説明

通話管理システム、通話管理方法、及び通信端末

【課題】通信端末間の通話中に電池残量が低減して通話不能となった状態から復旧した後に、速やかに通信端末間の通話を再開する。
【解決手段】携帯電話10a,10b間の通話を監視する通話監視サーバ20を備える通話管理システム1であって、携帯電話10bが、自機の電池切れを検知する電池切れ検知部15bを備え、通話監視サーバ20が、電池切れ検知部15bによる電池切れの検知に応じて、携帯電話10bと通話中の携帯電話10aに通話不能となることを通知する通話不能通知部21を備え、携帯電話10bが、通話不能通知部21による通知の後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認部14bと、充電の検知に応じて、携帯電話10aに対して当該携帯電話10bと通話可能となったことを通知する通信制御部15bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末間の通話を管理する通話管理システム、通話管理方法、及び通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA(Personal Data Assistance:個人情報端末)などの通信端末同士で通話中に、一方の通信端末の電池残量が不足して通話不能になると、通話が突然中断する状況が考えられる。例えば特許文献1には、このような状況でも通話相手の要件を聞き損じることのないように、通話中に自局の通信端末の電池残容量が所定値以下となった場合に、相手局の通信端末の接続先を留守番電話センターに自動的に切り替えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−134187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている、電池切れによる通話不能時に自動的に留守番電話センターに通話を転送できる通信端末では、電池が再充電されて再び通話可能な状態となっても、留守番電話センターに録音したメッセージを聞き、改めて通話先の通信端末に対して発信しない限り、通話を再開することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、通信端末間の通話中に電池残量が低減して通話不能となった状態から復旧した後に、速やかに通信端末間の通話を再開することが可能な通話管理システム、通話管理方法、及び通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る通話管理システムは、通信端末間の通話を監視する通話監視サーバを備える通話管理システムであって、通信端末が、自機の電池切れを検知する電池切れ検知手段を備え、通話監視サーバが、通信端末の電池切れ検知手段による電池切れの検知に応じて、通信端末と通話中の他の通信端末に通話不能となることを通知する通話不能通知手段を備え、通信端末が、さらに、通話監視サーバの通話不能通知手段による通知の後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認手段と、充電確認手段により電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、前記他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知する通話可能通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
同様に、上記課題を解決するため、本発明に係る通話管理方法は、通信端末間の通話を監視する通話監視サーバを備える通話管理システムによる通話管理方法であって、通信端末の電池切れ検知手段が、自機の電池切れを検知する電池切れ検知ステップと、通話監視サーバの通話不能通知手段が、電池切れ検知ステップにおける電池切れの検知に応じて、通信端末と通話中の他の通信端末に通話不能となることを通知する通話不能通知ステップと、通信端末の充電確認手段が、通話不能通知ステップにおける通知の後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認ステップと、通信端末の通話可能通知手段が、充電確認ステップにおいて電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知する通話可能通知ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
同様に、上記課題を解決するため、本発明に係る通信端末は、自機の電池切れを検知する電池切れ検知手段と、電池切れ検知手段による電池切れの検知に応じて、通信端末間の通話を監視する通話監視サーバが、当該通信端末と通話中の他の通信端末に通話不能となることを通知した後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認手段と、充電確認手段により電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知する通話可能通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような通話管理システム、通話管理方法、及び通信端末によれば、通信端末が通話不能となった後に電池が再充電されて通話可能となったときに、この通信端末と通話中だった他の通信端末に通話可能となったことが通知される。これにより、通話先の通信端末が通話可能となったことを把握することが可能となり、電池切れから復旧した通信端末からのみならず、通話先の通信端末からも再度発信して通話を行うことも可能となる。このため、通信端末間の通話中に電池残量が低減して通話不能となった状態から復旧した後に、速やかに通信端末間の通話を再開することが可能となる。
【0010】
また、他の通信端末が、通話監視サーバの通話不能通知手段による通知の後に、留守番電話サービスセンターに接続して、音声をメッセージとして出力する留守番電話接続手段を備えることが好適である。この構成により、通話が中断してもメッセージを残すことができるので、通信端末間の通話の利便性が向上する。
【0011】
また、通話監視サーバが、通信端末の充電確認手段により電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、前記他の通信端末の留守番電話接続手段により前記他の通信端末から前記留守番電話センターにメッセージを録音中か否かを確認する録音状態確認手段をさらに備え、通信端末の通話可能通知手段は、録音状態確認手段によりメッセージ録音中と確認された場合には、通信端末のユーザによる通知指令を検知したときに、他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知することが好適である。この構成により、留守電録音中にも通話を再開することが可能となるので、より一層速やかに通信端末間の通話を再開することが可能となる。
【0012】
また、他の通信端末が、留守番電話接続手段によりメッセージ録音中に、通信端末の通話可能通知手段による通知を受信した場合に、録音中のメッセージを消去して通話するか、または、メッセージの録音後に終話するかを選択する選択決定手段を備えることが好適である。この構成により、通話先の他の携帯電話の都合にあわせて通話再開の可否を決定することができるので、通信端末間の通話の利便性がより一層向上する。
【0013】
また、他の通信端末が、通話監視サーバの通話不能通知手段による通知の後に、SMSを利用して前記通信端末に対するメッセージの作成を実行するメッセージ作成手段を備えることが好適である。この構成により、通話が中断してもメッセージを残すことができるので、通信端末間の通話の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る通話管理システム、通話管理方法、及び通信端末によれば、通信端末間の通話中に電池残量が低減して通話不能となった状態から復旧した後に、速やかに通信端末間の通話を再開することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る通話管理システムの構成図である。
【図2】通話管理システムにおいて実行される処理を示すシーケンス図である。
【図3】通話管理システムにおいて実行される処理を示すシーケンス図である。
【図4】通話管理システムにおいて実行される処理において携帯電話に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図5】通話管理システムにおいて実行される処理において携帯電話に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図6】通話管理システムにおいて実行される処理において携帯電話に表示される選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る通話管理システム1の構成図である。図1に示すように、通話管理システム1は、複数の携帯電話(通信端末)10a,10b、通話監視サーバ20、及び留守番電話センター30を含んで構成されている。携帯電話10a,10b、通話監視サーバ20、及び留守番電話センター30の間は、移動体通信網などの通信ネットワークNを介して、相互に通信が可能な状態で接続されている。
【0018】
複数の携帯電話10a,10bは、図示しない基地局、交換機を介して移動体通信網Nに接続され、呼を確立することができるよう構成されている。また、呼接続の相手先の携帯電話が圏外の場合や、電源が入っていない場合には、留守番電話センター30に伝言メッセージを録音・保存して、相手先に送信することができる。
【0019】
通話監視サーバ20は、携帯電話10a,10bの通話を監視しており、通話中の携帯電話(例えば携帯電話10b)の電池残量が少なくなり通話不能となった場合には、その旨を通話先の携帯電話(例えば携帯電話10a)に通知し、留守番電話やSMS(Short Message Service)などのサービスを利用してメッセージを残すことができるよう構成される。
【0020】
そして、特に本実施形態では、通話管理システム1は、電池切れの携帯電話10bの電池の充電が行われ、再び通話可能となった場合には、通話先の携帯電話10aがメッセージを残すために利用したサービス(留守番電話サービス、SMSなど)に応じた処理によって、通話不能から回復した携帯電話10bから、通話先の携帯電話10aへ通話可能となったことを通知することができるよう構成されている。
【0021】
携帯電話10(図1の携帯電話10a,10bの総称)は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、入力デバイスである入力キー等の操作部、ディスプレイ、無線通信部などを有する端末装置として構成されている。後述する携帯電話10の各機能は、CPU、RAM等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで操作部、ディスプレイ、無線通信部を動作させるとともに、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0022】
また、通話監視サーバ20は、物理的には、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、ハードディスク装置等の補助記憶装置、入力デバイスである入力キー等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュールなどを有するコンピュータとして構成されている。後述する通話監視サーバ20の各機能は、CPU、RAM等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで入力装置、出力装置、通信モジュールを動作させるとともに、RAMや補助記憶装置におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0023】
次に、携帯電話10及び通話監視サーバ20の各機能について説明する。
【0024】
携帯電話10は、図1に示すように、電池11(図1の電池11a,11bの総称。以下、携帯電話10の各機能ブロックも同様)、電池残量測定部12、電池切れ通知部(電池切れ検知手段)13、充電確認部(充電確認手段)14、通信制御部(通話可能通知手段、留守番電話接続手段、メッセージ作成手段)15、選択決定部(選択決定手段)16を含んで構成されている。
【0025】
電池11は、電池残量を100段階程度で検知することが可能なインテリジェント電池である。
【0026】
電池残量測定部12は、電池11の電池残量を測定する部分である。電池残量測定部12は、測定した電池残量を電池切れ通知部13及び充電確認部14に送信する。
【0027】
電池切れ通知部13は、電池11の電池残量が少なくなり電池切れが発生することを検知・通知する部分である。電池切れ通知部13は、電池残量測定部12から受信した電池11の電池残量が、電池切れ判定用の所定値以下になった場合に、電池切れが発生すると判定して、その旨を通話監視サーバ20に通知する。ここで、電池切れ判定用の所定値は、例えば、電池切れまで一定時間前の電池残量である。
【0028】
充電確認部14は、電池切れとなった電池11の充電状況を確認する部分である。充電確認部14は、電池切れ通知部13により電池11の電池残量が所定値以下となったことが検知された後に、電池11の充電が行われると、電池残量測定部12から受信した電池11の電池残量が、充電完了判定用の所定値以上になった場合に、通話を継続するのに充分な電池残量となったと判定して、充電完了の旨を通話監視サーバ20や通話先の携帯電話10aに通知する。
【0029】
通信制御部15は、他の携帯電話との通信を制御する部分である。通信制御部15は、携帯電話のユーザの操作に応じて各種通信に関する情報を送信し、他の携帯電話から各種通信に関する情報を受信する。ここで「通信」とは、音声通話、留守番電話、SMSなどを含むものとする。
【0030】
選択決定部16は、携帯電話のディスプレイを介してユーザに提示される処理動作の選択肢の中から、操作部を介して入力されるユーザの入力操作に応じて処理動作を決定する部分である。具体的には、本実地形態では、携帯電話10bの電池が切れた後に携帯電話10aでSMSや留守電でメッセージを残すか否か、携帯電話10bの充電完了時に携帯電話10aが留守電録音中のときに電話接続するか否か、携帯電話10aが留守電録音中に携帯電話10bから電話接続要求があったときに留守電を中止して通話するか否かなどの対応選択肢の選択決定処理を行う。
【0031】
通話監視サーバ20は、図1に示すように、通話不能通知部(通話不能通知手段)21及び録音状態確認部(録音状態確認手段)22を含んで構成されている。
【0032】
通話不能通知部21は、通話中の携帯電話の電池切れによって通話不能となることを通話先の携帯電話に通知する部分である。通話不能通知部21は、携帯電話10の電池切れ通知部13(例えば電池切れ通知部13b)から携帯電話10(携帯電話10b)が電池切れを発生する旨の情報を受信すると、これを通話先の携帯電話(携帯電話10a)に通知する。さらに、通話不能通知部21は、通話中の携帯電話の加入者情報を参照して両者の携帯電話の種類や契約内容に応じて、携帯電話10aが対応可能な処理動作を選択して、携帯電話10aに対して提示する。
【0033】
録音状態確認部22は、携帯電話が留守電を録音中か否かを確認する部分である。具体的には、電池切れした携帯電話の充電確認部14bから充電完了した旨の情報を受信すると、通話先の携帯電話10aが留守番電話を録音中か否かを留守番電話センター30に照会して確認する。
【0034】
次に、図2〜6を参照して、本実施形態の通話管理システム1において実行される処理を説明すると共に、本実施形態に係る通話管理方法について説明する。図2及び図3は、通話管理システム1において実行される処理を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、携帯電話10a及び携帯電話10bが通話中に、携帯電話10bの電池残量が少なくなった状況を例として説明する。
【0035】
まず、携帯電話10aまたは携帯電話10bからの発呼に応じて、図示しない基地局及び交換機、ならびに移動体通信網Nを介して呼が確立され、携帯電話10aの通信制御部15a及び携帯電話10bの通信制御部15bにより通話が行われる(S101)。
【0036】
次に、携帯電話10bにおいて、電池残量測定部12bにより、電池11bの残量が測定される(S102)。電池残量測定部12bが測定した電池残量のデータは電池切れ通知部13bに送信され、電池切れ通知部13bにより、電池残量測定部12から受信した電池残量が、電池切れ判定用の所定値以下になったことが検知されると、電池切れが発生する一定時間前と判定して、通話監視サーバ20の通話不能通知部21へ、電池切れが発生する旨がパケット通知される(S103:電池切れ検知ステップ)。
【0037】
次に、通話監視サーバ20において、通話不能通知部21により、携帯電話10bの電池切れ通知部13からパケット通知を受信するのに応じて、携帯電話10a,10bの間の通話接続が切断される。そして、通話先の携帯電話10aに対して、携帯電話10bの電池11bが切れる旨のガイダンスが例えば音を用いて通知される(S104)。
【0038】
さらに、通話不能通知部21により、携帯電話10bが通話不能となるのに伴い携帯電話10aがとりうる対応操作の選択肢が作成される(S105)。具体的には、通話不能通知部21により、携帯電話10bの留守番電話サービスへの加入状況が、顧客管理サーバ(図示せず)に対して確認され、サービス加入が確認された場合には「留守番電話への録音」が選択肢に含まれる。また、携帯電話10a、10bが、共に同一通信事業者の特定の機種の場合には「SMSを利用してメール送信」が選択肢に含まれる。
【0039】
なお、携帯電話10bの留守番電話サービスへの加入が確認された場合には、携帯電話10bの情報(加入者情報、端末情報など)が留守番電話センター30に通知される(S106)。留守番電話センター30では、携帯電話10bの情報の受信に応じて、携帯電話10bの留守番電話サービスへの切替の準備が行われる。
【0040】
そして、通話不能通知部21により、携帯電話10bが通話不能となった旨と共に、ステップS105において作成された携帯電話10aがとりうる対応操作の選択肢が携帯電話10a通知される(S107:通話不能通知ステップ)。また、このときに、携帯電話10aによる対応操作が、携帯電話10aの課金となることも通知される。
【0041】
次に、携帯電話10aにおいて、通話監視サーバ20からの選択肢の受信に応じて、この選択肢が例えば図4のようにディスプレイに表示される(S108)。図4の例では、「先方の電池が切れました」との文章で携帯電話10bが電池切れのため通話不能となった旨が通知され、さらに携帯電話10aがとりうる3つの対応操作、すなわち(1)SMSメッセージを残す、(2)留守番電話につなぐ、(3)終話が提示されている。
【0042】
そして、操作部を介して入力されるユーザの選択操作に応じて、選択決定部16bにより選択肢の中から対応操作が決定される(S109)。以下、選択肢から(1)SMSメッセージを残す、(2)留守番電話につなぐ、(3)終話がそれぞれ選択された場合について説明する。
【0043】
ステップS109において「(1)SMSメッセージを残す」が選択されると、操作部を介して入力される携帯電話10aのユーザの文字入力操作に応じて作成されたSMSメッセージが、通信制御部15により、携帯電話10bに送信される(S110)。
【0044】
携帯電話10bにおいて、携帯電話10aからのSMSメッセージの受信に応じて、充電確認部14bにより、電池11bの再充電の確認が開始される(S111:充電確認ステップ)。
【0045】
そして、充電確認部14bにより、電池残量が充電完了判定用の所定値以上まで回復したことが検知されると、通信制御部15bにより、電池11bが充電され通話可能になったことが携帯電話10aに通知される(S112:通話可能通知ステップ)。通話可能になった旨の通知は、例えばSMSメッセージを利用してもよいし、電話接続でもよい。
【0046】
ステップS109において「(2)留守番電話につなぐ」が選択されると、図3に移り、通信制御部15bにより留守番電話センター30に接続され、留守番電話の録音が開始される(S113)。
【0047】
留守番電話センター30において携帯電話10aからの留守電録音が開始されると、携帯電話10bに対して、電池充電状況を確認するための充電確認開始トリガが送信される(S114)。
【0048】
携帯電話10bにおいて、留守番電話センター30からのトリガ受信に応じて、充電確認部14bにより、電池11bの再充電の確認が開始される(S115:充電確認ステップ)。
【0049】
そして、充電確認部14bにより、電池残量が充電完了判定用の所定値以上まで回復したことが検知されると、通信制御部15bにより、電池11bが充電され通話可能になったことを示す情報が通話監視サーバ20の録音状態確認部22に送信される(S116:通話可能通知ステップ)。
【0050】
通話監視サーバ20において、携帯電話10bからの充電完了を示す情報の受信に応じて、録音状態確認部22により、留守番電話センター30に問い合わせて、携帯電話10aによる留守番電話の録音が完了しているか否かが確認される(S117)。留守番電話の録音が完了している場合には、通信制御部15bにより、電池11bが充電され通話可能になったことが携帯電話10aに例えばSMSメッセージなどで通知される(S118:通話可能通知ステップ)。
【0051】
ステップS117において留守番電話の録音中である場合には、録音状態確認部22により、携帯電話10bに対してその旨が通知されると共に、相手(携帯電話10a)と通話するか否かが確認するための選択肢が送信される(S119)。
【0052】
携帯電話10bにおいて、通話監視サーバ20からの選択肢の受信に応じて、この選択肢が例えば図5のようにディスプレイに表示される(S120)。図5の例では、「先方が留守番電話に録音中です」との文章で携帯電話10aが留守電録音中である旨が通知され、さらに携帯電話10bがとりうる(1)電話接続する、または(2)電話接続しない、の2つの対応操作が提示されている。
【0053】
そして、操作部を介して入力されるユーザの選択操作に応じて、選択決定部16bにより選択肢の中から対応操作が決定される(S121)。ここで、「(2)電話接続しない」が選択されると、そのまま処理が終了し(S122)、携帯電話10aによる留守番電話の録音が完了すると、録音されたメッセージがある旨が留守番電話センター30から携帯電話10bに通知される。
【0054】
ステップS121において「(1)電話接続する」が選択されると、通話先の携帯電話10aに対して、携帯電話10bの電池11bが充電された旨のガイダンスが例えば音やSMSメッセージを用いて通知されると共に、対応操作の選択肢が通知される(S123:通話可能通知ステップ)。
【0055】
携帯電話10aにおいて、携帯電話10bからの選択肢の受信に応じて、この選択肢が例えば図6のようにディスプレイに表示される(S124)。図6の例では、「先方から電話がきました」との文章で携帯電話10aが留守電録音中にメッセージ送付先の携帯電話10bから通話接続がなされようとしている旨が通知され、さらに携帯電話10aがとりうる「(1)留守録を削除し、通話する」、または「(2)録音終了後終話する」、の2つの対応操作が提示されている。
【0056】
そして、操作部を介して入力されるユーザの選択操作に応じて、選択決定部16aにより選択肢の中から対応操作が決定される(S125)。「(1)留守録を削除し、通話する」が選択されると、通信制御部15aにより、まず留守番電話センター30に対して録音中のメッセージを削除する指令が送信され、携帯電話10bと通話接続される(S126)。
【0057】
「(2)録音終了後終話する」が選択されると、通信制御部15aにより、留守番電話センター30への録音が継続され、録音終了後に終話する(S127)。そして、留守番電話センター30により、留守電メッセージが携帯電話10bへ通知される。
【0058】
ステップS109において「(3)終話」が選択されると、携帯電話10aは、携帯電話10bに対してメッセージを残さず、携帯電話10bの再充電を待つことなく、処理を終了する(S128)。
【0059】
以上に説明したように、本実施形態に係る通話管理システム1、通話管理方法、及び携帯電話10bによれば、携帯電話10bの電池切れ検知部15bが自機の電池切れを検知すると、通話監視サーバ20の通話不能通知部21が、これに応じて、携帯電話10bと通話中の携帯電話10aに通話不能となることを通知する。そして、携帯電話10bの充電確認部14bが、通話不能通知部21による通知の後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知すると、通信制御部15bが携帯電話10aに対して当該携帯電話10bと通話可能となったことを通知する。
【0060】
このように、携帯電話10bが通話不能となった後に電池11bが再充電されて通話可能となったときに、この携帯電話10bと通話中だった携帯電話10aに通話可能となったことが通知される。これにより、通話先の携帯電話10aが通話可能となったことを把握することが可能となり、電池切れから復旧した携帯電話10bからのみならず、通話先の携帯電話10aからも再度発信して通話を行うことも可能となる。このため、通信端末間の通話中に電池残量が低減して通話不能となった状態から復旧した後に、速やかに通信端末間の通話を再開することが可能となる。
【0061】
また、携帯電話10aが通話監視サーバ20の通話不能通知部21による通知を受信した後に、携帯電話10aの通信制御部15aが、留守番電話サービス又はSMSを利用して通信端末に対するメッセージの録音/作成を実行する。このため、通話が中断してもメッセージを残すことが可能となり、通信端末間の通話の利便性が向上する。
【0062】
また、通話監視サーバ20の録音状態確認部22が、携帯電話10bの充電確認部14bによる充電の検知に応じて、携帯電話10aからメッセージを録音中か否かを確認し、携帯電話10bは、録音状態確認部22によりメッセージ録音中と確認された場合には、携帯電話10bのユーザによる通知指令を検知した場合に、携帯電話10aに対して当該携帯電話10bと通話可能となったことを通知する。このため、留守電録音中にも通話を再開することが可能となるので、より一層速やかに通信端末間の通話を再開することが可能となる。
【0063】
また、携帯電話10aが、留守番電話メッセージ録音中に、携帯電話10bから通話可能となった旨の通知を受信した場合に、録音中のメッセージを消去して通話するか、または、メッセージの録音後に終話するかを選択することができる。このため、通話先の他の携帯電話の都合にあわせて通話再開の可否を決定することができるので、通信端末間の通話の利便性がより一層向上する。
【0064】
以上、本発明に係る通話管理システム1及び通話管理方法ついて好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では通信端末の一例として携帯電話を例示したが、PDA(Personal Data Assistance:個人情報端末)など相互に通信可能な他種の通信端末を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…通話管理システム、10(10a,10b)…携帯電話、13(13a,13b)…電池切れ通知部(電池切れ検知手段)、14(14a,14b)…充電確認部(充電確認手段)、15(15a,15b)…通信制御部(通話可能通知手段、留守番電話接続手段、メッセージ作成手段)、16(16a,16b)…選択決定部(選択決定手段)、20…通話監視サーバ、21…通話不能通知部(通話不能通知手段)、22…録音状態確認部(録音状態確認手段)、30…留守番電話センター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末間の通話を監視する通話監視サーバを備える通話管理システムであって、
前記通信端末が、
自機の電池切れを検知する電池切れ検知手段を備え、
前記通話監視サーバが、
前記通信端末の電池切れ検知手段による電池切れの検知に応じて、前記通信端末と通話中の他の通信端末に通話不能となることを通知する通話不能通知手段を備え、
前記通信端末が、さらに、
前記通話監視サーバの通話不能通知手段による通知の後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認手段と、
前記充電確認手段により電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、前記他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知する通話可能通知手段と、
を備えることを特徴とする通話管理システム。
【請求項2】
前記他の通信端末が、
前記通話監視サーバの通話不能通知手段による通知の後に、留守番電話サービスセンターに接続して、音声をメッセージとして出力する留守番電話接続手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の通話管理システム。
【請求項3】
前記通話監視サーバが、
前記通信端末の充電確認手段により電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、前記他の通信端末の留守番電話接続手段により前記他の通信端末から前記留守番電話センターにメッセージを録音中か否かを確認する録音状態確認手段をさらに備え、
前記通信端末の通話可能通知手段は、前記録音状態確認手段によりメッセージ録音中と確認された場合には、前記通信端末のユーザによる通知指令を検知したときに、前記他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知することを特徴とする、請求項2に記載の通話管理システム。
【請求項4】
前記他の通信端末が、
前記留守番電話接続手段によりメッセージ録音中に、前記通信端末の通話可能通知手段による通知を受信した場合に、録音中のメッセージを消去して通話するか、または、メッセージの録音後に終話するかを選択する選択決定手段を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の通話管理システム。
【請求項5】
前記他の通信端末が、
前記通話監視サーバの通話不能通知手段による通知の後に、SMSを利用して前記通信端末に対するメッセージの作成を実行するメッセージ作成手段を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通話管理システム。
【請求項6】
通信端末であって、
自機の電池切れを検知する電池切れ検知手段と、
前記電池切れ検知手段による電池切れの検知に応じて、通信端末間の通話を監視する通話監視サーバが、当該通信端末と通話中の他の通信端末に通話不能となることを通知した後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認手段と、
前記充電確認手段により電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、前記他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知する通話可能通知手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項7】
通信端末間の通話を監視する通話監視サーバを備える通話管理システムによる通話管理方法であって、
前記通信端末の電池切れ検知手段が、自機の電池切れを検知する電池切れ検知ステップと、
前記通話監視サーバの通話不能通知手段が、前記電池切れ検知ステップにおける電池切れの検知に応じて、前記通信端末と通話中の他の通信端末に通話不能となることを通知する通話不能通知ステップと、
前記通信端末の充電確認手段が、前記通話不能通知ステップにおける通知の後に、電池残量が所定値以上に回復するまで充電されたことを検知する充電確認ステップと、
前記通信端末の通話可能通知手段が、前記充電確認ステップにおいて電池残量が所定値以上に回復したことが検知されるのに応じて、前記他の通信端末に対して当該通信端末と通話可能となったことを通知する通話可能通知ステップと、
を含むことを特徴とする通話管理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−114797(P2011−114797A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271815(P2009−271815)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】