説明

送信装置、受信装置および通信システム

【課題】複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの送受信を行なう際、一部のコードブロックの送受信が失敗した場合でも、効率的な通信を行なう。
【解決手段】トランスポートブロックを複数のコードブロックに分割し、前記各コードブロックに対して誤り訂正符号化を行なった後、前記各コードブロックを結合してトランスポートブロックを構成し、前記構成したトランスポートブロックを受信装置に対して送信する送信装置100であって、前記分割されたコードブロックのうち、前記受信装置に対して送信するコードブロックのみを選択するトランスポートブロック送信処理部101と、前記選択されたコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックを前記受信装置に対して送信する送信部102、104、105と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポートブロックを送信および受信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)とGSM(Global System for Mobile Communications)を発展させたネットワークを基本とした携帯電話システムの仕様を検討・作成するプロジェクトである。3GPPではW−CDMA方式が第3世代セルラー移動通信方式として標準化され、順次サービスが開始されている。また、通信速度を更に上げたHSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)も標準化され、サービスが開始されている。さらに、3GPPでは、第3世代無線アクセス技術を進化させたE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)およびその発展形であるAdvanced E−UTRAが検討されている。
【0003】
図6は、非特許文献1で示されているE−UTRAにおけるデータの送信方法を示す図である。図6に示すように、E−UTRAでは、データの送受信単位としてトランスポートブロック(TB)を定義し、これを複数のコードブロック(CB)と呼ばれる小データに分割して、そのコードブロック毎に、CRC(Cyclic Redundancy Check)の計算およびその検査ビットの付加、誤り訂正符号化処理、レートマッチング処理などの符号化処理を行ない、コードブロック毎のコードワード(符号語)を作成する。
【0004】
その後、それらを再び一つに結合して、トランスポートブロックのコードワードを作成する。そして、そのトランスポートブロックのコードワードに対して、変調処理を行なった後、通信リソースへのマッピングを行ない、送信する。受信側では、これら動作の逆を行なって、トランスポートブロックの復元を行なう。
【0005】
また、E−UTRAにおいては、無線伝搬路におけるノイズの混入などにより、データの送受信が正常に行なわれなかった場合の再送方式として、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)が採用されている。これによると、データの送受信に失敗した場合、受信装置から再送要求が送信装置に送信され、これを受けた送信装置が前回と同じトランスポートブロックコードワードか、もしくはRV(Redundancy Version、冗長バージョン)を変えたトランスポートブロックコードワードを送信することにより、受信装置にてより誤り訂正能力を向上させてトランスポートブロックの復元処理を行なうことが可能となり、少ない再送回数で効率的にデータの送受信を行なうことができる。
【非特許文献1】3GPP TS 36.212 V8.4.0 (2008-09) Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) Multiplexing and channel coding (Release 8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来の技術においては、HARQの再送処理はトランスポートブロック単位で行なわれるため、それを構成するコードブロックのうちひとつでも受信に失敗すると、トランスポートブロック全体の再送を行なうことになり、効率が非常に悪いという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの送受信を行なう際、そのうちの一部のコードブロックの送受信が失敗した場合でも、効率的な通信を行なうことができる送信装置、受信装置および通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の送信装置は、トランスポートブロックを複数のコードブロックに分割し、前記各コードブロックに対して誤り訂正符号化を行なった後、前記各コードブロックを結合してトランスポートブロックを構成し、前記構成したトランスポートブロックを受信装置に対して送信する送信装置であって、前記分割されたコードブロックのうち、前記受信装置に対して送信するコードブロックのみを選択するトランスポートブロック送信処理部と、前記選択されたコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックを前記受信装置に対して送信する送信部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
このように、受信装置に対して送信するコードブロックのみを選択し、選択したコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックを受信装置に対して送信するので、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの送受信を、効率的に行なうことが可能となる。
【0010】
(2)また、本発明の送信装置において、前記トランスポートブロック送信処理部は、前記受信装置に対して送信するコードブロックまたは前記受信装置に対して送信しないコードブロックの少なくとも一方を示すコードブロック送信情報を出力し、前記送信部は、前記コードブロック送信情報を、前記選択されたコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックと共に前記受信装置に送信することを特徴としている。
【0011】
このように、コードブロック送信情報を、選択されたコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックと共に受信装置に送信するので、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの送受信を、効率的に行なうことが可能となる。
【0012】
(3)また、本発明の送信装置において、前記トランスポート送信処理部は、前記受信装置から、受信に失敗したコードブロックを示すコードブロック受信結果情報が通知された場合は、前記分割されたコードブロックのうち、受信に失敗したコードブロックのみを前記受信装置に対して送信するコードブロックとして選択することを特徴としている。
【0013】
このように、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの一部のコードブロックのみの送受信が失敗した場合であっても、受信に失敗したコードブロックのみを受信装置に対して送信するコードブロックとして選択するので、すべてのコードブロックを再送する場合と比較して、効率的な通信を行なうことができる。
【0014】
(4)また、本発明の受信装置は、請求項2または請求項3記載の送信装置から送信されたトランスポートブロックおよびコードブロック送信情報を受信する受信部と、前記受信したトランスポートブロックを、前記コードブロック送信情報に基づいて各コードブロックに分離し、各コードブロックに対して誤り訂正復号処理を行なうトランスポートブロック受信処理部と、を備えることを特徴としている。
【0015】
このように、コードブロック送信情報に基づいて各コードブロックに分離し、各コードブロックに対して誤り訂正復号処理を行なうので、コードブロック毎に受信の成功または失敗を判断することができる。
【0016】
(5)また、本発明の受信装置において、前記トランスポートブロック受信処理部は、前記受信したトランスポートブロックを構成するコードブロックのうち、受信に成功したコードブロックまたは受信に失敗したコードブロックの少なくとも一方を示すコードブロック受信結果情報を出力し、前記出力したコードブロック受信結果情報を前記送信装置に通知することを特徴としている。
【0017】
このように、受信に成功したコードブロックまたは受信に失敗したコードブロックの少なくとも一方を示すコードブロック受信結果情報を出力し、出力したコードブロック受信結果情報を送信装置に通知するので、送信装置では、受信に失敗したコードブロックを認識することができる。これにより、送信装置は、受信に失敗したコードブロックのみを再送することができるので、効率的な通信を行なうことが可能となる。
【0018】
(6)また、本発明の通信装置は、請求項2または請求項3記載の送信装置と、請求項4または請求項5記載の受信装置と、から構成されることを特徴としている。
【0019】
この構成により、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの送受信を、効率的に行なうことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、受信装置に対して送信するコードブロックのみを選択し、選択したコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックを受信装置に対して送信するので、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックの送受信を、効率的に行なうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、本発明を移動通信システムに具現化する場合について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、移動通信方法としても成立する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る送信装置の一構成を示すブロック図である。図1に示すように、送信装置100は、トランスポートブロック送信処理部101、制御情報送信処理部102、受信結果情報受信処理部103、マッピング部104、アンテナ部105で構成される。送信装置100には、上位レイヤよりトランスポートブロックおよび制御情報が入力される。トランスポートブロックは、送信するデータであり、制御情報は、トランスポートブロックのデータサイズ、MCS(Modulation and Coding Scheme:
変調方式、符号化方式、符号化率を指定する情報)、HARQのRV(Redundancy Version:冗長バージョン)、通信リソースの容量など、トランスポートブロックの送信処理を行なうために必要な情報が含まれている。
【0023】
トランスポートブロック送信処理部101は、入力されたトランスポートブロックに対して、制御情報に従って送信処理を行ない、トランスポートブロックコードワードをマッピング部104に出力する。また、どのコードブロックを送信するかを表すコードブロック送信情報を、制御情報送信処理部に出力する。制御情報送信処理部102は、上位レイヤから入力される制御情報に、トランスポートブロック送信処理部101から入力されるコードブロック送信情報を加えた後に送信処理を行ない、制御情報コードワードをマッピング部104に出力する。
【0024】
マッピング部104は、トランスポートブロック送信処理部101および制御情報送信処理部102からそれぞれ入力される、送信処理済みのトランスポートブロックコードワードと制御情報コードワードに対して、通信リソースへのマッピングおよび変調処理などを行ない、送信情報信号としてアンテナ部105を通して外部に出力する。なお、制御情報送信処理部102、マッピング部104、およびアンテナ部105は、送信部を構成する。
【0025】
受信結果情報受信処理部103は、アンテナ部105より受信した受信結果情報信号の受信処理を行ない、コードブロック毎の受信結果をトランスポートブロック送信処理部101に出力する。また、上位レイヤにはトランスポートブロック全体としての受信結果を出力する。
【0026】
トランスポートブロック送信処理部101は、コードブロック分割部10、符号化部11、メモリ部12−1〜12−n、レートマッチング部13、コードブロック結合部14、コードブロック受信結果情報記憶部15で構成される。コードブロック分割部10は、上位レイヤから入力されたトランスポートブロックデータを複数のコードブロックに分割する。符号化部11は、各コードブロックについてCRC検査ビット付加処理や誤り訂正符号化処理などを行ない、その処理後のデータ(コードブロックコードワード)をメモリ部12−1〜12−nに出力する。
【0027】
メモリ部12−1〜12−nは、符号化部11から入力されるコードブロックコードワードを、コードブロック毎に格納し、レートマッチング部13に出力する。レートマッチング部13は、後述するコードブロック受信結果情報記憶部15に記憶されているコードブロック毎の受信結果を参照し、送信の必要があるコードブロックについて、レートマッチング処理を行なって、コードブロック結合部14に出力する。コードブロック結合部14は、レートマッチング部13から入力されるコードブロックコードワードを結合することによってトランスポートブロックコードワードを作成し、マッピング部104に出力する。また、どのコードブロックのコードワードを結合したかを表すコードブロック送信情報を、制御情報送信処理部102に出力する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係る受信装置の一構成を示すブロック図である。図2に示すように、受信装置200は、トランスポートブロック受信処理部201、制御情報受信処理部202、デマッピング部204、受信結果情報送信処理部203、アンテナ部205で構成される。アンテナ部205にて受信した受信情報信号は、デマッピング部204により復調処理およびデマッピング処理などが行なわれ、その結果制御情報コードワードおよびトランスポートブロックコードワードに分離され、それぞれ制御情報受信処理部202とトランスポートブロック受信処理部201に出力される。
【0029】
制御情報受信処理部202は、制御情報コードワードに受信処理を行なって受信制御情報を取り出し、上位レイヤおよびトランスポートブロック受信処理部201に出力する。トランスポートブロック受信処理部201は、制御情報受信処理部202から入力される制御情報に従い、デマッピング部204から入力されるトランスポートブロックコードワードの受信処理を行なってトランスポートブロックを復元し、上位レイヤに出力する。また、復元したトランスポートブロックの復号結果が正しいか否かをCRCによって検査し、その結果もトランスポートブロック復号結果情報として、上位レイヤに出力する。また、コードブロック毎の復号結果をコードブロック受信結果情報として受信結果情報送信処理部203に出力する。
【0030】
受信結果情報送信処理部203は、上位レイヤからトランスポートブロックの受信結果情報を受けた際に、トランスポートブロック受信処理部201から入力されるコードブロック受信結果情報の送信処理を行ない、アンテナ部205を通して送信する。
【0031】
トランスポートブロック受信処理部201は、コードブロック分離部20、レートデマッチング部21、IRバッファ部22、復号部23、コードブロック格納部24、トランスポートブロック復元部25、およびコードブロック受信結果情報記憶部26で構成される。コードブロック分離部20は、入力されるトランスポートブロックコードワードを、制御情報受信処理部202より入力される制御情報に含まれるコードブロック送信情報に従い、送信されたコードブロック毎のコードブロックコードワードに分離して、レートデマッチング部21に出力する。
【0032】
レートデマッチング部21は、コードブロック分離部20から入力されるコードブロックコードワードに対してレートデマッチング処理を行ない、その結果をコードブロック符号化データとしてIRバッファ部22に出力する。IRバッファ部22は、レートデマッチング部21から入力されるコードブロック符号化データと、すでに格納しているコードブロック符号化データを合成して再格納するとともに、復号部23に出力する。復号部23は、IRバッファ部22から入力されるコードブロック符号化データに対して誤り訂正復号処理を行ない、コードブロック格納部24に出力する。また、各コードブロックの復号データが正しいか否かをCRCによって検査し、その結果をコードブロック受信結果情報としてコードブロック受信結果情報記憶部26に出力する。
【0033】
コードブロック受信結果情報記憶部26は、復号部23から入力されるコードブロック復号結果情報を記憶し、受信結果情報送信処理部203に出力する。
【0034】
図3は、本実施形態におけるコードブロック送信情報の一例を示す図である。図3に示すように、コードブロック毎に、送信される場合は1、送信されない場合は0で表している。
【0035】
図4は、本実施形態におけるコードブロック受信結果情報の一例を示す図である。図4に示すように、コードブロック毎に、受信結果がOKの場合は0、NGの場合は1で表している。なお、送信装置100内のコードブロック受信結果情報記憶部15、および受信装置200内のコードブロック受信結果情報記憶部26にて記憶されるコードブロック受信結果情報も同様の形式で記憶される。
【0036】
図5Aは、本実施形態の送信装置および受信装置を用いて通信した場合のシーケンスの一例を示す図である。また、図5Bは、受信装置200側でのコードブロック復号結果を示す図である。なお、図5Aおよび図5Bの例では、トランスポートブロックを構成するコードブロックの数を一例として6として記載しているが、本発明は、この数に限定されるものではない。
【0037】
まず、送信装置100から受信装置200に対して、トランスポートブロックと制御情報が受信装置に対して送信される(ステップS1)。このとき、送信装置100は、コードブロック[1,2,3,4,5,6]すべてを送信するため、コードブロック送信情報を「111111」として制御情報に含めて送信する。
【0038】
一方、受信装置200は、送信装置100から送られてきた信号をアンテナ部205で受信し、デマッピング部204にて、制御情報コードワードとトランスポートブロックコードワードに分離し、それぞれ制御情報受信処理部202とトランスポートブロック受信処理部201にて受信処理を行なう。このとき、トランスポートブロック受信処理部201内のコードブロック分離部20では、制御情報受信処理部202からの制御情報に含まれるコードブロック送信情報「111111」に従い、コードブロック[1,2,3,4,5,6]を受信したものとし、トランスポートブロックコードワードを各コードブロックコードワードに分離する。そして、コードブロック毎にレートデマッチング処理、誤り訂正復号処理、およびCRCによる復号結果の検査を行なう。その結果、一例として、図5Bに示すように、コードブロック[1,2,4]は復号結果がOKとなり、コードブロック[3,5,6]は復号結果がNGとなったものとする。
【0039】
トランスポートブロック受信処理部201は、その各コードブロック受信結果情報「001011」をコードブロック受信結果情報記憶部26に格納した後、トランスポートブロック全体の復号結果をNGとして、上位レイヤに出力する。その後、上位レイヤから受信装置200にトランスポートブロック受信結果情報(NACK)が出力される。それを受けた受信結果情報送信処理部203は、トランスポートブロック受信処理部201内のコードブロック受信結果情報記憶部26からコードブロック受信結果情報を取り出し、それに送信処理を行なって、送信装置に向けて送信する(ステップS2)。
【0040】
次に、送信装置100において、受信装置200から送信された受信結果情報信号を受信すると、受信結果情報受信処理部103にて受信処理が行なわれた後に、コードブロック受信結果情報「001011」がトランスポートブロック送信処理部101内のコードブロック受信結果情報記憶部15に出力され、コードブロック受信結果情報記憶部15がこれを記憶する。また、受信結果情報受信処理部103は、トランスポートブロック受信結果情報をNGとして上位レイヤに出力する。
【0041】
その後、上位レイヤからトランスポートブロックの再送要求が制御情報とともに送信装置100に出力される。トランスポートブロック送信処理部101は、コードブロック受信結果情報記憶部15に記憶されているコードブロック受信結果情報「001011」に従い、コードブロック[3,5,6]のみのコードブロック符号化データを、対応するメモリ部12−1〜12−nのいずれかから取り出し、レートマッチング部13にて制御情報に従ってレートマッチング処理を行なった後、コードブロック結合部14にて結合し、トランスポートブロックコードワードとしてマッピング部104に出力する。
【0042】
また、トランスポートブロック送信処理部101からコードブロック送信情報「001011」が制御情報送信処理部102に出力される。制御情報送信処理部102は、制御情報にコードブロック送信情報「001011」を含めて送信処理を行ない、制御情報コードワードをマッピング部104に出力する。その後、マッピング部104にて送信情報信号として受信装置200に対して送信される(ステップS3)。
【0043】
一方、受信装置200は、前回と同様に、送信装置100から送られてきた無線信号をアンテナ部205で受信し、デマッピング部204にて、制御情報コードワードとトランスポートブロックコードワードに分離し、それぞれ制御情報受信処理部202とトランスポートブロック受信処理部201にて受信処理を行なう。このとき、トランスポートブロック受信処理部201内のコードブロック分離部20では、制御情報受信処理部202からの制御情報に含まれるコードブロック送信情報「001011」に従い、トランスポートブロックコードワードをコードブロック[3,5,6]の各コードブロックコードワードに分離する。
【0044】
そして、レートデマッチング処理、誤り訂正復号処理、CRCによる復号結果の検査を行なう。その結果、前回の受信処理時に復号結果がNGとなったコードブロックのうち、コードブロック[3,5]は今回の再送によって復号結果がOKとなるが、コードブロック[6]についてはNGとなったものとする。トランスポートブロック受信処理部201は、その各コードブロック受信結果情報「000001」をコードブロック受信結果情報記憶部26に格納した後、トランスポートブロック全体の復号結果をNGとして、上位レイヤに出力する。その後、上位レイヤから受信装置200にトランスポートブロック受信結果情報(NACK)が出力される。それを受けた受信結果情報送信処理部203は、トランスポートブロック受信処理部201内のコードブロック受信結果情報記憶部26からコードブロック受信結果情報「000001」を取り出し、それに送信処理を行なって、送信装置に向けて送信する(ステップS4)。
【0045】
次に、送信装置100において受信装置200から送信された受信結果情報信号を受信すると、受信結果情報受信処理部103にて受信処理が行なわれた後に、コードブロック受信結果情報「000001」がトランスポートブロック送信処理部101内のコードブロック受信結果情報記憶部15に出力され、コードブロック受信結果情報記憶部15がこれを記憶する。また、受信結果情報受信処理部103は、トランスポートブロック受信結果情報をNGとして上位レイヤに出力する。
【0046】
その後、上位レイヤからトランスポートブロックの再送要求が制御情報とともに送信装置100に出力される。トランスポートブロック送信処理部101は、コードブロック受信結果情報記憶部15に記憶されているコードブロック受信結果情報「000001」に従い、コードブロック[6]のみのコードブロック符号化データを、対応するメモリ部12−1〜12−nのいずれかから取り出し、レートマッチング部13にて制御情報に従ってレートマッチング処理を行なった後、コードブロック結合部14にて結合し、トランスポートブロックコードワードとしてマッピング部104に出力する。
【0047】
また、トランスポートブロック送信処理部101からコードブロック送信情報「000001」が制御情報送信処理部102に出力される。制御情報送信処理部102は、制御情報にコードブロック送信情報「000001」を含めて送信処理を行ない、制御情報コードワードをマッピング部104に出力する。その後、マッピング部104にて送信情報信号として受信装置に対して送信される(ステップS5)。
【0048】
一方、受信装置200は、前回と同様に、送信装置100から送られてきた無線信号をアンテナ部205で受信し、デマッピング部204にて、制御情報コードワードとトランスポートブロックコードワードに分離し、それぞれ制御情報受信処理部202とトランスポートブロック受信処理部201にて受信処理を行なう。このとき、トランスポートブロック受信処理部201内のコードブロック分離部20では、制御情報受信処理部202からの制御情報に含まれるコードブロック送信情報「000001」に従い、トランスポートブロックコードワードをコードブロック[6]のコードブロックコードワードとする。
【0049】
そして、レートデマッチング処理、誤り訂正復号処理、CRCによる復号結果の検査を行なう。その結果、コードブロック6についてもOKとなったものとすると、これですべてのコードブロックの復号結果がOKとなったので、トランスポートブロック受信処理部201は、コードブロック格納部24からすべてのコードブロックを読み出し、トランスポートブロック復元部25にて結合してトランスポートブロックを復元して、上位レイヤに出力するとともに、トランスポートブロック全体の復号結果をOKとして上位レイヤに出力する。
【0050】
また、コードブロック受信結果情報記憶部26内のコードブロック受信結果情報を「000000」とする。その後、上位レイヤからトランスポートブロック受信結果情報(ACK)が受信装置200に出力され、受信結果情報送信処理部203にてトランスポートブロック受信処理部201内のコードブロック受信結果情報記憶部26からコードブロック受信結果情報「000000」を取り出し、それに送信処理を行なって、送信装置100に向けて送信する。その後、送信装置100で受信装置200からのコードブロック受信結果情報「000000」を受信し、終了となる。
【0051】
このように、本発明の実施形態に係る送信装置100および受信装置200によれば、複数のコードブロックで構成されるトランスポートブロックを送信する場合でも、受信が失敗したコードブロックのみを再送することにより、効率のよい通信を行なうことができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る送信装置の一構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る受信装置の一構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態におけるコードブロック送信情報の一例を示す図である。
【図4】本実施形態におけるコードブロック受信結果情報の一例を示す図である。
【図5A】本実施形態の送信装置および受信装置を用いて通信した場合のシーケンスの一例を示す図である。
【図5B】図5Bは、受信装置200側でのコードブロック復号結果を示す図である。
【図6】非特許文献1で示されているE−UTRAにおけるデータの送信方法を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 コードブロック分割部
11 符号化部
12−1〜12−n メモリ部
13 レートマッチング部
14 コードブロック結合部
15 コードブロック受信結果情報記憶部
20 コードブロック分離部
21 レートデマッチング部
22 IRバッファ部
23 復号部
24 コードブロック格納部
25 トランスポートブロック復元部
26 コードブロック受信結果情報記憶部
100 送信装置
101 トランスポートブロック送信処理部
102 制御情報送信処理部
103 受信結果情報受信処理部
104 マッピング部
105 アンテナ部
200 受信装置
201 トランスポートブロック受信処理部
202 制御情報受信処理部
203 受信結果情報送信処理部
204 デマッピング部
205 アンテナ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスポートブロックを複数のコードブロックに分割し、前記各コードブロックに対して誤り訂正符号化を行なった後、前記各コードブロックを結合してトランスポートブロックを構成し、前記構成したトランスポートブロックを受信装置に対して送信する送信装置であって、
前記分割されたコードブロックのうち、前記受信装置に対して送信するコードブロックのみを選択するトランスポートブロック送信処理部と、
前記選択されたコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックを前記受信装置に対して送信する送信部と、を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記トランスポートブロック送信処理部は、前記受信装置に対して送信するコードブロックまたは前記受信装置に対して送信しないコードブロックの少なくとも一方を示すコードブロック送信情報を出力し、
前記送信部は、前記コードブロック送信情報を、前記選択されたコードブロックのみで構成されたトランスポートブロックと共に前記受信装置に送信することを特徴とする請求項1記載の送信装置。
【請求項3】
前記トランスポート送信処理部は、前記受信装置から、受信に失敗したコードブロックを示すコードブロック受信結果情報が通知された場合は、前記分割されたコードブロックのうち、受信に失敗したコードブロックのみを前記受信装置に対して送信するコードブロックとして選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の送信装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載の送信装置から送信されたトランスポートブロックおよびコードブロック送信情報を受信する受信部と、
前記受信したトランスポートブロックを、前記コードブロック送信情報に基づいて各コードブロックに分離し、各コードブロックに対して誤り訂正復号処理を行なうトランスポートブロック受信処理部と、を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
前記トランスポートブロック受信処理部は、前記受信したトランスポートブロックを構成するコードブロックのうち、受信に成功したコードブロックまたは受信に失敗したコードブロックの少なくとも一方を示すコードブロック受信結果情報を出力し、
前記出力したコードブロック受信結果情報を前記送信装置に通知することを特徴とする請求項4記載の受信装置。
【請求項6】
請求項2または請求項3記載の送信装置と、
請求項4または請求項5記載の受信装置と、から構成されることを特徴とする通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−147755(P2010−147755A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322113(P2008−322113)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】