通気装置
【課題】通気装置の製造コスト、快適な環境を形成するための能力、より大量の空気の効果的な分配、圧縮安定性、柔らかさおよび/またはエネルギー消費に関して効果的な代替ないし改良を提供する。
【解決手段】本発明の通気装置は、空調可能な対象(2)のための通気装置(20)であって、空調すべき対象(2)を通して空気を案内するための少なくとも1つの空気ガイド装置(22)を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の通気装置は、空調可能な対象(2)のための通気装置(20)であって、空調すべき対象(2)を通して空気を案内するための少なくとも1つの空気ガイド装置(22)を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、請求項1の前段部に記載の通気装置に関する。これは、例えば特に車両において、シート表面を通気し、あるいは肘掛けを温度調節するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1から、シート表面を通気するために、シートの表面にスペーサニットを配置し、それを通して空気を案内することが知られている。もちろんこの特殊テキスタイルは高価である。
【0003】
特許文献2からは、シートの発泡クッションをネップ状に形成することが知られている。しかしこれにより、クッションの形成が著しく高価なものになってしまう可能性がある。さらに、この種のネップは容易に圧縮可能であるので、空気循環を妨げることがある。
【0004】
多くの適用例により、その製造コスト、快適な環境を形成するための能力、より大量の空気の効果的な分配、圧縮安定性、柔らかさおよび/またはエネルギー消費に関して効果的な代替ないし改良の要請が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許公報19736951
【特許文献2】独国特許公報19527352C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらを背景として、本発明は上述した要請を満たすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明によれば、請求項1の特徴を有する技術的コンセプトが提案される。他の好ましい形態が、他の請求項および以下の説明から明らかにされる。
【0008】
以下、本発明の詳細を説明する。これらの形態は、本発明を理解できるようにするものであるが、例示としての特徴しか有さず、独立請求項によって定義される本発明の枠内で記載された個々の特徴または複数の特徴が捨てられ、変形され、あるいは補足されてもよいことはもちろんである。また、異なる実施形態を互いに組み合わせることが可能であることももちろんである。本発明のコンセプトが実質的に変換されていることが重要であり、1つの特徴が少なくとも部分的に満たされている場合には、それは、この特徴が完全に満たされていること、あるいは実質的に完全に満たされていることを含む。ここで「実質的に」というのは、特に変換が認識可能な程度において所望の利用を得ることを許すことを意味する。これは特に、該当する特徴が、少なくとも50%、90%、95%または99%満たされていることを意味することができる。最小量が記載されている場合には、この最小量よりも多く使用することができる。構成部品の数が、少なくとも1つと記載されている場合には、特に2、3あるいはその他の数の構成部品を有する実施形態も含んでいる。1つの対象について記載されていることは、他のすべての同種の対象のほとんどの部分または全体にも適用することができる。他の記載がない限りにおいて、インターバルはその端縁点も含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】空調される対象2としてのシートを有する車両1を一部縦断面で示す。
【図2】挿入可能なモジュールとして形成された通気装置20を、ジャケット装置224とその上に接着された、発泡材からなるスペースホルダ2252から形成されたフラットな空気ガイド装置22と共に一部正面で示す上面図である。
【図3】ジャケット装置224とそこから深絞りされたネップ形状の多数のスペースホルダ2252とを有する通気装置20の第2の実施形態を、開放して示す上面図である。
【図4】図3の通気装置20を縦断面で示す。
【図5】スペースホルダ支持体2253上に方形、円形、滴形、ネップ形または細長いスペースホルダ2252を有する離間装置225を示す斜視図である。
【図6】扁平化された頂上22521を有する箔からなる円錐状のスペースホルダ2252を拡大して示す。
【図7】繊維を含む材料からなるネップ形状のスペースホルダ2252の他の実施形態を示す。
【図8】ウエストを絞った形状を有するスペースホルダ2252の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】自由空間226とスペースホルダ2252とを有するフラットな離間装置225を備えた通気装置20の他の実施形態を、一部正面で示す斜視図である。
【図10】座るためのクッション5のB側の空気交換装置221とA側への空気通過通路2222とを有するシートの形状の空調対象2を斜視的な断面で示し、スペースホルダ支持体2253が同時に下方のジャケット部分2242として用いられる。
【図11】B側にスペースホルダ支持体を有するクッション5の縦断面を示し、スペースホルダ支持体2253がクッション5とスペースホルダ2252との間に配置されており、クッション5の泡の中の通路用の接続開口部を有し、A側の空気通過通路2222が、方向変換装置2225によって部分的に覆われている。
【図12】離間装置225内に統合されたベンチレータを有するシートクッション5を示す断面図である。
【図13】チェーン状に互いに入り組んだ中空の多数の通路セグメント228を有する空気移送装置21への接続装置222を有する空調されるクッション5を示す縦断面図である。
【図14】チューブから形成された多数の通路芯227を有する空調されるシートクッション5を示す横断面図である。
【図15】互いに並んで略平行に延びる多数の通路芯227を有する図14の座るためのクッション5を示す上面図である。
【図16】空気通過開口部2231と吹出しおよび吸込み駆動の組合せの表示と共に図15の通路芯227を示す横断面図である。
【図17】互いに相前後し、かつ互いに並べて配置された短いチューブ片を有する通路芯227からなる多数の通路セグメント228を有する通気装置20を示す斜視図である。
【図18】図17のチューブ片の列をチューブ片間の結合ウェブ222と共に拡大して示す斜視図である。
【図19】テキスタイルのスペースホルダ支持体2253によってその上側と下側を保持される、多数のセグメント化された通路芯227を有する通気装置20の一部を示す。
【図20】並べて配置された複数の、織物チューブの形状の通路芯227を示す斜視図である。
【図21】第1と第2のジャケット部分2241と2242および複数の通路芯227を形成するための、ここではテキスタイル材料からなる中間ウェブを有する通気装置20の断面を斜視断面で示す。
【図22】支持ウェブとそれによってもたらされる通路芯227を有する幾つかの通路セグメント228を示す斜視図である。
【図23】座るためのクッション5を示す斜視図であって、その空調すべき表面に通路セグメント228のチェーンによって空気が供給され、そのチェーンがB側からクッションの1つの側を回ってA側へ延び、A側において弛緩装置の弛緩溝54に対して横方向に延び、かつA側に空気分配装置221を有し、その空気分配装置が通路セグメント228のチェーンを覆い、かつ両側へ張り出している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照する。
【0011】
本発明は、特に車両内で使用するのに適している。これは特に、たとえば飛行機、レール車両、船舶または自動車のような、全ての陸上車両、水上車両、空中車両を示す。
【0012】
本発明は、さらに、その表面が少なくとも部分的に次のように、すなわち少なくとも所定の空調的パラメータ、例えば温度または空気湿度が少なくとも表面近傍において所望のインターバルで、あるいは所定の値に維持される、コンディショニングされるすべての対象内で使用するのに適している。従って「空調対象」とは、車両1のユーザーが客室内で特に接触する可能性のある、例えば車両のための操舵装置、ダッシュボード、肘掛け、ドア被覆、シートカバー、膝掛け、車両天井、クッション5、被覆6またはシート等の全ての構成部品である。
【0013】
少なくとも1つの車両は、たとえばシートなど、少なくとも1つの空調対象2を有していることが好ましい。これにより、比較的長い走行においても、乗客の温度調節と空調を行うことができる。
【0014】
少なくとも1つの空調対象2は、たとえば発泡されたポリウレタンからなるブロックのような、少なくとも1つのクッション5を有していることが好ましい。
【0015】
少なくとも1つのクッション5が、たとえば発泡されたポリウレタン内の細長いパイプ形状の切欠きのような、少なくとも1つの通気凹部51を有していることが好ましい。
【0016】
少なくとも1つの空調対象2は、少なくとも1つの被覆6を有していることが好ましい。これは、たとえば皮革被覆またはテキスタイル被覆あるいは泡クッションの外皮のような、クッションを覆う各種の表面を意味する。
【0017】
少なくとも1つの空調対象2は、少なくとも1つの空調装置10を有していることが好ましい。これは、例えば車両1の客室内のユーザーが接触する面の温度調節/空調のような、空調すべきゾーン内の温度、湿度および/または空気移動を調整するために用いられる全ての装置を意味する。
【0018】
少なくとも1つの空調装置10が少なくとも部分的に空調対象2の内部に配置されている場合には、空調対象2内の確実な空気ガイドが保証される。少なくとも1つの空調装置10が少なくとも部分的に空調対象2の外部に配置されている場合には、空調対象2の周囲との最適な空気の交換を可能にする。
【0019】
少なくとも1つの空調対象2が、少なくとも1つの通気装置20を有していることが好ましい。これは、例えば車両空調設備、少なくとも部分的に空気を透過するスペーサ媒体、スペーサニットおよび/または空調挿入片のような、空気交換のために所定の面領域または空間領域内で空気組成または空気流を所望に変化させるために利用することができる、各装置である。その数は、たとえば空調対象2につき、あるいは空調すべき面につき1つの通気装置20が設けられるように、選択することができる。
【0020】
少なくとも1つの通気装置20は、少なくとも部分的に、テキスタイル技術的に形成される材料から形成されていることが好ましい。これは、テキスタイル形成方法または処理方法を利用しながら糸、繊維、フィラメントのような実質的に線形の縦に延びた多数の形成物が実質的に平面的な形成物に加工され、かつ/またはそのようにまとめられる、すべての材料を意味する。方法としては、特に織る、編む、組むあるいは結ぶことが考えられる。これにより、軽量で空気を透過し、かつ圧縮と引っ張りに対して安定した構造が得られる。
【0021】
少なくとも1つの通気装置20が、少なくとも1つの空気移送装置21を有していることが好ましい。この装置は、空気を空調される対象2から、かつ/またはその対象内へ移動させるのに適した装置であって、特に、例えばアキシャルベンチレータまたはラジアルベンチレータのような流れ機械である。この装置の数は、例えば各空調対象2について、または各空調すべき面について1つの空気移送装置21が設けられるように選択することができる。
【0022】
少なくとも1つの空気移送装置21が少なくとも部分的に空調対象2の内部に配置されている場合には、偏心した構成ユニットを形成することができる。少なくとも1つの空気移送装置21は、空調対象2の凹部内に配置されていることが好ましい。
【0023】
少なくとも1つの空気移送装置21が、少なくとも部分的に空調対象2の外部に配置されている場合には、すでに存在している車両空調設備を利用することや、例えばトランクルームまたは足下空間のような車両1の比較的冷たい領域から空気を取り出すことが可能である。少なくとも1つの空気移送装置21が、少なくとも部分的に空気ガイド装置22ないし空気交換装置221の内部に配置されている場合には、例えばラジアルベンチレータを用いて、高い圧力発生を有するコンパクトなモジュールを実現することができる。
【0024】
その場合、少なくとも1つの空気移送装置21および/または少なくとも1つの空気交換装置221は、空調すべき表面から距離をおいて、例えば車両シートのユーザーとは逆の側B側に配置され、少なくとも1つの空気通過通路2222を介してA側の車両シートのユーザーに向いた側と接続されることが好ましい。
【0025】
少なくとも1つの空気移送装置21は、少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221と、アダプタを介して、例えばクリップ結合または係止結合を介して、取り外し可能に接続されていることが好ましい。
【0026】
少なくとも1つの空気移送装置21が、直接または間接的に、少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221に対し、材料結合、例えば接着、溶接、超音波溶接または加硫によって固定されていることが好ましい。空気移送装置21のハウジングは、離間装置に接着され、溶接され、ねじ止めされ、あるいはリベット止めされることが好ましい。空気移送装置21が、空気を空調すべき対象100’内へ吹き込むと好ましい。しかしながら、吸込み駆動においては、同装置がそこから空気を吸い出すこともできる。吸込み駆動の場合のために、空気移送装置21は、離間装置ないし空気ガイド装置22の、クッション5と突出部ないしスペースホルダ2252とは逆の側に配置されていることが好ましい。
【0027】
吹込み駆動のために定められたシステムは、好ましくは離間装置225ないし空気ガイド装置22の突出部ないしスペースホルダ2252およびクッション5と同じ側に、空気移送装置21を有している。切欠きによってベンチレータのためのスペースを形成するために、スペースホルダ2252および/または離間装置が全部または部分的に除去されている領域が設けられていると好ましい。その場合に、ベンチレータはラジアルベンチレータであって、その吹出し方向が空気ガイド装置22の延び方向に少なくとも実質的に一致し、かつその吹出し開口部が少なくとも部分的にシート内の空気ガイド装置22と同じ高さ水準にあると好ましい。
【0028】
空気移送装置21のハウジングと離間装置の間の添接面は、少なくとも共通の通過開口部にそれを一周するように接続されており、かつ少なくとも離間装置のスペースホルダ2252の幅の幅を有することが好ましい。このようにして、例えばネッププレートにおける空気損失が回避される。
【0029】
少なくとも1つの通気装置20が、少なくとも1つの空気ガイド装置22を有することが好ましい。これにより、少なくとも1つの空気移送装置21から少なくとも1つの空気交換装置221へ、あるいは逆方向に空気を案内することができる。
【0030】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、好ましくは、空調対象2あるいはクッション5の少なくとも1つの切欠き内に配置されている。少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも部分的に、そのガイド装置がクッション5のユーザーへ向いたA側に、例えばプラスチックフレームからなるセグメント化されたシャフトの形状の弛緩溝54のための弛緩装置を画成し、かつ被覆6へ向かってスペーサニットによって覆われるように配置されることが好ましい。
【0031】
少なくとも1つの通気装置20または少なくとも1つの空気ガイド装置22は、例えば少なくとも1つの空気移送装置21を少なくとも1つの空気交換装置221と接続するため、あるいは空気を透過するように少なくとも1つの空気移送装置21を空調する対象の周囲と接続するために、少なくとも1つの空気交換装置221を有していることが好ましい。これにより、空気ガイド装置22ないし通気装置20と空調する対象の空調すべき表面との間で空気を交換することができる。その数は、空調すべき各表面あたり、空気交換装置221が1つである。
【0032】
少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも部分的に、好ましくは空調すべき表面の大きさのフラットな構成部品を形成するように成形されていることが好ましい。少なくとも1つの空気交換装置221は、最大でクッション厚みの30%となる厚みを有することが好ましい。この値は、好ましくは5mmと20mmの間、好ましくは10mmと15mmの間の領域内にある。これにより、クッション作用を損なうことなく、クッション内へ統合することができるようになる。
【0033】
少なくとも1つの空気交換装置221が、少なくとも部分的に、空調すべき対象の空調すべき表面の近傍、例えばクッション5と空調すべき表面との間、好ましくはシート発泡クッション5とシート被覆6の間や、例えばシートのユーザーへ向いた側A側の被覆6の下方に配置されていることが好ましい。これにより、均一な接触面除湿がもたらされる。
【0034】
少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも部分的に、空調すべき表面において空気交換装置221の存在が知覚されないように配置されることが好ましい。少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも部分的に、好ましくは空気交換装置221を車両シートのユーザーとは逆のB側に配置することによって、空調すべき表面から隔てられている。この場合において、空気交換装置221は、クッション5の泡を貫通する1本または複数本の通過通路2222によってユーザーへ向いた、空調すべき表面A側と接続されている。これによって、空気交換装置221のために比較的堅い材料を使用することができる。
【0035】
少なくとも1つの空気交換装置221は、空調すべき表面に対して実質的に平行に延びていることが好ましい。少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも1つの空調対象2の通気凹部51内に挿入され、あるいは空調対象2内に発泡形成されていると好ましい。
【0036】
少なくとも1つの通気装置20または少なくとも1つの空気ガイド装置22あるいは少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも1つの空気分配層2221を有していることが好ましい。これは、その平面に沿って少なくとも1つの方向に、好ましくは少なくとも2つの方向に空気を透過するフラットな構成部品を意味する。これにより、空気移送装置21から空気ガイド装置22内へ供給された空気を空調すべき表面に効果的に分配し、あるいはこの空調すべきこの表面にある空気を吸い出して空気ガイド装置22を介して空気移送装置21内へ供給することができる。
【0037】
少なくとも1つの通気装置20は、少なくとも1つの空気通過通路2222を有していることが好ましい。これによって、例えば空気交換装置221から空調すべき表面または空気移送装置21へ、あるいは逆の方向に空気を移送することができる。少なくとも1つの空気通過通路2222が、少なくとも部分的にクッション5内に発泡形成され、クッション5内に残された通気凹部51内へ挿入され、あるいはクッション5内のこの種の通気凹部51によって形成されている場合には、簡単な取り付けと、確実な固定とが得られる。少なくとも1つの空気通過通路2222は、少なくとも部分的に、クッション5のユーザーとは逆のB側に沿って、あるいはクッション5の側面に沿って、かつ/またはクッション5のユーザーへ向いたA側に沿って配置され、好ましくはクッション5内の通気凹部51内に埋め込まれていると好ましい。これにより、クッション5の安定性または取付けを損なうことなしに、空調すべき表面へ簡単に空気を移送することができる。少なくとも1つの空気通過通路2222が、少なくとも部分的に、クッション5のユーザーへ向いたA側において空気交換装置221、例えばスペーサニットの下方に配置されている場合には、簡単な取付けと同時に効果的な空気分配が得られる。
【0038】
少なくとも1つの空気通過通路2222は、少なくとも部分的に、そのA側において空気を透過し、そのB側においては好ましくは空気をほとんど、あるいは全く透過しないことが好ましい。空気交換装置221上、あるいはその中に、フリースからなる層および/または平面的な加熱装置31、たとえばテキスタイルの面加熱素子が、空気通過通路2222にわたって配置されていることが好ましい。好ましくは少なくとも1つの空気通過通路2222が、その一方の端部において空気移送装置21に接続されている。空気移送装置21が空調すべき対象2から隔たっている場合には、空気通過通路2222は好ましくは少なくとも部分的に気密に、あるいは気密に被覆されている。
【0039】
少なくとも1つの通路芯227、少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221は、例えば皮革被覆内の孔あるいはテキスタイルの表面材料内の穴またはメッシュの形式の、少なくとも1つの空気通過開口部2231を有していることが好ましい。これにより、空気交換装置221の内部を空調すべき表面の周囲と空気を透過するように接続することができる。空気通過開口部2231の数と位置は、空調すべき表面全体にわたって均一な空気交換が行われるように選択されると好ましい。空気通過開口部2231の数は、好ましくは、空気交換装置221および/または通路芯227内の空気の流れ方向に関して相前後して2〜40、好ましくは3〜15の範囲内にある。これは、好ましくは、空気交換装置221および/または通路芯227の内の空気の流れ方向に関して互いに並べて、2〜20、好ましくは2〜15の範囲内にある。
【0040】
少なくとも1つの空気交換装置221が、少なくとも1つの方向変換装置2225を有することが好ましい。これは、例えば箔のような、好ましくはフラットな空気を阻止する構成部品である。これによって、特にA側において吹き出す空調装置10において、空気通過通路26を貫流する空気を方向変換させて、面内に良好に分配することができる。その数は、空気通過通路2222の数に相当するように選択されると好ましい。少なくとも11の方向変換装置2225が、少なくとも部分的に空気の流れ方向に整合し、かつ少なくとも1つの空気通過通路2222に対して横方向に配置されるように配置されている。
【0041】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、たとえばクッション5の泡内のチューブまたは通路のような、少なくとも1つの接続装置222を有することが好ましい。
【0042】
少なくとも1つの空気ガイド装置22が、空気交換装置221に加えて少なくとも1つの周囲接続223を有し、これを介して空気移送装置21が周囲への他の接続を有することが好ましい。少なくとも1つの周囲接続223は、好ましくは少なくとも部分的に、空気ガイド装置22による空気の流れ方向に対して、空気移送装置21の、空気交換装置221とは異なる側に位置するように配置されている。
【0043】
少なくとも1つの空気ガイド装置22、ジャケット装置224および/または空気交換装置221は、周囲と空気を交換するために、少なくとも1つの空気通過開口部2231を有していることが好ましい。その数および/またはその大きさは、空気移送装置21から離れた領域内でも十分な大きさの空気交換を得るために、空気移送装置21からの距離が増大するにつれて増大するように選択されていると好ましい。
【0044】
少なくとも1つの空気ガイド装置22が、少なくとも1つのジャケット装置224を有することが好ましい。これは、例えば発泡通路、箔またはチューブのような、空気ガイド装置22内で案内される空気が、望ましくない箇所で空気ガイド装置22から流出することを阻止するような各種装置を意味する。少なくとも1つのジャケット装置224、少なくとも1つの第1のジャケット部分2241および/または第2のジャケット部分2242は、少なくとも部分的に、テキスタイルの平面的な材料、例えば織物、空気を透過しない、例えばPET、PA、PPまたはPUからなる箔、好ましくは空気を透過しない、ポリウレタンからなる泡、テキスタイル材料を有する空気を阻止する層、あるいはポリアクリル、PAあるいはハードPVCのような硬質プラスチックから形成されていると好ましい。少なくとも1つのジャケット装置224は、少なくとも部分的に、ジャケット装置224の内側へ向いた滑らかな表面を有していると好ましい。これにより摩擦の少ない空気の移送が可能となる。
【0045】
少なくとも1つのジャケット装置224は、例えばカバー箔またはクッション泡のような、少なくとも1つの第1のジャケット部分2241を有していることが好ましい。
【0046】
少なくとも1つのジャケット装置224は、例えば空気ガイド層2251の上方のカバー層、シートの泡クッション5またはしっかりとしたプロフィールのような、少なくとも1つの第2のジャケット部分2242を有していることが好ましい。少なくとも1つの第1のジャケット部分2241は、少なくとも部分的に、第2のジャケット部分2242とは異なる空気透過性を有していると好ましい。例えば、被覆6へ向いたジャケット部分は空気流出を許すが、被覆6とは逆の側は空気損失を阻止する。少なくとも1つの第1のジャケット部分2241および少なくとも1つの第2のジャケット部分2242は、互いに対してシールされて結合されており、例えば接着および/または溶接されていると好ましい。これにより、少なくとも局所的に、空気ガイド装置22をメイン流れ方向に貫流する空気流の横断面周面に沿って実質的に完全な被覆が得られる。
【0047】
少なくとも1つのジャケット装置224が、例えばシールリップと細長い突出部との間の溶接継目または間隙シールのような、少なくとも1つのシール装置2243を有することが好ましい。これによって、空気が空気ガイド装置22から望まれずに側方へ逃げることを防止するために、少なくとも2つのジャケット部分を互いに対してシールすることができる。
【0048】
少なくとも1つのシール装置2243は、離間装置225および/またはそのスペースホルダ2252と同じ高さかそれより高い高さを有していることが好ましい。これによって、まとめて組み立てる際に、最小圧接力がシール装置2243を離間装置225へ圧接し、かつ外側へ向かってシールすることになる。
【0049】
少なくとも1つのシール装置2243は、少なくとも部分的にクッション5に配置されていることが好ましく、クッションと材料結合で結合されていることが好ましい。シール装置2243の少なくとも一部は、例えば発泡成形の際に同時に形成するか後から刻印または穿設することによってクッション5から一体的に形成され、かつその統合された構成部分であることが好ましい。
【0050】
少なくとも1つのシール装置2243は、少なくとも1つのシールリップ22432を有すると好ましい。これは、好ましくは少なくとも部分的に、細長い突出部によって形成されて、少なくとも部分的に空気ガイド装置22ないし通気凹部51の少なくとも1つの端縁領域に配置されている。シールリップ22432とクッション5の残りの領域との間に、離間装置225の1つまたは複数のスペースホルダ2252を収容するために、少なくとも1つの他のシール凹部22431が設けられていると好ましい。
【0051】
少なくとも1つのシールリップ22432および/または少なくとも1つのシール凹部22431は、少なくとも一部において、空気ガイド装置22ないし通気凹部51の回りを廻って配置されていることが好ましい。シールリップ22432および/またはシール凹部22431は、クッション5内の通気凹部51の端縁の少なくとも60%を包囲していると好ましい。
【0052】
少なくとも1つのシールリップ22432が、少なくとも部分的に離間装置225内へ、好ましくは少なくとも2つのスペースホルダ2252の間の間隙内へ突出するように配置されている場合には、取付けの簡単なシールが得られる。離間装置225ないし空気ガイド装置22は通気凹部51内に、外側のスペースホルダ2252がシール凹部22431内に位置し、かつ離間装置225の残りのスペースホルダ2252からシールリップ22432によって分離され、かつシールされるように挿入されていると好ましい。少なくとも1つのシールリップ22432は、高いシール作用を得るために、スペースホルダ2252間の間隔と等しい大きさか、それよりわずかに小さい幅を有すると好ましい。
【0053】
少なくとも1つの通気装置20、空気ガイド装置22、接続装置222または空気交換装置221は、少なくとも1つの離間装置225、例えばスペーサニット、多数のネップ、チューブまたはチェーンリンク、を有すると好ましい。これによって、通気装置20が機械的な負荷を受けて圧縮された場合でも、通気装置20の少なくとも一部を空気が透過できるように維持することが可能となる。
【0054】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、ネット化された繊維ストリング材料またはプレスストリング材料から形成されていることが好ましい。この離間装置225は、ネップ状のプレートの形状を有すると好ましい。その場合にネップとその頂上は、十分な接着面と圧縮剛性を得るために、扁平化されて、特にこの領域内でネット材料の3本以上の繊維/フィラメント/ストリングが互いに結合されている。少なくとも繊維または糸の結合箇所において、特に材料による結合によって、特に溶融、接着などによって、互いに対する相対的な変位が防止されていると好ましい。ネット化された材料は、形成する際に突出部によってプロフィール化された面上に配置され、それをもたらす材料は、ネット状または穴状にプロフィール化された面またはプレートに相当すると好ましい。
【0055】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、平面的なプラスチック材料、例えばポリエチレン箔から形成されることが好ましい。これにより、例えばB側の圧縮に強い空気ガイド装置を形成することができる。
【0056】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、ジャケット装置224に固定されていることが好ましい。離間装置225は、少なくとも部分的に、クッション5の通気凹部51内に配置されていると好ましい。
【0057】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的にクッション5のユーザーとは逆のB側に、かつ/またはA側の表面ないしユーザーから少なくとも30mm離れて配置されていることが好ましい。離間装置225は、クッションの十分な柔らかさを得るために、完全にクッション5−B側に配置されると好ましい。
【0058】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、例えばスペーサニットまたはチューブの場合にはジャケット装置224内に挿入することにより、接合部分が小さい場合には2つのコンポーネントを接着するか一片から箔を深しぼりすることによってそれを同時に形成し、または発泡形成された支持体内にネップを発泡形成することによって、ジャケット装置224に配置されていることが好ましい。
【0059】
少なくとも1つの離間装置225は、通気装置20ないし空気ガイド装置22の屈曲に追従することができるように、少なくとも部分的にフレキシブルであることが好ましい。少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に弾性的であるが、シート快適性を損なわないためにわずかしか圧縮できないことが好ましい。少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、通常の駆動負荷によってその厚み/高さにおいて最大で70%、好ましくは最大で50%、好ましくは30%より少なく減少可能である。
【0060】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、空気ガイド装置22の流れ方向において、横方向におけるよりも良好に空気を案内することが好ましい。好ましくはそのために、メイン流れ方向に沿ったスペースホルダ2252の間隔は、少なくとも1つの領域において、メイン流れ方向に対して横方向におけるよりも小さい。メイン流れ方向に沿ったスペースホルダ2252の間隔は、1と40mmの間、好ましくは5と25mmの間、好ましくは8と15mmの間である。メイン流れ方向に対して横方向の間隔は、2と40mmの間、好ましくは8と25mmの間、好ましくは10と16mmの間にある。
【0061】
しかし、離間装置225の空気透過性は、空気ガイド装置22の平面の2つあるいはすべての方向において、等しく良好に案内するようにすることができる。従ってその流れ抵抗は、実質的に方向に依存しない。十分な空気透過性のためには、流れ方向に対して横方向に少なくとも45%の空気の通る横断面積が存在すると、効果的である。
【0062】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも1つの空気ガイド層2251を有することが好ましい。ここで「層」とは、つながり合った面形成物だけでなく、実質的に互いに対して同一の平面内に配置されている限りにおいて、複数の個別の形成物の配置も意味し、例えば、通気装置20が機械的な負荷を受けた場合でも2つの領域間の間隙を空気が通るように維持するために、ジャケット装置224の少なくとも2つの領域を離間させる1つのスペーサ層、あるいは並べて配置された多数の通路である。これにより、1つまたは複数の空気入口121から1つまたは複数の空気出口123へ、空気を案内することができる。
【0063】
少なくとも1つの空気ガイド層2251は、ユーザーにより空気通過通路26が封鎖されることを回避するために、少なくとも部分的にクッション5のA側に設けられていることが好ましい。少なくとも1つの空気ガイド層2251は、少なくとも部分的に、5と50mmの間、好ましくは8と15mmの間の層厚で形成されることが好ましい。その場合に使用される面材料または繊維材料の材料厚は、2mmより小さく、好ましくは1mmより小さく、あるいは0.5mmより小さい。
【0064】
少なくとも1つの離間装置225が、少なくとも1つのスペースホルダ2252を有していることが好ましい。これは、通気装置20、特に空気ガイド装置22の空気が貫流する自由空間226を支持するために用いられる各種構成部品である。それは例えば発泡材からなる押出しプレス部品または平面的なブロック、例えばスペーサニットからなる打抜き部品、例えば発泡材からなる円錐状の鋳造部品、あるいは深絞りされた成形部品、例えば箔からなるネップとすることができる。これによって、空気交換装置221および/または空気ガイド装置22を空調すべき表面に対して平行に平面的に配置し、同時にそれに対して垂直に向けられた力をその下にあるコンポーネント、例えばクッションへ伝えることができる。
【0065】
スペースホルダ2252の数は、均一な平面的な支持と良好な空気透過性が得られるように選択されることが好ましい。これは、空気ガイド装置22に沿って任意に選択された70mmの延び範囲内で、少なくとも20%、さらに良いのは40%が支持され、かつ少なくとも40%、さらに良いのは60%が空気透過性であることを意味している。
【0066】
スペースホルダ2252の少なくとも一部が、1列または複数列で互いに対して整合し、かつ好ましくは空気流れ方向に沿って互いに並んで空気案内層124内に配置されている場合には、わずかな流れ抵抗において良好な支持が得られる。
【0067】
スペースホルダ2252の少なくとも一部が間隙なく互いに並べて配置されている場合には、この複合体が有するのと比較し得る大きさを有する一体的なスペースホルダよりも柔軟性が増大する。その場合に、スペースホルダ2252の少なくとも一部が、異なる種類の材料、たとえば他の基礎材料または他のテクスチャーから形成されて、好ましくは互いに交互に配置されているのであれば、例えば発泡ゾーンとスペーサニットからなるスペーサ層について高い機能性を備えた安価な面形成物を形成することができる。
【0068】
少なくとも1つのスペースホルダ2252が、円錐状、円形、キノコの傘状および/または房状の輪郭と、たとえば細長い、円筒状、環状または方形、円形および/またはジグザグ形状の底面とを備えた、好ましくはネップ状の突出部を有する場合にが、これを良好な安定性において簡単に形成することができる。
【0069】
少なくとも1つのスペースホルダ2252が、3から40mm、好ましくは5から25mm、好ましくは10から18mmの領域内の高さを有する場合には、わずかな組込み空間において流れ抵抗がわずかになる。
【0070】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、少なくとも部分的に弾性的、柔軟、柔らかい、弾性変位する、および/または支持する材料、例えばゴム、シリコン、天然ゴム、硬質泡、発泡ゴム、セルロース、テキスタイル、紙などから形成されていることが好ましい。これによりスペースホルダには、空気ガイド装置22を自由にしておくための高いクッション作用と十分な復帰力とが与えられる。
【0071】
少なくとも1つのスペースホルダ2252が、少なくとも部分的に編み目構造の泡から形成されて空気を透過する表面を有する場合には、空気ガイド装置22の透過性を改良することができる。
【0072】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253と材料結合で結合されており、特にその上に接着され、あるいは、たとえば深絞りによって、それと一体的に形成されていることが好ましい。これにより、製造の際の簡単な取扱いと安価な形成が得られる。
【0073】
突出部および/またはネップとして形成されたスペースホルダの間の間隔は、その本来のベース幅および/またはその頂上プラトーの幅の0.5倍から3倍であると好ましく、より好ましくは約1から2倍である。離間装置225の底面の1/3から1/10を突出部が覆っていると効果的だろう。突出部の割合は、離間装置225の底面の1/8から1/2であると好ましい。
【0074】
少なくとも1つの離間装置225には、少なくとも部分的に、平面的なスペースホルダ支持体2253とそれに配置されたスペースホルダ2252が設けられていることが好ましい。スペースホルダ2252は、好ましくは少なくとも部分的にスペースホルダ支持体2253の材料から好ましくは湾入、折込みあるいは刻印によって形成されており、従って好ましくは中空である。
【0075】
少なくとも1つのスペースホルダ2252(図8)は、第1と第2のジャケット部分2241と2242から離れた、少なくとも1つの中央領域を有していることが好ましい。さらにスペースホルダは、ジャケット部分2241、2242に配置された負荷分配ゾーンを有していると好ましい。これは、離間装置225に沿って少なくとも1つの方向において、中央領域よりも幅広である。負荷分配ゾーンの横断面積は、中央領域のそれよりも少なくとも10%大きく、好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは50%だけ大きい。
【0076】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、たとえば扁平化または面取りの形式の、少なくとも1つの頂上プラトー22521(図7+8)を有していると好ましい。これにより、良好に力を伝えることができ、固定面積を増大することができる。少なくとも1つのスペースホルダ2252は、突出部の側壁から頂上プラトー22521へ移行する面取りされ、あるいは角丸にされた移行部を有していると好ましい。
【0077】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、少なくとも1つの負荷分配ゾーン22522を有していることが好ましい。これによって、周囲の領域の負荷をスペースホルダ2252へ良好に再分配することができる。
【0078】
少なくとも1つの離間装置225が、少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253を有していることが好ましい。これにより、スペースホルダ2252を簡単に同時取付けすることができる。好ましくはその数は、各空気ガイド装置22あたりそれぞれ1つのスペースホルダ支持体2253が設けられるように選択される。しかしまた、少なくとも1つの空気交換装置221あるいは少なくとも1つの空調すべき表面のために、それぞれ専用のスペースホルダ支持体2253を設けることもできる。
【0079】
空気交換装置221も接続装置222も離間装置225を有している場合には、この離間装置225の形成を簡略化するために、一体的および/または同じ材料から、好ましくは同じ構造で形成することができる。
【0080】
しかしまた、空気交換装置221と接続装置222の異なる特性を実現するために、離間装置が異なる種類の離間装置225であってもよい。例えば、空気交換装置221の離間装置225は、圧縮安定のプラスチック箔から形成することができる。また、接続装置222の離間装置225は、フレキシブルなあるいは屈曲した接続装置222を可能にするために、スペーサニットから、あるいは連続した通路セグメントから形成することができる。
【0081】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253は、少なくとも部分的に、つながり合った面形成物を形成するように成形されていることが好ましい。この形状は、少なくとも部分的に、少なくとも実質的に箔、テキスタイルおよび/またはポリマー発泡層に相当することが好ましい。少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253は、空調すべき表面または離間装置225の底面よりも幾分小さい面積を有していることが好ましい。スペースホルダ支持体は、前側および/または後ろ側にスペースホルダ2252を搭載することができる。
【0082】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的に、例えばその表面において、熱的に活性化可能な接着剤から形成されている場合には、スペースホルダ2252をスペースホルダ支持体2253に極めて簡単に固定することができる。
【0083】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的に堅く、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンまたは同様な材料からなる場合には、この種の配置を車両シートのB側において、垂直の通過通路2222を有するクッション5の下方に配置することができる。
【0084】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的にジャケット装置224に沿って延びるように配置されている場合には、低い流れ抵抗が得られる。少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が少なくとも部分的に泡クッション5とそれによって支持されるスペースホルダ2252との間に延びるように配置されている場合、スペースホルダ支持体は、クッション泡がスペースホルダ間へ進入することを阻止すると同時にクッションへの吹込み短管または吹出し開口部の支持体として用いることができる。
【0085】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、それによって支持されるスペースホルダ2252が少なくとも部分的に泡クッション5とスペースホルダ支持体2253との間に位置決めされるように、少なくとも部分的に配置されている場合、スペースホルダ支持体は、クッション5の泡内の通気凹部51を少なくとも部分的に同時に閉鎖することができる。
【0086】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的に、例えば深絞りされたポリマー材料からなるネップ箔として、ジャケット装置224の一部から形成されている場合(図11−13)には、材料を節約することが可能となる。
【0087】
ジャケット装置224および/または離間装置225(例えばネップ箔)は、少なくとも部分的に弾性的な材料、例えばゴム、シリコンまたは天然ゴムから形成することもできる。この種の離間装置225は、例えばA側に、好ましくは空調すべき表面の被覆6のすぐ下に配置することができる。少なくとも1つのこの種の離間装置225に、少なくとも1つのカバー装置が設けられている(図4+5)と好ましい。カバー装置は、例えばフリースとすることができ、それが離間装置225(たとえばネップ箔)の端縁に、および/またはスペースホルダの少なくとも多くのものに(ネップ頂上)固定されている。固定は、好ましくは接着剤、超音波溶接または加硫によって行うことができる。
【0088】
カバー装置は、第2の離間装置225(例えばネップ箔)とすることもできる。これは、第1の離間装置225に好ましくは鏡に映したように配置され、かつ/または固定されているので、スペースホルダ2252の頂上22521が互いに重なる。この種の配置によって、形成が簡単であるとともに圧縮安定の空気ガイド装置22が得られる。カバー装置は、少なくとも部分的に第1の離間装置225と同じ材料から形成することができる。しかしながらこれは、少なくとも部分的に、他の材料から形成することもできる。これによって、例えば、ソフトかつ/または引っ張り安定のカバー装置(たとえばフリース)を圧縮安定の離間装置(たとえばネップ箔)と組み合わせることが可能となる。
【0089】
特別な実施形態において、第1と第2のジャケット部分2241+2242(例えばネップ箔からなる)は、そのカバー装置と共に、例えば液状のポリマー鋳造材料および/またはエラストマー鋳造材料によるダイカストプロセスによって、1つの片から形成することもできる。カバー装置は、好ましくは全てのスペースホルダ2252の少なくとも70%において、例えば接着によって、そのスペースホルダにずれないように固定されている。それによって空気ガイド装置22へ圧力負荷がかかった場合に、クッション材料および/またはカバー装置の材料がスペースホルダ2252間へ許されないほど深く挟み込まれることが防止される。同じ保護作用は、スペースホルダ2252の頂上が互いに接するくらい接近するほど、離間装置225が屈曲された場合にも生じる。
【0090】
少なくとも1つの離間装置225と少なくとも1つのカバー装置は、そのスペースホルダ2252の少なくとも一部において互いに接するように固定されていないので、カバー装置は、少なくともネップ頂上の一部においてそれぞれのスペースホルダ2252の頂上に対して移動することができることが好ましい。これは、空気ガイド装置22が、スペースホルダ2252の頂上が互いに離れるほど湾曲される場合に効果的である。
【0091】
少なくとも1つの空気ガイド層2251は、空気ガイド層2251によってスペースホルダ2252間および/またはそれを通して空気を案内することができるようにするために、少なくとも1つの自由空間226を有していることが好ましい。
【0092】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも1つの通路芯227を有することが好ましい。これは、空気の流れ方向に透過性の芯中空室2271と、中空室を少なくとも部分的に空気の流れに沿って制限する芯壁2272と、を有する、好ましくは細長い構成部品または構成部品部分である。この種の通路芯227の長手軸は、空気流の方向に配置されたチューブ状またはシャフト状の部分であってよい。これによって、空気をできるだけ損失なしで所望に案内し、同時に通気装置20の圧力安定性をできるかぎり得ることができる。
【0093】
少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221の少なくとも2つの通路芯227が、大面積の空気交換を可能にするために、例えばクッション5と空調すべき表面との間の空気交換装置221内で、1つの平面内に並べて配置されていることが好ましい。その数は、空気ガイド装置22内で好ましくは2〜40、より好ましくは2〜10の範囲内である。多数の短い通路芯227が、メイン空気流に対して互いに並べて、かつ他の多数の短い通路芯227または通路芯部分の後方に配置されていると好ましい(図17)。この種の実施形態では、ローカルな圧力負荷によって多くのゾーンが著しく圧縮された場合でも、縦および横方向において空気を良好に分配することができる。
【0094】
少なくとも2つの通路芯227は、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に互いに並べて、空気交換装置221および/または空気ガイド装置22の接続装置222内に、好ましくは少なくとも部分的に互いに対して平行に配置されていると好ましい。少なくとも2つの通路芯227は、少なくとも部分的に、空気ガイド装置22を通る空気の流れと実質的に同じ方向に方向付けされていると好ましい。少なくとも2つの通路芯227は、少なくとも部分的に、実質的に、空気ガイド装置22および/または空気交換装置221および/または空調すべき表面の延び方向に対して略平行に配置された平面内に配置されていると好ましい。
【0095】
少なくとも2つの互いに隣接して配置された通路芯227が、少なくとも部分的に、その壁の互いに向き合った部分も少なくとも部分的にそれぞれ他の通路芯227から隔たっているように(例えばその間に位置する泡からなるウェブによって)配置されている場合には、通路内の支持壁の数の多さによって良好な支持が得られる。その場合に好ましくは少なくとも2つの通路芯227が、少なくとも部分的に、例えば鋳造形成された結合ウェブ(図18)による材料結合で互いに結合されている。これにより組立ての簡略化が可能になる。
【0096】
少なくとも2つの互いに隣接して配置された通路芯227が、少なくとも部分的に共通の壁を有する場合(図21+22)には、空気通路内の支持構造の横断面がわずかしか覆われていないことにより、高い空気透過性が得られる。少なくとも1つの空気ガイド装置22が、マット状の、大部分中空の構成部品として形成されることが好ましく、それにおいて、第1のジャケット部分2241とそれに対して略平行に配置された第2のジャケット部分2242の間に、少なくとも2つの通路芯227を形成するために、空気流れ方向に沿って多数の支持ウェブが配置されている。
【0097】
少なくとも1つの通路芯227および/またはその芯中空室2271が、少なくとも部分的に横断面において実質的に円形または方形であることが好ましい。その内径は、5から12mmの範囲内にあると好ましい。矩形の芯は約8mm高さの内部中空室を有する。通路芯227のための外径は8〜15mmの領域内にある。矩形の通路芯227の中空室の外側高さは、8〜15mmの範囲内にある。
【0098】
少なくとも1つの芯中空室2271に、空気移送装置21へ向けられた空気流が供給されることが好ましい。好ましくは少なくとも1つの(好ましくは他の)芯中空室2271には、空気移送装置21から離れる方向を向いた空気流が供給される。少なくとも2つの芯中空室2271が空気移送装置21の互いに異なる接続端に、かつ/または互いに異なる空気移送装置21に接続されていると好ましい。その場合、少なくとも2つの芯中空室2271は、空調された空気を同時に供給し、あるいは望ましくない空気を排出することにより、空調すべき表面の効率的な除湿を得るために、実質的に互いに対して平行に配置されていると好ましい。
【0099】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの柔軟、弾性的および/またはフレキシブルな材料、例えばゴム、シリコン、PVC、ポリエチレン、ポリウレタンなどから形成されることが好ましい。これによって、空気交換装置221の領域内および/または空調すべき表面の近傍で使用可能となる。
【0100】
少なくとも1つの芯壁2272が、少なくとも部分的に圧縮に強い材料、例えば硬質PVC、ポリアクリル、ポリウレタンなどから形成されていることが好ましい。これによって、空気ガイド装置22の接続装置222の領域内および/または空調すべき表面から隔たって、その圧力安定性を増大させることができる。
【0101】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的にテキスタイル材料から、例えば織物、ニット、編物または組み物から形成されていることが好ましい。これが、わずかな重量において、高い柔軟性を許す。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、2つ以上の次元で形成されるテキスタイル材料、例えばニットと織物、から形成されると好ましい。これにより、唯一の作業工程で三次元で成形された芯壁2272を形成することができる。
【0102】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、例えばポリエステル、ポリアミドおよび/またはポリプロピレンからなる少なくとも部分的に熱可塑性の繊維および/または糸を有するテキスタイル材料から形成されていることが好ましい。これにより、熱供給による熱可塑性構成部分の収縮によって硬化された構成部品を形成することができる。それによって、テキスタイル材料から、高い復帰能力を有する圧力安定な材料が形成される。
【0103】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、通路芯227の延び方向に対して実質的に平行に延びる繊維および/または糸から形成されていることが好ましい。これによって、通路芯227の高い引っ張り強度が得られる。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、実質的に通路芯227の横断面の周面に沿って、かつ/または通路芯227の延び方向に対して実質的に垂直に延びる繊維および/または糸から形成されていると好ましい。これによって、通路芯227の高い耐圧強度が得られる。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に通路芯227を中心に実質的に螺旋状に延びる繊維および/または糸から形成されていると好ましい。これにより、通路芯227の高い可撓性が得られる。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に少なくとも2つの異なるタイプの繊維および/または糸、たとえば弾性的な繊維と弾性的でない繊維または太さの異なる糸から形成されていると好ましい。これにより、長さ方向と周方向における通路芯227の強度特性および/または異なる特性のローカルな適合が可能となる。
【0104】
少なくとも1つの芯壁2272は、0.05〜1mmの範囲の太さを有する糸を少なくとも1本有していることが好ましい。その場合、緯糸については、0.1〜0.5mmの範囲が特に好ましい。経糸については、0.4〜0.6mmの範囲が特に好ましい。
【0105】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも1つの方向に、5〜20本/cmの糸密度を有することが好ましい。その場合、緯糸については12〜15本/cmの範囲が特に好ましい。その場合、経糸については11〜13本/cmの範囲が効果的である。少なくとも2つの通路芯227が、少なくとも部分的に繊維および/または糸を共通に有していると好ましい。これは、例えば共通の芯壁2272内で通路芯227および/または共通の壁に対して実質的に平行に延び、あるいは通路芯の延び方向に対して横方向に方向づけされて複数の通路芯227にまたがって互いに結合し、あるいは1つまたは複数の通路芯227の回りに螺旋状または蛇状に巻き付き、あるいは共通の突き合せ端部において互いに組み合わされたものである。これにより、通路芯227を交差させずに並べて確実に配置することが可能となる。
【0106】
少なくとも部分的に第1の芯において空気ガイド装置22の第1の側に延びる、少なくとも1本の糸は、少なくとも部分的に他の芯の、空気ガイド装置22の第1の側に対向する第2の側にも延びていることが好ましい。
【0107】
少なくとも2つの芯通路227に、その緯糸または経糸が共通の壁の一部において通路芯227の長手方向に対して実質的に平行に延びている少なくとも1つの織物、少なくとも1つの組み物および/または少なくとも1つの編物の繊維または糸が共通であると好ましい。少なくとも2つの芯通路227に、その緯糸または経糸が通路芯227の長手方向に対して実質的に垂直に配置されている少なくとも1つの織物、少なくとも1つの組み物および/または少なくとも1つの編物の繊維および/または糸が共通であると好ましい。両者によって、材料の節約が可能となる。
【0108】
少なくとも2つの通路芯227に、その緯糸または経糸が通路芯227の長手方向に対して斜めに配置されている少なくとも1つの織物、少なくとも1つの組み物および/または少なくとも1つの編物の繊維および/または糸が共通であると好ましい。これによって、曲がった場合に通路芯227が屈曲して、通路芯227の中空室を塞ぐことが、回避される。少なくとも1本の糸が、少なくとも2つの通路芯227に共通であり、それが少なくとも部分的に弾性的な材料からなり、かつ/またはそれが他の糸と接着または溶融されていない場合、これにより同じ効果が得られる。
【0109】
通路芯227を少なくとも部分的に気密に閉鎖するために、少なくとも1つの通路芯227は、例えば積層され、あるいは被覆された箔のような少なくとも1つの芯カバー層22721を有していることが好ましい。少なくとも1つの芯カバー層22721は、少なくとも部分的に、例えば10〜20%割合の熱可塑性繊維を有するフリースのような熱可塑性材料から形成されていると好ましい。
【0110】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも1つの通路セグメント228を備えた少なくとも1つのセグメント化された空気通過通路2222を有していることが好ましい。「セグメント」というのは、流れ方向においてその前または後ろに位置する構成部品または構造部分に関して移動できる、限定可能な構成部品または構成部品の限定可能な部分である。これは、特にセグメントが長手方向および/またはそれに対して横方向に摺動可能および/または傾斜可能、揺動可能、あるいは撓むことができることを意味している。これは例えば並べて配置されたスペースホルダの列によって実現することができ、それがそのスペースホルダを支持するスペースホルダ支持体に接する基部において、隣接する列のスペースホルダに対してその前またはその後ろへ倒れることができる。他の例は、シャフト形状のフレームであって、そのフレームがそれに対して整合し、かつリンク状に配置されている他のフレームに対して揺動することができる。空気流れ方向に関して相前後して列をなして配置された、多数の通路セグメント228が設けられている場合に、湾曲した通路が形成される。
【0111】
少なくとも1つの通路セグメント228は、少なくとも部分的に横断面において、円形または矩形の形状を有していることが好ましい。少なくとも1つの通路セグメント228は、クッション輪郭に沿って適合するために、セグメント化された空気通過通路2222の十分に狭い曲率半径を可能にする長さを有していると好ましい。通路セグメント228の長さは、好ましくは2から15cm、好ましくは3から8cmの範囲内にある。少なくとも1つの通路セグメント228は、ジャケット装置224の幅および/または高さに実質的に相当する幅を有することが好ましい。値は0.5から50cm、好ましくは1から12cmの範囲内にある。少なくとも1つの通路セグメント228は、ジャケット装置224の高さに実質的に相当する直径および/または高さを有していると好ましい。この値は5から15mmの範囲内にあると好ましい。
【0112】
少なくとも1つの通路セグメント228は、同じ考えに基づいて、少なくとも部分的に通路芯の少なくとも1つと同じ材料から構成されていることが好ましい。
【0113】
互いに隣接して配置された少なくとも2つの通路セグメント228は互いに結合されていないが、両者はジャケット装置224の少なくとも1箇所に固定されていることが好ましい。これによって取付けが簡単になり、簡単な構成部品を使用することができる。
【0114】
互いに隣接して配置された少なくとも2つの通路セグメント228は、互いに固定されていることが好ましい。この場合には、そのうちの最大で1つがジャケット装置224に固定されていると好ましい。これによって、ジャケット装置224の内部における通路セグメント228が、より大きく移動することができるようになる。
【0115】
少なくとも1つの通路セグメント228が、少なくとも部分的に空気流れ方向に関してその前またはその後ろに配置された通路セグメント228に対して間隙が残るように配置されている場合には、傾斜運動と、並べて配置されている通路芯227間で空気を交換するための十分な横透過性のための運動ゆとり空間が得られる。少なくとも2つの通路セグメント228の間に、好ましくは、0.2から4cm、好ましくは0.5から1.5cmの幅を有する少なくとも1つの間隙が設けられている。
【0116】
少なくとも1つの通路セグメント228は、少なくとも部分的に、ジャケット装置224によって被覆されていることが好ましい。
【0117】
少なくとも1つの通路セグメント228は、少なくとも1つのセグメントフレーム2281を有していることが好ましい。「フレーム」というのは、中空室横断面の少なくとも2つの側が流れ方向に対して横方向に互いに支持する構成部品である。
【0118】
少なくとも1つのセグメントフレーム2281は、少なくとも部分的に、矩形の横断面を有するシャフトあるいは円形の横断面を有する管として形成されていることが好ましい。少なくとも1つのセグメントフレーム2281は、通路芯227および/または空気ガイド装置22の横断面全体をあけておくように、寸法設計されていることが好ましい。その数が空気ガイド装置22の横断面平面内に複数のセグメントフレーム2281が並べて配置されるように選択されている場合、空気ガイド装置22の横断面は、空気を案内する横断面内の横ウェブの数が多いことによって圧力安定である。
【0119】
少なくとも1つのセグメントフレーム2281は、少なくとも部分的に、しっかりした材料、例えばプラスチックから形成されていることが好ましい。
【0120】
少なくとも1つの通路セグメント228が、少なくとも1つのセグメントリンク2282を有していることが好ましい。少なくとも1つのセグメントリンク2282は、たとえばセグメントリンク2282に設けられたネップないしネップに適合する凹部によって実現することができる。その場合に、セグメントリンク2282の回転軸は、好ましくはセグメントフレーム2281の外側端縁から離れている。少なくとも1つのセグメントリンク2282の回転軸は、複数の通路セグメント228が互いに整合してフレキシブルな支持体(たとえばジャケット装置224の、あるいはスペースホルダ支持体2253)に配置されて、通路セグメント間に位置する材料部分によってセグメントリンク2282が実現されている場合に、セグメントフレーム2281の外側端縁に、あるいは隣接する通路セグメント228の間に設けることもできる。これにより、通路セグメント228の前または後ろにある通路部分に対して通路セグメント228を揺動させ、ないしは折り曲げ、それによって屈曲された通路または通路部分を良好に実現することができる。
【0121】
少なくとも1つの空調装置10は、少なくとも1つの温度調節装置30(図10)を有することが好ましい。これは、例えば少なくとも1つの電気的な発熱抵抗、テキスタイルの面加熱素子、ヒートポンプ、ペルティエ素子および/または、たとえばベンチレータのような空気運動装置を有する装置のように、周囲の温度を所望に変化させるために利用することができる各種装置を意味する。
【0122】
少なくとも1つの温度調節装置30は、たとえば少なくとも部分的にテキスタイル材料からなるフラットでフレキシブルな加熱素子のような、少なくとも1つの加熱装置31を有することが好ましい。これは、例えば空調対象2、たとえばシートのクッション5内に挿入片として統合することができる。
【0123】
少なくとも1つの加熱装置31は、たとえばヒートセクションの形式の、オーム発熱抵抗を有していることが好ましい。加熱装置31は多数の発熱抵抗を有していることが好ましく、それらが好ましくは互いに蛇行して並び、かつ互いに対して電気的に並列に配置され、たとえばそれぞれ次の発熱抵抗に対して約2cmの平均間隔で、かつそれに対してほぼ平行に配置されていることが好ましい。少なくとも1つの発熱抵抗は、少なくとも部分的に、たとえば一部または全面で、例えば接着剤によって発熱抵抗支持体312に配置されていると好ましい。
【0124】
少なくとも1つの温度調節装置30は、少なくとも1つの発熱抵抗支持体312を有していることが好ましい。少なくとも1つの発熱抵抗支持体312は、少なくとも部分的に平面的な形成物であると好ましい。少なくとも1つの発熱抵抗支持体312は、少なくとも部分的に、テキスタイル、ニット、編物、織物、フリース、可撓性のサーモプラスト、空気を透過する材料、打ち抜かれ、あるいはネップ形成された箔、空調すべき対象2および/またはその表面の少なくとも一部から形成されていると好ましい。
【0125】
少なくとも1つの温度調節装置30は、少なくとも1つのヒートセクション内へ電流を導入するために、少なくとも1つの電極を有していることが好ましい。
【0126】
少なくとも1つの温度調節装置30は、少なくとも1つの冷却装置を有していることが好ましい。
【0127】
次に、本発明の特徴部分を説明する。
【0128】
[1]空調可能な対象2のための通気装置20であって、空調すべき対象2を通して空気を案内するための少なくとも1つの空気ガイド装置22を有することを特徴とする通気装置。
【0129】
[2]前記空気ガイド装置22が、少なくとも2つの通路セグメント228を有しており、前記通路セグメントが、前記空気ガイド装置22によって案内される空気流に対して相前後して配置されるとともに互いに対して移動可能であることを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0130】
[3]少なくとも1つのジャケット装置224および少なくとも1つの離間装置225を有し、前記ジャケット装置の機械的な負荷にもかかわらず、前記空気ガイド装置22の内部で少なくとも1つの自由空間226を空気のためにあけておくために、前記離間装置225が少なくとも1つのスペースホルダ2252を有することを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0131】
[4]前記離間装置225および前記ジャケット装置224が、少なくとも部分的に1つの片から形成されていることを特徴とする上記[3]に記載の通気装置20。
【0132】
[5]少なくとも1つの前記空気ガイド装置22が、少なくとも2つの通路芯227を有しており、前記通路芯が、前記空気ガイド装置22によって案内される空気流に関して互いに並べて配置されていることを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0133】
[6]前記空気ガイド装置22が、少なくとも部分的にテキスタイル材料から形成されていることを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0134】
[7]上記[1]に記載の少なくとも1つの通気装置20を有することを特徴とする空調装置10。
【0135】
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の、少なくとも1つの通気装置20および/または少なくとも1つの空調装置10を有することを特徴とする対象2。
【0136】
[9]インテリア構成部品、特に車両の操舵装置、ダッシュボード、肘掛け、ドア被覆、クッション5、被覆6またはシートであることを特徴とする上記[8]に記載の対象2。
【0137】
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の、少なくとも1つの通気装置20、少なくとも1つの空調装置10および/または少なくとも1つの対象2を有することを特徴とする車両1。
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、請求項1の前段部に記載の通気装置に関する。これは、例えば特に車両において、シート表面を通気し、あるいは肘掛けを温度調節するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1から、シート表面を通気するために、シートの表面にスペーサニットを配置し、それを通して空気を案内することが知られている。もちろんこの特殊テキスタイルは高価である。
【0003】
特許文献2からは、シートの発泡クッションをネップ状に形成することが知られている。しかしこれにより、クッションの形成が著しく高価なものになってしまう可能性がある。さらに、この種のネップは容易に圧縮可能であるので、空気循環を妨げることがある。
【0004】
多くの適用例により、その製造コスト、快適な環境を形成するための能力、より大量の空気の効果的な分配、圧縮安定性、柔らかさおよび/またはエネルギー消費に関して効果的な代替ないし改良の要請が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許公報19736951
【特許文献2】独国特許公報19527352C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらを背景として、本発明は上述した要請を満たすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明によれば、請求項1の特徴を有する技術的コンセプトが提案される。他の好ましい形態が、他の請求項および以下の説明から明らかにされる。
【0008】
以下、本発明の詳細を説明する。これらの形態は、本発明を理解できるようにするものであるが、例示としての特徴しか有さず、独立請求項によって定義される本発明の枠内で記載された個々の特徴または複数の特徴が捨てられ、変形され、あるいは補足されてもよいことはもちろんである。また、異なる実施形態を互いに組み合わせることが可能であることももちろんである。本発明のコンセプトが実質的に変換されていることが重要であり、1つの特徴が少なくとも部分的に満たされている場合には、それは、この特徴が完全に満たされていること、あるいは実質的に完全に満たされていることを含む。ここで「実質的に」というのは、特に変換が認識可能な程度において所望の利用を得ることを許すことを意味する。これは特に、該当する特徴が、少なくとも50%、90%、95%または99%満たされていることを意味することができる。最小量が記載されている場合には、この最小量よりも多く使用することができる。構成部品の数が、少なくとも1つと記載されている場合には、特に2、3あるいはその他の数の構成部品を有する実施形態も含んでいる。1つの対象について記載されていることは、他のすべての同種の対象のほとんどの部分または全体にも適用することができる。他の記載がない限りにおいて、インターバルはその端縁点も含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】空調される対象2としてのシートを有する車両1を一部縦断面で示す。
【図2】挿入可能なモジュールとして形成された通気装置20を、ジャケット装置224とその上に接着された、発泡材からなるスペースホルダ2252から形成されたフラットな空気ガイド装置22と共に一部正面で示す上面図である。
【図3】ジャケット装置224とそこから深絞りされたネップ形状の多数のスペースホルダ2252とを有する通気装置20の第2の実施形態を、開放して示す上面図である。
【図4】図3の通気装置20を縦断面で示す。
【図5】スペースホルダ支持体2253上に方形、円形、滴形、ネップ形または細長いスペースホルダ2252を有する離間装置225を示す斜視図である。
【図6】扁平化された頂上22521を有する箔からなる円錐状のスペースホルダ2252を拡大して示す。
【図7】繊維を含む材料からなるネップ形状のスペースホルダ2252の他の実施形態を示す。
【図8】ウエストを絞った形状を有するスペースホルダ2252の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】自由空間226とスペースホルダ2252とを有するフラットな離間装置225を備えた通気装置20の他の実施形態を、一部正面で示す斜視図である。
【図10】座るためのクッション5のB側の空気交換装置221とA側への空気通過通路2222とを有するシートの形状の空調対象2を斜視的な断面で示し、スペースホルダ支持体2253が同時に下方のジャケット部分2242として用いられる。
【図11】B側にスペースホルダ支持体を有するクッション5の縦断面を示し、スペースホルダ支持体2253がクッション5とスペースホルダ2252との間に配置されており、クッション5の泡の中の通路用の接続開口部を有し、A側の空気通過通路2222が、方向変換装置2225によって部分的に覆われている。
【図12】離間装置225内に統合されたベンチレータを有するシートクッション5を示す断面図である。
【図13】チェーン状に互いに入り組んだ中空の多数の通路セグメント228を有する空気移送装置21への接続装置222を有する空調されるクッション5を示す縦断面図である。
【図14】チューブから形成された多数の通路芯227を有する空調されるシートクッション5を示す横断面図である。
【図15】互いに並んで略平行に延びる多数の通路芯227を有する図14の座るためのクッション5を示す上面図である。
【図16】空気通過開口部2231と吹出しおよび吸込み駆動の組合せの表示と共に図15の通路芯227を示す横断面図である。
【図17】互いに相前後し、かつ互いに並べて配置された短いチューブ片を有する通路芯227からなる多数の通路セグメント228を有する通気装置20を示す斜視図である。
【図18】図17のチューブ片の列をチューブ片間の結合ウェブ222と共に拡大して示す斜視図である。
【図19】テキスタイルのスペースホルダ支持体2253によってその上側と下側を保持される、多数のセグメント化された通路芯227を有する通気装置20の一部を示す。
【図20】並べて配置された複数の、織物チューブの形状の通路芯227を示す斜視図である。
【図21】第1と第2のジャケット部分2241と2242および複数の通路芯227を形成するための、ここではテキスタイル材料からなる中間ウェブを有する通気装置20の断面を斜視断面で示す。
【図22】支持ウェブとそれによってもたらされる通路芯227を有する幾つかの通路セグメント228を示す斜視図である。
【図23】座るためのクッション5を示す斜視図であって、その空調すべき表面に通路セグメント228のチェーンによって空気が供給され、そのチェーンがB側からクッションの1つの側を回ってA側へ延び、A側において弛緩装置の弛緩溝54に対して横方向に延び、かつA側に空気分配装置221を有し、その空気分配装置が通路セグメント228のチェーンを覆い、かつ両側へ張り出している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照する。
【0011】
本発明は、特に車両内で使用するのに適している。これは特に、たとえば飛行機、レール車両、船舶または自動車のような、全ての陸上車両、水上車両、空中車両を示す。
【0012】
本発明は、さらに、その表面が少なくとも部分的に次のように、すなわち少なくとも所定の空調的パラメータ、例えば温度または空気湿度が少なくとも表面近傍において所望のインターバルで、あるいは所定の値に維持される、コンディショニングされるすべての対象内で使用するのに適している。従って「空調対象」とは、車両1のユーザーが客室内で特に接触する可能性のある、例えば車両のための操舵装置、ダッシュボード、肘掛け、ドア被覆、シートカバー、膝掛け、車両天井、クッション5、被覆6またはシート等の全ての構成部品である。
【0013】
少なくとも1つの車両は、たとえばシートなど、少なくとも1つの空調対象2を有していることが好ましい。これにより、比較的長い走行においても、乗客の温度調節と空調を行うことができる。
【0014】
少なくとも1つの空調対象2は、たとえば発泡されたポリウレタンからなるブロックのような、少なくとも1つのクッション5を有していることが好ましい。
【0015】
少なくとも1つのクッション5が、たとえば発泡されたポリウレタン内の細長いパイプ形状の切欠きのような、少なくとも1つの通気凹部51を有していることが好ましい。
【0016】
少なくとも1つの空調対象2は、少なくとも1つの被覆6を有していることが好ましい。これは、たとえば皮革被覆またはテキスタイル被覆あるいは泡クッションの外皮のような、クッションを覆う各種の表面を意味する。
【0017】
少なくとも1つの空調対象2は、少なくとも1つの空調装置10を有していることが好ましい。これは、例えば車両1の客室内のユーザーが接触する面の温度調節/空調のような、空調すべきゾーン内の温度、湿度および/または空気移動を調整するために用いられる全ての装置を意味する。
【0018】
少なくとも1つの空調装置10が少なくとも部分的に空調対象2の内部に配置されている場合には、空調対象2内の確実な空気ガイドが保証される。少なくとも1つの空調装置10が少なくとも部分的に空調対象2の外部に配置されている場合には、空調対象2の周囲との最適な空気の交換を可能にする。
【0019】
少なくとも1つの空調対象2が、少なくとも1つの通気装置20を有していることが好ましい。これは、例えば車両空調設備、少なくとも部分的に空気を透過するスペーサ媒体、スペーサニットおよび/または空調挿入片のような、空気交換のために所定の面領域または空間領域内で空気組成または空気流を所望に変化させるために利用することができる、各装置である。その数は、たとえば空調対象2につき、あるいは空調すべき面につき1つの通気装置20が設けられるように、選択することができる。
【0020】
少なくとも1つの通気装置20は、少なくとも部分的に、テキスタイル技術的に形成される材料から形成されていることが好ましい。これは、テキスタイル形成方法または処理方法を利用しながら糸、繊維、フィラメントのような実質的に線形の縦に延びた多数の形成物が実質的に平面的な形成物に加工され、かつ/またはそのようにまとめられる、すべての材料を意味する。方法としては、特に織る、編む、組むあるいは結ぶことが考えられる。これにより、軽量で空気を透過し、かつ圧縮と引っ張りに対して安定した構造が得られる。
【0021】
少なくとも1つの通気装置20が、少なくとも1つの空気移送装置21を有していることが好ましい。この装置は、空気を空調される対象2から、かつ/またはその対象内へ移動させるのに適した装置であって、特に、例えばアキシャルベンチレータまたはラジアルベンチレータのような流れ機械である。この装置の数は、例えば各空調対象2について、または各空調すべき面について1つの空気移送装置21が設けられるように選択することができる。
【0022】
少なくとも1つの空気移送装置21が少なくとも部分的に空調対象2の内部に配置されている場合には、偏心した構成ユニットを形成することができる。少なくとも1つの空気移送装置21は、空調対象2の凹部内に配置されていることが好ましい。
【0023】
少なくとも1つの空気移送装置21が、少なくとも部分的に空調対象2の外部に配置されている場合には、すでに存在している車両空調設備を利用することや、例えばトランクルームまたは足下空間のような車両1の比較的冷たい領域から空気を取り出すことが可能である。少なくとも1つの空気移送装置21が、少なくとも部分的に空気ガイド装置22ないし空気交換装置221の内部に配置されている場合には、例えばラジアルベンチレータを用いて、高い圧力発生を有するコンパクトなモジュールを実現することができる。
【0024】
その場合、少なくとも1つの空気移送装置21および/または少なくとも1つの空気交換装置221は、空調すべき表面から距離をおいて、例えば車両シートのユーザーとは逆の側B側に配置され、少なくとも1つの空気通過通路2222を介してA側の車両シートのユーザーに向いた側と接続されることが好ましい。
【0025】
少なくとも1つの空気移送装置21は、少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221と、アダプタを介して、例えばクリップ結合または係止結合を介して、取り外し可能に接続されていることが好ましい。
【0026】
少なくとも1つの空気移送装置21が、直接または間接的に、少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221に対し、材料結合、例えば接着、溶接、超音波溶接または加硫によって固定されていることが好ましい。空気移送装置21のハウジングは、離間装置に接着され、溶接され、ねじ止めされ、あるいはリベット止めされることが好ましい。空気移送装置21が、空気を空調すべき対象100’内へ吹き込むと好ましい。しかしながら、吸込み駆動においては、同装置がそこから空気を吸い出すこともできる。吸込み駆動の場合のために、空気移送装置21は、離間装置ないし空気ガイド装置22の、クッション5と突出部ないしスペースホルダ2252とは逆の側に配置されていることが好ましい。
【0027】
吹込み駆動のために定められたシステムは、好ましくは離間装置225ないし空気ガイド装置22の突出部ないしスペースホルダ2252およびクッション5と同じ側に、空気移送装置21を有している。切欠きによってベンチレータのためのスペースを形成するために、スペースホルダ2252および/または離間装置が全部または部分的に除去されている領域が設けられていると好ましい。その場合に、ベンチレータはラジアルベンチレータであって、その吹出し方向が空気ガイド装置22の延び方向に少なくとも実質的に一致し、かつその吹出し開口部が少なくとも部分的にシート内の空気ガイド装置22と同じ高さ水準にあると好ましい。
【0028】
空気移送装置21のハウジングと離間装置の間の添接面は、少なくとも共通の通過開口部にそれを一周するように接続されており、かつ少なくとも離間装置のスペースホルダ2252の幅の幅を有することが好ましい。このようにして、例えばネッププレートにおける空気損失が回避される。
【0029】
少なくとも1つの通気装置20が、少なくとも1つの空気ガイド装置22を有することが好ましい。これにより、少なくとも1つの空気移送装置21から少なくとも1つの空気交換装置221へ、あるいは逆方向に空気を案内することができる。
【0030】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、好ましくは、空調対象2あるいはクッション5の少なくとも1つの切欠き内に配置されている。少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも部分的に、そのガイド装置がクッション5のユーザーへ向いたA側に、例えばプラスチックフレームからなるセグメント化されたシャフトの形状の弛緩溝54のための弛緩装置を画成し、かつ被覆6へ向かってスペーサニットによって覆われるように配置されることが好ましい。
【0031】
少なくとも1つの通気装置20または少なくとも1つの空気ガイド装置22は、例えば少なくとも1つの空気移送装置21を少なくとも1つの空気交換装置221と接続するため、あるいは空気を透過するように少なくとも1つの空気移送装置21を空調する対象の周囲と接続するために、少なくとも1つの空気交換装置221を有していることが好ましい。これにより、空気ガイド装置22ないし通気装置20と空調する対象の空調すべき表面との間で空気を交換することができる。その数は、空調すべき各表面あたり、空気交換装置221が1つである。
【0032】
少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも部分的に、好ましくは空調すべき表面の大きさのフラットな構成部品を形成するように成形されていることが好ましい。少なくとも1つの空気交換装置221は、最大でクッション厚みの30%となる厚みを有することが好ましい。この値は、好ましくは5mmと20mmの間、好ましくは10mmと15mmの間の領域内にある。これにより、クッション作用を損なうことなく、クッション内へ統合することができるようになる。
【0033】
少なくとも1つの空気交換装置221が、少なくとも部分的に、空調すべき対象の空調すべき表面の近傍、例えばクッション5と空調すべき表面との間、好ましくはシート発泡クッション5とシート被覆6の間や、例えばシートのユーザーへ向いた側A側の被覆6の下方に配置されていることが好ましい。これにより、均一な接触面除湿がもたらされる。
【0034】
少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも部分的に、空調すべき表面において空気交換装置221の存在が知覚されないように配置されることが好ましい。少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも部分的に、好ましくは空気交換装置221を車両シートのユーザーとは逆のB側に配置することによって、空調すべき表面から隔てられている。この場合において、空気交換装置221は、クッション5の泡を貫通する1本または複数本の通過通路2222によってユーザーへ向いた、空調すべき表面A側と接続されている。これによって、空気交換装置221のために比較的堅い材料を使用することができる。
【0035】
少なくとも1つの空気交換装置221は、空調すべき表面に対して実質的に平行に延びていることが好ましい。少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも1つの空調対象2の通気凹部51内に挿入され、あるいは空調対象2内に発泡形成されていると好ましい。
【0036】
少なくとも1つの通気装置20または少なくとも1つの空気ガイド装置22あるいは少なくとも1つの空気交換装置221は、少なくとも1つの空気分配層2221を有していることが好ましい。これは、その平面に沿って少なくとも1つの方向に、好ましくは少なくとも2つの方向に空気を透過するフラットな構成部品を意味する。これにより、空気移送装置21から空気ガイド装置22内へ供給された空気を空調すべき表面に効果的に分配し、あるいはこの空調すべきこの表面にある空気を吸い出して空気ガイド装置22を介して空気移送装置21内へ供給することができる。
【0037】
少なくとも1つの通気装置20は、少なくとも1つの空気通過通路2222を有していることが好ましい。これによって、例えば空気交換装置221から空調すべき表面または空気移送装置21へ、あるいは逆の方向に空気を移送することができる。少なくとも1つの空気通過通路2222が、少なくとも部分的にクッション5内に発泡形成され、クッション5内に残された通気凹部51内へ挿入され、あるいはクッション5内のこの種の通気凹部51によって形成されている場合には、簡単な取り付けと、確実な固定とが得られる。少なくとも1つの空気通過通路2222は、少なくとも部分的に、クッション5のユーザーとは逆のB側に沿って、あるいはクッション5の側面に沿って、かつ/またはクッション5のユーザーへ向いたA側に沿って配置され、好ましくはクッション5内の通気凹部51内に埋め込まれていると好ましい。これにより、クッション5の安定性または取付けを損なうことなしに、空調すべき表面へ簡単に空気を移送することができる。少なくとも1つの空気通過通路2222が、少なくとも部分的に、クッション5のユーザーへ向いたA側において空気交換装置221、例えばスペーサニットの下方に配置されている場合には、簡単な取付けと同時に効果的な空気分配が得られる。
【0038】
少なくとも1つの空気通過通路2222は、少なくとも部分的に、そのA側において空気を透過し、そのB側においては好ましくは空気をほとんど、あるいは全く透過しないことが好ましい。空気交換装置221上、あるいはその中に、フリースからなる層および/または平面的な加熱装置31、たとえばテキスタイルの面加熱素子が、空気通過通路2222にわたって配置されていることが好ましい。好ましくは少なくとも1つの空気通過通路2222が、その一方の端部において空気移送装置21に接続されている。空気移送装置21が空調すべき対象2から隔たっている場合には、空気通過通路2222は好ましくは少なくとも部分的に気密に、あるいは気密に被覆されている。
【0039】
少なくとも1つの通路芯227、少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221は、例えば皮革被覆内の孔あるいはテキスタイルの表面材料内の穴またはメッシュの形式の、少なくとも1つの空気通過開口部2231を有していることが好ましい。これにより、空気交換装置221の内部を空調すべき表面の周囲と空気を透過するように接続することができる。空気通過開口部2231の数と位置は、空調すべき表面全体にわたって均一な空気交換が行われるように選択されると好ましい。空気通過開口部2231の数は、好ましくは、空気交換装置221および/または通路芯227内の空気の流れ方向に関して相前後して2〜40、好ましくは3〜15の範囲内にある。これは、好ましくは、空気交換装置221および/または通路芯227の内の空気の流れ方向に関して互いに並べて、2〜20、好ましくは2〜15の範囲内にある。
【0040】
少なくとも1つの空気交換装置221が、少なくとも1つの方向変換装置2225を有することが好ましい。これは、例えば箔のような、好ましくはフラットな空気を阻止する構成部品である。これによって、特にA側において吹き出す空調装置10において、空気通過通路26を貫流する空気を方向変換させて、面内に良好に分配することができる。その数は、空気通過通路2222の数に相当するように選択されると好ましい。少なくとも11の方向変換装置2225が、少なくとも部分的に空気の流れ方向に整合し、かつ少なくとも1つの空気通過通路2222に対して横方向に配置されるように配置されている。
【0041】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、たとえばクッション5の泡内のチューブまたは通路のような、少なくとも1つの接続装置222を有することが好ましい。
【0042】
少なくとも1つの空気ガイド装置22が、空気交換装置221に加えて少なくとも1つの周囲接続223を有し、これを介して空気移送装置21が周囲への他の接続を有することが好ましい。少なくとも1つの周囲接続223は、好ましくは少なくとも部分的に、空気ガイド装置22による空気の流れ方向に対して、空気移送装置21の、空気交換装置221とは異なる側に位置するように配置されている。
【0043】
少なくとも1つの空気ガイド装置22、ジャケット装置224および/または空気交換装置221は、周囲と空気を交換するために、少なくとも1つの空気通過開口部2231を有していることが好ましい。その数および/またはその大きさは、空気移送装置21から離れた領域内でも十分な大きさの空気交換を得るために、空気移送装置21からの距離が増大するにつれて増大するように選択されていると好ましい。
【0044】
少なくとも1つの空気ガイド装置22が、少なくとも1つのジャケット装置224を有することが好ましい。これは、例えば発泡通路、箔またはチューブのような、空気ガイド装置22内で案内される空気が、望ましくない箇所で空気ガイド装置22から流出することを阻止するような各種装置を意味する。少なくとも1つのジャケット装置224、少なくとも1つの第1のジャケット部分2241および/または第2のジャケット部分2242は、少なくとも部分的に、テキスタイルの平面的な材料、例えば織物、空気を透過しない、例えばPET、PA、PPまたはPUからなる箔、好ましくは空気を透過しない、ポリウレタンからなる泡、テキスタイル材料を有する空気を阻止する層、あるいはポリアクリル、PAあるいはハードPVCのような硬質プラスチックから形成されていると好ましい。少なくとも1つのジャケット装置224は、少なくとも部分的に、ジャケット装置224の内側へ向いた滑らかな表面を有していると好ましい。これにより摩擦の少ない空気の移送が可能となる。
【0045】
少なくとも1つのジャケット装置224は、例えばカバー箔またはクッション泡のような、少なくとも1つの第1のジャケット部分2241を有していることが好ましい。
【0046】
少なくとも1つのジャケット装置224は、例えば空気ガイド層2251の上方のカバー層、シートの泡クッション5またはしっかりとしたプロフィールのような、少なくとも1つの第2のジャケット部分2242を有していることが好ましい。少なくとも1つの第1のジャケット部分2241は、少なくとも部分的に、第2のジャケット部分2242とは異なる空気透過性を有していると好ましい。例えば、被覆6へ向いたジャケット部分は空気流出を許すが、被覆6とは逆の側は空気損失を阻止する。少なくとも1つの第1のジャケット部分2241および少なくとも1つの第2のジャケット部分2242は、互いに対してシールされて結合されており、例えば接着および/または溶接されていると好ましい。これにより、少なくとも局所的に、空気ガイド装置22をメイン流れ方向に貫流する空気流の横断面周面に沿って実質的に完全な被覆が得られる。
【0047】
少なくとも1つのジャケット装置224が、例えばシールリップと細長い突出部との間の溶接継目または間隙シールのような、少なくとも1つのシール装置2243を有することが好ましい。これによって、空気が空気ガイド装置22から望まれずに側方へ逃げることを防止するために、少なくとも2つのジャケット部分を互いに対してシールすることができる。
【0048】
少なくとも1つのシール装置2243は、離間装置225および/またはそのスペースホルダ2252と同じ高さかそれより高い高さを有していることが好ましい。これによって、まとめて組み立てる際に、最小圧接力がシール装置2243を離間装置225へ圧接し、かつ外側へ向かってシールすることになる。
【0049】
少なくとも1つのシール装置2243は、少なくとも部分的にクッション5に配置されていることが好ましく、クッションと材料結合で結合されていることが好ましい。シール装置2243の少なくとも一部は、例えば発泡成形の際に同時に形成するか後から刻印または穿設することによってクッション5から一体的に形成され、かつその統合された構成部分であることが好ましい。
【0050】
少なくとも1つのシール装置2243は、少なくとも1つのシールリップ22432を有すると好ましい。これは、好ましくは少なくとも部分的に、細長い突出部によって形成されて、少なくとも部分的に空気ガイド装置22ないし通気凹部51の少なくとも1つの端縁領域に配置されている。シールリップ22432とクッション5の残りの領域との間に、離間装置225の1つまたは複数のスペースホルダ2252を収容するために、少なくとも1つの他のシール凹部22431が設けられていると好ましい。
【0051】
少なくとも1つのシールリップ22432および/または少なくとも1つのシール凹部22431は、少なくとも一部において、空気ガイド装置22ないし通気凹部51の回りを廻って配置されていることが好ましい。シールリップ22432および/またはシール凹部22431は、クッション5内の通気凹部51の端縁の少なくとも60%を包囲していると好ましい。
【0052】
少なくとも1つのシールリップ22432が、少なくとも部分的に離間装置225内へ、好ましくは少なくとも2つのスペースホルダ2252の間の間隙内へ突出するように配置されている場合には、取付けの簡単なシールが得られる。離間装置225ないし空気ガイド装置22は通気凹部51内に、外側のスペースホルダ2252がシール凹部22431内に位置し、かつ離間装置225の残りのスペースホルダ2252からシールリップ22432によって分離され、かつシールされるように挿入されていると好ましい。少なくとも1つのシールリップ22432は、高いシール作用を得るために、スペースホルダ2252間の間隔と等しい大きさか、それよりわずかに小さい幅を有すると好ましい。
【0053】
少なくとも1つの通気装置20、空気ガイド装置22、接続装置222または空気交換装置221は、少なくとも1つの離間装置225、例えばスペーサニット、多数のネップ、チューブまたはチェーンリンク、を有すると好ましい。これによって、通気装置20が機械的な負荷を受けて圧縮された場合でも、通気装置20の少なくとも一部を空気が透過できるように維持することが可能となる。
【0054】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、ネット化された繊維ストリング材料またはプレスストリング材料から形成されていることが好ましい。この離間装置225は、ネップ状のプレートの形状を有すると好ましい。その場合にネップとその頂上は、十分な接着面と圧縮剛性を得るために、扁平化されて、特にこの領域内でネット材料の3本以上の繊維/フィラメント/ストリングが互いに結合されている。少なくとも繊維または糸の結合箇所において、特に材料による結合によって、特に溶融、接着などによって、互いに対する相対的な変位が防止されていると好ましい。ネット化された材料は、形成する際に突出部によってプロフィール化された面上に配置され、それをもたらす材料は、ネット状または穴状にプロフィール化された面またはプレートに相当すると好ましい。
【0055】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、平面的なプラスチック材料、例えばポリエチレン箔から形成されることが好ましい。これにより、例えばB側の圧縮に強い空気ガイド装置を形成することができる。
【0056】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、ジャケット装置224に固定されていることが好ましい。離間装置225は、少なくとも部分的に、クッション5の通気凹部51内に配置されていると好ましい。
【0057】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的にクッション5のユーザーとは逆のB側に、かつ/またはA側の表面ないしユーザーから少なくとも30mm離れて配置されていることが好ましい。離間装置225は、クッションの十分な柔らかさを得るために、完全にクッション5−B側に配置されると好ましい。
【0058】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、例えばスペーサニットまたはチューブの場合にはジャケット装置224内に挿入することにより、接合部分が小さい場合には2つのコンポーネントを接着するか一片から箔を深しぼりすることによってそれを同時に形成し、または発泡形成された支持体内にネップを発泡形成することによって、ジャケット装置224に配置されていることが好ましい。
【0059】
少なくとも1つの離間装置225は、通気装置20ないし空気ガイド装置22の屈曲に追従することができるように、少なくとも部分的にフレキシブルであることが好ましい。少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に弾性的であるが、シート快適性を損なわないためにわずかしか圧縮できないことが好ましい。少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、通常の駆動負荷によってその厚み/高さにおいて最大で70%、好ましくは最大で50%、好ましくは30%より少なく減少可能である。
【0060】
少なくとも1つの離間装置225は、少なくとも部分的に、空気ガイド装置22の流れ方向において、横方向におけるよりも良好に空気を案内することが好ましい。好ましくはそのために、メイン流れ方向に沿ったスペースホルダ2252の間隔は、少なくとも1つの領域において、メイン流れ方向に対して横方向におけるよりも小さい。メイン流れ方向に沿ったスペースホルダ2252の間隔は、1と40mmの間、好ましくは5と25mmの間、好ましくは8と15mmの間である。メイン流れ方向に対して横方向の間隔は、2と40mmの間、好ましくは8と25mmの間、好ましくは10と16mmの間にある。
【0061】
しかし、離間装置225の空気透過性は、空気ガイド装置22の平面の2つあるいはすべての方向において、等しく良好に案内するようにすることができる。従ってその流れ抵抗は、実質的に方向に依存しない。十分な空気透過性のためには、流れ方向に対して横方向に少なくとも45%の空気の通る横断面積が存在すると、効果的である。
【0062】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも1つの空気ガイド層2251を有することが好ましい。ここで「層」とは、つながり合った面形成物だけでなく、実質的に互いに対して同一の平面内に配置されている限りにおいて、複数の個別の形成物の配置も意味し、例えば、通気装置20が機械的な負荷を受けた場合でも2つの領域間の間隙を空気が通るように維持するために、ジャケット装置224の少なくとも2つの領域を離間させる1つのスペーサ層、あるいは並べて配置された多数の通路である。これにより、1つまたは複数の空気入口121から1つまたは複数の空気出口123へ、空気を案内することができる。
【0063】
少なくとも1つの空気ガイド層2251は、ユーザーにより空気通過通路26が封鎖されることを回避するために、少なくとも部分的にクッション5のA側に設けられていることが好ましい。少なくとも1つの空気ガイド層2251は、少なくとも部分的に、5と50mmの間、好ましくは8と15mmの間の層厚で形成されることが好ましい。その場合に使用される面材料または繊維材料の材料厚は、2mmより小さく、好ましくは1mmより小さく、あるいは0.5mmより小さい。
【0064】
少なくとも1つの離間装置225が、少なくとも1つのスペースホルダ2252を有していることが好ましい。これは、通気装置20、特に空気ガイド装置22の空気が貫流する自由空間226を支持するために用いられる各種構成部品である。それは例えば発泡材からなる押出しプレス部品または平面的なブロック、例えばスペーサニットからなる打抜き部品、例えば発泡材からなる円錐状の鋳造部品、あるいは深絞りされた成形部品、例えば箔からなるネップとすることができる。これによって、空気交換装置221および/または空気ガイド装置22を空調すべき表面に対して平行に平面的に配置し、同時にそれに対して垂直に向けられた力をその下にあるコンポーネント、例えばクッションへ伝えることができる。
【0065】
スペースホルダ2252の数は、均一な平面的な支持と良好な空気透過性が得られるように選択されることが好ましい。これは、空気ガイド装置22に沿って任意に選択された70mmの延び範囲内で、少なくとも20%、さらに良いのは40%が支持され、かつ少なくとも40%、さらに良いのは60%が空気透過性であることを意味している。
【0066】
スペースホルダ2252の少なくとも一部が、1列または複数列で互いに対して整合し、かつ好ましくは空気流れ方向に沿って互いに並んで空気案内層124内に配置されている場合には、わずかな流れ抵抗において良好な支持が得られる。
【0067】
スペースホルダ2252の少なくとも一部が間隙なく互いに並べて配置されている場合には、この複合体が有するのと比較し得る大きさを有する一体的なスペースホルダよりも柔軟性が増大する。その場合に、スペースホルダ2252の少なくとも一部が、異なる種類の材料、たとえば他の基礎材料または他のテクスチャーから形成されて、好ましくは互いに交互に配置されているのであれば、例えば発泡ゾーンとスペーサニットからなるスペーサ層について高い機能性を備えた安価な面形成物を形成することができる。
【0068】
少なくとも1つのスペースホルダ2252が、円錐状、円形、キノコの傘状および/または房状の輪郭と、たとえば細長い、円筒状、環状または方形、円形および/またはジグザグ形状の底面とを備えた、好ましくはネップ状の突出部を有する場合にが、これを良好な安定性において簡単に形成することができる。
【0069】
少なくとも1つのスペースホルダ2252が、3から40mm、好ましくは5から25mm、好ましくは10から18mmの領域内の高さを有する場合には、わずかな組込み空間において流れ抵抗がわずかになる。
【0070】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、少なくとも部分的に弾性的、柔軟、柔らかい、弾性変位する、および/または支持する材料、例えばゴム、シリコン、天然ゴム、硬質泡、発泡ゴム、セルロース、テキスタイル、紙などから形成されていることが好ましい。これによりスペースホルダには、空気ガイド装置22を自由にしておくための高いクッション作用と十分な復帰力とが与えられる。
【0071】
少なくとも1つのスペースホルダ2252が、少なくとも部分的に編み目構造の泡から形成されて空気を透過する表面を有する場合には、空気ガイド装置22の透過性を改良することができる。
【0072】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253と材料結合で結合されており、特にその上に接着され、あるいは、たとえば深絞りによって、それと一体的に形成されていることが好ましい。これにより、製造の際の簡単な取扱いと安価な形成が得られる。
【0073】
突出部および/またはネップとして形成されたスペースホルダの間の間隔は、その本来のベース幅および/またはその頂上プラトーの幅の0.5倍から3倍であると好ましく、より好ましくは約1から2倍である。離間装置225の底面の1/3から1/10を突出部が覆っていると効果的だろう。突出部の割合は、離間装置225の底面の1/8から1/2であると好ましい。
【0074】
少なくとも1つの離間装置225には、少なくとも部分的に、平面的なスペースホルダ支持体2253とそれに配置されたスペースホルダ2252が設けられていることが好ましい。スペースホルダ2252は、好ましくは少なくとも部分的にスペースホルダ支持体2253の材料から好ましくは湾入、折込みあるいは刻印によって形成されており、従って好ましくは中空である。
【0075】
少なくとも1つのスペースホルダ2252(図8)は、第1と第2のジャケット部分2241と2242から離れた、少なくとも1つの中央領域を有していることが好ましい。さらにスペースホルダは、ジャケット部分2241、2242に配置された負荷分配ゾーンを有していると好ましい。これは、離間装置225に沿って少なくとも1つの方向において、中央領域よりも幅広である。負荷分配ゾーンの横断面積は、中央領域のそれよりも少なくとも10%大きく、好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは50%だけ大きい。
【0076】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、たとえば扁平化または面取りの形式の、少なくとも1つの頂上プラトー22521(図7+8)を有していると好ましい。これにより、良好に力を伝えることができ、固定面積を増大することができる。少なくとも1つのスペースホルダ2252は、突出部の側壁から頂上プラトー22521へ移行する面取りされ、あるいは角丸にされた移行部を有していると好ましい。
【0077】
少なくとも1つのスペースホルダ2252は、少なくとも1つの負荷分配ゾーン22522を有していることが好ましい。これによって、周囲の領域の負荷をスペースホルダ2252へ良好に再分配することができる。
【0078】
少なくとも1つの離間装置225が、少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253を有していることが好ましい。これにより、スペースホルダ2252を簡単に同時取付けすることができる。好ましくはその数は、各空気ガイド装置22あたりそれぞれ1つのスペースホルダ支持体2253が設けられるように選択される。しかしまた、少なくとも1つの空気交換装置221あるいは少なくとも1つの空調すべき表面のために、それぞれ専用のスペースホルダ支持体2253を設けることもできる。
【0079】
空気交換装置221も接続装置222も離間装置225を有している場合には、この離間装置225の形成を簡略化するために、一体的および/または同じ材料から、好ましくは同じ構造で形成することができる。
【0080】
しかしまた、空気交換装置221と接続装置222の異なる特性を実現するために、離間装置が異なる種類の離間装置225であってもよい。例えば、空気交換装置221の離間装置225は、圧縮安定のプラスチック箔から形成することができる。また、接続装置222の離間装置225は、フレキシブルなあるいは屈曲した接続装置222を可能にするために、スペーサニットから、あるいは連続した通路セグメントから形成することができる。
【0081】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253は、少なくとも部分的に、つながり合った面形成物を形成するように成形されていることが好ましい。この形状は、少なくとも部分的に、少なくとも実質的に箔、テキスタイルおよび/またはポリマー発泡層に相当することが好ましい。少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253は、空調すべき表面または離間装置225の底面よりも幾分小さい面積を有していることが好ましい。スペースホルダ支持体は、前側および/または後ろ側にスペースホルダ2252を搭載することができる。
【0082】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的に、例えばその表面において、熱的に活性化可能な接着剤から形成されている場合には、スペースホルダ2252をスペースホルダ支持体2253に極めて簡単に固定することができる。
【0083】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的に堅く、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンまたは同様な材料からなる場合には、この種の配置を車両シートのB側において、垂直の通過通路2222を有するクッション5の下方に配置することができる。
【0084】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的にジャケット装置224に沿って延びるように配置されている場合には、低い流れ抵抗が得られる。少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が少なくとも部分的に泡クッション5とそれによって支持されるスペースホルダ2252との間に延びるように配置されている場合、スペースホルダ支持体は、クッション泡がスペースホルダ間へ進入することを阻止すると同時にクッションへの吹込み短管または吹出し開口部の支持体として用いることができる。
【0085】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、それによって支持されるスペースホルダ2252が少なくとも部分的に泡クッション5とスペースホルダ支持体2253との間に位置決めされるように、少なくとも部分的に配置されている場合、スペースホルダ支持体は、クッション5の泡内の通気凹部51を少なくとも部分的に同時に閉鎖することができる。
【0086】
少なくとも1つのスペースホルダ支持体2253が、少なくとも部分的に、例えば深絞りされたポリマー材料からなるネップ箔として、ジャケット装置224の一部から形成されている場合(図11−13)には、材料を節約することが可能となる。
【0087】
ジャケット装置224および/または離間装置225(例えばネップ箔)は、少なくとも部分的に弾性的な材料、例えばゴム、シリコンまたは天然ゴムから形成することもできる。この種の離間装置225は、例えばA側に、好ましくは空調すべき表面の被覆6のすぐ下に配置することができる。少なくとも1つのこの種の離間装置225に、少なくとも1つのカバー装置が設けられている(図4+5)と好ましい。カバー装置は、例えばフリースとすることができ、それが離間装置225(たとえばネップ箔)の端縁に、および/またはスペースホルダの少なくとも多くのものに(ネップ頂上)固定されている。固定は、好ましくは接着剤、超音波溶接または加硫によって行うことができる。
【0088】
カバー装置は、第2の離間装置225(例えばネップ箔)とすることもできる。これは、第1の離間装置225に好ましくは鏡に映したように配置され、かつ/または固定されているので、スペースホルダ2252の頂上22521が互いに重なる。この種の配置によって、形成が簡単であるとともに圧縮安定の空気ガイド装置22が得られる。カバー装置は、少なくとも部分的に第1の離間装置225と同じ材料から形成することができる。しかしながらこれは、少なくとも部分的に、他の材料から形成することもできる。これによって、例えば、ソフトかつ/または引っ張り安定のカバー装置(たとえばフリース)を圧縮安定の離間装置(たとえばネップ箔)と組み合わせることが可能となる。
【0089】
特別な実施形態において、第1と第2のジャケット部分2241+2242(例えばネップ箔からなる)は、そのカバー装置と共に、例えば液状のポリマー鋳造材料および/またはエラストマー鋳造材料によるダイカストプロセスによって、1つの片から形成することもできる。カバー装置は、好ましくは全てのスペースホルダ2252の少なくとも70%において、例えば接着によって、そのスペースホルダにずれないように固定されている。それによって空気ガイド装置22へ圧力負荷がかかった場合に、クッション材料および/またはカバー装置の材料がスペースホルダ2252間へ許されないほど深く挟み込まれることが防止される。同じ保護作用は、スペースホルダ2252の頂上が互いに接するくらい接近するほど、離間装置225が屈曲された場合にも生じる。
【0090】
少なくとも1つの離間装置225と少なくとも1つのカバー装置は、そのスペースホルダ2252の少なくとも一部において互いに接するように固定されていないので、カバー装置は、少なくともネップ頂上の一部においてそれぞれのスペースホルダ2252の頂上に対して移動することができることが好ましい。これは、空気ガイド装置22が、スペースホルダ2252の頂上が互いに離れるほど湾曲される場合に効果的である。
【0091】
少なくとも1つの空気ガイド層2251は、空気ガイド層2251によってスペースホルダ2252間および/またはそれを通して空気を案内することができるようにするために、少なくとも1つの自由空間226を有していることが好ましい。
【0092】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも1つの通路芯227を有することが好ましい。これは、空気の流れ方向に透過性の芯中空室2271と、中空室を少なくとも部分的に空気の流れに沿って制限する芯壁2272と、を有する、好ましくは細長い構成部品または構成部品部分である。この種の通路芯227の長手軸は、空気流の方向に配置されたチューブ状またはシャフト状の部分であってよい。これによって、空気をできるだけ損失なしで所望に案内し、同時に通気装置20の圧力安定性をできるかぎり得ることができる。
【0093】
少なくとも1つの空気ガイド装置22および/または少なくとも1つの空気交換装置221の少なくとも2つの通路芯227が、大面積の空気交換を可能にするために、例えばクッション5と空調すべき表面との間の空気交換装置221内で、1つの平面内に並べて配置されていることが好ましい。その数は、空気ガイド装置22内で好ましくは2〜40、より好ましくは2〜10の範囲内である。多数の短い通路芯227が、メイン空気流に対して互いに並べて、かつ他の多数の短い通路芯227または通路芯部分の後方に配置されていると好ましい(図17)。この種の実施形態では、ローカルな圧力負荷によって多くのゾーンが著しく圧縮された場合でも、縦および横方向において空気を良好に分配することができる。
【0094】
少なくとも2つの通路芯227は、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に互いに並べて、空気交換装置221および/または空気ガイド装置22の接続装置222内に、好ましくは少なくとも部分的に互いに対して平行に配置されていると好ましい。少なくとも2つの通路芯227は、少なくとも部分的に、空気ガイド装置22を通る空気の流れと実質的に同じ方向に方向付けされていると好ましい。少なくとも2つの通路芯227は、少なくとも部分的に、実質的に、空気ガイド装置22および/または空気交換装置221および/または空調すべき表面の延び方向に対して略平行に配置された平面内に配置されていると好ましい。
【0095】
少なくとも2つの互いに隣接して配置された通路芯227が、少なくとも部分的に、その壁の互いに向き合った部分も少なくとも部分的にそれぞれ他の通路芯227から隔たっているように(例えばその間に位置する泡からなるウェブによって)配置されている場合には、通路内の支持壁の数の多さによって良好な支持が得られる。その場合に好ましくは少なくとも2つの通路芯227が、少なくとも部分的に、例えば鋳造形成された結合ウェブ(図18)による材料結合で互いに結合されている。これにより組立ての簡略化が可能になる。
【0096】
少なくとも2つの互いに隣接して配置された通路芯227が、少なくとも部分的に共通の壁を有する場合(図21+22)には、空気通路内の支持構造の横断面がわずかしか覆われていないことにより、高い空気透過性が得られる。少なくとも1つの空気ガイド装置22が、マット状の、大部分中空の構成部品として形成されることが好ましく、それにおいて、第1のジャケット部分2241とそれに対して略平行に配置された第2のジャケット部分2242の間に、少なくとも2つの通路芯227を形成するために、空気流れ方向に沿って多数の支持ウェブが配置されている。
【0097】
少なくとも1つの通路芯227および/またはその芯中空室2271が、少なくとも部分的に横断面において実質的に円形または方形であることが好ましい。その内径は、5から12mmの範囲内にあると好ましい。矩形の芯は約8mm高さの内部中空室を有する。通路芯227のための外径は8〜15mmの領域内にある。矩形の通路芯227の中空室の外側高さは、8〜15mmの範囲内にある。
【0098】
少なくとも1つの芯中空室2271に、空気移送装置21へ向けられた空気流が供給されることが好ましい。好ましくは少なくとも1つの(好ましくは他の)芯中空室2271には、空気移送装置21から離れる方向を向いた空気流が供給される。少なくとも2つの芯中空室2271が空気移送装置21の互いに異なる接続端に、かつ/または互いに異なる空気移送装置21に接続されていると好ましい。その場合、少なくとも2つの芯中空室2271は、空調された空気を同時に供給し、あるいは望ましくない空気を排出することにより、空調すべき表面の効率的な除湿を得るために、実質的に互いに対して平行に配置されていると好ましい。
【0099】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの柔軟、弾性的および/またはフレキシブルな材料、例えばゴム、シリコン、PVC、ポリエチレン、ポリウレタンなどから形成されることが好ましい。これによって、空気交換装置221の領域内および/または空調すべき表面の近傍で使用可能となる。
【0100】
少なくとも1つの芯壁2272が、少なくとも部分的に圧縮に強い材料、例えば硬質PVC、ポリアクリル、ポリウレタンなどから形成されていることが好ましい。これによって、空気ガイド装置22の接続装置222の領域内および/または空調すべき表面から隔たって、その圧力安定性を増大させることができる。
【0101】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的にテキスタイル材料から、例えば織物、ニット、編物または組み物から形成されていることが好ましい。これが、わずかな重量において、高い柔軟性を許す。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、2つ以上の次元で形成されるテキスタイル材料、例えばニットと織物、から形成されると好ましい。これにより、唯一の作業工程で三次元で成形された芯壁2272を形成することができる。
【0102】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、例えばポリエステル、ポリアミドおよび/またはポリプロピレンからなる少なくとも部分的に熱可塑性の繊維および/または糸を有するテキスタイル材料から形成されていることが好ましい。これにより、熱供給による熱可塑性構成部分の収縮によって硬化された構成部品を形成することができる。それによって、テキスタイル材料から、高い復帰能力を有する圧力安定な材料が形成される。
【0103】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、通路芯227の延び方向に対して実質的に平行に延びる繊維および/または糸から形成されていることが好ましい。これによって、通路芯227の高い引っ張り強度が得られる。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に、実質的に通路芯227の横断面の周面に沿って、かつ/または通路芯227の延び方向に対して実質的に垂直に延びる繊維および/または糸から形成されていると好ましい。これによって、通路芯227の高い耐圧強度が得られる。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に通路芯227を中心に実質的に螺旋状に延びる繊維および/または糸から形成されていると好ましい。これにより、通路芯227の高い可撓性が得られる。少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも部分的に少なくとも2つの異なるタイプの繊維および/または糸、たとえば弾性的な繊維と弾性的でない繊維または太さの異なる糸から形成されていると好ましい。これにより、長さ方向と周方向における通路芯227の強度特性および/または異なる特性のローカルな適合が可能となる。
【0104】
少なくとも1つの芯壁2272は、0.05〜1mmの範囲の太さを有する糸を少なくとも1本有していることが好ましい。その場合、緯糸については、0.1〜0.5mmの範囲が特に好ましい。経糸については、0.4〜0.6mmの範囲が特に好ましい。
【0105】
少なくとも1つの芯壁2272は、少なくとも1つの方向に、5〜20本/cmの糸密度を有することが好ましい。その場合、緯糸については12〜15本/cmの範囲が特に好ましい。その場合、経糸については11〜13本/cmの範囲が効果的である。少なくとも2つの通路芯227が、少なくとも部分的に繊維および/または糸を共通に有していると好ましい。これは、例えば共通の芯壁2272内で通路芯227および/または共通の壁に対して実質的に平行に延び、あるいは通路芯の延び方向に対して横方向に方向づけされて複数の通路芯227にまたがって互いに結合し、あるいは1つまたは複数の通路芯227の回りに螺旋状または蛇状に巻き付き、あるいは共通の突き合せ端部において互いに組み合わされたものである。これにより、通路芯227を交差させずに並べて確実に配置することが可能となる。
【0106】
少なくとも部分的に第1の芯において空気ガイド装置22の第1の側に延びる、少なくとも1本の糸は、少なくとも部分的に他の芯の、空気ガイド装置22の第1の側に対向する第2の側にも延びていることが好ましい。
【0107】
少なくとも2つの芯通路227に、その緯糸または経糸が共通の壁の一部において通路芯227の長手方向に対して実質的に平行に延びている少なくとも1つの織物、少なくとも1つの組み物および/または少なくとも1つの編物の繊維または糸が共通であると好ましい。少なくとも2つの芯通路227に、その緯糸または経糸が通路芯227の長手方向に対して実質的に垂直に配置されている少なくとも1つの織物、少なくとも1つの組み物および/または少なくとも1つの編物の繊維および/または糸が共通であると好ましい。両者によって、材料の節約が可能となる。
【0108】
少なくとも2つの通路芯227に、その緯糸または経糸が通路芯227の長手方向に対して斜めに配置されている少なくとも1つの織物、少なくとも1つの組み物および/または少なくとも1つの編物の繊維および/または糸が共通であると好ましい。これによって、曲がった場合に通路芯227が屈曲して、通路芯227の中空室を塞ぐことが、回避される。少なくとも1本の糸が、少なくとも2つの通路芯227に共通であり、それが少なくとも部分的に弾性的な材料からなり、かつ/またはそれが他の糸と接着または溶融されていない場合、これにより同じ効果が得られる。
【0109】
通路芯227を少なくとも部分的に気密に閉鎖するために、少なくとも1つの通路芯227は、例えば積層され、あるいは被覆された箔のような少なくとも1つの芯カバー層22721を有していることが好ましい。少なくとも1つの芯カバー層22721は、少なくとも部分的に、例えば10〜20%割合の熱可塑性繊維を有するフリースのような熱可塑性材料から形成されていると好ましい。
【0110】
少なくとも1つの空気ガイド装置22は、少なくとも1つの通路セグメント228を備えた少なくとも1つのセグメント化された空気通過通路2222を有していることが好ましい。「セグメント」というのは、流れ方向においてその前または後ろに位置する構成部品または構造部分に関して移動できる、限定可能な構成部品または構成部品の限定可能な部分である。これは、特にセグメントが長手方向および/またはそれに対して横方向に摺動可能および/または傾斜可能、揺動可能、あるいは撓むことができることを意味している。これは例えば並べて配置されたスペースホルダの列によって実現することができ、それがそのスペースホルダを支持するスペースホルダ支持体に接する基部において、隣接する列のスペースホルダに対してその前またはその後ろへ倒れることができる。他の例は、シャフト形状のフレームであって、そのフレームがそれに対して整合し、かつリンク状に配置されている他のフレームに対して揺動することができる。空気流れ方向に関して相前後して列をなして配置された、多数の通路セグメント228が設けられている場合に、湾曲した通路が形成される。
【0111】
少なくとも1つの通路セグメント228は、少なくとも部分的に横断面において、円形または矩形の形状を有していることが好ましい。少なくとも1つの通路セグメント228は、クッション輪郭に沿って適合するために、セグメント化された空気通過通路2222の十分に狭い曲率半径を可能にする長さを有していると好ましい。通路セグメント228の長さは、好ましくは2から15cm、好ましくは3から8cmの範囲内にある。少なくとも1つの通路セグメント228は、ジャケット装置224の幅および/または高さに実質的に相当する幅を有することが好ましい。値は0.5から50cm、好ましくは1から12cmの範囲内にある。少なくとも1つの通路セグメント228は、ジャケット装置224の高さに実質的に相当する直径および/または高さを有していると好ましい。この値は5から15mmの範囲内にあると好ましい。
【0112】
少なくとも1つの通路セグメント228は、同じ考えに基づいて、少なくとも部分的に通路芯の少なくとも1つと同じ材料から構成されていることが好ましい。
【0113】
互いに隣接して配置された少なくとも2つの通路セグメント228は互いに結合されていないが、両者はジャケット装置224の少なくとも1箇所に固定されていることが好ましい。これによって取付けが簡単になり、簡単な構成部品を使用することができる。
【0114】
互いに隣接して配置された少なくとも2つの通路セグメント228は、互いに固定されていることが好ましい。この場合には、そのうちの最大で1つがジャケット装置224に固定されていると好ましい。これによって、ジャケット装置224の内部における通路セグメント228が、より大きく移動することができるようになる。
【0115】
少なくとも1つの通路セグメント228が、少なくとも部分的に空気流れ方向に関してその前またはその後ろに配置された通路セグメント228に対して間隙が残るように配置されている場合には、傾斜運動と、並べて配置されている通路芯227間で空気を交換するための十分な横透過性のための運動ゆとり空間が得られる。少なくとも2つの通路セグメント228の間に、好ましくは、0.2から4cm、好ましくは0.5から1.5cmの幅を有する少なくとも1つの間隙が設けられている。
【0116】
少なくとも1つの通路セグメント228は、少なくとも部分的に、ジャケット装置224によって被覆されていることが好ましい。
【0117】
少なくとも1つの通路セグメント228は、少なくとも1つのセグメントフレーム2281を有していることが好ましい。「フレーム」というのは、中空室横断面の少なくとも2つの側が流れ方向に対して横方向に互いに支持する構成部品である。
【0118】
少なくとも1つのセグメントフレーム2281は、少なくとも部分的に、矩形の横断面を有するシャフトあるいは円形の横断面を有する管として形成されていることが好ましい。少なくとも1つのセグメントフレーム2281は、通路芯227および/または空気ガイド装置22の横断面全体をあけておくように、寸法設計されていることが好ましい。その数が空気ガイド装置22の横断面平面内に複数のセグメントフレーム2281が並べて配置されるように選択されている場合、空気ガイド装置22の横断面は、空気を案内する横断面内の横ウェブの数が多いことによって圧力安定である。
【0119】
少なくとも1つのセグメントフレーム2281は、少なくとも部分的に、しっかりした材料、例えばプラスチックから形成されていることが好ましい。
【0120】
少なくとも1つの通路セグメント228が、少なくとも1つのセグメントリンク2282を有していることが好ましい。少なくとも1つのセグメントリンク2282は、たとえばセグメントリンク2282に設けられたネップないしネップに適合する凹部によって実現することができる。その場合に、セグメントリンク2282の回転軸は、好ましくはセグメントフレーム2281の外側端縁から離れている。少なくとも1つのセグメントリンク2282の回転軸は、複数の通路セグメント228が互いに整合してフレキシブルな支持体(たとえばジャケット装置224の、あるいはスペースホルダ支持体2253)に配置されて、通路セグメント間に位置する材料部分によってセグメントリンク2282が実現されている場合に、セグメントフレーム2281の外側端縁に、あるいは隣接する通路セグメント228の間に設けることもできる。これにより、通路セグメント228の前または後ろにある通路部分に対して通路セグメント228を揺動させ、ないしは折り曲げ、それによって屈曲された通路または通路部分を良好に実現することができる。
【0121】
少なくとも1つの空調装置10は、少なくとも1つの温度調節装置30(図10)を有することが好ましい。これは、例えば少なくとも1つの電気的な発熱抵抗、テキスタイルの面加熱素子、ヒートポンプ、ペルティエ素子および/または、たとえばベンチレータのような空気運動装置を有する装置のように、周囲の温度を所望に変化させるために利用することができる各種装置を意味する。
【0122】
少なくとも1つの温度調節装置30は、たとえば少なくとも部分的にテキスタイル材料からなるフラットでフレキシブルな加熱素子のような、少なくとも1つの加熱装置31を有することが好ましい。これは、例えば空調対象2、たとえばシートのクッション5内に挿入片として統合することができる。
【0123】
少なくとも1つの加熱装置31は、たとえばヒートセクションの形式の、オーム発熱抵抗を有していることが好ましい。加熱装置31は多数の発熱抵抗を有していることが好ましく、それらが好ましくは互いに蛇行して並び、かつ互いに対して電気的に並列に配置され、たとえばそれぞれ次の発熱抵抗に対して約2cmの平均間隔で、かつそれに対してほぼ平行に配置されていることが好ましい。少なくとも1つの発熱抵抗は、少なくとも部分的に、たとえば一部または全面で、例えば接着剤によって発熱抵抗支持体312に配置されていると好ましい。
【0124】
少なくとも1つの温度調節装置30は、少なくとも1つの発熱抵抗支持体312を有していることが好ましい。少なくとも1つの発熱抵抗支持体312は、少なくとも部分的に平面的な形成物であると好ましい。少なくとも1つの発熱抵抗支持体312は、少なくとも部分的に、テキスタイル、ニット、編物、織物、フリース、可撓性のサーモプラスト、空気を透過する材料、打ち抜かれ、あるいはネップ形成された箔、空調すべき対象2および/またはその表面の少なくとも一部から形成されていると好ましい。
【0125】
少なくとも1つの温度調節装置30は、少なくとも1つのヒートセクション内へ電流を導入するために、少なくとも1つの電極を有していることが好ましい。
【0126】
少なくとも1つの温度調節装置30は、少なくとも1つの冷却装置を有していることが好ましい。
【0127】
次に、本発明の特徴部分を説明する。
【0128】
[1]空調可能な対象2のための通気装置20であって、空調すべき対象2を通して空気を案内するための少なくとも1つの空気ガイド装置22を有することを特徴とする通気装置。
【0129】
[2]前記空気ガイド装置22が、少なくとも2つの通路セグメント228を有しており、前記通路セグメントが、前記空気ガイド装置22によって案内される空気流に対して相前後して配置されるとともに互いに対して移動可能であることを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0130】
[3]少なくとも1つのジャケット装置224および少なくとも1つの離間装置225を有し、前記ジャケット装置の機械的な負荷にもかかわらず、前記空気ガイド装置22の内部で少なくとも1つの自由空間226を空気のためにあけておくために、前記離間装置225が少なくとも1つのスペースホルダ2252を有することを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0131】
[4]前記離間装置225および前記ジャケット装置224が、少なくとも部分的に1つの片から形成されていることを特徴とする上記[3]に記載の通気装置20。
【0132】
[5]少なくとも1つの前記空気ガイド装置22が、少なくとも2つの通路芯227を有しており、前記通路芯が、前記空気ガイド装置22によって案内される空気流に関して互いに並べて配置されていることを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0133】
[6]前記空気ガイド装置22が、少なくとも部分的にテキスタイル材料から形成されていることを特徴とする上記[1]に記載の通気装置20。
【0134】
[7]上記[1]に記載の少なくとも1つの通気装置20を有することを特徴とする空調装置10。
【0135】
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の、少なくとも1つの通気装置20および/または少なくとも1つの空調装置10を有することを特徴とする対象2。
【0136】
[9]インテリア構成部品、特に車両の操舵装置、ダッシュボード、肘掛け、ドア被覆、クッション5、被覆6またはシートであることを特徴とする上記[8]に記載の対象2。
【0137】
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の、少なくとも1つの通気装置20、少なくとも1つの空調装置10および/または少なくとも1つの対象2を有することを特徴とする車両1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調可能な対象(2)のための通気装置(20)であって、
空調すべき対象(2)を通して空気を案内するための少なくとも1つの空気ガイド装置(22)を有することを特徴とする通気装置。
【請求項2】
前記空気ガイド装置(22)が、少なくとも2つの通路セグメント(228)を有しており、
前記通路セグメントが、前記空気ガイド装置(22)によって案内される空気流に対して相前後して配置されるとともに互いに対して移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項3】
少なくとも1つのジャケット装置(224)および少なくとも1つの離間装置(225)を有し、
前記ジャケット装置の機械的な負荷にもかかわらず、前記空気ガイド装置(22)の内部で少なくとも1つの自由空間(226)を空気のためにあけておくために、前記離間装置(225)が少なくとも1つのスペースホルダ(2252)を有することを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項4】
前記離間装置(225)および前記ジャケット装置(224)が、少なくとも部分的に1つの片から形成されていることを特徴とする請求項3に記載の通気装置(20)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記空気ガイド装置(22)が、少なくとも2つの通路芯(227)を有しており、
前記通路芯が、前記空気ガイド装置(22)によって案内される空気流に関して互いに並べて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項6】
前記空気ガイド装置(22)が、少なくとも部分的にテキスタイル材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項7】
請求項1に記載の少なくとも1つの通気装置(20)を有することを特徴とする空調装置(10)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの通気装置(20)および/または少なくとも1つの空調装置(10)を有することを特徴とする対象(2)。
【請求項9】
インテリア構成部品、特に車両の操舵装置、ダッシュボード、肘掛け、ドア被覆、クッション(5)、被覆(6)またはシートであることを特徴とする請求項8に記載の対象(2)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの通気装置(20)、少なくとも1つの空調装置(10)および/または少なくとも1つの対象(2)を有することを特徴とする車両(1)。
【請求項1】
空調可能な対象(2)のための通気装置(20)であって、
空調すべき対象(2)を通して空気を案内するための少なくとも1つの空気ガイド装置(22)を有することを特徴とする通気装置。
【請求項2】
前記空気ガイド装置(22)が、少なくとも2つの通路セグメント(228)を有しており、
前記通路セグメントが、前記空気ガイド装置(22)によって案内される空気流に対して相前後して配置されるとともに互いに対して移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項3】
少なくとも1つのジャケット装置(224)および少なくとも1つの離間装置(225)を有し、
前記ジャケット装置の機械的な負荷にもかかわらず、前記空気ガイド装置(22)の内部で少なくとも1つの自由空間(226)を空気のためにあけておくために、前記離間装置(225)が少なくとも1つのスペースホルダ(2252)を有することを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項4】
前記離間装置(225)および前記ジャケット装置(224)が、少なくとも部分的に1つの片から形成されていることを特徴とする請求項3に記載の通気装置(20)。
【請求項5】
少なくとも1つの前記空気ガイド装置(22)が、少なくとも2つの通路芯(227)を有しており、
前記通路芯が、前記空気ガイド装置(22)によって案内される空気流に関して互いに並べて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項6】
前記空気ガイド装置(22)が、少なくとも部分的にテキスタイル材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通気装置(20)。
【請求項7】
請求項1に記載の少なくとも1つの通気装置(20)を有することを特徴とする空調装置(10)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの通気装置(20)および/または少なくとも1つの空調装置(10)を有することを特徴とする対象(2)。
【請求項9】
インテリア構成部品、特に車両の操舵装置、ダッシュボード、肘掛け、ドア被覆、クッション(5)、被覆(6)またはシートであることを特徴とする請求項8に記載の対象(2)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの通気装置(20)、少なくとも1つの空調装置(10)および/または少なくとも1つの対象(2)を有することを特徴とする車両(1)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−142646(P2010−142646A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289661(P2009−289661)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(599067662)ヴィー・エー・テー・オートモーティヴ・システムス・アクチェンゲゼルシャフト (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(599067662)ヴィー・エー・テー・オートモーティヴ・システムス・アクチェンゲゼルシャフト (29)
【Fターム(参考)】
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