説明

近距離通信方法およびシステム

近距離通信のための方法およびシステムを提供する。上記方法は、以下のステップを有する。カードリーダは、低周波数時間変動磁界信号を送信する。その周波数は、システムを調整なしで動作させる最高周波数f0以下である。上記信号は、カードリーダの識別情報を搬送する。モバイル無線デバイスは、低周波数信号を受信および検出し、これを電圧信号へ増幅し、端末が妥当距離範囲内に入ったか否かを判定する。電圧信号が電圧閾値Vt以上である場合は、端末は妥当カードスワープ範囲内に入っており、カードリーダの識別情報を取得し、自身の識別情報をカードリーダの識別情報とともにカードリーダへRFチャネルを介して送信する。カードリーダは、送信された情報を受信し、その情報内の識別情報が自身の識別情報と合致するか否かを比較する。合致する場合は、RFチャネルを介してモバイルRFデバイスとカードスワープを実施する。この手法により、モバイルRFデバイスを備えたRF通信端末とカードリーダとの間のデータ通信距離を所定範囲内で制御することができ、端末調整は必要なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関する。特に、近距離通信方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル端末の需要にともない、モバイル端末を用いることによって実現されるモバイル端末支払アプリケーションに対する喫緊の要求がある。現在、モバイル端末支払アプリケーションの多くの実装手段が存在し、それぞれにデメリットがある。今日においては、RF機能をモバイル端末の契約者識別モジュール(SIM)カード(SIMカードとして知られている)上に追加するか、または近距離通信モジュールをモバイル端末のマザーボード上に追加することにより、モバイル端末の近距離通信を実現する方法が存在する。上記のような方法により、モバイル端末は、チャージ、消費、取引、ID認証などができる超スマート端末となることができる。これは市場の活発な要求によく合致している。
【0003】
RF SIMカードに基づくモバイル端末の短距離通信手段は、簡易で携帯電話を変更する必要がないという利点があるので、幅広く関心をもたれている。この手段において、RF SIMカードは極超短波(UHF)技術に対応する。UHFを用いるRF SIMカード、特に2.4GHzのISM共通周波数(すなわち、工業、化学、医療周波数)を用いるRF SIMカードは、高動作周波数を有し、非常に小さいアンテナを備えているので、RF SIMカードがモバイル端末に組み込まれている場合でも、SIMカード内に小さいアンテナを配置すれば、十分に強い信号を送信することができる。RF SIMカードをモバイル端末内に組み込んだ場合でも、モバイル端末からRF信号を送信することもできる。当該分野で広く用いられ、カードリーダに適用されているRF(無線周波数)トランシーバチップにより、ほとんどのモバイル端末のRF信号を、別途増幅することなく高品質に受信することができる。これによりモバイル端末は、既存のモバイル端末への構造上の変更なく、近距離通信機能を備えることができる。しかし、携帯電話が異なると、その内部構造が異なるため、RF信号の伝送効率は様々に異なる。送信能力が強いモバイル端末のRF SIMカードは、数メートルのRF通信距離を有する。送信能力が弱いモバイル端末のRF SIMカードは、数センチのRF通信距離を有する。モバイル端末毎にRF信号減衰が大きく異なることを回避するためには、モバイル端末を較正しなければならない。すなわち、モバイル端末の減衰パラメータを、使用前にカードに記録しなければならない。RF SIMカードの主な課題は、較正する必要があることである。
【0004】
モバイル支払のための別の技術であるNFCは、ISO14443規格に基づく非接触カード技術から派生している。両技術の基本原則は、13.56MHzの磁界を用いて信号とエネルギーを送信することである。NFC技術の主な課題は以下の通りである。
【0005】
1.モバイル端末を変更して、信頼性の高い2方向データ通信を実現する必要がある。NFCの磁界コイルは、モバイル端末において用いられるカード、例えばSIMカードやSDカード(Secure Digital Memoryカード)/TF(TransFlash)に組み込むことができない。
【0006】
2.13.56MHzの周波数において、信号とエネルギーは、誘導コイルカップリングモードを用いることにより、カードリーダとカードの間で送信される。さらに、エネルギーと13.56MHzの振幅変調信号は、カードリーダからカードへの方向に同時送信される。カードリーダからカードへの方向においては、カードがコイルと面する領域への必要性が大きい。カードからカードリーダへの方向においては、カードはカードリーダへ、外部エネルギーによる直接送信磁界強度モードを介してではなく、カードのコイルの負荷変調モードを介して、短絡または開回路の状態の下で、信号を送信する。負荷変調のため、信号は、カードのコイルとカードリーダのコイルとの間の結合係数が高いほど、カードから送信される信号がカードリーダによってより容易にデコードされることが必要である。このモードは、カードのアンテナのサイズと領域に対する要望をさらに改善する。一方、13.56MHzの低周波数に起因して、結合コイルのサイズは比較的大きい。上記要因を考慮すると、NFCはモバイル端末内のアンテナコイルが十分に大きいことを必要とする。これにより、当該サイズのアンテナコイルは、例えばSIMカードやSD/TFカードのようにモバイル端末内で用いるためにカード内に配置することができない。さらに、モバイル端末内の金属物体またはその他の導体は、アンテナの受信効果と負荷変調効果を多大に阻害する。より良好な近距離通信効果を実現するためには、携帯電話の構造を、カスタマイズに適するように変更し、アンテナが最良の効果を発揮できるようにしなければならない。この変更は、例えば数ターンのアンテナをモバイル端末のバッテリーのバックカバーへ配置するか、またはアンテナをモバイル端末のマザーボードからバッテリーの背面へフレキシブルPCBを介して取り込み、アンテナ領域が通常バッテリーの領域に相当するようにすることによって、実現することができる。また、携帯電話のバックカバーは、非金属材質で作成することはできない。
【0007】
3.13.56MHzの周波数を有するNFCは、距離制御のため較正する必要がある。任意のモバイル端末に用いることができるNFCアンテナの種類が存在するが、13.56MHzの周波数を用いるため、同周波数における信号は、金属物体およびその他の導体を通過する際に、強い渦電流効果を生成する。信号強度は、モバイル端末の構造によって変化し、磁界強度がNFCの受信アンテナにおいて著しく変動し、較正なしに距離制御を実現することができなくなる。
【0008】
図1は、コイル受信回路が様々なモバイル端末内に配置され、同じ14443POS装置が一定の13.56MHz周波数のキャリアを維持している状況の下で検出された、電圧−距離曲線である。信号強度値は受信アンテナ誘導電圧が増幅された後に得られる値である。増幅係数は一定に維持されているので、強度値の距離に対する相対変化のみに着目する。異なる端末が受信した磁界強度の差異は30dBより大きく、同じ端末についての距離1cm〜10cm内の磁界強度変化は約25dBであり、携帯電話の違いにより生じる磁界強度変化は同じ端末についての距離1cm〜10cm内の磁界強度変化より大きいことが分かる。したがって、様々な端末について同じ閾値を用いて距離制御を実施することはできない。すなわち、較正なしに距離制御を実現することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決すべき技術課題は、近距離通信方法および近距離通信システムを提供し、近距離通信機能を有する様々なモバイル端末が、較正なしに電子支払のようなスワープ取引を実施できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
技術課題を解決するため、本発明は、少なくとも1つのカードリーダと少なくとも1つのモバイルRFデバイスを備える近距離通信システムのための近距離通信方法を提案する。同方法は以下のステップを有する。
【0011】
ステップa:カードリーダは、プリセットされた送信パラメータに基づき、低周波数交流磁気信号を送信する。低周波数交流磁気信号は、カードリーダの識別情報を搬送する。送信パラメータは、システムを較正する必要がないシステムの最高周波数f0以下である、低周波数交流磁気信号の周波数を含む。
【0012】
ステップb:モバイルRFデバイスは、各距離地点において低周波数交流磁気信号を受信および検出し、これを一定振幅を有し距離に対応する電圧信号へ増幅し、プリセットされた電圧閾値Vtを用いて、モバイルRFデバイスを搭載した端末がプリセットした有効距離範囲に入ったか否かを判定する。電圧閾値Vtは、モバイルRFデバイスを搭載した全端末について同一である。
【0013】
ステップc:受信した低周波数交流磁気信号に対応する電圧信号が電圧閾値Vt以上である場合は、モバイルRFデバイスを搭載した端末はプリセットされたカードスワープの有効範囲に入ったと判定し、モバイルRFデバイスはカードリーダの識別情報を受信した低周波数交流磁気信号から取得し、これを自身の識別情報とともにカードリーダへRFチャネルを介して送信する。
【0014】
ステップd:カードリーダは、モバイルRFデバイスがRFチャネルを介して送信した情報を受信し、その情報内のカードリーダの識別情報が自身の識別情報と合致する否かを比較する。合致する場合は、自身の識別情報をモバイルRFデバイスの識別情報と結合して結合アドレスとし、モバイルRFデバイスとRFチャネルを介してスワープ通信を実施する。
【0015】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。ステップaにおいて、較正なしのシステムの動作のための最高周波数f0は、以下のステップによって判定することができる。
【0016】
ステップa1:システムの距離制御目標値(Din,Dv)を判定する。Dinは、前記モバイルRFデバイスを搭載した全ての端末を0〜Dinの範囲内で確実にスワープできることを示す。Dvは、距離変動範囲を示す。カードをDin〜(Din+Dv)の範囲内でスワープすることができ、Din+Dvを超えるとスワープすることができない。
【0017】
ステップa2:カードリーダによって生じるモバイルRFデバイスの検出電圧の変動範囲δを判定する。
【0018】
ステップa3:モバイルRFデバイス自身によって生じる検出電圧の変動範囲δを判定する。
【0019】
ステップa4:周波数fにおける様々な一般端末および障害物の電圧−距離曲線を検出する。
【0020】
ステップa5:距離制御目標値(Din,Dv)に基づき、モバイルRFデバイスについての検出電圧の変動範囲δを判定する。δは、一般端末と障害物についての個々の電圧−距離曲線から得られる平均磁界強度減衰曲線勾配を有する電圧−距離制御曲線におけるDin地点に対応する電圧と(Din+Dv)地点に対応する電圧との間の電圧差に等しい。
【0021】
ステップa6:端末によって生じるモバイルRFデバイスについての検出電圧の変動範囲δを判定する。δは、端末の減衰特性によって生じるモバイルRFデバイスについての検出電圧の変動範囲を示し、δ=δ−δ−δである。
【0022】
ステップa7:距離制御範囲内の複数の距離点において、様々な一般端末と障害物との間の最大磁界強度差δを取得する。δがδより大きい場合は周波数fを下げてステップa4に戻り、δがδより小さい場合は周波数fを上げてステップa4に戻り、δがδと等しい場合は現在の検出周波数fはシステムの較正なしの最高動作周波数f0に等しいと判定する。
【0023】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。ステップaにおいて、送信パラメータは、変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brを含み、変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brは、以下のステップによって判定することができる。
【0024】
直流成分のない任意のエンコードモードを選択するステップ。
【0025】
無変調モードまたは振幅不変キャリア変調モードを選択するステップ。
【0026】
f0未満の動作周波数、変調モード、エンコードモードを選択した後、始めに一般ノイズ端末と容易に実装できるモバイルRFデバイス内の磁気検出および増幅のためのゲインパラメータを選択し、カードリーダが低周波数交流磁気信号を送信しない条件の下におけるモバイルRFデバイス内の検出電圧の固有ノイズ電圧振幅Vnを検出し、次に、カードリーダが選択した変調モードおよびエンコードモードを用いて低周波数交流磁気信号を送信するときモバイルRFデバイスの検出電圧Vrを測定し、Vr/Vn>SNR(SNRはモバイルRFデバイスの信号対ノイズ比)を満たすように送信磁気誘導強度振幅Brを選択するステップ。
【0027】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。ステップbにおいて、プリセットされた電圧閾値Vtは、以下のステップによって判定することができる。
【0028】
ステップb1:選択された送信パラメータの下で、様々な一般端末および障害物についての電圧−距離曲線を測定する。送信パラメータは、低周波数交流磁気信号の周波数、変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brを含む。
【0029】
ステップb2:基準電圧−距離曲線を取得する。基準電圧−距離曲線は、一般端末および障害物についての電圧−距離曲線から得られる平均値であり、上端から下端までの電圧振幅差δ/2が一般端末の曲線におけるものと同一である。
【0030】
ステップb3:モバイルRFデバイスについての検出電圧閾値Vtを選択する。この値は、基準電圧−距離曲線上のVtである(Din+Dv/2)地点に対応する。
【0031】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。低周波数交流磁気信号の周波数は、極超低周波数帯または超低周波数帯または低周波数帯にセットされ、極超低周波数帯は300Hz〜3000Hzの範囲、前低周波数帯は3KHz〜30KHzの範囲、低周波数帯は30KHz〜300KHzの範囲である。
【0032】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。低周波数交流磁気信号の周波数は、300Hz〜50KHzである。
【0033】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。低周波数交流磁気信号の周波数は、500Hz、1KHz、1.5KHz、2KHz、2.5KHz、3KHz、4KHz、5KHz、10KHz、20KHz、または30KHzである。
【0034】
上記方法はさらに以下の特徴を有する。エンコードモードは、マンチェスターコード、差分マンチェスターコード、またはゼロ復帰コードであり、変調モードは、ON−OFFキーイング、位相シフトキーイング、または周波数シフトキーイングである。
【0035】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも1つのカードリーダと少なくとも1つのモバイルRFデバイスを備えた近距離通信システムを提案する。
【0036】
カードリーダは、プリセットされた送信パラメータに基づき低周波数交流磁気信号を送信し、低周波数交流磁気信号は、カードリーダの識別情報を搬送し、送信パラメータは、システムを較正する必要がないシステムの最高動作周波数f0以下である低周波数交流磁気信号の周波数を含み、カードリーダは、RFチャネルを介してモバイルRFデバイスが送信した情報を受信し、その情報に含まれるカードリーダの識別情報が自身の識別情報と合致するか否かを比較し、合致する場合は自身の識別情報をモバイルRFデバイスの識別情報と結合して結合アドレスとし、RFチャネルを介してモバイルRFデバイスとスワープ通信を実施する。
【0037】
モバイルRFデバイスは、各距離点において低周波数交流磁気信号を受信および検出し、これを一定振幅を有し距離に対応する電圧信号へ増幅し、プリセットされた電圧閾値Vtを用いて、モバイルRFデバイスを搭載した端末がプリセットされた有効距離範囲内に入ったか否かを判定し、電圧閾値Vtは、モバイルRFデバイスを搭載した全端末について同一であり、受信した低周波数交流磁気信号に対応する電圧信号が電圧閾値Vt以上である場合は、モバイルRFデバイスは受信した低周波数交流磁気信号からカードリーダの識別情報を取得し、これを自身の識別情報とともにカードリーダへRFチャネルを介して送信し、RFチャネルを介してカードリーダとスワープ通信を実施する。
【0038】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。カードリーダは、少なくとも1つの低周波数送信コイル、少なくとも1つの駆動回路、少なくとも1つのエンコード回路、少なくとも1つの第1メインプロセッサ、少なくとも1つのRF送受信回路、少なくとも1つのRFアンテナを備え、低周波数送信コイル、駆動回路、エンコード回路、第1メインプロセッサ、RF送受信回路、RFアンテナは、直列接続されている。モバイルRFデバイスは、少なくとも1つの低周波数磁気誘導回路、少なくとも1つの低周波数増幅回路、少なくとも1つの閾値判定復調回路、少なくとも1つの第2メインプロセッサ、少なくとも1つのRF送受信回路、少なくとも1つのRFアンテナを備え、低周波数磁気誘導回路、低周波数増幅回路、閾値判定復調回路、第2メインプロセッサ、RF送受信回路、RFアンテナは、直列接続されている。
【0039】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。変調回路がカードリーダの駆動回路とエンコード回路との間に設けられている。
【0040】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数送信コイルは、エナメル線で形成されたコイルまたはPCBコイルでもよい。
【0041】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数送信コイルの巻数は、10以上でもよい。
【0042】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数送信コイルの巻数は50〜500でもよい。
【0043】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数送信コイルは、フェライト磁石コアまたは鉄コアで満たしてもよい。
【0044】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数送信コイルによって囲まれた領域は、最広部分において、モバイルRF端末の幅よりも広い幅を有する。
【0045】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数コイルによって囲まれた領域部分は、直径3cmの円領域または3cm×3cmの矩形領域を少なくとも含む。
【0046】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。低周波数磁気誘導回路は、PCBコイル、エナメル線で作成されたコイル、ホールデバイス、または巨大磁気抵抗デバイスでもよい。
【0047】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。モバイルRFデバイスは、モバイル端末内に配置してもよい。
【0048】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。モバイルRFデバイスは、モバイル端末のSIMカード内、UIMカード内、USIMカード内、TFカード内、またはSDカード内に配置してもよい。
【0049】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。モバイル端末は、携帯電話、携帯情報端末、またはノートブックコンピュータでもよい。
【0050】
上記システムはさらに以下の特徴を有する。識別情報は、認証コードである。
【発明の効果】
【0051】
本発明は、モバイルRFデバイスを備えるRF通信端末(例えばRF SIMカードを備える携帯電話)とカードリーダの間のデータ通信距離を、所与の範囲内で、端末を較正する必要なしに品質良く制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】コイル受信回路が様々なモバイル端末に組み込まれた場合、同じ14443POS装置が一定の13,56MHz周波数のキャリアを維持する状況の下で検出される、電圧−距離曲線である。
【図2】本発明に係る近距離通信方法に基づき、較正する必要なしに最高周波数f0を選択するシステムの構造ブロック図である。
【図3】距離制御目標値(Din,Dv)によって決定される、システムの総受信検出電圧の変動範囲δAを示す図である。
【図4】一般的な端末と障害物およびこれらの間の変動範囲δについての、電圧−距離曲線を示す図である。
【図5】3.3KHz周波数における一般的なモバイル端末についての電圧−距離曲線を示す。
【図6】変調のない直接ベースバンド送信を介してモバイルRFデバイス内で検出された受信電圧信号および正弦波FSK変調モードを介した受信電圧信号についての電圧波形を示す。
【図7】基準電圧−距離曲線を取得する方法を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る近距離通信方法の構造図である。
【図9】カードリーダの低周波数送信部を示す図である。
【図10】カードリーダの低周波数データフレームフォーマットを示す図である。
【図11】コイル受信回路が様々なモバイル端末内に配置された場合、信号源が低周波数送信コイルを介して1KHzの一定磁界を送信する状況の下で検出される、電圧−距離曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
始めに、以下で説明する端末は、モバイルRFデバイスを標準搭載した端末であるが、移動可能端末でもある。すなわち、例えば携帯電話のようなモバイル端末である。距離とは、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間の距離のことである。すなわち、カードリーダとモバイルRFデバイスを搭載した端末との間の距離である。
【0054】
短距離で通信する、RFデバイス(特にRFカード、例えば端末内に組み込まれたRF SIMカード)とカードリーダ装置との間の距離を制御する課題の観点から、本発明は、低周波数交流磁界を送信しRF信号を送受信する機能を有するカードリーダと、カードリーダに対応する、低周波数交流磁界誘導を受信しRF信号を送受信する機能を有するモバイルRFデバイスとを備えた近距離通信システムを提案する。本発明はまた、システムに対応する近距離通信方法を提案する。本発明に基づき、種々の端末を貫通するときの減衰変化が少ない低周波数交流磁界の特性を利用することにより、距離を制御することができる。端末を効果的に貫通して2方向通信を実現する高周波数RFにより、通信を実施することができる。システムは、プリセットした閾値判定法により、較正なしで距離検出および制御を実現する。すなわち、カードリーダは、プリセット送信パラメータに基づき、低周波数交流信号を送信する。磁界は、様々な距離点においてモバイルRFデバイスによって検出され、一定振幅値を有し距離に対応する電圧信号へ増幅される。次に、プリセット電圧閾値Vtを用いて、端末が所定の有効距離範囲に入ったか否かが判定される(有効距離範囲は、許容可能なカードスワープ範囲を示す)。電圧閾値Vtは、全ての端末について同一であり、較正する必要はない。本発明は、低周波数1方向通信とRF2方向通信を組み合わせる方法により、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間のみの結合を実現する。結合の後、RFチャネルを介して、多量のデータをともなう2方向高速通信を実現することができる。本発明のシステムは、モバイルRFデバイス(例えばRF SIMカードを搭載した携帯電話)とカードリーダとの間のデータ通信距離を、所与範囲に高品質に制御することができ、端末を較正する必要はない。
【0055】
本発明の原理と特性を、図面とともに説明する。提示する例は、本発明を説明するためのみのものであり、本発明の範囲を限定する意図ではない。
【0056】
本発明の近距離通信方法は、少なくとも1つのカードリーダと少なくとも1つのモバイルRFデバイスを備えた近距離通信システムに適用される。同方法は、以下のステップa、ステップb、ステップc、ステップdの4ステップを有する。これら4ステップを以下にそれぞれ説明する。
【0057】
ステップa:カードリーダは、プリセット送信パラメータに基づき、低周波数交流磁気信号を送信する。低周波数交流磁気信号は、カードリーダの識別情報を伝送する。送信パラメータは、システムを較正する必要がないシステムの最高周波数f0以下である低周波数交流磁気信号の周波数を含む。識別情報は、識別コードIDでもよい。
【0058】
ステップaにおいて、低周波数交流磁気信号の周波数は、低周波数交流信号の周波数スペクトル上の3dB帯域の周波数上限に対応する周波数を指すことに留意されたい。
【0059】
低周波数磁界の周波数が低いほど、様々な種類の端末を貫通した後の信号の減衰変化が小さくなる。この特性に鑑みて、変化が十分小さい周波数点が、周波数点選択システム内で選択され(図2に示すように)、較正なしの距離制御を実現する。低周波数交流磁気信号は、標準信号源を用いる標準磁界送信コイルによって送信される。低周波数交流磁気信号は、様々な一般モバイル端末および障害物において受信される。次に送信周波数は、周波数点f0が見つかるまで調整される。これにより、モバイルRFデバイス(モバイル端末内に搭載されている)が受信した電圧(この電圧は、低周波数交流磁気信号による増幅によって取得された電圧信号であり、この電圧信号は一定振幅を有し、距離に対応する)が送信コイルによって形成される平面の中心点と同一の距離を有する状況の下で、様々な端末および障害物間の磁界変化は、概ねプリセット変動範囲δに等しくなる。周波数点f0と周波数範囲は、システムが較正を要さない周波数範囲であり、システムはいずれの端末も較正する必要はない。動作周波数点がf0超である場合、システムを較正する必要がある。f0超の動作周波数点が多いほど、較正を要する端末が多くなり、較正がより複雑になる。周波数点の選択は、1回のみの動作である。一度選択すれば、修正する必要はない。
【0060】
図2は、本発明の近距離通信方法に基づき最高周波数f0を選択するシステムの構造ブロック図である。この周波数において、システムを較正する必要はない。図2に示すように、周波数点選択システムは以下を備える。信号源505と低周波数磁界送信コイル504を備える送信システム;低周波数受信モジュール502を有する一般モバイル端末501、障害物、信号強度検出器503(電圧計、オシログラフ、周波数スペクトル計、など)を備える受信システム。信号源505は、様々な周波数、様々な波形、様々な振幅の信号を正確に生成する。周波数点を選択する原理は以下の通りである。信号源505は、一定振幅で周波数fを有する正弦波信号を生成する。信号は送信コイル504によって送信され、低周波数受信モジュール502によって受信される。低周波数受信モジュール502は、選択された一般モバイル端末501および障害物内に配置されている。受信した低周波数信号が、特別の信号線を介して信号強度検出器503によって受信される。信号強度検出器503は、受信電圧を検出する。モバイル端末または障害物についての周波数fにおける距離の関数としての検出電圧の変化曲線は、モバイル距離(以下では電圧−距離曲線と呼ぶ)の距離を変化させることによって取得することができる。モバイル端末または障害物を置き換えることにより、複数のモバイル端末について複数の曲線が得られる。周波数fを変更することにより、異なる曲線が得られる。
【0061】
ステップaにおいて、較正なしのシステム動作の最高周波数f0は、以下のステップによって判定することができる。
【0062】
ステップ101:距離制御目標値(Din,Dv)を判定する。Dinは、モバイルRFデバイスを搭載した全端末が0〜Dinの範囲で確実にカードをスワープできることを示す。Dvは距離変動範囲を示す。Din〜(Din+Dv)の範囲内でカードをスワープすることができ、Din+Dvを超えた範囲ではスワープすることはできない。
【0063】
例えば、(5cm,5cm)は、全端末が5cm未満の範囲内で確実にカードをスワープでき、5cm〜10cmの範囲内でスワープを許可され、10cm超ではカードをスワープすることが認められないことを示す。距離制御目標値は、特定のアプリケーションによって判定することができる。(0〜Din+Dv)は、距離制御範囲として参照される。
【0064】
ステップ102:カードリーダによって生じたモバイル周波数デバイスの検出電圧の変動範囲δを判定する。
【0065】
カードリーダの送信回路のパラメータ変動は、送信磁界強度の変動をもたらす。これにより、モバイルRFデバイスの検出電圧の変動が生じる。パラメータは、送信ドライバ電圧変動、コイルパラメータ変動、温度影響、などを含む。δは、カードリーダの設計プロセスおよび製造プロセスの間に制御される。変動は、製造プロセスの間に較正することができる。低周波数送信回路の低動作周波数により、δを例えば4dB以内に良好に制御することができる。
【0066】
ステップ103:モバイルRFデバイス自身によって生じる検出電圧の変動範囲δを判定する。
【0067】
モバイルRFデバイス自身の低周波数受信回路のパラメータ変動は、最終検出出力電圧の変動をもたらす。パラメータは、受信アンテナのエラー、増幅器ゲインのエラー、比較器またはADのエラー、温度効果およびノイズ、などを含む。δは、モバイルRFデバイスの設計プロセスおよび製造プロセスの間に制御することができる。変動は、製造プロセスの間に較正することができる。モバイルRFデバイスの低周波送信回路の動作周波数は非常に低いので、δを例えば4dB以内に良好に制御することができる。
【0068】
ステップ104:周波数fにおける様々な一般端末および障害物の電圧−距離曲線を検出する。
【0069】
ステップ104を開始する前に準備を完了することができる。すなわち、端末と障害物を選択することである。一般端末を選択する原理は、端末金属または導体構造の数に基づき選択することである。これはすなわち、金属構造の数が多いほど、減衰振幅が小さくなるということである。例えば、プラスチック筐体、金属筐体、厚い金属筐体、薄い金属筐体、大サイズ端末、小サイズ端末などを選択することができる。一般端末の数は厳密には制約されない。一般端末の選択により、端末によって生じる低周波数交流磁界信号の減衰特性を除去することができる。個々のモバイル端末の多大な差異を回避するため、アプリケーションにおいてモデル認証をモバイル端末へ適用し、支払アプリケーションをサポートする全モバイル端末についてカードスワープ検出を実施し、そのモデルのモバイル端末の減衰特性が要件に合致することを判定するようにすることができる。一般障害物は、モバイル端末の様々な従来材料から選択することができる。例えば、標準形状を有するプラスチック、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼、などである。一般障害物は、モバイル端末の減衰特性を検出して減衰効果を測定するため、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間に、等価障害物として配置される。
【0070】
ステップ105:距離制御目標値(Din,Dv)に基づき、モバイルRFデバイスの検出電圧の変動範囲δを判定する。δは、一般端末と障害物により個々の電圧−距離曲線から得られる平均磁界強度減衰曲線勾配を有する電圧−距離曲線における、ポイントDinに対応する電圧とポイント(Din+Dv)に対応する電圧との間の差分に等しい。
【0071】
図3は、システムの総受信検出電圧の変動範囲δを示す図である。これは、距離制御目標値(Din,Dv)によって判定される。図3に示すように、ポイント(Din+Dv)は電圧V2に対応し、ポイント(Din+Dv)は電圧V1に対応し、したがってδ=V1−V2である。
【0072】
ステップ106:端末によって生じるモバイルRFデバイスの検出電圧の変動範囲δを判定する。パラメータδは、端末の減衰特性によって生じる、モバイルRFデバイスの検出電圧の変動範囲を示し、δ=δ−δ−δである。
【0073】
ステップ107:距離制御範囲内の距離が異なるポイントにおける様々な一般端末および障害物間の最大磁界強度差δ(変動領域)を取得する。δがδより大きい場合は、周波数fを下げてステップa4を開始する。δがδより小さい場合は、周波数fを上げてステップa4を開始する。δがδに等しい場合は、現在の検出周波数fは、較正なしのシステム最高周波数f0に等しい。
【0074】
図4は、一般端末および障害物の電圧−距離曲線および変動範囲δの図である。図4に示すように、減衰が最大の端末または障害物についての電圧−距離曲線を、最大減衰曲線と呼ぶ。減衰が最小の端末または障害物についての電圧−距離曲線を、最小減衰曲線と呼ぶ。最大減衰曲線と最小減衰曲線で囲まれた空間を、一般端末と障害物の電圧−距離曲線分布領域と呼ぶ。任意の距離Dは、最小減衰曲線における電圧V3に対応し、最大減衰曲線における電圧V4に対応する。したがって、δ=V3−V4である。
【0075】
したがって、距離制御目標値を制約する状況の下において、較正なしのシステム動作の最大周波数f0を判定することができる。システムは、変調モードを用い、または直接送信ベースバンド信号モードを用いることができる。距離制御は、システム動作の主要周波数成分がf0を超えない限り、較正なしで実施することができる。
【0076】
例として、f0の判定プロセスを説明する。図5は、3.3KHzの周波数fにおける5種類の一般モバイル端末の電圧−距離曲線を示す。図5に示すように、システムの距離制御目標値は、(5cm,5cm)であり、システムの0〜10cmの距離領域における電圧変化は約40dbである。カードリーダとモバイルRFデバイスによって生じるモバイルRFデバイスの検出電圧の変動範囲は、4dBである。すなわち、δ=δ=4dB、δ=20dB、δ=δ−δ−δ=12dBである。様々な曲線上の様々な距離点の最大変動が約12dBである場合、5つの端末を想定すれば、システム内で用いられる全ての端末を考慮することになり、較正なしのシステム最大周波数f0を3.3KHzと判定できる。
【0077】
ステップaにおいて、送信パラメータは、変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導郷土振幅Brを含む。送信パラメータを選択する一般原理は、全ての距離点において、モバイルRFデバイスが検出し増幅した後にカードリーダが送信する低周波数交流磁気信号が、一定振幅を有し距離に対応する電圧信号となるようにすることである。図6は、変調なしの直接ベースバンド送信を介して受信した電圧信号、および正弦波FSK変調を施した受信電圧信号の電圧波形図を示す。図6aは、変調なしの直接ベースバンド送信を介した受信電圧信号波形図である。図6bは、正弦波FSK変調を施した受信電圧信号波形図である。図6に示すように、検出電圧信号は、変調情報を含む可変電圧信号であり、信号は直流成分のない交流電圧信号である場合もあるし、直流成分を含む電圧信号である場合もある。一定の振幅は、各送信シンボルについての交流成分の最大変化振幅が一定であることを示す。
【0078】
送信パラメータの変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brは、以下のステップa11〜a13を通じて選択することができる。
【0079】
ステップa11:直流成分のないエンコードモードの1つを選択する。例えば、マンチェスターコード、差分マンチェスターコード、ゼロ復帰コード、などである。
【0080】
ステップa12:無変調モードまたは振幅不変キャリア変調モードを選択する。キャリア変調モードは、任意の振幅不変変調モードを選択することができる。例えば、キャリアは正弦波、パルス、三角波などを用いることができる。変調モードは、ON−OFFキーイング(OOK)、位相シフトキーイング、または周波数シフトキーイング(FSK)などを選択することができる。無変調モードを用いる場合、エンコード後のベースバンド信号は、駆動回路によって直接駆動され、送信コイルによって送信される。
【0081】
ステップa13:送信磁気誘導強度振幅Brを選択する。方法は以下の通りである。選択したf0未満の動作周波数、変調モード、エンコードモードにおいて、始めに一般ノイズ端末と容易に得られるモバイルRFデバイスにおける磁気検出および増幅のためのゲインパラメータを選択し、カードリーダが低周波数磁気信号を送信しない状況の下でのモバイルRFデバイスにおける検出電圧の固有ノイズ電圧振幅Vnを検出する。次に、カードリーダが選択した変調モードとエンコードモードを用いて低周波数交流磁気信号を送信したとき、モバイルRFデバイスの検出電圧Vrを測定し、Vr/Vn>SNRを満たすように、送信磁気誘導強度振幅Brを選択する。SNRは、モバイルRFデバイスの信号対ノイズ比である。SNR値が大きいほどよい。しかし、SNR値が大き過ぎると、カードリーダの送信パワーが大き過ぎて、実装することが難しくなる。通常の値として、SNR=10などを選択することができる。SNRが決定されると、上記モードによってBrを決定することができる。
【0082】
ステップb:モバイルRFデバイスは、各距離点において低周波数交流磁気信号を受信および検出し、一定振幅を有し距離に対応する電圧信号へ増幅する。次に、プリセット電圧閾値Vtを用いて、モバイルRFデバイスを搭載した端末が所定の有効距離範囲に入ったか否かを判定する。電圧閾値Vtは、モバイルRFデバイスを搭載した全端末について同一である。
【0083】
ステップbにおいて、プリセット電圧閾値Vtは、以下のステップ201〜203によって判定することができる。
【0084】
ステップ201:選択した送信パラメータにおいて、様々な一般端末および障害物についての電圧−距離曲線を測定する。送信パラメータは、低周波数交流磁気信号の周波数、変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brを含む。
【0085】
ステップ202:基準電圧−距離曲線を取得する。基準電圧−距離曲線は、図7に示すような、一般端末曲線の上端および下端からの電圧振幅差δ/2を有する、一般端末および障害物についての電圧−距離曲線から得られる平均値である。
【0086】
ステップ203:図7に示すような、モバイルRFデバイスについての検出電圧閾値電圧Vtを選択する。ポイント(Din+Dv/2)に対応する電圧は、基準電圧−距離曲線上のVtである。
【0087】
ステップc:受信した低周波数交流磁気信号に対応する電圧信号がプリセット電圧閾値Vt以上である場合、モバイルRFデバイスを搭載した端末は、カードをスワープするためのプリセット有効範囲に入っている。次にモバイルRFデバイスは、受信した低周波数磁気信号からカードリーダの識別情報を取得し、これを自身の識別情報とともにRFチャネルを介してカードリーダへ送信する。
【0088】
ステップd:カードリーダは、モバイルRFデバイスがRFチャネルを介して送信した情報を受信し、同情報内のカードリーダの識別情報が自身の識別情報に合致する否かを比較する。合致する場合は、自身の識別情報をモバイルRFデバイスの識別情報と結合して結合アドレスとし、RFチャネルを介してモバイルRFデバイスとカードスワープ通信を実施する。カードスワープ通信は、電子支払のみではなく、他のRFチャネルを介するその他の通信プロセスも含む。例えば、チャージ、消費、ID認証などである。本発明におけるカードスワープ通信は、RFチャネルを介する通信を広範に包含する。特に、近距離通信におけるRFチャネルを介する通信を含む。
【0089】
本発明において、低周波数交流磁気信号の周波数は、極超低周波数または超低周波数または低周波数にセットされる。極超低周波数は300Hz〜3000Hzの範囲、超低周波数は3KHz〜30KHzの範囲、低周波数は30KHz〜300KHzの範囲である。望ましくは、低周波数交流磁気信号の周波数は、300Hz〜50KHzである。望ましくは、低周波数交流磁気信号の周波数は、500Hz、1KHz、1.5KHz、2KHz、2.5KHz、3KHz、4KHz、5KHz、10KHz、20KHz、または30KHzである。
【0090】
本発明の近距離通信方法は、低周波数磁界について1方向通信を採用し、RF電磁界の2方向通信を組み合わせる。これにより、アンテナによって生じる課題およびその他の課題を回避する。例えば、13.56MHz周波数点における2方向通信およびNFCシステム内の距離制御によって生じる端末信号についての大きな減衰差である。同方法において、カードリーダの固有識別子IDr(すなわち上記識別情報)は、カードリーダによって低周波数1方向チャネルを介してモバイルRFデバイスへ送信される。次に、モバイルRFデバイスの固有識別子IDcが、モバイルRFデバイスによってRF2方向チャネルを介してIDrに添付され、カードリーダへ送信される。カードリーダは、IDrの妥当性を比較し、これによりカードリーダとモバイルRFデバイスとの間の固有結合を実現する。結合の後、カードリーダとモバイルRFデバイスは、RF2方向チャネルによって、通信が完了するまで多数データの通信を実施する。
【0091】
本発明の近距離通信方法は、モバイルRFデバイスが提供するRF通信距離と所定範囲内で安全に制御されるカードリーダとの間の、データ通信距離(通信距離とも呼ぶ)を実現する。端末を較正する必要はない。
【0092】
上述の近距離通信方法を実現するため、本発明は近距離通信システムを提案する。本発明の近距離通信システムは、少なくとも1つのカードリーダ、少なくとも1つのモバイルRFデバイスを備える。
【0093】
カードリーダは、プリセット送信パラメータに基づき、低周波数磁気信号を送信する。カードリーダの識別情報は、低周波数交流磁気信号内で搬送される。送信パラメータは、低周波数交流磁気信号の周波数を含む。周波数は、システムを較正する必要がないシステム最高周波数f0以下である。カードリーダはまた、RFチャネルを介してモバイルRFデバイスが送信した情報を受信し、同情報内のカードリーダの識別情報が自身の識別情報と合致する否かを比較する。合致する場合は、自身の識別情報をモバイルRFデバイスの識別情報と結合し、結合アドレスとする。これにより、RFチャネルを介してモバイルRFデバイスとカードスワープ通信を実施する。
【0094】
カードリーダが送信する低周波数交流磁気信号は、様々な距離点においてモバイルRFデバイスによって受信および検出され、一定振幅値を有し距離に対応する電圧信号へ増幅される。次に、プリセット電圧閾値Vtを用いて、モバイルRFデバイスを搭載した端末がプリセットした有効距離内に入ったか否かが判定される。電圧閾値Vtは、モバイルRFデバイスを搭載した全端末について同一である。モバイルRFデバイスは、受信した低周波数交流磁気信号に対応する電圧信号がプリセット電圧閾値Vt以上である場合は、受信した低周波数交流磁界情報からカードリーダの識別情報を取得し、その識別情報を自身の識別情報とともにRFチャネルを介してカードリーダへ送信する。モバイルRFデバイスは、RFチャネルを介してカードリーダとカードスワープ通信を実施する。
【0095】
識別情報は、識別コードIDでもよい。
【0096】
本発明の近距離通信システムにおけるカードリーダは、2つの基本機能を備えることが理解される。すなわち、低周波数通信機能とRF送受信機能である。換言すると、本発明の近距離通信システム内のカードリーダは、2つの基本モジュールを有する。すなわち、低周波数送信モジュールとRF送受信モジュールである。本発明の近距離通信システムにおけるモバイルRFデバイスは、2つの基本機能を有する。すなわち、低周波数送信器能とRF送受信機能である。換言すると、本発明の近距離通信システムにおけるモバイルRFデバイスは、2つの基本モジュールを有する。すなわち、低周波数受信モジュールとRF送受信モジュールである。
【0097】
さらに、上述の近距離通信システムは、特に下記の回路によって実現することができる。カードリーダは、少なくとも1つの低周波数送信コイル、少なくとも1つの駆動回路、少なくとも1つのエンコード回路、少なくとも1つのメインプロセッサ、少なくとも1つのRF送受信回路、少なくとも1つのRFアンテナを備える。低周波数送信コイル、駆動回路、エンコード回路、第1メインプロセッサ、RF送受信回路、RFアンテナは、直列接続されている。モバイルRFデバイスは、少なくとも1つの低周波数磁気誘導回路、少なくとも1つの低周波数増幅回路、少なくとも1つの閾値判定復調回路、少なくとも1つの第2メインプロセッサ、少なくとも1つのRF送受信回路、少なくとも1つのRFアンテナを備える。低周波数磁気誘導回路、低周波数増幅回路、閾値判定復調回路、第2メインプロセッサ、RF送受信回路、RFアンテナは、直列接続されている。上記実装回路において、変調回路はカードリーダの駆動回路とエンコード回路との間に設けることが望ましい。
【0098】
上記実装回路において、定周波数送信コイル、駆動回路、エンコード回路(変調回路が提供される場合はこれを含む)は、低周波数送信モジュールの一部としてみなすことができる。カードリーダの第1メインプロセッサ、RF送受信回路、RFアンテナは、カードリーダのRF送受信モジュールの一部としてみなすことができる。モバイルRFデバイスの低周波数磁気誘導回路、低周波数増幅回路、閾値判定復調回路は、低周波数受信モジュールの一部としてみなすことができる。モバイルRFデバイスの第2メインプロセッサ、RF送受信回路、RFアンテナは、モバイルRFデバイスのRF送受信モジュールの一部としてみなすことができる。
【0099】
上記実装回路において、低周波数送信コイルは、エナメル線で形成されたコイルまたはPCBコイルであることが望ましい。さらに、低周波数送信コイルの巻数は、10以上でもよい。望ましくは、低周波数送信コイルの巻数は50〜500である。低周波数送信コイルは、フェライト磁石コアまたは鉄コアで満たされていることが望ましい。低周波数送信コイルによって囲まれた領域は、最広部分において、モバイルRF端末部分の幅よりも広い幅を有することが望ましい。低周波数コイルによって囲まれた領域部分は、直径3cmの円領域または3cm×3cmの矩形領域を少なくとも含むことが望ましい。
【0100】
上記低周波数磁気誘導回路は、PCBコイル、エナメル線で作成されたコイル、ホールデバイス、または巨大磁気抵抗デバイスであることが望ましい。
【0101】
本発明において、モバイルRFデバイスは、モバイル端末内に配置することができる。または、モバイル端末のSIMカード内、UIMカード内、USIMカード内、TFカード内、SDカード内に配置することができる。モバイル端末は、携帯電話、携帯情報端末、またはノートブックコンピュータなどである。
【0102】
本発明の近距離通信の原理を、以下に詳細に説明する。
【0103】
1.較正なしのシステム最高周波数f0を選択する方法およびデバイスは、上述の近距離通信方法において説明したので、詳細は説明しない。
【0104】
2.距離測定および制御の原理は、以下の通りである。
【0105】
カードリーダは、プリセット送信パラメータにおいて選択した周波数f0以下の周期的な低周波数交流磁気信号を連続的に送信する。信号は、変調モードまたは直接ベースバンド送信モードのデータフレームフォーマットである。データフレームは、カードリーダの固有識別コードIdr(またはその他の識別情報でもよい)を含む。モバイルRFデバイスを搭載したモバイル端末がカードリーダの周辺に配置されたとき、低周波数交流磁気信号は、端末を貫通してモバイルRFデバイスに到達する。モバイルRFデバイスは、各距離点において磁気信号を検出する。磁気信号は、一定振幅を有し距離に対応する電圧信号へ増幅される。電圧振幅が、カードにプリセットされた受信電圧閾値Vt未満である場合、端末はカードスワープのための有効距離範囲に入っていないということであり、したがってカードをスワープすることは許可されない。電圧振幅が、カードにプリセットされた受信電圧閾値Vt超である場合、端末はカードリーダにプリセットされたカードスワープのための有効距離範囲に入っているということである。モバイルRFデバイス内の低周波数受信回路(低周波数磁気誘導回路、低周波数増幅回路、閾値判定復調回路)は、デコードプロセスを開始し、これによりカードリーダの固有識別コードIDrを取得する。一方、モバイルRFデバイス内の磁界から変換された電圧信号は、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間の距離に対してそれぞれ対応関係を有する。この関係は、電圧−距離変動曲線によって判定される。この対応関係に基づき、モバイルRFデバイスとカードリーダとの間の距離は、電圧によって判定することができる。これにより、モバイル端末とカードリーダとの間の距離を、間接的に判定することができる。Vtと送信パラメータの設定は、1回のみのものである。一度設定すれば、変更する必要はない。
【0106】
3.カードリーダがモバイルRFデバイスへアクセスする処理原理:
カードリーダがモバイルRFデバイスへアクセスするプロセスは主に、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間を固有結合するプロセスを有する。例えば、結合プロセスは以下の通りである。モバイルRFデバイスが低周波数信号からのカードリーダの固有識別コードIDrをデコードした後、識別コードはモバイルRFデバイス内の第2メイン処理モジュールへ送信される。次に第2メイン処理モジュールは、モバイルRFデバイスの固有識別コードIDcを、受信したIDrとともにカードリーダへRF送受信モジュールを介して送信する。カードリーダがモバイルRFデバイスからリターンコード(IDr,IDc)を受信した後、モバイルRFデバイスは、識別コードIDcが正当であると判定し、識別コードIDrを有効にしてカードリーダへ戻す。これは、現在の通信の固有通信端末である。IDrエンコードにより、当該カードリーダの周辺にある他のカードリーダの識別コードがその時点において確実に異なることになるので、識別コードIDrを有するモバイルRFデバイスは、識別コードIDrを有するカードリーダと確実に固有通信を確立することができる。したがって、モバイルRFデバイスとカードリーダとの間で固有結合を実現することができる。モバイルRFデバイスとカードリーダは、結合アドレス(IDr,IDc)を通じて、相互に識別することができる。結合の後、RFチャネルは通信プロセスにおいて用いられ、エラーのない通信を実施する。モバイルRFデバイスへのアクセスに成功した後、距離制御プロセスは完了し、通信が終了するまでRFチャネルを介して後続の通信プロセスを実施することができる。
【0107】
4.通信プロセス
固有の高信頼性通信リンクが、RFチャネルを介してカードリーダとモバイルRFデバイスとの間で確立される。このリンクに基づき、カードリーダとモバイルRFデバイスは、通信またはその他のプロセスで必要になるID認証を実現することができる。これら全てのプロセスは、高速RFチャネルによって実現することができる。上記プロセスの実装によって所定距離範囲内のアクセスが確実に確立されるので、全通信プロセスは所定範囲内で実施される近距離通信プロセスである。
【0108】
以下の実施形態において、本発明をさらに説明する。
【0109】
図8は、本発明の実施形態に係る近距離通信システムの構造図である。図8に示すように、システムは2つの部分を備える。カードリーダ装置100とモバイルRFデバイス200である。モバイルRFデバイス200は、モバイル端末の内部に配置され、モバイル端末通信インターフェースを介して端末と通信する。
【0110】
カードリーダ100は、以下のモジュールを備える。インターフェース回路を介して外部通信インターフェースに接続され、または外部通信インターフェースに直接接続された、カードリーダの低周波数と高周波数およびその他のプロトコルプロセスを制御する第1メインプロセッサ101; 低周波数フレームデータをバイト毎にエンコードするエンコード回路108;エンコードによって出力されるトークンストリームを用いてキャリアを変調し、駆動回路106へ送信する変調信号を形成するか、またはエンコードされた信号を変調なしで駆動回路106へ直接送信する、変調回路107;低周波数送信コイル105を駆動して低周波数交流磁界301を生成する駆動回路106;RFアンテナ104を介してRF信号を受信し送信するRF送受信回路103。低周波数送信モジュールは、低周波数送信コイル105、駆動回路106、変調回路107、エンコード回路108を備える。モジュールの送信磁界の振幅は、プリセットされ、調整することができる。低周波数送信コイル105は、巻数がより多く、特別の形状を有する。
【0111】
モバイルRFデバイスは、以下のモジュールを備える。モバイル端末との通信を制御するとともに、低周波数とRFモジュールおよびその他のプロトコルプロセスを制御する第2メイン処理モジュール201;カードの種類によってモジュールの種類が定まる、モバイル端末のSIM/TF/SDカードの本体モジュールとして動作するSIM/TF/SDカードモジュール202;PCBコイル、エナメル線のコイル、ホールデバイス、または磁界変動を誘導することができるその他の回路素子を含み、低周波数交流磁気信号301を誘導し、これを電気信号に変換する低周波数磁気誘導回路207;低周波数磁気誘導回路が検出した電気信号を増幅して低周波数磁気検出電圧信号303を取得する低周波数増幅回路206;プリセット閾値Vtに基づき低周波数磁気検出電圧信号303を判定し、閾値Vtに達していない場合は復調が実施され、閾値Vtに達している場合は復調が実施されるようにし、復調信号が第2メインプロセッサ201へ送信されるようにする閾値判定復調回路205;RFアンテナ204を介してカードリーダのRF送受信モジュールと2方向通信を実施するRF送受信回路203。
【0112】
システムは、プリセット閾値判定方法に基づき、較正なしに距離検出および制御を実現する。すなわち、カードリーダ100は、プリセット送信パラメータに基づき低周波数交流磁気信号301を送信する。モバイルRFデバイス200は、磁気信号を受信し、低周波数磁気誘導電圧信号303へ変換し、次にプリセット閾値Vtによって、端末がプリセット有効距離範囲に入ったか否かを判定する。Vtは、端末毎に修正する必要がないように(すなわち、いわゆる較正)、全端末について同一である。本発明は、低周波数1方向通信とRF2方向通信を組み合わせる方法により、カードリーダ100とモバイルRFデバイス200との間のみの結合を実現する。すなわち、カードリーダ100は、低周波数1方向チャネルを用いて、その固有識別IDrをモバイルRFデバイス200へ送信する。カードの固有識別IDcは、RF2方向チャネルを介してモバイルRFデバイス200によってIDrへ追加され、カードリーダ100へ返信される。カードリーダは、返信されたIDrの正当性を比較し、カードリーダ100とモバイルRFデバイス200との間の固有結合を実現する。結合の後、RFチャネルを介して多数データの高速2方向通信が実現される。
【0113】
実施形態において、近距離通信システムの特定の動作過程は、以下の通りである。
【0114】
I.始めに、システム動作のための基本パラメータを選択する。パラメータは、RF周波数点、較正なしの低周波数点f0、カードリーダの送信パラメータ、モバイルRFデバイスの受信器電圧閾値Vtを含む。
【0115】
1.RF周波数点の選択
上記RF通信の周波数点は、概ね2400〜2483MHzの2.4G ISM周波数帯域を用い、高速通信と端末に対する良好な貫通性能を実現する。その他の周波数点を用いることもできる。例えば433MHz、900MHz、5GHzなどである。
【0116】
2.較正なしのシステムの低周波数点f0の選択
較正なしのシステムの低周波数点f0は、上記方法によって判定することができる。一般GSMモバイル通信端末については、周波数点f0は一般に10KHzより小さく、500Hz、1KHz、1.5KHz、2KHz、2.5KHz、3KHz、5KHz、などである。これにより0〜10cmの範囲内で距離制御を実現する。
【0117】
3.カードリーダの送信パラメータの選択
送信パラメータは、主に変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brを含む。
【0118】
図9は、カードリーダの低周波数送信部を示す図である。図8に示すように、カードリーダの低周波数送信回路は、駆動回路106、変調回路107、エンコード回路108を備える。駆動回路106が駆動する低周波数変調信号は、低周波数送信コイル105へ出力される。
【0119】
変調回路107は、複数の変調モードを採用することができる。
【0120】
1)キャリア変調モード:エンコード回路108が生成したベースバンド信号は、変調回路107を介してキャリアを変調する。キャリアは、正弦波、矩形波、または三角波などである。変調モードは、ON−OFF周波数シフトキーイングOOK、位相シフトキーイング、周波数シフトキーイングFSKなどである。変調信号は、駆動回路106を介して低周波数送信コイル105にロードされる。
【0121】
2)キャリアなしの直接ベースバンド送信:エンコード回路108が生成したベースバンド信号は、駆動回路106を介して低周波数送信コイル105へ直接ロードされる。
【0122】
3)その他の変調モード:本発明のシステムは、閾値判定モードを採用し、距離制御を実施する。変調モードは、振幅変調を採用するには適していない。モバイルRFデバイス内の検出電圧の振幅を送信中に一定に維持することができる全ての変調モードを、本発明の近距離通信システムのために用いることができる。
【0123】
エンコード回路108は、複数のエンコードモードを用いることができる。
【0124】
1)マンチェスターエンコード:バイト1は2つのシンボル01にエンコードされ、バイト0は10にエンコードされる。
【0125】
2)差分マンチェスターエンコード:2種類のバイトシンボルシーケンスがある。01と10である。バイト1はその前のシンボルシーケンスとは異なるようにエンコードされ、バイト0はその前のシンボルシーケンスと同じになるようにエンコードされる。または、これらの反対にエンコードすることもできる。
【0126】
3)その他のエンコードモード:本発明のシステムは閾値判定モードを用いて距離制御を実施するので、低周波数変調信号の平均値は安定に維持されなければならない。エンコードシーケンスは、直流成分を含んではならない。エンコード後の平均直流成分がゼロであるエンコードモードは、全て本発明の近距離通信システムに適用できる。
【0127】
変調モードとエンコードモードを判定した後、上記方法により、カードリーダの送信磁気誘導強度振幅Brを判定することができる。Brを調整するプロセスは、実際にはコイルの巻数、コイルの直径、コイルの形状、その他のパラメータを調整するプロセスである。
【0128】
4.モバイルRFデバイスの受信器電圧閾値Vtの選択
受信器電圧閾値Vtは、上記方法によって判定することができる。
【0129】
上記パラメータの選択は1回のみである。一度選択すると、変更する必要はない。
【0130】
II.2番目に、以下は動作パラメータを決定した後のシステムの動作手順である。
【0131】
ステップA100:距離測定および制御プロセス。カードリーダ100の第1メインプロセッサ101は、カードリーダの固有識別コードIDrを含むデータフレームを生成する。IDrは、エンコード回路108へ送信され、エンコードを実施できるようにする。エンコード信号は、変調回路107によって変調されるか、または変調なしで駆動回路106へ直接送信される。変調電圧は、低周波数送信コイル105によって送信される。プリセットフレームフォーマット、変調エンコードモード、駆動性能に基づき、送信コイル105は、連続的かつ周期的に、上記フレームフォーマットに基づき、プリセット強度Brでプリセットパラメータを有する低周波数交流磁気信号301を送信する。モバイル端末がカードリーダの周辺に配置されたとき、低周波数交流磁気信号301は、端末を貫通して内部モバイルRFデバイス200に達する。モバイルRFデバイス200内に配置されている低周波数磁気誘導回路207は、低周波数磁気信号を検出する。磁気信号が電気信号に変換された後、電気信号は低周波数増幅回路206によって増幅され、低周波数磁気検出電圧303を生成する。電圧振幅がプリセット受信器電圧閾値Vt未満(または超)である場合、カードをスワープすることは許可されない。電圧振幅がプリセット受信器電圧閾値Vt以上である(またはこれに代えて以下である)場合、端末はカードリーダのプリセット有効カードスワープ範囲に入ったということである。低周波数受信回路は、デコードプロセスを開始し、カードリーダの固有識別コードIDrを取得する。一方、モバイルRFデバイス内の磁界によって変換された電圧信号は、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間の距離に対して対応関係を有する。この関係は、電圧−距離変動曲線によって判定される。この対応関係に基づき、モバイルRFデバイスとカードリーダとの間の距離を電圧によって判定し、これによりモバイル端末とカードリーダとの間の距離を間接的に判定することができる。上記閾値Vtは、全端末について同一であり、各端末について調整する必要はない。すなわり、較正する必要はない。これにより、上記プロセスは、較正なしの距離測定および制御プロセスとなる。
【0132】
ステップA100におけるフレームフォーマットは、以下のように定義することができる。
【0133】
図10は、カードリーダの低周波数データフレームフォーマットの図である。図10に示すように、カードリーダの低周波数データフレームの各フレームは、以下のドメインに分離することができる。
【0134】
同期コード:8バイト、通常はFFH、フレーム同期のためのもの。
【0135】
制御ドメイン:8バイト、フレームデータから例えば長さ、データタイプなどのデータを復元するためのもの。拡張のために予約された予約ビット。
【0136】
IDr:Nバイト、カードリーダの固有識別コード、制御ドメインによって割り当てられる。
【0137】
CRC:CRCチェックまたは他のモードを用いて、制御ドメインとIDrをチェックするためのもの。
【0138】
上記フレームフォーマットは例示であり、本発明が実際に用いるフレームフォーマットを限定することを意図したものではない。原則として本発明は、カードリーダを固有に識別できる任意のフレームフォーマットを用いることができる。固有識別コードは、十分な長さの乱数を用いることができる。あるいは、固有識別コードは手動で全てのカードに配布することができる。その他の方法で生成された識別コードを用いることもできる。
【0139】
ステップA200:モバイルRFデバイスがカードリーダにアクセスするプロセス:モバイルRFデバイスがカードリーダにアクセスするプロセスは、主に、カードリーダ100とモバイルRFデバイス200との間を固有結合するプロセスを有する。実際には、これはカードリーダとモバイルRFデバイスを搭載したモバイル端末との間を固有結合するプロセスである。モバイルRFデバイス200の低周波数受信回路がカードリーダの固有識別コードIdrをデコードした後、識別コードはモバイルRFデバイスの第1メインプロセッサ201へ送信される。第1メインプロセッサは、モバイルRFデバイス自身の固有識別コードIdcを、受信したIdrとともに、モバイルRFデバイスの送受信回路203とRFアンテナ204を介してカードリーダ100へ送信する。カードリーダ内のRFアンテナとRF送受信回路104がモバイルRFデバイスからリターンコード(IDr,IDc)を受信した後、リターンコードは第1メインプロセッサ101へ送信され、処理される。第1メインプロセッサ101は、IDrがモバイルRFデバイスによって識別コードIDcとともにカードリーダへリターンされたことを確認する。これは現在の通信の固有通信端末である。IDrをエンコードすることにより、当該カードリーダの周辺にある他のカードリーダの識別コードがその時点で異なることが確実になるので、識別コードIDcを有するカードは、識別コードIDrを有するカードリーダと確実に固有識別を確立することができる。したがって、モバイルRFデバイスとカードリーダとの間の固有結合が実現され、モバイルRFデバイスとカードリーダは、結合アドレス(IDr,IDc)によって互いを識別することができる。結合の後、通信プロセスはRFチャネルを用いてエラーなしの通信を実施する。モバイルRFデバイスがカードリーダへアクセス成功した後、距離制御プロセスを実装し、RFチャネルを介して後続の通信プロセスを実施することができる。
【0140】
ステップA200におけるモバイルRFデバイスの固有識別コードIDcは、あらかじめモバイルRFデバイスの不揮発メモリ(NVM)内に格納されている固有識別コード、またはモバイルRFデバイス内で生成された十分な長さを有する乱数である。
【0141】
ステップA300:通信プロセス。固有の信頼性が高い通信リンクが、カードリーダ100とモバイルRFデバイス200との間で、RFチャネルを介して確立される。このリンクに基づき、カードリーダとモバイルRFデバイスは、通信またはその他の必要なプロセスによって必要になるID認証を実現することができる。これら全てのプロセスは、通信が完了するまで、高速RFチャネルによって実施することができる。上記プロセスA100〜A200の実装により、所定距離範囲内でモバイルRFデバイス200にアクセスすることができるので、全ての通信プロセスは規定範囲内でのみ実施されるプロセスである。通信プロセスは、POS端末のために既に開発された処理手順であり、本発明では詳細について説明しない。
【0142】
モバイルRFデバイス200の低周波数信号検出回路207は通常、PCBコイル、エナメル線で作成されたコイル、またはホールデバイスを備える。検出回路は、これら要素に限定されるものではない。原則として、センサがカード内に配置できる限り、磁界変化を電気信号に変換できる任意のセンサをモジュールに用いることができる。
【0143】
本発明のシステムは、低周波数交流磁界を用いることにより、距離検出および制御を実施し、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間の1方向通信を実現することができる。さらに、低周波数通信モードと組み合わせたRFチャネルを介して、端末の結合を確実に実現することができる。一方、カードリーダとモバイルRFデバイスとの間の高速データ通信は、RFチャネルを介して実現することができる。これは以下の特性を有する。1.モバイル端末を変更する必要がなく、端末内部のSIMカード/TFカード/SDカードのみを置き換え、2方向通信を実現することができる。2.カードリーダは低周波数交流磁気信号を送信し、モバイルRFデバイスは磁気信号を受信するのみでよい。カードリーダによる磁界を通じてエネルギーを提供する必要がない1方向通信であるため、受信コイルおよびその他の受信回路を最小化し、モバイルRFデバイスをSIMカード/TF/SDカード内で提供することができる。3.受信信号は弱いので、モバイルRFデバイス内で増幅回路を提供する必要がある。また、RF送受信回路もモバイルRFデバイス内で提供され、カードリーダ内で提供されるRF送受信回路で2方向通信を実施する。上述のように、RF回路のアンテナは非常に小さいので、SIMカード/TF/SDカード内に容易に統合することができる。
【0144】
周波数点f0は、本発明の方法に基づき選択することができる。システムがf0未満の周波数で動作する場合は、較正を実施する必要はない。拡張として、システムがf0超の周波数で動作することは、絶対に不可能であるわけではない。生じ得る効果は、システム性能が下がり、距離制御の精度が減少する一方で、簡易な較正が別途必要になる場合があることである。これらアプリケーションは、本発明の原理と本質的に矛盾するものではなく、性能が異なる拡張アプリケーションであるに過ぎない。
【0145】
本発明の近距離通信システムは、モバイルRFデバイスを備えるRF通信端末(例えばRF SIMカードを備える携帯電話)とカードリーダとの間のデータ通信距離(通信距離とも呼ぶ)を実現し、端末を較正する必要なしに所定範囲内で確実に制御することができる。
【0146】
本発明のシステムおよび方法によれば、較正なしのシステム最高周波数f0を適切に選択することができる。周波数f0以下の低周波数交流磁界が距離測定および制御に用いられる場合、モバイル端末の構造間の差異の影響を、距離制御目標値に必要な変動範囲内に減じ、較正なしの距離制御を実現することができる。図11は、コイル受信回路が様々なモバイル端末内に配置されたとき信号源が低周波数送信コイルを介して1KHzの一定磁界を送信する条件の下で検出される電圧−距離曲線である。図11に示すように、1KHz周波数におけるシステムの数個の一般端末についての電圧−距離曲線の例を示している。信号強度値は、受信アンテナの誘導電圧が増幅された後に得られる値である。増幅係数は一定に維持されるので、距離に対する強度値の相対変化のみに着目する。図11から、異なる端末間の磁界強度の差異は5dB未満であり、各端末間の磁界強度の変動範囲は1〜10cmの範囲内で最大40dBであることが分かる。カードリーダの送信磁界の強度変動とモバイルRFデバイスの検出回路のエラーを考慮しなければ、モバイルRFデバイスは同じ閾値Vtを用いて、各端末が目標距離範囲内に配置されているか否か、および各端末について距離制御のエラー差分が約1cmの範囲内にあるか否かを判定し、これにより較正なしの距離制御の要件を完全に満たすことができる。
【0147】
上記は本発明の望ましい実施形態のみであり、本発明を限定するものではない。本発明の要旨および原理の範囲内で実施される任意の変更、等価置換、改善などは、本発明の保護範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカードリーダと少なくとも1つのモバイルRFデバイスを備える近距離通信システムのための近距離通信方法であって、以下のステップ:
ステップa:前記カードリーダは、プリセットされた送信パラメータに基づき、低周波数交流磁気信号を送信する。前記低周波数交流磁気信号は、前記カードリーダの識別情報を搬送する。前記送信パラメータは、前記システムを較正する必要がない前記システムの最高周波数f0以下である、前記低周波数交流磁気信号の周波数を含む。
ステップb:前記モバイルRFデバイスは、各距離地点において前記低周波数交流磁気信号を受信および検出し、これを一定振幅を有し前記距離に対応する電圧信号へ増幅し、プリセットされた電圧閾値Vtを用いて、前記モバイルRFデバイスを搭載した端末がプリセットした有効距離範囲に入ったか否かを判定する。前記電圧閾値Vtは、前記モバイルRFデバイスを搭載した全端末について同一である。
ステップc:受信した低周波数交流磁気信号に対応する電圧が前記電圧閾値Vt以上である場合は、前記モバイルRFデバイスを搭載した端末はプリセットされたカードスワープの有効範囲に入ったと判定し、前記モバイルRFデバイスは前記カードリーダの識別情報を前記受信した低周波数交流磁気信号から取得し、これを自身の識別情報とともに前記カードリーダへRFチャネルを介して送信する。
ステップd:前記カードリーダは、前記モバイルRFデバイスがRFチャネルを介して送信した情報を受信し、その情報内の前記カードリーダの識別情報が自身の識別情報と合致する否かを比較する。合致する場合は、自身の識別情報を前記モバイルRFデバイスの識別情報と結合して結合アドレスとし、前記モバイルRFデバイスと前記RFチャネルを介してスワープ通信を実施する。
を有することを特徴とする近距離通信方法。
【請求項2】
前記ステップaにおいて、較正なしの前記システムの動作のための前記最高周波数f0は、以下のステップによって判定される:
ステップa1:前記システムの距離制御目標値(Din,Dv)を判定する。Dinは、前記モバイルRFデバイスを搭載した全ての端末を0〜Dinの範囲内で確実にスワープできることを示す。Dvは、距離変動範囲を示す。前記カードをDin〜(Din+Dv)の範囲内でスワープすることができ、Din+Dvを超えるとスワープすることができない。
ステップa2:前記カードリーダによって生じる前記モバイルRFデバイスの検出電圧の変動範囲δを判定する。
ステップa3:前記モバイルRFデバイスによって生じる検出電圧の変動範囲δを判定する。
ステップa4:周波数fにおける複数の一般端末および障害物の電圧−距離曲線を検出する。
ステップa5:前記距離制御目標値(Din,Dv)に基づき、前記モバイルRFデバイスについての検出電圧の変動範囲δを判定する。δは、一般端末と障害物についての個々の電圧−距離曲線から得られる平均磁界強度減衰曲線勾配を有する前記電圧−距離制御曲線におけるDin地点に対応する電圧と(Din+Dv)地点に対応する電圧との間の電圧差に等しい。
ステップa6:前記端末によって生じる前記モバイルRFデバイスについての検出電圧の変動範囲δを判定する。δは、前記端末の減衰特性によって生じる前記モバイルRFデバイスについての検出電圧の変動範囲を示し、δ=δ−δ−δである。
ステップa7:距離制御範囲内の複数の距離点において、複数の一般端末および障害物間の最大磁界強度差δを取得する。δがδより大きい場合は周波数fを下げてステップa4に戻り、δがδより小さい場合は周波数fを上げてステップa4に戻り、δがδと等しい場合は現在の検出周波数fは前記システムの較正なしの最高動作周波数f0に等しいと判定する。
ことを特徴とする請求項1記載の近距離通信方法。
【請求項3】
前記ステップaにおいて、前記送信パラメータは、変調モード、エンコードモード、送信磁気誘導強度振幅Brを含み、前記変調モード、前記エンコードモード、前記送信磁気誘導強度振幅Brは、以下のステップによって判定される:
直流成分のない任意のエンコードモードを選択するステップ;
無変調モードまたは振幅不変キャリア変調モードを選択するステップ;
f0未満の動作周波数、変調モード、エンコードモードを選択した後、始めに一般ノイズ端末と容易に実装できる前記モバイルRFデバイス内の磁気検出および増幅のためのゲインパラメータを選択し、前記カードリーダが前記低周波数交流磁気信号を送信しない条件の下における前記モバイルRFデバイス内の検出電圧の固有ノイズ電圧振幅Vnを検出し、次に、前記カードリーダが選択した変調モードおよびエンコードモードを用いて前記低周波数交流磁気信号を送信するとき前記モバイルRFデバイスの検出電圧Vrを測定し、Vr/Vn>SNR(SNRは前記モバイルRFデバイスの信号対ノイズ比)を満たすように送信磁気誘導強度振幅Brを選択するステップ;
ことを特徴とする請求項2記載の近距離通信方法。
【請求項4】
前記ステップbにおいて、前記プリセットされた電圧閾値Vtは、以下のステップによって判定される:
ステップb1:選択された前記送信パラメータの下で、複数の一般端末および障害物についての電圧−距離曲線を測定する。前記送信パラメータは、前記低周波数交流磁気信号の周波数、前記変調モード、前記エンコードモード、前記送信磁気誘導強度振幅Brを含む。
ステップb2:基準電圧−距離曲線を取得する。前記基準電圧−距離曲線は、前記一般端末および障害物についての電圧−距離曲線から得られる平均値であり、上端から下端までの電圧振幅差δ/2が一般端末の前記曲線におけるものと同一である。
ステップb3:前記モバイルRFデバイスについての検出電圧閾値Vtを選択する。この値は、前記基準電圧−距離曲線上のVtである(Din+Dv/2)地点に対応する。
ことを特徴とする請求項3記載の近距離通信方法。
【請求項5】
前記低周波数交流磁気信号の周波数は、極超低周波数帯または超低周波数帯または低周波数帯にセットされ、前記極超低周波数帯は300Hz〜3000Hzの範囲、前記超低周波数帯は3KHz〜30KHzの範囲、前記低周波数帯は30KHz〜300KHzの範囲である
ことを特徴とする請求項3記載の近距離通信方法。
【請求項6】
前記低周波数交流磁気信号の周波数は、300Hz〜50KHzである
ことを特徴とする請求項5記載の近距離通信方法。
【請求項7】
前記低周波数交流磁気信号の周波数は、500Hz、1KHz、1.5KHz、2KHz、2.5KHz、3KHz、4KHz、5KHz、10KHz、20KHz、または30KHzである
ことを特徴とする請求項6記載の近距離通信方法。
【請求項8】
前記エンコードモードは、マンチェスターコード、差分マンチェスターコード、またはゼロ復帰コードであり、
前記変調モードは、ON−OFFキーイング、位相シフトキーイング、または周波数シフトキーイングである
ことを特徴とする請求項3記載の近距離通信方法。
【請求項9】
少なくとも1つのカードリーダと少なくとも1つのモバイルRFデバイスを備えた近距離通信システムであって、
前記カードリーダは、プリセットされた送信パラメータに基づき低周波数交流磁気信号を送信し、前記低周波数交流磁気信号は、前記カードリーダの識別情報を搬送し、前記送信パラメータは、前記システムを較正する必要がない前記システムの最高動作周波数f0以下である前記低周波数交流磁気信号の周波数を含み、
前記カードリーダは、RFチャネルを介して前記モバイルRFデバイスが送信した情報を受信し、その情報に含まれる前記カードリーダの識別情報が自身の識別情報と合致するか否かを比較し、合致する場合は自身の識別情報を前記モバイルRFデバイスの識別情報と結合して結合アドレスとし、前記RFチャネルを介して前記モバイルRFデバイスとスワープ通信を実施し、
前記モバイルRFデバイスは、各距離点において前記低周波数交流磁気信号を受信および検出し、これを一定振幅を有し前記距離に対応する電圧信号へ増幅し、プリセットされた電圧閾値Vtを用いて、前記モバイルRFデバイスを搭載した端末がプリセットされた有効距離範囲内に入ったか否かを判定し、前記電圧閾値Vtは、前記モバイルRFデバイスを搭載した全端末について同一であり、
受信した前記低周波数交流磁気信号に対応する電圧信号が前記電圧閾値Vt以上である場合は、前記モバイルRFデバイスは受信した前記低周波数交流磁気信号から前記カードリーダの識別情報を取得し、これを自身の識別情報とともに前記カードリーダへ前記RFチャネルを介して送信し、前記RFチャネルを介して前記カードリーダとスワープ通信を実施する
ことを特徴とする近距離通信システム。
【請求項10】
前記カードリーダは、少なくとも1つの低周波数送信コイル、少なくとも1つの駆動回路、少なくとも1つのエンコード回路、少なくとも1つの第1メインプロセッサ、少なくとも1つのRF送受信回路、少なくとも1つのRFアンテナを備え、
前記低周波数送信コイル、前記駆動回路、前記エンコード回路、前記第1メインプロセッサ、前記RF送受信回路、前記RFアンテナは、直列接続されており、
前記モバイルRFデバイスは、少なくとも1つの低周波数磁気誘導回路、少なくとも1つの低周波数増幅回路、少なくとも1つの閾値判定復調回路、少なくとも1つの第2メインプロセッサ、少なくとも1つのRF送受信回路、少なくとも1つのRFアンテナを備え、
前記低周波数磁気誘導回路、前記低周波数増幅回路、前記閾値判定復調回路、前記第2メインプロセッサ、前記RF送受信回路、前記RFアンテナは、直列接続されている
ことを特徴とする請求項9記載の近距離通信システム。
【請求項11】
変調回路が前記カードリーダの前記駆動回路と前記エンコード回路との間に設けられている
ことを特徴とする請求項10記載の近距離通信システム。
【請求項12】
前記低周波数送信コイルは、エナメル線で形成されたコイルまたはPCBコイルである
ことを特徴とする請求項10または11記載の近距離通信システム。
【請求項13】
前記低周波数送信コイルの巻数は、10以上である
ことを特徴とする請求項12記載の近距離通信システム。
【請求項14】
前記低周波数送信コイルの巻数は50〜500である
ことを特徴とする請求項13記載の近距離通信システム。
【請求項15】
前記低周波数送信コイルは、フェライト磁石コアまたは鉄コアで満たされている
ことを特徴とする請求項12記載の近距離通信システム。
【請求項16】
前記低周波数送信コイルによって囲まれた領域は、最広部分において、前記モバイルRF端末の幅よりも広い幅を有する
ことを特徴とする請求項12記載の近距離通信システム。
【請求項17】
前記低周波数コイルによって囲まれた領域部分は、直径3cmの円領域または3cm×3cmの矩形領域を少なくとも含む
ことを特徴とする請求項12記載の近距離通信システム。
【請求項18】
前記低周波数磁気誘導回路は、PCBコイル、エナメル線で作成されたコイル、ホールデバイス、または巨大磁気抵抗デバイスである
ことを特徴とする請求項10記載の近距離通信システム。
【請求項19】
前記モバイルRFデバイスは、モバイル端末内に配置されている
ことを特徴とする請求項9記載の近距離通信システム。
【請求項20】
前記モバイルRFデバイスは、モバイル端末のSIMカード内、UIMカード内、USIMカード内、TFカード内、またはSDカード内に配置されている
ことを特徴とする請求項9記載の近距離通信システム。
【請求項21】
前記モバイル端末は、携帯電話、携帯情報端末、またはノートブックコンピュータであることを特徴とする請求項19または20記載の近距離通信システム。
【請求項22】
前記識別情報は、認証コードである
ことを特徴とする請求項9記載の近距離通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−518482(P2013−518482A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550296(P2012−550296)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/CN2010/071395
【国際公開番号】WO2011/091622
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510117931)ネイションズ テクノロジーズ インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】