説明

車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法

【課題】表示板に形成される発光部の発光品質に優れるとともに、表示板の生産効率を向上させることができる車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法を提供する。
【解決手段】表示板26の製造方法は、各LED36a、bからの光を遮る不透過印刷層30を部分的に基板28に形成することで、光が透過可能な開口部30a、bを形成する開口部形成工程S2と、粒子状の遮光インクの噴射量をインクジェット印刷により制御することで、各開口部30a、bに異なる光透過率の透過率調整印刷層32a、bを発光部34a、bとして形成する透過率調整印刷層形成工程S3を含む。特に、当該印刷層形成工程S3では、一回のインクジェット印刷により、全ての開口部に印刷層を形成する印刷動作において遮光インクの噴射量を開口部30a、b毎に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の状態を表示する車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のインジケータを有し、それらインジケータを発光させることにより車両の状態を表示する車両用表示装置が知られている(特許文献1を参照)。これらインジケータは、表示板に形成されており、表示板の表示方向後側に設けられた光源の光により透過照明されることで発光する。光の透過により発光するインジケータを有する表示板は、光透過性を有する基板に遮光層を部分的に形成して、光が透過可能な開口部を形成することにより製造されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−43215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、インジケータの種類によっては、その輝度が法規やユーザーの要望により定められる場合がある。このような法規やユーザーの要望に応えるべく、インジケータの開口部毎に濃度の異なるスモーク層を基板上に形成することによって、開口部おける光透過率を調整して、インジケータの輝度が所望の輝度となるようにしている。このスモーク層は、いわゆるスクリーン印刷により形成されることが多い。
【0005】
スクリーン印刷とは、印刷データから印刷画像が描かれたスクリーンを製作し、このスクリーンの開口部からインクを基板に押し出して印刷する方法である。一般的に、スクリーン印刷は、単色印刷で行われる。
【0006】
インジケータの発光部の輝度を調整するために、スクリーン印刷によってインジケータの開口部毎に濃度の異なるスモーク層を形成する場合、例えば、所望の濃度のインクを所望のインジケータの開口部に印刷し、その後、別の濃度のインクを用意して、別のインジケータの開口部に印刷することによって行われることとなる。これでは、表示板の生産に要する工数や時間が増大してしまい、車両用表示装置に用いられる表示板の生産効率の向上の妨げとなってしまう。また、設定輝度が異なるインジケータが多くなるほど、当該表示板の生産効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、表示板に形成される発光部の発光品質に優れるとともに、生産効率を向上させることができる車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、車両用表示装置において、個別の光源の光により透過照明されることで異なる輝度にて発光して車両状態を表示する複数の発光部を有する表示板の製造方法であって、
各光源からの光を遮る遮光層を、光透過性を有する基板に部分的に形成することで、遮光層以外の部位に、各光源からの光が透過可能な開口部を複数形成する開口部形成工程と、開口部形成工程の後、遮光性を有する粒子状のインクの基板に対する噴射量をインクジェット印刷により制御することで、異なる光透過率の印刷層を各発光部として各開口部に形成する印刷層形成工程であって、一回のインクジェット印刷により、全ての開口部に印刷層を形成する印刷動作において、遮光インクの噴射量を開口部毎に変化させる印刷層形成工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
この発明では、基板に部分的に遮光層を形成することにより、遮光層以外の部分に複数の開口部を形成した後に、印刷層形成工程において、遮光性を有する粒子状の遮光インクの基板に対する噴射量をインクジェット印刷により制御することで各開口部に異なる光透過率の印刷層を各発光部として形成している。これにより各開口部を通過する光量は、各開口部に形成される光透過率によるため、各発光部の輝度を異ならせることができ、発光品質に優れる表示板を提供することができる。
【0010】
この発明では、特に、印刷層形成工程において、各開口部に異なる光透過率の印刷層を形成する際、一回のインクジェット印刷により、全ての開口部に印刷層を形成する印刷動作において上記遮光インクの噴射量を開口部毎に変更させることで、各開口部に異なる光透過率の印刷層を形成している。
【0011】
上記印刷層は、このような方法によって各開口部に形成されているため、一回の印刷動作で単色印刷しか行えないスクリーニング印刷と比べ、各開口部に異なる光透過率の印刷層を形成するのに要する工数を減少させることができ、その結果、印刷層の形成時間を短縮させることができる。したがって、車両用表示装置に用いられる表示板の生産効率を向上させることができる。
【0012】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、表示板に形成される発光部の発光品質に優れるとともに、表示板の生産効率を向上させることができる車両用表示装置に用いられる表示板を提供することができるのである。
【0013】
さらに、請求項2記載の発明のように、印刷層形成工程において印刷層を各開口部に形成する際、特定印刷層において、当該特定印刷層を照明する光源に対向させる部位から遠ざかるほど、当該特定印刷層の光透過率を大きくしてもよい。このように印刷層を形成すると、特定印刷層が形成される発光部の輝度を均一化させることができ、発光部の発光品質がさらに向上する。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、上記開口部形成工程、上記印刷層形成工程の他に、粒子状の透明インクをインクジェット印刷により各開口部に噴射することで、表面が凹凸形状となるクリア層を形成するクリア層形成工程を含むことを特徴としている。このように、上記二つの工程にクリア形成工程を加えることによれば、開口部に形成されたクリア層に入射される光源からの入射光を当該クリア層によって拡散させ、拡散させた光を表示方向へ出射させることができる。このようなクリア層の光拡散効果によれば、発光部の輝度を均一化させることができる。
【0015】
また、請求項4記載の発明のように、印刷層形成工程で印刷層を基板の表示方向後側に形成するようにしてもよい。仮に、印刷層を形成する際、表示方向において遮光層と印刷層とが重なった状態となっても、遮光層と重なった印刷層を表示方向前側から視認させ難くさせることができるため、発光部の見栄えが損なわれるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態による製造方法によって製造された車両用表示装置としてのコンビネーションメータの概略構成図である。
【図2】図1に示すII−II線における断面図である。
【図3】図2に示す表示板の部分断面と、当該部分断面における発光部の輝度を説明する図である。
【図4】第1実施形態による表示板の製造工程を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態による表示板の部分断面と、当該部分断面における発光部の輝度を説明する図である。
【図6】第3実施形態による表示板の部分断面と、当該部分断面における発光部の輝度を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1から図4を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態による製造方法によって製造された車両用表示装置としてのコンビネーションメータの概略構成図である。
【0019】
まず、図1に示すコンビネーションメータ10の概要について説明する。コンビネーションメータ10は、車両の各種情報を表示するものであり、表示方向を視認者側に向けて車両の車室前方に位置するインストルメントパネルに収容されている。
【0020】
コンビネーションメータ10は、スピードメータ12、タコメータ14、水温ゲージ16、フューエルゲージ18、ATシフトポジションインジケータ20、オド/トリップメータ22、および各種インジケータまたはウォーニング24a〜jを有する。
【0021】
スピードメータ12は、コンビネーションメータ10が搭載される車両の走行速度を表示する。スピードメータ12は、表示板26に形成されている文字12aおよび目盛12bを、回転する指針12cの先端で指し示すことによって、車両の走行速度の表示を行う。
【0022】
タコメータ14は、コンビネーションメータ10が搭載されている車両における内燃機関の回転速度を表示する。タコメータ14は、表示板26に形成されている文字14aおよび目盛14bを、回転する指針14cの先端で指し示すことによって、内燃機関の回転速度の表示を行う。
【0023】
水温ゲージ16は、車両に搭載されている内燃機関の冷却水温度を表示する。水温ゲージ16は、表示板26に形成されている文字16aおよび目盛16bを、回転する指針16cの先端で指し示すことによって、内燃機関の冷却水温度の表示を行う。
【0024】
フューエルゲージ18は、車両に搭載されている燃料タンク内の燃料量を表示する。フューエルゲージ18は、表示板26に形成されている文字18aおよび目盛18bを、回転する指針18cの先端で指し示すことによって、燃料タンク内の燃料量の表示を行う。
【0025】
ATシフトポジションインジケータ20は、車両に搭載されている自動変速機(AT:Automatic Transmission)のシフトポジションを表示する。ATシフトポジションインジケータは、表示板26に形成されている各シフトポジションに相当するマークを発光させることによって、ATシフトポジションの表示を行う。当該記号の発光は、表示板26の表示方向後側に設けられている光源からの光を透過させることにより行われる。
【0026】
オド/トリップメータ22は、工場出荷時からの車両の走行距離、またはユーザーによってリセットスイッチが操作された時点からの車両の走行距離のいずれかを表示する。オド/トリップメータ22は、表示板26の開口部に嵌め込まれた液晶表示パネル22aにおいて、複数のセグメントの光透過率を制御することによって、上記二種類の走行距離の表示を行う。
【0027】
各種インジケータまたはウォーニング24a〜jは、定められた色および輝度で発光することによって、車両の状態の表示を行う。
【0028】
ターンシグナル作動インジケータ24aは、車両の四隅に設けられているターンシグナルランプの点灯と連動して発光する。車両左側のターンシグナルランプが点灯しているときには、二つあるターンシグナル作動インジケータ24aのうち、左側のものが発光する。車両右側のターンシグナルランプが点灯しているときには、二つあるターンシグナル作動インジケータ24aのうち、右側のものが発光する。これらインジケータ24aは、緑色に発光する。
【0029】
ハイビーム作動インジケータ24bは、車両前部に設けられているハイビームランプの点灯時に発光する。このインジケータ24bは、青色に発光する。
【0030】
チェックエンジンウォーニング24cは、内燃機関を制御するエンジンコントロールコンピュータなどの制御システムに異常が発生した場合に発光する。このウォーニング24cは、黄色に発光する。
【0031】
ABS作動/ウォーニング24dは、ABS(Antiskid BrakeSystem;アンチスキッドブレーキシステム)に異常が発生したことをスキッドコントロールコンピュータが検出したときに発光する。このウォーニング24dは、黄色に発光する。
【0032】
パーキングブレーキ作動/ブレーキ液レベルウォーニング24eは、パーキングブレーキの作動中にパーキングブレーキスイッチが検出したとき、ブレーキ液が所定量よりも少ないことをブレーキ液レベルスイッチが検出したとき、またはブレーキシステムに異常が発生したことをスキッドコントロールコンピュータが検出したときに発光する。このウォーニング24eは、赤色に発光する。
【0033】
オイルプレッシャーウォーニング24fは、内燃機関を潤滑するオイルの圧力が低下したことをオイルプレッシャースイッチが検出したときに発光する。このウォーニング24fは、赤色に発光する。
【0034】
チャージウォーニング24gは、内燃機関によって駆動される発電機の端子電圧に異常が発生したときに発光する。このウォーニング24gは、赤色に発光する。
【0035】
SRSエアバッグウォーニング24hは、SRS(Supplemental Restraint System)エアバッグシステムに異常が発生したときに発光する。このウォーニング24hは、赤色に発光する。
【0036】
シートベルト非着用ウォーニング24iは、エンジンスイッチがONの状態で、運転席のシートベルトを着用していないことをコンビネーションメータ10のコンピュータが検出したときに発光する。このウォーニング24iは、赤色に発光する。
【0037】
半ドアウォーニング24jは、車両のいずれかのドアが開いている、または半ドアの状態となっていることをドアカーテシランプスイッチが検出したときに発光する。このウォーニング24jは、赤色に発光する。
【0038】
ここで、各種インジケータまたはウォーニング24a〜jが発光する際のそれぞれの輝度について説明する。各種インジケータまたはウォーニング24a〜jは、発光することにより運転者に対して車両の状態に関する情報を提供する。これらインジケータまたはウォーニング24a〜jの中には、車両を運転する上で重要なものがある。このため、運転者にインジケータまたはウォーニング24a〜jの発光を確実にするため、発光する際の輝度が法規によって定められる場合がある。また、視認性の確保のため、ユーザーがインジケータまたはウォーニング24a〜jの輝度を要望することもある。
【0039】
例えば、ターンシグナル作動インジケータ24aは、昼夜を問わず発光するものであるため、特に周囲が明るい昼間の視認性を確保するために設定輝度を大きくしている。また、ハイビーム作動インジケータ24bは、主に夜間に発光するものであり、周囲が昼間に比べ暗いので、ターンシグナル作動インジケータ24aよりも設定輝度を小さくしている。仮に、このインジケータ24bの設定輝度を大きくすると、夜間に発光するインジケータ24bを視認者は眩しいと感じ、却って視認性が低下する。また、人間は発光色によっても、明るさ感じ方が変化するため、インジケータの発光色によっても輝度を異ならせることもある。
【0040】
次に、上記各種インジケータまたはウォーニング24a〜jを発光させるための構造を説明する。図2は、図1に示すII−II線における断面図である。図2は、ターンシグナル作動インジケータ24aおよびハイビーム作動インジケータ24bの構造を示している。その他の各種インジケータまたはウォーニング24c〜jの構造は、基本的にインジケータ24a、bと同じであるため、ここでは、ターンシグナル作動インジケータ24aとハイビーム作動インジケータ24bの構造についてのみ説明する。
【0041】
各インジケータ24a、bは、表示板26、発光ダイオード(LED)36a、b、および区画部材40などから構成されている。
【0042】
表示板26は、LED36a、bよりも表示方向前側に設置され、インジケータ24aの発光部34aおよびインジケータ24bの発光部34bを有する。発光部34a、bのそれぞれは、LED36a、bの光により透過照明されることで発光する。発光部34aは、発光部34bの左右に一つずつ設けられている。二つの発光部34aのうち発光部34bの左側には、左を向く矢印を模った形状となっている発光部34aが設けられ、発光部34bの右側には、右を向く矢印を模った形状となっている発光部34aが設けられている。発光部34bは、ヘッドライトから光線が放射されている状態を模った形状となっている(図1を参照)。
【0043】
LED36a、bは、電気エネルギーを光エネルギーに変換する半導体素子であって、電圧の印加によって光を放射する。二つのLED36aは緑色の光を放射し、LED36bは青色の光を放射する。二つのLED36aと一つのLED36bは、全て、回路基板38の表示方向前面に実装されている。二つのLED36aのうち一方のLED36aは図面左側の発光部34aと対向する位置に実装され、左側の発光部34aを照らし、他方のLED36aは図面右側の発光部34aと対向する位置に実装され、右側の発光部34aを照らす。LED36bは二つのLED36aの間であり、かつ発光部34bと対向する位置に実装され、発光部34bを照らす。
【0044】
回路基板38は、例えば紙フェノール系またはガラスエポキシ系などの硬質の基板からなり、両面に所定の銅箔材料からなる配線パターン(図示しない)が形成されている。回路基板38は、表示板26の表示方向後側に間に区画部材40を挟んで配置される。この回路基板38には、配線パターンと接続されたLED36a、bのほかに他の各種インジケータまたはウォーニング24c〜fを発光させるためのLEDが実装されている。
【0045】
区画部材40は、ポリプロピレンなどの白色の樹脂材料よりなり、表示板26と回路基板38との間に配置されている。区画部材40は、各LED36a、bを包囲する壁部42a、bを有する。左側の壁部42aは左側のLED36aを包囲する。左側の壁部42aの回路基板38側の端部は回路基板38に接しており、表示板26側の端部は左側の発光部34aを包囲するように表示板26に接している。壁部42bの回路基板38側の端部は回路基板38に接しており、表示板26側の端部は発光部34bを包囲するように表示板26に接している。右側の壁部42aの回路基板38側の端部は回路基板38に接しており、表示板26側の端部は右側の発光部34aを包囲するように表示板26と接している。このような構成を有する区画部材40によれば、左側のLED36aから放射された光は、発光部34bおよび右側の発光部34aに入射することなく、左側の発光部34aに入射し、LED36bから放射された光は、両側の発光部34aに入射することなく、発光部34bに入射し、右側のLED36aから放射された光は、発光部34bおよび左側の発光部34aに入射することなく、右側の発光部34aに入射する。
【0046】
次に、表示板26の構造について図3を用いて詳細に説明する。図3は、表示板26の部分断面と、当該部分断面の発光部34a、bの輝度を説明する図である。この図3は、左側の発光部34aと発光部34bのみを示している。
【0047】
表示板26は、基板28、不透過印刷層30、透過率調整印刷層32a、bなどから構成されている。基板28は光透過性を有するポリカーボネートあるいはアクリルからなっている。少なくとも基板28の表示方向前面の発光部34a、bが形成される部位には、シボ加工が施されている。シボ加工とは、基板28表面に微細な凹凸を形成する加工である。このようにシボ加工が施された部位を光が通過することにより光が拡散する。
【0048】
基板28の表示方向後面において部分的にLED36a、bからの光が表示方向前側に透過しないようにするための不透過印刷層30が形成されている。不透過印刷層30以外の部位は光が透過可能な開口部30a、bとなる。開口部30a、bは、発光部34a、bの形成予定位置に形成される。本実施形態の不透過印刷層30は、インクジェット印刷装置の噴射ノズルから噴射される遮光性を有するインクが隙間なく基板28に付着されることによりなっている。図3に示すように、不透過印刷層30の表面は、凹凸形状となっている。なお、本実施形態では、不透過印刷層30を形成するインクとして黒色のインクを使用している。
【0049】
開口部30a、bに、光透過率を調整するための透過率調整印刷層32a、bのそれぞれが、基板28に積層されている。この透過率調整印刷層32a、bは不透過印刷層30とは異なり、光をある程度通過させることが可能な印刷層である。本実施形態の透過率調整印刷層32a、bは、インクジェット印刷装置の噴射ノズルから噴射される遮光性を有するインク同士が所定の間隔を有して基板28に付着されることによりなっている。これにより、幾らかの光はこの透過率調整印刷層32a、bを通過することができる。この所定の間隔を適度に調整することにより、透過率調整印刷層32a、bを通過する光量が調整され、その結果、発光部34a、bの輝度が調整されるのである。例えば、インク同士の距離が短くなればなるほど、そこを通過する光量は少なくなり光透過率は小さくなる。よって、発光する際の輝度は小さくなる。一方、インク同士の距離が長ければ長くなるほど、そこを通過する光量は多くなり透過率は大きくなる。よって、発光する際の輝度は大きくなる。実際には、この光透過率は、基板28に噴射する遮光性を有するインクの噴射量によって調整されている。これにより、単位面積当たりの当該インクの付着量が調整される。単位面積当たりの当該インクの付着量が多ければ、インク同士の平均距離は短くなり、光透過率は小さくなる。単位面積当たりの当該インクの付着量が少なければ、インク同士の平均距離は長くなり、光透過率が大きくなる。なお、本実施形態では透過率調整印刷層32a、bを形成するインクとして黒色のインクを使用している。本実施形態では、発光部34aの設定輝度は、発光部34bの設定輝度よりも大きい。発光部34aの透過率調整印刷層32aおよび発光部34bの透過率調整印刷層32bのそれぞれの光透過率は、各発光部34a、bの設定輝度となるように調整されている(図3を参照)。
【0050】
また、特に、発光部34aの透過率調整印刷層32aの光透過率は、LED34aと対向する発光部34aの中央部分から遠ざかるほど大きくなっている。このように、同じ発光部34aの透過率調整印刷層32aにおいても光透過率に勾配を設けることによれば、発光部34aの輝度ムラの発生を抑制することができる。以下、このことについて説明する。
【0051】
LED36aは、発光部34aの中央部と対向する位置に設置されている(図2および図3を参照)。このようにLED36aが設置されていると、発光部34aの中央部およびその周囲のそれぞれと、LED36aまでの距離が異なることとなるので、該中央部とその周囲とで照度が異なることとなる。すなわち、中央部よりもその周囲の方が照度が小さい。仮に、透過率調整印刷層32の光透過率に勾配が設けられていなければ、発光部34aの輝度は、中央部ほど大きくなり、発光部34aに輝度ムラが発生することとなる。
【0052】
本実施形態では、このような輝度ムラの発生を抑えるために、発光部34aの中央部から遠ざかるほど光透過率を大きくなるような光透過率の勾配を有した透過率調整印刷層32としている。このような透過率調整印刷層32によれば、発光部34aの輝度ムラの発生を抑制させることができる。
【0053】
次に、上述した表示板26の製造過程を図3および図4を用いて説明する。図4は、表示板26の製造過程を示すフローチャートである。以下、各工程について説明する。ここでは、図2および図3に図示するターンシグナル作動インジケータ24aの発光部34a、およびハイビーム作動インジケータ24bの発光部34bのみを説明する。他のインジケータまたはウォーニングの発光部は、発光部34a、bと同様の過程を経て形成されるので、ここでは説明を省略する。
【0054】
(指標部形成工程)
指標部形成工程S1では、最初に、コンビネーションメータ10の表示板26に大きさに型抜きされた基板28を用意する。そして、この基板28にスピードメータ12、タコメータ14、水温ゲージ16、フューエルゲージ18に設けられる文字12a、14a、16a、18aおよび目盛12b、14b、16b、18bからなる指標部を形成する。指標部は、遮光性のインクを基板28の表示方向裏面に付着させることによって形成される不透過印刷層の開口部から露出する部分からなる。不透過印刷層は、インクジェット印刷装置により形成される。具体的には、不透過印刷層は、インクジェット印刷装置が備える噴射ノズルから遮光性を有するインク(黒色のインク)を基板28に向かって噴射することにより形成される。
【0055】
(開口部形成工程)
開口部形成工程S2では、ターンシグナル作動インジケータ24aの開口部30aおよびハイビーム作動インジケータの開口部30bを形成する。
【0056】
この工程S2では、インクジェット印刷装置の噴射ノズルから遮光性を有するインク(以下、遮光インクという)を基板28の表示方向後面において部分的に、噴射させることで、発光部34a、bの形成予定部位にそれぞれ開口部30a、bを形成する。不透過印刷層30においては、所定の厚さを有しており、遮光インクが隙間なく基板28に付着しているため、LED36a、bからの光は表示方向前側に透過しない。一方、開口部30a、bは遮光インクが存在していないので、基板28を透過した光を通過させることが可能である。
【0057】
ここで、発光部34a、bを形成する際に用いるインクジェット印刷装置について説明する。インクジェット印刷装置は、遮光インクを噴射する噴射ノズルを有する。噴射ノズルから噴射される当該インクは、当該噴射ノズルから噴射されると粒子状となって基板28に向かうようになっている。また、このインクジェット印刷装置は、噴射ノズルから噴射される当該インクの量を適宜調整することができる。当該インクの噴射量は、噴射ノズルから噴射される粒子状の当該インクの数によって調整される。また、噴射ノズルは基板28に沿って走査可能となっている。また、この工程S2で使用する遮光インクは紫外線硬化性インクである。紫外線硬化性インクは、紫外線が照射されることにより硬化するインクである。
【0058】
この工程S2では、インクジェット印刷装置が噴射ノズルを基板28に沿って走査させるとともに、噴射ノズルの基板28に対する位置に応じて噴射ノズルから噴射される当該インクの噴射量を調整する。インクジェット印刷装置は、開口部30a、bが形成される部位に噴射ノズルが位置するときには、噴射ノズルからの当該インクの噴射を停止し、それ以外の位置では当該インクを噴射させる。この工程S2では、紫外線硬化インクを噴射するときに、紫外線を噴射箇所に照射するようにしている。これにより、当該インクは、基板28上で硬化する。また、紫外線硬化インクを使用しているため、図3に示すように不透過印刷層30の表面は凹凸形状となる。
【0059】
(透過率調整印刷層形成工程)
透過率調整印刷層形成工程S3では、開口部30a、bが形成された基板28の表示方向後面において開口部30a、bのそれぞれに、LED36a、bからの光の透過率を調整するための透過率調整印刷層32a、bを形成する。この工程S3では、上記発光部形成工程S2と同様に、インクジェット印刷装置を用いて当該透過率調整印刷層32a、bを形成する。この工程S3においてインクジェット印刷装置から噴射されるインクも、上記発光部形成工程S2で噴射されるインクと同様、遮光性を有する遮光インクである。また、ここで使用する遮光インクも紫外線硬化性インクである。また、この工程S3で用いるインクジェット印刷装置も上記発光部成形工程で用いるインクジェット印刷装置と同様噴射ノズルから噴射される粒子状の遮光インクの量を適宜調整することができる。この工程S3で使用するインクジェット印刷装置もまた、粒子状の当該インクの数を調整することによって、当該インクの噴射量を調整している。また、噴射ノズルは基板28に沿って走査可能となっている。
【0060】
この工程S3では、インクジェット印刷装置が噴射ノズルを基板28に沿って走査させるとともに、噴射ノズルの基板28に対する位置に応じて噴射ノズルから噴射される当該インクの噴射量を調整することにより開口部30a、bのそれぞれに、予め定められた透過率となるような透過率調整印刷層32a、bを形成する(図3を参照)。
【0061】
具体的には、インクジェット印刷装置は、一回の印刷動作において、噴射ノズルが開口部30aの位置に移動されたときでは、透過率調整印刷層32aの光透過率となるように遮光インクの噴射量を調整し、噴射ノズルが開口部30bの位置に移動されたときでは、透過率調整印刷層32bの光透過率となるように、遮光インクの噴射量を調整する。この工程S3でも、上記工程S2と同様に、インクを噴射するときに、紫外線を噴射箇所に照射するようにしている。このように、開口部30a、bに透過率調整印刷層32a、bが形成されることで、基板28に発光部34a、bが形成されるのである。
【0062】
このような方法によって透過率調整印刷層32a、bを形成することによれば、スクリーン印刷と比べ、開口部30a、b毎に異なる光透過率を有する透過率調整印刷層32a、bを形成するのに要する工数を減少させることができる。その結果、当該印刷層32a、bの形成時間を大幅に短縮させることが可能となる。スクリーン印刷では一回の印刷動作で単色印刷しか行えないので、光透過率が異なる印刷層を形成する場合、光透過率の数分だけインクの濃度を印刷動作毎に変更したり、スクリーンを交換しなければならず、この工程に非常に多くの時間を要することとなる。スクリーン印刷による透過率調整印刷層の形成では、設定輝度が異なる、言い換えると光透過率が異なる発光部の数が多くなればなるほど、多くの時間を要するのである。
【0063】
上述したように本実施形態では、一回の印刷動作において、噴射ノズルからの遮光インクの噴射量を開口部30a、b毎に制御することにより、発光部34a、bを形成するようにしているため、スクリーン印刷による表示板26の製造に比べ、表示板26の生産効率を格段に向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、インクジェット印刷装置が、噴射ノズルから噴射される遮光インクの量を適宜調整可能であるという点を最大限に利用し、一つの透過率調整印刷層32a、bにおいて光透過率に勾配を形成するようにインクジェット印刷装置を制御している。具体的には、例えば、透過率調整印刷層32aにおいて、LED36aと対向する部位(中央部)から遠ざかるほど、光透過率が大きくなるように透過率調整印刷層32aを形成している。このように透過率調整印刷層32aを形成することによれば、発光部34aの輝度の分布を均一化させることが可能となり、発光部34aの発光品質が向上する。
【0065】
また、本実施形態では、上述したように透過率調整印刷層32a、bを基板28の表示方向後面に形成している。このことによれば、仮に透過率調整印刷層32a、bが開口部30a、bからはみ出し、不透過印刷層30と表示方向において重なった状態となっても、表示方向前側からは当該不透過印刷層30と重なった透過率調整印刷層32a、bを表示方向前側から視認させ難くさせることができるため、発光部34a、bの見栄えが損なわれるのを抑制することができる。
【0066】
なお、本実施形態において、不透過印刷層30が特許請求の範囲に記載の「遮光層」に相当し、透過率調整印刷層32a、bが特許請求の範囲に記載の「印刷層」に相当する。
【0067】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。第2実施形態による製造方法は、第1実施形態による製造方法の変形例である。図5は、第2実施形態による表示板26の部分断面と、当該部分断面における発光部34a、bの輝度を説明する図である。第2実施形態では、図5に示すように、発光部34a、bにおいて透過率調整印刷層32a、bの表示方向前側にクリア層44a、bが形成されている。第2実施形態では、図4において、発光部形成工程S2と透過率調整印刷層形成工程S3との間に、クリア層形成工程を設けることにより、発光部34a、bにクリア層44a、bを形成する。
【0068】
このクリア層44a、bは、第1実施形態の発光部形成工程S2での不透過印刷層30および透過率調整印刷層形成工程S3での透過率調整印刷層32a、bを形成する際に使用したインクジェット印刷装置によって形成される。
【0069】
このクリア層形成工程で使用するインクジェット印刷装置は、図4に示す発光部形成工程S2および透過率調整印刷層形成工程S3において使用したインクジェット印刷装置と同様に、粒子状のインクを噴射する噴射ノズルを有するとともに、噴射ノズルを基板28に沿って走査させることが可能となっている。なお、このクリア層形成工程で使用するインクは、光透過性を有する透明インクである。また、ここで使用するインクも紫外線硬化インクである。この工程では、一定の噴射量で透明インクを噴射ノズルから噴射させながら、噴射ノズルを走査させることによりクリア層44a、bを発光部34a、bに形成している。そして、透明インクを噴射するときに、噴射箇所に紫外線を照射する。このため、図5に示すように、クリア層44a、bの表面は凹凸形状となる。また、クリア層44a、bの厚さはほぼ一定となっている。
【0070】
このようにクリア層44a、bの表面が凹凸形状となっていため、LED36a、bからのそれぞれの光が、クリア層44a、bに入射することにより、拡散し、拡散した光は表示方向前側に出射することとなる。このことにより、発光部34a、bの輝度ムラの発生を効果的に抑制させることができる。
【0071】
そして、この実施形態では、クリア層44a、bの表示方向後側にクリア層44a、bに重ねて透過率調整印刷層32a、bが形成されている。透過率調整印刷層32a、bの形成手順は、先の実施形態と同じである。このことによれば、発光部34a、bの輝度を所望の輝度とするとともに、発光部34a、bの輝度ムラを抑制させることができる。また、透過率調整印刷層32a、bに光透過率の勾配を設けることによれば、さらに、発光部34a、bの輝度ムラを抑制させることができる。
【0072】
なお、クリア層44a、bは、透過率調整印刷層32a、bを開口部30a、bに形成した後に、透過率調整印刷層32a、bの表示方向後側に重ねて形成するようにしてもよい。
【0073】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。先の第1、第2実施形態では、発光部34a、bに直接LED36a、bの光を入射させる場合を例に説明したが、この第3実施形態では、LED36aと表示板26との間に、LED36aからの光を拡散しながら導く導光体46を有する場合を例に説明する。図6は、第3実施形態による表示板26の部分断面と、当該部分断面における発光部34aの輝度を説明する図である。
【0074】
導光体46はアクリルなどの光透過性を有する透明樹脂材料によって形成され、LED36aの光を入射する入射部46aと、LED36aからの入射光を発光部34aに向かって出射する出射部46bを有する。この導光体46は、さらに、当該入射光を拡散反射する反射部46cを有している。このため、出射部46bからは反射部46cによって拡散反射された光が出射される。
【0075】
この実施形態によっても、インクジェット印刷装置によって透過率調整印刷層32aが発光部34aに形成されているので、発光部34aの輝度が設定輝度に調整される。なお、この実施形態において使用するインクジェット印刷装置も、先の二つの実施形態で説明したインクジェット印刷装置と同様のものである。
【0076】
ところが、図6に示すように、導光体46の入射部46aおよびLED36aは、発光部34aと対向する位置にはなく、発光部34aから表示板26の表面に沿った方向へずれた位置にある。このため、導光体46に反射部46cが設けられているとはいえ、出射部46bから出射される光量は、入射部46aから遠ざかるほど少なくなる。
【0077】
この実施形態では、先の二つの実施形態と同様に、発光部34aに形成される透過率調整印刷層32aの光透過率に勾配を設けている。具体的には、透過率調整印刷層32aの光透過率は、入射部46a、つまりLED36aに近いほど小さくなっている。このような透過率調整印刷層32aを開口部30aに形成することによれば、出射部46bから出射される光量が入射部46aから遠ざかるほど少なくなるという導光体46特有の問題が存在していたとしても、発光部34aの設定輝度の範囲で均一化させることができる。
【0078】
先の二つの実施形態でも説明したようにインクジェット印刷装置は、噴射ノズルから噴射される粒子状のインク一つ一つを制御することが可能であるため、透過率調整印刷層32aにおける光透過率の勾配を滑らかにすることができる。例えば、スクリーン印刷によって透過率調整印刷層32aに光透過率の勾配を設けようとすると、網点を開口部30aに形成することによりなされることとなるが、この網点はインクジェット印刷装置によるものよりも荒くなるため、変化する光透過率の中間部分で筋状の線が見えてしまうトーンジャンプという現象が発生してしまう。一方、インクジェット印刷装置によれば、光透過率を滑らかなものとすることができるため、上述したトーンジャンプが発生し難くなる。
【0079】
また、この実施形態では、開口部30aには透過率調整印刷層32aが形成されているだけであるが、図5に示す第2実施形態のように、透過率調整印刷層32aに加えて第2実施形態で説明したクリア層を形成するようにしてもよい。透過率調整印刷層32aとクリア層の位置関係は、どちらが表示方向前側に形成されていてもよい。
【0080】
(その他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明した。本発明は、先の二つの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
【0081】
先の三つの実施形態では、いずれも不透過印刷層30、透過率調整印刷層32a、b、およびクリア層44a、bは、基板28の表示方向後面に形成しているが、基板28の表示方向前面に形成してもよい。
【0082】
また、先の三つの実施形態では、透過率調整印刷層32a、bに使用するインクは黒色の遮光インクであったが、光透過率が非常に少ないインクであれば、黒色のものを使用しなければならないわけではない。例えば、濃紺のインクであってもよい。
【0083】
また、先の三つの実施形態では、各種インジケータまたはウォーニング24a〜jを中心に説明したが、例えばスピードメータ12においてLEDなどから放射される光によって透過発光する文字12aおよび目盛12b、タコメータ14においてLEDなどから放射される光によって透過発光する文字14aおよび目盛14b、水温ゲージ16においてLEDなどから放射される光によって透過発光する文字16aおよび目盛16b、フューエルゲージ18においてLEDなどから放射される光によって透過発光する文字18aおよび目盛18bに第1〜第3実施形態の印刷方法を適用してもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 コンビネーションメータ(車両用表示装置)、12 スピードメータ、14 タコメータ、16 水温ゲージ、18 フューエルゲージ、20 ATシフトポジションインジケータ、22 オド/トリップメータ、24a ターンシグナル作動インジケータ、24b ハイビーム作動インジケータ、24c チェックエンジンウォーニング、24d ABS作動/ウォーニング、24e パーキングブレーキ作動/ブレーキ液レベルウォーニング、24f オイルプレッシャーウォーニング、24g チャージウォーニング、24h SRSエアバッグウォーニング、24i シートベルト非着用ウォーニング、24j 半ドアウォーニング、26 表示板、28 基板、30 不透過印刷層、30a、b 開口部、32a、b 透過率調整印刷層、34a、b 発光部、36a、b 発光ダイオード(光源)、38 回路基板、40 区画部材、44a、b クリア層、46 導光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用表示装置において、個別の光源の光により透過照明されることで異なる輝度にて発光して車両状態を表示する複数の発光部を有する表示板の製造方法であって、
前記各光源からの光を遮る遮光層を、光透過性を有する基板に部分的に形成することで、前記遮光層以外の部位に、前記各光源からの光が透過可能な開口部を複数形成する開口部形成工程と、
前記開口部形成工程の後、遮光性を有する粒子状のインクの前記基板に対する噴射量をインクジェット印刷により制御することで、異なる光透過率の印刷層を前記各発光部として前記各開口部に形成する印刷層形成工程であって、一回の前記インクジェット印刷により、全ての前記開口部に前記印刷層を形成する印刷動作において、前記遮光インクの噴射量を前記開口部毎に変化させる印刷層形成工程と、を含むことを特徴とする車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法。
【請求項2】
前記印刷層形成工程では、前記各開口部に形成される前記印刷層のうち特定印刷層において、当該特定印刷層を照明する前記光源に対向させる部位から遠ざかるほど、当該特定印刷層の光透過率を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法。
【請求項3】
光透過性を有する粒子状の透明インクをインクジェット印刷により前記各開口部に噴射することで、表面が凹凸形状となるクリア層を形成するクリア層形成工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法。
【請求項4】
前記印刷層形成工程では、前記印刷層を前記基板の表示方向後側に形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用表示装置に用いられる表示板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122901(P2012−122901A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274959(P2010−274959)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】