説明

車体構造

【課題】キャビン部の剛性を小さくした場合にも前面衝突時にキャビン部の前部が車室内に大きく侵入するのを防止することができる車体構造の提供を図る。
【解決手段】独立構造とした車台フレーム10とキャビン部20とを衝突時の荷重入力で破断されるマウントを介して連結し、車台フレーム10とキャビン部20との間に、車両の前面衝突時にキャビン部20の前方移動に伴ってフロアパネル26の前部を積極的に上方に持上げる上方荷重誘起機構100を設けることにより、前面衝突時にキャビン部20が車両前方に相対移動するとフロアパネル26の前部が上方に持上げられ、フロアパネル26の前部とダッシュクロスメンバ22との間に空間部Sが形成されて、フロアパネル26が車台フレーム10に干渉するのを阻止若しくはその干渉度合いを低減し、フロアパネル26の前部が変形して車室内に大きく侵入するのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体構造に関し、とりわけ、衝突時の荷重入力によりキャビン部が車台フレームに対して相対移動されるようになった車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車体構造としては、車台フレームとキャビン部とを分離してそれぞれを独立構造とし、キャビン部を変位機構を介して車台フレームに搭載して、前面衝突または後面衝突によりマウントが破断することにより、キャビン部が車台フレームに対して相対的に衝突側に移動して、衝突時の衝撃がキャビン部に伝播されるのを効果的に緩和するとともに、キャビン部と車台フレームの強度を高めて構成できるようになっている。
【0003】
また、前記変位機構は、前方からの衝突荷重入力時に、キャビン部の衝突側端部を車台フレームに対して上方に持上げるとともに、非衝突側が上方に変位するのを拘束して、衝突物に対してキャビン部の衝突側部分、つまり、キャビン部の前部の上方移動を確保することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−338421号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる従来の車体構造にあっては、キャビン部の前部を上方移動させるためには、キャビン部の前部を車台フレームの前方キックアップ部に干渉させて、その干渉力によりキャビン部の前部を上方に持ち上げる挙動を誘起させるようになっている。
【0005】
ところが、前記前方キックアップ部に干渉するキャビン部の剛性が大きい場合は、キックアップ部に干渉した際のキャビン減速度が高くなって、乗員への衝撃力の負担が増大してしまう。
【0006】
一方、キャビン部の剛性が小さい場合は、キックアップ部に干渉した際にキャビン部の前部が大きく潰れて、キャビン部前面を閉塞するダッシュパネルが車室内、特に乗員の下肢スペース内に大きく浸入してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、キャビン部の剛性を小さくした場合にも前面衝突時にキャビン部の前部が車室内に大きく侵入するのを防止することができる車体構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車輪およびパワートレーンユニットを搭載する車台フレームと、乗員の居住空間であるキャビン部と、を分離してそれぞれを独立構造とし、それらキャビン部と車台フレームとが、衝突時の荷重入力によりキャビン部を車台フレームに対して相対移動させる変位機構を介して連結された車体構造において、車台フレームとキャビン部との間に、車両の前面衝突時にキャビン部の前方移動に伴ってフロアパネルの前部を上方に持上げる上方荷重誘起機構を設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車台フレームとキャビン部との間に上方荷重誘起機構を設けて、車両の前面衝突時にキャビン部の前方移動に伴ってフロアパネルの前部を上方に持上げるようにしたので、前面衝突時にはキャビン部が前方移動した場合にも、そのキャビン部の前部が車台フレームに干渉するのを阻止若しくは干渉度合いを低減できる。このため、キャビン部の剛性を小さくした場合にも、そのキャビン部の前部が車室内に大きく侵入するのを防止して、特に乗員の下肢スペースを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0011】
(第1実施形態)
図1〜図7は本発明にかかる車体構造の第1実施形態を示し、図1は車体骨格の分解斜視図、図2は車台フレームを上方から見た斜視図であり、図3は突起部材の拡大斜視図、図4はキャビン部の車室内前部を示す斜視図である。
【0012】
また、図5は図4中A−A線に沿った拡大断面図、図6は図4中B−B線に沿った拡大断面図であり、図7は上方荷重誘起機構の作動状態を示す車室前部の拡大側面図である。
【0013】
本実施形態の車体構造は図1に示すように、車輪Wや図示省略したパワートレーンユニットを搭載する車台フレーム10と、乗員の居住空間であるキャビン部20と、を分離してそれぞれが独立構造として構成されている。
【0014】
前記車台フレーム10は、図2にも示すように車幅方向両側に車両前後方向に延在する左・右サイドフレーム11L,11Rを備え、これら左・右サイドフレーム11L,11Rには、キャビン部20の下方に位置する平坦なフロア部12と、このフロア部12の車両前方および車両後方に傾斜面13a,13bを形成する前方・後方キックアップ部13F,13Rと、前方キックアップ部13Fの車両前方に設けたフロントエンド部14Fおよび後方キックアップ部13Rの車両後方に設けたリヤエンド部14Rと、が形成される。
【0015】
また、前記左・右サイドフレーム11L,11Rは、車両前端がフロントエンドクロスメンバ15Fで連結されるとともに、フロア部12の前側部および後側部がフロントフロア部クロスメンバ16Fおよびリヤフロア部クロスメンバ16Rで連結され、かつ、車両前後方向中央部がセンタークロスメンバ17で連結される。
【0016】
更に、フロントエンド部14Fおよび前方キックアップ部13Fの下方には、フロントサスペンションやエンジン等の駆動源を搭載するサブフレーム17が取り付けられている。
【0017】
このとき、フロントフロア部クロスメンバ16Fおよびリヤフロア部クロスメンバ16Rと、センタークロスメンバ17との上面は、それぞれ左・右サイドフレーム11L,11Rの上面から上方に突出しないように設定され、本実施形態ではそれぞれが同一面に形成される。
【0018】
このように構成された車台フレーム10は、車両前方および車両後方からの入力に対する剛性・強度のバランスを、フロントエンド部14Fとリヤエンド部14Rとを略等しくする一方、前方・後方キックアップ部13F,13Rとフロア部12とを略等しくし、かつ、車両前側のフロントエンド部14Fおよびリヤエンド部14Rよりも車両後側の前方・後方キックアップ部13F,13Rおよびフロア部12を大きく設定、つまり、フロントエンド部14Fの強度≒リヤエンド部14Rの強度<前方・後方キックアップ部13F,13Rの強度≒フロア部12の強度関係とすることが好ましい。
【0019】
前記キャビン部20は、その下部を平坦に形成してその下部骨格を、車幅方向両側端部に前後方向に延在した左・右シル部21L,21Rを備え、それら左・右シル部21L,21R間は、その車両前端部がダッシュクロスメンバ22で連結されるとともに、そのダッシュクロスメンバ22から車両後方に向かって左・右シル部21L,21Rの車幅方向中間部が第1中間クロスメンバ23A,第2中間クロスメンバ23Bおよび第3中間クロスメンバ23Cが適宜間隔をもって連結される。
【0020】
また、前記左・右シル部21L,21Rには、それらの前端部にフロントピラー24Aが、前後中央部にセンターピラー24Bが、後端部にリヤピラー24Cがそれぞれ立ち上げられ、それぞれの上端部にはルーフサイドレール25が連結される。
【0021】
そして、図4にも示すようにキャビン部20の下面には、前記第1〜第3中間クロスメンバ23A〜23Cの下側に亘ってフロアパネル26が敷設され、かつ、そのフロアパネル26は、前記第1〜第3中間クロスメンバ23A〜23Cに結合される。尚、前記第1中間クロスメンバ23Aは図示省略した前席(運転席や助手席)の前脚部が位置して、その前脚部が第1中間クロスメンバ23Aによって支持される。
【0022】
前記ダッシュクロスメンバ22は、キャビン部20の前端面を閉塞するダッシュパネル27の下部に車幅方向に延在して、その両端部がキャビン部20下部の左・右シル部21L,21Rに結合される。
【0023】
前記ダッシュパネル27は、左・右のフロントピラー24Aの上下方向の略中間部から下方部分間を覆って略垂直に配置されるダッシュアッパ27Uと、このダッシュアッパ27Uの下端から前記ダッシュロア27Lを下方かつ車両後方に向かって傾斜するダッシュロア27Lと、からなり、ダッシュロア27Lの後端部は前記フロアパネル26へと連続して連なる。
【0024】
前記ダッシュクロスメンバ22は、図5に示すように断面U字状に形成したアウタパネル22aと、平板状のインナパネル22bとを上・下フランジ部22c,22dで接合して略台形状の閉断面に形成されて、前記ダッシュロア27Lの下部外側面に当接して配置される。尚、ダッシュクロスメンバ22の下フランジ部22dは、フロアパネル26の前端部下側に沿って折曲されている。
【0025】
このとき、ダッシュクロスメンバ22はダッシュパネル27に当接されるが、それら両者は結合されること無く互いに分離した状態で配置され、そのダッシュクロスメンバ22の車幅方向両端部が左・右シル部21L,21Rの内面に結合されることによりキャビン部20に支持される。
【0026】
そして、このように構成されたキャビン部20は、前記車台フレーム10のフロア部12に変位機構を介在した状態で載置されてセットされるが、例えば、変位機構の1つとして構成される図示省略した複数のマウントを介してキャビン部20と車台フレーム10とが連結され、それらマウントは衝突時の荷重入力で破断されるようになっている。
【0027】
ここで、本発明では、車台フレーム10とキャビン部20との間に、車両の前面衝突時にキャビン部20の前方移動に伴ってフロアパネル26の前部を積極的に上方に持上げる上方荷重誘起機構100を設けてある(請求項1に対応)。
【0028】
前記上方荷重誘起機構100は、図2,図3に示すように車台フレーム10のキャビン部20の前部に対応した部位から上方に突設され、上方に向かって車両前方に傾斜する傾斜面111を形成した突起部材110と、図4に示すようにキャビン部20のフロアパネル26に形成され、前記突起部材110に対応する部位から少なくとも前席乗員の足首部よりも車両後方に延設される高剛性部120と、を備えて構成される(請求項2に対応)。
【0029】
即ち、前記突起部材110は、図3に示すように取付穴112aを四隅に形成した矩形状のベースプレート112と、このベースプレート112の上面に結合された高剛性の屋根状の三角板113と、によって形成され、その三角板113の後側面が前記傾斜面111になるとともに、前側面は垂直面114となっている。
【0030】
そして、前記突起部材110は、車台フレーム10のフロントフロア部クロスメンバ16Fの車幅方向略中央部の上面にベースプレート112をボルト固定し、そのフロントフロア部クロスメンバ16Fから三角板113が上方に突出される。勿論、このとき、三角板113の傾斜面111が車両後方に配置されるように取り付けられる。
【0031】
一方、前記高剛性部120は、図4に示すようにフロアパネル26の前記突起部材110が配置された部位、つまり、フロアパネル26の前部の車幅方向略中央部(通常ではコンソールボックスの配置部分)に、前記三角板113の横幅w1(図3参照)と同等若しくはそれ以上の幅w2をもって車両前後方向に延在して形成される。
【0032】
前記高剛性部120は、図6に示すようにフロアパネル26と、このフロアパネル26に閉断面を形成しつつ接合される別体のプレート121と、によって構成される(請求項9に対応)。
【0033】
即ち、前記フロアパネル26の形成部分では、フロアパネル26を幅w2をもって逆溝状に上方に凹設し、この凹設部分122の下方開放部を閉塞するように前記プレート121をフロアパネル26の下面に接合することにより、前記凹設部分122とプレート121とによって閉断面が形成される。
【0034】
また、図4に示すように車両前後方向に延在した前記高剛性部120の後方終端部120Eは、キャビン部20の下面に設けられて前席の前脚部を支持する前記第1中間クロスメンバ23Aよりも車両前方に適宜間隔Kが設けられるように設定される(請求項7に対応)。
【0035】
このとき、前記高剛性部120の車両前端近傍には、前記突起部材110を収納する凹設部123が形成され、キャビン部20を車台フレーム10にセットした際に突起部材110が前記凹設部123内に嵌合される。
【0036】
更に、前記キャビン部20のフロアパネル26には、図4に示すように前記高剛性部120の車幅方向両側方向にフロアパネル26の持ち上がりを助長する変形許容部130が形成されている(請求項3に対応)。
【0037】
前記変形許容部130は、車両前後方向に延在するとともに、車幅方向に複数条形成される凹凸状のビード131で形成されている(請求項5に対応)。
【0038】
このとき、前記変形許容部130は、それの前端部が前記高剛性部120の前端よりも車両前方に位置するとともに、変形許容量を車両後方から車両前方に向かって漸増させてある(請求項4に対応)。
【0039】
つまり、車両前後方向に延在した前記複数条のビード131は、車両前端部の形成始端位置を車幅方向に揃えてフロアパネル26の車幅方向両側端部から車幅方向中央部に向かって複数条形成されるが、車幅方向最外側に位置するビード131が最も長く形成されるとともに、車幅方向最内側に位置するビード131が最も短く形成され、それら両ビード131間に位置するビード131の後端位置が、最も長いビード131の後端と最も短いビード131の後端とを結ぶ直線Lで終端とすることにより、フロアパネル26の変形許容量が車両後方から車両前方に向かって漸増されるようになっている。
【0040】
以上の構成により本実施形態の車体構造によれば、車両が前面衝突により車台フレーム10の前端から衝突荷重が入力されると、キャビン部20には車両前方への慣性力が作用し、その時の慣性力によりキャビン部20と車台フレーム10とを連結していたマウントが破断すると、キャビン部20は車台フレーム10に対して車両前方へと相対的に移動する。
【0041】
このようにキャビン部20が車両前方に相対移動すると、上方荷重誘起機構100によってフロアパネル26の前部が積極的に上方に持上げられる。つまり、図7中実線に示すように車台フレーム10のフロントフロア部クロスメンバ16Fに固定された突起部材110に対して、キャビン部20のフロアパネル26に形成された高剛性部120が前方移動し、この高剛性部120が突起部材110の傾斜面111に沿って上方に乗り上げ、その高剛性部120の前端部が後方終端部120Eを中心として上方に持ち上げられる。
【0042】
すると、フロアパネル26の前部は、前記高剛性部120の車幅方向両側に形成した変形許容部130の変形を伴いつつ全体的に上方に持ち上げられ、そのフロアパネル26の前部と共にダッシュロア27Lはダッシュクロスメンバ22を迫り上がって、フロアパネル26の前部とダッシュクロスメンバ22との間に空間部Sが形成される。
【0043】
つまり、前記ダッシュクロスメンバ22はキャビン部20の移動に伴って前方に移動するのであるが、このダッシュクロスメンバ22の移動は車台フレーム10の前方キックアップ部13Fに干渉した時点で停止され、このようにダッシュクロスメンバ22が車台フレーム10に干渉して停止した状態で、前記ダッシュロア27Lがそのダッシュクロスメンバ22を迫り上がることになる。
【0044】
このため、キャビン部20の前方移動によって前記ダッシュクロスメンバ22が車台フレーム10の前方キックアップ部13Fに干渉した場合にも、前記ダッシュロア27Lはそのダッシュクロスメンバ22を迫り上がっているため、該ダッシュクロスメンバ22から大きな反力を受けることは無い。勿論、このとき、フロアパネル26の前部も上方荷重誘起機構100によって上方に持ち上げられているため、そのフロアパネル26が前記前方キックアップ部13F(車台フレーム10)に干渉するのを阻止若しくはその干渉度合いを低減できる。
【0045】
従って、キャビン部20の剛性を小さくした場合にも、前面衝突時にフロアパネル26の前部が変形して車室内に大きく侵入するのを防止することができるため、乗員Mの下肢MlのスペースSlを確保することができる。
【0046】
また、車両の前面衝突時にキャビン部20の前方移動に伴ってフロアパネル26の前部を積極的に上方に持上げる上方荷重誘起機構100を、前記突起部材110と前記高剛性部120とによって構成し、前者の突起部材110は、車台フレーム10のキャビン部20の前部に対応した部位から上方に突設して、上方に向かって車両前方に傾斜する傾斜面111を形成するとともに、後者の高剛性部120は、キャビン部20のフロアパネル26に形成して、前記突起部材110に対応する部位から少なくとも前席乗員Mの足首部Maよりも車両後方に延設したので、前記上方荷重誘起機構100を、傾斜面111を形成した突起部材110と、フロアパネル26に形成した高剛性部120と、により簡素な構成として提供できる。
【0047】
そして、高剛性部120は、前記突起部材110に対応する部位から少なくとも前席乗員Mの足首部Maよりも車両後方に延設したので、高剛性部120が突起部材110に乗り上げて後方終端部120Eを中心として前端部が上方に回動した際に、乗員下肢Mlの必要最小限のスペースSlを確保することができる。
【0048】
更に、前記キャビン部20のフロアパネル26には、前記高剛性部120の車幅方向両側方向にフロアパネル26の持ち上がりを助長する変形許容部130を形成したので、高剛性部120が前記突起部材110に乗り上げた際に、前記変形許容部130が容易に変形することによりフロアパネル26の前部を全体的に持ち上げることができるため、フロアパネル26の乗員Mの足下部分がダッシュクロスメンバ22や車台フレーム10に干渉するのを抑制して、乗員下肢Mlの前記スペースSlを確保し易くなる。
【0049】
更にまた、前記変形許容部130は、それの前端部が前記高剛性部120の前端よりも車両前方に位置するとともに、変形許容量が車両後方から車両前方に向かって漸増されるので、フロアパネル26の前部をより効率良く変形させることが可能となって、そのフロアパネル26の前部を容易に持ち上げることが可能となる。
【0050】
また、前記変形許容部130は、車両前後方向に延在するとともに、車幅方向に複数条形成される凹凸状のビード131で形成したので、変形許容部130が変形する際にはビード131の凹凸部分が広がるようにして延びるので、フロアパネル26を効率良く変形させてそのフロアパネル26の前部の持ち上げ量を確保することができる。
【0051】
更に、前記高剛性部120の後方終端部120Eを、前席の前脚部を支持した第1中間クロスメンバ23Aよりも車両前方に適宜間隔Kを設けて設定したので、高剛性部120が突起部材110により上方に持ち上げられる際に、前記間隔K部分が脆弱部となって高剛性部120の回転挙動を促進できるようになり、これによりフロアパネル26の前部を安定して上方に変位させる。
【0052】
更にまた、前記高剛性部120を、フロアパネル26と、このフロアパネル26に閉断面を形成しつつ接合される別体のプレート121と、によって構成したので、高剛性部120の剛性を簡単な構成によって高めることができるようになり、その高剛性部120が突起部材110に乗り上げる際に生ずるモーメントに対する耐力値を向上させることが可能となり、フロアパネル26の前部をより確実に上方変位させることができる。
【0053】
(第2実施形態)
図8,図9は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図8は高剛性部の配置状態を示すキャビン部の車室内前部の斜視図、図9は図8中C−C線に沿った拡大断面図である。
【0054】
本実施形態の車体構造は、基本的に第1実施形態と略同様の構成となり、図8に示すようにフロアパネル26の前部の車幅方向略中央部には高剛性部120が形成され、この高剛性部120の前端近傍には突起部材110(図2参照)を収納する凹設部123が形成されるとともに、高剛性部120の車幅方向両側方向にフロアパネル26の持ち上がりを助長する変形許容部130が形成されている。
【0055】
ここで、本実施形態では前記高剛性部120の前端部に、前記変形許容部130の近傍まで車幅方向に延設される車幅方向延長部124を形成してある(請求項8に対応)。
【0056】
従って、前記高剛性部120は前記車幅方向延長部124が形成されることにより、全体的に略T字状を成し、その車幅方向延長部124は図9に示すように第1実施形態の高剛性部120と同様に、フロアパネル26を所定幅w3をもって逆溝状に上方に凹設し、この凹設部分122aの下方開放部を閉塞するようにプレート121aをフロアパネル26の下面に接合することにより、前記凹設部分122aとプレート121aとによって閉断面が形成されるようになっている。
【0057】
この場合、前記車幅方向延長部124の凹設部分122aは、高剛性部120の凹設部122(図6参照)と連続して全体的に略T字状に形成されるとともに、その車幅方向延長部124のプレート121aは、高剛性部120のプレート121(図6参照)と連続して全体的に略T字状に形成されている。
【0058】
また、本実施形態の前記変形許容部130は、第1実施形態と同様に車両前後方向に延在するとともに、車幅方向に複数条形成される凹凸状のビード131で形成されて、それぞれのビード131の前端部が前記高剛性部120の前端よりも車両前方に位置させるとともに、変形許容量を車両後方から車両前方に向かって漸増させてある。
【0059】
従って、本実施形態の車体構造によれば、第1実施形態と略同様の作用効果を奏するのは勿論のこと、特に、高剛性部120の前端部に、変形許容部130の近傍まで車幅方向に延設される車幅方向延長部124を形成したので、前面衝突時に高剛性部120の前端部が突起部材110に乗り上げる際の押し上げ力を、前記車幅方向延長部124によって車幅方向外方に効率良く伝達できるようになり、フロアパネル26の前部をより確実に上方に持ち上げることができる。
【0060】
(第3実施形態)
図10は本発明の第3実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図10はダッシュクロスメンバの取付部分を示すキャビン部の車室内前部の斜視図である。
【0061】
本実施形態の車体構造は、基本的に第1実施形態と略同様の構成となり、図10に示すようにダッシュクロスメンバ22は、これの両端部が左・右シル部21L,21Rの前端部に接合されている。
【0062】
ここで、本実施形態では前記ダッシュクロスメンバ22の両端部に、前方からの衝突荷重入力により容易に変形する易変形部としての屈曲部22Kを設けてある(請求項11に対応)
即ち、前記屈曲部22Kは、図10に示すようにダッシュクロスメンバ22の両端から所定距離Dだけ車幅方向内方に位置した部分から、その両端部が車両後方に後退するように折曲させることにより形成される。
【0063】
従って、本実施形態の車体構造によれば、車両の前面衝突によりキャビン部20が車台フレーム10に対して相対的に前方移動して、ダッシュクロスメンバ22がその車台フレーム10に干渉した際に、そのダッシュクロスメンバ22が両端部の屈曲部22Kから変形して干渉時の衝撃エネルギーを吸収できるため、キャビン部20に入力される衝撃力を効率良く緩和することができる。
【0064】
(第4実施形態)
図11〜図14は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図11はフロアパネルとシル部との結合部分および高剛性部の構成を示すキャビン部の車室内前部の斜視図、図12は図11中D−D線に沿った拡大断面図、図13は図11中E−E線に沿った拡大断面図、図14は図11中F−F線に沿った拡大断面図である。
【0065】
本実施形態の車体構造は、基本的に第1実施形態と略同様の構成となり、図11に示すようにキャビン部20の下面に敷設したフロアパネル26の前部の車幅方向略中央部に高剛性部120Aが形成され、この高剛性部120Aの前端近傍には突起部材110(図2参照)を収納する凹設部123が形成されている。
【0066】
そして、本実施形態にあっても前記各実施形態と同様に前記キャビン部20のフロアパネル26には、前記高剛性部120Aの車幅方向両側方向にフロアパネル26の持ち上がりを助長する変形許容部130Aが形成される。
【0067】
特に、本実施形態では前記変形許容部130Aは、フロアパネル26の車幅方向両側端部が上方に折曲されて左・右シル部21L,21Rの内面に接合されるフランジ部26Fを設け、該フランジ部26Fの高さを車両前方に向かって徐々に高くなるように傾斜させるとともに、前記フランジ部26Fの上側縁部のみで前記シル部21L,21Rに接合することにより構成される(請求項6に対応)。
【0068】
また、本実施形態では前記高剛性部120Aは、フロアパネル26にアルミ等の軽合金の押出し材125を接合して構成されるようになっている(請求項10に対応)。
【0069】
即ち、前記押出し材125は、図14に示すように外郭部材125aで矩形状の扁平な閉断面を形成し、その外郭部材125a内の横方向(車幅方向)に適宜間隔をもって2枚の縦リブ125bを設けることにより形成され、この押出し材125をフロアパネル26の突起部材110(図2参照)に対応した車幅方向略中央部に前後方向に接着される。
【0070】
従って、本実施形態の車体構造によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するのは勿論のこと、前面衝突時に高剛性部120Aの前端部が突起部材110に乗り上げた際に、変形許容部130Aが容易に変形することによりフロアパネル26の前部を全体的に持ち上げることができる。
【0071】
つまり、フロアパネル26の前部が持ち上げられると、車幅方向両側部のフランジ部26Fがシル部21L,21Rに結合した上側縁部を中心として、そのフランジ部26Fの下部が上方に捲れ上がるように変形するため、フロアパネル26の前部を容易に持ち上げることができる。
【0072】
また、このとき、フランジ部26Fの高さを車両前方に向かって徐々に高くなるように傾斜させてあるので、フランジ部26Fの下部の捲り上がり量は車両前方に行くに従って大きくなり、その分、フロアパネル26の前部の持ち上げ量を容易に大きく稼ぐことができる。
【0073】
更に、本実施形態では前記高剛性部120Aを、フロアパネル26に軽合金の押出し材125を接合して構成したので、高剛性部120Aの強度を軽量化を達成しつつ増大することができ、高剛性部120Aが突起部材110に乗り上げた際にその高剛性部120Aの撓みをより小さくして、フロアパネル26の前部を効率良く持ち上げることができる。
【0074】
(第5実施形態)
図15〜図17は本発明の第5実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図15はダッシュクロスメンバの取付部分を示すキャビン部の車室内前部の斜視図、図16はダッシュクロスメンバの要部拡大斜視図、図17はダッシュクロスメンバの作動状態を示す車室前部の拡大側面図である。
【0075】
本実施形態の車体構造は、基本的に第1実施形態と略同様の構成となり、図15に示すようにフロアパネル26の前部の車幅方向略中央部には高剛性部120Bが形成されるが、特に、本実施形態では後述する理由により、前記各実施形態に示した突起部材110(図2参照)や高剛性部120Bの前端近傍の凹設部123(図4参照)は設けられない。
【0076】
また、前記高剛性部120Bの車幅方向両側方向には、車幅方向に複数条形成される凹凸状のビード131による変形許容部130が形成されるが、本実施形態では、それらビード131の前端部はダッシュロア27Lの下部まで連続して形成されている。尚、変形許容部130は、第4実施形態に示したようにフランジ部26Fの高さを傾斜させた変形許容部130A(図11参照)であってもよい。
【0077】
そして、本実施形態にあってもダッシュパネル27のダッシュロア27Lの外側面に、両端部が左・右シル部21L,21Rに結合されたダッシュクロスメンバ30が配置されるが、このダッシュクロスメンバ30は、図16に示すようにアルミ等の軽合金で略台形状を成す閉断面となる押出し材で形成され、後面30aの上下方向中間部の車幅方向に、前方からの衝突荷重入力により上部30Uと下部30Lとを近接する方向に屈曲させる溝状の脆弱部31が設けられる(請求項12に対応)。
【0078】
即ち、前記ダッシュクロスメンバ30は、断面台形状の下底30bが前記後面30aとなり、その閉断面内には上底30cの内面両側から下底30bの内面略中央部に断面V字状の補強リブ32を設けてあり、前記脆弱部31は、後面30aの上辺30dと補強リブ32の結合部30eとの間に設けられる。
【0079】
また、前記ダッシュクロスメンバ30は、前記下底30bの前記結合部32eよりも下方部分と、前記上底30cと、前記V字状の補強リブ32と、下方の側面30fと、の肉厚を厚く形成して剛性を高くしてあり、このように構成されたダッシュクロスメンバ30は前記高剛性部120Bと共に本発明の上方荷重誘起機構100Aとしても機能する。
【0080】
従って、本実施形態の車体構造によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するのは勿論のこと、図17に示すように前面衝突によりキャビン部20が車台フレーム10に対して相対的に前方移動すると、そのキャビン部20に伴ってダッシュクロスメンバ30が前方移動して車台フレーム10の前方キックアップ部13Fと干渉して停止し、この停止後、フロアパネル26はそのダッシュクロスメンバ30を迫り上がり、更に、ダッシュクロスメンバ30に接触しつつ乗り越えてフロアパネル26の前部がダッシュクロスメンバ30よりも前方に移動されようとする。
【0081】
このとき、前記ダッシュクロスメンバ30は、フロアパネル26が乗り越える時の大きなモーメントが作用して全体的に図中時計回り方向に回転され、この回転によりフロアパネル26の前部を効率良く上方に持ち上げる力が作用する。
【0082】
また、ダッシュクロスメンバ30に前記モーメントが作用することにより、そのダッシュクロスメンバ30は脆弱部31を中心として上部30Uと下部30Lとが近接する方向に屈曲され、遂にはそれら上部30Uと下部30Lとが当接するように折り畳まれることにより、フロアパネル26の前部を更に上方に押し上げる荷重を発生できるようになる。
【0083】
このため、前記ダッシュクロスメンバ30は高剛性部120Bと相俟って上方荷重誘起機構100Aを構成することができる。従って、本実施形態では前記各実施形態に設けられた突起部材110を設ける必要が無くなるため軽量化を図ることができるとともに、その突起部材110を収納する凹設部123も廃止されるためフロアパネル26前部のスペース効率を向上させることができる。
【0084】
(第5実施形態の変形例)
図18は前記第5実施形態の変形例を示すダッシュクロスメンバの断面斜視図で、第5実施形態のダッシュクロスメンバ30に代えて本変形例のダッシュクロスメンバ40を用いることができる。
【0085】
即ち、本変形例のダッシュクロスメンバ40は、3枚のプレスドパネル41,42,43を組み合わせて接合することにより形成される。第1のプレスドパネル41は、下方フランジ部41aをフロアパネル26の下面に沿って折曲した帯状平板として形成される。また、第2のプレスドパネル42は、上端部を車両前方に折曲して先端部に上方フランジ部42aを形成したリブ部42bを所定高さ分だけ起立させるとともに、下方フランジ部42cを前記第1のプレスドパネル41の下方フランジ部41aに沿って折曲した帯状板として形成される。更に、第3のプレスドパネル43は、上辺部に上方フランジ部43aを形成して中間部に上底部43bを設けた断面台形状に折曲し、下辺部に下方フランジ部43cを形成した帯状板として形成される。
【0086】
そして、第2のプレスドパネル42の上方フランジ部42aを第3のプレスドパネル43の上底部43bの上端部内面に接合しておき、そして、第1〜第3のプレスドパネル41,42,43を、それらの下方フランジ部41a,42c,43cを互いに重ね合わせるようにして組み合わせ、第3のプレスドパネル43の上方フランジ部43aと第1のプレスドパネル41の上辺部とを接合するとともに、重ね合わせた前記下方フランジ部41a,42c,43cを接合することにより本変形例のダッシュクロスメンバ40が形成される。
【0087】
また、前記第1のプレスドパネル41の板厚は、前記第2・第3のプレスドパネル42,43の板厚よりも薄く形成されて強度が低く設定され、その強度が低くなった第1のプレスドパネル41の上辺部近傍、つまり、第3のプレスドパネル43の上方フランジ部43aの接合部分と第2のプレスドパネル42のリブ部42bの基部との間を、衝突荷重入力により上部40Uと下部40Lとを近接する方向に屈曲させる脆弱部44となっている。
【0088】
従って、本変形例のダッシュクロスメンバ40にあっては、第5実施形態のダッシュクロスメンバ30と同様の機能を発揮してフロアパネル26の前部を上方に持ち上げることができようになり、更には、ダッシュクロスメンバ40がプレス材で形成されるため、形の自由度を向上させることができる。
【0089】
ところで、本発明の車体構造は前記第1〜第5実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1実施形態における車体骨格の分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態における車台フレームを上方から見た斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態における突起部材の拡大斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるキャビン部の車室内前部を示す斜視図。
【図5】図4中A−A線に沿った拡大断面図。
【図6】図4中B−B線に沿った拡大断面図。
【図7】本発明の第1実施形態における上方荷重誘起機構の作動状態を示す車室前部の拡大側面図。
【図8】本発明の第2実施形態における高剛性部の配置状態を示すキャビン部の車室内前部の斜視図。
【図9】図8中C−C線に沿った拡大断面図。
【図10】本発明の第3実施形態におけるダッシュクロスメンバの取付部分を示すキャビン部の車室内前部の斜視図。
【図11】本発明の第4実施形態におけるフロアパネルとシル部との結合部分および高剛性部の構成を示すキャビン部の車室内前部の斜視図。
【図12】図11中D−D線に沿った拡大断面図。
【図13】図11中E−E線に沿った拡大断面図。
【図14】図11中F−F線に沿った拡大断面図。
【図15】本発明の第5実施形態におけるダッシュクロスメンバの取付部分を示すキャビン部の車室内前部の斜視図。
【図16】本発明の第5実施形態におけるダッシュクロスメンバの要部拡大斜視図。
【図17】本発明の第5実施形態におけるダッシュクロスメンバの作動状態を示す車室前部の拡大側面図。
【図18】本発明の第5実施形態の変形例を示すダッシュクロスメンバの断面斜視図。
【符号の説明】
【0091】
10 車台フレーム
20 キャビン部
21L,21R シル部
22 ダッシュクロスメンバ
22K 屈曲部(易変形部)
23A 第1中間クロスメンバ(前席の前脚部を支持するクロスメンバ)
26 フロアパネル
26F フランジ部
27 ダッシュパネル
27L ダッシュロア
30,40 ダッシュクロスメンバ
30a 後面
30U 上部
30L 下部
31,44 脆弱部
100,100A 上方荷重誘起機構
110 突起部材
111 傾斜面
120,120A,120B 高剛性部
120E 後方終端部
121 別のプレート
124 車幅方向延長部
125 押出し材
130,130A 変形許容部
131 ビード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪およびパワートレーンユニットを搭載する車台フレームと、乗員の居住空間であるキャビン部と、を分離してそれぞれを独立構造とし、それらキャビン部と車台フレームとが、衝突時の荷重入力によりキャビン部を車台フレームに対して相対移動させる変位機構を介して連結された車体構造において、
前記車台フレームと前記キャビン部との間に、車両の前面衝突時にキャビン部の前方移動に伴ってフロアパネルの前部を上方に持上げる上方荷重誘起機構を設けた
ことを特徴とする車体構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車体構造であって、
前記上方荷重誘起機構は、車台フレームのキャビン部の前部に対応した部位から上方に突設され、上方に向かって車両前方に傾斜する傾斜面を形成した突起部材と、キャビン部のフロアパネルに形成され、前記突起部材に対応する部位から少なくとも前席乗員の足首部よりも車両後方に延設される高剛性部と、
を備えたことを特徴とする車体構造。
【請求項3】
請求項2に記載の車体構造であって、
前記キャビン部のフロアパネルは、前記高剛性部の車幅方向両側方向にフロアパネルの持ち上がりを助長する変形許容部が形成された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項4】
請求項3に記載の車体構造であって、
前記変形許容部は、それの前端部が前記高剛性部の前端よりも車両前方に位置するとともに、変形許容量を車両後方から車両前方に向かって漸増させた
ことを特徴とする車体構造。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の車体構造であって、
前記変形許容部は、車両前後方向に延在するとともに、車幅方向に複数条形成される凹凸状のビードである
ことを特徴とする車体構造。
【請求項6】
請求項3に記載の車体構造であって、
前記変形許容部は、フロアパネルの車幅方向両側端部が上方に折曲されてキャビン部下部のシル部の内面に接合されるフランジ部を設け、該フランジ部の高さを車両前方に向かって徐々に高くなるように傾斜させるとともに、前記フランジ部の上側縁部のみで前記シル部に接合した
ことを特徴とする車体構造。
【請求項7】
請求項2〜請求項6のいずれか1つに記載の車体構造であって、
前記高剛性部の後方終端部を、キャビン部の下面に設けられて前席の前脚部を支持するクロスメンバよりも車両前方に適宜間隔が設けられるように設定した
ことを特徴とする車体構造。
【請求項8】
請求項3〜請求項7のいずれか1つに記載の車体構造であって、
前記高剛性部の前端部に、前記変形許容部の近傍まで車幅方向に延設される車幅方向延長部を形成した
ことを特徴とする車体構造。
【請求項9】
請求項2〜請求項7のいずれか1つに記載の車体構造であって、
前記高剛性部は、フロアパネルと、このフロアパネルに閉断面を形成しつつ接合される別体のプレートと、によって構成される
ことを特徴とする車体構造。
【請求項10】
請求項2〜請求項9のいずれか1つに記載の車体構造であって、
前記高剛性部は、フロアパネルに軽合金の押出し材を接合して構成される
ことを特徴とする車体構造。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の車体構造であって、
前記キャビン部の前端面を閉塞するダッシュパネルの下部に車幅方向に延在して、その両端部がキャビン部下部のシル部に結合されるダッシュクロスメンバを備え、そのダッシュクロスメンバの両端部に前方からの衝突荷重入力により容易に変形する易変形部を設けた
ことを特徴とする車体構造。
【請求項12】
請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の車体構造であって、
前記キャビン部の前端面を閉塞するダッシュパネルの下部に車幅方向に延在して、その両端部がキャビン部下部のシル部に結合されるダッシュクロスメンバを備え、そのダッシュクロスメンバの後面の上下方向中間部の車幅方向に、前方からの衝突荷重入力により上部と下部とを近接する方向に屈曲させる脆弱部を設けた
ことを特徴とする車体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−114647(P2008−114647A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297831(P2006−297831)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】