説明

逆止弁装着装置

【課題】 包装装置の稼働効率を向上させることができる逆止弁装着装置を提供する。
【解決手段】 逆止弁装着装置20は、包装フィルム1の搬送経路上に設けられ、供給されてきた逆止弁2を当該包装フィルム1の所定位置に装着する構成である。逆止弁装着装置20は、逆止弁2が挿入される複数の逆止弁収容溝31を有し、間欠的に回転駆動される逆止弁搬送装置30を備えている。逆止弁収容溝31の回転軌道上には、供給位置aが設置されるとともに、その下流側に逆止弁2の押出装着位置bが設置されており、一つの逆止弁収容溝31が押出装着位置bに配置されたとき、他の一つの逆止弁収容溝31が供給位置aに配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製品の包装ラインに組み込まれ、包装袋を形成する包装フィルムに逆止弁を装着する逆止弁装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋に充填される製品には、CO等のガスを発生するものがある(例えば、コーヒー豆)。この種の製品を充填する包装袋には、図8に示すように、ガス抜き用の逆止弁2が装着されることがある。逆止弁2は、包装袋を形成する過程で包装フィルム1に熱融着されて取り付けられる。
【0003】
本出願人が先に提案した特許文献1の発明装置には、この種の逆止弁装着装置(逆止弁装着ユニット)が組み込まれている。
図9は、特許文献1に開示された従来の逆止弁装着ユニットを示す拡大模式図である。
同図に示すように、逆止弁装着ユニット100は、逆止弁供給装置110と逆止弁融着装置120とで構成されている。このうち、逆止弁供給装置110は、搬送経路に繰り出された包装フィルム1の裏面と対向する側に配設してあり、一方、逆止弁融着装置120は、同包装フィルム1の表面と対向する側に配設してある。
【0004】
逆止弁供給装置110は、供給された逆止弁2を、供給シュート112を介して棒状の中空レールからなる蓄積部113に蓄積するとともに、蓄積部113の下端出口から1個ずつ逆止弁2を取り出して、開閉チャック114によって把持し、包装フィルム1の裏面へと水平搬送する機能を有している。
【0005】
また、逆止弁融着装置120は水平移動自在なヒータブロック121を有し、このヒータブロック121がヒータブロック用駆動シリンダにより駆動されて、開閉チャック114の対向位置から水平移動して包装フィルム1の表面に当接し、開閉チャック114と協働して逆止弁2を包装フィルム1に押し付けるとともに、内蔵したヒータの熱により逆止弁2を包装フィルム1へ熱融着する機能を有している。
【0006】
さらに、ヒータブロック121の端面には、複数本の針121aが突き出しており、この針121aを包装フィルム1に突き刺すことで包装フィルム1を貫通して逆止弁2に至るガス抜き孔を包装フィルム1に形成する機能を有している。
これら各装置の動作によって、逆止弁装着ユニット100は、製品の充填前に包装フィルム1に逆止弁2を熱融着させることができる。
【特許文献1】特開2003−26104公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、従来の逆止弁装着ユニット100は、開閉チャック114が逆止弁2を受取り位置から貼付け位置まで搬送して逆止弁2を装着していた。このため、次の逆止弁2の装着には、開閉チャック114が逆止弁2の受取り位置まで一旦戻り、再度逆止弁2を受け取って貼付け位置まで搬送していた。このため、逆止弁2の装着に開閉チャック114の戻り分だけ余計な時間がかかり、包装装置全体の稼働率が低下する課題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、逆止弁の供給動作と包装フィルムへの装着動作とを並行して実行できるようにすることで、包装装置の稼働効率向上を図ることのできる逆止弁装着装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明装置は、包装フィルムの搬送経路上に設けられ、逆止弁を当該包装フィルムに装着する逆止弁装着装置において、
逆止弁を所定の供給位置へ一個ずつ供給する逆止弁供給手段と、
逆止弁が挿入される複数の逆止弁収容溝を有し、間欠的に回転駆動され、逆止弁収容溝の回転軌道上に供給位置が設置されるとともに、その下流側に逆止弁の押出装着位置が設置されており、一つの逆止弁収容溝が押出装着位置に配置されたとき他の一つの逆止弁収容溝が供給位置に配置される構成の逆止弁搬送手段と、
押出装着位置に配置された逆止弁収容溝から逆止弁を押し出して包装フィルムに装着する押出装着手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
かかる構成の逆止弁装着装置は、複数の逆止弁収容溝を同時に供給位置と押出装着位置に配置させる。このため、一つの逆止弁を包装フィルムへ装着している間に、他の逆止弁を逆止弁搬送手段に受け渡すことができる。したがって、逆止弁を装着した後、速やかに次の逆止弁を搬送させることができ、包装装置全体の稼働率を向上させることができる。
【0011】
逆止弁搬送手段は、供給位置から押出装着位置までの回転区間に、逆止弁収容溝からの逆止弁の脱落を防止する脱落防止手段を備えることが好ましい。
ここで、逆止弁は、円筒形状の本体部と、該本体部の一端面から径方向に突き出たフランジ部とを有する形状となっており、
逆止弁搬送手段は、略円盤状のターレットを備え、当該ターレットの周縁部に一定の角度間隔で複数の逆止弁収容溝が形成された構成となっており、かつ、逆止弁収容溝は逆止弁の本体部を収容可能な形状に形成されており、
さらに、脱落防止手段は、ターレットと協働して逆止弁のフランジ部を挟み、この状態で逆止弁を移動案内する案内ガイドで構成することができる。
【0012】
このような構成により、逆止弁は、逆止弁搬送手段によって脱落することなく供給位置から押出装着位置まで搬送させることができる。
【0013】
また、供給位置で逆止弁搬送手段の逆止弁収容溝へ逆止弁が供給されたか否かを判別する逆止弁検出センサを備える構成としてもよい。この逆止弁検出センサによって、逆止弁収容溝への逆止弁の適正な供給が確認できるとともに、逆止弁の供給不良も検出することができる。
【0014】
さらに、供給手段によって供給される逆止弁の良否を判別する不良品検出手段を備えており、
逆止弁搬送手段の回転軌道上には、押出装着位置の下流側に不良品排出位置が設置されており、
かつ、押出装着手段は、不良品検出手段が不良品と判別した逆止弁が押出装着位置に搬送されてきたとき、当該逆止弁に対し逆止弁収容溝からの押し出し動作を行わないように制御される構成とすることもできる。
【0015】
このように構成すれば、不良品の包装フィルムへの装着を回避できるとともに、自動的に不良品を排除できるため、装置の稼働率向上と包装製品の歩留り向上を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の逆止弁装着装置によれば、逆止弁の供給動作と包装フィルムへの装着動作とを並行して実行できるようにすることで、包装装置の稼働率向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図7は、本発明の実施形態に係る逆止弁装着装置を説明するための図であり、図1は、本実施形態に係る縦型製袋充填包装装置の全体構成を示す概略図である。
本実施形態の逆止弁装着装置は、縦型製袋充填包装装置に組み込まれている。よって、まず縦型製袋充填包装装置の概要を説明する。
【0018】
図1に示すように、縦型製袋充填包装装置は、包装フィルム1の搬送経路(図に二点鎖線で示す)の最も上流に、包装フィルム1のフィルムリール10を備えている。このフィルムリール10のすぐ下流には、供給ローラ11が設けられている。この供給ローラ11は、交流モータにより駆動されてフィルムリール10から包装フィルム1を繰り出させる。供給ローラ11の下流には、上下に揺動可能な二個のテンションローラ12が設けてあり、これらテンションローラ12によって包装フィルム1は一定の張力が付与され、蓄えられる。
【0019】
また、テンションローラ12の下流には、プリンタ13が設けてある。プリンタ13は、繰り出された包装フィルム1に製造年月日、ロット番号、価格等が付されたバーコードや賞味期限を示す数字配列等を、容器の大きさに応じた間隔で印字する構造となっている。プリンタ13の下流には、複数の搬送ローラ14が設けてあり、これら搬送ローラ14のさらに下流側に製袋チューブ15が配置されている。
【0020】
製袋チューブ15の周辺には、包装フィルム1の重合側端部を熱シールする縦シーラ16、ファイル1の繰り出しを行う繰出しベルト17、筒状の包装フィルム1を横方向に熱シールして袋状に成形する横シーラ18が配設され、さらに一方の横シーラ18にはフィルム切断用のカッタ(図示せず)が内蔵されている。
【0021】
本実施形態では、上述した構造に加え、複数の搬送ローラ14によって形成される包装フィルム1の搬送経路上に繰出しローラ19が配設してある。繰出しローラ19は、サーボモータにより駆動され、テンションローラ12に蓄えられた包装フィルム1から一定量を間欠的に繰り出している。この包装フィルム1の繰出し量は容器の大きさによって決定され、繰出しローラ19の上流位置には包装フィルム1の繰出し量を計測する測長子70が設けられている。さらに、この測長子70と繰出しローラ19との間に逆止弁装着装置20が配設してある。
【0022】
次に、逆止弁装着装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る逆止弁装着装置を示す拡大正面図である。また図3は同じく逆止弁装着装置の案内ガイドを拡大して示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面断面図、図4は逆止弁装着装置を示す側面拡大図である。
なお、本実施形態において包装フィルム1に装着される逆止弁2は、図7(b)に示すように、円筒形状の本体部2aと、この本体部2aの一端面から径方向に突き出したフランジ部2bとを有する形状となっている。
【0023】
図2及び図4に示すように、逆止弁装着装置20は、逆止弁2を供給する逆止弁供給装置21(逆止弁供給手段)と、逆止弁を搬送する逆止弁搬送装置30(逆止弁搬送手段)と、逆止弁2を包装フィルム1に装着させる逆止弁押出装置40及び逆止弁貼付けヒータ50(押出装着手段)とを含んでいる。
このうち、逆止弁貼付けヒータ50は、搬送経路に繰り出された包装フィルム1の表面と対向する側に配設している。一方、逆止弁供給装置21、逆止弁搬送装置30、逆止弁押出装置40は、ともに包装フィルム1の裏面(袋状にした場合の内面側)と対向する側に配設している。
【0024】
逆止弁供給装置21には、逆止弁2を蓄えるパーツフィーダ22(図1参照)と、逆止弁供給時の搬送路となる供給シュート23が設けてある。パーツフィーダ22は逆止弁2を供給シュート23の上方から連続的に供給している。供給シュート23は、パーツフィーダ22から下方に延在し途中から傾斜した中空レール24を有している。この中空レール24内には、供給された逆止弁2が順次蓄積していくことになる。このため、中空レール24内の逆止弁2には、自重や他の逆止弁2の押圧によって、下方に押し出される力がかかっている。供給シュート23は、後述する逆止弁搬送装置30と協働して、蓄積された逆止弁2を下端の放出口23aから一個ずつ供給することができる。
【0025】
また、逆止弁供給装置21の供給シュート23には、不良品検出装置25(不良品検出手段)が設けてある(図1参照)。この不良品検出装置25は、搬送中の逆止弁2が正常なものか不良品かを判別する機能を有している。
逆止弁2は、本体部2aが中空となっており、この本体部2aの内部に裏面に形成した開口部からダイヤフラムを挿入し、その後、開口部を蓋で閉塞して構成されている(図7(b)参照)。かかる構成の逆止弁2に対する不良には、次の3つの態様が想定される。第1は、逆止弁2の蓋が存在しない、または確実に嵌め合わされていない状態である。第2は、逆止弁2内にダイヤフラムが挿入されていない状態である。第3は、ダイヤフラムが二枚以上挿入されている状態である。不良品検出装置25は、これら逆止弁2の不良の有無を検出し、その検出結果を後述する制御装置60に送信している。
【0026】
逆止弁搬送装置30には、逆止弁2を保持するターレット32と、このターレット32を回転させる駆動機構33とが備えられている。逆止弁搬送装置30のターレット32の周縁部には、逆止弁2を受け取る複数の逆止弁収容溝31(本実施形態では9箇所)が一定の角度間隔で形成されている。駆動機構33は、ターレット32を間欠的に回転駆動させる。すなわち、ターレット32は、逆止弁収容溝31が1ピッチずつ間欠移動するように駆動機構33をもって駆動される。
【0027】
逆止弁収容溝31の回転軌道上には、逆止弁の供給位置aが設置されるとともに、その下流側に逆止弁の押出装着位置bが設置されている。そして、ターレット32は、一つの逆止弁収容溝31が押出装着位置bに配置されたとき、他の一つの逆止弁収容溝31が供給位置aに配置される構成となっている。それぞれの逆止弁収容溝31は、逆止弁2がちょうど一個分だけ挿入可能な深さに形成してある。ターレット32の外周縁は、回転時に供給シュート23の放出口23aを塞ぐ。よって、ターレット32は、回転時には逆止弁2のシュート23からの落下を防止するとともに、次の逆止弁供給溝31が供給位置aに配置されたとき、当該逆止弁供給溝31に逆止弁2を一個供給する。このようにして、逆止弁搬送装置30は逆止弁2を一個ずつ包装フィルム1の押出装着位置bへ搬送する。
【0028】
ターレット32の逆止弁供給溝31には、逆止弁2の本体部2aおよびフランジ部2bが収容される。逆止弁供給溝31に収容された逆止弁2の本体部2aは、その外周が逆止弁供給溝31の内壁により保持されている。さらに、逆止弁2の軸方向への抜け防止するために、逆止弁2の供給位置aから押出装着位置bまでの搬送区間に、案内ガイド34(脱落防止手段)が設けられている。図3に示すように、本実施形態の案内ガイド34は、供給シュート23の下端に形成してある。この案内ガイド34は、逆止弁2のフランジ部2bをターレット32と協働して挟み込む構造としている。これにより逆止弁2の搬送時には、逆止弁2の抜け方向に案内ガイド34が存在して脱落が防止される。したがって、逆止弁搬送装置30は、逆止弁2を包装フィルム1の押出装着位置bに安定して搬送することができる。
【0029】
なお、逆止弁搬送装置30には、逆止弁2の押出装着位置bより下流側の回転軌道上にも排出用ガイド35が設けてある。また、ターレット32の下方には排出ボックス36が取り付けてある。排出用ガイド35は、逆止弁2の不良品を排出ボックス36の外側に落下するのを防止するためのものである。不良品は、押出装着位置bで逆止弁供給溝31から押し出されることなく、そのまま逆止弁供給溝31に保持されて下流側へ回転移動していき、排出ボックス36に自然落下して排出される。
【0030】
また、逆止弁搬送装置30の逆止弁2の供給位置aには、逆止弁検出センサ37が対向して設けられている。逆止弁検出センサ37は、供給位置aで逆止弁搬送装置30の逆止弁収容溝31へ逆止弁2が供給されたか否かを判別する機能を有している。逆止弁供給装置21に不具合があって供給位置aに逆止弁2が供給されないとき、逆止弁検出センサ37がこれを検出する。
【0031】
本実施形態の押出装着手段は、包装フィルム1の裏面に熱接着剤が塗布されており、その溶融性を利用し、逆止弁2を熱融着させる構造を適用している。逆止弁押出装置40は、逆止弁収容溝31よりも小径押出面の押圧シリンダ41を有しており、この押圧シリンダ41が押出装着位置bに対向して設けられている。逆止弁押出装置40は、この押圧シリンダ41を前後に間欠的に摺動させている。この逆止弁押出装置40は、後述する制御装置60によって押圧シリンダ41の摺動動作が制御されている。
【0032】
逆止弁貼付けヒータ50は、包装フィルム1を挟んで上記逆止弁押出装置40の反対側に対向して設けられている。逆止弁貼付けヒータ50はヒータブロック51を有し、押圧シリンダ41とほぼ同時にヒータブロック51を間欠的に摺動する構成となっている。ヒータブロック51の端面は、内蔵されたヒータ52によって加熱されている。このように加熱されたヒータブロック51が移動してきて、包装フィルム1に接触する。反対側からは、押圧シリンダ41が逆止弁2を逆止弁収容溝31から押し出して包装フィルム1に接触させる。このようにして、ヒータブロック51と押圧シリンダ41とにより逆止弁2と包装フィルム1が挟圧され、その状態でヒータブロック51からの熱によって逆止弁2が包装フィルム1に融着される。
ヒータブロック51の端面の中心領域には複数本の針53が突き出している。この針53が包装フィルム1に突き刺さることで、包装フィルム1に逆止弁2に至るガス抜き孔が貫通して形成される。
【0033】
図5は、本実施形態に係る逆止弁装着装置をホルダに取り付けた状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
同図に示すように、逆止弁装着装置20は、逆止弁搬送装置30及び逆止弁押出装置40が揺動開閉可能なホルダ80に設置される。このホルダ80は、包装フィルム1の搬送経路上に設けられた逆止弁供給装置21に係合するように取り付けられる。具体的には、逆止弁供給装置21の供給シュート23の放出口23a付近に、逆止弁2の供給位置a(逆止弁収容溝31)が配置されるように取り付けられる。このホルダ80は、逆止弁搬送装置30及び逆止弁押出装置40を一体的に移動させることができる。このため、例えば、逆止弁2が詰まった際にホルダ80を開閉することで詰まった逆止弁2を容易に取り除くことができる。すなわち、このホルダ80によって、逆止弁装着装置20全体のメンテナンス性を向上させることが可能である。
【0034】
図6は、本実施形態に係る逆止弁装着装置に接続される制御装置を示すブロック図である。
同図に示すように、縦型製袋充填包装装置には、各種装置に電気的に接続する制御装置60(制御手段)が設置される。この制御装置60は内部に演算装置61及び記憶装置62が、外部に入力装置63及び表示装置64が備えてある。この制御装置60には、測長子70、不良品検出装置25、逆止弁検出センサ37などが図示しない入力インターフェースに接続される。また、制御装置60は、供給ローラ11の交流モータ11a、繰出しローラ19のサーボモータ19a、逆止弁搬送装置30の駆動機構33、逆止弁押出装置40、逆止弁貼付けヒータ50、プリンタ13などが図示しない出力インターフェースに接続されている。
【0035】
次に、逆止弁の包装フィルムへの装着動作について説明する。
図7は、本実施形態に係る逆止弁装着装置の各装置の動作を示したタイミングチャートである。
縦型製袋充填包装装置は、制御装置60に制御された繰出しローラ19によって、包装フィルム1を一定の長さに間欠的に繰り出す構成である。このとき、繰り出される包装フィルム1は、測長子70によってその長さが正確に計測され、制御装置60に状態が送信されている。
逆止弁装着装置20による逆止弁の押出装着位置bは、包装フィルム1の搬送軌道と対向して設けられている。
【0036】
逆止弁2は、逆止弁供給装置21のパーツフィーダ22に溜められ、一個ずつ供給シュート23に供給されていく。供給シュート23に供給された逆止弁2は、中空レール24内を通過して下方に順次蓄積されていく。このとき、逆止弁2は不良品検出装置25によって、その状態が検出されている。不良品検出装置25は、逆止弁2の異常を検出した場合に制御装置60に検出信号を送信する。制御装置60は、不良品検出装置25からの検出信号を受け取って、逆止弁2がターレット32の逆止弁収容溝31に排出されるまでの間欠駆動回数をカウントする。逆止弁収容溝31に供給される逆止弁2は、ターレット32の間欠駆動によって、不良品検出装置25から何カウント目に押出装着位置bに供給されるのかが判明している。このため、制御装置60は異常のある逆止弁2を正確に把握することができる。
【0037】
その後、ターレット32の間欠回転にともなって、逆止弁収容溝31が逆止弁2の供給位置aに移動してくると、最も下方にある逆止弁2が一個だけ収容される。このとき、逆止弁検出センサ37が逆止弁収容溝31への逆止弁2の供給を検出している。逆止弁2が検出されない場合は制御装置60へ信号を送り、制御装置60が各装置の駆動を停止させることになる。
【0038】
また、逆止弁収容溝31に収容された逆止弁2は、ターレット32の回転によって逆止弁2の押出装着位置bに配置される。この逆止弁2の搬送は、包装フィルム1が繰り出され、逆止弁2が逆止弁収容溝31から抜けた後に間欠搬送される。そして、包装フィルム1及び逆止弁2の搬送が停止すると、逆止弁押出装置40の押圧シリンダ41及び逆止弁貼付けヒータ50のヒータブロック51が互いに近接するように摺動し、逆止弁2を包装フィルム1に一定時間押しつけて装着する。
【0039】
このとき、逆止弁2に異常が検出されていた場合、すなわち当該逆止弁2が不良品であった場合は、押圧シリンダ41及びヒータブロック51は動作されずそのまま逆止弁収容溝31に残ることになる。さらに、次の間欠駆動では、包装フィルム1の搬送が行われず、ターレット32のみが間欠駆動する。このように、制御装置60が各装置の駆動を制御することによって、不良品を廃棄することができる。
以上のようにして、逆止弁装着装置20は、逆止弁2を包装フィルム1に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態に係る縦型製袋充填包装装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る逆止弁装着装置を示す拡大正面図である。
【図3】本実施形態に係る逆止弁装着装置の案内ガイドを拡大して示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図4】本実施形態に係る逆止弁装着装置を示す側面拡大図である。
【図5】実施形態に係る逆止弁装着装置をホルダに取り付けた状態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図6】本実施形態に係る逆止弁装着装置に接続される制御装置を示すブロック図である。
【図7】本実施形態に係る逆止弁装着装置の各装置の動作を示したタイミングチャートである。
【図8】容器に逆止弁を装着した状態を示す斜視図である。
【図9】特許文献1の縦型製袋充填包装機の逆止弁装着ユニットを示す拡大模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1:包装フィルム、2:逆止弁、
10:フィルムリール、11:供給ローラ、12:テンションローラ、13:プリンタ、14:搬送ローラ、15:製袋チューブ、16:縦シーラ、17:繰出しベルト、18:横シーラ、19:繰出しローラ、
20:逆止弁装着装置、21:逆止弁供給装置、22:パーツフィーダ、23:供給シュート、24:中空レール、25:不良品検出装置、
30:逆止弁搬送装置、31:逆止弁収容溝、32:ターレット、33:駆動機構、34:案内ガイド、35:排出用ガイド、36:排出ボックス、37:逆止弁検出センサ、
40:逆止弁押出装置、41:押圧シリンダ、
50:逆止弁貼付けヒータ、51:ヒータブロック、52:ヒータ、53:針、
60:制御装置、61:演算装置、62:記憶装置、63:入力装置、64:表示装置、
70:測長子、
80:ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装フィルムの搬送経路上に設けられ、逆止弁を当該包装フィルムに装着する逆止弁装着装置において、
逆止弁を所定の供給位置へ一個ずつ供給する逆止弁供給手段と、
逆止弁が挿入される複数の逆止弁収容溝を有し、間欠的に回転駆動され、前記逆止弁収容溝の回転軌道上に前記供給位置が設置されるとともに、その下流側に逆止弁の押出装着位置が設置されており、一つの逆止弁収容溝が前記押出装着位置に配置されたとき他の一つの逆止弁収容溝が前記供給位置に配置される構成の逆止弁搬送手段と、
前記押出装着位置に配置された逆止弁収容溝から逆止弁を押し出して包装フィルムに装着する押出装着手段と、を備えることを特徴とする逆止弁装着装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の逆止弁装着装置において、
前記逆止弁搬送手段は、前記供給位置から押出装着位置までの回転区間に、前記逆止弁収容溝からの逆止弁の脱落を防止する脱落防止手段を備えることを特徴とする逆止弁装着装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載の逆止弁装着装置において、
前記逆止弁は、円筒形状の本体部と、該本体部の一端面から径方向に突き出たフランジ部とを有する形状となっており、
前記逆止弁搬送手段は、略円盤状のターレットを備え、当該ターレットの周縁部に一定の角度間隔で前記複数の逆止弁収容溝が形成された構成となっており、かつ、前記逆止弁収容溝は前記逆止弁の本体部を収容可能な形状に形成されており、
さらに、前記脱落防止手段は、前記ターレットと協働して逆止弁のフランジ部を挟み、この状態で逆止弁を移動案内する案内ガイドで構成されていることを特徴とする逆止弁装着装置。
【請求項4】
前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の逆止弁装着装置において、
前記供給位置で前記逆止弁搬送手段の逆止弁収容溝へ逆止弁が供給されたか否かを判別する逆止弁検出センサを備えることを特徴とする逆止弁装着装置。
【請求項5】
前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の逆止弁装着装置において、
前記供給手段によって供給される逆止弁の良否を判別する不良品検出手段を備えており、
前記逆止弁搬送手段の回転軌道上には、前記押出装着位置の下流側に不良品排出位置が設置されており、
かつ、前記押出装着手段は、前記不良品検出手段が不良品と判別した逆止弁が前記押出装着位置に搬送されてきたとき、当該逆止弁に対し前記逆止弁収容溝からの押し出し動作を行わないように制御される構成であることを特徴とする逆止弁装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−268885(P2007−268885A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98185(P2006−98185)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】