説明

通信端末、地震情報取得方法およびプログラム

【課題】地震検知し必要な情報を迅速に報知可能な装置を提供する。
【解決手段】ガスメーター1の地震検知手段306で地震を検知し、無線を介して通信端末2へ地震検知情報を送信し、通信端末2の報知情報判断手段302で地震検知情報の受信を判断すると、地震情報取得手段304でインターネット上のサーバー4から必要な地震情報を取得し、報知手段305で報知することで、地震発生時必要な情報を迅速に、かつ広く多くのユーザに提供できるようになり、既存のガスメーターの機能を利用することで導入コストを安価にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスや電気・水道等のメーターと通信し、メーターから地震検知の情報を受信すると通信端末で地震情報を取得する通信端末、地震情報取得方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の地震検知時に住人に対して適切な指示を行う地震報知機能付き集合住宅管理システムが特許文献1に示されている。
【0003】
集合住宅の管理人室に設置される警報監視盤と、集合住宅の各住戸に設置された住宅情報盤を接続してシステムを構成し、警報監視盤において、各住戸で発生した火災、ガス漏れ、防犯などの状態を監視できるようにしている。そして、住宅情報盤に地震検知手段を設け、地震検知手段で地震を検知した時、所定の対処ガイダンスを報知手段によって報知し、地震発生時に住人に適切な指示が出せるようにしている。
【0004】
また、ガスメーターに備える地震を検知する感震器を利用した地震保安システムが特許文献2に示されている。
【0005】
ガスメーターの感震器の検知した強弱レベル信号を、通信回線で接続された監視センターへ通信し、複数の前記信号を感震処理装置で判定処理を行い、前記監視センターの処理装置の判定処理によりガス供給停止装置を遠隔で作動させ、地震の揺れがひどいガス供給エリアだけを判別し、自動的にガス供給を停止させるようにしている。
【特許文献1】特開2003−67866号公報
【特許文献2】特開2003−141660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1のシステムは、集合住宅管理システムにおいて、地震を検知する地震センサを搭載した住宅情報盤を設けることで、地震発生時の対処方法を住宅情報盤によって音声と映像で報知することはできるが、例えば震度や津波の有無に関する情報などの地震情報を得るものではない。すなわち、予め記憶させておいた地震発生時の対処方法を、地震を感知したときに報知するだけのものである。加えて、前記システムを導入している集合住宅しか、地震発生時の対処方法を提供することができない。加えて、住宅情報盤に地震センサを備えることで、装置のコストが高くなる。
【0007】
また上記特許文献2のシステムは、ガスメーターの感震器が検知した地震レベルをセンターで判定することで、地域ごとにガス供給を停止できるが、ユーザに対する地震情報の提供はなくサービス性が十分とは言えないものであった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、メーターに備えた地震検知センサである感震器で地震を検知すると通信端末へ通信し、これを受信した通信端末は、広域通信網を介して、ユーザーに必要な地震情報を取得させるようにすることで、より多くのユーザーに、地震発生時に必要な情報を迅速に提供できるようにし、また安価にシステムを提供できることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、地震を検知するとガスや電気・水道を遮断する遮断手段を有するメーターと通信して、前記メーターから地震検知または遮断の情報を受信する通信手段と、前記通信手段によって地震検知または遮断の情報を受信すると広域通信網から地震情報を取得する情報取得手段とを通信端末が備えることにより、地震発生時必要な情報を迅速に提供できるようにし、また一般に設置されるメーターの地震検知機能を利用したシステム・サービスとすることで、導入コストを安価にできるようにしている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の通信端末、地震情報取得方法およびプログラムは、地震発生時必要な情報を迅速に、かつ広く多くのユーザに提供できるようにし、既存のメーターの地震検知機能を利用することで導入コストを安価にする効果がある。
【0011】
加えて、地震検知したメーターを備える家屋の情報端末からのみ地震情報を取得するので、地震情報が必要な家屋に限って地震情報を提供することができる。また、地震検知して遮断手段が動作するほど大きな地震を検知したメーターを備える家屋の情報端末からのみ地震情報を取得するので、地震情報が直ちに必要な家屋に限って地震情報を提供することができる。
【0012】
仮に、地震検知やその大きさに関わらず全ての情報端末が地震情報の取得を行うとすると、地震発生後に一斉に取得のための通信が始まり電話やインターネットの回線が逼迫することが予想される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は、地震を検知するとガスや電気・水道を遮断する遮断手段を有するメーターと通信して、前記メーターから地震検知または遮断の情報を受信する通信手段と、前記通信手段によって地震検知または遮断の情報を受信すると広域通信網から地震情報を取得する情報取得手段とを備えた通信端末であって、メーターから地震検知、または地震検知による遮断を受信すると、前記情報取得手段によって地震情報を取得し報知する通信端末を構成したものである。
【0014】
そして、メーターで地震検知し、前記検知情報を受信した通信端末で地震情報を取得させるようにすることで、地震発生時必要な情報を迅速に、かつ広く多くのユーザに提供できるようにし、既存のメーターの機能を利用することで導入コストを安価にすることができる。
【0015】
第2の発明は、前記情報取得手段は、インターネット上のサーバーから地震情報を取得する請求項1に記載の通信端末を構成したものである。
【0016】
そして、インターネット上のサーバーから地震情報を取得させることで、地震情報提供者は不特定多数の通信端末に対して、更新頻度が高い地震情報を提供しやすくなり、地震情報提供サービスのサービス性が向上する。
【0017】
第3の発明は、前記情報取得手段は、AMまたはFMラジオまたはTV放送を受信するラジオ受信手段で構成し、地震情報を取得させる請求項1に記載の通信端末を構成したものである。
【0018】
そして、公共の電波を受信するラジオ受信手段により地震情報を取得させることで、ラジオやテレビは、災害に強く通信回線が不要なので地震によって通信回線がダウンしている場合でも、地震情報を安定的に取得できるようになりサービス性が向上する。またより地震災害に強い災害時情報提供サービスができるようになる。
【0019】
第4の発明は、メーターで地震を検知する、または地震を検知するとガスや電気・水道を遮断するステップと、前記メーターから地震検知情報、または地震検知による遮断情報を通信端末に通信するステップと、前記通信端末において前記地震検知情報、または地震検知によるガス遮断情報の受信により広域通信網から地震情報を取得し報知するステップを備えた地震情報取得方法である。
【0020】
そして、メーターで地震検知し、前記検知情報を受信した通信端末で地震情報を取得させるようにすることで、地震発生時必要な情報を迅速に、かつ広く多くのユーザに提供できるようにし、既存のメーターの機能を利用することで導入コストを安価にすることができる。
【0021】
第5の発明は、第1、2または3に記載のいずれか1項の機器の少なくとも一部を実行させるためのプログラムである。
【0022】
そして、プログラムを用いることで電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明の通信端末の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
以下に本発明の実施の形態1について図1〜図6を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態1におけるガスメーターと通信する通信端末を用いたガス集中監視システムを示すシステム構成図である。
【0026】
ここではガスメーターで説明するが、電力メーターや水道メーター、燃料のメーターなど生活インフラに係わるメーターであればよい。
【0027】
ガス集中監視システムとは、ガスメーター1とガス会社のセンターのサーバー4とを通信端末2によって通信回線(電話回線や、インターネット)で接続し、ガスメーター1で検知した情報を、随時、または定期的に報知し、センターでガスの安全利用を監視しているサービスシステムである。
【0028】
また、本システムは、自動検針システムとも呼ばれ、ガスメーター1で計測しているガス使用量を、毎月1回定期的にセンターのサーバー4へ通報する。そして、ガスによってガス料金を算出し、ユーザに請求する。また、ガスメーター1の内部に備えたセンサや、使い方に異常を検知した場合、ガスを遮断し、不安全な状態になることを防止すると共に、異常が発生しガス遮断した情報を、センターのサーバー4へ報知する。さらにガスの種類は、一般にLPガス(液化石油ガス)と都市ガスが存在するが、LPガスでは、利用しているボンベの残量値もセンターのサーバー4へ報知する。
【0029】
図1で、ガスメーター1はネットワーク接続機能(通信機能)を備えたネット機器であり、無線装置1dが接続され、無線で通信端末2と通信する機能を備える。無線装置1dは特定小電力無線(429MHz、波長70cm)を用いて構成される。
【0030】
また、通信端末2には、表示機能を備え、サーバー4よりコンテンツ情報(天気、ニュース、地域情報、お店情報、広告情報など)を取得し通信端末2で表示し利用される。HTMLで作成されたコンテンツ情報の場合、通信端末2に備えるブラウザの機能で閲覧する。また広告情報などは、通信端末2の制御画面に情報を埋め込んで表示する機能も備え、ユーザーへの利便性を高めている。
【0031】
ここで、ネット機器は、インターネット3を含む様々なネットワークに接続する機能を有する家電機器、設備機器を示す概念であり、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコン、給湯機、乾燥機、食器洗い乾燥機、掃除機、ガステーブル、IH機器、炊飯器、温水洗浄便座、電子錠、各種防犯センサ(人感センサ、開閉センサ)、ネットカメラ、照明機器、コージェネレーションシステム機器、燃料電池システム機器、ホームサーバー、テレビ、ビデオ、DVD機器、パソコン、PDA、携帯電話、FAX、電話機、オーディオ機器、およびそのリモコン、ガスメーター、水道メーター、電力メーターなどのユーザー宅にある機器である。
【0032】
本実施の形態では、ガスメーター1と接続されたシステムを説明するが、ガスメーター1に加えて、前記機器の制御コントローラとして通信端末2を機能させることもできる。
【0033】
通信端末2は、ADSLモデム7、ADSL回線を介してISPに接続し、インターネット3を通してサーバー4に接続される。なお本実施の形態では、通信回線はADSLで説明するが、電話回線、ISDN、xDSL、CATV網、光ケーブル、PHS、無線通信網などで構成された通信媒体を介してISPに接続し、インターネット3を介してサーバー4に接続してもよい。またインターネットを経由せず、直接電話回線で接続させてもよく、また専用線であってもよい。
【0034】
なお本実施の形態では、図示はしないがISPはインターネットサービスプロバイダであり、インターネット接続を行うサービスを行うものである。通信プロトコルにはインターネットで一般的に使用されるTCP/IP、HTTPなどを使用し通信を行う。
【0035】
また、インターネット3や電話回線網に接続できる携帯電話5によって、ガスメーター1、または通信端末2を制御する機能を備える。
【0036】
また通信端末2は、ガスメーター1の通信プロトコルと、インターネット通信で利用されるアプリケーションプロトコルを相互に変換する通信プロトコルのゲートウェイ機能を備える。
【0037】
通信端末2には、サーバー4に接続を行う場合に必要なユーザー認証用のID、パスワードなどを保持する。さらに通信端末2と通信を行う無線装置1dのIDも保持する。
【0038】
通信端末2は、図2に示すようにCPU2a、メモリ2b、FlashROM(Flash Read Only Memory)、ROMなどの外部記憶装置2cの他に、前記ガスメーター1の無線装置と通信する無線装置2d、イーサネット(登録商標)などの通信インターフェース2e、LCDなどで構成されるディスプレイ2fのハードリソースを具備し、これらを協働させて、図3に示すような無線通信手段301、報知情報判断手段302、宅外通信手段303、地震情報取得手段304、報知手段305を機能させている。
【0039】
図2において、ガスメーター1は、CPU1a、メモリ1b、センサ1c、無線装置1d、遮断弁1e、感震器1fを具備しており、これらを協働させ、図3に示す地震検知手段306、弁遮断手段307、メーター制御手段308を機能させている。
【0040】
次に通信端末2の構成機能を詳しく説明する。動作・作用は後述する。
【0041】
図3において、無線通信手段301は、ガスメーター1に接続された無線装置1dと無線通信する機能である。ガスメーター1で計測している検針情報(ガス使用量情報)や、ガスメーター1で監視しているガス異常情報(遮断情報など)をガスメーター1と通信する。通常は1ヶ月に1回、検針情報をセンターのサーバー4へ通報するように設定されている。
【0042】
ガスメーター1では、ガス漏れ検知、地震検知、圧力低下検知、使用時間・使用量の異常検知などが発生したとき、メーター制御手段308により弁遮断手段307によってガスを遮断する機能を備えている。
【0043】
報知情報判断手段302は、ガスメーター1から通信端末2に通信される検針情報、ガス異常情報などを受信し、情報の内容を判断する。またガス異常情報の場合、ガス異常情報の内容によって、通信端末2の報知手段で報知するかどうかを判断する。
【0044】
宅外通信手段303は、通信端末2をインターネット3、または電話回線などの外部への通信網に接続して、サーバー4との間でデータ送受信可能な状態を実現する。具体的には、図3において宅外通信手段303は、ルーター6、ADSLモデム7を介してISPに接続し、そこからインターネット3を通じてサーバー4にTCP/IP接続するものである。
【0045】
地震情報取得手段304は、報知情報判断手段302がガスメーター1から地震検知情報や地震によるガス遮断の情報を受信したとき、地震検知を通知され、ユーザーに必要な地震情報を、インターネット3を介してサーバー4から受信する。なお、サーバー4は、ガス集中監視サービスのサーバーと別のサーバーで構成してもよく、運用者が別であっても構わない。地震情報を提供するサービスを行う事業者のサーバーへ接続することも可能である。
【0046】
報知手段305は、文字、画像、音声などによってユーザーに情報を伝える機能を提供する。具体的には、液晶表示にガス異常情報の内容を表示したり、またその対処方法を表示する。また同時に、スピーカにより音声でガイダンスを行う。また地震検知時は、取得した地震情報、被害状況、避難場所、対処方法などの情報を表示したり、音声で文章を読み上げる。
【0047】
地震検知手段306は、ガスメーター1の感震器1fで構成され、地震の揺れの強弱レベルを検知しメーター制御手段308に通知する。
【0048】
弁遮断手段307は、前述したガス異常検知の時に、ガスメーター1内のガス管(図示しない)の流路の弁を遮断する機能を備える。具体的には、地震発生の場合、前記地震検知手段306により大きな地震を検知するとメーター制御手段308に通知され、メーター制御手段308によって電磁弁を制御し、ガス遮断弁1eを遮断する。また、異常状態が解消された場合、センターのサーバー4からの通信や、通信端末4、ガスメーター1の操作によって、ガス遮断弁1eを開放復帰制御する機能も備える。
【0049】
メーター制御手段308は、前述したように地震検知手段306の検知情報によって、弁遮断手段307を遮断制御する。またガスメーター1で検知したガス異常情報、検針情報などを送信する電文を生成し、無線装置1dを介して通信端末4へ送信する機能を備える。
【0050】
一方、サーバー4は、前記通信端末2から送信されてきた通信端末2の認証要求、情報取得要求、制御要求などの種別を判断処理し、前記電文の応答電文を送信する。そのため、図4に示すようにCPU4a、メモリ4b、外部記憶装置4c、通信インターフェース4dなどのハードリソースを具備し、これらを協働させて、図5に示す送受信手段501、ユーザー認証・判断処理手段502、ユーザー情報データベース503、送信情報生成手段504、地震情報データベース505を機能させる。
【0051】
送受信手段501は、インターネット3を介して通信端末2から、認証要求、情報取得要求または制御要求などのTCP/IP接続があったときに通信端末2との間で送受信状態を確立させ、認証情報、設定情報、地震情報、制御情報などを送受信するものである。
【0052】
ユーザー認証・判断処理手段502は、認証要求時に通信端末2から受信する通信端末2の認証情報である端末ID、パスワードをユーザー情報データベース503で管理するユーザー情報と比較認証する処理を行う。前記端末IDは通信端末2ごとにユニークに記録されているシリアル番号のようなものであり、通信端末2の初期設定時において、ユーザー認証時にサーバー4に送信され、その他のユーザー情報(電話番号、暗証番号(パスワード))などと一緒に管理される。またデータの種別をそのデータに付帯するデータ識別子によって判断する。検針情報、ガス異常情報の報知内容も、ここで受信処理され内容が判断され、ユーザー情報と共に管理される。
【0053】
ユーザー情報データベース503は、ユーザーの名前、住所、地域コード、電話番号、携帯電話番号、暗証番号(パスワード)、端末ID、サービス加入状況、携帯電話のメールアドレスなどを保持している。また、検針情報やガス異常通報の通報履歴なども管理する。
【0054】
送信情報生成手段504は、通信端末2の要求電文を受信すると、前記要求電文の応答電文を生成し応答する。また、本実施の形態では説明しないが、情報取得要求を受信すると、当該通信端末2に必要な設定情報、地震情報を抽出し生成する。この設定情報は、ユーザー情報データベース503に設定された設定情報より生成する。また地震情報は、後述する地震情報データベース505に登録された情報を、ユーザーの地域コードごとに抽出し、ユーザーのエリアに提供すべき地震情報(被害状況、避難場所、対処方法、救急病院情報など)を生成して送信する。
【0055】
地震情報データベース505には、日常は地震や災害発生時に関する対処方法、地域ごとの避難場所、けが人発生時の応急処置などの各種情報が記録されている。また、地震発生、災害発生時には、緊急に各ユーザに伝えるべき緊急情報、政府・自治体が出す避難指示・勧告、被害状況、ライフライン(ガス、電気、水道)の状況、復旧見通し、道路、交通機関の状況、復旧見通しなどの交通情報、また被災書への生活支援情報、自治体で行う相談窓口などの情報が適時更新され記録される。
【0056】
これらの情報は、HTMLなどWEBブラウザで閲覧させる形式で記録され、通信端末2の報知手段305で表示される。また、音声で報知すべき緊急情報も記録され、更新されると適時通信端末2で情報取得し、スピーカなどで構成された報知手段305で報知し、ユーザに緊急情報を伝えられるようにしている。
【0057】
なお、図5ではサーバー4を1つの装置のように図示したが、サーバーが複数であってもよく、またユーザー情報データベース503や地震情報データベース505が別の装置または別の場所にあっても構わない。
【0058】
次に本実施の形態での動作・作用について図6を用いて説明する。
【0059】
図6は、ガスメーター1の地震検知手段306で地震を検知し、通信端末2で地震情報を取得する動作を示すフローチャートである。また適時、図3も参照しながら説明する。
【0060】
地震が発生すると、ガスメーター1の地震検知手段306で揺れを検知し、揺れのレベルを揺れレベル情報としてメーター制御手段308に通知する(ステップ601)。
【0061】
また、ガスメーター1では、所定の震度以上になれば、ガスを遮断する機能が備わっており、地震検知手段306より、所定震度を示すレベルであった場合、メーター制御手段308から弁遮断手段307を制御し、ガスを遮断する。ガスが遮断されると、ガスメーター1はガス遮断事象(ガス異常)が発生したことを、ガス会社のセンターへ報知する(図示しない)。
【0062】
ガスメーター1で地震検知、または地震によるガス遮断が起こると、メーター制御手段308で異常発生を報知する電文を生成し無線装置1dへ送信し、無線を介して通信端末2の無線通信手段301へ送信する(ステップ602)。
【0063】
無線通信手段301で受信された電文は、報知情報判断手段302で、報知された電文内容を解析し判断処理される。そして、報知電文が、地震検知、または地震によるガス遮断異常情報であれば、地震情報取得手段304に地震情報を取得させる。
【0064】
地震情報取得手段304は、地震情報取得要求の電文を生成し、宅外通信手段303を制御して、インターネット3を通してサーバー4へ前記電文を送信する。サーバー4では、前記電文の内容を解析し、内容が地震情報取得要求であった場合、地震情報データベース505に記録された情報を応答電文にセットし、通信端末2で受信させる(ステップ603)。
【0065】
地震情報を取得した通信端末2は、報知手段305で取得した地震情報を、文字、画像、音声などでユーザーに報知する(ステップ604)。また、地震によってガス遮断が発生した場合には、前記ガス異常や遮断弁の復帰方法などを報知手段305で報知する。
【0066】
また、通信端末2への情報提供だけでなく、適時地震情報を、本システムを利用しているユーザーの携帯電話5に電子メールで配信することも可能である。
【0067】
なお、ガスメーター1で地震検知し通報する揺れレベルは、予め所定値に設定されているものである。
【0068】
このとき、地震の揺れレベルに応じて、宅外通信手段303のサーバー4への地震情報取得の優先度(例えば、揺れレベルによって複数の待ち時間を設ける)を設けてもよいし、さらに地震によるガス遮断異常情報を最優先として地震情報の取得を行ってもよい。このように地震情報取得の優先度を設けることにより、地震発生時のサーバー4への集中アクセスを分散させ緩和させることができる。
【0069】
なお通信端末2とサーバー4はインターネット3で接続されると説明したがそれに限定にされるものではなく、通信回線は、電話回線、ISDN、ADSL、CATV、光ケーブル(FTTH)、無線LAN,イーサネット(登録商標)などでも構わない。
【0070】
また通信端末2とガスメーター1の通信手段として、特定小電力無線を用いて説明したが、電灯線通信やイーサネット(登録商標)や無線LANなどでもよい。
【0071】
また各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0072】
以上の説明のように、ガスメーター1の地震検知手段306で地震を検知し、弁遮断手段307でとガスを遮断し、地震を検知すると地震検知、または地震検知によるガス遮断情報を通信端末2へ送信し、通信端末2の地震情報取得手段304によって広域通信網から地震情報を取得するようにすることで、地震発生時必要な情報をユーザーに迅速に提供できるのでサービス性と、ユーザーの安全性が向上する。またガス利用ユーザであれば設置されるガスメーターの機能を利用したシステム・サービスとすることで、導入コストを安価にできるものであり、また広く多くのユーザーに提供できるようになる。
【0073】
また、インターネット上のWEBサーバーから地震情報を取得させることで、地震情報提供者は不特定多数の通信端末に対して、更新頻度が高い地震情報を提供しやすくなり、地震情報提供サービスのサービス性が向上する。
【0074】
(実施の形態2)
以下に本発明の実施の形態2について図7を参照し説明する。
【0075】
図7は、本実施の形態2の通信端末2のブロック構成図である。本実施の形態は、地震情報取得手段304をラジオ受信手段701とし、ラジオ電波で地震情報を取得させる点について異なる。なお、前記実施の形態1(図3)と同一構成要素は同一番号を付して説明を省略する。
【0076】
ガスメーター1で地震を検知し、通信端末2へ地震検知の情報を送信する。そして報知情報判断手段302で、地震検知情報、または地震によるガス遮断異常情報であると判断すると、ラジオ受信手段701を動作させ、予め設定された所定のラジオ周波数に、チューニングしてラジオ受信状態にし、アンテナ702でラジオを受信する。そしてラジオで受信された音声、文字情報を報知手段305で出力し、ユーザーに地震情報、災害情報をより迅速に伝えるものである。また、文字情報を音声として読み上げることも可能である。
【0077】
サーバー4に新着情報が更新された時適時、ラジオ受信に切り替えることもできるが、本実施の形態のようにガスメーターからの地震検知情報と連動させることによって、必要なときのみラジオ受信手段701を動作させるので自分の地域に地震が起こったときのみ動作して報知することができる。
【0078】
なお所定のラジオ周波数は、センターのサーバー4から設定変更できる。ラジオの周波数はAM放送、FM放送のほか、TV放送であってもよい。
【0079】
以上の説明のように、地震情報取得手段を、ラジオ受信手段701とすることで、有線による通信回線が使用不可になる大災害時にも対応できるようになり、地震情報を安定的に取得できるようになりサービス性が向上する。またより地震災害に強い災害時の情報提供サービスができるようになる。
【0080】
また本実施の形態はいずれも通信端末2やサーバー4の手段を、コンピュータを機能させるためのプログラムとしても同様の機能を提供することができる。
【0081】
プログラムとすることで、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ又は他の装置の一部の機能として実現できるようになり、利便性、汎用性が向上し、システムが構築しやすくなる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできるものである。
【0082】
なお、本実施の形態ではガスメーターとして説明したが、これに限らず、電力メーターや水道メーターであってもよい。
【0083】
また、地震検知手段306を通信端末側に備えても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように、本発明の通信端末、地震情報取得方法及びプログラムは、地震検知センサを備えた装置と通信端末を接続して実現されるので、地震検知センサを備える装置であれば同様に実現可能である。例えば燃料電池システム、コージェネレーションシステムなどのエネルギーシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガス集中監視ステムのシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1の通信端末、ガスメーターのブロック構成図
【図3】本発明の実施の形態1の通信端末の機能を示すブロック構成図
【図4】本発明の実施の形態1のサーバーのブロック構成図
【図5】本発明の実施の形態1のサーバーの機能を示すブロック構成図
【図6】本発明の実施の形態1の通信端末の地震情報取得の動作を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2の通信端末の機能を示すブロック構成図
【符号の説明】
【0086】
1 ガスメーター(メーター)
2 通信端末
3 インターネット(広域通信網)
4 サーバー
301 無線通信手段(通信手段)
304 地震情報取得手段(情報取得手段)
306 地震検知手段
307 弁遮断手段(遮断手段)
701 ラジオ受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震を検知するとガスや電気・水道を遮断する遮断手段を有するメーターと通信して、前記メーターから地震検知または遮断の情報を受信する通信手段と、前記通信手段によって地震検知または遮断の情報を受信すると広域通信網から地震情報を取得する情報取得手段とを備えた通信端末。
【請求項2】
前記情報取得手段は、インターネット上のサーバーから地震情報を取得する請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記情報取得手段は、AMまたはFMまたはTV放送を受信するラジオ受信手段で構成し、地震情報を取得させる請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
メーターで地震を検知する、または地震を検知するとガスや電気・水道を遮断するステップと、前記メーターから地震検知情報、または地震検知による遮断情報を通信端末に通信するステップと、前記通信端末において前記地震検知情報、または地震検知による遮断情報の受信により広域通信網から地震情報を取得し報知するステップを備えた地震情報取得方法。
【請求項5】
請求項1、2または3に記載のいずれか1項の通信端末の少なくとも一部を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−309389(P2006−309389A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129290(P2005−129290)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】