説明

車線逸脱防止装置

【課題】運転者への車線逸脱の報知と逸脱防止トルクの付与とを両立して、より確実に車両の走行車線からの逸脱を防止することが出来る車線逸脱防止装置を提供する。
【解決手段】本発明による車線逸脱防止装置(1)は、車両の走行車線からの逸脱を予測し又は逸脱を検出する車線逸脱検出手段(26)と、車両の走行車線に対する逸脱方向を検出する逸脱方向検出手段(26)と、車両のステアリング(2)に左右方向の振動トルクを与える振動トルク付与手段(8)と、を有し、振動トルク付与手段は、車両の走行車線からの逸脱が検出され又は逸脱が予測されるとき、ステアリングにそのときの舵角を中立位置とする左右方向の振動トルクを付与すると共に、検出された逸脱方向と反対方向側の振動トルクの付与時間を逸脱方向側の振動トルクの付与時間より長く付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車線逸脱防止装置に係り、特に、車両のステアリングに左右方向の振動トルクを与えるようになっている車線逸脱防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が走行車線から逸脱すると予測されるとき、ステアリング装置に逸脱防止トルクを与え、車両が走行車線から逸脱することを防止する車線逸脱防止装置が知られている(例えば、特許文献1)。
また、特許文献2には、車速状態、路面状態、視界状態等に起因する自車両の走行上のリスクを、ステアリングホイールを振動させることで、運転者に報知する車両用運転操作補助装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−226981号公報
【特許文献2】特開2008−6921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1のような従来技術では、逸脱方向と反対側の方向にのみ所定の逸脱防止トルクを付与するものであるので、自車両の走行車線への復帰が急なものとなる場合があり、また、運転者がこのような逸脱防止トルクをステアリングから感じることによる報知も違和感があるものであった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、運転者へ車線逸脱の報知を有効に行いつつ車両の有効な逸脱防止動を行わせて、より確実に車両の走行車線からの逸脱を防止することが出来る車線逸脱防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明は、車両用車線逸脱防止装置であって、車両の走行車線からの逸脱を予測し又は逸脱を検出する車線逸脱検出手段と、車両の走行車線に対する逸脱方向を検出する逸脱方向検出手段と、車両のステアリングに左右方向の振動トルクを与える振動トルク付与手段と、を有し、この振動トルク付与手段は、車両の走行車線からの逸脱が検出され又は逸脱が予測されるとき、ステアリングにそのときの舵角を中立位置とする左右方向の振動トルクを付与すると共に、検出された逸脱方向と反対方向側の振動トルクの付与時間が逸脱方向側の振動トルクの付与時間より長くなるように振動トルクを付与することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、車両の走行車線からの逸脱が検出され又は逸脱が予測されるとき、ステアリングにそのときの舵角を中立位置とする左右方向の振動トルクが付与されるので、そのような左右方向の振動トルクを大きく確保してドライバへの報知性を向上させることが出来、さらに、そのような報知をする場合において、検出された逸脱方向と反対方向側の振動トルクの付与時間が逸脱方向側の振動トルクの付与時間より長くなるように振動トルクを付与するので、自動的に緩やかな車線逸脱防止を行い、車両がよりスムーズに走行車線に復帰するようにすることが出来る。このように、本発明においては、運転者へ車線逸脱の報知を有効に行いつつ車両の有効な逸脱防止動を行わせて、より確実に車両の走行車線からの逸脱を防止することが出来る。
【0007】
本発明において、好ましくは、振動トルク付与手段が付与する振動トルクは、逸脱方向と反対方向側に第1のパルス幅を有し且つ逸脱方向側に第2のパルス幅を有し、第1のパルス幅が上記第2のパルス幅より大きい。
このように構成された本発明においては、逸脱方向と反対方向側の第1のパルス幅が、逸脱方向側の第2のパルス幅より大きいので、より確実に、車両がよりスムーズに走行車線に復帰するようにすることが出来る。
【0008】
本発明において、好ましくは、さらに、上記走行車線に対する車両の逸脱角を算出する逸脱角算出手段を有し、振動トルク付与手段は、算出された逸脱角が大きいとき、小さいときよりもデューティ比が大きい振動トルクを付与する。
このように構成された本発明においては、逸脱角が大きいときであっても、小さいときと同等に、車線復帰性を確保することが出来る。
【0009】
本発明において、好ましくは、振動トルク付与手段は、車速が大きいとき、小さいときよりもデューティ比が大きい振動トルクを付与する。
このように構成された本発明においては、車速が大きいときであっても、小さいときと同等に、車線復帰性を確保することが出来る。
【0010】
本発明において、好ましくは、さらに、走行車線に対する車両の横移動速度を算出する横移動速度算出手段を有し、振動トルク付与手段は、算出された横移動速度が大きいとき、小さいときよりもデューティ比が大きい振動トルクを付与する。
このように構成された本発明においては、算出された横移動速度に応じてデューティ比を変化させるので、より確実に、車線復帰性を確保することが出来る。
【発明の効果】
【0011】
本発明による車両用車線逸脱防止装置によれば、運転者への車線逸脱の報知と逸脱防止トルクの付与とを両立して、より確実に車両の走行車線からの逸脱を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態による車両用車線逸脱防止装置を備えた車両の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態による車両用車線逸脱防止装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態による車両用車線逸脱防止装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態による車両用車線逸脱防止装置を備えた車両が走行車線を走行している状態を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態の車両用車線逸脱防止装置において、走行車線の左側への逸脱が予測/検出された場合に電動パワーステアリングに付与される振動トルク信号の一例を示す線図(図5(a))及びステアリングを示す正面図(図5(b))である。
【図6】本発明の実施形態による車両用車線逸脱防止装置を備えた車両が走行車線を走行している状態を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の車両用車線逸脱防止装置において、走行車線の右側への逸脱が予測/検出された場合に電動パワーステアリングに付与される振動トルク信号の一例を示す線図(図7(a))及びステアリングを振動方向と共に示す正面図(図7(b))である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置を説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置の概略構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置を備えた車両の概略構成を示す図であり、図2は、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置の概略構成を示すブロック図である。
先ず、図1に示すように、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置1は、ステアリングホイール2及びステアリングシャフト4に操舵のアシスト力を与える電動パワーステアリング機構/トルクアクチュエータ6と、この電動パワーステアリング機構6にアシスト力の大きさの指示を与えるステアリングトルクコントローラ8とを有する。ステアリングシャフト4には、ラックアンドピニオン式ステアリングギア装置10が連結され、左右の操舵輪12が操舵される。
本実施形態では、ステアリングトルクコントローラ8は、ステアリングホイール2及びステアリングシャフト4に後述する振動トルクが付与されるように、所定の振動トルク信号をトルクアクチュエータ6に与える(トルク指示を与える)ようになっている。
【0014】
次に、図2に示すように、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置1は、アクセル開度センサ14と、車両のインパネに設けられ、運転者の意思で車線逸脱警報をオン又はオフにするための車線逸脱警報スイッチ16と、ブレーキのオンオフを検出するブレーキスイッチ18と、車両の車速を検出するための車輪速センサ20と、ステアリングホイール2(図1参照)の操舵角を検出する操舵角センサ22と、道路区画線検出センサ24とを有する。道路区画線検出センサ24は、車両前方の路面を撮像するカメラ(図示せず)を備え、撮像した路面の画像から、走行車線の区画線(図4及び図6に示すLL、LR参照)を検出する。
【0015】
また、車線逸脱防止装置1は、ステアリングトルクコントローラ8が備える演算ユニット26を有し、各センサ又はスイッチ14〜24からの信号が入力されるようになっている。演算ユニット26は、各センサ又はスイッチ14〜24からの信号に基づいて、電動パワーステアリング6に与える振動トルク信号を演算する。
【0016】
次に、図3乃至図7により、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置の制御内容を説明する。図3は、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置の制御内容を示すフローチャートであり、図4は、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置を備えた車両が走行車線を走行している状態を説明するための図であり、図5は、本発明の実施形態の車線逸脱防止装置において、走行車線の左側への逸脱が予測/検出された場合に電動パワーステアリングに付与される振動トルク信号の一例を示す線図(図5(a))及びステアリングを示す正面図(図5(b))であり、図6は、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置を備えた車両が走行車線を走行している状態を説明するための図であり、図7は、本発明の実施形態の車線逸脱防止装置において、走行車線の右側への逸脱が予測/検出された場合に電動パワーステアリングに付与される振動トルク信号の一例を示す線図(図7(a))及びステアリングを振動方向と共に示す正面図(図7(b))である。なお、図3において、Sは、各ステップを示す。
先ず、図3に示すように、本実施形態による車線逸脱防止装置1の演算ユニット26は、S1において、車線逸脱警報スイッチ16がオンであるか否かを判定する。車線逸脱警報スイッチ16がオンであると判定された場合には、S2に進み、車輪速センサ20により検出された車両の車速が所定値内か否かを判定する。この所定値は、例えば、「40km/h以上」、「40km/h以上、且つ、100km/h以下」等と設定される。車速が所定値内ではない場合には、車線逸脱警報及び逸脱防止動作を行わない。
【0017】
車速が所定値内であると判定された場合には、S3に進み、ドライバの操作意図があるか否かを判定する。本実施形態では、ドライバの操作意図は、(1)アクセル開度が所定値以上変化した場合、(2)操舵角速度が所定値以上である場合、(3)操舵角が所定値以上である場合、(4)ドライバがブレーキ操作している場合である。S3では、これらの場合を、アクセル開度センサ14、操舵角センサ22、ブレーキスイッチ18からの信号に基づいて判定する。S3において、ドライバの操作意図があると判定された場合には、車線逸脱警報及び逸脱防止動作を行わない。
【0018】
S3において、ドライバの操作意図がないと判定された場合には、S4に進み、道路区画線検出センサ24により検出された走行車線の区画線(図4及び図6に示すLL、LR参照)の情報に基づいて、自車両の走行車線からの逸脱方向、自車両から道路区画線までの距離、及び、自車両の道路区画線に対する角度(逸脱角度)を算出する。例えば、図4に示すように、逸脱方向が、走行車線の左側の区画線LL側の方向である場合には、自車両の左側区画線LLまでの距離及び左側区画線LLに対する角度を算出する。
【0019】
次に、S5に進み、S4で算出された区画線までの距離が所定値以下、且つ、逸脱角度が所定値以上か否かを判定する。ここで、「区画線までの距離が所定値以下」とは、自車両と区画線との距離がプラスである場合と、0(ゼロ)及びマイナスである場合を含む。自車両と区画線との距離がプラスである場合には、走行車線からの逸脱が予測され、一方、0(ゼロ)及びマイナスである場合は、走行車線から実際に逸脱しているものと判定される。即ち、このS5では、逸脱の予測又は検出の判定が行われる。
なお、このS5における逸脱の予測又は検出の判定は、車速と、区画線までの距離と、逸脱角度との関係を規定した所定のマップに基づいて行うようにしても良い。
S5において、逸脱が予測又は検出されない場合には、車線逸脱警報及び逸脱防止動作を行わない。
【0020】
S5において、逸脱が予測又は検出された場合には、S6に進み、ステアリングホイール2及びステアリングシャフト4に付与する振動トルク信号のデューティ比及び付与時間を決定する。このS6では、図5及び図7に示すような方形波の振動トルク信号を設定する。図5及び図7に示すように、振動トルク信号は、それぞれ、振幅AL、AR及びパルス幅PL、PRを有し、逸脱が予測又は検出された時刻t=0から、時刻t=t1まで付与される。本実施形態では、周波数は約10Hzであり、付与時間(=t1)は、約1秒である。
【0021】
ここで、逸脱方向が、走行車線の左側の区画線LL側の方向である場合(図4参照)には、図5に示すように、振動トルク信号は、逸脱防止方向(反逸脱方向)である右方向のパルス幅PRが、逸脱方向である左方向のパルス幅PLより大きくなるように設定される。また、デューティ比(周期に対するパルス幅の比(右方向が反逸脱方向の場合、左右方向のトルク付与時間の和に対する右方向のトルク付与時間の比))は、50%〜80%(50%より大きく、且つ、80%以下)の範囲で設定される。
一方、逸脱方向が、走行車線の右側の区画線LR側の方向である場合(図6参照)には、図7に示すように、振動トルク信号は、逸脱防止方向(反逸脱方向)である左方向のパルス幅PLが、逸脱方向である右方向のパルス幅PRより大きくなるように設定される。また、デューティ比(周期に対するパルス幅の比(左方向が反逸脱方向の場合、左右方向のトルク付与時間の和に対する左方向のトルク付与時間の比))は、50%〜80%(50%より大きく、且つ、80%以下)の範囲で設定される。
【0022】
このS6では、デューティ比を、S4で算出した逸脱角度が大きい場合、逸脱角度が小さい場合よりも、相対的に大きく設定する。即ち、逸脱角度が大きいほど、逸脱をより確実に防止するために、反逸脱方向のトルク付与時間をより大きく設定する。例えば、デューティ比を、逸脱角度が大きいほど、80%に近づけるように設定する。なお、逸脱角度に応じて、デューティ比を段階的に設定するようにしても良い。
また、同様に、S6では、デューティ比を、車速が大きい場合、車速が小さい場合よりも、相対的に大きく設定する。特に、区画線に対する車両の横移動速度が大きい場合、区画線に対する車両の横移動速度が小さい場合よりも、相対的に大きく設定する。区画線に対する車両の横移動速度は、S4又はこのS6で算出される。
なお、同様に、デューティ比を、S4で算出した区画線までの距離が小さい場合、その距離が大きい場合よりも、相対的に大きく設定するようにしても良い。
【0023】
振動トルク信号の振幅AL、ARの大きさは、左側への逸脱及び右側への逸脱のいずれにおいても、運転者にステアリングホイール2を介して十分に報知される程度に大きく設定される。本実施形態では、左右の振幅AL、ARの大きさは同じ値に設定されている。
【0024】
次に、S7に進み、S6で設定した振動トルク信号(図5(a)、図7(a)参照)を電動パワーステアリング6に出力し、このような信号に基づいた振動トルクをステアリング6に付与する。このとき、ステアリングホイール2に舵角が付いている場合には、そのときの舵角を中立位置として、図5(a)又は図7(a)のような振動を付与する。
次に、S8に進み、S6で設定した振動トルク信号の付与時間が経過したか否かを判定し、設定した付与時間が経過したと判定されるまで、S7における振動トルク付与処理を実行する。
ここで、S7及びS8の処理を繰り返し実行している間に、ドライバの操作意図があった場合には、S7における振動トルク付与処理を中止する(S9)。S9における、ドライバの操作意図は、上述したS3におけるドライバの操作意図(1)〜(4)と同様のものである。
【0025】
次に、本発明の実施形態による車線逸脱防止装置の作用効果を説明する。
先ず、本実施形態においては、S4及びS5において、車両の走行車線からの逸脱を予測し又は逸脱を検出すると共に車両の走行車線に対する逸脱方向を検出し、車両の走行車線からの逸脱が検出され又は逸脱が予測されるとき、S6及びS7において、ステアリングホイール2に、そのときの舵角を中立位置とする左右方向の所定の大きさの振幅を有する振動トルクを付与するようにしている(図5(a)、図7(a)参照)ので、左右方向の振動トルクを大きく確保して、ドライバへの報知性を向上させることが出来る。また、本実施形態においては、S6及びS7において、車両の走行車線からの逸脱が検出され又は逸脱が予測されるとき、検出された逸脱方向と反対方向側の振動トルクの付与時間を逸脱方向側の振動トルクの付与時間より長く付与するようにしている(図5(a)、図7(a)参照)ので、自動的に緩やかな車線逸脱防止を行い、車両がよりスムーズに走行車線に復帰するようにすることが出来る。このように、本実施形態においては、運転者への車線逸脱の報知と逸脱防止トルクの付与とを両立して、より確実に車両の走行車線からの逸脱を防止することが出来る。
【0026】
また、本実施形態においては、ステアリングホイール2に付与する振動トルクを、逸脱方向と反対方向側のパルス幅が逸脱方向側のパルス幅より大きいものとなるように設定(S6、図5(a)、図7(a)参照)しているので、車両の進行方向を反逸脱方向に向けることが出来、これにより、確実に、車両がよりスムーズに走行車線に復帰するようにすることが出来る。
【0027】
また、本実施形態においては、算出された逸脱角度(S4参照)が大きい場合は小さい場合に比べてデューティ比が大きい振動トルクを付与するようにしている(S6、S7参照)ので、逸脱角度が大きい場合であっても、小さい場合と同等に、車線復帰性を確保することが出来る。
【0028】
また、本実施形態においては、車速が大きい場合は小さい場合に比べてデューティ比が大きい振動トルクを付与するようにしている(S6、S7参照)ので、車速が大きい場合であっても、小さい場合と同等に、車線復帰性を確保することが出来る。また、本実施形態においては、算出された横移動速度が大きい場合は小さい場合に比べてデューティ比が大きい振動トルクを付与するようにしている(S6、S7参照)ので、より確実に、車線復帰性を確保することが出来る。
【符号の説明】
【0029】
2 ステアリングホイール(ステアリング)
4 ステアリングシャフト
6 電動パワーステアリング/トルクアクチュエータ
8 ステアリングトルクコントローラ(振動トルク付与手段)
26 ステアリングトルクコントローラの演算ユニット(車線逸脱予測検出手段、逸脱方向検出手段)
LL、LR 走行車線の区画線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線逸脱防止装置であって、
車両の走行車線からの逸脱を予測し又は逸脱を検出する車線逸脱予測検出手段と、
車両の走行車線に対する逸脱方向を検出する逸脱方向検出手段と、
車両のステアリングに左右方向の振動トルクを与える振動トルク付与手段と、を有し、
この振動トルク付与手段は、車両の走行車線からの逸脱が検出され又は逸脱が予測されるとき、ステアリングにそのときの舵角を中立位置とする左右方向の振動トルクを付与すると共に、検出された逸脱方向と反対方向側の振動トルクの付与時間が逸脱方向側の振動トルクの付与時間より長くなるように振動トルクを付与することを特徴とする車線逸脱防止装置。
【請求項2】
上記振動トルク付与手段が付与する振動トルクは、上記逸脱方向と反対方向側に第1のパルス幅を有し且つ逸脱方向側に第2のパルス幅を有し、上記第1のパルス幅が上記第2のパルス幅より大きい請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
【請求項3】
さらに、上記走行車線に対する車両の逸脱角を算出する逸脱角算出手段を有し、
上記振動トルク付与手段は、算出された逸脱角が大きいとき、小さいときよりもデューティ比が大きい振動トルクを付与する請求項2に記載の車線逸脱防止装置。
【請求項4】
上記振動トルク付与手段は、車速が大きいとき、小さいときよりもデューティ比が大きい振動トルクを付与する請求項2に記載の車線逸脱防止装置。
【請求項5】
さらに、走行車線に対する車両の横移動速度を算出する横移動速度算出手段を有し、上記振動トルク付与手段は、算出された横移動速度が大きいとき、小さいときよりもデューティ比が大きい振動トルクを付与する請求項4に記載の車線逸脱防止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−56636(P2013−56636A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196816(P2011−196816)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】