説明

通信端末、電話帳登録方法、通信端末取り扱い方法およびこれらのプログラム

【課題】電子メールの受信に伴う処理を簡易かつセキュリティにも配慮して行うことのできる通信端末、電話帳登録方法、通信端末取り扱い方法およびこれらのプログラムを得ること。
【解決手段】通信端末10は、次の手段を備える。電子メールを受信する電子メール受信手段11。受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別手段12。前記した受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認手段13。前記した特定条件を具備すると判別され、かつ、前記した電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う電話帳登録手段14。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PHS等の通信端末やこれら通信端末に電話帳を登録する電話帳登録方法、電話帳登録プログラムならびに電子メール受信時の通信端末取り扱い方法および通信端末取り扱いプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、電話機能を備えたコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)等の各種の通信端末が普及している。これらの通信端末で電話を掛ける際には、電話帳に相手先の電話番号等の情報を登録しておくことで、電話番号を入力する手間を省くことができ、また電話番号の入力ミスをなくすことができる。
【0003】
しかしながら、通信端末は一種の情報処理装置であるために、紙に記録する電話帳と異なり、電話帳の作成や管理にはある程度の情報処理に関する知識が必要となる。このため、情報処理装置の取り扱いに不慣れで、ITリテラシ(Information Technology Literacy)が十分でないおそれのある高齢者に代表される一部の者にとっては、通信端末の電話帳機能を十分活用することができないという問題があった。
【0004】
そこで、これらの者は、自分の通信端末についての電話帳の登録や管理を、家族に行ってもらうことが多い。ところが、核家族化の進行で高齢者とその家族が別々に暮らす場合が増加しており、家族が高齢者の通信端末の電話帳登録を手伝う機会が減少している。また、このような高齢者でなくても、電話帳の管理を簡略化することを望む者は多い。
【0005】
このような背景から、電話帳を簡易に作成したりその管理を簡易に行う提案が本発明の関連技術として各種登場している。たとえば、本発明の第1の関連技術では、着信があった相手の電話番号あるいは発信した電話番号を所定のデータ記憶領域に保存しておいて、これを電話帳に登録すべき候補データとすることにしている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
また、各種の個人情報を格納した情報提供装置を用意しておき、キーワード検索によって必要な個人情報を取得して電話帳に登録することが、本発明の第2の関連技術として提案されている(たとえば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−174891号公報(第0043段落、第0045段落、図1、図2)
【特許文献2】特開2001−005832号公報(第0028段落、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、通信端末には、宛先を間違えた間違い電話や、振り込め詐欺のように悪意を持った電話も掛けられてくる。もちろん、このような電話でなくても、自分から電話を掛ける可能性が極めて低く、わざわざ電話帳に登録する必要のない相手から電話が掛かってくる場合も多い。したがって、第1の関連技術のように着信があった相手の電話番号を所定のデータ記憶領域に保存して、これらを安易に電話帳に登録してしまうと、電話帳の登録データが不必要に多くなる。この結果として電話帳の登録データの選択ミスから間違った相手先に電話を掛けてしまい、最悪の場合には犯罪の当事者に電話を掛けて犯罪に巻き込まれてしまうといった問題が生じる。
【0009】
また、第2の関連技術では、情報提供装置に各人のデータを収集しておく必要がある。このため、情報提供装置から各自の情報を自在に引き出して電話帳を構成することは、個人のプライバシを侵害する問題になるおそれがある。また、通信端末のユーザは特殊な情報提供装置にアクセスし、検索操作を行って電話帳を作成するデータを取得する必要がある。したがって、既に説明したITリテラシの不十分な者は、このような処理が苦手の場合が多く、電話帳の作成や管理を十分行うことができないおそれがある。
【0010】
そこで、本発明の第3の関連技術として、既に説明した家族が遠隔地にいるような場合に、その家族に電話し、あるいは電子メールを送信して、電話帳に関するデータ(以下、電話帳データという。)を電子メールで送信してもらうことも検討されている。この第3の関連技術によれば、家族が高齢者等のITリテラシの不十分な者の所持する通信端末の電話帳を管理できる。したがって、たとえば振り込め詐欺の当事者が高齢者に対して家族の電話番号として教えてきた電話番号が間違いであることを判別することができ、電話帳のセキュリティを保つことができる。
【0011】
この第3の関連技術では、電話番号の登録データの作成を依頼された者(たとえば家族)が、依頼された内容の電話番号等を記した電話帳データを作成し、これを依頼した者(たとえば高齢者)に電子メールで送付する。依頼した者(たとえば高齢者)は、この電子メールを受信して、添付された電話帳データを保存し、これを電話帳に登録する。
【0012】
しかしながら、この第3の関連技術では、電話帳データを受け取る側の者が、電子メールを受信して、添付された電話帳データを保存し、これを通信端末の電話帳として登録するという数ステップにわたる操作を行う必要がある。このため、これら一連の操作手順を理解できない者(たとえば高齢者)は、間違った操作を行うおそれがあり、電話帳の登録ができない場合がある。このため、電話帳データの作成を依頼された者(たとえば家族)は、電話帳データを受け取る側の者(たとえば高齢者)に電子メールや通話で操作手順を分かりやすく教える必要がある。これにより、依頼した者と依頼された者の双方でかなりの時間と労力を必要とするという問題がある。
【0013】
更に、この第3の関連技術では、電話帳データを受け取る側の者(たとえば高齢者)に悪意のある電話帳データが送られてきた場合にも、この受信者がこれを電話帳に登録するおそれがあった。たとえば、受信者が高齢者で、電話帳データの中に息子の電話番号として振り込め詐欺のために偽装された電話番号が記載されていたとする。このような場合には、その高齢者は息子の電話番号と信じて電話を掛けて振り込め詐欺の被害に遭うおそれがある。
【0014】
このように、電子メールに電話帳データを添付して送信することも、これを一般的な手法として定着させるには、セキュリティ上の問題がある。
【0015】
以上、電子メールを用いて電話帳の登録を行う場合について説明したが、電子メールを受信してこれに伴う他の処理を行う場合にも同様にセキュリティ上の問題があった。
【0016】
そこで本発明の目的は、電子メールの受信に伴う処理を簡易にかつセキュリティにも配慮して行うことのできる通信端末、電話帳登録方法、通信端末取り扱い方法、電話帳登録プログラムおよび通信端末取り扱いプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、(イ)電子メールを受信する電子メール受信手段と、(ロ)この電子メール受信手段の受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別手段と、(ハ)前記した電子メール受信手段の受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認手段と、(ニ)前記した特定条件具備判別手段によって前記した特定条件を具備すると判別され、かつ、前記した電話帳データ存在確認手段によって電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う電話帳登録手段とを通信端末が具備する。
【0018】
また、本発明では、(イ)電子メールを受信する電子メール受信手段と、(ロ)この電子メール受信手段が受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記した特定静止画を添付しているかを判別する特定静止画添付判別手段と、(ハ)この特定静止画添付判別手段が前記した通信端末の前記した特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する特定静止画受信画面表示手段と、(ニ)この特定静止画受信画面表示手段により表示された前記した特定静止画の内容に応じて前記した電子メールの取り扱いを選択する取り扱い選択手段とを通信端末が具備する。
【0019】
更に本発明では、(イ)電子メールを受信する電子メール受信ステップと、(ロ)この電子メール受信ステップで受信された電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別ステップと、(ハ)前記した電子メール受信ステップで受信された電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認ステップと、(ニ)前記した特定条件具備判別ステップによって前記した特定条件を具備すると判別され、かつ、前記した電話帳データ存在確認ステップによって電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う電話帳登録ステップとを電話帳登録方法が具備する。
【0020】
更にまた本発明では、(イ)電子メールを受信する電子メール受信ステップと、(ロ)この電子メール受信ステップで受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記した特定静止画を添付しているかを判別する特定静止画添付判別ステップと、(ハ)この特定静止画添付判別ステップで前記した通信端末の前記した特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する特定静止画受信画面表示ステップと、(ニ)この特定静止画受信画面表示ステップにより表示された前記した特定静止画の内容に応じて前記した電子メールの取り扱いを選択する取り扱い選択ステップとを通信端末取り扱い方法が具備する。
【0021】
また、本発明では、コンピュータに、電話帳登録プログラムとして、(イ)電子メールを受信する電子メール受信処理と、(ロ)この電子メール受信処理で受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別処理と、(ハ)前記した電子メール受信処理で受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認処理と、(ニ)前記した特定条件具備判別処理によって前記した特定条件を具備すると判別し、かつ、前記した電話帳データ存在確認処理によって電話帳データが存在すると判別したとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う電話帳登録処理とを実行させることを特徴としている。
【0022】
更にまた、本発明では、コンピュータに、通信端末取り扱いプログラムとして、(イ)電子メールを受信する電子メール受信処理と、(ロ)この電子メール受信処理で受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記した特定静止画を添付しているかを判別する特定静止画添付判別処理と、(ハ)この特定静止画添付判別処理で前記した通信端末の前記した特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する特定静止画受信画面表示処理と、(ニ)この特定静止画受信画面表示処理により表示された前記した特定静止画の内容に応じて前記した電子メールの取り扱いを選択する取り扱い選択処理とを実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、受信した電子メールが予め定めた特定条件を備え、かつ、その電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在する場合のみ、この電話帳データを用いて電話帳の登録を行う。これにより、無条件に電話帳データを用いて電話帳の登録を行う場合に比べてセキュリティを高めることができる。
【0024】
また、電子メールに送信元を特定する画像としての特定静止画を添付させ、これを受信側の通信端末の画面に表示して、その表示内容に応じて電子メールの取り扱いを選択できるようにしたので、電子メールに伴う処理のセキュリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の通信端末のクレーム対応図である。
【図2】本発明の通信端末のクレーム対応図である。
【図3】本発明の電話帳登録方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明の通信端末取り扱い方法のクレーム対応図である。
【図5】本発明の電話帳登録プログラムのクレーム対応図である。
【図6】本発明の通信端末取り扱いプログラムのクレーム対応図である。
【図7】本発明の実施の形態による電話帳登録システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図8】本実施の形態における電話帳管理サーバの構成の概要を表わしたブロック図である。
【図9】本実施の形態における父親通信端末の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図10】本実施の形態における電話帳データ送付のための電話帳管理サーバへの登録処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】本実施の形態における父親通信端末が登録申請を行った場合の電話帳管理サーバの処理の様子を表わした流れ図である。
【図12】本実施の形態における父親通信端末の電話帳自動登録メールアドレス用メモリの登録内容の一例を示した説明図である。
【図13】本実施の形態における父親通信端末に電子メールが送られてきた場合の処理を示した流れ図である。
【図14】本発明の第1の変形例における電話帳自動登録メールアドレス用メモリの登録内容を示す説明図である。
【図15】第1の変形例における父親通信端末に電子メールが送られてきた場合の処理を示した流れ図である。
【図16】本発明の第2の変形例における通信端末が電子メールを受信した様子を表わした流れ図である。
【図17】第2の変形例における待受画面の表示の一例を示した表示画面の平面図である。
【図18】本発明の第3の変形例における通信端末が電子メールを受信した様子を表わした流れ図である。
【図19】第3の変形例における待受画面の表示の一例を示した表示画面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の通信端末のクレーム対応図を示したものである。本発明の通信端末10は、電子メール受信手段11と、特定条件具備判別手段12と、電話帳データ存在確認手段13と、電話帳登録手段14を備えている。ここで、電子メール受信手段11と、特定条件具備判別手段12と、電話帳データ存在確認手段13と、電話帳登録手段14は、電子メールを受信する。特定条件具備判別手段12は、この電子メール受信手段11の受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する。電話帳データ存在確認手段13は、電子メール受信手段11の受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する。電話帳登録手段14は、特定条件具備判別手段12によって前記した特定条件を具備すると判別され、かつ、電話帳データ存在確認手段13によって電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う。
【0027】
図2は、本発明の他の通信端末のクレーム対応図を示したものである。本発明の通信端末20は、電子メール受信手段21と、特定静止画添付判別手段22と、特定静止画受信画面表示手段23と、取り扱い選択手段24を備えている。ここで、電子メール受信手段21は電子メールを受信する。特定静止画添付判別手段22は、電子メール受信手段21が受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記した特定静止画を添付しているかを判別する。特定静止画受信画面表示手段23は、特定静止画添付判別手段22が前記した通信端末の前記した特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する。取り扱い選択手段24は、特定静止画受信画面表示手段23により表示された前記した特定静止画の内容に応じて前記した電子メールの取り扱いを選択する。
【0028】
図3は、本発明の電話帳登録方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の電話帳登録方法30は、電子メール受信ステップ31と、特定条件具備判別ステップ32と、電話帳データ存在確認ステップ33と、電話帳登録ステップ34とを備えている。ここで、電子メール受信ステップ31は、電子メールを受信する。特定条件具備判別ステップ32は、電子メール受信ステップ31で受信された電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する。電話帳データ存在確認ステップ33は、電子メール受信ステップ31で受信された電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する。電話帳登録ステップ34は、特定条件具備判別ステップ32によって前記した特定条件を具備すると判別され、かつ、電話帳データ存在確認ステップ33によって電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う。
【0029】
図4は、本発明の通信端末取り扱い方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の通信端末取り扱い方法40は、電子メール受信ステップ41と、特定静止画添付判別ステップ42と、特定静止画受信画面表示ステップ43と、取り扱い選択ステップ44とを備えている。ここで、電子メール受信ステップ41は電子メールを受信する。特定静止画添付判別ステップ42は、電子メール受信ステップ41で受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記した特定静止画を添付しているかを判別する。特定静止画受信画面表示ステップ43は、特定静止画添付判別ステップ42で前記した通信端末の前記した特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する。取り扱い選択ステップ44は、特定静止画受信画面表示ステップ43により表示された前記した特定静止画の内容に応じて前記した電子メールの取り扱いを選択する。
【0030】
図5は、本発明の電話帳登録プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の電話帳登録プログラム50は、コンピュータに、電子メール受信処理51と、特定条件具備判別処理52と、電話帳データ存在確認処理53と、電話帳登録処理54とを実行させるようにしている。ここで、電子メール受信処理51では、電子メールを受信する。特定条件具備判別処理52では、電子メール受信処理51で受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する。電話帳データ存在確認処理53では、電子メール受信処理51で受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する。電話帳登録処理54では、特定条件具備判別処理52によって前記した特定条件を具備すると判別し、かつ、電話帳データ存在確認処理53によって電話帳データが存在すると判別したとき、この電話帳データを用いて前記した電話帳の登録を行う。
【0031】
図6は、本発明の通信端末取り扱いプログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の通信端末取り扱いプログラム60は、コンピュータに、電子メール受信処理61と、特定静止画添付判別処理62と、特定静止画受信画面表示処理63と、取り扱い選択処理64とを実行させるようにしている。ここで、電子メール受信処理61では、電子メールを受信する。特定静止画添付判別処理62では、電子メール受信処理61で受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記した特定静止画を添付しているかを判別する。特定静止画受信画面表示処理63では、特定静止画添付判別処理62で前記した通信端末の前記した特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する。取り扱い選択処理64では、特定静止画受信画面表示処理63により表示された前記した特定静止画の内容に応じて前記した電子メールの取り扱いを選択する。
【0032】
<発明の実施の形態>
【0033】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図7は、本発明の実施の形態による電話帳登録システムの構成の概要を表わしたものである。この電話帳登録システム100で、一例として高齢者の父親が所持する通信端末としての父親通信端末101の電話帳を、家族が登録したり登録内容の変更を管理する場合を説明する。
【0035】
父親通信端末101は、最寄りの基地局1021を介して携帯電話網等の通信ネットワーク103に接続可能となっている。通信ネットワーク103には、所定の基地局1022を介して、息子の通信端末としての息子通信端末104および孫の通信端末としての孫通信端末105が接続可能となっている。また、通信ネットワーク103には、娘の通信端末としての娘通信端末106が接続されている。この例で父親通信端末101、息子通信端末104および孫通信端末105は、それぞれ携帯型の無線通信端末である。娘通信端末106は、通信ネットワーク103に常時接続されたパーソナルコンピュータで構成され、ヘッドセット107を備えインターネットを利用して通話や電子メールの送受信を行うことができるようになっている。通信ネットワーク103には、他の所定の基地局1023を介して、第三者の通信端末としての第三者通信端末108も接続可能である。
【0036】
本実施の形態の電話帳登録システム100では、通信ネットワーク103に電話帳管理サーバ109が接続されている。電話帳管理サーバ109は、各種の通信端末の電話帳を管理するもので、セキュリティを保持するために会員登録したメンバが利用できるようになっている。
【0037】
図8は、電話帳管理サーバの構成の概要を表わしたものである。図7と共に説明する。
【0038】
電話帳管理サーバ109は、通信機能を備えたコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)121を搭載している。CPU121は、データバス等のバス122を介して電話帳管理サーバ109内の各部と接続されている。このうち制御プログラム格納メモリ123は制御プログラムを格納している。CPU121はこの制御プログラムを実行することで、電話帳の管理のための各種の制御を行う。作業用メモリ124は、CPU121が制御を行う際に一時的に必要とする各種のデータを格納するメモリである。通信制御部125は通信ネットワーク103を介して、父親通信端末101等の各種端末とデータの送受信を行う。電話帳送付プログラム格納メモリ126は、会員となった通信端末にダウンロードする電話帳送付プログラムの原形を格納するメモリである。パスワード・メール送受信者登録テーブル127は、会員のパスワードと、パスワードに対応するメール送受信者を登録したテーブルである。
【0039】
本実施の形態では、たとえば父親通信端末101の電話帳の全部または一部(以下、適宜、電話帳という。)を息子通信端末104が作成して父親通信端末101に送付するものとする。この例の場合、父親が会員になって、パスワードとメール送付者としての息子の対の関係をパスワード・メール送受信者登録テーブル127に登録する。このときの登録手続きは、息子が父親のもとを訪れたときに息子の補助の下で、あるいは父親の承諾の下に息子が代わりに行えば簡単である。これについては後に説明する。
【0040】
図9は、父親通信端末の構成の概要を表わしたものである。図7と共に説明する。
【0041】
父親通信端末101は、CPU141を搭載している。CPU141はバス142を介して装置内の各部と接続されている。このうちROM(Read Only Memory)143は、CPU141が実行する各種の制御用プログラムや、かな文字変換等に使用する辞書等の固定的なデータを格納したリード・オンリ・メモリである。作業用メモリ144はRAM(Random Access Memory)によって構成されており、CPU141がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するようになっている。通信制御部145は、基地局1021等の基地局ならびに通信ネットワーク103を介して電話帳管理サーバ109や、息子通信端末104等の通信端末と接続され、データの送受信を行う回路である。電話帳用メモリ146は、電話帳に関するデータを記憶するメモリであり、不揮発性メモリで構成されている。メール用メモリ147は、メールデータを記憶するメモリであり、同様に不揮発性メモリで構成されている。
【0042】
電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148は、電話帳の登録に関する電子メールのアドレスを記憶するメモリであり、不揮発性メモリで構成されている。電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148には、図8に示したパスワード・メール送受信者登録テーブル127の登録内容と対応して、父親通信端末101の電話帳の登録を可能にする1または複数のメールアドレスが格納されるようになっている。アプリケーションソフトウェア格納部149は、各種のアプリケーションソフトウェアを格納するメモリ領域である。本実施の形態では、父親通信端末101の所持者の父親が電話帳登録システム100の会員となると、電話帳の登録のための専用のアプリケーションソフトウェアが電話帳管理サーバ109からダウンロードされる。この専用のアプリケーションソフトウェアは、アプリケーションソフトウェア格納部149に格納されるようになっている。父親通信端末101には、この他に、液晶ディスプレイ等のディスプレイからなる表示部150や、各種のキースイッチによって構成される操作部151が設けられている。
【0043】
図10は、父親通信端末のような通信端末が電話帳の送付を行ってもらうための電話帳管理サーバへの登録処理の様子を表わしたものである。図7〜図9と共に説明する。
【0044】
息子通信端末104を所持する息子が父親通信端末101を所持する父親に会ったときに、父親が電話を掛ける際に父親通信端末101の電話帳を利用すると便利であることを話したとする。息子が父親から固定電話の電話帳のコピーをもらい、後で電話帳データを送付することになったとし、このために父親が電話帳登録システム100の会員になるとする。
【0045】
この場合、息子は父親の承諾の下に、父親通信端末101を操作して通信ネットワーク103に接続し、電話帳管理サーバ109にアクセスする(ステップS201)。父親通信端末101が電話帳管理サーバ109に接続すると会員の認証が行われる(ステップS202)。ここで父親が既に電話帳登録システム100の会員であるとする。この場合、認証がOK(成功)となった時点で(Y)、電話帳の送付を受ける自端末としての父親通信端末101と、電話帳を電子メールで送付する端末としての息子通信端末104の対を登録申請する(ステップS203)。父親が会員になっていない場合には(ステップS202:N)、会員登録を行って(ステップS204)、その後にステップS203の処理を行う。
【0046】
なお、ここでは息子通信端末104が電話帳データを電子メールで送付することを前提として、父親通信端末101と息子通信端末104の対を登録申請することにしている。娘や孫の方が電話帳データの送付に適役とされる場合には、息子が娘あるいは孫の了解の下に、父親通信端末101を操作して娘通信端末106や孫通信端末105を父親通信端末101と対にして登録申請することも可能である。もちろん、娘通信端末106や孫通信端末105のそれぞれを父親通信端末101と対にして登録することも可能である。この場合には、これら複数の通信端末が父親通信端末101の電話帳の登録管理を行えることになる。
【0047】
図11は、父親通信端末が登録申請を行った場合の電話帳管理サーバの処理の様子を表わしたものである。図7〜図10と共に説明する。ここでは、電話帳送付端末を息子通信端末104として説明する。
【0048】
電話帳管理サーバ109はステップS203に基づいた登録申請を受信するのを待機している(ステップS221)。電話帳管理サーバ109は登録申請を受信すると(Y)、電話帳データを送付してもらう端末(父親通信端末101)と電話帳データを送付する電話帳送付端末(息子通信端末104)を、申請時に登録したパスワードに対応付ける。そして、この対応付けをパスワード・メール送受信者登録テーブル127に登録する(ステップS222)。次に、電話帳送付プログラム格納メモリ126に格納している電話帳送付プログラムの原形を読み出して、これに電話帳送付端末(息子通信端末104)のメールアドレスを組み込んだ電話帳送付プログラムを生成する(ステップS223)。そして、この生成した電話帳送付プログラムを、電話帳データを送付してもらう端末(父親通信端末101)に送付して(ステップS224)、処理を終了する(エンド)。
【0049】
図10に戻って説明を続ける。父親通信端末101は、自端末および電話帳送付端末に対応した電話帳送付プログラムを受信すると(ステップS205:Y)、これをアプリケーションソフトウェア格納部149に格納して実行する。そして、父親通信端末101は、電話帳送付プログラムに組み込まれている息子通信端末104に、父親通信端末101に対する電話帳送付端末として設定されたことを確認する確認メールを送信する(ステップS206)。これにより、息子通信端末104は父親通信端末101から確認メールを受信することになる。
【0050】
一方、父親通信端末101の表示部150には、息子通信端末104への電子メールの送信後に電話帳送付端末に対する確認メッセージが表示される(ステップS207)。たとえば、「電話帳送付端末に電子メールを送りましたので、電話で確認してください。」というような確認メッセージである。そこで、父親は、息子の所持する息子通信端末104に確認メールが受信されているかを電話で確認する。息子通信端末104の代わりにたとえば娘通信端末106を電話帳送付端末に設定した場合には、娘に電話を掛けて確認を行うことになる。ここでは、息子が父親と一緒に父親通信端末101を使用して電話帳管理サーバ109への登録処理を行っているので、息子通信端末104への電子メールの着信はその場で電話を掛けることもなく簡単に確認することができる。
【0051】
息子通信端末104に確認メッセージが送られていた場合、父親通信端末101の操作者は表示部150に表示されている「受信者了承ボタン」(図示なし。)を押す(ステップS208:Y)。これにより、電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に電話帳送付端末(息子通信端末104)のメールアドレスが登録され(ステップS209)、一連の処理が終了する(エンド)。
【0052】
これに対して、息子通信端末104に確認メッセージが送られていなかったような場合、あるいは息子が電話帳送付を拒否した場合のように電子メールの受信者から了承を得ることができなかった場合がある。この場合には(ステップS208:N)、「受信者了承不可ボタン」(図示なし。)が押される(ステップS210:Y)。このとき、該当する電話帳送付プログラムがアプリケーションソフトウェア格納部149から削除されて(ステップS211)、一連の処理が終了する(エンド)。
【0053】
以上説明したような電話帳送付端末に対する確認メッセージの送付処理と、電話帳送付端末の所持者の確認を得る処理は、省略することができる。しかしながら、これらの処理を設けておくことで、父親通信端末101が第三者通信端末108のような無関係な通信端末から電話帳データを受信して電話帳を勝手に書き換えられる事態の発生を防止することができる。また、息子が娘の了解を得ずに娘通信端末106を電話帳送付端末に設定したような場合には、確認メールの受信の段階で当人の了承を得ることができる。了承を得ることができなかった場合には、該当する電話帳送付プログラム自体が不要になるので、これを父親通信端末101から削除することになる。
【0054】
図12は、父親通信端末の電話帳自動登録メールアドレス用メモリの登録内容の一例を示したものである。電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148には、この例で図7に示した父親通信端末101が電話帳の自動登録を受け付ける息子通信端末104、娘通信端末106および孫通信端末105のそれぞれのメールアドレスと電話番号が登録されている。したがって、この例では息子、娘および孫がそれぞれの所持する通信端末104〜106を使用して父親通信端末101の電話帳を管理することができることになる。
【0055】
図13は、父親通信端末に電子メールが送られてきた場合の処理を示したものである。図7、図9および図12と共に説明する。
【0056】
父親通信端末101の通信制御部145は電子メールの受信を待機している(ステップS241)。電子メールを受信すると(Y)、その送信元のメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスのいずれかと一致するかを比較する(ステップS242)。たとえば、娘通信端末106からの電子メールであれば、「MUSUME@bcd.ef」という電子メールと一致することになる。電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録しているメールアドレスのいずれにも一致しない場合には(ステップS243:N)、電話帳の登録に関する電子メールではない。そこで、この場合には、通常のメール処理を実行し(ステップS244)、次の電子メールの受信を待機する状態に戻る(リターン)。
【0057】
受信した電子メールのメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスのいずれかに一致した場合について説明する(ステップS243:Y)。この場合には、その電子メールに電話帳データが添付されているかどうかの判別が行われる(ステップS245)。電話帳データが添付されていない場合には(N)、電話帳の登録に関する電子メールではないので、通常のメール処理を実行することになる(ステップS244)。
【0058】
これに対して、電子メールに電話帳データが添付されていた場合(ステップS245:Y)、CPU141はアプリケーションソフトウェア格納部149に格納された電話帳送付プログラムを実行する。すなわち、CPU141は電子メールに添付された電話帳データを電話帳用メモリ146の電話帳に登録し(ステップS246)、次の電子メールの受信を待機する状態に戻る(リターン)。具体的には、電話帳用メモリ146に電話帳が登録されていないときには、送られてきた電話帳データを構成する電話番号、氏名等のデータを基にして新規の電話帳を作成する。電話帳が電話帳用メモリ146にすでに作成されている場合には、今回送られてきた電話帳データを構成する電話番号、氏名等のデータを追加情報として電話帳に追加することになる。
【0059】
この図13に示した電話帳データの受信処理では、ステップS242で、受信した電子メールの送信元のメールアドレスと電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスとの比較を最初に行った。これとは異なり、ステップS245の電話帳データの添付の有無のチェックを最初に行ってもよい。
【0060】
以上説明したような電話帳登録システム100で、第三者が第三者通信端末108を使用して父親通信端末101に電話帳データを送信した場合を説明する。この場合には、第三者通信端末108のメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されていない。したがって、図13のステップS243では登録されたメールアドレスと一致しないので(N)、電話帳が不正に変更されることはない。すなわち、第三者通信端末108を所持する第三者が息子に装って振り込め詐欺を行うために息子通信端末104の電話番号やメールアドレスをアドレス帳によって変更しようとしても、このような変更を行うことができない。
【0061】
次に、この第三者が第三者通信端末108を使用して息子に成り済まして父親通信端末101に電子メールを送り、父親通信端末101の電話帳を不正に登録することを試みたとする。この場合、父親は受信した電子メールに書かれた説明に従って、電話帳管理サーバ109にアクセスする(図10ステップS201)。そして、ステップS203で息子通信端末104の電子メールのアドレスを登録する。ここで電子メールに書かれた説明に息子の正しいメールアドレスが記載されている場合には、ステップS205でその息子宛に父親通信端末101から確認メールが送信される。したがって、この時点で第三者が父親通信端末101の電話帳データを不正に作成しようとした事実が判明する。この場合、父親が「受信者了承不可ボタン」を選択することで、該当する電話帳送付プログラム自体を父親通信端末101から削除することができる。
【0062】
また、父親が第三者から受信した電子メールに書かれた説明に息子の電子メール以外のメールアドレスが息子のメールアドレスとして虚偽に記載されていた場合には、その相手先に父親通信端末101が確認メールを送信する(ステップS205)。したがって、父親がステップS207の確認表示にしたがって、息子に電話を掛けた時点で、第三者が父親通信端末101の電話帳データを偽装しようとした事実が判明する。この時点では第三者から送られてきた電話帳データが父親通信端末101の電話帳に登録されていないので、父親は従来の電話帳を用いて電話を掛けることになる。このため第三者ではなく、息子に電話が通じることになるからである。したがって、この場合も、父親が「受信者了承不可ボタン」を選択することで該当する電話帳送付プログラム自体を父親通信端末101から削除することができる。
【0063】
もちろん、この例の場合で、その第三者が息子の新しい電話番号として虚偽の電話番号を電子メールに書き込んでいる場合、その電話番号の第三者が父親の電話に応答することになる。このとき、第三者が父親をだまして「受信者了承ボタン」を押させる(ステップS208:Y)ことは可能性として皆無ではない。しかしながら、電話帳の登録の補助を息子に依頼したり息子がこれを提案する状況と、息子が緊急に金銭を必要とする状況は同時に起こり得ないと考えてよい。したがって、父親は息子に見せかけた第三者の声や話の内容に比較的冷静に対処可能と考えられ、本実施の形態で第三者が父親通信端末101の電話帳を不正に作成したり不正な電話番号を登録することは極めて困難となる。
【0064】
以上説明した、本実施の形態では電子メールに添付された電話帳データが自動的に通信端末に登録される。このため、受信者の操作負荷がなくなる。また、電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に事前に登録したメールアドレスを送信元とする電子メールに添付されている電話帳データのみを自動登録の対象とするため、データの信頼性が高い。更に、本実施の形態の電話帳登録システム100では、電話帳管理サーバ109を設ける以外は既存のサービスを利用している。したがって、電話帳管理サーバ109の電話帳送付プログラム格納メモリ126に格納するソフトウェアを開発するだけで、本実施の形態の電話帳登録システム100を簡単に実現することができる。また、本実施の形態によれば、ネットワークサービスの新規開発や、送信者側が新たな対応をする必要がないため、システムを安価に実現することができる。
【0065】
なお、以上説明した実施の形態ではこのステップS205で説明した確認メールの送信のために電子メールの宛先を組み込んだ電話帳送付プログラムをそれぞれの送付先に対応して生成したが(図11ステップS223)、これに限るものではない。すなわち、電話帳送付端末が複数存在する場合でも、予め用意した1つの電話帳送付プログラムを共通のプログラムとして、それぞれの電話帳送付端末に送信することも可能である。
【0066】
<発明の第1の変形例>
【0067】
図14は、本発明の第1の変形例における電話帳自動登録メールアドレス用メモリの内容を表わしたものであり、発明の実施の形態の図12に対応するものである。図14で図12と同一部分の説明は省略する。この第1の変形例の電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148Aでは、電話番号の項目が登録の対象となっておらず、代わりに当事者が事前に電話やファクシミリ等の伝達手段で取り決めたキーワード(識別情報)を登録の対象としている。キーワードは、電話帳データを添付して送信する電子メールの題名、もしくはメール本文の所定位置に組み込むように約束しておく。
【0068】
図15は、この第1の変形例で、父親通信端末に電子メールが送られてきた場合の処理を示したものである。図15で図13と同一ステップには同一のステップ番号を付しており、これらの説明を適宜省略する。発明の実施の形態の図7および図9および図14と共に説明する。
【0069】
父親通信端末101の通信制御部145は電子メールの受信を待機している(ステップS241)。電子メールを受信すると(Y)、その送信元のメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148Aに登録されているメールアドレスのいずれかと一致するかを比較する(ステップS242)。たとえば、娘通信端末106からの電子メールであれば、「MUSUME@bcd.ef」というメールアドレスと一致することになる。電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスのいずれにも一致しない場合には(ステップS243:N)、電話帳の登録に関する電子メールではない。この場合、CPU141は通常のメール処理を実行し(ステップS244)、次の電子メールの受信を待機する状態に戻る(リターン)。
【0070】
受信した電子メールのメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148Aに登録されているメールアドレスのいずれかに一致した場合を説明する(ステップS243:Y)。この場合、更に、その電子メールの題名、もしくはメール本文の所定位置に組み込まれている文字が、そのメールアドレスに対応するものとして電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているキーワードに一致するかの比較が行われる(ステップS301)。たとえば、娘通信端末106からの電子メールであれば、図14に示した電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148Aにキーワードとして「川」が登録されている。したがって、たとえば電子メールの題名に「電話帳登録 川」というように同じキーワードが含まれているかの比較が行われることになる。
【0071】
その結果、キーワードが一致した場合には(ステップS302:Y)、その電子メールに電話帳データが添付されているかどうかの判別が行われる(ステップS245)。キーワードが一致しなかった場合には(ステップS302:N)、図13で説明した電話帳データが添付されていない場合(ステップS245:N)と同様に、電話帳の登録に関する電子メールではない。そこで、通常のメール処理が実行されることになる(ステップS244)。
【0072】
これ以降は、図13に示した制御と同様である。この図15に示した電話帳データの受信処理でも、幾つか行われるチェックの順序は、適宜変更されてよいことは当然である。また、電子メールにおけるキーワードの埋め込まれる場所が各種変更し得る場合には、図14に示した電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148Aにキーワードの埋め込まれる場所を指定するデータを記載するようにしてもよい。
【0073】
<発明の第2の変形例>
【0074】
図16は、本発明の第2の変形例における通信端末が電子メールを受信した様子を表わしたものである。図16で図13と同一ステップには同一のステップ番号を付しており、これらの説明を適宜省略する。発明の実施の形態の図7、図9および図12と共に説明する。
【0075】
父親通信端末101の通信制御部145は電子メールの受信を待機している(ステップS241)。電子メールを受信すると(Y)、その送信元のメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスのいずれかと一致するかを比較する(ステップS242)。たとえば、娘通信端末106からの電子メールであれば、「MUSUME@bcd.ef」という電子メールと一致することになる。電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスのいずれにも一致しない場合には(ステップS243:N)、電話帳の登録に関する電子メールではない。そこで、CPU141は通常のメール処理を実行して(ステップS244)、次の電子メールの受信を待機する状態に戻る(リターン)。
【0076】
受信した電子メールのメールアドレスが電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に登録されているメールアドレスのいずれかに一致した場合を説明する(ステップS243:Y)。この場合、CPU141はその電子メールに静止画が添付されているかどうかをチェックする(ステップS401)。この第2の実施の形態では、電話帳データを送信する者はその電子メールに自分の静止画を送信することを取り決めている。そこで、電子メールに静止画が添付されていなければ(N)、ステップS244に進んで通常の電子メールとしての処理が行われる。
【0077】
電子メールに静止画が添付されている場合には(ステップS401:Y)、その電子メールに電話帳データが添付されているかどうかの判別が行われる(ステップS245)。電話帳データが添付されていない場合には(ステップS245:N)、静止画を添付した通常の電子メールが送られてきたものとして、CPU141は通常のメール処理を実行することになる(ステップS244)。
【0078】
一方、電子メールに電話帳データが添付されていた場合(ステップS245:Y)、CPU141は添付されていた静止画を父親通信端末101の表示部150の待受画面に表示する。また、この待受画面に電話帳の登録の可否を選択するボタンの表示も併せて行う(ステップS402)。
【0079】
図17は、待受画面の表示の一例を示したものである。図9に示す表示部150の表示画面としての待受画面451には、電子メールを送信した送信者の添付した静止画452が表示される。この静止画452の下の表示領域には、静止画452で表示された者の電話帳登録を許可するか拒否するかを選択するための許可ボタン453および拒否ボタン454が表示される。この図17も用いて図16に戻って説明する。
【0080】
父親通信端末101は、この状態で許可ボタン453と拒否ボタン454のいずれが選択されるかを監視している(ステップS403、ステップS404)。父親は、静止画452が電話帳自動登録メールアドレス用メモリ148に電子メールのアドレスを登録した家族等の者であることを確認したら、許可ボタン453を押すことになる(ステップS403:Y)。この場合、CPU141は電子メールに添付された電話帳データを電話帳用メモリ146の電話帳に登録する(ステップS246)。
【0081】
もし、第三者が第三者通信端末108を使用して父親通信端末101に送信元を偽って電子メールを送信したとする。この場合には、その第三者は電話帳用メモリ146に登録されている者の写真を所持していないのが通常である。そこで、別の者の写真を添付して電子メールを送信してくれば、父親はこれを簡単に見破ることができ、拒否ボタン454を押すことになる(ステップS403:N、ステップS404:Y)。この場合、CPU141はエラー表示を行って(ステップS405)、次の電子メールの受信を待機する状態に戻る(リターン)。
【0082】
以上説明した第2の変形例で、CPU141は電話帳送付端末の所持者の画像を表示するので、これによりその者の認証を確実に行うことができる。したがって、図10のステップS205で説明したような電話帳送付端末に対する確認メールの送信を省略してもセキュリティを十分保つことができる。
【0083】
<発明の第3の変形例>
【0084】
図18は、本発明の第3の変形例で通信端末が電子メールを受信した際の処理の様子を表わしたものである。発明の実施の形態の図7および図9と共に説明する。
【0085】
この第3の変形例で父親通信端末101の通信制御部145は電子メールが受信されるのを待機している(ステップS501)。電子メールが受信されると(Y)、その電子メールの送信元の通信端末と共通した規格で定められた所定の画像形式および画素数の静止画である特定静止画が添付されているかどうかを判別する(ステップS502)。このような特定静止画が添付されていない場合には(N)、通常のメール処理が実行されて(ステップS503)、次の電子メールの受信を待機する状態に戻る(リターン)。
【0086】
受信した電子メールに特定静止画が添付されている場合には(ステップS502:Y)、その電子メールのタイトルおよび添付されていた静止画を父親通信端末101の表示部150の待受画面に表示する。また、この待受画面にその電子メールのメール本文の表示を行うか、その電子メール自体の削除を行うかを選択するボタンの表示も併せて行う(ステップS504)。
【0087】
図19は、待受画面の表示の一例を示したものである。図9に示す表示部150の表示画面としての待受画面551には、電子メールを送信した送信者の添付した特定静止画552と電子メールのタイトル553が表示される。電子メールのタイトル553の下の表示領域には、特定静止画552で表示された送信元から送られてきた電子メールのメール本文を表示するための表示ボタン554およびその電子メールを削除するための削除ボタン555が表示される。この図19も用いて図18に戻って説明を続ける。
【0088】
父親通信端末101は、この状態で表示ボタン554と削除ボタン555のいずれが選択されるかを監視している(ステップS505、ステップS506)。父親は、特定静止画552が家族等の知人であることを確認したら、表示ボタン554を押すことになる(ステップS505:Y)。この場合には、その電子メールのメール本文が待受画面551に表示されて(ステップS507)、処理が再びステップS501に戻る(リターン)。
【0089】
もし、第三者が第三者通信端末108を使用して父親通信端末101に送信元を偽って電子メールを送信したとする。この場合には、その第三者は特定静止画552を電子メールに添付していないか、添付していても画像内容が家族等の知人とは異なるのが通常である。そこで、父親は自分に関係ない者からの電子メールであることを視覚によって直感的に判別することができる。また、電子メールのタイトル553からもメール本文が自分に必要とするものかをある程度判別可能である。そこで、不必要な電子メールを受信した場合、父親はこれを簡単に判別することができ、削除ボタン555を押して(ステップS505:N、ステップS506:Y)、対応する電子メールを削除することができる(ステップS508)。電子メールの削除が行われると、処理が再びステップS501に戻る(リターン)。
【0090】
なお、特定静止画552を送信する通信端末は、予め取り決めにより電子メールの送信ボタンを押したとき、内蔵のカメラ(図示せず)が特定静止画552を撮影して、これを電子メールに添付して送信するようにすることができる。このような設定になっていれば、送信者の本人認証用の画像がメール本文と連携してその都度送信されることになる。したがって、受信者は成り済ましによる電子メールの受信を簡単に判別して、このような電子メールを削除することができる。
【0091】
また、上記の場合には通信端末の所持者が犯罪に遭遇したときにも、電子メールの送信の処理を行えば、メール本文が空の状態でも、宛先にそのときの状況を示す特定静止画552を送信することができる。これにより、異常事態の発生を家族等の通信端末に画像データにより知らせることができる効果もある。
【0092】
なお、この第3の変形例では、電子メールの受信者がメール本文の表示と電子メールの削除を選択するようにしたが、これに限るものではない。たとえば送信元から電子メールで送られてきたデータを通信端末に取り込んだり、送られてきたプログラムを通信端末で実行する可否について、特定静止画552を基にして受信者に判断させるようにしてもよいことは当然である。
【符号の説明】
【0093】
10、20 通信端末
11、21 電子メール受信手段
12 特定条件具備判別手段
13 電話帳データ存在確認手段
14 電話帳登録手段
22 特定静止画添付判別手段
23 特定静止画受信画面表示手段
24 選択手段
30 電話帳登録方法
31、41 電子メール受信ステップ
32 特定条件具備判別ステップ
33 電話帳データ存在確認ステップ
34 電話帳登録ステップ
40 通信端末取り扱い方法
42 特定静止画添付判別ステップ
43 特定静止画受信画面表示ステップ
44 取り扱い選択ステップ
50 電話帳登録プログラム
51、61 電子メール受信処理
52 特定条件具備判別処理
53 電話帳データ存在確認処理
54 電話帳登録処理
60 通信端末取り扱いプログラム
62 特定静止画添付判別処理
63 特定静止画受信画面表示処理
64 取り扱い選択処理
100 電話帳登録システム
101 父親通信端末
103 通信ネットワーク
104 息子通信端末
105 孫通信端末
106 娘通信端末
108 第三者通信端末
109 電話帳管理サーバ
121、141 CPU
123 制御プログラム格納メモリ
126 電話帳送付プログラム格納メモリ
127 パスワード・メール送受信者登録テーブル
143 ROM
146 電話帳用メモリ
147 メール用メモリ
148 電話帳自動登録メールアドレス用メモリ
150 表示部
151 操作部
452 静止画
453 許可ボタン
454 拒否ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを受信する電子メール受信手段と、
この電子メール受信手段の受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別手段と、
前記電子メール受信手段の受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認手段と、
前記特定条件具備判別手段によって前記特定条件を具備すると判別され、かつ、前記電話帳データ存在確認手段によって電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記電話帳の登録を行う電話帳登録手段
とを具備することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記特定条件を表わした情報を登録する特定条件登録手段を備え、
前記特定条件具備判別手段は、前記電子メール受信手段の受信した電子メールが前記特定条件登録手段に登録された前記特定条件を表わした情報のいずれかと一致するとき前記特定条件を具備すると判別することを特徴とする請求項1記載の通信端末。
【請求項3】
前記特定条件登録手段に登録された前記特定条件は、電子メールの送信元のメールアドレスであることを特徴とする請求項2記載の通信端末。
【請求項4】
前記特定条件登録手段に登録された前記特定条件は、電子メールの送信元のメールアドレスと、前記送信元ごとに予め取り決めた識別情報であり、前記特定条件具備判別手段は、前記電子メール受信手段の受信した電子メールの送信元が前記特定条件登録手段に登録されたメールアドレスと一致し、かつ前記受信した電子メールに記載された識別情報が前記受信した電子メールの送信元について予め取り決めた識別情報と一致するとき前記特定条件を具備すると判別することを特徴とする請求項2記載の通信端末。
【請求項5】
前記電子メール受信手段が受信した電子メールに静止画が添付されているときこの内容を表示する静止画表示手段と、
この静止画表示手段により表示された静止画が前記電子メール受信手段が受信した電子メールの送信元のユーザと一致するかを入力させる静止画・ユーザ一致有無入力手段と、
この静止画・ユーザ一致有無入力手段から前記電子メールの送信元のユーザと一致するとする入力があったとき、前記特定条件具備判別手段は、前記特定条件を具備すると判別することを特徴とする請求項1記載の通信端末。
【請求項6】
電子メールを受信する電子メール受信手段と、
この電子メール受信手段が受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記特定静止画を添付しているかを判別する特定静止画添付判別手段と、
この特定静止画添付判別手段が前記通信端末の前記特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する特定静止画受信画面表示手段と、
この特定静止画受信画面表示手段により表示された前記特定静止画の内容に応じて前記電子メールの取り扱いを選択する取り扱い選択手段
とを具備することを特徴とする通信端末。
【請求項7】
前記取り扱い選択手段は、前記電子メールの内容を表示するか前記電子メール自体を削除することを選択する手段であることを特徴とする請求項6記載の通信端末。
【請求項8】
前記特定静止画は、電子メールの送信元の通信端末に備えられた撮像手段が送信時に撮影した画像であることを特徴とする請求項6記載の通信端末。
【請求項9】
電子メールを受信する電子メール受信ステップと、
この電子メール受信ステップで受信された電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別ステップと、
前記電子メール受信ステップで受信された電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認ステップと、
前記特定条件具備判別ステップによって前記特定条件を具備すると判別され、かつ、前記電話帳データ存在確認ステップによって電話帳データが存在すると判別されたとき、この電話帳データを用いて前記電話帳の登録を行う電話帳登録ステップ
とを具備することを特徴とする電話帳登録方法。
【請求項10】
電子メールを受信する電子メール受信ステップと、
この電子メール受信ステップで受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記特定静止画を添付しているかを判別する特定静止画添付判別ステップと、
この特定静止画添付判別ステップで前記通信端末の前記特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する特定静止画受信画面表示ステップと、
この特定静止画受信画面表示ステップにより表示された前記特定静止画の内容に応じて前記電子メールの取り扱いを選択する取り扱い選択ステップ
とを具備することを特徴とする通信端末取り扱い方法。
【請求項11】
コンピュータに、
電子メールを受信する電子メール受信処理と、
この電子メール受信処理で受信した電子メールが予め定めた特定条件を具備するかを判別する特定条件具備判別処理と、
前記電子メール受信処理で受信した電子メールに自端末用の電話帳を登録するためのデータとしての電話帳データが存在するかを判別する電話帳データ存在確認処理と、
前記特定条件具備判別処理によって前記特定条件を具備すると判別し、かつ、前記電話帳データ存在確認処理によって電話帳データが存在すると判別したとき、この電話帳データを用いて前記電話帳の登録を行う電話帳登録処理
とを実行させることを特徴とする電話帳登録プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
電子メールを受信する電子メール受信処理と、
この電子メール受信処理で受信した電子メールが、電子メールの送信時に送信元を特定する画像を特定静止画として添付する取り決めとなっている通信端末の前記特定静止画を添付しているかを判別する特定静止画添付判別処理と、
この特定静止画添付判別処理で前記通信端末の前記特定静止画が添付されていると判別したとき、この特定静止画の画像を受信画面に表示する特定静止画受信画面表示処理と、
この特定静止画受信画面表示処理により表示された前記特定静止画の内容に応じて前記電子メールの取り扱いを選択する取り扱い選択処理
とを実行させることを特徴とする通信端末取り扱いプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−187051(P2010−187051A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28059(P2009−28059)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】