説明

車両用物体検知装置

【課題】車両の外部に存在する物体の静止および移動の状態を精度良く検知する。
【解決手段】車両用物体検知装置10は、レーダ装置12と、物体上における電磁波の反射点の位置を算出する反射点算出部21と、複数の反射点の位置に基づき物体の幅を算出する検知対象幅算出部22と、複数の反射点の位置に基づき物体の代表点の位置を設定する代表点設定部23と、反射点又は代表点の位置の変化量に基づき物体の自車幅方向の相対速度となる横相対速度を算出する横相対速度算出部24と、所定周期毎に検知された物体の検知履歴に基づき、物体が静止物であり、かつ、物体の幅の増大量が変化量閾値Wthrよりも大きい場合に、物体を幅広がり静止物として記憶する記憶制御部25および静止物記憶部26と、幅広がり静止物として記憶された物体がレーダ装置12のレーダ検知端にて検知された場合に横相対速度を補正する横相対速度補正部27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用物体検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電磁波を発信するレーダ装置の所定の検知領域内に存在する物体に対し、物体上での電磁波の反射点の位置を算出し、複数の反射点の位置に基づき物体の代表点の位置を設定し、代表点の位置の変化に基づき物体の相対位置および相対速度を検出する車両用物体検知装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この車両用物体検知装置では、検知対象の物体の全体がレーダ装置の所定の検知領域内に存在する状態から、検知対象の物体の一部がレーダ装置の所定の検知領域内から逸脱する状態へと変化する場合であっても、レーダ装置の所定の検知領域内に存在し続ける物体の端部の端点の位置を代表点の位置として設定する。これにより、検知対象の物体の一部がレーダ装置の所定の検知領域内から逸脱する前後において、物体の相対位置および相対速度が誤検出されてしまうことを防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−14479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る車両用物体検知装置において、検知対象の物体がレーダ装置から発信される電磁波に対する反射率が低い物体などであると、物体の中央部に比べて端部ほど検知効率が低下し、たとえレーダ装置の所定の検知領域内に存在する物体であっても、物体の全体を検知することができない場合がある。この場合、検知対象の物体が自車両から遠方に存在するほど検知可能な物体の箇所が縮小してしまう傾向がある。これにより、レーダ装置の所定の検知領域内において物体が自車両に向かい相対接近することに伴い、物体上で反射点の位置を検知可能な箇所が物体の中央部から端部に拡大することに起因して、物体の幅が増大傾向に変化するように検知される場合がある。
一方、例えば自車両からの距離が近いことなどに起因してレーダ装置の所定の検知領域内に存在する物体の全体を検知可能であっても、物体が自車両に向かい相対接近することに伴い、物体がレーダ装置の所定の検知領域内から徐々に逸脱すると、物体上で反射点の位置を検知可能な箇所は縮小傾向に変化することになる。
これらのため、例えば物体が自車両に向かい相対接近するときに、距離に応じた検知効率の変化に起因した検知可能箇所の拡大と、検知領域内からの物体の逸脱に起因した検知可能箇所の縮小とが相殺すると、検知される物体の幅は一定でありながら、物体の位置が検知領域の中央部に向かい変位したように検知され、実際には物体が静止していても移動体であると誤検知されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自車両の外部に存在する物体の静止および移動の状態を精度良く検知することが可能な車両用物体検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両用物体検知装置は、自車両の進行方向前方に設定された所定の検知領域に向けて所定周期毎に電磁波を発信すると共に、該電磁波が物体により反射されて生じる反射波を受信する発受信手段(例えば、実施の形態でのレーダ装置12)と、前記物体上における前記電磁波の反射点の位置を算出する反射点算出手段(例えば、実施の形態での反射点算出部21)と、前記反射点算出手段により算出された複数の前記反射点の位置に基づき前記物体の幅を算出する物体幅算出手段(例えば、実施の形態での検知対象幅算出部22)と、前記反射点算出手段により算出された複数の前記反射点の位置に基づき前記物体の代表点の位置を設定する代表点設定手段(例えば、実施の形態での代表点設定部23)と、前記反射点または前記代表点の位置の変化量に基づき前記物体の自車幅方向の相対速度となる横相対速度を算出する横相対速度算出手段(例えば、実施の形態での横相対速度算出部24)とを備える車両用物体検知装置であって、前記所定周期毎に検知された前記物体の検知履歴に基づき、前記物体が静止物であり、かつ、前記物体の幅の増大量が所定値(例えば、実施の形態での変化量閾値Wthr)よりも大きい場合に、前記物体を幅広がり静止物として記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での記憶制御部25および静止物記憶部26)と、前記記憶手段により前記幅広がり静止物として記憶された前記物体が前記検知領域の左右端部にて検知された場合に、前記横相対速度算出手段により算出される前記横相対速度を補正する横相対速度補正手段(例えば、実施の形態での横相対速度補正部27)とを備える。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用物体検知装置では、前記横相対速度補正手段は、前記記憶手段により前記幅広がり静止物として記憶され、かつ、前記検知領域の左右端部にて検知された前記物体の自車幅方向への位置の変化量が所定判定閾値(例えば、実施の形態での第2変化量閾値Ythr2)以下である場合には、前記横相対速度をゼロとする。
【0008】
さらに、本発明の第3態様に係る車両用物体検知装置では、前記横相対速度補正手段は、前記記憶手段により前記幅広がり静止物として記憶され、かつ、前記検知領域の左右端部にて検知された前記物体の自車幅方向への位置の変化量が所定判定閾値(例えば、実施の形態での第2変化量閾値Ythr2)よりも大きい場合には、前記反射点または前記代表点の位置の変化量を補正することにより前記物体の前記横相対速度を補正する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1態様に係る車両用物体検知装置によれば、物体が検知領域の左右端部にて検知されるよりも前において、物体の検知履歴に基づき物体が幅広がり静止物、つまり静止物でありながら、検知効率に起因して物体の幅の検知結果が自車両に対する相対距離に応じて変化する物体であるか否かを判定しておくことにより、物体の横相対速度を精度良く検知することができる。
【0010】
本発明の第2態様に係る車両用物体検知装置によれば、所定判定閾値によって、物体の自車幅方向への位置の変化量が、物体が自車両に向かい相対接近する際に物体が検知領域内から逸脱したことに起因した物体上の検知可能箇所の変化(例えば、縮小)に応じた値であるか否かを判定することにより、反射点または代表点の位置から算出した物体の横相対速度を零へと適切に補正することができる。
【0011】
本発明の第3態様に係る車両用物体検知装置によれば、記憶手段により幅広がり静止物として記憶されていた物体が移動を開始して、物体の自車幅方向への位置の変化量が所定判定閾値よりも大きくなった場合であっても、これ以前(つまり、物体の自車幅方向への位置の変化量が所定判定閾値以下である場合)に行なわれていた横相対速度の補正が停止されることに伴って、横相対速度が急激に変動してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用物体検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す車両用物体検知装置により検知可能な物体の検知領域の変化の一例を示す図である。
【図3】図1に示す車両用物体検知装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用物体検知装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両用物体検知装置10は、例えば図1に示すように、車両用物体検知装置10を制御するCPU(中央演算装置)を備えた処理ユニット11と、レーダ装置12と、車両状態センサ13と、スロットルアクチュエータ14と、ブレーキアクチュエータ15と、ステアリングアクチュエータ16と、報知装置17とを備えて構成されている。
【0014】
レーダ装置12は、例えば自車両の外界に設定された所定領域(レーダ検知領域α)を複数の角度領域に分割し、各角度領域を走査するようにして、電磁波の発信信号を発信し、各発信信号が自車両の外部の物体(例えば、他車両や構造物など)によって反射されることで生じた反射信号を受信し、反射点の位置およびレーダ装置12から外部の物体までの距離に係る検知信号を生成し、処理ユニット11に出力する。
【0015】
車両状態センサ13は、例えば、自車両の速度(車速)を検出する車速センサと、車体に作用する加速度を検知する加速度センサと、車体の姿勢や進行方向を検知するジャイロセンサと、ヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検知するヨーレートセンサと、例えば人工衛星を利用して自車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号などの測位信号を受信する測位信号受信機と、運転者による運転操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作量、ブレーキペダルの踏み込み操作量、ステアリングホイールの舵角、シフトポジションなど)を検出する各センサとなどを備えて構成され、自車両の各種の車両情報の検知結果の信号を出力する。
【0016】
この車両用物体検知装置10の処理ユニット11は、例えば、反射点算出部21と、検知対象幅算出部22と、代表点算出部23と、横相対速度算出部24と、記憶制御部25と、静止物記憶部26と、横相対速度補正部27と、衝突判定部28と、車両制御部29とを備えて構成されている。
【0017】
反射点算出部21は、レーダ装置12から出力される検知信号に基づき、レーダ装置12から発信されて自車両の外部に存在する物体の表面上で反射された電磁波の反射点の位置を算出する。
検知対象幅算出部22は、反射点算出部21により算出された複数の反射点の位置に基づき物体の幅を算出する。
代表点設定部23は、反射点算出部21により算出された複数の反射点の位置に基づき物体の代表点の位置(例えば、物体の端部の反射点の位置や物体の重心位置など)を設定する。
【0018】
横相対速度算出部24は、反射点算出部21により算出された反射点または代表点設定部23により設定された代表点の位置の変化量に基づき、物体の自車幅方向の相対速度となる横相対速度を算出する。
記憶制御部25は、所定周期毎にレーダ装置12により検知された物体の検知履歴に基づき、物体が静止物であり、かつ、物体の幅の増大量が所定値以上であるか否かを判定し、この判定結果に応じて物体を幅広がり静止物として静止物記憶部26に記憶する。
【0019】
横相対速度補正部27は、静止物記憶部26に幅広がり静止物として記憶された物体が、レーダ装置12のレーダ検知領域αの左右端部(例えば図2に示すレーダ検知端)にて検知された場合に、横相対速度算出部24により算出される横相対速度を補正する。
【0020】
衝突判定部28は、例えば、車両状態センサ13から出力される自車両の各種の車両情報の検知結果の信号と、横相対速度算出部24により算出または横相対速度補正部27により補正された横相対速度となどに基づき、自車両と物体との衝突可能性の有無を判定する。
【0021】
車両制御部29は、衝突判定部28による判定結果に応じて、自車両の走行状態を制御する制御信号を出力する。この制御信号は、例えば、トランスミッション(T/M)の変速動作を制御する制御信号およびスロットルアクチュエータ14により内燃機関(E)の駆動力を制御する制御信号およびブレーキアクチュエータ15により減速を制御する制御信号およびステアリングアクチュエータ16により転舵を制御する制御信号などである。
また、車両制御部29は、自車両の乗員に各種の情報を報知する場合に、報知装置17を制御する制御信号を出力する。
【0022】
本実施の形態による車両用物体検知装置10は上記構成を備えており、次に、この車両用物体検知装置10の動作について添付図面を参照しながら説明する。
【0023】
まず、例えば図3に示すステップS01において、車両状態センサ13から出力される自車両の各種の車両状態(例えば、位置、車速など)の検知結果の信号と、レーダ装置12から出力される検知結果の信号とを取得する。
次に、ステップS02においては、レーダ装置12から発信されて自車両の外部に存在する物体の表面上で反射された電磁波の反射点の位置を算出し、複数の反射点の位置に基づき物体の幅Wを算出する。この物体の幅Wの今回値と前回値との差により幅変化量ΔW(=W−W(前回値))を算出する。
例えば図2に示す時刻t0から時刻t1において、レーダ装置12のレーダ検知領域α内で物体Qが自車両Pに相対接近することに伴ってレーダ装置12による物体Qの端部側の検知効率が増大することに起因して、物体の幅Wが時刻t0での幅W0から時刻t1での幅W1へと増大変化するように検知されると、時刻t1にて算出される幅変化量ΔWはΔW=W1−W0となる。
【0024】
次に、ステップS03においては、複数の反射点の位置に基づき代表点の位置として物体の重心の位置を設定し、この重心の自車幅方向の位置(左右位置)Yの今回値と前回値との差により自車幅方向の移動量(重心左右移動量)ΔY(=Y−Y(前回値))を算出する。
【0025】
次に、ステップS04においては、物体がレーダ検知端に存在することを示すフラグfEdgeのフラグ値が「0」であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、つまり物体がレーダ検知端に存在する場合には、後述するステップS10に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
次に、ステップS05においては、重心左右移動量ΔYが所定の左右移動閾値YMov未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS07に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS06に進み、このステップS06においては、物体が自車幅方向に移動した履歴が存在することを示すフラグfMovRecのフラグ値に「1」を設定して、ステップS07に進む。
【0026】
そして、ステップS07においては、幅変化量ΔWが所定の変化量閾値Wthrよりも大きく、かつ、重心左右移動量ΔYが所定の第1変化量閾値Ythr1未満、かつ、フラグfMovRecのフラグ値が「0」であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS08に進み、このステップS08においては、重心左右移動量ΔYを一連の処理に対する所定の処理周期Tで除算して物体の横相対速度(左右速度)VT(=ΔY/T)を算出し、リターンに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進み、このステップS09においては、物体が幅広がり静止物であると判定された回数を示す幅変化静止物カウントCntStatをカウントアップして、ステップS08に進む。
【0027】
ステップS10においては、フラグfMovRecのフラグ値が「0」、かつ、幅変化静止物カウントCntStatが所定数Nよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS08に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS11に進む。
次に、ステップS11においては、重心左右移動量ΔYが所定の第2変化量閾値Ythr2よりも大きいか否かを判定する。
【0028】
ステップS11の判定結果が「NO」の場合には、ステップS12に進み、このステップS12においては、重心左右移動量ΔYが、物体が自車両に向かい相対接近する際に物体がレーダ検知端から逸脱したことに起因した物体上の検知領域の変化(つまり、縮小)に応じた値であると判断し、物体の重心の自車幅方向の位置(左右位置)Yは実際には変動していないと判断して、重心左右移動量ΔYに零を設定して、上述したステップS08に進む。
例えば図2に示す時刻t1から時刻tkにおいて、レーダ装置12のレーダ検知領域α内で物体Qが自車両Pに相対接近することに伴って物体Qの一部がレーダ検知端から逸脱することに起因して、物体上の検知領域が自車幅方向に変動したように検知されると、時刻tkにて算出される重心左右移動量ΔYはΔY=Y1−Yk(≠0)となる。
このとき、重心左右移動量ΔYが所定の第2変化量閾値Ythr2以下であれば、重心左右移動量ΔYが零以外となる原因が、物体Qがレーダ検知端から逸脱したことに起因した物体上の検知領域の変化(つまり、縮小)であると判断されて、重心左右移動量ΔYが零へと補正される。
一方、ステップS11の判定結果が「YES」の場合には、幅広がり静止物であると判定されていた物体が自車幅方向に移動を開始したと判断して、重心左右移動量ΔYを零へと補正する処理の実行は禁止される。そして、単にこの時点での重心左右移動量ΔYを採用するのではなく、この時点での重心左右移動量ΔYから所定の第2変化量閾値Ythr2を減算して得た値(ΔY−Ythr2)を、新たに重心左右移動量ΔYとして設定して、上述したステップS08に進む。
【0029】
上述したように、本実施の形態による車両用物体検知装置10によれば、レーダ検知領域α内の物体がレーダ検知端にて検知されるよりも前において、物体の検知履歴に基づき物体が幅広がり静止物であるか否かを判定しておくことにより、物体の横相対速度VTを精度良く検知することができる。
つまり、所定の第2変化量閾値Ythr2によって、重心左右移動量ΔYが、物体が自車両に向かい相対接近する際に物体がレーダ検知領域α内から逸脱したことに起因した物体上の検知領域の変化に応じた値であるか否かを判定することにより、反射点または代表点の位置から算出した物体の横相対速度VTを零へと適切に補正することができる。
【0030】
しかも、幅広がり静止物として記憶されていた物体がレーダ検知端にて移動を開始して、重心左右移動量ΔYが所定の第2変化量閾値Ythr2よりも大きくなった場合であっても、この時点での重心左右移動量ΔYから所定の第2変化量閾値Ythr2を減算して得た値(ΔY−Ythr2)を、新たに重心左右移動量ΔYとして設定する。これにより、これ以前(つまり、重心左右移動量ΔYが所定の第2変化量閾値Ythr2以下である場合)に行なわれていた横相対速度VTをゼロへと補正する処理が停止されることに伴って、横相対速度VTが急激に増大してしまうことを防止することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 車両用物体検知装置
12 レーダ装置(発受信手段)
21 反射点算出部(反射点算出手段)
22 検知対象幅算出部(物体幅算出手段)
23 代表点設定部(代表点設定手段)
24 横相対速度算出部(横相対速度算出手段)
25 記憶制御部(記憶手段)
26 静止物記憶部(記憶手段)
27 横相対速度補正部(横相対速度補正手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の進行方向前方に設定された所定領域に向けて所定周期毎に電磁波を発信すると共に、該電磁波が物体により反射されて生じる反射波を受信する発受信手段と、
前記物体上における前記電磁波の反射点の位置を算出する反射点算出手段と、
前記反射点算出手段により算出された複数の前記反射点の位置に基づき前記物体の幅を算出する物体幅算出手段と、
前記反射点算出手段により算出された複数の前記反射点の位置に基づき前記物体の代表点の位置を設定する代表点設定手段と、
前記反射点または前記代表点の位置の変化量に基づき前記物体の自車幅方向の相対速度となる横相対速度を算出する横相対速度算出手段とを備える車両用物体検知装置であって、
前記所定周期毎に検知された前記物体の検知履歴に基づき、前記物体が静止物であり、かつ、前記物体の幅の増大量が所定値よりも大きい場合に、前記物体を幅広がり静止物として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により前記幅広がり静止物として記憶された前記物体が前記検知領域の左右端部にて検知された場合に、前記横相対速度算出手段により算出される前記横相対速度を補正する横相対速度補正手段とを備えることを特徴とする車両用物体検知装置。
【請求項2】
前記横相対速度補正手段は、
前記記憶手段により前記幅広がり静止物として記憶され、かつ、前記検知領域の左右端部にて検知された前記物体の自車幅方向への位置の変化量が所定判定閾値以下である場合には、前記横相対速度をゼロとすることを特徴とする請求項1に記載の車両用物体検知装置。
【請求項3】
前記横相対速度補正手段は、
前記記憶手段により前記幅広がり静止物として記憶され、かつ、前記検知領域の左右端部にて検知された前記物体の自車幅方向への位置の変化量が所定判定閾値よりも大きい場合には、前記反射点または前記代表点の位置の変化量を補正することにより前記物体の前記横相対速度を補正することを特徴とする請求項2に記載の車両用物体検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−261897(P2010−261897A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114588(P2009−114588)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】