説明

通信衛星用のデータストリームを半透過的に多重化する装置

装置(D)は、通信ネットワークの通信衛星内におけるデータストリーム処理専用である。搬送波が第1の変調を示し、且つ選択された位置において選択された挿入ブロックを含む第1の着信データストリームを受信した場合に、この装置(D)は、i)挿入ブロックと、第1の着信ストリームの搬送波の周波数、位相、タイミングおよび振幅の中のうちから選択された少なくとも1個の特徴を検知し、ii)第1の変調に応じて、且つ各々の検知された特徴に関して、第1の着信ストリームと共通の宛先へ送信すべきデータパケットを変調して、iii)復調されていない第1の着信ストリーム内で検知された挿入ブロックの少なくとも一部を変調済みパケットで置換して、結果的に生じたストリームが衛星により第1の元の変調で、共通の宛先へ送信されて、この宛先においてあたかも単一の変調器により構成されていたように復調させる役割を担う処理手段(MT)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1個の衛星ゲートウェイと通信端末との間で搬送波によるリンクを保証する少なくとも1個の通信衛星、より正確には、そのような衛星のレベルにおける通信端末向けのトラフィック挿入を含む通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
「通信端末」という表現は、衛星ネットワークに接続して、通信装置の別の機器と信号形式でデータを交換可能な、無線または有線、固定または移動(または携帯)通信装置の任意の機器を意味するものと理解されたい。これは従って、例えば、衛星通信地上局、衛星ゲートウェイ、固定または移動電話、あるいは個別または総体的な受信端末、あるいは衛星通信モジュールを備えている固定または携帯型のコンピュータ、あるいは携帯情報端末(PDA)であってよい。
【0003】
当業者には公知のように、特定の衛星通信標準、例えばDVB−RCS(「デジタルビデオ放送−衛星による帰還チャネル」の略)が、いわゆるスター型トラフィック、すなわち通信端末から衛星ゲートウェイへの、およびその逆方向のトラフィック用に設計されている。より正確には、衛星ゲートウェイと通信端末との間の通信は通信衛星を通過するいわゆる「外向き」経路をたどり、一方、通信端末と衛星ゲートウェイとの間の通信は通信衛星を通過するいわゆる「帰還」経路をたどる。
【0004】
特にDVB標準の場合、外向き経路をたどるストリームは、DVB−S2標準(TDM方式の)に従い変調され、一方、帰還経路をたどるストリームは(MF−TDMA方式の)DVB−RCS標準に従い変調される。換言すれば、通信端末はDVB−RCSで送信し、DVB−S2で受信する一方、衛星ゲートウェイはDVB−S2で送信し、DVB−RCSで受信する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スター型トラフィックにおいて、同一の衛星に結合された2個の通信端末間のトラフィック(「ピアツーピア」トラフィック)は衛星ゲートウェイを通過する必要があるため、送信遅延が2倍になり、衛星リンクにおいて貴重なリソースを2倍多く稼動させる。
【0006】
送信遅延が2倍になるのを回避すべく、第1の解決策は、例えば通信端末の間で透過的リレーとしてのみ機能する専用リピータ衛星を使用するものである。トラフィックは「メッシュ」と呼ばれる。トラフィックストリームがリピータ衛星で処理されない(いわゆる透過的モード)ため、通信端末のDVB標準との互換性はもはや保証されない。具体的には、通信端末はDVB−RCSで送受信を行なうため、多搬送波復調器を備え、且つTDMA同期に適していなければならない。しかし、MF−TDMA復調器は比較的高価である。更に、当該解決策は、いわゆる衛星通信圏の相互結合との互換性を有していない。
【0007】
第2の解決策は、帰還経路から送信されたメッシュトラフィックを通信衛星で復調して、前記メッシュトラフィック専用の外向き経路に挿入するものである。この場合、通信端末は、メッシュおよびスター型のトラフィックを同時に利用したい場合、2個の外向き経路復調器を備えていなければならない。
【0008】
第3の解決策は、通信衛星において、一方では帰還経路から送信されて外向き経路へ向かうトラフィック(メッシュ)を、他方では外向き経路から送信されて帰還経路へ向かうトラフィック(スター)を復調して、メッシュトラフィックを外向き経路に挿入するものである。通信端末は従ってDVB標準に準拠しており、通信衛星によりTDMA同期化が保証される。通信衛星のこの動作モードは、第1の解決策の透過的モードに対して、再生的と言われる。この解決策の短所は、外向き経路に挿入すべきメッシュトラフィックが存在しない場合も含めて、メッシュトラフィックの割合が通常30%未満のように一般に低く、更に可変な場合であっても、(外向き経路をたどる)スター型トラフィックの全体が、通信衛星における復調の、次いで処理の、そして最終的には再変調の対象となる必要がある点である。例えば、インターネット接続に関するアプリケーションの場合、対話方式のアプリケーションおよび異なる「点」間リンク(または通信圏)は実際にはメッシュ通信(または「単一ホップ」)を必要とする。オンボードの再生的処理プロセッサは従って、実際の要件に対して寸法が余りに過大であり、これは電力消費に関して不利となり、従って衛星の能力を制約するため、これを設置する費用対効果が低下する。
【0009】
どの公知の解決策も完全に満足できるものではなく、従って本発明の目的はこの状況を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の目的のために、搬送波が第1の変調を示し、且つ(選択された時点に対応する)選択された位置において選択された挿入ブロックを含む第1の着信データストリームを受信した場合に、以下の役割を担う処理手段を含んでいる通信ネットワークの通信衛星用のデータストリーム処理装置を提案する。
挿入ブロックと、第1の着信ストリームの搬送波の周波数、位相、タイミングおよび振幅のうちから選択された少なくとも1個の特徴を検知する。
第1の変調に応じて、且つ各々の検知された特徴に関して、第1の着信ストリームのデータパケットと共通の宛先へ送信すべきデータパケットを変調する。
変調済みパケットにより、復調されていない第1の着信ストリーム内で検知された挿入ブロックの少なくとも一部を置換して、着信ストリームが衛星により第1の変調で、共通の宛先へ送信されるようにする。
【0011】
ここで、「着信ストリーム」という表現は、通信衛星に入来するアップリンクストリームであって、通信ゲートウェイまたは通信端末のいずれかから、あるいは他の通信衛星から送信されたストリームを意味するものと理解されたい。
【0012】
挿入の対象である第1の着信ストリームが復調されておらず、且つ挿入データパケットが第1ストリームの搬送波の各々(好適には全て)の検知された特徴に従い変調されている状態で、前記第1の着信ストリームにパケットを挿入して送信されたダウンリンク・ストリームは均一であって、あたかも単一の変調器で構成されているように受信側端末または局により復調することができる。
【0013】
本発明によるストリーム処理装置は、別々のまたは組み合わせ可能な他の特徴、特に以下のものを含んでいてよい。
−当該処理手段が好適には、搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を検知すべく構成されている。
−当該処理手段が、i)受信した第1の着信ストリームの搬送波の各々の特徴を検知する役割を担う解析手段と、ii)第1の変調に応じて、且つ解析手段により検知された各々の特徴に関して、送信予定パケットを変調する役割を担う変調手段と、iii)検知された挿入ブロックの少なくとも一部を、変調手段により変調されたパケットで置換することにより、それらが挿入された第1の着信ストリームを送信可能にする役割を担う挿入手段とを含んでいてよい。
−当該処理手段が、選択されたシンボルにより定められたプリアンブルを含む挿入ブロックを含む第1の着信ストリームが存在する場合に、当該プリアンブルを画定するシンボルの少なくとも一部を検知する役割を担う検知手段を含んでいてよく、
その場合、当該検知手段はプリアンブル検知の時間間隔を測定し、各々の測定された間隔を閾値間隔と比較することにより、挿入ブロックを、測定された間隔が当該閾値間隔またはその整数倍にほぼ等しい場合にのみ変調済み送信予定パケットで置換することを承認する役割を担うことができる。
−第1のデジタル・バージョンにおいて、当該ストリーム処理装置は、i)解析手段および/または検知手段の上流に配置されていて、アナログ形式で送信された第1の着信ストリームをデジタル信号に変換する役割を担う第1の変換手段と、ii)挿入手段の下流に配置されていて、デジタル形式で送信された第1の着信ストリームをアナログ信号に変換する第2の変換手段と、iii)変調手段および挿入手段に結合されていて、送信が保留されている変調済みの送信予定パケットを格納する役割を担う格納手段とを含んでいてよく、
当該処理手段並びに第1および第2の変換手段用に選択された動作テンポを画定する役割を担うタイミング手段を含んでいてよく、
当該検知手段は、第1の着信ストリームを複製することにより、それらが含んでいる挿入ブロックの位置を検知する役割を担うことができ、解析手段は、これらの第1の着信ストリームを複製することにより、各々の特徴(周波数、位相、タイミングおよび振幅の中から選択された)を検知する役割を担うことができる。
−アナログ・バージョンにおいて、当該解析手段は、第1の着信ストリームの一部をタップオフすることにより、各々の特徴(周波数、位相、タイミングおよび振幅の中から選択された)を検知して、各々の検知された特徴を表わす信号を出力上で配信する役割を担うことができる。これはまた、(送信保留)パケットの受信に適した入力、制御入力および閉状態に置かれた場合にパケット(送信保留)を変調手段に供給するのに適した出力を含む第1のスイッチング手段を含んでいる。また、その処理手段は、各々の検知された特徴を表わす信号を受信する解析手段の出力に結合された入力、制御入力および閉状態に置かれた場合に各々の検知された特徴を表わす信号を変調手段に供給するのに適した出力を含む第2のスイッチング手段を含んでいる。この場合、挿入手段は例えば、変調済み送信予定パケットまたは送信すべき第1の着信ストリームを配信すべく、変調手段の出力に結合された第1の入力と、第1の着信ストリームが供給される第2の入力と、第3の制御入力と、第1または第2の状態に置かれた場合に第1または第2の入力に結合されるのに適した出力とを含むスイッチの形式で構成されている。また、検知手段は例えば、第1の着信ストリームの一部をタップオフすることにより、これらが含む挿入ブロックの位置を検知して、一方では挿入ブロックを検知した場合にこれらを閉状態に置くように第1および第2のスイッチング手段に制御信号を、他方では挿入ブロックを検知したか検知しなかった場合にこれらを第1または第2の状態に置くように挿入手段に制御信号を配信する。
−当該処理手段は、検知手段および/または解析手段の下流、および挿入手段の上流に配置されていて、挿入ブロックの位置の検知を可能にすべく第1の着信ストリームを遅延させる役割を担う遅延手段を含んでいてよい。
−第2のデジタル・バージョンにおいて、当該ストリーム処理装置は、
・少なくとも2個の異なるチャネルから送信された第1の着信ストリームを受信することが各々可能であって、i)アナログ形式で送信された第1の着信ストリームをデジタル信号に変換する役割を担う第1の変換手段、ii)第1の変換手段により配信された第1の着信ストリームの搬送波の各々の特徴を検知し、検知された各々の特徴を表わす第1の信号を配信する役割を担う解析手段、およびiii)選択されたシンボルにより定められたブリアンブルを含む挿入ブロックを含む第1の着信ストリームが存在する場合に、シグナリング情報により定められた時間ウインドウ内でプリアンブルを画定するシンボルの少なくとも一部を検知すると共に、挿入ブロックの少なくとも一部の時間的位置を表わす第2の信号を配信する役割を担う検知手段を各々が含む少なくとも2個の処理経路と、
・i)処理経路のうち1個の第1の着信ストリームを第3のシグナリング信号に応じて選択し、ii)前記第3のシグナリング信号に基づいて検知時間ウインドウを表わすシグナリング情報を定めてこのシグナリング情報を関連する検知手段へ伝達し、およびiii)前記第1の着信ストリームを、置換される挿入ブロックの時間位置を表わす第2の信号と共に配信する役割を担う制御手段と、
・第1の変調に応じて、且つ当該処理経路により配信された第1の信号に関して、送信予定パケットを変調し、第2の信号に応じて、検知されて第1の着信ストリームに含まれている挿入ブロックの少なくとも一部を変調済みパケットで置換して、パケットが挿入された第1の着信ストリームを配信する役割を担う変調手段と、
・デジタル形式でパケットが挿入されていて、当該変調手段により配信された第1の着信ストリームをアナログ信号に変換する役割を担う第2の変換手段とを含んでいてよい。
−当該挿入ブロックは、ストリームに含まれるデータパケットに少なくとも等しい寸法(または持続時間)を有していてよく、
当該処理手段は、第1および第2の連続した挿入ブロックのグループを含む第1の着信ストリームが存在する場合に、第2の挿入ブロックの少なくとも一部を変調済み送信予定パケットで置換する役割を担うことができる。
−当該挿入ブロックの寸法は、第1の着信ストリームの1個毎に異なっていてよい。
−当該処理手段は、少なくとも一回周波数が変化している第1の着信ストリームを処理する役割を担うことができる。
−当該処理手段は、例えば衛星通信ゲートウェイ、通信端末、または通信衛星等のネットワークの通信装置の1要素により送信された第1の着信ストリームを処理する役割を担うことができる。
−当該処理手段は好適には、一切の遅延を生じることなく、第3のシグナリング信号に応じて、送信予定パケットを第1の着信ストリームへ挿入する。
【0014】
本発明はまた、チャネルに関連付けられた、アナログ形式の第1の着信ストリームを受信可能な少なくとも1個の受信経路、および上述の種類であって少なくとも1個の受信経路に結合された少なくとも1個のストリーム処理装置を含む、通信衛星用のデータストリーム受信器を提案する。
【0015】
そのような受信器は例えば、単一のストリーム処理装置に結合された少なくとも2個の受信経路を含んでいてよい。この場合、受信経路は各々、例えば、入力、第1出力、および当該装置に結合された第2出力を含む、少なくとも結合手段を介してストリーム処理装置に結合されていて、当該ストリーム処理装置により配信された第1の着信ストリームが供給され得る入力を含む選択手段が提供され、入力は結合手段の第1の各出力に結合されていて、出力の個数は受信経路の個数と等しく、入力の1個に入来する第1の着信ストリームをシグナリング信号に応じて出力の1個へ配信する役割を担う。
【0016】
また、受信器は、第1の着信ストリームへの挿入に適した復調データパケットを配信すべく、第2の変調着信ストリームを復調する役割を担う復調手段も含んでいてよい。
【0017】
更に、受信器は、異なる衛星通信ゲートウェイから送信された第1の着信ストリームを受信するのに適した少なくとも2個の入力を含むスイッチング手段、およびストリーム処理装置に結合された受信経路に第1の着信ストリームを選択的に供給するのに適した少なくとも1個の出力を含んでいてよい。従って、全く同一の装置を用いて、送信予定パケットを搬送波が異なる第1の着信ストリームへ挿入することができる。
【0018】
本発明はまた、通信ネットワーク向けに、上述の種類の少なくとも1個のストリーム処理装置を備えた通信衛星を提案する。
【0019】
本発明はまた、通信ネットワーク向けに、上述の種類の少なくとも1個の受信器を備えた通信衛星を提案する。
【0020】
本発明はまた、通信ネットワーク向けに、上述の種類の少なくとも1個の通信衛星を含んでいて、搬送波が第1の変調を示し、且つ選択された位置に挿入ブロックを含む当該衛星専用の第1の着信ストリームを生成する役割を担う衛星通信ゲートウェイを提案する。
【0021】
本発明は特に、但し非排他的な仕方で、DVB標準(DVB−RCSおよびDVB−S2)またはその他の任意のパケット方式の送信フォーマットに従い動作する衛星通信ネットワークに良く適合している。本発明は、特に高解像度のデジタル・テレビ番組の衛星放送、およびマルチメディア・コンテンツの送信に応用できる。
【0022】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細説明および添付の図面を精査することにより明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
添付の図面は、本発明の説明を完全にするのに役立つだけでなく、適宜その定義にも寄与する。
【0024】
本発明の目的は、通信端末へ向けられたトラフィック(またはストリーム)を、(遠隔)通信衛星のレベルで、衛星ゲートウェイから送信されたいわゆるダウンリンク・ストリームへの挿入を可能にすることである。
【0025】
図1に模式的に示すように、衛星通信ネットワークは、ネットワークの通信装置、例えば1個以上の衛星通信ゲートウェイPA(以下「ゲートウェイ」と呼ぶ)、衛星通信端末Ti(以下「端末」と呼ぶ)、および1個以上の他の通信衛星の間でデータ・トラフィックまたはストリームの交換を可能にする少なくとも1個の通信衛星SAを含んでいる。衛星ゲートウェイPAから端末Tiへのストリームの送信はいわゆる「外向き」経路FA1、FA2上で行なわれ、一方、端末Tiから衛星ゲートウェイPAへのストリームの送信はいわゆる「帰還」経路FR1、FR2上で行なわれる。また、衛星SAに入り、例えばゲートウェイPAまたは端末Tiから送信されたストリームは一般に「アップリンクストリーム」と呼ばれ、衛星SAを出て例えばゲートウェイPAまたは端末Tiへ向けられたストリームは一般に「ダウンリンク・ストリーム」と呼ばれる。
【0026】
図1の例において、3個の端末T1〜T3(i=1〜3)を示す。しかし、端末Tiの個数はこの値に限られない。実際には任意の非ゼロ値をとり得る。同様に、ネットワークでは単一のゲートウェイPAが描かれているが、複数個が含まれていてよい。更に、ネットワークでは単一の衛星SAが描かれているが複数個が含まれていてよい。
【0027】
ここで、「端末」という表現は、衛星ネットワークに接続して、通信装置の別の機器と信号形式でデータを交換可能な、より正確には搬送波が第1の変調を示すダウンリンク・ラジオ流を受信し、且つ搬送波が第2の変調を示すアップリンク・ラジオ流を送信可能な無線または有線、固定または移動(または携帯)通信装置の任意の機器を意味するものと理解されたい。これは従って、例えば、衛星通信地上局、衛星ゲートウェイ、固定または移動電話、個々の受信端末またはその集合体、あるいは衛星通信モジュールを備えた固定または携帯型コンピュータまたは携帯情報端末(PDA)であってよい。
【0028】
以下において非限定的な例により、インターネット接続およびマルチメディア・コンテンツの送信に適したDVB標準(「デジタルビデオ放送」の略)に従い、ストリームがゲートウェイPAと端末Tiの間で交換されるものと考えられる。より正確には、外向き経路FA1、FA2を辿るストリームは(TDM方式の)DVB−S2標準に従い変調され、一方、帰還経路FR1、FR2を辿るストリームは(MF−TDMA方式の)DVB−RCS標準に従い変調される。当然ながら、本発明は本出願に限定されない。これはまた、特に高解像度のデジタル・テレビ番組の衛星放送、およびマルチメディア・コンテンツの送信に応用できる。
【0029】
上述のように、本発明は、搬送波が(第1の)変調を示し、且つ例えば外向き経路(すなわちゲートウェイPA)から送信されて衛星SAに入来する第1のデータストリームへ、衛星SAにおいて送信が保留されていて、搬送波が第2の変調を示し、且つ例えば帰還経路FR1(すなわち端末Ti)から送信された例えば第2の着信ストリームから抽出されたデータパケットを挿入可能にすることを意図している。
【0030】
本発明が任意の送信源の第2のストリームから衛星SAにおいて抽出されて、送信を保留しているデータパケットに応用できる点に注意されたい。
【0031】
従って、本発明は、衛星SAに設置されていて、少なくとも第1の着信ストリームを受信し、これらを端末Tiに再送信する前に増幅する役割を担うストリーム処理カードCT(または受信器)内にデータストリーム処理装置Dを設置することを提案する。より正確には、装置Dは、衛星SAのレベルで、例えば外向き経路の第1の部分FA1に入来する(およびゲートウェイPAから送信された)第1の着信ストリームを、例えば当該外向き経路の第2の部分FA2上の受信側端末Tiへ再送信する前に、処理する役割を担う。
【0032】
ここで、「処理」という用語は、受信時に搬送波が第2の変調を示す第2の着信ストリームから抽出されたデータパケットを挿入して、例えば外向き経路のアップリンクトラフィックへの送信を保留することを意味するものと理解されたい。送信が保留されたデータパケットは例えば、帰還経路の第1の部分FR1に続く特定の第2のアップリンクストリームから抽出されたパケットであり、従って、例えば処理カードMTに設置されたDVB−RCS方式の復調器DMにより復調の対象となっている。衛星内でパケットを抽出する当該モードは特に、動作中の特定の衛星群、例えばAmazonasおよびEutelsatW6で使用されている。
【0033】
図2に示すように、発信ストリームに挿入すべきデータパケットを一切含まない着信ストリームが復調器DMにより復調されない点に注意されたい。これらは増幅され、宛先(例えば、ゲートウェイPAへの帰還経路の第2の部分FR2の)に再送信する前に衛星SAで遅延される場合がある。従って衛星SAは、これらのストリームに対して透過的なリレーとしてのみ機能する。
【0034】
本発明によるストリーム処理装置Dは、復調器DMに結合されていて、抽出されて送信が保留されているデータパケットのうち、特に復調器DMにより復調されたものを、ゲートウェイPAのレベルで特定の仕方で構成された第1の着信ストリームに挿入する役割を担う処理モジュールMTを含んでいる。ここで、「抽出された(送信が保留されている)パケット」という表現は、衛星SAでの受信時に搬送波が第2の変調を示す第2の着信ストリームから抽出されたデータパケットを意味するものと理解されたい。抽出されたパケットは従って、その最初の変調がDVB−RCS方式である場合に、ATMセルまたはMPEGパケット・レベルで復調、切替え、または複製(「マルチキャスト」方式の放送の場合)される。
【0035】
より正確には、ゲートウェイPAは、搬送波が第1の変調(この場合DVB−S2方式)を示し、且つ選択された位置に選択された挿入ブロックBIを含んでいて、当該挿入ブロックの少なくとも一部が、衛星SA内で送信が保留されているデータパケットで置換される予定である、第1のストリームを生成(および送信)する。そのようなストリームの模式的な例を図3に示す。
【0036】
この例では、第1のストリームは、プリアンブル(ハッチング表示)P1またはプリアンブル(黒色)P2を含むデータパケットT1、およびプリアンブル(灰色)P3を含むパディング・パケット等の挿入ブロックBIを含んでいる。これらのプリアンブルP1、P2、およびP3は、既知ではあるが異なる種類のシンボルで構成されている。ここで、ハッチング表示されたプリアンブルP1は、後に挿入ブロックBIが続かないパケットに属し、黒色プリアンブルP2は、後に挿入ブロックBIが続くパケットに属している。
【0037】
一方では、ゲートウェイPAが、衛星SAレベルで挿入されるトラフィックに関して、これらの第1のストリーム内でパケットT1および挿入ブロックBIの各々の比率と共に挿入ブロックBIのサイズを画定し、他方では、当該比率およびサイズが、衛星SAレベルで挿入されるトラフィックの変化に応じて、第1のストリーム毎に変化し得る点に注意されたい。例えば、5〜10個のパケットT1毎に挿入ブロックBIを配置することも考え得る。特定の実施形態において、複数の装置Dを並列に用いて、パケットと挿入ブロックとの間で合理的な比率を維持しながら、衛星レベルでより多くのトラフィックを挿入することも可能である。
【0038】
装置Dの処理モジュールMTは最初に、一方では外向き経路FA1上(この場所)で受信された第1の着信ストリームに含まれる挿入ブロックBIを、他方では受信されたこれら同一の第1の着信ストリームの搬送波の周波数、位相、タイミング(またはシンボル・タイミング)および振幅(または出力)のうちから選択された少なくとも1個の特徴を検知する役割を担う。
【0039】
検知が上述の搬送波特徴のうち少なくとも1個に関係しているが、好適には4個全てに関係している点に注意されたい。以下に、非限定的な例を通じて、搬送波の4個の特徴(周波数、位相、タイミング、および振幅)が検知されるものと想定する。
【0040】
処理モジュールMTはまた、第1の変調または波形(ここではDVB−S2方式の可能な変調および符号化状態の一つ)に応じて、且つ検知された特徴(周波数、位相、タイミングおよび振幅の)に関して、抽出されて衛星SA内で送信が保留されていて、例えば少なくとも1個の端末Ti向けのパケットを変調する役割も担う。
【0041】
処理モジュールMTは最後に、第1の着信ストリーム内で検知した挿入ブロックBIの少なくとも一部を、抽出された変調済みパケットで置換して、着信ストリームが第1の変調で衛星SAにより共通の宛先(例えば端末Ti)へ送信されるようにする役割を担う。送信が保留されたパケットはこのように第1の着信ストリーム内で多重化される。
【0042】
第1の着信ストリームが受ける処理は、第1の着信ストリームが、データパケットによる挿入ブロック(例えば、パディング用パケット)BIの置換だけの対象となり、(いわゆる再生的処理の場合のような)再変調の後に続く復調の対象とはならないため、透過的な方式である。ここで、第1の着信ストリームの置換された部分が当該第1の着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミング(シンボル・タイミング)および振幅を再現する前提で、搬送波の残りのシンボルと整合するシンボルによる置換だけが行なわれる点に注意されたい。
【0043】
本発明の装置Dは各種の方法で実施することができる。
【0044】
図4を参照するに、本発明による装置Dの第1の例示的な実施形態を示す。これはデジタル方式の実施形態である。
【0045】
本実施形態において、装置Dは、処理モジュールMT(上述の機能を保証する)、第1の変換器C1、テンポ生成モジュールGC、および第2の変換器C2、並びに(「適応型符号化変調」用に)場合によってはACM方式の制御モジュールMCも含んでいてよい。
【0046】
第1の変換器C1は、処理すべき第1のアナログ着信ストリーム(ここでは処理カードCTレベルに到達する)をデジタルデータに変換する役割を担う。これら第1のアナログ着信ストリームは、1個以上の周波数変換の対象となっている場合がある。例えば、30GHzの周波数で受信された場合、約20GHz(RF)の周波数を示すように第1の周波数変換の、次いで帯域通過フィルタリングの、次いでいわゆる中間周波数(または、例えばL帯域に対応してIF)を示すように第2の周波数変換(RF→IF)の対象となる場合がある。この第2の周波数変換もまた、いわゆるベースバンド(またはBB)周波数を示すように第3の周波数変換(IF→BB)が後に続いていてよい。
【0047】
第2の変換器C2は、装置Dの出力により配信された第1のデジタル着信ストリームをアナログ・データに変換して、衛星SAにより(周波数変換および増幅の後で)受信側端末Tiへ送信させる役割を担う。
【0048】
テンポ生成モジュール(または「テンポ調整器」)GCは、処理モジュールMT、並びに第1変換器C1および第2変換器C2用に選択された動作テンポを画定する役割を担う。換言すれば、時間制約を有する装置Dの要素の同期化を可能するクロック信号を提供する役割を担う。
【0049】
可能な制御モジュールMC(ACM方式の)は、ストリームを表わすアナログ信号が外向き経路をたどる際に受ける減衰に対処する役割を担う。換言すれば、これらは装置Dの変調器MOの符号化速度を、特に送信状態に応じて適合させる役割を担う。当該モジュールは、標準のACMセクションに対するDVB−S2標準の遵守を保証する。これは、ネットワーク制御センターから送信されたシグナリング情報に応じて機能する。
【0050】
デジタル処理モジュールMTは、デジタル解析モジュールMA、デジタル検知モジュールMD、デジタル変調器MO、デジタル格納手段MY、第1のデジタルストリームLRの遅延手段、およびデジタル挿入モジュールSWを含んでいる。
【0051】
解析モジュールMAは、第1の変換器C1によりデジタル化された各々の第1の着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミング(シンボル・タイミング)および振幅を検知する役割を担う。従って、例えば第1の変換器C1により配信されたデジタルデータを複製することができる。解析モジュールMAは、検知した特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を表わす信号(またはデータ)を自身の出力上で配信する。
【0052】
デジタル検知モジュールMDは、第1変換器C1によりデジタル化された第1の着信ストリームに含まれている挿入ブロックBIの少なくとも一部を検知する役割を担う。検知モジュールMDは、当該検知を実行すべく、例えば第1変換器C1により配信されたデジタルデータを複製することができる。
【0053】
第1の着信ストリームが図3に示す方式である場合、検知モジュールMDは、挿入ブロックBIに先行するパケットのプリアンブルP2を構成する既知のシンボルの少なくとも一部、および挿入ブロックBIのプリアンブルP3を構成する既知のシンボルの少なくとも一部を検知する役割を担う。テンポ調整器GCが提供するテンポを以って、装置Dの基準時刻に関してプリアンブルP2およびP3の開始日時を記録して、そこからプリアンブルP2に続き、プリアンブルP3を含む挿入ブロックBIが開始する時点を推論することができる。DVB−S2の波形において、プリアンブルの値はまた、ブロック長の識別にも関与する。
【0054】
P2またはP3方式のプリアンブルと局所的に同一であるペイロードの検知による誤警報の発生を抑制すべく、検知モジュールMDはまた、パケットを隔てる時間的距離(または当該距離の倍数)を測定する機能も備えることができる。次いで、各々の測定された距離を閾値間隔と比較して、測定された間隔が閾値間隔またはその整数倍にほぼ等しい場合に、挿入モジュールSWが挿入ブロックBIをメモリMY内で送信を保留されている変調済みパケットで置換することを承認することができる。
【0055】
検知モジュールMDは自身の出力上で、第1のデジタル化着信ストリームに含まれる挿入ブロックBIの開始の推定された時点を表わす信号(またはデータ)を、置換の承認または禁止を表わす信号(またはデータ)と共に配信する。
【0056】
変調器MOは、挿入(または多重化)されたデータパケットを自身に提供する復調器DMの出力、および第1のデジタル化着信ストリームの各々の搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を自身に提供する解析モジュールMAの出力に結合されている。これは、送信が保留されているデータパケットを変調する役割を担う。当該変調は、第1の変調(ここではDVB−S2)に応じて、且つ検知モジュールMDにより検知された特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅に関して実行される。挿入の準備が完了した変調済みデータパケットを、自身の出力上で配信する。
【0057】
格納手段MYは、検知モジュールMDにより挿入ブロックBIが検知された場合に挿入できるように、変調器MOにより配信された変調済みデータパケットを格納する役割を担う。これらは例えば、FIFO(「先入れ先出し」)方式であり得るメモリの形式で実装される。
【0058】
第1ストリーム遅延手段LRは、第1のデジタル化着信ストリームが供給されるべく第1変換器C1の出力に結合された入力、および選択された持続期間だけ遅延された第1のデジタル化着信ストリームを供給すべく挿入モジュールSWに結合された出力を含んでいる。時間制約を有する装置Dの要素の一部を形成する。その結果、テンポ調整器GCにより配信されたテンポを受信する。これらの第1ストリーム遅延手段LRは、例えば遅延線の形式をなしている。これらは、検知モジュールMDが挿入ブロックBIを検知し、解析モジュールMAが搬送波の特徴を検知して、解析モジュールMAにより検知された特徴に関して変調器MOが送信予定パケットを変調できるだけの期間にわたり、挿入/置換の対象となる必要のある第1の着信ストリームを遅延させる役割を担う。
【0059】
挿入モジュールSWは、検知モジュールMDにより検知された挿入ブロックBIの少なくとも一部を、メモリMYに格納されていて挿入が保留されている変調済みパケットで置換する役割を担う。遅延線LRにより配信された第1のデジタル化着信ストリームに格納されている抽出済みパケットが、検知モジュールMDにより所定の時点に挿入することが承認される都度、送信すべき変調済みデータパケットまたはパケット群をメモリMYから抽出して、検知された挿入ブロックBIを構成しているデータを第1の着信ストリームから除去してこれらを抽出された変調済みデータパケットまたはパケット群で置換する。次いで、第2変換器C2により第1のアナログ着信ストリームに変換すべく、挿入の対象となした第1デジタル着信ストリームを自身の出力上で配信する。
【0060】
図5を参照するに、本発明による装置Dの第2の例示的な実施形態を示す。これはアナログの実施形態である。
【0061】
本実施形態において、装置Dは、アナログ処理モジュールMT(上述の機能を保証する)および、同様にACM方式の制御モジュールMCであり得る第1のスイッチング手段I1を含んでいる。
【0062】
第1スイッチング手段I1は例えば、送信が保留されたパケットが供給されるべく復調器DMに結合された入力、出力、および処理モジュールMTの検知モジュールMDにより与えられた命令に応じて当該入力の出力への結合を制御する制御入力を含む1×1型のブレーカ形式で実装されている。ブレーカI1が閉じている場合、送信予定パケットは復調器DMから処理モジュールMTの変調器MOへ通過することができる。一方、ブレーカI1が開いている場合、送信予定パケットは復調器DM内に残る。
【0063】
ここで、アナログの処理モジュールMTは、アナログ解析モジュールMA、アナログ検知モジュールMD、第2のスイッチング手段I2、アナログ変調器MO、第1アナログストリーム遅延手段LR、およびアナログ挿入モジュールSWを含んでいる。
【0064】
これらがアナログ方式であることを別にすれば、アナログ解析モジュールMA、アナログ検知モジュールMD、アナログ変調器MO、および第1アナログストリーム遅延手段LRは、上述のデジタル要素と同様の機能を保証する。
【0065】
しかし、第1の着信ストリームおよび挿入されるパケットを構成する信号のアナログ特性に起因して、装置Dの動作は先の装置の動作とは異なる。
【0066】
解析モジュールMAは、各々の第1アナログ着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミング(シンボル・タイミング)、および振幅を検知する役割を担う。従って、例えば処理される第1の着信ストリームを表わすアナログ信号の一部からタップオフすることができる。解析モジュールMAは自身の出力上で、検知した特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を表わす第1アナログ信号を配信する。
【0067】
第2のスイッチング手段I2は例えば、検知した特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を表わす第1アナログ信号と共に供給されるべく解析モジュールMAに結合された入力、変調器MOに結合された出力および、検知モジュールMDにより与えられた命令に応じて当該入力の出力への結合を制御する制御入力を含む1×1型のブレーカ形式で実装されている。ブレーカI2が閉じている場合、第1アナログ信号は解析モジュールMAから変調器MOへ通過することができる。一方、ブレーカI2が開いている場合、第1信号は解析モジュールMA内に残る。
【0068】
デジタル検知モジュールMDは、第1アナログ着信ストリームに含まれる挿入ブロックBIの少なくとも一部を検知する役割を担う。検知を実行すべく、検知モジュールMDは例えば、処理すべき第1の着信ストリームを表わすアナログ信号の一部をタップオフすることができる。
【0069】
第1の着信ストリームが図3に示す方式である場合、検知モジュールMDは、挿入ブロックBIに先行するパケットの一部を形成するプリアンブルP2、および挿入ブロックBIの一部を形成するプリアンブルP3を構成する既知のシンボルの少なくとも一部を検知する役割を担う。これらには実際に既知のアナログ印加がなされている。装置Dの基準時刻に関連付けられた時点でプリアンブルP2が検知された場合、検知モジュールMDはそこから、当該プリアンブルP2に続き、且つプリアンブルP3を含む挿入ブロックBIが開始する時点を推論する。
【0070】
再び、プリアンブル検知エラーを抑制する機構を検知モジュールMDにより実装することができる。
【0071】
検知モジュールMDは自身の出力上で、第1アナログ着信ストリームに含まれる挿入ブロックBIの推定された開始時点を表わす第2の信号、第1および第2のブレーカI1、I2への命令として機能する制御信号、並びに挿入ブロックBIの置換の承認または禁止を表わすことが可能な信号(またはデータ)を配信する。
【0072】
変調器MOは、第1ブレーカI1の出力に結合されているため、検知モジュールMDにより挿入ブロックBIの検知に対応する、閉じた状態にされない限り、挿入(または多重化)すべきデータパケットを供給することができず、また同様に第2ブレーカI2の出力に結合されているため、検知モジュールMDにより挿入ブロックBIの検知に対応する閉状態にされない限り、(各々の第1アナログ着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を表わす)第1の信号を供給することができない。
【0073】
変調器MOは、第1の変調(ここDVB−S2)に従い、検知された特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅に関して、自身に入来するデータパケットを変調する役割を担う。変調器MOは、自身の出力上で、挿入の準備ができた変調済みデータパケットを配信する。
【0074】
第1ストリーム遅延手段LRは、選択された期間だけ遅延された第1のアナログ着信ストリームを供給すべく第1アナログ着信ストリームが供給される入力、および挿入モジュールSWに結合された出力を含んでいる。これらの第1ストリーム遅延手段LRは例えば、遅延線の形式をなしている。これらは、検知モジュールMDが挿入ブロックBIを検知し、解析モジュールMAが搬送波の特徴を検知して、解析モジュールMAにより検知された特徴に関して変調器MOが送信予定パケットを変調できるだけの期間にわたり、挿入/置換の対象となる必要のある第1の着信ストリームを遅延させる役割を担う。
【0075】
挿入モジュールSWは、検知モジュールMDにより検知された挿入ブロックBIの少なくとも一部を、変調器MOにより配信された変調済みパケットで置換する役割を担う。
【0076】
検知モジュールMDが所定の時点で挿入を承認する都度、第1および第2のブレーカI1、I2は閉状態にされ、これにより変調器が所定の時点で挿入すべき1個以上のパケットを変調することができる。パケットまたはパケット群が変調されている場合、挿入モジュールSWはこれ(これら)を集めて、集めた変調済みパケットまたはパケット群で置換すべく第1アナログ着信ストリーム(遅延線LRにより配信された)から、検知された挿入ブロックBIを構成する信号部分を除去する。次いで、自身の出力上で、挿入の対象となしている第1のアナログ着信ストリームを配信する。
【0077】
図6、7を参照するに、本発明による装置Dの第3の例示的な実施形態を示す。ここで、これは別のデジタル方式の実施形態である。
【0078】
本実施形態は、図6に示す例のように、衛星SAが少なくとも2個の送受信チャネル、およびこれらのチャネルから送信されて可能な挿入の対象となる必要のある第1の着信ストリームを処理する役割を担う少なくとも1個の装置Dを備えた状況に適している。実際に、衛星SAが複数の送受信チャネルを備えている場合、チャネルの個数より少ない個数の装置Dを含んでいる。図6に示し、以下に記載する例において、衛星SAは2個のチャネルおよび単一の装置Dを含んでいる。
【0079】
図6に示す例において、処理カード(または受信器)CTは、例えば2個の異なるチャネルにおける外向き経路で、第1の送信された着信ストリームの受信専用である部分RRを含んでいる。
【0080】
当該部分RRは、各々が説明目的且つ非限定的な例として、以下のものを含む2個の受信経路を含んでいる。
−信号受信モジュールMRj(MR1またはMR2、但しj=1または2)、
−例えば30GHzから20GHz(RF)の範囲で受信された信号の周波数を変換する役割を担う、第1の周波数変換モジュールCF1j(CF11またはCF12)
−例えば約100MHzの帯域において第1の周波数変換の対象となしている信号をフィルタリングする役割を担う、帯域通過フィルタFj(F1またはF2)
−例えば20GHz(RF)から、いわゆる中間周波数(または、例えばL帯域に対応してIF)まで、フィルタリングされた信号の周波数を変換する役割を担う、第2の周波数変換モジュールCF2j(CF21またはCF22)、および
−第2の周波数変換モジュールCF2jの出力に結合された入力、選択モジュールMSの第1入力に結合されていて、後続する第2出力へ帰還する第1出力を含む結合手段CPj(CP1またはCP2)。第1出力は、挿入の対象に形成することなく、受信経路により配信された第1アナログ着信ストリームを直接装置Dの下流へ向けることを可能にする。第2の出力により、受信経路により配信された第1アナログ着信ストリームを装置Dへ向けて、挿入の対象となることを可能にする。これらは例えば、同軸高周波(RF)カプラの形式で実装される。
【0081】
当然ながら、周波数変換モジュールの個数は、上述のものと異なる場合がある。
【0082】
図6に示すように、結合手段CPjの第2の出力と装置Dとの間に第3の周波数変換モジュールCF3を挿入することが可能である。これにより、受信経路により配信されたアナログ信号に対しIF→BBの第3の周波数変換を実行することが可能になるため、当該信号はベースバンド周波数(または、例えば200MHzに対応するBB周波数)を示す。
【0083】
従って装置Dに、各々(ここでは非限定的な例として2個)のチャネルで受信した第1の着信ストリームを表わすベースバンド信号を供給することができる。
【0084】
後述する当該装置Dは、第4の変換モジュールCF4により例えばBB→IFの周波数変換の対象となることができる挿入/置換対象を形成した第1デジタル着信ストリームを配信する出力を含んでいる。後者は、存在する受信経路と同数の2×1型のルーティング手段を含む選択モジュールMSの第2の入力を供給する。図に示す例において、選択モジュールMSは2個の横方向のルーティング手段SWj(SW1、SW2)および中央ルーティング手段SW3を含んでいる。中央ルータSW3は、第4の周波数変換器CF4の出力に結合された入力、および、存在する受信経路と同数(ここでは2個)の出力を含んでいる。各々の横方向のルーティング手段SWjは、結合手段CPjの第1出力に結合された第1の入力、中央ルータSW3の出力の1個へ結合された第2の入力、および例えば第5の周波数変換器CF5jを供給する出力を含んでいてよい。後者は例えば、(挿入後、または挿入無しで)チャネルの1個を介して再送信すべき第1の着信ストリームが連鎖のゲインを変調する役割を担う電力増幅器のレベルに到達する前に、その周波数を中間周波数IFから20GHz(RF)の周波数に変換する役割を担う。
【0085】
この第3のデジタル実施形態において、処理モジュールMTは最初に、自身の装置Dにより(切替え前に)処理される、異なるチャネルに関連付けられた受信経路と同数の処理経路を含んでいる。その結果、本例では、各々以下のものを含む2個の処理経路が存在する。
−ここでは第3の周波数変換器CF4から送信された(受信経路のうち1個から送信された)第1のアナログ着信ストリームをデジタル信号に変換する役割を担う第1の変換器C1j(C11またはC12)。
−図1に関して前述した方式のデジタル解析モジュールMAj。当該デジタル解析モジュールMAjは、先のものと同様に、第1の変換器C1jにより配信された第1の着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を検知する役割、および検知された特徴を表わす第1の信号を配信する役割を担う。当該第1の着信ストリームの搬送波の特徴を検知するのに必要な、第1の着信ストリームのパケットの個数は波形、およびより低い程度で、信号対雑音比に依存する。通常、当該搬送波の特徴を検知するためには10〜100個の範囲のパケットが必要である。
−図1に関して前述した方式のデジタル検知モジュールMDj。当該デジタル検知モジュールMDjは、先のものと同様に、選択されたシンボルにより定められたプリアンブルP2、P3が先行する挿入ブロックBIを含む第1の着信ストリームが存在する場合に、これらのプリアンブルP2、P3を画定するシンボルの少なくとも一部を検知する役割、およびこれらの検知された挿入ブロックBIの少なくとも一部の時間的位置を表わす第2の信号を配信する役割を担う。
【0086】
この第3の実施形態において、解析および検知は例えば、第1の変換器C1jにより配信されたストリームを複製することにより行なわれる。
【0087】
処理モジュールMTもまた、制御モジュールMCT、変調器MO、および第2変換器C2を含んでいる。
【0088】
制御モジュールMCTは、解析モジュールMAjおよび検知モジュールMDjの出力に結合されていて、第1および第2の信号すなわち、各々の処理経路から送信された第1の着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅、および挿入ブロックBIの開始時刻に関する時間情報を与える。また、シグナリングチャネル上でゲートウェイPAにより送信された第3のシグナリング信号SIを受信し、第1の着信ストリームの構成、および特に、それらが含むプリアンブルP1〜P3の時間的位置、並びに挿入/置換の対象となる必要のある第1の着信ストリームに関する情報を含む制御入力を含んでいる。
【0089】
これら第3のシグナリング信号SIにより、制御モジュールMCTは最初に、挿入の対象となる必要のある各々の第1の着信ストリームを選択することができる。
【0090】
第3のシグナリング信号SIにより、制御モジュールMCTはまた、時間ウインドウを画定するシグナリング情報を検知モジュールMDjへ送ることができる。当該時間ウインドウ内には(各々がこれらに関係する第1のデジタル化着信ストリーム内で検知される)プリアンブルP2および/またはP3の既知のシンボルが位置すると思われる。従って、これらの時間ウインドウの間に、検知モジュールMDjが、置換されるべき各挿入ブロックBIの時間的位置を、装置Dの内部クロックに関して、決定すべく検知(または獲得)を実行する。
【0091】
また、第3のシグナリング信号SIにより、処理モジュールMTは一切の遅延を生じることなく、第1の着信ストリームへ送信予定パケットを挿入することができる。具体的には、挿入装置は、受信した信号に支援されて挿入ブロックの位置を予測する。ここで信号は、プリアンブルの挿入間隔および位置、すなわちシンボル断片内における挿入ブロックBIの正確な位置を与える。従って、着信ストリームを搬送する搬送波内で、一切の遅延を生じることなく、且つ当該搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を損なうことなく、挿入ブロックBIをデータパケットと置換することができる。
【0092】
最後に、制御モジュールMCTは第1の出力上で、自身が選択した各々の第1の着信ストリームを、置換すべき挿入ブロックBIの時間的位置(検知モジュールMDjにより提供された)を表わす第2の信号と共に配信することができる。
【0093】
図に示すように、制御モジュールMCTはまた、第2の出力上で、自身が選択した第1の着信ストリームの搬送波の特徴すなわち周波数、位相、タイミングおよび振幅を表わす第1の信号を配信する。
【0094】
制御モジュールMCTは最後に、選択モジュールMSに結合された第3の出力を含んでいて、受信したシグナリングSi情報に関して、自身の横方向のSWjおよび中央SW3ルーティング手段の各々の状態を制御する役割を担う。
【0095】
制御モジュールMCTの第1および第2の出力はデジタル変調器MOに結合されている。後者は、処理カードMTの復調器DMにより自身に受け渡された送信保留データパケットを変調する役割を担う。この変調は、処理経路の検知モジュールMDjにより配信された第1の信号に関して、且つ第2の信号により定められた時点(時間的位置)の間、第1の変調(ここではDVB−S2方式)に従い実行される。
【0096】
デジタル変調器MOがデータパケットを変調したならば、これらの変調済みパケットと共に、制御モジュールMCTにより配信された第2の信号により一時的に指定される挿入ブロックBIを構成するデータの置換を実行する。次いで、挿入/置換の対象となしている第1のデジタル着信ストリームを出力上で配信する。
【0097】
処理モジュールMTの第2の変換器C2は次いで、変調器MOの出力により配信された第1の着信ストリームをアナログ信号に変換する役割を担う。先に示したように、第2の変換器C2の出力は、変調済みパケットが挿入された第1のデジタル化着信ストリームを、例えば第4の周波数変換器CF4(BB→IF)へ供給し、当該変換器自身は、制御モジュールMCTが出す命令に応じて、各種の伝送チャネルに関連付けられた連鎖の電力増幅器へストリームをルーティングする役割を担う選択モジュールMSへの供給を行なう。
【0098】
処理カードCTまたは(受信器)が、自身の受信経路(MRj、CF1j、Fj、CF2j)の上流に配置されていて、一方では、各種の衛星通信ゲートウェイSAから送信された(従って、異なる搬送波を示す)第1の着信ストリームを受信することが可能な少なくとも2個の入力を含み、および他方では、異なる送信源からの第1の着信ストリームを選択的に供給すべく少なくとも1個の受信経路に結合可能な少なくとも1個の出力を含む、スイッチングモジュール(図示せず)を含んでいてよい点に注意されたい。このように、全く同一の装置Dを用いて、送信予定パケットを搬送波が異なる第1の着信ストリームへ挿入することが可能である。
【0099】
本発明によるストリーム処理装置D、および特にその処理モジュールMTが電子回路、ソフトウェア(またはコンピュータで動作する)モジュール、あるいは回路およびソフトウェアを組合せた形式で実装することができる。
【0100】
本発明は、あくまで例として上述したストリーム処理装置、ストリーム受信器、処理カード、通信衛星、および衛星通信ゲートウェイの実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で当業者が認識できるあらゆる変形を包含している。
【0101】
このように、上の説明では第1の着信ストリームが衛星通信ゲートウェイから送信され、第2の着信ストリームが通信端末から送信される例について記載した。しかし、第1の着信ストリームは別の通信衛星または端末から送信されてもよく、第2の着信ストリームは別の通信衛星または衛星通信ゲートウェイから送信されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】通信衛星を介した衛星ゲートウェイと通信端末との間の通信経路を極めて模式的に示す。
【図2】本発明によるストリーム処理装置の位置決めを、図1に示す通信経路に関して極めて模式的に示す。
【図3】送信すべきデータパケットで置換することを意図された挿入ブロックを含む例示的なダウンリンク・ストリームを極めて模式的に示す。
【図4】本発明によるストリーム処理装置の第1の例示的な実施形態を極めて模式的に示す。
【図5】本発明によるストリーム処理装置の第2の例示的な実施形態を極めて模式的に示す。
【図6】2個の異なるチャネルから送信されたダウンリンク・ストリームを処理するカード(または受信器)の例示的な実施形態を極めて模式的に示す。
【図7】図6に示す種類の処理カード(または受信器)の一部を形成可能な、本発明によるストリーム処理装置の第3の例示的な実施形態を極めて模式的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークの通信衛星(SA)用のデータストリーム処理装置(D)であって、
搬送波が第1の変調を示し、且つ選択された位置に選択された挿入ブロック(BI)を含む第1の着信データストリームを受信した場合に、i)前記挿入ブロック(BI)と、第1の着信ストリームの搬送波の振幅、周波数、位相およびタイミングの中のうちから選択された少なくとも1個の特徴を検知し、ii)前記第1の変調に応じて、且つ各々の検知された特徴に関して、第1の着信ストリームと共通の宛先へ送信すべきデータパケットを変調して、iii)前記第1の復調されていない着信ストリーム内で検知された前記挿入ブロック(BI)の少なくとも一部を前記変調済みパケットで置換して、着信データストリームが前記衛星(SA)により前記第1の変調で、共通の宛先へ送信されるべく構成された処理手段(MT)を含んでいることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記処理手段(MT)が、受信した第1の着信ストリームの搬送波の振幅、周波数、位相およびタイミングに関する特徴を検知すべく構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理手段(MT)が、前記第1の着信ストリームの送信を目的として、受信した第1の着信ストリームの搬送波の各々の特徴を検知すべく構成された解析手段(MA)と、前記第1の変調に応じて、且つ前記解析手段(MA)により検知された各々の特徴に関して、送信すべき前記パケットを変調すべく構成された変調手段(MO)と、前記検知されて挿入ブロック(BI)の少なくとも一部を前記変調手段(MO)により変調される前記パケットで置換すべく構成された挿入手段(SW)とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理手段(MT)が、選択されたシンボルにより定められたプリアンブルを含む挿入ブロック(BI)を含む第1の着信ストリームが存在する場合に、前記プリアンブルを画定する前記シンボルの少なくとも一部を検知すべく構成された検知手段(MD)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記検知手段(MD)が、連続するプリアンブルの検知時間間隔を測定し、各々の測定された間隔を閾値間隔と比較して、測定された間隔が前記閾値間隔またはその整数倍にほぼ等しい場合にのみ、挿入ブロック(BI)を変調済み送信予定パケットで置換することを承認すべく構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
i)前記解析手段(MA)および/または前記検知手段(MD)の上流に配置されていて、アナログ形式で送信された第1の着信ストリームをデジタル信号に変換すべく構成された第1の変換手段(C1)と、ii)前記挿入手段(SW)の下流に配置されていて、デジタル形式で送信された第1の着信ストリームをアナログ信号に変換する第2の変換手段(C2)と、iii)前記変調手段(MO)および前記挿入手段(SW)に結合されていて、前記変調済みの送信予定パケットを格納すべく構成された格納手段(MY)とを含んでいることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記処理手段(MT)と、前記第1(C1)および第2(C2)の変換手段用に選択された動作テンポを画定するべく構成されたタイミング手段(GC)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記検知手段(MD)が、前記第1の着信ストリームを複製して、前記ストリームが含む前記挿入ブロック(BI)の位置を検知すべく構成されていて、前記解析手段(MA)が、前記第1の着信ストリームを複製して、搬送波の各々の特徴を検知すべく構成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記解析手段(MA)が、前記第1の着信ストリームの一部をタップオフすることにより、搬送波の各々の特徴を検知して、前記搬送波の各々の検知された特徴を表わす信号を出力上で配信すべく構成されていて、送信予定パケットの受信に適した入力、制御入力および閉状態に置かれた場合に前記送信予定パケットを前記変調手段(MO)に供給するのに適した出力を含む第1のスイッチング手段(I1)を含み、前記処理手段(MT)が、搬送波の各々の検知された特徴を表わす信号を受信する前記解析手段(MA)の出力に結合された入力、制御入力および閉状態に置かれた場合に搬送波の各々の検知された特徴を表わす前記信号を前記変調手段(MO)に供給するのに適した出力を含む第2のスイッチング手段(I2)を含み、前記挿入手段(SW)が、送信すべき前記変調済みパケットまたは送信すべき前記第1の着信ストリームを配信すべく、前記変調手段(MO)の出力に結合された第1の入力と、前記第1の着信ストリームを受信する第2の入力と、第3の制御入力と、第1または第2の状態に置かれた場合に前記第1または第2の入力に結合されるのに適した出力とを含むスイッチの形式で構成されていて、前記検知手段(MD)が、第1の着信ストリームの一部をタップオフすることにより、これらが含む前記挿入ブロック(BI)の位置を検知して、一方では挿入ブロック(BI)を検知した場合にこれらを閉状態に置くように前記第1(I1)および第2(I2)のスイッチング手段に制御信号を、他方では挿入ブロック(BI)を検知したか検知しなかった場合にこれらを前記第1または第2の状態に置くように前記挿入手段(SW)に制御信号を配信することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記処理手段(MT)が、前記検知手段(MD)および/または前記解析手段(MA)の下流、および前記挿入手段(SW)の上流に配置されていて、自身の挿入ブロック(BI)の位置の検知を可能にすべく第1の着信ストリームを遅延させるべく構成された遅延手段(LR)を含む、請求項3〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
−少なくとも2個の異なるチャネルから送信された第1の着信ストリームを受信することが各々可能であって、i)アナログ形式で送信された第1の着信ストリームをデジタル信号に変換すべく構成された第1の変換手段(C1j)、ii)前記第1の変換手段(C1j)により配信された第1の入力ストリームの搬送波の各々の特徴を検知し、検知された各々の特徴を表わす第1の信号を配信すべく構成された解析手段(MAj)、およびiii)選択されたシンボルにより定められたブリアンブルを含む挿入ブロック(BI)を含む第1の着信ストリームが存在する場合に、シグナリング情報により定められた時間ウインドウ内でプリアンブルを画定するシンボルの少なくとも一部を検知すると共に、前記挿入ブロック(BI)の少なくとも一部の時間的位置を表わす第2の信号を配信すべく構成された検知手段(MDj)を各々が含む少なくとも2個の処理経路と、
−i)前記処理経路のうち1個の第1の着信ストリームを第3のシグナリング信号に応じて選択し、ii)前記第3のシグナリング信号に基づいて検知時間ウインドウを表わすシグナリング情報を定め、このシグナリング情報を関連する検知手段(MDj)へ伝達して、iii)前記第1の着信ストリームを、置換される前記挿入ブロック(BI)の時間位置を表わす第2の信号と共に配信すべく構成された制御手段(MCT)と、
−前記第1の変調に応じて、且つ前記処理経路により配信された第1の信号に関して、前記送信予定パケットを変調し、前記第2の信号により定められた時点において、検知されて前記第1の着信ストリームに含まれている前記挿入ブロック(BI)の少なくとも一部を前記変調済みパケットで置換して、パケットが挿入された第1の着信ストリームを配信すべく構成された変調手段(MO)と、
−デジタル形式でパケットが挿入されていて、前記変調手段(MO)により配信された第1の着信ストリームをアナログ信号に変換すべく構成された第2の変換手段(C2)とを含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項12】
前記挿入ブロック(BI)が、ストリームに含まれるパケットの寸法と少なくとも等しい寸法を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記処理手段(MT)が、第1および第2の連続する挿入ブロックのグループを含む第1の着信ストリームが存在する場合に、前記第2の挿入ブロックの少なくとも一部を変調済み送信予定パケットで置換すべく構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記挿入ブロック(BI)の寸法が、第1の着信ストリーム毎に異なることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記処理手段(MT)が、少なくとも一回周波数が変化している第1の着信ストリームを処理すべく構成されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記処理手段(MT)が、衛星通信ゲートウェイ(PA)、通信端末(Ti)、および通信衛星(SA)を含む群から選択された前記ネットワークの通信装置の1要素により送信された第1の着信ストリームを処理すべく構成されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記処理手段(MT)が、一切の遅延を生じることなく、前記第3のシグナリング信号を用いて、送信予定パケットを第1の着信ストリームへ挿入すべく構成されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
チャネルに関連付けられた、アナログ形式の第1の着信ストリームの受信に適した少なくとも1個の受信経路(MRj、CF1j、Fj、CF2j、CPj)、および少なくとも1個の受信経路に結合された、請求項1〜17のいずれか一項に記載の少なくとも1個のストリーム処理装置(D)を含むことを特徴とする、通信ネットワークの通信衛星(SA)用のデータストリーム受信器(CT)。
【請求項19】
受信経路の個数より少ない個数のストリーム処理装置(D)に結合された複数の受信経路(MRj、CF1j、Fj、CF2j)を含むことを特徴とする、請求項18に記載の受信器。
【請求項20】
前記受信経路(MRj、CF1j、Fj、CF2j)が各々、入力、第1出力、および前記装置(D)に結合された第2の出力を含む少なくとも結合手段(CPj)を介して前記ストリーム処理装置(D)に結合されていて、前記ストリーム処理装置(D)により配信された第1の着信ストリームが供給されるのに適した入力および前記結合手段(CPj)の各々の第1出力に結合された入力、および受信経路の個数に等しい個数の出力を含む選択手段(MS)を含んでいて、前記入力の1個に入来する第1の着信ストリームをシグナリング信号に応じて前記出力の1個に配信すべく構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の受信器。
【請求項21】
第2の変調済み着信ストリームを復調して、第1の着信ストリームに挿入するのに適した復調済みデータパケットを配信すべく構成された復調手段を含むことを特徴とする、請求項18〜20のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項22】
異なる衛星通信ゲートウェイ(PA)から送信された第1の着信ストリームを受信するのに適した少なくとも2個の入力を含むスイッチング手段、およびストリーム処理装置(D)に結合された受信経路(MRj、CF1j、Fj、CF2j)に第1の着信ストリームを選択的に供給するのに適した少なくとも1個の出力を含んでいることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の少なくとも1個のデータストリーム処理装置(D)を含むことを特徴とする、通信ネットワーク用の通信衛星(SA)。
【請求項24】
請求項18〜22のいずれか一項に記載の少なくとも1個の受信器(CT)を含むことを特徴とする、通信ネットワーク用の通信衛星(SA)。
【請求項25】
請求項23または24に記載の少なくとも1個の通信衛星(SA)を含む、通信ネットワーク用の衛星通信ゲートウェイ(PA)であって、
搬送波が第1の変調を示し、且つ選択された位置に挿入ブロック(BI)を含んでいる第1の着信ストリームを前記衛星(SA)専用に生成すべく構成されていることを特徴とする、通信ネットワーク用の衛星通信ゲートウェイ(PA)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−509441(P2009−509441A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531759(P2008−531759)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050927
【国際公開番号】WO2007/034123
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】