説明

車輪位置検出装置およびそれを備えたタイヤ空気圧検出装置

【課題】 車輪が車両のどの位置に搭載されているかを検出できる車輪位置検出装置およびそれを備えたタイヤ空気圧検出装置を提供する。
【解決手段】 各車輪に備えられた送信機2から加速度センサ22aの検出信号が示す重力加速度成分に関するデータを車輪前後位置データとし、それを送信フレームに格納して受信機3に送る。受信機3は、重力加速度成分の変化の一周期を車輪の1回転として、一定期間中における各車輪の回転回数を求め、回転回数の多さに基づいて、送信機2から送られた送信フレームが前輪と後輪のいずれのものであるかを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪が車両のどの位置に取り付けられているかを検出する車輪位置検出装置に関するもので、特に、タイヤが取り付けられた車輪に圧力センサが備えられた送信機を直接取り付け、その圧力センサからの検出信号を送信機から送信し、車体側に取り付けられた受信機によって受信することで、タイヤ空気圧の検出を行うダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置に適用して好適である。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤ空気圧検出装置の1つとして、ダイレクト式のものがある。このタイプのタイヤ空気圧検出装置では、タイヤが取り付けられた車輪側に、圧力センサ等のセンサが備えられた送信機が直接取り付けられている。また、車体側には、アンテナおよび受信機が備えられており、センサからの検出信号が送信機から送信されると、アンテナを介して受信機にその検出信号が受信され、タイヤ空気圧の検出が行われるようになっている。
【0003】
このようなダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置では、送信されてきたデータが自車両のものであるかどうか、および送信機がどの車輪に取り付けられたものかを判別できるように、送信機が送信するデータ中に、自車両か他車両かを判別ためおよび送信機が取り付けられた車輪を判別するためのID情報を付加している。
【0004】
そして、受信機側にそのID情報を予め登録しておき、送信機から送られたデータを受信したときに、受け取ったID情報からそのデータがどの車輪のものかを判別するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3212311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のタイヤ空気圧検出装置では、送信機から送信されるデータ中に各車輪それぞれに決められたID情報を含ませることにより、送信機が取り付けられた車輪の判別が行えるようになっている。このため、各車輪ごとに付加されたID情報が無いと、どの車輪に対応する送信機からのデータか判別することができない。すなわち、ID情報を用いないと、各送信機が車両のどの位置についているものなのかを検出することができない。
【0006】
このため、ID情報(車輪位置情報)が無くても各送信機が取り付けられた車輪、つまり取り付け位置を検出できるようにすることが望まれる。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、車輪が車両のどの位置に搭載されているかを検出できる車輪位置検出装置およびそれを備えたタイヤ空気圧検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送信機(2)に、複数個の車輪(5a〜5d)それぞれの回転回数に応じた検出信号を出力する車輪回転回数検出手段(22a)を含む車輪位置検出部(22)を備え、この車輪回転回数検出手段(22a)の検出信号が示す回転回数に関するデータを車輪前後位置データとして受信機(3)に送信する。そして、受信機(3)の第2制御部(32b)で、車輪前後位置データから得られる複数の車輪(5a〜5d)の一定期間中における回転回数に基づいて、送信機(2)が複数個の車輪(5a〜5d)のうち前輪(5a、5b)と後輪(5c、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別することを特徴とする。
【0009】
このように、各送信機(2)から回転回数検出手段(22a)の検出信号が示す車輪前後位置データを受信機(3)に送るだけで、受信機(3)側は送信機(2)から送られた送信フレームが前輪(5a、5b)と後輪(5c、5d)のいずれのものであるかを判別することが可能となる。
【0010】
具体的には、請求項2に示されるように、第2制御部(32b)は、複数の車輪(5a〜5d)のうち回転回数が多いものと少ないものとを判別し、複数の車輪(5a〜5d)のうち回転回数が多いものに取り付けられた送信機(2)が前輪(5a、5b)に取り付けられたものと判別し、複数の車輪(5a〜5d)のうち回転回数が少ないものに取り付けられた送信機(2)が後輪(5c、5d)に取り付けられたものと判別する。
【0011】
例えば、車輪回転回数検出手段としては、請求項3に示されるように、複数の車輪(5a〜5d)それぞれの回転方向の加速度を検出する第1加速度センサ(22a)を用いることができる。この場合、この第1加速度センサ(22a)の検出信号に含まれる重力加速度成分が車輪前後位置データとされる。また、加速度センサの代わりに角速度センサを用い、角速度を積算して車輪前後位置データとすることも可能である。
【0012】
請求項4に記載の発明では、第1加速度センサ(22a)を、複数個の車輪(5a〜5d)それぞれに対して、各車輪(5a〜5d)のホイールを表向きに揃えたときに検出信号として示される出力の正負がすべて同じとなるように取り付ける。また、受信機(3)における第2制御部(32b)には、車両進行方向検出手段(7)から車両(1)の進行方向に応じた信号が入力されるようにする。そして、第2制御部(32b)にて、第1加速度センサ(22a)の検出信号に含まれる複数の車輪(5a〜5d)の回転方向の加速度成分の正負と車両進行方向検出手段(7)からの信号によって示された車両(1)の進行方向に基づいて、送信機(2)が複数個の車輪(5a〜5d)のうち右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別することを特徴としている。
【0013】
このように、第1加速度センサ(22a)の取り付け方を複数個の車輪(5a〜5d)すべてで同様にすれば、右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)とで第1加速度センサ(22a)の出力の正負が逆になる。このため、第2制御部(32b)にて、車両進行方向検出手段(7)からの進行方向に応じた信号に基づいて車両(1)の進行方向が分かれば、第1加速度センサ(22a)の出力の正負に基づいて、送信機(2)が複数個の車輪(5a〜5d)のうち右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別することが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、送信機(2)のそれぞれに、さらに、第1加速度センサ(22a)とは異なる方向を加速度の検出方向として取り付けられた第2加速度センサ(22b)を備える。そして、第1制御部(23a)もしくは第2制御部(32b)にて、第1、第2加速度センサ(22a、22b)の検出信号の位相のずれに基づき、該送信機(2)が複数の車輪(5a〜5d)のうち右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別することを特徴としている。
【0015】
このように、第1加速度センサ(22a)とは異なる方向を加速度の検出方向となる第2加速度センサ(22b)を備えるようにすれば、第1、第2加速度センサ(22a、22b)の検出信号の位相のずれが発生する。このため、各検出信号の位相のずれに基づいて、車両(1)の進行方向を検出することが可能となり、車両(1)の進行方向が分かることで、さらに、第1加速度センサ(22a)の出力の正負に基づいて、送信機(2)が複数の車輪(5a〜5d)のうち右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別することが可能となる。
【0016】
これら請求項1ないし5では、車輪位置検出装置として本発明を示したが、請求項6に示されるように、この車輪位置検出装置をタイヤ空気圧検出装置に組み込むことも可能である。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における車輪位置検出装置が適用されるタイヤ空気圧検出装置の全体構成を示すブロック図である。図1の紙面上方向が車両1の前方、紙面下方向が車両1の後方に一致する。この図を参照して、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置について説明する。
【0020】
図1に示されるように、タイヤ空気圧検出装置は、車両1に取り付けられるもので、送信機2、受信機3および表示器4を備えて構成されている。
【0021】
図1に示されるように、送信機2は、車両1における各車輪5a〜5dに取り付けられるもので、車輪5a〜5dに取り付けられたタイヤの空気圧を検出すると共に、その検出結果を示す検出信号のデータを送信フレーム内に格納して送信するものである。また、受信機3は、車両1における車体6側に取り付けられるもので、送信機2から送信される送信フレームを受信すると共に、その中に格納された検出信号に基づいて各種処理や演算等を行うことでタイヤ空気圧を求めるものである。図2(a)、(b)に、これら送信機2と受信機3のブロック構成を示す。
【0022】
送信機2は、上記した位置検出装置としての役割を果たすものである。図2(a)に示されるように、送信機2は、センシング部21、車輪位置検出部22、マイクロコンピュータ23、アンテナ24および電池25を備えた構成となっており、電池25からの電力供給に基づいて各部が駆動されるようになっている。
【0023】
センシング部21は、例えばダイアフラム式の圧力センサや温度センサを備えた構成とされ、タイヤ空気圧に応じた検出信号や温度に応じた検出信号を出力するようになっている。
【0024】
車輪位置検出部22は、車輪位置の検出を行うための検出信号として、車輪5a〜5dの回転回数に応じた信号を発生させるもので、回転回数検出手段に相当するものである。この車輪位置検出部22には、加速度センサ22aが備えられており、この加速度センサ22aにより車輪位置に応じた検出信号として、加速度に応じた出力、つまり車輪5a〜5dが回転することによって変化する重力加速度に対して回転方向の加速度が加えられた合力に応じた出力が発生させられるようになっている。
【0025】
図3(a)は、車輪位置検出部22の車輪への搭載形態を示したものであり、図3(b)は、加速度センサ22aの出力の正負と加速度検出方向との関係を示したものである。また、図3(c)は、加速度センサ22aの出力が正になる向きを説明した模式図である。
【0026】
図3(a)に示されるように、送信機2に加速度センサ22aが内蔵されており、各車輪5a〜5dに対して送信機2が決められた形態で搭載されている。加速度センサ22aの出力が正になる向きと負になる向きは決まっており、図3(b)に示されるように、車輪5a〜5dの回転軸の接線方向(回転方向)と加速度センサ22aの加速度検出方向とが平行とされていることから、加速度センサ22aにより車輪5a〜5dの回転することによって変化する重力加速度に対して回転方向の加速度が加えられた合力が検出できるようになっている。
【0027】
そして、上述したように、各車輪5a〜5dに対して加速度センサ22aが決められた形態で搭載されていることから、各車輪5a〜5dに対する送信機2の向き(つまり加速度センサ22aの向き)がすべて同様となる。つまり、車輪におけるホイールの表面側が同じ方向に向くように各車輪5a〜5dを並べると、加速度が発生したときに、各車輪5a〜5dに取り付けられた加速度センサ22aが正負同じ符号の出力を発生させるようになっている。
【0028】
したがって、図3(c)に示されるように、各車輪5a〜5dを車体6に取り付けたときには、右車輪5a、5cに取り付けられた加速度センサ22aと左車輪5b、5dに取り付けられた加速度センサ22aとで、互いに正負異なる符号の出力を発生させることになる。なお、図3(c)中に示した矢印は、加速度センサ22aの出力が正負となる場合の加速度の向きを示したものであり、右車輪5a、5cと左車輪5b、5dとで異なる方向となっていることが判る。
【0029】
具体的には、各車輪5a〜5dが等速回転している場合における加速度センサ22aの出力波形は図4のようになり、車輪5a〜5dの一回転を一周期として、重力加速度に応じた出力が発生させられることになる。そして、車両1が加速しながら前進しているときには、車輪5a〜5dの回転によって変化する重力加速度に対して回転方向の加速度が加えられた合力に応じた出力が発生させられることになる。例えば、図5(a)に示されるように、右車輪5a、5cに関しては、右車輪5a、5cの回転によって変化する重力加速度に対して回転方向の加速度が正の出力として加算された値が加速度センサ22aから出力され、逆に、図5(b)に示されるように、左車輪5b、5dに関しては、左車輪5b、5dの回転によって変化する重力加速度に対して回転方向の加速度が負の出力として加算された値が加速度センサ22aから出力されることになる。
【0030】
また、車両1の旋回時には、前輪5a、5bと後輪5c、5dとの間で内輪差が発生することから、操舵輪となる前輪5a、5bの回転回数の方が後輪5c、5dの回転回数と比べて多くなる。このため、例えば、車両1が右旋回する場合の操舵角と各車輪5a〜5dの回転回数との関係は図6のようになる。この図からも分かるように、右前輪5aの方が右後輪5cよりも回転回数が多く、左前輪5bの方が左前輪5dよりも回転回数が多くなる。このような回転回数の差は、車両1の走行が続けられ、走行中に右左折が繰り返されるたびに大きくなり、例えば、走行時間に対する回転回数が図7のように示されることになる。
【0031】
そして、各車輪5a〜5dそれぞれに取り付けられた加速度センサ22aの出力によって車輪5a〜5dの回転による重力加速度の変化が表され、この変化の一周期が各車輪5a〜5dの1回転分に相当することから、一定期間中における加速度センサ22aの出力に基づき、その期間中における各車輪5a〜5dの回転回数を検出することができる。
【0032】
このように、加速度センサ22aの検出信号の正負の符号が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dとで異なることから、その検出信号が各車輪5a〜5dの左右位置を示すデータ(以下、車輪左右位置データという)として用いることができる。また、加速度センサ22aの検出信号から各車輪5a〜5dの回転回数を検出することができ、車両1の旋回時における各車輪5a〜5dの回転回数が前輪5a、5bと後輪5c、5dとで異なることから、その検出信号が各車輪5a〜5dの前後位置を示すデータ(以下、車輪前後位置データという)として用いることができる。また、加速度センサの代わりに角速度センサを用い、角速度を積算していくことにより回転回数を検出することが可能であり、その検出信号を車輪前後位置データとして用いることもできる。
【0033】
マイクロコンピュータ23は、制御部(第1制御部)23aや送信部23bなどを備えた周知のもので、制御部23a内のメモリ(図示せず)内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行するようになっている。
【0034】
また、制御部23aは、センシング部21からのタイヤ空気圧に関する検出信号を受け取り、それを信号処理すると共に必要に応じて加工し、検出結果を示すデータとして送信フレーム内に格納し、その後、送信フレームを送信部23bに送るものである。この送信部23bへ信号を送る処理は、上記プログラムに従って所定の周期毎に実行されるようになっている。
【0035】
また、制御部23aは、一定期間中における加速度センサ22aの検出信号をモニタし、それを信号処理すると共に必要に応じて加工し、加速度センサ22aの検出信号の正負の符号や出力レベル等の車輪左右位置データおよび車輪前後位置データをタイヤ空気圧に関するデータが格納された送信フレーム、もしくは、それとは別の送信フレームに格納し、その後、送信フレームを送信部23bに送るものである。この送信部23bへ信号を送る処理も、上記プログラムに従って行われるもので、タイヤ空気圧に関するデータが格納された送信フレームに加速度センサ22aの検出信号を格納する場合には、上記所定の周期毎に、その送信フレームとは別の送信フレームに格納される場合には、所定タイミングに実行されるようになっている。
【0036】
送信部23bは、アンテナ24を通じて、制御部23aから送られてきた送信フレームを受信機3に向けて送信する出力部としての機能を果たすものである。
【0037】
このように構成される送信機2は、例えば、各車輪5a〜5dのホイールにおけるエア注入バルブに取り付けられ、センシング部21がタイヤの内側に露出するように配置される。これにより、該当するタイヤ空気圧を検出し、各送信機2に備えられたアンテナ24を通じて、所定周期毎(例えば、1分毎)に送信フレームを送信するようになっている。
【0038】
また、図2(b)に示されるように、受信機3は、アンテナ31およびマイクロコンピュータ32を備えた構成となっている。
【0039】
アンテナ31は、各送信機2から送られてくる送信フレームを総括的に受け取る1本もしくは2本の共通アンテナとなっており、車体6に固定されている。
【0040】
マイクロコンピュータ32は、受信部32aや制御部(第2制御部)32bなどを備えた周知のものである。このマイクロコンピュータ32は、車両進行方向検出手段となるギア位置センサ7からの検出信号を受け取り、このギア位置センサ7からの検出信号と各送信機2から送られてくる送信フレームを用いて、制御部32b内のメモリ(図示せず)内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行するようになっている。
【0041】
受信部32aは、各アンテナ31によって受信された各送信機2からの送信フレームを入力し、その送信フレームを制御部32bに送る入力部としての機能を果たすものである。
【0042】
制御部32bは、受信部32aから送られてきた送信フレームを受け取り、送信フレームに格納された各送信機2側の加速度センサ22aの検出信号から得た車輪左右位置データおよび車輪前後位置データやギア位置センサ7からの検出信号に基づいて、送られてきた送信フレームが車輪5a〜5dのいずれのものかを特定する。
【0043】
具体的には、ギア位置センサ8の検出信号によって車両1が前進しているか後進しているかが検出され、車輪左右位置データ、つまり各車輪5a〜5dの加速度センサ22aの検出信号に含まれる車輪5a〜5dの回転方向の加速度成分が正負いずれの出力となっているかに基づいて、その送信フレームが右車輪5a、5cに取り付けられた送信機2からのものであるか、左車輪5b、5dに取り付けられた送信機2からのものであるかが特定される。
【0044】
すなわち、ギア位置センサ8からの検出信号により、例えば、ギア位置がD位置、2速位置、1速位置などの車両1を前進させる位置になっているか、または、車両1を後進させるR位置になっているかが示されていることから、このギア位置センサ8の検出信号が表す内容に基づいて車両1が前進しているか後進しているかを判別できる。このため、制御部32bにて、ギア位置センサ8の検出信号に基づき車両1が前進中である後進中であるかを判別し、そのときに加速度センサ22aの検出信号に含まれる車輪5a〜5dの回転方向の加速度成分が正になるのが右車輪5a、5bであるか左車輪5b、5dであるかを判別することにより、送信機2が右車輪5a、5bと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられたものであるかを検出することが可能となる。
【0045】
ただし、車両1が前進中もしくは後進中であっても減速中の場合には、加速度センサ22aの検出信号に含まれる車輪5a〜5dの回転方向の加速度成分が正となり得るのが加速度増加中と逆サイドの車輪に取り付けられた送信機2となってしまう。このため、例えば車両1が停止してから走り始めた瞬間を加速度増加中であるものと想定し、加速度センサ22aの検出信号が変化しなくなったことから車両1の停止を判別して、その後の一定期間中の速度センサ22aの検出信号に基づいて、送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているかを検出すると良い。
【0046】
また、車輪前後位置データ、つまり各車輪5a〜5dの加速度センサ22aの検出信号に含まれる重力加速度成分によって示される車輪5a〜5dの回転回数に基づいて、その送信フレームが前輪5a、5bに取り付けられた送信機2からのものであるか、後輪5c、5dに取り付けられた送信機2からのものであるかが特定される。
【0047】
具体的には、まず、各送信機2から送られた加速度センサ22aの検出信号に含まれる重力加速度成分によって示される車輪5a〜5dの回転回数が求められる。そして、上記のようにして各送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているかが既に求められていることから、右車輪5a、5cのうち回転回数が多い方が右前輪5a、少ない方が右後輪5cと特定され、左車輪5b、5dのうち回転回数が多い方が左前輪5b、少ない方が左後輪5dと特定される。
【0048】
このようにして、送られてきた送信フレームが車輪5a〜5dのいずれのものかが特定される。
【0049】
さらに、制御部32bでは、受け取った送信フレームに格納された検出結果を示すデータに基づいて各種信号処理および演算等を行うことによりタイヤ空気圧を求めると共に、求めたタイヤ空気圧に応じた電気信号を表示器4に出力するようになっている。例えば、制御部32bは、求めたタイヤ空気圧を所定のしきい値Thと比較し、タイヤ空気圧が低下したことを検知した場合には、その旨の信号を表示器4に出力するようになっている。すなわち、前輪5a、5bもしくは後輪5c、5dのいずれかのタイヤ空気圧が低下したことが表示器4に伝えられる。
【0050】
表示器4は、図1に示されるように、ドライバが視認可能な場所に配置され、例えば車両1におけるインストルメントパネル内に設置される警報ランプによって構成される。この表示器4は、例えば受信機3における制御部32bからタイヤ空気圧が低下した旨を示す信号が送られてくると、その旨の表示を行うことでドライバにタイヤ空気圧の低下を報知するようになっている。以上のようにしてタイヤ空気圧検出装置が構成されている。
【0051】
続いて、上記のように構成されるタイヤ空気圧検出装置の作動について説明する。上述したように、送信機2では、制御部23aに、センシング部21からのタイヤ空気圧やタイヤ内の温度を示す検出信号が入力されると共に、加速度センサ22aから加速度に応じた検出信号が入力される。そして、これらが必要に応じて信号処理されたのち、送信フレームに格納され、送信部23bを通じて受信機3側に送信される。
【0052】
一方、送信機2から送信フレームが送信されると、それが受信機3のアンテナ31にて受信され、受信部32aを通じて制御部32bに入力される。そして、制御部32bにおいて、送信フレームからタイヤ空気圧を示すデータおよびタイヤ内の温度を示すデータが抽出され、温度を示すデータに基づいて必要に応じて温度補正が成され、タイヤ空気圧が求められる。このとき、求められたタイヤ空気圧が所定のしきい値を下回っていると判定されれば、制御部32bから表示器4にその旨を示す信号が出力され、表示器4にて警報が行われるようになっている。
【0053】
さらに、受信機3は、制御部32bにて、各送信機2からの送信フレームを受け取ると、ギア位置センサ7の検出信号と送信フレームに格納された加速度センサ22aの検出信号に含まれる車輪5a〜5dの回転方向成分が正負のいずれであるかの判定結果に基づいて、送られてきた送信フレームが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれのものであるかを判別する。そして、制御部32bでは、加速度センサ22aの検出信号に含まれた重力加速度成分から車輪5a〜5dの回転回数が求められ、その回転回数に基づき、上述した手法により、送られてきた送信フレームが車輪5a〜5dのいずれのものかを特定する。
【0054】
なお、このように送られてきた送信フレームが車輪5a〜5dのいずれのものかが特定できるようになった場合、その後も車輪位置の特定に用いられる加速度センサ22aの検出信号をデータとした送信フレームの送信を続けても良いが、加速度センサ22aへの電源からの電力供給を停止すると共に、加速度センサ22aの検出信号をデータとした送信フレームの送信を止めるようにする方が好ましい。このようにすれば、送信機2内での電力消費を抑えることができ、電池寿命の向上を図ることができる。特に、ダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置のように、送信機2の駆動が電池25もしくは外部からの電力チャージなどで行われるものである場合、電力消費を抑えることは有効である。
【0055】
以上説明したように、本実施形態のタイヤ空気圧検出装置によれば、各送信機2から加速度センサ22aの検出信号が示す車輪前後位置データを受信機3に送るだけで、受信機3側は送信機2から送られた送信フレームが前輪5a、5bと後輪5c、5dのいずれのものであるかを判別することが可能となる。
【0056】
そして、ギア位置センサ7の検出信号が示す車両1の進行方向と、各送信機2に備えられた加速度センサ22aの検出信号が示す車輪左右位置データとに基づいて、送信機2から送られた送信フレームが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれのものであるかも判別できていることから、最終的に、送られた送信フレームが車輪5a〜5dのいずれのものであるかを特定することが可能となる。
【0057】
また、このような送信機2によれば、すべての送信機2を同様の構成にすることができると共に、各送信機2に対して右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているかを示すID情報設定のための工程などを行う必要がないため、タイヤ空気圧検出装置の設定工程数の削減を図ることも可能となる。
【0058】
特に、本実施形態のように、受信機3のアンテナ31が各送信機2からの送信フレームを統括的に受け取る共通アンテナとして使用されるものにおいては、1つのアンテナ31に複数の送信フレームが送られることになる。このため、右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられた送信機2から送られた送信フレームかを判別することが難しい。したがって、本実施形態のように送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられたかを特定できると有効である。
【0059】
また、本実施形態では、加速度センサ22aの検出信号にて、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれであるかの判別と、前輪5a、5bと後輪5c、5dのいずれであるかの判別の双方を行うようにしている。このため、加速度センサ22aの1つで、双方の判別を兼ねて行うことができる。
【0060】
なお、ここでは加速度センサ22aの検出方向が車輪5a〜5dの回転方向と一致するようにしている。加速度センサ22aの検出信号に重力加速度成分を含めるだけであれば、加速度センサ22aの検出方向が車輪5a〜5dの径方向と一致するようにすれば良い。しかしながら、この場合には加速度センサ22aの検出信号に遠心力成分が含まれることになり、遠心力成分を除去できるように検出信号を加工しなければならないが、遠心力成分の方が重力加速度成分よりも大きいため、遠心力成分を除去しにくい。したがって、本実施形態のように、加速度センサ22aの検出方向が車輪5a〜5dの回転方向と一致するようにした方が好ましい。
【0061】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図8(a)、(b)は、本実施形態のタイヤ空気圧検出装置に備えられる送信機2と受信機3のブロック構成を示したものである。
【0062】
第1実施形態では、ギア位置センサ7からの検出信号から車両1の進行方向を検出することで、送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているのかを検出するようにしていた。しかしながら、本実施形態は、車輪位置検出部2として加速度センサ22aの検出方向に対して垂直な方向が検出方向となる加速度センサ22bを設け、2軸加速度センサとすることで、これら加速度センサ22a、22bの検出信号に基づいて送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているのかを検出する。
【0063】
図9は、加速度センサ22a、22bを備えた送信機2の各車輪5a〜5dへの搭載形態の一例を示したものである。この図に示されるように、本実施形態では、各送信機2に2つの加速度センサ22a、22bを備えている。一方の加速度センサ22aは、各車輪5a〜5dの回転方向の加速度を検出でき、もう一方の加速度センサ22bは、各車輪5a〜5dの径方向の加速度を検出できるようになっている。
【0064】
このような形態で加速度センサ22a、22bを搭載した場合、各加速度センサ22a、22bの検出信号の関係を図10に示す。
【0065】
加速度センサ22aは、各車輪5a〜5dの回転方向の加速度を検出し、重力加速度に応じた出力を発生させる。すなわち、送信機2が図9中の点線で示す場所に位置しているときには、重力加速度を負の値として示す出力となる。そして、車輪5a〜5dが180°回転して、図9の点線で示す場所から180°ずれた場所に送信機2が位置しているときには、重力加速度を正の値として示す出力となる。
【0066】
一方、加速度センサ22bは、加速度センサ22aと同様に、各車輪5a〜5dの径方向の加速度を検出し、重力加速度に応じた出力を発生させる。しかしながら、加速度センサ22bが加速度センサ22aに対して検出できる加速度の角度が90°ずらされていることから、検出される重力加速度に応じた出力波形の位相も、加速度センサ22aの出力波形の位相から90°ずれたものとなる。このため、送信機2が図9の実線に示す場所(車輪5a〜5dの上部位置)に位置しているときには、重力加速度を正の値として示す出力となる。そして、車輪5a〜5dが180°回転して、車輪5a〜5dの下部位置に送信機2が位置しているときには、重力加速度を負の値として示す出力となる。
【0067】
したがって、図10に示されるように、車輪5a〜5dの回転方向が図10中に示す反時計回りの場合には、加速度センサ22aの出力波形に対して加速度センサ22bの出力波形の位相が90°進んだ状態となる。逆に、車輪5a〜5dの回転方向が図10に示す時計回りの場合には、加速度センサ22aの出力波形に対して加速度センサ22bの出力波形の位相が90°遅れた状態となる。
【0068】
このように、車輪5a〜5dの回転方向が逆になると、加速度センサ22a、22bの出力波形の位相のずれ方も逆になる。そして、右車輪5a、5cと左車輪5b、5dとで回転方向が逆になることから、加速度センサ22a、22bの出力波形の位相のずれ方から、各送信機2は、制御部23aにて、自分自身が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているかを判別することが可能となる。
【0069】
具体的には、制御部23aには位相検出を行うプログラム(位相検出手段)が記憶されており、このプログラムに基づいて加速度センサ22a、22bの出力波形の位相のずれ方を求められるようになっている。そして、制御部23aにて、加速度センサ22aの出力波形に対して加速度センサ22bの出力波形の位相が90°進んでいることが確認されれば、その送信機2は右車輪5a、5cに取り付けられたものと判別され、逆に位相が90°遅れていることが確認されれば、その送信機2は左車輪5b、5dに取り付けられたものと判別される。なお、車輪回転が逆になれば、位相のずれ方も逆になるため、車輪回転の方向に対応して上記判別が行われる。
【0070】
このように送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているかが検出されると、制御部23aは、その取り付けられた車輪が右車輪5a、5cであるか左車輪5b、5dであるかを示すデータを送信フレーム内に格納し、送信部23bに送るようになっている。
【0071】
これにより、受信機3側の制御部32bにて、送信機2から送られてきた送信フレームを解析することにより、それが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられた送信機2が送ってきたものなのかを判別することができる。したがって、後は送信フレームに格納された車輪前後位置データを用いて、送信機2が前輪5a、5bと後輪5c、5dのいずれに取り付けられたものであるかを検出することで、最終的に送信機2が車輪5a〜5dのいずれに取り付けられたものなのかを特定することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0072】
そして、このように2軸加速度センサの検出信号のみによって送信機2が取り付けられたのが車輪5a〜5dのいずれであるかを特定できることから、操舵角センサ7の検出信号などが不要になるという効果も得られる。
【0073】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、車両の進行方向の検出をギア位置センサ7の検出信号や2軸加速度センサの検出信号の位相ズレに基づいて行っていた。しかしながら、これらは単なる一例であり、その他の手法に基づいて車両の進行方向を検出することも可能である。例えば、車両1が前進する時の速度は速く、後進するときの速度は遅いということに着目し、加速度センサ22aの検出信号における重力加速度成分から単位時間当たりの回転回数を求め、これから求められる車速が所定値以上であった場合には、車両1が前進中であるものと想定することが可能である。このようにすれば、より簡素なシステムによって車輪位置検出を行うことが可能となる。
【0074】
なお、上記実施形態では、一定期間中における加速度センサ22aの検出信号として、車両1が走行を開始したときからの期間を例に挙げて説明したが、これも単なる一例である。すなわち、車両1が走行中の任意に時点を開始タイミングとして、その時点から一定期間中の加速度センサ22aの検出信号に基づいて各車輪5a〜5dの回転回数を求めるようにしても構わない。
【0075】
また、上記第1実施形態では、車輪回転回数検出手段として加速度センサ22aを例に挙げて説明したが、車輪5a〜5dの回転回数に応じた検出信号を出力するものであれば、どのようなものであっても良く、例えば上述した角速度センサを用いても良い。
【0076】
さらに、上記第1、第2実施形態では、送信機2から受信機3に車輪左右位置データを送り、受信機3に備えられた制御部32bで送信フレームが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられた送信機2が送ってきたものなのかを判別している。しかしながら、第2実施形態に関しては、加速度センサ22a、22bの検出信号の位相ずれが送信機2内で既に分かるため、送信機2の制御部23aで送信機2自身が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているのかを検出し、その結果を車輪左右位置データとして受信機3に送るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置のブロック構成を示す図である。
【図2】図1に示すタイヤ空気圧検出装置の送信機と受信機のブロック構成を示した図である。
【図3】Gセンサを備えた送信機の各車輪への搭載形態の一例を示した模式図である。
【図4】車輪が等速回転している場合における加速度センサの出力波形を示した図である。
【図5】車輪が加速しながら回転している場合における加速度センサの出力波形を示した図である。
【図6】車両が右旋回する場合の操舵角と各車輪の回転回数との関係を示した図である。
【図7】走行時間に対する回転回数の関係を示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置に備えられる送信機と受信機のブロック構成を示した図である。
【図9】加速度センサを備えた送信機の各車輪への搭載形態の一例を示した図である。
【図10】図9のような搭載形態とされた場合の車輪の回転方向と各加速度センサの検出信号との関係を示した図である。
【符号の説明】
【0078】
1…車両、2…送信機、3…受信機、4…表示器、5a〜5d…車輪、7…操舵角センサ、21…センシング部、22…車輪位置検出部、22a、22b…加速度センサ(第1、第2加速度センサ)、23…マイクロコンピュータ、23a…制御部(第1制御部)、23b…送信部、24…送信アンテナ、25…電池、31…受信アンテナ、32…マイクロコンピュータ、32a…受信部、32b…制御部(第2制御部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを備えた複数個の車輪(5a〜5d)それぞれに備えられ、前記複数個の車輪(5a〜5d)それぞれの回転回数に応じた検出信号を出力する車輪回転回数検出手段(22a)を含む車輪位置検出部(22)と、前記車輪回転回数検出手段(22a)の検出信号が示す前記回転回数に関するデータを車輪前後位置データとして、この車輪前後位置データの信号処理を行う第1制御部(23a)と、前記第1制御部(23a)にて処理された前記車輪前後位置データを送信する送信部(23b)とを有してなる送信機(2)と、
車体(6)側に備えられ、前記車輪前後位置データを受信する受信部(32a)と、該車輪前後位置データから得られる前記複数の車輪(5a〜5d)の一定期間中における回転回数に基づいて、前記送信機(2)が前記複数個の車輪(5a〜5d)のうち前輪(5a、5b)と後輪(5c、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別する第2制御部(32b)を備えた受信機(3)と、を有してなる車輪位置検出装置。
【請求項2】
前記第2制御部(32b)は、前記複数の車輪(5a〜5d)のうち回転回数が多いものと少ないものとを判別し、前記複数の車輪(5a〜5d)のうち回転回数が多いものに取り付けられた前記送信機(2)が前記前輪(5a、5b)に取り付けられたものと判別し、前記複数の車輪(5a〜5d)のうち回転回数が少ないものに取り付けられた前記送信機(2)が前記後輪(5c、5d)に取り付けられたものと判別するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輪位置検出装置。
【請求項3】
前記車輪回転回数検出手段は、前記複数の車輪(5a〜5d)それぞれの回転方向の加速度を検出する第1加速度センサ(22a)であり、該第1加速度センサ(22a)の検出信号に含まれる重力加速度成分が前記車輪前後位置データとされていることを特徴とする請求項1または2に記載の車輪位置検出装置。
【請求項4】
前記第1加速度センサ(22a)は、前記複数個の車輪(5a〜5d)それぞれに対して、各車輪(5a〜5d)のホイールを表向きに揃えたときに前記検出信号として示される出力の正負がすべて同じとなるように取り付けられおり、
前記受信機(3)における前記第2制御部(32b)には、車両進行方向検出手段(7)から前記車両(1)の進行方向に応じた信号が入力されるようになっており、該第2制御部(32b)は、前記第1加速度センサ(22a)の検出信号に含まれる前記複数の車輪(5a〜5d)の回転方向の加速度成分の正負と前記車両進行方向検出手段(7)からの信号によって示された前記車両(1)の進行方向に基づいて、前記送信機(2)が前記複数個の車輪(5a〜5d)のうち右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の車輪位置検出装置。
【請求項5】
前記第1加速度センサ(22a)は、前記複数個の車輪(5a〜5d)それぞれに対して、各車輪(5a〜5d)のホイールを表向きに揃えたときに前記検出信号として示される出力の正負がすべて同じとなるように取り付けられおり、
さらに、前記送信機(2)のそれぞれには、前記第1加速度センサ(22a)とは異なる方向を加速度の検出方向として取り付けられた第2加速度センサ(22b)が備えられ、前記第1制御部(23a)もしくは前記第2制御部(32b)にて、前記第1、第2加速度センサ(22a、22b)の検出信号の位相のずれに基づき、該送信機(2)が前記複数の車輪(5a〜5d)のうち右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものかを判別するようになっていることを特徴とする請求項3または4に記載の車輪位置検出装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車輪位置検出装置を含むタイヤ空気圧検出装置であって、
前記送信機(2)は、前記複数個の車輪(5a〜5d)それぞれに備えられた前記タイヤの空気圧に応じた検出信号を出力するセンシング部(21)を備え、前記第1制御部(23a)によって前記センシング部(21)の検出信号が信号処理されたのち、前記送信部(23b)を介して送信されるようになっており、
前記受信機(3)は、前記第2制御部(32b)にて、該検出信号に基づいて前記複数個の車輪(5a〜5d)それぞれに備えられた前記タイヤの空気圧を求めるようになっていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−205906(P2006−205906A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21115(P2005−21115)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】