説明

車両用表示装置

【課題】 ディスプレイ表示される後方視野映像において、映し出された対象物と自車両との位置関係を直感的に理解することが容易な車両用表示装置を提供する。
【解決手段】 車両後方撮影カメラ31によって車両後方視野を撮影し、撮影された後方視野画像を運転者から視認可能な位置に設けられた表示ディスプレイ100上で表示するとともに、その後方視野画像には車両後方側のウィンドウ外形線画像101a,101bが重ね表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置、特に車両の後方視野を表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両においては、後方視野を確認するためにバックミラーを用いることが一般的であるが、近年では、バックミラーの代わりにディスプレイを用い、車両のリヤ部に設けられた後方視野撮影用CCDカメラによって撮影した後方視野映像をそのディスプレイに映し出す後方視野表示装置(後方監視装置)が存在する(特許文献1及び2)。これにより、ドライバーはディスプレイに表示される映像を視認することで、後方から自車両に接近する後方車両を認知することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平8−207661号公報
【特許文献2】特開平10−166943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の上記後方視野表示装置では、ディスプレイに映し出される後方車両と自車両との距離感が分かりにくく、自車との位置関係を直感的に理解するのが難しいという課題がある。同様に、後進する場合に、後方に映し出される障害物と自車との位置関係の把握が難しく、例えば後進による車庫入れ等を行ない難いという課題もあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ディスプレイ表示される後方視野映像において、映し出された対象物と自車両との位置関係を直感的に理解することが容易な車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用表示装置は、
運転席から視認可能な位置に設けられた表示ディスプレイと、
車両後方視野を撮影する後方撮影カメラと、
該後方撮影カメラが車両後方視野を撮影することにより得られる車両後方画像に、運転席側からリア方向視野にて車内を見たときのリアウィンドウ位置を示す画像情報であるリアウィンドウ指示画像を重ね合成し、これを後方確認用合成画像として表示ディスプレイに出力する画像合成出力手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
バックミラーに映し出される車両後方画像は、車室内のガラス面以外の壁面に視界の一部が遮られるため、リアウィンドウ等のガラス面越しにしか車両後方を見ることができないが、逆にその視界を遮る車室内壁面が映し出されていることで映し出された画像に映る対象物と自車両との距離感を容易に把握することができた。他方、車両リア部から車両後方画像が撮影される場合は、車室内壁面に遮られる領域が極めて少ないので、撮影された画像から車両後方を広く視認することができるが、映し出された画像に映る対象物と自車両との距離感を把握し難い。本発明によると、車両リア部から撮影された車両後方画像に、運転席側からリア方向視野にて車内を見たときのリアウィンドウ位置を示す画像が重ね表示されるから、車両後方を広く視認しつつ、その撮影画像内に映し出された対象物と自車両との距離感を容易に把握できる。
【0008】
本発明の車両用表示装置では、リアウィンドウ指示画像は、リア方向視野内に現われる車両のウィンドウのうち、少なくともリアウィンドウの外形線画像を含むウィンドウ外形線画像とすることができる。車両後方画像にリアウィンドウの外形線画像が映し出されることで、車両後方画像内に映し出された対象物と自車両との距離感を容易につかむことができ、さらに、外形線のみで表示されることで、後方撮影映像の表示を妨げる外形線領域を最小とすることができる。また、上記のウィンドウ外形線画像は、リアウィンドウの外形線画像と該リアウィンドウに隣接するサイドウィンドウの外形線画像を含むものとすることもできる。リアウィンドウの外形線に加えてサイドウィンドウの外形線まで表示されることで、映し出された外形線によって車室内の遠近感をより明確に認識できるようになり、ひいては車両後方画像内に映し出された対象物と自車両との距離感をよりつかみ易くなる。
【0009】
本発明の車両用表示装置では、後方確認用合成画像は、車両後方画像とウィンドウ外形線画像とをそれぞれ左右反転した形で合成したものとして表示ディスプレイから出力することができる。ディスプレイに映し出される画像がバックミラーに映し出される画像と同様に左右反転されるので、バックミラーに慣れたドライバーであっても違和感なく後方確認を行なうことができる。
【0010】
本発明の車両用表示装置では、画像合成出力手段は、後方確認用合成画像において、ウィンドウの外形線の内側領域と外側領域とで車両後方画像の表示状態を互いに異ならせるものである。この構成によると、車室内を描画した領域を直感的に認識し易くなるため、上記の距離感の把握が一層容易となる。また、表示形態もバックミラーに近くなるため、バックミラーに慣れたドライバーにとって違和感が少ない。
【0011】
具体的には、ウィンドウの外形線の内側領域と外側領域とで車両後方画像の表示色調を互いに異なるようにすることができる。これによると、バックミラーでは本来見えない部分と見える部分とのコントラストが明確になり、バックミラーに慣れたドライバーにとって違和感が少なくなる。また、画像合成出力手段は、後方確認用合成画像において、ウィンドウの外形線の外側領域における車両後方画像の出力明度を、内側領域における車両後方画像の出力明度よりも小さく設定させることもできる。これによると、バックミラーでは本来見えない部分の画像領域が目立ち難くなり(隠蔽してもよい)、バックミラーに慣れたドライバーにも違和感が少ない。
【0012】
本発明の車両用表示装置では、画像合成出力手段は、後方撮影カメラの座標系にて撮影された車両後方画像を、運転席側からリア方向視野にて車両後方を見たときの座標系画像に変換した後、リアウィンドウ指示画像と重ね合成を行なうことができる。後方撮影カメラが映す画像は、車両のリア部を視点とし、この視点を基準にして車両後方を撮影した画像である。他方、ドライバーが運転席側からリア方向視野にて車内を見たときにドライバー自身の目に映る画像は、後方撮影カメラよりも前方の運転席を視点とし、この視点を基準にして車両後方を見た画像であり、この画像には車室内の壁面が含まれる。上記構成によると、後方撮影カメラの座標系を、運転席側からリア方向視野にて車両後方を見たときの座標系に変換する処理がなされるため、基準点が異なるこれら2つの画像の合成が可能となる。
【0013】
本発明の車両用表示装置では、運転席上のドライバーの高さ方向目位置を検出する高さ方向目位置検出手段と、検出された高さ方向目位置情報に基づき、表示ディスプレイへの後方確認用合成画像の出力内容を当該ドライバーの目位置に合わせて補正する後方確認用合成画像出力補正手段を有するものとできる。この構成によると、ドライバーの高さ方向の目位置に応じて後方確認用合成画像が補正されるので、異なるドライバーが搭乗したとしても、ディスプレイにそのドライバーに適する視界の後方撮影画像を表示することができる。具体的には、高さ方向目位置検出手段は、ドライバーの顔画像を撮影するドライバー撮影カメラと、撮影された顔画像から高さ方向目位置を検出する目位置検出手段を有して構成することができる。これにより、画像認識により、高さ方向目位置を正確に把握することが可能となる。
【0014】
本発明の車両用表示装置では、後方確認用合成画像出力補正手段は、高さ方向目位置を予め定められた標準目位置に定めて作成された標準ウィンドウ指示画像を、検出された高さ方向目位置情報に基づいて座標変換することにより補正を行なうものとできる。これにより、後方確認用合成画像の出力内容をドライバーの目位置に合わせる補正を、ドライバー目位置を検出するだけで容易に行うことが可能となる。
【0015】
本発明の車両用表示装置では、画像合成出力手段は、表示ディスプレイに対し後方確認用合成画像を、左右方向において運転席が配置されている側の画像視野よりもこれと反対側の画像視野が大きく現われるように出力することができる。この構成によると、車両の助手席側後方がドライバーの死角となることを改善することができる。
【0016】
本発明の車両用表示装置では、表示ディスプレイは、後方確認用合成画像を出力させる第一モードと、該後方確認用合成画像以外の画像を出力させる第二モードとの間で切り替え可能になっており、自車両に接近する後方車両の有無を検出する後方車両検出手段と、該後方車両が検出された場合に表示ディスプレイの表示モードを第一モードに切り替える表示モード切替手段とを有することができる。これによると、第一モード(後方確認用合成画像)と第二モード(他の画像)とを共通の表示ディスプレイを用いて表示することができるため、コスト面において利点がある。また、後方視野の確認を要する後方車両接近時に後方確認用合成画像に表示が切り替わるので、切り替えの煩雑さがない。
【0017】
本発明の車両用表示装置では、リアウィンドウよりも下方にて車体リア部外側に取り付けられ、バックモニタ画像を撮影するバックモニタカメラを有し、表示ディスプレイに対し、シフトレバー位置がバック位置の場合にバックモニタ画像を表示し、シフトレバー位置が前方走行位置の場合に後方確認用合成画像を表示する表示制御手段を有することができる。これによると、バックモニタ画像と後方確認用合成画像とを共通の表示ディスプレイを用いて表示することができるため、コスト面において利点がある。また、シフトレバー位置を検知して車両後進時にはバックモニタ画像に表示が切り替わるので、切り替えの煩雑さがない。
【0018】
本発明の車両用表示装置では、表示ディスプレイをフロントガラスよりも下方に取り付けることができる。車両の後方確認を本発明の車両用表示装置とすることができるので、バックミラーを省略した車両を構成することができる。この場合、フロントガラス(フロントウィンドシールド)の中央上部に配されるバックミラーが省略されるので、ドライバーの前方視野を広くとることができる。具体的には、表示ディスプレイをダッシュボードに取り付けることができる。
【0019】
また、本発明の車両用表示装置では、後方撮影カメラがリアウィンドウよりも後方に位置するよう、車体の車外側上部に取り付けることで、撮影される車両後方画像が車室内壁面に遮られることがなくなる。そして、上記の後方車両検出手段は後方撮影カメラによる車両後方視野の撮影画像上にて後方車両の有無を検出するものであり、検出したタイミングで該後方車両の接近を報知手段(音声、表示ディスプレイ上での強調表示)によりドライバーに報知することが可能となる。また、本発明の車両用表示装置では、後方車両の速度が閾値以上の場合に表示モードの切り替えを行なうようにすることができる。後方車両が閾値以上の危険速度で接近してきた場合に運転者はこれをすばやく視認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の車両用表示装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。図1は車両に搭載された表示装置によって撮影される車両後方映像(以下、撮影画像ともいう)であり、図1の(a)は従来の車両後方映像100a、図1の(b)は本発明の車両用表示装置においてディスプレイ表示される車両後方映像100bである。図1の(b)の映像100bは、図1の(a)の車両後方映像100aに対して、運転席側からリア方向視野にて車室内を見たときに視認されるウィンドウの外形位置を示すウィンドウ指示画像101a、101bが重ね合成された後方確認用合成画像100bであり、これにより、図3に示す表示ディスプレイ100に映し出された対象物と自車両との距離感を容易に把握することが可能となっている。
【0021】
図2は、本発明の車両用表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。図2に示す車両用表示装置1は、表示ディスプレイ100に図1の(b)の後方確認用合成画像100bを出力するための画像表示用ECU10と、車両の各種走行状況を監視する走行監視ECU20とが、シリアル通信バス50を介して接続されて構成される。
【0022】
画像表示用ECU10は、CPU11、ワークメモリ12aを備えるRAM12、各種プログラムを記憶するROM13、バスライン14、入出力部(図中では「I/O」と表示)15、不揮発性メモリである外部メモリ16(例えばEEPROMなどの不揮発性メモリで構成される)、他のECUと接続されるシリアル通信バス400に接続される通信インターフェース(図中では「I/F」と表示)17、及びシリアル通信バス400から受信したデータを一時格納する受信バッファメモリ(以下、受信バッファともいう)17aを備えて構成される。入出力部15には、車両後方撮影カメラ(後方撮影カメラ)31とドライバー撮影カメラ32と、描画LSI40とが接続されている。必要に応じて、前後移動可能なドライバーシートの前後方向に定められたドライバーシート基準位置からの変位を検出するドライバーシート位置検出部を接続することもできる。
【0023】
車両後方撮影カメラ31は、周知のCCDカメラによって構成され、図4及び図5に示すように、車両のリア部に対しリアウィンドウ5bの上縁側に取り付けることができる。具体的には、車体ルーフ後方のリアウィンドウ5bの上方位置や、リアウィンドウ5bの上端部(この場合、車外側でも車内側でもいずれでもよい)とすることができる。本実施例においては、車外側の車体ルーフ後方のリアウィンドウ5bの上方位置に取り付けられ、車両後方視野を車幅方向の視野範囲A´(図4参照)及び車両天地方向の視野範囲B´(図5参照)内の画像を撮影する。
【0024】
ドライバー撮影カメラ32は、周知のCCDカメラによって構成され、図3及び図4に示すように、車両のフロント部に対しフロントウィンドウ(フロントウィンドシールド)の車内側上端部に設けられ、運転席に着座するドライバーの顔画像を撮影可能に配置されている。
【0025】
描画LSI40は、周知のLSIとして構成されており、画像表示用ECU10から出力されたディスプレイ表示用の後方撮影画像と、ウィンドウ指示画像101a、101bとを重ね合成し、表示ディスプレイ100に出力する。この描画LSI40が画像合成出力手段として機能する。
【0026】
表示ディスプレイ100は、表示ディスプレイをフロントガラスよりも下方において、車両のインストルメントパネル7中央のダッシュボード8に取り付けられる。このディスプレイ100は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行なうための駆動回路を含んで構成されている。この駆動回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、描画LSI40とグラフィックメモリ40aによる描画処理に基づいて表示出力がなされる。このディスプレイ40として、有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器等を用いることも可能である。また、本実施例のディスプレイ40は、抵抗膜方式や静電容量方式等を利用した周知のタッチパネルとしても機能するものとし、画面上に機能操作部が設けられていてもよい。
【0027】
走行監視ECU20は、CPU21、ワークメモリ22aを備えるRAM22、各種プログラムを記憶するROM23、バスライン24、入出力部(図中では「I/O」と表示)25、不揮発性メモリである外部メモリ26(例えばEEPROMなどの不揮発性メモリで構成される)、他のECUと接続されるシリアル通信バス400に接続される通信インターフェース(図中では「I/F」と表示)27、及びシリアル通信バス400から受信したデータを一時格納する受信バッファメモリ(以下、受信バッファともいう)27aを備えて構成される。入出力部25には、後方撮影用CCDカメラ(図では車両後方撮影カメラと表示)31と、車速センサ33と、シフトポジションセンサ34とが接続されている。
【0028】
車速センサ33は、走行状況取得手段として機能するものであり、周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含んで構成され、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出する。検出した車輪の回転数は、パルス信号として走行監視ECU20に出力され、走行監視ECU20によって演算されて車両1の速度に換算される。
【0029】
シフトポジションセンサ34は、走行状況取得手段として機能するものであり、シフトレバー(図示せず)あるいは変速機のギア(図示せず)の位置を検出する。シフトレバーあるいはギアの位置毎にスイッチが配設され、車両のシフトレバーあるいはギアの位置に応じて該スイッチの状態が変化するようになっている。オートマチックトランスミッション搭載車両の場合には、車両運転席の計器パネルあるいはシフトレバーの近傍に現在のシフト位置が点灯表示されるものがあるので、点灯している位置を検出して現在のシフト位置として判定する方法を用いてもよい。
【0030】
本発明の車両用表示装置1は、画像表示用ECU10のCPU11がROM13に格納された描画ソフトウェア13aのサブプログラムである後方確認用合成画像描画プログラム131aを実行することにより、自車両1の走行中に所定速度以上で後方車両が接近してきたときに、表示ディスプレイ100に後方確認用合成画像100bが表示される。この後方確認用合成画像100bは、図5の(c)に示すように、車両後方撮影カメラ31が撮影する横方向の視野範囲A´(図4参照)及び縦方向の視野範囲B´(図5参照)内の画像200のうち、ドライバー2が運転席側からリア方向視野にて車内を見たときの横方向の視野範囲A(図4参照)及び縦方向の視野範囲B(図5参照)内の画像100bを重ね合成した画像である。画像100bにはウィンドウ指示画像としてウィンドウ外形線画像が表示される。具体的には、ドライバー2の目位置を視点としてリア方向視野内に現われる車両のウィンドウのうち、リアウィンドウ5bの外形線画像101aと、該リアウィンドウ5bに隣接するサイドウィンドウ5cの外形線画像101bが表示される。以下、図6に示すフローチャートを用いて、後方確認用合成画像描画プログラム131aの処理の流れを説明する。
【0031】
まず、S1において、走行監視ECU20が、車速センサ33の検出する車速に基づいて自車両1が走行中であると検知するとS2に進み、S2では、車両後方撮影カメラ31により自車両の後方撮影画像(車両後方画像)を撮影する。
【0032】
そして、S3に進み、予め定められた速度(閾値)以上で接近する後方車両の有無を判定する。これは、車両1のイグニッションオンと同時に起動する接近車両検出用プログラム23aに基づいて、車両後方撮影カメラ31によって撮影される車両後方画像200を画像処理することにより実行される。具体的には、走行監視ECU20が車両後方撮影カメラ31によって撮影される車両後方画像を予め定められた周期でサンプリングし、サンプリングされた画像を外部メモリ26に予め記憶された各車種の基準画像データと照合する。その結果、該基準画像データと一致あるいは該基準画像データとの差が所定の範囲内の場合に基準画像データに相当する後方車両が存在すると判定する。そして、その後順次サンプリングされる車両後方画像において、検出される後方車両画像の面積変化率を算出し、該面積変化率に基づいて当該車両の車速を検出する。本実施形態において、走行監視ECU20と車両後方撮影カメラ31とが後方車両の車速を検出する後方車両車速検出手段として機能している。なお、後方車両の車速は、後方車両との車車間通信によって得ることも可能である。S3にて予め定められた速度以上で接近する後方車両が検知されなければS2に戻る。
【0033】
S3にて予め定められた速度以上で接近する後方車両が検知された場合には、画像表示用ECU10がドライバー撮影カメラ32により現在のドライバーの顔画像を取得する。そして、S5では、取得した顔画像からドライバーの目位置を推定する(高さ方向目位置情報を得る)。具体的には、S5で取得した顔画像を、外部メモリ16に予め記憶された人間の目の基準画像データと照合することで、ドライバーの高さ方向の目位置を、ドライバーの目位置座標系の位置座標として推定(算出)する。本実施形態において、画像表示用ECU10とドライバー撮影カメラ32とが高さ方向目位置検出手段として機能している。
【0034】
続いてS6では、推定されたドライバーの高さ方向目位置の目位置座標系(ドライバー目位置視野座標系)と車両後方撮影カメラ31のカメラ座標系(後方撮影視野座標系)との変換関係を算出する。カメラ座標系を目位置座標系に変換する手法は三次元アフィン変換等により周知であり、車両後方撮影カメラ31のカメラ位置(x1、y1、z1)とカメラ座標系とが既知である場合、ドライバー目位置を一般化して(x2、y2、z2)とすると、カメラ位置(x1、y1、z1)とドライバー目位置(x2、y2、z2)とを用いた変換関係式として、目位置座標系とカメラ座標系との変換関係を容易に求めることができる。この変換関係式に、S3で検出された目位置の実位置座標(xm、ym、zm)を代入することで、変換関係を得ることができる。ただし、座標上のドライバーの平面位置を表示する(xm、ym)は不変に近く、定数として取り扱ってもよい。車両前後方向位置に関しては、運転席シートの前後のスライド位置で定められるので、運転席にドライバーシート位置センサ(運転席位置センサ)35を設け、その検出値を用いて決定してもよい。
【0035】
S7では、外部メモリ16に記憶されている、標準ドライバー目位置(x0、y0、z0)を設定して作成された標準リア側ウィンドウ外形線画像(図6では窓枠画像:本発明のウィンドウ指示画像)を読み出す。そして、S8にて、該標準ドライバー目位置によるウィンドウ外形線画像の標準目位置座標系(標準ドライバー目位置視野座標系)と、S5で推定されたドライバーの高さ方向目位置の目位置座標系(ドライバー目位置視野座標系)との変換関係を求める。S9では、上記で求めた変換関係(S6及びS8)を用いて、標準リア側ウィンドウ外形線画像を、ドライバー目位置から見た想定リア側ウィンドウ外形線画像に変換し、S10にて、該想定リア側ウィンドウ外形線画像の画像データとS4にて車両後方撮影カメラ31が撮影した車両後方画像の画像データとを描画LSI40に出力し、描画LSI40に車両後方画像に想定リア側ウィンドウ外形線画像を重畳した形で表示ディスプレイ100に出力させる。これにより、表示ディスプレイ100には図1の(b)のような後方確認用合成画像100bが表示される。
【0036】
S11では、走行監視ECU20が、車速センサ33の検出する車速に基づいて自車両1が走行中であるか否かを検知し、走行中であると検知された場合にはS2に戻り、停車と検知された場合には本後方確認用合成画像描画プログラム131aを終了する。
【0037】
これにより、検出されたドライバーの高さ方向目位置情報に基づき、表示ディスプレイ100への後方確認用合成画像100bの出力内容が、当該ドライバーの目位置に合わせて補正される。
【0038】
なお、S10における表示ディスプレイ100への出力に際して、出力される後方確認用合成画像100bの画像データ(車両後方画像と前記ウィンドウ外形線画像の合成画像データ)を、左右反転した形で出力することにより、バックミラーに慣れたドライバーであっても違和感なく後方確認を行なうことができる。
【0039】
また、S10における表示ディスプレイ100への出力に際して、図7に示すように、ウィンドウの外形線の内側領域と外側領域とで、車両後方画像の表示状態を互いに異ならせることができる。例えば、ウィンドウの外形線の外側領域における前記車両後方画像の出力明度を、内側領域における車両後方画像の出力明度よりも小さく設定したり、ウィンドウの外形線の内側領域と外側領域とで前記車両後方画像の表示色調を互いに異なるものに設定することもできる。これによると、車室内を表す領域と車室外を表す領域とのコントラストが明確になって、車室内を描画した領域を直感的に認識し易くなるため、後方確認用合成画像100bの遠近感がつかみ易く、映し出された対象物と自車両との距離感がよりつかみ易くなる。
【0040】
さらに、S10における表示ディスプレイ100への出力に際して、表示ディスプレイ100に対し後方確認用合成画像100bを、左右方向において運転席4が配置されている側の画像視野よりもこれと反対側(助手席側)の画像視野が大きく現われるように出力することにより、車両の助手席側後方がドライバーの死角になることを改善することができる。
【0041】
また、上記実施例において、例えば、別途後方撮影映像を表示する表示手段(バックミラー等)を有している場合には、表示ディスプレイを、後方確認用合成画像100bを出力させる第一モードと、該後方確認用合成画像100b以外の画像を出力させる第二モードとの間で切り替え可能となっていてもよい。この場合、第二モードにおいて出力させる画像を、車両用ナビゲーションシステムにおけるナビゲーション画面や、エアコン設定画面、カーオーディオの設定画面等とするよう、画像表示用ECU10が表示制御(表示モード切替機能)を行なうことができる。また、車両後方撮影カメラ31を、バックモニタ画像を撮影するバックモニタカメラとして兼用されるものとし、表示ディスプレイに対し、シフトレバー位置が前方走行位置の場合に第一モードとして後方確認用合成画像(図8の(b))を表示し、シフトレバー位置がバック位置の場合に第二モードとしてバックモニタ画像100c(図8の(a))を表示するよう、画像表示用ECU10が表示制御を行なうこともできる。
【0042】
また、後方撮影カメラによる車両後方視野の撮影画像上にて後方車両の有無を検出するように構成されていてもよい。さらに、後方車両を検出したタイミングで該後方車両の接近を報知する報知手段を設けて構成されていてもよい(スピーカ等の音声出力装置からの音声による報知、表示ディスプレイ上での強調表示等)。これにより、後方車両の接近を確実にドライバーに報知することが可能となる。
【0043】
また、後方車両の速度が閾値以上の場合に表示モードの切り替えを行なうよう構成することも出来る。これにより、後方車両が閾値以上の危険速度で接近してきた場合に運転者がこれをすばやく視認することが可能となる。
【0044】
以上、本発明の実施例を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、後方確認用合成画像の描画処理を行なうための計算手法は上記実施例のものに限られず、少なくとも後方撮影画像にリアウィンドウの外形線画像が重ね表示されていればよい。以下、車両後方撮影カメラが撮影する撮影画像(車両後方画像)に、リアウィンドウの外形線画像(ウィンドウ指示画像)を画像合成して後方確認用合成画像を作成するための、上記実施例より詳細な計算手法を用いた実施例について、図9〜図11を用いて説明する。
【0046】
車両後方撮影カメラ31(以下、カメラ31と略す)は、図9及び図10に示すように、上記実施例と同じく自車両1のリアウィンドウ5bの中央上方に設けられ、車両後方に向けて、z軸方向に撮影視野角φ、y軸方向に撮影視野角θを有する。このカメラ31が撮影する撮影画像200に、運転席の運転者2が後方を見た際に見るリアウィンドウ5bの外形線画像101aを表示する場合には、その外形線画像101aの大きさを定めるために、車両後方に基準位置L(基準面、基準投影面)を定める必要がある。撮影画像200内に重ね表示されるリアウィンドウ5bの外形線画像101aは、この基準位置Lに、運転者2が見るリアウィンドウ5bの外形線を投影した投影画像を拡大又は縮小して、撮影画像200内に表示される。車両後方を確認する場合、自車両1に対しおよそ30m〜200m後方(より望ましくは40m〜100m後方、最も望ましくは50m後方)に基準位置Lを定めることが、後方確認に適する。ここでは自車両1から50m後方の位置を後方視野表示用の基準位置Lとし、自車両1と該基準位置Lとの距離(基準距離)をxlと定める。
【0047】
図9及び図10に示すカメラ31は、上下方向ZT〜ZB(上下幅2Zview)、左右方向YL〜YR(左右幅2Yview)を撮影視野範囲として有し、この撮影視野範囲で撮影された撮影画像200が、上下幅2Zdisplay、左右幅2Ydisplayの表示ディスプレイ100に表示される。表示ディスプレイ100には、カメラ31に撮影された撮影画像200に、運転者2が運転席から実際に後方を見たときに見えるリアウィンドウ5bの外形線画像101aが重なるよう表示され、この外形線画像101aは、図11の(b)に示すように、表示ディスプレイ100の中心から右方向にadisplay、左方向にbdisplay、上方向にcdisplay、下方向にddisplayの大きさを有して表示される。
【0048】
従って、これらadisplay,bdisplay,cdisplay,ddisplayの各値を定めることでリアウィンドウ5bの外形線画像101aは表示可能となる。ここで、カメラ31の設置位置を原点Oとする3次元カメラ座標を設定する。なお、x軸は車両の進行方向(前進方向を正)、y軸は車幅方向(左側を正)、z軸は車両の天地方向(天方向を正)とする。これにより、上記の各値adisplay,bdisplay,cdisplay,ddisplayは、この3次元カメラ座標における、リアウィンドウ5bの角部の位置座標(左端部LW、右端部RW、上端部TW、下端部BW)と、運転者の目位置座標DRと、表示ディスプレイ100の上下幅2Zdisplay、左右幅2Ydisplayとにより定めることが可能である。以下、その計算手法を説明する。
【0049】
上述の3次元カメラ座標におけるリアウィンドウ5bの角部の位置座標LW(左端部)、RW(右端部)、TW(上端部)、BW(下端部)は、車両毎に定められる値である。例えば、x−y平面上におけるリアウィンドウ5bの左端部LWの座標を(xw,lw)、右端部RWの座標を(xw,yrw)とし、x−z平面上におけるリアウィンドウ5bの上端部TWの座標を(xw,ztw)、下端部BWの座標を(xw,zbw)と定めることができる。本実施形態においては、リアウィンドウ5bは、x−z平面上に配置されるものとし、上記それぞれの端部座標をLW(0,ylw)、RW(0,yrw)、TW(0,ztw)、BW(0,zbw)と定める。
【0050】
上述の3次元カメラ座標における運転者2の目位置の座標DRを(xdr,ydr,zdr)とする。これらxdr、ydr、zdrは、3次元カメラ座標上でカメラ位置座標P(xp、yp、zp)に位置特定されるドライバー撮影カメラ32の撮影画像と、ドライバーシート位置検出部35の検出値とに基づいて算出される。具体的には、ドライバーシート位置検出部35を、前後移動可能なドライバーシートの前後方向に設けられたドライバーシート基準位置xdsからの変位xdを検出する距離検出部として構成し、該変位を検出することでxdrを算出することができる。このxdrは、上記3次元カメラ座標において予め定めておくことができ、ここでは上記のxpとして与えられる。また、ドライバー撮影カメラ32により撮影された運転者2の顔画像から、上記実施例と同様にして運転者2の目位置を特定することができる。特定された目位置と算出されたxdrとを用いることで、上述の3次元カメラ座標における目位置座標DR(xdr,ydr,zdr)を算出することができる。
【0051】
次に、自車両から後方に基準距離xl(=50)だけ離れた基準位置Lに、運転者2が見るリアウィンドウ5bの外形線を投影した投影画像の形状及び大きさを特定する。この投影画像の大きさは、上記の値adisplay,bdisplay,cdisplay,ddisplay(表示ディスプレイ100に表示されるリアウィンドウ5bの外形線画像101aの表示位置及び大きさを特定する値である)に対応する値aview,bview,cview,dviewにより特定される。これらの値aview,bview,cview,dviewは、基準位置Lに、運転者2が見るリアウィンドウ5bの外形線を投影したときの投影画像の大きさを定める値であり、投影される該外形形状は、撮影画像の中心から右方向にaview、左方向にbview、上方向にcview、下方向にdviewの大きさを有する(図9及び図10参照)。
【0052】
それらの値のうち、値aview,bviewは、上述の3次元カメラ座標におけるx−y平面(図9参照)において、目位置座標DR(xdr,ydr)と、リアウィンドウ角部の位置座標LW(0,ylw)、RW(0,yrw)とを結ぶ直線f1、f2と、基準位置(基準面)との交点を算出することで求めることができる。具体的には、下記式(1)、式(2)のxに−xl(=−50)を代入することで得られる。同様に、値cview,dviewは、x−z平面(図10参照)において、目位置座標DR(xdr,zdr)と、リアウィンドウ角部の位置座標TW(0,ztw)、BW(0,zbw)とを結ぶ直線f3、f4と、基準位置(基準面)との交点を算出することで求めることができる。具体的には、下記式(3)、式(4)のxに−xl(=−50)を代入することで得られる。




【0053】
同時に、基準位置L(基準面)におけるカメラ31の撮影範囲を定めるZview及びYviewを算出することができる。この撮影範囲の大きさは、上下方向ZT〜ZB(上下幅2Zview)、左右方向YL〜YR(左右幅2Yview)である。Zview及びYviewを算出する場合は、具体的には、下記式(5)及び式(6)のxに−xl(=−50)を代入することで得られる。これらの式は、カメラ31のz軸方向の撮影視野角φ、y軸方向の撮影視野角θを用いて得られるものである。
【0054】
ここで、aview,bview,cview,dview,Zview,Yviewと、adisplay,bdisplay,cdisplay,ddisplay,Zdisplay,Ydisplayとの関係は、下記式(5)及び式(6)に表れている。


【0055】
display及びYdisplayは表示ディスプレイのサイズから定まる定数であり、aview,bview,cview,dview,Zview,Yviewの各値は上記式(1)〜式(4)にて得られるから、これにより、adisplay,bdisplay,cdisplay,ddisplayを決定することができる。
【0056】
そして、このようにして定められる撮影画像200にリアウィンドウ5bの外形線画像101aを重ね合成した後方確認用合成画像を、図11に示すような形で全体を左右反転させる(図11の(a)→図11の(b))。これにより、表示ディスプレイ100上に、カメラ31の撮影画像200に、基準位置に対応するリアウィンドウ画像101aを重ねた画像がミラー反転して表示され、表示ディスプレイ100に表示される後方確認用合成画像100bが生成される。
【0057】
なお、上記計算手法以外の計算手法も採用することができる。例えば、予めリアウィンドウの基準外形形状を定めておき、この基準外形形状をカメラ31の撮影画像に重ね表示する際に、その大きさと表示位置とを定めることで可能となる。
【0058】
具体的には、まず、リアウィンドウ5bの基準外形線画像の形状を定めるとともに、その大きさと画像内の基準点とを予め定め、ROM13に格納しておく。リアウィンドウ5bの基準外形線画像の大きさは、予め定められる運転者2の標準目位置とカメラ31の設置位置との間の進行方向における距離xd0(上記xdsとしてもよい)と、基準距離xlとにより予め定めることができる。基準点は、基準外形線画像内の任意の点とすることができる。ここではリアウィンドウ5bの基準外形線画像における重心位置(xgs,ygs,zgs)と定める。
【0059】
そして、実際に表示するリアウィンドウ5bの外形線画像の大きさは、進行方向における運転者の実際の目位置(ドライバー撮影カメラ32により特定する)とカメラ31の設置位置との間の距離xdの変化に応じ、上記の基準外形線画像を拡大縮小する形で定める。
【0060】
カメラ31の撮影画像内での表示位置は、実際の運転者2の目位置(xd,yd,zd)に応じて基準点を移動させ、上記拡大縮小により大きさが定められたリアウィンドウ5bの外形線画像を平行移動する形で行なう。具体的には、実際のリアウィンドウの重心位置(xg,yg,zg)と実際の運転者の目位置(xd,yd,zd)とを結ぶ直線と、基準位置L(基準面)との交点を算出し、その好転の座標に基づいて基準点の移動先を定める。その移動先に、表示すべき大きさのリアウィンドウ5bの外形線画像を平行移動させる。
【0061】
そして、最後に上記実施例と同様、左右反転処理を実行する。これにより、リアウィンドウの外形線画像の形状を任意としても、該外形線画像を、カメラ31の撮影画像200の適切な位置に重ね合成して表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の車両用表示装置によって表示される後方確認用合成画像の表示例を示す図。
【図2】本発明の車両用表示装置の一実施形態を示すブロック図。
【図3】表示ディスプレイの配置位置を説明する図。
【図4】本発明の車両用表示装置における前後方撮影手段の配置を説明する第一図。
【図5】本発明の車両用表示装置における前後方撮影手段の配置を説明する第二図。
【図6】後方確認用合成画像描画処理の流れを示すフローチャート。
【図7】図1とは異なる後方確認用合成画像の表示例を示す図。
【図8】本発明の車両用表示装置の変形例を説明する図。
【図9】図6とは異なる手法による後方確認用合成画像の描画処理を説明するための第一説明図。
【図10】図6とは異なる手法による後方確認用合成画像の描画処理を説明するための第二説明図。
【図11】左右反転を説明する図。
【符号の説明】
【0063】
1 車両用表示装置
2 ドライバー
10 画像表示用ECU
20 走行監視ECU
31 車両後方撮影カメラ
32 ドライバー撮影カメラ
33 車速センサ
34 シフトポジションセンサ
40 描画LSI
100 表示ディスプレイ
100b 後方確認用合成画像
100c バックモニタ画像
101a リアウィンドウの外形線画像
101b サイドウィンドウの外形線画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席から視認可能な位置に設けられた表示ディスプレイと、
車両後方視野を撮影する後方撮影カメラと、
該後方撮影カメラが前記車両後方視野を撮影することにより得られる車両後方画像に、前記運転席側からリア方向視野にて車内を見たときに現われるウィンドウの位置を示す画像情報であるウィンドウ指示画像を重ね合成し、これを後方確認用合成画像として前記表示ディスプレイに出力する画像合成出力手段と、
を有することを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記ウィンドウ指示画像は、前記リア方向視野内に現われる車両のウィンドウのうち、少なくともリアウィンドウの外形線画像を含むウィンドウ外形線画像である請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記ウィンドウ外形線画像は、前記リアウィンドウの外形線画像と該リアウィンドウに隣接するサイドウィンドウの外形線画像を含む請求項2記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記後方確認用合成画像は、前記車両後方画像と前記ウィンドウ外形線画像とをそれぞれ左右反転した形で合成したものとして前記表示ディスプレイから出力される請求項2又は請求項3記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記画像合成出力手段は、前記後方確認用合成画像において、前記ウィンドウの外形線の内側領域と外側領域とで前記車両後方画像の表示状態を互いに異ならせるものである請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記画像合成出力手段は、前記後方確認用合成画像において、前記ウィンドウの外形線の外側領域における前記車両後方画像の出力明度を、内側領域における前記車両後方画像の出力明度よりも小さく設定するものである請求項5記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記画像合成出力手段は、前記後方確認用合成画像において、前記ウィンドウの外形線の内側領域と外側領域とで前記車両後方画像の表示色調を互いに異ならせるものである請求項5又は請求項6記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記画像合成出力手段は、前記後方撮影カメラの座標系にて撮影された前記車両後方画像を、前記運転席側から前記リア方向視野にて車両後方を見たときの座標系画像に変換した後、前記ウィンドウ指示画像と重ね合成を行なう請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記運転席上のドライバーの高さ方向目位置を検出する高さ方向目位置検出手段と、
検出された高さ方向目位置情報に基づき、前記表示ディスプレイへの前記後方確認用合成画像の出力内容を当該ドライバーの目位置に合わせて補正する後方確認用合成画像出力補正手段を有する請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項10】
前記後方確認用合成画像出力補正手段は、予め定められた標準目位置に定めて作成された標準ウィンドウ指示画像を、前記検出された高さ方向目位置情報に基づいて座標変換することにより前記補正を行なうものである請求項9記載の車両用表示装置。
【請求項11】
前記画像合成出力手段は、前記表示ディスプレイに対し前記後方確認用合成画像を、左右方向において前記運転席が配置されている側の画像視野よりもこれと反対側の画像視野が大きく現われるように出力する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項12】
前記表示ディスプレイは、前記後方確認用合成画像を出力させる第一モードと、該後方確認用合成画像以外の画像を出力させる第二モードとの間で切り替え可能になっており、
自車両に接近する後方車両の有無を検出する後方車両検出手段と、
該後方車両が検出された場合に前記表示ディスプレイの表示モードを前記第一モードに切り替える表示モード切替手段とを有する請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項13】
前記後方車両検出手段は、前記後方撮影カメラによる前記車両後方視野の撮影画像上にて前記後方車両の有無を検出するものである請求項12記載の車両用表示装置。
【請求項14】
前記後方車両検出手段が前記後方車両を検出した場合に、その検出したタイミングで該後方車両の接近を報知する報知手段を備える請求項12又は請求項13記載の車両用表示装置。
【請求項15】
前記表示ディスプレイは、前記後方確認用合成画像を出力させる第一モードと、該後方確認用合成画像以外の画像を出力させる第二モードとの間で切り替え可能になっており、
自車両に接近する後方車両の車速を検出する後方車両車速検出手段と、
検出された前記後方車両の車速が閾値以上の場合に前記表示ディスプレイの表示モードを前記第一モードに切り替える表示モード切替手段とを有する請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項16】
リアウィンドウよりも下方にて車体リア部外側に取り付けられ、バックモニタ画像を撮影するバックモニタカメラを有し、
前記表示ディスプレイに対し、シフトレバー位置がバック位置の場合に前記バックモニタ画像を表示し、シフトレバー位置が前方走行位置の場合に前記後方確認用合成画像を表示する表示制御手段を有する請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項17】
前記後方撮影カメラがリアウィンドウよりも後方に位置するよう、車体の車外側上部に取り付けられている請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項18】
前記表示ディスプレイをフロントガラスよりも下方に取り付けてなる請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の車両用表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−290570(P2007−290570A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121157(P2006−121157)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】