説明

連結部の被覆材

【課題】連結部に巻き込まれることを被覆材により防止しつつ、第一部材と第二部材とが屈曲した際にその被覆材そのものに挟まれることを防止できる連結部の被覆材を提供する。
【解決手段】可撓性を有し、撓み変形可能となるように第一部材14の所定位置に取り付けられる第一端部61と、可撓性を有し、撓み変形可能となるように第一部材14の所定位置から離間して位置する第二部材16の所定位置に取り付けられる第二端部62と、可撓性を有し、第一端部61と第二端部62とに一体的に結合され、連結部を被覆し且つ連結部から離隔可能に設けられる中間部63とを備える。中間部63の曲げ剛性は、全体に亘って、第一端部61の曲げ剛性より大きく設定されている。さらに、第一部材14と第二部材16とが屈曲する場合に、中間部63が連結部から遠ざかるように凸状に変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一部材と該第一部材に対して屈曲可能に連結される第二部材との連結部を被覆する連結部の被覆材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屈曲可能に連結される二部材の連結部として、例えば、人型ロボットの関節部がある。このような関節部に、人の指等が巻き込まれることを防止するために、関節部を被覆する被覆材が用いられている。例えば、特開2007-105803号公報(特許文献1)に記載のロボットの関節部に適用される被覆材は、樹脂やゴムなどにより蛇腹形状に形成されている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の被覆材は、関節部が蛇腹形状となると、見栄えが良くない(意匠性に欠ける)。これを解決するために、例えば、特開2005-161438号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特許文献2に記載の被覆材は、伸縮性布製カバー部材を適用している。これにより、確かに、意匠性が良好となる。
【特許文献1】特開2007−105803号公報
【特許文献2】特開2005−161438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の蛇腹状の被覆材では、意匠性の問題に加えて、以下の問題も生じる。すなわち、蛇腹状の被覆材では、被覆材の内部の人の指等が侵入することを防止できるが、蛇腹状の被覆材そのものに挟まれてしまうおそれがある。例えば、蛇腹状の谷部に人の指が入り込んだ状態で、蛇腹状の隣り合う山部が近接するように変形すると、人の指が蛇腹状の被覆材に挟まれることになる。
【0005】
特許文献2に記載の伸縮性布製カバー部材では、確かに意匠性が良好になるが、特許文献1同様に、当該被覆材そのものに人の指が挟まれるおそれがある。例えば、第一部材と第二部材とが屈曲角度が小さくなるように屈曲する際には、伸縮性布製カバーからなる被覆材が、連結部に近づくように、凹状に変形する。つまり、この凹状となる部分に人の指が位置していると、人の指が被覆材そのものに挟まれるおそれがある。
【0006】
このような問題は、特に、第一部材および第二部材への被覆材の取付初期状態から、第一部材と第二部材との屈曲角度が小さくなる方向へ大角度変化する場合には、顕著に表れる。例えば、被覆材の取付初期状態における第一部材と第二部材との屈曲角度を180°(第一部材と第二部材とが一直線上)とすると、その状態から45°以上内側に屈曲する場合には、上記問題が生じるおそれがある。例えば、人型ロボットにおいて、肘関節、手首関節、首関節、膝関節、股関節、足首関節などにおいては、その可能性が高い。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、連結部に巻き込まれることを被覆材により防止しつつ、第一部材と第二部材とが屈曲した際にその被覆材そのものに挟まれることを防止できる連結部の被覆材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0009】
(手段1)手段1に係る連結部の被覆材は、
第一部材と該第一部材に対して屈曲可能に連結される第二部材との連結部を被覆する連結部の被覆材であって、
可撓性を有し、撓み変形可能となるように前記第一部材の所定位置に取り付けられる第一端部と、
可撓性を有し、撓み変形可能となるように前記第一部材の所定位置から離間して位置する前記第二部材の所定位置に取り付けられる第二端部と、
可撓性を有し、前記第一端部と前記第二端部とに一体的に結合され、前記連結部を被覆し且つ前記連結部から離隔可能に設けられる中間部と、
を備え、
前記中間部の曲げ剛性は、全体に亘って、前記第一端部の曲げ剛性より大きく設定され、
前記第一部材と前記第二部材とが屈曲する場合に、前記中間部が前記連結部から遠ざかるように凸状に変形することを特徴とする。
【0010】
これにより、第一部材と第二部材とが屈曲する場合に、中間部は、連結部から遠ざかるように凸状に変形する。具体的には、以下の通りである。第一部材および第二部材への被覆材の取付初期状態から、第一部材と第二部材との屈曲角度が小さくなる方向へ屈曲する場合には、最初に、第一端部の部分または第一端部と中間部との結合部位が凹状(連結部に近づく方向)に変形する。この瞬間、中間部は第一端部よりも曲げ剛性が大きく設定されているため、中間部は、変形しない。さらに第一部材と第二部材との屈曲角度が大きくなっていくと、中間部は、第一端部の凹状変形部位または第一端部と中間部の結合部位を支点として、連結部から遠ざかるように凸状に変形する。さらに屈曲角度が大きくなっていくと、中間部がさらに連結部から遠ざかる方向に凸状に飛び出すように変形する。
【0011】
このように、中間部が連結部から遠ざかるように凸状に変形することで、仮に人の指等が被覆材付近に位置していたとしても、人の指等が被覆材に挟まれることを防止できる。また、当然ではあるが、被覆材は連結部を被覆していることから、連結部に人の指等が巻き込まれることを防止できる。
【0012】
(手段2)手段1の連結部の被覆材において、
前記中間部の曲げ剛性は、前記第一端部の曲げ剛性より大きく、且つ、前記第二端部の曲げ剛性より大きく設定されているとよい。
【0013】
第一部材および第二部材への被覆材の取付初期状態から、第一部材と第二部材との屈曲角度が小さくなる方向へ屈曲する場合には、最初に、第一端部の部分または第一端部と中間部との結合部位が凹状(連結部に近づく方向)に変形する。同時に、第二端部の部分または第二端部と中間部との結合部位が凹状(連結部に近づく方向)に変形する。この瞬間、中間部は第一端部および第二端部よりも曲げ剛性が大きく設定されているため、中間部は、変形しない。さらに第一部材と第二部材との屈曲角度が大きくなっていくと、中間部は、第一端部の凹状変形部位または第一端部と中間部の結合部位を支点として、さらに第二端部の凹状変形部位または第二端部と中間部の結合部位を支点として、連結部から遠ざかるように凸状に変形する。さらに屈曲角度が大きくなっていくと、中間部がさらに連結部から遠ざかる方向に凸状に飛び出すように変形する。このように、より安定して、中間部が連結部から遠ざかるように(外側に)凸状に撓み変形できる。
【0014】
(手段3)手段1の連結部の被覆材において、
前記中間部は、前記第一端部と同一材質により形成され、前記第一端部の厚みより厚く形成されているとよい。
これにより、確実に且つ容易に、中間部の曲げ剛性を第一端部の曲げ剛性より大きく設定することができる。
【0015】
(手段4)手段2に記載の連結部の被覆材において、
前記中間部は、前記第一端部および前記第二端部と同一材質により形成され、前記第一端部および前記第二端部の厚みより厚く形成されているとよい。
これにより、確実に且つ容易に、中間部の曲げ剛性を第一端部および第二端部の曲げ剛性より大きく設定することができる。
【0016】
(手段5)手段1〜4の何れかに記載の連結部の被覆材において、
可撓性を有し、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の外側面を被覆し、前記第一部材および前記第二部材に固定される外皮層をさらに備えるようにしてもよい。
【0017】
ここで、中間部の外側面とは、中間部のうち連結部とは反対側の面である。つまり、中間部の外側面は、中間部のうち露出する面である。そして、外皮層により、第一端部、第二端部および中間部を外部から保護することができる。さらに、外皮層を第一部材または第二部材へ固定することにより、間接的に第一端部、第二端部を第一部材または第二部材へ取り付けることができる。つまり、被覆材の取付性を容易にすることができる。
【0018】
(手段6)手段5に記載の連結部の被覆材において、
前記外皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部に対して非接着に設けられるようにしてもよい。
【0019】
これにより、外皮層と、第一端部、第二端部および中間部からなる一体部材とが自由に伸縮することができる。つまり、外皮層と上記一体部材との伸び率が異なるとしても、相互に影響を受けることがないようにできる。
【0020】
(手段7)手段6に記載の連結部の被覆材において、
可撓性を有し、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の内側面を被覆し、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部に対して非接着に設けられ、且つ、前記第一部材および前記第二部材に固定される内皮層をさらに備えるようにしてもよい。
【0021】
ここで、中間部の内側面とは、中間部のうち連結部に対向する面である。つまり、中間部の内側面は、中間部のうち露出しない側の面である。そして、この内皮層により、第一端部、第二端部および中間部を連結部に直接接触することを防止できる。さらに、外皮層および内皮層により、第一端部、第二端部および中間部からなる一体部材を挟むように非接着で設けられる。従って、外皮層および内皮層により、確実に、上記一体部材を位置決めした状態で、第一部材および第二部材へ取り付けることができる。つまり、被覆材の取付性を容易にすることができる。
【0022】
(手段8)手段5に記載の連結部の被覆材において、
前記外皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の少なくとも何れかに接着して設けられるようにしてもよい。
【0023】
これにより、外皮層と、第一端部、第二端部および中間部からなる一体部材とが、一体として取り扱うことができる。従って、この一体接着部品を第一部材および第二部材へ取り付けることが容易となる。
【0024】
(手段9)手段1〜8の何れかに記載の連結部の被覆材において、
前記連結部の被覆材を撓み変形していない状態における前記第一部材と前記第二部材との相対的な状態を、初期状態と定義した場合に、
前記第一端部は、前記第一部材のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に取り付けられ、
前記第二端部は、前記第二部材のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に取り付けられるようにするとよい。
【0025】
これにより、確実に上記効果を発揮できる。なお、本手段における「初期状態から屈曲内側となる位置」は、実質的に、上述した「第一部材および第二部材への被覆材の取付初期状態から、第一部材と第二部材との屈曲角度が小さくなる方向へ屈曲する場合の位置」に相当する。
【0026】
(手段10)手段1に記載の連結部の被覆材において、
前記第一部材および前記第二部材は、軸状部材からなり、
前記第一端部は、筒状からなり、前記第一部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記第二端部は、筒状からなり、前記第二部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記中間部は、筒状からなり、
前記中間部の曲げ剛性は、前記中間部の全周に亘って、前記第一端部の曲げ剛性より大きく設定され、
前記第一部材と前記第二部材とが屈曲する場合に、前記中間部が前記連結部から遠ざかるように凸状に変形するようにしてもよい。
【0027】
これにより、第一部材および第二部材が軸状部材の場合に、確実に、連結部を被覆することができる。さらに、第一部材と第二部材とが屈曲した際に、全周のどの位置の中間部も連結部から遠ざかるように凸状に変形することになる。これにより、被覆材に人の指等が挟まれることを防止できる。
【0028】
ここで、上記においては、中間部と第一端部との関係のみについて定義したが、第二端部との関係についても追加することができる。この場合は、以下のような構成となる。
【0029】
つまり、上記構成に加えて、前記中間部の曲げ剛性は、前記中間部の全周に亘って、前記第二端部の曲げ剛性より大きく設定されるようにしてもよい。この場合、第一部材と第二部材とが屈曲した際に、より確実に、全周のどの位置の中間部も連結部から遠ざかるように凸状に変形することになる。これにより、被覆材に人の指等が挟まれることを防止できる。
【0030】
(手段11)手段1に記載の連結部の被覆材において、
前記第一部材および前記第二部材は、軸状部材からなり、
前記第一端部は、筒状からなり、前記第一部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記第二端部は、筒状からなり、前記第二部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記中間部は、筒状からなり、
前記連結部の被覆材を撓み変形していない状態における前記第一部材と前記第二部材との相対的な状態を、初期状態と定義した場合に、
前記中間部のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位の曲げ剛性は、前記第一端部のうち前記屈曲内側となる位置に位置する部位の曲げ剛性より大きく設定され、
前記中間部のうち前記初期状態から屈曲外側となる位置に位置する部位の曲げ剛性は、前記第一端部のうち前記屈曲外側となる位置に位置する部位の曲げ剛性以下に設定され、
前記第一部材と前記第二部材とが屈曲する場合に、少なくとも前記中間部のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位が、前記連結部から遠ざかるように凸状に変形するようにしてもよい。
【0031】
これにより、中間部のうち初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位が、凸状に変形することで、当該部位において人の指等が挟み込まれることを防止できる。ところで、中間部のうち初期状態から屈曲外側となる部位は、中間部は初期状態から第一端部および第二端部に引っ張られる方向に変形する。つまり、屈曲外側の中間部は、伸張しようとする。そこで、屈曲外側の中間部は、第一端部の曲げ剛性以下に設定することで、伸張変形する際の撓み変形を容易にしている。このように、中間部のうち屈曲内側と屈曲外側のそれぞれにおいて、それぞれに適切な機能を発揮できる構成とすることができる。
【0032】
ここで、上記においては、中間部と第一端部との関係のみについて定義したが、第二端部との関係についても追加することができる。この場合は、以下のような構成となる。
【0033】
つまり、上記構成に加えて、
前記中間部のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位の曲げ剛性は、前記第二端部のうち前記屈曲内側となる位置に位置する部位の曲げ剛性より大きく設定され、
前記中間部のうち前記初期状態から屈曲外側となる位置に位置する部位の曲げ剛性は、前記第二端部のうち前記屈曲外側となる位置に位置する部位の曲げ剛性以下に設定されるようにしてもよい。
【0034】
これにより、中間部のうち初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位が、凸状に変形することで、より確実に、当該部位において人の指等が挟み込まれることを防止できる。
【0035】
(手段12)手段1〜11の何れかに記載の連結部の被覆材において、
前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の外側表面は、滑らかな連続的な曲面に形成されているとよい。
【0036】
これにより、意匠性が良好となり、人間共存型ロボットの関節部に適用した場合に、人間が当該関節部に接触した場合に、実際の人に接触した場合と同様の感覚を得ることができる。
【0037】
(手段13)手段1〜12の何れかに記載の連結部の被覆材において、
前記中間部は、前記第一端部から前記第二端部までを結ぶ線を、前記第一部材と前記第二部材との最大屈曲状態に比べて同一またはより緩やかな凹凸状、もしくは、直線状に形成されているようにしてもよい。
【0038】
ここで、第一部材と第二部材との最大屈曲状態とは、第一部材と第二部材との屈曲角度が最大角度、すなわち、第一部材のうち第一端部が取り付けられる所定位置、連結部、第二部材のうち第二端部が取り付けられる所定位置のなす角度が、最も小さくなる状態を意味する。つまり、中間部のうち第一端部から第二端部までを結ぶ線が凹凸状とした場合には、当該線の凹凸状が、第一部材と第二部材との最大屈曲状態における曲げ角度よりも緩やかな状態、もしくは、当該最大屈曲状態における曲げ角度と同一の状態であるとしている。または、当該線が、直線状としている。
【0039】
つまり、中間部は、滑らかな曲線状または直線状に形成されていることになる。これにより、意匠性が良好となり、人間共存型ロボットの関節部に適用した場合に、人間が当該関節部に接触した場合に、実際の人に接触した場合と同様の感覚を得ることができる。
【0040】
(手段14)手段1〜13の何れかに記載の連結部の被覆材において、
前記第一端部、前記第二端部および前記中間部は、表面の接線方向に伸張変形可能であるとよい。
【0041】
これにより、連結部の屈曲角度が被覆材の取付初期状態から大きくなる方向に屈曲した場合に対応できる。この場合にも、意匠性を良好とすることができる。特に、被覆材を筒状にする場合には、屈曲外側に位置する中間部がその表面の接線方向に伸張変形可能とすることで、中間部は、確実に、連結部の屈曲外側を確実に被覆することができる。
【0042】
(手段15)手段1〜14の何れかに記載の連結部の被覆材において、
前記第一端部、前記第二端部および前記中間部は、高分子発泡体、高分子ゲル状材料または軟質ゴム系材料からなるようにするとよい。
これにより、上述した、中間部と第一端部、または、中間部と第二端部との曲げ剛性の差を確実に有するようにできる。さらに、被覆材に人が接触した場合に人に対して確実に柔軟な感触を与えることができるため、人間共存型ロボットの関節部に適用した場合に有効である。
【0043】
(手段16)手段5に記載の連結部の被覆材において、
前記外皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部より薄膜に成形されたフィルムまたは乾燥させた塗料としてもよい。
これにより、確実に薄膜の外皮層を形成することができる。さらに、表面の接線方向に伸張変形可能な外皮層を形成することができる。
【0044】
(手段17)手段7に記載の連結部の被覆材において、
前記内皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部より薄膜に成形されたフィルムまたは乾燥させた塗料としてもよい。
これにより、確実に薄膜の内皮層を形成することができる。さらに、表面の接線方向に伸張変形可能な内皮層を形成することができる。
【0045】
(手段18)手段1〜17の何れかに記載の連結部の被覆材において、ロボットの関節部の被覆材に適用されるようにしてもよい。
特に、ロボットのうち人間共存型ロボットに適用することができる。ここで、人間共存型ロボットの関節部には、高い意匠性が要求されると共に、人が接触することがあるため、特に上述した問題が生じる。つまり、人間共存型ロボットの関節部に本発明の被覆材を適用することで、要求される高い意匠性、連結部への人の指等の高い巻き込み防止機能、被覆材への人の指等の高い挟み防止機能を発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の連結部の被覆材を、人間共存型ロボットのうち特に介護用ロボットの関節部に適用した場合について図面を参照しつつ説明する。
【0047】
<第一実施形態>
(ロボットの全体構成)
まず、ロボット1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、ロボット1の正面図である。本実施形態のロボット1は、人間共存型ロボットのうち介護用ロボットであり、主として、被介護者である人間を抱きかかえて移動することを可能とするロボットである。例えば、ロボット1は、ベッドに座っている被介護者を、車いすへ移動させることを可能とする。つまり、ロボット1は、ベッドに座っている被介護者を抱きかかえ、被介護者を抱きかかえた状態でベッドから車いすまで移動し、被介護者を車いすに着座させる動作を行う。
【0048】
図1に示すように、ロボット1は、脚部11、胴体部12、頭部13、左右の上腕部14、15、左右の前腕部16、17、左右の手部18、19と、関節部としての、腰部21、首関節部22、肩関節部23、24、肘関節部25、26とから構成される。
【0049】
脚部11は、車輪(図示せず)を備えており、床上を自由に移動可能な構成からなる。胴体部12は、脚部11に対してロボット1の前後に揺動可能となるように、腰関節部21により脚部11と連結されている。頭部13は、胴体部12に対して上下左右に首振り可能となるように、首関節部22により胴体部12と連結されている。頭部13には、視覚センサ13a、13bが取り付けられている。
【0050】
上腕部14、15は、胴体部12に対してロボット1の左右に揺動可能で且つ上腕軸回りに回転可能となるように、肩関節部23、24により胴体部12と連結されている。この上腕部14、15の表面には、接触センサ14a、15aが取り付けられている。つまり、接触センサ14aは、右上腕部14に接触する外力の大きさを検出することができ、接触センサ15aは、左上腕部15に接触する外力の大きさを検出することができる。
【0051】
前腕部16、17は、上腕部14、15に対して、ロボット1の前後に揺動可能となるように、肘関節部25、26により上腕部12、13に連結されている。この前腕部16、17の表面には、接触センサ16a、17aが取り付けられている。つまり、接触センサ16aは、右前腕部16に接触する外力の大きさを検出することができ、接触センサ17aは、左前腕部17に接触する外力の大きさを検出することができる。左右の手部18、19は、前腕部16、17の先端側に固定されている。
【0052】
そして、上腕部14と前腕部16との間の肘関節部25、および、上腕部15と前腕部17との間の肘関節部26に、本発明の連結部の被覆材51、52が配置されている。つまり、連結部の被覆材51、52は、第一部材としての上腕部14、15と、上腕部14、15に対して屈曲可能に連結される第二部材としての前腕部16、17との連結部である肘関節部25、26を被覆している。
【0053】
(連結部の被覆材51の構成およびその周囲の構成)
連結部の被覆材51およびその周囲の構成について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、肘関節部25を正面(図1の正面)から見た図であって、連結部の被覆材51のみを断面にした状態を示す。図3は、図2の右側面図であって、連結部の被覆材51のみを断面にした状態を示す。図4は、図3に示す状態から、前腕部16を上腕部14に対して約45°遥動させた状態を示す図である。
【0054】
(上腕部14および前腕部16の詳細構成)
まず、第一部材としての上腕部14と第二部材としての前腕部16の詳細について、図2および図3を参照して説明する。上腕部14は、円筒状の上腕本体14bと、一対のフランジ部14cとを備えている。上腕本体14bの上端は、肩関節部23により胴体部12の右上端に連結されている。一対のフランジ部14cは、上腕本体14bの下端から下方に突出するように、且つ、図2の左右に対向するように設けられている。この一対のフランジ部14cは、平面状からなり、一対のフランジ部14cの図3の下側外周縁は、楕円弧に近似した形状に形成されている。さらに、一対のフランジ部14cには、それぞれ円形孔14dが同軸状に形成されている。また、図示しないが、上腕本体14bの内部には、肩関節部23にて連結された駆動機構が収容されている。
【0055】
前腕部16は、円筒状の前腕本体16bと、一対のフランジ部16cとを備えている。一対のフランジ部16cは、前腕本体16bの図2、3の上端から上方に突出するように、且つ、図2の左右に対向するように設けられている。この一対のフランジ部16cは、平面状からなり、一対のフランジ部16cの図3の上側外周縁は、楕円弧に近似した形状に形成されている。さらに、一対のフランジ部16cには、それぞれ円形孔16dが同軸状に形成されている。また、前腕部16の一対のフランジ部16cの内側面の離間距離は、上腕部14の一対のフランジ部14cの外側面の離間距離とほぼ同一に形成されている。そして、前腕部16の一対のフランジ部16cの円形孔16dが、上腕部14の一対のフランジ部14cの円形孔14dと同軸状に位置するように、両フランジ部14c、16cが連結されている。また、図示しないが、前腕本体16bの内部には、上腕本体14bの内部に収容されている駆動機構に連結された駆動機構が収容されている。さらに、一対のフランジ部14bおよび一対のフランジ部16bの対向空間には、上腕部14の駆動機構と前腕部16の駆動機構との連結部が配置されている。
【0056】
そして、この駆動機構を駆動させることにより、円形孔14d、16cの中心軸を中心に、前腕部16が上腕部14に対して遥動する。ただし、遥動範囲は、図3に示すように、上腕部14の上腕本体14bと前腕部16の前腕本体16bが同軸状となる位置から、上腕本体14bの中心軸と前腕本体16bの中心軸とが直交する位置までの約90°となる。つまり、上腕本体14bと前腕本体16bとが同軸状に位置する状態を初期状態とした場合に、前腕部16を上腕部14に対して屈曲すると、図3の左側が屈曲内側となり、図3の右側が屈曲外側となる。
【0057】
(連結部の被覆材51の概略構成)
続いて、連結部の被覆材51の概略構成について説明する。ここでは、連結部の被覆材51についてのみ説明するが、左上腕部15と左前腕部17との連結部を被覆する被覆材52は、連結部の被覆材51と同一構成であるため、説明を省略する。
【0058】
連結部の被覆材51は、筒状に形成されている。この連結部の被覆材51の筒状一端が、上腕部14の上腕本体14bの下端外周面に固定されている。一方、連結部の被覆材51の筒状他端が、前腕部16の前腕本体16bの上端外周面に固定されている。つまり、連結部の被覆材51は、上腕本体14bの下端と前腕本体16bの上端との間を全周に亘って被覆している。従って、連結部の被覆材51は、一対のフランジ部14c、16cおよびフランジ部14c、16cの対向空間を被覆している。
【0059】
そして、前腕部16は上腕部14に対して屈曲可能であるため、連結部の被覆材51は、上腕部14と前腕部15との相対的な動作に応じて伸張変形および撓み変形する。具体的には、連結部の被覆材51のうち屈曲外側に位置する部位、すなわち、図3、4の右側に位置する部位は、筒軸方向に伸張変形する。一方、連結部の被覆材51のうち屈曲内側に位置する部位、すなわち、図3、4の左側に位置する部位は、撓み変形する。つまり、前腕部16が上腕部14に対して相対移動する場合であっても、連結部の被覆材51は、肘関節部25を全周に亘って完全に被覆している。従って、この連結部の被覆材51により、介護用ロボットが人間に接触した場合に、肘関節部25、26を構成する内部装置に人間が接触することを防止できる。
【0060】
(連結部の被覆材51の詳細構成)
連結部の被覆材51の詳細構成について説明する。連結部の被覆材51は、基材60と、外皮層70と、内皮層80とから構成されている。
【0061】
基材60は、筒状に形成されている。基材60は、筒軸方向(基材60の表面の接線方向)に伸張変形可能であって、且つ、可撓性を有する。この基材60は、高分子発泡体、高分子ゲル材料または軟質ゴム系材料により形成されている。
【0062】
ここで、基材60に適用される高分子発泡体としては、ゴム、エラストマー、合成樹脂の材料からなる発泡体であるが、特に限定されるものではない。具体的には、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ノルボルネンゴム(NOR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、アクリロニトリルーイソプレン共重合体(NIR)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)等の加硫ゴム、スチレンーブタジエンースチレン・ブロック共重合体(SBS)、ポリエステル系、ウレタン系、オレフィン系等の熱可塑性エラストマー、塩化ビニル樹脂(PVC)、エチレンー酢ビ共重合体(EVA)、1,2-ポリブタジエン(RB)、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂などがある。積層構造の基材31に用いる際にはポリウレタン(PU)等が好適に用いられる。
【0063】
また、基材60に適用される高分子ゲル材料としては、シリコンゲルなどが好適に用いられる。また、基材60に適用される軟質ゴム系材料としては、上述した高分子発泡体のうちのゴム材料が好適に用いられる。
【0064】
基材60は、詳細には、第一端部61と、第二端部62と、中間部63とを備え、これらが一体に形成されている。第一端部61は、ほぼ同一厚みの円筒状からなる。第一端部61は、上記材質からなるので、可撓性を有し、撓み変形可能であり、且つ、筒軸方向(第一端部61の表面の接線方向)に伸張変形可能となる。そして、第一端部61は、後述する外皮層70および内皮層80を介し、取付ボルト90により、第一部材としての上腕本体14bの下端外周面に全周に亘って取り付けられている。この第一端部61は、図2、3の上端側に開口するように、周方向に等間隔に6か所の切欠61aが形成されている。この切欠61aの部分に、取付ボルト90が挿入されている。
【0065】
第二端部62は、ほぼ同一厚みの円筒状からなる。第二端部62は、上記材質からなるので、可撓性を有し、撓み変形可能であり、且つ、筒軸方向(第二端部62の表面の接線方向)に伸張変形可能となる。そして、第二端部62は、後述する外皮層70および内皮層80を介し、取付ボルト91により、第二部材としての前腕本体16bの上端外周面に全周に亘って取り付けられている。なお、第二端部62が取り付けられる前腕本体16bの上端外周面は、第一端部61が取り付けられる上腕本体14bの下端外周面から離間して位置している。この第二端部62は、図2、3の下端側に開口するように、周方向に等間隔に6か所の切欠62aが形成されている。この切欠62aの部分に、取付ボルト90が挿入されている。
【0066】
中間部63は、円筒状からなり、軸方向両端部から軸方向中央部に行くにつれて厚みが徐々に厚くなる形成されている。中間部63の軸方向両端部の厚みは、第一端部61および第二端部62の厚みとほぼ同一である。つまり、中間部63の軸方向中央部の厚みは、第一端部61および第二端部62の厚みよりも厚く形成されている。具体的には、中間部63の内周面は、軸方向に亘って同一径となるように形成されており、中間部63の内周面の内径は、第一端部61および第二端部62の内周面と同一径となるように形成されている。一方、中間部63の外周面は、軸方向両端部から軸方向中央部に行くに従って径方向外方に凸状に形成されている。
【0067】
つまり、中間部63の外周面の外径は、その軸方向両端部において、第一端部61および第二端部62の外径とほぼ同一とされ、軸方向中央部において、第一端部61および第二端部62の外径より大きく形成されている。そして、基材60の外周表面は、第一端部61から中間部63を亘って第二端部62に至るまで、滑らかな連続的な曲面に形成されている。特に、中間部63の外周表面は、第一端部61から第二端部62までを結ぶ線を、上腕部14と前腕部16との最大屈曲状態(すなわち90°の角度)に比べて非常に緩やかな凹凸状に形成している。このことは、中間部63の外周表面は、蛇腹状のような鋭角の凹凸状ではないことを意味している。
【0068】
また、この中間部63は、第一端部61および第二端部62と同様、上記材質からなるので、可撓性を有し、撓み変形可能であり、且つ、筒軸方向(中間部63の表面の接線方向)に伸張変形可能となる。そして、第一端部61、第二端部62および中間部63は、上記形状および材質からなるため、中間部63の曲げ剛性は、中間部63の全周に亘って、第一端部61および第二端部62の曲げ剛性より大きく設定されていることになる。さらに、中間部63は、上腕部14と前腕部16との連結部、すなわち、上腕部14の一対のフランジ部14c、前腕部16の一対のフランジ部16cおよび駆動機構から離隔可能に設けられている。つまり、中間部63は、上腕部14および前腕部16に接着されていないという意味である。
【0069】
外皮層70は、軸方向に亘ってほぼ同一厚みの円筒状からなり、第一端部61、第二端部62および中間部63より薄膜に成形されている。この外皮層70は、可撓性を有し、撓み変形可能であり、且つ、筒軸方向(外皮層70の表面の接線方向)に伸張変形可能とされている。この外皮層70は、基材60の外周面に当接した状態で、基材60の外周側をほぼ全体に亘って被覆している。ただし、外皮層70は、基材60に対して非接着に設けられている。
【0070】
さらに、外皮層70の軸方向両端側には、周方向に等間隔に6か所の孔が形成されている。この孔は、取付ボルト90、91を挿通する孔である。このように、外皮層70は、上腕本体14bとの間に第一端部61を挟んだ状態で、且つ、前腕本体16bとの間に第二端部62を挟んだ状態で、取付ボルト90、91により、上腕本体14bおよび前腕本体16bに固定されている。
【0071】
この外皮層70は、予め成形されたフィルム、または、乾燥させた塗料である。外皮層70としてフィルムを適用した場合には、フィルムの材質は、部分架橋あるいは架橋した各種ゴムで、天然ゴム、ポリブタジエン、ブタジエンースチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ポリウレタンなどを適用する。このフィルムからなる外皮層70の成形方法は、例えば、溶融押出法、インフレーション成形、カレンダー成形などの方法で行う。このように、外皮層70が予め成形されたフィルムである場合には、外皮層70の成形が容易にできる。また、外皮層70として塗料を適用した場合には、塗料の材質は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アクリルウレタンなどを適用する。
【0072】
内皮層80は、軸方向に亘ってほぼ同一厚みの円筒状からなり、第一端部61、第二端部62および中間部63より薄膜に成形されている。この内皮層80は、可撓性を有し、撓み変形可能であり、且つ、筒軸方向(内皮層80の表面の接線方向)に伸張変形可能とされている。この内皮層80は、基材60の内周面に当接した状態で、基材60の内周側をほぼ全体に亘って被覆している。ただし、内皮層80は、基材60に対して非接着に設けられている。つまり、内皮層80は、基材60が上腕部14および前腕部16に直接接触することを防止している。
【0073】
さらに、内皮層80の軸方向両端側には、周方向に等間隔に6か所の孔が形成されている。この孔は、取付ボルト90、91を挿通する孔である。つまり、内皮層80は、外皮層70との間に基材60を挟んだ状態で、取付ボルト90、91により、上腕本体14bおよび前腕本体16bに固定されている。この内皮層80は、外皮層70と同一材質からなる。つまり、内皮層80は、予め成形されたフィルム、または、乾燥させた塗料である。
【0074】
ここで、連結部の被覆材51は、図2、3に示すような形状に形成されて、前腕部14および上腕部16に固定される。つまり、前腕部16が上腕部14に対して屈曲していない状態において、連結部の被覆材51は、撓み変形しておらず且つ伸張変形していない状態となる。この状態を、初期状態と称する。従って、前腕部16が上腕部14に対して屈曲した場合に、連結部の被覆材51が、撓み変形および伸張変形することになる。
【0075】
以上のように形成され且つ固定された連結部の被覆材51は、前腕部16が上腕部14に対して屈曲する場合に、図4に示すように変形する。上腕部14の下端外周面と前腕部16の上端外周面との離間距離は、屈曲内側において次第に近接する。そして、中間部63のうち屈曲内側に位置する部位(図4の左側の部位)は、上腕部14と前腕部16との連結部、すなわちフランジ部14c、16cから遠ざかるように、径方向外方に凸状に変形する。このとき、第一端部61のうち取付ボルト90に挟圧されている部位は、上腕部14に対して多少軸方向にずれることを許容するものの、ほぼ位置決めされている。そして、第一端部61のうち取付ボルト90の位置よりも中間部63寄りの部位が、径方向外方に凹状に変形している。第二端部62は、第一端部61と同様である。すなわち、第二端部62のうち取付ボルト91に挟圧されている部位は、前腕部16に対して多少軸方向にずれることを許容するものの、ほぼ位置決めされている。そして、第二端部62のうち取付ボルト91の位置よりも中間部63寄りの部位が、径方向外方に凹状に変形している。
【0076】
このようになる理由は、次の通りである。連結部の被覆材51のうち屈曲内側に位置する部位は、最初に、第一端部61の部分または第一端部61と中間部63との結合部位が凹状(連結部に近づく方向)に変形する。同時に、第二端部62の部分または第二端部62と中間部63との結合部位が凹状に変形する。この瞬間、中間部63は第一端部61および第二端部62よりも曲げ剛性が大きく設定されているため、中間部63は、変形しない。
【0077】
さらに、上腕部14と前腕部16との屈曲角度が大きくなっていくと、中間部63は、第一端部61の凹状変形部位または第一端部61と中間部63の結合部位を支点として、且つ、第二端部62の凹状変形部位または第二端部62と中間部63の結合部位を支点として、連結部から遠ざかるように径方向外方に凸状に変形する。さらに屈曲角度が大きくなっていくと、中間部63がさらに連結部から遠ざかる方向に径方向外方に凸状に飛び出すように変形する。
【0078】
このように、中間部63が連結部から遠ざかるように径方向外方に凸状に変形することで、仮に人の指等が連結部の被覆材51付近に位置していたとしても、人の指等が連結部の被覆材51に挟まれることを防止できる。
【0079】
一方、上腕部14の下端外周面と前腕部16の上端外周面との離間距離は、屈曲外側において次第に遠ざかる。そして、基材60の屈曲外側に位置する部位(図4の右側の部位)は、基材60の表面の接線方向に伸張変形する。特に、中間部63が伸張変形する。この中間部63の伸張変形と同様に、外皮層70および内皮層80も伸張変形する。
【0080】
以上のように形成され且つ固定された連結部の被覆材51は、前腕部16が上腕部14に対して屈曲する場合に、図4に示すように変形する。中間部63のうち屈曲内側に位置する部位(図4の左側の部位)は、上腕部14と前腕部16との連結部、すなわちフランジ部14c、16cから遠ざかるように、径方向外方に凸状に変形する。このとき、第一端部61のうち取付ボルト90に挟圧されている部位は、上腕部14に対して多少軸方向にずれることを許容するものの、ほぼ位置決めされている。そして、第一端部61のうち取付ボルト90の位置よりも中間部63寄りの部位が、径方向外方に凹状に変形している。第二端部62は、第一端部61と同様である。すなわち、第二端部62のうち取付ボルト91に挟圧されている部位は、前腕部16に対して多少軸方向にずれることを許容するものの、ほぼ位置決めされている。そして、第二端部62のうち取付ボルト91の位置よりも中間部63寄りの部位が、径方向外方に凹状に変形している。また、当然ではあるが、連結部の被覆材51は上腕部14と前腕部16の連結部を全周に亘って被覆していることから、当該連結部に人の指等が巻き込まれることを防止できる。
【0081】
また、中間部63は、第一端部61および第二端部62と同一材質により形成され、第一端部61および第二端部62の厚みより厚く形成した。これにより、確実に且つ容易に、中間部63の曲げ剛性を第一端部61および第二端部62の曲げ剛性より大きく設定することができる。
【0082】
また、連結部の被覆材51は、外皮層70を備える構成とした。外皮層70を備えることにより、基材60を外部から保護することができる。さらに、外皮層70および内皮層80を上腕部14および前腕部16へ固定することにより、間接的に基材60を上腕部14および前腕部16へ取り付けることができる。従って、連結部の被覆材51の上腕部14および前腕部16への取付性を容易にすることができる。
【0083】
さらに、外皮層70は、基材60に対して非接着に設けた。これにより、外皮層70と基材60とが自由に独立して伸縮することができる。つまり、外皮層70と基材60との伸び率が異なるとしても、相互に影響を受けることがないようにできる。
【0084】
また、連結部の被覆材51は、内皮層80を備える構成とした。内皮層80により、基材60を上腕部14と前腕部16との駆動機構に直接接触することを防止できる。さらに、外皮層70および内皮層80により基材60を挟むように非接着で設けた。これにより、外皮層70および内皮層80により、確実に、基材60を位置決めした状態で、上腕部14および前腕部16へ取り付けることができる。つまり、連結部の被覆材51の取付性をより容易にすることができる。
【0085】
また、連結部の被覆材51は、ほぼ円筒状に形成し、且つ、位相によって異なる形状ではない(異方性がない)ため、連結部の被覆材51を上腕本体14bおよび前腕本体16bに対して取付性が良好となる。
【0086】
また、第一端部61、第二端部62および中間部63の外側表面は、滑らかな連続的な曲面に形成している。特に、中間部63は、第一端部61から第二端部62までを結ぶ線を、上腕部14と前腕部16との最大屈曲状態に比べて緩やかな凹凸状に形成している。これにより、意匠性が良好となり、人間共存型ロボットの関節部に適用した場合に、人間が当該関節部に接触した場合に、実際の人に接触した場合と同様の感覚を得ることができる。
【0087】
また、基材60の材質を上述したように、高分子発泡体、高分子ゲル状材料または軟質ゴム系材料からなるようにした。これにより、中間部63と第一端部61、または、中間部63と第二端部61との曲げ剛性の差を確実に有するようにできる。さらに、連結部の被覆材51に人が接触した場合に人に対して確実に柔軟な感触を与えることができるため、人間共存型ロボットの関節部として非常に有効である。
【0088】
<第二実施形態>
第二実施形態の連結部の被覆材151について図5を参照して説明する。図5は、肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材151のみを断面にした状態を示す。
【0089】
図5に示すように、第二実施形態の連結部の被覆材151は、第一実施形態の連結部の被覆材51に対して、以下の点において相違する。第一実施形態において、基材60と外皮層70を非接着とし、基材60と内皮層80とを非接着とした。第二実施形態の連結部の被覆材51は、基材60と外皮層70とを接着し、且つ、基材60と内皮層80とを接着することにしている。また、第一実施形態における取付ボルト90、91を、クランプ部材190、191に置換している。
【0090】
クランプ部材190、191は、リング状からなり、外皮層70の外周面を全周に亘って径方向内方に締め付けることができる部材である。これにより、連結部の被覆材51の両端を、上腕本体14bおよび前腕本体16bのそれぞれに固定することができる。このように、第一実施形態における取付ボルト90、91をクランプ部材190、191に置換したとしても、同様の効果を奏する。
【0091】
また、基材60と外皮層70および内皮層80とを接着している。これにより、基材60、外皮層70および内皮層80が、一体部材となるため、上腕部14および前腕部16へ容易に固定することができる。また、基材60と外皮層70との間、および、基材60と内皮層80との間で擦れることもないため、基材60、外皮層70および内皮層80の摩耗による劣化を低減できる。
【0092】
<第三実施形態>
第三実施形態の連結部の被覆材251について図6を参照して説明する。図6は、肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材251のみを断面にした状態を示す。
【0093】
図6に示すように、第三実施形態の連結部の被覆材251は、第一実施形態の連結部の被覆材51に対して、外皮層70および内皮層80を取り除いたものとなる。基材60そのものがある程度の破損強度を有する場合には、基材60が径方向外方および径方向内方に直接露出するようにすることもできる。この場合には、基材60そのものが、上腕本体14bおよび前腕本体16bに直接固定されることになる。この場合には、部品点数の低減を図ることができる。
【0094】
<第四実施形態>
第四実施形態の連結部の被覆材351について図7を参照して説明する。図7は、肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材351のみを断面にした状態を示す。
【0095】
図7に示すように、第四実施形態の連結部の被覆材351は、第一実施形態の連結部の被覆材51に対して、中間部363が相違する。第一実施形態において、中間部63は、周方向全周に亘って同一形状として形成した。これに対して、第四実施形態における中間部363は、屈曲内側に位置する部位を第一実施形態において説明した外側凸状形状とし、屈曲外側に位置する部位を同一の厚みとなるように形成している。そして、中間部363における屈曲内側と屈曲外側とをつなぐ部位は、連続的に変化している。つまり、中間部363の屈曲内側に位置する部位から、中間部363の屈曲外側に位置する部位に行くにつれて、徐々に径方向外方への突出量が小さくなるようにしている。
【0096】
これにより、中間部363は、屈曲内側において、第一端部61および第二端部62より曲げ剛性が大きく設定されており、屈曲外側において、第一端部61および第二端部62の曲げ剛性と同一に設定されている。そして、中間部363の屈曲外側に位置する部位は、第一実施形態の中間部63に比べて厚みが小さいため、伸張性が良好となる。従って、屈曲外側の中間部363は、より確実に伸張変形できるようになる。つまり、中間部363のうち屈曲内側と屈曲外側のそれぞれにおいて、それぞれに適切な機能を発揮できる構成とすることができる。
【0097】
なお、中間部363の屈曲外側に位置する部位の曲げ剛性は、第一端部61および第二端部62の曲げ剛性よりも小さくてもよい。屈曲外側においては、屈曲内側において生じる問題が生じないためである。
【0098】
<第五実施形態>
第五実施形態の連結部の被覆材451について図8を参照して説明する。図8は、肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材451のみを断面にした状態を示す。
【0099】
第五実施形態の連結部の被覆材451は、第一実施形態の連結部の被覆材51に対して、中間部463のみ相違する。第一実施形態における中間部63の外側面は、軸方向両端から軸方向中央部に行くに従って滑らかな凸状とした。これに対して、第五実施形態の中間部463は、図8に示すように、軸方向両端と軸方向中央部との間に段差を有する凸状とした。このように、中間部463の外周面が段差を有する凸状としても、中間部63の外周面を滑らかとすることによる効果を除いて、同様の効果を奏する。
【0100】
<第六実施形態>
第六実施形態の連結部の被覆材551について図9を参照して説明する。図9は、肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材551のみを断面にした状態を示す。
【0101】
第六実施形態の連結部の被覆材551は、第五実施形態の連結部の被覆材451に対して、中間部563のみ相違する。第六実施形態における中間部563は、第五実施形態における中間部463の外側面形状と内周面形状を逆にしたものに相当する。つまり、中間部563の外周面は、軸方向に亘って同一径とし、中間部563の内周面は、軸方向両端から軸方向中央部に行くに従って径方向内方に凸状に形成されている。ただし、中間部563の軸方向各位置における厚みは、第五実施形態の中間部463の軸方向各位置における厚みと同一である。この場合も、実質的に第五実施形態による効果を同一の効果を奏する。なお、同様に、第一実施形態から第四実施形態の中間部における内周面形状と外周面形状とを逆にすることもできる。
【0102】
<第七実施形態>
第七実施形態の連結部の被覆材651について図10を参照して説明する。図10は、肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材651のみを断面にした状態を示す。
【0103】
第七実施形態の連結部の被覆材651は、第五実施形態の連結部の被覆材451に対して、第二端部662および中間部663が相違する。第七実施形態における第二端部662は、第五実施形態における第二端部62より厚みが厚くなっている。具体的には、第二端部662は、中間部463のうち厚みが厚い部位と同一の厚みとしている。また、中間部663は、軸方向一方端(図10の上端)から軸方向中央部に行くに従って厚みが厚くなるように形成されている。そして、中間部663は、軸方向中央部から軸方向他方端(図10の下端)に亘って、同一の厚みとしている。
【0104】
この場合であっても、中間部663の屈曲内側に位置する部位は、第一実施形態にて説明したように、連結部から遠ざかるように径方向外方に凸状に撓み変形する。ただし、第一実施形態から第六実施形態のように、中間部の軸方向両端が軸方向中央部よりも曲げ剛性が小さくなるようにすることが望ましい。
【0105】
<その他>
上記各実施形態においては、肘関節部25に連結部の被覆材51等を適用した場合について説明した。この他に、屈曲する二部材の連結部を被覆するものであれば適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の連結部の被覆材は、特に、人間と接触する人間共存型ロボットの関節部に適用することが効果的である。その他、関節部でなくても、伸張性および意匠性を必要とするものに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】ロボット1の正面図である。
【図2】第一実施形態:肘関節部25を正面(図1の正面)から見た図であって、連結部の被覆材51のみを断面にした状態を示す。
【図3】図2の右側面図であって、連結部の被覆材51のみを断面にした状態を示す。
【図4】図3に示す状態から、前腕部16を上腕部14に対して約45°遥動させた状態を示す図である。
【図5】第二実施形態:肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材151のみを断面にした状態を示す。
【図6】第三実施形態:肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材251のみを断面にした状態を示す。
【図7】第四実施形態:肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材351のみを断面にした状態を示す。
【図8】第五実施形態:肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材451のみを断面にした状態を示す。
【図9】第六実施形態:肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材551のみを断面にした状態を示す。
【図10】第七実施形態:肘関節部25を右側(図1の右側)から見た図であって、連結部の被覆材651のみを断面にした状態を示す。
【符号の説明】
【0108】
1:ロボット
11:脚部、 12:胴体部、 13:頭部、 13a、13b:視覚センサ
14、15:上腕部、 16、17:前腕部、 18、19:手部
14a、15a、16a、17a:接触センサ
21:腰部、 22:首関節部、 23、24:肩関節部、 25、26:肘関節部
51、52:連結部の被覆材
60:基材、 61:第一端部、 62:第二端部、 63:中間部
70:外皮層、 80:内皮層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材と該第一部材に対して屈曲可能に連結される第二部材との連結部を被覆する連結部の被覆材であって、
可撓性を有し、撓み変形可能となるように前記第一部材の所定位置に取り付けられる第一端部と、
可撓性を有し、撓み変形可能となるように前記第一部材の所定位置から離間して位置する前記第二部材の所定位置に取り付けられる第二端部と、
可撓性を有し、前記第一端部と前記第二端部とに一体的に結合され、前記連結部を被覆し且つ前記連結部から離隔可能に設けられる中間部と、
を備え、
前記中間部の曲げ剛性は、全体に亘って、前記第一端部の曲げ剛性より大きく設定され、
前記第一部材と前記第二部材とが屈曲する場合に、前記中間部が前記連結部から遠ざかるように凸状に変形することを特徴とする連結部の被覆材。
【請求項2】
前記中間部の曲げ剛性は、前記第一端部の曲げ剛性より大きく、且つ、前記第二端部の曲げ剛性より大きく設定されている請求項1に記載の連結部の被覆材。
【請求項3】
前記中間部は、前記第一端部と同一材質により形成され、前記第一端部の厚みより厚く形成されている請求項1に記載の連結部の被覆材。
【請求項4】
前記中間部は、前記第一端部および前記第二端部と同一材質により形成され、前記第一端部および前記第二端部の厚みより厚く形成されている請求項2に記載の連結部の被覆材。
【請求項5】
可撓性を有し、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の外側面を被覆し、前記第一部材および前記第二部材に固定される外皮層をさらに備える請求項1〜4の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
【請求項6】
前記外皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部に対して非接着に設けられる請求項5に記載の連結部の被覆材。
【請求項7】
可撓性を有し、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の内側面を被覆し、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部に対して非接着に設けられ、且つ、前記第一部材および前記第二部材に固定される内皮層をさらに備える請求項6に記載の連結部の被覆材。
【請求項8】
前記外皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の少なくとも何れかに接着して設けられる請求項5に記載の連結部の被覆材。
【請求項9】
前記連結部の被覆材を撓み変形していない状態における前記第一部材と前記第二部材との相対的な状態を、初期状態と定義した場合に、
前記第一端部は、前記第一部材のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に取り付けられ、
前記第二端部は、前記第二部材のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に取り付けられる請求項1〜8の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
【請求項10】
前記第一部材および前記第二部材は、軸状部材からなり、
前記第一端部は、筒状からなり、前記第一部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記第二端部は、筒状からなり、前記第二部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記中間部は、筒状からなり、
前記中間部の曲げ剛性は、前記中間部の全周に亘って、前記第一端部の曲げ剛性より大きく設定され、
前記第一部材と前記第二部材とが屈曲する場合に、前記中間部が前記連結部から遠ざかるように凸状に変形する請求項1に記載の連結部の被覆材。
【請求項11】
前記第一部材および前記第二部材は、軸状部材からなり、
前記第一端部は、筒状からなり、前記第一部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記第二端部は、筒状からなり、前記第二部材の外周に全周に亘って取り付けられ、
前記中間部は、筒状からなり、
前記連結部の被覆材を撓み変形していない状態における前記第一部材と前記第二部材との相対的な状態を、初期状態と定義した場合に、
前記中間部のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位の曲げ剛性は、前記第一端部のうち前記屈曲内側となる位置に位置する部位の曲げ剛性より大きく設定され、
前記中間部のうち前記初期状態から屈曲外側となる位置に位置する部位の曲げ剛性は、前記第一端部のうち前記屈曲外側となる位置に位置する部位の曲げ剛性以下に設定され、
前記第一部材と前記第二部材とが屈曲する場合に、少なくとも前記中間部のうち前記初期状態から屈曲内側となる位置に位置する部位が、前記連結部から遠ざかるように凸状に変形する請求項1に記載の連結部の被覆材。
【請求項12】
前記第一端部、前記第二端部および前記中間部の外側表面は、滑らかな連続的な曲面に形成されている請求項1〜11の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
【請求項13】
前記中間部は、前記第一端部から前記第二端部までを結ぶ線を、前記第一部材と前記第二部材との最大屈曲状態に比べて同一またはより緩やかな凹凸状、もしくは、直線状に形成されている請求項1〜12の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
【請求項14】
前記第一端部、前記第二端部および前記中間部は、表面の接線方向に伸張変形可能である請求項1〜13の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
【請求項15】
前記第一端部、前記第二端部および前記中間部は、高分子発泡体、高分子ゲル状材料または軟質ゴム系材料からなる請求項1〜14の何れか一項に記載の連結部の被覆材。
【請求項16】
前記外皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部より薄膜に成形されたフィルムまたは乾燥させた塗料である請求項5に記載の連結部の被覆材。
【請求項17】
前記内皮層は、前記第一端部、前記第二端部および前記中間部より薄膜に成形されたフィルムまたは乾燥させた塗料である請求項7に記載の連結部の被覆材。
【請求項18】
ロボットの関節部の被覆材に適用される請求項1〜17の何れか一項に記載の連結部の被覆材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−137288(P2010−137288A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312787(P2008−312787)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】