説明

通信端末、通信方法および通信プログラム

【課題】他端末から受信した画像情報を効率よく保存できる通信端末、通信方法および通信プログラムを提供する。
【解決手段】他拠点から送信された資料画像を自拠点において記憶する場合に、一つ前に記憶された資料画像との類似度を判断する(S16)。その類似度が閾値以上であれば(S17:NO)、一つ前の資料画像と類似度が高いのでその資料画像は記憶しない。従って、膨大な資料画像が記憶されるのを防止できる。一方、類似度が閾値未満であれば(S17:YES)、一つ前の資料画像と類似度が低い。この場合、資料画像を提供した端末の端末ID毎に整理して記憶される(S20)。これにより、HDDに記憶された複数の資料画像から特定の資料画像を見つけ易くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末、通信方法および通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ会議中に会議資料をキャプチャ画像で各端末に配信し、そのキャプチャ画像を受信した各端末において会議資料を共有できる通信端末が利用されている。例えば、通信装置によって原稿情報を伝送し、送信者と受信者間で、伝送された原稿をディスプレイ等の表示装置で表示することによって通信会議を行うことができる方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−30189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような端末では、他端末から配信されたキャプチャ画像を所定時間間隔で全てメモリに保存すると、膨大な画像が無造作に蓄積されてしまい、後から閲覧する際に見にくいという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、他端末から受信した画像情報を効率よく保存できる通信端末、通信方法および通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る通信端末は、ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末であって、前記他端末から送信された前記静止画像情報を受信する静止画像情報受信手段と、当該静止画像情報受信手段によって受信された前記静止画像情報と、過去のタイミングで受信され、かつ記憶手段に先に記憶された前記静止画像情報との類似度を判定する類似度判定手段と、当該類似度判定手段によって判定された前記類似度が閾値未満であるか否かを判断する判断手段と、当該判断手段によって前記類似度が前記閾値未満と判断された場合に、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記静止画像情報を、前記静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて前記記憶手段に記憶する記憶処理手段とを備えている。
【0007】
第1態様に係る通信端末では、他端末から送信された静止画像情報を受信した場合に、その静止画像情報と、記憶手段に先に記憶された静止画像情報との類似度を判定する。類似度が閾値未満と判断された場合は、過去に記憶された静止画像情報とは類似しない。そのような静止画像情報のみ記憶手段に記憶する。即ち、過去に記憶された静止画像情報と類似する静止画像情報は記憶しないので、静止画像情報を効率よく保存できる。さらに、静止画像情報は、その静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて記憶されるので、後から閲覧する際に所望の静止画像情報を簡単に見つけることができる。
【0008】
また、第1態様において、表示画面に表示された前記静止画像情報の操作の情報である操作情報を取得する取得手段と、前記他端末への前記静止画像情報の送信を決定する静止画像情報送信決定手段によって前記静止画像情報の送信が決定された場合に、前記取得手段によって取得された前記操作情報を、前記静止画像情報と対応付けて前記他端末に送信する静止画像情報送信手段とを備え、前記静止画像情報受信手段は、前記他端末の前記静止画像情報送信手段によって送信された前記静止画像情報と、前記操作情報とを受信し、前記類似度判定手段は、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記操作情報に基づき、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記静止画像情報と、前記記憶手段に記憶された前記静止画像情報とにおいて、前記類似度を判定する判定領域を決定する判定領域決定手段を備え、当該判定領域決定手段によって決定された前記判定領域内のドット情報に基づいて前記類似度を判定するようにしてもよい。静止画像情報の全領域のドット情報を比較しないので、類似判定に係る処理量を大幅に減らすことができる。
【0009】
また、第1態様において、前記操作情報は、前記表示画面に表示されたウィンドウ内にスクロール表示された前記静止画像情報のスクロール方向の情報であるスクロール情報、又は前記スクロール方向を指定するポインティングデバイスのデバイス情報を含み、前記類似度判定手段は、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記操作情報に基づき、前記静止画像情報のスクロール方向を特定する特定手段を備え、前記判定領域決定手段は、前記特定手段によって特定された前記スクロール方向において所定割合を占める領域を前記判定領域として決定するようにしてもよい。スクロール方向において所定割合を占める領域を判定領域として比較するので、静止画像情報の類似度を確実に判別できる。
【0010】
また、第1態様において、前記取得手段は、前記操作情報に加え、前記静止画情報のうち前記ウィンドウ内に表示されている部分の位置の情報であるスクロール位置情報を取得し、前記静止画像情報送信手段は、前記取得手段によって取得された前記操作情報、及び前記スクロール位置情報を、前記静止画像情報と対応付けて前記他端末に送信し、前記静止画像情報受信手段は、前記他端末の前記静止画像情報送信手段によって送信された前記静止画像情報と、前記操作情報と、前記スクロール位置情報とを受信し、前記記憶処理手段は、前記操作情報と、前記スクロール位置情報とに基づき、前記記憶手段に記憶する前記静止画像情報の配列を決定する配列決定手段を備えてもよい。操作情報と、スクロール位置情報とに基づき、記憶手段に記憶する静止画像情報の配列を決定できるので、ウィンドウに全体を表示できないような静止画像情報がスクロール操作等で分割されて受信した場合でも、スクロール方向に沿った順番で正確に記憶できる。
【0011】
本発明の第2態様に係る通信方法は、ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末によって行われる通信方法であって、前記他端末から送信された前記静止画像情報を受信する静止画像情報受信ステップと、当該静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報と、過去のタイミングで受信され、かつ記憶手段に先に記憶された前記静止画像情報との類似度を判定する類似度判定ステップと、当該類似度判定ステップにおいて判定された前記類似度が閾値未満であるか否かを判断する判断ステップと、当該判断ステップにおいて前記類似度が前記閾値未満と判断された場合に、前記静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報を、前記静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて前記記憶手段に記憶する記憶処理ステップとを備えている。
【0012】
第2態様に係る通信方法では、他端末から送信された静止画像情報を受信した場合に、その静止画像情報と、記憶手段に先に記憶された静止画像情報との類似度を判定する。類似度が閾値未満と判断された場合は、過去に記憶された静止画像情報とは類似しない。そのような静止画像情報のみ記憶手段に記憶する。即ち、過去に記憶された静止画像情報と類似する静止画像情報は記憶しないので、静止画像情報を効率よく保存できる。さらに、静止画像情報は、その静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて記憶されるので、後から閲覧する際に所望の静止画像情報を簡単に見つけることができる。
【0013】
本発明の第3態様に係る通信プログラムは、ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末の動作を制御する通信プログラムであって、コンピュータに、前記他端末から送信された前記静止画像情報を受信する静止画像情報受信ステップと、当該静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報と、過去のタイミングで受信され、かつ記憶手段に先に記憶された前記静止画像情報との類似度を判定する類似度判定ステップと、当該類似度判定ステップにおいて判定された前記類似度が閾値未満であるか否かを判断する判断ステップと、当該判断ステップにおいて前記類似度が前記閾値未満と判断された場合に、前記静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報を、前記静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて前記記憶手段に記憶する記憶処理ステップとを実行させることを特徴とする。
【0014】
第3態様に係る通信プログラムは、コンピュータに各ステップを実行させることによって、他端末から送信された静止画像情報を受信した場合に、その静止画像情報と、記憶手段に先に記憶された静止画像情報との類似度を判定する。類似度が閾値未満と判断された場合は、過去に記憶された静止画像情報とは類似しない。そのような静止画像情報のみ記憶手段に記憶する。即ち、過去に記憶された静止画像情報と類似する静止画像情報は記憶しないので、静止画像情報を効率よく保存できる。さらに、静止画像情報は、その静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて記憶されるので、後から閲覧する際に所望の静止画像情報を簡単に見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】会議システム1の概要、及び会議端末装置5の電気的構成を示す図である。
【図2】会議システム1における通信例を示すタイミングチャートである。
【図3】資料画像情報90の概念図である。
【図4】資料画像Aに対して上下方向にスクロールするウィンドウWを示した図である。
【図5】資料画像記憶領域242に記憶される資料画像の一記憶態様を示す概念図である。
【図6】資料画像提供側制御処理のフローチャートである。
【図7】資料画像受信側制御処理のフローチャートである。
【図8】判定領域特定処理のフローチャートである。
【図9】配列決定処理のフローチャートである。
【図10】配列決定処理に従って資料画像の配列を決定する際の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の通信端末を具現化した一実施の形態である会議端末装置3〜5を備えた会議システム1について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0017】
まず、会議システム1の構成について、図1を参照して説明する。会議システム1は、例えば、3つの拠点にそれぞれ設置される会議端末装置3,4,5を備えている。会議端末装置3〜5は、ネットワーク2を介して他の端末と接続し、画像、音声等の各種データの通信を行うことで、遠隔会議を可能とする。会議端末装置3〜5は、各拠点の利用者の間で通話を実行させる機能(IP電話機能)を少なくとも備えている。IP電話機能を実現するための呼制御プロトコルとして、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)が用いられる。会議端末装置3〜5は、専用端末の他、据え置き型のパーソナルコンピュータ、携帯端末等が利用可能である。
【0018】
会議端末装置3〜5には、識別情報がそれぞれ割り当てられている。SIPにおいては、SIPアドレスが識別情報に相当する。例えば、会議端末装置3には「001」、会議端末装置4には「002」、会議端末装置5には「003」がそれぞれ割り当てられている。利用者は、SIPアドレスを指定し、他拠点の特定の利用者の会議端末装置を呼び出すことで、特定の利用者と通話を行う。本実施形態では、これらSIPアドレスを識別情報としての端末IDとして利用する。なお、端末IDは、SIPアドレスに限らず、IPアドレス、マックアドレス等も利用可能である。
【0019】
次に、会議システム1において実行される資料共有において、各拠点に提供される資料画像の効率的な保存方法について、図1,図2を参照して説明する。会議システム1では、会議端末装置3〜5がそれぞれ独自に所有する資料画像を「キャプチャ画像」で送受信することで、同一の資料画像を共有し、自拠点においてその資料画像を記憶できる。図2に示す通信例は、最初に、会議端末装置3の資料画像を共有し、途中で、会議端末装置4の資料画像Bを共有し、最後に、会議端末装置3の資料画像を再度共有した場合について示している。
【0020】
まず、会議システム1でテレビ会議が開始される。すると、T1タイミングで、会議端末装置3から会議端末装置4,5に向けて資料画像情報が送信される。資料画像情報(図3参照)は、後述するように、その資料画像の提供元の端末の端末IDと、キャプチャ画像である資料画像「xxx.jpg.」と、その資料画像のスクロール情報とを含むものである。
【0021】
資料画像情報を受信した会議端末装置4,5では、その資料画像情報に含まれる会議端末装置3の資料画像が、各拠点の後述するHDD24の資料画像記憶領域242(図1参照)に記憶される。会議端末装置3は、資料提供中は、資料画像情報を会議端末装置4,5に所定時間ごとに随時送信する。
【0022】
会議端末装置3の資料提供が終了した後、次に、会議端末装置4の資料画像を共有するために、T2タイミングで、会議端末装置4から会議端末装置3,5に向けて、資料画像情報が送信される。資料画像情報を受信した会議端末装置3,5では、その資料画像情報に含まれる会議端末装置4の資料画像が、各拠点の後述するHDD24の資料画像記憶領域242に記憶される。会議端末装置4は、資料提供中は、資料画像情報を会議端末装置3,5に所定時間ごとに随時送信する。
【0023】
会議端末装置4の資料提供が終了した後、次に、会議端末装置3の資料画像を再度共有するために、T3タイミングで、会議端末装置3から会議端末装置4,5に向けて、資料画像情報が送信される。資料画像情報を受信した会議端末装置4,5では、その資料画像情報に含まれる会議端末装置3の資料画像が、各拠点の後述するHDD24の資料画像記憶領域242に記憶される。会議端末装置3は、資料提供中は、資料画像情報を会議端末装置4,5に所定時間ごとに随時送信する。そして、会議端末装置3の資料提供が終了した後、各通信が切断されて、会議が終了する。
【0024】
上記の通信手順を経た場合、図2に示すように、会議端末装置3のHDD24には、会議端末装置4から送信された資料画像が記憶されている。会議端末装置4のHDD24には、会議端末装置3の資料画像が記憶されている。会議端末装置5のHDD24には、会議端末装置3,4の資料画像がそれぞれ記憶されている。
【0025】
このような通信手順において、本実施形態では、他拠点から送信された資料画像を自拠点において記憶する場合に、一つ前に記憶した資料画像との類似度を判断する。その類似度が閾値以上であれば、一つ前の資料画像と類似度が高いので、その資料画像は記憶しない。類似度が閾値未満であれば、一つ前の資料画像と類似度が低いので、その資料画像は記憶する。故に、互いに類似する資料画像が重複して記憶されないので、記憶する資料画像が膨大になるのを防止できる。さらに、他拠点から送信された資料画像は、資料画像を提供した端末の端末ID毎に整理して記憶される。これにより、HDD24に記憶された複数の資料画像から特定の資料画像を探し出すのに便利である。以下、このような資料画像保存機能を有する会議端末装置3〜5について、その電気的構成、資料画像保存機能を実現するための制御方法等について詳細に説明する。
【0026】
まず、会議端末装置5の電気的構成について、図1を参照して説明する。会議端末装置3,4の電気的構成は、会議端末装置5と同一であるので説明を省略する。会議端末装置5は、会議端末装置5の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、入力部25、表示部26、カメラ27、マイク28、スピーカ29、ドライブ装置30、及び通信部31と電気的に接続している。ROM22には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。
【0027】
HDD24は、各種プログラムを記憶するプログラム記憶領域241と、他拠点から送信された資料画像を記憶する資料画像記憶領域242と、資料画像の送信枚数を記憶する送信枚数記憶領域243等を備えている。入力部25は、利用者からの入力を受け付けるキーボードやマウスである。表示部26は、所望の画像を表示させるディスプレイである。ドライブ装置30は、記憶媒体301に記憶された情報を読み出すことができる。例えば、会議端末装置5のセットアップ時、記憶媒体301に記憶された制御プログラムはドライブ装置30によって読み出され、HDD24に記憶される。通信部31は、ネットワーク2を介して他の会議端末装置3,4と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0028】
次に、資料画像情報90について、図3を参照して説明する。資料画像情報90は、キャプチャ画像としての資料画像のデータに、その資料画像の提供元、その資料画像のスクロールについての情報を付したものである。具体的には、資料画像情報90は、その資料画像の提供元の端末の端末IDと、キャプチャ画像である資料画像「xxx.jpg.」と、その資料画像の元画像についてのスクロール情報とを含む。端末IDは、本実施形態では、SIPアドレスである。IPアドレス、マックアドレス等も利用可能である。スクロール情報とは、資料画像がスクロール表示される資料画像の一部を表示する場合、そのスクロールの方向を示す方向情報と、スクロールの位置を示す位置情報とを含む。
【0029】
ここで、資料画像についてのスクロール方向、及びスクロール位置について、図4を参照して説明する。例えば、資料画像Aの提供元の会議端末装置において、資料画像AがウィンドウWの枠に収まりきらない場合、資料画像Aはスクロール表示となる。この場合、ウィンドウWの枠の右端部には、スクロールバー50が設けられる。スクロールバー50は、ノブ51を有する。ノブ51は、現在表示されている位置、及び資料画像Aの全体に占める割合を示している。ノブ51をドラッグすると、資料画像Aの表示領域を移動できる。スクロールバー50の上下には、上下の矢印で示されたアロー52,53が設けられている。アロー52,53をクリックするとその方向にノブ51が一単位移動する。
【0030】
なお、ウィンドウWの枠内において、資料画像が水平方向において収まりきらない場合は、ウィンドウWの枠の下部に、水平方向のスクロールバー(図示外)が設けられる。垂直方向、水平方向の何れにおいても収まりきらない場合は、これら2つのスクロールバーでスクロール表示が可能である。
【0031】
このようなスクロールバー50において、資料画像Aの垂直方向における全体を100とした場合に、ノブ51の位置xは、ウィンドウWの枠内に表示されている資料画像Pの垂直方向における位置情報となる。この場合、ノブ51の位置情報は、「x/100」と表すことができる。ノブ51の位置を特定することで、資料提供元から送信される資料画像Pのスクロール位置を特定できるので、資料画像Pが資料画像Aのどのスクロール位置を表示しているものかを容易に認識できる。
【0032】
なお、資料画像がページ毎の情報である場合、即ち、スクロール表示以外のものであって、ウィンドウWの枠内に収まる画像の場合は、その資料画像はページ毎に送信される。この場合の資料画像情報90には、スクロールについての情報がないので、スクロール情報は含まれない。よって、端末IDと、資料画像とを含む情報が、資料画像情報として他拠点に送信される。
【0033】
次に、HDD24の資料画像記憶領域242について、図5を参照して説明する。資料画像記憶領域242には、他拠点から送信され、後述する類似度判定によって一つ前に記憶された資料画像とは異なる画像とみなされた複数の資料画像が記憶される。資料画像は、端末IDごとに振り分けられ、資料提供元ごとに別ファイルとなって記憶される。図5に示す例では、会議端末装置3から提供された4枚の資料画像P1〜P4と、会議端末装置4から提供された資料画像Q1,Q2とが記憶されている。なお、P1〜P4の配列については、後述する配列決定処理によって、資料画像Aの表示の流れに合わせて、P1、P2、P4、P3の順に配列されている。さらに、各資料画像に対応して、スクロール位置を示す位置情報が記憶されている。これにより、各資料画像のスクロール位置を特定できる。
【0034】
次に、会議システム1が実行する資料共有において、資料画像を他拠点に提供する場合にCPU21が実行する「資料画像提供側制御処理」と、他拠点から資料画像を受信して記憶する場合にCPU21が実行する「資料画像受信側制御処理」とについて、順に説明する。
【0035】
はじめに、CPU21が実行する資料画像提供側制御処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。ここでは、説明の便宜上、会議端末装置3が資料画像の提供元である場合を想定して説明する。
【0036】
本処理が起動する前に、他拠点と通信が確立され、会議が開始する。次いで、利用者は、自拠点の資料画像について資料共有を行うために、所定のアプリケーションを起動する。これを契機に、HDD24のプログラム記憶領域241(図1参照)に記憶された資料画像提供側制御プログラムが呼び出され、本処理が実行される。
【0037】
まず、利用者によって他拠点と共有する資料画像が選択されたか否か判断される(S1)。資料画像が選択されるまでは(S1:NO)、S1に戻り、共有する資料画像の選択が監視される。利用者によって所望の資料画像が選択されると、HDD24の送信枚数記憶領域243に、送信枚数N=1が記憶される(S2)。さらに、表示部26に表示された資料画像がキャプチャ処理される。キャプチャ処理された資料画像について、資料画像情報が作成される。ここでは、その資料画像について、自拠点の端末IDと、スクロール情報とが取得される。スクロール情報の方向情報については、例えば、図4に示すスクロールバー50のノブ51をドラッグする操作、又はアロー52,53をクリックする操作等によって検出される。スクロール情報の位置情報については、ノブ51の位置が検出される。
【0038】
そして、作成された資料画像情報が、他拠点である会議端末装置4,5にそれぞれ送信される(S3)。さらに、会議が終了したか否か判断される(S4)。会議が終了していない場合(S4:NO)、前回の資料画像情報が送信されたときから所定時間経過したか否か判断される(S5)。まだ所定時間経過していない場合は(S5:NO)、S4に戻り、会議が終了したか否かについて監視される。
【0039】
そして、前回の資料画像情報90が送信されたときから所定時間経過した場合は(S5:YES)、HDD24の送信枚数記憶領域243の送信枚数(N)に1が加算される(S6)。さらに、表示部26に表示された資料画像がキャプチャ処理される。資料画像がページ単位の画像の場合は、そのウィンドウ枠内の資料画像がキャプチャ処理される。資料画像がスクロール表示の画像の場合は、そのウィンドウ枠内の表示領域がキャプチャ処理される。そして、キャプチャ処理された2枚目の資料画像について資料画像情報が作成され、他拠点の会議端末装置4,5へ送信される(S3)。会議が終了するまでは(S4:NO)、3枚目、4枚目・・・と、資料画像情報が送信される。そして、他拠点との通信が切断され、会議が終了された場合は(S4:YES)、本処理を終了する。
【0040】
次に、CPU21が実行する資料画像受信側制御処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。他拠点と通信が確立され、会議が開始すると、自拠点が所有する資料画像について資料共有を行うためのアプリケーションが起動される。それを契機に、HDD24のプログラム記憶領域241に記憶された資料画像受信側制御プログラムが呼び出され、本処理が実行される。
【0041】
まず、他拠点から資料画像情報を受信したか否か判断される(S11)。資料画像情報を受信するまでは(S11:NO)、資料画像情報を受信したか否かについて監視される。資料画像情報を受信した場合(S11:YES)、その資料画像情報に含まれる資料画像が、HDD24の資料画像記憶領域242(図1参照)に記憶される(S12)。
【0042】
次いで、次の資料画像情報を受信したか否か判断される(S13)。次の資料画像情報を受信するまでは(S13:NO)、S13に戻り、資料画像情報を受信したか否かについて監視される。次の資料画像情報を受信した場合(S13:YES)、その資料画像情報に、スクロール情報があるか否か判断される(S14)。スクロール情報がない場合(S14:NO)、その資料画像はページ毎の画像である。この場合、今回受信した資料画像と、HDD24の資料画像記憶領域242に記憶した一つ前の資料画像との類似度が判定される(S16)。
【0043】
類似度の判定方法について説明する。類似度の判定方法については種々の方法が適用可能である。本実施形態では、資料画像を構成するドットで比較する。例えば、資料画像が一つ前の資料画像と比較され、それらの類似度が予め設定した閾値未満であるか否かについて判定される。類似度は、2つの資料画像が互いに類似している度合いである。例えば、今回受信した資料画像を構成するドットと、一つ前の資料画像を構成するドットと比べて同一のドット数(本発明の「類似度」に相当)が閾値(例えば、150ドット)未満である場合は、別画像と判定される。
【0044】
これとは別に、例えば、今回受信した資料画像を構成する全ドットと、一つ前の資料画像を構成する全ドットと比べて同一の部分の割合(本発明の「類似度」に相当)が閾値(例えば、50%)未満である場合に、別画像と判定してもよい。資料画像がページ毎の画像である場合は、資料画像について全領域がドットで比較される。
【0045】
ところで、資料画像情報にスクロール情報がある場合(S14:YES)、その資料画像はスクロール表示の画像である。この場合、類似度を判定するための判定領域を特定の領域に決めることで、類似度判定に係る処理量を軽減する。具体的には、スクロール情報に基づく判定領域特定処理が実行される(S15)。
【0046】
判定領域特定処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。まず、受信した資料画像情報のスクロール情報に基づき、スクロール方向は下か否か判断される(S31)。スクロール方向が下である場合(S31:YES)、判定領域は上半分の領域に設定される(S32)。また、スクロール方向が上である場合(S31:NO、S33:YES)、判定領域は下半分の領域に設定される(S34)。また、スクロール方向が右である場合(S33:NO、S35:YES)、判定領域は、左半分の領域に設定される(S36)。また、スクロール方向が左である場合(S33:NO、S35:NO)、判定領域は、右半分の領域に設定される(S37)。つまり、互いに比較する資料画像において、スクロール方向とは反対側の領域を判定領域に設定する。このようにすることで、資料画像の全領域のドットを比較する場合に比べて格段に処理量を軽減できる。
【0047】
そして、図7のS16に戻り、一つ前に記憶された資料画像と、今回の資料画像との類似度が判定され、資料画像の全領域、又は特定された判定領域において、類似度は閾値未満か否か判断される(S17)。類似度が閾値以上と判断された場合(S17:NO)、今回受信した資料画像は一つ前の資料画像とほぼ同じものであり、保存する必要のない資料画像である。従って、今回受信した資料画像は消去される(S23)。一方、類似度が閾値未満であると判断された場合(S17:YES)、今回受信した資料画像は一つ前の資料画像とは異なるもので、保存すべき資料画像である。そこで、その受信した資料画像の提供元が、一つ前の資料画像の提供元と異なるか否かについて判断される(S18)。
【0048】
提供元が同じである場合(S18:YES)、さらに、その資料画像情報にスクロール情報があるか否か判断される(S19)。資料画像情報がない場合(S19:NO)、その資料画像はページ単位の画像である。そこで、HDD24の資料画像記憶領域242において、一つ前に記憶された資料画像と関連付けて記憶される(S21)。資料画像の提供元は、その資料画像情報に付されている端末IDで判断される。例えば、図5に示すように、一つ前に記憶された1枚目の資料画像P1(P1.jpg.)が会議端末装置3のものであって、今回受信した2枚目の資料画像P2(P2.jpg.)も会議端末装置3のものである場合は、会議端末装置3の端末ID=001同士で関連付けられて記憶される。
【0049】
これに対し、資料提供元が同じでない場合(S18:NO)、一つ前に記憶した資料画像と区別して保存するために、HDD24の資料画像記憶領域242において、別ファイルで記憶される(S24)。例えば、図5に示すように、一つ前に記憶された資料画像P1(P1.jpg.)が会議端末装置3のものであって、今回受信した資料画像Q1(Q1.jpg.)が会議端末装置4のものである場合、会議端末装置4の端末ID=002で別ファイルで記憶される(S24)。これにより、複数の他拠点から種々の資料画像が提供された場合でも、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像の提供元ごとに整理して保存されるので、後に、特定の資料画像を探して閲覧するような場合に便利である。
【0050】
ところで、一つ前の資料画像と今回受信した資料画像の資料提供元が同じで(S18:YES)、その資料画像情報にスクロール情報がある場合(S19:YES)、その資料画像はスクロール表示の画像である。故に、資料提供元のスクロール操作によっては、今回受信した資料画像は、HDD24に過去に記憶した資料画像との配置の関係において、スクロール表示されている資料画像の全領域の表示の流れと合わない可能性がある。つまり、資料画像を受信順にそのまま記憶してしまった場合、本来の資料画像の順番と異なる場合がある。そこで、本来の資料画像の順番に変更するべく、配列決定処理(S20)が実行される。
【0051】
配列決定処理について、図9のフローチャート、図10を参照して説明する。ここでは、図10に示すように、資料提供元である会議端末装置3の利用者が、資料画像Aについてスクロール操作を矢印A、B、Cの順番に行った場合に、会議端末装置5において、会議端末装置3から順次送信された資料画像Pの配列を決定する方法を一例として説明する。
【0052】
まず、会議端末装置3の利用者が、資料画像Aを先頭から矢印Aが示す下方向にスクロールさせた場合、スクロール前後で、資料画像情報が会議端末装置5に送信される。図9に示すように、資料画像情報を受信した会議端末装置5では、受信した資料画像情報のスクロール情報を参照し、今回受信した資料画像のスクロール方向は上か下かについて判断される(S41)。
【0053】
今回のスクロール方向は下であるので(S41:NO)、資料画像Aの表示の流れに合っている。この場合、配列を変更することなく、図7のS21に移行し、1枚目の資料画像P1の次に2枚目の資料画像P2が記憶される。図10に示すように、資料画像P1と資料画像P2の位置関係は、資料画像P1の下部と資料画像P2の上部で重なり合っている。重なり部分の幅は、類似度判定の閾値を変更することで、調整可能である。閾値を調整することによって、資料画像P1と資料画像P2の間を隙間なく、かつ重なり部分の幅を小さくすることができる。この時点では、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P1、P2の順番で記憶される。
【0054】
次いで、会議端末装置3の利用者が、矢印Bが示すように下方向に一気に素早くスクロールさせた場合、その間の資料画像情報については作成されない。矢印Bの操作によって位置する資料画像について資料画像情報を受信した会議端末装置5では、今回のスクロール方向も下であるので(S41:NO)、この場合も、配列を変更するまでもなく、図6のS21に移行し、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P2の資料画像の次に3枚目の資料画像P3が記憶される。
【0055】
図10に示すように、資料画像P2と資料画像P3の位置関係は、上下方向において互いに重なり合っていない。矢印Bのスクロール操作が早過ぎて、2枚目と3枚目の間の資料画像の領域が飛んでしまったからである。この時点では、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P1、P2、P3の順番で記憶される。
【0056】
次いで、図10の左側に示すように、会議端末装置3の利用者が、矢印Cが示すように上方向にスクロールを戻し、過去に見ていなかった領域を参照した場合、その資料画像情報が会議端末装置5に送信される。資料画像情報を受信した会議端末装置5では、今回のスクロール方向は上であるので(S41:YES)、そのまま受信順に記憶してしまうと、保存すべき4枚目の資料画像P4の位置が、資料画像Aの表示の流れに合わない。
【0057】
例えば、図10に示すように、保存すべき4枚目の資料画像P4が、資料画像P2とP3との間の領域に該当する画像である場合、受信順でいえば、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P1、P2、P3、P4の順番で記憶される。ところが、これら資料画像P1〜P4の順番は、資料画像Aの表示の流れに合っていない。
【0058】
そこで、4枚目の資料画像P4を本来あるべき位置に配列するために、まず、HDD24の資料画像記憶領域242に記憶されている複数の資料画像において、今回保存する資料画像P4と同一部分を有する資料画像があるか否か判断される(S42)。具体的には、互いの資料画像をドットで比較して類似度を算出することで、同一部分の有無について判断する。
【0059】
例えば、図10に示すように、4枚目の資料画像P4は、資料画像P2と資料画像P3とに対して同一部分を有する。具体的には、資料画像P2の下部と資料画像P4の上部とが重なり合っている。資料画像P4の下部と資料画像P3の上部とが重なり合っている。この場合(S42:YES)、その重なり部分の位置から、資料画像P4が、資料画像P2と資料画像P3の間の領域の画像であることがわかる。故に、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P4の配列順序は、資料画像P2と資料画像P3の間であることが決定される(S43)。こうして、資料画像P4の配列が決定されたので、図6のS21に移行され、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P1、P2、P4、P3の順番で記憶される。
【0060】
これに対し、資料画像P4と、HDD24の資料画像記憶領域242に記憶されている複数の資料画像との間で同一部分を有しない場合(S42:NO)、例えば、資料画像P2と資料画像P3の間の隙間が大きく、その間に隙間を空けて資料画像P4が完全にはまってしまう場合、類似度判定では、先の資料画像P1、P2、P3に対して資料画像P4の配列を特定できない。この場合、資料画像P4のスクロール情報の位置情報に基づき、資料画像P4の配列が特定される(S44)。
【0061】
例えば、図5に示すように、HDD24の資料画像記憶領域242には、資料提供元の端末ごとに、資料画像と、そのスクロール情報とが記憶されている。ここで、2枚目の資料画像P2の位置情報がx2/100、3枚目の資料画像P3の位置情報がx3/100、4枚目の資料画像P4の位置情報がx4/100とし、x2<x4<x3であった場合、資料画像P4は、資料画像P2と資料画像P3の間に位置する可能性が高い。
【0062】
この場合、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P4の配列順序は、資料画像P2とP3の間であることが決定される。こうして、資料画像P4の配列が決定されたので、図7のS21に移行され、HDD24の資料画像記憶領域242において、資料画像P1、P2、P4、P3の順番で記憶される。このような方法により、資料画像Aの表示の流れに合うように、資料画像P1〜P4を保存できるので、HDD24の資料画像記憶領域242から所望の資料画像を速やかに見つけることができる。
【0063】
なお、S41において、スクロール方向は上か否かを判断しているが、スクロール情報が左右方向の場合においても、同様に判断することで、同じ効果を得ることができる。例えば、S41において、スクロール方向が右か否かを判断し、右であればそのまま図6のS21に移行する。左であれば、S42に移行すればよい。
【0064】
そして、他拠点と通信が遮断され、会議が終了されたか否か判断される(S22)。会議がまだ継続されている場合(S22:NO)、S13に戻り、次の資料画像情報の受信があるまで待機状態となる。会議が終了した場合(S22:YES)、本処理が終了する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の会議システム1では、会議端末装置3〜5がそれぞれ独自に所有する資料画像を「キャプチャ画像」で送受信することで、同一の資料画像を共有し、自拠点において記憶できる。そして、他拠点から送信された資料画像を自拠点において記憶する場合に、一つ前の資料画像との類似度を判断する。その類似度が閾値以上であれば、一つ前の資料画像と類似度が高いので、その資料画像は記憶しない。これにより、互いに類似する資料画像が重複して記憶されないので、記憶する資料画像が膨大になるのを防止できる。
【0066】
さらに、他拠点から送信された資料画像は、資料画像を提供した端末の端末ID毎に整理して記憶される。これにより、HDD24に記憶された複数の資料画像から特定の資料画像を見つけ易くなる。また、HDD24に記憶された複数の資料画像との類似度を判断することによって、又はスクロールの位置情報に基づき、スクロール表示された資料画像の表示の流れに沿って、資料画像の配列を変更できる。これにより、HDD24の資料画像記憶領域242から所望の資料画像を速やかに見つけることができる。
【0067】
以上の説明において、図7のS11の処理を実行するCPU21が本発明の「静止画像情報受信手段」に相当し、S16の処理を実行するCPU21が本発明の「類似度判定手段」に相当し、S17の処理を実行するCPU21が本発明の「判断手段」に相当し、S19の処理を実行するCPU21が本発明の「配列決定手段」に相当し、S20,S21の処理を実行するCPU21が本発明の「記憶処理手段」に相当する。図6のS3の処理を実行するCPU21が本発明の「静止画像送信手段」に相当する。図8のS31,S33,S35の処理を実行するCPU21が本発明の「特定手段」に相当する。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、資料提供元から送信されたキャプチャ画像を記憶しているが、静止画であれば、キャプチャ画像に限定しない。
【0069】
また、上記実施形態では、図8に示す判定領域特定処理において、スクロール方向が上、下、左、右によって、判定領域を下半分、上半分、右半分、左半分にして設定している。必ずしも資料画像の半分の領域を設定する必要はなく、そのスクロール方向において所定の割合を含む部分であれば判定領域のサイズは限定しない。
【符号の説明】
【0070】
1 会議システム
3〜5 会議端末装置
21 CPU
24 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末であって、
前記他端末から送信された前記静止画像情報を受信する静止画像情報受信手段と、
当該静止画像情報受信手段によって受信された前記静止画像情報と、過去のタイミングで受信され、かつ記憶手段に先に記憶された前記静止画像情報との類似度を判定する類似度判定手段と、
当該類似度判定手段によって判定された前記類似度が閾値未満であるか否かを判断する判断手段と、
当該判断手段によって前記類似度が前記閾値未満と判断された場合に、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記静止画像情報を、前記静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて前記記憶手段に記憶する記憶処理手段と
を備えたことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
表示画面に表示された前記静止画像情報の操作の情報である操作情報を取得する取得手段と、
前記他端末への前記静止画像情報の送信を決定する静止画像情報送信決定手段によって前記静止画像情報の送信が決定された場合に、前記取得手段によって取得された前記操作情報を、前記静止画像情報と対応付けて前記他端末に送信する静止画像情報送信手段と
を備え、
前記静止画像情報受信手段は、
前記他端末の前記静止画像情報送信手段によって送信された前記静止画像情報と、前記操作情報とを受信し、
前記類似度判定手段は、
前記静止画像情報受信手段によって受信された前記操作情報に基づき、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記静止画像情報と、前記記憶手段に記憶された前記静止画像情報とにおいて、前記類似度を判定する判定領域を決定する判定領域決定手段を備え、
当該判定領域決定手段によって決定された前記判定領域内のドット情報に基づいて前記類似度を判定することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記操作情報は、前記表示画面に表示されたウィンドウ内にスクロール表示された前記静止画像情報のスクロール方向の情報であるスクロール情報、又は前記スクロール方向を指定するポインティングデバイスのデバイス情報を含み、
前記類似度判定手段は、前記静止画像情報受信手段によって受信された前記操作情報に基づき、前記静止画像情報のスクロール方向を特定する特定手段を備え、
前記判定領域決定手段は、前記特定手段によって特定された前記スクロール方向において所定割合を占める領域を前記判定領域として決定することを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記取得手段は、前記操作情報に加え、前記静止画情報のうち前記ウィンドウ内に表示されている部分の位置の情報であるスクロール位置情報を取得し、
前記静止画像情報送信手段は、前記取得手段によって取得された前記操作情報、及び前記スクロール位置情報を、前記静止画像情報と対応付けて前記他端末に送信し、
前記静止画像情報受信手段は、前記他端末の前記静止画像情報送信手段によって送信された前記静止画像情報と、前記操作情報と、前記スクロール位置情報とを受信し、
前記記憶処理手段は、
前記操作情報と、前記スクロール位置情報とに基づき、前記記憶手段に記憶する前記静止画像情報の配列を決定する配列決定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末によって行われる通信方法であって、
前記他端末から送信された前記静止画像情報を受信する静止画像情報受信ステップと、
当該静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報と、過去のタイミングで受信され、かつ記憶手段に先に記憶された前記静止画像情報との類似度を判定する類似度判定ステップと、
当該類似度判定ステップにおいて判定された前記類似度が閾値未満であるか否かを判断する判断ステップと、
当該判断ステップにおいて前記類似度が前記閾値未満と判断された場合に、前記静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報を、前記静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて前記記憶手段に記憶する記憶処理ステップと
を備えたことを特徴とする通信方法。
【請求項6】
ネットワーク経由で他端末と静止画像情報の送受信を行う通信端末の動作を制御する通信プログラムであって、
コンピュータに、
前記他端末から送信された前記静止画像情報を受信する静止画像情報受信ステップと、
当該静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報と、過去のタイミングで受信され、かつ記憶手段に先に記憶された前記静止画像情報との類似度を判定する類似度判定ステップと、
当該類似度判定ステップにおいて判定された前記類似度が閾値未満であるか否かを判断する判断ステップと、
当該判断ステップにおいて前記類似度が前記閾値未満と判断された場合に、前記静止画像情報受信ステップにおいて受信された前記静止画像情報を、前記静止画像情報の送信元である端末の識別情報と対応付けて前記記憶手段に記憶する記憶処理ステップと
を実行させることを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−54721(P2012−54721A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195021(P2010−195021)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】