説明

車両盗難情報提供システム、車両盗難情報提供装置、車両盗難情報提供方法およびプログラム

【課題】通信コストがかかることなく、別途識別情報のIDを設定・管理すること無く、確実に盗難車両の発見を可能とする。
【解決手段】車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置され各種の情報を無線通信にて送受信する路側無線装置100と、路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両に搭載された車載器200とを有する車両盗難情報提供システムにおいて、車載器は、車両を特定するIDを記憶するID記憶手段と、所定の条件を満足したとき車両が盗難されるまたはされたと判断する判断手段と、車載器と路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、ID記憶手段に記憶されたIDを、路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、を備え、上記路側無線装置は、車載器から送信されたIDを受信する対車載器受信手段と、IDを、管理サーバ300またはネット網に送信する対サーバ通信制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両盗難情報提供システム、車両盗難情報提供装置、車両盗難情報提供方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の盗難防止装置は、従来から極めて多くの装置が知られており、その多くは現在実際に市販されている。例えば、ハンドルのロックまたはホィールをロックする機械的な方法の他に、各種電子的な自動車用盗難防止システムが開発され多くのものは商品化されている。
【0003】
一般的な自動車用盗難防止システムとしては、駐車中の自動車に何らかの異常があった場合に、車両の各所に設置されているセンサが異常を検知し、サイレン、またはライトの点滅等により警報を発して所有者に異常を知らせる方式が従来から知られている。
【0004】
しかしながら、このような従来の方式では、自動車を何らかの方法で、駐車位置から移動させられた場合には対応、例えば、移動された車両の追尾等をすることができない。
【0005】
そこで、車両内に設けられた盗難検出装置により盗難が検出されると、緊急サービスセンタに通報すると共に、カーナビゲーションにて、GPS(Global Positioning System:全地球無線測位システム)等から提供される時々刻々と変化する車両位置情報に基づいて走行履歴を生成し、該走行履歴を定期的に緊急サービスセンタに通報する緊急通報システム(車両盗難情報提供システム)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−155887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の車両盗難情報提供システムでは、緊急サービスセンタへの通知に携帯電話(車載電話等)を用いており、携帯電話が通信圏外となった場合に緊急サービスセンタへの通知ができなくなったり、通信手段に携帯電話機を使用しているため、通信コスト(通信費用等)がかかってしまうという問題が生じている。また、緊急サービスセンタに通知する際に必要となる識別情報ID(盗難防止装置のID、例えば車両ID等)を別途設定し、管理しなければならないという問題がある。
【0007】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたもので、安定して管理サーバと通信可能で、通信コストがかかることなく、別途識別情報となるIDを設定・管理する必要が無く、確実に盗難車両を追尾・発見することが可能な車両盗難情報提供システム、車両盗難情報提供装置、車両盗難情報提供方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の車両盗難情報提供システムは、車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置され各種の情報を無線通信にて送受信する路側無線装置と、該路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両に搭載された車載器と、を有する車両盗難情報提供システムにおいて、車載器は、車両を特定する車載器IDを記憶する車載器ID記憶手段と、所定の条件を満足したとき車両が盗難されるまたはされたと判断する判断手段と、車載器と路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、車載器ID記憶手段に記憶された車載器IDを、路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、を備え、路側無線装置は、車載器から送信された車載器IDを受信する対車載器受信手段と、車載器IDを、管理サーバまたはネット網に送信する対サーバ通信制御手段と、を備える。
【0009】
また、本発明の車両盗難情報提供システムは、上述の発明において、車載器より取得された情報を路側無線装置を介して送受信する管理サーバをさらに有し、車載器は、自己の位置情報を時々刻々と取得する位置取得手段と、位置取得手段にて取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成手段と、車両が移動を開始したことを検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出手段と、センサから所定の情報通知が有った場合、該所定の情報通知および走行履歴情報を記憶する走行履歴情報記憶手段と、所定の情報通知が出力され、且つ車両移動検出手段からの車両移動検出信号が検出された場合、車両が盗難されるまたはされたと判断し、車載器と路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、車載器ID記憶手段に記憶された車載器ID、走行履歴情報記憶手段に記憶された所定の情報通知および走行履歴情報を、路側無線装置に送信する前記対路側無線装置送信手段と、を備え、路側無線装置は、車載器から送信された車載器ID、所定の情報通知および走行履歴情報記憶手段に記憶された走行履歴情報を受信する対車載器受信手段と、車載器から対車載器受信手段にて受信された情報を記憶する情報記憶手段と、情報記憶手段に記憶された情報を管理サーバに送信する対サーバ通信制御手段と、を備える。
【0010】
また、本発明の車両盗難情報提供システムは、上述の発明において、センサは、車両盗難防止装置に配置され、所定の情報通知は、車両盗難情報である。
【0011】
また、本発明の車両盗難情報提供装置は、車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置された路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両盗難情報提供装置であって、車両を特定する車載器IDを記憶する車載器ID記憶手段と、車両が盗難されたことまたは盗難されそうになったことを検出すると、車両盗難情報を出力する車両盗難防止装置と、車両が移動を開始したことまたは移動開始が準備されたことを検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出手段と、車両盗難防止装置より車両盗難情報が出力され、且つ車両移動検出手段からの車両移動検出信号が検出された場合、車両盗難情報提供装置と路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、車載器ID記憶手段に記憶された車載器IDおよび車両盗難情報を、路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、を備える。
【0012】
また、本発明の車両盗難情報提供装置は、上述の発明に加えて、自己の位置を時々刻々と取得する位置取得手段をさらに備え、位置取得手段にて取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成手段と、走行履歴情報および車両盗難情報を記憶する走行履歴情報記憶手段と、車両盗難防止装置より車両盗難情報が出力され、且つ車両移動検出手段からの車両移動検出信号が検出された場合、車載器ID記憶手段に記憶された車載器ID、走行履歴情報記憶手段に記憶された車両盗難情報および走行履歴情報を、車両盗難情報提供装置と路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、を備える。
【0013】
また、本発明の車両盗難情報提供方法は、車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置された路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両盗難情報提供装置の車両盗難情報提供方法であって、自己車両の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成ステップと、車両の移動または車両の移動の準備を検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出ステップと、車両の盗難をまたは盗難されそうになったことを検出し、車両盗難情報を出力する車両盗難検出ステップと、車両盗難情報が出力された状態で、且つ車両移動検出信号が検出された場合、車両を特定する車載器ID、車両盗難情報および走行履歴情報を、車両盗難情報提供装置と路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、路側無線装置に送信する送信ステップと、を含むものである。
【0014】
また、本発明の車両盗難情報提供プログラムは、コンピュータを、自己の位置を時々刻々と取得する位置取得手段、位置取得手段にて取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成手段、車両を特定する車載器IDを記憶する車載器ID記憶手段、車両が移動または車両の移動の準備を開始したことを検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出手段、車両が盗難または盗難されそうになったことを検出すると、車両盗難情報を出力する車両盗難情報出力手段、走行履歴情報および車両盗難情報を記憶する走行履歴情報記憶手段、車両盗難情報が出力された状態で、且つ車両移動検出信号が検出された場合、車載器ID記憶手段に記憶された車載器ID、走行履歴情報記憶手段に記憶された車両盗難情報および走行履歴情報を、車両に搭載された車載器と路側に設置された路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段、として機能させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安定して管理サーバと通信可能で、通信コストがかかることなく、また、別途識別情報のIDを設定・管理する必要が無く、確実に盗難車両を追尾・発見することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る車両盗難情報提供システムについて、ITS(Intelligent Transport Systems)システムを例に説明する。まず最初に、車両盗難情報提供システムの構成について説明し、次に動作について説明する。
【0017】
[車両盗難情報提供システム(ITSシステム)の構成]
ITSシステムは、図1に示すように、道路、駐車場などの車両が通行する場所の近傍に配置された路側無線装置100と、車両に搭載される車載器200と、路側無線装置100と情報を送信する情報提供サーバ(管理サーバ)300とを有する。ここで車載器200は、路側無線装置100との間でリンクが成立したタイミング(路側無線装置100の通信範囲内に入ったタイミング)にて通信を行って車両の乗車者に交通情報等を提供したり、車両IDの一種である車載器ID(詳細は後述)や車両の盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を路側無線装置100に送信する車両盗難情報提供装置である。情報提供サーバ300は、種々の情報を生成して路側無線装置100に供給すると共に、路側無線装置100より車載器IDや車両の盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を受信する。
【0018】
図1に示す各路側無線装置100は、いわゆる電波ビーコン、光ビーコン等から構成され、道路近傍や駐車場等に配置され、交通情報配信等を、近傍(路側無線装置100の通信圏内)を通過する車両の車載器200に対して、DSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)方式によって送信(ダウンリンク)すると共に、車載器200からの送信データ(アップリンクデータ)を受信し、情報提供サーバ300に供給する。
【0019】
各路側無線装置100は、情報提供サーバ300から送信されてくるデータであって車載器200への送信対象となるコンテンツデータと再生制御データとを記憶し、記憶したコンテンツデータと再生制御データとを車載器200へ無線送信する。
【0020】
ここで、再生制御データは、コンテンツデータを再生するための条件や位置を指示するためのデータである。また、コンテンツデータと再生制御データは、それぞれ、ヘッダ情報を有している。
【0021】
路側無線装置100は、このような機能を達成するため、図2に示すように、対車載器機受信手段である対車載器無線通信部101、対サーバ通信制御手段である対サーバ通信制御部102、記憶装置103、制御部104、ROM105、RAM106、システムバス107、および、情報記憶手段である情報記憶部108を備える。
【0022】
対車載器無線通信部101は、電波信号、光信号等の無線信号により近傍(路側無線装置100の通信圏内)を通過する車両に設置された車載器200との間で情報を交信する。対車載器無線通信部101は、例えば、情報提供サーバ300より提供された交通情報を車載器200に送信する。また、対車載器無線通信部101は、車載器200から送信されてくる車両ID(路側無線装置100と車載器200間のリンクを確立する際に送受信されるパケットや車載器200がデータを路側無線装置100へアップロードする際のパケット等のヘッダ部に乗せられる車両を識別するためのID:車載器ID)や車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等の情報を受信する。
【0023】
なお、車載器IDは、車載器毎に設定されているIDであって、認証期間に車両と対応付けられて登録される。すなわち、車載器IDは、車両を識別するためのIDの一種であるといえる。このため、車載器IDからは、個人情報を取得することが可能である。また、取得された情報(車載器ID等)は、情報提供サーバ300または他の管理サーバ等が、盗難車両情報を該車両の所有者や、警察等に通知等する際に使用される。
【0024】
対サーバ通信制御部102は、ITS通信網NW2を介して情報提供サーバ300に接続され、情報提供サーバ300から送信される交通情報を受信し、記憶装置103に保存する制御を行う。また、対サーバ通信制御部102は、自機が取得した交通情報や車載器IDや車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を、情報提供サーバ300に提供する制御を行う。
【0025】
記憶装置103は、情報提供サーバ300から受信した交通情報や、自機固有の交通情報や車載器IDや車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を格納する。
【0026】
制御部104は、プロセッサ等から構成され、路側無線装置100全体の動作を制御する。特に、制御部104は、記憶装置103に格納されている交通情報を、対車載器無線通信部101から送信する制御や、対車載器無線通信部101を介して取得した情報を記憶装置103に格納する制御を行う。
【0027】
また、制御部104は、記憶装置103に格納されている自機が取得した交通情報を、対サーバ通信制御部102及びITS通信網NW2を介して情報提供サーバ300に送信し、また、情報提供サーバ300から対サーバ通信制御部102を介して取得した情報を記憶装置103に格納する制御を行う。
【0028】
また、制御部104は、車載器200からアップリンクされた情報(車載器IDや車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等)を、対車載器無線通信部101を介して取得し、情報記憶部108に格納する。
【0029】
ROM105は、この路側無線装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)や動作プログラムや各種のデータを記憶する。RAM106は、制御部104のワークエリアとして機能する。
【0030】
システムバス107は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。情報記憶部108は、車載器200からアップリンクされた情報を保存する。
【0031】
図3に示す車載器200は、各車両に設置され、例えば、カーナビゲーション装置と一体に構成される。一般的なカーナビゲーションの機能と共に路側無線装置100から送信された交通情報を再生して報知する機能、および、当該車両が盗難されたことを検知し路側無線装置100に通知する機能を備える。
【0032】
このため、車載器200は、自己の位置を判別し、路側無線装置100から無線通信を介して送信されてくるコンテンツデータとコンテンツデータの再生する位置を指示する再生制御データとを受信する。そして、車載器200は、判別された自己の位置と受信した再生制御データが指示する再生位置とが一致したことを検出すると、コンテンツデータを再生する。
【0033】
また、車載器200は、自己(車両)が盗難されたことを検知する(後述)。そして、路側無線装置100に所定のデータ構成からなるパケットに、車載器IDや車両盗難情報や車両の盗難経路・現在の車両の位置等を示す走行履歴情報を乗せて路側無線装置100に通知(アップリンク)する。なお、盗難経路とは、盗難(された)車両が走行してきた走行履歴をいう。
【0034】
車載器200は、図3に示すように、大枠で、ITS車載器200Aと車両盗難防止装置20Bとから構成される。
【0035】
ITS車載器200Aは、通信部201、音声処理部202、出力部203、操作部204、I/O(Input/Output)装置205、記憶装置206、制御部207、ROM208、RAM209、システムバス210、対路側無線装置送信手段である対路側無線装置無線通信部211、走行履歴情報生成手段および走行履歴情報記憶手段としての機能を有するナビゲーション部212を含む。なお、走行履歴情報生成手段としての機能は、制御部207が持っていてもよい。
【0036】
通信部201は、少なくとも、GPS(Global Positioning System)モジュール201a、DSRCモジュール201bを含む。
【0037】
GPSモジュール201aは、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、位置取得手段である制御部207に供給する。
【0038】
DSRCモジュール201bは、路側無線装置100との間でDSRC方式により通信を行う。
【0039】
音声処理部202は、制御部207から入力されたディジタルオーディオ信号をD/Aコンバータ(図示せず)でアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ222に出力する。また、音声処理部202は、マイクロフォン223から入力された音声をA/Dコンバータ(図示せず)でディジタルオーディオ信号に変換して、制御部207に入力する。これにより、ユーザはナビゲーション音声を聞いたり、音声を入力したりすることができる。また、車両窃盗者に対して音声による警告を行うことができる。
【0040】
出力部203は、モニタ装置等を備え、通信部201により取得されたナビゲーション画像やTV画像、あるいは記憶装置206等に予め記憶されたマップ画像などを表示する。また、車両盗難者に対して画像や文字等による警告を行う。
【0041】
操作部204はタッチパネル式入力装置などから構成され、ユーザによる指示入力に基づいて指示入力信号を生成して、制御部207に入力する。例えば、操作部204は、後述する暗証番号による本人認証(当該車両を運転する権限を有するか否かを判断するための認証)の際の暗証番号の入力(データ入力手段)に使用される。
【0042】
I/O装置205は、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)ドライブ(図示せず)を含み、所定の地図情報などを納めたDVD−ROMやCD−ROMからデータを読み出して記憶装置および/または制御部207に入力する。
【0043】
また、I/O装置205は、速度センサ、走行距離センサ、方位センサ等の複数のセンサ(図示せず)の検出信号を入力し、制御部207に供給する。
【0044】
また、I/O装置205には、車両盗難防止装置200Bが接続され、制御部207は、I/O装置205を介して車両盗難情報等を入力し、ナビゲーション部212に記憶する。
【0045】
記憶装置206は、ハードディスクドライブ(HDD)を含み、所定の地図情報(マップデータ)や各種設定情報などを記憶する。なお、記憶装置206は、メモリカードなどの他のメモリを備えていてもよい。制御部207は、地図情報を記憶したDVD−ROM等の記憶媒体から随時この地図情報を読み出してもよいし、記録媒体から予めこの地図情報を読み出して記憶装置206に書き込んでおく(インストールしておく)ようにしてもよい。制御部207は、さらに、路側無線装置100から地図情報をダウンロードして記憶装置206に保存するようにしてもよい。
【0046】
制御部207は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、ITS車載器200A全体の動作を制御する。
【0047】
また、制御部207は、方向センサ(図示省略)の出力をI/O装置205を介して取り込み、現在の車両の進行方向を判別する。また、制御部207は、距離センサ(図示省略)の出力から走行距離を求める。また、制御部207は、DSRCモジュール201bを介して路側無線装置100からの交通情報を受信し、受信した交通情報に含まれている再生タイミング制御データ(パラメータ)に基づいて、これを再生する。尚、制御部207は、コプロセッサ等を備えても良い。
【0048】
さらに制御部207は、車両盗難防止装置200Bの出力(車両盗難情報等)が、I/O装置205を介して取り込まれた場合、車両盗難情報を、ナビゲーション部212に一時的に記憶し、対路側無線装置無線通信部211と、路側無線装置100の対車載器無線通信部101とのリンクが成立したときに、記憶装置206に記憶された車載器IDおよびナビゲーション部212に一時記憶された車両盗難情報および最新の走行履歴情報を読み出し、対路側無線装置無線通信部211(後述)を介して路側無線装置100の対車載器無線通信部101に送信(アップリンク)する。
【0049】
また、車両移動検出手段としての機能を有する制御部207は、例えば、GPSモジュール201aより得た車両の位置情報から、車両が移動を開始したか否か検出し、車両の移動が検出された場合、所定の車両移動検出信号を生成し、車両盗難防止装置200B内の制御部225にI/O装置205を介して通知(出力)する。
【0050】
ROM208は、車載器200全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)のプログラムや動作プログラムや各種のデータが記録される。
【0051】
RAM209は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、通信部201により取得されたデータ、DVD−ROMから読み出したデータ等が一時的に保持される。また、制御部207は、RAM209をワークメモリとして使用する。
【0052】
対路側無線装置無線通信部211は、制御部207の制御のもと、記憶装置206に記憶された車載器IDおよびナビゲーション部212に記憶されたデータを、路側無線装置100の対車載器無線通信部101とリンクが成立したときに、送信(アップリンク)する。
【0053】
ナビゲーション部212は、GPSモジュール201aを介して受信したGPS信号に基づいて、自己の現在位置(位置情報)を判別し、この時々刻々と変化する位置情報から走行履歴情報(盗難車の盗難経路や現在位置情報等)を生成する。そして、例えば、データが更新されるたびに、最新の自己の位置情報や、I/O装置205を介して車両盗難防止装置200Bより取り込まれた車両盗難情報や、生成された走行履歴情報等を一時記憶する。なお、走行履歴情報の生成は、制御部207が行うようにしてもよい。以降、走行履歴情報の生成は、制御部207が行うものとして説明する。
【0054】
システムバス210は、上記各部を相互に接続し、命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0055】
車両盗難防止装置200Bは、制御部225、撮像手段である撮像部226、ICカード(クレジットカード等)挿入部227、暗証番号記憶部228、顔写真記憶手段である顔写真データ記憶部229、指紋読み取り部230、指紋情報記憶部231、エンジン始動状況検出部232、車両盗難情報出力部233、および不図示のROM,RAMにより構成される。
【0056】
制御部225は、車両盗難防止装置200B全体を制御する。後述するが、例えば、当該車両の運転を許可された者か否かを各種センサ群(撮像部226、ICカード挿入部227、指紋読み取り部230、および、エンジン始動状況検出部232等)からの出力により判断し、許可された者ではないと判断された場合、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。尚、各種センサ群として、本実施の形態では、例として上述の4種類のセンサを挙げているが、これらに限られるものではない。また、この4種類の中のいずれか1つとしてあるが、いずれか複数を採用してもよい。また、本実施の形態では、上述のセンサによる車両盗難情報の提供以外に、例えば、暗証番号認証による車両盗難情報の提供も行う(後述)が、この情報提供を行わないものとしてもよい。また、上述の車両の盗難を検出する各種センサ群やその他の盗難検出手段は、車両盗難防止装置200Bに備えられるが、制御部225は、これら各種センサ群や盗難検出手段により車両が盗難されるまたはされたと判断する判断手段としても機能する。
【0057】
撮像部226は、例えば、当該車両の運転席等に座った者の顔写真を撮像し、制御部225に出力する。制御部225は、顔写真記憶手段である顔写真データ記憶部229(後述)に予め記憶された車両の所有者や運転許可者の顔写真データを読み出し、撮像部226にて撮像された顔写真と比較し、顔写真データ記憶部229に記憶された顔写真データの中に、撮像部226にて撮像された顔写真と一致するものがあるか否かを判断し、一致するものがないと判断された場合であって、ITS車載器200Aの制御部207より車両が移動を開始した旨の通知(車両移動検出信号)を受けると、車両盗難情報出力部233を制御して、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。尚、図4では、撮像部226が、車両盗難防止装置200Bの内部にあるとしているが、外部に設けるようにしてもよい。この点は、車両盗難防止装置200B内の他の部分も同様である。
【0058】
ICカード挿入部227は、ICカード(クレジットカード等、図示せず)がICカード挿入部227に挿入されると制御部225に対して所定の通知信号にて通知する。ICカードが挿入されている状態か否かを判別する判別手段としての機能を有する制御部225は、この通知が無い状態であって、ITS車載器200Aの制御部207より車両が移動を開始した旨(車両移動検出信号)の通知を受けると、車両盗難情報出力部233を制御し、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。
【0059】
暗証番号記憶部228は、当該車載器200を搭載した車両の所有者や運転許可者等を識別するための本人認証用の暗証番号を記憶する。制御部225は、ITS車載器200Aの操作部204より入力され、制御部207およびI/O装置205を介して入力された暗証番号(所定の入力信号)と、暗証番号記憶部228に記憶された本人認証用の暗証番号との比較を行い、認証されず(入力された暗証番号が暗証番号記憶部228に記憶された本人認証用の暗証番号の中に存在しない、すなわち一致するものが無い)と判断された状態、または、暗証番号が操作部204より入力されない(入力拒否された)状態であって、ITS車載器200Aの制御部207より車両が移動を開始した旨(車両移動検出信号)の通知を受けた場合、車両盗難情報出力部233を制御して、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。尚、車両盗難防止装置200Bに暗証番号入力部を設け、入力された暗証番号と暗証番号記憶部228に記憶されている暗証番号との比較を行うようにしてもよい。
【0060】
顔写真データ記憶部229は、当該車載器200を搭載した車両の所有者や運転許可者等の顔写真(データ)を記憶する。
【0061】
指紋読み取り手段である指紋読み取り部230は、当該車両を運転しようとする者の指紋データを取得し、制御部225に出力する。制御部225は、指紋情報記憶手段である指紋情報記憶部231(後述)に予め記憶された指紋データを読み出し、指紋読み取り部230にて指紋入力された指紋データとを比較し、指紋読み取り部230に記憶された指紋データの中に、指紋読み取り部230にて読み取られた指紋データと一致するものがあるか否かを判断する。そして、制御部225は、一致するものが無いと判断された状態、または、指紋読み取り部230に指紋入力が無い(指紋読み取りを拒否された)状態において、ITS車載器200Aの制御部207より車両が移動を開始した旨(車両移動検出信号)の通知を受けると、車両盗難情報出力部233を制御して、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。
【0062】
指紋情報記憶手段である指紋情報記憶部231は、当該車載器200を搭載した車両の所有者や運転許可者等の指紋データを記憶する。
【0063】
エンジン始動判別手段であるエンジン始動状況検出部232は、エンジンがどのように始動されたかを、エンジン制御部(図示せず)からの所定の通知信号に基づいて検出し、制御部225に通知する。制御部225は、この通知に基づいて、エンジンの始動が正常な方法(例えば、正規のキーの使用)にて始動されたものであるのか、或いは不正な方法(例えば、バッテリーを直結したり、イモビライザの回避等)により始動されたものであるのかを判断する。そして、制御部225は、エンジンの始動が不正な方法にて行われたと判断した状態であって、ITS車載器200Aの制御部207より車両が移動を開始した旨(車両移動検出信号)の通知を受けると、車両盗難情報出力部233を制御して、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。
【0064】
車両盗難情報出力部233は、制御部225の制御により、I/O装置205を介して、制御部207に車両盗難情報を出力する。
【0065】
情報提供サーバ300は、複数の路側無線装置100毎に、同一な情報や異なる情報となる交通情報を生成し配信すると共に、路側無線装置100より送信される車載器ID、車両盗難情報および盗難車両の走行履歴情報(盗難車両の逃走ルート情報等:後述)を受信する装置である。この情報提供サーバ300は、図5に示すように、入力部301、出力部302、一般網通信制御部303、対路側無線装置通信制御部304、記憶装置305、制御部306、ROM(Read Only Memory)307、RAM(Random Access Memory)308、およびシステムバス309を備える。
【0066】
入力部301は、キーボード、マウス、入力インタフェース等を備え、種々のデータや指示を入力する。
【0067】
出力部302は、表示装置などから構成され、データ、メッセージなどを表示する。
【0068】
一般網通信制御部303は、電話回線、インターネット等の一般通信網NW1を介して外部装置と交信し、種々の情報を取得したり、車載器IDや前述の車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を車両の所有者や警察等に通知する。
【0069】
対路側無線装置通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して複数の路側無線装置100に接続され、各路側無線装置100に交通情報を送信したり、路側無線装置100より送信される車載器ID、車両盗難情報および盗難車両の走行履歴情報等を受信する。また、対路側無線装置通信制御部304は、ITS通信網NW2を介して、その他の情報、例えば、路側無線装置100が車載器200との交信などにより得た車載器IDや車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報以外の情報も収集する。
【0070】
記憶装置305は、ハードディスク装置等の記憶部を備え、種々の交通情報や路側無線装置100が車載器200との交信などにより得た車載器IDや車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を格納する。また、記憶装置305は、各路側無線装置100の位置、アドレス等と共にその近傍の地理情報を記憶する。
【0071】
制御部306は、プロセッサ等から構成され、情報提供サーバ300全体の動作を制御する。また、制御部306は、記憶装置305に格納されている各種情報に基づいて、各路側無線装置100に、その路側無線装置100から配信する情報を作成し、対路側無線装置通信制御部304及びITS通信網NW2を介して各路側無線装置100に供給したり、必要に応じて、記憶装置305に格納されている前述の車載器IDや車両盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を、一般網通信制御部303および一般通信網NW1(電話回線、インターネット等)を介して車両の所有者や警察等に通知する。
【0072】
ROM307は、この情報提供サーバ300全体の動作制御に必要なオペレーティングシステム(OS)や動作プログラムや各種のデータを記憶する。RAM308は、制御部306のワークエリアとして機能する。システムバス309は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。
【0073】
次に、ITSシステムの動作について、図2〜5を適宜参照しながら説明を行う。
【0074】
[車両盗難情報提供システム(ITSシステム)の動作]
まず、図6のフローチャートを参照して、車両盗難情報提供システムの動作について説明する。
【0075】
車載器200の電源がオンになると、車載器200の制御部207は、まず、車両の位置情報を、GPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信されるGPS信号に基づいて、自己の現在位置(位置情報)を取得して(ステップS10)、処理をステップS11に移す。
【0076】
ステップS11に移行すると、制御部207は、上述のGPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信される、時々刻々と変化する車両の位置情報から走行履歴情報(盗難車の盗難経路や現在位置情報等)を生成する。また、制御部207は、走行履歴情報のデータが更新されるたびに、最新の自己の位置情報と共に、その走行履歴情報を、ナビゲーション部212に記憶し、処理をステップS12に移す。
【0077】
ステップS12に移行すると、制御部207は、車両盗難防止装置200Bの車両盗難情報出力部233から、車両盗難情報の入力が有ったか否かを調べる。車両盗難情報の入力が無かった場合には制御部207は、その処理をステップS10に戻し、車両盗難情報の入力が有った場合には、該車両盗難情報をナビゲーション部212に記憶し(ステップS13)、処理をステップS14に移す。
【0078】
ステップS14に移行すると、制御部207は、GPSモジュール201aを介して受信されるGPS信号に基づいて、車載器(車両盗難情報提供装置)200の電源がオンになったときの位置から車両が移動したか(車両移動検出信号を出力したか)否かを判断する。移動が確認されない場合には処理をステップS10に戻し、移動が確認された場合には、処理をステップS15に移す。
【0079】
ステップS15に移行すると、制御部207は、車載器200内の対路側無線装置無線通信部211と路側無線装置100内の対車載器無線通信部101とのリンクが成立したか(車載器200が側機100の通信カバーエリア内に存在するか)否かを判断する。リンクの成立が確認されない場合には処理をステップS10に戻し、リンクの成立が確認された場合には、処理をステップS16に移す。
【0080】
ステップS16に移行すると、制御部207は、記憶装置206に記憶された車載器IDやナビゲーション部212に記憶された車両の盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等をそれぞれ読み出して、車載器200の対路側無線装置無線通信部211から路側無線装置100の対車載器無線通信部101へアップリンクし、処理をステップS17に移す。
【0081】
ステップS17に移行すると、路側無線装置100の制御部104は、対車載器無線通信部101にて受信された車載器IDや車両の盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等を、情報記憶部108に一旦記憶し、所定のタイミングで読み出し、対サーバ通信制御部102およびITS通信網NW2を介して、情報提供サーバ(管理サーバ)300の対路側無線装置通信制御部304に送信する。
【0082】
次に、図7のフローチャートを参照して、顔写真データ認証の結果に基づいて車両の盗難検出および盗難通知を行う車両盗難情報提供装置の動作について説明する。
【0083】
車載器200の電源がオンになると、車両盗難防止装置200Bの制御部225は、まず、撮像部226を制御して、当該車両の運転席等に座った者の顔を撮像し顔写真を取得する(ステップS20)。その後、処理をステップS21に移す。
【0084】
ステップS21に移行すると、制御部225は、顔写真データ記憶部229に予め記憶された車両の所有者や運転許可者等の顔写真データを読み出し、撮像部226にて得られた顔写真と比較(顔認証)し、処理をステップS22に移す。
【0085】
ステップS22に移行すると、制御部225は、顔写真データ記憶部229に記憶された顔写真データの中に、撮像部226にて撮像され得られた顔写真と一致するものがあるか否か(認証されたか否か)を判別し、一致するものが有った場合には処理を終了し、一致するものが無かった場合には処理をステップS23に移す。
【0086】
ステップS23に移行すると、車両盗難防止装置200Bの制御部225は、ITS車載器200Aの制御部207が、車両移動検出信号を出力したか否かを判別し、出力が無い場合には所定時間後にステップS23を再度行い、出力が有った場合には処理をステップS24に移す。
【0087】
ステップS24に移行すると、制御部225は車両盗難情報出力部233を制御して車両盗難情報を出力させ、該車両盗難情報をI/O装置205経由で、制御部207に出力し、処理をステップS25に移す。
【0088】
ステップS25に移行すると、制御部207は、GPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信されるGPS信号に基づいて、自己の現在位置(位置情報)を取得して、処理をステップS26に移す。
【0089】
ステップS26に移行すると、制御部207は、上述のGPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信される、時々刻々と変化する位置情報から走行履歴情報(盗難車の盗難経路や現在位置情報等)を生成する。また、制御部207は、走行履歴情報のデータが更新されるたびに、最新の自己の位置情報と共に、その走行履歴情報をナビゲーション部212に記憶し、処理をステップS27に移す。
【0090】
ステップS27に移行すると、制御部207は、車載器200内の対路側無線装置無線通信部211と路側無線装置100内の対車載器無線通信部101とのリンクが成立したか(車載器200が側機100の通信カバーエリア内に存在するか)否かを判断する。リンクの成立が確認されない場合には処理をステップS25に戻し、リンクの成立が確認された場合には、処理をステップS28に移す。
【0091】
ステップS28に移行すると、制御部207は、記憶装置206に記憶された車載器IDやナビゲーション部212に記憶された車両の盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等をそれぞれ読み出して、対路側無線装置無線通信部211から対車載器無線通信部101へアップリンクし、処理をステップS25に戻す。そして、ステップS25からステップS28の処理を、車両盗難情報の出力が有る限り繰り返し行う。
【0092】
次に、図8のフローチャートを参照して、指紋データ認証の結果に基づいて車両の盗難検出および盗難通知を行う車両盗難情報提供装置の動作について説明する。
【0093】
車載器200の電源がオンになると、車両盗難防止装置200Bの制御部225は、まず、指紋読み取り部230を制御して、当該車両の運転席等に座った者(車両を移動させようとする者等)の指紋データの取得を試み(ステップS30)、処理をステップS31に移す。このステップS30では、車載器200のスピーカ222から、例えば「人差し指を点滅場所に置いて下さい」などの音声を出力させたら出力部203から指紋データ取得方法の文字、画像等を出力することを行う。
【0094】
ステップS31に移行すると、制御部225は、上述の運転者等に指紋データの読み取りを拒否された否かを判別する。拒否されたとの判断は、例えば、ステップS30の処理を行った後、所定の時間を経過しても指紋読み取り部230が作動しないときが相当する。拒否されたとの判断は、その他に、指紋読み取り部230は動作したが、正常な読み取りが続けて3回行われなかった場合などがある。拒否されたと判別された場合には、処理をステップS34に移し、正常に指紋データの読み取りが行われたと判別された場合には、指紋読み取り部230より出力された当該指紋データを読み込み、処理をステップS32に移す。
【0095】
ステップS32に移行すると、制御部225は、指紋情報記憶部231に記憶された指紋データの中に、指紋読み取り部230にて読み取られた指紋データと一致するものがあるか否かを判別(指紋認証)し、処理をステップS33に移す。
【0096】
ステップS33に移行すると、制御部225は、上述の指紋認証の結果を調べ、指紋情報記憶部231に記憶された指紋データの中に、指紋読み取り部230にて撮像読み取られた指紋データと一致するものが有った場合には処理を終了し、一致するものが無かった場合には処理をステップS34に移す。
【0097】
ステップS34に移行すると、制御部225は、ITS車載器200Aの制御部207が、車両移動検出信号を出力したか否かを判別し、出力が無い場合には所定時間経過後にステップS34を再度実行し、出力が有った場合には処理をステップS35に移す。
【0098】
ステップS35に移行すると、制御部225は車両盗難情報出力部233を制御して車両盗難情報を出力させ、該車両盗難情報をI/O装置205経由で、制御部207に出力し、処理をステップS36に移す。
【0099】
ステップS36に移行すると、制御部207は、GPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信されるGPS信号に基づいて、自己の現在位置(位置情報)を取得して、処理をステップS37に移す。
【0100】
ステップS37に移行すると、制御部207は、上述のGPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信される、時々刻々と変化する位置情報から走行履歴情報(盗難車の盗難経路や現在位置情報等)を生成する。また、制御部207は、走行履歴情報のデータが更新されるたびに、最新の自己の位置情報と共に、その走行履歴情報をナビゲーション部212に記憶し、処理をステップS38に移す。
【0101】
ステップS38に移行すると、制御部207は、車載器200内の対路側無線装置無線通信部211と路側無線装置100内の対車載器無線通信部101とのリンクが成立したか(車載器200が側機100の通信カバーエリア内に存在するか)否かを判断する。リンクの成立が確認されない場合には処理をステップS36に戻し、リンクの成立が確認された場合には、処理をステップS39に移す。
【0102】
ステップS39に移行すると、制御部207は、記憶装置206に記憶された車載器IDやナビゲーション部212に記憶された車両の盗難情報や盗難車両の走行履歴情報等をそれぞれ読み出して、対路側無線装置無線通信部211から対車載器無線通信部101へアップリンクし、処理をステップS36に戻す。そして、ステップS36からステップS39の処理を、車両盗難情報の出力が有る限り繰り返し行う。
【0103】
次に、図9のフローチャートを参照して、エンジン始動状況に基づいて車両の盗難検出および盗難通知を行う車両盗難情報提供装置の動作について説明する。
【0104】
車載器200の電源がオンになると、車両盗難防止装置200Bの制御部225は、まず、エンジン始動状況検出部232を制御して、エンジンの始動方法を検出(取得)させ(ステップS40)、所定の通知信号を出力させ、処理をステップS41に移す。
【0105】
ステップS41に移行すると、制御部225は、エンジン始動状況検出部232より出力された所定の通知信号から、正規の始動方法によりエンジンが始動された否かを判別し、正規の始動方法によりエンジンが始動されたと判別された場合には処理を終了し、不正な始動方法によりエンジンが始動されたと判別された場合には処理をステップS42に移す。
【0106】
ステップS42に移行すると、制御部225は、ITS車載器200Aの制御部207が、車両移動検出信号を出力したか否かを判別し、出力が無い場合には所定時間経過後にステップS42を再度実行し、出力が有った場合には処理をステップS43に移す。
【0107】
ステップS43に移行すると、制御部225は車両盗難情報出力部233を制御して車両盗難情報を出力させ、該車両盗難情報を、制御部207に出力し、処理をステップS44に移す。
【0108】
ステップS44に移行すると、制御部207は、GPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信されるGPS信号に基づいて、自己の現在位置(位置情報)を取得して、処理をステップS45に移す。
【0109】
ステップS45に移行すると、制御部207は、上述のGPSモジュール201aを介して所定のタイミングにて受信される、時々刻々と変化する位置情報から走行履歴情報(盗難車の盗難経路や現在位置情報等)を生成する。また、制御部207は、走行履歴情報のデータが更新されるたびに、最新の自己の位置情報と共に、その走行履歴情報をナビゲーション部212に記憶し、処理をステップS46に移す。
【0110】
ステップS46とそれに続くステップS47の各処理と、その後の処理は、先のステップS27,ステップS28やステップS38,ステップS39と同様であり、説明を省略する。
【0111】
次に、図10のフローチャートを参照して、ICカードが挿入されているか否かに基づいて車両の盗難検出および盗難通知を行う車両盗難情報提供装置の動作について説明する。
【0112】
車載器200の電源がオンになると、車両盗難防止装置200Bの制御部225は、まず、ICカード挿入部227を制御して、ICカードがICカード挿入部227に挿入されたか否かを示す所定の通知信号を出力させ(ステップS50)、処理をステップS51に移す。
【0113】
ステップS51に移行すると、制御部225は、ICカード挿入部227より出力された上述の通知信号を入力し、該通知信号から、ICカードがICカード挿入部227に挿入された状態か否かを判別し、挿入された状態であると判別された場合には処理を終了し、挿入された状態で無いと判別された場合には処理をステップS52に移す。
【0114】
ステップS52に移行すると、制御部225は、ITS車載器200Aの制御部207が、車両移動検出信号を出力したか否かを判別し、出力が無い場合には処理をステップS52に戻し、所定時間経過後に再度ステップS52を実行し、出力が有った場合には処理をステップS53に移す。
【0115】
この後、ステップS53からステップS57の処理を制御部225,207が行う。しかしこのステップS53からステップS57の処理は、先に示したステップS24からステップS28の処理、ステップS35からステップS35の処理、およびステップS43からステップS47の処理と同一であり説明を省略する。
【0116】
次に、図11のフローチャートを参照して、本人認証用の暗証番号の入力結果に基づいて車両の盗難検出および盗難通知を行う車両盗難情報提供装置の動作について説明する。
【0117】
車載器200の電源がオンになると、ITS車載器200Aの制御部207は、まず、出力部203(モニタ装置)および操作部204を制御して、当該車両の運転席等に座った者(車両を移動させようとする者等)に対して、暗証番号を入力するよう促し(ステップS60)、処理をステップS61に移す。この催促は、先のステップS30で述べたものと同様な方法を採用することができる。
【0118】
ステップS61に移行すると、制御部207は、上述の運転者等に暗証番号の入力を拒否された否かを判別し、拒否されたと判別された場合には、処理をステップS64に移し、正常に暗証番号の入力が行われたと判別された場合には、処理をステップS62に移す。尚、拒否されたか否かの判定は、先のステップS31において行った判断と同様な方法を採用することができる。
【0119】
ステップS62に移行すると、制御部225は、操作部204より入力された暗証番号と、暗証番号記憶部228に記憶された本人認証用の暗証番号との認証を行い、処理をステップS63に移す。
【0120】
ステップS63に移行すると、制御部225は、上述の暗証番号の認証の結果を調べ、暗証番号記憶部228に記憶された暗証番号データの中に、操作部104より送られてきた暗証番号データと一致するものが有ると判断された場合には処理を終了し、一致するものが無いと判断された場合には処理をステップS64に移す。
【0121】
この後、制御部225,207は、ステップS64からステップS69の処理を実行する。しかし、この処理は、ステップS23からステップS28、ステップS34からステップS39、ステップS42からステップS47、ステップS52からステップS57各処理と同一であり、その説明を省略する。
【0122】
以上、本実施の形態によれば、以下の効果を有する。
【0123】
車載器200、路側無線装置100および管理サーバ(情報提供サーバ)300間において安定して通信可能であり、確実に、盗難車両の逃走ルートや現在位置を知ることができ、容易に盗難車両を発見することができる。また、ユーザに、ITSシステムの使用料(車載器の使用料等)以外に通信コストがかかることが無い。
【0124】
さらに、車載器200と路側無線装置100間の通信は、車両IDである車載器IDが含まれるDSRC方式で行われるため、別途識別情報IDを設定・管理する必要がない。また、狭域通信であるため、車両の位置情報を正確に把握することができる。
【0125】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0126】
例えば、本実施の形態では、車両の盗難を検出するセンサ群として、撮像部226、ICカード挿入部227、指紋読み取り部230、および、エンジン始動状況検出部232を、また、車両の盗難を検出するセンサ以外のものとして、暗証番号入力を行う場合について説明したが、これらに限られるものでは無い。例えば、手形や網膜等にて車両の盗難を検出(認証)するようにしてもよい。また、上述のセンサ群のいずれか1つによって車両の盗難を検出したり、いずれか2つを組み合わせたりして2つのものが盗難と判断したときに車両盗難情報を出力したり、いずれか3つを組み合わせたり、4つ以上を組み合わせてもよい。
【0127】
また、web上に盗難車両を管理するホームページ等を設け、管理サーバ300からこのホームページに、一般通信網NW1のインターネット回線を通じて、盗難車両情報(車載器ID等)や逃走経路や現在位置情報等を登録することにより、盗難車両の所有者等が、この盗難車両を管理するホームページをアクセスすることで、盗難車両の情報を得ることができるようにしてもよい。また、狭域通信ではなく、中域通信等、他の通信方式を採用してもよい。
【0128】
また、路の実施の形態では、盗難車両の情報を車載器IDを利用して特定したが、車両のナンバープレート情報を利用するようにしてもよい。例えば、高速道の通行料金をカード払いにする自動通行機器とナンバープレートとを対応付けし、自動通行機器のID番号を車載器200が路側無線装置100へ送信するようにすることで、盗難車両のナンバープレートが判明する。尚、エンジンがかかったままで運転者が車両から離れた隙に、および/またはICカード等のカードが挿入されたままの状態で車を盗まれた場合、所有者等は、警察またはカード会社に届けることになるが、上述した車載器IDや車両のナンバープレートが分かっていれば、この車両盗難情報提供システムを利用することで、盗難車の位置が直ちに判明する。また、この実施の形態では、車が盗難されたことを届け出なくても盗難車であることが判明する。
【0129】
また、車載器200から路側無線装置100へのアップリンクをしないように車載器200を設定した場合、車載器ID等が路側無線装置100や情報提供サーバ300へ送信されなくなる。このような問題へは、次のように対策するのが好ましい。すなわち、車載器ID等の車両を特定するIDと車両盗難情報は、どのような設定をしようと、路側無線装置100からの信号によって必ずアップリンクするように車載器200を構成するのが1案である。また、上述したセンサ群のいずれか1つまたは複数の検知によって、車両が盗難されたと判定した場合には、アップリンクしないするの設定に拘わらず、盗難判定された時点またはその後、路側無線装置100の通信域に入っている時点で、強制的にアップリンクするようにしてもよい。
【0130】
また、カーナビゲーション装置と別に車載器が備えられる場合、それらが一体となることで、車載器200となる。しかしこのような場合、カーナビゲーション装置から単純車載器にデータを出さないような設定がされているときは、路側無線装置100は、盗難車両の車載器IDその他のIDを利用して盗難車両のその単純車載器に対し、ナビゲーション装置からデータをもらうように動作させる制御を行うことが望ましい。または、カーナビゲーション装置に盗難を判定する装置が付加されている場合は、カーナビゲーション装置からその単純車載器に対し、路側無線装置100にアップリンクするよう命じる構成としてもよい。
【0131】
また、上述の実施の形態では、車両移動の検出信号が生じたら所定の条件との組み合わせで車両盗難と判定して、車両盗難情報を出力していたが、顔認証の場合、顔認証に成功しなかったときに、指紋認証の場合、指紋認証に成功しなかったときに、エンジンの始動判定の場合、エンジンが不正な方法によって始動されたと判断したときに、暗証番号の場合、正しい暗証番号が入力されなかったときに、それぞれのときの認証が満足したとき、車両が盗難されるリスクが高いと判断し、車載器ID等各種の情報を路側無線装置100へ送信し始めるまたは送信の準備を開始するようにしてもよい。
【0132】
また、上述の実施形態では、情報提供サーバ300を有するシステムとしたが、車載器200から路側無線装置100に送信されてくる情報を、ITS通信網NW2ではなく、インターネット網などのネット網を介して1つまたは複数のサーバに送信するようにしてもよい。また、路側無線装置100自体が、インターネット網やITS通信網NW2のサーバとしての役割を果たすようにしてもよい。
【0133】
また、上述の実施の形態の車両盗難情報提供システムが持つ各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。例えば、制御部104,207,225,および306における処理の全部またはその一部は、1又は複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。
【0134】
また、上記実施の形態はあくまでも説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、車載器200を装置の全部又は一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、例えば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計などにインストールし、車載器200として動作させ、あるいは、車載器200が行う工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、車載器200となるコンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両盗難情報提供システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】図1に示される車両盗難情報提供システムに使用される路側無線装置の構成例を示す図である。
【図3】図1に示される車両盗難情報提供システムに使用される車載器の構成を説明するための図である。
【図4】図1に示される車両盗難情報提供システムに使用される車両盗難防止装置の構成を説明するための図である。
【図5】図1に示される車両盗難情報提供システムに使用される情報提供サーバ(管理サーバ)の構成を説明するための図である。
【図6】図1の車両盗難情報提供システムで実行される処理手順の1例を示すもので、車両盗難情報提供システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1の車両盗難情報提供システムで実行される処理手順の1例を示すもので、顔認証による盗難検出によって得られる盗難車両情報の車載器から路側無線装置へのアップリンク手順(動作)を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1の車両盗難情報提供システムで実行される処理手順の1例を示すもので、指紋認証による盗難検出によって得られる盗難車両情報の車載器から路側無線装置へのアップリンク手順(動作)を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1の車両盗難情報提供システムで実行される処理手順の1例を示すもので、エンジン始動状況による盗難検出によって得られる盗難車両情報の車載器から路側無線装置へのアップリンク手順(動作)を説明するためのフローチャートである。
【図10】図1の車両盗難情報提供システムで実行される処理手順の1例を示すもので、ICカードが挿入されているか否かによる盗難検出によって得られる盗難車両情報の車載器から路側無線装置へのアップリンク手順(動作)を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1の車両盗難情報提供システムで実行される処理手順の1例を示すもので、暗証番号認証による盗難検出によって得られる盗難車両情報の車載器から路側無線装置へのアップリンク手順(動作)を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0136】
100 路側無線装置(車両盗難情報提供装置)
101 対車載器無線通信部
102 対サーバ通信制御部
103 記憶装置
104 制御部
108 情報記憶部(情報記憶手段)
200 車載器
200A ITS車載器
200B 車両盗難防止装置
201 通信部
201a GPSモジュール
201b DSRCモジュール
202 音声処理部
203 出力部(画像表示手段)
204 操作部(データ入力手段)
205 I/O装置
206 記憶装置(車載器ID記憶手段)
207 制御部(走行履歴情報生成手段、位置取得手段、車両移動検出手段)
211 対路側無線装置無線通信部(対路側無線装置送信手段)
212 ナビゲーション部(走行履歴情報生成手段、走行履歴情報記憶手段)
225 制御部(判断手段、エンジン始動判別手段、ICカード挿入判別手段)
226 撮像部(撮像手段)
227 ICカード挿入部
228 暗証番号記憶部
229 顔写真データ記憶部(顔写真記憶手段)
230 指紋読み取り部(指紋読み取り手段)
231 指紋情報記憶部(指紋情報記憶手段)
232 エンジン始動状況検出部
233 車両盗難情報出力部
300 情報提供サーバ(管理サーバ)
303 一般網通信制御部
304 対路側無線装置通信制御部
305 記憶部
306 制御部
NW1 一般通信網
NW2 ITS通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置され各種の情報を無線通信にて送受信する路側無線装置と、該路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両に搭載された車載器と、を有する車両盗難情報提供システムにおいて、
上記車載器は、
車両を特定する車載器IDを記憶する車載器ID記憶手段と、
所定の条件を満足したとき車両が盗難されるまたはされたと判断する判断手段と、
上記車載器と上記路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、上記車載器ID記憶手段に記憶された車載器IDを、上記路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、
を備え、
上記路側無線装置は、
上記車載器から送信された上記車載器IDを受信する対車載器受信手段と、
上記車載器IDを、管理サーバまたはネット網に送信する対サーバ通信制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両盗難情報提供システム。
【請求項2】
前記車載器より取得された情報を前記路側無線装置を介して送受信する管理サーバをさらに有し、
前記車載器は、
自己の位置情報を時々刻々と取得する位置取得手段と、
上記位置取得手段にて取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成手段と、
車両が移動を開始したことを検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出手段と、
センサから所定の情報通知が有った場合、該所定の情報通知および上記走行履歴情報を記憶する走行履歴情報記憶手段と、
上記所定の情報通知が出力され、且つ上記車両移動検出手段からの車両移動検出信号が検出された場合、車両が盗難されるまたはされたと判断し、前記車載器と前記路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、前記車載器ID記憶手段に記憶された車載器ID、上記走行履歴情報記憶手段に記憶された上記所定の情報通知および上記走行履歴情報を、上記路側無線装置に送信する前記対路側無線装置送信手段と、
を備え、
前記路側無線装置は、
前記車載器から送信された前記車載器ID、上記所定の情報通知および上記走行履歴情報記憶手段に記憶された走行履歴情報を受信する前記対車載器受信手段と、
上記車載器から上記対車載器受信手段にて受信された情報を記憶する情報記憶手段と、
上記情報記憶手段に記憶された情報を上記管理サーバに送信する対サーバ通信制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両盗難情報提供システム。
【請求項3】
前記センサは、車両盗難防止装置に配置され、
前記所定の情報通知は、車両盗難情報である
ことを特徴とする請求項2に記載の車両盗難情報提供システム。
【請求項4】
車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置された路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両盗難情報提供装置であって、
車両を特定する車載器IDを記憶する車載器ID記憶手段と、
車両が盗難されたことまたは盗難されそうになったことを検出すると、車両盗難情報を出力する車両盗難防止装置と、
車両が移動を開始したことまたは移動開始が準備されたことを検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出手段と、
上記車両盗難防止装置より車両盗難情報が出力され、且つ上記車両移動検出手段からの車両移動検出信号が検出された場合、上記車両盗難情報提供装置と上記路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、上記車載器ID記憶手段に記憶された上記車載器IDおよび上記車両盗難情報を、上記路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、
を備えたことを特徴とする車両盗難情報提供装置。
【請求項5】
自己の位置を時々刻々と取得する位置取得手段をさらに備え、
上記位置取得手段にて取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成手段と、
上記走行履歴情報および前記車両盗難情報を記憶する走行履歴情報記憶手段と、
前記車両盗難防止装置より前記車両盗難情報が出力され、且つ前記車両移動検出手段からの車両移動検出信号が検出された場合、前記車載器ID記憶手段に記憶された前記車載器ID、上記走行履歴情報記憶手段に記憶された上記車両盗難情報および走行履歴情報を、前記車両盗難情報提供装置と前記路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、前記路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の車両盗難情報提供装置。
【請求項6】
車両が通行する路または駐車場またはその近傍に設置された路側無線装置と無線通信にて各種情報のやり取りを行う車両盗難情報提供装置の車両盗難情報提供方法であって、
自己車両の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
取得された上記位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成ステップと、
車両の移動または車両の移動の準備を検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出ステップと、
車両の盗難をまたは盗難されそうになったことを検出し、車両盗難情報を出力する車両盗難検出ステップと、
車両盗難情報が出力された状態で、且つ上記車両移動検出信号が検出された場合、車両を特定する車載器ID、上記車両盗難情報および上記走行履歴情報を、上記車両盗難情報提供装置と上記路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、上記路側無線装置に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする車両盗難情報提供方法。
【請求項7】
コンピュータを、
自己の位置を時々刻々と取得する位置取得手段、
上記位置取得手段にて取得された位置情報に基づいて、車両の走行履歴情報を生成する走行履歴情報生成手段、
車両を特定する車載器IDを記憶する車載器ID記憶手段、
車両が移動または車両の移動の準備を開始したことを検出し、車両移動検出信号を出力する車両移動検出手段、
車両が盗難または盗難されそうになったことを検出すると、車両盗難情報を出力する車両盗難情報出力手段、
上記走行履歴情報および上記車両盗難情報を記憶する走行履歴情報記憶手段、
上記車両盗難情報が出力された状態で、且つ上記車両移動検出信号が検出された場合、上記車載器ID記憶手段に記憶された上記車載器ID、上記走行履歴情報記憶手段に記憶された上記車両盗難情報および上記走行履歴情報を、上記車両に搭載された車載器と路側に設置された路側無線装置間のリンクが成立したタイミングにて、上記路側無線装置に送信する対路側無線装置送信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−93592(P2009−93592A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266264(P2007−266264)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】