説明

車載機および情報センタを含む通信システム、および情報センタ

【課題】ドライバーがアプリケーションを選択してセンタから車載機にダウンロードする時点で、正常に動作しないアプリが選択肢に出てこないようにする。
【解決手段】センタ3が、配信アプリ32c、32e毎に正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト32d、32fを記憶すると共に、車載機が備えるリソースのリストである所有リソースリストを受信して記録する。またセンタ3は、車載機用の所有リソースリスト32aを必要リソースリスト32d、32fのそれぞれと比較し、当該所有リソースリスト32aが必要リソースリスト32dを満たしている場合にのみ、当該必要リソースリスト32dに対応する配信アプリ32cを実行可能配信アプリリストに含め、このようにして作成した実行可能配信アプリリストを車載機に送信し、車載機は実行可能配信アプリリストを表示して、ダウンロードする配信アプリをユーザに選択させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機および情報センタを含む通信システム、および情報センタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機が情報センタからアプリケーションをダウンロードして使用する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−172501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車載機が搭載される車両における各種リソース(例えば、CPUバージョン、メモリ量、外部デバイスの有無、OSバージョン等)は、車両によって区々である。したがって、同じアプリケーションをダウンロードしても、ある車載機では正常に実行でき、別の車載機では正常に実行できないということになる。
【0005】
このような場合に、車載機が自分では正常に実行できないアプリケーションをダウンロードして実行しようとすると、実行できませんというメッセージを出してドライバーに知らせるか、何も反応しないか、変な動作をしてしまうことになる。メッセージを出す場合は、一回一回メッセージを見るためにドライバーが視線を動かすことになり、運転の妨げになる。何も反応しない場合は、ドライバーは不思議に感じて、注意が運転から逸れ、やはり運転の妨げを引き起こす。変な動作をする場合は、やはり運転の妨げになる。
【0006】
つまり、正常に実行できないアプリケーションをダウンロードすると、ドライバーの運転の妨げになる。そのため、正常に動作しないアプリケーションについては、ドライバーがアプリケーションを選択してダウンロードする時点で、正常に動作しないアプリケーションが選択肢に出てこないことが望ましい。
【0007】
本発明は上記点に鑑み、ドライバーがアプリケーションを選択して情報センタから車載機にダウンロードする時点で、正常に動作しないアプリケーションが選択肢に出てこないようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両に搭載される車載機(2)および前記車載機(2)と通信する情報センタ(3)を備えた通信システムであって、前記車載機(2)は、前記車載機(2)が備えるリソースのリストである所有リソースリスト(25h)を記憶するための車載機側データ記憶部(25)を備えると共に、車載機側制御部(26)を備え、前記情報センタ(3)は、センタ側データ記憶部(32)およびセンタ側制御部(33)を備え、前記センタ側データ記憶部(32)は、複数の配信アプリケーション(32c、32e)を記憶すると共に、前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれについて、配信アプリケーション(32c、32e)毎に、当該配信アプリケーションの正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト(32d、32f)を記憶するための記憶部であり、前車載機側制御部(26)、前記所有リソースリスト(25h)を前記車載機側データ記憶部(25)から読み出して前記前記情報センタ(3)に送信し、前記センタ側制御部(33)は、送信された前記所有リソースリスト(25h)を受信すると、受信した前記所有リソースリスト(25h)を、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)として前記センタ側データ記憶部(32)に記録し、前記センタ側制御部(33)は、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を前記センタ側データ記憶部(32)から読み出し、更に前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれの前記必要リソースリスト(32d、32f)を読み出し、読み出した前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を、読み出した前記必要リソースリスト(32d、32f)のそれぞれと比較し、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしている場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する配信アプリケーション(32c、32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含め、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が別の或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしていない場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する配信アプリケーション(32c、32e)を前記実行可能配信アプリケーションリストに含めず、このようにして作成した前記実行可能配信アプリケーションリストを前記車載機(2)に送信し、前記車載機側制御部(26)は、前記センタ側制御部(33)が送信した前記実行可能配信アプリケーションリストを受信し、受信した前記実行可能配信アプリケーションリストに含まれる配信アプリケーションをディスプレイ(22)に表示させ、表示させた配信アプリケーションのうちからダウンロード対象の配信アプリケーションの選択操作を受け付け、前記選択操作によって選択された配信アプリケーションを、前記情報センタ(3)に要求してダウンロードすることを特徴とする通信システムである。
【0009】
本発明では、配信アプリケーションが特定の車載機で実行可能かどうかを把握するには、各配信アプリケーションの実行に必要とする車載機のリソースと、車載機が備えているリソースが分かればよいことに着目する。
【0010】
そこで、上記のように、センタ側データ記憶部(32)が、配信アプリケーション(32c、32e)毎に正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト(32d、32f)を記憶し、センタ側制御部(33)が、車載機(2)が備えるリソースのリストである所有リソースリスト(25h)を受信して記録する。
【0011】
そして、センタ側制御部(33)は、当該車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を必要リソースリスト(32d、32f)のそれぞれと比較し、車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしている場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する配信アプリケーション(32c、32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含め、当該所有リソースリスト(32a、32b)が別の或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしていない場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する配信アプリケーション(32c、32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含めず、このようにして作成した実行可能配信アプリケーションリストを車載機(2)に送信し、当該車載機(2)において実行可能配信アプリケーションリストから選択された配信アプリケーションの要求を受けると、要求された配信アプリケーションを車載機(2)に送信する。
【0012】
このようにすることで、ダウンロードした配信アプリケーションが動作可能かどうかを車載機(2)側で判断するのではなく、情報センタ(3)側で、ダウンロード前に、この車載機ではこの配信アプリケーションは正常動作できるか否かの判定を行い、正常動作できないと判定したものを車載機(2)側で選択できないようにしたことで、ドライバーがアプリケーションを選択して情報センタから車載機にダウンロードする時点で、正常に動作しないアプリケーションが選択肢に出てこないようにすることができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信システムにおいて、前記車載機側制御部(26)は、所定のタイミングで、その時点で前記車載機(2)が所有しているリソースを検出し、検出結果に基づいて、前記車載機側データ記憶部(25)中の前記所有リソースリスト(25h)の内容を更新し、また、所定のタイミングで、更新した最新の前記所有リソースリスト(25h)を前記情報センタ(3)に送信することを特徴とする。
【0014】
このように、車載機(2)側で所有リソースリスト(25h)の内容を更新し、また、更新した最新の前記所有リソースリスト(25h)を情報センタ(3)に送信することで、車載機(2)のリソース構成が変化しても、情報センタ(3)側でこの変化に追従して、適切な実行可能配信アプリケーションリストを作成することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、車両に搭載される車載機(2)と通信する情報センタであって、センタ側データ記憶部(32)およびセンタ側制御部(33)を備え、前記センタ側データ記憶部(32)は、複数の配信アプリケーション(32c、32e)を記憶すると共に、前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれについて、配信アプリケーション(32c、32e)毎に、当該配信アプリケーションの正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト(32d、32f)を記憶するための記憶部であり、前記センタ側制御部(33)は、前記車載機(2)が備えるリソースのリストである所有リソースリスト(25h)を、前記車載機(2)から受信し、受信した前記所有リソースリスト(25h)を、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)として前記センタ側データ記憶部(32)に記録し、また前記センタ側制御部(33)は、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を前記センタ側データ記憶部(32)から読み出し、更に前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれの前記必要リソースリスト(32d、32f)を読み出し、読み出した前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を、読み出した前記必要リソースリスト(32d、32f)のそれぞれと比較し、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしている場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する前記配信アプリケーション(32c、32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含め、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が別の或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしていない場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する前記配信アプリケーション(32c、32e)を前記実行可能配信アプリケーションリストに含めず、このようにして作成した前記実行可能配信アプリケーションリストを前記車載機(2)に送信し、また前記センタ側制御部(33)は、前記実行可能配信アプリケーションリストを受信した前記車載機(2)が前記実行可能配信アプリケーションリストに含まれる配信アプリケーションの個々についてユーザの選択を受け付け、選択された配信アプリケーションを要求したことに基づいて、要求された前記配信アプリケーションを前記車載機(2)に送信することを特徴とする情報センタである。
【0016】
このように、請求項1に記載の発明の特徴は、車両に搭載される車載機(2)と通信する情報センタでの発明としても捉えることができる。
【0017】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】車載機2の構成図である。
【図3】情報センタ3の構成図である。
【図4】所有リソースリスト25hの構成図である。
【図5】必要リソースリスト32d、32fの構成図である。
【図6】車載機および情報センタの作動のシーケンス図である。
【図7】所有リソースリストの更新処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】ディスプレイに表示する配信アプリケーションのリストである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る通信システムの構成を示す。この通信システムは、車両1に搭載される車載機2と、情報センタ3とを備えている。なお、情報センタ3は、車載機2以外の車載機2と同等の構成および機能を有する車載機とも通信するようになっている。
【0020】
車載機2は、無線基地局4および通信ネットワーク(例えば、インターネット等の広域ネットワーク)5を介して情報センタ3と通信することで、情報センタ3から配信アプリケーションをダウンロードするようになっている。車載機2は、例えば、現在位置から目的地までの誘導経路を算出して案内するナビゲーション装置であってもよいし、他の装置であってもよい。
【0021】
図2に、この車載機2の構成を示す。車載機2は、外部デバイスインターフェース21、ディスプレイ22、操作部23、通信部24、車載機側データ記憶部25、車載機側制御部26を備えている。
【0022】
外部デバイスインターフェース21は、車載機2に対して各種外部デバイスを接続するためのインターフェースである。接続可能な外部デバイスとしては、例えば、ヘッドアップディスプレイ、GPS受信機、車両の外部を撮影するカメラ等がある。車載機側制御部26は、外部デバイスインターフェース21に接続された外部デバイスと信号の授受を行うことで、外部デバイスインターフェース21にどのような種類の外部デバイスが接続されているかを判別することができるようになっている。
【0023】
ディスプレイ22は、車載機側制御部26の制御に従って画像を表示する装置である。操作部23は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を車載機側制御部26に出力する装置である。
【0024】
通信部24は、車両1の近傍の無線基地局4と無線接続し、無線基地局4、通信ネットワーク5を介して情報センタ3と通信するための無線通信インターフェースである。車載機側データ記憶部25は、この通信部24を用いて情報センタ3と通信することができる。
【0025】
車載機側データ記憶部25は、磁気記憶媒体、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性の記憶媒体を備え、車載機側制御部26の制御に従って、当該記憶媒体にデータを書き込み、また、当該記憶媒体からデータを読み出して車載機側制御部26に出力する。
【0026】
車載機側制御部26は、CPU26a、RAM26b、ROM26c等を備え、ROM26cまたは車載機側データ記憶部25に記憶されたプログラムを実行し、その実行の際には、必要に応じて、RAM26bを作業用メモリ領域として使用し、外部デバイスインターフェース21に接続された外部デバイスを制御し、外部デバイスからデータを受け取り、ディスプレイ22を制御し、操作部23から信号を受け取り、通信部24を用いて情報センタ3と通信し、車載機側データ記憶部25に対してデータの読み出しおよび書き込みの処理を行う。
【0027】
ここで、車載機側データ記憶部25に記憶されているデータの詳細について説明する。車載機側データ記憶部25は、OS25a、ミドルウェア25b、車載機組込アプリケーション25c、データ25d、配信アプリケーション用ソフトウェア基盤25e、配信アプリケーション25f、25g、および所有リソースリスト25hを記憶している。
【0028】
OS25aは、車載機2の各種デバイスとの間で基本的な入出力を行うためにCPU26aが実行するオペレーティングシステムのプログラムである。ミドルウェア25bは、OS25aとアプリケーションの中間で、OS25aとアプリケーションの間の要求および応答のデータのやり取りを仲介するためにOS25a上でCPU26aが実行するプログラムである。
【0029】
車載機組込アプリケーション25cは、あらかじめ(例えば車載機2の出荷時に)車載機側データ記憶部25に記録されたプログラム群である。例えば、車載機2がナビゲーション装置である場合は、目的地検索用のプログラム、地図表示用のプログラム、誘導経路算出用のプログラム、誘導経路に沿った経路案内用のプログラム等が、車載機組込アプリケーション25cとして記憶されていてもよい。これらのプロプログラムも、CPU26aが実行するようになっている。
【0030】
データ25dは、プログラム以外のデータであり、例えば、車載機2がナビゲーション装置である場合は、誘導経路算出用および地図表示用の地図データ等がデータ25dとして車載機側データ記憶部25に記憶されていてもよい。
【0031】
配信アプリケーション用ソフトウェア基盤25eは、情報センタ3と通信して情報センタ3からダウンロードする各種アプリケーション(以下、配信アプリケーションという)の実行に共通して必要なプログラム群である。例えば、配信アプリケーションの起動を行うプログラムが、この配信アプリケーション用ソフトウェア基盤25eに該当する。
【0032】
配信アプリケーション25f、25gは、情報センタ3と通信して情報センタ3からダウンロードしたアプリケーションプログラムである。これらダウンロードされた配信アプリケーション25f、25gは、このように車載機側データ記憶部25に記録され、必要に応じて、OS25a、ミドルウェア25b、配信アプリケーション用ソフトウェア基盤25eの上で、車載機側制御部26によって実行される。後述するように、本実施形態の車載機2においては、実行可能な配信アプリケーションのみ、ダウンロードする配信アプリケーションとして選択可能となっている。
【0033】
所有リソースリスト25hは、車載機2が備えているリソース(ハードウェア資源、ソフトウェア資源、外部デバイス資源、データ資源等)のリストである。この所有リソースリスト25hの内容については後述する。
【0034】
次に、情報センタ3の構成を図3に示す。情報センタ3は、通信部31、センタ側データ記憶部32、センタ側制御部33を有している。
【0035】
通信部31は、通信ネットワーク5と接続し、通信ネットワーク5、無線基地局4を介して車載機2(および車載機2と同等の機能を有する他の複数の車載機)と通信するための通信インターフェースである。センタ側制御部33は、この通信部31を用いて車載機2(および車載機2と同等の機能を有する他の複数の車載機)と通信することができる。
【0036】
センタ側データ記憶部32は、磁気記憶媒体、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性の記憶媒体を備え、センタ側制御部33の制御に従って、当該記憶媒体にデータを書き込み、また、当該記憶媒体からデータを読み出してセンタ側制御部33に出力する。
【0037】
センタ側制御部33は、CPU、RAM、ROM等を備え、ROMに記憶されたプログラムを実行し、その実行の際には、必要に応じて、RAMを作業用メモリ領域として使用し、通信部31を用いて車載機2(および車載機2と同等の機能を有する他の複数の車載機)と通信し、センタ側制御部33に対してデータの読み出しおよび書き込みの処理を行う。
【0038】
ここで、センタ側データ記憶部32に記憶されているデータの詳細について説明する。センタ側データ記憶部32は、車載機毎の所有リソースリスト32a、32b、および、複数の配信アプリケーション32c、32eを備えている。
【0039】
所有リソースリスト32a、32bは、車載機2(および車載機2と同等の機能を有する他の複数の車載機)から受信して蓄積したデータである。所有リソースリストの受信および蓄積の処理については後述する。
【0040】
複数の配信アプリケーション32c、32eは、それぞれ、車載機2(および車載機2と同等の機能を有する他の複数の車載機)に送信するためのアプリケーションプログラムである。配信アプリケーションとしては、例えば、自車両内の各種情報(エンジン回転数、燃費、目的地への到着予想時刻等)をヘッドアップディスプレイに表示させる機能を実現するアプリケーションプログラムがある。
【0041】
また、これら複数の配信アプリケーション32c、32eにおいては、各配信アプリケーション32c、32e内に、当該配信アプリケーションの必要リソースリスト32d、32fが含まれるようになっている。ある配信アプリケーションの必要リソースリストは、その配信アプリケーションを車載機で正常に実行するために車載機が所有しなければならないリソースのリストである。
【0042】
ここで、車載機側データ記憶部25に記録されている所有リソースリスト25h、および、センタ側データ記憶部32に記録されている必要リソースリスト32d、32fの構成について説明する。
【0043】
まず、図4に、所有リソースリスト25hのデータ構成の一例を示す。車載機側データ記憶部25中の所有リソースリスト25hは、上述の通り、車載機2が備えているリソースのリストであり、所有ハードウェア資源のリスト、所有ソフトウェア資源のリスト、所有外部デバイス資源のリスト、所有データ資源のリストに分かれている。
【0044】
所有ハードウェア資源のリストには、例えば、CPU26aのバージョン、RAM26bのメモリ容量、ディスプレイ22の表示サイズ(画素数、インチ等)等の情報が含まれている。
【0045】
所有ソフトウェア資源のリストには、例えば、OS25aのバージョン、ミドルウェア25bの有無、ミドルウェア25bのバージョン、配信アプリケーション用ソフトウェア基盤25eのバージョン、車載機組込アプリケーション25cのリスト等の情報が含まれている。
【0046】
所有外部デバイス資源のリストには、例えば、外部デバイスインターフェース21に対して接続されている外部デバイス(例えばヘッドアップディスプレイ、GPS受信機、車外を撮影するカメラ)の種類の情報が含まれている。
【0047】
所有データ資源のリストには、例えば、車載機側データ記憶部25のデータ25d中の特定のデータ(例えば地図データ)のバージョン等の情報が含まれている。
【0048】
このような所有リソースリスト25hについては、あらかじめ(例えば車載機の製造時)車載機2の製造者が、その時点の車載機2の実際のリソースを反映するよう、リソースリスト25hの初期値を作成して車載機側データ記憶部25に書き込み、リソースリスト25hの初期値が書き込まれた状態で車載機2が出荷される。
【0049】
次に、図5に、センタ側データ記憶部32中の特定の配信アプリケーションの必要リソースリスト32d、32fの構成の一例を示す。必要リソースリストの構成は、所有リソースリストと比較する関係上、所有リソースリストに対応する形式になっている。
【0050】
具体的には、ある配信アプリケーションの必要リソースリストは、上述の通り、その配信アプリケーションを車載機で正常に実行するために必要なリソースのリストであり、必要ハードウェア資源のリスト、必要ソフトウェア資源のリスト、必要外部デバイス資源のリスト、必要データ資源のリストに分かれている。
【0051】
必要ハードウェア資源のリストには、例えば、CPUのバージョン、RAMのメモリ容量、ディスプレイの表示サイズ(画素数、インチ等)等の情報が含まれている。必要ソフトウェア資源のリストには、例えば、OSのバージョン、ミドルウェアの有無、当該ミドルウェアのバージョン、配信アプリケーション用ソフトウェア基盤のバージョン、車載機組込アプリケーションのリスト等の情報が含まれている。必要外部デバイス資源のリストには、例えば、外部デバイスの種類等の情報が含まれている。必要データ資源のリストには、特定のデータ(例えば地図データ)のバージョン等の情報が含まれている。
【0052】
ある配信アプリケーションの必要リソースリストは、当該配信アプリケーションの開発者が、当該配信アプリケーションの開発時に、当該配信アプリケーション内に含めるようになっている。したがって、配信アプリケーションの必要リソースリストは、その配信アプリケーションと共に、センタ側データ記憶部32に記録されることになる。
【0053】
以下、上記のような構成の通信システムの作動について説明する。図6に、この通信システムにおける車載機2と情報センタ3の作動のシーケンス図を示す。
【0054】
この図に示すように、車載機2の車載機側制御部26は、出荷以降は、所定のタイミングで、所有リソースリスト25hの内容を更新する(ステップ110)。所有リソースリストを更新すべき所定の更新タイミングとしては、例えば、外部デバイスの接続または取り外しにより車載機2の機器構成が変化したタイミングと、定期的に訪れるタイミングがある。
【0055】
図7に、ステップ110における処理の詳細を示す。この図に示すように、車載機側制御部26は、ステップ310で外部デバイスの接続または取り外しがあったか否かを判定し、ステップ320で定期的な更新タイミングが訪れたか否かを判定し、ステップ310で接続または取り外しがあったと判定するか、または、ステップ320で訪れたと判定するまで、ステップ310、320を繰り返し、ステップ310で接続または取り外しがあったと判定するか、または、ステップ320で訪れたと判定すると、続いてステップ330に進む。なお、外部デバイスの接続および取り外しは、外部デバイスインターフェース21に接続されている外部デバイスと信号を授受することで検出する。
【0056】
ステップ330では、その時点で車載機2が所有しているリソースを検出する。例えば、周知の方法でCPU26aのバージョンおよびRAM26bのメモリ容量を検出し、ディスプレイ22に問い合わせ、当該問い合わせの応答をディスプレイ22から受け、受けた応答に基づいて、ディスプレイ22の表示サイズを検出する。
【0057】
また、OS25aのバージョンを、OS25a内のバージョン情報に基づいて検出し、ミドルウェア25bの有無を、車載機側データ記憶部25内でミドルウェア25bが記録されているか否かで検出し、ミドルウェア25bがある場合、そのバージョンを、ミドルウェア25b内のバージョン情報に基づいて検出し、車載機組込アプリケーション25cのバージョンを、車載機組込アプリケーション25c内のバージョン情報に基づいて検出し、検出結果を所有リソースリスト25hに反映させる。また、車載機側データ記憶部25内に記録されている車載機組込アプリケーション25cを検索して見つける。
【0058】
また、外部デバイスインターフェース21と通信することで、外部デバイスインターフェース21に接続されている外部デバイスの種類を特定する。データ25dに含まれる地図データのバージョン情報に基づいて、地図データのバージョンを検出し、検出結果を所有リソースリスト25hに反映させる。
【0059】
そして、上記のようにして改めて検出した(または見つかった)現時点のリソースに、所有リソースリスト25hの内容を一致させるため、所有リソースリスト25hを更新する。このようにすることで、所有リソースリスト25hが車載機2のリソースの実際の変化に追従して更新されていく。
【0060】
また、車載機側制御部26は、更新した最新の所有リソースリスト25hを、車載機2側のID(例えば、車両1を一意に識別するためのID、車載機2を一意に識別するためのID)と共に情報センタ3に送信する(ステップ120)。所有リソースリスト25hの送信は、ステップ110における更新直後に行ってもよいし、定期的に行うようになっていてもよい。あるいは、情報センタ3から車載機2への配信アプリケーションのダウンロード時における、後述するステップ130の要求送信と同じタイミングで行ってもよい。
【0061】
情報センタ3は、このように送信された所有リソースリスト25hおよびIDを受信すると、受信した所有リソースリスト25hと当該IDとを関連付けたデータを、送信元の車載機2用の所有リソースリストとして、センタ側データ記憶部32に記録する(ステップ210)。このようにして、車載機2または車載機2以外の他の複数の車載機から所有リソースリストおよび車載機側IDを受信して記録することで、図3に示したように、センタ側データ記憶部32に複数の車載機のそれぞれ用の所有リソースリスト32a、32bが記録されることになる。なお、同じ車載機用の所有リソースリストについては、最後に受信した(すなわち最新の)所有リソースリストのみを記録し、古い所有リソースリストは削除する。
【0062】
次に、情報センタ3から車載機2への配信アプリケーションのダウンロード時の車載機2、情報センタ3の作動について説明する。
【0063】
車載機側制御部26は、操作部23に対してユーザがダウンロード処理開始の操作を行ったこと等に基づいて、車載機2側のIDを含むダウンロード要求を情報センタ3に送信する(ステップ130)。
【0064】
情報センタ3のセンタ側制御部33は、そのように送信されたダウンロード要求を受信すると(ステップ220)、受信したダウンロード要求に含まれるIDに関連付けられた所有リソースリストをセンタ側データ記憶部32から読み出し(ステップ230)、更に複数の配信アプリケーション32c、32eのそれぞれの必要リソースリスト32d、32fを読み出す(ステップ240)。
【0065】
更にセンタ側制御部33は、実行可能配信アプリケーションリストを作成する(ステップ250)。具体的には、読み出した所有リソースリストを、読み出した複数の必要リソースリスト32d、32fのそれぞれと比較する。すなわち、当該所有リソースリストが各必要リソースリストを満たしているか否かを判定する。
【0066】
或る必要リソースリストに記載されているリソース(ハードウェア、ソフトウェア、外部デバイス、データ、の有無およびバージョン)のすべてが、所有リソースリストに含まれていれば、当該所有リソースリストは当該必要リソースリストを満たしていると判定され、或る必要リソースリストに記載されているリソースの一部でも、所有リソースリストに含まれていなければ、当該所有リソースリストは当該必要リソースリストを満たしていないと判定される。
【0067】
当該所有リソースリストと各必要リソースリストの比較の際、或る所有リソースリスト(例えば必要リソースリスト32d)が当該必要リソースリストを満たしている場合、当該或る必要リソースリストに対応する(当該必要リソースリストを含む)配信アプリケーション(例えば配信アプリケーション32c)を、実行可能配信アプリケーションリストに追加する。また、当該所有リソースリストが別の或る必要リソースリスト(例えば必要リソースリスト32f)を満たしていない場合、当該別の或る必要リソースリストに対応する配信アプリケーション(例えば配信アプリケーション32e)を、実行可能配信アプリケーションリストに追加しない。
【0068】
このようにすることで、車載機側データ記憶部25に記録されている複数の配信アプリケーションのうち、当該所有リソースリストが満たしている必要リソースリストに対応する配信アプリケーションのみが、実行可能配信アプリケーションリストに追加される。
【0069】
更にセンタ側制御部33は、このようにして作成した実行可能配信アプリケーションリストを車載機2に送信する(ステップ260)。
【0070】
すると車載機2の車載機側制御部26は、この実行可能配信アプリケーションリストを受信し(ステップ140)、その実行可能配信アプリケーションリストに含まれる配信アプリケーションをディスプレイ22に表示させる(ステップ150)。図8に、ステップ150におけるディスプレイ22の表示例を示す。このようにして表示された配信アプリケーションのそれぞれは、操作部23を操作することによってユーザが選択可能となっている。
【0071】
このとき画面にリスト表示される配信アプリケーションは、既に情報センタ3において当該車載機2でその時点において実行可能かどうかチェック済みであるので、ドライバーが選択して実行不可となり、エラーまたは警告が画面に表示されることはない。したがって、ドライバーは運転を邪魔されることなく、安全に配信アプリを利用できる。
【0072】
続いて車載機側制御部26は、表示させた配信アプリケーションのうちからダウンロード対象の配信アプリケーションの選択操作を受け付ける(ステップ160)。ユーザが操作部23を用いて選択操作を行うと、当該選択操作によって選択された配信アプリケーションを、情報センタ3に要求してダウンロードする(ステップ270)。
【0073】
なお、ステップ170では、車載機側制御部26が、当該選択操作によって選択された配信アプリケーションを示す配信指定情報を情報センタ3に送信し、それを受信したセンタ側制御部33は、配信指定情報が示す配信アプリケーションをセンタ側データ記憶部32から読み出して車載機2に送信し、車載機側制御部26は、このように送信された配信アプリケーションを受信して車載機側データ記憶部25に記録する。そして、車載機側制御部26は、ダウンロードした配信アプリケーションを、ユーザの操作部23に対する実行開始操作等に基づいて、実行する。
【0074】
以上説明した通り、本実施形態では、配信アプリケーションが特定の車載機で実行可能かどうかを把握するには、各配信アプリケーションの実行に必要とする車載機のリソースと、車載機が備えているリソースが分かればよいことに着目している。
【0075】
すなわち、上記のように、センタ側データ記憶部32が、配信アプリケーション32c、32e毎に正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト32d、32fを記憶し、センタ側制御部33が、車載機2が備えるリソースのリストである所有リソースリスト25hを受信して記録する。
【0076】
そして、当該車載機2からダウンロード要求を受信すると、当該車載機2用の所有リソースリストを必要リソースリスト32d、32fのそれぞれと比較し、車載機2用の所有リソースリストが特定の必要リソースリスト(例えば必要リソースリスト32d)を満たしている場合、当該必要リソースリストに対応する配信アプリケーション(例えば配信アプリケーション32c)を実行可能配信アプリケーションリストに含め、当該所有リソースリストが他の特定の必要リソースリスト(例えば必要リソースリスト32f)を満たしていない場合、当該必要リソースリストに対応する配信アプリケーション(例えば配信アプリケーション32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含めず、このようにして作成した実行可能配信アプリケーションリストを車載機2に送信し、当該車載機2において実行可能配信アプリケーションリストから選択された配信アプリケーションの要求を受けると、要求された配信アプリケーションを車載機2に送信する。
【0077】
このようにすることで、ダウンロードした配信アプリケーションが動作可能かどうかを車載機2側で判断するのではなく、情報センタ3側で、ダウンロード前に、この車載機ではこの配信アプリケーションは正常動作できるか否かの判定を行い、正常動作できないと判定したものを車載機2側で選択できないようにしたことで、ドライバーがアプリケーションを選択して情報センタから車載機にダウンロードする時点で、正常に動作しないアプリケーションが選択肢に出てこないようにすることができる。
【0078】
また、車載機側制御部26は、所定のタイミングで、車載機側データ記憶部25中の所有リソースリスト25hの内容を更新し、また、所定のタイミングで、更新した最新の所有リソースリスト25hを情報センタ3に送信するようになっている。
【0079】
このように、車載機2側で所有リソースリスト25hの内容を更新し、また、更新した最新の前記所有リソースリスト25hを情報センタ3に送信することで、車載機2のリソース構成が変化しても、情報センタ3側でこの変化に追従して、適切な実行可能配信アプリケーションリストを作成することができる。
【0080】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
【0081】
(1)上記実施形態では、車載機2の所有リソースリスト25hを更新するようになっているが、リソースが変化する可能性が低い車載機2については、必ずしもステップ110の所有ソースリストの更新をする必要はない。
【0082】
(2)上記実施形態では、センタ側制御部33は、車載機2からダウンロード要求を受信したことを契機として、当該車載機2の実行可能配信アプリケーションリストを作成するようになっているが、車載機2からダウンロード要求を受信する前にあらかじめ定期的に各車載機(車載機2を含む)の実行可能配信アプリケーションリストを作成するようになっていてもよい。この場合、車載機2からダウンロード要求を受信すると、最後に更新した(すなわち最新の)当該車載機2の実行可能配信アプリケーションリストを車載機2に送信するようになっていればよい。
【0083】
(3)また、センタ側データ記憶部32に記憶される各配信アプリケーション32c、32eの必要アプリケーションリストには、その配信アプリケーションを車載機が実行する際に、情報サーバ3が提供しなければならないサービス機能(例えばPOIデータ配信機能)およびデータ(例えばPOIデータ)のリストを含んでいてもよい。この場合、センタ側制御部33は、ステップ250で、ダウンロード要求の送信元の車載機2用の所有リソースリストが或る必要リソースリストを満たしていたとしても、当該情報センタ3の提供可能なサービス機能およびデータが、必要アプリケーションリストが、情報サーバ3が提供しなければならないサービス機能およびデータのリストを満たしていなければ、当該必要リソースリストに対応する配信アプリケーションを、実行可能配信アプリケーションリストには含めないようになっていてもよい。
【0084】
(4)上記実施形態において、車載機側制御部26、センタ側制御部33がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 車両
2 車載機
3 情報センタ
21 外部デバイスインターフェース
22 ディスプレイ
25 車載機側データ記憶部
25a OS
25b ミドルウェア
25c 車載機組込アプリケーション
25d データ
25e 配信アプリケーション用ソフトウェア基盤
25f、25g 配信アプリケーション
25h 所有リソースリスト
26 車載機側制御部
32 センタ側データ記憶部
32a、32b 所有リソースリスト
32c、32e 配信アプリケーション
32d、32f 必要リソースリスト
33 センタ側制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載機(2)および前記車載機(2)と通信する情報センタ(3)を備えた通信システムであって、
前記車載機(2)は、前記車載機(2)が備えるリソースのリストである所有リソースリスト(25h)を記憶するための車載機側データ記憶部(25)を備えると共に、車載機側制御部(26)を備え、
前記情報センタ(3)は、センタ側データ記憶部(32)およびセンタ側制御部(33)を備え、
前記センタ側データ記憶部(32)は、複数の配信アプリケーション(32c、32e)を記憶すると共に、前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれについて、配信アプリケーション(32c、32e)毎に、当該配信アプリケーションの正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト(32d、32f)を記憶するための記憶部であり、
前車載機側制御部(26)、前記所有リソースリスト(25h)を前記車載機側データ記憶部(25)から読み出して前記前記情報センタ(3)に送信し、
前記センタ側制御部(33)は、送信された前記所有リソースリスト(25h)を受信すると、受信した前記所有リソースリスト(25h)を、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)として前記センタ側データ記憶部(32)に記録し、
前記センタ側制御部(33)は、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を前記センタ側データ記憶部(32)から読み出し、更に前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれの前記必要リソースリスト(32d、32f)を読み出し、読み出した前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を、読み出した前記必要リソースリスト(32d、32f)のそれぞれと比較し、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしている場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する配信アプリケーション(32c、32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含め、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が別の或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしていない場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する配信アプリケーション(32c、32e)を前記実行可能配信アプリケーションリストに含めず、このようにして作成した前記実行可能配信アプリケーションリストを前記車載機(2)に送信し、
前記車載機側制御部(26)は、前記センタ側制御部(33)が送信した前記実行可能配信アプリケーションリストを受信し、受信した前記実行可能配信アプリケーションリストに含まれる配信アプリケーションをディスプレイ(22)に表示させ、表示させた配信アプリケーションのうちからダウンロード対象の配信アプリケーションの選択操作を受け付け、前記選択操作によって選択された配信アプリケーションを、前記情報センタ(3)に要求してダウンロードすることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記車載機側制御部(26)は、所定のタイミングで、その時点で前記車載機(2)が所有しているリソースを検出し、検出結果に基づいて、前記車載機側データ記憶部(25)中の前記所有リソースリスト(25h)の内容を更新し、また、所定のタイミングで、更新した最新の前記所有リソースリスト(25h)を前記情報センタ(3)に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
車両に搭載される車載機(2)と通信する情報センタであって、
センタ側データ記憶部(32)およびセンタ側制御部(33)を備え、
前記センタ側データ記憶部(32)は、複数の配信アプリケーション(32c、32e)を記憶すると共に、前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれについて、配信アプリケーション(32c、32e)毎に、当該配信アプリケーションの正常な実行に必要なリソースのリストである必要リソースリスト(32d、32f)を記憶するための記憶部であり、
前記センタ側制御部(33)は、前記車載機(2)が備えるリソースのリストである所有リソースリスト(25h)を、前記車載機(2)から受信し、受信した前記所有リソースリスト(25h)を、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)として前記センタ側データ記憶部(32)に記録し、
また前記センタ側制御部(33)は、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を前記センタ側データ記憶部(32)から読み出し、更に前記複数の配信アプリケーション(32c、32e)のそれぞれの前記必要リソースリスト(32d、32f)を読み出し、読み出した前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)を、読み出した前記必要リソースリスト(32d、32f)のそれぞれと比較し、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしている場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する前記配信アプリケーション(32c、32e)を実行可能配信アプリケーションリストに含め、前記車載機(2)用の所有リソースリスト(32a、32b)が別の或る必要リソースリスト(32d、32f)を満たしていない場合、当該必要リソースリスト(32d、32f)に対応する前記配信アプリケーション(32c、32e)を前記実行可能配信アプリケーションリストに含めず、このようにして作成した前記実行可能配信アプリケーションリストを前記車載機(2)に送信し、
また前記センタ側制御部(33)は、前記実行可能配信アプリケーションリストを受信した前記車載機(2)が前記実行可能配信アプリケーションリストに含まれる配信アプリケーションの個々についてユーザの選択を受け付け、選択された配信アプリケーションを要求したことに基づいて、要求された前記配信アプリケーションを前記車載機(2)に送信することを特徴とする情報センタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−48611(P2012−48611A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191991(P2010−191991)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】