車両用車枠の衝撃吸収構造
【課題】衝撃エネルギの吸収効率が高い車両用車枠の衝撃吸収構造を提供する。
【解決手段】車両用車枠の前後方向に延出する角筒状の衝撃吸収部材11を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、衝撃吸収部材11の外面部12aにそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部13を、衝撃吸収部材11の長手方向に複数連続して設ける。
【解決手段】車両用車枠の前後方向に延出する角筒状の衝撃吸収部材11を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、衝撃吸収部材11の外面部12aにそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部13を、衝撃吸収部材11の長手方向に複数連続して設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両衝突時等に生じる衝撃エネルギを吸収するための車両用車枠の衝撃吸収構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば図14に示すように、車両用車枠1は、幅方向に所定間隔を隔てて配置された一対のサイドメンバ2と、サイドメンバ2間に掛け渡して設けられたクロスメンバ3とを有する。図14に示す車両用車枠1では、車両用車枠1内の前部側にエンジン等の大型ユニットが配置され、車両用車枠1外の前部側及び後部側に仕様や数量等が異なるサスペンションや車輪等が配置され、車両用車枠1が上下から車体や車軸等に挟まれているために、サイドメンバ2は車両用車枠1の幅方向或いは上下方向に屈曲される変化部を有している。従って、図14に示す車両用車枠1では、バンパー等を介してサイドメンバ2に衝撃荷重が作用した場合には、サイドメンバ2が変化部にて折れ曲がることになる。
【0003】
このようなサイドメンバの変化部における折れ曲がり変形を防止し、車両衝突時等の衝撃エネルギを吸収するために、例えば特許文献1では、サイドメンバの前端部に筒状の衝撃吸収部材を設け、その衝撃吸収部材の壁面に凹状或いは凸状の壁面ビードを設けると共に、衝撃吸収部材における周方向に隣接する二つの壁面がなす角部に、凹状の角ビードを設けたものが提案されている。
【0004】
特許文献1によれば、車両衝突時に衝撃吸収部材が衝撃荷重を受けて、ビードによって衝撃吸収部材が前端部から順次圧壊されるようにすることで、サイドメンバの折れ曲がりを防止し、車両衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
【0005】
ところで、特許文献1に記載のビードを成形するためには、衝撃吸収部材におけるビード近傍の部分を局所的に伸ばさなくてはならず、降伏点が低く(伸び易く)、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが起き難い高級材を使用する必要が生じるため、材料費が増加する。また成形し難い高強度材(高張力材)を使用することができないため、薄肉化による軽量化等が制約される。
【0006】
【特許文献1】特開平3−94137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、図12及び図13に示すような車両用車枠の衝撃吸収構造20について先に出願した(特願2006−280149)。
【0008】
図12及び図13に示すように、衝撃吸収構造20は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材21を備えている。衝撃吸収部材21は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(図示例では、四つ)の外面部22a、22bを有する角筒状に形成されている。
【0009】
衝撃吸収部材21には、全周に渡って環状のビード23が設けられている。ビード23は、衝撃吸収部材21の周方向に隣接する二つの外面部22a、22bのうち一方の外面部22aでは凹条24aをなし、他方の外面部22bでは凸条24bをなしている。衝撃吸収部材21は、ビード23における断面の周長と、ビード23が設けられていない外面部22a、22bにおける断面の周長とが略等しくなっている。
【0010】
この衝撃吸収部材21によれば、衝撃吸収部材21(溝形部材25、26)のプレス成形時に局所的な材料の伸び縮み変形を伴わず、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが生じにくいため、降伏点が低い(伸び易い)高級材を使用する必要はなく、材料費を低減することが可能となる。また、高強度材(高張力材)を使用することができ、薄肉化により軽量化等を図ることが可能となり、薄肉化しない場合には重量増とすることなく衝撃エネルギの吸収量を増加させることが可能となる。
【0011】
ところで、図12及び図13に示す衝撃吸収部材21では、ビード23を座屈の基点として衝撃吸収部材21を座屈させることにより、初期衝撃荷重を低減する効果はあるが、衝撃エネルギの吸収量を増加させる余地が残る。
【0012】
そこで、本発明の目的は、衝撃エネルギの吸収効率が高い車両用車枠の衝撃吸収構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、車両用車枠の前後方向に延出する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の外面部にそれぞれ、上記衝撃吸収部材の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部を、上記衝撃吸収部材の長手方向に複数連続して設けたものである。
【0014】
ここで、上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する上記張出し面部がなす角部に、上記衝撃吸収部材における上記張出し面部の横断面の周長が上記衝撃吸収部材の長手方向に隣接する張出し面部間の節部の横断面の周長と略等しくなるように、上記衝撃吸収部材の内側に凹む縦断面略アーチ状の凹面部を設けても良い。
【0015】
また、上記角部の稜線が略鎖状形状に形成されても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、衝撃エネルギの吸収効率が高い衝撃吸収構造を提供することができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図4(a)は図3(c)のIVa−IVa線矢視断面図であり、図4(b)は図3(c)のIVb−IVb線矢視断面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る衝撃吸収構造10は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材11を備えている。衝撃吸収部材11は、車両衝突時等に衝撃荷重を受けて、その衝撃荷重により圧壊されるものである。本実施形態では、衝撃吸収部材11は、サイドメンバ2に一体に設けられている。
【0020】
図2及び図3に示すように、衝撃吸収部材11は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(本実施形態では、四つ)の外面部12aを有する角筒状に形成されている。
【0021】
衝撃吸収部材11の外面部12aにはそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状(図3(a)及び図3(c)参照)の張出し面部13が、衝撃吸収部材11の長手方向(車両用車枠1の前後方向)に複数(本実施形態では、三つ)連続して設けられている。衝撃吸収部材11の長手方向に連続して設けられる張出し面部13の数は、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
【0022】
各張出し面部13は、衝撃吸収部材11に長手方向(車両用車枠1の前後方向)に所定長さLで設けられている。上記の長さLは、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
【0023】
本実施形態では、衝撃吸収部材11の周方向に隣接する張出し面部13がなす角部12bには、張出し面部13における横断面の周長が衝撃吸収部材11の長手方向に隣接する張出し面部13間の節部14や端部等の他の部分における横断面の周長と略等しくなるように、衝撃吸収部材11の内側に凹む縦断面略アーチ状(図3(a)及び図3(c)参照)の凹面部15が設けられている。
【0024】
即ち、本実施形態では、衝撃吸収部材11は、張出し面部13及び凹面部15における横断面の周長と、節部14や端部等の他の部分における横断面の周長とが略等しくなっている(図4参照)。
【0025】
本実施形態では、衝撃吸収部材11は、張出し面部13の中心と凹面部15の中心とを結ぶ横断面が略八角形状となっており(図4(b)参照)、節部14での横断面が略四角形状となっている(図4(a)参照)。
【0026】
また、角部12bを衝撃吸収部材11の内側に凹むように形成することにより、角部12bの稜線が衝撃吸収部材11の周方向に二ヶ所形成されることとなり、その角部12bの稜線は略鎖状形状(或いは∞字形状)に形成される。
【0027】
本実施形態では、衝撃吸収部材11の長手方向(車両用車枠1の前後方向)に連続して複数設けられた張出し面部13の高さHを、全て略等しくしている。上記の高さHは、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
【0028】
本実施形態では、衝撃吸収部材11は、一対の溝形部材16、17を互いに向かい合わせて、それら溝形部材16、17のフランジ部同士を溶接、リベット或いはボルト・ナット等により接合してなる。
【0029】
また、本実施形態では、一対の溝形部材16、17のうち一方の溝形部材16の内側のウェブ幅が、他方の溝形部材17の外側のウェブ幅と略等しくなっており、上記の一方の溝形部材16が他方の溝形部材17の外側に重ね合わせられている。
【0030】
ここで、本実施形態では、衝撃吸収部材11を構成する溝形部材16、17は、金属板をプレス成形してなり、張出し面部13及び凹面部15における横断面の周長がプレス成形前の横断面の周長(金属板の板幅)と略等しくなっている。つまり、衝撃吸収部材11を構成する溝形部材16、17は、プレス成形の際、材料の局所的な伸び縮み変形を伴うことがない。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
バンパー(図示せず)等を介して衝撃吸収部材11に車両用車枠1の前後方向の前方から後方に向けて衝撃荷重F(図2参照)が作用すると、まず、衝撃吸収部材11は、最も後方側の張出し面部13及び凹面部15の部分が車両用車枠1の前後方向の後方に向かい潰される。衝撃吸収部材11における最も後方側の張出し面部13(及び凹面部15)の部分は、圧壊により長さLが減少し、且つ、高さHがより大きくなるように変形する。
【0033】
衝撃吸収部材11における最も後方側の張出し面部13及び凹面部15の部分が潰れたならば、続いて、衝撃吸収部材11における最も後方側の張出し面部13の前方の張出し面部13(及び凹面部15)の部分が順次潰されていく。衝撃吸収部材11全体としては、最も後方側の張出し面部13を基点として順次前方に向かい蛇腹状に潰されていく。
【0034】
ここで、図14で示したような従来のサイドメンバ2では、サイドメンバ2が車両衝突時等に座屈変形を起こすと、図11(a)に示すように、上下面及び左右側面のうち一方(図示例では、上下面)が外側に向かい膨らむ場合、他方(図示例では、左右側面)が変形抵抗が少ない内側に向かい凹むこととなり、サイドメンバ2全体としては横断面周長差(変形抵抗)がほとんど発生しないように変形するので、サイドメンバ2の座屈中に断面積や断面係数が減少する。
【0035】
他方、本実施形態では、衝撃吸収部材11の外面部12aにそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部13を設けている。即ち、本実施形態では、衝撃吸収部材11における角部12bを除く上下面及び左右側面(張出し面部13)の全てに外側に向かい膨らむように見込みを入れているので、衝撃吸収部材11が車両衝突時等に座屈変形を起こすと、図11(b)に示すように、角部12bを除く上下面及び左右側面(張出し面部13)の全てが外側に膨らむこととなり、衝撃吸収部材11全体としては横断面周長差(変形抵抗)が発生するように変形するので、衝撃吸収部材11の座屈中に張出し面部13において断面積や断面係数が減少することはない。従って、本実施形態によれば、適度な変形抵抗を伴い衝撃吸収部材11を潰すことで、衝撃エネルギの吸収効率を高めることが可能となる。
【0036】
また、張出し面部13を衝撃吸収部材11の長手方向に複数連続して設けることで、それら張出し面部13が順次潰されることとなり、衝撃吸収部材11の座屈中に荷重抜けなど塑性座屈による座屈荷重(耐力)の低下を抑制して、衝撃エネルギの吸収効率を高めることが可能となる。
【0037】
次に、他の実施形態について説明する。
【0038】
図6は、他の実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。図7は、他の実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。図8は、他の実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図9(a)は図8(c)のIXa−IXa線矢視断面図であり、図9(b)は図8(c)のIXb−IXb線矢視断面図である。
【0039】
図1の実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
衝撃吸収部材11の外面部12aにはそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状(図8(a)及び図8(c)参照)の張出し面部13が、衝撃吸収部材11の長手方向(車両用車枠1の前後方向)に二つ連続して設けられている。
【0041】
図1の実施形態では、衝撃吸収部材11の端部を横断面略四角形状に形成していたが、図6の実施形態では、衝撃吸収部材11の端部を横断面略八角形状に形成している。
【0042】
この実施形態によっても、図1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
ところで、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11を構成する各溝形部材16、17は、金属板をプレス成形してなり、張出し面部13及び凹面部15における横断面の周長がプレス成形前の横断面の周長と略等しくなっている。そのため、衝撃吸収部材11を構成する各溝形部材16、17をプレス成形する際に、局所的な材料の伸び縮み変形を伴うことがない。
【0044】
従って、上述の実施形態によれば、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが生じにくいため、降伏点が低い(伸び易い)高級材を使用する必要はなく、材料費を低減することが可能となる。また、高強度材(高張力材)を使用することができ、薄肉化により軽量化等を図ることが可能となり、薄肉化しない場合には重量増とすることなく衝撃エネルギの吸収量を増加させることが可能となる。
【0045】
また、プレス成形時のスプリングバックを微量に抑制することができるため、スプリングバックの見込み量を金型に反映する必要がなく、金型費を低減することが可能となる。また、プレス成形後にリストライク工程を追加する必要がなく、成形加工費を低減することが可能となる。
【0046】
また、プレス成形時に局所的な材料の伸び縮み変形を伴うと、溝形部材16、17の端部にバラツキが発生し、プレス成形後に溝形部材16、17の端部をトリムカットするトリムカット工程を追加する必要があるところ、上述の実施形態では、プレス成形の際に溝形部材16、17の端部にバラツキが発生しにくくなるため、プレス成形後にトリム工程を追加する必要がなく、材料の歩留まりを向上させ、材料費を低減することが可能となる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【0048】
例えば、車両用車枠1の前後方向に複数設けられた張出し面部13のうち特定の張出し面部13だけを、その高さHが他の張出し面部13に比べて大きくなるようにしても良い。このようにすることにより、初期衝撃荷重を低減させると共に、衝撃吸収部材11における圧壊開始の箇所を制御することができる。衝撃吸収部材11における上記他の張出し面部13は上記特定の張出し面部13に比べて潰れ難くなるが、上記他の張出し面部13は、上記特定の張出し面部13が潰れた影響で容易に潰される。即ち、二番目以降に潰れる上記他の張出し面部13を、その高さHが適度に小さくなるようにすることにより、先に潰れた上記特定の張出し面部13の変形の影響を最小限に抑え、変形抵抗の過度の減少を抑制できるので、効果的に衝撃エネルギを吸収することが可能となる。
【0049】
また、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2に一体に設けるとしたが、これには限定はされず、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2とは別体で形成して、サイドメンバ2に溶接、リベット或いはボルト・ナット等により取り付けるようにしても良い。この場合には、衝撃吸収部材11の成形方法はプレス成形に限定されず、ロール成形やハイドロフォーム等の適用が可能となる。
【0050】
また、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11は、ウェブ幅の異なる一対の溝形部材16、17を重ね合わせてなるとしたが、これには限定はされず、図5(a)、図10(a)に示すように、衝撃吸収部材11が、ウェブ幅が等しい一対の溝形部材16、17を重ねてなっても良く、図5(b)、図10(b)に示すように、衝撃吸収部材11が、ウェブ幅が等しい一対の溝形部材16、17を突き合わせてなっても良く、図5(c)、図10(c)に示すように、衝撃吸収部材11が、一つの筒状部材18からなっても良い。
【0051】
さらに、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けるとしたが、これには限定はされず、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2の後端部に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【図4】(a)は図3(c)のIVa−IVa線矢視断面図であり、(b)は図3(c)のIVb−IVba線矢視断面図である。
【図5】(a)から(c)は、変形例に係る衝撃吸収部材の正面図である。
【図6】他の実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。
【図7】他の実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。
【図8】他の実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【図9】(a)は図8(c)のIXa−IXa線矢視断面図であり、(b)は図8(c)のIXb−IXb線矢視断面図である。
【図10】(a)から(c)は、変形例に係る衝撃吸収部材の正面図である。
【図11】衝撃荷重入力時の変形状態を説明するための図である。
【図12】車両用車枠の斜視図である。
【図13】衝撃吸収部材の斜視図である。
【図14】従来の車両用車枠の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 車両用車枠
10 衝撃吸収構造
11 衝撃吸収部材
12a 外面部
12b 角部
13 張出し面部
15 凹面部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両衝突時等に生じる衝撃エネルギを吸収するための車両用車枠の衝撃吸収構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば図14に示すように、車両用車枠1は、幅方向に所定間隔を隔てて配置された一対のサイドメンバ2と、サイドメンバ2間に掛け渡して設けられたクロスメンバ3とを有する。図14に示す車両用車枠1では、車両用車枠1内の前部側にエンジン等の大型ユニットが配置され、車両用車枠1外の前部側及び後部側に仕様や数量等が異なるサスペンションや車輪等が配置され、車両用車枠1が上下から車体や車軸等に挟まれているために、サイドメンバ2は車両用車枠1の幅方向或いは上下方向に屈曲される変化部を有している。従って、図14に示す車両用車枠1では、バンパー等を介してサイドメンバ2に衝撃荷重が作用した場合には、サイドメンバ2が変化部にて折れ曲がることになる。
【0003】
このようなサイドメンバの変化部における折れ曲がり変形を防止し、車両衝突時等の衝撃エネルギを吸収するために、例えば特許文献1では、サイドメンバの前端部に筒状の衝撃吸収部材を設け、その衝撃吸収部材の壁面に凹状或いは凸状の壁面ビードを設けると共に、衝撃吸収部材における周方向に隣接する二つの壁面がなす角部に、凹状の角ビードを設けたものが提案されている。
【0004】
特許文献1によれば、車両衝突時に衝撃吸収部材が衝撃荷重を受けて、ビードによって衝撃吸収部材が前端部から順次圧壊されるようにすることで、サイドメンバの折れ曲がりを防止し、車両衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
【0005】
ところで、特許文献1に記載のビードを成形するためには、衝撃吸収部材におけるビード近傍の部分を局所的に伸ばさなくてはならず、降伏点が低く(伸び易く)、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが起き難い高級材を使用する必要が生じるため、材料費が増加する。また成形し難い高強度材(高張力材)を使用することができないため、薄肉化による軽量化等が制約される。
【0006】
【特許文献1】特開平3−94137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、図12及び図13に示すような車両用車枠の衝撃吸収構造20について先に出願した(特願2006−280149)。
【0008】
図12及び図13に示すように、衝撃吸収構造20は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材21を備えている。衝撃吸収部材21は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(図示例では、四つ)の外面部22a、22bを有する角筒状に形成されている。
【0009】
衝撃吸収部材21には、全周に渡って環状のビード23が設けられている。ビード23は、衝撃吸収部材21の周方向に隣接する二つの外面部22a、22bのうち一方の外面部22aでは凹条24aをなし、他方の外面部22bでは凸条24bをなしている。衝撃吸収部材21は、ビード23における断面の周長と、ビード23が設けられていない外面部22a、22bにおける断面の周長とが略等しくなっている。
【0010】
この衝撃吸収部材21によれば、衝撃吸収部材21(溝形部材25、26)のプレス成形時に局所的な材料の伸び縮み変形を伴わず、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが生じにくいため、降伏点が低い(伸び易い)高級材を使用する必要はなく、材料費を低減することが可能となる。また、高強度材(高張力材)を使用することができ、薄肉化により軽量化等を図ることが可能となり、薄肉化しない場合には重量増とすることなく衝撃エネルギの吸収量を増加させることが可能となる。
【0011】
ところで、図12及び図13に示す衝撃吸収部材21では、ビード23を座屈の基点として衝撃吸収部材21を座屈させることにより、初期衝撃荷重を低減する効果はあるが、衝撃エネルギの吸収量を増加させる余地が残る。
【0012】
そこで、本発明の目的は、衝撃エネルギの吸収効率が高い車両用車枠の衝撃吸収構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、車両用車枠の前後方向に延出する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の外面部にそれぞれ、上記衝撃吸収部材の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部を、上記衝撃吸収部材の長手方向に複数連続して設けたものである。
【0014】
ここで、上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する上記張出し面部がなす角部に、上記衝撃吸収部材における上記張出し面部の横断面の周長が上記衝撃吸収部材の長手方向に隣接する張出し面部間の節部の横断面の周長と略等しくなるように、上記衝撃吸収部材の内側に凹む縦断面略アーチ状の凹面部を設けても良い。
【0015】
また、上記角部の稜線が略鎖状形状に形成されても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、衝撃エネルギの吸収効率が高い衝撃吸収構造を提供することができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図4(a)は図3(c)のIVa−IVa線矢視断面図であり、図4(b)は図3(c)のIVb−IVb線矢視断面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る衝撃吸収構造10は、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けられた衝撃吸収部材11を備えている。衝撃吸収部材11は、車両衝突時等に衝撃荷重を受けて、その衝撃荷重により圧壊されるものである。本実施形態では、衝撃吸収部材11は、サイドメンバ2に一体に設けられている。
【0020】
図2及び図3に示すように、衝撃吸収部材11は、車両用車枠1の前後方向に延出する複数(本実施形態では、四つ)の外面部12aを有する角筒状に形成されている。
【0021】
衝撃吸収部材11の外面部12aにはそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状(図3(a)及び図3(c)参照)の張出し面部13が、衝撃吸収部材11の長手方向(車両用車枠1の前後方向)に複数(本実施形態では、三つ)連続して設けられている。衝撃吸収部材11の長手方向に連続して設けられる張出し面部13の数は、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
【0022】
各張出し面部13は、衝撃吸収部材11に長手方向(車両用車枠1の前後方向)に所定長さLで設けられている。上記の長さLは、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
【0023】
本実施形態では、衝撃吸収部材11の周方向に隣接する張出し面部13がなす角部12bには、張出し面部13における横断面の周長が衝撃吸収部材11の長手方向に隣接する張出し面部13間の節部14や端部等の他の部分における横断面の周長と略等しくなるように、衝撃吸収部材11の内側に凹む縦断面略アーチ状(図3(a)及び図3(c)参照)の凹面部15が設けられている。
【0024】
即ち、本実施形態では、衝撃吸収部材11は、張出し面部13及び凹面部15における横断面の周長と、節部14や端部等の他の部分における横断面の周長とが略等しくなっている(図4参照)。
【0025】
本実施形態では、衝撃吸収部材11は、張出し面部13の中心と凹面部15の中心とを結ぶ横断面が略八角形状となっており(図4(b)参照)、節部14での横断面が略四角形状となっている(図4(a)参照)。
【0026】
また、角部12bを衝撃吸収部材11の内側に凹むように形成することにより、角部12bの稜線が衝撃吸収部材11の周方向に二ヶ所形成されることとなり、その角部12bの稜線は略鎖状形状(或いは∞字形状)に形成される。
【0027】
本実施形態では、衝撃吸収部材11の長手方向(車両用車枠1の前後方向)に連続して複数設けられた張出し面部13の高さHを、全て略等しくしている。上記の高さHは、車両用車枠1の断面形状、肉厚、材質等に応じて、所望の衝突エネルギの吸収量が得られるように決定される。
【0028】
本実施形態では、衝撃吸収部材11は、一対の溝形部材16、17を互いに向かい合わせて、それら溝形部材16、17のフランジ部同士を溶接、リベット或いはボルト・ナット等により接合してなる。
【0029】
また、本実施形態では、一対の溝形部材16、17のうち一方の溝形部材16の内側のウェブ幅が、他方の溝形部材17の外側のウェブ幅と略等しくなっており、上記の一方の溝形部材16が他方の溝形部材17の外側に重ね合わせられている。
【0030】
ここで、本実施形態では、衝撃吸収部材11を構成する溝形部材16、17は、金属板をプレス成形してなり、張出し面部13及び凹面部15における横断面の周長がプレス成形前の横断面の周長(金属板の板幅)と略等しくなっている。つまり、衝撃吸収部材11を構成する溝形部材16、17は、プレス成形の際、材料の局所的な伸び縮み変形を伴うことがない。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
バンパー(図示せず)等を介して衝撃吸収部材11に車両用車枠1の前後方向の前方から後方に向けて衝撃荷重F(図2参照)が作用すると、まず、衝撃吸収部材11は、最も後方側の張出し面部13及び凹面部15の部分が車両用車枠1の前後方向の後方に向かい潰される。衝撃吸収部材11における最も後方側の張出し面部13(及び凹面部15)の部分は、圧壊により長さLが減少し、且つ、高さHがより大きくなるように変形する。
【0033】
衝撃吸収部材11における最も後方側の張出し面部13及び凹面部15の部分が潰れたならば、続いて、衝撃吸収部材11における最も後方側の張出し面部13の前方の張出し面部13(及び凹面部15)の部分が順次潰されていく。衝撃吸収部材11全体としては、最も後方側の張出し面部13を基点として順次前方に向かい蛇腹状に潰されていく。
【0034】
ここで、図14で示したような従来のサイドメンバ2では、サイドメンバ2が車両衝突時等に座屈変形を起こすと、図11(a)に示すように、上下面及び左右側面のうち一方(図示例では、上下面)が外側に向かい膨らむ場合、他方(図示例では、左右側面)が変形抵抗が少ない内側に向かい凹むこととなり、サイドメンバ2全体としては横断面周長差(変形抵抗)がほとんど発生しないように変形するので、サイドメンバ2の座屈中に断面積や断面係数が減少する。
【0035】
他方、本実施形態では、衝撃吸収部材11の外面部12aにそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部13を設けている。即ち、本実施形態では、衝撃吸収部材11における角部12bを除く上下面及び左右側面(張出し面部13)の全てに外側に向かい膨らむように見込みを入れているので、衝撃吸収部材11が車両衝突時等に座屈変形を起こすと、図11(b)に示すように、角部12bを除く上下面及び左右側面(張出し面部13)の全てが外側に膨らむこととなり、衝撃吸収部材11全体としては横断面周長差(変形抵抗)が発生するように変形するので、衝撃吸収部材11の座屈中に張出し面部13において断面積や断面係数が減少することはない。従って、本実施形態によれば、適度な変形抵抗を伴い衝撃吸収部材11を潰すことで、衝撃エネルギの吸収効率を高めることが可能となる。
【0036】
また、張出し面部13を衝撃吸収部材11の長手方向に複数連続して設けることで、それら張出し面部13が順次潰されることとなり、衝撃吸収部材11の座屈中に荷重抜けなど塑性座屈による座屈荷重(耐力)の低下を抑制して、衝撃エネルギの吸収効率を高めることが可能となる。
【0037】
次に、他の実施形態について説明する。
【0038】
図6は、他の実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。図7は、他の実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。図8は、他の実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図9(a)は図8(c)のIXa−IXa線矢視断面図であり、図9(b)は図8(c)のIXb−IXb線矢視断面図である。
【0039】
図1の実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
衝撃吸収部材11の外面部12aにはそれぞれ、衝撃吸収部材11の外側に張り出す縦断面略アーチ状(図8(a)及び図8(c)参照)の張出し面部13が、衝撃吸収部材11の長手方向(車両用車枠1の前後方向)に二つ連続して設けられている。
【0041】
図1の実施形態では、衝撃吸収部材11の端部を横断面略四角形状に形成していたが、図6の実施形態では、衝撃吸収部材11の端部を横断面略八角形状に形成している。
【0042】
この実施形態によっても、図1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
ところで、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11を構成する各溝形部材16、17は、金属板をプレス成形してなり、張出し面部13及び凹面部15における横断面の周長がプレス成形前の横断面の周長と略等しくなっている。そのため、衝撃吸収部材11を構成する各溝形部材16、17をプレス成形する際に、局所的な材料の伸び縮み変形を伴うことがない。
【0044】
従って、上述の実施形態によれば、プレス成形時にネッキング等の板厚減少や割れが生じにくいため、降伏点が低い(伸び易い)高級材を使用する必要はなく、材料費を低減することが可能となる。また、高強度材(高張力材)を使用することができ、薄肉化により軽量化等を図ることが可能となり、薄肉化しない場合には重量増とすることなく衝撃エネルギの吸収量を増加させることが可能となる。
【0045】
また、プレス成形時のスプリングバックを微量に抑制することができるため、スプリングバックの見込み量を金型に反映する必要がなく、金型費を低減することが可能となる。また、プレス成形後にリストライク工程を追加する必要がなく、成形加工費を低減することが可能となる。
【0046】
また、プレス成形時に局所的な材料の伸び縮み変形を伴うと、溝形部材16、17の端部にバラツキが発生し、プレス成形後に溝形部材16、17の端部をトリムカットするトリムカット工程を追加する必要があるところ、上述の実施形態では、プレス成形の際に溝形部材16、17の端部にバラツキが発生しにくくなるため、プレス成形後にトリム工程を追加する必要がなく、材料の歩留まりを向上させ、材料費を低減することが可能となる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【0048】
例えば、車両用車枠1の前後方向に複数設けられた張出し面部13のうち特定の張出し面部13だけを、その高さHが他の張出し面部13に比べて大きくなるようにしても良い。このようにすることにより、初期衝撃荷重を低減させると共に、衝撃吸収部材11における圧壊開始の箇所を制御することができる。衝撃吸収部材11における上記他の張出し面部13は上記特定の張出し面部13に比べて潰れ難くなるが、上記他の張出し面部13は、上記特定の張出し面部13が潰れた影響で容易に潰される。即ち、二番目以降に潰れる上記他の張出し面部13を、その高さHが適度に小さくなるようにすることにより、先に潰れた上記特定の張出し面部13の変形の影響を最小限に抑え、変形抵抗の過度の減少を抑制できるので、効果的に衝撃エネルギを吸収することが可能となる。
【0049】
また、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2に一体に設けるとしたが、これには限定はされず、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2とは別体で形成して、サイドメンバ2に溶接、リベット或いはボルト・ナット等により取り付けるようにしても良い。この場合には、衝撃吸収部材11の成形方法はプレス成形に限定されず、ロール成形やハイドロフォーム等の適用が可能となる。
【0050】
また、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11は、ウェブ幅の異なる一対の溝形部材16、17を重ね合わせてなるとしたが、これには限定はされず、図5(a)、図10(a)に示すように、衝撃吸収部材11が、ウェブ幅が等しい一対の溝形部材16、17を重ねてなっても良く、図5(b)、図10(b)に示すように、衝撃吸収部材11が、ウェブ幅が等しい一対の溝形部材16、17を突き合わせてなっても良く、図5(c)、図10(c)に示すように、衝撃吸収部材11が、一つの筒状部材18からなっても良い。
【0051】
さらに、上述の実施形態では、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2の前端部に設けるとしたが、これには限定はされず、衝撃吸収部材11を、車両用車枠1のサイドメンバ2の後端部に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【図4】(a)は図3(c)のIVa−IVa線矢視断面図であり、(b)は図3(c)のIVb−IVba線矢視断面図である。
【図5】(a)から(c)は、変形例に係る衝撃吸収部材の正面図である。
【図6】他の実施形態に係る衝撃吸収構造を適用した車両用車枠の斜視図である。
【図7】他の実施形態に係る衝撃吸収部材の斜視図である。
【図8】他の実施形態に係る衝撃吸収部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【図9】(a)は図8(c)のIXa−IXa線矢視断面図であり、(b)は図8(c)のIXb−IXb線矢視断面図である。
【図10】(a)から(c)は、変形例に係る衝撃吸収部材の正面図である。
【図11】衝撃荷重入力時の変形状態を説明するための図である。
【図12】車両用車枠の斜視図である。
【図13】衝撃吸収部材の斜視図である。
【図14】従来の車両用車枠の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 車両用車枠
10 衝撃吸収構造
11 衝撃吸収部材
12a 外面部
12b 角部
13 張出し面部
15 凹面部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用車枠の前後方向に延出する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の外面部にそれぞれ、上記衝撃吸収部材の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部を、上記衝撃吸収部材の長手方向に複数連続して設けたことを特徴とする車両用車枠の衝撃吸収構造。
【請求項2】
上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する上記張出し面部がなす角部に、上記衝撃吸収部材における上記張出し面部の横断面の周長が上記衝撃吸収部材の長手方向に隣接する張出し面部間の節部の横断面の周長と略等しくなるように、上記衝撃吸収部材の内側に凹む縦断面略アーチ状の凹面部を設けた請求項1に記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
【請求項3】
上記角部の稜線が略鎖状形状に形成される請求項2に記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
【請求項1】
車両用車枠の前後方向に延出する角筒状の衝撃吸収部材を備えた車両用車枠の衝撃吸収構造であって、上記衝撃吸収部材の外面部にそれぞれ、上記衝撃吸収部材の外側に張り出す縦断面略アーチ状の張出し面部を、上記衝撃吸収部材の長手方向に複数連続して設けたことを特徴とする車両用車枠の衝撃吸収構造。
【請求項2】
上記衝撃吸収部材の周方向に隣接する上記張出し面部がなす角部に、上記衝撃吸収部材における上記張出し面部の横断面の周長が上記衝撃吸収部材の長手方向に隣接する張出し面部間の節部の横断面の周長と略等しくなるように、上記衝撃吸収部材の内側に凹む縦断面略アーチ状の凹面部を設けた請求項1に記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
【請求項3】
上記角部の稜線が略鎖状形状に形成される請求項2に記載の車両用車枠の衝撃吸収構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−149906(P2008−149906A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340145(P2006−340145)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(390001579)プレス工業株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(390001579)プレス工業株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
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