説明

通信装置及びキャリブレーション方法

【課題】 アンテナの本数が多くなっても、キャリブレーションのために通信信号が送信できない時間が増加しないようにすること。
【解決手段】 互いに周期の異なる複数の試験信号を生成し、前記生成された複数の試験信号を、それぞれ各アンテナi部81−iを介して送信する送信部64と、前記各アンテナi部81−iから送信される前記各試験信号が合成されてなる信号を受信信号として取得し、前記受信信号から、前記各試験信号を抽出するとともに、前記抽出した複数の試験信号の位相又は振幅の少なくとも一方について、前記試験信号間相互の相違量を取得するキャリブレーション部50と、を含み、受信部65は、前記取得される相違量に基づいて、前記各アンテナi部81−iのそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出することを特徴とする基地局装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置及びキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のアンテナをアダプティブアレイアンテナとして使用する基地局装置では、各アンテナから送信する通信信号の振幅及び位相に関する送信特性が、各アンテナで受信される通信信号の振幅及び位相に関する受信特性と同等になるよう、アンテナごとに送信する通信信号の振幅及び位相を調整している。このようにすることで、受信された通信信号を送信した移動局装置にアダプティブアレイアンテナの指向性を合わせられるようにしている。
【0003】
ところで、近年の移動体通信システムの基地局装置では、デジタル信号処理による上記調整を行っている。つまり、通信信号の振幅及び位相を調整する場合、送信する通信信号のD/A変換がされる前に、各アンテナで受信された通信信号がA/D変換された後の振幅及び位相に基づいて調整を行っている。このため、アンテナと、上記通信信号のA/D変換やD/A変換を行う送受信部を含む基地局装置本体部と、が離れている基地局装置では、上記調整を基地局装置本体部で行うこととなる。これに対し、通信信号をアンテナから送出する為のパワーアンプや受信した信号を増幅するためのプリアンプは、基地局装置本体部ではなく、アンテナのすぐ近くに設置される。この場合、アンテナと基地局装置本体部とを接続するケーブルの長さがアンテナごとに異なるために、送受信される通信信号の振幅や位相がアンテナごとに変動してしまい、上記調整の効果が損なわれることがある。
【0004】
このような事情に鑑み、基地局装置では、アンテナごとに通信信号の振幅と位相を校正する処理(キャリブレーション)が行われる。このキャリブレーションは、上り信号(基地局装置で受信される信号)と下り信号(基地局装置から送信する信号)についてそれぞれ行われる。
【0005】
キャリブレーションのために、通常、キャリブレーション端末としての移動局装置が基地局装置内に1台設置される。このキャリブレーション端末のアンテナの出入力は、基地局装置の各アンテナとの間でカプラにより電気的に結合されている。このためキャリブレーション端末は、カプラから出力される信号(すなわち、アンテナから送信する通信信号)を受信し、自ら生成した信号を、各カプラを通じて、通信信号として基地局装置に受信させることができる。
【0006】
以下では、キャリブレーション端末をキャリブレーション部、アンテナ及び基地局装置本体部と離れたところに該アンテナと一体に設置される部分(通常は、上記パワーアンプやプリアンプなどの増幅回路を含む)をアンテナ部、と呼ぶ。このアンテナ部は、アンテナごとに設けられ、それぞれが送受信部及びキャリブレーション部と接続される。
【0007】
まず上り信号に関するキャリブレーションでは、キャリブレーション部において生成した試験信号を、各アンテナ部を介して、通信信号として送受信部に受信させる。送受信部は、各アンテナ部を介して受信された試験信号間の振幅及び位相の相違量を取得する。
【0008】
次に下り信号に関するキャリブレーションでは、送受信部において試験信号を生成し、各アンテナ部を介して、通信信号としてキャリブレーション部に受信させる。なお各アンテナ部は同じ信号を送受信するために設置されているものであり、キャリブレーション部は、通信信号同様、各アンテナ部を介して受信される試験信号を合成して受信信号としている。一方キャリブレーションでは各アンテナ部を介して受信された信号間の振幅及び位相の相違量を取得する必要があるため、送受信部は1度に1つのアンテナ部のみを介して試験信号を送信するようにし、これを各アンテナ部について行っている。キャリブレーション部は、各アンテナ部を介して受信した試験信号間の振幅及び位相の相違量を取得する。
【0009】
このようにして取得した受信時及び送信時の試験信号間の振幅及び位相の相違量に基づいて、基地局装置は、アンテナ部ごとの校正量(キャリブレーションウエイト)を算出し、算出したキャリブレーションウエイトに基づいて、送信する通信信号の振幅と位相を校正している。なお特許文献1には、このようなキャリブレーションの1つの実施例が記載されている。
【特許文献1】特開2001−53661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記従来のキャリブレーションウエイト算出処理では、基地局装置の周辺環境において、その温度(環境温度)の変動があったことを契機としてキャリブレーションウエイト算出処理をやり直す必要がある。基地局装置に備えられる送受信回路や増幅回路に使用されている電子部品の電気的特性は温度特性を有するため、環境温度が変化すると、各アンテナで送受信される通信信号の振幅や位相に、それぞれ変化が生ずる。この結果、アンテナ間の位相や振幅の関係が変化してしまうためである。
【0011】
このように従来は、環境温度の変動があったことを契機としてキャリブレーションウエイト算出処理をやり直す必要があった。しかしながら、キャリブレーションウエイト算出処理では通信信号で使用する通信チャネルを使用して試験信号を送信又は受信するため、試験信号の送受信に使用している通信チャネルでは、試験中に通信信号の送受信を行うことはできない。加えて、上記従来の下り信号に関するキャリブレーションでは1アンテナ部ずつ試験信号を送信する必要があったため、アダプティブアレイアンテナとして使用されるアンテナ部の数が多いほど(アンテナの本数が多いほど)、キャリブレーションにより通信信号が送信できない時間が長くなってしまっていた。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、アンテナの本数が多くなっても、キャリブレーションのために通信信号が送信できない時間が増加しないようにすることができる通信装置及びキャリブレーション方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明に係る通信装置は、キャリブレーション部と、送受信部と、該キャリブレーション部及び該送受信部とそれぞれ接続される複数のアンテナ部と、を含む通信装置において、前記送受信部は、互いに周期の異なる複数の試験信号を生成する試験信号生成手段と、前記生成された複数の試験信号を、それぞれ前記各アンテナ部を介して送信する送信手段と、を含み、前記キャリブレーション部は、前記各アンテナ部から送信される前記各試験信号が合成されてなる信号を受信信号として取得する受信手段と、前記受信信号から、前記各試験信号を抽出する試験信号抽出手段と、前記抽出した複数の試験信号の位相又は振幅の少なくとも一方について、前記試験信号間相互の相違量を取得する相違量取得手段と、を含み、前記送受信部は、前記相違量取得手段により取得される相違量に基づいて、前記各アンテナ部のそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出するキャリブレーションウエイト算出手段と、前記算出したキャリブレーションウエイトに基づいて、送信する通信信号の振幅と位相とを前記アンテナ部ごとに校正する校正手段と、をさらに含む、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、各アンテナ部からそれぞれ周波数の異なる複数の試験信号を同時に送信することにより、複数のアンテナ部のそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出することができるので、アンテナの本数が多くなっても、キャリブレーションのために通信信号が送信できない時間が増加しないようにすることができる。
【0015】
また、上記通信装置において、前記試験信号生成手段は、生成する複数の試験信号のうち最も周期の長い試験信号の周期が、他の試験信号の周期の整数倍となるよう、該複数の試験信号を生成する、こととしてもよい。
【0016】
本発明によれば、最も周期の長い試験信号の周期をサンプル周期として、受信信号に対して各試験信号によるDFT(Discrete Fourier Transpose, 離散フーリエ変換)を行うことによって、受信信号に含まれる各試験信号成分を抽出することができるようになる。
【0017】
また、本発明に係るキャリブレーション方法は、送受信部と、該送受信部とそれぞれ接続される複数のアンテナ部と、を含む通信装置において送信される通信信号の振幅及び位相を校正するためのキャリブレーションを実行するキャリブレーション方法であって、互いに周期の異なる複数の試験信号を生成する試験信号生成ステップと、前記生成された複数の試験信号を、それぞれ前記各アンテナ部を介して送信する送信ステップと、前記各アンテナ部から送信される前記各試験信号が合成されてなる信号を受信信号として取得する受信ステップと、前記受信信号から、前記各試験信号を抽出する試験信号抽出ステップと、前記抽出した複数の試験信号の位相又は振幅の少なくとも一方について、前記試験信号間相互の相違量を取得する相違量取得ステップと、前記取得される相違量に基づいて、前記各アンテナ部のそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出するキャリブレーションウエイト算出ステップと、前記算出したキャリブレーションウエイトに基づいて、送信する通信信号の振幅と位相とを前記アンテナ部ごとに校正する校正ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る移動体通信システム1の構成図である。該移動体通信システム1は、図1に示すように、基地局装置2と、移動局装置3と、通信ネットワーク4と、を含んで構成されている。移動体通信システム1では、基地局装置2と移動局装置3とが、互いに無線で通信を行う。また、移動局装置3は、基地局装置2を介して通信ネットワーク4との通信を行う。
【0020】
基地局装置2は、図2に示すように、制御部10と、記憶部20と、ネットワークインターフェイス部30と、無線通信部40と、キャリブレーション部50と、を含んで構成されている。
【0021】
制御部10は、記憶部20に記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットを備え、基地局装置2の各部を制御するとともに、通話やデータ通信に関わる処理を実行している。
【0022】
記憶部20は、制御部10のワークメモリとして動作する。また、この記憶部20は、制御部10によって行われる各種処理に関わるプログラムやパラメータを保持している。
【0023】
ネットワークインターフェイス部30は、通信ネットワーク4と接続されており、通信ネットワーク4からの音声信号や通信用パケット等を受信して制御部10に出力したり、制御部10の指示に従って音声信号や通信用パケット等を通信ネットワーク4に対して送信したりする。
【0024】
無線通信部40は、複数のアンテナを備え、移動局装置3からの音声信号や通信用パケット等を各アンテナでそれぞれ受信して復調し、制御部10に出力する。また、制御部10から入力される指示に従って、制御部10から入力される音声信号や通信用パケット等を変調し、各アンテナを介して無線区間に送出する。
【0025】
無線通信部40は、複数の通信チャネルによる通信ができるよう、構成される。この通信チャネルは、周波数分割多重の多重単位である周波数チャネル、時分割多重の多重単位であるタイムスロット、符号分割多重の多重単位である符号、などの多重単位のうち少なくとも1つを利用してなる通信単位である。移動局装置3との通信を行う場合には、この通信チャネルのうちの少なくとも1つを使用して行う。
【0026】
また、無線通信部40は、上記複数のアンテナをアダプティブアレイアンテナとして使用することにより、空間分割多重方式(SDMA,Space Division Multiple Access)にて通信を行う。空間分割多重方式は、複数のアンテナから送出する通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を調節することにより、移動局装置3の存在する位置にアンテナの指向性を合わせる方式である。空間分割多重方式では、複数のアンテナにおいて同じ信号が送受信される。
【0027】
キャリブレーション部50は、キャリブレーションウエイト算出処理を行うためにカスタマイズされた移動局装置3である。キャリブレーションウエイト算出処理は、基地局装置2内での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延を、送信信号の振幅や位相に反映させるために使用されるキャリブレーションウエイトを算出する処理である。このキャリブレーションウエイト算出処理については、後に詳述する。
【0028】
移動局装置3は、基地局装置2から無線送信される信号を受信し、また、基地局装置2に対し信号を無線送信することにより、基地局装置2と通信を行う。移動局装置3の例としては、携帯電話端末、PHS端末、無線LAN端末が挙げられる。
【0029】
なお、基地局装置2と移動局装置3との間で行われる通信では上記空間分割多重方式、周波数分割多重方式が使用されるとともに、時分割複信方式(TDD,Time Division Duplex)が使用される。この時分割復信方式では、同一の周波数チャネルが、移動局装置3から基地局装置2へ送信される信号(上り信号)と、基地局装置2から移動局装置3へ送信される信号(下り信号)とで、時分割切替されつつ、使用される。
【0030】
通信ネットワーク4は複数のコンピュータ(不図示)と接続され、各コンピュータと、基地局装置2との間の通信を中継する。具体的には、移動体通信システムの交換機ネットワークであってもよいし、TCP/IP網であってもよい。
【0031】
図3は、本実施の形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成図である。同図に示すように、基地局装置2は、物理的には、基地局装置本体部100と、アンテナ部101と、これらを接続するケーブルと、を含んで構成される。
【0032】
この基地局装置本体部100とアンテナ部101は空間的に離隔して設置されている。具体的には、アンテナ部101は鉄塔の頂上、基地局装置本体部100は鉄塔の根元、というように配置されている。このように基地局装置本体部100とアンテナ部101とが離隔しているため、基地局装置2における信号送受信では、内部での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延が無視できなくなっている。これらの電力ロスや遅延は、アンテナごと、周波数ごと、に異なり、さらに気温などの周辺環境の変化によっても変化する量である。
【0033】
ところで、基地局装置2では上述のように空間分割多重方式が採用される。このため、基地局装置2は、受信した通信信号の振幅又は位相に基づいて、該受信した通信信号の振幅又は位相のアンテナ間における相違量を示す受信ウエイトを算出する。この算出処理は移動局装置3ごとに行われる。
【0034】
そして、受信ウエイトに基づいて推定される移動局装置3に指向性を合わせるよう、送信ウエイトを算出する。この算出処理も移動局装置3ごとに行われる。そして、算出した送信ウエイトをアンテナごとに通信信号に乗算することにより、通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を調節し、送出する電波の指向性を、移動局装置3に合わせている。
【0035】
しかし、上述のように基地局装置2内部での信号伝達の際に電力ロスや遅延が生ずるため、受信ウエイトのみに基づいて送信ウエイトを算出すると、これら電力ロスや遅延のために、移動局装置3に指向性が合わなくなってしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、既知のキャリブレーション信号を通信信号として送受信することにより、これらの電力ロスや遅延を予め測定するキャリブレーションウエイト算出処理を行い、その測定結果を示すキャリブレーションウエイトを、上記送信ウエイトに反映させている。すなわち、通信信号が送信される際、キャリブレーションウエイトに基づいて該通信信号の振幅又は位相に関する所定の校正処理(キャリブレーション)が行われるようにしている。
【0036】
上述のように、電力ロスや遅延は、アンテナごと、周波数ごと、温度ごと、に異なるため、キャリブレーションウエイト算出処理においては、それぞれの測定条件で測定する必要がある。しかし、1つ1つを別個の処理で行うと時間がかかり、その間通信信号の送信もできないこととなるので、本実施の形態では、アンテナごとのキャリブレーションウエイト算出処理をまとめて行うことができるようにしている。
【0037】
上記キャリブレーションウエイト算出処理を実現するための本実施の形態に係る基地局装置2の構成及び動作について、以下詳細に説明する。図3に示すように、基地局装置2は、機能的には、上記アンテナ部101を構成するアンテナi部81−i(i=1〜n,nはアンテナの本数)と、上記基地局装置本体部100を構成する制御部10と、基地局送受信部60と、キャリブレーション部50と、これらを接続するためのケーブル80−i(i=1〜n)及びケーブル88−i(i=1〜n)、を含んで構成されている。
【0038】
アンテナi部81−iは、アンテナ82−iと、カプラ(連結器)83−iと、T(Transfer)/R(Receive)スイッチ84−iと、パワーアンプ(電力増幅器)85−iと、T/Rスイッチ86−iと、ローノイズアンプ(低雑音増幅器)87−iと、を含んで構成されている。
【0039】
基地局送受信部60は、T/Rスイッチ61−i(i=1〜n)と、RF・IF部62−i(i=1〜n)と、RF・IF部63−i(i=1〜n)と、送信部64と、受信部65と、を含んで構成されている。
【0040】
キャリブレーション部50は、合成・分配部51と、T/Rスイッチ52と、RF・IF部53と、送信部54と、RF・IF部56と、受信部57と、を含んで構成されている。
【0041】
まず、図3を参照しながら、本実施の形態におけるキャリブレーションウエイト算出処理の概要について説明する。キャリブレーションウエイト算出処理では、上り信号と下り信号について、それぞれキャリブレーションウエイト基礎量を算出し、上り信号と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量の両方に基づいて、キャリブレーションウエイトを算出する。
【0042】
まず上り信号については、キャリブレーション部50が既知のキャリブレーション信号を生成し、各アンテナi部81−iを介して、基地局送受信部60に対して送信する。基地局送受信部60は、受信したキャリブレーション信号と、既知のキャリブレーション信号と、の位相及び振幅の相違量を取得する。そして、取得した相異量に基づいて上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、各アンテナi部81−iについてそれぞれ算出する。
【0043】
次に下り信号については、基地局送受信部60がアンテナi部81−iごとに異なる既知の周波数のトーン信号(詳細は後述する)であるキャリブレーション信号を生成し、各アンテナi部81−iを介して、キャリブレーション部50に対して送信する。キャリブレーション部50は、受信したキャリブレーション信号と、既知のキャリブレーション信号と、の位相及び振幅の相違量を取得する。そして、取得した相異量に基づいて、下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、各アンテナi部81−iについてそれぞれ算出する。
【0044】
ただし、キャリブレーション部50は上述のように移動局装置3なので、同時に1つの信号のみ受信することができる。このため、キャリブレーション部50は、各アンテナi部81−iから出力される信号を合成・分配部51において合成した上で受信する。
【0045】
そしてキャリブレーション部50は、後に詳述するDFT処理によってアンテナi部81−iごとの各周波数のトーン信号を分離することにより、各アンテナi部81−iを介して受信されたキャリブレーション信号を抽出している。
【0046】
以下、図3及び図4を参照しながら、基地局装置2における具体的なキャリブレーション処理について説明する。
【0047】
アンテナi部81−iは、アンテナ82−iに到来する電波を取得し、該電波に含まれる信号を基地局送受信部60に入力する信号入力処理と、基地局送受信部60から出力される信号をアンテナ82−iから無線区間に送出する信号送出処理を行う。そして通常は、移動局装置3との間での電波の送受信を行う。
【0048】
またアンテナi部81−iは、アンテナ82−iに到来する電波に含まれる信号の増幅処理及び基地局送受信部60から出力される信号の増幅処理も行う。具体的には、本実施の形態では上述のように時分割複信方式を使用しており、T/Rスイッチ84−i及びT/Rスイッチ86−iにより上り信号と下り信号のタイムスロットをそれぞれ異なる経路に振り分け、それぞれの経路に設置される増幅器を経由して通信を行う。そして、上り信号の場合には、パワーアンプ85−iにより電力を信号に加えることで、アンテナ82−iから信号を送信する際の送信電力を制御している。また、下り信号の場合にはローノイズアンプ87−iにより雑音レベルの非常に低い増幅を行い、受信信号の雑音レベルをできるだけ上げることなく、該信号の受信電力を増幅している。カプラ83−iについては後述する。
【0049】
さらにアンテナi部81−iは、上述のように、当該基地局装置2が設置される鉄塔の先端部に設置される。一方の基地局送受信部60は鉄塔の地面に近い部分に設置される。そのため、T/Rスイッチ86−iと、T/Rスイッチ61−iと、の間には10m以上の距離があることも多く、その間はケーブル80−iによって接続されている。
【0050】
次に、基地局送受信部60について説明する。基地局送受信部60は、アンテナi部81−iから出力される信号を復調及び復号する復調・復号処理及びアンテナi部81−iへ出力する信号を変調及び符号化する変調・符号化処理を行う。そしてさらに、図示していないが、制御部10を介してネットワークインターフェイス部30との間での信号の送受信も行い、通信ネットワーク4と、移動局装置3との間での通信を中継する。なお、制御部10と基地局送受信部60との間は、バス90により通信可能に接続されている。
【0051】
T/Rスイッチ61−iは、ケーブル80−iと接続され、アンテナi部81−iから出力される信号を含むタイムスロットと、アンテナi部81−iへ出力する信号を含むタイムスロットと、で経路を切り替える。このようにすることにより、アンテナi部81−iから出力される信号をRF・IF部63−iに出力するとともに、RF・IF部62−iから出力される信号をケーブル80−iに送出している。なお、T/Rスイッチ61−i、RF・IF部62−i、RF・IF部63−iはそれぞれアンテナi部81−iに対応して設けられ、各アンテナi部81−iとの間で信号の入出力を行う。
【0052】
RF・IF部63−iは、対応するアンテナi部81−iから出力される信号を、無線周波数からベースバンド周波数に変換する周波数変換処理を行い、該信号を受信部65に出力する。RF・IF部62−iは、逆に、送信部64から出力される信号を、ベースバンド周波数から無線周波数に変換する周波数変換処理を行い、該信号を対応するアンテナi部81−iに送出する。
【0053】
受信部65は、検波部66と、第1キャリブレーションウエイト基礎量算出部67と、キャリブレーションウエイト算出部68と、を含んで構成される。
【0054】
検波部66は、各RF・IF部63−iから入力される信号の検波処理を行う。具体的には、該信号に図示しないバンドパスフィルタによるDFT処理を施すことにより、特定の周波数の成分のみを取り出す。そして、該特定の周波数の信号に対して復調及び復号処理を行い、移動局装置3が送出した信号をビット列で取得し、制御部10に出力する。併せて、各RF・IF部63−iから入力される信号の位相及び振幅を取得し、第1キャリブレーションウエイト基礎量算出部67及び送信部64に出力する。
【0055】
第1キャリブレーションウエイト基礎量算出部67は、検波部66において検波される信号のうち、キャリブレーション部50が送信したキャリブレーション信号の位相及び振幅を取得し、上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を算出する。第1キャリブレーションウエイト基礎量算出部67は、算出した上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量をキャリブレーションウエイト算出部68に出力する。
【0056】
基地局送受信部60により受信されるキャリブレーション信号は、既知の信号を送信したものであるが、基地局装置2内部での信号伝達の際に電力ロスや遅延を受けて、その振幅や位相が変化している。第1キャリブレーションウエイト基礎量算出部67は、この位相回転量及び振幅変化量に基づいて上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を算出している。
【0057】
キャリブレーションウエイト算出部68は、上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量と、後述する下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量と、に基づいてキャリブレーションウエイトを算出し、送信部64に対して出力している。具体的には、上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量の比を算出することにより、キャリブレーションウエイトを算出している。
【0058】
次に、送信部64について説明する。図4は送信部64の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、送信部64は、各アンテナi部81−iに対応するアンテナ対応部69−i(i=1〜n)を含み、各アンテナ対応部69−iは、アンテナウエイト乗算部70−i、送信信号生成部71−i、ウエイト算出部72−i、を含んで構成される。
【0059】
送信信号生成部71−iは、ネットワークインターフェイス部30から出力されるビット列を、制御部10を介して取得する。そして、取得した信号を無線区間に送出するために、該信号の符号化及び変調処理を行い、送信信号を生成する。そして、生成した信号について所定の符号化・変調処理を行い、アンテナウエイト乗算部70−iに対して出力する。
【0060】
また、送信信号生成部71−iは既知のキャリブレーション信号を生成する。このキャリブレーション信号には、トーン信号を使用している。また、各送信信号生成部71−iは、それぞれ異なる周波数のキャリブレーション信号を生成する。より具体的には、生成する複数のキャリブレーション信号のうち最も周期の長いキャリブレーション信号の周期が、他のキャリブレーション信号の周期の整数倍となるよう、該複数のキャリブレーション信号を生成する。キャリブレーション信号についても所定の符号化・変調処理を行い、アンテナウエイト乗算部70−iに対して出力する。
【0061】
ここで、各送信信号生成部71−iが生成するトーン信号について、より詳細に説明する。各送信信号生成部71−iが生成するトーン信号の周波数fは、サンプリング周期Tを使用して、式(1)のように設定される。ただし、xは周期サンプル数と呼ばれ、キャリブレーション信号の1周期の間にサンプリングされる回数である。ここではxは整数であり、x(i=1〜n)のうち最も大きいものをxとすると、全てのxについてx=x×a(aは整数)と表され、かつ全てのxが互いに異なるよう、予め設計されて記憶部20に記憶されている。つまり、各送信信号生成部71−iが生成するキャリブレーション信号の周期がサンプリング周期Tの整数倍となるようにしているとともに、各送信信号生成部71−iが生成するキャリブレーション信号のうち、最も周期の長いキャリブレーション信号の周期が他のキャリブレーション信号の周期の整数倍となるようにしている。
【数1】

【0062】
式(1)より、各送信信号生成部71−iで生成するトーン信号C(t)は、式(2)のように表される。ただし、jは虚数単位、πは円周率、Aは各信号の振幅レベルである。
【数2】

【0063】
各送信信号生成部71−iは、このようにして生成したトーン信号を、各アンテナi部81−iに対して出力する。
【0064】
ウエイト算出部72−iは、通信信号の送信時には、検波部66から出力される各アンテナi部81−iで受信された受信信号の位相及び振幅に基づいて、上記空間分割多重方式の送信ウエイトを算出する。また、算出した送信ウエイトを、キャリブレーションウエイト算出部68から入力されるキャリブレーションウエイトに基づいて補正する。具体的には、算出した送信ウエイトにキャリブレーションウエイトを乗算することにより、補正を行っている。
【0065】
一方、キャリブレーション信号送信時には、各アンテナi部81−iから送信されるキャリブレーション信号の振幅及び位相が等しくなるように送信ウエイトを算出する。ウエイト算出部72−iは、このようにして補正又は算出された送信ウエイトをアンテナウエイト乗算部70−iに出力する。
【0066】
アンテナウエイト乗算部70−iは、送信信号生成部71−iから出力される送信信号にウエイト算出部72−iにおいて算出された送信ウエイトを乗算し、RF・IF部62−iに出力する。すなわち、通信信号が送信される際、キャリブレーションウエイトに基づいて該通信信号の振幅又は位相に関する所定の校正処理(キャリブレーション)を行っている。
【0067】
次に、キャリブレーション部50について説明する。まず、上りのキャリブレーションウエイト算出処理に関わる部分について説明する。送信部54は、送信信号生成部55を含んで構成される。送信信号生成部55は既知のキャリブレーション信号を生成する。そして、キャリブレーション信号の種類に応じた符号化・変調処理を行い、RF・IF部53に出力する。
【0068】
RF・IF部53は、キャリブレーション信号をベースバンド周波数から無線周波数に変換し、T/Rスイッチ52に出力する。T/Rスイッチ52は合成・分配部51から出力される信号を含むタイムスロットと、合成・分配部51へ出力する信号を含むタイムスロットと、で経路を切り替えることにより、合成・分配部51から出力される信号をRF・IF部56に出力し、RF・IF部53から出力される信号を合成・分配部51に送出する。
【0069】
合成・分配部51はケーブル88−nと接続されており、T/Rスイッチ52から出力されるキャリブレーション信号を各アンテナi部81−iのカプラ83−iに対して分配して送信する。
【0070】
カプラ83−iは、T/Rスイッチ84−iとアンテナ82−iとの間に設置される通信線と、ケーブル88−iと、を電気的に連結する。つまり、カプラ83−iにより、T/Rスイッチ84−iとアンテナ82−iとの間に設置される通信線を流れる信号はケーブル88−iにも流れることとなり、逆にケーブル88−iに流れる信号はT/Rスイッチ84−iとアンテナ82−iとの間に設置される通信線にも流れることとなる。このため、例えばT/Rスイッチ84−iからアンテナ82−iに流れる信号は、カプラ83−iによって取得され、ケーブル88−iに流されるので、合成・分配部51において取得することが可能となる。また、合成・分配部51からケーブル88−iに流される信号も、カプラ83−iによって取得され、T/Rスイッチ84−iとアンテナ82−iとの間に設置される通信線に流されるので、T/Rスイッチ84−iにおいて取得することが可能となる。
【0071】
このようにしてアンテナi部81−iに含まれるT/Rスイッチ84−iは、合成・分配部51により分配送信されるキャリブレーション信号を取得している。なお、該キャリブレーション信号は時分割複信方式の上り信号に使用されるタイムスロットに入るようにキャリブレーション部50において時間を調節して送信される。このためには、図示しないクロックを用いて各部の同期を取ることが望ましい。
【0072】
次に、下りのキャリブレーションウエイト算出処理に関わる部分について説明する。合成・分配部51は、各送信信号生成部71−iにおいて生成された上記各キャリブレーション信号を受信し、合成して得られるキャリブレーション信号をT/Rスイッチ52に対して出力する。このときの合成の結果得られるキャリブレーション信号C(t)は式(3)で表される。ただしθは各信号の位相である。
【数3】

【0073】
T/Rスイッチ52は、このように受信されたキャリブレーション信号をRF・IF部56に対して出力する。RF・IF部56は、入力されたキャリブレーション信号を、無線周波数からベースバンド周波数に変換する周波数変換処理を行う。そして受信部57に対して周波数変換処理された該キャリブレーション信号を出力する。
【0074】
受信部57は、検波部58と、第2キャリブレーションウエイト基礎量算出部59と、を含んで構成される。検波部58は、RF・IF部56から出力されるキャリブレーション信号の検波を行う。該検波においては、RF・IF部56から出力されるキャリブレーション信号にDFT処理を施すことにより元のキャリブレーション信号を取得する。
【0075】
また、この検波処理では、DFT処理を施すことにより、各送信信号生成部71−iで生成する互いに周波数が異なるトーン信号を、周波数ごとに分離する信号分離処理を行う。以下、この信号分離処理について説明する。
【0076】
信号分離処理は、各周波数成分の信号によるDFT処理により行う。具体的には、以下の式(4)で表される計算を行い、受信されるキャリブレーション信号C(t)から各周波数成分C(k)を抽出する。ただし、観測区間Kはx(i=1〜n)のうちの最大値以上の整数値である。また、k=fKT=K/xであるとする。
【数4】

【0077】
ここで、本実施の形態では、上述のように、xは整数であり、x(i=1〜n)のうち最も周期の長いものをxとすると、全てのxについてx=x×a(aは整数)と表され、かつ全てのxが互いに異なるようにしている。このため、式(4)の後段は式(5)のように変形できる。
【数5】

【0078】
すなわち、観測区間Kでn回のサンプリングを行った結果、n回目のサンプリング結果のコンスタレーションはちょうど0度となる。このため、iとmが等しくない限り、他の項はIQ平面上で全て打ち消し合う結果となる。換言すれば、iとmが等しい成分のみが残ることになる。これを式(6)で表す。
【数6】

【0079】
以上のような計算を行った結果として、検波部58は、式(7)のように、キャリブレーション信号の各周波数成分の位相及び振幅を得ることができる。すなわち、上記信号分離処理により、検波部58はキャリブレーション信号を周波数ごとに分離している。
【数7】

【0080】
このようにして、検波部58はアンテナi部81−iごとのキャリブレーション信号を取得している。ここで取得した各周波数成分は、既知のキャリブレーション信号であるが、基地局装置2内部での信号伝達の際に電力ロスや遅延を受けて、その振幅や位相が変化している。第2キャリブレーションウエイト基礎量算出部59は、この位相回転量及び振幅変化量に基づいて下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を算出している。そして、このようにして算出した下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、キャリブレーションウエイト算出部68に対して出力している。
【0081】
以上説明したようにすることにより、本実施の形態では、各アンテナi部81−iからそれぞれ周波数の異なる複数のトーン信号を同時に送信することにより、複数のアンテナi部81−iのそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出することができるので、アンテナ82−iの本数が多くなっても、キャリブレーションのために通信信号が送信できない時間が増加しないようにすることができる。
【0082】
また、最も周期の長いトーン信号の周期をサンプル周期として、受信信号に対して各トーン信号によるDFT処理を行うことによって、受信信号に含まれる各周波数成分を抽出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る基地局装置のシステム構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る基地局装置の機能ブロック及びハードウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る基地局装置の機能ブロック及びハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 移動体通信システム、2 基地局装置、3 移動局装置、4 通信ネットワーク、10 制御部、20 記憶部、30 ネットワークインターフェイス部、40 無線通信部、50 キャリブレーション部、51 合成・分配部、52,61,84,86 T/Rスイッチ、53,56,62,63 RF・IF部、54,64 送信部、55 送信信号生成部、57,65 受信部、58 検波部、59 第2キャリブレーションウエイト基礎量算出部、60 基地局送受信部、66 検波部、67 第1キャリブレーションウエイト基礎量算出部、68 キャリブレーションウエイト算出部、69 アンテナ対応部、70 アンテナウエイト乗算部、71 送信信号生成部、72 ウエイト算出部、80,88 ケーブル、81 アンテナi部、82 アンテナ、83 カプラ、85 パワーアンプ、87 ローノイズアンプ、90 バス、100 基地局装置本体部、101 アンテナ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリブレーション部と、送受信部と、該キャリブレーション部及び該送受信部とそれぞれ接続される複数のアンテナ部と、を含む通信装置において、
前記送受信部は、
互いに周期の異なる複数の試験信号を生成する試験信号生成手段と、
前記生成された複数の試験信号を、それぞれ前記各アンテナ部を介して送信する送信手段と、
を含み、
前記キャリブレーション部は、
前記各アンテナ部から送信される前記各試験信号が合成されてなる信号を受信信号として取得する受信手段と、
前記受信信号から、前記各試験信号を抽出する試験信号抽出手段と、
前記抽出した複数の試験信号の位相又は振幅の少なくとも一方について、前記試験信号間相互の相違量を取得する相違量取得手段と、
を含み、
前記送受信部は、
前記相違量取得手段により取得される相違量に基づいて、前記各アンテナ部のそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出するキャリブレーションウエイト算出手段と、
前記算出したキャリブレーションウエイトに基づいて、送信する通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を前記アンテナ部ごとに校正する校正手段と、
をさらに含む、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記試験信号生成手段は、生成する複数の試験信号のうち最も周期の長い試験信号の周期が、他の試験信号の周期の整数倍となるよう、該複数の試験信号を生成する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
送受信部と、該送受信部とそれぞれ接続される複数のアンテナ部と、を含む通信装置において送信される通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を校正するためのキャリブレーションを実行するキャリブレーション方法であって、
互いに周期の異なる複数の試験信号を生成する試験信号生成ステップと、
前記生成された複数の試験信号を、それぞれ前記各アンテナ部を介して送信する送信ステップと、
前記各アンテナ部から送信される前記各試験信号が合成されてなる信号を受信信号として取得する受信ステップと、
前記受信信号から、前記各試験信号を抽出する試験信号抽出ステップと、
前記抽出した複数の試験信号の位相又は振幅の少なくとも一方について、前記試験信号間相互の相違量を取得する相違量取得ステップと、
前記取得される相違量に基づいて、前記各アンテナ部のそれぞれに対応するキャリブレーションウエイトを算出するキャリブレーションウエイト算出ステップと、
前記算出したキャリブレーションウエイトに基づいて、送信する通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を前記アンテナ部ごとに校正する校正ステップと、
を含むことを特徴とするキャリブレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−279900(P2006−279900A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100219(P2005−100219)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】