通信システム、呼び出し装置、基地局及び通信方法
【課題】基地局と移動局との接続を設立することなくユーザデータを移動局に対して送信する通信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】外部より受信された受信メッセージに応じて送信メッセージを生成する呼び出し装置11と、呼び出し装置11によって生成された送信メッセージを受信して移動局に送信する基地局12と、を備え、呼び出し装置11は、移動局と基地局12との接続が確立する前に、呼び出し装置11から基地局12を介して移動局に送信される移動局を呼び出す呼び出しメッセージに、移動局に送信するデータ内容を示すユーザデータを付加して送信する。
【解決手段】外部より受信された受信メッセージに応じて送信メッセージを生成する呼び出し装置11と、呼び出し装置11によって生成された送信メッセージを受信して移動局に送信する基地局12と、を備え、呼び出し装置11は、移動局と基地局12との接続が確立する前に、呼び出し装置11から基地局12を介して移動局に送信される移動局を呼び出す呼び出しメッセージに、移動局に送信するデータ内容を示すユーザデータを付加して送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3GPPで標準化が行われているUTRANLTE(Universal Terrestrial Radio Access Network Long Term Evolution)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準化において、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)が無線LAN等の他の無線通信技術に対して競争力を維持することを目的として、UTRANの発展に関する検討(UTRAN LTE(Long Term Evolution))が行われている(非特許文献1)。UTRANでは、図8に示すように、上位ネットワーク81及び無線サブネットワーク装置82(Radio Network Subsystem)を備えている。無線サブネットワーク装置82は、更に、無線ネットワーク装置83(Radio Network Controller)及び基地局84(NodeB)を備えている。
【0003】
UTRANでは、一般的に、RNCは局社内などのセキュリティが確保される場所に配置されるため、UEとUTRAN間、UTRANを介してUEとCore Network間で制御メッセージを交換するときには、UTRANとUE間でのみ制御メッセージに対してセキュリティ処理(ciphering(秘匿)、integrity protection (改ざんの検出))が実施されている。よって、NASメッセージに対してセキュリティ処理を実施する場合には、RRCメッセージを用いて、UEとUTRAN間にコネクションを確立する必要がある。
【0004】
一方、UTRAN LTEでは、UTRANにおける無線ネットワーク装置83と基地局84が一体化された基地局eNB(E−UTRAN NodeB)によってUTRANが構成される。LTEでのUTRANは、E−UTRAN(Evolution−UTRAN)と定義されている。また、LTEでの上位ネットワークとネットワークコントローラは、MME(Mobility Management Entity)と定義されている。
【0005】
E−UTRANでは、無線ネットワーク装置83と基地局84を一体化することにより、図8に示されるUTRANと比較してE−UTRANのノード数が削減され、ノード数を削減することにより移動局が通信を行うための移動局/基地局/上位ネットワーク間のコネクションの設定遅延が削減される(非特許文献2)。図8でのUTRANでの無線ネットワーク装置83/基地局84間のコネクションの設定が、E−UTRANでは不要になるからである。
【0006】
UTRAN LTEでは、基地局であるeNBは、一般的に、UTRANにおけるNodeBと同様の場所(例えば、屋外)に配置されるため、E−UTRANではS1インターフェースを転送される制御メッセージのセキュリティが確保されているとは言えない。よって、LTEでは、UEとMME間で交換される制御メッセージであるNASメッセージに対するセキュリティ処理(ciphering、integrity protection)がUEとMME間で実施される。NASメッセージに対するセキュリティ処理を実施するために必要な情報(秘匿鍵など)は、LTE−IDLE、LTE−ACTIVEの状態のときに、UEとMMEで保持されている。LTE−IDLEの状態の時は、UEとeNB間でRRCメッセージに対するセキュリティ処理を実施するために必要な情報は破棄される。また、このような技術は特許文献1又は2にも記載されている。
【特許文献1】特開2000−278259号公報
【特許文献2】特表2002−505829号公報
【非特許文献1】「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN); Overall description」、3GPP TS 36.300 v8.2.0 (2007-9)、3GPP
【非特許文献2】「UTRAN overall description」、3GPP TS 25.401 V7.5.0(2007-09)、3GPP
【非特許文献3】「3G Security;Security architecture」、3GPP TS 33.102 V7.1.0、3GPP
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来のUTRAN LTEにおいては、移動局とE−UTRAN間、及びE−UTRANを介した移動局と上位ネットワーク間において制御メッセージを交換する際には、E−UTRANと移動局間でのみ制御メッセージに対してセキュリティ処理(ciphering(秘匿)、integrity protection(改ざんの検出))が実施される。ここで、従来のUTRAN LTEにおいては、ネットワークコントローラを含む上位ネットワークと、移動局の間で制御メッセージを送受信する際、移動局とE−UTRAN間の接続を確立した後でなければ、ユーザデータを送信することができない。
【0008】
ここで、E−UTRANの待機状態において受信されたユーザデータが、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を返す必要がないデータ、例えば、簡易的な広告メールや外出時に自宅に訪問者が来たことを知らせるサービスや自宅に電話があったことを知らせるサービス等のように重要度の低いデータであった場合でも、従来のE−UTRANにおいては、移動局とE−UTRAN間のコネクションを確立した後でなければユーザデータを移動局に送信することはできなかった。そのため、上記のような移動局から基地局へACKを返す必要性がないような簡易なメッセージであっても、無線資源を使用して移動局とE−UTRAN間の接続を確立しなければならず、このようなメッセージの送信に対して無線資源が無駄に使用されていた。この結果、同じ無線資源を使用する他の移動局とE−UTRAN間でアクセスに遅延が生じるという問題を有していた。
【0009】
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、無線資源を有効に活用することで、通信システムと移動局間のデータ通信の高速化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る通信システムの一態様は、受信されたメッセージに応じて、移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信し、前記移動局に送信する基地局と、を備え、前記呼び出し装置は、前記受信されたメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加したメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信するものである。
【0011】
また、本発明に係る通信方法の一態様は、外部より受信されたメッセージに応じて移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信して移動局に送信する基地局と、を備えた通信システムの通信方法であって、外部より前記メッセージを受信し、受信された前記メッセージに応じて、前記呼び出しメッセージ上に前記移動局に送信するデータ内容であるユーザデータを付加した送信メッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信するものである。
【0012】
また、本発明に係る移動局の通信方法は、通信システムと通信してメッセージを送受信する移動局の通信方法であって、前記通信システムより受信された前記メッセージにデータ内容を示すユーザデータが含まれている場合には、自己に設定された暗号化資源を用いて前記ユーザデータを復号化するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無線資源を有効に活用することで、通信システムと移動局間におけるアクセス時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成例を示すブロック図である。この通信システム10は、外部より受信されたメッセージに応じて移動局(図示せず)を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置11と、呼び出し装置11によって生成された呼び出しメッセージを受信して移動局に送信する基地局12と、を備えている。呼び出し装置11は、受信されたメッセージに応じて、呼び出し装置11から基地局12を介して移動局に送信される呼び出しメッセージに、移動局に送信するデータ内容を示すユーザデータを付加したメッセージを生成し、移動局(図示せず)と基地局12との接続が確立する前に基地局12に送信する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る通信システムを、UTRAN LTEシステムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。この通信システム20は、前述した呼び出し装置21(Mobility Management Entity)、移動局23(User Equipment)、及び基地局22(E−UTRAN NodeB)を備えている。呼び出し装置21は、外部から受信された受信メッセージに応じて移動局を呼び出す呼び出しメッセージ(S1−AP:Paging)を生成し、基地局22に送信する。呼び出しメッセージを送信することで、受信されたメッセージの送信先である移動局23の呼び出しを行う。呼び出し装置21には、複数の基地局22が接続されている。呼び出し装置21と基地局22は、S1インターフェースによって接続されている。
【0016】
ここで、通信システム20においては、外部より受信されたメッセージが、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要がないデータであるか否かにより、異なるシーケンスを実施するよう構成されている。ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要がないユーザデータについては、ユーザデータが呼び出し装置21に対して送信される。呼び出し装置21は、外部より受信されたメッセージが、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を移動局23が返す必要がないデータであると判別した場合には、受信されたメッセージに含まれるデータ内容を示すユーザデータを呼び出しメッセージに付加して基地局22に送信する。
【0017】
一方、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要のあるユーザデータについては、呼び出し装置21には送信されず、中継装置(図示しない)に送信される。ここで、中継装置は、外部ネットワークとの通信を中継する機能を有する装置であり、UTRAN LTEにおけるServing Gatewayである。中継装置は、所定の移動局に対してユーザデータを送信する際に、呼び出し装置21に対して呼び出しメッセージを送信するよう制御メッセージを送信する。呼び出し装置21は、呼び出しメッセージを送信するよう後述する中継装置から制御メッセージを受信すると、呼び出しを行う移動局23の位置をカバーする基地局22に対し、ユーザデータが付加されていない呼び出しメッセージを送信する。そして、移動局23と基地局22との間の接続が確立した後に、中継装置は、移動局21との接続が確立された基地局22に対して、呼び出し装置23を介さずにユーザデータを送信する。
【0018】
移動局23は、電源起動時に、自己の位置を示す情報を基地局22を介して呼び出し装置21に送信する。これにより、呼び出し装置21は、移動局23の位置を呼び出しメッセージを送信する前に予め取得することができる。呼び出し装置21は、取得された位置に応じて、移動局23が位置するエリアをカバーする複数の基地局22に対し、送信メッセージを送信する。また、移動局23は、電源起動後に、呼び出し装置21から暗号化に必要な情報を取得する。暗号化に必要な情報から移動局と呼び出し装置はそれぞれ暗号化に必要な共通の鍵を生成し、暗号化の鍵を共有する。この暗号化の鍵は、呼び出し装置21と移動局23間で送受信されるユーザデータ(NASメッセージ)に対して暗号化及び復号化処理を行う際に使用される。複数の基地局22は、互いにX2インターフェースによって接続されている。基地局22と移動局23は、Uuインターフェースによって接続されている。
【0019】
図3は、呼び出し装置21の構成例を示す機能ブロック図である。呼び出し装置21は、制御部51、送信メッセージ生成部50(NASレイヤー52及びS1−APレイヤー53)及び伝送部(S1)54を備えて構成されている。NASレイヤー52において、受信されたNASメッセージの解読が実施されると共に、伝送部(S1)54を介して送信されるNASメッセージの生成処理が実施される。S1−APレイヤー53において、受信されたS1−APメッセージの解読が実施されると共に、送信されるS1−APメッセージの生成処理が実施される。制御部51は、送信メッセージ生成部50であるNASレイヤー52及びS1−APレイヤー53メッセージの生成を指示する。伝送部(S1)54は、S1インターフェースからメッセージを受信すると共に、送信メッセージ生成部50によって生成されたRRCメッセージ及びNASメッセージをS1インターフェースを介して基地局22に送信する。
【0020】
制御部51は、外部より受信されたメッセージの種別を判別するメッセージ判別部511を備えている。メッセージ判別部511は、受信されたメッセージがユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要がないデータであるか判別する。換言すれば、メッセージ判別部511は、受信されたメッセージが呼び出しメッセージ上にユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるか判別する。メッセージ判別部511は、受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、受信されたメッセージが呼び出しメッセージにユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるか判別する。すなわち、メッセージ判別部511は、受信されたメッセージに含まれるIPヘッダに基づいて、呼び出しメッセージにユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるか判別することができる。制御部51は、メッセージ判別部511によって、呼び出しメッセージ上にユーザデータを付加して送信するべきメッセージと判別された場合には、メッセージ生成部50(NASレイヤー52、S1−APレイヤー53)に対して呼び出しメッセージにユーザデータを付加したメッセージを生成するよう指示する。
【0021】
図4は、基地局22の構成例を示す機能ブロック図である。基地局22は、伝送部(S1)41、制御部42、S1−APレイヤー43、RRCレイヤー44、及び伝送部(Uu)45を備えて構成されている。S1−APレイヤー43では、受信されたS1−APメッセージの解読が実施されると共に、送信されるS1−APメッセージの生成処理が実施される。RRCレイヤー44では、受信されたRRCメッセージの解読が実施されると共に、送信されるRRCメッセージの生成処理が実施される。伝送部(S1)41では、S1インターフェースからメッセージを受信すると共に、生成したメッセージをS1インターフェースに送信する。
【0022】
伝送部(Uu)45では、Uuインターフェースからメッセージを入力すると共に、生成したメッセージをUuインターフェースに送信する。制御部42は、移動局23から受信されたRRCメッセージからS1−APメッセージを生成する場合に、RRCメッセージの情報をS1−APレイヤーに通知する。同様に、制御部42は、呼び出し装置21から受信されたS1−APメッセージから、RRCメッセージを生成する場合には、S1−APメッセージの情報をRRCレイヤーに通知するよう構成されている。
【0023】
図5は、移動局23の構成例を示す機能ブロック図である。移動局23は、制御部31、NASレイヤー32、RRCレイヤー33、及び伝送部(Uu)34を備えて構成されている。NASレイヤー32は、受信されたNASメッセージを解読すると共に、送信するNASメッセージを生成する。RRCレイヤー33は、基地局22を介して呼び出し装置21より受信されたRRCメッセージを解読すると共に、基地局22を介して呼び出し装置21に送信するNASメッセージを生成する。制御部31は、NASレイヤー32及びRRCレイヤー33に対してメッセージを生成するよう指示する。
【0024】
次に、このように構成された通信システム20のシーケンスについて説明する。この通信システム20においては、前述のように、移動局23から基地局22 へユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を返す必要がないユーザデータと、移動局23から基地局22 へユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を返す必要のあるユーザデータとでは、ユーザデータの伝送経路が異なる。図6を用いて、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要としないユーザデータの送信方法を説明し、図7を用いて、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要のあるユーザデータの送信方法について説明する。
【0025】
図6は、本実施形態に係る通信システムの移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要のないユーザデータの送信方法を示すシーケンスチャートである。待機状態(LTE−IDLE)において、呼び出し装置21が外部からメッセージを受信する(S1)。呼び出し装置21は、受信されたメッセージのIPヘッダから、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要としないサービスであるか判別する(S2)。換言すれば、受信されたメッセージが、呼び出しメッセージ上でユーザデータを送信するデータか判別する。
【0026】
ここで、ステップS2において、呼び出し装置21は、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要としないメッセージを受信したと判別すると、呼び出し装置21は、送信先に該当する移動局23のNASメッセージに用いられる暗号化資源を用いて受信されたメッセージに含まれているユーザデータを暗号化する(S3)。呼び出し装置21は、暗号化されたユーザデータ(Packet Data Unit)に、S1−APヘッダを付与して基地局22に送信する(S4)。ここで、S1−APヘッダには、移動局23を識別するために用いられる移動局を識別する識別情報が含まれているものとする。
【0027】
暗号化されたユーザデータは、呼び出し装置21において事前に取得された移動局23の位置に基づいて、移動局23が位置するエリアをカバーする複数の基地局22に一斉に送信される。基地局22は、暗号化されたメッセージを受信すると、S1−APメッセージを解読し、必要な情報をRRCレイヤーで用いるRRCメッセージへ変換する。そして、RRCメッセージとして生成された呼び出しメッセージを自己のカバーするエリアに送信する。
【0028】
ここで、ある基地局22のカバーエリア内に位置する移動局23が、基地局22から呼び出しメッセージを受信すると、自己の移動局宛の呼び出しメッセージか判別する(S6)。具体的には、RRCヘッダに含まれる移動局の識別情報が、自己に設定された識別情報と一致するか比較を行う。ここで、RRCヘッダに含まれる識別情報が、自己に設定された識別情報と一致した場合であって、受信されたメッセージにユーザデータが存在する場合には、呼び出しメッセージ上にてユーザデータが送られてきたと判断し、移動局23で保持している暗号化資源を用いて受信されたメッセージの復号化を行う(S7)。そして、順次メッセージの解読を行い、メッセージの受信処理を実施する。
【0029】
図7は、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要とする場合のシーケンスチャートである。移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要とする場合には、ユーザデータは、呼び出し装置21に送信されずに、中継装置24に送信される。中継装置24は、外部よりユーザデータを含むメッセージを受信すると、当該ユーザデータの送信先である移動局23を呼び出すよう、呼び出し装置21に対し、制御メッセージを送信する(S11)。呼び出し装置21は、中継装置24より制御メッセージを受信すると(S12)、対応する移動局23が位置するエリアをカバーする複数の基地局22に対して呼び出しメッセージを送信する(S13)。
【0030】
基地局22は、S1−APメッセージによる呼び出しメッセージを解読し、必要な情報をRRCレイヤーで用いる呼び出しメッセージへ変換する。そして、RRCレイヤーの呼び出しメッセージを生成し、自己がカバーするエリア内に送信する(S14)。移動局23は、基地局22から送信された呼び出しメッセージを受信し、受信した呼び出しメッセージが自己の移動局宛てのメッセージであるか判別する。そして自己宛てのメッセージであると判別した場合には、RACHプリアンブル信号を基地局22に対して送信する(S15)。基地局22は、呼び出しを行った移動局23からRACHプリアンブル信号を受信すると、当該移動局23に対して、RACH応答を送信する(S16)。
【0031】
移動局23は、基地局22からRACH応答を受信すると、RRCメッセージを生成し、接続要求を基地局22に対して送信する(S17)。基地局22は、移動局23から接続要求を受信すると、S1−APメッセージを生成して呼び出し装置21に初期移動局メッセージを送信すると共に(S18)、移動局23に対して接続確立を応答する(S19)。呼び出し装置21は、基地局22から、初期移動局メッセージを受信すると、基地局22と移動局23との接続が確立したことを知り、基地局22に対してユーザデータが付加された初期コンテクスト要求を基地局22に送信する(S20)。
【0032】
基地局22は、呼び出し装置21から初期コンテクスト要求を受信すると、接続が確立している移動局23に対し無線信号セットアップを送信する(S21)。移動局23は、無線信号セットアップの受信が完了すると、基地局22に対してメッセージ受信完了を知らせる無線信号受信完了をRRCメッセージとして送信する(S22)。基地局22は、移動局23から無線信号受信完了を受信すると、S1−APメッセージを生成して、ユーザデータが送信完了したことを示す初期セットアップ完了を呼び出し装置21に対して送信する。基地局22と移動局23との接続が確立し、初期セットアップが完了すると、この報告を受けた中継装置24は、移動局23に送信するユーザデータを基地局22に対して送信する(S24)。
【0033】
このように、本実施形態に係る通信システムにおいては、図6に示すように、LTE−IDLEの状態で着信の際に実施されるPaging処理にてRRCとS1−APプロトコルでUEへ送信されるPagingメッセージ上にMMEで秘匿させたユーザデータを載せて、無線区間にユーザデータを送信することができる。呼び出し装置21において、受信されたメッセージが、基地局22と移動局23との間に接続を確立する必要のないメッセージであると判断した場合には、呼び出しメッセージ上にユーザデータを付加して移動局23に送信することで、ユーザデータの送信に係る時間の短縮を図ることができる。
【0034】
また、1つの基地局にアクセスできる移動局の数は無線資源に応じて限られてしまうが、上記のような重要度の低いメッセージについては、基地局22と移動局23との接続を確立しないよう構成することで、無線資源を有効活用することができる。この結果、同じ無線資源を使用する他の移動局が、使用していない無線資源を利用できるようになるため、移動局とネットワークコントローラ間におけるアクセス時間の短縮を図ることができる。
【0035】
また、呼び出し装置21は、送信先である移動局23に設定された暗号化資源を用いてユーザデータを暗号化するため、ユーザデータの秘匿性を確保したままユーザデータを移動局23に対して送信することができる。
【0036】
また、図7に示すように、呼び出し装置21において受信されたメッセージが、基地局である基地局22と移動局である移動局23との接続を確立する必要があるメッセージであると判断された場合には、基地局22と移動局23との間の接続を確立した後に、ユーザデータを基地局22に送信することで、ユーザデータの種別に応じてメッセージの送信方法を選択することができる。
【0037】
本実施形態においては、メッセージの種別に応じて、ユーザデータの送信方法を選択する構成として説明したが、ユーザデータの種別を判別せずに、全てのメッセージを、基地局22と移動局23との接続が確立する前に呼び出しメッセージ上に付加して送信するように構成することも勿論できる。これにより全てのメッセージの送信において、呼び出し装置21から移動局23へのアクセスの高速化を図ることができる。
【0038】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信システムをUTRAN LTEに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る通信システムの上位ネットワークの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る通信システムの基地局の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る通信システムの移動局の構成例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係る通信システムの移動局から基地局 へACKを返すことを必要のないユーザデータの送信方法を示すシーケンスチャートである。
【図7】本実施形態に係る通信システムの移動局から基地局へACKを返すことを必要のあるユーザデータの送信方法を示すシーケンスチャートである。
【図8】従来のUTRANの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10、20 通信システム
11 呼び出し装置
12 基地局
20 通信システム
21 呼び出し装置
22 基地局
23 移動局
24 中継装置
31 制御部
32 NASレイヤー
33 RRCレイヤー
34 伝送部(Uu)
41 伝送部(S1)
42 制御部
43 S1−APレイヤー
44 RRCレイヤー
45 伝送部(Uu)
51 制御部
52 NASレイヤー
53 RRCレイヤー
54 伝送部(S1)
511 メッセージ判別部
S1 インターフェース
X2 インターフェース
Uu インターフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、3GPPで標準化が行われているUTRANLTE(Universal Terrestrial Radio Access Network Long Term Evolution)システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準化において、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)が無線LAN等の他の無線通信技術に対して競争力を維持することを目的として、UTRANの発展に関する検討(UTRAN LTE(Long Term Evolution))が行われている(非特許文献1)。UTRANでは、図8に示すように、上位ネットワーク81及び無線サブネットワーク装置82(Radio Network Subsystem)を備えている。無線サブネットワーク装置82は、更に、無線ネットワーク装置83(Radio Network Controller)及び基地局84(NodeB)を備えている。
【0003】
UTRANでは、一般的に、RNCは局社内などのセキュリティが確保される場所に配置されるため、UEとUTRAN間、UTRANを介してUEとCore Network間で制御メッセージを交換するときには、UTRANとUE間でのみ制御メッセージに対してセキュリティ処理(ciphering(秘匿)、integrity protection (改ざんの検出))が実施されている。よって、NASメッセージに対してセキュリティ処理を実施する場合には、RRCメッセージを用いて、UEとUTRAN間にコネクションを確立する必要がある。
【0004】
一方、UTRAN LTEでは、UTRANにおける無線ネットワーク装置83と基地局84が一体化された基地局eNB(E−UTRAN NodeB)によってUTRANが構成される。LTEでのUTRANは、E−UTRAN(Evolution−UTRAN)と定義されている。また、LTEでの上位ネットワークとネットワークコントローラは、MME(Mobility Management Entity)と定義されている。
【0005】
E−UTRANでは、無線ネットワーク装置83と基地局84を一体化することにより、図8に示されるUTRANと比較してE−UTRANのノード数が削減され、ノード数を削減することにより移動局が通信を行うための移動局/基地局/上位ネットワーク間のコネクションの設定遅延が削減される(非特許文献2)。図8でのUTRANでの無線ネットワーク装置83/基地局84間のコネクションの設定が、E−UTRANでは不要になるからである。
【0006】
UTRAN LTEでは、基地局であるeNBは、一般的に、UTRANにおけるNodeBと同様の場所(例えば、屋外)に配置されるため、E−UTRANではS1インターフェースを転送される制御メッセージのセキュリティが確保されているとは言えない。よって、LTEでは、UEとMME間で交換される制御メッセージであるNASメッセージに対するセキュリティ処理(ciphering、integrity protection)がUEとMME間で実施される。NASメッセージに対するセキュリティ処理を実施するために必要な情報(秘匿鍵など)は、LTE−IDLE、LTE−ACTIVEの状態のときに、UEとMMEで保持されている。LTE−IDLEの状態の時は、UEとeNB間でRRCメッセージに対するセキュリティ処理を実施するために必要な情報は破棄される。また、このような技術は特許文献1又は2にも記載されている。
【特許文献1】特開2000−278259号公報
【特許文献2】特表2002−505829号公報
【非特許文献1】「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN); Overall description」、3GPP TS 36.300 v8.2.0 (2007-9)、3GPP
【非特許文献2】「UTRAN overall description」、3GPP TS 25.401 V7.5.0(2007-09)、3GPP
【非特許文献3】「3G Security;Security architecture」、3GPP TS 33.102 V7.1.0、3GPP
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来のUTRAN LTEにおいては、移動局とE−UTRAN間、及びE−UTRANを介した移動局と上位ネットワーク間において制御メッセージを交換する際には、E−UTRANと移動局間でのみ制御メッセージに対してセキュリティ処理(ciphering(秘匿)、integrity protection(改ざんの検出))が実施される。ここで、従来のUTRAN LTEにおいては、ネットワークコントローラを含む上位ネットワークと、移動局の間で制御メッセージを送受信する際、移動局とE−UTRAN間の接続を確立した後でなければ、ユーザデータを送信することができない。
【0008】
ここで、E−UTRANの待機状態において受信されたユーザデータが、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を返す必要がないデータ、例えば、簡易的な広告メールや外出時に自宅に訪問者が来たことを知らせるサービスや自宅に電話があったことを知らせるサービス等のように重要度の低いデータであった場合でも、従来のE−UTRANにおいては、移動局とE−UTRAN間のコネクションを確立した後でなければユーザデータを移動局に送信することはできなかった。そのため、上記のような移動局から基地局へACKを返す必要性がないような簡易なメッセージであっても、無線資源を使用して移動局とE−UTRAN間の接続を確立しなければならず、このようなメッセージの送信に対して無線資源が無駄に使用されていた。この結果、同じ無線資源を使用する他の移動局とE−UTRAN間でアクセスに遅延が生じるという問題を有していた。
【0009】
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、無線資源を有効に活用することで、通信システムと移動局間のデータ通信の高速化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る通信システムの一態様は、受信されたメッセージに応じて、移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信し、前記移動局に送信する基地局と、を備え、前記呼び出し装置は、前記受信されたメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加したメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信するものである。
【0011】
また、本発明に係る通信方法の一態様は、外部より受信されたメッセージに応じて移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信して移動局に送信する基地局と、を備えた通信システムの通信方法であって、外部より前記メッセージを受信し、受信された前記メッセージに応じて、前記呼び出しメッセージ上に前記移動局に送信するデータ内容であるユーザデータを付加した送信メッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信するものである。
【0012】
また、本発明に係る移動局の通信方法は、通信システムと通信してメッセージを送受信する移動局の通信方法であって、前記通信システムより受信された前記メッセージにデータ内容を示すユーザデータが含まれている場合には、自己に設定された暗号化資源を用いて前記ユーザデータを復号化するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無線資源を有効に活用することで、通信システムと移動局間におけるアクセス時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成例を示すブロック図である。この通信システム10は、外部より受信されたメッセージに応じて移動局(図示せず)を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置11と、呼び出し装置11によって生成された呼び出しメッセージを受信して移動局に送信する基地局12と、を備えている。呼び出し装置11は、受信されたメッセージに応じて、呼び出し装置11から基地局12を介して移動局に送信される呼び出しメッセージに、移動局に送信するデータ内容を示すユーザデータを付加したメッセージを生成し、移動局(図示せず)と基地局12との接続が確立する前に基地局12に送信する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る通信システムを、UTRAN LTEシステムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。この通信システム20は、前述した呼び出し装置21(Mobility Management Entity)、移動局23(User Equipment)、及び基地局22(E−UTRAN NodeB)を備えている。呼び出し装置21は、外部から受信された受信メッセージに応じて移動局を呼び出す呼び出しメッセージ(S1−AP:Paging)を生成し、基地局22に送信する。呼び出しメッセージを送信することで、受信されたメッセージの送信先である移動局23の呼び出しを行う。呼び出し装置21には、複数の基地局22が接続されている。呼び出し装置21と基地局22は、S1インターフェースによって接続されている。
【0016】
ここで、通信システム20においては、外部より受信されたメッセージが、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要がないデータであるか否かにより、異なるシーケンスを実施するよう構成されている。ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要がないユーザデータについては、ユーザデータが呼び出し装置21に対して送信される。呼び出し装置21は、外部より受信されたメッセージが、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を移動局23が返す必要がないデータであると判別した場合には、受信されたメッセージに含まれるデータ内容を示すユーザデータを呼び出しメッセージに付加して基地局22に送信する。
【0017】
一方、ユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要のあるユーザデータについては、呼び出し装置21には送信されず、中継装置(図示しない)に送信される。ここで、中継装置は、外部ネットワークとの通信を中継する機能を有する装置であり、UTRAN LTEにおけるServing Gatewayである。中継装置は、所定の移動局に対してユーザデータを送信する際に、呼び出し装置21に対して呼び出しメッセージを送信するよう制御メッセージを送信する。呼び出し装置21は、呼び出しメッセージを送信するよう後述する中継装置から制御メッセージを受信すると、呼び出しを行う移動局23の位置をカバーする基地局22に対し、ユーザデータが付加されていない呼び出しメッセージを送信する。そして、移動局23と基地局22との間の接続が確立した後に、中継装置は、移動局21との接続が確立された基地局22に対して、呼び出し装置23を介さずにユーザデータを送信する。
【0018】
移動局23は、電源起動時に、自己の位置を示す情報を基地局22を介して呼び出し装置21に送信する。これにより、呼び出し装置21は、移動局23の位置を呼び出しメッセージを送信する前に予め取得することができる。呼び出し装置21は、取得された位置に応じて、移動局23が位置するエリアをカバーする複数の基地局22に対し、送信メッセージを送信する。また、移動局23は、電源起動後に、呼び出し装置21から暗号化に必要な情報を取得する。暗号化に必要な情報から移動局と呼び出し装置はそれぞれ暗号化に必要な共通の鍵を生成し、暗号化の鍵を共有する。この暗号化の鍵は、呼び出し装置21と移動局23間で送受信されるユーザデータ(NASメッセージ)に対して暗号化及び復号化処理を行う際に使用される。複数の基地局22は、互いにX2インターフェースによって接続されている。基地局22と移動局23は、Uuインターフェースによって接続されている。
【0019】
図3は、呼び出し装置21の構成例を示す機能ブロック図である。呼び出し装置21は、制御部51、送信メッセージ生成部50(NASレイヤー52及びS1−APレイヤー53)及び伝送部(S1)54を備えて構成されている。NASレイヤー52において、受信されたNASメッセージの解読が実施されると共に、伝送部(S1)54を介して送信されるNASメッセージの生成処理が実施される。S1−APレイヤー53において、受信されたS1−APメッセージの解読が実施されると共に、送信されるS1−APメッセージの生成処理が実施される。制御部51は、送信メッセージ生成部50であるNASレイヤー52及びS1−APレイヤー53メッセージの生成を指示する。伝送部(S1)54は、S1インターフェースからメッセージを受信すると共に、送信メッセージ生成部50によって生成されたRRCメッセージ及びNASメッセージをS1インターフェースを介して基地局22に送信する。
【0020】
制御部51は、外部より受信されたメッセージの種別を判別するメッセージ判別部511を備えている。メッセージ判別部511は、受信されたメッセージがユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を、移動局23が返す必要がないデータであるか判別する。換言すれば、メッセージ判別部511は、受信されたメッセージが呼び出しメッセージ上にユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるか判別する。メッセージ判別部511は、受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、受信されたメッセージが呼び出しメッセージにユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるか判別する。すなわち、メッセージ判別部511は、受信されたメッセージに含まれるIPヘッダに基づいて、呼び出しメッセージにユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるか判別することができる。制御部51は、メッセージ判別部511によって、呼び出しメッセージ上にユーザデータを付加して送信するべきメッセージと判別された場合には、メッセージ生成部50(NASレイヤー52、S1−APレイヤー53)に対して呼び出しメッセージにユーザデータを付加したメッセージを生成するよう指示する。
【0021】
図4は、基地局22の構成例を示す機能ブロック図である。基地局22は、伝送部(S1)41、制御部42、S1−APレイヤー43、RRCレイヤー44、及び伝送部(Uu)45を備えて構成されている。S1−APレイヤー43では、受信されたS1−APメッセージの解読が実施されると共に、送信されるS1−APメッセージの生成処理が実施される。RRCレイヤー44では、受信されたRRCメッセージの解読が実施されると共に、送信されるRRCメッセージの生成処理が実施される。伝送部(S1)41では、S1インターフェースからメッセージを受信すると共に、生成したメッセージをS1インターフェースに送信する。
【0022】
伝送部(Uu)45では、Uuインターフェースからメッセージを入力すると共に、生成したメッセージをUuインターフェースに送信する。制御部42は、移動局23から受信されたRRCメッセージからS1−APメッセージを生成する場合に、RRCメッセージの情報をS1−APレイヤーに通知する。同様に、制御部42は、呼び出し装置21から受信されたS1−APメッセージから、RRCメッセージを生成する場合には、S1−APメッセージの情報をRRCレイヤーに通知するよう構成されている。
【0023】
図5は、移動局23の構成例を示す機能ブロック図である。移動局23は、制御部31、NASレイヤー32、RRCレイヤー33、及び伝送部(Uu)34を備えて構成されている。NASレイヤー32は、受信されたNASメッセージを解読すると共に、送信するNASメッセージを生成する。RRCレイヤー33は、基地局22を介して呼び出し装置21より受信されたRRCメッセージを解読すると共に、基地局22を介して呼び出し装置21に送信するNASメッセージを生成する。制御部31は、NASレイヤー32及びRRCレイヤー33に対してメッセージを生成するよう指示する。
【0024】
次に、このように構成された通信システム20のシーケンスについて説明する。この通信システム20においては、前述のように、移動局23から基地局22 へユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を返す必要がないユーザデータと、移動局23から基地局22 へユーザデータが誤り無く受信できたことを示す応答(ACK)を返す必要のあるユーザデータとでは、ユーザデータの伝送経路が異なる。図6を用いて、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要としないユーザデータの送信方法を説明し、図7を用いて、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要のあるユーザデータの送信方法について説明する。
【0025】
図6は、本実施形態に係る通信システムの移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要のないユーザデータの送信方法を示すシーケンスチャートである。待機状態(LTE−IDLE)において、呼び出し装置21が外部からメッセージを受信する(S1)。呼び出し装置21は、受信されたメッセージのIPヘッダから、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要としないサービスであるか判別する(S2)。換言すれば、受信されたメッセージが、呼び出しメッセージ上でユーザデータを送信するデータか判別する。
【0026】
ここで、ステップS2において、呼び出し装置21は、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要としないメッセージを受信したと判別すると、呼び出し装置21は、送信先に該当する移動局23のNASメッセージに用いられる暗号化資源を用いて受信されたメッセージに含まれているユーザデータを暗号化する(S3)。呼び出し装置21は、暗号化されたユーザデータ(Packet Data Unit)に、S1−APヘッダを付与して基地局22に送信する(S4)。ここで、S1−APヘッダには、移動局23を識別するために用いられる移動局を識別する識別情報が含まれているものとする。
【0027】
暗号化されたユーザデータは、呼び出し装置21において事前に取得された移動局23の位置に基づいて、移動局23が位置するエリアをカバーする複数の基地局22に一斉に送信される。基地局22は、暗号化されたメッセージを受信すると、S1−APメッセージを解読し、必要な情報をRRCレイヤーで用いるRRCメッセージへ変換する。そして、RRCメッセージとして生成された呼び出しメッセージを自己のカバーするエリアに送信する。
【0028】
ここで、ある基地局22のカバーエリア内に位置する移動局23が、基地局22から呼び出しメッセージを受信すると、自己の移動局宛の呼び出しメッセージか判別する(S6)。具体的には、RRCヘッダに含まれる移動局の識別情報が、自己に設定された識別情報と一致するか比較を行う。ここで、RRCヘッダに含まれる識別情報が、自己に設定された識別情報と一致した場合であって、受信されたメッセージにユーザデータが存在する場合には、呼び出しメッセージ上にてユーザデータが送られてきたと判断し、移動局23で保持している暗号化資源を用いて受信されたメッセージの復号化を行う(S7)。そして、順次メッセージの解読を行い、メッセージの受信処理を実施する。
【0029】
図7は、移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要とする場合のシーケンスチャートである。移動局23から基地局22 へACKを返すことを必要とする場合には、ユーザデータは、呼び出し装置21に送信されずに、中継装置24に送信される。中継装置24は、外部よりユーザデータを含むメッセージを受信すると、当該ユーザデータの送信先である移動局23を呼び出すよう、呼び出し装置21に対し、制御メッセージを送信する(S11)。呼び出し装置21は、中継装置24より制御メッセージを受信すると(S12)、対応する移動局23が位置するエリアをカバーする複数の基地局22に対して呼び出しメッセージを送信する(S13)。
【0030】
基地局22は、S1−APメッセージによる呼び出しメッセージを解読し、必要な情報をRRCレイヤーで用いる呼び出しメッセージへ変換する。そして、RRCレイヤーの呼び出しメッセージを生成し、自己がカバーするエリア内に送信する(S14)。移動局23は、基地局22から送信された呼び出しメッセージを受信し、受信した呼び出しメッセージが自己の移動局宛てのメッセージであるか判別する。そして自己宛てのメッセージであると判別した場合には、RACHプリアンブル信号を基地局22に対して送信する(S15)。基地局22は、呼び出しを行った移動局23からRACHプリアンブル信号を受信すると、当該移動局23に対して、RACH応答を送信する(S16)。
【0031】
移動局23は、基地局22からRACH応答を受信すると、RRCメッセージを生成し、接続要求を基地局22に対して送信する(S17)。基地局22は、移動局23から接続要求を受信すると、S1−APメッセージを生成して呼び出し装置21に初期移動局メッセージを送信すると共に(S18)、移動局23に対して接続確立を応答する(S19)。呼び出し装置21は、基地局22から、初期移動局メッセージを受信すると、基地局22と移動局23との接続が確立したことを知り、基地局22に対してユーザデータが付加された初期コンテクスト要求を基地局22に送信する(S20)。
【0032】
基地局22は、呼び出し装置21から初期コンテクスト要求を受信すると、接続が確立している移動局23に対し無線信号セットアップを送信する(S21)。移動局23は、無線信号セットアップの受信が完了すると、基地局22に対してメッセージ受信完了を知らせる無線信号受信完了をRRCメッセージとして送信する(S22)。基地局22は、移動局23から無線信号受信完了を受信すると、S1−APメッセージを生成して、ユーザデータが送信完了したことを示す初期セットアップ完了を呼び出し装置21に対して送信する。基地局22と移動局23との接続が確立し、初期セットアップが完了すると、この報告を受けた中継装置24は、移動局23に送信するユーザデータを基地局22に対して送信する(S24)。
【0033】
このように、本実施形態に係る通信システムにおいては、図6に示すように、LTE−IDLEの状態で着信の際に実施されるPaging処理にてRRCとS1−APプロトコルでUEへ送信されるPagingメッセージ上にMMEで秘匿させたユーザデータを載せて、無線区間にユーザデータを送信することができる。呼び出し装置21において、受信されたメッセージが、基地局22と移動局23との間に接続を確立する必要のないメッセージであると判断した場合には、呼び出しメッセージ上にユーザデータを付加して移動局23に送信することで、ユーザデータの送信に係る時間の短縮を図ることができる。
【0034】
また、1つの基地局にアクセスできる移動局の数は無線資源に応じて限られてしまうが、上記のような重要度の低いメッセージについては、基地局22と移動局23との接続を確立しないよう構成することで、無線資源を有効活用することができる。この結果、同じ無線資源を使用する他の移動局が、使用していない無線資源を利用できるようになるため、移動局とネットワークコントローラ間におけるアクセス時間の短縮を図ることができる。
【0035】
また、呼び出し装置21は、送信先である移動局23に設定された暗号化資源を用いてユーザデータを暗号化するため、ユーザデータの秘匿性を確保したままユーザデータを移動局23に対して送信することができる。
【0036】
また、図7に示すように、呼び出し装置21において受信されたメッセージが、基地局である基地局22と移動局である移動局23との接続を確立する必要があるメッセージであると判断された場合には、基地局22と移動局23との間の接続を確立した後に、ユーザデータを基地局22に送信することで、ユーザデータの種別に応じてメッセージの送信方法を選択することができる。
【0037】
本実施形態においては、メッセージの種別に応じて、ユーザデータの送信方法を選択する構成として説明したが、ユーザデータの種別を判別せずに、全てのメッセージを、基地局22と移動局23との接続が確立する前に呼び出しメッセージ上に付加して送信するように構成することも勿論できる。これにより全てのメッセージの送信において、呼び出し装置21から移動局23へのアクセスの高速化を図ることができる。
【0038】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信システムをUTRAN LTEに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る通信システムの上位ネットワークの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る通信システムの基地局の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る通信システムの移動局の構成例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係る通信システムの移動局から基地局 へACKを返すことを必要のないユーザデータの送信方法を示すシーケンスチャートである。
【図7】本実施形態に係る通信システムの移動局から基地局へACKを返すことを必要のあるユーザデータの送信方法を示すシーケンスチャートである。
【図8】従来のUTRANの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10、20 通信システム
11 呼び出し装置
12 基地局
20 通信システム
21 呼び出し装置
22 基地局
23 移動局
24 中継装置
31 制御部
32 NASレイヤー
33 RRCレイヤー
34 伝送部(Uu)
41 伝送部(S1)
42 制御部
43 S1−APレイヤー
44 RRCレイヤー
45 伝送部(Uu)
51 制御部
52 NASレイヤー
53 RRCレイヤー
54 伝送部(S1)
511 メッセージ判別部
S1 インターフェース
X2 インターフェース
Uu インターフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信されたメッセージに応じて、移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、
前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信し、前記移動局に送信する基地局と、を備え、
前記呼び出し装置は、前記受信されたメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加したメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信する通信システム。
【請求項2】
前記呼び出し装置は、前記受信されたメッセージが前記移動局より前記ユーザデータが誤りなく受信したことを知らせる応答を返す必要がないメッセージであれば、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加したメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信する請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
外部ネットワークとの通信を中継する中継装置を更に備え、
前記中継装置は、前記外部ネットワークを介して前記ユーザデータを含むメッセージが受信されると、前記移動局と前記基地局との接続を確立するよう前記呼び出し装置に対して制御メッセージを送信し、前記移動局と前記基地局との接続が確立された後に、前記移動局との接続が確立されている前記基地局に対して前記ユーザデータを送信する
請求項1又は2記載の通信システム。
【請求項4】
前記呼び出し装置は、
前記受信されたメッセージが、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるかを判別するメッセージ判別部と、
前記メッセージ判別部によって前記受信されたメッセージが前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージである判別されると、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加してメッセージを生成するメッセージ生成部と、を有する
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記メッセージ判別部は、前記受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、前記受信されたメッセージが、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるかを判別する請求項4記載の通信システム。
【請求項6】
前記移動局には、一の暗号化資源が設定され、
前記メッセージ生成部は、前記ユーザデータの送信先である前記移動局に設定された前記暗号化資源を用いて前記ユーザデータを暗号化し前記呼び出しメッセージに付加する
請求項4又は5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記移動局は、前記呼び出し装置から暗号化に必要な情報を取得し、前記暗号化に必要な情報に基づいて前記呼び出し装置と共有される共通の暗号化鍵を生成する請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
移動局にメッセージを送信する基地局と共に通信システムを構成し、外部より受信されたメッセージに応じて、前記移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置であって、
外部より受信されたメッセージが、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるか判別するメッセージ判別部と、
前記メッセージ判別部によって前記受信されたメッセージが前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであると判別されると、前記呼び出しメッセージに前記ユーザデータを付加してメッセージを生成するメッセージ生成部と、を有する呼び出し装置。
【請求項9】
前記移動局には、一の暗号化資源が設定され、
前記メッセージ生成部は、前記ユーザデータの送信先である前記移動局に設定された前記暗号化資源を用いて前記ユーザデータを暗号化し前記呼び出しメッセージに付加する
請求項8に記載の呼び出し装置。
【請求項10】
前記呼び出し装置は、暗号化に必要な情報を前記移動局に付与し、前記移動局と前記暗号化資源を共有する請求項9に記載の呼び出し装置。
【請求項11】
前記メッセージ判別部は、前記受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、前記呼び出しメッセージに前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるか判別する請求項8乃至10のうちいずれか1項に記載の呼び出し装置。
【請求項12】
請求項8乃至11のうちいずれか1項に記載の呼び出し装置からメッセージを受信して前記移動局に送信する基地局。
【請求項13】
外部より受信されたメッセージに応じて、移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信して移動局に送信する基地局と、を備えた通信システムの通信方法であって、
前記呼び出しメッセージ上に前記移動局に送信するデータ内容であるユーザデータを付加してメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信する通信方法。
【請求項14】
前記受信されたメッセージが、前記移動局より前記ユーザデータが誤りなく受信したことを知らせる応答を返す必要のないメッセージである場合には、前記呼び出しメッセージに前記ユーザデータを付加して前記基地局に送信し、
前記受信されたメッセージが、前記移動局より前記ユーザデータが誤りなく受信したことを知らせる応答を返す必要があるメッセージである場合には、
前記移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成して前記基地局に送信し、
前記移動局と前記基地局との接続が確立された後に、前記基地局との接続が確立している前記移動局に対して前記ユーザデータを送信する請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記移動局に対して一の暗号化資源を設定し、
受信された前記メッセージの送信先である前記移動局に対応する前記暗号化資源を用いて前記ユーザデータを暗号化し、前記暗号化された前記ユーザデータを前記呼び出しメッセージ上に付加して送信する
請求項13又は14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記移動局の電源起動時に前記暗号化に必要な情報を前記移動局に付与し、前記移動局と前記呼び出し装置において前記暗号化資源を共有する
請求項15に記載の通信方法。
【請求項17】
前記受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、前記受信されたメッセージが前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるか判別する
請求項13乃至16のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項18】
通信システムと通信してメッセージを送受信する移動局の通信方法であって、
前記通信システムより受信されたメッセージにデータ内容を示すユーザデータが含まれている場合には、自己に設定された暗号化資源を用いて前記ユーザデータを復号化する移動局の通信方法。
【請求項19】
前記受信されたメッセージに前記ユーザデータが含まれていない場合には、前記通信システムとの接続を要求し、前記通信システムとの接続が確立した後に、前記通信システムから前記ユーザデータを受信する
請求項18記載の移動局の通信方法。
【請求項1】
受信されたメッセージに応じて、移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、
前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信し、前記移動局に送信する基地局と、を備え、
前記呼び出し装置は、前記受信されたメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加したメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信する通信システム。
【請求項2】
前記呼び出し装置は、前記受信されたメッセージが前記移動局より前記ユーザデータが誤りなく受信したことを知らせる応答を返す必要がないメッセージであれば、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加したメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信する請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
外部ネットワークとの通信を中継する中継装置を更に備え、
前記中継装置は、前記外部ネットワークを介して前記ユーザデータを含むメッセージが受信されると、前記移動局と前記基地局との接続を確立するよう前記呼び出し装置に対して制御メッセージを送信し、前記移動局と前記基地局との接続が確立された後に、前記移動局との接続が確立されている前記基地局に対して前記ユーザデータを送信する
請求項1又は2記載の通信システム。
【請求項4】
前記呼び出し装置は、
前記受信されたメッセージが、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるかを判別するメッセージ判別部と、
前記メッセージ判別部によって前記受信されたメッセージが前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージである判別されると、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加してメッセージを生成するメッセージ生成部と、を有する
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記メッセージ判別部は、前記受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、前記受信されたメッセージが、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるかを判別する請求項4記載の通信システム。
【請求項6】
前記移動局には、一の暗号化資源が設定され、
前記メッセージ生成部は、前記ユーザデータの送信先である前記移動局に設定された前記暗号化資源を用いて前記ユーザデータを暗号化し前記呼び出しメッセージに付加する
請求項4又は5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記移動局は、前記呼び出し装置から暗号化に必要な情報を取得し、前記暗号化に必要な情報に基づいて前記呼び出し装置と共有される共通の暗号化鍵を生成する請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
移動局にメッセージを送信する基地局と共に通信システムを構成し、外部より受信されたメッセージに応じて、前記移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置であって、
外部より受信されたメッセージが、前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるか判別するメッセージ判別部と、
前記メッセージ判別部によって前記受信されたメッセージが前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであると判別されると、前記呼び出しメッセージに前記ユーザデータを付加してメッセージを生成するメッセージ生成部と、を有する呼び出し装置。
【請求項9】
前記移動局には、一の暗号化資源が設定され、
前記メッセージ生成部は、前記ユーザデータの送信先である前記移動局に設定された前記暗号化資源を用いて前記ユーザデータを暗号化し前記呼び出しメッセージに付加する
請求項8に記載の呼び出し装置。
【請求項10】
前記呼び出し装置は、暗号化に必要な情報を前記移動局に付与し、前記移動局と前記暗号化資源を共有する請求項9に記載の呼び出し装置。
【請求項11】
前記メッセージ判別部は、前記受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、前記呼び出しメッセージに前記ユーザデータを付加して送信すべきメッセージであるか判別する請求項8乃至10のうちいずれか1項に記載の呼び出し装置。
【請求項12】
請求項8乃至11のうちいずれか1項に記載の呼び出し装置からメッセージを受信して前記移動局に送信する基地局。
【請求項13】
外部より受信されたメッセージに応じて、移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成する呼び出し装置と、前記呼び出し装置によって生成された前記呼び出しメッセージを受信して移動局に送信する基地局と、を備えた通信システムの通信方法であって、
前記呼び出しメッセージ上に前記移動局に送信するデータ内容であるユーザデータを付加してメッセージを生成し、前記移動局と前記基地局との接続が確立する前に前記基地局に送信する通信方法。
【請求項14】
前記受信されたメッセージが、前記移動局より前記ユーザデータが誤りなく受信したことを知らせる応答を返す必要のないメッセージである場合には、前記呼び出しメッセージに前記ユーザデータを付加して前記基地局に送信し、
前記受信されたメッセージが、前記移動局より前記ユーザデータが誤りなく受信したことを知らせる応答を返す必要があるメッセージである場合には、
前記移動局を呼び出す呼び出しメッセージを生成して前記基地局に送信し、
前記移動局と前記基地局との接続が確立された後に、前記基地局との接続が確立している前記移動局に対して前記ユーザデータを送信する請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記移動局に対して一の暗号化資源を設定し、
受信された前記メッセージの送信先である前記移動局に対応する前記暗号化資源を用いて前記ユーザデータを暗号化し、前記暗号化された前記ユーザデータを前記呼び出しメッセージ上に付加して送信する
請求項13又は14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記移動局の電源起動時に前記暗号化に必要な情報を前記移動局に付与し、前記移動局と前記呼び出し装置において前記暗号化資源を共有する
請求項15に記載の通信方法。
【請求項17】
前記受信されたメッセージに含まれるメッセージの送信先情報及び送信元情報に基づいて、前記受信されたメッセージが前記呼び出しメッセージ上に前記ユーザデータを付加して送信するべきメッセージであるか判別する
請求項13乃至16のうちいずれか1項に記載の通信方法。
【請求項18】
通信システムと通信してメッセージを送受信する移動局の通信方法であって、
前記通信システムより受信されたメッセージにデータ内容を示すユーザデータが含まれている場合には、自己に設定された暗号化資源を用いて前記ユーザデータを復号化する移動局の通信方法。
【請求項19】
前記受信されたメッセージに前記ユーザデータが含まれていない場合には、前記通信システムとの接続を要求し、前記通信システムとの接続が確立した後に、前記通信システムから前記ユーザデータを受信する
請求項18記載の移動局の通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−246448(P2009−246448A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87540(P2008−87540)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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