近接位置特定システム
個体用の近接位置特定は、個体の財布の中に携帯されるクレジットカードサイズのカードを含む。カードは、個体を位置特定するための位置特定装置と併せて使用される無線通信装置を備える。このカードを利用して、海、雪崩、又は倒壊した建物の瓦礫の下で行方不明になった個体を位置特定することができる。カードの通信装置は、太陽電池式とするか又は位置特定装置からのRP信号によって起動することができる。カードは通信装置に電源供給するために電池を必要としない。したがって、カードは個体が携行することができ、いかなる時にも起動することができる。このように、カードは、ある人がカードの位置特定を試みるとき、完全に動作可能である。また、カードは個体に関する重要な情報を有するスマートチップも含み、その情報は異なる権限レベルを有する個体によってアクセスすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハリケーンカトリーナ及び2001年9月11日のテロリスト攻撃のような近年の惨事は、身動きが取れなくなったか、捕らえられたか、又は殺害すらされた多数の人々の位置を迅速に特定することができることの必要性を明確に示した。この必要性は、身につけて容易に携行することができる携帯可能装置を含む近接位置特定システム(PLS)を使用することによって満たすことができる。加えて、近接位置特定システムは、個人識別情報及び重要な医療情報も含むことができる。救出された個体がいかなる情報も提供することができない場合、この情報が権限を有する個体によってアクセスされ、救出された個体を識別すると共にその個体に適切な治療を提供するために使用される。
【背景技術】
【0002】
個体が行方不明であるときは常に、まず最も重要な問題はその個体を位置特定する方法である。今日では未開の地域に立ち入るほとんどの個体は、全地球測位システム(GPS)装置及び衛星電話の携帯端末を携行する。その個体が道に迷うか又は怪我を負った場合、GPS装置を使用して自身の経度及び緯度を測定し、自身の電話で救助を求めることができる。経度及び緯度の情報によって、救助隊は迅速にその個体を位置特定し、救出することができる。未開の地域に立ち入るすべての人がGPS装置と、携帯端末又は衛星電話を携行するわけではない。彼らが道に迷うか又は怪我を負ったとしても、その個体が所定の時間に特定の場所に戻ることができなくなった時まで当局は知らされることはない。当局に連絡する個体は、行方不明の個体の概ねの位置を知っている可能性もあるし、又は知らない可能性もある。また、行方不明の個体は、行くつもりであると言っていた地域とは異なる地域に行くことを選択した可能性もある。個体が長時間行方不明であるか又は海で行方不明になった場合、その個体を位置特定することは非常に難しい作業になる。今日まで個体を探し出すのに最も広く使用されてきた方法は、多数の人々を派遣して視覚的にその人を捜索することであった。これは非常に単調で時間のかかる作業である。別の問題はヒューマンエラーに関する問題である。捜索隊の成員は、飛行機又はボートから広大な地域を捜索している場合、容易に行方不明の個体を見落としてしまうおそれがある。
【0003】
現在、選択された周波数でブロードキャストする送信機を使用する多数の位置特定装置が存在する。これらの周波数は救助隊員によって監視することができ、行方不明の個体の位置特定において助けとなる。これらの装置には、海事産業で利用されるEPIRB、すなわち非常用位置指示無線標識(Emergency Position Indicating Radio Beacon)、航空機産業で使用されるELT、すなわち航空機用救命無線機(Emergency Locator Transmitter)、他の活動のレクリエーションにおいて個体によって使用されるPLB、すなわち救命用携帯無線機(Personal Locator Beacon)がある。これらの装置は、送信機を操作するために電池のような電力源を必要とする。これらの装置のうちの幾つかは小型ではなく、個体が容易に運搬可能でもない。さらに、これらの装置は通常、個体が問題が存在するおそれがある地域に行く予定であることを知っている場合でなければ、個体によって携行されることはない。
【0004】
個体が雪又は他の堆積物の下敷きになった場合、他の問題が存在する。視覚による識別は不可能であり、したがって他の技法を使用しなくてはならない。これらの状況では、行方不明の個体を位置特定するために、訓練を受けた犬又は熱センサが利用される。これらの技法はその特有の限界を有する。熱センサはそれほど長距離の動作範囲を有せず、訓練を受けた犬は常にすぐに利用可能であるわけではなく、水環境でも利用できない。
【0005】
個体が容易に携行することができ、その個体が意識不明である場合にも動作し、識別情報及び医療情報を救助隊に提供することができる位置特定システムが必要とされている。
【0006】
従来技術の記述
米国特許第6,963,283号は、小さい子供のような個体を追跡するのに使用する送信装置及び受信機を開示している。送信装置は小型で、自己充足型(self-contained)で、電池式であり、時計、ブレスレットに装着するか又は子供の衣服にピン留めすることができる。送信機は、リモートで起動するか又は装着者が単にパニックボタンを押すことによって起動することができる。子供が迷子になった場合、親又は他の大人は当局に送信機が動作している周波数を知らせ、衛星は送信機から受信した信号によって子供の位置を三角測量することができる。この装置は、装着者に関するいかなる医療情報又は他の識別情報も提供しない。また、この装置は動作するために、電池のような電力源を有しなければならない。
【0007】
米国特許出願公開第2007/0013525号は、雪崩等によって生き埋めにされた人を捜索及び位置特定する装置及び方法を開示している。下敷きになった人が携行する無線送信機が信号を発信し、受信機がそれらの信号を受信する。受信機は2つの動作モードを有する。第1のモードは捜索モードであり、受信機が下敷きになった人の概ねの位置を測定する。第2のモードはポイント位置特定モードであり、受信機が下敷きになった人の正確な位置を測定することができる。送信機は救助者に対して、送信機の装着者の身元又は健康状態に関するいかなる情報も提供しない。
【0008】
これらの参考文献は、本発明に係る、個体が容易に携行することができ、小型で、容易に携帯可能な送信機を教示も開示もしていない。従来技術に欠けているのは、個体が容易に携行することができると共に、動作するために内蔵式の電力源を必要としない送信装置である。
【0009】
さらに、この送信機は、個体の身元に関する情報及び個体に関する医療情報を含む。送信装置を携行する個体は、この装置を起動すること又は他の誰かが識別情報及び医療情報を取得することを意識しなくてもよい。
【発明の開示】
【0010】
GPS位置特定器又は救命用携帯無線機(PLB)のような特殊な機器を必要としない、個体が容易に携行することができる近接位置特定システムが開発された。近接位置特定システムは3つの主要構成要素を有する。第1の構成要素は、アンテナ、シリコンチップ、及び論理回路を含むPLSカードである。第2の構成要素は位置特定装置、すなわち受信機である。PLSカードは通常のクレジットカードのサイズ及び形状であることが好ましく、個体が財布の中に携帯することができる。またPLSカードは、その中にスマートカードチップ又は同様の装置も有することが好ましい。チップは個人を識別することができる情報を含む。健康管理、生体認証、金銭、及び通信のような追加情報もチップ上に記憶することができる。第3の構成要素はカードリーダである。カードリーダをPLSカードと併せて使用することによって、個体がPLSカードに記憶されている情報の読出し及び取出しをすることができる。PLSカード及び位置特定装置には、受動又は能動のトランスポンダを使用することができる。
【0011】
したがって、本発明の1つの目的は、容易に運搬可能な送信・記憶装置と、追跡又は位置特定装置とを含む、近接位置特定システムを提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、非常に多様な情報を記憶及び取り出し可能であり、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、装置に記憶されている特定の情報へのアクセスを制限する能力を有する、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0014】
本発明のなおさらなる目的は、受動及び/又は能動の電力供給を含む、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0015】
本発明のなおさらなる目的は、追跡装置による三角測量に応答する、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的及び利点は、以下の本発明の説明が、本発明のある実施形態が説明及び例として述べられる任意の添付の図面と併せて読まれる場合に、その説明から明らかになるであろう。本明細書に含まれるあらゆる図面は本明細書の一部を成し、本発明の例示的な実施形態を含むと共に、本発明の種々の目的及び特徴を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は種々の形態の実施形態を受容することができるが、現在のところ好ましいが限定ではない実施形態が、図面に示されると共に以下で説明される。ただし、本開示は本発明の例示であると見なされるべきであり、本発明を説明される特定の実施形態に限定するものではないということが理解される。
【0018】
ここで図1〜13を参照すると、本発明は3つの基本構成要素を有する近接位置特定システムとして示される。第1の構成要素は、近接位置特定システム(PLS)カード10(図1)、すなわちアンテナ14、シリコンチップ12、及び論理回路50を含む送信装置である。第2の構成要素は位置特定装置、すなわち受信機20(図4)である。PLSカード10は通常のクレジットカードのサイズ及び形状であることが好ましく、個体が財布の中に携帯することができる。第3の構成要素はカードリーダ30(図8)である。また、PLSカードは、その中にスマートカードチップ又は同様の情報記憶装置12も有することが好ましい。チップ12はカードの利用者に関する情報を含む。このタイプのカードの一例は電子医療IDスマートカード(E-Medical ID Smart Card)である。これらのカードはスマートカードチップ又は同様の情報記憶媒体と、カードリーダと通信するための装置とを含む。カードリーダは、スマートカードチップ又は同様の情報記憶装置と通信すると共に、この情報を容易にアクセスできる形態でユーザに提供するように設計される。情報記憶装置は、リーダ装置と受動的な方法又は能動的な方法で通信する。受動的な方法は、本明細書では、情報記憶装置をリーダ装置に近接して、又はリーダ装置内に配置することとして定義される。次に情報は、さらにいかなる動作又は入力も無しにリーダ装置に転送される。能動的な方法は、本明細書では、情報記憶装置をリーダ装置に近接して、又はリーダ装置内に配置することとして定義される。情報は、情報記憶装置からリーダ装置への情報の転送を制御するユーザ要求又は他の動作に基づいて、選択的にリーダ装置に転送される。カードリーダに転送された情報は、カードリーダ上に設けられたスクリーン32上に表示することができる。カードリーダは、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、又はPDAのような他の装置(図示せず)と通信すると共に、カードから取り出された情報をこれらの装置上に表示することができる。接続オプションには、USB通信、CF通信、シリアル通信、LAN通信、WAN通信、RWS232/485通信、及びグローバル通信が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、これらの他の装置はユーザに、カードに記憶されている関連情報を見つけると共にその情報にアクセスする能力を提供する。これらの他の装置は、関連情報のハードコピーが要求される場合にそれを提供することができるプリンタ又は他の装置(図示せず)と通信することができる。
【0019】
情報記憶装置に含まれる情報は、個人の医療情報及び個人の生体識別情報とすることができるが、それらに限定されるものではない。個人の生体識別情報には、個体の名前、住所、DOB、身長、体重、及び写真を含む。医療情報には、バイタルサイン、アレルギー、個体が現在服用しているか又は過去に服用した処方箋/薬剤、免疫、主治医、他の医師、健康記録/医療記録、臨床検査結果、外科的処置、個人的な医療指示、遺言のような事前指示、最近親者、宗教、保険契約、金銭情報、運転免許、車両登記等を含むことができる。したがって、個体のすべての記録が破壊される自然災害又は他の状況の場合においても、これらの記録のコピーが依然として維持され、それらに容易にアクセスすることができる。
【0020】
カードリーダ30によって、ユーザはキーパッド34又は他の入力装置を介して情報を入力することができ、次に情報記憶装置又はスマートカード10に含まれる特定の情報へのアクセスが提供される。ある個体がアクセスすることができる情報量は、情報記憶装置に含まれる情報の所有者によって付与されたその個体の権限及び許可のレベルによって決まる。例えば、スマートカード10の所有者が自動車事故に巻き込まれた場合、事故に応対したEMT又は医療補助者が被害者のカードをカードリーダ30に配置し、次にキーパッド34を使用して自身の識別情報又は認証情報を入力する。また、彼らは自身の指紋を生体検出器(bio-metric detector)36に入力するよう要求される場合がある。次に彼らは被害者の重要な医療情報を要求することができ、それによって、その個体を適切に手当てすることができる。
【0021】
別のタイプのカードリーダ40(図9)は、同時に2枚のカードを読み取ることができる。一方のカード10はその個体からの情報が必要とされる個体のカードとし、他方のカード11はある個体のカードからの特定の情報にアクセスする権限を有する、医師又は緊急医療補助員のような個体のカードとする。この状況において、医療補助者、EMT、又は他の救急隊員は、治療を必要とする個体のカードをカードリーダに挿入し、次に自身のカードをリーダ装置に挿入することによって、その個体のカードの情報記憶装置から特定の医療情報及び/又は他の情報を取り出す許可を付与される。その個体が病院に搬送されると、病院職員又は医師は、その個体のカードからの他のより広範囲にわたる情報にアクセスすることができるようになる。情報アクセスのレベルは、政府又は他の機関によって公布される特定の基準を遵守することによって制御することができる。また、カードの所有者は、どの個体が特定の情報にアクセスする権利を有するかを制御することもできる。
【0022】
好ましい実施形態では、カードリーダ40は、2つのスロット48及び49を有する。また、リーダ装置は、ディスプレイ42、キーパッド44、及び生体識別機(bio-metric identifier)46も有する。生体識別機は指紋検出器であることが好ましい。カードリーダは、カードに記憶されている情報に対し、無線によって又はカードに設けられた端子15に物理的に接触することによって、アクセスすることができる。端子15は、チップ12及びアンテナ14の両方に接続される。また、カードリーダは、自身の動作を制御するソフトウェアも含む。ソフトウェアは、個体のカード10の情報からその個体を識別し、どの個体がそのカードに含まれる情報にアクセスする権限を有するかを識別する。ある個体が最初に自身のカードを受け取るとき、カードにはその個体の名前、生年月日、及びピンコードが事前にプログラムされている。次にカードの所有者はカードのウェブサイトにログオンし、ピンコードを変更し、種々の個体に、カードの情報に対する特定のレベルのアクセス権を与えることができる。また、カードの所有者は、緊急連絡先、事前指示、個人の写真等のような情報を追加することもできる。カードの所有者は、現在服用している処方箋、医療検査結果、医療記録、バイタルサイン等のような医療情報を追加又は変更することはできない。この情報は医師のような権限を有する個体によってのみ追加又は変更することができる。この情報は通常、病院又は初期治療を行う医師の診療室で追加又は変更される。カードのウェブサイトにアクセスすることができるカードリーダは、これらの場所に存在する。個体のカードをこれらのリーダ装置のうちの1つに配置すると、そのカードを更新又は変更することができ、情報をウェブサイトからダウンロードすることができる。他の医師又は他の個体が権限保有者リストに追加されると、その新規の権限保有者は、個体がカードをカードリーダに挿入するとき、自動的に個体のカードに追加される。すべての個体の情報はカードに格納される。カード所有者に関する重要な情報(vital information)を取得するために、種々のデータベース又はウェブサイトにアクセスする必要はない。救急隊員又は他の権限を有する個体は、カードをリーダ装置に挿入するだけで、自身を識別し、彼らが必要とする情報を手に入れることができる。
【0023】
スマートカードのような情報記憶装置の実用化及び有用性は、2006年2月にSmart Card Allianceによって発表された、公開番号HC−06001号の「米国健康管理産業におけるスマートカードの適用(Smart Card Applications in the U.S. Healthcare Industry)」と題する論文に示されており、この文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0024】
PLSカードの位置特定機能は、高周波回路及び論理回路50、並びにカードの下層16に組み込まれるアンテナ14を含む。図1,3及び5〜7において種々のアンテナ構成が示される。また、カードは上層18も備える(図10及び11)。カードの上層18は通常、リーダ装置接触子13を有すると共に、その表面に刻印(branding)又は証印(indicia)を有する(図10)。位置特定機能は、カード内に組み込まれる能動的な又は受動的な電力供給によって起動する。能動的な電力供給の一例は太陽光発電器60(図2)である。この太陽光発電器は、光を電気エネルギーに変換する一連の光電池62から成る。このエネルギーは一連の蓄電器64に蓄えられる。光電池及び蓄電器は共に薄型且つ可撓性である。光電池及び蓄電器の厚みは、それらが組み込まれているカードの約半分である。光電池及び蓄電器は作動するために光を必要とするため、それらはいかなる不透明材料によっても覆われてはならない。これらの光電地を備えるカードの表面は、透光性の被覆剤でコーティングされるのが好ましい。通常の動作状態下では、位置特定機能を立ち上げる、すなわち始動させるのに約5分を要する。光電池が光にさらされる時間が長くなるほど、より多くの電気エネルギーが生成される。その電気エネルギーは蓄電器に蓄えられ、位置特定機能のより長い動作期間を提供することができる。
【0025】
位置特定機能を起動する別のシステムは、アンテナが特定の周波数の無線周波数(RF)信号を受信する受動的なシステムである。RF信号生成器がカードを起動することができる距離は、生成される信号の電力、すなわち強度によって決まる。電力レベル及び周波数範囲は、FCCによって制御及び調整される。種々の権限保有者が、個体からの距離に基づいて種々の電力レベルで起動周波数をブロードキャストする権限を与えられる。例えば、ある人が地上で行方不明になり、捜索隊が徒歩であるか又はATVに乗車している場合、起動周波数が送信される電力レベルは、カードを100フィートまでの範囲内で起動するように設定されるであろう。その人が海で行方不明になっている場合は、信号を飛行機又は船から送信できるように、起動範囲が大幅に広くなるように起動周波数の電力レベルが大幅に高くなるであろう。
【0026】
位置特定機能が起動すると、装置20がそれを追跡し、追跡装置からのカードの方向及び距離を与える。装置20には、位置特定器に対するPLSカードの位置を示すスクリーン22が設けられる。また、信号の強さも示される。キーパッド24が、ユーザが情報を入力するように位置特定器に設けられる。また、ライト又は他のインジケータ26も位置特定器に設けられる。例えば、これらのインジケータを信号の強さを指示するのに用いることができる。また、特定の位置を定めるために三角測量を使用することができ、それによって救助隊をその位置に派遣させることができる。また、捜索要員及び救急隊員も同様のカードを携行しているため、彼らが容易に追跡装置によって識別されると共に行方不明の個体から区別されるように、彼らのカードを特定の信号を送信するようにプログラムすることもできる。
【0027】
位置特定装置は、3点アンテナシステム60を使用することが好ましい。3点アンテナシステム60は、図12及び13に示されるように、約120度隔てられた3つの異なるアンテナを備える。これらの装置は通常、救助車の外側に搭載できるようにサイズ調整される。加えて、ハンドヘルドユニットも使用することができる。通常、1個体の位置を三角測量するために、少なくとも2つの位置特定装置が必要とされる。しかしながら、適切なソフトウェアによって、1つの位置特定装置のみを使用して行うことが可能である。
【0028】
位置特定装置は、高調波共振レーダ(Harmonic Resonance Radar)、すなわちHRRを利用することができる。HRRは通常、ダイポールアンテナ及びショットキーダイオードを使用する。装置が操作される周波数は、上記の構成要素、例えば配置、サイズ(インダクタンス)等の物理属性によって決まる。HRRの操作は、位置特定される人又は物体の概ねの方向を指す受信機20の半指向性アンテナを備える。特定の持続時間(オン時間)の高周波パルスが送信されると、パルスの送信が停止され、受信機がリスニングモードに入る。リスニングモードにおいて受信機は、PLSカードが送信されたパルスの範囲内にある場合、そのエコーをPLSカードから受信することができる。また、他のタイプの位置特定及び追跡システムも利用することができる。
【0029】
本発明の1つの特定の形態が示されたが、本明細書に説明及び提示される特定の形態又は構成に限定されるものではないことを理解されたい。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができること、並びに、本発明は本明細書及び本明細書に含まれるいかなる図面/図において提示及び説明されるものにも限定されると考えられるべきではないことが明らかであろう。
【0030】
当業者は、本発明をうまく適合して目的を遂行すると共に、上述した目的及び利点をそれらに内在するものと共に獲得することができることを容易に理解するであろう。本明細書に記載される実施形態、方法、手順、及び技法は現在の好ましい実施形態を表すが、それらは例示的であるように意図され、本発明の範囲を限定するように意図されるものではない。当業者は本発明の範囲内の変更及び他の使用を考え付くであろうが、それらは本発明の精神に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る、スマートチップ及びアンテナを備える送信・記憶装置の上面図である。
【図2】本発明に係る、光電池及び蓄電器を備える送信・記憶装置の底面図である。
【図3】本発明に係る、スマートチップ及び別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図4】車両に搭載することができる追跡装置の正面図である。
【図5】本発明に係る、スマートチップ及び別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図6】本発明に係る、スマートチップ及びさらに別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図7】本発明に係る、スマートチップ及び別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図8】カードリーダの正面図である。
【図9】2枚のカードを読み取ることができるカードリーダの正面斜視図である。
【図10】下層から分離した上層を示す、送信・記憶装置の上面図である。
【図11】下層から分離した上層を示す、別の実施形態の送信・記憶装置の上面図である。
【図12】ヘリコプターに設置されるPLS受信機の図である。
【図13】PLS受信機に接続されているアンテナを備える警察車両の図である。
【技術分野】
【0001】
ハリケーンカトリーナ及び2001年9月11日のテロリスト攻撃のような近年の惨事は、身動きが取れなくなったか、捕らえられたか、又は殺害すらされた多数の人々の位置を迅速に特定することができることの必要性を明確に示した。この必要性は、身につけて容易に携行することができる携帯可能装置を含む近接位置特定システム(PLS)を使用することによって満たすことができる。加えて、近接位置特定システムは、個人識別情報及び重要な医療情報も含むことができる。救出された個体がいかなる情報も提供することができない場合、この情報が権限を有する個体によってアクセスされ、救出された個体を識別すると共にその個体に適切な治療を提供するために使用される。
【背景技術】
【0002】
個体が行方不明であるときは常に、まず最も重要な問題はその個体を位置特定する方法である。今日では未開の地域に立ち入るほとんどの個体は、全地球測位システム(GPS)装置及び衛星電話の携帯端末を携行する。その個体が道に迷うか又は怪我を負った場合、GPS装置を使用して自身の経度及び緯度を測定し、自身の電話で救助を求めることができる。経度及び緯度の情報によって、救助隊は迅速にその個体を位置特定し、救出することができる。未開の地域に立ち入るすべての人がGPS装置と、携帯端末又は衛星電話を携行するわけではない。彼らが道に迷うか又は怪我を負ったとしても、その個体が所定の時間に特定の場所に戻ることができなくなった時まで当局は知らされることはない。当局に連絡する個体は、行方不明の個体の概ねの位置を知っている可能性もあるし、又は知らない可能性もある。また、行方不明の個体は、行くつもりであると言っていた地域とは異なる地域に行くことを選択した可能性もある。個体が長時間行方不明であるか又は海で行方不明になった場合、その個体を位置特定することは非常に難しい作業になる。今日まで個体を探し出すのに最も広く使用されてきた方法は、多数の人々を派遣して視覚的にその人を捜索することであった。これは非常に単調で時間のかかる作業である。別の問題はヒューマンエラーに関する問題である。捜索隊の成員は、飛行機又はボートから広大な地域を捜索している場合、容易に行方不明の個体を見落としてしまうおそれがある。
【0003】
現在、選択された周波数でブロードキャストする送信機を使用する多数の位置特定装置が存在する。これらの周波数は救助隊員によって監視することができ、行方不明の個体の位置特定において助けとなる。これらの装置には、海事産業で利用されるEPIRB、すなわち非常用位置指示無線標識(Emergency Position Indicating Radio Beacon)、航空機産業で使用されるELT、すなわち航空機用救命無線機(Emergency Locator Transmitter)、他の活動のレクリエーションにおいて個体によって使用されるPLB、すなわち救命用携帯無線機(Personal Locator Beacon)がある。これらの装置は、送信機を操作するために電池のような電力源を必要とする。これらの装置のうちの幾つかは小型ではなく、個体が容易に運搬可能でもない。さらに、これらの装置は通常、個体が問題が存在するおそれがある地域に行く予定であることを知っている場合でなければ、個体によって携行されることはない。
【0004】
個体が雪又は他の堆積物の下敷きになった場合、他の問題が存在する。視覚による識別は不可能であり、したがって他の技法を使用しなくてはならない。これらの状況では、行方不明の個体を位置特定するために、訓練を受けた犬又は熱センサが利用される。これらの技法はその特有の限界を有する。熱センサはそれほど長距離の動作範囲を有せず、訓練を受けた犬は常にすぐに利用可能であるわけではなく、水環境でも利用できない。
【0005】
個体が容易に携行することができ、その個体が意識不明である場合にも動作し、識別情報及び医療情報を救助隊に提供することができる位置特定システムが必要とされている。
【0006】
従来技術の記述
米国特許第6,963,283号は、小さい子供のような個体を追跡するのに使用する送信装置及び受信機を開示している。送信装置は小型で、自己充足型(self-contained)で、電池式であり、時計、ブレスレットに装着するか又は子供の衣服にピン留めすることができる。送信機は、リモートで起動するか又は装着者が単にパニックボタンを押すことによって起動することができる。子供が迷子になった場合、親又は他の大人は当局に送信機が動作している周波数を知らせ、衛星は送信機から受信した信号によって子供の位置を三角測量することができる。この装置は、装着者に関するいかなる医療情報又は他の識別情報も提供しない。また、この装置は動作するために、電池のような電力源を有しなければならない。
【0007】
米国特許出願公開第2007/0013525号は、雪崩等によって生き埋めにされた人を捜索及び位置特定する装置及び方法を開示している。下敷きになった人が携行する無線送信機が信号を発信し、受信機がそれらの信号を受信する。受信機は2つの動作モードを有する。第1のモードは捜索モードであり、受信機が下敷きになった人の概ねの位置を測定する。第2のモードはポイント位置特定モードであり、受信機が下敷きになった人の正確な位置を測定することができる。送信機は救助者に対して、送信機の装着者の身元又は健康状態に関するいかなる情報も提供しない。
【0008】
これらの参考文献は、本発明に係る、個体が容易に携行することができ、小型で、容易に携帯可能な送信機を教示も開示もしていない。従来技術に欠けているのは、個体が容易に携行することができると共に、動作するために内蔵式の電力源を必要としない送信装置である。
【0009】
さらに、この送信機は、個体の身元に関する情報及び個体に関する医療情報を含む。送信装置を携行する個体は、この装置を起動すること又は他の誰かが識別情報及び医療情報を取得することを意識しなくてもよい。
【発明の開示】
【0010】
GPS位置特定器又は救命用携帯無線機(PLB)のような特殊な機器を必要としない、個体が容易に携行することができる近接位置特定システムが開発された。近接位置特定システムは3つの主要構成要素を有する。第1の構成要素は、アンテナ、シリコンチップ、及び論理回路を含むPLSカードである。第2の構成要素は位置特定装置、すなわち受信機である。PLSカードは通常のクレジットカードのサイズ及び形状であることが好ましく、個体が財布の中に携帯することができる。またPLSカードは、その中にスマートカードチップ又は同様の装置も有することが好ましい。チップは個人を識別することができる情報を含む。健康管理、生体認証、金銭、及び通信のような追加情報もチップ上に記憶することができる。第3の構成要素はカードリーダである。カードリーダをPLSカードと併せて使用することによって、個体がPLSカードに記憶されている情報の読出し及び取出しをすることができる。PLSカード及び位置特定装置には、受動又は能動のトランスポンダを使用することができる。
【0011】
したがって、本発明の1つの目的は、容易に運搬可能な送信・記憶装置と、追跡又は位置特定装置とを含む、近接位置特定システムを提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、非常に多様な情報を記憶及び取り出し可能であり、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、装置に記憶されている特定の情報へのアクセスを制限する能力を有する、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0014】
本発明のなおさらなる目的は、受動及び/又は能動の電力供給を含む、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0015】
本発明のなおさらなる目的は、追跡装置による三角測量に応答する、容易に運搬可能な位置特定装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的及び利点は、以下の本発明の説明が、本発明のある実施形態が説明及び例として述べられる任意の添付の図面と併せて読まれる場合に、その説明から明らかになるであろう。本明細書に含まれるあらゆる図面は本明細書の一部を成し、本発明の例示的な実施形態を含むと共に、本発明の種々の目的及び特徴を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は種々の形態の実施形態を受容することができるが、現在のところ好ましいが限定ではない実施形態が、図面に示されると共に以下で説明される。ただし、本開示は本発明の例示であると見なされるべきであり、本発明を説明される特定の実施形態に限定するものではないということが理解される。
【0018】
ここで図1〜13を参照すると、本発明は3つの基本構成要素を有する近接位置特定システムとして示される。第1の構成要素は、近接位置特定システム(PLS)カード10(図1)、すなわちアンテナ14、シリコンチップ12、及び論理回路50を含む送信装置である。第2の構成要素は位置特定装置、すなわち受信機20(図4)である。PLSカード10は通常のクレジットカードのサイズ及び形状であることが好ましく、個体が財布の中に携帯することができる。第3の構成要素はカードリーダ30(図8)である。また、PLSカードは、その中にスマートカードチップ又は同様の情報記憶装置12も有することが好ましい。チップ12はカードの利用者に関する情報を含む。このタイプのカードの一例は電子医療IDスマートカード(E-Medical ID Smart Card)である。これらのカードはスマートカードチップ又は同様の情報記憶媒体と、カードリーダと通信するための装置とを含む。カードリーダは、スマートカードチップ又は同様の情報記憶装置と通信すると共に、この情報を容易にアクセスできる形態でユーザに提供するように設計される。情報記憶装置は、リーダ装置と受動的な方法又は能動的な方法で通信する。受動的な方法は、本明細書では、情報記憶装置をリーダ装置に近接して、又はリーダ装置内に配置することとして定義される。次に情報は、さらにいかなる動作又は入力も無しにリーダ装置に転送される。能動的な方法は、本明細書では、情報記憶装置をリーダ装置に近接して、又はリーダ装置内に配置することとして定義される。情報は、情報記憶装置からリーダ装置への情報の転送を制御するユーザ要求又は他の動作に基づいて、選択的にリーダ装置に転送される。カードリーダに転送された情報は、カードリーダ上に設けられたスクリーン32上に表示することができる。カードリーダは、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、又はPDAのような他の装置(図示せず)と通信すると共に、カードから取り出された情報をこれらの装置上に表示することができる。接続オプションには、USB通信、CF通信、シリアル通信、LAN通信、WAN通信、RWS232/485通信、及びグローバル通信が含まれるが、これらに限定されるものではない。また、これらの他の装置はユーザに、カードに記憶されている関連情報を見つけると共にその情報にアクセスする能力を提供する。これらの他の装置は、関連情報のハードコピーが要求される場合にそれを提供することができるプリンタ又は他の装置(図示せず)と通信することができる。
【0019】
情報記憶装置に含まれる情報は、個人の医療情報及び個人の生体識別情報とすることができるが、それらに限定されるものではない。個人の生体識別情報には、個体の名前、住所、DOB、身長、体重、及び写真を含む。医療情報には、バイタルサイン、アレルギー、個体が現在服用しているか又は過去に服用した処方箋/薬剤、免疫、主治医、他の医師、健康記録/医療記録、臨床検査結果、外科的処置、個人的な医療指示、遺言のような事前指示、最近親者、宗教、保険契約、金銭情報、運転免許、車両登記等を含むことができる。したがって、個体のすべての記録が破壊される自然災害又は他の状況の場合においても、これらの記録のコピーが依然として維持され、それらに容易にアクセスすることができる。
【0020】
カードリーダ30によって、ユーザはキーパッド34又は他の入力装置を介して情報を入力することができ、次に情報記憶装置又はスマートカード10に含まれる特定の情報へのアクセスが提供される。ある個体がアクセスすることができる情報量は、情報記憶装置に含まれる情報の所有者によって付与されたその個体の権限及び許可のレベルによって決まる。例えば、スマートカード10の所有者が自動車事故に巻き込まれた場合、事故に応対したEMT又は医療補助者が被害者のカードをカードリーダ30に配置し、次にキーパッド34を使用して自身の識別情報又は認証情報を入力する。また、彼らは自身の指紋を生体検出器(bio-metric detector)36に入力するよう要求される場合がある。次に彼らは被害者の重要な医療情報を要求することができ、それによって、その個体を適切に手当てすることができる。
【0021】
別のタイプのカードリーダ40(図9)は、同時に2枚のカードを読み取ることができる。一方のカード10はその個体からの情報が必要とされる個体のカードとし、他方のカード11はある個体のカードからの特定の情報にアクセスする権限を有する、医師又は緊急医療補助員のような個体のカードとする。この状況において、医療補助者、EMT、又は他の救急隊員は、治療を必要とする個体のカードをカードリーダに挿入し、次に自身のカードをリーダ装置に挿入することによって、その個体のカードの情報記憶装置から特定の医療情報及び/又は他の情報を取り出す許可を付与される。その個体が病院に搬送されると、病院職員又は医師は、その個体のカードからの他のより広範囲にわたる情報にアクセスすることができるようになる。情報アクセスのレベルは、政府又は他の機関によって公布される特定の基準を遵守することによって制御することができる。また、カードの所有者は、どの個体が特定の情報にアクセスする権利を有するかを制御することもできる。
【0022】
好ましい実施形態では、カードリーダ40は、2つのスロット48及び49を有する。また、リーダ装置は、ディスプレイ42、キーパッド44、及び生体識別機(bio-metric identifier)46も有する。生体識別機は指紋検出器であることが好ましい。カードリーダは、カードに記憶されている情報に対し、無線によって又はカードに設けられた端子15に物理的に接触することによって、アクセスすることができる。端子15は、チップ12及びアンテナ14の両方に接続される。また、カードリーダは、自身の動作を制御するソフトウェアも含む。ソフトウェアは、個体のカード10の情報からその個体を識別し、どの個体がそのカードに含まれる情報にアクセスする権限を有するかを識別する。ある個体が最初に自身のカードを受け取るとき、カードにはその個体の名前、生年月日、及びピンコードが事前にプログラムされている。次にカードの所有者はカードのウェブサイトにログオンし、ピンコードを変更し、種々の個体に、カードの情報に対する特定のレベルのアクセス権を与えることができる。また、カードの所有者は、緊急連絡先、事前指示、個人の写真等のような情報を追加することもできる。カードの所有者は、現在服用している処方箋、医療検査結果、医療記録、バイタルサイン等のような医療情報を追加又は変更することはできない。この情報は医師のような権限を有する個体によってのみ追加又は変更することができる。この情報は通常、病院又は初期治療を行う医師の診療室で追加又は変更される。カードのウェブサイトにアクセスすることができるカードリーダは、これらの場所に存在する。個体のカードをこれらのリーダ装置のうちの1つに配置すると、そのカードを更新又は変更することができ、情報をウェブサイトからダウンロードすることができる。他の医師又は他の個体が権限保有者リストに追加されると、その新規の権限保有者は、個体がカードをカードリーダに挿入するとき、自動的に個体のカードに追加される。すべての個体の情報はカードに格納される。カード所有者に関する重要な情報(vital information)を取得するために、種々のデータベース又はウェブサイトにアクセスする必要はない。救急隊員又は他の権限を有する個体は、カードをリーダ装置に挿入するだけで、自身を識別し、彼らが必要とする情報を手に入れることができる。
【0023】
スマートカードのような情報記憶装置の実用化及び有用性は、2006年2月にSmart Card Allianceによって発表された、公開番号HC−06001号の「米国健康管理産業におけるスマートカードの適用(Smart Card Applications in the U.S. Healthcare Industry)」と題する論文に示されており、この文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0024】
PLSカードの位置特定機能は、高周波回路及び論理回路50、並びにカードの下層16に組み込まれるアンテナ14を含む。図1,3及び5〜7において種々のアンテナ構成が示される。また、カードは上層18も備える(図10及び11)。カードの上層18は通常、リーダ装置接触子13を有すると共に、その表面に刻印(branding)又は証印(indicia)を有する(図10)。位置特定機能は、カード内に組み込まれる能動的な又は受動的な電力供給によって起動する。能動的な電力供給の一例は太陽光発電器60(図2)である。この太陽光発電器は、光を電気エネルギーに変換する一連の光電池62から成る。このエネルギーは一連の蓄電器64に蓄えられる。光電池及び蓄電器は共に薄型且つ可撓性である。光電池及び蓄電器の厚みは、それらが組み込まれているカードの約半分である。光電池及び蓄電器は作動するために光を必要とするため、それらはいかなる不透明材料によっても覆われてはならない。これらの光電地を備えるカードの表面は、透光性の被覆剤でコーティングされるのが好ましい。通常の動作状態下では、位置特定機能を立ち上げる、すなわち始動させるのに約5分を要する。光電池が光にさらされる時間が長くなるほど、より多くの電気エネルギーが生成される。その電気エネルギーは蓄電器に蓄えられ、位置特定機能のより長い動作期間を提供することができる。
【0025】
位置特定機能を起動する別のシステムは、アンテナが特定の周波数の無線周波数(RF)信号を受信する受動的なシステムである。RF信号生成器がカードを起動することができる距離は、生成される信号の電力、すなわち強度によって決まる。電力レベル及び周波数範囲は、FCCによって制御及び調整される。種々の権限保有者が、個体からの距離に基づいて種々の電力レベルで起動周波数をブロードキャストする権限を与えられる。例えば、ある人が地上で行方不明になり、捜索隊が徒歩であるか又はATVに乗車している場合、起動周波数が送信される電力レベルは、カードを100フィートまでの範囲内で起動するように設定されるであろう。その人が海で行方不明になっている場合は、信号を飛行機又は船から送信できるように、起動範囲が大幅に広くなるように起動周波数の電力レベルが大幅に高くなるであろう。
【0026】
位置特定機能が起動すると、装置20がそれを追跡し、追跡装置からのカードの方向及び距離を与える。装置20には、位置特定器に対するPLSカードの位置を示すスクリーン22が設けられる。また、信号の強さも示される。キーパッド24が、ユーザが情報を入力するように位置特定器に設けられる。また、ライト又は他のインジケータ26も位置特定器に設けられる。例えば、これらのインジケータを信号の強さを指示するのに用いることができる。また、特定の位置を定めるために三角測量を使用することができ、それによって救助隊をその位置に派遣させることができる。また、捜索要員及び救急隊員も同様のカードを携行しているため、彼らが容易に追跡装置によって識別されると共に行方不明の個体から区別されるように、彼らのカードを特定の信号を送信するようにプログラムすることもできる。
【0027】
位置特定装置は、3点アンテナシステム60を使用することが好ましい。3点アンテナシステム60は、図12及び13に示されるように、約120度隔てられた3つの異なるアンテナを備える。これらの装置は通常、救助車の外側に搭載できるようにサイズ調整される。加えて、ハンドヘルドユニットも使用することができる。通常、1個体の位置を三角測量するために、少なくとも2つの位置特定装置が必要とされる。しかしながら、適切なソフトウェアによって、1つの位置特定装置のみを使用して行うことが可能である。
【0028】
位置特定装置は、高調波共振レーダ(Harmonic Resonance Radar)、すなわちHRRを利用することができる。HRRは通常、ダイポールアンテナ及びショットキーダイオードを使用する。装置が操作される周波数は、上記の構成要素、例えば配置、サイズ(インダクタンス)等の物理属性によって決まる。HRRの操作は、位置特定される人又は物体の概ねの方向を指す受信機20の半指向性アンテナを備える。特定の持続時間(オン時間)の高周波パルスが送信されると、パルスの送信が停止され、受信機がリスニングモードに入る。リスニングモードにおいて受信機は、PLSカードが送信されたパルスの範囲内にある場合、そのエコーをPLSカードから受信することができる。また、他のタイプの位置特定及び追跡システムも利用することができる。
【0029】
本発明の1つの特定の形態が示されたが、本明細書に説明及び提示される特定の形態又は構成に限定されるものではないことを理解されたい。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができること、並びに、本発明は本明細書及び本明細書に含まれるいかなる図面/図において提示及び説明されるものにも限定されると考えられるべきではないことが明らかであろう。
【0030】
当業者は、本発明をうまく適合して目的を遂行すると共に、上述した目的及び利点をそれらに内在するものと共に獲得することができることを容易に理解するであろう。本明細書に記載される実施形態、方法、手順、及び技法は現在の好ましい実施形態を表すが、それらは例示的であるように意図され、本発明の範囲を限定するように意図されるものではない。当業者は本発明の範囲内の変更及び他の使用を考え付くであろうが、それらは本発明の精神に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る、スマートチップ及びアンテナを備える送信・記憶装置の上面図である。
【図2】本発明に係る、光電池及び蓄電器を備える送信・記憶装置の底面図である。
【図3】本発明に係る、スマートチップ及び別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図4】車両に搭載することができる追跡装置の正面図である。
【図5】本発明に係る、スマートチップ及び別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図6】本発明に係る、スマートチップ及びさらに別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図7】本発明に係る、スマートチップ及び別のアンテナ構成を備える送信・記憶装置の上面図である。
【図8】カードリーダの正面図である。
【図9】2枚のカードを読み取ることができるカードリーダの正面斜視図である。
【図10】下層から分離した上層を示す、送信・記憶装置の上面図である。
【図11】下層から分離した上層を示す、別の実施形態の送信・記憶装置の上面図である。
【図12】ヘリコプターに設置されるPLS受信機の図である。
【図13】PLS受信機に接続されているアンテナを備える警察車両の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療記録記憶装置であって、
有形のコンピュータ読取り可能媒体と、
プロセッサと、
外部リーダ装置とインターフェースするようになっているインターフェースユニットとを備え、
前記有形のコンピュータ読取り可能媒体は或るエンティティの医療情報を記憶し、
前記医療情報は前記コンピュータ読取り可能媒体に暗号化フォーマットで記憶され、
前記プロセッサは前記記憶されている医療情報を処理し、
また、前記プロセッサは、前記インターフェースユニットを介して前記医療情報を前記外部リーダ装置に通信するようになっている、医療記録記憶装置。
【請求項2】
前記インターフェースユニットは、前記リーダ装置とインターフェースするとき、前記記憶装置を起動するために前記リーダ装置から電力を受信するようになっている、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項3】
前記記憶装置はスマートカードチップを備える、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項4】
前記記憶装置はスマートカードチップを備えるSIMカードである、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項5】
前記リーダ装置が、前記医療情報にアクセスする許可を前記リーダ装置に与える権限付与装置に同時にインターフェースされている場合にのみ、前記医療情報を前記リーダ装置に通信する、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項6】
前記医療情報は、前記エンティティに関する複数のタイプの医療情報を含み、
前記記憶装置は、第1の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第1のタイプの医療情報を記憶し、また第2の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第2のタイプの医療情報を記憶し、
前記記憶装置は、前記リーダ装置に対し、前記権限付与装置が許可を与えることができるタイプの医療情報を通信する、請求項5に記載の医療記録記憶装置。
【請求項7】
実質的にクレジットカードのサイズ及び形状である、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項8】
前記医療情報は、バイタルサイン情報、アレルギー情報、前記エンティティが現在服用しているか又は過去に服用した1つ又は複数の薬剤に関する情報、免疫情報、主治医情報、他の医師の情報、医師訪問情報、健康記録情報又は医療記録情報、臨床検査結果情報、医療画像情報、外科的処置情報、個人的な医療指示情報、事前指示情報、処方箋情報、薬局履歴情報、緊急連絡先情報、遺言情報、遺言検認情報、最近親者情報、宗教情報、保険契約情報、金銭情報、個人の身分証明、写真、運転免許情報、人口統計情報、及び車両登記情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項9】
前記記憶装置が前記リーダ装置に対し、前記記憶装置に記憶されている医療情報を通信する場合、
前記権限付与装置を識別する前記記憶装置にログエントリが作成される、請求項5に記載の医療記録記憶装置。
【請求項10】
前記リーダ装置が、前記医療情報を変更する許可を与える権限付与装置に同時にインターフェースされている場合にのみ、
前記リーダ装置は、前記記憶装置に記憶されている前記医療情報に変更をもたらすことができる、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項11】
前記医療情報は、前記エンティティに関する複数のタイプの医療情報を含み、
前記記憶装置は、第1の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第1のタイプの医療情報を記憶し、また第2の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第2のタイプの医療情報を記憶し、
前記リーダ装置は、前記記憶装置に記憶されている、前記権限付与装置が許可を与えることができるタイプの医療情報に変更をもたらすことができる、請求項10に記載の医療記録記憶装置。
【請求項12】
前記エンティティは人間及び動物のうちの一方である、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項13】
医療記録記憶装置であって、
有形のコンピュータ読取り可能媒体と、
外部リーダ装置とインターフェースするようになっているインターフェースユニットとを備え、
前記有形のコンピュータ読取り可能媒体は或るエンティティの医療情報を記憶し、
前記医療情報は、所定の暗号化フォーマットで記憶され、
前記インターフェースユニットは、前記外部リーダ装置が、前記有形のコンピュータ読取り可能媒体の前記暗号化フォーマットを使用して前記記憶されている医療情報を処理することを容易にするようになっている、医療記録記憶装置。
【請求項14】
前記インターフェースユニットは、前記リーダ装置とインターフェースするとき、前記記憶装置を起動するために前記リーダ装置から電力を受信するようになっている、請求項13に記載の医療記録記憶装置
【請求項15】
前記記憶装置はスマートカードチップを備える、請求項13に記載の医療記録記憶装置。
【請求項16】
リーダ装置であって、
第1のインターフェースと、
第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェースは権限付与装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記第2のインターフェースは情報装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記第1のインターフェースが前記権限付与装置と前記動作可能な関係にあり、同時に、前記第2のインターフェースが前記情報装置と前記動作可能な関係にあり、
前記リーダ装置は、前記情報装置に記憶されている情報にアクセスする権限を取得するために、前記権限付与装置と通信するようになっている、リーダ装置。
【請求項17】
前記動作可能な関係は、直接の物理的接続及び直接の無線接続のうちの一方を含む、請求項16に記載のリーダ装置。
【請求項18】
前記権限付与装置及び前記情報装置はそれぞれスマートカードチップを備える、請求項16に記載のリーダ装置。
【請求項19】
前記情報装置は複数のタイプの情報を記憶し、
前記情報装置は、第1の許可要求に関して前記複数のタイプの情報のうちの第1のタイプの情報を記憶し、また第2の許可要求に関して前記複数のタイプの情報のうちの第2のタイプの情報を記憶し、
前記リーダ装置は、前記権限付与装置の許可レベルに基づいて、複数のタイプの情報へのアクセスを取得する、請求項16に記載のリーダ装置。
【請求項20】
情報装置に記憶されている情報にリーダ装置によってアクセスする方法であって、前記リーダ装置は、
第1のインターフェースと、
第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェースは権限付与装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記第2のインターフェースは情報装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記方法は、
前記第1のインターフェースを前記権限付与装置と前記動作可能な関係にすること、同時に、前記第2のインターフェースを前記情報装置と前記動作可能な関係にすること、及び、
前記情報装置によって記憶されているデータにアクセスする権限を取得するために、前記リーダ装置によって前記権限付与装置と通信すること、
を含む、情報装置に記憶されている情報にリーダ装置によってアクセスする方法。
【請求項21】
前記動作可能な関係は、直接の物理的接続及び直接の無線接続のうちの一方を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記権限付与装置及び前記情報装置はそれぞれスマートカードチップを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
リーダ装置であって、
生体認証装置と、
インターフェースとを備え、
前記生体認証装置は生体情報を取得するようになっており、
前記インターフェースは情報装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記インターフェースが前記情報装置と前記動作可能な関係になるとき、
前記リーダ装置は、前記生体認証装置によって取得された生体情報を前記情報装置に提出し、前記情報装置に記憶されている情報にアクセスする権限を取得する、リーダ装置。
【請求項24】
前記動作可能な関係は、直接の物理的接続及び直接の無線接続のうちの一方を含む、請求項23に記載のリーダ装置。
【請求項25】
前記情報装置はスマートカードチップを備える、請求項23に記載のリーダ装置。
【請求項26】
受動装置を位置特定する近接位置特定装置であって、
送信機と、
受信機と、
プロセッサとを備え、
前記送信機は、前記受動装置からの応答信号を起動するために、認証情報を符号化している無線信号を送信するようになっており、
前記受信機は、前記受動装置によって送信された無線信号を受信するようになっており、
前記プロセッサは、前記受信した無線信号に基づいて、前記近接位置特定装置に対する前記受動装置の位置を測定するようになっている、近接位置特定装置。
【請求項27】
前記認証情報を符号化している無線信号は、前記受動装置に電源供給する、請求項26に記載の近接位置特定装置。
【請求項28】
前記受動装置はスマートカードチップを備える、請求項26に記載の近接位置特定装置。
【請求項29】
三角測量及び電磁場位相測定のうちの一方を使用して前記受動装置の位置を測定する、請求項26に記載の近接位置特定装置。
【請求項30】
受動的に位置特定可能な装置であって、
無線受信機と、
電力装置と、
送信機とを備え、
前記無線受信機は認証情報を符号化している起動無線信号を受信するようになっており、
前記電力装置は、前記受信した無線信号のエネルギーを電力に変換するようになっており、
前記送信機は、前記変換された電力が供給されるようになっており、前記無線受信機が認証情報を符号化している起動無線信号を受信すると、前記受動的に位置特定可能な装置を位置特定するのに使用することができる位置特定信号を送信するようになっている、受動的に位置特定可能な装置。
【請求項31】
スマートチップを備える、請求項30に記載の受動的に位置特定可能な装置。
【請求項1】
医療記録記憶装置であって、
有形のコンピュータ読取り可能媒体と、
プロセッサと、
外部リーダ装置とインターフェースするようになっているインターフェースユニットとを備え、
前記有形のコンピュータ読取り可能媒体は或るエンティティの医療情報を記憶し、
前記医療情報は前記コンピュータ読取り可能媒体に暗号化フォーマットで記憶され、
前記プロセッサは前記記憶されている医療情報を処理し、
また、前記プロセッサは、前記インターフェースユニットを介して前記医療情報を前記外部リーダ装置に通信するようになっている、医療記録記憶装置。
【請求項2】
前記インターフェースユニットは、前記リーダ装置とインターフェースするとき、前記記憶装置を起動するために前記リーダ装置から電力を受信するようになっている、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項3】
前記記憶装置はスマートカードチップを備える、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項4】
前記記憶装置はスマートカードチップを備えるSIMカードである、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項5】
前記リーダ装置が、前記医療情報にアクセスする許可を前記リーダ装置に与える権限付与装置に同時にインターフェースされている場合にのみ、前記医療情報を前記リーダ装置に通信する、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項6】
前記医療情報は、前記エンティティに関する複数のタイプの医療情報を含み、
前記記憶装置は、第1の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第1のタイプの医療情報を記憶し、また第2の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第2のタイプの医療情報を記憶し、
前記記憶装置は、前記リーダ装置に対し、前記権限付与装置が許可を与えることができるタイプの医療情報を通信する、請求項5に記載の医療記録記憶装置。
【請求項7】
実質的にクレジットカードのサイズ及び形状である、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項8】
前記医療情報は、バイタルサイン情報、アレルギー情報、前記エンティティが現在服用しているか又は過去に服用した1つ又は複数の薬剤に関する情報、免疫情報、主治医情報、他の医師の情報、医師訪問情報、健康記録情報又は医療記録情報、臨床検査結果情報、医療画像情報、外科的処置情報、個人的な医療指示情報、事前指示情報、処方箋情報、薬局履歴情報、緊急連絡先情報、遺言情報、遺言検認情報、最近親者情報、宗教情報、保険契約情報、金銭情報、個人の身分証明、写真、運転免許情報、人口統計情報、及び車両登記情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項9】
前記記憶装置が前記リーダ装置に対し、前記記憶装置に記憶されている医療情報を通信する場合、
前記権限付与装置を識別する前記記憶装置にログエントリが作成される、請求項5に記載の医療記録記憶装置。
【請求項10】
前記リーダ装置が、前記医療情報を変更する許可を与える権限付与装置に同時にインターフェースされている場合にのみ、
前記リーダ装置は、前記記憶装置に記憶されている前記医療情報に変更をもたらすことができる、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項11】
前記医療情報は、前記エンティティに関する複数のタイプの医療情報を含み、
前記記憶装置は、第1の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第1のタイプの医療情報を記憶し、また第2の許可要求に関して前記複数のタイプの医療情報のうちの第2のタイプの医療情報を記憶し、
前記リーダ装置は、前記記憶装置に記憶されている、前記権限付与装置が許可を与えることができるタイプの医療情報に変更をもたらすことができる、請求項10に記載の医療記録記憶装置。
【請求項12】
前記エンティティは人間及び動物のうちの一方である、請求項1に記載の医療記録記憶装置。
【請求項13】
医療記録記憶装置であって、
有形のコンピュータ読取り可能媒体と、
外部リーダ装置とインターフェースするようになっているインターフェースユニットとを備え、
前記有形のコンピュータ読取り可能媒体は或るエンティティの医療情報を記憶し、
前記医療情報は、所定の暗号化フォーマットで記憶され、
前記インターフェースユニットは、前記外部リーダ装置が、前記有形のコンピュータ読取り可能媒体の前記暗号化フォーマットを使用して前記記憶されている医療情報を処理することを容易にするようになっている、医療記録記憶装置。
【請求項14】
前記インターフェースユニットは、前記リーダ装置とインターフェースするとき、前記記憶装置を起動するために前記リーダ装置から電力を受信するようになっている、請求項13に記載の医療記録記憶装置
【請求項15】
前記記憶装置はスマートカードチップを備える、請求項13に記載の医療記録記憶装置。
【請求項16】
リーダ装置であって、
第1のインターフェースと、
第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェースは権限付与装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記第2のインターフェースは情報装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記第1のインターフェースが前記権限付与装置と前記動作可能な関係にあり、同時に、前記第2のインターフェースが前記情報装置と前記動作可能な関係にあり、
前記リーダ装置は、前記情報装置に記憶されている情報にアクセスする権限を取得するために、前記権限付与装置と通信するようになっている、リーダ装置。
【請求項17】
前記動作可能な関係は、直接の物理的接続及び直接の無線接続のうちの一方を含む、請求項16に記載のリーダ装置。
【請求項18】
前記権限付与装置及び前記情報装置はそれぞれスマートカードチップを備える、請求項16に記載のリーダ装置。
【請求項19】
前記情報装置は複数のタイプの情報を記憶し、
前記情報装置は、第1の許可要求に関して前記複数のタイプの情報のうちの第1のタイプの情報を記憶し、また第2の許可要求に関して前記複数のタイプの情報のうちの第2のタイプの情報を記憶し、
前記リーダ装置は、前記権限付与装置の許可レベルに基づいて、複数のタイプの情報へのアクセスを取得する、請求項16に記載のリーダ装置。
【請求項20】
情報装置に記憶されている情報にリーダ装置によってアクセスする方法であって、前記リーダ装置は、
第1のインターフェースと、
第2のインターフェースとを備え、
前記第1のインターフェースは権限付与装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記第2のインターフェースは情報装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記方法は、
前記第1のインターフェースを前記権限付与装置と前記動作可能な関係にすること、同時に、前記第2のインターフェースを前記情報装置と前記動作可能な関係にすること、及び、
前記情報装置によって記憶されているデータにアクセスする権限を取得するために、前記リーダ装置によって前記権限付与装置と通信すること、
を含む、情報装置に記憶されている情報にリーダ装置によってアクセスする方法。
【請求項21】
前記動作可能な関係は、直接の物理的接続及び直接の無線接続のうちの一方を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記権限付与装置及び前記情報装置はそれぞれスマートカードチップを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
リーダ装置であって、
生体認証装置と、
インターフェースとを備え、
前記生体認証装置は生体情報を取得するようになっており、
前記インターフェースは情報装置と動作可能な関係になるようになっており、
前記インターフェースが前記情報装置と前記動作可能な関係になるとき、
前記リーダ装置は、前記生体認証装置によって取得された生体情報を前記情報装置に提出し、前記情報装置に記憶されている情報にアクセスする権限を取得する、リーダ装置。
【請求項24】
前記動作可能な関係は、直接の物理的接続及び直接の無線接続のうちの一方を含む、請求項23に記載のリーダ装置。
【請求項25】
前記情報装置はスマートカードチップを備える、請求項23に記載のリーダ装置。
【請求項26】
受動装置を位置特定する近接位置特定装置であって、
送信機と、
受信機と、
プロセッサとを備え、
前記送信機は、前記受動装置からの応答信号を起動するために、認証情報を符号化している無線信号を送信するようになっており、
前記受信機は、前記受動装置によって送信された無線信号を受信するようになっており、
前記プロセッサは、前記受信した無線信号に基づいて、前記近接位置特定装置に対する前記受動装置の位置を測定するようになっている、近接位置特定装置。
【請求項27】
前記認証情報を符号化している無線信号は、前記受動装置に電源供給する、請求項26に記載の近接位置特定装置。
【請求項28】
前記受動装置はスマートカードチップを備える、請求項26に記載の近接位置特定装置。
【請求項29】
三角測量及び電磁場位相測定のうちの一方を使用して前記受動装置の位置を測定する、請求項26に記載の近接位置特定装置。
【請求項30】
受動的に位置特定可能な装置であって、
無線受信機と、
電力装置と、
送信機とを備え、
前記無線受信機は認証情報を符号化している起動無線信号を受信するようになっており、
前記電力装置は、前記受信した無線信号のエネルギーを電力に変換するようになっており、
前記送信機は、前記変換された電力が供給されるようになっており、前記無線受信機が認証情報を符号化している起動無線信号を受信すると、前記受動的に位置特定可能な装置を位置特定するのに使用することができる位置特定信号を送信するようになっている、受動的に位置特定可能な装置。
【請求項31】
スマートチップを備える、請求項30に記載の受動的に位置特定可能な装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−518461(P2010−518461A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554521(P2008−554521)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/061930
【国際公開番号】WO2007/092957
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508242953)カード・ロジスティックス・プロパティーズ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CARD LOGISTICS PROPERTIES, LTD.
【住所又は居所原語表記】P.O.Box HM 822, Hamilton HM CX, Bermuda
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/061930
【国際公開番号】WO2007/092957
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508242953)カード・ロジスティックス・プロパティーズ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CARD LOGISTICS PROPERTIES, LTD.
【住所又は居所原語表記】P.O.Box HM 822, Hamilton HM CX, Bermuda
【Fターム(参考)】
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