説明

車載制御装置の情報更新方法と更新情報通信システム、および、車両搭載制御装置と情報管理基地局装置

アップデートのイベントが発生すると、情報管理基地局装置よりアップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを情報管理基地局装置側から無線通信によって全自動で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、自動車等の車両に搭載される制御装置の情報更新方法と更新情報通信システム、および、車両搭載制御装置と情報管理基地局装置に関し、更に詳細には、車載の車両制御用のコンピュータのプログラム等のアップデートサービスを行う情報更新方法とその情報更新を行うための更新情報通信システム、および、その更新情報通信システムに用いられる情報管理基地局装置と車両搭載制御装置に関する。
【背景技術】
自動車等の車両のエンジン制御、変速機制御等を行う車両搭載の電子制御装置(コンピュータ)として、シリアル通信インタフェースを介して外部機器からデータが書き換えられるEEPROM等の書き換え可能な不揮発性記憶手段を用い、車種固有のプログラムや車両の制御に必要な各種データをシリアル通信によって書き換え可能なシステムが知られている(例えば、日本国特許庁公開特許公報:特開平6−33828号公報)。
また、情報管理センタのサーバと車載制御装置に接続された通信端末とが公衆電話網等の広域通信網によって双方向に通信可能になっており、車載制御装置側から情報管理センタにプログラムの送信要求を出すことにより、情報管理センタが該当プログラムをサーバより選択して通信端末へ送信し、車載制御装置は通信端末で受信したプログラムを取り込み、書換可能な不揮発性記憶手段に書き込む車載制御装置の運用システムも提案されている(例えば、日本国特許庁公開特許公報:特開2002−44742号公報)。
上述の車載制御装置の運用システムでは、アップデートを行うべき車両をディーラに移動することなく対象とする車両の車載制御装置のプログラム等のアップデートを行うことが可能になる。しかし、車両ユーザの意志によってアップデートが開始されるから、車両ユーザに負担をかけることになり、車両ユーザが、忘却により、あるいは故意にアップデートを行わないこと等、ユーザサイドの問題によって車載制御装置が最適な状態に保たれない状態が生じる虞れがある。また、メーカ、ディーラサイドは、プログラム修正、アップデートの必要が生じるたびに、多数のユーザに、郵便はがきや電子メール等によって連絡しなくてはならない。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車載機器のプログラム及びデータのアップデートの効率化を図るものであり、車両ユーザに負担をかけることがなく、プログラム修正、アップデートの必要が生じるたびに、メーカ、ディーラサイドが各ユーザに郵便はがきや電子メール等によって連絡しなくても車載制御装置のプログラム、データのアップデートを行い、ユーザサイドの問題によって車載制御装置のアップデートが行われないことも完全に排除し、車載制御装置が常に最適な状態に保たれるようにするアップデートサービスを行う車載制御装置の情報更新方法と更新情報通信システム、および、車両搭載制御装置と情報管理基地局装置を提供することにある。
【発明の開示】
この発明は、アップデートのイベントが発生すると、情報管理基地局装置よりアップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを無線通信によって実行する車載制御装置の情報更新方法を提供することができる。
また、この発明は、情報管理基地局装置より無線通信によって情報更新に関する情報を発信し、その情報を車両で受信し、受信情報によって情報更新が当該車両に必要であるか否かを車両側で判別し、その判別結果を車両より前記情報管理基地局装置へ送信し、前記受信情報が当該車両に必要な場合には、前記情報管理基地局装置より無線通信によって当該車両に更新情報を送信し、車両に搭載されている車載制御装置の情報の書き換えを行う車載制御装置の情報更新方法を提供することができる。
また、この発明は、情報管理基地局装置と車両とが双方向に無線通信可能になっており、アップデートのイベントが発生すると、情報管理基地局装置よりアップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを無線通信によって実行する更新情報通信システムを提供することができる。
また、この発明は、情報管理基地局装置と車両とが双方向に無線通信可能になっており、前記情報管理基地局装置より無線通信によって情報更新に関する情報を発信し、その情報を前記車両で受信し、受信情報によって情報更新が当該車両に必要であるか否かを車両側で判別し、その判別結果を車両より前記情報管理基地局装置へ送信し、前記受信情報が当該車両に必要な場合には、前記情報管理基地局装置より無線通信によって当該車両に更新情報を送信し、車両に搭載されている車載制御装置の情報の書き換えを行う更新情報通信システムを提供することができる。
この発明による更新情報通信システムにおいて、書き換えを行う情報は、車載制御装置のプログラム、制御定数等のデータを含み、また、前記情報管理基地局装置より車両へ送信情報は、車載制御装置の管理情報を含んでいる。
この発明による更新情報通信システムにおいて、車載制御装置のプログラム、データの書き換えを行う時期を車両の状態に応じて限定する。特に、車載制御装置のプログラム、データの書き換えを行う時期を、駐車中で、運転状態にない状態にある車両に限定することができる。
また、この発明による更新情報通信システムにおいて、前記情報管理基地局装置は、複数の型式の車両のための更新情報、車両情報を格納したデータベースを有し、前記車両情報に基づいて前記データベースより特定の更新情報を選択する。
また、この発明は、車両と双方向に無線通信可能になっており、アップデートのイベントが発生すると、アップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを無線通信によって実行する情報管理基地局装置を提供することができる。
また、この発明は、情報管理基地局と双方向に無線通信可能になっており、情報管理基地局装置よりアップデートの問い合わせに対してアップデート対象の車載制御装置であるか否かを判別し、その判別結果を前記情報管理基地局へ送信し、前記情報管理基地局より送信される更新情報によってアップデートを行う車載制御装置を提供することができる。
つまり、車載制御装置の情報更新方法と更新情報通信システム、および、車両搭載制御装置と情報管理基地局装置では、車両より離れた地点から無線等を用いてプログラム及びデータ等の書き換え要求、対象車両の識別子、対象車両に搭載された対象制御装置の識別子を送信する。車両側では前記の書き換え要求を受信し書き換え可能かどうか判断、その結果を返信する。書き換え可能の判断を受信した場合は、新たに書きこむプログラム及びデータを送信し、車両側で対象の制御装置に書き換えを実行する。書き換え終了後は正常に終了したがどうかを返信し、正常終了の場合は別途備えられたデータベースに登録し管理する。
本発明による車載制御装置の情報更新方法と更新情報通信システム、および、車両搭載制御装置と情報管理基地局装置によれば、プログラム等の書き換え、すなわち、アップデートは、車両メーカ、ディーラが管理する情報管理基地局の指示によってアップデート対象の全車両に対して自動的に行われるから、車両ユーザに何ら負担をかけることなく、車載制御装置のアップデートが常に確実に行われ、車載制御装置が常に最適な状態、あるいは、より良い状態に保たれ、車両運転の運転性、燃料経済性、排気ガス性能が最適な状態になる。また、車両ユーザが、忘却により、あるいは故意にアップデートを行わないこと等、ユーザサイドの過失等によって車載制御装置が最適な状態に保たれないことを未然に防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明による更新情報通信システムの概要を示す説明図、図2は本発明による更新情報通信システムの基地局側のデータベースに登録される車両情報の内容例を示す図、図3は本発明による更新情報通信システムの基地局側と車両側の通信シーケンスの一例を示すシーケンス図、図4は本発明による更新情報通信システムの基地局側から車両側への送信状態を示す図、図5は更新情報通信システムの車両側から基地局側への送信状態を示す図、図6は本発明による更新情報通信システムの基地局側が発信する最初のプログラムデータのパケットのフレームフォーマットを示す図、図7は本発明による更新情報通信システムの基地局側が発信する初回より後のプログラムデータのパケットのフレームフォーマットを示す図、図8は本発明の対象となる更新情報通信システムにおける車両のエンジン制御システムを示す図、図9は本発明の対象となる更新情報通信システムにおける車両の車載制御装置のうちのエンジン制御装置の一例を示すブロック図、図10は本発明の対象となる更新情報通信システムにおける車両の車載制御装置が具備するフラッシュメモリのメモリマップ構成の一例を示す図、図11は本発明の対象となる更新情報通信システムの車両側のデータ受信と書き込み形態の一例を示す図、図12は本発明の対象となる更新情報通信システムにおける車両側の書き換えOK/NG判定処理ルーチンのフローチャート、図13は本発明による更新情報通信システムの基地局側の書換処理ルーチンのフローチャート、図14は本発明による更新情報通信システムの基地局側の状態遷移の一例を示す状態遷移図、図15は本発明による更新情報通信システムの車両側の状態遷移の一例を示す状態遷移図、図16は本発明による更新情報通信システムの車両側の車載制御装置のフラッシュメモリ構成の一例を示す図、図17は本発明による更新情報通信システムの車両側の車載制御装置のフラッシュメモリ構成の他の例を示す図、図18〜図20は各々本発明による更新情報通信システムの基地局側と車両側の他の構成例を示す図、図21は本発明の対象となる更新情報通信システムの概要の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
この発明に係る好適な実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態の車載制御装置の更新情報通信システムの概要を示している。
情報管理基地局装置100(以下、基地局100と略称する)は、データベース102を有するサーバ101と、電磁波による移動体通信(無線通信)を行うための送受信機103と、無線通信用のアンテナ104とを有する。
基地局100のサーバ101は、自動車メーカ、ディーラ等に設置され、管理対象の多数の車両(自動車)200の車載制御装置のプログラムや車両の制御に必要な各種データ、ユーザ情報を一括管理する。この一括管理のために、サーバ101のデータベース102は、管理対象の全車両の車載制御装置(車載ECU)のプログラムや車両の制御に必要な各種データを、各車種毎あるいは車載制御装置の種類毎に格納しており、管理対象の車両情報(ユーザ情報)を各車両毎に格納している。
データベース102が格納する車両情報は、各車両(ユーザ)固有のものであり、図2(a)、(b)に示されているように、各車両毎に、車両識別情報であると共に通信先情報である車両管理番号と、車載LAN上の車載制御装置毎の管理番号、各車載制御装置毎のプログラムバージョン情報と、プログラムの書き換えの中断を示す書換保留フラグの有無を含む。
図2(a)は、ある車両Aの車両情報であり、図2(b)は、他の車両Bの車両情報である。これらの車両情報において、制御装置1は、車載の、たとえば、エンジン制御装置201であり、制御装置2は変速機制御装置202である。
この更新情報通信システムでは、一つの基地局100に対して複数台の車両(自動車)200が属する。
車両200は、各々、車載制御装置として、電子制御式のエンジン制御装置(E−ECU)201、変速機制御装置(AT−ECU)202、空気調和装置用制御装置203等を含み、これらは、CAN(Controller Area Network)等による車載LAN204によって双方向にデータ通信可能に接続されている。車載LAN204には、電磁波による移動体通信(無線通信)を行うための送受信機205と、表示器206が接続されている。
基地局100と当該基地局100の管理下にある車両200とは、車載制御装置の情報更新のために、双方向の移動体通信(無線通信)が行われる。基地局100と車両200との移動体通信は、S−バンド衛星通信・放送システム等の衛星通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の専用狭域通信、自動車電話網(公衆回線による携帯電話網)によって双方向に行われる。
各車両200は、基地局100よりの通信により、受動的に、エンジン制御装置201、変速機制御装置202、空気調和装置用制御装置203等のすべての車載制御装置のプログラム、制御定数、それら制御に必要な各種パラメータ等のデータの書換更新、すなわち、アップデートが行われる。
これは、制御プログラム等のアップデートが必要になると、管理対象の車両200にアップデートリクエストとして、Wake−Up要求のメッセージを送出し、基地局主導のもとに、制御プログラム等のアップデートを行うことを意味する。
基地局100は、アップデートのイベントが発生すると、そのアップデートの対象になる車載制御装置の型式の問合せ、つまり、アップデート対象の車載制御装置の有無を、当該基地局100の管理下にある全車両200に対して一斉に行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両200を選び出し、アップデート対象の車両200に対してアップデートを無線通信によって実行する。
このアップデートは、車両200の走行運転を妨げないよう、駐車中で、運転状態にない車両200、つまり、アップデート対象車両であって車両200の走行運転を妨げないアップデート可能状態にある車両200に対して行われる。このため、基地局100は、アップデートリクエスト先の車両200に対して問い合わせを行い、リクエスト先の車両200より自車両がアップデート可能状態である旨の返信を受信した場合にのみ、アップデートを実行し、アップデート可能状態でない旨の返信を受信した場合には、アップデートが開始されるまで、アップデートリクエスト(Wake−Up要求のメッセージ)を繰り返し送信する。
つぎに、基地局100と車両200とのプログラム・データ更新情報通信のシーケンスの概要を、図3を参照して説明する。
通信シーケンスの各ノードとして、基地局100、送受信装置205、車載LAN204、E−ECU(エンジン制御装置)201、AT−ECU(変速機制御装置)202、表示装置206がある。送受信装置205と、車載LAN204と、E−ECU201と、AT−ECU202と表示装置206は車両200側であり、基地局100と送受信装置205とが無線による通信を行う。
図3において、縦方向が時間軸方向であり、通信シーケンスとして、(1)、(2)、(3)…〜(34)が順次実行される。
(1)基地局100がWake−Up(目覚め)要求のメッセージを車載の送受信装置205へ送信する。
(2)車載の送受信装置205がWake−Up要求に対する返信(ACK:accknowledge)を基地局100へ送信する。
(3)車載の送受信装置205より車載LAN204へWake−Up要求を出す。
(4)車載LAN204からE−ECU201へWake−Up要求を出す。
(5)車載LAN204からAT−ECU202へWake−Up要求を出す。
これで、車両100がイグニッションキースイッチ・オフの状態下にあっても、基地局100からのWake−Up要求によって制御装置(E−ECU201やAT−ECU205)がWake−Upする。
(6)車載LAN204が表示装置206へWake−Up中であることの表示要求を出す。
(7)E−ECU201がWake−Upした旨のメッセージを車載LAN204へ送る。
(8)AT−ECU205がWake−Upした旨のメッセージを車載LAN204へ送る。
(9)車載LAN204の下の全ての制御装置がWake−Upした旨のメッセージを送受信装置205へ送る。
(10)送受信装置205は、これを受け、その旨(Wake−Up完了)のメッセージを基地局側100へ送信する。
(11)つぎに、基地局側100が車載の送受信装置205に対してプログラム等のデータを書き換える対象の制御装置の型式の問合せを行う。つまり、基地局側100が車載の送受信装置205に対して書換対象の制御装置の型式データを送信する。
(12)送受信装置205は型式の問合せのメッセージを受信した旨の返信(ACK)を基地局100に行う。
(13)送受信装置205から車載LAN204へ型式確認のメッセージを出す。である。
(14)型式確認のメッセージを受けた車載LAN204はE−ECU201に対して対象か否かの問合せのメッセージを送る。
(15)また、車載LAN204はAT−ECU202に対しても対象か否かの問合せのメッセージを送る。
(16)E−ECU201が書き換えの対象であるとすると、E−ECU201が対象である旨の返信メッセージを車載LAN204へ送る。これは、基地局側100からの情報によって書換が必要であるか否かを車両側で判別することを意味する。
(17)その返信メッセージ(対象返信)を車載LAN204から送受信装置205へ送る。
(18)つぎに、送受信装置205から基地局100へ対象確認の返信を送出する。
(19)つぎに、基地局201から送受信装置205へ現状の車両の状況確認のメッセージ送信する。
(20)送受信装置205は基地局201へ状況確認のメッセージを受信した旨の返信(ACK)を基地局100へ送信する。
(21)送受信装置205から車載LAN204へ状況確認の要請のメッセージを出す。
(22)状況確認の要請メッセージを受けた車載LAN204は、E−ECU201に現状の状況確認の要請メッセージを送る。
(23)現状の車両の状況は、E−ECU201が入力する各種スイッチ、センサの信号によって知ることができるから、E−ECU201は、これらに基づき現状の車両の状況を検知し、車載LAN204へ状況の確認結果を返信する。である。
(24)状況確認結果のメッセージを受けた車載LAN204は、そのメッセージを送受信装置205へ送る。
(25)そして、送受信装置205が状況確認結果のメッセージを基地局100へ送信する。
尚、この通信シーケンス例では、状況の確認結果が、書き換え可能な状況、すなわち、アップデート可能状態にあるものとする。
(26)状況の確認結果(OK結果)を受けた基地局100は、書き換えプログラムを送受信装置205へ送信する。
(27)書き換えプログラムを受信した送受信装置205は、正常受信であった旨のACKを基地局100へ送信する。
(28)送受信装置205が書き換えプログラムを正常受信すると、送受信装置205から書き換えプログラムを車載LAN204へ転送する。
(29)車載LAN204からE−ECU201にプログラム書き込み指示と書き換えプログラムへ転送する。これにより、E−ECU201のプログラムの書き換えが行われる。
(30)E−ECU201のプログラム書き換えが終了すると、E−ECU201から車載LAN204へ書き換え終了のメッセージを送る。
(31)車載LAN204は書き換え終了のメッセージを送受信装置205を送る。
(32)送受信装置205は基地局100へプログラムの書き換え終了のメッセージを送信する。
(33)プログラムの書き換えの終了を確認した基地局100は、送受信装置205へ車載の表示装置206へプログラムの書き換えがあった旨の表示を行う指示(表示要求)のメッセージを送信する。
(34)送受信装置205が表示要求を受信すると、表示装置206がプログラムの書き換えがあった旨の表示を行う。
つぎに、本発明の対象となる車載制御装置のプログラム及びデータの更新情報通信システムにおける基地局100側から車両200側へのデータ送信の一例を、図4を参照して説明する。図4では、車両200として、2車種の車両A、Bのデータ送信形式を示している。
車両A用、車両B用の各々のデータベース102A、102B及び送受信機103は、基地局100側である。データベース102Aは車両Aのデータを管理しており、データベース102Bは車両Bのデータを管理している。
車載制御装置のプログラムの書き換えが必要となった場合には、データベース102A、102Bが格納している書き換え用プログラムを送受信機103によって送信することが行われる。
前記車両A及び車両Bの書き換えプログラムは、データPa11、Pa21、Pb11、Pb21のようにパケットとして分割して送信される。
データPa11は車両Aの制御装置1(E−ECU)のプログラムデータの1パケット、データPb11は車両Bの制御装置1(E−ECU)のプログラムデータの1パケット、データPa21は車両Aの制御装置2(AT−ECU)のプログラムデータの1パケット、データPb21は車両Bの制御装置2(AT−ECU)のプログラムデータの1パケットである。
車両Aに送信されるパケットデータは、車載の送受信機205で受信され、それぞれの対象の制御装置に転送される。車両Bに送信されるパケットデータも、同様に、車載の送受信機205で受信され、それぞれの対象の制御装置に転送される。 つぎに、本発明の対象となる車載制御装置のプログラム及びデータの更新情報通信システムにおける車両200側から基地局100側へのデータ送信の一例を、図5を参照して説明する。
車両Aの制御装置1、制御装置2のプログラムデータの書き換えが終了すると、車載の送受信機205に書き換え終了データを伝える。送受信機205は書き換え終了データを基地局100側の送受信機103に向けて送信する。基地局100で受信された書き換え終了データは車両A用のデータベース102Aに登録されることとなる。車両Bに関しても同様である。
図6は、本発明の対象となる更新情報通信システムの基地局100側が発信する最初のプログラムデータのパケットのフレームフォーマットの一例を示している。プログラムデータのパケットは、ヘッダ601、対象車両管理番号領域602、プログラム管理領域603、データ領域604、チェック符合領域605、及びエンドマーク606で構成されている。
プログラム管理領域603は、更に、対象制御装置管理番号部607、型式部608、ベースプログラム管理ナンバ部609、固有ナンバ(製造ナンバ)部610、プログラムバージョン部611で構成されている。
図7は、本発明の対象となる更新情報通信システムの基地局100側が発信する初回より後のプログラムデータのパケットのフレームフォーマットの一例を示している。プログラムデータのパケットは、ヘッダ701、対象者車両管理番号領域702、データ領域703、チェック符合領域704、及びエンドマーク705で構成されている。
データ領域703は、更に、書き込みナンバ部707、プログラム先頭アドレス部708、プログラム終端アドレス部709、及びプログラムデータ部710で構成されている。
図8は、車両200の車載制御装置であるエンジン制御装置201によるエンジン制御システムの一例を示している。
内燃機関(以下、エンジンと略称する)801は、吸入空気量を、スロットル絞り弁802や、スロットル絞り弁802をバイパスして吸気管804へ接続された流路の流路面積を制御するアイドルスピードコントロールバルブ(ISC)803によって制御される。吸気管804には吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ805が接続されている。
エンジン801には、要求する燃料を供給する燃料噴射弁806、エンジン燃焼室内に供給された燃料と空気の混合気の点火を行う点火栓814が各気筒毎に取り付けられている。また、エンジン801には、エンジン制御装置201が出力する点火信号に基づいて点火栓814に点火エネルギを供給する点火モジュール808が接続されている。
エンジン制御装置201は、吸気管圧力センサ805、クランク角度センサ807、エンジン冷却水温を検出する水温センサ809、酸素濃度センサ810、自動変速装置のドライブレンジを検出するドライブレンジセンサ811、パーキングブレーキのオン/オフを検出するパーキングブレーキスイッチ812、エンジン801の運転、停止のメインスイッチであるイグニッションキースイッチ813の各々より信号を入力し、それらに基づいて燃料制御、点火制御を行う。
この実施形態では、吸気管圧力を検出して燃料制御を成立させているが、エンジンの吸入空気量を検出しても燃料制御は成立する。
エンジン制御装置201は、CAN等による車載LAN204と接続され、他の車載機器との間でデータの送受信が可能な構成となっている。
図9は、車両200の車載制御装置であるエンジン制御装置201の内部構成を示している。エンジン制御装置201は、CAN対応のマイクロコンピュータによるものであり、LSIによるI/Oドライバ901と、演算処理装置(MPU)902と、演算処理装置902の制御手順(制御プログラム)や制御定数を格納するフラッシュメモリ(NV−ROM)903と、演算処理装置902の計算結果等を格納する揮発性メモリ905とを有し、車載LANコントローラ906に接続されている。
I/Oドライバ901の入力側には、スロットル開度センサ911、吸気管圧力センサ805、クランク角センサ807、水温センサ809、酸素濃度センサ810、車速センサ913、ドライブレンジセンサ811、パーキングブレーキスイッチ812、イグニッションキースイッチ813が接続されている。
I/Oドライバ901の出力側には、エンジン制御を実行するアクチュエータ(エンジン制御アクチュエータ)として、燃料噴射弁806と、点火モジュール808に設けられている点火コイル920、アイドルスピードコントロールバルブ(ISC)803が接続されている。燃料噴射弁806と点火コイル920は各気筒ごとに設けられるから、4気筒エンジンであれば、1気筒燃料噴射弁806−1〜4気筒燃料噴射弁806−4の4個の燃料噴射弁が接続され、1気筒点火コイル920−1〜4気筒点火コイル920−4の4個の点火コイルが接続される。
I/Oドライバ901は、エンジンに設置された上述の各センサ、スイッチの電気的信号をディジタル演算処理用の信号に変換し、ディジタル演算用の制御信号を上述のエンジン制御アクチュエータの駆動信号に変換する。
演算処理装置902は、フラッシュメモリ903に格納されている制御プログラムを実行し、I/Oドライバ901からのディジタル演算処理用の信号に基づいてエンジンの状態を判断し、エンジンの要求する燃料量、点火時期等を制御プログラムによって予め定められている手順に基づいて計算し、その計算された値を前述のI/Oドライバ901に出力する。
演算装置902は、内部にフラッシュメモリ903の書き換えを可能とするフラッシュメモリ書き込み部904を含んでいる。
なお、揮発性メモリ905には、前述のイグニッションキースイッチ813がオフで、エンジン制御装置201に電源が供給されない場合でも、メモリ内容を保存することを目的としたバックアップ電源が接続されることもある。また、LANコントローラ906が演算装置906の内部に含まれることもある。
フラッシュメモリ903のメモリマップ構成の一例を、図10を参照して説明する。フラッシュメモリ903は、型式部1101、ベースプログラム管理番号部1102、固有番号(製造番号)部1103、プログラムバージョン部1104、プログラム書き換え回数部1105によるプログラム管理領域1107と、プログラム領域1106のマッピングとなっている。ベースプログラム管理番号1102は制御装置が最初にリリースされた時のデフォルトプログラムの管理番号である。メモリマップはプログラム管理領域1107とプログラム領域1108で構成されており、プログラムバージョン部1104とプログラム書き換え回数部1105とログラム領域1106がプログラム書換領域となっている。
つぎに、更新情報通信システムにおける車両100側のデータ受信と書き込み形態を、図11を参照して説明する。基地局100側から送信されたパケットデータPa11、Pa12、Pa13、Pa14…は、送受信装置205に連続した一つのデータDaとして構築される。データDaは車載LAN204を通して車載制御装置、例えば、E−ECU201のMPU902に送信される。MPU902にはフラッシュメモリ書込み部904があり、データDaはフラッシュメモリ書込み部904に転送され、データDa11、Da12、Da13…に分割し、フラッシュメモリ903の書換領域1109を書き換えていく。
つぎに、更新情報通信システムにおける車両200側の書き換えのOK/NG判定の処理ルーチンを、図12を参照して説明する。
まず、書き換え要求を受信する(ステップ1701)。OK/NG判定の処理ルーチンは、当該書き換え要求を受信することで起動し、送受信機205がWake−Upする(ステップ1702)。続いて、車載LAN204、書き換え対象となる車載制御装置が順にWake−Upする(ステップ1702、1703)。本実施形態では、エンジン制御ECU201が書き換え対象の場合の例である。
つぎに、イグニッションキースイッチ813がオンかオフかを判断する(ステップ1705)。パーキングブレーキスイッチ812がオンかオフかを判断するステップ1706)。ドライブレンジセンサ811により検知されるドライブポジションがPレンジか否かを判断する(ステップ1707)。そして。車速センサ913により検出される車速が0か否かを判断する(ステップ1708)。
イグニッションキースイッチ812がオフ、パーキングブレーキスイッチ812がオン、自動変速機のドライブポジションがPレンジ、且つ車速が0の場合には、車両200が駐車中で、運転状態でなく、アップデート可能状態、すなわち書き換えOKと判定し(ステップ1709)、書き換えOK判定のメッセージを基地局100へ送信する(ステップ1710)。
上記以外の場合には、すなわち、イグニッションキースイッチ812がオフ、パーキングブレーキスイッチ812がオン、自動変速機のドライブポジションがPレンジ、車速が0の一つでも成立しない場合には、書き換えNGと判定し(ステップ1711)、書き換えNG判定のメッセージを基地局100へ送信する(ステップ1712)。
つぎに、更新情報通信システムの基地局100側の書換処理ルーチンを、図13を参照して説明する。
まず、書き換えの指示があるか否かを判断する(ステップ2001)。書き換え指示がない場合にはそのまま終了する。
書き換え指示があることが判断された場合には、現在、プログラム書き換え中であるか否かを判断する(ステップ2002)。書き換え中の場合には、書き換えを続行するように分岐する。書き換え中でない場合には、初回の書き換えかどうかを判断する(ステップ2003)。書き換えが初回でない場合には、前回の書き換え待機から所定の時間以上経過しているかどうか判断する(ステップ2004)。所定時間以上経過している場合には、書き換え要求を発信する(ステップ2005)。これに対し、所定時間以上経過していない場合には、そのまま終了することとなる。 つぎに、車両100側から書き換えOK判定の受信があるかどうかを判断する(ステップ2006)。NGの受信があった場合にはそのまま終了する。これに対し、書き換えOK判定のあった場合には、本ルーチンの書き換えプログラム送信の段階に入る。
その後、車両100側から書き換えNGの受信がないかどうか判断する(ステップ2007)。書き換えNGの受信があった場合には、書き換え待機判定を行う(ステップ2013)。
書き換えNGの受信がない場合には、書き換えが正常に終了したかどうかを判断する(ステップ2008)。書き換えが正常に終了していれば、対象のデータベース102に、対象車両固有番号と対象制御装置番号を登録する(ステップ2014、2015)。
書き換えが終了していない場合には、書き換えプログラムの送信が初回かどうかを判断する(ステップ2009)。書き換えプログラム送信が初回(書き換えプログラムのパケットが初回)の場合には、対象車両固有番号、対象制御装置番号を発信し(ステップ2010、2011)、書き換え対象の車両及び車載制御装置を特定する。書き換えプログラムが初回でない場合(書き換えプログラムの初回より後のパケットの場合)には、継続して書き換えプログラムを送信する(ステップ2012)。
図14は、更新情報通信システムの基地局100の状態遷移の一例を示している。ブロック1801は待機状態である。書き換え指示があった場合には、ブロック1802の書き換え判断の状態に遷移する。
ブロック1802において、車両側から書き換えNGを受信した場合、もしくは、前回の書き換え待機から所定時間内の場合には、ブロック1801の待機状態に戻る。これに対し、車両側から書き換えOKを受信した場合には、ブロック1803に遷移し、書き換えプログラムを送信する。
書き換えプログラムを送信して、書き換えが正常に終了した旨を受信すると、ブロック1804で書き換え終了処理を行う。ここでは、前述した基地局100側のデータベース102の更新を行う。ブロック1803で書き換えNGの信号を受信した場合には、ブロック1805で書き換え待機処理を行う。ここでは前述したデータベース102に対して書き換え待機状態である旨を記録する。その後に、ブロック1801で待機処理に遷移する。
図15は、更新情報通信システムの車両100の状態遷移の一例を示している。す。本実施形態では、通常、車両100は、イグニッションキーがオフ状態の停止状態であり、ブロック1901に示すように車両側のシステムはスリープ状態となっている。
基地局100側から書き換え要求を受信すると、ブロック1902へ遷移して書き換えOKか否かを判断する。ここで、書き換えNGと判定した場合には、再度ブロック1902へ遷移する。書き換えOKと判定した場合には、ブロック1903へ遷移し、書き換えプログラムを受信する。
書き換えプログラムの受信が完了すると、ブロック1904へ遷移し、書き換えが実行される。書き換えが正常に終了した場合には、ブロック1905からブロック1906へ遷移し、書き換え終了処理、及び書き換え正常である旨の発信を行い、初期状態のブロック1901へ戻る。
ブロック1904でプログラムの書き換え中に、イグニッションキースイッチがオンした、車速が0でなくなった、ドライブポジションがパーキング以外となった、パーキングブレーキがオフとなった、もしくは書き換えが途中で失敗した等が発生した場合には、ブロック1907へ遷移し、書き換え中断処理を行う。書き換え中断処理は、どこまで書き換えが行なわれたかを、車載制御装置に記憶させる等を行う。
その後、ブロック1908で書き換えが中断された旨を送信し、初期状態のブロック1901へ遷移する。
本発明により、アップデートを行うべき車両をディーラに移動することなく対象とする車両の車載制御装置のプログラムまたはデータのアップデートが可能となる。また対象車両の車載制御装置のプログラム及びデータのアップデート状況をデータベースにより管理することにより、管理工数を大幅に低減できる。
このアップデートは、車両メーカ、ディーラが管理する基地局100の指示によってアップデート対象の全車両に対して自動的に行われるから、車両ユーザに何ら負担をかけることなく、車載制御装置のアップデートが常に確実に行われ、車載制御装置が常に最適な状態、あるいは、より良い状態に保たれ、車両運転の運転性、燃料経済性、排気ガス性能が最適な状態になる。
また、車両ユーザが、忘却により、あるいは故意にアップデートを行わないこと等、ユーザサイドの過失等によって車載制御装置が最適な状態に保たれないことを未然に防ぐこともできる。
図16は、本発明の対象となる更新情報通信システムの車両100側の車載制御装置のフラッシュメモリ構成の他の例を示す。車載LAN204は車載制御装置内部のMPU902に接続されている。MPU902以降は、バンク切替部1404、フラッシュメモリバンク(バンク1、2)1405、1406で構成される。
図示の状態は、フラッシュメモリバンク1405のプログラムデータが書き換えられている状態である。書き換えが正常に終了するまで、車載制御装置、たとえば、E−ECU201は、フラッシュメモリバンク1406のプログラム及びデータで制御を行う。
フラッシュメモリバンク1405のプログラム書き換えが正常に終了すると、E−ECU201は、フラッシュメモリバンク1405のプログラム及びデータで制御を開始する。
このバンク切替式のフラッシュメモリの使用によれば、随時、プログラム及びデータのアップデートを行うことができる。
図17は、本発明の対象となる更新情報通信システムの車両100側の車載制御装置のフラッシュメモリ構成の他の例を示す。フラッシュメモリ903の内部は、プログラムベクター1505と、バンク(1)1506、バンク(2)1507のマッピングで構成されている。
図示の状態は、バンク1506のプログラムデータが書き換えられている状態である。書き換えが正常に終了するまで、車載制御装置、たとえば、E−ECU201は、ンク1507のプログラム及びデータで制御を行う。
バンク1506のプログラム書き換えが正常に終了すると、プログラムベクター1505の内容が書き換えられ、E−ECU201は、バンク1 1506のプログラム及びデータで制御を開始する。この場合も、随時、プログラム及びデータのアップデートを行うことができる。
図18は、更新情報通信システムの基地局100側と車両200側の構成例を示している。
基地局100は、プログラム等のバージョン管理局1002及び送受信機1003を含んでいる。
車両200は、送受信機1005、車載LAN1006、エンジン制御ECU1007、トランスミッションECU1008、エアコン制御ECU1009を有し、各々がLANにより連結されている。尚、本実施形態では、LAN上に3つの車載制御装置が連結されているが、それより複数の制御装置を連結させることも可能である。
図19、図20は、各々、更新情報通信システムの基地局100側と車両200側の他の構成例を示している。
図12に示されている構成例では、車両100に搭載されている送受信機1005とエンジン制御ECU1206、トランスミッション1207、エアコン制御ECU1208とが車載LANを介さずに直接接続されている。
図13に示されている構成例では、エンジン制御ECU1007、トランスミッションECU1008、エアコン制御ECU1009の各々に、送受信機1306、1307、1308が個別に接続されている。尚、個々の送受信機が車載の一つの送受信機にデータ転送し、まとめて基地局100側に送る構成でも有効である(Blue Tooth、もしくは無線LAN)。
上述した実施形態では、基地局100に送受信機103とデータベース102が備えられた構成となっているが、図21に示されているように、基地局100はデータベース102のみを備え、送受信機2101とは無線または有線(インターネット、電話回線、専用回線等)2102によりデータ送受信を行う構成でも問題はない。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップデートのイベントが発生すると、情報管理基地局装置よりアップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを無線通信によって実行する車載制御装置の情報更新方法。
【請求項2】
情報管理基地局装置より無線通信によって情報更新に関する情報を発信し、その情報を車両で受信し、受信情報によって情報更新が当該車両に必要であるか否かを車両側で判別し、その判別結果を車両より前記情報管理基地局装置へ送信し、情報更新が当該車両に必要な場合には、前記情報管理基地局装置より無線通信によって当該車両に更新情報を送信し、車両に搭載されている車載制御装置の情報の書き換えを行う車載制御装置の情報更新方法。
【請求項3】
情報管理基地局装置と車両とが双方向に無線通信可能になっており、アップデートのイベントが発生すると、情報管理基地局装置よりアップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを無線通信によって実行する更新情報通信システム。
【請求項4】
情報管理基地局装置と車両とが双方向に無線通信可能になっており、前記情報管理基地局装置より無線通信によって情報更新に関する情報を発信し、その情報を前記車両で受信し、受信情報によって情報更新が当該車両に必要であるか否かを車両側で判別し、その判別結果を車両より前記情報管理基地局装置へ送信し、情報更新が当該車両に必要な場合には、前記情報管理基地局装置より無線通信によって当該車両に更新情報を送信し、車両に搭載されている車載制御装置の情報の書き換えを行う更新情報通信システム。
【請求項5】
特許請求の範囲第4項に記載の更新情報通信システムにおいて、書き換えを行う情報は、車載制御装置のプログラム、制御定数等のデータであることを特徴とする更新情報通信システム。
【請求項6】
特許請求の範囲第4項に記載の更新情報通信システムにおいて、前記情報管理基地局装置より車両へ送信情報は、車載制御装置の管理情報を含んでいることを特徴とする更新情報通信システム。
【請求項7】
特許請求の範囲第4項に記載の更新情報通信システムにおいて、車載制御装置のプログラム、データの書き換えを行う時期を車両の状態に応じて限定する更新情報通信システム。
【請求項8】
特許請求の範囲第4項に記載の更新情報通信システムにおいて、車載制御装置のプログラム、データの書き換えを行う時期を、駐車中で、運転状態にない状態にある車両に限定する更新情報通信システム。
【請求項9】
特許請求の範囲第4項に記載の更新情報通信システムにおいて、前記情報管理基地局装置は、複数の型式の車両のための更新情報、車両情報を格納したデータベースを有し、前記車両情報に基づいて前記データベースより特定の更新情報を選択する更新情報通信システム。
【請求項10】
車両と双方向に無線通信可能になっており、アップデートのイベントが発生すると、アップデートの対象になる車載制御装置の有無を情報管理基地局装置の管理下にある全車両に対して行い、各車両よりの返信によってアップデート対象の車両を選び出し、アップデート対象の車両に対してアップデートを無線通信によって実行する情報管理基地局装置。
【請求項11】
情報管理基地局と双方向に無線通信可能になっており、情報管理基地局装置よりアップデートの問い合わせに対してアップデート対象の車載制御装置であるか否かを判別し、その判別結果を前記情報管理基地局へ送信し、前記情報管理基地局より送信される更新情報によってアップデートを行う車載制御装置。

【国際公開番号】WO2005/059862
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【発行日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512188(P2005−512188)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016039
【国際出願日】平成15年12月15日(2003.12.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】