車載用の液晶ディスプレイ
【課題】車載用の液晶ディスプレイの輝度を制御する技術において、斜め方向から液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差を緩和する技術を提供する。
【解決手段】液晶ディスプレイが、液晶部11と、液晶部11の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数のLEDと、当該複数のLEDの輝度を制御する制御回路と、を備え、制御回路は、液晶部11が車両の横方向に均一な明るさで照らされるように当該複数のLEDの輝度を制御する均一モードと、当該液晶部11が照らされる明るさが車両の助手席側からドライバー席側に向かって低下するよう当該複数のLEDの輝度を制御する第2のモードと、を切り替えて作動する。
【解決手段】液晶ディスプレイが、液晶部11と、液晶部11の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数のLEDと、当該複数のLEDの輝度を制御する制御回路と、を備え、制御回路は、液晶部11が車両の横方向に均一な明るさで照らされるように当該複数のLEDの輝度を制御する均一モードと、当該液晶部11が照らされる明るさが車両の助手席側からドライバー席側に向かって低下するよう当該複数のLEDの輝度を制御する第2のモードと、を切り替えて作動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用の液晶ディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時刻および周囲の環境に応じて、液晶ディスプレイの輝度を制御することで、液晶ディスプレイの視認性を高める技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−184446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の技術は、ディスプレイ全体の輝度を一律に変更するものでしかない。本発明者の検討によれば、このような技術は、液晶ディスプレイを車両に搭載する場合に、以下のような問題が生じる。液晶ディスプレイをドライバー席からも助手席からも見えるような位置(例えば、インストゥルメントパネル中央部)に搭載することを考える。液晶ディスプレイの発光輝度は、ディスプレイの部位によらずほぼ均一となっている。したがって、ドライバー席から見れば、液晶ディスプレイのドライバー席に近い側は明るく見え、助手席に近い側は暗く見えてしまい、ドライバーにとっては見づらい場合がある。
【0004】
逆に、助手席から見れば、液晶ディスプレイの助手席に近い側は明るく見え、ドライバー席に近い側は暗く見えてしまい、助手席乗員にとっては見づらい場合がある。
【0005】
このような、斜め方向から見た場合に液晶ディスプレイの両端の明るさが異なって見えてしまうという問題は、夜間、トンネル内走行時等、車両の周囲が暗く、液晶ディスプレイが相対的に明るく見える場合に、特に顕著である。そして、SuWVGA(横1280ドット×縦480ドット、横1600ドット×縦480ドット)等の横長の液晶ディスプレイにおいても、このような問題が特に顕著になる。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、車載用の液晶ディスプレイの輝度を制御する技術において、斜め方向から液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差を緩和する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数のLED(a〜d)と、当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、制御回路(5、6)は、液晶部(11)が車両の横方向に均一な明るさで照らされるように当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、当該液晶部(11)が照らされる明るさが車両の横方向の第1の側から反対側に向かって低下するよう当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする。
【0008】
このようになっていることで、車両内において、第1のモード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、車内のどの座席から見てもある程度の見易さとなり、また、第2のモード時においては、照らされる明るさが第1の側から反対側に向かって低下するので、液晶ディスプレイから見て第1の側の反対側にいる乗員(例えば、ドライバー、助手席乗員等)にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、当該乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0009】
また、請求項2に記載のように、当該複数のLED(a〜d)は、横方向に等間隔に並べられ、それぞれが同一の電流に対して同一の輝度で発光し、制御回路(5)は、第1のモードにおいて、当該複数のLED(a〜d)のそれぞれに流れる電流の平均値が一定になるよう制御し、第2のモードにおいて、当該複数のLED(a〜d)において、横方向の第1の側に近く配置されたLEDほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御するようになっていてもよい。
【0010】
このようになっていることで、第2のモード時においては、第1の側に近いほど電流の平均値が高くなるよう制御するという単純な制御で、液晶ディスプレイから見て第1の側の反対側にいる乗員による、液晶ディスプレイの視認性が向上する。
【0011】
また、請求項3に記載のように、当該複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、当該複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、当該複数組の直列LEDグループは、互いに横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、制御回路(5)は、第1のモードにおいて、当該複数組の直列LEDグループのそれぞれに流れる電流の平均値が同じになるよう制御し、当該第2のモードにおいて、当該複数の領域のうち、横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御するようになっていてもよい。
【0012】
この場合、請求項4に記載のように、当該複数の領域のうち、第1の領域と、当該第1の領域に次いで第1の側に近い第2の領域とは、互いに重なり合う重合部分を有していてもよい。
【0013】
そして、当該複数組の直列LEDグループのうち、第1の領域に配置される第1の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、当該重合部分に含まれ、当該一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、当該重合部分以外の部分に含まれていてもよい。
【0014】
また、当該複数組の直列LEDグループのうち、第2の領域に配置される第2の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、当該重合部分に含まれ、当該一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、当該重合部分以外の部分に含まれるようになっていてもよい。
【0015】
そして、当該重合部分において、当該第2のLED群に属する当該一部のLEDは、当該第1のLED群に属する当該一部のLEDよりも、当該第1の側に位置していてもよい。
【0016】
このようになっていることで、第1の直列LEDグループと第2の直列LEDグループに属するLEDの並びは、第1の直列LEDグループ中の上記一部のLEDをP1とし、第1の直列LEDグループ中の他のLEDをX1とし、第2の直列LEDグループ中の上記一部のLEDをP2とし、第2の直列LEDグループ中の他のLEDをX2とすると、第1の側に近い順に、X1、P2、P1、X2という並びになる。このように、第1の直列LEDグループと第2の直列LEDグループの配置が一部入り組んでいる。しかし、P2の数よりもX1の数の方が多く、P2の数よりもX1の数の方が多いので、全体としては第1の側に近いほど輝度が高くなっている。しかし、上述のような入り組んだ部分があることによって、明るさの変化が急激にならず、明るさ変化の境目が目立たなくなり、緩やかな明るさ変化が実現する。
【0017】
また、上記目的を達成するための請求項5に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるため、車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、当該複数のLEDに流れる電流の大きさを同じにし、当該複数のLED(a〜d)へ印加する電圧のデューティーを制御するデューティー回路(3、4)と、当該デューティー回路(3、4)によるデューティー制御の態様を制御することで、当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5)と、を備え、当該複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、当該複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、当該複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、当該複数組の直列LEDグループは、互いに当該横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置されるようになっている。
【0018】
また、制御回路(5)は、均一モードにおいて、当該複数組の直列LEDグループのそれぞれに印加する電圧のデューティーが一定になるよう、当該デューティー回路(3、4)を制御し、また、ドライバ席モードにおいて、当該複数の領域のうち、助手席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、当該デューティー回路(3、4)を制御し、また、助手席モードにおいて、当該複数の領域のうち、ドライバ席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、当該デューティー回路(3、4)を制御することを特徴とする。
【0019】
このようになっていることで、車両内において、均一モード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、両者内のどのシートからもある程度の見易さを実現することができ、また、ドライバ席モード時においては、照らされる明るさが助手席側から反対側に向かって低下するので、ドライバーにとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、ドライバー乗員にとって特に見やすい表示が実現する。また、助手席モード時においては、照らされる明るさがドライバー席側から反対側に向かって低下するので、助手席乗員にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、助手席乗員にとって特に見やすい表示が実現する。そして、LED(a〜d)に流れる電流のデューティー制御によって輝度を変化させることで、LED(a〜d)の横方向の輝度変化を容易に制御することができる。
【0020】
また、上記目的を達成するための請求項6に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるため、車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、当該複数のLED(a〜d)の後段側にあり、流れる電流の大きさを一定に保つ複数の定電流回路(31)と、当該複数のLED(a〜d)の後段側にあり、かつ、それぞれが当該複数の定電流回路の1つと電気的に並列関係にある複数の抵抗回路部(R、7)と、当該抵抗回路部(R、7)の抵抗値を制御することで、当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(6)と、を備え、
当該複数のLED(a〜d)は、互いに電気的に直列に繋がれた直列LEDグループを複数組有し、それら複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、当該複数の定電流回路(31)は、当該複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、当該複数の抵抗回路部(R、7)は、当該複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、当該複数組の直列LEDグループは、互いに当該車両の横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、当該制御回路(5)は、第1のモードにおいては、当該複数の抵抗回路部(R、7)の抵抗値が無限大になるように制御し、第2のモードにおいては、当該複数の領域のうち、当該横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループの後段の抵抗回路部(R、7)ほど、抵抗値が小さくなるよう制御する。
【0021】
このようになっていることで、車両内において、第1のモード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、両者内のどのシートからもある程度の見易さを実現することができ、また、第2のモード時においては、照らされる明るさが第1の側から反対側に向かって低下するので、液晶ディスプレイから見て第1の側の反対側にいる乗員(例えば、ドライバー、助手席乗員等)にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、当該乗員にとって特に見やすい表示が実現する。そして、LED(a〜d)の後段に繋がれた抵抗回路部(R、7)の抵抗値を変化させることで、LED(a〜d)の横方向の輝度変化を容易に制御することができる。
【0022】
また、本発明の目的を達成するための請求項7に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数の発光体(a〜d)と、当該複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、制御回路(5、6)は、液晶部(11)が車両の横方向に均一な明るさで照らされるように当該複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、液晶部(11)が照らされる明るさが車両の横方向に変化するよう制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする。
【0023】
このようになっていることで、車両内において、第1のモード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、両者内のどのシートからもある程度の見易さを実現することができ、また、第2のモード時においては、照らされる明るさが車両の横方向に変化するするので、液晶ディスプレイを特定の斜め方向から見る乗員にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、当該乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0024】
また、請求項8に記載のように、制御回路(5、6)は、液晶部の表示内容に応じて、上述の第1のモードおよび第2のモード、そして更に第3のモードを切り替えて作動してもよい。この場合、制御回路(5、6)は、第2のモードにおいて、液晶部(11)が車両の助手席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御し、第3のモードにおいて、液晶部(11)が車両のドライバー席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御するようになっていてもよい。このようになっていることで、液晶部の表示内容に応じて、その表示を主に見せる相手に適した輝度制御形態で、画像表示を行うことができる。
【0025】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る液晶ディスプレイ1の車両内における配置を示す。液晶ディスプレイ1は、車両のドライバー席および助手席から見やすいよう、インストルメントパネルの中央部に設置されている。
【0027】
図2に示すように、この液晶ディスプレイ1の液晶部11は、SuWVGA(横1280ドット×縦480ドット、横1600ドット×縦480ドット)等の横長の矩形形状を有している。また、本明細書では、横方向とは、車両を基準とした横方向をいい、縦方向とは、車両の天地方向をいう。
【0028】
この液晶部11の背面(すなわち、液晶部11から見て車室の反対方向)の縦方向上端部には、液晶部11のバックライト(光源の一例に相当する)として機能する16個のLED(発光ダイオード)a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4が、横方向に一列に、等間隔で並んで配置されている。これらLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4が同じ輝度で発光すると、液晶部11の全面が、縦方向および横方向に均等に照らされる。
【0029】
なお、これらLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の電気的特性は、ほぼ均一(すなわち、個体間の微差を除いては均一)である。すなわち、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4のそれぞれは、同一の電流に対してほぼ同一の輝度で発光する
図3に、このLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4を点灯するためのLED点灯回路2の構成を示す。このLED点灯回路2は、上述のLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に加え、LEDコントローラIC3、電圧生成部4a〜4d、およびマイコン5を有している。
【0030】
LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4は、4つのグループに分けられ、それぞれのグループにおいて、メンバーのLEDが電気的に直列に繋げられている。具体的には、LEDa1〜a4が、第1のグループ(以下、直列LEDグループという)を構成し、LEDb1〜b4が、第2の直列LEDグループを構成し、LEDc1〜c4が、第3の直列LEDグループを構成し、LEDd1〜d4が、第4の直列LEDグループを構成する。これら4つの直列LEDグループは、電圧供給源であるVinに対して電気的に並列に接続されている。
【0031】
なお、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の空間的配置は、図2に示したように、第1の直列LEDグループa1〜a4が配置される領域(以下、A領域という)が最も左側にあり、第2の直列LEDグループb1〜b4が配置される領域(以下、B領域という)が次いで左側にあり、第3の直列LEDグループc1〜c4が配置される領域(以下、C領域という)が次いで左側にあり、第4の直列LEDグループd1〜d4が配置される領域(以下、D領域という)最も右側にある。
【0032】
なお、より詳細には、A領域〜D領域は、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループa1〜a4のうち最も左側のLEDから最も右側のLEDまでの範囲をカバーする領域である。
【0033】
このように、A領域、B領域、C領域、D領域は、この順に、左から右にずれて配置されている。そして、各領域は、重なりあう部分を有していない。すなわち、左端から、まず第1の直列LEDグループa1〜a4が連続で並び、次に第2の直列LEDグループb1〜b4が連続で並び、次に第3の直列LEDグループc1〜c4が連続で並び、次に第4の直列LEDグループd1〜d4が連続で並ぶ。
【0034】
LEDコントローラIC3は、4つの定電流回路31a〜31d、4つのエラーアンプ32a〜32d、および4つのドライバー回路33a〜32dを有している。
【0035】
定電流回路31a〜31dは、それぞれ第1の直列LEDグループ〜第4の直列LEDグループの後段に直列で繋げられており、当該定電流回路に入る電流の大きさを一定の目標値にする。なお、定電流回路31a〜31dのそれぞれの目標値は、同じになるように構成されている。
【0036】
第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流は、すべて対応する後段の定電流回路31a〜31dに流れる。したがって、定電流回路31a〜31dにより、第1の直列LEDグループ〜第4の直列LEDグループを電流が流れている間は、その流れる電流の大きさが、第1の直列LEDグループ〜第4の直列LEDグループとも同じであり、かつ、一定である(すなわち時間的に変化しない)。
【0037】
エラーアンプ32a〜32dは、それぞれ定電流回路31a〜31dの電圧と所定の基準電圧との誤差を出力する。エラーアンプ32a〜32dの基準電圧はすべて同じとなっている。
【0038】
ドライバー回路33a〜33dは、それぞれエラーアンプ32a〜32dから出力された誤差に応じたデューティー比の駆動信号を、LEDコントローラIC3の外部に出力する。なお、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれにおいて、対応するエラーアンプ32からの出力と、外部に出力する駆動信号のデューティー比との対応関係(以下、デューティー設定という)は、マイコン5からの制御信号に基づいて変化するようになっている。
【0039】
電圧生成部4a〜4dは、Vinを電圧供給源とし、それぞれドライバー回路33a〜33dからの駆動信号がオンのときに、所定の電圧を、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループに印加する。
【0040】
このように、LEDコントローラIC3、電圧生成部4a〜4dによって、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に流れる電流の大きが同じとなり、当該LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4へ印加される電圧のデューティーが制御される。
【0041】
マイコン5は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、ROMに記録されたプログラムをCPUに実行させることで、種々の処理を実現する。また、マイコン5は、その処理において、図示しない車両内の画像表示制御装置から信号を受け、受けた信号に基づいてドライバー回路33a〜33dの制御態様を切り替える。
【0042】
車両内の画像表示制御装置としては、例えば車両用ナビゲーション装置がある。車両用ナビゲーション装置は、周知の通り、乗員が目的地を入力した場合、現在位置および目的地までの経路を共に含む地図画像を液晶ディスプレイ1に表示させ、また、自車両の後退時には、車両の後部に付けられた後方撮影カメラによる撮影画像を液晶ディスプレイ1に表示させ、また、乗員がDVDムービー、テレビ放送等を見るための操作を行った場合には、DVDムービー、テレビ放送等の映像を液晶ディスプレイ1に表示させる。そして車両用ナビゲーション装置は、液晶ディスプレイ1に現在どのような画像を表示させているかについての情報を示す信号を、マイコン5に出力する。
【0043】
以下、上記のような構成の液晶ディスプレイ1の作動について説明する。図4に、マイコン5が繰り返し実行するプログラム100のフローチャートを示す。
【0044】
マイコン5は、このプログラム100の実行において、まずステップ110で、ドライバー席モード(第2のモードの一例に相当する)の処理を行うか否かを判定し、当該処理を行う場合は続いてステップ120を実行し、当該処理を行わない場合は続いてステップ130で、助手席モード(第2のモードの一例に相当し、第3のモードの一例にも相当する)の処理を行うかを判定し、当該処理を行う場合は続いてステップ140を実行し、当該処理を行わない場合は続いてステップ150を実行する。
【0045】
したがって、マイコン5は、ドライバ席モードにおいてはステップ120を実行し、助手席モードにおいてはステップ140を実行し、ドライバ席モードでも助手席モードでもない場合は、均一モード(第1のモードの一例に相当する)の処理として、ステップ150を実行する。
【0046】
なお、ドライバー席モードの処理を行うか、助手席モードの処理を行うか、または均一モードの処理を行うかの判定は、画像表示制御装置が液晶ディスプレイ1に表示させる画像の内容に基づいて決定する。あるいは、ドライバーの選択操作に基づいて決定してもよい。画像表示制御装置が液晶ディスプレイ1に表示させる画像の内容は、当該画像表示制御装置から出力される表示画像の種別の信号に基づいて特定する。
【0047】
例えば、画像表示制御装置が車両用ナビゲーション装置である場合、車両用ナビゲーション装置が地図画像を液晶ディスプレイ1に表示させている場合、マイコン5は、ドライバー席モードでもなく助手席でもないと判定する。すなわち、均一モードであると判定する。このようにするのは、地図画像は、助手席乗員もドライバーも共に見る可能性が高い画像であるからである。
【0048】
また例えば、車両用ナビゲーション装置が後方カメラの撮影画像を液晶ディスプレイ1に表示させている場合、マイコン5は、ドライバー席モードであるとであると判定する。このようにするのは、後方カメラの撮影画像は、駐車時等に障害物にぶつからないような運転をするために必要な画像であるので、助手席乗員よりもドライバーが見る必要性が遥かに高いからである。
【0049】
また例えば、車両の走行中に車両用ナビゲーション装置がDVDムービー、テレビ放送等のエンターテイメント映像を液晶ディスプレイ1に表示させている場合、マイコン5は、助手席モードであるとであると判定する。このようにするのは、DVDムービー、テレビ放送等のエンターテイメント映像は、車両の走行中にドライバーが見るべきでものではないので、ドライバーよりも助手席乗員のための表示である可能性が非常に高いからである。なお、マイコン5は、車両が走行中であるか否かについては、図示しない車速センサからの信号に基づいて特定してもよい。
【0050】
以下、均一モード、ドライバー席モード、助手席モードのそれぞれについて説明する。均一モードにおいては、マイコン5は、ステップ150で、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれのデューティー設定を同じにするよう、ドライバー回路33a〜33dを制御する。
【0051】
これによって、ドライバー回路33a〜33dにおいては、対応するエラーアンプ32からの出力が同じならば、外部に出力する駆動信号のデューティー比も、同じとなる。したがって、均一モードにおいては、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれが出力する駆動信号のデューティー比は、図5のように、同じとなる。それゆえ、電圧生成部4a〜4dのそれぞれが対応する直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比も、互いに同じとなる。
【0052】
上述の通り、各直列LEDグループに電流が流れている場合の、各直列LEDグループの電流値の大きさは互いに同じである。したがって、直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比が上述のように同じであれば、各直列LEDグループに流れる電流の平均値は、互いに同じとなる。
【0053】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は同じとなり、液晶部11は、横方向に同じ明るさでLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4によって照らされるので、車内のどの座席から見てもある程度の見やすさとなる。
【0054】
また、ドライバー席モードにおいては、マイコン5は、ステップ120で、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれのデューティー設定を変化させる。具体的には、ドライバー回路33a〜33dにおいて、対応するエラーアンプ32からの出力が同じ場合には、外部に出力する駆動信号のデューティー比が、助手席側(第1の側の一例に相当する)の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなるようにする。
【0055】
したがって、ドライバー席モードにおいては、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれが出力する駆動信号のデューティー比は、図6のように、助手席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。それゆえ、電圧生成部4a〜4dのそれぞれが対応する直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比も、助手席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。
【0056】
上述の通り、各直列LEDグループに電流が流れている場合の、各直列LEDグループの電流値の大きさは互いに同じである。したがって、直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比が上述のようになっていれば、各直列LEDグループに流れる電流の平均値は、助手席側に近いほど高くなる。
【0057】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は、助手席側に近いほど高くなり、液晶部11がLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に照らされる明るさは、助手席側からドライバー席側に向って低下する。図8に、右ハンドル車のドライバー席モードにおけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度の変化をグラフで示す。したがって、ドライバーにとっては、液晶ディスプレイ1を見た場合における液晶ディスプレイ1の両端の明るさの差が緩和され。その結果、ドライバー乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0058】
また、助手席モードにおいては、マイコン5は、ステップ140で、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれのデューティー設定を変化させる。具体的には、ドライバー回路33a〜33dにおいて、対応するエラーアンプ32からの出力が同じ場合には、外部に出力する駆動信号のデューティー比が、ドライバー席側(第1の側の一例に相当する)の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなるようにする。
【0059】
したがって、助手席モードにおいては、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれが出力する駆動信号のデューティー比は、図6のように、ドライバー席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。それゆえ、電圧生成部4a〜4dのそれぞれが対応する直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比も、ドライバー席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。
【0060】
上述の通り、各直列LEDグループに電流が流れている場合の、各直列LEDグループの電流値の大きさは互いに同じである。したがって、直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比が上述のようになっていれば、各直列LEDグループに流れる電流の平均値は、ドライバー席側に近いほど高くなる。
【0061】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は、ドライバー席側に近いほど高くなり、液晶部11がLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に照らされる明るさは、ドライバー席側から助手席側に向って低下する。したがって、助手席乗員にとっては、液晶ディスプレイ1を見た場合における液晶ディスプレイ1の両端の明るさの差が緩和され。その結果、助手席乗員の乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0062】
なお、図6、図7の信号図においては、ドライバー回路33a〜33d間のデューティー比の違いを誇張して記載している。現実のデューティー比がこの図と同じようになるとは限らない。
【0063】
以上説明した通り、マイコン5は、液晶部11が車両の横方向に均一な明るさで照らされるようにLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度を制御する均一モードと、液晶部11が照らされる明るさが車両の助手席側からドライバー席側に向かって低下するよう当該LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度を制御するドライバー席モードと、液晶部11が照らされる明るさが車両のドライバー席から助手席側に向かって低下するようLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度を制御するドライバー席モードと、を切り替えて作動する。
【0064】
そして、ドライバー席モード(または助手席モード時)においては、助手席側(またはドライバー席側)の直列LEDグループに流れる電流の平均値が高くなるよう制御するという単純な制御で、ドライバー(または助手席乗員)による、液晶ディスプレイの視認性が向上する。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9に、本実施形態に係るLED点灯回路2の回路構成を示す。LED点灯回路2が構成上第1実施形態と異なるのは、LED点灯回路2が、マイコン6、トランジスタ7a〜7d、抵抗Ra〜Rdを有している点である。
【0066】
トランジスタ7a〜7dは、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループから対応する定電流回路31a〜31dへのラインから分岐したラインにコレクタ端子が接続されており、また、エミッタ端子には、それぞれ抵抗器Ra〜Rdが接続されており、また、ベース端子には、マイコン6が接続されている。また、抵抗器Ra〜Rdのトランジスタ側でない端子は、接地されている。したがって、トランジスタおよび対応する抵抗器の組を1つの抵抗回路部と見ると、これら抵抗回路部は、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループの後段側にあり、かつ、それぞれが定電流回路31a〜31dと電気的に並列関係にあることになる。
【0067】
なお、抵抗器Ra〜Rdの抵抗値をそれぞれra〜rdとすると、これら抵抗値の間には、右ハンドル車の場合にはra<rb<rc<rdという関係があり、左ハンドル車の場合にはra>rb>rc>rdという関係がある。
【0068】
マイコン6は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、ROMに記録されたプログラムをCPUに実行させることで、種々の処理を実現する。また、マイコン6は、その処理において、図示しない車両内の画像表示制御装置から信号を受け、受けた信号に基づいてトランジスタ7a〜7dのベース端子への電圧印加の有無を切り替える。
【0069】
本実施形態が作動上第1実施形態と異なる部分は、マイコン5が、常に第1実施形態の均一モード時と同じ作動を行い、その代わりに、マイコン6が、図10に示すプログラム200を繰り返し実行することである。
【0070】
マイコン6は、このプログラム200の実行において、まずステップ210で、ドライバー席モード(第2のモードの一例に相当する)の処理を行うか否かを判定し、当該処理を行う場合は続いてステップ220を実行し、当該処理を行わない場合は続いてステップ230を実行する。
【0071】
したがって、マイコン5は、ドライバ席モードにおいてはステップ220を実行し、ドライバ席モードでも助手席モードでもない場合は、均一モード(第1のモードの一例に相当する)の処理として、ステップ230を実行する。
【0072】
なお、ドライバー席モードの処理を行うか、または均一モードの処理を行うかの判定は、第1実施形態のマイコン6と同様に、画像表示制御装置が液晶ディスプレイ1に表示させる画像の内容またはドライバーの選択操作に基づいて決定する。
【0073】
以下、均一モードおよびドライバー席モードそれぞれについて説明する。均一モードにおいては、マイコン6は、ステップ230で、トランジスタ7a〜7dのそれぞれへの電圧の印加をオフにする。
【0074】
これによって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流は、すべて対応する定電流回路31a〜31dに流れることになる。すなわち、抵抗回路部の抵抗値が実質的に無限大になる。したがって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流値の大きさは、定電流回路31a〜31dの目標値と同じになる。すなわち、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流値の大きさは、互いに同じになる。また、マイコン5は常に均一モードの作動を行うので、電圧生成部4a〜4dから出力される電圧デューティー比は、互いに同じである。したがって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流の平均値は、互いに同じである。
【0075】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は同じとなり、液晶部11は、横方向に同じ明るさでLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4によって照らされるので、車内のどの座席から見てもある程度の見やすさとなる。
【0076】
また、ドライバー席モードにおいては、マイコン6は、ステップ220で、トランジスタ7a〜7dのそれぞれへの電圧の印加をオンにする。
【0077】
これによって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流は、対応する定電流回路31a〜31dに流れると共に、対応する抵抗器Ra〜Rdにも流れる。そして、抵抗器Ra〜Rdの抵抗値は、助手席側に近いほど小さいので、抵抗器Ra〜Rdを流れる電流値の大きさは、助手席側に近いほど大きくなる。また、マイコン5は常に均一モードの作動を行うので、電圧生成部4a〜4dから出力される電圧デューティー比は、互いに同じである。したがって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流の平均値は、助手席側に近いほど大きくなる。
【0078】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は、助手席側に近いほど高くなり、液晶部11がLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に照らされる明るさは、助手席側からドライバー席側に向って低下する。したがって、ドライバーにとっては、液晶ディスプレイ1を見た場合における液晶ディスプレイ1の両端の明るさの差が緩和され。その結果、ドライバー乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0079】
以上説明した通り、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の後段に繋がれた抵抗回路部(すなわち抵抗器Rおよびトランジスタ7)の抵抗値をマイコン6が変化させることでも、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の横方向の輝度変化を容易に制御することができる。
【0080】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態が第1および第2実施形態と異なるのは、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の横方向の配置である。図11に、本実施形態に係るLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の配置を示す。
【0081】
本実施形態のLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の配置が第1および第2実施形態と異なるのは、第1の直列LEDグループa1〜a4のうち最も右側のLEDa4が、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち最も左側のLEDb1よりも右側に位置しており、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち最も右側のLEDb4が、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち最も左側のLEDc1よりも右側に位置しており、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち最も右側のLEDc4が、第4の直列LEDグループd1〜d4のうち最も左側のLEDd1よりも右側に位置していることである。すなわち、第1および第2実施形態と比べて、互いに隣り合う直列LEDグループの境界のLED同士の位置が入れ替わっている。
【0082】
したがって、A領域とB領域とは、互いに重なりあうAB領域(重合部分の一例に相当する)を有しており、B領域とC領域とは、互いに重なりあうBC領域(重合部分の一例に相当する)を有しており、C領域とD領域とは、互いに重なりあうCD領域(重合部分の一例に相当する)を有している。
【0083】
そして、第1の直列LEDグループa1〜a4のうち、1個のLEDa4がAB領域に含まれ、他の3個のLEDa1〜a3は、AB領域以外の部分に含まれている。また、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち、1個のLEDb1がAB領域に含まれ、他の3個のLEDb2〜a4は、AB領域以外の部分に含まれている。そして、AB領域において、LEDb1は、LEDa4よりも左側(第1の側の一例に相当する)にある。
【0084】
同様に、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち、1個のLEDb4がBC領域に含まれ、他の3個のLEDb1〜b3は、BC領域以外の部分に含まれている。また、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち、1個のLEDc1がBC領域に含まれ、他の3個のLEDc2〜c4は、BC領域以外の部分に含まれている。そして、BC領域において、LEDc1は、LEDb4よりも左側(第1の側の一例に相当する)にある。
【0085】
同様に、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち、1個のLEDc4がCD領域に含まれ、他の3個のLEDc1〜c3は、CD領域以外の部分に含まれている。また、第4の直列LEDグループd1〜d4のうち、1個のLEDd1がCD領域に含まれ、他の3個のLEDd2〜d4は、CD領域以外の部分に含まれている。そして、CD領域において、LEDd1は、LEDc4よりも左側(第1の側の一例に相当する)にある。
【0086】
図12に、右ハンドル車におけるドライバー席モードおよび左ハンドル車における助手席モードの場合の、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度分布を例示する。また、図13に、この場合における液晶部11照らされる明るさの分布を例示する。
【0087】
このように、隣り合う各直列LEDグループの配置が一部入り組んでいる。しかし、それぞれの重合部分に着目すると、直列LEDグループは、その重合部分に入っているメンバーよりも、入っていないメンバーの方が多い。したがって、ドライバー席モードにおいては、液晶部11が照らされる明るさは全体としては助手席側に近いほど高くなっており、助手席モードにおいては、液晶部11が照らされる明るさは全体としてはドライバー席側に近いほど高くなっている。
【0088】
しかし、上述のような入り組んだ部分があることによって、照らされる明るさの変化が急激にならず、明るさ変化の境目が目立たなくなり、緩やかな明るさ変化が実現する。
【0089】
一方、第1実施形態の図7に示すような輝度分布の場合、各直列LEDグループの境界部分での明るさ変化が目立ち、その結果、図14に例示するように、明るさの変化の境界が目立ってしまう場合がある。図7のような配置は、同じ直列LEDグループを他の直列LEDグループと入り組ませることなく配置することができ、配線が簡易になるという利点を有しており、図12のような配置は、上述の通り明るさ変化の境目が目立たなくなるという利点を持つ。
【0090】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0091】
例えば、マイコン5、6は、照度センサ等を用いて周囲が暗いことを検出した場合に、ドライバー席モードまたは助手席モードを実行するようになっていてもよい。また、現在が夜間の時間帯(例えば、18:00〜06:00までの時間帯)であることに基づいて、ドライバー席モードまたは助手席モードを実行するようになっていてもよい。
【0092】
また例えば、本発明は、横長でない液晶部を有する液晶ディスプレイ(例えばEGA(横400ドット×縦240ドット)、WVGA(横800ドット×縦480ドット))に対して適用しても、ある程度の効果を発揮することができる。
【0093】
また例えば、1つの直列LEDグループが有するLEDの数は4つ以外(例えば、2つ、5つ)であってもよい。また、各直列LEDグループが有するLEDの数は同じでなくともよい。また、直列LEDグループの数は、4つ以外(例えば、2つ、5つ)であってもよい。
【0094】
また例えば、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の電気的特性は、個体差の範疇を超えてばらついていてもよい。その場合であっても、均一モードにおいて、液晶部11がほぼ均一の輝度で照らされるように、それらのLEDへの電流量、およびそれらLEDの配置が定められており、ドライバー席モードにおいて、助手席側に近いLEDの輝度上昇量が、ドライバー席側に近いLEDの輝度上昇量よりも大きくなり、助手席モードにおいて、ドライバー席側に近いLEDの輝度上昇量が、助手席側に近いLEDの輝度上昇量よりも大きくなっていればよい。ここで、LEDの輝度上昇量とは、均一モード時における当該LEDの輝度に対する変化量をいい、輝度が上昇すれば正の値となり、下降すれば負の値となる。また、液晶部11の光源として使用されるのは、必ずしもLEDでなくともよい。
【0095】
また例えば、上記の実施形態において、マイコン5、6がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶ディスプレイ1の車両内における配置を示す図である。
【図2】液晶ディスプレイ1における液晶部11とLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4との位置関係を示す図である。
【図3】LED点灯回路2の回路構成を示す図である。
【図4】マイコン5が繰り返し実行するプログラム100のフローチャートである。
【図5】均一モードにおけるドライバー回路33a〜33dの駆動信号を示すタイミング図である。
【図6】ドライバー席モードにおけるドライバー回路33a〜33dの駆動信号を示すタイミング図である。
【図7】右ハンドル車のドライバー席モードにおけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度の変化を示すグラフである。
【図8】助手席モードにおけるドライバー回路33a〜33dの駆動信号を示すタイミング図である。
【図9】第2実施形態におけるLED点灯回路2の回路構成を示す図である。
【図10】マイコン6が繰り返し実行するプログラム100のフローチャートである。
【図11】第3実施形態におけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の配置を示す図である。
【図12】ドライバー席モードまたは助手席モードにおけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度の変化を示すグラフである。
【図13】図12の場合における液晶部11の明るさ分布を例示する図である。
【図14】図7の場合における液晶部11の明るさ分布を例示する図である。
【符号の説明】
【0097】
a〜d LED
1 液晶ディスプレイ
2 LED点灯回路
3 LEDコントローラIC
4a〜4d 電圧生成部
5、6 マイコン5
7a〜7d トランジスタ
11 液晶部
31a〜31d 定電流回路
32a〜32d エラーアンプ
33a〜33d ドライバー回路
Ra〜Rd 抵抗器
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用の液晶ディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時刻および周囲の環境に応じて、液晶ディスプレイの輝度を制御することで、液晶ディスプレイの視認性を高める技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−184446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の技術は、ディスプレイ全体の輝度を一律に変更するものでしかない。本発明者の検討によれば、このような技術は、液晶ディスプレイを車両に搭載する場合に、以下のような問題が生じる。液晶ディスプレイをドライバー席からも助手席からも見えるような位置(例えば、インストゥルメントパネル中央部)に搭載することを考える。液晶ディスプレイの発光輝度は、ディスプレイの部位によらずほぼ均一となっている。したがって、ドライバー席から見れば、液晶ディスプレイのドライバー席に近い側は明るく見え、助手席に近い側は暗く見えてしまい、ドライバーにとっては見づらい場合がある。
【0004】
逆に、助手席から見れば、液晶ディスプレイの助手席に近い側は明るく見え、ドライバー席に近い側は暗く見えてしまい、助手席乗員にとっては見づらい場合がある。
【0005】
このような、斜め方向から見た場合に液晶ディスプレイの両端の明るさが異なって見えてしまうという問題は、夜間、トンネル内走行時等、車両の周囲が暗く、液晶ディスプレイが相対的に明るく見える場合に、特に顕著である。そして、SuWVGA(横1280ドット×縦480ドット、横1600ドット×縦480ドット)等の横長の液晶ディスプレイにおいても、このような問題が特に顕著になる。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、車載用の液晶ディスプレイの輝度を制御する技術において、斜め方向から液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差を緩和する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数のLED(a〜d)と、当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、制御回路(5、6)は、液晶部(11)が車両の横方向に均一な明るさで照らされるように当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、当該液晶部(11)が照らされる明るさが車両の横方向の第1の側から反対側に向かって低下するよう当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする。
【0008】
このようになっていることで、車両内において、第1のモード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、車内のどの座席から見てもある程度の見易さとなり、また、第2のモード時においては、照らされる明るさが第1の側から反対側に向かって低下するので、液晶ディスプレイから見て第1の側の反対側にいる乗員(例えば、ドライバー、助手席乗員等)にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、当該乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0009】
また、請求項2に記載のように、当該複数のLED(a〜d)は、横方向に等間隔に並べられ、それぞれが同一の電流に対して同一の輝度で発光し、制御回路(5)は、第1のモードにおいて、当該複数のLED(a〜d)のそれぞれに流れる電流の平均値が一定になるよう制御し、第2のモードにおいて、当該複数のLED(a〜d)において、横方向の第1の側に近く配置されたLEDほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御するようになっていてもよい。
【0010】
このようになっていることで、第2のモード時においては、第1の側に近いほど電流の平均値が高くなるよう制御するという単純な制御で、液晶ディスプレイから見て第1の側の反対側にいる乗員による、液晶ディスプレイの視認性が向上する。
【0011】
また、請求項3に記載のように、当該複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、当該複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、当該複数組の直列LEDグループは、互いに横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、制御回路(5)は、第1のモードにおいて、当該複数組の直列LEDグループのそれぞれに流れる電流の平均値が同じになるよう制御し、当該第2のモードにおいて、当該複数の領域のうち、横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御するようになっていてもよい。
【0012】
この場合、請求項4に記載のように、当該複数の領域のうち、第1の領域と、当該第1の領域に次いで第1の側に近い第2の領域とは、互いに重なり合う重合部分を有していてもよい。
【0013】
そして、当該複数組の直列LEDグループのうち、第1の領域に配置される第1の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、当該重合部分に含まれ、当該一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、当該重合部分以外の部分に含まれていてもよい。
【0014】
また、当該複数組の直列LEDグループのうち、第2の領域に配置される第2の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、当該重合部分に含まれ、当該一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、当該重合部分以外の部分に含まれるようになっていてもよい。
【0015】
そして、当該重合部分において、当該第2のLED群に属する当該一部のLEDは、当該第1のLED群に属する当該一部のLEDよりも、当該第1の側に位置していてもよい。
【0016】
このようになっていることで、第1の直列LEDグループと第2の直列LEDグループに属するLEDの並びは、第1の直列LEDグループ中の上記一部のLEDをP1とし、第1の直列LEDグループ中の他のLEDをX1とし、第2の直列LEDグループ中の上記一部のLEDをP2とし、第2の直列LEDグループ中の他のLEDをX2とすると、第1の側に近い順に、X1、P2、P1、X2という並びになる。このように、第1の直列LEDグループと第2の直列LEDグループの配置が一部入り組んでいる。しかし、P2の数よりもX1の数の方が多く、P2の数よりもX1の数の方が多いので、全体としては第1の側に近いほど輝度が高くなっている。しかし、上述のような入り組んだ部分があることによって、明るさの変化が急激にならず、明るさ変化の境目が目立たなくなり、緩やかな明るさ変化が実現する。
【0017】
また、上記目的を達成するための請求項5に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるため、車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、当該複数のLEDに流れる電流の大きさを同じにし、当該複数のLED(a〜d)へ印加する電圧のデューティーを制御するデューティー回路(3、4)と、当該デューティー回路(3、4)によるデューティー制御の態様を制御することで、当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5)と、を備え、当該複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、当該複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、当該複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、当該複数組の直列LEDグループは、互いに当該横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置されるようになっている。
【0018】
また、制御回路(5)は、均一モードにおいて、当該複数組の直列LEDグループのそれぞれに印加する電圧のデューティーが一定になるよう、当該デューティー回路(3、4)を制御し、また、ドライバ席モードにおいて、当該複数の領域のうち、助手席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、当該デューティー回路(3、4)を制御し、また、助手席モードにおいて、当該複数の領域のうち、ドライバ席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、当該デューティー回路(3、4)を制御することを特徴とする。
【0019】
このようになっていることで、車両内において、均一モード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、両者内のどのシートからもある程度の見易さを実現することができ、また、ドライバ席モード時においては、照らされる明るさが助手席側から反対側に向かって低下するので、ドライバーにとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、ドライバー乗員にとって特に見やすい表示が実現する。また、助手席モード時においては、照らされる明るさがドライバー席側から反対側に向かって低下するので、助手席乗員にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、助手席乗員にとって特に見やすい表示が実現する。そして、LED(a〜d)に流れる電流のデューティー制御によって輝度を変化させることで、LED(a〜d)の横方向の輝度変化を容易に制御することができる。
【0020】
また、上記目的を達成するための請求項6に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるため、車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、当該複数のLED(a〜d)の後段側にあり、流れる電流の大きさを一定に保つ複数の定電流回路(31)と、当該複数のLED(a〜d)の後段側にあり、かつ、それぞれが当該複数の定電流回路の1つと電気的に並列関係にある複数の抵抗回路部(R、7)と、当該抵抗回路部(R、7)の抵抗値を制御することで、当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(6)と、を備え、
当該複数のLED(a〜d)は、互いに電気的に直列に繋がれた直列LEDグループを複数組有し、それら複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、当該複数の定電流回路(31)は、当該複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、当該複数の抵抗回路部(R、7)は、当該複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、当該複数組の直列LEDグループは、互いに当該車両の横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、当該制御回路(5)は、第1のモードにおいては、当該複数の抵抗回路部(R、7)の抵抗値が無限大になるように制御し、第2のモードにおいては、当該複数の領域のうち、当該横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループの後段の抵抗回路部(R、7)ほど、抵抗値が小さくなるよう制御する。
【0021】
このようになっていることで、車両内において、第1のモード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、両者内のどのシートからもある程度の見易さを実現することができ、また、第2のモード時においては、照らされる明るさが第1の側から反対側に向かって低下するので、液晶ディスプレイから見て第1の側の反対側にいる乗員(例えば、ドライバー、助手席乗員等)にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、当該乗員にとって特に見やすい表示が実現する。そして、LED(a〜d)の後段に繋がれた抵抗回路部(R、7)の抵抗値を変化させることで、LED(a〜d)の横方向の輝度変化を容易に制御することができる。
【0022】
また、本発明の目的を達成するための請求項7に記載の発明は、車両に搭載される液晶ディスプレイが、液晶部(11)と、液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数の発光体(a〜d)と、当該複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、制御回路(5、6)は、液晶部(11)が車両の横方向に均一な明るさで照らされるように当該複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、液晶部(11)が照らされる明るさが車両の横方向に変化するよう制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする。
【0023】
このようになっていることで、車両内において、第1のモード時においては、従来通り液晶部が横方向に均等な明るさで照らされるので、両者内のどのシートからもある程度の見易さを実現することができ、また、第2のモード時においては、照らされる明るさが車両の横方向に変化するするので、液晶ディスプレイを特定の斜め方向から見る乗員にとっては、液晶ディスプレイを見た場合における液晶ディスプレイの両端の明るさの差が緩和され。その結果、当該乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0024】
また、請求項8に記載のように、制御回路(5、6)は、液晶部の表示内容に応じて、上述の第1のモードおよび第2のモード、そして更に第3のモードを切り替えて作動してもよい。この場合、制御回路(5、6)は、第2のモードにおいて、液晶部(11)が車両の助手席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御し、第3のモードにおいて、液晶部(11)が車両のドライバー席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御するようになっていてもよい。このようになっていることで、液晶部の表示内容に応じて、その表示を主に見せる相手に適した輝度制御形態で、画像表示を行うことができる。
【0025】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る液晶ディスプレイ1の車両内における配置を示す。液晶ディスプレイ1は、車両のドライバー席および助手席から見やすいよう、インストルメントパネルの中央部に設置されている。
【0027】
図2に示すように、この液晶ディスプレイ1の液晶部11は、SuWVGA(横1280ドット×縦480ドット、横1600ドット×縦480ドット)等の横長の矩形形状を有している。また、本明細書では、横方向とは、車両を基準とした横方向をいい、縦方向とは、車両の天地方向をいう。
【0028】
この液晶部11の背面(すなわち、液晶部11から見て車室の反対方向)の縦方向上端部には、液晶部11のバックライト(光源の一例に相当する)として機能する16個のLED(発光ダイオード)a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4が、横方向に一列に、等間隔で並んで配置されている。これらLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4が同じ輝度で発光すると、液晶部11の全面が、縦方向および横方向に均等に照らされる。
【0029】
なお、これらLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の電気的特性は、ほぼ均一(すなわち、個体間の微差を除いては均一)である。すなわち、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4のそれぞれは、同一の電流に対してほぼ同一の輝度で発光する
図3に、このLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4を点灯するためのLED点灯回路2の構成を示す。このLED点灯回路2は、上述のLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に加え、LEDコントローラIC3、電圧生成部4a〜4d、およびマイコン5を有している。
【0030】
LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4は、4つのグループに分けられ、それぞれのグループにおいて、メンバーのLEDが電気的に直列に繋げられている。具体的には、LEDa1〜a4が、第1のグループ(以下、直列LEDグループという)を構成し、LEDb1〜b4が、第2の直列LEDグループを構成し、LEDc1〜c4が、第3の直列LEDグループを構成し、LEDd1〜d4が、第4の直列LEDグループを構成する。これら4つの直列LEDグループは、電圧供給源であるVinに対して電気的に並列に接続されている。
【0031】
なお、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の空間的配置は、図2に示したように、第1の直列LEDグループa1〜a4が配置される領域(以下、A領域という)が最も左側にあり、第2の直列LEDグループb1〜b4が配置される領域(以下、B領域という)が次いで左側にあり、第3の直列LEDグループc1〜c4が配置される領域(以下、C領域という)が次いで左側にあり、第4の直列LEDグループd1〜d4が配置される領域(以下、D領域という)最も右側にある。
【0032】
なお、より詳細には、A領域〜D領域は、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループa1〜a4のうち最も左側のLEDから最も右側のLEDまでの範囲をカバーする領域である。
【0033】
このように、A領域、B領域、C領域、D領域は、この順に、左から右にずれて配置されている。そして、各領域は、重なりあう部分を有していない。すなわち、左端から、まず第1の直列LEDグループa1〜a4が連続で並び、次に第2の直列LEDグループb1〜b4が連続で並び、次に第3の直列LEDグループc1〜c4が連続で並び、次に第4の直列LEDグループd1〜d4が連続で並ぶ。
【0034】
LEDコントローラIC3は、4つの定電流回路31a〜31d、4つのエラーアンプ32a〜32d、および4つのドライバー回路33a〜32dを有している。
【0035】
定電流回路31a〜31dは、それぞれ第1の直列LEDグループ〜第4の直列LEDグループの後段に直列で繋げられており、当該定電流回路に入る電流の大きさを一定の目標値にする。なお、定電流回路31a〜31dのそれぞれの目標値は、同じになるように構成されている。
【0036】
第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流は、すべて対応する後段の定電流回路31a〜31dに流れる。したがって、定電流回路31a〜31dにより、第1の直列LEDグループ〜第4の直列LEDグループを電流が流れている間は、その流れる電流の大きさが、第1の直列LEDグループ〜第4の直列LEDグループとも同じであり、かつ、一定である(すなわち時間的に変化しない)。
【0037】
エラーアンプ32a〜32dは、それぞれ定電流回路31a〜31dの電圧と所定の基準電圧との誤差を出力する。エラーアンプ32a〜32dの基準電圧はすべて同じとなっている。
【0038】
ドライバー回路33a〜33dは、それぞれエラーアンプ32a〜32dから出力された誤差に応じたデューティー比の駆動信号を、LEDコントローラIC3の外部に出力する。なお、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれにおいて、対応するエラーアンプ32からの出力と、外部に出力する駆動信号のデューティー比との対応関係(以下、デューティー設定という)は、マイコン5からの制御信号に基づいて変化するようになっている。
【0039】
電圧生成部4a〜4dは、Vinを電圧供給源とし、それぞれドライバー回路33a〜33dからの駆動信号がオンのときに、所定の電圧を、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループに印加する。
【0040】
このように、LEDコントローラIC3、電圧生成部4a〜4dによって、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に流れる電流の大きが同じとなり、当該LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4へ印加される電圧のデューティーが制御される。
【0041】
マイコン5は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、ROMに記録されたプログラムをCPUに実行させることで、種々の処理を実現する。また、マイコン5は、その処理において、図示しない車両内の画像表示制御装置から信号を受け、受けた信号に基づいてドライバー回路33a〜33dの制御態様を切り替える。
【0042】
車両内の画像表示制御装置としては、例えば車両用ナビゲーション装置がある。車両用ナビゲーション装置は、周知の通り、乗員が目的地を入力した場合、現在位置および目的地までの経路を共に含む地図画像を液晶ディスプレイ1に表示させ、また、自車両の後退時には、車両の後部に付けられた後方撮影カメラによる撮影画像を液晶ディスプレイ1に表示させ、また、乗員がDVDムービー、テレビ放送等を見るための操作を行った場合には、DVDムービー、テレビ放送等の映像を液晶ディスプレイ1に表示させる。そして車両用ナビゲーション装置は、液晶ディスプレイ1に現在どのような画像を表示させているかについての情報を示す信号を、マイコン5に出力する。
【0043】
以下、上記のような構成の液晶ディスプレイ1の作動について説明する。図4に、マイコン5が繰り返し実行するプログラム100のフローチャートを示す。
【0044】
マイコン5は、このプログラム100の実行において、まずステップ110で、ドライバー席モード(第2のモードの一例に相当する)の処理を行うか否かを判定し、当該処理を行う場合は続いてステップ120を実行し、当該処理を行わない場合は続いてステップ130で、助手席モード(第2のモードの一例に相当し、第3のモードの一例にも相当する)の処理を行うかを判定し、当該処理を行う場合は続いてステップ140を実行し、当該処理を行わない場合は続いてステップ150を実行する。
【0045】
したがって、マイコン5は、ドライバ席モードにおいてはステップ120を実行し、助手席モードにおいてはステップ140を実行し、ドライバ席モードでも助手席モードでもない場合は、均一モード(第1のモードの一例に相当する)の処理として、ステップ150を実行する。
【0046】
なお、ドライバー席モードの処理を行うか、助手席モードの処理を行うか、または均一モードの処理を行うかの判定は、画像表示制御装置が液晶ディスプレイ1に表示させる画像の内容に基づいて決定する。あるいは、ドライバーの選択操作に基づいて決定してもよい。画像表示制御装置が液晶ディスプレイ1に表示させる画像の内容は、当該画像表示制御装置から出力される表示画像の種別の信号に基づいて特定する。
【0047】
例えば、画像表示制御装置が車両用ナビゲーション装置である場合、車両用ナビゲーション装置が地図画像を液晶ディスプレイ1に表示させている場合、マイコン5は、ドライバー席モードでもなく助手席でもないと判定する。すなわち、均一モードであると判定する。このようにするのは、地図画像は、助手席乗員もドライバーも共に見る可能性が高い画像であるからである。
【0048】
また例えば、車両用ナビゲーション装置が後方カメラの撮影画像を液晶ディスプレイ1に表示させている場合、マイコン5は、ドライバー席モードであるとであると判定する。このようにするのは、後方カメラの撮影画像は、駐車時等に障害物にぶつからないような運転をするために必要な画像であるので、助手席乗員よりもドライバーが見る必要性が遥かに高いからである。
【0049】
また例えば、車両の走行中に車両用ナビゲーション装置がDVDムービー、テレビ放送等のエンターテイメント映像を液晶ディスプレイ1に表示させている場合、マイコン5は、助手席モードであるとであると判定する。このようにするのは、DVDムービー、テレビ放送等のエンターテイメント映像は、車両の走行中にドライバーが見るべきでものではないので、ドライバーよりも助手席乗員のための表示である可能性が非常に高いからである。なお、マイコン5は、車両が走行中であるか否かについては、図示しない車速センサからの信号に基づいて特定してもよい。
【0050】
以下、均一モード、ドライバー席モード、助手席モードのそれぞれについて説明する。均一モードにおいては、マイコン5は、ステップ150で、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれのデューティー設定を同じにするよう、ドライバー回路33a〜33dを制御する。
【0051】
これによって、ドライバー回路33a〜33dにおいては、対応するエラーアンプ32からの出力が同じならば、外部に出力する駆動信号のデューティー比も、同じとなる。したがって、均一モードにおいては、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれが出力する駆動信号のデューティー比は、図5のように、同じとなる。それゆえ、電圧生成部4a〜4dのそれぞれが対応する直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比も、互いに同じとなる。
【0052】
上述の通り、各直列LEDグループに電流が流れている場合の、各直列LEDグループの電流値の大きさは互いに同じである。したがって、直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比が上述のように同じであれば、各直列LEDグループに流れる電流の平均値は、互いに同じとなる。
【0053】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は同じとなり、液晶部11は、横方向に同じ明るさでLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4によって照らされるので、車内のどの座席から見てもある程度の見やすさとなる。
【0054】
また、ドライバー席モードにおいては、マイコン5は、ステップ120で、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれのデューティー設定を変化させる。具体的には、ドライバー回路33a〜33dにおいて、対応するエラーアンプ32からの出力が同じ場合には、外部に出力する駆動信号のデューティー比が、助手席側(第1の側の一例に相当する)の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなるようにする。
【0055】
したがって、ドライバー席モードにおいては、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれが出力する駆動信号のデューティー比は、図6のように、助手席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。それゆえ、電圧生成部4a〜4dのそれぞれが対応する直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比も、助手席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。
【0056】
上述の通り、各直列LEDグループに電流が流れている場合の、各直列LEDグループの電流値の大きさは互いに同じである。したがって、直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比が上述のようになっていれば、各直列LEDグループに流れる電流の平均値は、助手席側に近いほど高くなる。
【0057】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は、助手席側に近いほど高くなり、液晶部11がLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に照らされる明るさは、助手席側からドライバー席側に向って低下する。図8に、右ハンドル車のドライバー席モードにおけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度の変化をグラフで示す。したがって、ドライバーにとっては、液晶ディスプレイ1を見た場合における液晶ディスプレイ1の両端の明るさの差が緩和され。その結果、ドライバー乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0058】
また、助手席モードにおいては、マイコン5は、ステップ140で、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれのデューティー設定を変化させる。具体的には、ドライバー回路33a〜33dにおいて、対応するエラーアンプ32からの出力が同じ場合には、外部に出力する駆動信号のデューティー比が、ドライバー席側(第1の側の一例に相当する)の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなるようにする。
【0059】
したがって、助手席モードにおいては、ドライバー回路33a〜33dのそれぞれが出力する駆動信号のデューティー比は、図6のように、ドライバー席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。それゆえ、電圧生成部4a〜4dのそれぞれが対応する直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比も、ドライバー席側の直列LEDグループに対応するドライバー回路ほど高くなる。
【0060】
上述の通り、各直列LEDグループに電流が流れている場合の、各直列LEDグループの電流値の大きさは互いに同じである。したがって、直列LEDグループに印加する電圧のデューティー比が上述のようになっていれば、各直列LEDグループに流れる電流の平均値は、ドライバー席側に近いほど高くなる。
【0061】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は、ドライバー席側に近いほど高くなり、液晶部11がLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に照らされる明るさは、ドライバー席側から助手席側に向って低下する。したがって、助手席乗員にとっては、液晶ディスプレイ1を見た場合における液晶ディスプレイ1の両端の明るさの差が緩和され。その結果、助手席乗員の乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0062】
なお、図6、図7の信号図においては、ドライバー回路33a〜33d間のデューティー比の違いを誇張して記載している。現実のデューティー比がこの図と同じようになるとは限らない。
【0063】
以上説明した通り、マイコン5は、液晶部11が車両の横方向に均一な明るさで照らされるようにLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度を制御する均一モードと、液晶部11が照らされる明るさが車両の助手席側からドライバー席側に向かって低下するよう当該LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度を制御するドライバー席モードと、液晶部11が照らされる明るさが車両のドライバー席から助手席側に向かって低下するようLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度を制御するドライバー席モードと、を切り替えて作動する。
【0064】
そして、ドライバー席モード(または助手席モード時)においては、助手席側(またはドライバー席側)の直列LEDグループに流れる電流の平均値が高くなるよう制御するという単純な制御で、ドライバー(または助手席乗員)による、液晶ディスプレイの視認性が向上する。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9に、本実施形態に係るLED点灯回路2の回路構成を示す。LED点灯回路2が構成上第1実施形態と異なるのは、LED点灯回路2が、マイコン6、トランジスタ7a〜7d、抵抗Ra〜Rdを有している点である。
【0066】
トランジスタ7a〜7dは、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループから対応する定電流回路31a〜31dへのラインから分岐したラインにコレクタ端子が接続されており、また、エミッタ端子には、それぞれ抵抗器Ra〜Rdが接続されており、また、ベース端子には、マイコン6が接続されている。また、抵抗器Ra〜Rdのトランジスタ側でない端子は、接地されている。したがって、トランジスタおよび対応する抵抗器の組を1つの抵抗回路部と見ると、これら抵抗回路部は、それぞれ第1〜第4の直列LEDグループの後段側にあり、かつ、それぞれが定電流回路31a〜31dと電気的に並列関係にあることになる。
【0067】
なお、抵抗器Ra〜Rdの抵抗値をそれぞれra〜rdとすると、これら抵抗値の間には、右ハンドル車の場合にはra<rb<rc<rdという関係があり、左ハンドル車の場合にはra>rb>rc>rdという関係がある。
【0068】
マイコン6は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、ROMに記録されたプログラムをCPUに実行させることで、種々の処理を実現する。また、マイコン6は、その処理において、図示しない車両内の画像表示制御装置から信号を受け、受けた信号に基づいてトランジスタ7a〜7dのベース端子への電圧印加の有無を切り替える。
【0069】
本実施形態が作動上第1実施形態と異なる部分は、マイコン5が、常に第1実施形態の均一モード時と同じ作動を行い、その代わりに、マイコン6が、図10に示すプログラム200を繰り返し実行することである。
【0070】
マイコン6は、このプログラム200の実行において、まずステップ210で、ドライバー席モード(第2のモードの一例に相当する)の処理を行うか否かを判定し、当該処理を行う場合は続いてステップ220を実行し、当該処理を行わない場合は続いてステップ230を実行する。
【0071】
したがって、マイコン5は、ドライバ席モードにおいてはステップ220を実行し、ドライバ席モードでも助手席モードでもない場合は、均一モード(第1のモードの一例に相当する)の処理として、ステップ230を実行する。
【0072】
なお、ドライバー席モードの処理を行うか、または均一モードの処理を行うかの判定は、第1実施形態のマイコン6と同様に、画像表示制御装置が液晶ディスプレイ1に表示させる画像の内容またはドライバーの選択操作に基づいて決定する。
【0073】
以下、均一モードおよびドライバー席モードそれぞれについて説明する。均一モードにおいては、マイコン6は、ステップ230で、トランジスタ7a〜7dのそれぞれへの電圧の印加をオフにする。
【0074】
これによって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流は、すべて対応する定電流回路31a〜31dに流れることになる。すなわち、抵抗回路部の抵抗値が実質的に無限大になる。したがって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流値の大きさは、定電流回路31a〜31dの目標値と同じになる。すなわち、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流値の大きさは、互いに同じになる。また、マイコン5は常に均一モードの作動を行うので、電圧生成部4a〜4dから出力される電圧デューティー比は、互いに同じである。したがって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流の平均値は、互いに同じである。
【0075】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は同じとなり、液晶部11は、横方向に同じ明るさでLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4によって照らされるので、車内のどの座席から見てもある程度の見やすさとなる。
【0076】
また、ドライバー席モードにおいては、マイコン6は、ステップ220で、トランジスタ7a〜7dのそれぞれへの電圧の印加をオンにする。
【0077】
これによって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流は、対応する定電流回路31a〜31dに流れると共に、対応する抵抗器Ra〜Rdにも流れる。そして、抵抗器Ra〜Rdの抵抗値は、助手席側に近いほど小さいので、抵抗器Ra〜Rdを流れる電流値の大きさは、助手席側に近いほど大きくなる。また、マイコン5は常に均一モードの作動を行うので、電圧生成部4a〜4dから出力される電圧デューティー比は、互いに同じである。したがって、第1〜第4の直列LEDグループを流れる電流の平均値は、助手席側に近いほど大きくなる。
【0078】
その結果、横方向に等間隔に並んだLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度は、助手席側に近いほど高くなり、液晶部11がLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4に照らされる明るさは、助手席側からドライバー席側に向って低下する。したがって、ドライバーにとっては、液晶ディスプレイ1を見た場合における液晶ディスプレイ1の両端の明るさの差が緩和され。その結果、ドライバー乗員にとって特に見やすい表示が実現する。
【0079】
以上説明した通り、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の後段に繋がれた抵抗回路部(すなわち抵抗器Rおよびトランジスタ7)の抵抗値をマイコン6が変化させることでも、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の横方向の輝度変化を容易に制御することができる。
【0080】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態が第1および第2実施形態と異なるのは、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の横方向の配置である。図11に、本実施形態に係るLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の配置を示す。
【0081】
本実施形態のLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の配置が第1および第2実施形態と異なるのは、第1の直列LEDグループa1〜a4のうち最も右側のLEDa4が、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち最も左側のLEDb1よりも右側に位置しており、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち最も右側のLEDb4が、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち最も左側のLEDc1よりも右側に位置しており、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち最も右側のLEDc4が、第4の直列LEDグループd1〜d4のうち最も左側のLEDd1よりも右側に位置していることである。すなわち、第1および第2実施形態と比べて、互いに隣り合う直列LEDグループの境界のLED同士の位置が入れ替わっている。
【0082】
したがって、A領域とB領域とは、互いに重なりあうAB領域(重合部分の一例に相当する)を有しており、B領域とC領域とは、互いに重なりあうBC領域(重合部分の一例に相当する)を有しており、C領域とD領域とは、互いに重なりあうCD領域(重合部分の一例に相当する)を有している。
【0083】
そして、第1の直列LEDグループa1〜a4のうち、1個のLEDa4がAB領域に含まれ、他の3個のLEDa1〜a3は、AB領域以外の部分に含まれている。また、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち、1個のLEDb1がAB領域に含まれ、他の3個のLEDb2〜a4は、AB領域以外の部分に含まれている。そして、AB領域において、LEDb1は、LEDa4よりも左側(第1の側の一例に相当する)にある。
【0084】
同様に、第2の直列LEDグループb1〜b4のうち、1個のLEDb4がBC領域に含まれ、他の3個のLEDb1〜b3は、BC領域以外の部分に含まれている。また、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち、1個のLEDc1がBC領域に含まれ、他の3個のLEDc2〜c4は、BC領域以外の部分に含まれている。そして、BC領域において、LEDc1は、LEDb4よりも左側(第1の側の一例に相当する)にある。
【0085】
同様に、第3の直列LEDグループc1〜c4のうち、1個のLEDc4がCD領域に含まれ、他の3個のLEDc1〜c3は、CD領域以外の部分に含まれている。また、第4の直列LEDグループd1〜d4のうち、1個のLEDd1がCD領域に含まれ、他の3個のLEDd2〜d4は、CD領域以外の部分に含まれている。そして、CD領域において、LEDd1は、LEDc4よりも左側(第1の側の一例に相当する)にある。
【0086】
図12に、右ハンドル車におけるドライバー席モードおよび左ハンドル車における助手席モードの場合の、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度分布を例示する。また、図13に、この場合における液晶部11照らされる明るさの分布を例示する。
【0087】
このように、隣り合う各直列LEDグループの配置が一部入り組んでいる。しかし、それぞれの重合部分に着目すると、直列LEDグループは、その重合部分に入っているメンバーよりも、入っていないメンバーの方が多い。したがって、ドライバー席モードにおいては、液晶部11が照らされる明るさは全体としては助手席側に近いほど高くなっており、助手席モードにおいては、液晶部11が照らされる明るさは全体としてはドライバー席側に近いほど高くなっている。
【0088】
しかし、上述のような入り組んだ部分があることによって、照らされる明るさの変化が急激にならず、明るさ変化の境目が目立たなくなり、緩やかな明るさ変化が実現する。
【0089】
一方、第1実施形態の図7に示すような輝度分布の場合、各直列LEDグループの境界部分での明るさ変化が目立ち、その結果、図14に例示するように、明るさの変化の境界が目立ってしまう場合がある。図7のような配置は、同じ直列LEDグループを他の直列LEDグループと入り組ませることなく配置することができ、配線が簡易になるという利点を有しており、図12のような配置は、上述の通り明るさ変化の境目が目立たなくなるという利点を持つ。
【0090】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0091】
例えば、マイコン5、6は、照度センサ等を用いて周囲が暗いことを検出した場合に、ドライバー席モードまたは助手席モードを実行するようになっていてもよい。また、現在が夜間の時間帯(例えば、18:00〜06:00までの時間帯)であることに基づいて、ドライバー席モードまたは助手席モードを実行するようになっていてもよい。
【0092】
また例えば、本発明は、横長でない液晶部を有する液晶ディスプレイ(例えばEGA(横400ドット×縦240ドット)、WVGA(横800ドット×縦480ドット))に対して適用しても、ある程度の効果を発揮することができる。
【0093】
また例えば、1つの直列LEDグループが有するLEDの数は4つ以外(例えば、2つ、5つ)であってもよい。また、各直列LEDグループが有するLEDの数は同じでなくともよい。また、直列LEDグループの数は、4つ以外(例えば、2つ、5つ)であってもよい。
【0094】
また例えば、LEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の電気的特性は、個体差の範疇を超えてばらついていてもよい。その場合であっても、均一モードにおいて、液晶部11がほぼ均一の輝度で照らされるように、それらのLEDへの電流量、およびそれらLEDの配置が定められており、ドライバー席モードにおいて、助手席側に近いLEDの輝度上昇量が、ドライバー席側に近いLEDの輝度上昇量よりも大きくなり、助手席モードにおいて、ドライバー席側に近いLEDの輝度上昇量が、助手席側に近いLEDの輝度上昇量よりも大きくなっていればよい。ここで、LEDの輝度上昇量とは、均一モード時における当該LEDの輝度に対する変化量をいい、輝度が上昇すれば正の値となり、下降すれば負の値となる。また、液晶部11の光源として使用されるのは、必ずしもLEDでなくともよい。
【0095】
また例えば、上記の実施形態において、マイコン5、6がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶ディスプレイ1の車両内における配置を示す図である。
【図2】液晶ディスプレイ1における液晶部11とLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4との位置関係を示す図である。
【図3】LED点灯回路2の回路構成を示す図である。
【図4】マイコン5が繰り返し実行するプログラム100のフローチャートである。
【図5】均一モードにおけるドライバー回路33a〜33dの駆動信号を示すタイミング図である。
【図6】ドライバー席モードにおけるドライバー回路33a〜33dの駆動信号を示すタイミング図である。
【図7】右ハンドル車のドライバー席モードにおけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度の変化を示すグラフである。
【図8】助手席モードにおけるドライバー回路33a〜33dの駆動信号を示すタイミング図である。
【図9】第2実施形態におけるLED点灯回路2の回路構成を示す図である。
【図10】マイコン6が繰り返し実行するプログラム100のフローチャートである。
【図11】第3実施形態におけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の配置を示す図である。
【図12】ドライバー席モードまたは助手席モードにおけるLEDa1〜a4、b1〜b4、c1〜c4、d1〜d4の輝度の変化を示すグラフである。
【図13】図12の場合における液晶部11の明るさ分布を例示する図である。
【図14】図7の場合における液晶部11の明るさ分布を例示する図である。
【符号の説明】
【0097】
a〜d LED
1 液晶ディスプレイ
2 LED点灯回路
3 LEDコントローラIC
4a〜4d 電圧生成部
5、6 マイコン5
7a〜7d トランジスタ
11 液晶部
31a〜31d 定電流回路
32a〜32d エラーアンプ
33a〜33d ドライバー回路
Ra〜Rd 抵抗器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数のLED(a〜d)と、
前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、
前記制御回路(5、6)は、前記液晶部(11)が前記車両の横方向に均一な明るさで照らされるように前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、前記液晶部(11)が照らされる明るさが前記車両の横方向の第1の側から反対側に向かって低下するよう当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項2】
前記複数のLED(a〜d)は、前記横方向に等間隔に並べられ、それぞれが同一の電流に対して同一の輝度で発光し、
前記制御回路(5)は、前記第1のモードにおいて、前記複数のLED(a〜d)のそれぞれに流れる電流の平均値が一定になるよう制御し、前記第2のモードにおいて、前記複数のLED(a〜d)において、前記横方向の第1の側に近く配置されたLEDほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項3】
前記複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、前記複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、
前記複数組の直列LEDグループは、互いに前記横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、
前記制御回路(5)は、前記第1のモードにおいて、前記複数組の直列LEDグループのそれぞれに流れる電流の平均値が一定になるよう制御し、前記第2のモードにおいて、前記複数の領域のうち、前記横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項4】
前記複数の領域のうち、第1の領域と、前記第1の領域に次いで第1の側に近い第2の領域とは、互いに重なり合う重合部分を有し、
前記複数組の直列LEDグループのうち、前記第1の領域に配置される第1の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、前記重合部分に含まれ、前記一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、前記重合部分以外の部分に含まれ、
前記複数組の直列LEDグループのうち、前記第2の領域に配置される第2の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、前記重合部分に含まれ、前記一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、前記重合部分以外の部分に含まれ、
前記重合部分において、前記第2のLED群に属する前記一部のLEDは、前記第1のLED群に属する前記一部のLEDよりも、前記第1の側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項5】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるため、前記車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、
前記複数のLEDに流れる電流の大きさを同じにし、前記複数のLED(a〜d)へ印加する電圧のデューティーを制御するデューティー回路(3、4)と、
前記デューティー回路(3、4)によるデューティー制御の態様を制御することで、前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5)と、を備え、
前記複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、前記複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、前記複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、
前記複数組の直列LEDグループは、互いに前記横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、
前記制御回路(5)は:
均一モードにおいて、前記複数組の直列LEDグループのそれぞれに印加する電圧のデューティーが一定になるよう、前記デューティー回路(3、4)を制御し、
ドライバ席モードにおいて、前記複数の領域のうち、助手席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、前記デューティー回路(3、4)を制御し、
助手席モードにおいて、前記複数の領域のうち、ドライバ席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、前記デューティー回路(3、4)を制御することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項6】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるため、前記車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、
前記複数のLED(a〜d)の後段側にあり、流れる電流の大きさを一定に保つ複数の定電流回路(31)と、
前記複数のLED(a〜d)の後段側にあり、かつ、それぞれが前記複数の定電流回路の1つと電気的に並列関係にある複数の抵抗回路部(R、7)と、
前記抵抗回路部(R、7)の抵抗値を制御することで、前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(6)と、を備え、
前記複数のLED(a〜d)は、互いに電気的に直列に繋がれた直列LEDグループを複数組有し、それら複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、
前記複数の定電流回路(31)は、前記複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、
前記複数の抵抗回路部(R、7)は、前記複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、
前記複数組の直列LEDグループは、互いに前記車両の横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、
前記制御回路(5)は、第1のモードにおいては、前記複数の抵抗回路部(R、7)の抵抗値が無限大になるように制御し、第2のモードにおいては、前記複数の領域のうち、前記横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループの後段の抵抗回路部(R、7)ほど、抵抗値が小さくなるよう制御することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項7】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数の発光体(a〜d)と、
前記複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、
前記制御回路(5、6)は、前記液晶部(11)が前記車両の横方向に均一な明るさで照らされるように前記複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、前記液晶部(11)が照らされる明るさが前記車両の横方向に変化するよう制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項8】
前記制御回路(5、6)は、前記液晶部の表示内容に応じて、前記第1のモード、前記第2のモード、および第3のモードを切り替えて作動し、
前記制御回路(5、6)は、前記第2のモードにおいて、前記液晶部(11)が前記車両の助手席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御し、前記第3のモードにおいて、前記液晶部(11)が前記車両のドライバー席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御することを特徴とする請求項1ないし4、および7のいずれか1つに記載の液晶ディスプレイ。
【請求項1】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数のLED(a〜d)と、
前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、
前記制御回路(5、6)は、前記液晶部(11)が前記車両の横方向に均一な明るさで照らされるように前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、前記液晶部(11)が照らされる明るさが前記車両の横方向の第1の側から反対側に向かって低下するよう当該複数のLED(a〜d)の輝度を制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項2】
前記複数のLED(a〜d)は、前記横方向に等間隔に並べられ、それぞれが同一の電流に対して同一の輝度で発光し、
前記制御回路(5)は、前記第1のモードにおいて、前記複数のLED(a〜d)のそれぞれに流れる電流の平均値が一定になるよう制御し、前記第2のモードにおいて、前記複数のLED(a〜d)において、前記横方向の第1の側に近く配置されたLEDほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項3】
前記複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、前記複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、
前記複数組の直列LEDグループは、互いに前記横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、
前記制御回路(5)は、前記第1のモードにおいて、前記複数組の直列LEDグループのそれぞれに流れる電流の平均値が一定になるよう制御し、前記第2のモードにおいて、前記複数の領域のうち、前記横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループほど流れる電流の平均値が高くなるよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項4】
前記複数の領域のうち、第1の領域と、前記第1の領域に次いで第1の側に近い第2の領域とは、互いに重なり合う重合部分を有し、
前記複数組の直列LEDグループのうち、前記第1の領域に配置される第1の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、前記重合部分に含まれ、前記一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、前記重合部分以外の部分に含まれ、
前記複数組の直列LEDグループのうち、前記第2の領域に配置される第2の直列LEDグループにおいて、一部のLEDは、前記重合部分に含まれ、前記一部のLEDよりも数が多い他のLEDは、前記重合部分以外の部分に含まれ、
前記重合部分において、前記第2のLED群に属する前記一部のLEDは、前記第1のLED群に属する前記一部のLEDよりも、前記第1の側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項5】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるため、前記車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、
前記複数のLEDに流れる電流の大きさを同じにし、前記複数のLED(a〜d)へ印加する電圧のデューティーを制御するデューティー回路(3、4)と、
前記デューティー回路(3、4)によるデューティー制御の態様を制御することで、前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5)と、を備え、
前記複数のLED(a〜d)は、複数の直列LEDグループに分けられ、前記複数の直列LEDグループのそれぞれにおいては、メンバーのLED同士が電気的に直列に繋がれ、前記複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、
前記複数組の直列LEDグループは、互いに前記横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、
前記制御回路(5)は:
均一モードにおいて、前記複数組の直列LEDグループのそれぞれに印加する電圧のデューティーが一定になるよう、前記デューティー回路(3、4)を制御し、
ドライバ席モードにおいて、前記複数の領域のうち、助手席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、前記デューティー回路(3、4)を制御し、
助手席モードにおいて、前記複数の領域のうち、ドライバ席側に近い領域に配置された直列LEDグループほど、印加する電圧のデューティーが高くなるよう、前記デューティー回路(3、4)を制御することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項6】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるため、前記車両の横方向に等間隔に並べられ、それぞれ同一の電流に対して同一の輝度で発光するLED(a〜d)と、
前記複数のLED(a〜d)の後段側にあり、流れる電流の大きさを一定に保つ複数の定電流回路(31)と、
前記複数のLED(a〜d)の後段側にあり、かつ、それぞれが前記複数の定電流回路の1つと電気的に並列関係にある複数の抵抗回路部(R、7)と、
前記抵抗回路部(R、7)の抵抗値を制御することで、前記複数のLED(a〜d)の輝度を制御する制御回路(6)と、を備え、
前記複数のLED(a〜d)は、互いに電気的に直列に繋がれた直列LEDグループを複数組有し、それら複数組の直列LEDグループは互いに電気的に並列関係となっており、
前記複数の定電流回路(31)は、前記複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、
前記複数の抵抗回路部(R、7)は、前記複数の直列LEDグループに対して1対1で電気的に直列に繋がれ、
前記複数組の直列LEDグループは、互いに前記車両の横方向にずれている複数の領域のそれぞれに分けて配置され、
前記制御回路(5)は、第1のモードにおいては、前記複数の抵抗回路部(R、7)の抵抗値が無限大になるように制御し、第2のモードにおいては、前記複数の領域のうち、前記横方向の第1の側に近い領域に配置された直列LEDグループの後段の抵抗回路部(R、7)ほど、抵抗値が小さくなるよう制御することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項7】
車両に搭載される液晶ディスプレイであって、
液晶部(11)と、
前記液晶部(11)の光源用として用いるために複数の位置に配置された複数の発光体(a〜d)と、
前記複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する制御回路(5、6)と、を備え、
前記制御回路(5、6)は、前記液晶部(11)が前記車両の横方向に均一な明るさで照らされるように前記複数の発光体(a〜d)の輝度を制御する第1のモードと、前記液晶部(11)が照らされる明るさが前記車両の横方向に変化するよう制御する第2のモードと、を切り替えて作動することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項8】
前記制御回路(5、6)は、前記液晶部の表示内容に応じて、前記第1のモード、前記第2のモード、および第3のモードを切り替えて作動し、
前記制御回路(5、6)は、前記第2のモードにおいて、前記液晶部(11)が前記車両の助手席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御し、前記第3のモードにおいて、前記液晶部(11)が前記車両のドライバー席に近い位置ほど明るく照らされるよう制御することを特徴とする請求項1ないし4、および7のいずれか1つに記載の液晶ディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−258331(P2009−258331A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106460(P2008−106460)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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