動信号を受けて装置を駆動させ、前記映像入力手段による映像データと、前記音声入力手段による音声データを前記第一の記憶手段に順次書き込むとともに、前記異常検出手段により異常信号を受信して前記、第二の記憶手段に記憶された車内データを前記通信手段によって基地局に送信制御する制御手段からなる車両用情報端末装置。
【請求項2】
前記異常検出手段は、衝撃センサーであり、前記映像入力手段又は前記音声入力手段に衝撃が加わったことにより、異常信号を発することを特徴とする前記請求項1乃至2記載の車両用情報端末装置。
【請求項3】
前記前記異常検出手段は、前記映像入力手段又は前記音声入力手段が装置本体と別体で構成されて情報送受信をデータ線で接続され、このデータ線が切断されたことを検出して異常信号を発することを特徴とする前記請求項1乃至2記載の車両用情報端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−128782(P2011−128782A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285286(P2009−285286)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(502402685)株式会社情報システム総合研究所 (7)
【Fターム(参考)】