説明

通信端末、コンテンツ表示方法及びコンピュータプログラム

【課題】移動端末においてコンテンツを表示する際に移動端末の現在地に応じてコンテンツを速やかに表示できるようにすること。
【解決手段】移動端末は、1つ以上の基地局から受信した信号の受信品質を測定する測定部と、基地局と、コンテンツと、該コンテンツの提供元がその基地局から受信した信号の受信品質とを対応付けて管理するコンテンツ提供サーバへ、1つ以上の基地局を示す情報を通知する通知部と、1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報を、コンテンツ提供サーバから取得する取得部と、取得部が取得したコンテンツに対応付けられている受信品質と測定部が測定した受信品質とを比較することで、取得部が取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定する優先度決定部と、優先度にしたがってコンテンツを表示する表示部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、コンテンツ表示方法及びコンピュータプログラムに関連する。
【背景技術】
【0002】
通信端末の普及及び高性能化に伴って、情報を提供するプロバイダは様々なコンテンツを通信端末のユーザに提供できるようになった。コンテンツとは、一般に、文字、図形、色彩、音声、動作、映像又はこれらを組み合わせたものであり、具体的には映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等である。本願におけるコンテンツは、特に、店舗のような情報の提供元又はプロバイダがユーザに宣伝する広告情報を含む。広告情報を含むコンテンツをユーザに提供する場合、そのユーザにとって適切なタイミングで提供する必要がある。例えば、ユーザが特定の店舗の近くにいる場合に、その店舗の広告をユーザに提示できれば、効果的な宣伝広告を行うことができる。従来のコンテンツの提供方法については、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4194643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような従来の方法において、ユーザに提供するコンテンツを決定する際、そのユーザの過去の位置情報を利用しなければならない。このため、ユーザの現在地に相応しい情報をリアルタイムに提供することは容易でない。ユーザの現在地を正確に推定する観点からは、グローバルポジショニングシステム(GPS)のような高精度な測位方法を利用することが考えられる。しかしながら、GPSによる測位の場合、電力消費量が大きいので、バッテリで駆動される移動端末においてGPS測位を頻繁に行うと、バッテリの寿命が短くなってしまうという問題が懸念される。一方、移動端末におけるGPS測位の代わりに、ネットワーク経由でサーバにアクセスし、サーバ側で測位を行うことも考えられる。しかしながら、移動端末とサーバとのやり取りに起因する遅延時間は短いものではなく、レスポンスが悪くなってしまうことが懸念される。他方、移動端末が基地局の位置情報を全て記憶し、移動端末が、在圏セルの基地局に近い店舗の広告情報(コンテンツ)を選別することも技術的には可能である。しかしながら、全ての基地局の位置情報を公に公表してしまうことは、オペレータにとって好ましい選択肢ではないし、セキュリティの観点からも好ましくない。
【0005】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、移動端末においてコンテンツを表示する際に移動端末の現在地に応じてコンテンツを速やかに表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例における移動端末は、
1つ以上の基地局から受信した信号の受信品質を測定する測定部と、
基地局と、コンテンツと、該コンテンツの提供元が該基地局から受信した信号の受信品質とを対応付けて管理するコンテンツ提供サーバへ、前記1つ以上の基地局を示す情報を通知する通知部と、
前記1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報を、前記コンテンツ提供サーバから取得する取得部と、
前記取得部が取得したコンテンツに対応付けられている受信品質と前記測定部が測定した受信品質とを比較することで、前記取得部が取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定する優先度決定部と、
前記優先度にしたがってコンテンツを表示する表示部と
を有する移動端末である。
【発明の効果】
【0007】
一実施例によれば、移動端末においてコンテンツを表示する際に移動端末の現在地に応じて移動端末側で優先度を計算することができ、現在地に応じてコンテンツを速やかに表示することができる。また、移動端末に基地局の位置情報を公表することなく優先度を計算することができるため、セキュリティを確保しながら精度よく優先度の高いコンテンツを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システムの概要を示す図。
【図2】移動端末及びコンテンツ提供サーバを示す機能ブロック図。
【図3】データベースに格納される情報の一例を示す図。
【図4】移動端末及びコンテンツ提供サーバにより行われる動作例を示す図。
【図5】移動端末の現在地及び店舗の位置を受信品質とともに地図上に示した図。
【図6】変形例における動作例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の観点から実施例を説明する。
【0010】
1.システム
2.移動端末及びコンテンツ提供サーバ
2.1 移動端末
2.2 コンテンツ提供サーバ
3.動作例
4.変形例
【実施例1】
【0011】
<1.システム>
図1は、実施例において使用されるシステムの一例を示す。図1には、基地局BS−αによるセルαと、基地局BS−βによるセルβと、移動端末UEと、ネットワークNWと、コンテンツ提供サーバとが示されている。セル及びユーザの数は任意である。システムは、当該技術分野で既知の適切な如何なるセルラシステムでもよい。
【0012】
移動端末UEは、無線通信をすることに加えて、セルα、βの中にある店舗の広告情報(コンテンツ)を受信し、ユーザに表示する。コンテンツは、一般的には、文字、図形、色彩、音声、動作、映像又はこれらを組み合わせたものであり、具体的には映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等であるが、本願におけるコンテンツは、特に、店舗のような情報の提供元又はプロバイダがユーザに宣伝する広告情報を含む。移動端末UEは、無線通信可能な如何なる装置でもよく、具体的には、ユーザ装置、携帯電話、情報端末、高機能携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルディジタルアシスタント、スタンドアローン型のパーソナルコンピュータ、携帯用のパーソナルコンピュータ等であるが、これらに限定されない。
【0013】
コンテンツ提供サーバは、ネットワークNW及び基地局BS−α、βを通じて移動端末UEから情報(受信品質等)を取得し、かつ移動端末UEに情報(コンテンツ、受信品質等)を提供することができる。移動端末UE及びコンテンツ提供サーバの動作については後述する。
【0014】
<2.移動端末及びコンテンツ提供サーバ>
図2は、移動端末及びコンテンツ提供サーバの機能ブロック図を示す。図示の移動端末は、図1の移動端末UEとして使用可能である。図示のコンテンツ提供サーバは、図1のコンテンツ提供サーバとして使用可能である。図2には、移動端末及びコンテンツ提供サーバに備わる様々な機能の内、本実施例に特に関連する処理部又は機能要素が示されている。
【0015】
<<2.1 移動端末>>
移動端末は、受信品質測定部201、データベース203、通信部205、優先度決定部207、ユーザインターフェース209及び測位部210を少なくとも有する。
【0016】
受信品質測定部201は、在圏セル及び周辺セルの1つ以上の基地局から信号(典型的には、パイロット信号)を受信し、受信品質を測定する。在圏セルはサービングセルと言及されてもよい。周辺セルは近隣セルと言及されてもよい。受信品質は、当該技術分野で既知の適切な如何なる量で表現されてもよい。受信品質は、瞬時値であるか平均値であるかを問わず、広く、無線状態の良否を表す量として定義される。受信品質は、例えば、希望波受信電力RSCP、電界強度RSSI、パスロス、誤り率(ビットエラーレート(BER)、ブロックエラレート(BLER)等)、希望波電力対干渉電力比(SIR)、希望波電力対雑音電力比(SNR)、Ec/N等により表現されてもよい。説明の便宜上、受信品質測定部201は、在圏セル及び周辺セルの1つ以上の基地局から受信したパイロット信号に基づいて、希望波受信電力RSCPを測定するものとするが、本実施例はこの形態Pに限定されない。
【0017】
データベース203は、受信品質測定部201により測定された1つ以上の基地局各々に対する受信品質RSCPを格納するだけでなく、コンテンツ提供サーバから受信した情報も格納する。後述するように、その情報は、移動端末がコンテンツ提供サーバに通知した1つ以上の基地局に対応付けられているコンテンツと、そのコンテンツに対応付けられている受信品質RSCPとを含む。また、データベース203は、移動端末の現在地を測位した測位結果も格納する。測位結果は、例えばGPS測位による場合のような緯度及び経度を示す情報により表現されてもよい。
【0018】
通信部205は、基地局及びネットワークを介してコンテンツ提供サーバとの間で通信を行う。通信部205が送信する信号は、例えば、受信品質測定部201が測定した1つ以上の基地局に対する受信品質を含む。通信部205が受信する信号は、例えば、移動端末がコンテンツ提供サーバに通知した1つ以上の基地局に対応付けられているコンテンツと、そのコンテンツに対応付けられている受信品質RSCPとを含む。
【0019】
優先度決定部207は、コンテンツ提供サーバから受信した1つ以上のコンテンツ各々の優先度を、移動端末が測定した受信品質RSCPと、コンテンツに対応付けられている受信品質RSCPとの比較に基づいて算出する。詳細な動作は後述するが、移動端末が測定した受信品質RSCPに近い値の受信品質に対応付けられているコンテンツが、高い優先度を有する。
【0020】
ユーザインターフェース209は、優先度の高いコンテンツをユーザに表示する。一般的には、ユーザインターフェース209は、ユーザに対して視覚的、聴覚的及び/又は触覚的(機械的)なインターフェースの機能を発揮する。具体的には、ユーザインターフェース209は、ディスプレイ、キーパッドを備えた制御パネル、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELパネル、タッチスクリーン等のような視覚的なインターフェース、キーボード、マウス、トラックボール等のような機械的なインターフェース、マイクロフォン、スピーカ等のような聴覚的インターフェース及びそれらの組み合わせであるが、これらに限定されない。一実施例において、ユーザインターフェース209は、接触感知式の透明パネルでカバーされた表示部を有し、移動端末の動作を制御するためのユーザの指の動きを検知する。
【0021】
測位部210は、必要に応じて、GPSのような測位方法により移動端末の現在地を示す位置情報を取得し、データベース203に格納する。例えば、移動端末のユーザが、位置情報を必要とするアプリケーションを起動した場合に、測位部210が起動され、位置情報が取得される。
【0022】
<<2.2 コンテンツ提供サーバ>>
コンテンツ提供サーバは、通信部211、データベース213及びコンテンツ選択部215を少なくとも有する。
【0023】
通信部211は、基地局及びネットワークを介して移動端末との間で通信を行う。通信部211が受信する信号は、例えば、移動端末が測定した1つ以上の基地局に対する受信品質に加えて、プロバイダのような店舗が測定した1つ以上の基地局に対する受信品質を含む。 通信部211が送信する信号は、例えば、移動端末から通知された1つ以上の基地局に対応付けられているコンテンツと、そのコンテンツに対応付けられている受信品質RSCPとを含む。
【0024】
データベース213は、移動端末又は提供元(プロバイダ)から通知された1つ以上の基地局各々に対する受信品質RSCPを格納するだけでなく、移動端末に提供するための情報も格納する。一例として、基地局と、コンテンツと、そのコンテンツの提供元が測定した受信品質とが対応付けて管理される。さらに、変形例において説明するように、データベース213は、店舗の位置情報(例えば、緯度及び経度で表現される情報)を格納していていもよい。
【0025】
図3は、移動端末に提供するためにデータベース213に格納されている情報の一例を示す。図示の例の場合、コンテンツIDと、コンテンツの提供元である店舗の名称と、コンテンツの内容(画像及び文章等)と、店舗で測定した受信品質と、店舗の位置とが対応付けられている。例えば、コンテンツIDが「1」であるコンテンツは、「店舗1」が提供するものであり、コンテンツの内容は「店舗1は・・・」であり、店舗1の場所におけるセルα(基地局BS−α)からの受信品質は110dBmであり、店舗1の場所におけるセルβ(基地局BS−β)からの受信品質は115dBmであり、店舗1の緯度及び経度は(X1,Y1)である。他のコンテンツについても同様に格納されている。なお、店舗の緯度及び経度は必須ではなく、これについては変形例において説明される。図3に示されているように、コンテンツ提供サーバは、コンテンツを提供する店舗の場所において測定された受信品質をセル(基地局)毎に管理する。
【0026】
図2のコンテンツ選択部215は、移動端末から通知された1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報を選択する。選択された情報は通信部211を介して移動端末に通知される。例えば、図3に示す例において、移動端末が通知した基地局のセルがα及びβであったとする。この場合、セルαの受信品質を測定できている店舗1、2、3、4のコンテンツ1、2、3、4が、セルαの受信品質とともに、移動端末に通知されてもよい。あるいは、セルβの受信品質を測定できている店舗1、2、3のコンテンツ1、2、3が、セルβの受信品質とともに、移動端末に通知されてもよい。さらに、セルα及びβ双方の受信品質を測定できている店舗1、2、3のコンテンツ1、2、3のみが、セルα及びβにおける受信品質とともに、移動端末に通知されてもよい。何れにせよ、移動端末から通知された1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報が、移動端末に通知される。
【0027】
<3.動作例>
図4は、図1に示すようなシステムにおいて、図2に示すような移動端末及びコンテンツ提供サーバ並びに店舗等により行われる動作例を示す。
【0028】
ステップS401において、コンテンツを提供する店舗が、その店舗の場所において測定できた1つ以上の基地局からの信号の受信品質(例えば、RSCP)とともに、コンテンツをコンテンツ提供サーバにアップロードする。
【0029】
ステップS403において、コンテンツ提供サーバは、コンテンツとともにアップロードされた受信品質を図3に示すように対応付けて管理する。店舗の場所において測定された受信品質は、店舗が自らコンテンツ提供サーバに通知してもよいし、店舗を訪れたユーザが自身の移動端末を使用してコンテンツ提供サーバに通知してもよい。店舗が通知する場合、ステップS401において通知される情報は、コンテンツのID、コンテンツの内容、セルID及び受信品質を含む。ユーザが自身の移動端末を使用して通知する場合、ステップS401において通知される情報は、店舗の名称、セルID及び受信品質を含む。コンテンツの内容は店舗がアップロードしなければならないが、店舗の場所における受信品質は、店舗により通知されてもよいし、店舗に訪れたユーザにより通知されてもよい。何れにせよ、図3に示されるように、コンテンツを提供する店舗において測定されたセルID及び受信品質が対応付けられて管理される。
【0030】
ステップS411において、移動端末は、在圏セル及び近隣セルからの信号の受信品質(RSCP)を測定し、データベースに格納する。
【0031】
ステップS413において、在圏セル及び隣接セルのうちの少なくとも一方が、以前に測定したものと異なっているか否かが判定される。例えば、移動端末が移動したことで、在圏セル及び隣接セルのうちの少なくとも一方が変化しているかもしれない。変化していなかった場合、フローはステップS421に進む。変化していた場合、ステップS415において、移動端末は受信品質の測定結果をコンテンツ提供サーバに通知する。測定結果は、セルIDと受信品質とを少なくとも含む。
【0032】
ステップS417において、コンテンツ提供サーバは、通知されたセルIDに基づいて、移動端末に通知するコンテンツを選択し、ステップS419において移動端末に通知する。例えば、図3に示す例において、移動端末が通知した基地局のセルがα及びβであったとする。この場合、セルαの受信品質を測定できている店舗1、2、3、4のコンテンツ1、2、3、4が、セルαの受信品質とともに、移動端末に通知されてもよい。あるいは、セルβの受信品質を測定できている店舗1、2、3のコンテンツ1、2、3が、セルβの受信品質とともに、移動端末に通知されてもよい。さらに、セルα及びβ双方の受信品質を測定できている店舗1、2、3のコンテンツ1、2、3が、セルα及びβにおける受信品質とともに、移動端末に通知されてもよい。何れにせよ、移動端末から通知された1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報が、移動端末に通知される。このように、コンテンツ提供サーバは、単にセルIDを比較することで、移動端末に通知すべきもの(コンテンツ及びコンテンツに対応付けられている受信品質)を速やかに決定できる。
【0033】
ステップS421において、移動端末は、通知された1つ以上のコンテンツの優先度を決定する。理論上、唯1つのコンテンツしか通知されない場合もあるが、通常、通知されるコンテンツは多数存在するので、それらの優先度が決定される。優先度は適切な如何なる方法で決定されてもよい。
【0034】
一例として、移動端末がコンテンツ提供サーバに通知した1つ以上のセルIDと、コンテンツ提供サーバから通知された1つ以上のセルIDとを比較し、一致しているセルIDの数が多いほど、コンテンツの優先度が高く決定されてもよい。例えば、図3に示す例において、移動端末がコンテンツ提供サーバに通知したセルがα及びγであったとする。この場合、コンテンツID=1、2、3のコンテンツは、セルαにしか対応付けられていないが、コンテンツID=4のコンテンツは、セルα及びセルγ双方に対応付けられている。そこで、コンテンツID=4であるものの優先度をコンテンツID=1、2、3であるものの優先度より高く設定することが考えられる。
【0035】
別の例として、移動端末がコンテンツ提供サーバに通知したセルがα及びβであったとする。この場合、コンテンツID=1、2、3のコンテンツは、セルα及びセルβ双方に対応付けられているが、コンテンツID=4のコンテンツは、セルαにしか対応付けられていない。そこで、コンテンツID=1、2、3のものの優先度をコンテンツ4のものの優先度より高く設定することが考えられる。この例の場合、コンテンツID=1、2、3であるものそれぞれの優先度をさらに決定する必要がある。一例として、移動端末における受信品質の状況に近いものの優先度を高くすることが考えられる。例えば、移動端末における受信品質の測定結果が、セルαに対して105dBm及びセルβに対して100dBmであったとする。この場合、コンテンツID=1であるものに対する最小二乗距離L1は、
L1=[(105−110)2+(100−115)21/2
=[25+225]1/2
=15.5
となる。コンテンツID=2であるものに対する最小二乗距離L2は、
L2=[(105−115)2+(100−110)21/2
=[100+100]1/2
=14.1
となる。コンテンツID=3であるものに対する最小二乗距離L3は、
L3=[(105−110)2+(100−105)21/2
=[25+25]1/2
=7.1
となる。L1>L2>L3であるので、コンテンツID=3の優先度が最高であり、ID=2の優先度が次に高く、ID=1の優先度が3つの中で最も低い。優先度の決定方法は最小二乗距離に基づく方法に限定されず、他の方法により決定されてもよい。
【0036】
図5は、移動端末の現在地及び店舗1−4の位置を受信品質とともに地図上に示した例である。図示の例の場合、コンテンツの優先度が高い順に、3、2、1、4である。本実施例によれば、受信品質に基づいて優先度を計算し、高優先度のコンテンツを判別するので、移動端末の現在地に応じて優先度を計算し、現在地に適切なコンテンツをユーザに表示することができる。この点、ユーザの過去の位置情報を使用しなければならない特許文献1に記載の発明と異なる。
【0037】
図4のステップS423において、移動端末は、優先度が高いコンテンツをユーザに表示する。表示するコンテンツの数は1つでもよいし、2つ以上でもよい。移動端末の表示領域の大きさ等に基づいて適宜決定することができる。
【0038】
ステップS425において、移動端末は、一定時間が経過するまで待機する。一定時間が経過した後、フローはステップS411に戻り、説明済みの処理が行われる。一定時間は任意に設定されてよい。例えば、移動度が小さなユーザには長時間が設定され、移動度が大きなユーザには短時間が設定されてもよい。
【0039】
図示の動作例において、ステップS413において、在圏セル及び隣接セルのうちの少なくとも一方が変わっていなかった場合、フローはステップS421に進む。したがって、この場合、コンテンツ配信サーバに通知することなく、移動端末のデータベースに既に格納されている1つ以上のコンテンツうち、優先度が高いものがユーザに表示される。優先度は、移動端末の現在の受信品質に基づいて決定されるので、在圏セルや隣接セルが変わっていなかったとしても、移動端末による受信品質の測定結果は変化する可能性がある。したがって、ステップS413からステップS421にそのまま至った場合であっても、優先度が以前計算したものと異なり、表示されるコンテンツが異なる可能性もある。このように本実施例は、移動端末の現在地に応じて移動端末側で優先度を計算することができ、現在地に適切なコンテンツを速やかにユーザに表示することができる。
【0040】
<4.変形例>
本実施例は、受信品質に基づいて優先度を計算することに限定されず、別の観点から優先度が決定されてもよい。例えば、GPSによる測位のような高精度な測位結果を利用することが考えられる。
【0041】
図6は変形例による動作を説明するための図である。図示の動作は、図4のステップS421として行われてもよい。図4のステップS413又はS417から、フローは図6のステップS4211に至る。
【0042】
本変形例による動作を行う場合、ステップS417において、コンテンツ提供サーバは、店舗の位置情報も移動端末に通知する。このため、図3の最右列に示すように、コンテンツ提供サーバは、コンテンツや受信品質だけでなく、店舗の位置情報又は緯度経度(X,Y)も管理している。コンテンツ提供サーバは、移動端末が通知した1つ以上の基地局(セル)に対応付けられているコンテンツ、コンテンツの提供元(店舗)、受信品質及び位置情報(X,Y)を移動端末に通知する。
【0043】
図6のステップS4211において、移動端末は、受信品質による測位よりも高精度な測位がN分以内に行われたか否かを判定する。高精度な測位は、典型的にはGPSによる測位であるが、緯度及び経度を特定できる他の測位方法でもよい。そのような高精度な測位がN分以内に行われていた場合、フローはステップS4213に進む。Nは任意に設定されてよい。例えば、移動度が小さなユーザには大きなNが設定され、移動度が大きなユーザには小さなNが設定されてもよい。
【0044】
ステップS4213において、移動端末は、コンテンツを提供する店舗の位置と、高精度な測位結果による移動端末の位置との間の距離を算出する。移動端末は、算出した距離の遠近に基づいて、コンテンツの優先度を決定する。距離が近いほど優先度は高い。
【0045】
一方、ステップS4211において、高精度な測位がN分以内に行われていなかった場合、フローはステップS4215に進む。ステップS4215において、移動端末は、受信品質に基づいて優先度を決定する説明済みの方法で優先度を決定する。
【0046】
その後、フローはステップS423に進み、優先度の高いコンテンツがユーザに表示される。本変形例において、高精度な測位が、表示するコンテンツを決定する近辺で行われていた場合、その測位結果を活用して、コンテンツの優先度を簡易かつ適確に決定できる。GPSのような測位は電力を多く消費するので、コンテンツの優先度決定のためだけにGPS測位を行うことは得策でない。しかしながら、何らかのアプリケーションによりGPS測位が行われたばかりであった場合、本変形例によりその測位結果が活用される。これにより、移動端末及び店舗間の距離の観点から、簡易かつ適確に決定された優先度にしたがって、現在地に相応しいコンテンツをユーザに提供することができる。
【0047】
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、それらは単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、適切な如何なるセルラ移動通信システムに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず適切な如何なる数式が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に用意されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【符号の説明】
【0048】
201 受信品質測定部
203 データベース
205 通信部
207 優先度決定部
209 ユーザインターフェース
210 測位部
211 通信部
213 データベース
215 コンテンツ選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の基地局から受信した信号の受信品質を測定する測定部と、
基地局と、コンテンツと、該コンテンツの提供元が該基地局から受信した信号の受信品質とを対応付けて管理するコンテンツ提供サーバへ、前記1つ以上の基地局を示す情報を通知する通知部と、
前記1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報を、前記コンテンツ提供サーバから取得する取得部と、
前記取得部が取得したコンテンツに対応付けられている受信品質と前記測定部が測定した受信品質とを比較することで、前記取得部が取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定する優先度決定部と、
前記優先度にしたがってコンテンツを表示する表示部と
を有する移動端末。
【請求項2】
前記取得部が取得した受信品質と前記測定部が測定した受信品質との差分の二乗を複数の基地局について加算したものに基づいて、前記優先度決定部が前記優先度を決定する、請求項1記載の移動端末。
【請求項3】
受信品質に基づく測位より精度が高い測位方法により当該移動端末の現在地が測定されていなかった場合に、前記前記優先度決定部は、前記取得部が取得したコンテンツに対応付けられている受信品質と前記測定部が測定した受信品質とを比較することで、前記取得部が取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定する、請求項1又は2に記載の移動端末。
【請求項4】
受信品質に基づく測位より精度が高い測位方法により当該移動端末の現在地が測定されていた場合、前記優先度決定部は、当該移動端末の現在地とコンテンツの提供元の位置との間の距離に基づいて、前記取得部が取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定する、請求項3記載の移動端末。
【請求項5】
当該移動端末のユーザがコンテンツの提供元に訪れていた場合に、前記通知部は、該提供元の名称と1つ以上の基地局から受信した信号の受信品質とを、前記コンテンツ提供サーバへ通知する、請求項1ないし4の何れか1項に記載の移動端末。
【請求項6】
当該移動端末に対する在圏セル及び/又は隣接セルが変わった場合に、前記通知部が、前記1つ以上の基地局を示す情報を通知する、請求項1ないし5の何れか1項に記載の移動端末。
【請求項7】
前記受信品質が、希望波受信電力(RSCP)、伝搬ロス、ビットエラーレート(BER)又はラウンドトリップ時間(RTD)により表現されている、請求項1ないし6の何れか1項に記載の移動端末。
【請求項8】
前記コンテンツが店舗の広告情報である、請求項1ないし7の何れか1項に記載の移動端末。
【請求項9】
移動端末におけるコンテンツ表示方法であって、
1つ以上の基地局から受信した信号の受信品質を測定し、
基地局と、コンテンツと、該コンテンツの提供元が該基地局から受信した信号の受信品質とを対応付けて管理するコンテンツ提供サーバへ、前記1つ以上の基地局を示す情報を通知し、
前記1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報を、前記コンテンツ提供サーバから取得し、
前記コンテンツ提供サーバから取得したコンテンツに対応付けられている受信品質と前記移動端末において測定した受信品質とを比較することで、前記コンテンツ提供サーバから取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定し、
前記優先度にしたがってコンテンツを表示するステップ
を有する、移動端末におけるコンテンツ表示方法。
【請求項10】
移動端末にコンテンツ表示方法を実行させるコンピュータプログラムであって、該コンテンツ表示方法は、
1つ以上の基地局から受信した信号の受信品質を測定し、
基地局と、コンテンツと、該コンテンツの提供元が該基地局から受信した信号の受信品質とを対応付けて管理するコンテンツ提供サーバへ、前記1つ以上の基地局を示す情報を通知し、
前記1つ以上の基地局各々に対応付けられているコンテンツ及び受信品質の情報を、前記コンテンツ提供サーバから取得し、
前記コンテンツ提供サーバから取得したコンテンツに対応付けられている受信品質と前記移動端末において測定した受信品質とを比較することで、前記コンテンツ提供サーバから取得した1つ以上のコンテンツ各々について優先度を決定し、
前記優先度にしたがってコンテンツを表示するステップ
を有する、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−217095(P2012−217095A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82107(P2011−82107)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】