車両骨格部材の補強構造
【課題】車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することを目的とする。
【解決手段】サイドメンバ10及びフロアパネル18(車両骨格部材)における閉断面20内に、該サイドメンバ10の長手軸方向に沿って所定間隔でリブ26が設けられた樹脂製の補強部材14が配設されており、該補強部材14における隣接する該リブ26間のうち、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部28が設けられているので、該サイドメンバ10に荷重が入力されて補強部材14が塑性変形した際に、相対する突起部28が互いに接触する。
【解決手段】サイドメンバ10及びフロアパネル18(車両骨格部材)における閉断面20内に、該サイドメンバ10の長手軸方向に沿って所定間隔でリブ26が設けられた樹脂製の補強部材14が配設されており、該補強部材14における隣接する該リブ26間のうち、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部28が設けられているので、該サイドメンバ10に荷重が入力されて補強部材14が塑性変形した際に、相対する突起部28が互いに接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両骨格部材の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントサイドメンバの前後の直線部が段差状に連続する屈曲部に、該屈曲部の前後の曲折部にわたる長さの板状の硬質合成樹脂発泡材が密着している構造が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−217084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来例における硬質合成樹脂発泡材は、車両の衝突の際に、衝突荷重によりフロントサイドメンバと共に塑性変形する。しかしながら、該従来例における硬質合成樹脂発泡材は、フロントサイドメンバの変形モードの制御に重点が置かれており、衝突荷重に対する反力については考慮されていない。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、閉断面を有する車両骨格部材と、該車両骨格部材における前記閉断面内に配設され、該車両骨格部材の長手軸方向に沿って所定間隔でリブが設けられると共に、隣接する該リブ間のうち前記車両骨格部材の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部が設けられた樹脂製の補強部材と、を有している。
【0006】
請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造では、車両骨格部材における閉断面内に、該車両骨格部材の長手軸方向に沿って所定間隔でリブが設けられた樹脂製の補強部材が配設されており、該補強部材における隣接する該リブ間のうち、車両骨格部材の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部が設けられているので、該車両骨格部材に荷重が入力されて補強部材が塑性変形した際に、相対する突起部が互いに接触する。これにより、更なる補強部材の塑性変形が抑制され、車両骨格部材の長手軸方向への反力が生ずる。このため、車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造において、相対する前記突起部間には、前記補強部材における前記圧縮側部位の変形を許容する隙間が設けられている。
【0008】
請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造では、相対する突起部間に、補強部材における圧縮側部位の変形を許容する隙間が設けられているので、車両骨格部材に荷重が入力された際には、該隙間の領域を起点として車両骨格部材及び補強部材の変形が生じる。この変形が進行して行き、相対する突起部が互いに接触すると、更なる補強部材の塑性変形が抑制され、車両骨格部材の長手軸方向への反力が生ずる。このように、請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造では、補強部材における突起部間の隙間により、車両骨格部材への荷重入力初期における該車両骨格部材の変形量を確保することができると共に、車両骨格部材の変形モードをコントロールすることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造において、前記車両骨格部材の前記閉断面は、車両のフロアパネルと、該フロアパネルの車両下側に結合され車両前後方向に延びるサイドメンバとにより形成され、前記補強部材は、前記サイドメンバの屈曲部に設けられている。
【0010】
請求項3に記載の車両骨格部材の補強構造では、車両骨格部材の閉断面が、車両のフロアパネルと、該フロアパネルの車両下側に結合され車両前後方向に延びるサイドメンバとにより形成され、補強部材がサイドメンバの屈曲部に設けられているので、サイドメンバへの荷重の入力時における該屈曲部の強度・剛性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造によれば、車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
【0012】
請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造によれば、車両骨格部材への荷重入力初期における該車両骨格部材の変形量を確保することができると共に、車両骨格部材の変形モードをコントロールすることができる、という優れた効果が得られる。
【0013】
請求項3に記載の車両骨格部材の補強構造によれば、サイドメンバへの荷重の入力時における該屈曲部の強度・剛性を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S1は、車両骨格部材の一例たるサイドメンバ10の屈曲部12の補強構造に係り、図2において、サイドメンバ10と、樹脂製の補強部材14とを有している。
【0016】
図2,図4、図6に示されるように、サイドメンバ10は、車両16(図1)のフロアパネル18の車両下側に結合され、車両前後方向に延びている。具体的には、サイドメンバ10は、例えば高張力鋼板をプレス成形することで、側壁部10A、下壁部10D及びフランジ10Bを有する例えば断面逆ハット形に形成されている。そしてこのサイドメンバ10は、フランジ10Bにおいて、フロアパネル18の下面に、例えば溶接により接合されている。このフロアパネル18とサイドメンバ10とにより、例えば略矩形の閉断面20を有する車両骨格部材が構成されている。
【0017】
ここで、サイドメンバ10は、車両前後方向における中央部10Cの前後に、フロントサイドメンバ10F及びリヤサイドメンバ10Rを有して構成されている。フロントサイドメンバ10F及びリヤサイドメンバ10Rの車幅方向外側には、車輪24が配設されるようになっている。
【0018】
このフロントサイドメンバ10F及びリヤサイドメンバ10Rは、例えば何れも中央部10Cよりも車両上側に位置している。これに伴い、中央部10Cとフロントサイドメンバ10Fとの境界部には、屈曲部12,13が形成され、中央部10Cとリヤサイドメンバ10Rとの境界部には、屈曲部22,23が形成されている。屈曲部12,22の曲率中心(図示せず)は、該屈曲部12,22の車両上方側に位置し、屈曲部13,23の曲率中心(図示せず)は、該屈曲部13,23の車両下方側に位置している。
【0019】
車両16が例えば前面衝突して、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力され、該サイドメンバ10が変形する際には、屈曲部12の車両上側、及び該屈曲部13の車両下側が夫々圧縮側部位となる。一方、車両16の例えば後面衝突時には、屈曲部22の車両上側、及び屈曲部23の車両下側が夫々圧縮側部位となる。
【0020】
図2,図4,図6において、樹脂製の補強部材14は、車両骨格部材の閉断面20内、即ちフロアパネル18とサイドメンバ10とにより形成された閉断面20内に配設されている。図4から図6に示されるように、この補強部材14は、サイドメンバ10の例えば前側の屈曲部12に設けられている。また補強部材14は、例えば車両下方側に開口した断面略逆U字形に成形されており、サイドメンバ10の側壁部10Aと略平行な一対の側壁部14Aと、両側の該側壁部14Aの上縁同士を車幅方向に連結する上壁部14Uとを有している。補強部材14の側壁部14Aは、サイドメンバ10の側壁部10Aと車幅方向に離間して配置され、補強部材14の上壁部14Uはフロアパネル18から車両上下方向に離間して配置されている。
【0021】
図4,図5に示されるように、補強部材14には、サイドメンバ10の長手軸方向に沿って所定間隔でリブ26が設けられている。このリブ26は、両側の側壁部14A及び上壁部14Uに連結されている。隣接するリブ26間のうち、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力された際に塑性変形する圧縮側部位には、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部28が設けられている。この突起部28は、補強部材14における両側の側壁部14A間に連続的に延びる堤状(直方体状)に形成され、全幅に渡って同一形状に形成されている。また突起部28は、例えば補強部材14と一体成形されている。
【0022】
ここで、上記したように、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力された際における屈曲部12の圧縮側部位は、車両上側である。従って、屈曲部12においては、突起部28は、リブ26における上壁部14U側の根元部に設けられている。換言すれば、突起部28は、各リブ26の両面に設けられており、該各リブ26の根元部が突起部28により補強された状態となっている。
【0023】
相対する突起部28間には、補強部材14における圧縮側部位、即ち補強部材14の上壁部14Uの変形を許容する隙間30が設けられている。補強部材14の長手軸方向における隙間30の大きさは、サイドメンバ10への荷重F(図1)の入力初期に確保する該サイドメンバ10の変形量や、サイドメンバ10の変形モード、荷重Fに対する反力を生じさせるタイミング等を考慮して設定される。
【0024】
図2,図3,図6に示されるように、補強部材14は、閉断面20内に発泡部材32により結合されている。具体的には、発泡部材32は、閉断面20内におけるサイドメンバ10の側壁部10Aと補強部材14の側壁部14Aとの間、及びフロアパネル18と補強部材14の上壁部14Uとの間に配置されている。また発泡部材32は、サイドメンバ10の長手軸方向に沿って、例えば連続的に設けられている。そして発泡部材32は、サイドメンバ10やフロアパネル18が、例えば塗装工程において加熱された際に発泡して固化し、補強部材14を閉断面20内に結合するように構成されている。
【0025】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図7(A)において、本実施形態に係る車両骨格部材の補強構造S1では、車両16(図1)が前面衝突し、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重Fが入力された際に、図7(B)に示されるように、屈曲部12の車両上側が圧縮側となって断面塑性変形(面外変形)する。このとき、サイドメンバ10の車両上側に結合されているフロアパネル18も塑性変形する。
【0026】
ここで、サイドメンバ10及びフロアパネル18における閉断面20内には、樹脂製の補強部材14が配設されており、該補強部材14には、サイドメンバ10の長手軸方向に沿って所定間隔でリブ26が設けられ、隣接する該リブ26間のうち、荷重F(図1)が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部28が設けられている。また、相対する突起部28間には、補強部材14における圧縮側部位の変形を許容する隙間30が設けられている。この隙間30の領域は、補強部材14の上壁部14Uに相当し、肉厚が突起部28より小さい。従って、サイドメンバ10に荷重Fが入力された際には、該隙間30の領域を起点としてサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が生じる。これにより、サイドメンバ10の変形モードをコントロールすることができる。
【0027】
サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が進行して行き、相対する突起部28が互いに接触すると、更なる補強部材14の塑性変形が抑制され、サイドメンバ10の長手軸方向への反力が生ずる。サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14は、相対する突起部28が互いに接触するまでは、比較的容易に変形することができる。また突起部28は、リブ26の両面に設けられているので、該リブ26における上壁部14U側の根元部は、サイドメンバ10の長手軸方向の両側から補強されている。このため、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の塑性変形時に、該リブ26の変形を抑制することが可能である。
【0028】
このように、車両骨格部材の補強構造S1では、サイドメンバ10への荷重入力初期において、該サイドメンバ10の変形量を確保することができる。また相対する突起部28が互いに接触すると、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。これによって、サイドメンバ10への荷重Fの入力時における屈曲部12の強度・剛性を向上させることができる。
【0029】
なお、図8(A)に示されるように、補強部材14の上壁部14U(隙間30の領域)のうち屈曲部12に位置する部位に、貫通孔等の脆弱部34を設けるようにしてもよい。この場合、図8(B)に示されるように、このような脆弱部34を設けることで、サイドメンバ10に荷重Fが入力されて、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14が当該隙間30の領域を起点として変形する際に、圧縮側となるフロアパネル18は、座屈変形しながら脆弱部34内へ容易に進入することができる。従って、サイドメンバ10への荷重入力初期におけるサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が円滑に行われる。また屈曲部12におけるサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形起点を容易に設定することができる。相対する突起部28が互いに接触した後は、上記したように、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。
【0030】
[第2実施形態]
図9において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S2では、補強部材14に設けられたリブ26の上壁部14U側の根元部(圧縮側部位)に、車幅方向に所定間隔で配置されたリブ状の突起部38が設けられている。この突起部38は、リブ26の両面に、例えば3箇所ずつ設けられ、補強部材14の上壁部14U及びリブ26に夫々連結されている。またこの突起部38は、第1実施形態と同様に、補強部材14と一体成形されている。更に隣接するリブ26間において、3組の突起部38は、サイドメンバ10の長手軸方向に相対している。
【0031】
車両骨格部材の補強構造S2では、突起部38が車幅方向に所定間隔で配置されたリブ状に形成されているので、第1実施形態における堤状の突起部28と比較して、補強部材14を軽量化することができる。
【0032】
他の部分の構成、並びにサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形時の作用については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0033】
[第3実施形態]
図10,図11(A)において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S3では、補強部材14に設けられたリブ26の上壁部14U側の根元部(圧縮側部位)に、車幅方向に所定間隔で配置されたリブ状の突起部48が設けられている。この突起部48は、リブ26の両面に、例えば2箇所ずつ設けられている。この突起部48の例えば車幅方向両側には、係合突起48Aが、例えば2本ずつ張り出して形成されている。この係合突起48Aは、例えば補強部材14の高さ方向に延びる堤状に形成され、該補強部材14と一体成形されている。
【0034】
隣接するリブ26間において、サイドメンバ10の長手軸方向に相対する突起部48は、互いに車幅方向にオフセットして配置されている。換言すれば、図11(B)に示されるように、相対する突起部48は、互い違いに配置されている。これに加えて、車幅方向における突起部48の間隔は、対向する突起部48の係合突起48Aの位置における厚さ寸法(車幅方向寸法)よりも若干小さく設定されている。これにより、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力され、該サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14が、その長手軸方向に塑性変形した際に、相対する突起部48が互いに嵌合するようになっている。
【0035】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0036】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図10,図11(A),図11(B)において、車両骨格部材の補強構造S3では、車両16(図1参照)が前面衝突し、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重Fが入力された際に、屈曲部12の車両上側が圧縮側となって断面塑性変形(面外変形)する。このとき、サイドメンバ10の車両上側に結合されているフロアパネル18も塑性変形する。
【0037】
ここで、サイドメンバ10及びフロアパネル18の閉断面20内に配設された樹脂製の補強部材14において、サイドメンバ10の長手軸方向に隣接するリブ26間の圧縮側部位には、該長手軸方向に相対する突起部48が、互いに車幅方向にオフセットして配置されており、各突起部48には夫々係合突起48Aが形成されている。また、相対する突起部48間には、補強部材14における圧縮側部位の変形を許容する隙間30が設けられている。従って、サイドメンバ10に荷重Fが入力された際には、該隙間30の領域を起点としてサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が生じる。これにより、サイドメンバ10の変形モードをコントロールすることができる。
【0038】
サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が進行して行き、相対する突起部48が互いに嵌合すると、更なる補強部材14の塑性変形が抑制され、サイドメンバ10の長手軸方向への反力が生ずる。サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14は、相対する突起部48が互いに嵌合するまでは、比較的容易に変形することができる。従って、車両骨格部材の補強構造S3では、サイドメンバ10への荷重入力初期において、該サイドメンバ10の変形量を確保することができる。また相対する突起部48が互いに嵌合すると、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。
【0039】
このように、車両骨格部材の補強構造S3では、サイドメンバ10への荷重Fの入力時における屈曲部12の強度・剛性を向上させることができる。またこれによって、サイドメンバ10の車両後方への荷重伝達効率を高めることができる。更に車両骨格部材の補強構造S3では、相対する突起部48が嵌合する構成となっているので、サイドメンバ10が塑性変形する際に、例えばねじれ変形するような変形モードが含まれていても、その変形を抑制して、荷重Fに対する反力を効率的に生じさせることができる。
【0040】
なお、突起部48の数、係合突起48Aの形状及び数は、図示の例には限られない。
【0041】
[第4実施形態]
図12において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S4では、補強部材14に設けられたリブ26の上壁部14U側の根元部(圧縮側部位)に、凸側突起部58と、凹側突起部59とが設けられている。この凸側突起部58及び凹側突起部59は、補強部材14と一体成形されている。
【0042】
具体的には、凸側突起部58は、リブ26の例えば車両前方面に設けられている。凸側突起部58は、車両前方に向かうに従って幅寸法が小さくなるように、車幅方向の両側面が傾斜面58Aとして構成されている。また凹側突起部59は、リブ26の車両後方面に設けられ、凸側突起部58の傾斜面58Aに対応した傾斜面59Aを有している。凸側突起部58と凹側突起部59とは、サイドメンバ10の長手軸方向に相対しており、図13(A)に示されるように、その間には、補強部材14の上壁部14Uの変形を許容する隙間30が設けられている。
【0043】
凹側突起部59の後端における両側の傾斜面59Aの離間距離は、凸側突起部58の前端における両側の傾斜面58Aの離間距離よりも大きく設定されており、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力され、該サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14が、その長手軸方向に塑性変形した際に、凸側突起部58が凹側突起部59に嵌入できるようになっている。
【0044】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0045】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図12,図13(A),図13(B)において、車両骨格部材の補強構造S4では、車両16(図1参照)が前面衝突し、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重Fが入力された際に、屈曲部12の車両上側が圧縮側となって断面塑性変形(面外変形)する。このとき、サイドメンバ10の車両上側に結合されているフロアパネル18も塑性変形する。
【0046】
ここで、サイドメンバ10及びフロアパネル18の閉断面20内に配設された樹脂製の補強部材14において、サイドメンバ10の長手軸方向に隣接するリブ26間の圧縮側部位には、該長手軸方向に相対する凸側突起部58及び凹側突起部59が設けられている。また、相対する凸側突起部58と凹側突起部59との間には、補強部材14における圧縮側部位の変形を許容する隙間30が設けられている。従って、サイドメンバ10に荷重Fが入力された際には、該隙間30の領域を起点としてサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が生じる。これにより、サイドメンバ10の変形モードをコントロールすることができる。
【0047】
また凸側突起部58及び凹側突起部59は、夫々傾斜面58A,59Aを有しており、凹側突起部59の後端における両側の傾斜面59Aの離間距離は、凸側突起部58の前端における両側の傾斜面58Aの離間距離よりも大きく設定されている。従って、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が進行して行くと、凸側突起部58が凹側突起部59に嵌入する。そして、凸側突起部58の傾斜面58Aが、凹側突起部59の傾斜面59Aと干渉することで、くさび効果が生じるので、更なる補強部材14の塑性変形が抑制され、サイドメンバ10の長手軸方向への反力が生ずる。サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14は、相対する凸側突起部58と凹側突起部59とが互いに嵌合するまでは、比較的容易に変形することができる。
【0048】
従って、車両骨格部材の補強構造S4では、サイドメンバ10への荷重入力初期において、該サイドメンバ10の変形量を確保することができる。また相対する凸側突起部58と凹側突起部59とが互いに嵌合すると、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。これによって、サイドメンバ10への荷重Fの入力時における屈曲部12の強度・剛性を向上させることができる。またこれによって、サイドメンバ10の車両後方への荷重伝達効率を高めることができる。
【0049】
更に車両骨格部材の補強構造S4では、相対する凸側突起部58と凹側突起部59とが、傾斜面58A,59Aにおいて嵌合する構成となっているので、サイドメンバ10が塑性変形する際に、例えばねじれ変形するような変形モードが含まれていても、その変形を抑制して、荷重Fに対する反力を効率的に生じさせることができる。
【0050】
なお、凸側突起部58及び凹側突起部59の配置や数、傾斜面58A,59Aの形状は、図示の例には限られない。従って、例えば凹側突起部59をリブ26の車両前方面に配置し、凸側突起部58を該リブ26の車両後方面に配置してもよい。
【0051】
(他の実施形態)
上記した各実施形態においては、補強部材14が、サイドメンバ10における前側の屈曲部12に設けられているものとしたが、これに限られず、サイドメンバ10における後側の屈曲部22にも、補強部材14を適用することが可能である。
【0052】
前側の屈曲部13及び後側の屈曲部23においては、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重が入力された際の圧縮側部位が夫々車両下側となるので、屈曲部13,23に補強部材14を設ける場合には、突起部28,38,48や、凸側突起部58及び凹側突起部59は、圧縮側部位である車両下方側に設けられる。またこの場合、補強部材14は、車両上方側に開口する断面略U字形に形成され、一対の側壁部14Aと、両側の該側壁部14Aの下縁同士を車幅方向に連結する下壁部(図示せず)とを有する構成となる。
【0053】
この他、補強部材14は、サイドメンバ10に限られず、ピラー等(図示せず)の他の車両骨格部材にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1から図8は、第1実施形態に係り、図1は、車両骨格部材の補強構造を有する車両を示す側面図である。
【図2】車両骨格部材の補強構造を示す、拡大斜視図である。
【図3】車両骨格部材の補強構造を示す、拡大分解斜視図である。
【図4】車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図5】車両骨格部材の補強構造を示す拡大縦断面図である。
【図6】車両骨格部材の補強構造を示す、図5における6−6矢視拡大縦断面図である。
【図7】(A)通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられた補強部材を示す、拡大縦断面図である。(B)サイドメンバに荷重が入力されて、該サイドメンバ、フロアパネル及び補強部材が塑性変形した際に、該補強部材に設けられた突起部が互いに接触することで、更なる変形が抑制されている状態を示す拡大縦断面図である。
【図8】(A)第1実施形態の変形例に係り、通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられると共に上壁部に脆弱部が設けられた補強部材を示す拡大縦断面図である。(B)サイドメンバに荷重が入力されて、該サイドメンバ、フロアパネル及び補強部材が塑性変形した際に、該サイドメンバの屈曲部において、フロアパネルが補強部材の脆弱部内に進入している状態を示す拡大縦断面図である。
【図9】第2実施形態に係る車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図10】図10及び図11は、第3実施形態に係り、図10は、車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図11】通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられた補強部材を示す、拡大縦断面図である。(B)リブに設けられた突起部の構成を示す、拡大横断面図である。
【図12】図12及び図13は、第4実施形態に係り、図12は、車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図13】(A)通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられた補強部材を示す、拡大縦断面図である。(B)リブに設けられた凸側突起部及び凹側突起部を示す拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 サイドメンバ(車両骨格部材)
12 屈曲部
13 屈曲部
14 補強部材
18 フロアパネル(車両骨格部材)
20 閉断面
22 屈曲部
23 屈曲部
26 リブ
28 突起部
30 隙間
38 突起部
48 突起部
58 凸側突起部(突起部)
59 凹側突起部(突起部)
F 荷重
S1 車両骨格部材の補強構造
S2 車両骨格部材の補強構造
S3 車両骨格部材の補強構造
S4 車両骨格部材の補強構造
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両骨格部材の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フロントサイドメンバの前後の直線部が段差状に連続する屈曲部に、該屈曲部の前後の曲折部にわたる長さの板状の硬質合成樹脂発泡材が密着している構造が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−217084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来例における硬質合成樹脂発泡材は、車両の衝突の際に、衝突荷重によりフロントサイドメンバと共に塑性変形する。しかしながら、該従来例における硬質合成樹脂発泡材は、フロントサイドメンバの変形モードの制御に重点が置かれており、衝突荷重に対する反力については考慮されていない。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、閉断面を有する車両骨格部材と、該車両骨格部材における前記閉断面内に配設され、該車両骨格部材の長手軸方向に沿って所定間隔でリブが設けられると共に、隣接する該リブ間のうち前記車両骨格部材の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部が設けられた樹脂製の補強部材と、を有している。
【0006】
請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造では、車両骨格部材における閉断面内に、該車両骨格部材の長手軸方向に沿って所定間隔でリブが設けられた樹脂製の補強部材が配設されており、該補強部材における隣接する該リブ間のうち、車両骨格部材の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部が設けられているので、該車両骨格部材に荷重が入力されて補強部材が塑性変形した際に、相対する突起部が互いに接触する。これにより、更なる補強部材の塑性変形が抑制され、車両骨格部材の長手軸方向への反力が生ずる。このため、車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造において、相対する前記突起部間には、前記補強部材における前記圧縮側部位の変形を許容する隙間が設けられている。
【0008】
請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造では、相対する突起部間に、補強部材における圧縮側部位の変形を許容する隙間が設けられているので、車両骨格部材に荷重が入力された際には、該隙間の領域を起点として車両骨格部材及び補強部材の変形が生じる。この変形が進行して行き、相対する突起部が互いに接触すると、更なる補強部材の塑性変形が抑制され、車両骨格部材の長手軸方向への反力が生ずる。このように、請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造では、補強部材における突起部間の隙間により、車両骨格部材への荷重入力初期における該車両骨格部材の変形量を確保することができると共に、車両骨格部材の変形モードをコントロールすることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造において、前記車両骨格部材の前記閉断面は、車両のフロアパネルと、該フロアパネルの車両下側に結合され車両前後方向に延びるサイドメンバとにより形成され、前記補強部材は、前記サイドメンバの屈曲部に設けられている。
【0010】
請求項3に記載の車両骨格部材の補強構造では、車両骨格部材の閉断面が、車両のフロアパネルと、該フロアパネルの車両下側に結合され車両前後方向に延びるサイドメンバとにより形成され、補強部材がサイドメンバの屈曲部に設けられているので、サイドメンバへの荷重の入力時における該屈曲部の強度・剛性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造によれば、車両骨格部材に荷重が入力されて変形する際に、該荷重に対する反力を高めて、該車両骨格部材の変形を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
【0012】
請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造によれば、車両骨格部材への荷重入力初期における該車両骨格部材の変形量を確保することができると共に、車両骨格部材の変形モードをコントロールすることができる、という優れた効果が得られる。
【0013】
請求項3に記載の車両骨格部材の補強構造によれば、サイドメンバへの荷重の入力時における該屈曲部の強度・剛性を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S1は、車両骨格部材の一例たるサイドメンバ10の屈曲部12の補強構造に係り、図2において、サイドメンバ10と、樹脂製の補強部材14とを有している。
【0016】
図2,図4、図6に示されるように、サイドメンバ10は、車両16(図1)のフロアパネル18の車両下側に結合され、車両前後方向に延びている。具体的には、サイドメンバ10は、例えば高張力鋼板をプレス成形することで、側壁部10A、下壁部10D及びフランジ10Bを有する例えば断面逆ハット形に形成されている。そしてこのサイドメンバ10は、フランジ10Bにおいて、フロアパネル18の下面に、例えば溶接により接合されている。このフロアパネル18とサイドメンバ10とにより、例えば略矩形の閉断面20を有する車両骨格部材が構成されている。
【0017】
ここで、サイドメンバ10は、車両前後方向における中央部10Cの前後に、フロントサイドメンバ10F及びリヤサイドメンバ10Rを有して構成されている。フロントサイドメンバ10F及びリヤサイドメンバ10Rの車幅方向外側には、車輪24が配設されるようになっている。
【0018】
このフロントサイドメンバ10F及びリヤサイドメンバ10Rは、例えば何れも中央部10Cよりも車両上側に位置している。これに伴い、中央部10Cとフロントサイドメンバ10Fとの境界部には、屈曲部12,13が形成され、中央部10Cとリヤサイドメンバ10Rとの境界部には、屈曲部22,23が形成されている。屈曲部12,22の曲率中心(図示せず)は、該屈曲部12,22の車両上方側に位置し、屈曲部13,23の曲率中心(図示せず)は、該屈曲部13,23の車両下方側に位置している。
【0019】
車両16が例えば前面衝突して、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力され、該サイドメンバ10が変形する際には、屈曲部12の車両上側、及び該屈曲部13の車両下側が夫々圧縮側部位となる。一方、車両16の例えば後面衝突時には、屈曲部22の車両上側、及び屈曲部23の車両下側が夫々圧縮側部位となる。
【0020】
図2,図4,図6において、樹脂製の補強部材14は、車両骨格部材の閉断面20内、即ちフロアパネル18とサイドメンバ10とにより形成された閉断面20内に配設されている。図4から図6に示されるように、この補強部材14は、サイドメンバ10の例えば前側の屈曲部12に設けられている。また補強部材14は、例えば車両下方側に開口した断面略逆U字形に成形されており、サイドメンバ10の側壁部10Aと略平行な一対の側壁部14Aと、両側の該側壁部14Aの上縁同士を車幅方向に連結する上壁部14Uとを有している。補強部材14の側壁部14Aは、サイドメンバ10の側壁部10Aと車幅方向に離間して配置され、補強部材14の上壁部14Uはフロアパネル18から車両上下方向に離間して配置されている。
【0021】
図4,図5に示されるように、補強部材14には、サイドメンバ10の長手軸方向に沿って所定間隔でリブ26が設けられている。このリブ26は、両側の側壁部14A及び上壁部14Uに連結されている。隣接するリブ26間のうち、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力された際に塑性変形する圧縮側部位には、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部28が設けられている。この突起部28は、補強部材14における両側の側壁部14A間に連続的に延びる堤状(直方体状)に形成され、全幅に渡って同一形状に形成されている。また突起部28は、例えば補強部材14と一体成形されている。
【0022】
ここで、上記したように、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力された際における屈曲部12の圧縮側部位は、車両上側である。従って、屈曲部12においては、突起部28は、リブ26における上壁部14U側の根元部に設けられている。換言すれば、突起部28は、各リブ26の両面に設けられており、該各リブ26の根元部が突起部28により補強された状態となっている。
【0023】
相対する突起部28間には、補強部材14における圧縮側部位、即ち補強部材14の上壁部14Uの変形を許容する隙間30が設けられている。補強部材14の長手軸方向における隙間30の大きさは、サイドメンバ10への荷重F(図1)の入力初期に確保する該サイドメンバ10の変形量や、サイドメンバ10の変形モード、荷重Fに対する反力を生じさせるタイミング等を考慮して設定される。
【0024】
図2,図3,図6に示されるように、補強部材14は、閉断面20内に発泡部材32により結合されている。具体的には、発泡部材32は、閉断面20内におけるサイドメンバ10の側壁部10Aと補強部材14の側壁部14Aとの間、及びフロアパネル18と補強部材14の上壁部14Uとの間に配置されている。また発泡部材32は、サイドメンバ10の長手軸方向に沿って、例えば連続的に設けられている。そして発泡部材32は、サイドメンバ10やフロアパネル18が、例えば塗装工程において加熱された際に発泡して固化し、補強部材14を閉断面20内に結合するように構成されている。
【0025】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図7(A)において、本実施形態に係る車両骨格部材の補強構造S1では、車両16(図1)が前面衝突し、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重Fが入力された際に、図7(B)に示されるように、屈曲部12の車両上側が圧縮側となって断面塑性変形(面外変形)する。このとき、サイドメンバ10の車両上側に結合されているフロアパネル18も塑性変形する。
【0026】
ここで、サイドメンバ10及びフロアパネル18における閉断面20内には、樹脂製の補強部材14が配設されており、該補強部材14には、サイドメンバ10の長手軸方向に沿って所定間隔でリブ26が設けられ、隣接する該リブ26間のうち、荷重F(図1)が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部28が設けられている。また、相対する突起部28間には、補強部材14における圧縮側部位の変形を許容する隙間30が設けられている。この隙間30の領域は、補強部材14の上壁部14Uに相当し、肉厚が突起部28より小さい。従って、サイドメンバ10に荷重Fが入力された際には、該隙間30の領域を起点としてサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が生じる。これにより、サイドメンバ10の変形モードをコントロールすることができる。
【0027】
サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が進行して行き、相対する突起部28が互いに接触すると、更なる補強部材14の塑性変形が抑制され、サイドメンバ10の長手軸方向への反力が生ずる。サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14は、相対する突起部28が互いに接触するまでは、比較的容易に変形することができる。また突起部28は、リブ26の両面に設けられているので、該リブ26における上壁部14U側の根元部は、サイドメンバ10の長手軸方向の両側から補強されている。このため、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の塑性変形時に、該リブ26の変形を抑制することが可能である。
【0028】
このように、車両骨格部材の補強構造S1では、サイドメンバ10への荷重入力初期において、該サイドメンバ10の変形量を確保することができる。また相対する突起部28が互いに接触すると、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。これによって、サイドメンバ10への荷重Fの入力時における屈曲部12の強度・剛性を向上させることができる。
【0029】
なお、図8(A)に示されるように、補強部材14の上壁部14U(隙間30の領域)のうち屈曲部12に位置する部位に、貫通孔等の脆弱部34を設けるようにしてもよい。この場合、図8(B)に示されるように、このような脆弱部34を設けることで、サイドメンバ10に荷重Fが入力されて、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14が当該隙間30の領域を起点として変形する際に、圧縮側となるフロアパネル18は、座屈変形しながら脆弱部34内へ容易に進入することができる。従って、サイドメンバ10への荷重入力初期におけるサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が円滑に行われる。また屈曲部12におけるサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形起点を容易に設定することができる。相対する突起部28が互いに接触した後は、上記したように、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。
【0030】
[第2実施形態]
図9において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S2では、補強部材14に設けられたリブ26の上壁部14U側の根元部(圧縮側部位)に、車幅方向に所定間隔で配置されたリブ状の突起部38が設けられている。この突起部38は、リブ26の両面に、例えば3箇所ずつ設けられ、補強部材14の上壁部14U及びリブ26に夫々連結されている。またこの突起部38は、第1実施形態と同様に、補強部材14と一体成形されている。更に隣接するリブ26間において、3組の突起部38は、サイドメンバ10の長手軸方向に相対している。
【0031】
車両骨格部材の補強構造S2では、突起部38が車幅方向に所定間隔で配置されたリブ状に形成されているので、第1実施形態における堤状の突起部28と比較して、補強部材14を軽量化することができる。
【0032】
他の部分の構成、並びにサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形時の作用については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0033】
[第3実施形態]
図10,図11(A)において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S3では、補強部材14に設けられたリブ26の上壁部14U側の根元部(圧縮側部位)に、車幅方向に所定間隔で配置されたリブ状の突起部48が設けられている。この突起部48は、リブ26の両面に、例えば2箇所ずつ設けられている。この突起部48の例えば車幅方向両側には、係合突起48Aが、例えば2本ずつ張り出して形成されている。この係合突起48Aは、例えば補強部材14の高さ方向に延びる堤状に形成され、該補強部材14と一体成形されている。
【0034】
隣接するリブ26間において、サイドメンバ10の長手軸方向に相対する突起部48は、互いに車幅方向にオフセットして配置されている。換言すれば、図11(B)に示されるように、相対する突起部48は、互い違いに配置されている。これに加えて、車幅方向における突起部48の間隔は、対向する突起部48の係合突起48Aの位置における厚さ寸法(車幅方向寸法)よりも若干小さく設定されている。これにより、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力され、該サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14が、その長手軸方向に塑性変形した際に、相対する突起部48が互いに嵌合するようになっている。
【0035】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0036】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図10,図11(A),図11(B)において、車両骨格部材の補強構造S3では、車両16(図1参照)が前面衝突し、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重Fが入力された際に、屈曲部12の車両上側が圧縮側となって断面塑性変形(面外変形)する。このとき、サイドメンバ10の車両上側に結合されているフロアパネル18も塑性変形する。
【0037】
ここで、サイドメンバ10及びフロアパネル18の閉断面20内に配設された樹脂製の補強部材14において、サイドメンバ10の長手軸方向に隣接するリブ26間の圧縮側部位には、該長手軸方向に相対する突起部48が、互いに車幅方向にオフセットして配置されており、各突起部48には夫々係合突起48Aが形成されている。また、相対する突起部48間には、補強部材14における圧縮側部位の変形を許容する隙間30が設けられている。従って、サイドメンバ10に荷重Fが入力された際には、該隙間30の領域を起点としてサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が生じる。これにより、サイドメンバ10の変形モードをコントロールすることができる。
【0038】
サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が進行して行き、相対する突起部48が互いに嵌合すると、更なる補強部材14の塑性変形が抑制され、サイドメンバ10の長手軸方向への反力が生ずる。サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14は、相対する突起部48が互いに嵌合するまでは、比較的容易に変形することができる。従って、車両骨格部材の補強構造S3では、サイドメンバ10への荷重入力初期において、該サイドメンバ10の変形量を確保することができる。また相対する突起部48が互いに嵌合すると、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。
【0039】
このように、車両骨格部材の補強構造S3では、サイドメンバ10への荷重Fの入力時における屈曲部12の強度・剛性を向上させることができる。またこれによって、サイドメンバ10の車両後方への荷重伝達効率を高めることができる。更に車両骨格部材の補強構造S3では、相対する突起部48が嵌合する構成となっているので、サイドメンバ10が塑性変形する際に、例えばねじれ変形するような変形モードが含まれていても、その変形を抑制して、荷重Fに対する反力を効率的に生じさせることができる。
【0040】
なお、突起部48の数、係合突起48Aの形状及び数は、図示の例には限られない。
【0041】
[第4実施形態]
図12において、本実施の形態に係る車両骨格部材の補強構造S4では、補強部材14に設けられたリブ26の上壁部14U側の根元部(圧縮側部位)に、凸側突起部58と、凹側突起部59とが設けられている。この凸側突起部58及び凹側突起部59は、補強部材14と一体成形されている。
【0042】
具体的には、凸側突起部58は、リブ26の例えば車両前方面に設けられている。凸側突起部58は、車両前方に向かうに従って幅寸法が小さくなるように、車幅方向の両側面が傾斜面58Aとして構成されている。また凹側突起部59は、リブ26の車両後方面に設けられ、凸側突起部58の傾斜面58Aに対応した傾斜面59Aを有している。凸側突起部58と凹側突起部59とは、サイドメンバ10の長手軸方向に相対しており、図13(A)に示されるように、その間には、補強部材14の上壁部14Uの変形を許容する隙間30が設けられている。
【0043】
凹側突起部59の後端における両側の傾斜面59Aの離間距離は、凸側突起部58の前端における両側の傾斜面58Aの離間距離よりも大きく設定されており、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重F(図1)が入力され、該サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14が、その長手軸方向に塑性変形した際に、凸側突起部58が凹側突起部59に嵌入できるようになっている。
【0044】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0045】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図12,図13(A),図13(B)において、車両骨格部材の補強構造S4では、車両16(図1参照)が前面衝突し、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重Fが入力された際に、屈曲部12の車両上側が圧縮側となって断面塑性変形(面外変形)する。このとき、サイドメンバ10の車両上側に結合されているフロアパネル18も塑性変形する。
【0046】
ここで、サイドメンバ10及びフロアパネル18の閉断面20内に配設された樹脂製の補強部材14において、サイドメンバ10の長手軸方向に隣接するリブ26間の圧縮側部位には、該長手軸方向に相対する凸側突起部58及び凹側突起部59が設けられている。また、相対する凸側突起部58と凹側突起部59との間には、補強部材14における圧縮側部位の変形を許容する隙間30が設けられている。従って、サイドメンバ10に荷重Fが入力された際には、該隙間30の領域を起点としてサイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が生じる。これにより、サイドメンバ10の変形モードをコントロールすることができる。
【0047】
また凸側突起部58及び凹側突起部59は、夫々傾斜面58A,59Aを有しており、凹側突起部59の後端における両側の傾斜面59Aの離間距離は、凸側突起部58の前端における両側の傾斜面58Aの離間距離よりも大きく設定されている。従って、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の変形が進行して行くと、凸側突起部58が凹側突起部59に嵌入する。そして、凸側突起部58の傾斜面58Aが、凹側突起部59の傾斜面59Aと干渉することで、くさび効果が生じるので、更なる補強部材14の塑性変形が抑制され、サイドメンバ10の長手軸方向への反力が生ずる。サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14は、相対する凸側突起部58と凹側突起部59とが互いに嵌合するまでは、比較的容易に変形することができる。
【0048】
従って、車両骨格部材の補強構造S4では、サイドメンバ10への荷重入力初期において、該サイドメンバ10の変形量を確保することができる。また相対する凸側突起部58と凹側突起部59とが互いに嵌合すると、荷重Fに対する反力が高まるので、サイドメンバ10、フロアパネル18及び補強部材14の更なる変形が抑制される。これによって、サイドメンバ10への荷重Fの入力時における屈曲部12の強度・剛性を向上させることができる。またこれによって、サイドメンバ10の車両後方への荷重伝達効率を高めることができる。
【0049】
更に車両骨格部材の補強構造S4では、相対する凸側突起部58と凹側突起部59とが、傾斜面58A,59Aにおいて嵌合する構成となっているので、サイドメンバ10が塑性変形する際に、例えばねじれ変形するような変形モードが含まれていても、その変形を抑制して、荷重Fに対する反力を効率的に生じさせることができる。
【0050】
なお、凸側突起部58及び凹側突起部59の配置や数、傾斜面58A,59Aの形状は、図示の例には限られない。従って、例えば凹側突起部59をリブ26の車両前方面に配置し、凸側突起部58を該リブ26の車両後方面に配置してもよい。
【0051】
(他の実施形態)
上記した各実施形態においては、補強部材14が、サイドメンバ10における前側の屈曲部12に設けられているものとしたが、これに限られず、サイドメンバ10における後側の屈曲部22にも、補強部材14を適用することが可能である。
【0052】
前側の屈曲部13及び後側の屈曲部23においては、サイドメンバ10の長手軸方向に荷重が入力された際の圧縮側部位が夫々車両下側となるので、屈曲部13,23に補強部材14を設ける場合には、突起部28,38,48や、凸側突起部58及び凹側突起部59は、圧縮側部位である車両下方側に設けられる。またこの場合、補強部材14は、車両上方側に開口する断面略U字形に形成され、一対の側壁部14Aと、両側の該側壁部14Aの下縁同士を車幅方向に連結する下壁部(図示せず)とを有する構成となる。
【0053】
この他、補強部材14は、サイドメンバ10に限られず、ピラー等(図示せず)の他の車両骨格部材にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1から図8は、第1実施形態に係り、図1は、車両骨格部材の補強構造を有する車両を示す側面図である。
【図2】車両骨格部材の補強構造を示す、拡大斜視図である。
【図3】車両骨格部材の補強構造を示す、拡大分解斜視図である。
【図4】車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図5】車両骨格部材の補強構造を示す拡大縦断面図である。
【図6】車両骨格部材の補強構造を示す、図5における6−6矢視拡大縦断面図である。
【図7】(A)通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられた補強部材を示す、拡大縦断面図である。(B)サイドメンバに荷重が入力されて、該サイドメンバ、フロアパネル及び補強部材が塑性変形した際に、該補強部材に設けられた突起部が互いに接触することで、更なる変形が抑制されている状態を示す拡大縦断面図である。
【図8】(A)第1実施形態の変形例に係り、通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられると共に上壁部に脆弱部が設けられた補強部材を示す拡大縦断面図である。(B)サイドメンバに荷重が入力されて、該サイドメンバ、フロアパネル及び補強部材が塑性変形した際に、該サイドメンバの屈曲部において、フロアパネルが補強部材の脆弱部内に進入している状態を示す拡大縦断面図である。
【図9】第2実施形態に係る車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図10】図10及び図11は、第3実施形態に係り、図10は、車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図11】通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられた補強部材を示す、拡大縦断面図である。(B)リブに設けられた突起部の構成を示す、拡大横断面図である。
【図12】図12及び図13は、第4実施形態に係り、図12は、車両骨格部材の補強構造において、主として補強部材の構成を示す拡大斜視図である。
【図13】(A)通常時のサイドメンバにおける屈曲部と、該屈曲部に設けられた補強部材を示す、拡大縦断面図である。(B)リブに設けられた凸側突起部及び凹側突起部を示す拡大横断面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 サイドメンバ(車両骨格部材)
12 屈曲部
13 屈曲部
14 補強部材
18 フロアパネル(車両骨格部材)
20 閉断面
22 屈曲部
23 屈曲部
26 リブ
28 突起部
30 隙間
38 突起部
48 突起部
58 凸側突起部(突起部)
59 凹側突起部(突起部)
F 荷重
S1 車両骨格部材の補強構造
S2 車両骨格部材の補強構造
S3 車両骨格部材の補強構造
S4 車両骨格部材の補強構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉断面を有する車両骨格部材と、
該車両骨格部材における前記閉断面内に配設され、該車両骨格部材の長手軸方向に沿って所定間隔でリブが設けられると共に、隣接する該リブ間のうち前記車両骨格部材の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部が設けられた樹脂製の補強部材と、
を有する車両骨格部材の補強構造。
【請求項2】
相対する前記突起部間には、前記補強部材における前記圧縮側部位の変形を許容する隙間が設けられている請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造。
【請求項3】
前記車両骨格部材の前記閉断面は、車両のフロアパネルと、該フロアパネルの車両下側に結合され車両前後方向に延びるサイドメンバとにより形成され、
前記補強部材は、前記サイドメンバの屈曲部に設けられている請求項1又は請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造。
【請求項1】
閉断面を有する車両骨格部材と、
該車両骨格部材における前記閉断面内に配設され、該車両骨格部材の長手軸方向に沿って所定間隔でリブが設けられると共に、隣接する該リブ間のうち前記車両骨格部材の長手軸方向に荷重が入力された際に塑性変形する圧縮側部位に、該長手軸方向において相対する少なくとも一組の突起部が設けられた樹脂製の補強部材と、
を有する車両骨格部材の補強構造。
【請求項2】
相対する前記突起部間には、前記補強部材における前記圧縮側部位の変形を許容する隙間が設けられている請求項1に記載の車両骨格部材の補強構造。
【請求項3】
前記車両骨格部材の前記閉断面は、車両のフロアパネルと、該フロアパネルの車両下側に結合され車両前後方向に延びるサイドメンバとにより形成され、
前記補強部材は、前記サイドメンバの屈曲部に設けられている請求項1又は請求項2に記載の車両骨格部材の補強構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−30339(P2010−30339A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191890(P2008−191890)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(508036075)ゼフィロス インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(508036075)ゼフィロス インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】
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