説明

農作業機

【課題】 相手側に接触する状態で相対摺動する構成部品と相手側部品との接触面に改善を施すことによって、グリス等の補給作業を必要としない農作業機を提供する。
【解決手段】 植付伝動ケース3に支持された摺動レール2、その摺動レール2に近接した状態で往復横移動する苗のせ台1であり、摺動レール2と苗のせ台1における摺動レール2に近接する下端部との、少なくともいずれか一方に、ドライコート処理面Dを施してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手側に接触する状態で相対摺動する構成部品を備えた農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
相手側に接触する状態で相対摺動する構成部品としては、一定ストロークで往復動する苗のせ台とその苗のせ台の下端位置に対応して左右にスライド移動するマット状苗を支持する摺動レールとがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−176698号公報(段落番号〔0028〕〔0029〕、及び、図3から図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成においては、摺動面にグリスを注入する構成を採っていた。
しかし、グリス切れを起こし摺動抵抗が大きく成り、苗のせ台に載置されたマット状苗に乱れが生ずる虞があるところから、注入補充するためのメインテナンスを心掛ける必要がある。また、そのために、グリスニップル等を装備する必要もあった。
また、グリス材としては前記公報には明記されてはいないが、モリブデンを主体としたものが使用されているところから、摩擦係数の経年変化や摩擦抵抗の増大を来たす虞があり、この面においても何らかの改善を必要としていた。
以上のように、メインテナンス性において改善の余地があり、また、構成部品の寿命も十分なものとなっていない虞があった。
【0005】
本発明の目的は、相手側に接触する状態で相対摺動する構成部品と相手側部品との接触面に改善を施すことによって、グリス等の補給作業を必要としない農作業機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、相手側に接触する状態で相対摺動する作業機の構成部品に、バインダー樹脂にPTFEを主体とした固体潤滑剤を分散させ溶媒に混合したドライコート剤を施したドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用〕
前記したドライコート処理面を形成することによって、構成部品が相手側に接触する状態で相対摺動するものであっても、摩擦抵抗を低減することができる。また、上記したドライコート剤としてはPTFEを主体とした固体潤滑剤を使用しているので、摩擦係数が経年変化を経ても安定し、ドライコート処理面の長寿命化を図り、構成部品の長寿命化に寄与できる。
【0008】
〔効果〕
上記のように、ドライコート処理剤として摩擦係数が安定化しかつ低摩擦化に寄与できるものを採用したので、ドライコート処理面の長寿命化を図り、構成部品の長寿命化に寄与できるものとなったので、メインテンス負担が軽減し、メインテナンスの為の構造も簡素なものでよくなった。
【0009】
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、植付伝動ケースに支持された摺動レール、その摺動レールに近接した状態で往復横移動する苗のせ台であり、前記摺動レールと前記苗のせ台における前記摺動レールに近接する下端部との、少なくともいずれか一方に、前記ドライコート処理面を施してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
前記したドライコート剤を塗布することによって、その塗布部分での摩擦係数の安定化と低摩擦係数化によって、長期に亘って摩擦抵抗を低減することができ、次ぎのような効果が期待できる。
(1)摺動レールの長寿命化を図ることができる。
(2)摺動レールの小型化、及び、それによるコスト低減を図ることができる。
(3)摩擦抵抗の低減の為に、グリース等を付与する必要がない。また、防錆効果も向上する。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、走行車輪を装備して一体で縦向き軸芯周りに回動する車輪ケース、その車輪ケースを縦向き軸芯周りで揺動自在に支持する固定側の車軸ケース、前記車輪ケースと前記車軸ケースとの間に装着されるダストシール、縦向き軸と前記車輪ケースとの間に装着されるオイルシール、縦向き軸と前記車軸ケースとの間に装着されるオイルシールであり、前記車輪ケースと、前記車軸ケースと、前記ダストシールと、前記オイルシールとのうちの、少なくともひとつに、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
前記したドライコート剤を塗布することによって、その塗布部分での摩擦係数の安定化と低摩擦係数化によって、長期に亘って摩擦抵抗を低減することができ、次ぎのような効果が期待できる。
(1)ダストシールと車輪ケースとの摩擦抵抗を軽減できる。これによって、シール圧を上げて塵埃の侵入阻止能力を高めながら、車輪ケースが摩滅することを抑制できる。
(2)ダストシール、オイルシール等の摩擦抵抗を低減できるので、これら構成部品の長寿命化を図ることができる。
(3)摩擦抵抗の低減の為に、グリース等を付与する必要性が少なくなった。また、防錆効果も向上する。
(4)グリース等を補給するためのメインテナンス作業を低減できる。
【0013】
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、複数の係合凹部を形成した被係合部材と、前記係合凹部と係合する方向に付勢されて前記係合凹部に対して相対移動するカムフォロアとを備えた位置決め機構であり、
前記被係合部材と前記カムフォロアとの、少なくとも一方に、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用効果〕
被係合部材の係合凹部とカムフォロアとが相対摺動する際に、少なくともどちらかの一方に施したドライコート処理面Dが機能して、両者の摩擦抵抗を低減し、摺接部分での摩擦係数が安定し、転がり荷重及び摺動荷重が安定する。これによって、次ぎのような効果がでる。
(1)被係合部材とカムフォロアとの変速操作構造の操作荷重を調整する際に、調整操作の簡略化が図れ、調整工程の省略化が図れる。
(2)摩擦係数の経年変化が少ないので、メインテナンス作業の簡素化、及び、省略化が達成できる。
(3)グリースを塗布する必要性が少なくなり、塗布工程の省略化が可能である。
【0015】
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、シフトギヤに作用するシフター部材と、そのシフター部材を取り付けて一体にスライド移動するシフター軸と、そのシフター軸を支持するボス部とからなる変速装置用のシフター機構であり、前記シフター部材と、前記シフター軸と、前記ボス部とのうちの、少なくともひとつに、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0016】
〔作用効果〕
互いにするシフトギヤとシフター等での摺接部分における摩擦係数が安定し、摩擦抵抗の低減が可能になる。これによって、次ぎのような効果がでる。
(1)シフターの磨耗が低減され、長寿命化が図れる。
(2)シフターに対して操作力の低減が可能になる。
(3)グリースを塗布する必要がなく、塗布工程の省略化が可能である。
【0017】
請求項6に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、走行機体に対して上下揺動自在に支持された車輪ケースを接地付勢する付勢手段であって、前記付勢手段を弾性付勢部材と弾性付勢部材を相対移動可能に支持する支持ロッドとで構成し、前記弾性付勢部材と前記支持ロッドとの、少なくとも一方に、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0018】
〔作用効果〕
車輪の接地圧変動によって車輪ケースが上下揺動してサスペンション機能を発揮する。その際に、弾性付勢部材と支持ロッドとが相対移動し、両者が摺接する。その摺接部分の少なくとも一方に、前記したドライコート剤を塗布することによって、その塗布部分での摩擦係数の安定化と低摩擦化によって、長期に亘って摩擦抵抗を低減することができ、次ぎのような効果が期待できる。
(1)支持ロッドと弾性付勢部材との接触抵抗が低減され、組付け作業が容易になり、組立てコストの低減、磨耗の低減により長寿命化が図れる。
(2)弾性付勢部材によって決まるバネ定数の安定化を図ることができ、円滑な振動吸収が可能となり、乗り心地の向上が図れる。
(3)弾性付勢部材同士が擦れ合う異音の発生が抑制でき、かつ、磨耗も減少する。
(4)グリースを塗布する必要性が少なくなり、塗布工程の省略化が可能である。
【0019】
請求項7に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、ローリング作動した苗植付装置を復帰付勢するローリング付勢手段であり、ローリング付勢手段をスプリング機構、そのスプリング機構のスプリング端部を受け止める受止め座、前記スプリング機構を外嵌してガイドするガイドロッドとで構成し、前記スプリング機構と、前記受止め座と、前記ガイドロッドとのうちの、少なくとも一つに、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0020】
〔作用効果〕
苗植付装置は接地圧変動に基づいてローリング付勢手段によってローリング作動する。一方、ドライコート剤の使用によって、摩擦係数の安定化、及び、摩擦抵抗の低減化を図ることができ、次ぎのような効果がある。
(1)スプリング機構を構成するスプリングが受止め座に対して横滑りしても異音の発生がなく、磨耗が低減されて、高級感を持たせ、長寿命化を図ることができる。
(2)スプリングとガイドロッドとの摩擦抵抗が減少するので、ローリングに要する荷重が安定し、植付性能の向上に寄与できる。
【0021】
請求項8に係る発明の特徴構成は、前記作業機の構成部品が、駆動部の駆動軸、従動部の従動軸、駆動部の駆動軸と従動部の従動軸とを連結するジョイント部材であり、前記駆動軸、前記従動軸、前記ジョイント部材との、少なくとも一つに、前記ドライコート処理面を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0022】
〔作用効果〕
このようなドライコート剤の使用によって、摩擦係数の安定化、及び、摩擦抵抗の低減化を図ることができ、ジョイント部材での回動抵抗の減少及び回動磨耗の減少、異物侵入時の固着防止等を未然に防ぎ、次ぎのような効果がある。
(1)抵抗減や磨耗減を図ることができるので、長寿命化を図ることができる。
(2)グリス注入工程を不要することが可能になる。
(3)伝動系統の固着現象を回避できるので、危険防止に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
〔第1実施形態(請求項1、2に対応)〕
苗のせ台1とその下方に配置される摺動レール2との構成に付いて説明する。図1(イ)(ロ)に示すように、前後向き姿勢の植付伝動ケース3の横側面に、横向き軸芯周りで揺動するブラケット4を設けるとともに、ブラケット4に対して斜め前上方に向かうガイド体5をスライド移動可能に支持する。ガイド体5の上端に摺動レール2が取り付け固定してある。
摺動レール2は、ガイド体5の上端に取付られる基端角パイプ部2Aと基端角パイプ部2Aから下向きに延出されたL型の摺動板部2Bとで構成されている。
【0024】
苗のせ台1は、図7に示す左右の支柱57,57を植付伝動ケース3、3より立設するとともに、その支柱57,57上端に補強枠58を設け、この補強枠58よりガイドローラ機構59を立設し、このガイドローラ機構59によって苗のせ台1の背面に取付固定したガイドフレーム1Bを支持することによって、左右一定ストロークで往復移動自在に支持される。図1(イ)(ロ)に示すように、苗のせ台1には、苗のせ面1aを区画する為に、左右方向に一定間隔を置いて壁部1Aが立設してあり、壁部1Aの下端部が摺動レール2の摺動板部2Bに近接する状態で配置される。
【0025】
以上のように構成した摺動板部2Bとそれに対向する壁部1Aの下端部とに、図1(ロ)に示すように、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、摩擦係数の安定化による長期に亘る摺動板部2Bでの摩擦抵抗を低減することができ、次ぎのような効果がでる。
(1)摺動板部2Bの長寿命化を図ることができる。
(2)摺動レール2の小型化、及び、それによるコスト低減を図ることができる。
(3)摩擦抵抗の低減の為に、グリース等を付与する必要がない。また、防錆効果も向上する。
【0026】
〔第2実施形態(請求項1、3に対応)〕
走行車輪の伝動支持構造について説明する。図2(イ)に示すように、横向き車軸ケース6の一端に縦向きの車輪ケース7を相対回転可能に配置する。車輪ケース7に走行車輪(図示せず)を軸支する。
【0027】
図2(イ)に示すように、横向き車軸ケース6の一端と縦向き車輪ケース7との内部空間に縦向き軸8を設けて、走行車輪に対するキングピン構造を構成する。縦向き軸8を横向き車軸ケース6内で上下二つのベアリング9、10で回転可能に支持するとともに、下ベアリング10に支持させる状態で入力ベベルギヤ11を配置し、横向き車軸ケース6内の横向き車軸6Aからの動力伝達を受けるように構成してある。
【0028】
図2(イ)に示すように、下ベアリング10の下方にはオイルシール12が配置され、外部からの塵埃の侵入を阻止する構成を取っている。
車輪ケース7においても、上下二つのベアリング13、14によって前記した縦向き軸8を支持し、上ベアリング13の上方にオイルシール15を配置し、外部からの塵埃の侵入を阻止する構成を採っている。
【0029】
図2(イ)に示すように、横向き車軸ケース6の下ベアリング10及びオイルシール12が配置された下端開口部には鍔部6Bが張出し形成されており、この鍔部6Bが車輪ケース7の上ベアリング13、オイルシール15を配置した上端部7Aに近接した状態でかつ被さる状態で配置されている。
横向き車軸ケース6の鍔部6Bと車輪ケース7の上端部7Aとの間にダストシール16が装着してあり、両者6B、7Aの間に形成される隙間から塵埃が侵入するのを阻止する構成を採っている。
【0030】
以上のように配置構成された、オイルシール12、15、ダストシール16、及び、横向き車軸ケース6の鍔部6Bの内周面と車輪ケース7の上端部7Aの外周面とに、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、次ぎのような効果がでる。
(1)ダストシール16と車輪ケース7の上端部7Aの外周面との摩擦抵抗を軽減できる。これによって、シール圧を上げることができる。シール圧を上げても車輪ケース7の上端部7Aが摩滅することは回避できる。したがって、シール圧を上げることができるので、塵埃の侵入阻止能力を高めることができる。
(2)ダストシール16、オイルシール12、15等の長寿命化を図ることができる。
(3)摩擦抵抗の低減の為に、グリース等を付与する必要性がすくない。また、防錆効果も向上する。
【0031】
〔第3実施形態(請求項1、4に対応)〕
走行用主変速装置(図示せず)に対する操作構造について説明する。走行用主変速装置として静油圧式無段変速装置を使用したものがあり、この静油圧式無段変速装置によって、前後進無段変速が行えるようになっている。
【0032】
このような走行用主変速装置に対して、図3(イ)に示すように、主変速レバー17が設けてあり、主変速レバー17はブラケット18に対して前後向き軸芯Y周りで左右に揺動可能、かつ、ブラケット18及び後記する位置決めカム板19とともに左右軸芯周りで前後揺動可能に軸支してある。左右への揺動選択により、前進操作領域と後進操作領域とを選択し、かつ、前後向き揺動によって前進領域又は後進領域での速度設定が可能である。
【0033】
図3(イ)(ロ)に示すように、ブラケット18を一体に取り付けた扇型状の位置決めカム板(被係合部材の一例)19が、主変速レバー17の揺動軸芯位置に取り付けてある。位置決めカム板19の周縁部には位置決め用の凹凸カム面19Aが形成してある。これに対して凹凸カム面19Aに係合するカムフォロア20aを取り付けたカンチレバー20が、カムフォロア20aを先端側に取付け、基端部を操作ボックスに取付け、片持ち状に支持されている。
【0034】
凹凸カム面19Aとカムフォロア20aとで位置決め機構を構成してあり、主変速レバー17を凹面カム位置で位置決めできるように構成してある。
【0035】
以上のように配置構成された、凹凸カム面19Aとカムフォロア20aに、図3(ロ)に示すように、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、摺接部分で摩擦係数が安定し、転がり、摺動荷重が安定する。これによって、次ぎのような効果がでる。
(1)主変速レバー17の操作荷重を調整する際に、調整操作の簡略化が図れる。
(2)主変速レバー17の操作荷重を調整する際に、調整工程の省略化が図れる。
(3)摩擦係数の経年変化が少ないので、メインテナンス作業の簡素化、及び、省略化が達成できる。
(4)グリースを塗布する必要性が少なくなり、塗布工程の省略化が可能である。
【0036】
〔第4実施形態(請求項1、5に対応)〕
シフトギヤ21に対する操作構造について説明する。図4(イ)(ロ)に示すように、変速軸22に対して二段シフトギヤ21がスプライン外嵌されている。二段シフトギヤ21に変速用シフター(シフター部材の一例)23が係合し、変速用シフター23はスライド操作軸(シフター軸の一例)24に取り付け固定してある。スライド操作軸24は、変速ケース25のボス部25aに支持されている。
【0037】
スライド操作軸24は中間位置に3つの凹面24aを形成した状態で変速ケース25に支持されており、変速ケース25の3つの凹面24aに対応したボス部25aに、凹面24aに係合可能なボール26aとボール26aを突出付勢するスプリング26bとからなるボールデテント機構26が設けられている。
【0038】
スライド操作軸24は、図外の操作レバーに連係されており、スライド操作軸24をスライド操作することによって、所望の位置に位置決めでき、変速操作が可能である。
【0039】
図4(ロ)に示すように、以上のように配置構成された、シフター23におけるシフトギヤ21との接触面、又は、シフトギヤ21のシフター23との接触面との少なくもいずれか一方に、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。
スライド操作軸24の凹面24a又はスライド操作軸24を支持する変速ケース25のボス部内周面25aの少なくともいずれか一方に、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
【0040】
このようなドライコート剤の使用によって、摺接部分で摩擦係数が安定し、摩擦抵抗の低減が可能になる。これによって、次ぎのような効果がでる。
(1)主変速用のシフター23の磨耗が低減され、長寿命化が図れる。
(2)シフター23に対して操作力の低減が可能になる。
(3)グリースを塗布する必要性が少なく、塗布工程の省略化が可能である。
【0041】
〔第5実施形態(請求項1、6に対応)〕
後輪27におけるサスペンション構造について説明する。図5(イ)(ロ)に示すように、横向きの後車軸ケースの両側端より後方に向けて車輪伝動ケース28を延出するとともに、その車輪伝動ケース28の延出端に後輪27を軸支し、車輪伝動ケース28の基端部を後車軸ケースに対して相対揺動可能に支持してある。
【0042】
図5(イ)(ロ)に示すように、機体フレーム29と車輪伝動ケース28とに亘って、付勢手段としてのサスペンション機構30が設けられている。サスペンション機構30は、車輪伝動ケース28にブラケット28Aを立設するとともに、ブラケット28Aに取り付けた支持ロッド31を立ち上げて機体フレーム29を貫通させて設けてある。支持ロッド31の先端にはボルト・ナット32が螺着してあり、このボルト・ナット32で支持ロッド31を吊下げ支持してある。
【0043】
図5(イ)(ロ)に示すように、支持ロッド31の下端位置に受止板部31Aが設けてあり、その受止板部31Aと機体フレーム29の下向き面との間に、弾性ゴム製の緩衝材(弾性付勢部材の一例)33が積層されて、サスペンション機構30が設けてある。
緩衝材33の伸縮作用によって、後輪27にサスペンション機能が付加されている。
【0044】
以上のように配置構成された、図5(ハ)に示すように、緩衝材33同士の接触面又は図5(二)に示すように、支持ロッド31の緩衝材33との接触面との少なくともいずれか一方、或いは、受止板部31Aに、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。
【0045】
このようなドライコート剤の使用によって、摺接部分で摩擦係数が安定し、摩擦抵抗の低減が可能になる。これによって、次ぎのような効果がでる。
(1)支持ロッド31と緩衝材33との接触抵抗が低減され、組付け作業が容易になり、組立てコストの低減、磨耗の低減により長寿命化が図れる。
(2)緩衝材33によって決まるバネ定数の安定化を図ることができ、円滑な振動吸収が可能となり、乗り心地の向上が図れる。また、後輪27の接地性が向上し、苗のせ台1の姿勢が安定するので、植付性能が向上する。
(3)緩衝材33としてスプリングを使用できるが、その場合にはスプリング同士が擦れ合う異音の発生が抑制でき、かつ、磨耗も減少する。
(4)グリースを塗布する必要性が少なく、塗布工程の省略化が可能である。
【0046】
〔第6実施形態(請求項1、7に対応)〕
苗植付装置Aの昇降リンク機構34に対するローリング構造について説明する。図6(イ)に示すように、苗植付装置Aを構成する横向きフレーム35に取付けた植付フィードケース36より前方に向けてローリング軸37を延出する。そのローリング軸37を昇降リンク機構34の後リンク34A下端に取り付けてあるローリングボス38に内嵌し、苗植付装置Aを昇降リンク機構34に対してローリング作動可能に構成する。
【0047】
ローリング付勢手段としての第1復帰バネ機構39の取付構造について説明する。図6(イ)に示すように、横向きフレーム35より前方に向けて受止台(受止め座の一例)40を延出するとともに、受止台40に対して上下向き姿勢のガイドロッド41を貫通させ、そのガイドロッド41の上端を昇降リンク機構34のロアーリンク34Bに連結してある。
【0048】
第1復帰バネ機構39は、図6(イ)に示すように、受止台40の上方に上中立復帰バネ39Aをガイドロッド41に外嵌する状態で設け、受止台40の下方に下中立復帰バネ39Bをガイドロッド41に外嵌する状態で設けて、構成してある。ガイドロッド41には、上中立復帰バネ39Aの上端を受止る上受止板41Aが固着されているとともに、下中立復帰バネ39Bの下端を支持する下受止板41Bがガイドロッド41に対して移動可能に外嵌され、ナット42によって位置変更可能に構成されている。ここに、上中立復帰バネ39Aと下中立復帰バネ39Bとをスプリング機構と称する。
【0049】
第1復帰バネ機構39は、左右対称に一対設けてある。これによって、ローリング軸芯周りで苗植付装置Aがローリング作動すると、上下一方の中立復帰バネ39A、39Bの設置長さが短くなり、他方の中立復帰バネ39B、39Aの設置長さが長くなり、苗植付装置Aが接地面に沿った姿勢に切換維持される。
【0050】
以上、図6(ロ)に示すように、上下中立復帰バネ39A、39B、受止台40、及び、ガイドロッド41の夫々に対して、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、摩擦係数の安定化、及び、摩擦抵抗の低減化を図ることができ、次ぎのような効果がある。
(1)左右第1復帰バネ機構39での中立戻し力が同等のものに維持されるので、復帰機能を良好なものとできる。
(2)上下中立復帰バネ39A、39Bが受止台40に対して横滑りしても異音の発生がなく、磨耗が低減されて、高級感を持たせ、長寿命化を図ることができる。
(3)特に、上下中立復帰バネ39A、39Bとガイドロッド41との摩擦抵抗が減少するので、ローリングに要する荷重が安定し、植付性能の向上に寄与できる。
【0051】
〔第6実施形態(請求項1、7に対応)〕
次ぎに、苗植付装置Aを昇降リンク機構34に対してローリングさせるローリング付勢手段としての第2復帰バネ機構46の構造について説明する。図7(イ)に示すように、昇降リンク機構34における後リンク34Aの上端にローリング用モータ43を装備する。ローリング用モータ43の駆動軸にワイヤ巻取り用のスプロケット44を設ける。苗のせ台1を左右往復動可能に支持する左右の支柱57、57を、前記した横向きフレーム35より立設し、左右支柱57、57に亘って横向き補強枠58を架け渡す。横向き補強枠58に左右一対のブラケット58A、58Aを設け、スプロケット44と左右一対のブラケット58A、58Aに渡って左右の駆動ワイヤ45、45と左右の復帰バネ46A、46Aを掛け渡してある。ここに、左右の中立復帰バネ46A、46Aによって第2復帰バネ機構46を構成する。
【0052】
以上のような構成によって、ローリング用モータ43を駆動することによって、一方の駆動ワイヤ45を巻取り、他の駆動ワイヤ45を繰り出すことによって、左右の中立復帰バネ46A、46Aの張設長さが異なり、張設長さが長くなった左右一方の中立復帰バネ46Aが架け渡されている側に苗植付装置Aが傾斜する。このような構成によって、強制的に走行機体に対する苗植付装置Aのローリング傾斜姿勢を設定することができる。
【0053】
以上、図7(ロ)に示すように、左右の中立復帰バネ46A、46A、及び、左右ブラケット58A、58A夫々に対して、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、摩擦抵抗を低減することができ、第5実施形態で示した効果を奏することができる。
【0054】
〔第7実施形態(請求項1、8に対応)〕
静油圧式無段変速装置47と油圧ポンプ48との連結構造について説明する。図8(イ)に示すように、駆動部としての静油圧式無段変速装置47における出力軸としてのポンプ出力軸47Aと各油圧機器に圧油を供給する従動部としての油圧ポンプ48の入力軸48Aとを、中継軸56を挟んで連結してある。つまり、ポンプ出力軸47Aと中継軸56の一端とをスプライン嵌合された筒状のカップリング49、及び、中継軸56の他端と入力軸48Aとをスプライン嵌合されたジョイント部材としての筒状のカップリング49によって、連結している。
図8においては、中継軸56を介して出力軸47Aと入力軸48Aとを連係しているが、中継軸56は無くてもよい。この場合には、カップリング49によって出力軸47Aと入力軸48Aとを直接連結してもよい。
尚、図中60は、パワーステアリングユニットである。
【0055】
図7(ロ)に示すように、上記したカップリング49、及び、静油圧式無段変速装置47におけるポンプ出力軸47A、油圧ポンプ48の入力軸48Aとのうち、少なくともカップリング49か両軸47A、48Aの一方に対して、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。中継軸56に対してドライコート処理面Dを形成してもよい。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、摩擦係数の安定化、及び、摩擦抵抗の低減化を図ることができ、オイル切れによる損傷等を未然に防ぎ、次ぎのような効果がある。
(1)カップリングや出力軸47A、入力軸48Aに特殊な焼き入れを行って強化を図る必要はない。
(2)グリス注入工程が不要になる。
(3)磨耗が低減されて、寿命のバラツキを抑え、長寿命化を図ることができる。
(4)その他、組付けコスト削減、部品コストの低下を達成できる。
【0056】
〔第8実施形態(請求項1、8に対応)〕
ユニバーサルジョイント55の構成に付いて説明する。田植機においては、ユニバーサルジョイント55は、駆動部としてのミッションからの駆動軸50と苗植付装置Aの入力部としての植付フィードケース(従動部の一例)36の入力軸(従動軸の一例)36Aとの間に介在している。
【0057】
図9(イ)に示すように、ユニバーサルジョイント55は、中継用ボール軸51の軸端に蛇腹体52のゴム筒52Aを装着するとともに、中継用ボール軸51に外嵌した出力体53と苗植付装置側の入力軸36に外嵌した入力体54とをネジを介して組付け固定して、構成してある。
【0058】
図9(イ)(ロ)に示すように、上記した中継用ボール軸51の球ジョイント部51Aの外周面、又は、出力体53のジョイント部材としての球ジョイント部51Aとの接触面及び入力体54の球ジョイント部51Aとの接触面との少なくとも一方に対して、ドライコート剤を施したドライコート処理面Dを形成する。ドライコート剤としては、第1実施例又は第2実施例に記載したドライコート処理剤を使用する。
このようなドライコート剤の使用によって、摩擦係数の安定化、及び、摩擦抵抗の低減化を図ることができ、球ジョイント部51Aでの回動抵抗の減少、球ジョイント部51Aでの回動磨耗の減少、異物侵入時の固着防止等を未然に防ぎ、次ぎのような効果がある。
(1)抵抗減や磨耗減を図ることができるので、長寿命化を図ることができる。
(2)グリス注入工程が不要になる。
(3)伝動系統の固着現象を回避できるので、危険防止に寄与する。
(4)出力軸に操作レバーを取り付け、操作系にこのユニバーサルジョイント55を適用すると、操作力が低減され、軽快な操作が可能である。
〔実施例1〕
以上、詳述した構成部品に対して施したドライコート剤について詳述する。
1.ドライコート剤は次ぎのような構成のものである。
【0059】
(1)ドライコート剤は未硬化状態では次ぎのようなものである。
(イ)比重 1.11
(ロ)粘度 15.1秒(イワタNK−2,25℃)
(ハ)引火点 14℃
【0060】
(2)ドライコート剤の硬化物の性状は次ぎのようなものである。
(イ)硬化条件 200℃―30分
(ロ)外観色彩 灰黒色
(ハ)主成分 PTFE(テフロン樹脂)+MoS(二硫化モリブデン)
(二)バインダー 熱硬化性樹脂(エポキシ、ポリイミド)
【0061】
(3)硬化物の特性
(イ)耐荷重性 7779N
(ロ)潤滑耐久性 110000cycles
(ハ)鉛筆硬度 2H(JIS K 5400 8.4)
(二)碁盤目試験 0/100(JIS K 5400 8.5、2)
(ホ)耐屈曲性試験 Φ2合格(JIS K 5400 8.1)
(へ)耐衝撃性試験 50cm合格(JIS K 5400 8.3、2)
(ト)塩水噴霧試験 360時間(JIS Z 2371)
(チ)使用温度範囲 −200〜300℃
(リ)試験片は燐酸処理後10μm塗膜処理を施してある。0/100を剥離なしとする。
【0062】
(4)上記した潤滑耐久性のテスト結果を図10に示す。テスト方法は、図11のように、テスト対象となるドライコート剤を塗布されたテスト片35を上下向きにして上下向き軸芯周りで回転させながら、左右方向から荷重を掛ける方法である。
(5)このテストによって、長期に亘って安定した摩擦係数を確保することができることが読み取れる。
【0063】
2. ドライコーティング処理工程は、図12に示すように、次ぎのような手順で行われる。
(1)対象部品に対して『脱脂処理』を行う。
(2)脱脂処理を行った後に『防錆処理』を施す。
ここでは、「酸洗い」と「サンドブラスト」処理を行って防錆処理を行う。
(3)防錆処理を施した後に『化成被膜処理』を行う。
化成被膜処理は対象部品の材質によって異なり、次ぎのような処理が行われる。
(イ)対象部品が鉄鋼である場合には、「燐酸亜鉛処理」又は「燐酸マンガン処理」が行われる。
(ロ)対象部品がアルミニウム合金である場合には、「酸処理」又は「酸化処理」が行われる。
(ハ)対象部品がステンレスである場合は、「蓚酸処理」が行われる。
(二)対象部品が銅合金である場合は、「酸化処理」が行われる。
(4)化成被膜処理が終わった段階で必要な場合には、上記した処理を繰り返してもよい。
(5)次ぎに、『乾燥処理』を行う。
(6)乾燥処理を行った後に『ドライコートコーティング処理』を行う。
ドライコートコーティング剤を塗布するには、次ぎのような方法が選択される。
(イ)コーティング剤を「スプレー塗装法」によって塗布する。
(ロ)コーティング剤を「浸漬塗装法」によって塗布する。
(ハ)コーティング剤を「刷毛塗り・その他の塗装法」によって塗布する。
(7)ドライコーティングを施した後に『硬化処理』を行う。
硬化処理を行うには、次ぎのような方法が選択される。
(イ)「加熱硬化」によって処理する。
(ロ)「常温硬化」によって処理する。
(8)以上の処理を行った後、検査して処理は終了する。
〔実施例2〕
コーティング剤の硬化物の性状は次ぎのようなものである。
(イ)硬化条件 200℃―30分
(ロ)外観色彩 黒色
(ハ)主成分 PTFE(テフロン樹脂)
(二)バインダー 熱硬化性樹脂(エポキシ、ポリイミド)
【0064】
〔別実施形態〕
(1)ドライコート剤としては、バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を使用したが、熱可塑性樹脂を使用してもよい。
(2)固体潤滑剤としては、PTFEを主体としたものを説明したが、さらに、鉱油やグラファイト等を混合して、母材への接着性、焼き付き特性を向上させたものを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】(イ)苗のせ台の支持構造を示す縦断側面図、(ロ)摺動レールと苗のせ台の下端部とにドライコート処理面を形成した状態を示す分解側面図
【図2】(イ)前輪を支持する車輪ケース内構造を示す縦断正面図、(ロ)ダストシールにドライコート処理面を形成した状態を示す縦断側面図
【図3】(イ)主変速操作レバーに対する操作位置の位置決め機構を示す側面図、(ロ)位置決め用のカム板にドライコート処理面を形成した状態を示す側面図
【図4】(イ)シフトギヤとシフター部材によるギヤ式変速機構を示す縦断側面図、(ロ)シフター部材とシフター軸とにドライコート処理面を形成した状態を示す側面図
【図5】(イ)車輪ケースに対して付勢手段を作用させて、サスペンション機構を構成した状態を示す側面図、(ロ)車輪ケースに対して付勢手段を作用させて、サスペンション機構を構成した状態を示す縦断背面図、(ハ)弾性付勢部材にドライコート処理面を形成した状態を示す縦断側面図、(二)支持ロッドにドライコート処理面を形成した状態を示す側面図
【図6】(イ)ローリング作動した苗植付装置を復帰付勢する手段を示す側面図、(ロ)ガイドロッド、スプリング、受止め座にドライコート処理面を形成した状態を示す縦断側面図
【図7】(イ)苗植付装置を強制ローリング作動させるローリング手段を示めす背面図、(ロ)ブラケット、スプリングにドライコート処理面を形成した状態を示す縦断側面図
【図8】(イ)静油圧式無段変速装置、油圧ポンプ、パワーステアリング装置を示めす縦断側面図、(ロ)油圧ポンプの入力軸、中継軸、静油圧式無段変速装置の出力軸にドライコート処理面を形成した状態を示す縦断側面図
【図9】(イ)ユニバーサルジョイントを示めす縦断側面図、(ロ)ボール軸にドライコート処理面を形成した状態を示す縦断側面図
【図10】第1実施例に示すドライコート剤のテスト結果を示す図
【図11】テスト方法を示す斜視図
【図12】ドライコート処理を行う手順を示した図
【符号の説明】
【0066】
1 苗のせ台
2 摺動レール
6 車軸ケース
7 車輪ケース
15 オイルシール
16 ダストシール
19 凹凸カム面(係合凹部)
19A カム板(被係合部材)
22 変速軸(シフター軸)
23 変速用シフター(シフター部材)
31 支持ロッド
36A 入力軸(従動軸)
39A 上中立復帰バネ(スプリング機構)
39B 下中立復帰バネ(スプリング機構)
40 受止台(受止め座)
41 ガイドロッド
50 出力軸(駆動軸)
51A 球ジョイント部(ジョイント部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側に接触する状態で相対摺動する作業機の構成部品に、バインダー樹脂にPTFEを主体とした固体潤滑剤を分散させ溶媒に混合したドライコート剤を施したドライコート処理面を形成してある農作業機。
【請求項2】
前記作業機の構成部品が、植付伝動ケースに支持された摺動レール、その摺動レールに近接した状態で往復横移動する苗のせ台であり、
前記摺動レールと前記苗のせ台における前記摺動レールに近接する下端部との、少なくともいずれか一方に、前記ドライコート処理面を施してある請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
前記作業機の構成部品が、走行車輪を装備して一体で縦向き軸芯周りに回動する車輪ケース、その車輪ケースを縦向き軸芯周りで揺動自在に支持する固定側の車軸ケース、前記車輪ケースと前記車軸ケースとの間に装着されるダストシール、縦向き軸と前記車輪ケースとの間に装着されるオイルシール、縦向き軸と前記車軸ケースとの間に装着されるオイルシールであり、
前記車輪ケースと、前記車軸ケースと、前記ダストシールと、前記オイルシールとのうちの、少なくともひとつに、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
【請求項4】
前記作業機の構成部品が、複数の係合凹部を形成した被係合部材と、前記係合凹部と係合する方向に付勢されて前記係合凹部に対して相対移動するカムフォロアとを備えた位置決め機構であり、
前記被係合部材と前記カムフォロアとの、少なくとも一方に、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
【請求項5】
前記作業機の構成部品が、シフトギヤに作用するシフター部材と、そのシフター部材を取り付けて一体にスライド移動するシフター軸と、そのシフター軸を支持するボス部とからなる変速装置用のシフター機構であり、
前記シフター部材と、前記シフター軸と、前記ボス部とのうちの、少なくともひとつに、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
【請求項6】
前記作業機の構成部品が、走行機体に対して上下揺動自在に支持された車輪ケースを接地付勢する付勢手段であって、前記付勢手段を弾性付勢部材と弾性付勢部材を相対移動可能に支持する支持ロッドとで構成し、
前記弾性付勢部材と前記支持ロッドとの、少なくとも一方に、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
【請求項7】
前記作業機の構成部品が、ローリング作動した苗植付装置を復帰付勢するローリング付勢手段であり、ローリング付勢手段をスプリング機構、そのスプリング機構のスプリング端部を受け止める受止め座、前記スプリング機構を外嵌してガイドするガイドロッドとで構成し、
前記スプリング機構と、前記受止め座と、前記ガイドロッドとのうちの、少なくとも一つに、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。
【請求項8】
前記作業機の構成部品が、駆動部の駆動軸、従動部の従動軸、駆動部の駆動軸と従動部の従動軸とを連結するジョイント部材であり、
前記駆動軸、前記従動軸、前記ジョイント部材との、少なくとも一つに、前記ドライコート処理面を形成してある請求項1記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−228624(P2008−228624A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−70966(P2007−70966)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】