説明

追跡システム

【課題】タグ携行人畜が立回った重点拠点の重点場所情報等が通報先へ送られ、タグ携行人畜の居場所が特定できる追跡システムの提供。
【解決手段】飼猫61や子供71や老人81が重点拠点(ゴミ置き場91、公園92、トイレ93)に立回ると、携行したアクティブ無線タグ6、7、8から変調波62、72、82が放射され、拠点装置9の受信回路で個体識別が成されると、通報回路が立回り時間、拠点場所情報、および個体識別情報を通報先へ電波90で送信する。通報先では、取得した、個体識別情報、立回り時間、および拠点場所情報に基づいて飼猫61、子供71、老人81の居場所を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブ無線タグを使った追跡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話を携帯する火災発見者が消火器を操作すると、消火器に装備したRFIDタグから携帯電話へIDを送信し、その携帯電話から消防へ緊急通報する消火器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−102295
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、RFID受信機能付の携帯電話を火災発見者が持っていない場合や、消火器を操作しないで避難した場合や、火災現場が圏外の場合には、消防へ緊急通報されない。
【0005】
本発明の目的は、タグ携行人畜が立回った重点拠点の重点場所情報等が通報先へ送られ、タグ携行人畜の居場所が特定できる追跡システムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の追跡システムは、居場所不明になり易い人畜らにアクティブ無線タグを携行させ、タグ携行人畜が立回る可能性が高い複数の重点拠点に設置した拠点装置に人畜らが立回ると通報先へ送信する仕組みである。
【0007】
なお、人畜とは、室内で放飼の飼犬や飼猫等の愛玩動物、目を離すと家外へ出てしまう子供、徘徊癖が有る老人等である。
また、重点拠点とは、動物処分場、公衆便所、遊技場、残飯置場、ATM、公園、自動販売機、駅等のタグ携行人畜が立回る可能性が高い場所である。
【0008】
人畜らに携行させるアクティブ無線タグは、個体識別情報を重畳させた変調波を送信アンテナから周期的に放射する構造である。
【0009】
重点拠点に設置する拠点装置は、変調波を捉える受信アンテナと、捉えた変調波の増幅、検波、復調を行う受信回路と、個体識別が成されると立回り時間および拠点場所情報とともに個体識別情報を通信回線を介して通報先に送信する通報回路とを有する。
【0010】
重点拠点にタグ携行人畜が立回ると、タグ携行人畜が携行したアクティブ無線タグから変調波が放射される。
重点拠点に設置した拠点装置の受信アンテナが変調波を捉え、受信回路が変調波の増幅、検波、復調を行い、個体識別が成されると通報回路が立回り時間および拠点場所情報とともに個体識別情報を、通信回線を介して通報先に送信する。
【0011】
通報先では、個体識別情報とともに送られてくる立回り時間および拠点場所情報に基づいてタグ携行人畜の居場所を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1に係る追跡システムの説明図である。
【図2】その追跡システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
追跡システムは、変調波を捉える受信アンテナ、捉えた変調波の増幅、検波、復調を行う受信回路、および個体識別が成されると立回り時間と拠点場所情報とともに個体識別情報を通信回線を介して管理センターに送信する通報回路を有する拠点装置を老人が立回る可能性が高い重点拠点に設置し、個体識別情報を重畳させた変調波を、送信アンテナから周期的に放射するアクティブ無線タグを徘徊癖がある老人に携行させている。
【0014】
タグ携行人畜が重点拠点に立回った際にアクティブ無線タグから変調波が放射され、そこの拠点装置が受信して、立回り時間および拠点場所情報が管理センターへ送信されると、それらの情報に基づいて老人の居場所を特定することができる。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1に係る追跡システムCを、図1、図2に基づいて説明する。
図1、図2に示す如く、追跡システムCは、居場所不明になり易い飼猫61、子供71、老人81らに携行させるアクティブ無線タグ6、7、8と、ゴミ置場91、公園92、トイレ93に設置される拠点装置9とにより構成される。
【0016】
なお、飼猫61以外に飼犬等の愛玩動物でも良い。また、タグ携行人畜が立回る可能性が高い重点拠点は、ゴミ置場91、公園92、トイレ93以外に、動物処分場、遊技場、残飯置場、ATM、自動販売機、駅等の場所であっても良い。
【0017】
アクティブ無線タグ6は、個体識別情報を重畳させた変調波62を送信アンテナ63から周期的(数秒〜数十秒毎)に所定時間(数ms〜数十s)、放射する構造であり、首輪64に取り付けられている。
アクティブ無線タグ7は、個体識別情報を重畳させた変調波72を送信アンテナから周期的(数秒〜数十秒毎)に所定時間(数ms〜数十s)、放射する構造であり、名札73に取り付けられている。
アクティブ無線タグ8は、個体識別情報を重畳させた変調波82を送信アンテナから周期的(数秒〜数十秒毎)に所定時間(数ms〜数十s)放射する構造であり、腕章83に取り付けられている。
【0018】
拠点装置9は、変調波62(変調波72、82も)を捉える受信アンテナ94と、捉えた変調波の増幅、検波、復調を行う受信回路95と、個体識別が成されると立回り時間、拠点場所情報、および個体識別情報を重畳させた電波90を送信アンテナ96から通報先に送信する通報回路97とを有する。
【0019】
なお、通報先は、飼猫61の飼主や、子供71の保護者や、老人81の収容施設に設置した受信装置である。
【0020】
この追跡システムCの作動および利点を述べる。
飼猫61や子供71や老人81が、ゴミ置場91や公園92やトイレ93に立回ると、携行したアクティブ無線タグ6、7、8から変調波62、72、82が放射される。
【0021】
ゴミ置場91や公園92やトイレ93等の重要拠点に設置した拠点装置9の受信アンテナ94が変調波62、72、82を捉え、受信回路95が変調波62、72、82の増幅、検波、復調を行い、個体識別が成されると、拠点場所情報、および個体識別情報を重畳させた電波90を送信アンテナ96から通報先へ、通報回路97が立回り時間、拠点場所情報、および個体識別情報を通報先に送信する。
【0022】
通報先では、取得した、個体識別情報、立回り時間、および拠点場所情報に基づいて飼猫61や子供71や老人81の居場所を特定することができる。
【0023】
本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施態様を含む。
人畜とは、その他、飼犬等のペットでも良い。重点拠点は、動物処分場、遊技場、残飯置場、ATM、自動販売機、駅等であっても良い。
【符号の説明】
【0024】
C 追跡システム
6、7、8 アクティブ無線タグ
9 拠点装置
71 子供(人畜)
81 老人(人畜)
82 変調波
91 ゴミ置場(重点拠点)
92 公園(重点拠点)
93 トイレ(重点拠点)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
居場所不明になり易い人畜らに携行させ、個体識別情報を重畳させた変調波を送信アンテナから周期的に放射するアクティブ無線タグと、
前記変調波を捉える受信アンテナと、捉えた変調波の増幅、検波、復調を行う受信回路と、個体識別が成されると立回り時間および拠点場所情報とともに個体識別情報を通信回線を介して通報先に送信する通報回路とを有し、タグ携行人畜が立回る可能性が高い複数の重点拠点に設置される拠点装置とで構成され、
前記重点拠点に前記タグ携行人畜が立ち回わった際に、前記アクティブ無線タグから前記変調波が放射されると、前記通報先では、前記個体識別情報とともに送られてくる前記立回り時間および前記拠点場所情報に基づいて前記タグ携行人畜の居場所を特定することを特徴とする追跡システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−65657(P2011−65657A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231853(P2010−231853)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【分割の表示】特願2008−297505(P2008−297505)の分割
【原出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(596013143)加藤電機株式会社 (11)
【Fターム(参考)】