遅消化性または消化抵抗性炭水化物組成物を含んでなる食物製品
【課題】消化抵抗性または遅消化性であるオリゴ糖組成物を含んでなる食物製品を製造する。
【解決手段】該オリゴ糖組成物は、デンプン10の糖化により少なくとも1種のオリゴ糖と少なくとも1種の単糖を含んでなる水性組成物を産生する。オリゴ糖組成物は、少なくとも約70重量%の固形濃度を有する水性供給原料組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱し、非線状糖オリゴマーの形成を引き起こすために十分な時間にわたりグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒と該供給原料組成物を接触させるプロセスにより産生でき、その際に線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含有した産生組成物が産生される。
【解決手段】該オリゴ糖組成物は、デンプン10の糖化により少なくとも1種のオリゴ糖と少なくとも1種の単糖を含んでなる水性組成物を産生する。オリゴ糖組成物は、少なくとも約70重量%の固形濃度を有する水性供給原料組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱し、非線状糖オリゴマーの形成を引き起こすために十分な時間にわたりグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒と該供給原料組成物を接触させるプロセスにより産生でき、その際に線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含有した産生組成物が産生される。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
様々な炭水化物、例えば様々な糖およびデンプンが食物製品で用いられている。これら炭水化物の多くはヒト胃および小腸で消化されている。食物製品中の食物繊維は、対照的に、胃および小腸で通常消化されず、可能性として大腸で微生物により発酵される。
【0002】
食物繊維分を高めまたは食品のカロリー分を減らすために、食物製品で使用に適した、非消化性であるまたはある程度消化性であるにすぎない材料を開発することに、関心がもたれている。これらの変更はある健康上の利益を有する。
【0003】
低含有率の易消化性炭水化物を有し、食品で常用炭水化物製品の代わりにまたはそれに加えて用いられる食用物質について、必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一面はオリゴ糖組成物を製造するための方法である。この方法は、デンプンの糖化により少なくとも1種のオリゴ糖と少なくとも1種の単糖を含んでなる水性組成物を産生すること、該水性組成物を膜濾過して単糖に富んだ流れおよびオリゴ糖に富んだ流れを形成すること、およびオリゴ糖に富んだ流れを回収することを含んでなる。本発明の一態様において、オリゴ糖に富んだ流れはヒト消化系で遅消化性である。ここで用いられている“遅消化性”という用語は、該流れに存在する炭水化物の実質量(例えば、乾燥固形ベースで少なくとも約50%、一部の場合では少なくとも約75%または少なくとも約90%)がヒト胃および小腸で全く消化されないか、またはある程度消化性されるにすぎないことを意味する。本発明の他の態様において、オリゴ糖に富んだ流れはヒト消化系による消化に抵抗性である。
【0005】
インビトロおよびインビボ双方の試験が、ヒトで炭水化物消化の速度および程度を評価するために行なえる。“Englystアッセイ”は、速消化性、遅消化性または消化に抵抗性である炭水化物材料の量を評価するために用いられる、インビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition(1992)Volume 46(Suppl.2),pages S33-S50)。このとき、遅消化性である物質の“乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%”または“主に遅消化性”である物質、というここでのいかなる言及も、Englystアッセイで遅消化性または抵抗性と分類されるパーセンテージの合計が少なくとも約50%であることを意味する。同様に、消化抵抗性である物質の“乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%”または“主に消化抵抗性”である物質、というここでのいかなる言及も、Englystアッセイで抵抗性と分類されるパーセンテージが少なくとも約50%であることを意味する。
【0006】
本プロセスの一態様において、デンプンの糖化に続く異性化により産生される水性組成物は、デキストロース、フルクトース、およびオリゴ糖の混合物を含んでなる。この水性組成物は、それを単糖に富んだ透過物質流れおよびオリゴ糖に富んだ保持物質流れへ分離するためにナノ濾過しうる。オリゴ糖に富んだ流れは、乾燥固形ベースでオリゴ糖を少なくとも約50重量%または一部の場合では少なくとも約90%含んでなる。本プロセスのある態様において、オリゴ糖に富んだ流れは少量のデキストロースおよびフルクトースを更に含むことがある。“少量”は、乾燥固形ベースで50重量%未満を意味するために、ここでは用いられている。
【0007】
本プロセスは、一部の態様において、次のステップの1以上も含む:(1)デキストロースの少なくとも一部がフルクトースへ変換されるように、オリゴ糖に富んだ流れを異性化酵素と接触させ、こうして異性化オリゴ糖に富んだ流れを産生する工程、(2)オリゴ糖に富んだ流れを膜濾過して、第二の単糖に富んだ流れと、乾燥固形ベースで約90重量%以上のオリゴ糖および少量の単糖を含んでなる第二のオリゴ糖に富んだ流れとを産生する工程、(3)オリゴ糖に富んだ流れを水素化して、その中の単糖の少なくとも一部をアルコールへ変換し、こうして水素化オリゴ糖に富んだ流れを産生する工程、(4)オリゴ糖に富んだ流れをグルコシダーゼ酵素と接触させて、該流れに存在する残留単糖の少なくとも一部がオリゴ糖または他の単糖へ共有結合されているような転換生成物を生成する工程、および(5)オリゴ糖に富んだ流れを活性炭と接触させることによりその色を希薄化させる。
【0008】
本発明の他の面は、糖オリゴマーを製造するためのプロセスである。このプロセスの一部態様により産生される糖オリゴマー組成物は、主に消化抵抗性である。他の態様において、該組成物は主に遅消化性である。本プロセスは、少なくとも1種の単糖または線状糖オリゴマーを含んでなり、少なくとも約70重量%の固形濃度を有する、水性供給原料組成物を用いる。該供給原料組成物は少なくとも約40℃の温度に加熱され、非線状糖オリゴマーの形成を引き起こすために十分な時間にわたりグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒と接触される。線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含有している産生組成物が産生される。
【0009】
本プロセスの一態様では、少なくとも1種の触媒がグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素である。本プロセスの他の態様では、少なくとも1種の触媒が酸である。本プロセスの一部態様では、酸および酵素が順次用いられ、供給原料組成物が最初に酵素、次いで酸で、またはその逆で処理される。
【0010】
本発明の他の面は、乾燥固形ベースで大量のオリゴ糖を含んでなり、ヒト消化系で遅消化性または消化に抵抗性である、食用炭水化物組成物(ここではオリゴ糖組成物と時々称される)である。この組成物は前記プロセスのいずれかで産生しうる。“大量”は、乾燥固形ベースで少なくとも50重量%を意味するために、ここでは用いられている。
【0011】
一態様において、オリゴ糖に富んだ流れが70.0%質量/質量(m/m)以上の固形分と、乾燥ベースで計算すると20.0%m/m以上である、D‐グルコースとして表示される還元糖分(デキストロース当量)を有するプロセスにより、食用炭水化物組成物が産生される。組成物のこの態様は食品表示規則下でコーンシロップとして分類される。他の態様において、オリゴ糖に富んだ流れは、70.0%質量/質量(m/m)以上の固形分と、乾燥ベースで計算すると20.0%m/m未満の、D‐グルコースとして表示される還元糖分(デキストロース当量)を有する。この態様は食品表示規則下でマルトデキストリンとして分類される。
【0012】
本発明の他の面は、乾燥固形ベースで大量(即ち、乾燥固形ベースで50重量%以上)の線状および非線状糖オリゴマーを含んでなり、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度より大きい食用炭水化物組成物である。本発明の一部態様において、組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い。
【0013】
本発明の他の面は食物製品を製造する方法である。該方法では、炭水化物物質との組合せに適した食品組成物を用意し、前記のような遅消化性または消化抵抗性である食用炭水化物組成物と該食品組成物を組み合わせる。
【0014】
本発明の他の面は、前記のような食用炭水化物組成物を含んでなる食物製品である。該食物製品は、例えばパン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押出スナック、スープ、冷凍デザート、フライド食品、パスタ製品、ポテト製品、コメ製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、栄養バー、朝食シリアルまたは飲料である。
【0015】
本発明の一態様において、食物製品は、ベークド食品、朝食シリアル、無水コーティング(例えば、アイスクリームコンパウンドコーティング、チョコレート)、乳製品、菓子、ジャムおよびゼリー、飲料、フィリング、押出およびシート状スナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズおよびチーズソース、食用および水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリーマー、アイシング、フロスティング、グレーズ、ペットフード、トルティーヤ、肉および魚、ドライフルーツ、乳幼児食、バターおよびブレッディングから選択される。ここではオリゴ糖組成物と時々称される食用炭水化物組成物は、1以上の目的のために、例えば固形甘味料の完全もしくは部分代用品、または食物繊維源として、食物製品に存在しうる。
【0016】
本発明の他の面は、糖尿病に罹患した哺乳動物で血中グルコースをコントロールする方法である。該方法では、様々な態様で、前記のような食物製品を哺乳動物に供する。
【具体的態様の説明】
【0017】
本発明の一面は、食品で使用に適した遅消化性または消化抵抗性炭水化物組成物(例えば、糖オリゴマー組成物)を作るプロセスである。
【0018】
インビトロおよびインビボ双方の試験が、ヒトで炭水化物消化の速度および程度を評価するために行なえる。“Englystアッセイ”は、速消化性、遅消化性または消化に抵抗性である炭水化物材料の量を評価するために用いられる、インビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition(1992)Volume 46(Suppl.2),pages S33-S50)。
【0019】
“食品”という用語は、ヒトで摂取されうる様々な物質、例えば飲料および医薬カプセルまたは錠剤を含めて、ここでは広い意味で用いられている。
【0020】
“オリゴ糖”および“糖オリゴマー”という用語は、少なくとも2つの糖単位を含んでなる糖、例えば約2〜30の重合度(“DP”)を有する糖に言及するために、ここでは用いられている。例えば、二糖は2のDPを有する。
【0021】
本発明の一部態様において、水性供給原料組成物は少なくとも1種の単糖と少なくとも1種の線状糖オリゴマーを含有し、各々について数種を含有してもよい。多くの場合に、単糖およびオリゴ糖は供給原料組成物の乾燥固形ベースで少なくとも約70重量%を占める。望ましいオリゴマーの産出を最大化するために、できるだけ高濃度の単糖を有することが、出発物質としては通常有用である。高固形濃度は、加水分解からの平衡を縮合(転換)方向へ向けさせることで、高分子量産物を生じさせやすい。したがって、出発物質の水分は好ましくは比較的低い。例えば、ある態様において、供給原料組成物は少なくとも約75重量%乾燥固形を含んでなる(“乾燥固形”はここでは時々“ds”と略記される)。一部の場合に、供給原料組成物は約75〜90重量%固形を含んでなり、室温で粘稠シロップまたは湿性粉末の外観を通常呈する。
【0022】
適切な出発物質の例としては、デンプンの加水分解で得られるシロップ、例えばデキストロースグリーンズシロップ(即ち、デキストロース一水和物結晶化からの母液のリサイクル流)、他のデキストロースシロップ、コーンシロップおよびマルトデキストリンの溶液があるが、それらに限定されない。
【0023】
供給原料組成物がマルトデキストリンを含むならば、本プロセスは、加水分解糖溶液を形成するためにマルトデキストリンを加水分解し、供給原料組成物を形成するために加水分解糖溶液を少なくとも約70%乾燥固形に濃縮するステップも場合により含む。供給原料の濃縮および触媒との接触は同時に行なっても、または濃縮は供給原料組成物を触媒と接触させる前に行なってもよい。
【0024】
供給原料組成物は、様々な時間にわたり少なくとも1種の触媒と接触される。一部の場合に、接触期間は少なくとも約5時間である。本発明の一部態様において、供給原料組成物は約15〜100時間にわたり少なくとも1種の触媒と接触される。他の態様では、それより短い接触時間がより高温で用いられ、一部の場合には1時間未満のこともある。
【0025】
本発明の一態様では、酵素転換が非線状オリゴ糖を産生するために用いられる。酵素は、例えば、デキストロース残基を形成させるためにα1‐2、1‐3、1‐4または1‐6グルコシル結合の開裂の速度を速めるものである。1つの適切な例はグルコアミラーゼ酵素組成物、例えばグルコアミラーゼと称される市販酵素組成物である。このような組成物は純粋グルコアミラーゼ以外の酵素もある量で含有でき、非線状オリゴ糖の望ましい産生を触媒するのが実際にはグルコアミラーゼ自体であるとは決めてかかれない。
【0026】
したがって、供給原料組成物はデキストロースポリマーで作用するグルコアミラーゼまたはいずれか他の酵素と接触させられる。酵素の量は適切には供給原料組成物の約0.5〜2.5容量%である。本プロセスの一部態様において、供給原料組成物は酵素との接触に際して約55〜75℃、または一部の場合には約60〜65℃で維持される。この温度のとき、水分に応じて、物質は液体または液体と固体の混合物になる。場合により、反応混合物は酵素を分散させるために混合または攪拌される。反応混合物は、非線状オリゴマーへの望ましい転換度を達成するために必要な時間にわたり、望ましい温度で維持される。本プロセスの一部態様において、供給原料組成物は酵素の失活前に約20〜100時間、または一部の場合には失活前に約50〜100時間にわたり酵素と接触される。グルコアミラーゼを失活させる技術は当分野で周知である。一方、酵素を失活させる代わりに、それは膜濾過により分離させてリサイクルしてもよい。
【0027】
得られた組成物は高濃度の非線状オリゴ糖、例えばイソマルトースを有する。この産生組成物は線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含有している。一部の場合に、最終組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い。
【0028】
胃腸酵素は、デキストロース単位がα結合(1→4)(“線状”結合)している炭水化物を容易に認識して消化する。これらの結合を別の結合(例えばα(1→3)、α(1→6)(“非線状”結合)またはβ結合)に代えると、炭水化物を消化する胃腸酵素の能力をかなり減少させる。こうすると、炭水化物を大部分未変化のままで小腸から通過させうる。
【0029】
一部の場合に、産生組成物は少量(即ち、乾燥固形ベースで50wt%未満、通常かなり低濃度)の残留単糖を含んでなる。本プロセスは、膜濾過、クロマトグラフィー分別または発酵での消化により産生組成物から残留単糖(および場合により他の種も)の少なくとも一部を除去する追加ステップを含められる。分離された単糖は、例えばデキストロースまたはコーンシロップの産生のために、他のプロセス流と合わせられる。一方、分離された単糖は供給原料組成物へリサイクルしてもよい。
【0030】
本発明の他の態様は単糖の酸転換を伴うプロセスである。出発物質は本プロセスの酵素バージョンに関して前記されたものと同様である。塩酸、硫酸、リン酸またはそれらの組合せのような、様々な酸が用いられる。本プロセスの一部態様では、供給原料組成物のpHを約4以下へするために十分な量で、または一部の場合には供給原料組成物のpHを約1.0〜2.5または約1.5〜2.0へするために十分な量で、酸が供給原料組成物へ加えられる。一部の態様において、供給原料組成物の固形濃度は約70〜90%であり、供給原料へ加えられる酸の量はシロップ乾燥固形で約0.05%〜0.25%(w/w)酸固形であり、供給原料組成物は酸との接触時に約70〜90℃の温度で維持される。本プロセスの酵素バージョンの場合のように、反応条件は望ましいオリゴマーを産生するために十分な時間にわたり維持され、本プロセスの一部態様においてそれは約4〜24時間である。
【0031】
1つの具体的態様において、供給原料組成物の固形濃度は少なくとも約80重量%であり、組成物のpHを約1.8へするために十分な量で酸が供給原料組成物へ加えられ、供給原料組成物はそれが酸と接触された後に少なくとも約80℃の温度で約4〜24時間維持される。
【0032】
他の具体的態様において、供給原料組成物の固形濃度は約90〜100重量%であり、供給原料組成物はそれが酸と接触された後に少なくとも約149℃(300°F)の温度で約0.1〜15分間維持される。供給原料を処理するために用いられる酸は、(前記と同濃度で)リン酸および塩酸の組合せでもよい。1つの具体的態様において、供給原料組成物と酸との接触は連続パイプ/フロースルーリアクターで行なう。
【0033】
デンプンでとび抜けて多いグリコシド結合はα‐1,4結合であり、これはデンプンの酸加水分解に際して最も多く壊される結合である。しかし酸触媒転換(縮合)はいずれか2つのヒドロキシル基の間で生じ、利用可能な組合せおよびジオメトリーには様々なものがあることを考えると、α‐1,4結合が形成される確率は比較的小さい。ヒト消化系は、デンプンおよびコーンシロップのα‐1,4結合を容易に消化する、αアミラーゼを含有している。消化系で酵素により認識されない結合でこれらの結合を代えると、生成物を大部分未変化のままで小腸から通過させうる。
【0034】
酸処理から得られる糖分布は、酵素処理の場合とやや異なると考えられる。これらの酸触媒縮合生成物は酵素産生物よりヒト消化管内の酵素で認識されにくいと考えられる。
【0035】
酸処理は酵素処理と違って進行する。酵素は線状オリゴマーを速く加水分解して非線状オリゴマーをゆっくり形成し、一方酸では線状オリゴマーの減少と非線状オリゴマーの増加が匹敵する速度で生じる。デキストロースはオリゴマーの酵素加水分解で速く形成され、非線状縮合生成物が形成されるとゆっくり消費されるが、一方酸ではデキストロース濃度がゆっくり増加する。
【0036】
場合により、酵素または酸転換に続いて水素化が行われる。水素化された生成物は、現行の市販水素化デンプン加水分解産物より低いカロリー分を有しているはずである。一態様では、そのデキストロース当量(DE)を実質的に変えることなく、産生組成物を脱色するために、水素化が用いられる。
【0037】
本プロセスの一バージョンでは、酵素および酸がいずれかの順序で連続的に用いられる。例えば、第一処理で用いられる少なくとも1種の触媒が酵素であり、次いで産生組成物がグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酸と接触される。一方、第一処理で用いられる少なくとも1種の触媒が酸であり、次いで産生組成物がグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素と接触されることもある。
【0038】
酸処理が最初に、次いで酵素処理が用いられるプロセスの態様において、酸はリン酸、塩酸またはそれらの組合せである。この態様において、酵素と接触させた後、組成物はイオン交換樹脂と接触させる。イオン交換樹脂と接触させた後、少なくとも3の重合度を有する糖オリゴマーの組成物中における濃度は乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%である。
【0039】
酸、酵素または双方での処理により産生された産生組成物は、乾燥固形ベースで増加した濃度の非線状糖オリゴマーを有する。一部の場合に、産生組成物で少なくとも3の重合度(DP3+)を有する非線状糖オリゴマーの濃度は、乾燥固形ベースで少なくとも約20重量%、少なくとも約25%、少なくとも約30%または少なくとも約50%である。一部の態様で、産生組成物中非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い。
【0040】
1つの具体的態様において、産生組成物中非線状糖オリゴマーの濃度は乾燥固形ベースで少なくとも約90重量%であり、イソマルトースの濃度は乾燥固形ベースで少なくとも約70重量%である。
【0041】
産生組成物は少量(典型的には乾燥固形ベースで50重量%未満、通常かなり少ない)の残留単糖をたいてい含有している。場合により、残留単糖(および他の種)の少なくとも一部が(例えば、膜濾過、クロマトグラフィー分離または発酵での消化により)オリゴマーから分離され、単糖流がプロセスフィードへリサイクルされる。こうして、単純糖シロップが高価値食品添加物へ変換される。
【0042】
ここで記載されたプロセスにより産生されたオリゴマーに富んだシロップは、食物繊維を増加させるために食品で用いられる。該シロップは、低粘度および低血糖指数の双方を有する天然オリゴ糖を含有している。これらオリゴマーの多くは少なくとも1つの非α‐1,4結合を含む。それらは大腸で高度に発酵性であるにちがいなく、このことはそれらにプレバイオティクスとして健康上の利益を加える。本発明の一部態様において、産生組成物の乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%は遅消化性である。
【0043】
食物繊維としてオリゴ糖の有益な効果が文書に多く記載されてきた。小腸で消化に抵抗するが、大腸で発酵性である糖オリゴマーは、いくつかの有益な効果、例えばコレステロール低下、血中デキストロース減少および胃腸健康維持を有することが示されてきた。
【0044】
図1は前記の転換技術を利用しうるプロセスの一態様を示している。該プロセスはデンプン、例えば植物デンプンで始められる。常用コーンスターチが1つの適切な例である。開始デンプンが比較的高い純度を有していれば、該プロセスはより効率的に通常は機能する。一態様において、高純度デンプンは乾燥固形ベースで0.5%未満のタンパク質を含有している。次の説明の一部はコーンに焦点を合わせているが、本発明は他の供給源、例えば特にポテトおよび小麦から誘導されたデンプンにも適用しうると理解されるべきである。
【0045】
図1で示されているように、デンプン10がそれに加えられた酸12を有し、次いでデンプンクッカー、例えばデンプン粒が流れと接触されるジェットクッカーで糊化14される。本プロセスの一バージョンでは、硫酸の添加で3.5のpH目標に調整されたデンプンスラリーがジェットクッカーで流れと速やかに混合され、テールラインで4分間にわたり149〜152℃(300〜305°F)で保たれる。糊化デンプン16はジェットクッキングに際して高温で酸への暴露により加水分解18される。加水分解はデンプンの分子量を減少させ、組成物で単糖およびオリゴ糖の割合増加を生じる(前記のように、“オリゴ糖”という用語は、少なくとも2つの糖単位を含んでなる糖、例えば約2〜30の重合度(DP)を有する糖に言及するために、ここでは用いられている)。中和剤20、例えば炭酸ナトリウムが酸加水分解を止めるために加えられ、次いで組成物がそれを加水分解酵素22と接触させることで更に解重合24しうる。適切な酵素としてはαアミラーゼ、例えばNovozymesから市販されているTermamylがある。この酵素加水分解は組成物に存在する単糖およびオリゴ糖の割合を更に増加させる。酸および酵素処理による加水分解の全体的成果は、デンプンを糖化させることである。糖化された組成物は単糖プロファイルを変えるために、例えばフルクトースの濃度を増加させるために異性化しうる。
【0046】
糖化組成物26は次いで、例えばクロマトグラフィー分別28により、精製しうる。連続疑似移動層(SSMB)クロマトグラフィー操作を用いる一態様では、混合糖の溶液が樹脂ビーズで満たされたカラムへ送られる。樹脂の化学的性質に応じて、糖の一部は樹脂と強く相互作用するため、樹脂と弱く相互作用する糖と比較して、樹脂を通る遅延流となる。この分別は、デキストロースおよびフルクトースのような単糖の高含有率を有する、1つの流れ30を生じうる。高フルクトースコーンシロップがこのような流れの例である。分別は、比較的高濃度のオリゴ糖(例えば、乾燥固形ベース(d.s.b.)で約5〜15%オリゴ糖)を有し、それより少ない濃度の単糖、例えばデキストロースおよびフルクトースも含有する、ラフィネート流れ32(即ち、樹脂層を速く移動する成分)も生じる。“流れ(ストリーム)”という用語は本プロセスのある部分を記載するためにここでは用いられているが、本発明のプロセスは連続操作に限定されないことが理解されるべきである。本プロセスはバッチまたは半バッチ方式でも行なえる。
【0047】
ラフィネート32は膜濾過34、例えばナノ濾過により、場合によりダイアフィルトレーションで更に分別しうる。例えば、これらの濾過ステップはDesal DKラセン巻きナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および40〜60℃温度で行なえる。ステップ34で記載された分別は、連続疑似移動層クロマトグラフィー(SSMB)でも行なえる。膜濾過は、主に単糖を含んでなる透過物質36(即ち、膜を通過する成分)と、主にオリゴ糖を含んでなる保持物質38(即ち、膜に拒絶される成分)を生じる(ここで用いられている“主に”とは、組成物が乾燥固形ベースでいずれか他の成分より多くの掲載成分を含有していることを意味する)。透過物質36はモノマー流30(例えば、高フルクトースコーンシロップ)と合わせてもよい。透過物質は単糖に富んだ流れであり、保持物質はオリゴ糖に富んだ流れである。換言すれば、ナノ濾過はナノ濾過フィードと比較して保持物質でオリゴ糖および透過物質で単糖を濃縮している。
【0048】
オリゴ糖シロップ40として記載しうる保持物質38は、遅消化性であるオリゴ糖の十分に高い含有率(例えば、少なくとも約50重量%d.s.b.、または一部の場合では少なくとも約90%)を有しうるため、それは乾燥されるかまたは簡単に濃縮シロップへ蒸発され、食品中の材料として用いられる。しかしながら、多くの場合、この組成物を更に加工および精製することが有用であろう。このような精製は下記ステップの1以上を含む(図1は選択肢として4つのこのような精製ステップ42、44、46および48を示しているが、これらステップの2以上が本プロセスで用いられると理解すべきである)。
【0049】
オリゴマーシロップ40は、フルクトースおよびデキストロースのような残留単糖の少なくとも一部を除去するために、膜濾過、例えば第二ナノ濾過のような、他の分別42に付してもよい。適切なナノ濾過条件および装置は前記の通りである。このナノ濾過は第二の単糖に富んだ流れである透過物質を生じるが、それはモノマー流30と合わせてもよい。一方、更なる分別42もクロマトグラフィー分離、例えば疑似混合層クロマトグラフィーにより行なえる。
【0050】
シロップ41は、デキストロースイソメラーゼのような酵素とそれを接触させることにより、異性化44しうる。これは、存在する残留デキストロースの少なくとも一部を、ある状況下では更に有益なフルクトースへ変換する。
【0051】
上記のように、該シロップは転換または再重合46を起こさせるために酵素または酸で処理でき、その際にはなお存在する単糖の少なくとも一部が他の単糖またはオリゴ糖へ共有結合され、こうしてシロップの残留モノマー分を更に一層減少させられる。このステップで使用に適した酵素には、グルコシダーゼ、例えばアミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼおよびプルラナーゼがある。セルラーゼ酵素は、一部の適用向けに有益な転換生成物を生じうる。
【0052】
該シロップは、残留単糖の少なくとも一部を対応アルコールへ変換するために(例えば、デキストロースをソルビトールへ変換するために)、水素化48しうる。水素化が本プロセスに含まれるとき、それは典型的には最終精製ステップである(しかし必ずしもそうではない)。
【0053】
上記精製ステップの1以上で産生された精製オリゴマーシロップ49は次いで脱色50させてもよい。脱色は、例えば活性炭での処理に続く精密濾過により行える。連続フローシステムにおいて、シロップ流は、脱色を行うために、粒状活性炭で満たされたカラムへ送られる。次いで、脱色されたオリゴマーシロップは例えば約70%乾燥固形(d.s.)超まで蒸発52させると、高含有率のオリゴ糖(例えば、90wt%d.s.b超、一部の場合では95%超)とそれに対応した低単糖分を含んでなる生成物を生じる。生成物は、ヒトで完全に非消化性でなければ、ゆっくりまたは不完全に消化される複数種の糖を含んでなる。これらの糖には、イソマルトース、パノースおよび4以上の重合度を有する分岐オリゴマーがある。
【0054】
プロセス条件は、モノマーに富んだ流れ(30,36)またはオリゴマー生成物流に供給原料中マルトースの大部分を回収するように、変更してもよい。例えば、500psi未満の圧力で操作する、やや広い孔径のナノ濾過膜、例えばDesal DLが、モノマーに富んだ流れでマルトースの量を増加させるために用いられる。
【0055】
製品は食品用の材料として適し、ヒト消化系で遅消化性または消化に抵抗性である。前記のように、製品の一部成分はヒト胃および小腸で実質上完全に非消化性である。用いられるデンプン源に応じて、製品は、コーンシロップまたは小麦シロップとして、それらの用語が食品表示で用いられているように、一部態様では分類される。より広い孔径がナノ濾過で用いられる場合、マルトデキストリンとして分類されるより高分子量のオリゴマーシロップ製品が得られる。
【0056】
本プロセスで産生されたオリゴ糖含有シロップは、常用炭水化物の代用品または補助品として食品へ加えられる。このように、本発明の他の面は、乾燥固形ベースで大量の線状および非線状糖オリゴマーを含んでなり、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度より大きい炭水化物組成物を含んでなる、食物製品である。シロップが用いられる食品の具体例としては、加工食品、例えばパン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押出スナック、スープ、冷凍デザート、フライド食品、パスタ製品、ポテト製品、コメ製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、栄養バー、朝食シリアルおよび飲料がある。オリゴ糖シロップを含有した食物製品は、コーンスターチのような常用炭水化物が用いられる類似食物製品より低い血糖応答、低い血糖指数および低い血糖負荷を有する。更に、オリゴ糖の少なくとも一部はヒト胃または小腸で非常に限られた程度で消化されるだけかまたは全く消化されないため、食物製品のカロリー分は減少する。該シロップは適切な食物繊維源でもある。
【0057】
前記のような消化抵抗性オリゴマーシロップはシロップとして食物製品中の材料として用いられるか、あるいはそれは固形シロップを形成するために最初に濃縮される。双方において、それはいくつかの手法で用いられる。前記のように、このシロップは様々なデンプン源、例えばコーンから誘導しうる。この特許では一部の場合に、“消化抵抗性コーンシロップ”または“抵抗性コーンシロップ”(時々“RCS”と略記される)という語句が用いられるが、本発明はコーンから誘導されるシロップまたは固形シロップに限定されないと理解されるべきである。
【0058】
消化抵抗性オリゴマーシロップは可溶性繊維源として食物製品へ加えられる。フレーバー、口内感またはテクスチャーにネガティブな影響を有することなく、それは食物製品の繊維分を増加させうる。
【0059】
消化抵抗性オリゴマーシロップの機能はコーンシロップおよび糖と類似し、そのことが食物製品で様々な栄養甘味料の完全または部分代用にそれを適したものにしている。例えば、抵抗性シロップは食物製品でスクロース、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)、フルクトース、デキストロース、レギュラーコーンシロップまたは固形コーンシロップの全部または部分代用に用いられる。1つの具体例として、消化抵抗性シロップまたは消化抵抗性シロップ固形物は1:1ベースから糖固形物の完全代用まで他の固形甘味料に代えて用いられる。高い固形甘味料代用レベルのとき、食物製品の甘味は減少するが、口内感およびフレーバーリリースは実質的に同様のままであり、一方で糖およびカロリー分が減少する。しかも、消化抵抗性シロップは食品処方で増量剤、代用脂肪、穀粉または他の材料として用いられる。一方、消化抵抗性シロップはスクロース、HFCSまたはフルクトースのような甘味料と組み合わせて食物製品に用いてもよく、食物製品の全体甘味に変化をもたらさない。他の例として、消化抵抗性シロップはスクラロースまたは他の高強度甘味料と組み合わせて食物製品に用いられ、食物製品の甘味または口内感に変化なく甘味料に代わりうる。
【0060】
消化抵抗性オリゴマーシロップは、食物製品の繊維分を増やし、製品の消費から生理的利益を高め、カロリー分を減少させ、および/または製品の栄養プロファイルを高めるために、抵抗性デンプン、ポリデキストロースまたは他の繊維源と組み合わせて食物製品に用いられる。
【0061】
消化抵抗性オリゴマーシロップは、カロリー分を減少させ、および/または製品の栄養プロファイルを高めるために、糖アルコールまたはマルトデキストリンのような増量剤と組み合わせて食物製品に用いられる。該シロップは食物製品で脂肪の部分代用品としても用いられる。
【0062】
消化抵抗性オリゴマーシロップは、クリスプ性またはスナップを増やし、見た目を向上させ、および/またはドゥ、バターまたは他の食品組成物のレオロジーを向上させるために、軟化剤またはテクスチャライザーとして食物製品で用いられる。該シロップは、製品保存寿命を延ばし、および/またはより柔らかでよりしっとりしたテクスチャーを生み出すために、保湿剤としても食物製品で用いられる。水分活性を減少させ、または水を固定および管理するためにも、それは食物製品で用いられる。該シロップの追加使用には:エッグウォッシュに代える、および/または食物製品の表面光沢を高める、粉デンプン糊化温度を変える、製品のテクスチャーを変える、および製品のブローニングを高めるため、というのがある。
【0063】
少なくとも本発明の一部態様において、消化抵抗性オリゴマーシロップは下記利点の1以上を有している:それをバターおよびドゥのような食品組成物へ比較的容易に配合させやすくさせる高い安定性;高温および/または酸性pH下の安定性(一部の他の可溶性繊維、例えばイヌリンはそれほど安定でない)、低い甘味、クリーンなフレーバーおよびクリアな色。該シロップの性質によれば、それが用いられる食物製品にクリーンな表示を付せられる。本発明の一部態様において、消化抵抗性オリゴマーシロップは約2カロリー/グラム(d.s.b.)を含有し、食物製品の総カロリー分を減少させうる。
【0064】
本発明の消化抵抗性オリゴマーシロップは様々なタイプの食物製品で用いられる。該シロップが非常に有用となりうる食物製品の1タイプは、ベーカリー製品(即ち、ベークド食品)、例えばケーキ、ブラウニー、クッキー、クッキークリスプ、マフィン、パンおよびスイートドゥである。常用ベーカリー製品は糖が比較的高く、総炭水化物も高い。ベーカリー製品中の材料として消化抵抗性シロップの使用は、ベーカリー製品の繊維分を増しながら、糖および炭水化物レベルの低下と総カロリーの減少に役立つ。
【0065】
ベーカリー製品には2つの主カテゴリー:酵母発酵および化学発酵がある。酵母発酵製品、例えばドーナツ、スイートドゥおよびパンでは、消化抵抗性オリゴマーシロップが糖に代えて用いられるが、酵母の発酵基質またはクラストブローニングに必要なために少量の糖がなお望まれる。消化抵抗性オリゴマーシロップ固形物(例えば、消化抵抗性コーンシロップ固形物)は他の乾燥材料と共に栄養乾燥甘味料と類似した手法で加えられ、特別な取扱いを要しないであろう。抵抗性コーンシロップは、シロップまたは液体甘味料の直接代用品として、他の液体と共に加えられる。ドゥは次いでベーキング産業で常用される条件下で、混合、発酵、分割、ローフまたは形態への成形または押出、プルーフ、および焼きまたは揚げを含めた加工に付される。製品は伝統的製品と類似した条件を用いて焼かれまたは揚げられる。パンは通常420°F〜520°Fの温度で20〜23分間焼かれ、ドーナツは400〜415°Fの温度で揚げられるが、他の温度および時間も用いられる。至適甘味およびフレーバープロファイルを得るために、高強度甘味料も必要なだけドゥへ加えうる。
【0066】
化学発酵製品は典型的にはより多くの糖を有し、より高レベルの抵抗性コーンシロップ/固形物を含有しうる。最終クッキーは30%糖を含有しうるが、これは抵抗性コーンシロップ/固形物で完全にまたは部分的に代用しうる。これらの製品は、例えば4〜9.5のpHを有する。含水率は、例えば2〜40%である。
【0067】
抵抗性コーンシロップ/固形物は容易に配合され、クリーミングステップに際して、それが代わりに用いられているシロップまたは乾燥甘味料と類似した何らかの方法で、混合の開始時に脂肪へ加えられる。製品は混合され、次いで、例えばシート化、ロータリーカット、ワイヤーカットされることで、または他の成形プロセスで成形される。製品は次いで典型的ベーキング条件下で、例えば200〜450°Fで焼かれる。
【0068】
抵抗性コーンシロップ/固形物は、非結晶状態で糖ガラスを形成させ、ベークド品へ粒子を付着させるためにも用いられ、および/またはベークド品の外観を高めるフィルムまたはコーティングを形成させるために用いられる。抵抗性コーンシロップ固形物は、他の非結晶糖のように、加熱し、次いでそれらのガラス転移温度以下の温度へ冷却させると、ガラスを形成する。
【0069】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は朝食シリアルである。例えば、本発明による抵抗性コーンシロップは押出シリアルピースおよび/またはそれらピースの外側のコーティングで糖の全部または一部と代わるために用いられる。コーティングは典型的には最終シリアルピースの総重量の30〜60%である。該シロップは、例えばスプレーまたはドリズル・オン(drizzle on)で適用される。コーティング用の処方は抵抗性コーンシロップの75%溶液のように簡単でよい。抵抗性コーンシロップは、様々な割合の糖とまたは他の甘味料もしくはポリオールとブレンドしてもよい。余分な水分が次いで低熱オーブンで蒸発される。押出ピースにおいて、抵抗性コーンシロップ固形物は乾燥材料と共に直接加えても、あるいは該シロップは水と共にまたは別々に押出機へ計量注入してもよい。少量の水も押出機へ加えてよく、次いでそれは100°F〜300°Fの様々なゾーンに通される。場合により、抵抗性デンプンのような他の繊維源も押出ピースで用いうる。
抵抗性コーンシロップを用いると、他の繊維源とは異なるテクスチャーを出せる。それを単独でまたは他の繊維と組み合わせて用いると、製品多様性を出すようにテクスチャーを変えられる。
【0070】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は乳製品である。それが用いられる乳製品の例としては、ヨーグルト、ヨーグルトドリンク、ミルクドリンク、風味ミルク、スムーシー、アイスクリーム、シェーク、コテージチーズ、コテージチーズドレッシングおよび乳デザート、例えばクアーグおよびホイップドムースタイプ製品がある。これには、直接消費させるつもりの乳製品(例えば、パッケージ化スムーシー)、並びに他の材料とブレンドさせるつもりのもの(例えば、ブレンドされたスムーシー)を含む。それは低温殺菌乳製品、例えば160°F〜285°Fの温度で低温殺菌されるものに用いられる。乳製品では糖の完全代用が可能である(全処方の24%以内になる)。抵抗性コーンシロップは通常酸pHで安定である(乳飲料のpH範囲は典型的には2〜8である)。
【0071】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は菓子である。それが用いられる菓子の例としては、ハードキャンディ、フォンダン、ヌガーおよびマシュマロ、ゼラチンゼリーキャンディまたはグミ、ゼリー、チョコレート、リコリス、チューインガム、カラメルおよびタフィー、チュー、ミント、タブレット菓子、およびフルーツスナックがある。フルーツスナックでは、抵抗性コーンシロップがフルーツジュースと併用しうる。フルーツジュースが甘味の大部分を呈し、抵抗性コーンシロップは全糖分を減少させて、繊維を加える。該シロップが初期キャンディスラリーへ加えられ、最終固形分まで加熱される。最終固形分に達するため、スラリーは200〜305°Fに加熱される。2〜7の最終pHにするため加熱前または後に酸が加えられる。抵抗性コーンシロップは、存在する糖の0〜100%およびコーンシロップまたは他の甘味料の1〜100%の代用品として用いられる。
【0072】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はジャムおよびゼリーである。ジャムおよびゼリーはフルーツから作られる。ジャムはフルーツピースを含有し、一方ゼリーはフルーツジュースから作られる。抵抗性コーンシロップは次のように糖または他の甘味料の代わりに用いられる:フルーツおよびジュースを秤量してタンクへ入れる。糖、抵抗性コーンシロップおよびペクチンをプレミックスする。乾燥組成物を該液体へ加え、214〜220°Fの温度に調理する。ジャーへ熱時充填し、5〜30分間レトルトする。
【0073】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は飲料である。それが用いられる飲料の例としては、炭酸飲料、フルーツジュース、濃縮ジュースミックス(例えば、マルガリータミックス)、クリアウォーターおよび飲料ドライミックスがある。本発明の抵抗性コーンシロップの使用によれば、他のタイプの繊維が飲料へ加えられたときに生じる透明性問題を多くの場合に克服しうる。糖の完全代用が可能である(例えば、全処方の12%以内まで可能)。酸pHにおける該シロップの安定性のために、それは例えば2〜7範囲のpHを有する飲料で用いられる。抵抗性コーンシロップは冷時加工飲料および低温殺菌飲料で用いられる。
【0074】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は高固形フィリングである。それが用いられる高固形フィリングの例としては、スナックバー、トースターペストリー、ドーナツおよびクッキーのフィリングである。高固形フィリングは、例えば酸/フルーツフィリングまたはセイボリーフィリングである。それはそのまま消費される製品、あるいはフードプロセッサー(追加ベーキング)または消費者(ベーク安定性フィリング)により更なる加工をうける製品へ加えられる。本発明の一部態様において、高固形フィリングは67〜90%の固形濃度を有する。該固形物は抵抗性コーンシロップで完全に代用しても、あるいはそれは存在する他の固形甘味料の部分代用に用いられる(例えば、現状固形物の5〜100%代用)。典型的にはフルーツフィリングは2〜6のpHを有し、一方セイボリーフィリングは4〜8pHである。フィリングは冷時調製されるか、または望ましい最終固形分まで蒸発させるために250°F以内で加熱される。
【0075】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は押出およびシート状スナックである。それが用いられる押出およびシート状スナックの例としては、パフスナック、クラッカー、トルティーヤチップおよびコーンチップがある。押出ピースを製造するのに際して、抵抗性コーンシロップ/固形物は乾燥製品と共に直接加えられる。少量の水が押出機へ加えられ、次いでそれは100°F〜300°F範囲の様々なゾーンへ通される。この乾燥抵抗性コーンシロップ/固形物は乾燥製品混合物の0〜50%のレベルで加えられる。液体抵抗性コーンシロップも押出機に沿う液体口の1つで加えられる。製品は、低含水率(5%)で出てから過剰水分を除去するために焼かれるか、あるいはやや高い含水率(10%)で出てから水分を除去するために揚げられ、こうして製品を調理する。ベーキングは500°F以内の温度において20分間である。ベーキングは更に典型的には350°Fで10分間である。フライングは典型的には350°Fで2〜5分間である。シート状スナックでは、抵抗性コーンシロップ固形物が他の乾燥材料(例えば、穀粉)の部分代用として用いられる。それは乾燥重量の0〜50%である。製品はドライミックスされ、次いで粘着性ドゥを形成するために水が加えられる。製品ミックスは5〜8のpHを有する。ドゥは次いでシート化および切断され、次いで焼かれまたは揚げられる。ベーキングは500°F以内の温度において20分間である。フライングは典型的には350°Fで2〜5分間である。抵抗性コーンシロップの使用による他の可能な利益は、それが内部材料としてまたはフライド食品の外側のコーティングとして加えられたときに、15%にものぼるフライドスナックの脂肪分の減少である。
【0076】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はゼラチンデザートである。ゼラチンデザートの材料は、ゲル化剤としてゼラチンとのドライミックスとして、よく販売されている。糖固形物は、ドライミックスにおいて抵抗性コーンシロップ固形物で部分的または完全に代用される。該ドライミックスは次いで水と混合され、ゼラチンを溶かすために212°Fに加熱され、次いでゼラチンデザートを完成させるために更に水および/またはフルーツが加えられる。ゼラチンは次いで冷却および固化される。ゼラチンは保存安定パックでも販売しうる。その場合、安定剤は通常カラゲナンベースである。前記のように、抵抗性コーンシロップは他の固形甘味料の100%以内で代用しうる。乾燥材料が液体へ混合され、次いで低温殺菌され、カップへ入れられ、冷却および固化される。カップは通常ホイルトップを有する。
【0077】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はスナックバーである。それが用いられるスナックバーの例としては、朝食およびミール代用バー、栄養バー、グラノーラバー、プロテインバーおよびシリアルバーがある。それはスナックバーの何らかの部分で、例えば高固形フィリング、結合シロップまたは微粒部分で用いられる。結合シロップにおける糖の完全または部分代用が抵抗性コーンシロップで可能である。結合シロップは典型的には50〜90%固形であり、10%結合シロップ対90%微粒から70%結合シロップ対30%微粒までの比率で適用される。結合シロップは、甘味料、増量剤および他の結合剤(例えばデンプン)の溶液を160〜230°F(シロップで必要な最終固形に応じる)に加熱することにより得られる。該シロップは次いで微粒を被覆するために微粒と混合され、マトリックス全体にコーティングを施す。抵抗性コーンシロップは微粒自体にも用いられる。これは押出ピースでも、直接膨張またはガンパフさせてもよい。それは他の穀物材料、コーンミール、コメ粉または他の類似材料と併用してもよい。
【0078】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はチーズ、チーズソースおよび他のチーズ製品である。それが用いられるチーズ、チーズソースおよび他のチーズ製品の例としては、低乳固形チーズ、低脂肪チーズおよび低カロリーチーズがある。ブロックチーズにおいて、それは溶融特徴を改善し、またはデンプンのような他の材料で加えられる溶融制限の効果を減少させる上で役立つ。それは、脂肪、乳固形物または他の典型的増量剤に代わるため、例えば増量剤として、チーズソースでも用いられる。
【0079】
該シロップ/固形物が用いられる他のタイプの食物製品は、食用および/または水溶性であるフィルムである。それが用いられるフィルムの例としては、水に溶解させるつもりの様々な食品および飲料用のドライミックスを包むために用いられるフィルム、またはまだ熱いままの調理後の食品へ加えられるスパイスフィルムのような、色またはフレーバーを供するために用いられるフィルムがある。他のフィルム適用例としてはフルーツおよび野菜レザーと他のフレキシブルフィルムがあるが、それらに限定されない。
【0080】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、スープ、シロップ、ソースおよびドレッシングである。典型的なドレッシングはpH範囲2〜7の0〜50%オイルである。それは冷時加工または熱時加工される。それが混ぜられ、次いで安定剤が加えられる。抵抗性コーンシロップは、必要に応じて他の材料と共に、液体または乾燥形で容易に加えられる。ドレッシング組成物は、安定剤を活性化させるために、加熱を要することもある。典型的な加熱条件は170〜200°Fで1〜30分間である。冷却後、プレエマルジョンを作るためにオイルが加えられる。製品は次いでホモゲナイザー、コロイドミルまたは他の高剪断プロセスを用いて乳化される。
【0081】
ソースは0〜10%オイルおよび10〜50%総固形物を有し、2〜8のpHを有する。ソースは冷時加工または熱時加工される。材料が混ぜられ、次いで熱時加工される。抵抗性コーンシロップは、必要に応じて他の材料と共に、液体または乾燥形で容易に加えられる。典型的な加熱は170〜200°Fで1〜30分間である。
【0082】
スープは更に典型的には20〜50%固形であり、より中性のpH範囲(4〜8)にある。それらは、乾燥抵抗性コーンシロップ固形物が加えられるドライミックスでも、または缶詰されてからレトルトされる液体スープでもよい。スープにおいて、抵抗性コーンシロップは50%固形以内で用いられるが、更に典型的な用法は1食当たり5gの繊維を供することである。
【0083】
シロップは、糖固形物の100%以内の代用品として、抵抗性コーンシロップを配合しうる。典型的には、それはそのままのベースでシロップの12〜20%である。抵抗性コーンシロップは水と共に加えられ、次いで製品を安全かつ保存安定性にするために低温殺菌および熱時充填される(典型的には185°Fで1分間の低温殺菌)。
【0084】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、コーヒークリーマーである。それが用いられるコーヒークリーマーの例としては、液体および乾燥双方のクリーマーがある。
ドライブレンドされたコーヒークリーマーは、次の脂肪タイプ:大豆、ココナツ、ヤシ、ヒマワリもしくはキャノーラ油、またはバター脂肪の市販クリーマー粉末とブレンドしうる。これらの脂肪は非水素化でもまたは水素化してもよい。抵抗性コーンシロップ固形物は、場合によりフルクト‐オリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、マルトデキストリン、抵抗性デンプン、スクロースおよび/または常用コーンシロップ固形物と一緒に、繊維源として加えられる。該組成物は高強度甘味料、例えばスクラロース、アセスルフェームカリウム、アスパルテームまたはそれらの組合せも含有しうる。望ましい組成物を産生するために、これらの材料がドライブレンドされる。
【0085】
スプレードライされたクリーマー粉末は、脂肪、タンパク質および炭水化物、乳化剤、乳化塩、甘味料および凝結防止剤の組合せである。脂肪源は大豆、ココナツ、ヤシ、ヒマワリもしくはキャノーラ油、またはバター脂肪の1種以上である。タンパク質はカゼインナトリウムまたはカリシウム、乳タンパク質、ホエータンパク質、小麦タンパク質または大豆タンパク質である。炭水化物は抵抗性コーンシロップ単独でも、またはフルクト‐オリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、抵抗性デンプン、マルトデキストリン、スクロースまたはコーンシロップと組合せてもよい。乳化剤はモノ‐およびジグリセリド、アセチル化モノ‐およびジグリセリド、またはプロピレングリコールモノエステルである。塩はクエン酸三ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸一カリウムおよび/またはリン酸二カリウムである。該組成物は高強度甘味料、例えばスクラロース、アセスルフェームカリウム、アスパルテームまたはそれらの組合せも含有しうる。適切な凝結防止剤にはアルミノケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素がある。製品はスラリーで混合され、場合により均質化され、粒状または凝集形でスプレードライされる。
【0086】
液体コーヒークリーマーは、簡単には、脂肪(乳脂肪または水素化植物油)、一部の乳固形物またはカゼイン、コーンシロップおよびバニラまたは他のフレーバーの均質化低温殺菌エマルジョン、並びに安定化ブレンドである。製品は通常HTST(高温短時間)により185°Fで30秒間またはUHT(超高温)により285°Fで4秒間低温殺菌され、2段階ホモゲナイザーにおいて第一段階では500〜3000psiおよび第二段階では200〜1000psiで均質化される。コーヒークリーマーは、コーヒーへ加えられたときにそれが分解しないように、通常安定化される。
【0087】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、アイシング、フロスティングおよびグレーズのような食品コーティングである。アイシングおよびフロスティングでは、カロリー分を下げて繊維分を増やすために、抵抗性コーンシロップが甘味料代用品(完全または一部)として用いられる。グレーズは典型的には約70〜90%糖であり、残部のほとんどは水であり、抵抗性コーンシロップは糖と完全または部分的に代えて用いられる。フロスティングは典型的には約2〜40%の液体/固体脂肪組合せ、約20〜75%固形甘味料、色素、フレーバーおよび水を含有している。抵抗性コーンシロップは固形甘味料の全部または一部に代えて、または低脂肪系の増量剤として用いられる。
【0088】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、ドライまたはモイストドッグフードのようなペットフードである。ペットフードは、グレービーとして押出、成形および処方するなど、様々な手法で得られる。抵抗性コーンシロップはこれらタイプの各々において0〜50%のレベルで用いられる。
【0089】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、穀粉および/またはコーンミール、脂肪、水、塩およびフマル酸を通常含有したトルティーヤである。抵抗性コーンシロップは穀粉または脂肪に代えて用いられる。諸材料が混ぜられ、次いでシート化または型抜きされて、調理される。この添加は、繊維を加えまたは保存寿命を延ばすために用いられる。
【0090】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は魚および肉である。常用コーンシロップが一部の肉で既に用いられ、そのため抵抗性コーンシロップは部分または完全代用品として用いられる。例えば、抵抗性コーンシロップが塩水へ加えられてから、それが肉へ真空タンブルまたは注入される。それは塩およびリン酸塩、場合により水結合材料、例えばデンプン、カラゲナンまたは大豆タンパク質と共に加えられる。これは繊維を加えるために用いられ、典型的レベルは1食当たり5gであり、優れた繊維源と言える。
【0091】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はドライ(注入)フルーツである。ドライフルーツの多くの種類は、それらが糖で注入されると、やっと安定して味が良くなる。抵抗性コーンシロップは糖の全部または一部に代えて用いられる。例えば、乾燥前にフルーツへ注入するために用いられる塩水へ、抵抗性コーンシロップが加えられる。硫酸塩のような安定剤もこの塩水で用いられる。
【0092】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は幼児用およびトドラーフードである。抵抗性コーンシロップは、このような食品で1種以上の常用材料の代用品または補助品として用いられる。そのマイルドなフレーバーとクリアな色のおかげで、糖を減らして繊維分を増やすために、それは様々なベビーフードへ加えられる。
【0093】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はバターおよびブレッディング、例えば肉用のバターおよびブレッディングである。これは、バターおよび/またはブレッディングの乾燥成分(例えば、穀粉タイプ材料)の全部または一部を抵抗性コーンシロップで代用することにより、あるいは赤身肉またはフライド食品自体への添加と併用して行なわれる。これは増量剤として、繊維添加用に、またはフライド食品で脂肪を減少させるために用いられる。
【0094】
ここで記載されたプロセスは、糖化に抵抗性である糖シロップのフラクション(例えば、図1の流れ26)を利用する。精製産物としてこの物質を分離することにより、高フルクトースコーンシロップのように、主に単糖であるシロップ中の望ましくない副産物であるというよりむしろ、それはそれ自身の有用な性質のために用いられる。高フルクトースコーンシロップから大きな割合のオリゴ糖の除去は、製品をより純粋に(即ち、より高濃度のデキストロースおよびフルクトース)、ひいてはより有益なものにする。
【0095】
本発明の食物製品は、糖尿病に罹患した哺乳動物、例えばヒトで血中グルコース濃度のコントロールに役立てるためにも用いられる。該食物製品が哺乳動物で消費されたとき、食物製品中の遅消化性および/または消化抵抗性成分は、糖尿病患者で有益である、血流中でより穏やかな相対血糖応答を生じさせる。この関係における“コントロール”は相対語として理解されるべきであり、即ち同哺乳動物がこのような消化抵抗性および/または遅消化性成分を含有しない類似食物製品を消費したときに生じるものと比較して血糖応答が改善されるが、糖尿病に罹患していない哺乳動物で観察されるものには血糖応答が必ずしも相当しない。
【0096】
本発明のある態様が下記実施例から更に理解される。
【0097】
実施例1
コーンスターチが高フルクトースコーンシロップへ加工されているプラントからラフィネートシロップを得た。ラフィネートはクロマトグラフィー分離により産生され、主にフルクトースおよびデキストロースを含んでいた。Desal DK1812C‐31Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および40〜60℃の温度でラフィネートをナノ濾過に付した。ナノ濾過からの保持物質を活性炭で脱色し、次いで約80%乾燥固形まで蒸発させた。乾燥製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表1で示されている。
【表1】
【0098】
軽ラフィネートと称されるこの物質をEnglystアッセイで消化性について試験した。約600mgの炭水化物d.s.b.を試験管中の0.1M酢酸ナトリウム緩衝液20mLへ加えた。内容物を混ぜ、次いで約92℃に30分間加熱し、次いで37℃に冷却した。次いで5mLの酵素溶液を試験管へ加え、それを水浴中37℃で振盪することにより攪拌した。少量のサンプルを20分間および120分間の双方で採取した。酵素を失活させ、サンプルを濾過し、YSI Inc.のグルコース試験を用いて消化性について測定した。別の但し類似したナノ濾過操作で加工された重ラフィネートも、同アッセイを用いて試験した。重ラフィネートは軽ラフィネートの15〜25%乾燥固形とは異なり25〜35%乾燥固形を含有していたが、双方ともほぼ同割合の低分子量糖を有していた。ナノ濾過されなかった調理済みポテトスターチも比較として試験した。消化性アッセイおよび糖分析の結果が表2で示されている。調理済みポテトスターチも比較のため表2に含まれている。表2のすべてのパーセンテージはd.s.b.に基づく。
【表2】
【0099】
物質中オリゴ糖の割合と消化に抵抗性である物質の割合との間には、優れた相関性があった。
【0100】
実施例2
コーンスターチが高フルクトースコーンシロップへ加工されているプラントから、21.4%乾燥固形で約1025Lのラフィネートシロップを得た。ラフィネートはクロマトグラフィー分離により産生され、主にフルクトースおよびデキストロースを含んでいた。Desal NF3840C‐50Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および40〜60℃の温度でラフィネートをナノ濾過に付した。出発容量を約1/20に減らした後、DI水を用いて保持物質を約2倍容量の一定容量ダイアフィルトレーションに付した。ダイアフィルトレーション後、27.6kgの保持物質(33.8%ds)を集めた。冷蔵室で一夜攪拌することにより、この物質を活性炭(固形シロップの0.5重量%)で脱色した。このスラリーを0.45ミクロン中空繊維濾過カートリッジでの濾過により滅菌し、分割して約73%dsの平均濃度まで蒸発させた。
【0101】
乾燥製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表3で示されている。
【表3】
【0102】
実施例3‐酵素によるデキストロースからの非線状オリゴマーの製造
74%、79.5%および80%の固形濃度を有する濃縮デキストロースシロップを、(1)希釈シロップを蒸発させるか、または(2)水をデキストロース粉末へ加えることにより調製した。各デキストロース/水混合物を適切な容器へ入れ、水浴で60℃に加熱した。
【0103】
グルコアミラーゼ酵素(DextrozymeまたはSpirizyme,Novozymes A/S)を該シロップへ‐約400μL酵素を30mLシロップへ加えた。シロップ容器をキャップし、次いで酵素を分散させるために激しく振盪した。シロップを60℃水浴へ戻した。
【0104】
2〜4mLシロップを小さなガラスバイアルへ移し、それを熱ブロックで約85〜90℃に加熱して酵素を失活させることにより、糖分布の変化を経時的にモニターした。
【0105】
様々な糖種の濃度をHigh Performance Anion Exchange with Pulsed Amperometric Detection(HPAE‐PAD)により調べた。電気化学検出器および勾配ポンプを装備したDionexイオンクロマトグラフDX500を分析に用いた。糖をDionex Carbopac PA1分析およびガードカラムにより水酸化ナトリウムおよび酢酸ナトリウム溶離液の勾配デリバリーで分離した。フォーポテンシャル(four-potential)波形で金電極を用いて糖を検出した。サンプルを水で希釈し、分析前にAmicon Ultra-4遠心フィルターデバイスに通した。
【0106】
図2は、Novozymesの市販グルコアミラーゼ酵素、1.3%vol/vol Dextrazymeにより60℃で48時間処理された3つの異なる初期デキストロース組成物のシロップ中における、デキストロース、イソマルトースおよび“非線状高級体”(この図では、4以上の重合度を有する非線状オリゴマーに関する)の相対量を示している。シロップ濃度が増すと、他の糖と比較してモノマーデキストロースの量が減少し、非線状高級オリゴマーの量が増加する。
【0107】
実施例4‐コーンシロップからのオリゴマーシロップの製造
デキストロースグリーンズ(95%デキストロース)から軽度変換Staley 200シロップ(26DE,5%デキストロース)、ひいては高(34%)マルトースシロップNeto 7300まで、ある範囲の変換度を有する出発基質を得た。この実施例で出発物質として用いられた具体的製品は、StaleyR 200、StaleyR 300、StaleyR 1300、NetoR 7300およびSweetoseR 4300コーンシロップ、およびStaleydexR 3370デキストロースであった。これら物質の特徴の一部が表4で示されている。
【表4】
【0108】
低変換シロップの多くは4以上の重合度を有する実質量の非線状高級オリゴマー(NL DP4+)を有しているが、それらは実質量の線状オリゴマーも有している。これらシロップのいくつかはDP17までの測定可能量の線状オリゴマーを含有している。図3は初期糖分布を示している。
【0109】
用いられた酵素は、Spirizyme Plus FGおよびDextrozyme DX 1.5XグルコアミラーゼおよびPromozyme D2プルラナーゼ(Novozymes供給)、CG220セルラーゼおよびTransglucosidase L‐500(Genencor供給)、Glucoamylase GA150(Sunson Industry Group供給)およびTransglucosidase L(Bio-Cat Inc.供給)であった。
【0110】
様々なコーンシロップを約70%dsに調整した。約3.3%(v/v)Spirizyme Plus FG酵素を50mL管中の各々へ加えた。シロップを60℃水浴で約4日間加熱した。シロップを約85℃で10分間加熱することにより酵素を失活させた。図4は最終糖分布を示している。すべてのシロップが4日処理の最後には匹敵しうる糖分布に達した。転換後は、非常にわずかな線状オリゴマーが残留するだけで、非線状オリゴマー分が増加していた。
【0111】
いくつかのポイントに注目すべきである。第一に、転換Staleydex 3370シロップは、他のシロップよりやや高いデキストロース分と低い非線状オリゴマー分を有している。すべてのシロップが転換前に約70%dsに調整されたが、低変換シロップは、低初期デキストロース分の場合に、新分布として水を消費して得られ、最終濃度は転換3370シロップより4〜9%ポイント高かった(デキストロースの単一DP6オリゴマーから6つのデキストロース分子への加水分解では、例えば5つの水分子を消費する)。表5が示しているように、転換シロップの水分はデキストロース分と同じトレンドであるが、高級オリゴマー分とは反対トレンドである。
【表5】
【0112】
低い水分ほど高濃度の転換産物の方へ平衡を傾ける。最終水分が同一となるように水分が調整されたならば、糖分布も同一になっただろうと我々は考えている。
【0113】
第二に、転換後の全シロップが線状オリゴマーより各重合度(DP)でかなり高率の分岐オリゴマーを有していた。マルトース vs.イソマルトース、パノースvs.マルトトリオースおよびNL DP4+ vs.DP4以上の線状オリゴマー(転換後には事実上何も残存しない)の相対量を比較せよ。
【0114】
図5は、濃縮デキストロースシロップがSpirizymeで処理されたときにおける、経時的なマルトースおよびイソマルトース濃度の変化を示している。線状オリゴマーが動力学的産物で、非線状オリゴマーが熱力学的産物であるらしい。即ち、デキストロースから線状ダイマー、マルトースの形成は、低活性化エネルギーの速い可逆性反応である。非線状ダイマー、イソマルトースの形成は遅い反応であり、その逆反応は高活性化エネルギーを有する。
【0115】
図6および7は、70%デキストロースシロップが60℃で異なる濃度のSpirizyme酵素で処理されたときにおける、経時的なマルトースおよびイソマルトース濃度の変化を示している。
【0116】
グルコアミラーゼによるStaley 1300シロップの処理では、DP3以上の線状オリゴマーが速く消費されてデキストロースへ変換された。これら線状オリゴマーの濃度は(70%シロップ濃度、0.13%Spirizymeおよび60℃で)処理の開始数時間内で全糖の約1%の平衡に達した(図8参照)。それより長い期間の経過で、デキストロース濃度はゆっくり減少し、非線状オリゴマーの濃度はゆっくり増加した。経時的なマルトースおよびイソマルトースの濃度変化は、デキストロース転換でみられるものを反映している(図7)。
【0117】
イオンクロマトグラフィー分析用に希釈する前に酵素を失活させるため、上記実験からのサンプルを85℃以上に10〜20分間加熱した。活性酵素の存在下でサンプルを希釈した場合、それらはデキストロースへ逆に加水分解されることもあった。
【0118】
転換シロップのサンプルを20%固形まで希釈した。各々の一部をSpirizyme酵素の存在下で60℃に保ち、各々の他部分をSpirizymeの存在下で40℃に保った。シロップを経時的にサンプリングし、各サンプルの酵素を上記のように失活させた。
【0119】
図9が結果を示している。60℃において、非線状高級オリゴマー(DP3以上)の濃度は3時間以内で半分に降下し、7時間で全糖の約11.6%でプラトーに達したようだった。それより低温では加水分解を遅らせた。図9が示しているように、デキストロース分が加水分解の結果として増加した。2種の異なるグルコアミラーゼ(SpirizymeおよびDextrozyme)が用いられた場合における加水分解の速度は同一であった。
【0120】
転換で形成された非線状オリゴマーはグルコアミラーゼ酵素(またはその中の不純物)による加水分解に免疫性でないことが、これらの実験からわかる。しかしながら、それらの一部は加水分解に抵抗性であるらしい。20%dsのとき、モノマーとオリゴマーとの平衡はモノマー側にある。それでも11.3%DP4+および11.6%DP3+がグルコアミラーゼ活性の至適温度で7時間後に残留している。図8で示された、同一時間枠だが、かなり高い固形(70%ds)で半分のグルコアミラーゼ分のときにおける、線状オリゴマーからデキストロースへの事実上完全な変換と、これを比較せよ。グルコアミラーゼ酵素は非線状オリゴマーを加水分解しうるが、加水分解は速くなく、完全変換に至らないこともあるであろう。ヒト消化管の消化酵素もこれら化合物に対する活性を同様に減少させたであろう、と我々は考えている。
【0121】
表6は、活性Spirizyme酵素の存在下60℃における、転換シロップが20%dsに希釈されたときの、全糖種の濃度の変化を示している。
【表6】
(“L DP3+”は3以上の重合度を有する線状オリゴマーに関する。“NL DP3”は3以上の重合度を有する非線状オリゴマーに関する。“NL DP4+”は4以上の重合度を有する非線状オリゴマーに関する。)
【0122】
出発糖分布または変換度にかかわらず、試験されたすべてのコーンシロップは、匹敵しうるシロップ濃度で処理されたならば、グルコアミラーゼにより匹敵しうる糖分布へ変換された。
【0123】
これらの実験から、コーンシロップの酵素転換に際して、線状オリゴマーはデキストロースへ速く加水分解されるようである。より長い時間で高いシロップ濃度のときは、デキストロースが消費されて、非線状オリゴマーが形成される。低シロップ固形のときにグルコアミラーゼによる加水分解で証明されるように、非線状オリゴマーの生成は少なくとも部分的に可逆的である。このように、グルコアミラーゼを失活させる前に転換シロップが希釈されると、オリゴマーの見掛け上全部ではなく、一部がデキストロースモノマーへ逆に加水分解される。グルコアミラーゼ(またはおそらくそれが含有する不純物)による非線状結合の形成が酵素による完全な不可逆的“間違い”ではないことを、これは証明している。
【0124】
実施例5‐グルコアミラーゼの品質が転換に影響を与える
転換を行なうために必要な酵素の量は、典型的な酵素プロセスと比較して多い。約1.5%v/vの常用グルコアミラーゼ(例えば、Spirizyme Plus FGおよびDextrozyme DX 1.5X,Novozymes供給)が、60〜75℃で24時間かけて平衡転換の80%に達するために要される。注目すべきことに、酵素製造業者は転換産物を形成するグルコアミラーゼの傾向を減少させる上で多大な進歩を遂げていた‐これら酵素の消費者により強いられた改善‐コーンシロップの製造業者‐彼らにとり転換産物は悩みのもとである。1950年代の酵素は現行グルコアミラーゼよりもこれらの非線状オリゴマーシロップを形成する上でかなり効率的であろう、というのが我々の考えである。
【0125】
これら市販グルコアミラーゼにひそむ“不純物”がここで報告された実験で転換産物に関与しているかもしれないという概念のサポートは、NovozymesがSpirizymeおよびDextrozyme双方の活性について59〜61℃という至適温度を報告しているが、温度が60から65℃へ高められたときに転換産物の生成速度が増す、という事実である。図10および11は、SpirizymeおよびDextrozymeについて、温度の関数として、イソマルトースおよびDP3以上の非線状オリゴマー(NL DP3+)の形成速度を示している。基質シロップはStaley 1300であり、用いられた酵素の量は2.7%v/vであった。
【0126】
実施例6‐非線状オリゴマーを形成するためのコーンシロップの酸触媒再構築
pH測定を容易にするため、Staley 1300シロップを脱イオン水で1:4希釈した。シロップpHをpH目標まで下げる酸(HClまたはH2SO4)の量を求めた。一実験において、10%Krystar結晶フルクトースを酸処理前にシロップへ加えた。
【0127】
Staley 1300シロップを振盪水浴中50mLスクリューキャップ遠心管で約60℃に加熱した。目標pHへ達するのに必要な酸の既定量をシロップに加えた。酸を均一に分布させるために、シロップ管を激しく振盪した。各管を水浴へ戻し、浴温を必要に応じて調整した。処理は60、70および80℃および1.2、1.8および2.3のpHで行った。反応の進行をモニターするため、シロップの一部を管から取り出し、苛性溶液を加えることで中和した。
【0128】
苛性溶液の容量が等量の酸性化シロップを中和するのに十分となるよう、苛性溶液を調製した。この容量の約80%をすべて一度に加え、こうしてpH測定に足るようシロップを希釈した。pHが>5.0(好ましくは6.5以下)に達するまで、追加の苛性溶液を滴下した。
【0129】
イオンクロマトグラフィーを用いてシロップ溶液を分析した。PhenomenexのRSOオリゴ糖カラムに加え、Dionex CarboPac PA200カラムも用いて、一部のサンプルを分析した。
【0130】
Staley 1300シロップで最初の酸縮合反応は60℃で硫酸によるpH2.3においてであった。線状オリゴマーの割合は減少し、非線状オリゴマーは増加した。
【0131】
図12は、酸処理およびグルコアミラーゼ処理(双方とも60℃)で生じる、Staley 1300シロップにおける糖分布の変化を比較している。該プロセスは異なって進行するようにみられる。Spirizymeグルコアミラーゼは線状オリゴマーを非常に速く消費して、デキストロースを生成する。Staley 1300シロップの場合、DP3以上の線状オリゴマーの濃度は酵素との接触から数時間以内で全糖の約42%から約1%のその平衡値へ降下する。それより長い期間の経過で、デキストロースの一部は非線状オリゴマーへ変換される。非線状DP3以上(DP3+)の濃度は(この酵素処理の条件下で)約30時間にわたり増加している。
【0132】
対照的に、酸との接触では、線状オリゴマーが消費され、非線状オリゴマーが匹敵しうる速度で形成される。デキストロース濃度は処理の過程で非常にゆっくり増加している。
【0133】
並行実験では、最終シロップ固形濃度が約90%となるように、10%乾燥フルクトースをStaley 1300シロップに加えた。それをStaley 1300シロップ単独と同様のpH、温度および時間で処理した。Staley 1300シロップが処理の過程で発色したが、フルクトース含有シロップはほぼ直後にコーヒー色に変わった。それから取り出されたサンプルのIC分析では、酸処理シロップ単独と匹敵しうる線状オリゴマー減少と非線状オリゴマー生成の速度を示した。フルクトース分は有意に変化しなかった。
【0134】
Staley 1300シロップがHClで1.2および1.8pHに調整された、第二ラウンドの酸処理が行われた。各pH処理は70℃および80℃の温度でランした。すべてのシロップが処理の過程で顕著な色を生じた。色の程度は、pH低下、温度上昇および時間経過に従い増した。極端な状況では、暗色不溶性成分が形成された。
【0135】
図13が示しているように、酸処理シロップの生成物は糖オリゴマーの非常に広い分布である。それは酵素転換シロップよりかなり高い濃度のDP3のオリゴマーも示している。しかも、酸処理シロップは酵素処理シロップで出現しない糖を含有している。酸触媒縮合がどの2つのヒドロキシル基間でも生じ、一方典型的にはどのように2つの糖単位が一緒に結合されるかで酵素縮合が非常に特異的であることから、これは予想される。
【0136】
Dionex CarboPac PA200カラムを糖のイオンクロマトグラフィー分離に用いた。図14は、このカラムで分離された酸処理シロップのクロマトグラフィートレースを示している。それは、マルトース、イソマルトース、マルトトリオースおよびパノースとは別に溶出する、DP2‐3範囲の4種成分を明らかに示している。(これら4種すべてがマルトースの前に溶出している。)それは未同定高級オリゴマーについてもいくつかのピークを示している。
【0137】
下記表7は、PA200カラムを用いた、これら4つの低pH、高温処理における、経時的な糖分布の変化を示している(表中で最後の欄は“未知1‐4”ピークの量を示し、NL DP3+に含まれない)。
【表7】
【0138】
実施例7‐酵素転換‐高糖
約35ガロンの80%乾燥固形の43DEコーンシロップ(Staley 1300)を追加5ガロンの脱イオン水と共にタンク中でゆっくり攪拌し、60℃の温度に加熱した。約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素を該シロップへよく攪拌しながらゆっくり加えた。60℃で24時間後、シロップを85℃に加熱し、20分間保った。次いで100ガロンの水を加えることにより、シロップを70%から20%乾燥固形濃度に希釈した。Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液をナノ濾過に付した。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。ナノ濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を80.2%dsまで蒸発させた。
【0139】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表8で示されている。
【表8】
(上記表中“高級糖”は3以上のDPを有するオリゴマーを意味する)
【0140】
実施例8‐酵素転換‐低糖
約35ガロンの80%乾燥固形の43DEコーンシロップ(Staley 1300)を追加5ガロンの脱イオン水と共にタンク中でゆっくり攪拌し、60℃の温度に加熱した。約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素を該シロップへよく攪拌しながらゆっくり加えた。60℃で24時間後、シロップを85℃に加熱し、20分間保った。次いで100ガロンの水を加えることにより、シロップを70%から20%乾燥固形濃度に希釈した。Desal UF‐1 3840C50D限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液を限外濾過に付した。10〜20LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が1%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。限外濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を73.4%dsまで蒸発させた。
【0141】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表9で示されている。
【表9】
【0142】
実施例9‐酵素転換‐高イソマルトース
Desal UF‐1 3840C50D限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で実施例7からのシロップを限外濾過に付した。この操作からの透過物質を次いで、Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および55〜60℃の温度でナノ濾過に付した。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。ナノ濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を90.2%dsまで蒸発させた。
【0143】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表10で示されている。
【表10】
【0144】
実施例10‐酸転換‐中度抵抗性
約35ガロンの80%乾燥固形の43DEコーンシロップ(Staley 1300)をタンク中でゆっくり攪拌し、80℃の温度に加熱した。約4.1 lbの37%塩酸を該シロップへよく攪拌しながらゆっくり加えた。水の定期的添加でKarl Fisher分析により測定しながら、反応液を約80%乾燥固形濃度で維持した。24時間後、加熱を止め、約35ガロンの0.35%水酸化ナトリウム溶液をよく攪拌しながらゆっくり加えた。次いで、pHを5.0に調整し、30%dsの最終糖濃度へ達するように水を加えた。Desal UF‐1限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液を限外濾過に付した。10〜20LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。限外濾過保持物質を乾燥固形ベースで2%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を71.5%dsまで蒸発させた。
【0145】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表11で示されている。
【表11】
【0146】
実施例11‐酸転換に続く水素化
約35ガロンの80%乾燥固形の63DEコーンシロップ(SWEETOSER 4300)をタンク中でゆっくり攪拌した。次いでシロップ乾燥固形に対して0.25%(w/w)HClとなるように、37%塩酸をよく攪拌しながらゆっくり加えた。混合物を次いで80℃の温度に加熱した。水の定期的添加でKarl Fisher分析により測定しながら、反応液を約80%乾燥固形濃度で維持した。16時間後、加熱を止め、0.35%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを4.5に調整した。30%dsの最終糖濃度へ達するように追加の水を加えた。Desal UF‐1限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液を限外濾過に付した。10〜20LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が10%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、限外濾過を続けた。Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および55〜60℃の温度で限外濾過保持物質をナノ濾過に付した。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が1%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。ナノ濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を73.5%dsまで蒸発させた。
【0147】
この製品のデキストロース当量(DE)をAOAC法920.51(Lane Eynon)により測定したところ、21DEであることがわかった。この製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表12で示されている。
【表12】
【0148】
この製品を更に水素化反応条件に付した。表9で記載された物質の43%ds溶液約1.5kgを圧力リアクターへ導入し、シロップ乾燥固形で0.05%ルテニウム(w/w)となるように6.45gの5%ルテニウム炭素触媒を攪拌しながら加えた。リアクターを閉じ、窒素ガスでパージし、次いで水素ガスで600psiの圧力に加圧した。リアクターを次いで120℃に加熱した。この温度と600〜650psiの水素圧力を4時間維持した。反応容器を冷却し、慎重に排気し、窒素でパージした。次いで透明無色溶液を得られるように反応生成物を珪藻土で濾過した。
【0149】
この製品のデキストロース当量(DE)をAOAC法920.51(Lane Eynon)により測定したところ、5DEであることがわかった。この製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表13で示されている。
【表13】
【0150】
実施例12‐Englyst消化アッセイ
実施例7、8および10からの生成物質を、Englystアッセイを用いて消化性について試験した。約600mgの炭水化物d.s.b.を試験管中20mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に加えた。内容物を混ぜ、次いで約92℃に30分間加熱し、次いで37℃に冷却した。次いで5mLの酵素溶液を試験管に加え、水浴中37℃で振盪することによりそれを攪拌した、少量のサンプルを20分間および120分間の双方で採取した。酵素を失活させた;サンプルを濾過し、YSI Inc.のデキストロース試験を用いて消化性について測定した。非常に消化性であると知られている10DEマルトデキストリン(STAR-DRI 10)も比較として試験した。消化性アッセイおよび糖分析の結果が表14で示されている。10DEマルトデキストリンも比較のため表5に含まれている。表14のすべてのパーセンテージはd.s.b.に基づく。
【表14】
(表14で“高級体”は3以上の重合度を有するオリゴマーに関する。)
【0151】
物質中非線状高級体のパーセンテージと消化に抵抗性である物質のパーセンテージとの間には優れた相関性(R2=0.95)があった。
【0152】
実施例13‐ハードキャンディ,レモン風味
実施例7(酵素転換‐高糖)の980g(d.s.b.)をポットへ加え、300°Fの初期温度までストーブで調理した。次いで、15gのクエン酸および1.2gのスクラロースを攪拌しながら加えた。次いで、黄色色素およびレモンフレーバーを加え、混合物をキャンディモールドへ注いだ。ハードキャンディが室温への冷却時に形成された。
【0153】
実施例14‐ゼリーキャンディ,グレープ風味
実施例8(酵素転換‐低糖)の840gをミキシングボウルへ加えた。紫色色素およびグレープフレーバーをテーストに加えた。次いで、160gのMiraThik 468インスタントスターチを適度に強い混合下で少しずつ加えた。ゼリーキャンディが20分間かけて室温への冷却後に形成された。
【0154】
実施例15‐ヨーグルト
900gのミルク(2%脂肪)をストーブ上のポットへ加えた。次いで実施例10(酸転換‐中度抵抗性)の80g(d.s.b.)を攪拌しながら加えた。次いで混合物を150°Fの目標温度まで加熱した。混合物を加熱しながら、20gのRezista 682デンプンを混合しながら少しずつ加えた。混合物が150°Fの内部温度に達した後、それを5分間保ち、次いで2段階ホモゲナイザー(1500/500psi)に通した。次いで生成物を190°Fで5分間低温殺菌した。次いで混合物を90°Fに冷却し、活性ヨーグルト培養物で接種した。ヨーグルトが4.5のpHに達するまでインキュベートを続け、次いで消費前に冷蔵した。
【0155】
実施例16
本発明による消化抵抗性コーンシロップのサンプルを製造するために下記一般手順を用いた。一部低糖サンプルの製造に際して、ナノ濾過は、下記一般手順で記載されているような5%の代わりに、1%未満デキストロースまでランした。
【0156】
サンプル1‐HFCSラフィネートからのオリゴマーシロップ
1.高フルクトースコーンシロップ(HFCS)プロセスから濾過ユニットへ混合ラフィネートを移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
3.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0157】
サンプル2‐デキストロースグリーンズからのオリゴマーシロップ
1.希釈デキストロースグリーンズ(20〜30%ds)を濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
3.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0158】
サンプル3‐デキストロースの>25%非線状オリゴマーを形成するためのStaleyR1300コーンシロップの酵素転換
1.35ガロンのStaley 1300シロップおよび5ガロンの水をタンクへ送る。攪拌機を始動させ、加熱を始める。
2.シロップを60℃に加熱し、温度が60℃±5℃で安定化したことを確認する。
3.1.6ガロン(6.1L)のSpirizyme Plus FG酵素をシロップへ加える。
4.60℃±5℃で24時間保つ。
5.60℃/24時間保持の最後に、シロップを85〜90℃に加熱する。シロップ温度が85℃以上で安定化したら、20分間保つ。
6.タンクの加熱を止める。
7.100ガロンの水を加えることによりシロップを70%から20%固形に希釈する(全部で140ガロン)。
8.濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。
9.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が1%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
10.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
11.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0159】
サンプル4‐Tate & Lyle SWEETOSER4300コーンシロップの酸触媒再構築
1.35ガロンのSWEETOSER4300シロップをタンクへ送る。攪拌機を始動させ、80℃へ加熱を始める。
2.(4300シロップ密度が11.9 lb/ガロンであるという仮定のもとに、反応液中シロップ乾燥固形で0.25%HCl乾燥固形を得られるように計算して)〜2.8 lbの37%塩酸をシロップへよく攪拌しながらゆっくり加える。
3.80%ds±5%に保つ。2時間毎に反応サンプルを取り出し、等量のDI水で希釈する。希釈サンプルでKarl Fisherをランする。40%ds未満ならば何もしない。40%ds超ならば、40%dsを超えた1%ds毎に100 lbの初期反応分につき4 lb DI水を加える。
4.Karl Fisher用の上記サンプルに加えて、反応の進行をモニターするために用いられるサンプルを集める。酸添加後に次の間隔:2hr、4hr、8hrおよび16hrでこれらを取り出す。各サンプリング後、すばやく行動して、等量の0.35%NaOH溶液を加えることでサンプルのpHを調整し、よく混ぜ、pHを測定する。5.0〜6.5とするよう必要に応じてサンプルpHを調整する。
5.80℃/16時間保持の最後に、加熱を止める。pHが4.5〜5.5の範囲で安定化するまで、0.35%苛性溶液をよく攪拌しながらゆっくり加える。
6.30%dsの最終固形濃度に達するよう、必要に応じて希釈水を加える。
7.濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
9.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0160】
サンプル5‐SWEETOSER4300コーンシロップのリンおよび塩酸触媒再構築
1.35ガロンのSWEETOSER4300シロップをタンクへ送る。攪拌機を始動させ、80℃へ加熱を始める。
2.次いで(4300シロップ密度が11.9 lb/ガロンであるという仮定のもとに、反応液中シロップ乾燥固形で0.08%H3PO4および100ppm HCl乾燥固形を得られるように計算して)0.10 lbの37%塩酸をシロップへよく攪拌しながらゆっくり加える。
3.80%ds±5%に保つ。2時間毎に反応サンプルを取り出し、等量のDI水で希釈する。希釈サンプルでKarl Fisherをランする。40%ds未満ならば何もしない。40%ds超ならば、40%dsを超えた1%ds毎に100 lbの初期反応分につき4 lb DI水を加える。
4.Karl Fisher用の上記サンプルに加えて、反応の進行をモニターするために用いられるサンプルを集める。酸添加後に次の間隔:2hr、4hr、8hrおよび16hrでこれらを取り出す。各サンプリング後、すばやく行動して、等量の0.35%NaOH溶液を加えることでサンプルのpHを調整し、よく混ぜ、pHを測定する。5.0〜6.5とするよう必要に応じてサンプルpHを調整する。
5.80℃/16時間保持の最後に、加熱を止める。pHが4.5〜5.5の範囲で安定化するまで、0.35%苛性溶液をよく攪拌しながらゆっくり加える。
6.30%dsの最終糖濃度に達するよう、必要に応じて希釈水を加える。
7.濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
9.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0161】
サンプル6‐Tate & Lyle StaleyR1300コーンシロップの酸触媒再構築
1.35ガロンのSWEETOSER1300シロップをタンクへ送る。攪拌機を始動させ、80℃へ加熱を始める。
2.(4300シロップ密度が11.9 lb/ガロンであるという仮定のもとに、反応液中シロップ乾燥固形で0.25%HCl乾燥固形を得られるように計算して)〜2.8 lbの37%塩酸をシロップへよく攪拌しながらゆっくり加える。
3.80%ds±5%に保つ。2時間毎に反応サンプルを取り出し、等量のDI水で希釈する。希釈サンプルでKarl Fisherをランする。40%ds未満ならば何もしない。40%ds超ならば、40%dsを超えた1%ds毎に100 lbの初期反応分につき4 lb DI水を加える。
4.Karl Fisher用の上記サンプルに加えて、反応の進行をモニターするために用いられるサンプルを集める。酸添加後に次の間隔:2hr、4hr、8hrおよび16hrでこれらを取り出す。各サンプリング後、すばやく行動して、等量の0.35%NaOH溶液を加えることでサンプルのpHを調整し、よく混ぜ、pHを測定する。5.0〜6.5とするよう必要に応じてサンプルpHを調整する。
5.80℃/16時間保持の最後に、加熱を止める。pHが4.5〜5.5の範囲で安定化するまで、0.35%苛性溶液をよく攪拌しながらゆっくり加える。
6.30%dsの最終固形濃度に達するよう、必要に応じて希釈水を加える。
7.濾過スキッドへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
9.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0162】
これらの方法で製造されたシロップの一部を以下の実施例で用いたが、そこではそれらがサンプル番号で表示されている。
【0163】
実施例17
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる朝食シリアルは、以下で記載されているように製造しうる。該シリアルは押出部分と該押出部分に載せられたコーティングを含んでなる。押出部分の組成は次の通りである(重量%による):
コーンミール 54.80
全粒小麦粉 25.19
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 13.51
全粒オート麦粉 5.00
ビタミンブレンド 0.50
塩 1.00
合計 100.0
【0164】
下記ステップを用いて押出部分を製造する:諸材料を一緒にミキサー/ブレンダーで均一に混ぜる。目標押出水分に達するよう乾燥ブレンドおよび水を供する。典型的押出および乾燥条件を用いる。冷却およびパッケージする。
【0165】
コーティング組成物は50%糖、50%抵抗性コーンシロップの75%固形溶液である。下記ステップを用いてそれを製造する:予熱するために250°Fで対流式オーブンにスプレーガンを入れる。約100gのシリアルを秤量し、オイルベース剥離剤で最初に被覆されたタンブラーへ入れる。乾燥材料(75%全乾燥固形)をケトルでブレンドする。
水を加え、混ぜる。該シロップを約230°Fに加熱する(急速沸騰)。適切な比率(シリアルの最終重量で約45〜50%コーティング)を得る上で正確なシリアル:コーティング比にするために必要な所望量のシロップを秤量する。予熱されたスプレーガンへ該シロップを注ぎ、エアラインホースをスプレーガンへ接続する。シリアルがタンブルされると、シロップのすべてが塗布されるまでシロップをシリアルへスプレーする。所望量のコーティングが塗布された後で、均一なコーティングを保証するため、被覆されたシリアルをエンロービングドラムで3分間タンブルさせる。剥離剤でスプレーされたベーキングシートへ、被覆されたシリアルを注ぎだす。6分間またはシリアルが乾燥したようにみえるまで、対流式オーブン中250°Fでシリアルを乾燥させる。パンへのスティッキングおよびシリアルのクランピングからシリアルを防ぐため、乾燥の中途まで攪拌する。乾燥後、シリアルを5分間冷却させる。冷却後、コーティング率を調べるためシリアルを秤量する。プラスチック保存バッグにシリアルを詰め込む。
【0166】
実施例18
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるヨーグルトを製造した。
材料は以下であった:
2%ミルク 3614
無脂肪ドライミルク(NFDM) 133
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 200
Rezista 682デンプン 53
全重量: 4000g
下記ステップを用いてヨーグルトを製造した:ポンプおよび漏斗または液化器を用いて乾燥材料を液体材料へ分散させる。150°Fに予熱する。2段階ホモゲナイザーを用いて1500/500psiで均質化する。190°Fで5分間低温殺菌する。90°Fに冷却し、培養物を加える。最終pH4.4まで培養する。製品を攪拌し、活性培養増殖を止めるために冷却し始める。パッケージして冷却する。
【0167】
実施例19
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるヨーグルトドリンクを製造した。
材料は以下であった:
スキムミルク 94.21
ホエータンパク質濃縮物 1.2
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 4.25
安定化剤ブレンド 0.442
スクラロース溶液 0.008
合計 100.0
下記ステップを用いてヨーグルトドリンクを製造した:ポンプおよび漏斗または液化器を用いて乾燥材料を液体へ加える。150°Fに予熱する。2段階ホモゲナイザーを用いて1500/500psiで均質化する。190°Fで5分間低温殺菌する。90°Fに冷却し、培養物を加える。最終pH4.4まで培養する。停止し、パッケージして冷却する。
【0168】
実施例20
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる冷凍ノベルティは下記のように製造しうる。
材料は以下である:
【表15】
冷凍ノベルティは下記ステップを用いて製造しうる:クリーム、ミルクおよび無脂肪ドライミルクを望ましいバター脂肪および乳固形物、無脂肪(MSNF)レベルに標準化する。適正な分散を保証するために、適度な攪拌を用いて安定剤を液体糖へ加える。バッチタンクでミルクおよび液体糖部分を十分にブレンドする。乳脂肪固形部分をミックスと混ぜ、空気混入を最少化するために低攪拌を用いる。185°Fで30秒間または相当の時間および温度で低温殺菌する。2500psiダブルステージ(2000および500psi,各々第一および第二段階)で2段階ホモゲナイザーを用いて均質化する。ミックスを34〜38°Fに冷却し、熟成のため最少4時間保つ(一夜熟成が好ましい)。
【0169】
実施例21
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる無糖アイスクリームを製造した。
材料は以下であった:
バター脂肪 7〜12%
乳固形物無脂肪 10〜12%
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 12〜15%
マルトデキストリン 3〜5%
スクラロース 0.0085〜0.012%
ビタミンAパルミテート 0.009%
安定化剤ブレンド 0.40〜0.50%
下記ステップを用いて無糖アイスクリームを製造した:安定化剤ブレンド、スクラロース、ビタミンAおよびマルトデキストリンを剪断下でスキムミルクと混ぜる。抵抗性コーンシロップを剪断下で該混合物へ加える。次いでチャーニング(churning)およびエアレーションを避けるために、クリーム(バター脂肪)をゆっくり加える。アイスクリームを次いで低温殺菌し、175°Fで30秒間、2500psi 2段階で各々均質化する。ミックスを一夜(35〜40°F)冷蔵し、次いで連続フリージングシステムを用いて冷凍状態に加工する。
【0170】
実施例22
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるマシュマロを製造した。
材料は3つの別々なパートで調製した:
パートA
Gelatin 250 Bloom 22.5
冷水 44.5
パートB
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 337.5
パートC
Hystarマルチトールシロップ 585.5
合計 990g
下記ステップを用いてマシュマロを製造した:パートAの諸材料を(ゼラチンを水へ)混ぜる。抵抗性コーンシロップを135°Fに予熱する。マルチトールシロップを200°Fに加熱する。パートBおよびCを合わせ、145°Fに冷却する。ゼラチンを溶かすために電子レンジで30秒間かけてパートAを溶融させる。パートAを他のパートへ加え、0.5密度に達するまでHobartミキサーで泡立て器により混合物をホイップする。マシュマロをペストリーバッグへ詰め、スターチモールドへ入れる。
【0171】
実施例23
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるハードキャンディを製造した。
材料は以下であった:
糖 42.0
抵抗性コーンシロップ(サンプル4) 43.7
水 14.3
合計 100.0
下記ステップを用いてハードキャンディを製造した:糖および抵抗性コーンシロップを水と混ぜる。Boschクッカーで約138℃に加熱し、129℃に2分間バキュームする。クエン酸(3kg製品で18g)およびフレーバーを加える。スイートを成形または形成する。
【0172】
実施例24
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるゼラチンゼリーキャンディを製造した。
材料は以下であった:
糖 35.2
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 36.6
水 12.3
ゼラチン 6.6
水 9.3
合計 100.0
下記ステップを用いてゼラチンゼリーキャンディを製造した:ゼラチンおよび水を混ぜ、70℃で保つ。糖、抵抗性コーンシロップおよび水を混ぜる。固形が89%に達するまで加熱する(約120℃)。90℃に冷却する。ゼラチン溶液を加える。クエン酸溶液50%(18g/1000g)と、適合するフレーバーおよび色素を加える。モールディングスターチに入れ、81〜82%の乾燥固形(ds)の重量%まで環境条件下で乾燥させる。
【0173】
実施例25
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるジャムを製造した。
材料は以下であった:
水 36.5
アプリコット 32.8
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 15.5
マルトデキストリン 10.2
ペクチン(低メトキシ) 4.58
キサンタンゴム 0.10
クエン酸 0.15
スクラロース 0.06
ソルビン酸カリウム 0.10
塩化カルシウム 0.01
合計 100.0
下記ステップを用いてジャムを製造した:乾燥材料を混ぜる。乾燥材料を液体材料およびフルーツへ加える。220°Fに加熱する。容器へ入れ、冷却する。
【0174】
実施例26
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる甘味子供飲料を製造した。
材料は以下であった:
水 86.35
クエン酸 0.15
ストロベリーフレーバー 0.10
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,73.4%) 13.3
色素(#40,10%) 0.10
スクラロース 0.004
下記ステップを用いてドリンクを製造した:ミキサーを用いて諸材料を水へゆっくり加える。ドリンクを180°Fに加熱する。直ちにボトルへ熱時充填する。冷却するためボトルを水浴へ入れる。
【0175】
実施例27
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるオレンジ風味ジュースソーダ飲料を製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
クエン酸カリウム 0.0200
酸(クエン,リンゴ) 0.2000
RCS(サンプル5,71%ds) 1.8750
高強度甘味料(スクラロース,Ace-K) 0.015
5%清澄化Val OJ Conc.,60.56Brix 1.0177
赤色#40 0.0009
黄色#5 0.0044
オレンジフレーバー 0.1218
濾過水 96.7452
100
下記ステップを用いてオレンジジュースソーダを製造した:クエン酸カリウム、酸、抵抗性コーンシロップおよび高強度甘味料をドライブレンドする。オレンジジュース濃縮物、赤色#40、黄色#5、オレンジフレーバーおよび前ステップからのブレンドを水へブレンドする。望ましい容量のCO2(2〜4倍)まで炭酸飽和させる。
【0176】
実施例28
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるセイボリー高固形フィリングを製造した。
材料は以下であった:
【表16】
1食品デンプン改質物、小麦タンパク質およびマルトデキストリンのブレンド
諸材料を次の順序で製品混合物へ配合した:(1)キャノーラ油、(2)フレーバー、クエン酸、乳酸および塩、(3)抵抗性コーンシロップおよび(4)Tate & Lyleテクスチャライジングブレンド
【0177】
実施例29
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる高固形フルーツフィリングを製造した。
材料は以下であった:
パートA %
Isosweet 5500 H FCS 21
Mirathik 603(食品改質デンプン) 6
パートB
抵抗性コーンシロップ(サンプル6) 70.88
水 1.55
Nat.and art.rasp.flavor 256639(テーストメーカー) 0.3
パートC
リンゴ酸 0.1
クエン酸 0.1
赤色09310(WJ) 0.06
青色09918(WJ) 0.01
100
下記ステップを用いてジャムを製造した:HobartミキサーへパートA ISOSWEETR5500を入れる。1.5分間混ぜながらMirathik 603をゆっくり加える。パートB 抵抗性コーンシロップ、フレーバーおよび水を加える。均一になるまでブレンドする(1分間)。混合物が増粘化するまで約3分間ねかせる。パートCの諸材料をプレブレンドし、混合物へ加える。均一になるまでブレンドする。完全粘度に達するまでフィリングを24時間固化させる。
【0178】
実施例30
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるシート状クラッカーを製造した。
材料は以下であった:
穀粉 70.949
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 17.00
ショートニング 10.0
スクラロース 0.001
重炭酸ナトリウム 0.70
塩 0.50
リン酸一カルシウム 0.85
合計 100.00
水の量 30
下記ステップを用いてシート状クラッカーを製造した:全材料が湿ってドゥがしなやかになるまでドゥを混ぜる。ドゥを1.1mmにシート化する。各ピースに切る。対流式オーブン(低ファン)中350°Fで5分間焼く。
【0179】
実施例31
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる膨張押出スナックを製造した。
材料は以下であった:
コーン粉 75.00
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 23.50
塩 1.50
合計 100.00
下記ステップを用いて膨張押出スナックを製造した:乾燥材料を混ぜる。乾燥材料を押出機へ供給する。適正な形に押し出す。1%最終含水率まで10分間乾燥させる。
【0180】
実施例32
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるトルティーヤチップを製造した。
材料は以下であった:
コーンチップ#8粉 23.5
トルティーヤチップ#1粉 24.0
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 2.50
水 40.0
合計 100.0
下記ステップを用いてトルティーヤチップを製造した:トルティーヤチップ#1粉およびコーンチップ#8粉の1:1混合物を作る。Hobartミキサーで1分間低速で混ぜる。抵抗性コーンシロップを加え、ローで1分間混ぜる。ミキサーをなお低速でランさせながら、室温水を流れで乾燥混合物へゆっくり加える。すべての水が加えられたら、ミキサー速度を上げ、3分間混ぜる。ドゥをカバーし、プラスチックビーカーで30分間ねかせる。Rondoシーターを用いてドゥをシート化し、(マイクロメーターを用いることで厚さを調べて)約1.3mm厚を有するようにドゥを徐々にロールする。Rondoシーターを用い、ドゥを水平に置くことによりカッターを用いてドゥを切る。375°Fに予熱されたフライヤーで(チップがゴールデンブラウンに見え、泡立ちがほぼ止むまで)約1:45〜2分間揚げる。チップが揚げられている間、それらが両側で絶えず浸されるように(均一な脂肪吸収を助ける上で)チップを攪拌するために金属スパチュラを用いる。フライヤーから取り出し、バスケットを吊り下げることでチップを4分間油切りする。チップをクロスタオルに注ぎ、6分間ねかせる。プラスチックバッグに詰め、密封し、トルティーヤチップの表示を付す。
【0181】
実施例33
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるゼラチンデザートドライミックスを製造した。
材料は以下であった:
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 88.66
Gelatin 250 bloom 9.00
アジピン酸 0.90
フマル酸 0.60
ストロベリーフレーバー 0.50
リン酸二ナトリウム 0.20
色素(赤色#40) 0.14
スクラロース 0.03
下記ステップを用いてゼラチンデザートドライミックスを製造した:乾燥材料を混ぜる。85.1gのドライミックスを秤量し、212°Fで226.8gの水に加える。完全に溶かす。226.8gの冷水を加え、十分に混ぜる。少なくとも4時間冷蔵する。
【0182】
実施例34
本発明によるオリゴ糖組成物を含み、高固形フィリング、結合シロップおよび押出ピースを含んでなるスナックバーを製造した。
高固形フィリングの諸材料は以下であった:
パートA
抵抗性コーンシロップ(サンプル6) 21.00
Mirathik 603デンプン 6.00
パートB
抵抗性コーンシロップ(サンプル6) 80.88
水 1.55
ラズベリーフレーバー 0.30
パートC
リンゴ酸 0.10
クエン酸 0.10
赤色色素 0.06
青色色素 0.01
合計 100.00
下記ステップを用いて高固形フィリングを製造した:抵抗性コーンシロップを含んでなるパートAをミキサーへ入れる。低速で1.5分間混ぜながらMirathik 603をゆっくり加える。パートB(抵抗性コーンシロップ、フレーバー、水)を加え、均一になるまでブレンドする(低速で1分間)。混合物が増粘化するまで約3分間ねかせる。パートCの諸材料をプレブレンドし、混合物へ加える。均一になるまでブレンドする(完全粘度に達するまでフィリングを24時間固化させる)。
【0183】
結合シロップの諸材料は以下であった:
抵抗性コーンシロップ(サンプル2) 67.7
グリセリン 10.7
StaSlim 150デンプン 13.3
ショートニング 7.5
塩 0.8
合計 100.0
下記ステップを用いて結合シロップを製造した:混合して172°Fに加熱する。シリアル/グラノーラピースへ加え、各ピースを均一に被覆するために混合する。54%シロップ、46%シリアルの比率で混合する。
【0184】
押出ピースの諸材料は以下であった:
コーンミール 55.30
全粒小麦粉 25.19
抵抗性コーンシロップ(サンプル2) 13.51
全粒オート麦粉 5.00
塩 1.00
合計 100.0
下記ステップを用いて押出ピースを製造した:ミキサー/ブレンダーで一緒に諸材料を均一に混ぜる。目標押出水分に達するようドライブレンドおよび水を供給する。典型的な押出および乾燥条件を用いる。冷却およびパッケージする。
【0185】
押出ピースまたは他の微粒を被覆するために結合シロップを混ぜ、混合物をシート化または成形し、適切なサイズに切る。高固形フィリングは典型的には結合剤/微粒混合物の2シート間に加えられる。
【0186】
実施例35
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるスパイスケーキを製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
水 40.67
Purasnowケーキ粉 21.56
ソルビトール 17.70
RCS固形物(サンプル5) 8.85
Mira-Thik 603食品デンプン改質物 1.00
Core M90(マルトデキストリン,スクラロース) 0.25
EC‐25乳化剤 2.65
Provon 190ホエータンパク質単離物 1.25
HiJel S食品デンプン‐改質 0.99
乾燥卵白 0.99
塩 0.79
GMS 90乳化剤 0.59
重曹 0.56
Pan O Lite 0.45
ドライバニラ1011320 0.40
リン酸二カルシウム二水和物 0.34
シナモン 0.29
プロピオン酸ナトリウム 0.21
ナツメグ 0.17
キサンタンゴム 0.12
Durafax 60乳化剤 0.10
粉砕クローブ 0.07
100
【0187】
下記ステップを用いてスパイスケーキを製造した:
ドライミックス手順:
RCS、Mira-Thik 603、Core M90およびソルビトールをミキサーボウルへ入れる。熱くさせすぎないよう注意しながら電子レンジでEC‐25を溶融させる(GMS 90またはDurfax 60は溶融させない)。EC‐25を加え、スピード1で5分間混ぜ、必要に応じてボウルをかきとる。スピード1で1分間混ぜながらDurfax 60を加え、必要に応じてボウルをかきとる。スピード1で1分間混ぜながらGMS90を加え、必要に応じてボウルをかきとる。フードプロセッサーでドライミックスを2分間ランさせ、毎分後にかきとる。ドライミックスをミキシングボウルへ戻す。残りの乾燥材料を篩にかけ、ミキサーをランしながらソルビトール混合物へゆっくり(1回に大匙1杯ずつ)加える。スピード1で合計5分間混ぜる。
【0188】
水混和手順:
ドライミックスをボウルへ入れる。スピード1で30秒間混ぜながら水をゆっくり加える。ボウルをかきとる。スピード2で31/2分間混ぜ、必要に応じてボウルをかきとる。8インチ層ケーキパンの端部をノンスティックスプレー調理油でスプレーし、各パンにひくため円形パーチメント紙を用いる。バター450gを各ケーキパンへ注ぐ。350°Fで37分間または仕上がるまで焼く。
【0189】
実施例36
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるチーズソースを製造した。
材料は以下であった:
チェダー 23.41
バター 5.88
水 50.50
スイートホエー 5.44
リン酸二ナトリウム(DSP) 0.73
リン酸三ナトリウム(TSP) 0.16
クエン酸ナトリウム 0.36
塩 0.78
MaxiGel 420デンプン 2.73
RCS(サンプル5) 9.09
合計 100.0
下記ステップを用いてチーズソースを製造した:全材料を混ぜる。一定攪拌下で200°Fに加熱する。チーズソースをジャーまたは容器へ熱時充填し、リッドまたはクロージャーで密封する。40°Fに冷却する。
【0190】
実施例37
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる模造モッツァレラチーズのブロックを製造した。
材料は以下であった:
【表17】
下記ステップを用いてチーズを製造した:水、クエン酸ナトリウム、カゼインおよび大豆油(120g)を加える。5分間ブレンドする。残りの大豆油を加える。ソルビン酸、塩、デンプン、抵抗性コーンシロップを加える。次いでホエーおよび乳酸を加える。5分間ブレンドする。残りの材料を加える。185°Fに調理する。
【0191】
実施例38
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる食用フィルムを製造した。理論に拘束されることなく、オリゴ糖組成物は食用フィルムで可塑剤として働くと考えられている。
材料は以下であった:
【表18】
下記ステップを用いて食用フィルムを製造した:
諸材料の分散
ビーカー中泡立て器でプルランおよびマルトデキストリンを混ぜる。水、ポリソルベート80、安息香酸ナトリウムおよび抵抗性コーンシロップ(RCS)を別のビーカーで混ぜる。湿潤材料を更に混ぜるためServodyne Mixer Headモデル50003‐30を用いる。700のRPMで開始する。ドライフレーバーミックスをゆっくり加える。すべての塊が消えたら、プルラン混合物をゆっくり加える。混合物が増粘化したら、必要に応じてRPMを(1000RPM以内で)調整する。すべての乾燥材料が存在するとき、ミキサーを止め、ビーカーの側面をかきとる。ミキサーを1000RPMに強め、更に2分間混ぜる。50gを遠心管へ注ぐ。空気を除去するため10分間遠心する。
【0192】
フィルミング手順:
0.045inにセットされたGardco調整可能ドローダウン(drawdown)を用いてフィルムを引取った。フィーラーゲージブレードを用いて適正な厚さにこれらのドローダウンを調整した。真空プレートの使用でフィルムをMylar上に引取った。フィルムを環境チャンバー中65℃および25%RHで2時間乾燥させた。それらを環境チャンバー中25℃および28%RHで一夜硬化させた。乾燥されたフィルムをプラスチックバッグへ詰めた。
【0193】
実施例39
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる低脂肪パウンドケーキを製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
パートA
ケーキ粉 28.81
RCS固形物(サンプル5) 26
水 16.27
GMS‐90乳化剤 5.92
デキストロース 4.17
無脂肪ドライミルク,高熱 1.6
STA-SLIM 150デンプン 1.29
STA-SLIM 142デンプン 0.64
塩 0.63
発酵用酸,Pan-O-Lite 0.5
重曹 0.5
バニラフレーバー#464174 0.45
アナットー色素 0.1
キサンタン 0.09
パートB
液体卵白 8.4
水 4.63
100
下記ステップを用いてパウンドケーキを製造した:パートAの乾燥材料をHobartミキサー中スピード1でブレンドする。GMS‐90乳化剤を加え、2分間ブレンドする(スピード1)。水およびアナットー色素を加え、4分間ブレンドする(スピード2)。2分間のミキシング後とミキシングの最後にボウルおよびパドルをかきとる。パートB材料を一緒に混ぜる。パートB卵白/水混合物の1/3をパートAへ加え、1分間ブレンドする(スピード2)。ミキシング後にボウルおよびパドルをかきとる。卵白/水混合物の残り2/3を配合するためパートBの第一ステップを2回繰り返す。ノンスティックスプレーでプレコートされたローフパンへ200gのバターを注ぐ。350°Fで30分間焼く。
【0194】
実施例40
ポリオールレベルを有し、本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる、オートミールチョコレートチップレーズンクッキーを製造した。
材料は以下であった:
【表19】
下記ステップを用いてオートミールレーズンクッキーを製造した:ショートニングおよびフレーバーをN‐50 Hobartミキサーにおいてスピード1で30秒間混ぜる。残りの段階1材料を加える。スピード1で1分間混ぜる。ボウルの側面をかきとる。スピード2で1分間混ぜる。段階2材料を加える。スピード1で1分間混ぜる。ボウルの側面をかきとる。スピード2で1分間混ぜる。段階3材料を加える。スピード1で1分30秒間混ぜる。ボウルの側面をかきとる。スピード1で1分30秒間繰返し混ぜる。段階4材料を加える。スピード1で15秒間混ぜる。30gドゥピースを秤量してダブルラインドベーキングパンのパーチメント上に置く。対流式オーブン中375°Fで11分間クッキー12個を焼く。
【0195】
実施例41
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるソフトチョコレートクッキーを製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
粉,ペストリー 28.70
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 22.20
バター 20.40
RCS(サンプル5,71%ds) 10.90
卵,ホール 9.10
天然ココアN‐11‐N 3.60
弱アルカリ化ココアD‐11‐A 2.00
インスタントTENDER-JEL C食品デンプン改質物 1.90
バニラフレーバー 0.46
塩 0.44
重曹 0.30
100.00
下記ステップを用いてクッキーを製造した:Hobartミキシングボウル中スピード1で糖/RCS固形物、バターおよびRCS(71%ds)をブレンドする。卵を加える。残りの材料をドライブレンドし、この混合物に加える。350°Fで15分間焼く。
【0196】
実施例42
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるメープルシロップを製造した。
材料は以下であった:
水 80.132
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 17.00
セルロースゴム 1.00
メープルフレーバー 0.45
塩 0.45
SPLENDAスクラロース 0.35
グアーゴム 0.28
リン酸(85%) 0.15
カラメル色素 0.13
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
バターフレーバー 0.008
合計 100.00
下記ステップを用いてメープルシロップを製造した:標準ミキサーで低速を用いてスクラロース、保存料、塩、フレーバーおよび色素を水に加える。ゴムを混合物へゆっくり加え、20〜25分間水和させる。185°Fに加熱しながら抵抗性コーンシロップ固形物をブレンドする。1分間保つ。熱を除き、酸を加える。180〜185°Fで容器に充填し、1分間反転させる。75°Fに冷却する。
【0197】
実施例43
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるバーベキューソースを製造した。
材料は以下であった:
パートA
トマトペースト 27.23
水 14.7
アップルサイダービネガー 15.13
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 33.73
糖蜜 5.04
液体ヒッコリースモーク 0.30
カラメル色素 0.21
パートB
塩 2.02
スパイスブレンド 1.65
スクラロース 0.014
下記ステップを用いてバーベキューソースを製造した:パートA材料を190°Fに加熱する。乾燥材料をパートAへ加え、200°Fで15分間加熱する。容器に熱時充填し、冷却する。
【0198】
実施例44
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるフレンチドレッシングを製造した。
材料は以下であった:
大豆油 9.00
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 47.57
ビネガー,120グレーン 12.00
水 18.59
トマトペースト 7.00
塩 2.00
MiraThik 603食品デンプン改質物 2.00
ポリソルビトール60 0.20
オニオン粉末 0.18
ガーリック粉末 0.15
キサンタンゴム 0.10
ソルビン酸 0.10
オレオレジンパプリカ 0.10
EDTA 0.01
合計 100.0
下記ステップを用いてフレンチドレッシングを製造した:容器に水および抵抗性コーンシロップを入れる。オニオン、塩、ガーリック、ソルビン酸およびEDTAをドライミックスし、水混合物へ加える。デンプンおよびキサンタンゴムを少量の油でスラリー化し、水混合物へ加え、デンプンを水和させるために5分間混ぜる。トマトペーストおよびパプリカを加える。ビネガーを加える。ポリソルビトール60を溶融させ、混合物へゆっくり加える。残りの油を加え、5分間混ぜる。0.26″(2回転)にてコロイドミルで加工する。
【0199】
実施例45
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるチキンスープ濃縮物のクリームを製造した。
材料は以下であった:
水 65.65
チキンブイヨン 11.30
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 11.00
Half & half 5.60
Rezistaデンプン 3.10
二酸化チタン 1.00
塩 0.50
糖 0.16
スパイス 0.69
キサンタンゴム 0.10
合計 100.00
下記ステップを用いてチキンスープ濃縮物のクリームを製造した:乾燥材料を混ぜる。液体材料を3〜5分間混ぜる。中速でライトニングミキサーを用いて乾燥材料をゆっくり加える。均一な分散を保証するため3〜5分間混ぜる。攪拌せずに190°Fに加熱する。5分間保つ。缶へ熱時充填し、直ちに密封する。250°Fで40分間レトルトする。缶を室温まで冷却する。提供するために、1缶のスープを等容量の2%ミルクへ加える。よく混ぜる。煮込むために加熱する(約10分間)。熱時提供する。
【0200】
実施例46
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるケチャップを製造した。
材料は以下であった:
トマトペースト 37.54
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 12.01
水 41.37
ビネガー120グレーン 7.01
ガーリック粉末 0.02
オニオン粉末 0.03
スモークフレーバー 0.001
塩 2.00
スクラロース(乾燥) 0.02
下記ステップを用いてケチャップを製造した:スパイス、RCS、スクラロースおよび塩をドライミックスする。ライトニングミキサーを用いて水、ビネガーおよびドライミックスを混ぜる。スモークフレーバーを湿潤ミックスへ加える。パドルアタッチメント装備のHobartミキサーにおいてスピード1で2分間かけてトマトペーストおよび湿潤ミックス(水、ビネガーおよびドライミックス)の1/4をブレンドする。残りの湿潤ミックスをスピード1で1分間ブレンドする。停止し、ボウルをよくかきとる。スピード1で1分間ブレンディングを続ける。ケチャップを105℃に加熱し、15秒間保つ。80℃に冷却する。Pandaホモゲナイザーを用いて150/50バールで均質化する。直ちにガラスジャーに詰める。
【0201】
実施例47
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるビーフ風味グレービーミックスを製造した。
材料は以下であった:
水 90.17
Perma-Floデンプン 3.58
ビーフフレーバー 3.25
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 10.00
糖 0.43
甘味乳ホエー 0.42
カラメル色素 0.09
スパイス 0.03
合計 100.0
下記ステップを用いてビーフ風味グレービーミックスを製造した:均一にブレンドされるまで、乾燥材料およびTALO TF-55フレーバー(水以外の全材料)をブレンドする。泡立て器を用いて、このドライミックスを冷水へ分散させる。攪拌しながら190°Fに調理する。攪拌下190°Fで10分間混合物を保つ。
【0202】
実施例48
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるドライブレンドコーヒークリーマーを製造した。
材料は以下であった:
市販クリーマー粉末(Jerzee blend 220077) 21.8
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 78.2
下記ステップを用いてドライブレンドコーヒークリーマーを製造した:諸材料をブレンドし、秤量して、10メッシュスクリーンからタンブルブレンダー容器、リボンブレンダーまたはパドルブレンダーへ篩分けする。処方物を10〜25分間ブレンドし、パッケージする。必要であれば、二酸化ケイ素またはアルミノケイ酸ナトリウムが凝結防止剤として加えられる。
【0203】
実施例49
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる大豆ベースドライコーヒークリーマーパウダースラリーを製造した。
材料は以下であった:
【表20】
水をバッチタンクへ加え、120〜140°Fに加熱する。カゼインナトリウムを水へ加え、10〜30分間水和させる。モノおよびジグリセリドを水素化大豆油中へ溶融させるか、または別々に溶融させる。カゼインナトリウムが水和されたら、大豆油とモノおよびジグリセリドをバッチタンクへ加える。混合物をよくブレンドする。残りの抵抗性コーンシロップをバッチタンクへ加え、混合物を170°Fに加熱し、(必要であれば)二段階ホモゲナイゼーションにより均質化し、30分間保つ。こうして生成物は350〜500°Fの入口温度および150〜200°Fの排出温度でスプレードライする準備ができる。オプションの流動層ドライヤーも用いられる。アルミノケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素も凝結防止目的に含有させてよい。リン酸塩および/または凝結防止剤も含有させうる。
【0204】
実施例50
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる、スプレードライ用のココナツベースコーヒークリーマーパウダースラリーを製造した。
材料は以下であった:
【表21】
下記ステップを用いてココナツベースコーヒークリーマーパウダーを製造した:水をバッチタンクへ加え、120〜140°Fに加熱する。カゼインナトリウムを水へ加え、10〜30分間水和させる。モノおよびジグリセリドを水素化ココナツ油中へ溶融させるか、または別々に溶融させる。カゼインナトリウムが水和されたら、ココナツ油とモノおよびジグリセリドをバッチタンクへ加える。混合物をよくブレンドする。残りの材料 抵抗性コーンシロップおよびリン酸二カリウムをバッチタンクへ加え、混合物を170°Fに加熱し、(必要であれば)二段階ホモゲナイゼーションにより均質化し、30分間保つ。こうして生成物は350〜500°Fの入口温度および150〜200°Fの排出温度でスプレードライする準備ができる。オプションの流動層ドライヤーも用いられる。アルミノケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素も凝結防止目的に含有させてよい。
【0205】
実施例51
糖分を低下また減少させることで総カロリーを減らすために、抵抗性コーンシロップ固形物を用いて、アイスクリームコーティングおよび/またはコンパウンドコーティングが製造できる。繊維分は典型的コーティングと比較して有意に高められる(例えば、この実例では、5g/100gコーティングの比較コントロールに対して、33g/100gを有する)。
【表22】
下記ステップを用いてアイスクリームコーティングおよび/またはコンパウンドコーティングが製造できる:5〜125ミクロンで平均約30〜40ミクロンの粒径に固形コーンシロップを粉砕する。望ましい粒子を得られるように固形物を篩にかける。ココアパウダーおよびスクラロースを固形コーンシロップと合わせる。ショートニングを溶融させ、レシチンと合わせる。ブレンドされた乾燥材料を混ぜながら、溶融ショートニング/レシチン混合物を加え、ボウルを定期的にかきとる。所望通りに冷凍ノベルティ、ベークド製品などへ適用する。
【0206】
実施例52
抵抗性コーンシロップ(RCS)の2サンプルを前記実施例16のサンプル5の場合のように製造したが、そのうち1つは低単糖分を有すた(以下の記載で“LS”は“低糖”に関する)。単糖、二糖、三糖および四‐およびそれ以上の糖のwt%d.s.b.は以下の通りであった:
処 方 DP1 DP2 DP3 DP4+
RCS 12.5 4.7 4.1 78.7
RCS LS 1.6 4.6 4.6 89.2
2抵抗性コーンシロップおよびマルトデキストリンのサンプルをイヌに供した。血糖応答を調べるため、供給後に血液サンプルをイヌから時々採取した。経時的な血中グルコース濃度の変化が図15で示され、下記表でまとめられている。
項 目 マルトデキストリン RCS RCS LS SEM N 5 5 5
グルコースピークまでの時間,min 30 18 18 4.9グルコース曲線下の増加面積 155.1d 37.7b 73.9c 12.9相対血糖応答 100.0d 24.5b 50.1c 7.8
ab同列で異なる上付の平均は異なる(P<0.05)
SEM=平均の標準誤差
【0207】
実施例53
抵抗性コーンシロップの6サンプルを前記実施例16のサンプル5の場合のように製造した。各サンプルは72%dsシロップであり、残部が水であった。サンプルは本質的に脂肪、タンパク質または灰分を含有していなかった。6サンプルは以下であった:
RCS GR1(RCS,72%dsシロップ70%繊維,15%糖)(これらサンプルの“糖”は単および二糖の合計に関する)
RCS GR2(RCS LS,72%dsシロップ80%繊維,5%糖)
RCS GR3(RCS,50%フルクトース,72%dsシロップ)
RCS GR4(RCS,50%ソルビトール,72%dsシロップ)
RCS GR5(RCS LS,25%フルクトース,72%dsシロップ)
RCS GR6(RCS LS,25%ソルビトール,72%dsシロップ)
25g(dsb)のシロップを含有したサンプルを次のように製造した:既知重量のRCSを含有したジャグに2.838kgの濾過水を加えた。蓋をジャグに取り付け、次いですべてのシロップが溶けるまで振盪および攪拌することによりそれを十分混ぜた。12oz(350g)のこの溶液は乾燥固形ベースで25gの試験炭水化物を含有していた。
25g無水グルコースを300mLの水と混ぜることにより、コントロール溶液を調製した。
サンプルを健康なヒト対象者10名に投与した。対象者の特徴は:男性5名、女性5名;年齢35±10y;体容積指数24.0±3.8kg/m2であった。各対象者は別々の日に9回の試験を受けたが、それには6回の試験食と25gの市販炭水化物を含有した標準グルコースドリンク3回を含む。血中グルコースを絶食時と食後15、30、45、60、90および120分目に測定した。血中グルコース応答曲線下の増加面積(iAUC)を計算した。各試験食の消費後における各対象者iAUCは、同対象者により摂取された3回グルコースコントロールの平均iAUCのパーセンテージとして表示した。製品の曲線下の増加面積および相対血糖応答(RGR)は以下であった:
iAUC RGR
グルコース(25g) 124.4±13.5a 100a
RCS GR1 38.5±4.6b 32.6±3.8b
RCS GR2 25.6±3.7b 23.2±4.6b
RCS GR3 30.1±4.4b 26.2±4.2b
RCS GR4 17.4±4.1b 15.3±3.6b
RCS GR5 27.6±4.0b 25.4±4.3b
RCS GR6 20.9±4.0b 18.2±3.5b
異なる上付の値は有意に異なる(P<0.001)。どの食品間にもおいしさに統計学的有意さはなかった。
【0208】
実施例54
SweetoseR4300コーンシロップ(81%ds)を、それをホットオイルジャケット付きパドルミキサーへ77kg/hの速度で通すことにより、6%未満含水率まで蒸発させた。パドルミキサーローター速度を典型的には300〜600rpmにセットし、オイルジャケット温度を150℃〜205℃で変えた。試験の一部では、固形コーンシロップで0.1%〜0.4%リン酸固形となるような速度でリン酸を加えた。試験の一部では、リン酸の代わりにまたはそれに加えて、塩酸を25ppmで加えた。
これらの試験から集められた製品(25mg)を4mLのpH4.0緩衝液に溶解させ、10μLの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase Sigma Catalog#A‐7255)溶液と45℃で2時間インキュベートした。このインキュベートからの一部を少量のイオン交換樹脂で処理し、液体クロマトグラフィーによる糖分布分析前に濾過(0.45ミクロン)した。この分析から、三糖以上として存在することがわかった炭水化物の重量%が消化抵抗性炭水化物として定量され、下記表で%繊維として表示されている:
サンプル名 温度℃ %H3PO4 HClppm %繊維
ラン1 194 0.2% 43
ラン2 195 0.2% 25 52
ラン3 193 0.4% 25 62
ラン4 203 0.4% 25 68
ラン5 180 0.2% 27
ラン6 181 0.4% 37
ラン7 181 0.4% 25 33
ポリデキストロースコントロール 82
ポリデキストロースの実験サンプルがこの試験でコントロールとして用いられ、約82%繊維のレベルを示した。
【0209】
実施例55
SweetoseR4300コーンシロップ(81%ds)を、それをホットオイルジャケット付きパドルミキサーへ77kg/hの速度で通すことにより、3%未満含水率まで蒸発させた。パドルミキサーローター速度を典型的には800rpmにセットし、オイルジャケット温度を210℃にセットした。試験の一部では、固形コーンシロップで0.1%〜0.4%リン酸固形となるような速度でリン酸を加えた。試験の一部では、リン酸の代わりにまたはそれに加えて、塩酸を25または50ppmで加えた。
これらの試験から集められた製品(25mg)を4mLのpH4.0緩衝液に溶解させ、10μLの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase Sigma Catalog#A‐7255)溶液と45℃で2時間インキュベートした。このインキュベートからの一部を少量のイオン交換樹脂で処理し、液体クロマトグラフィーによる糖分布分析前に濾過(0.45ミクロン)した。この分析から、三糖以上として存在することがわかった炭水化物の重量%が消化抵抗性炭水化物として定量され、下記表で%繊維として表示されている:
サンプル名 温度℃ %H3PO4 HClppm %繊維
ラン2‐1 210 0.0% 11
ラン2‐2 210 0.2% 79
ラン2‐3 210 0.0% 12
ラン2‐4 210 0.1% 43
ラン2‐5 210 0.1% 51
ラン2‐6 210 0.2% 61
ラン2‐7 210 0.3% 84
ラン2‐8 210 0.2% 25 79
ラン2‐9 210 0.0% 11
ラン2‐10 210 0.1% 43
ラン2‐11 210 0.1% 25 57
ラン2‐12 210 0.2% 53
ラン2‐13 210 0.2% 25 62
ラン2‐14 210 0.4% 56
ラン2‐15 210 0.4% 25 55
ラン2‐16 210 0.4% 50 62
ラン2‐17 210 0.0% 50 65
ラン2‐18 210 0.0% 50 59
ポリデキストロースコントロール 82
ポリデキストロースの実験サンプルがこの試験でコントロールとして用いられ、約82%繊維のレベルを示した。
【0210】
本発明の具体的態様の先の記載は、本発明のあらゆる可能な態様のリストとなるわけではない。当業者であれば、他の態様も下記請求の範囲内に属すると認めるであろう。例えば、ある特定の遅消化性または消化抵抗性組成物が上記実施例の一部で食物製品中の材料として用いられる。本発明の他の遅消化性または消化抵抗性組成物もそれらの同食物製品で代わりに用いられるが、食物製品の正確な特徴は用いられる材料の正確な性質に応じてある程度変わることがある、と認識されるべきである。多くの他の変更もここの具体例に加えうる。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】本発明の一態様のプロセスフロー図である。
【図2】実施例3で用いられた3種のデキストロース組成物中における、ある糖の分布のグラフである。
【図3】実施例4で用いられた出発物質中における、ある糖の分布のグラフである。
【図4】実施例4で酵素処理により製造された生成物中における、ある糖の分布のグラフである。
【図5】実施例4において組成物が酵素で処理されたときにおける、マルトロースおよびイソマルトース濃度に関する経時的な変化のグラフである。
【図6】実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときにおけるマルトース濃度に関する変化のグラフである。
【図7】実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときにおけるイソマルトース濃度に関する変化のグラフである。
【図8】実施例4において組成物が酵素で処理されたときにおける、ある糖の濃度に関する経時的な変化のグラフである。
【図9】実施例4において希釈組成物が酵素で処理されたときにおける、ある糖の濃度に関する経時的な変化のグラフである。
【図10】実施例5で酵素処理の結果としてある糖の形成に及ぼす、温度の効果のグラフである。
【図11】実施例5で他の酵素処理の結果としてある糖の形成に及ぼす、温度の効果のグラフである。
【図12】実施例6において組成物が酸または酵素で処理されたときにおける、糖分布の変化を比較したグラフである。
【図13】実施例6において酸で処理されたシロップの分析を示している。
【図14】実施例6において酸で処理されたシロップのクロマトグラフィー分析を示している。
【図15】イヌに本発明の組成物またはマルトデキストリンを供した後における、それらの血中グルコース濃度の変化を示している。
【発明の背景】
【0001】
様々な炭水化物、例えば様々な糖およびデンプンが食物製品で用いられている。これら炭水化物の多くはヒト胃および小腸で消化されている。食物製品中の食物繊維は、対照的に、胃および小腸で通常消化されず、可能性として大腸で微生物により発酵される。
【0002】
食物繊維分を高めまたは食品のカロリー分を減らすために、食物製品で使用に適した、非消化性であるまたはある程度消化性であるにすぎない材料を開発することに、関心がもたれている。これらの変更はある健康上の利益を有する。
【0003】
低含有率の易消化性炭水化物を有し、食品で常用炭水化物製品の代わりにまたはそれに加えて用いられる食用物質について、必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一面はオリゴ糖組成物を製造するための方法である。この方法は、デンプンの糖化により少なくとも1種のオリゴ糖と少なくとも1種の単糖を含んでなる水性組成物を産生すること、該水性組成物を膜濾過して単糖に富んだ流れおよびオリゴ糖に富んだ流れを形成すること、およびオリゴ糖に富んだ流れを回収することを含んでなる。本発明の一態様において、オリゴ糖に富んだ流れはヒト消化系で遅消化性である。ここで用いられている“遅消化性”という用語は、該流れに存在する炭水化物の実質量(例えば、乾燥固形ベースで少なくとも約50%、一部の場合では少なくとも約75%または少なくとも約90%)がヒト胃および小腸で全く消化されないか、またはある程度消化性されるにすぎないことを意味する。本発明の他の態様において、オリゴ糖に富んだ流れはヒト消化系による消化に抵抗性である。
【0005】
インビトロおよびインビボ双方の試験が、ヒトで炭水化物消化の速度および程度を評価するために行なえる。“Englystアッセイ”は、速消化性、遅消化性または消化に抵抗性である炭水化物材料の量を評価するために用いられる、インビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition(1992)Volume 46(Suppl.2),pages S33-S50)。このとき、遅消化性である物質の“乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%”または“主に遅消化性”である物質、というここでのいかなる言及も、Englystアッセイで遅消化性または抵抗性と分類されるパーセンテージの合計が少なくとも約50%であることを意味する。同様に、消化抵抗性である物質の“乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%”または“主に消化抵抗性”である物質、というここでのいかなる言及も、Englystアッセイで抵抗性と分類されるパーセンテージが少なくとも約50%であることを意味する。
【0006】
本プロセスの一態様において、デンプンの糖化に続く異性化により産生される水性組成物は、デキストロース、フルクトース、およびオリゴ糖の混合物を含んでなる。この水性組成物は、それを単糖に富んだ透過物質流れおよびオリゴ糖に富んだ保持物質流れへ分離するためにナノ濾過しうる。オリゴ糖に富んだ流れは、乾燥固形ベースでオリゴ糖を少なくとも約50重量%または一部の場合では少なくとも約90%含んでなる。本プロセスのある態様において、オリゴ糖に富んだ流れは少量のデキストロースおよびフルクトースを更に含むことがある。“少量”は、乾燥固形ベースで50重量%未満を意味するために、ここでは用いられている。
【0007】
本プロセスは、一部の態様において、次のステップの1以上も含む:(1)デキストロースの少なくとも一部がフルクトースへ変換されるように、オリゴ糖に富んだ流れを異性化酵素と接触させ、こうして異性化オリゴ糖に富んだ流れを産生する工程、(2)オリゴ糖に富んだ流れを膜濾過して、第二の単糖に富んだ流れと、乾燥固形ベースで約90重量%以上のオリゴ糖および少量の単糖を含んでなる第二のオリゴ糖に富んだ流れとを産生する工程、(3)オリゴ糖に富んだ流れを水素化して、その中の単糖の少なくとも一部をアルコールへ変換し、こうして水素化オリゴ糖に富んだ流れを産生する工程、(4)オリゴ糖に富んだ流れをグルコシダーゼ酵素と接触させて、該流れに存在する残留単糖の少なくとも一部がオリゴ糖または他の単糖へ共有結合されているような転換生成物を生成する工程、および(5)オリゴ糖に富んだ流れを活性炭と接触させることによりその色を希薄化させる。
【0008】
本発明の他の面は、糖オリゴマーを製造するためのプロセスである。このプロセスの一部態様により産生される糖オリゴマー組成物は、主に消化抵抗性である。他の態様において、該組成物は主に遅消化性である。本プロセスは、少なくとも1種の単糖または線状糖オリゴマーを含んでなり、少なくとも約70重量%の固形濃度を有する、水性供給原料組成物を用いる。該供給原料組成物は少なくとも約40℃の温度に加熱され、非線状糖オリゴマーの形成を引き起こすために十分な時間にわたりグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒と接触される。線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含有している産生組成物が産生される。
【0009】
本プロセスの一態様では、少なくとも1種の触媒がグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素である。本プロセスの他の態様では、少なくとも1種の触媒が酸である。本プロセスの一部態様では、酸および酵素が順次用いられ、供給原料組成物が最初に酵素、次いで酸で、またはその逆で処理される。
【0010】
本発明の他の面は、乾燥固形ベースで大量のオリゴ糖を含んでなり、ヒト消化系で遅消化性または消化に抵抗性である、食用炭水化物組成物(ここではオリゴ糖組成物と時々称される)である。この組成物は前記プロセスのいずれかで産生しうる。“大量”は、乾燥固形ベースで少なくとも50重量%を意味するために、ここでは用いられている。
【0011】
一態様において、オリゴ糖に富んだ流れが70.0%質量/質量(m/m)以上の固形分と、乾燥ベースで計算すると20.0%m/m以上である、D‐グルコースとして表示される還元糖分(デキストロース当量)を有するプロセスにより、食用炭水化物組成物が産生される。組成物のこの態様は食品表示規則下でコーンシロップとして分類される。他の態様において、オリゴ糖に富んだ流れは、70.0%質量/質量(m/m)以上の固形分と、乾燥ベースで計算すると20.0%m/m未満の、D‐グルコースとして表示される還元糖分(デキストロース当量)を有する。この態様は食品表示規則下でマルトデキストリンとして分類される。
【0012】
本発明の他の面は、乾燥固形ベースで大量(即ち、乾燥固形ベースで50重量%以上)の線状および非線状糖オリゴマーを含んでなり、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度より大きい食用炭水化物組成物である。本発明の一部態様において、組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い。
【0013】
本発明の他の面は食物製品を製造する方法である。該方法では、炭水化物物質との組合せに適した食品組成物を用意し、前記のような遅消化性または消化抵抗性である食用炭水化物組成物と該食品組成物を組み合わせる。
【0014】
本発明の他の面は、前記のような食用炭水化物組成物を含んでなる食物製品である。該食物製品は、例えばパン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押出スナック、スープ、冷凍デザート、フライド食品、パスタ製品、ポテト製品、コメ製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、栄養バー、朝食シリアルまたは飲料である。
【0015】
本発明の一態様において、食物製品は、ベークド食品、朝食シリアル、無水コーティング(例えば、アイスクリームコンパウンドコーティング、チョコレート)、乳製品、菓子、ジャムおよびゼリー、飲料、フィリング、押出およびシート状スナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズおよびチーズソース、食用および水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリーマー、アイシング、フロスティング、グレーズ、ペットフード、トルティーヤ、肉および魚、ドライフルーツ、乳幼児食、バターおよびブレッディングから選択される。ここではオリゴ糖組成物と時々称される食用炭水化物組成物は、1以上の目的のために、例えば固形甘味料の完全もしくは部分代用品、または食物繊維源として、食物製品に存在しうる。
【0016】
本発明の他の面は、糖尿病に罹患した哺乳動物で血中グルコースをコントロールする方法である。該方法では、様々な態様で、前記のような食物製品を哺乳動物に供する。
【具体的態様の説明】
【0017】
本発明の一面は、食品で使用に適した遅消化性または消化抵抗性炭水化物組成物(例えば、糖オリゴマー組成物)を作るプロセスである。
【0018】
インビトロおよびインビボ双方の試験が、ヒトで炭水化物消化の速度および程度を評価するために行なえる。“Englystアッセイ”は、速消化性、遅消化性または消化に抵抗性である炭水化物材料の量を評価するために用いられる、インビトロ酵素試験である(European Journal of Clinical Nutrition(1992)Volume 46(Suppl.2),pages S33-S50)。
【0019】
“食品”という用語は、ヒトで摂取されうる様々な物質、例えば飲料および医薬カプセルまたは錠剤を含めて、ここでは広い意味で用いられている。
【0020】
“オリゴ糖”および“糖オリゴマー”という用語は、少なくとも2つの糖単位を含んでなる糖、例えば約2〜30の重合度(“DP”)を有する糖に言及するために、ここでは用いられている。例えば、二糖は2のDPを有する。
【0021】
本発明の一部態様において、水性供給原料組成物は少なくとも1種の単糖と少なくとも1種の線状糖オリゴマーを含有し、各々について数種を含有してもよい。多くの場合に、単糖およびオリゴ糖は供給原料組成物の乾燥固形ベースで少なくとも約70重量%を占める。望ましいオリゴマーの産出を最大化するために、できるだけ高濃度の単糖を有することが、出発物質としては通常有用である。高固形濃度は、加水分解からの平衡を縮合(転換)方向へ向けさせることで、高分子量産物を生じさせやすい。したがって、出発物質の水分は好ましくは比較的低い。例えば、ある態様において、供給原料組成物は少なくとも約75重量%乾燥固形を含んでなる(“乾燥固形”はここでは時々“ds”と略記される)。一部の場合に、供給原料組成物は約75〜90重量%固形を含んでなり、室温で粘稠シロップまたは湿性粉末の外観を通常呈する。
【0022】
適切な出発物質の例としては、デンプンの加水分解で得られるシロップ、例えばデキストロースグリーンズシロップ(即ち、デキストロース一水和物結晶化からの母液のリサイクル流)、他のデキストロースシロップ、コーンシロップおよびマルトデキストリンの溶液があるが、それらに限定されない。
【0023】
供給原料組成物がマルトデキストリンを含むならば、本プロセスは、加水分解糖溶液を形成するためにマルトデキストリンを加水分解し、供給原料組成物を形成するために加水分解糖溶液を少なくとも約70%乾燥固形に濃縮するステップも場合により含む。供給原料の濃縮および触媒との接触は同時に行なっても、または濃縮は供給原料組成物を触媒と接触させる前に行なってもよい。
【0024】
供給原料組成物は、様々な時間にわたり少なくとも1種の触媒と接触される。一部の場合に、接触期間は少なくとも約5時間である。本発明の一部態様において、供給原料組成物は約15〜100時間にわたり少なくとも1種の触媒と接触される。他の態様では、それより短い接触時間がより高温で用いられ、一部の場合には1時間未満のこともある。
【0025】
本発明の一態様では、酵素転換が非線状オリゴ糖を産生するために用いられる。酵素は、例えば、デキストロース残基を形成させるためにα1‐2、1‐3、1‐4または1‐6グルコシル結合の開裂の速度を速めるものである。1つの適切な例はグルコアミラーゼ酵素組成物、例えばグルコアミラーゼと称される市販酵素組成物である。このような組成物は純粋グルコアミラーゼ以外の酵素もある量で含有でき、非線状オリゴ糖の望ましい産生を触媒するのが実際にはグルコアミラーゼ自体であるとは決めてかかれない。
【0026】
したがって、供給原料組成物はデキストロースポリマーで作用するグルコアミラーゼまたはいずれか他の酵素と接触させられる。酵素の量は適切には供給原料組成物の約0.5〜2.5容量%である。本プロセスの一部態様において、供給原料組成物は酵素との接触に際して約55〜75℃、または一部の場合には約60〜65℃で維持される。この温度のとき、水分に応じて、物質は液体または液体と固体の混合物になる。場合により、反応混合物は酵素を分散させるために混合または攪拌される。反応混合物は、非線状オリゴマーへの望ましい転換度を達成するために必要な時間にわたり、望ましい温度で維持される。本プロセスの一部態様において、供給原料組成物は酵素の失活前に約20〜100時間、または一部の場合には失活前に約50〜100時間にわたり酵素と接触される。グルコアミラーゼを失活させる技術は当分野で周知である。一方、酵素を失活させる代わりに、それは膜濾過により分離させてリサイクルしてもよい。
【0027】
得られた組成物は高濃度の非線状オリゴ糖、例えばイソマルトースを有する。この産生組成物は線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含有している。一部の場合に、最終組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度は線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い。
【0028】
胃腸酵素は、デキストロース単位がα結合(1→4)(“線状”結合)している炭水化物を容易に認識して消化する。これらの結合を別の結合(例えばα(1→3)、α(1→6)(“非線状”結合)またはβ結合)に代えると、炭水化物を消化する胃腸酵素の能力をかなり減少させる。こうすると、炭水化物を大部分未変化のままで小腸から通過させうる。
【0029】
一部の場合に、産生組成物は少量(即ち、乾燥固形ベースで50wt%未満、通常かなり低濃度)の残留単糖を含んでなる。本プロセスは、膜濾過、クロマトグラフィー分別または発酵での消化により産生組成物から残留単糖(および場合により他の種も)の少なくとも一部を除去する追加ステップを含められる。分離された単糖は、例えばデキストロースまたはコーンシロップの産生のために、他のプロセス流と合わせられる。一方、分離された単糖は供給原料組成物へリサイクルしてもよい。
【0030】
本発明の他の態様は単糖の酸転換を伴うプロセスである。出発物質は本プロセスの酵素バージョンに関して前記されたものと同様である。塩酸、硫酸、リン酸またはそれらの組合せのような、様々な酸が用いられる。本プロセスの一部態様では、供給原料組成物のpHを約4以下へするために十分な量で、または一部の場合には供給原料組成物のpHを約1.0〜2.5または約1.5〜2.0へするために十分な量で、酸が供給原料組成物へ加えられる。一部の態様において、供給原料組成物の固形濃度は約70〜90%であり、供給原料へ加えられる酸の量はシロップ乾燥固形で約0.05%〜0.25%(w/w)酸固形であり、供給原料組成物は酸との接触時に約70〜90℃の温度で維持される。本プロセスの酵素バージョンの場合のように、反応条件は望ましいオリゴマーを産生するために十分な時間にわたり維持され、本プロセスの一部態様においてそれは約4〜24時間である。
【0031】
1つの具体的態様において、供給原料組成物の固形濃度は少なくとも約80重量%であり、組成物のpHを約1.8へするために十分な量で酸が供給原料組成物へ加えられ、供給原料組成物はそれが酸と接触された後に少なくとも約80℃の温度で約4〜24時間維持される。
【0032】
他の具体的態様において、供給原料組成物の固形濃度は約90〜100重量%であり、供給原料組成物はそれが酸と接触された後に少なくとも約149℃(300°F)の温度で約0.1〜15分間維持される。供給原料を処理するために用いられる酸は、(前記と同濃度で)リン酸および塩酸の組合せでもよい。1つの具体的態様において、供給原料組成物と酸との接触は連続パイプ/フロースルーリアクターで行なう。
【0033】
デンプンでとび抜けて多いグリコシド結合はα‐1,4結合であり、これはデンプンの酸加水分解に際して最も多く壊される結合である。しかし酸触媒転換(縮合)はいずれか2つのヒドロキシル基の間で生じ、利用可能な組合せおよびジオメトリーには様々なものがあることを考えると、α‐1,4結合が形成される確率は比較的小さい。ヒト消化系は、デンプンおよびコーンシロップのα‐1,4結合を容易に消化する、αアミラーゼを含有している。消化系で酵素により認識されない結合でこれらの結合を代えると、生成物を大部分未変化のままで小腸から通過させうる。
【0034】
酸処理から得られる糖分布は、酵素処理の場合とやや異なると考えられる。これらの酸触媒縮合生成物は酵素産生物よりヒト消化管内の酵素で認識されにくいと考えられる。
【0035】
酸処理は酵素処理と違って進行する。酵素は線状オリゴマーを速く加水分解して非線状オリゴマーをゆっくり形成し、一方酸では線状オリゴマーの減少と非線状オリゴマーの増加が匹敵する速度で生じる。デキストロースはオリゴマーの酵素加水分解で速く形成され、非線状縮合生成物が形成されるとゆっくり消費されるが、一方酸ではデキストロース濃度がゆっくり増加する。
【0036】
場合により、酵素または酸転換に続いて水素化が行われる。水素化された生成物は、現行の市販水素化デンプン加水分解産物より低いカロリー分を有しているはずである。一態様では、そのデキストロース当量(DE)を実質的に変えることなく、産生組成物を脱色するために、水素化が用いられる。
【0037】
本プロセスの一バージョンでは、酵素および酸がいずれかの順序で連続的に用いられる。例えば、第一処理で用いられる少なくとも1種の触媒が酵素であり、次いで産生組成物がグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酸と接触される。一方、第一処理で用いられる少なくとも1種の触媒が酸であり、次いで産生組成物がグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素と接触されることもある。
【0038】
酸処理が最初に、次いで酵素処理が用いられるプロセスの態様において、酸はリン酸、塩酸またはそれらの組合せである。この態様において、酵素と接触させた後、組成物はイオン交換樹脂と接触させる。イオン交換樹脂と接触させた後、少なくとも3の重合度を有する糖オリゴマーの組成物中における濃度は乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%である。
【0039】
酸、酵素または双方での処理により産生された産生組成物は、乾燥固形ベースで増加した濃度の非線状糖オリゴマーを有する。一部の場合に、産生組成物で少なくとも3の重合度(DP3+)を有する非線状糖オリゴマーの濃度は、乾燥固形ベースで少なくとも約20重量%、少なくとも約25%、少なくとも約30%または少なくとも約50%である。一部の態様で、産生組成物中非線状糖オリゴマーの濃度は、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い。
【0040】
1つの具体的態様において、産生組成物中非線状糖オリゴマーの濃度は乾燥固形ベースで少なくとも約90重量%であり、イソマルトースの濃度は乾燥固形ベースで少なくとも約70重量%である。
【0041】
産生組成物は少量(典型的には乾燥固形ベースで50重量%未満、通常かなり少ない)の残留単糖をたいてい含有している。場合により、残留単糖(および他の種)の少なくとも一部が(例えば、膜濾過、クロマトグラフィー分離または発酵での消化により)オリゴマーから分離され、単糖流がプロセスフィードへリサイクルされる。こうして、単純糖シロップが高価値食品添加物へ変換される。
【0042】
ここで記載されたプロセスにより産生されたオリゴマーに富んだシロップは、食物繊維を増加させるために食品で用いられる。該シロップは、低粘度および低血糖指数の双方を有する天然オリゴ糖を含有している。これらオリゴマーの多くは少なくとも1つの非α‐1,4結合を含む。それらは大腸で高度に発酵性であるにちがいなく、このことはそれらにプレバイオティクスとして健康上の利益を加える。本発明の一部態様において、産生組成物の乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%は遅消化性である。
【0043】
食物繊維としてオリゴ糖の有益な効果が文書に多く記載されてきた。小腸で消化に抵抗するが、大腸で発酵性である糖オリゴマーは、いくつかの有益な効果、例えばコレステロール低下、血中デキストロース減少および胃腸健康維持を有することが示されてきた。
【0044】
図1は前記の転換技術を利用しうるプロセスの一態様を示している。該プロセスはデンプン、例えば植物デンプンで始められる。常用コーンスターチが1つの適切な例である。開始デンプンが比較的高い純度を有していれば、該プロセスはより効率的に通常は機能する。一態様において、高純度デンプンは乾燥固形ベースで0.5%未満のタンパク質を含有している。次の説明の一部はコーンに焦点を合わせているが、本発明は他の供給源、例えば特にポテトおよび小麦から誘導されたデンプンにも適用しうると理解されるべきである。
【0045】
図1で示されているように、デンプン10がそれに加えられた酸12を有し、次いでデンプンクッカー、例えばデンプン粒が流れと接触されるジェットクッカーで糊化14される。本プロセスの一バージョンでは、硫酸の添加で3.5のpH目標に調整されたデンプンスラリーがジェットクッカーで流れと速やかに混合され、テールラインで4分間にわたり149〜152℃(300〜305°F)で保たれる。糊化デンプン16はジェットクッキングに際して高温で酸への暴露により加水分解18される。加水分解はデンプンの分子量を減少させ、組成物で単糖およびオリゴ糖の割合増加を生じる(前記のように、“オリゴ糖”という用語は、少なくとも2つの糖単位を含んでなる糖、例えば約2〜30の重合度(DP)を有する糖に言及するために、ここでは用いられている)。中和剤20、例えば炭酸ナトリウムが酸加水分解を止めるために加えられ、次いで組成物がそれを加水分解酵素22と接触させることで更に解重合24しうる。適切な酵素としてはαアミラーゼ、例えばNovozymesから市販されているTermamylがある。この酵素加水分解は組成物に存在する単糖およびオリゴ糖の割合を更に増加させる。酸および酵素処理による加水分解の全体的成果は、デンプンを糖化させることである。糖化された組成物は単糖プロファイルを変えるために、例えばフルクトースの濃度を増加させるために異性化しうる。
【0046】
糖化組成物26は次いで、例えばクロマトグラフィー分別28により、精製しうる。連続疑似移動層(SSMB)クロマトグラフィー操作を用いる一態様では、混合糖の溶液が樹脂ビーズで満たされたカラムへ送られる。樹脂の化学的性質に応じて、糖の一部は樹脂と強く相互作用するため、樹脂と弱く相互作用する糖と比較して、樹脂を通る遅延流となる。この分別は、デキストロースおよびフルクトースのような単糖の高含有率を有する、1つの流れ30を生じうる。高フルクトースコーンシロップがこのような流れの例である。分別は、比較的高濃度のオリゴ糖(例えば、乾燥固形ベース(d.s.b.)で約5〜15%オリゴ糖)を有し、それより少ない濃度の単糖、例えばデキストロースおよびフルクトースも含有する、ラフィネート流れ32(即ち、樹脂層を速く移動する成分)も生じる。“流れ(ストリーム)”という用語は本プロセスのある部分を記載するためにここでは用いられているが、本発明のプロセスは連続操作に限定されないことが理解されるべきである。本プロセスはバッチまたは半バッチ方式でも行なえる。
【0047】
ラフィネート32は膜濾過34、例えばナノ濾過により、場合によりダイアフィルトレーションで更に分別しうる。例えば、これらの濾過ステップはDesal DKラセン巻きナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および40〜60℃温度で行なえる。ステップ34で記載された分別は、連続疑似移動層クロマトグラフィー(SSMB)でも行なえる。膜濾過は、主に単糖を含んでなる透過物質36(即ち、膜を通過する成分)と、主にオリゴ糖を含んでなる保持物質38(即ち、膜に拒絶される成分)を生じる(ここで用いられている“主に”とは、組成物が乾燥固形ベースでいずれか他の成分より多くの掲載成分を含有していることを意味する)。透過物質36はモノマー流30(例えば、高フルクトースコーンシロップ)と合わせてもよい。透過物質は単糖に富んだ流れであり、保持物質はオリゴ糖に富んだ流れである。換言すれば、ナノ濾過はナノ濾過フィードと比較して保持物質でオリゴ糖および透過物質で単糖を濃縮している。
【0048】
オリゴ糖シロップ40として記載しうる保持物質38は、遅消化性であるオリゴ糖の十分に高い含有率(例えば、少なくとも約50重量%d.s.b.、または一部の場合では少なくとも約90%)を有しうるため、それは乾燥されるかまたは簡単に濃縮シロップへ蒸発され、食品中の材料として用いられる。しかしながら、多くの場合、この組成物を更に加工および精製することが有用であろう。このような精製は下記ステップの1以上を含む(図1は選択肢として4つのこのような精製ステップ42、44、46および48を示しているが、これらステップの2以上が本プロセスで用いられると理解すべきである)。
【0049】
オリゴマーシロップ40は、フルクトースおよびデキストロースのような残留単糖の少なくとも一部を除去するために、膜濾過、例えば第二ナノ濾過のような、他の分別42に付してもよい。適切なナノ濾過条件および装置は前記の通りである。このナノ濾過は第二の単糖に富んだ流れである透過物質を生じるが、それはモノマー流30と合わせてもよい。一方、更なる分別42もクロマトグラフィー分離、例えば疑似混合層クロマトグラフィーにより行なえる。
【0050】
シロップ41は、デキストロースイソメラーゼのような酵素とそれを接触させることにより、異性化44しうる。これは、存在する残留デキストロースの少なくとも一部を、ある状況下では更に有益なフルクトースへ変換する。
【0051】
上記のように、該シロップは転換または再重合46を起こさせるために酵素または酸で処理でき、その際にはなお存在する単糖の少なくとも一部が他の単糖またはオリゴ糖へ共有結合され、こうしてシロップの残留モノマー分を更に一層減少させられる。このステップで使用に適した酵素には、グルコシダーゼ、例えばアミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルコシダーゼおよびプルラナーゼがある。セルラーゼ酵素は、一部の適用向けに有益な転換生成物を生じうる。
【0052】
該シロップは、残留単糖の少なくとも一部を対応アルコールへ変換するために(例えば、デキストロースをソルビトールへ変換するために)、水素化48しうる。水素化が本プロセスに含まれるとき、それは典型的には最終精製ステップである(しかし必ずしもそうではない)。
【0053】
上記精製ステップの1以上で産生された精製オリゴマーシロップ49は次いで脱色50させてもよい。脱色は、例えば活性炭での処理に続く精密濾過により行える。連続フローシステムにおいて、シロップ流は、脱色を行うために、粒状活性炭で満たされたカラムへ送られる。次いで、脱色されたオリゴマーシロップは例えば約70%乾燥固形(d.s.)超まで蒸発52させると、高含有率のオリゴ糖(例えば、90wt%d.s.b超、一部の場合では95%超)とそれに対応した低単糖分を含んでなる生成物を生じる。生成物は、ヒトで完全に非消化性でなければ、ゆっくりまたは不完全に消化される複数種の糖を含んでなる。これらの糖には、イソマルトース、パノースおよび4以上の重合度を有する分岐オリゴマーがある。
【0054】
プロセス条件は、モノマーに富んだ流れ(30,36)またはオリゴマー生成物流に供給原料中マルトースの大部分を回収するように、変更してもよい。例えば、500psi未満の圧力で操作する、やや広い孔径のナノ濾過膜、例えばDesal DLが、モノマーに富んだ流れでマルトースの量を増加させるために用いられる。
【0055】
製品は食品用の材料として適し、ヒト消化系で遅消化性または消化に抵抗性である。前記のように、製品の一部成分はヒト胃および小腸で実質上完全に非消化性である。用いられるデンプン源に応じて、製品は、コーンシロップまたは小麦シロップとして、それらの用語が食品表示で用いられているように、一部態様では分類される。より広い孔径がナノ濾過で用いられる場合、マルトデキストリンとして分類されるより高分子量のオリゴマーシロップ製品が得られる。
【0056】
本プロセスで産生されたオリゴ糖含有シロップは、常用炭水化物の代用品または補助品として食品へ加えられる。このように、本発明の他の面は、乾燥固形ベースで大量の線状および非線状糖オリゴマーを含んでなり、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度より大きい炭水化物組成物を含んでなる、食物製品である。シロップが用いられる食品の具体例としては、加工食品、例えばパン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押出スナック、スープ、冷凍デザート、フライド食品、パスタ製品、ポテト製品、コメ製品、コーン製品、小麦製品、乳製品、ヨーグルト、菓子、ハードキャンディ、栄養バー、朝食シリアルおよび飲料がある。オリゴ糖シロップを含有した食物製品は、コーンスターチのような常用炭水化物が用いられる類似食物製品より低い血糖応答、低い血糖指数および低い血糖負荷を有する。更に、オリゴ糖の少なくとも一部はヒト胃または小腸で非常に限られた程度で消化されるだけかまたは全く消化されないため、食物製品のカロリー分は減少する。該シロップは適切な食物繊維源でもある。
【0057】
前記のような消化抵抗性オリゴマーシロップはシロップとして食物製品中の材料として用いられるか、あるいはそれは固形シロップを形成するために最初に濃縮される。双方において、それはいくつかの手法で用いられる。前記のように、このシロップは様々なデンプン源、例えばコーンから誘導しうる。この特許では一部の場合に、“消化抵抗性コーンシロップ”または“抵抗性コーンシロップ”(時々“RCS”と略記される)という語句が用いられるが、本発明はコーンから誘導されるシロップまたは固形シロップに限定されないと理解されるべきである。
【0058】
消化抵抗性オリゴマーシロップは可溶性繊維源として食物製品へ加えられる。フレーバー、口内感またはテクスチャーにネガティブな影響を有することなく、それは食物製品の繊維分を増加させうる。
【0059】
消化抵抗性オリゴマーシロップの機能はコーンシロップおよび糖と類似し、そのことが食物製品で様々な栄養甘味料の完全または部分代用にそれを適したものにしている。例えば、抵抗性シロップは食物製品でスクロース、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)、フルクトース、デキストロース、レギュラーコーンシロップまたは固形コーンシロップの全部または部分代用に用いられる。1つの具体例として、消化抵抗性シロップまたは消化抵抗性シロップ固形物は1:1ベースから糖固形物の完全代用まで他の固形甘味料に代えて用いられる。高い固形甘味料代用レベルのとき、食物製品の甘味は減少するが、口内感およびフレーバーリリースは実質的に同様のままであり、一方で糖およびカロリー分が減少する。しかも、消化抵抗性シロップは食品処方で増量剤、代用脂肪、穀粉または他の材料として用いられる。一方、消化抵抗性シロップはスクロース、HFCSまたはフルクトースのような甘味料と組み合わせて食物製品に用いてもよく、食物製品の全体甘味に変化をもたらさない。他の例として、消化抵抗性シロップはスクラロースまたは他の高強度甘味料と組み合わせて食物製品に用いられ、食物製品の甘味または口内感に変化なく甘味料に代わりうる。
【0060】
消化抵抗性オリゴマーシロップは、食物製品の繊維分を増やし、製品の消費から生理的利益を高め、カロリー分を減少させ、および/または製品の栄養プロファイルを高めるために、抵抗性デンプン、ポリデキストロースまたは他の繊維源と組み合わせて食物製品に用いられる。
【0061】
消化抵抗性オリゴマーシロップは、カロリー分を減少させ、および/または製品の栄養プロファイルを高めるために、糖アルコールまたはマルトデキストリンのような増量剤と組み合わせて食物製品に用いられる。該シロップは食物製品で脂肪の部分代用品としても用いられる。
【0062】
消化抵抗性オリゴマーシロップは、クリスプ性またはスナップを増やし、見た目を向上させ、および/またはドゥ、バターまたは他の食品組成物のレオロジーを向上させるために、軟化剤またはテクスチャライザーとして食物製品で用いられる。該シロップは、製品保存寿命を延ばし、および/またはより柔らかでよりしっとりしたテクスチャーを生み出すために、保湿剤としても食物製品で用いられる。水分活性を減少させ、または水を固定および管理するためにも、それは食物製品で用いられる。該シロップの追加使用には:エッグウォッシュに代える、および/または食物製品の表面光沢を高める、粉デンプン糊化温度を変える、製品のテクスチャーを変える、および製品のブローニングを高めるため、というのがある。
【0063】
少なくとも本発明の一部態様において、消化抵抗性オリゴマーシロップは下記利点の1以上を有している:それをバターおよびドゥのような食品組成物へ比較的容易に配合させやすくさせる高い安定性;高温および/または酸性pH下の安定性(一部の他の可溶性繊維、例えばイヌリンはそれほど安定でない)、低い甘味、クリーンなフレーバーおよびクリアな色。該シロップの性質によれば、それが用いられる食物製品にクリーンな表示を付せられる。本発明の一部態様において、消化抵抗性オリゴマーシロップは約2カロリー/グラム(d.s.b.)を含有し、食物製品の総カロリー分を減少させうる。
【0064】
本発明の消化抵抗性オリゴマーシロップは様々なタイプの食物製品で用いられる。該シロップが非常に有用となりうる食物製品の1タイプは、ベーカリー製品(即ち、ベークド食品)、例えばケーキ、ブラウニー、クッキー、クッキークリスプ、マフィン、パンおよびスイートドゥである。常用ベーカリー製品は糖が比較的高く、総炭水化物も高い。ベーカリー製品中の材料として消化抵抗性シロップの使用は、ベーカリー製品の繊維分を増しながら、糖および炭水化物レベルの低下と総カロリーの減少に役立つ。
【0065】
ベーカリー製品には2つの主カテゴリー:酵母発酵および化学発酵がある。酵母発酵製品、例えばドーナツ、スイートドゥおよびパンでは、消化抵抗性オリゴマーシロップが糖に代えて用いられるが、酵母の発酵基質またはクラストブローニングに必要なために少量の糖がなお望まれる。消化抵抗性オリゴマーシロップ固形物(例えば、消化抵抗性コーンシロップ固形物)は他の乾燥材料と共に栄養乾燥甘味料と類似した手法で加えられ、特別な取扱いを要しないであろう。抵抗性コーンシロップは、シロップまたは液体甘味料の直接代用品として、他の液体と共に加えられる。ドゥは次いでベーキング産業で常用される条件下で、混合、発酵、分割、ローフまたは形態への成形または押出、プルーフ、および焼きまたは揚げを含めた加工に付される。製品は伝統的製品と類似した条件を用いて焼かれまたは揚げられる。パンは通常420°F〜520°Fの温度で20〜23分間焼かれ、ドーナツは400〜415°Fの温度で揚げられるが、他の温度および時間も用いられる。至適甘味およびフレーバープロファイルを得るために、高強度甘味料も必要なだけドゥへ加えうる。
【0066】
化学発酵製品は典型的にはより多くの糖を有し、より高レベルの抵抗性コーンシロップ/固形物を含有しうる。最終クッキーは30%糖を含有しうるが、これは抵抗性コーンシロップ/固形物で完全にまたは部分的に代用しうる。これらの製品は、例えば4〜9.5のpHを有する。含水率は、例えば2〜40%である。
【0067】
抵抗性コーンシロップ/固形物は容易に配合され、クリーミングステップに際して、それが代わりに用いられているシロップまたは乾燥甘味料と類似した何らかの方法で、混合の開始時に脂肪へ加えられる。製品は混合され、次いで、例えばシート化、ロータリーカット、ワイヤーカットされることで、または他の成形プロセスで成形される。製品は次いで典型的ベーキング条件下で、例えば200〜450°Fで焼かれる。
【0068】
抵抗性コーンシロップ/固形物は、非結晶状態で糖ガラスを形成させ、ベークド品へ粒子を付着させるためにも用いられ、および/またはベークド品の外観を高めるフィルムまたはコーティングを形成させるために用いられる。抵抗性コーンシロップ固形物は、他の非結晶糖のように、加熱し、次いでそれらのガラス転移温度以下の温度へ冷却させると、ガラスを形成する。
【0069】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は朝食シリアルである。例えば、本発明による抵抗性コーンシロップは押出シリアルピースおよび/またはそれらピースの外側のコーティングで糖の全部または一部と代わるために用いられる。コーティングは典型的には最終シリアルピースの総重量の30〜60%である。該シロップは、例えばスプレーまたはドリズル・オン(drizzle on)で適用される。コーティング用の処方は抵抗性コーンシロップの75%溶液のように簡単でよい。抵抗性コーンシロップは、様々な割合の糖とまたは他の甘味料もしくはポリオールとブレンドしてもよい。余分な水分が次いで低熱オーブンで蒸発される。押出ピースにおいて、抵抗性コーンシロップ固形物は乾燥材料と共に直接加えても、あるいは該シロップは水と共にまたは別々に押出機へ計量注入してもよい。少量の水も押出機へ加えてよく、次いでそれは100°F〜300°Fの様々なゾーンに通される。場合により、抵抗性デンプンのような他の繊維源も押出ピースで用いうる。
抵抗性コーンシロップを用いると、他の繊維源とは異なるテクスチャーを出せる。それを単独でまたは他の繊維と組み合わせて用いると、製品多様性を出すようにテクスチャーを変えられる。
【0070】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は乳製品である。それが用いられる乳製品の例としては、ヨーグルト、ヨーグルトドリンク、ミルクドリンク、風味ミルク、スムーシー、アイスクリーム、シェーク、コテージチーズ、コテージチーズドレッシングおよび乳デザート、例えばクアーグおよびホイップドムースタイプ製品がある。これには、直接消費させるつもりの乳製品(例えば、パッケージ化スムーシー)、並びに他の材料とブレンドさせるつもりのもの(例えば、ブレンドされたスムーシー)を含む。それは低温殺菌乳製品、例えば160°F〜285°Fの温度で低温殺菌されるものに用いられる。乳製品では糖の完全代用が可能である(全処方の24%以内になる)。抵抗性コーンシロップは通常酸pHで安定である(乳飲料のpH範囲は典型的には2〜8である)。
【0071】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は菓子である。それが用いられる菓子の例としては、ハードキャンディ、フォンダン、ヌガーおよびマシュマロ、ゼラチンゼリーキャンディまたはグミ、ゼリー、チョコレート、リコリス、チューインガム、カラメルおよびタフィー、チュー、ミント、タブレット菓子、およびフルーツスナックがある。フルーツスナックでは、抵抗性コーンシロップがフルーツジュースと併用しうる。フルーツジュースが甘味の大部分を呈し、抵抗性コーンシロップは全糖分を減少させて、繊維を加える。該シロップが初期キャンディスラリーへ加えられ、最終固形分まで加熱される。最終固形分に達するため、スラリーは200〜305°Fに加熱される。2〜7の最終pHにするため加熱前または後に酸が加えられる。抵抗性コーンシロップは、存在する糖の0〜100%およびコーンシロップまたは他の甘味料の1〜100%の代用品として用いられる。
【0072】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はジャムおよびゼリーである。ジャムおよびゼリーはフルーツから作られる。ジャムはフルーツピースを含有し、一方ゼリーはフルーツジュースから作られる。抵抗性コーンシロップは次のように糖または他の甘味料の代わりに用いられる:フルーツおよびジュースを秤量してタンクへ入れる。糖、抵抗性コーンシロップおよびペクチンをプレミックスする。乾燥組成物を該液体へ加え、214〜220°Fの温度に調理する。ジャーへ熱時充填し、5〜30分間レトルトする。
【0073】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は飲料である。それが用いられる飲料の例としては、炭酸飲料、フルーツジュース、濃縮ジュースミックス(例えば、マルガリータミックス)、クリアウォーターおよび飲料ドライミックスがある。本発明の抵抗性コーンシロップの使用によれば、他のタイプの繊維が飲料へ加えられたときに生じる透明性問題を多くの場合に克服しうる。糖の完全代用が可能である(例えば、全処方の12%以内まで可能)。酸pHにおける該シロップの安定性のために、それは例えば2〜7範囲のpHを有する飲料で用いられる。抵抗性コーンシロップは冷時加工飲料および低温殺菌飲料で用いられる。
【0074】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は高固形フィリングである。それが用いられる高固形フィリングの例としては、スナックバー、トースターペストリー、ドーナツおよびクッキーのフィリングである。高固形フィリングは、例えば酸/フルーツフィリングまたはセイボリーフィリングである。それはそのまま消費される製品、あるいはフードプロセッサー(追加ベーキング)または消費者(ベーク安定性フィリング)により更なる加工をうける製品へ加えられる。本発明の一部態様において、高固形フィリングは67〜90%の固形濃度を有する。該固形物は抵抗性コーンシロップで完全に代用しても、あるいはそれは存在する他の固形甘味料の部分代用に用いられる(例えば、現状固形物の5〜100%代用)。典型的にはフルーツフィリングは2〜6のpHを有し、一方セイボリーフィリングは4〜8pHである。フィリングは冷時調製されるか、または望ましい最終固形分まで蒸発させるために250°F以内で加熱される。
【0075】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は押出およびシート状スナックである。それが用いられる押出およびシート状スナックの例としては、パフスナック、クラッカー、トルティーヤチップおよびコーンチップがある。押出ピースを製造するのに際して、抵抗性コーンシロップ/固形物は乾燥製品と共に直接加えられる。少量の水が押出機へ加えられ、次いでそれは100°F〜300°F範囲の様々なゾーンへ通される。この乾燥抵抗性コーンシロップ/固形物は乾燥製品混合物の0〜50%のレベルで加えられる。液体抵抗性コーンシロップも押出機に沿う液体口の1つで加えられる。製品は、低含水率(5%)で出てから過剰水分を除去するために焼かれるか、あるいはやや高い含水率(10%)で出てから水分を除去するために揚げられ、こうして製品を調理する。ベーキングは500°F以内の温度において20分間である。ベーキングは更に典型的には350°Fで10分間である。フライングは典型的には350°Fで2〜5分間である。シート状スナックでは、抵抗性コーンシロップ固形物が他の乾燥材料(例えば、穀粉)の部分代用として用いられる。それは乾燥重量の0〜50%である。製品はドライミックスされ、次いで粘着性ドゥを形成するために水が加えられる。製品ミックスは5〜8のpHを有する。ドゥは次いでシート化および切断され、次いで焼かれまたは揚げられる。ベーキングは500°F以内の温度において20分間である。フライングは典型的には350°Fで2〜5分間である。抵抗性コーンシロップの使用による他の可能な利益は、それが内部材料としてまたはフライド食品の外側のコーティングとして加えられたときに、15%にものぼるフライドスナックの脂肪分の減少である。
【0076】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はゼラチンデザートである。ゼラチンデザートの材料は、ゲル化剤としてゼラチンとのドライミックスとして、よく販売されている。糖固形物は、ドライミックスにおいて抵抗性コーンシロップ固形物で部分的または完全に代用される。該ドライミックスは次いで水と混合され、ゼラチンを溶かすために212°Fに加熱され、次いでゼラチンデザートを完成させるために更に水および/またはフルーツが加えられる。ゼラチンは次いで冷却および固化される。ゼラチンは保存安定パックでも販売しうる。その場合、安定剤は通常カラゲナンベースである。前記のように、抵抗性コーンシロップは他の固形甘味料の100%以内で代用しうる。乾燥材料が液体へ混合され、次いで低温殺菌され、カップへ入れられ、冷却および固化される。カップは通常ホイルトップを有する。
【0077】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はスナックバーである。それが用いられるスナックバーの例としては、朝食およびミール代用バー、栄養バー、グラノーラバー、プロテインバーおよびシリアルバーがある。それはスナックバーの何らかの部分で、例えば高固形フィリング、結合シロップまたは微粒部分で用いられる。結合シロップにおける糖の完全または部分代用が抵抗性コーンシロップで可能である。結合シロップは典型的には50〜90%固形であり、10%結合シロップ対90%微粒から70%結合シロップ対30%微粒までの比率で適用される。結合シロップは、甘味料、増量剤および他の結合剤(例えばデンプン)の溶液を160〜230°F(シロップで必要な最終固形に応じる)に加熱することにより得られる。該シロップは次いで微粒を被覆するために微粒と混合され、マトリックス全体にコーティングを施す。抵抗性コーンシロップは微粒自体にも用いられる。これは押出ピースでも、直接膨張またはガンパフさせてもよい。それは他の穀物材料、コーンミール、コメ粉または他の類似材料と併用してもよい。
【0078】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はチーズ、チーズソースおよび他のチーズ製品である。それが用いられるチーズ、チーズソースおよび他のチーズ製品の例としては、低乳固形チーズ、低脂肪チーズおよび低カロリーチーズがある。ブロックチーズにおいて、それは溶融特徴を改善し、またはデンプンのような他の材料で加えられる溶融制限の効果を減少させる上で役立つ。それは、脂肪、乳固形物または他の典型的増量剤に代わるため、例えば増量剤として、チーズソースでも用いられる。
【0079】
該シロップ/固形物が用いられる他のタイプの食物製品は、食用および/または水溶性であるフィルムである。それが用いられるフィルムの例としては、水に溶解させるつもりの様々な食品および飲料用のドライミックスを包むために用いられるフィルム、またはまだ熱いままの調理後の食品へ加えられるスパイスフィルムのような、色またはフレーバーを供するために用いられるフィルムがある。他のフィルム適用例としてはフルーツおよび野菜レザーと他のフレキシブルフィルムがあるが、それらに限定されない。
【0080】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、スープ、シロップ、ソースおよびドレッシングである。典型的なドレッシングはpH範囲2〜7の0〜50%オイルである。それは冷時加工または熱時加工される。それが混ぜられ、次いで安定剤が加えられる。抵抗性コーンシロップは、必要に応じて他の材料と共に、液体または乾燥形で容易に加えられる。ドレッシング組成物は、安定剤を活性化させるために、加熱を要することもある。典型的な加熱条件は170〜200°Fで1〜30分間である。冷却後、プレエマルジョンを作るためにオイルが加えられる。製品は次いでホモゲナイザー、コロイドミルまたは他の高剪断プロセスを用いて乳化される。
【0081】
ソースは0〜10%オイルおよび10〜50%総固形物を有し、2〜8のpHを有する。ソースは冷時加工または熱時加工される。材料が混ぜられ、次いで熱時加工される。抵抗性コーンシロップは、必要に応じて他の材料と共に、液体または乾燥形で容易に加えられる。典型的な加熱は170〜200°Fで1〜30分間である。
【0082】
スープは更に典型的には20〜50%固形であり、より中性のpH範囲(4〜8)にある。それらは、乾燥抵抗性コーンシロップ固形物が加えられるドライミックスでも、または缶詰されてからレトルトされる液体スープでもよい。スープにおいて、抵抗性コーンシロップは50%固形以内で用いられるが、更に典型的な用法は1食当たり5gの繊維を供することである。
【0083】
シロップは、糖固形物の100%以内の代用品として、抵抗性コーンシロップを配合しうる。典型的には、それはそのままのベースでシロップの12〜20%である。抵抗性コーンシロップは水と共に加えられ、次いで製品を安全かつ保存安定性にするために低温殺菌および熱時充填される(典型的には185°Fで1分間の低温殺菌)。
【0084】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、コーヒークリーマーである。それが用いられるコーヒークリーマーの例としては、液体および乾燥双方のクリーマーがある。
ドライブレンドされたコーヒークリーマーは、次の脂肪タイプ:大豆、ココナツ、ヤシ、ヒマワリもしくはキャノーラ油、またはバター脂肪の市販クリーマー粉末とブレンドしうる。これらの脂肪は非水素化でもまたは水素化してもよい。抵抗性コーンシロップ固形物は、場合によりフルクト‐オリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、マルトデキストリン、抵抗性デンプン、スクロースおよび/または常用コーンシロップ固形物と一緒に、繊維源として加えられる。該組成物は高強度甘味料、例えばスクラロース、アセスルフェームカリウム、アスパルテームまたはそれらの組合せも含有しうる。望ましい組成物を産生するために、これらの材料がドライブレンドされる。
【0085】
スプレードライされたクリーマー粉末は、脂肪、タンパク質および炭水化物、乳化剤、乳化塩、甘味料および凝結防止剤の組合せである。脂肪源は大豆、ココナツ、ヤシ、ヒマワリもしくはキャノーラ油、またはバター脂肪の1種以上である。タンパク質はカゼインナトリウムまたはカリシウム、乳タンパク質、ホエータンパク質、小麦タンパク質または大豆タンパク質である。炭水化物は抵抗性コーンシロップ単独でも、またはフルクト‐オリゴ糖、ポリデキストロース、イヌリン、抵抗性デンプン、マルトデキストリン、スクロースまたはコーンシロップと組合せてもよい。乳化剤はモノ‐およびジグリセリド、アセチル化モノ‐およびジグリセリド、またはプロピレングリコールモノエステルである。塩はクエン酸三ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸一カリウムおよび/またはリン酸二カリウムである。該組成物は高強度甘味料、例えばスクラロース、アセスルフェームカリウム、アスパルテームまたはそれらの組合せも含有しうる。適切な凝結防止剤にはアルミノケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素がある。製品はスラリーで混合され、場合により均質化され、粒状または凝集形でスプレードライされる。
【0086】
液体コーヒークリーマーは、簡単には、脂肪(乳脂肪または水素化植物油)、一部の乳固形物またはカゼイン、コーンシロップおよびバニラまたは他のフレーバーの均質化低温殺菌エマルジョン、並びに安定化ブレンドである。製品は通常HTST(高温短時間)により185°Fで30秒間またはUHT(超高温)により285°Fで4秒間低温殺菌され、2段階ホモゲナイザーにおいて第一段階では500〜3000psiおよび第二段階では200〜1000psiで均質化される。コーヒークリーマーは、コーヒーへ加えられたときにそれが分解しないように、通常安定化される。
【0087】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、アイシング、フロスティングおよびグレーズのような食品コーティングである。アイシングおよびフロスティングでは、カロリー分を下げて繊維分を増やすために、抵抗性コーンシロップが甘味料代用品(完全または一部)として用いられる。グレーズは典型的には約70〜90%糖であり、残部のほとんどは水であり、抵抗性コーンシロップは糖と完全または部分的に代えて用いられる。フロスティングは典型的には約2〜40%の液体/固体脂肪組合せ、約20〜75%固形甘味料、色素、フレーバーおよび水を含有している。抵抗性コーンシロップは固形甘味料の全部または一部に代えて、または低脂肪系の増量剤として用いられる。
【0088】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、ドライまたはモイストドッグフードのようなペットフードである。ペットフードは、グレービーとして押出、成形および処方するなど、様々な手法で得られる。抵抗性コーンシロップはこれらタイプの各々において0〜50%のレベルで用いられる。
【0089】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は、穀粉および/またはコーンミール、脂肪、水、塩およびフマル酸を通常含有したトルティーヤである。抵抗性コーンシロップは穀粉または脂肪に代えて用いられる。諸材料が混ぜられ、次いでシート化または型抜きされて、調理される。この添加は、繊維を加えまたは保存寿命を延ばすために用いられる。
【0090】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は魚および肉である。常用コーンシロップが一部の肉で既に用いられ、そのため抵抗性コーンシロップは部分または完全代用品として用いられる。例えば、抵抗性コーンシロップが塩水へ加えられてから、それが肉へ真空タンブルまたは注入される。それは塩およびリン酸塩、場合により水結合材料、例えばデンプン、カラゲナンまたは大豆タンパク質と共に加えられる。これは繊維を加えるために用いられ、典型的レベルは1食当たり5gであり、優れた繊維源と言える。
【0091】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はドライ(注入)フルーツである。ドライフルーツの多くの種類は、それらが糖で注入されると、やっと安定して味が良くなる。抵抗性コーンシロップは糖の全部または一部に代えて用いられる。例えば、乾燥前にフルーツへ注入するために用いられる塩水へ、抵抗性コーンシロップが加えられる。硫酸塩のような安定剤もこの塩水で用いられる。
【0092】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品は幼児用およびトドラーフードである。抵抗性コーンシロップは、このような食品で1種以上の常用材料の代用品または補助品として用いられる。そのマイルドなフレーバーとクリアな色のおかげで、糖を減らして繊維分を増やすために、それは様々なベビーフードへ加えられる。
【0093】
該シロップが用いられる他のタイプの食物製品はバターおよびブレッディング、例えば肉用のバターおよびブレッディングである。これは、バターおよび/またはブレッディングの乾燥成分(例えば、穀粉タイプ材料)の全部または一部を抵抗性コーンシロップで代用することにより、あるいは赤身肉またはフライド食品自体への添加と併用して行なわれる。これは増量剤として、繊維添加用に、またはフライド食品で脂肪を減少させるために用いられる。
【0094】
ここで記載されたプロセスは、糖化に抵抗性である糖シロップのフラクション(例えば、図1の流れ26)を利用する。精製産物としてこの物質を分離することにより、高フルクトースコーンシロップのように、主に単糖であるシロップ中の望ましくない副産物であるというよりむしろ、それはそれ自身の有用な性質のために用いられる。高フルクトースコーンシロップから大きな割合のオリゴ糖の除去は、製品をより純粋に(即ち、より高濃度のデキストロースおよびフルクトース)、ひいてはより有益なものにする。
【0095】
本発明の食物製品は、糖尿病に罹患した哺乳動物、例えばヒトで血中グルコース濃度のコントロールに役立てるためにも用いられる。該食物製品が哺乳動物で消費されたとき、食物製品中の遅消化性および/または消化抵抗性成分は、糖尿病患者で有益である、血流中でより穏やかな相対血糖応答を生じさせる。この関係における“コントロール”は相対語として理解されるべきであり、即ち同哺乳動物がこのような消化抵抗性および/または遅消化性成分を含有しない類似食物製品を消費したときに生じるものと比較して血糖応答が改善されるが、糖尿病に罹患していない哺乳動物で観察されるものには血糖応答が必ずしも相当しない。
【0096】
本発明のある態様が下記実施例から更に理解される。
【0097】
実施例1
コーンスターチが高フルクトースコーンシロップへ加工されているプラントからラフィネートシロップを得た。ラフィネートはクロマトグラフィー分離により産生され、主にフルクトースおよびデキストロースを含んでいた。Desal DK1812C‐31Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および40〜60℃の温度でラフィネートをナノ濾過に付した。ナノ濾過からの保持物質を活性炭で脱色し、次いで約80%乾燥固形まで蒸発させた。乾燥製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表1で示されている。
【表1】
【0098】
軽ラフィネートと称されるこの物質をEnglystアッセイで消化性について試験した。約600mgの炭水化物d.s.b.を試験管中の0.1M酢酸ナトリウム緩衝液20mLへ加えた。内容物を混ぜ、次いで約92℃に30分間加熱し、次いで37℃に冷却した。次いで5mLの酵素溶液を試験管へ加え、それを水浴中37℃で振盪することにより攪拌した。少量のサンプルを20分間および120分間の双方で採取した。酵素を失活させ、サンプルを濾過し、YSI Inc.のグルコース試験を用いて消化性について測定した。別の但し類似したナノ濾過操作で加工された重ラフィネートも、同アッセイを用いて試験した。重ラフィネートは軽ラフィネートの15〜25%乾燥固形とは異なり25〜35%乾燥固形を含有していたが、双方ともほぼ同割合の低分子量糖を有していた。ナノ濾過されなかった調理済みポテトスターチも比較として試験した。消化性アッセイおよび糖分析の結果が表2で示されている。調理済みポテトスターチも比較のため表2に含まれている。表2のすべてのパーセンテージはd.s.b.に基づく。
【表2】
【0099】
物質中オリゴ糖の割合と消化に抵抗性である物質の割合との間には、優れた相関性があった。
【0100】
実施例2
コーンスターチが高フルクトースコーンシロップへ加工されているプラントから、21.4%乾燥固形で約1025Lのラフィネートシロップを得た。ラフィネートはクロマトグラフィー分離により産生され、主にフルクトースおよびデキストロースを含んでいた。Desal NF3840C‐50Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および40〜60℃の温度でラフィネートをナノ濾過に付した。出発容量を約1/20に減らした後、DI水を用いて保持物質を約2倍容量の一定容量ダイアフィルトレーションに付した。ダイアフィルトレーション後、27.6kgの保持物質(33.8%ds)を集めた。冷蔵室で一夜攪拌することにより、この物質を活性炭(固形シロップの0.5重量%)で脱色した。このスラリーを0.45ミクロン中空繊維濾過カートリッジでの濾過により滅菌し、分割して約73%dsの平均濃度まで蒸発させた。
【0101】
乾燥製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表3で示されている。
【表3】
【0102】
実施例3‐酵素によるデキストロースからの非線状オリゴマーの製造
74%、79.5%および80%の固形濃度を有する濃縮デキストロースシロップを、(1)希釈シロップを蒸発させるか、または(2)水をデキストロース粉末へ加えることにより調製した。各デキストロース/水混合物を適切な容器へ入れ、水浴で60℃に加熱した。
【0103】
グルコアミラーゼ酵素(DextrozymeまたはSpirizyme,Novozymes A/S)を該シロップへ‐約400μL酵素を30mLシロップへ加えた。シロップ容器をキャップし、次いで酵素を分散させるために激しく振盪した。シロップを60℃水浴へ戻した。
【0104】
2〜4mLシロップを小さなガラスバイアルへ移し、それを熱ブロックで約85〜90℃に加熱して酵素を失活させることにより、糖分布の変化を経時的にモニターした。
【0105】
様々な糖種の濃度をHigh Performance Anion Exchange with Pulsed Amperometric Detection(HPAE‐PAD)により調べた。電気化学検出器および勾配ポンプを装備したDionexイオンクロマトグラフDX500を分析に用いた。糖をDionex Carbopac PA1分析およびガードカラムにより水酸化ナトリウムおよび酢酸ナトリウム溶離液の勾配デリバリーで分離した。フォーポテンシャル(four-potential)波形で金電極を用いて糖を検出した。サンプルを水で希釈し、分析前にAmicon Ultra-4遠心フィルターデバイスに通した。
【0106】
図2は、Novozymesの市販グルコアミラーゼ酵素、1.3%vol/vol Dextrazymeにより60℃で48時間処理された3つの異なる初期デキストロース組成物のシロップ中における、デキストロース、イソマルトースおよび“非線状高級体”(この図では、4以上の重合度を有する非線状オリゴマーに関する)の相対量を示している。シロップ濃度が増すと、他の糖と比較してモノマーデキストロースの量が減少し、非線状高級オリゴマーの量が増加する。
【0107】
実施例4‐コーンシロップからのオリゴマーシロップの製造
デキストロースグリーンズ(95%デキストロース)から軽度変換Staley 200シロップ(26DE,5%デキストロース)、ひいては高(34%)マルトースシロップNeto 7300まで、ある範囲の変換度を有する出発基質を得た。この実施例で出発物質として用いられた具体的製品は、StaleyR 200、StaleyR 300、StaleyR 1300、NetoR 7300およびSweetoseR 4300コーンシロップ、およびStaleydexR 3370デキストロースであった。これら物質の特徴の一部が表4で示されている。
【表4】
【0108】
低変換シロップの多くは4以上の重合度を有する実質量の非線状高級オリゴマー(NL DP4+)を有しているが、それらは実質量の線状オリゴマーも有している。これらシロップのいくつかはDP17までの測定可能量の線状オリゴマーを含有している。図3は初期糖分布を示している。
【0109】
用いられた酵素は、Spirizyme Plus FGおよびDextrozyme DX 1.5XグルコアミラーゼおよびPromozyme D2プルラナーゼ(Novozymes供給)、CG220セルラーゼおよびTransglucosidase L‐500(Genencor供給)、Glucoamylase GA150(Sunson Industry Group供給)およびTransglucosidase L(Bio-Cat Inc.供給)であった。
【0110】
様々なコーンシロップを約70%dsに調整した。約3.3%(v/v)Spirizyme Plus FG酵素を50mL管中の各々へ加えた。シロップを60℃水浴で約4日間加熱した。シロップを約85℃で10分間加熱することにより酵素を失活させた。図4は最終糖分布を示している。すべてのシロップが4日処理の最後には匹敵しうる糖分布に達した。転換後は、非常にわずかな線状オリゴマーが残留するだけで、非線状オリゴマー分が増加していた。
【0111】
いくつかのポイントに注目すべきである。第一に、転換Staleydex 3370シロップは、他のシロップよりやや高いデキストロース分と低い非線状オリゴマー分を有している。すべてのシロップが転換前に約70%dsに調整されたが、低変換シロップは、低初期デキストロース分の場合に、新分布として水を消費して得られ、最終濃度は転換3370シロップより4〜9%ポイント高かった(デキストロースの単一DP6オリゴマーから6つのデキストロース分子への加水分解では、例えば5つの水分子を消費する)。表5が示しているように、転換シロップの水分はデキストロース分と同じトレンドであるが、高級オリゴマー分とは反対トレンドである。
【表5】
【0112】
低い水分ほど高濃度の転換産物の方へ平衡を傾ける。最終水分が同一となるように水分が調整されたならば、糖分布も同一になっただろうと我々は考えている。
【0113】
第二に、転換後の全シロップが線状オリゴマーより各重合度(DP)でかなり高率の分岐オリゴマーを有していた。マルトース vs.イソマルトース、パノースvs.マルトトリオースおよびNL DP4+ vs.DP4以上の線状オリゴマー(転換後には事実上何も残存しない)の相対量を比較せよ。
【0114】
図5は、濃縮デキストロースシロップがSpirizymeで処理されたときにおける、経時的なマルトースおよびイソマルトース濃度の変化を示している。線状オリゴマーが動力学的産物で、非線状オリゴマーが熱力学的産物であるらしい。即ち、デキストロースから線状ダイマー、マルトースの形成は、低活性化エネルギーの速い可逆性反応である。非線状ダイマー、イソマルトースの形成は遅い反応であり、その逆反応は高活性化エネルギーを有する。
【0115】
図6および7は、70%デキストロースシロップが60℃で異なる濃度のSpirizyme酵素で処理されたときにおける、経時的なマルトースおよびイソマルトース濃度の変化を示している。
【0116】
グルコアミラーゼによるStaley 1300シロップの処理では、DP3以上の線状オリゴマーが速く消費されてデキストロースへ変換された。これら線状オリゴマーの濃度は(70%シロップ濃度、0.13%Spirizymeおよび60℃で)処理の開始数時間内で全糖の約1%の平衡に達した(図8参照)。それより長い期間の経過で、デキストロース濃度はゆっくり減少し、非線状オリゴマーの濃度はゆっくり増加した。経時的なマルトースおよびイソマルトースの濃度変化は、デキストロース転換でみられるものを反映している(図7)。
【0117】
イオンクロマトグラフィー分析用に希釈する前に酵素を失活させるため、上記実験からのサンプルを85℃以上に10〜20分間加熱した。活性酵素の存在下でサンプルを希釈した場合、それらはデキストロースへ逆に加水分解されることもあった。
【0118】
転換シロップのサンプルを20%固形まで希釈した。各々の一部をSpirizyme酵素の存在下で60℃に保ち、各々の他部分をSpirizymeの存在下で40℃に保った。シロップを経時的にサンプリングし、各サンプルの酵素を上記のように失活させた。
【0119】
図9が結果を示している。60℃において、非線状高級オリゴマー(DP3以上)の濃度は3時間以内で半分に降下し、7時間で全糖の約11.6%でプラトーに達したようだった。それより低温では加水分解を遅らせた。図9が示しているように、デキストロース分が加水分解の結果として増加した。2種の異なるグルコアミラーゼ(SpirizymeおよびDextrozyme)が用いられた場合における加水分解の速度は同一であった。
【0120】
転換で形成された非線状オリゴマーはグルコアミラーゼ酵素(またはその中の不純物)による加水分解に免疫性でないことが、これらの実験からわかる。しかしながら、それらの一部は加水分解に抵抗性であるらしい。20%dsのとき、モノマーとオリゴマーとの平衡はモノマー側にある。それでも11.3%DP4+および11.6%DP3+がグルコアミラーゼ活性の至適温度で7時間後に残留している。図8で示された、同一時間枠だが、かなり高い固形(70%ds)で半分のグルコアミラーゼ分のときにおける、線状オリゴマーからデキストロースへの事実上完全な変換と、これを比較せよ。グルコアミラーゼ酵素は非線状オリゴマーを加水分解しうるが、加水分解は速くなく、完全変換に至らないこともあるであろう。ヒト消化管の消化酵素もこれら化合物に対する活性を同様に減少させたであろう、と我々は考えている。
【0121】
表6は、活性Spirizyme酵素の存在下60℃における、転換シロップが20%dsに希釈されたときの、全糖種の濃度の変化を示している。
【表6】
(“L DP3+”は3以上の重合度を有する線状オリゴマーに関する。“NL DP3”は3以上の重合度を有する非線状オリゴマーに関する。“NL DP4+”は4以上の重合度を有する非線状オリゴマーに関する。)
【0122】
出発糖分布または変換度にかかわらず、試験されたすべてのコーンシロップは、匹敵しうるシロップ濃度で処理されたならば、グルコアミラーゼにより匹敵しうる糖分布へ変換された。
【0123】
これらの実験から、コーンシロップの酵素転換に際して、線状オリゴマーはデキストロースへ速く加水分解されるようである。より長い時間で高いシロップ濃度のときは、デキストロースが消費されて、非線状オリゴマーが形成される。低シロップ固形のときにグルコアミラーゼによる加水分解で証明されるように、非線状オリゴマーの生成は少なくとも部分的に可逆的である。このように、グルコアミラーゼを失活させる前に転換シロップが希釈されると、オリゴマーの見掛け上全部ではなく、一部がデキストロースモノマーへ逆に加水分解される。グルコアミラーゼ(またはおそらくそれが含有する不純物)による非線状結合の形成が酵素による完全な不可逆的“間違い”ではないことを、これは証明している。
【0124】
実施例5‐グルコアミラーゼの品質が転換に影響を与える
転換を行なうために必要な酵素の量は、典型的な酵素プロセスと比較して多い。約1.5%v/vの常用グルコアミラーゼ(例えば、Spirizyme Plus FGおよびDextrozyme DX 1.5X,Novozymes供給)が、60〜75℃で24時間かけて平衡転換の80%に達するために要される。注目すべきことに、酵素製造業者は転換産物を形成するグルコアミラーゼの傾向を減少させる上で多大な進歩を遂げていた‐これら酵素の消費者により強いられた改善‐コーンシロップの製造業者‐彼らにとり転換産物は悩みのもとである。1950年代の酵素は現行グルコアミラーゼよりもこれらの非線状オリゴマーシロップを形成する上でかなり効率的であろう、というのが我々の考えである。
【0125】
これら市販グルコアミラーゼにひそむ“不純物”がここで報告された実験で転換産物に関与しているかもしれないという概念のサポートは、NovozymesがSpirizymeおよびDextrozyme双方の活性について59〜61℃という至適温度を報告しているが、温度が60から65℃へ高められたときに転換産物の生成速度が増す、という事実である。図10および11は、SpirizymeおよびDextrozymeについて、温度の関数として、イソマルトースおよびDP3以上の非線状オリゴマー(NL DP3+)の形成速度を示している。基質シロップはStaley 1300であり、用いられた酵素の量は2.7%v/vであった。
【0126】
実施例6‐非線状オリゴマーを形成するためのコーンシロップの酸触媒再構築
pH測定を容易にするため、Staley 1300シロップを脱イオン水で1:4希釈した。シロップpHをpH目標まで下げる酸(HClまたはH2SO4)の量を求めた。一実験において、10%Krystar結晶フルクトースを酸処理前にシロップへ加えた。
【0127】
Staley 1300シロップを振盪水浴中50mLスクリューキャップ遠心管で約60℃に加熱した。目標pHへ達するのに必要な酸の既定量をシロップに加えた。酸を均一に分布させるために、シロップ管を激しく振盪した。各管を水浴へ戻し、浴温を必要に応じて調整した。処理は60、70および80℃および1.2、1.8および2.3のpHで行った。反応の進行をモニターするため、シロップの一部を管から取り出し、苛性溶液を加えることで中和した。
【0128】
苛性溶液の容量が等量の酸性化シロップを中和するのに十分となるよう、苛性溶液を調製した。この容量の約80%をすべて一度に加え、こうしてpH測定に足るようシロップを希釈した。pHが>5.0(好ましくは6.5以下)に達するまで、追加の苛性溶液を滴下した。
【0129】
イオンクロマトグラフィーを用いてシロップ溶液を分析した。PhenomenexのRSOオリゴ糖カラムに加え、Dionex CarboPac PA200カラムも用いて、一部のサンプルを分析した。
【0130】
Staley 1300シロップで最初の酸縮合反応は60℃で硫酸によるpH2.3においてであった。線状オリゴマーの割合は減少し、非線状オリゴマーは増加した。
【0131】
図12は、酸処理およびグルコアミラーゼ処理(双方とも60℃)で生じる、Staley 1300シロップにおける糖分布の変化を比較している。該プロセスは異なって進行するようにみられる。Spirizymeグルコアミラーゼは線状オリゴマーを非常に速く消費して、デキストロースを生成する。Staley 1300シロップの場合、DP3以上の線状オリゴマーの濃度は酵素との接触から数時間以内で全糖の約42%から約1%のその平衡値へ降下する。それより長い期間の経過で、デキストロースの一部は非線状オリゴマーへ変換される。非線状DP3以上(DP3+)の濃度は(この酵素処理の条件下で)約30時間にわたり増加している。
【0132】
対照的に、酸との接触では、線状オリゴマーが消費され、非線状オリゴマーが匹敵しうる速度で形成される。デキストロース濃度は処理の過程で非常にゆっくり増加している。
【0133】
並行実験では、最終シロップ固形濃度が約90%となるように、10%乾燥フルクトースをStaley 1300シロップに加えた。それをStaley 1300シロップ単独と同様のpH、温度および時間で処理した。Staley 1300シロップが処理の過程で発色したが、フルクトース含有シロップはほぼ直後にコーヒー色に変わった。それから取り出されたサンプルのIC分析では、酸処理シロップ単独と匹敵しうる線状オリゴマー減少と非線状オリゴマー生成の速度を示した。フルクトース分は有意に変化しなかった。
【0134】
Staley 1300シロップがHClで1.2および1.8pHに調整された、第二ラウンドの酸処理が行われた。各pH処理は70℃および80℃の温度でランした。すべてのシロップが処理の過程で顕著な色を生じた。色の程度は、pH低下、温度上昇および時間経過に従い増した。極端な状況では、暗色不溶性成分が形成された。
【0135】
図13が示しているように、酸処理シロップの生成物は糖オリゴマーの非常に広い分布である。それは酵素転換シロップよりかなり高い濃度のDP3のオリゴマーも示している。しかも、酸処理シロップは酵素処理シロップで出現しない糖を含有している。酸触媒縮合がどの2つのヒドロキシル基間でも生じ、一方典型的にはどのように2つの糖単位が一緒に結合されるかで酵素縮合が非常に特異的であることから、これは予想される。
【0136】
Dionex CarboPac PA200カラムを糖のイオンクロマトグラフィー分離に用いた。図14は、このカラムで分離された酸処理シロップのクロマトグラフィートレースを示している。それは、マルトース、イソマルトース、マルトトリオースおよびパノースとは別に溶出する、DP2‐3範囲の4種成分を明らかに示している。(これら4種すべてがマルトースの前に溶出している。)それは未同定高級オリゴマーについてもいくつかのピークを示している。
【0137】
下記表7は、PA200カラムを用いた、これら4つの低pH、高温処理における、経時的な糖分布の変化を示している(表中で最後の欄は“未知1‐4”ピークの量を示し、NL DP3+に含まれない)。
【表7】
【0138】
実施例7‐酵素転換‐高糖
約35ガロンの80%乾燥固形の43DEコーンシロップ(Staley 1300)を追加5ガロンの脱イオン水と共にタンク中でゆっくり攪拌し、60℃の温度に加熱した。約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素を該シロップへよく攪拌しながらゆっくり加えた。60℃で24時間後、シロップを85℃に加熱し、20分間保った。次いで100ガロンの水を加えることにより、シロップを70%から20%乾燥固形濃度に希釈した。Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液をナノ濾過に付した。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。ナノ濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を80.2%dsまで蒸発させた。
【0139】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表8で示されている。
【表8】
(上記表中“高級糖”は3以上のDPを有するオリゴマーを意味する)
【0140】
実施例8‐酵素転換‐低糖
約35ガロンの80%乾燥固形の43DEコーンシロップ(Staley 1300)を追加5ガロンの脱イオン水と共にタンク中でゆっくり攪拌し、60℃の温度に加熱した。約1.6ガロンのSpirizyme Plus FG酵素を該シロップへよく攪拌しながらゆっくり加えた。60℃で24時間後、シロップを85℃に加熱し、20分間保った。次いで100ガロンの水を加えることにより、シロップを70%から20%乾燥固形濃度に希釈した。Desal UF‐1 3840C50D限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液を限外濾過に付した。10〜20LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が1%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。限外濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を73.4%dsまで蒸発させた。
【0141】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表9で示されている。
【表9】
【0142】
実施例9‐酵素転換‐高イソマルトース
Desal UF‐1 3840C50D限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で実施例7からのシロップを限外濾過に付した。この操作からの透過物質を次いで、Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および55〜60℃の温度でナノ濾過に付した。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。ナノ濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を90.2%dsまで蒸発させた。
【0143】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表10で示されている。
【表10】
【0144】
実施例10‐酸転換‐中度抵抗性
約35ガロンの80%乾燥固形の43DEコーンシロップ(Staley 1300)をタンク中でゆっくり攪拌し、80℃の温度に加熱した。約4.1 lbの37%塩酸を該シロップへよく攪拌しながらゆっくり加えた。水の定期的添加でKarl Fisher分析により測定しながら、反応液を約80%乾燥固形濃度で維持した。24時間後、加熱を止め、約35ガロンの0.35%水酸化ナトリウム溶液をよく攪拌しながらゆっくり加えた。次いで、pHを5.0に調整し、30%dsの最終糖濃度へ達するように水を加えた。Desal UF‐1限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液を限外濾過に付した。10〜20LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。限外濾過保持物質を乾燥固形ベースで2%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を71.5%dsまで蒸発させた。
【0145】
最終製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表11で示されている。
【表11】
【0146】
実施例11‐酸転換に続く水素化
約35ガロンの80%乾燥固形の63DEコーンシロップ(SWEETOSER 4300)をタンク中でゆっくり攪拌した。次いでシロップ乾燥固形に対して0.25%(w/w)HClとなるように、37%塩酸をよく攪拌しながらゆっくり加えた。混合物を次いで80℃の温度に加熱した。水の定期的添加でKarl Fisher分析により測定しながら、反応液を約80%乾燥固形濃度で維持した。16時間後、加熱を止め、0.35%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを4.5に調整した。30%dsの最終糖濃度へ達するように追加の水を加えた。Desal UF‐1限外濾過カートリッジを用いて約400psiの圧力および55〜60℃の温度で糖溶液を限外濾過に付した。10〜20LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が10%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、限外濾過を続けた。Desal NF3840C30Dナノ濾過カートリッジを用いて約500psiの圧力および55〜60℃の温度で限外濾過保持物質をナノ濾過に付した。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するために、新鮮ダイアフィルトレーション水を加えた。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が1%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで、濾過を続けた。ナノ濾過保持物質を乾燥固形ベースで1%活性炭により処理した。次いで、炭素を濾過により除去し、濾液を73.5%dsまで蒸発させた。
【0147】
この製品のデキストロース当量(DE)をAOAC法920.51(Lane Eynon)により測定したところ、21DEであることがわかった。この製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表12で示されている。
【表12】
【0148】
この製品を更に水素化反応条件に付した。表9で記載された物質の43%ds溶液約1.5kgを圧力リアクターへ導入し、シロップ乾燥固形で0.05%ルテニウム(w/w)となるように6.45gの5%ルテニウム炭素触媒を攪拌しながら加えた。リアクターを閉じ、窒素ガスでパージし、次いで水素ガスで600psiの圧力に加圧した。リアクターを次いで120℃に加熱した。この温度と600〜650psiの水素圧力を4時間維持した。反応容器を冷却し、慎重に排気し、窒素でパージした。次いで透明無色溶液を得られるように反応生成物を珪藻土で濾過した。
【0149】
この製品のデキストロース当量(DE)をAOAC法920.51(Lane Eynon)により測定したところ、5DEであることがわかった。この製品の糖分析をHPAE‐PADクロマトグラフィーにより行い、結果が表13で示されている。
【表13】
【0150】
実施例12‐Englyst消化アッセイ
実施例7、8および10からの生成物質を、Englystアッセイを用いて消化性について試験した。約600mgの炭水化物d.s.b.を試験管中20mLの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液に加えた。内容物を混ぜ、次いで約92℃に30分間加熱し、次いで37℃に冷却した。次いで5mLの酵素溶液を試験管に加え、水浴中37℃で振盪することによりそれを攪拌した、少量のサンプルを20分間および120分間の双方で採取した。酵素を失活させた;サンプルを濾過し、YSI Inc.のデキストロース試験を用いて消化性について測定した。非常に消化性であると知られている10DEマルトデキストリン(STAR-DRI 10)も比較として試験した。消化性アッセイおよび糖分析の結果が表14で示されている。10DEマルトデキストリンも比較のため表5に含まれている。表14のすべてのパーセンテージはd.s.b.に基づく。
【表14】
(表14で“高級体”は3以上の重合度を有するオリゴマーに関する。)
【0151】
物質中非線状高級体のパーセンテージと消化に抵抗性である物質のパーセンテージとの間には優れた相関性(R2=0.95)があった。
【0152】
実施例13‐ハードキャンディ,レモン風味
実施例7(酵素転換‐高糖)の980g(d.s.b.)をポットへ加え、300°Fの初期温度までストーブで調理した。次いで、15gのクエン酸および1.2gのスクラロースを攪拌しながら加えた。次いで、黄色色素およびレモンフレーバーを加え、混合物をキャンディモールドへ注いだ。ハードキャンディが室温への冷却時に形成された。
【0153】
実施例14‐ゼリーキャンディ,グレープ風味
実施例8(酵素転換‐低糖)の840gをミキシングボウルへ加えた。紫色色素およびグレープフレーバーをテーストに加えた。次いで、160gのMiraThik 468インスタントスターチを適度に強い混合下で少しずつ加えた。ゼリーキャンディが20分間かけて室温への冷却後に形成された。
【0154】
実施例15‐ヨーグルト
900gのミルク(2%脂肪)をストーブ上のポットへ加えた。次いで実施例10(酸転換‐中度抵抗性)の80g(d.s.b.)を攪拌しながら加えた。次いで混合物を150°Fの目標温度まで加熱した。混合物を加熱しながら、20gのRezista 682デンプンを混合しながら少しずつ加えた。混合物が150°Fの内部温度に達した後、それを5分間保ち、次いで2段階ホモゲナイザー(1500/500psi)に通した。次いで生成物を190°Fで5分間低温殺菌した。次いで混合物を90°Fに冷却し、活性ヨーグルト培養物で接種した。ヨーグルトが4.5のpHに達するまでインキュベートを続け、次いで消費前に冷蔵した。
【0155】
実施例16
本発明による消化抵抗性コーンシロップのサンプルを製造するために下記一般手順を用いた。一部低糖サンプルの製造に際して、ナノ濾過は、下記一般手順で記載されているような5%の代わりに、1%未満デキストロースまでランした。
【0156】
サンプル1‐HFCSラフィネートからのオリゴマーシロップ
1.高フルクトースコーンシロップ(HFCS)プロセスから濾過ユニットへ混合ラフィネートを移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
3.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0157】
サンプル2‐デキストロースグリーンズからのオリゴマーシロップ
1.希釈デキストロースグリーンズ(20〜30%ds)を濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
2.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
3.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
4.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0158】
サンプル3‐デキストロースの>25%非線状オリゴマーを形成するためのStaleyR1300コーンシロップの酵素転換
1.35ガロンのStaley 1300シロップおよび5ガロンの水をタンクへ送る。攪拌機を始動させ、加熱を始める。
2.シロップを60℃に加熱し、温度が60℃±5℃で安定化したことを確認する。
3.1.6ガロン(6.1L)のSpirizyme Plus FG酵素をシロップへ加える。
4.60℃±5℃で24時間保つ。
5.60℃/24時間保持の最後に、シロップを85〜90℃に加熱する。シロップ温度が85℃以上で安定化したら、20分間保つ。
6.タンクの加熱を止める。
7.100ガロンの水を加えることによりシロップを70%から20%固形に希釈する(全部で140ガロン)。
8.濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。
9.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が1%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
10.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
11.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0159】
サンプル4‐Tate & Lyle SWEETOSER4300コーンシロップの酸触媒再構築
1.35ガロンのSWEETOSER4300シロップをタンクへ送る。攪拌機を始動させ、80℃へ加熱を始める。
2.(4300シロップ密度が11.9 lb/ガロンであるという仮定のもとに、反応液中シロップ乾燥固形で0.25%HCl乾燥固形を得られるように計算して)〜2.8 lbの37%塩酸をシロップへよく攪拌しながらゆっくり加える。
3.80%ds±5%に保つ。2時間毎に反応サンプルを取り出し、等量のDI水で希釈する。希釈サンプルでKarl Fisherをランする。40%ds未満ならば何もしない。40%ds超ならば、40%dsを超えた1%ds毎に100 lbの初期反応分につき4 lb DI水を加える。
4.Karl Fisher用の上記サンプルに加えて、反応の進行をモニターするために用いられるサンプルを集める。酸添加後に次の間隔:2hr、4hr、8hrおよび16hrでこれらを取り出す。各サンプリング後、すばやく行動して、等量の0.35%NaOH溶液を加えることでサンプルのpHを調整し、よく混ぜ、pHを測定する。5.0〜6.5とするよう必要に応じてサンプルpHを調整する。
5.80℃/16時間保持の最後に、加熱を止める。pHが4.5〜5.5の範囲で安定化するまで、0.35%苛性溶液をよく攪拌しながらゆっくり加える。
6.30%dsの最終固形濃度に達するよう、必要に応じて希釈水を加える。
7.濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
9.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0160】
サンプル5‐SWEETOSER4300コーンシロップのリンおよび塩酸触媒再構築
1.35ガロンのSWEETOSER4300シロップをタンクへ送る。攪拌機を始動させ、80℃へ加熱を始める。
2.次いで(4300シロップ密度が11.9 lb/ガロンであるという仮定のもとに、反応液中シロップ乾燥固形で0.08%H3PO4および100ppm HCl乾燥固形を得られるように計算して)0.10 lbの37%塩酸をシロップへよく攪拌しながらゆっくり加える。
3.80%ds±5%に保つ。2時間毎に反応サンプルを取り出し、等量のDI水で希釈する。希釈サンプルでKarl Fisherをランする。40%ds未満ならば何もしない。40%ds超ならば、40%dsを超えた1%ds毎に100 lbの初期反応分につき4 lb DI水を加える。
4.Karl Fisher用の上記サンプルに加えて、反応の進行をモニターするために用いられるサンプルを集める。酸添加後に次の間隔:2hr、4hr、8hrおよび16hrでこれらを取り出す。各サンプリング後、すばやく行動して、等量の0.35%NaOH溶液を加えることでサンプルのpHを調整し、よく混ぜ、pHを測定する。5.0〜6.5とするよう必要に応じてサンプルpHを調整する。
5.80℃/16時間保持の最後に、加熱を止める。pHが4.5〜5.5の範囲で安定化するまで、0.35%苛性溶液をよく攪拌しながらゆっくり加える。
6.30%dsの最終糖濃度に達するよう、必要に応じて希釈水を加える。
7.濾過ユニットへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
9.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0161】
サンプル6‐Tate & Lyle StaleyR1300コーンシロップの酸触媒再構築
1.35ガロンのSWEETOSER1300シロップをタンクへ送る。攪拌機を始動させ、80℃へ加熱を始める。
2.(4300シロップ密度が11.9 lb/ガロンであるという仮定のもとに、反応液中シロップ乾燥固形で0.25%HCl乾燥固形を得られるように計算して)〜2.8 lbの37%塩酸をシロップへよく攪拌しながらゆっくり加える。
3.80%ds±5%に保つ。2時間毎に反応サンプルを取り出し、等量のDI水で希釈する。希釈サンプルでKarl Fisherをランする。40%ds未満ならば何もしない。40%ds超ならば、40%dsを超えた1%ds毎に100 lbの初期反応分につき4 lb DI水を加える。
4.Karl Fisher用の上記サンプルに加えて、反応の進行をモニターするために用いられるサンプルを集める。酸添加後に次の間隔:2hr、4hr、8hrおよび16hrでこれらを取り出す。各サンプリング後、すばやく行動して、等量の0.35%NaOH溶液を加えることでサンプルのpHを調整し、よく混ぜ、pHを測定する。5.0〜6.5とするよう必要に応じてサンプルpHを調整する。
5.80℃/16時間保持の最後に、加熱を止める。pHが4.5〜5.5の範囲で安定化するまで、0.35%苛性溶液をよく攪拌しながらゆっくり加える。
6.30%dsの最終固形濃度に達するよう、必要に応じて希釈水を加える。
7.濾過スキッドへ移し、Desal UF‐1膜で容量を10×〜30×濃縮する。注意:このステップは最終DP2目標に応じたオプションである。
8.濾過膜をナノ濾過(Desal NF3840C30D“DL”)に切り替える。2〜10LMHの範囲に透過物質流を維持するような速度で新鮮ダイアフィルトレーション水を加える。Karl FisherおよびYSIデキストロース分析の組合せで保持物質が5%未満デキストロース(d.s.b.)を含有するまで続ける。
9.保持物質を集め、乾燥固形ベースで1%活性炭を加える。冷蔵する。
10.炭素を濾過により除去し、濾液を>70%dsまで蒸発させる。
【0162】
これらの方法で製造されたシロップの一部を以下の実施例で用いたが、そこではそれらがサンプル番号で表示されている。
【0163】
実施例17
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる朝食シリアルは、以下で記載されているように製造しうる。該シリアルは押出部分と該押出部分に載せられたコーティングを含んでなる。押出部分の組成は次の通りである(重量%による):
コーンミール 54.80
全粒小麦粉 25.19
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 13.51
全粒オート麦粉 5.00
ビタミンブレンド 0.50
塩 1.00
合計 100.0
【0164】
下記ステップを用いて押出部分を製造する:諸材料を一緒にミキサー/ブレンダーで均一に混ぜる。目標押出水分に達するよう乾燥ブレンドおよび水を供する。典型的押出および乾燥条件を用いる。冷却およびパッケージする。
【0165】
コーティング組成物は50%糖、50%抵抗性コーンシロップの75%固形溶液である。下記ステップを用いてそれを製造する:予熱するために250°Fで対流式オーブンにスプレーガンを入れる。約100gのシリアルを秤量し、オイルベース剥離剤で最初に被覆されたタンブラーへ入れる。乾燥材料(75%全乾燥固形)をケトルでブレンドする。
水を加え、混ぜる。該シロップを約230°Fに加熱する(急速沸騰)。適切な比率(シリアルの最終重量で約45〜50%コーティング)を得る上で正確なシリアル:コーティング比にするために必要な所望量のシロップを秤量する。予熱されたスプレーガンへ該シロップを注ぎ、エアラインホースをスプレーガンへ接続する。シリアルがタンブルされると、シロップのすべてが塗布されるまでシロップをシリアルへスプレーする。所望量のコーティングが塗布された後で、均一なコーティングを保証するため、被覆されたシリアルをエンロービングドラムで3分間タンブルさせる。剥離剤でスプレーされたベーキングシートへ、被覆されたシリアルを注ぎだす。6分間またはシリアルが乾燥したようにみえるまで、対流式オーブン中250°Fでシリアルを乾燥させる。パンへのスティッキングおよびシリアルのクランピングからシリアルを防ぐため、乾燥の中途まで攪拌する。乾燥後、シリアルを5分間冷却させる。冷却後、コーティング率を調べるためシリアルを秤量する。プラスチック保存バッグにシリアルを詰め込む。
【0166】
実施例18
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるヨーグルトを製造した。
材料は以下であった:
2%ミルク 3614
無脂肪ドライミルク(NFDM) 133
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 200
Rezista 682デンプン 53
全重量: 4000g
下記ステップを用いてヨーグルトを製造した:ポンプおよび漏斗または液化器を用いて乾燥材料を液体材料へ分散させる。150°Fに予熱する。2段階ホモゲナイザーを用いて1500/500psiで均質化する。190°Fで5分間低温殺菌する。90°Fに冷却し、培養物を加える。最終pH4.4まで培養する。製品を攪拌し、活性培養増殖を止めるために冷却し始める。パッケージして冷却する。
【0167】
実施例19
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるヨーグルトドリンクを製造した。
材料は以下であった:
スキムミルク 94.21
ホエータンパク質濃縮物 1.2
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 4.25
安定化剤ブレンド 0.442
スクラロース溶液 0.008
合計 100.0
下記ステップを用いてヨーグルトドリンクを製造した:ポンプおよび漏斗または液化器を用いて乾燥材料を液体へ加える。150°Fに予熱する。2段階ホモゲナイザーを用いて1500/500psiで均質化する。190°Fで5分間低温殺菌する。90°Fに冷却し、培養物を加える。最終pH4.4まで培養する。停止し、パッケージして冷却する。
【0168】
実施例20
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる冷凍ノベルティは下記のように製造しうる。
材料は以下である:
【表15】
冷凍ノベルティは下記ステップを用いて製造しうる:クリーム、ミルクおよび無脂肪ドライミルクを望ましいバター脂肪および乳固形物、無脂肪(MSNF)レベルに標準化する。適正な分散を保証するために、適度な攪拌を用いて安定剤を液体糖へ加える。バッチタンクでミルクおよび液体糖部分を十分にブレンドする。乳脂肪固形部分をミックスと混ぜ、空気混入を最少化するために低攪拌を用いる。185°Fで30秒間または相当の時間および温度で低温殺菌する。2500psiダブルステージ(2000および500psi,各々第一および第二段階)で2段階ホモゲナイザーを用いて均質化する。ミックスを34〜38°Fに冷却し、熟成のため最少4時間保つ(一夜熟成が好ましい)。
【0169】
実施例21
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる無糖アイスクリームを製造した。
材料は以下であった:
バター脂肪 7〜12%
乳固形物無脂肪 10〜12%
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 12〜15%
マルトデキストリン 3〜5%
スクラロース 0.0085〜0.012%
ビタミンAパルミテート 0.009%
安定化剤ブレンド 0.40〜0.50%
下記ステップを用いて無糖アイスクリームを製造した:安定化剤ブレンド、スクラロース、ビタミンAおよびマルトデキストリンを剪断下でスキムミルクと混ぜる。抵抗性コーンシロップを剪断下で該混合物へ加える。次いでチャーニング(churning)およびエアレーションを避けるために、クリーム(バター脂肪)をゆっくり加える。アイスクリームを次いで低温殺菌し、175°Fで30秒間、2500psi 2段階で各々均質化する。ミックスを一夜(35〜40°F)冷蔵し、次いで連続フリージングシステムを用いて冷凍状態に加工する。
【0170】
実施例22
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるマシュマロを製造した。
材料は3つの別々なパートで調製した:
パートA
Gelatin 250 Bloom 22.5
冷水 44.5
パートB
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 337.5
パートC
Hystarマルチトールシロップ 585.5
合計 990g
下記ステップを用いてマシュマロを製造した:パートAの諸材料を(ゼラチンを水へ)混ぜる。抵抗性コーンシロップを135°Fに予熱する。マルチトールシロップを200°Fに加熱する。パートBおよびCを合わせ、145°Fに冷却する。ゼラチンを溶かすために電子レンジで30秒間かけてパートAを溶融させる。パートAを他のパートへ加え、0.5密度に達するまでHobartミキサーで泡立て器により混合物をホイップする。マシュマロをペストリーバッグへ詰め、スターチモールドへ入れる。
【0171】
実施例23
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるハードキャンディを製造した。
材料は以下であった:
糖 42.0
抵抗性コーンシロップ(サンプル4) 43.7
水 14.3
合計 100.0
下記ステップを用いてハードキャンディを製造した:糖および抵抗性コーンシロップを水と混ぜる。Boschクッカーで約138℃に加熱し、129℃に2分間バキュームする。クエン酸(3kg製品で18g)およびフレーバーを加える。スイートを成形または形成する。
【0172】
実施例24
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるゼラチンゼリーキャンディを製造した。
材料は以下であった:
糖 35.2
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 36.6
水 12.3
ゼラチン 6.6
水 9.3
合計 100.0
下記ステップを用いてゼラチンゼリーキャンディを製造した:ゼラチンおよび水を混ぜ、70℃で保つ。糖、抵抗性コーンシロップおよび水を混ぜる。固形が89%に達するまで加熱する(約120℃)。90℃に冷却する。ゼラチン溶液を加える。クエン酸溶液50%(18g/1000g)と、適合するフレーバーおよび色素を加える。モールディングスターチに入れ、81〜82%の乾燥固形(ds)の重量%まで環境条件下で乾燥させる。
【0173】
実施例25
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるジャムを製造した。
材料は以下であった:
水 36.5
アプリコット 32.8
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 15.5
マルトデキストリン 10.2
ペクチン(低メトキシ) 4.58
キサンタンゴム 0.10
クエン酸 0.15
スクラロース 0.06
ソルビン酸カリウム 0.10
塩化カルシウム 0.01
合計 100.0
下記ステップを用いてジャムを製造した:乾燥材料を混ぜる。乾燥材料を液体材料およびフルーツへ加える。220°Fに加熱する。容器へ入れ、冷却する。
【0174】
実施例26
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる甘味子供飲料を製造した。
材料は以下であった:
水 86.35
クエン酸 0.15
ストロベリーフレーバー 0.10
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,73.4%) 13.3
色素(#40,10%) 0.10
スクラロース 0.004
下記ステップを用いてドリンクを製造した:ミキサーを用いて諸材料を水へゆっくり加える。ドリンクを180°Fに加熱する。直ちにボトルへ熱時充填する。冷却するためボトルを水浴へ入れる。
【0175】
実施例27
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるオレンジ風味ジュースソーダ飲料を製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
クエン酸カリウム 0.0200
酸(クエン,リンゴ) 0.2000
RCS(サンプル5,71%ds) 1.8750
高強度甘味料(スクラロース,Ace-K) 0.015
5%清澄化Val OJ Conc.,60.56Brix 1.0177
赤色#40 0.0009
黄色#5 0.0044
オレンジフレーバー 0.1218
濾過水 96.7452
100
下記ステップを用いてオレンジジュースソーダを製造した:クエン酸カリウム、酸、抵抗性コーンシロップおよび高強度甘味料をドライブレンドする。オレンジジュース濃縮物、赤色#40、黄色#5、オレンジフレーバーおよび前ステップからのブレンドを水へブレンドする。望ましい容量のCO2(2〜4倍)まで炭酸飽和させる。
【0176】
実施例28
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるセイボリー高固形フィリングを製造した。
材料は以下であった:
【表16】
1食品デンプン改質物、小麦タンパク質およびマルトデキストリンのブレンド
諸材料を次の順序で製品混合物へ配合した:(1)キャノーラ油、(2)フレーバー、クエン酸、乳酸および塩、(3)抵抗性コーンシロップおよび(4)Tate & Lyleテクスチャライジングブレンド
【0177】
実施例29
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる高固形フルーツフィリングを製造した。
材料は以下であった:
パートA %
Isosweet 5500 H FCS 21
Mirathik 603(食品改質デンプン) 6
パートB
抵抗性コーンシロップ(サンプル6) 70.88
水 1.55
Nat.and art.rasp.flavor 256639(テーストメーカー) 0.3
パートC
リンゴ酸 0.1
クエン酸 0.1
赤色09310(WJ) 0.06
青色09918(WJ) 0.01
100
下記ステップを用いてジャムを製造した:HobartミキサーへパートA ISOSWEETR5500を入れる。1.5分間混ぜながらMirathik 603をゆっくり加える。パートB 抵抗性コーンシロップ、フレーバーおよび水を加える。均一になるまでブレンドする(1分間)。混合物が増粘化するまで約3分間ねかせる。パートCの諸材料をプレブレンドし、混合物へ加える。均一になるまでブレンドする。完全粘度に達するまでフィリングを24時間固化させる。
【0178】
実施例30
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるシート状クラッカーを製造した。
材料は以下であった:
穀粉 70.949
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 17.00
ショートニング 10.0
スクラロース 0.001
重炭酸ナトリウム 0.70
塩 0.50
リン酸一カルシウム 0.85
合計 100.00
水の量 30
下記ステップを用いてシート状クラッカーを製造した:全材料が湿ってドゥがしなやかになるまでドゥを混ぜる。ドゥを1.1mmにシート化する。各ピースに切る。対流式オーブン(低ファン)中350°Fで5分間焼く。
【0179】
実施例31
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる膨張押出スナックを製造した。
材料は以下であった:
コーン粉 75.00
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 23.50
塩 1.50
合計 100.00
下記ステップを用いて膨張押出スナックを製造した:乾燥材料を混ぜる。乾燥材料を押出機へ供給する。適正な形に押し出す。1%最終含水率まで10分間乾燥させる。
【0180】
実施例32
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるトルティーヤチップを製造した。
材料は以下であった:
コーンチップ#8粉 23.5
トルティーヤチップ#1粉 24.0
抵抗性コーンシロップ(サンプル5) 2.50
水 40.0
合計 100.0
下記ステップを用いてトルティーヤチップを製造した:トルティーヤチップ#1粉およびコーンチップ#8粉の1:1混合物を作る。Hobartミキサーで1分間低速で混ぜる。抵抗性コーンシロップを加え、ローで1分間混ぜる。ミキサーをなお低速でランさせながら、室温水を流れで乾燥混合物へゆっくり加える。すべての水が加えられたら、ミキサー速度を上げ、3分間混ぜる。ドゥをカバーし、プラスチックビーカーで30分間ねかせる。Rondoシーターを用いてドゥをシート化し、(マイクロメーターを用いることで厚さを調べて)約1.3mm厚を有するようにドゥを徐々にロールする。Rondoシーターを用い、ドゥを水平に置くことによりカッターを用いてドゥを切る。375°Fに予熱されたフライヤーで(チップがゴールデンブラウンに見え、泡立ちがほぼ止むまで)約1:45〜2分間揚げる。チップが揚げられている間、それらが両側で絶えず浸されるように(均一な脂肪吸収を助ける上で)チップを攪拌するために金属スパチュラを用いる。フライヤーから取り出し、バスケットを吊り下げることでチップを4分間油切りする。チップをクロスタオルに注ぎ、6分間ねかせる。プラスチックバッグに詰め、密封し、トルティーヤチップの表示を付す。
【0181】
実施例33
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるゼラチンデザートドライミックスを製造した。
材料は以下であった:
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 88.66
Gelatin 250 bloom 9.00
アジピン酸 0.90
フマル酸 0.60
ストロベリーフレーバー 0.50
リン酸二ナトリウム 0.20
色素(赤色#40) 0.14
スクラロース 0.03
下記ステップを用いてゼラチンデザートドライミックスを製造した:乾燥材料を混ぜる。85.1gのドライミックスを秤量し、212°Fで226.8gの水に加える。完全に溶かす。226.8gの冷水を加え、十分に混ぜる。少なくとも4時間冷蔵する。
【0182】
実施例34
本発明によるオリゴ糖組成物を含み、高固形フィリング、結合シロップおよび押出ピースを含んでなるスナックバーを製造した。
高固形フィリングの諸材料は以下であった:
パートA
抵抗性コーンシロップ(サンプル6) 21.00
Mirathik 603デンプン 6.00
パートB
抵抗性コーンシロップ(サンプル6) 80.88
水 1.55
ラズベリーフレーバー 0.30
パートC
リンゴ酸 0.10
クエン酸 0.10
赤色色素 0.06
青色色素 0.01
合計 100.00
下記ステップを用いて高固形フィリングを製造した:抵抗性コーンシロップを含んでなるパートAをミキサーへ入れる。低速で1.5分間混ぜながらMirathik 603をゆっくり加える。パートB(抵抗性コーンシロップ、フレーバー、水)を加え、均一になるまでブレンドする(低速で1分間)。混合物が増粘化するまで約3分間ねかせる。パートCの諸材料をプレブレンドし、混合物へ加える。均一になるまでブレンドする(完全粘度に達するまでフィリングを24時間固化させる)。
【0183】
結合シロップの諸材料は以下であった:
抵抗性コーンシロップ(サンプル2) 67.7
グリセリン 10.7
StaSlim 150デンプン 13.3
ショートニング 7.5
塩 0.8
合計 100.0
下記ステップを用いて結合シロップを製造した:混合して172°Fに加熱する。シリアル/グラノーラピースへ加え、各ピースを均一に被覆するために混合する。54%シロップ、46%シリアルの比率で混合する。
【0184】
押出ピースの諸材料は以下であった:
コーンミール 55.30
全粒小麦粉 25.19
抵抗性コーンシロップ(サンプル2) 13.51
全粒オート麦粉 5.00
塩 1.00
合計 100.0
下記ステップを用いて押出ピースを製造した:ミキサー/ブレンダーで一緒に諸材料を均一に混ぜる。目標押出水分に達するようドライブレンドおよび水を供給する。典型的な押出および乾燥条件を用いる。冷却およびパッケージする。
【0185】
押出ピースまたは他の微粒を被覆するために結合シロップを混ぜ、混合物をシート化または成形し、適切なサイズに切る。高固形フィリングは典型的には結合剤/微粒混合物の2シート間に加えられる。
【0186】
実施例35
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるスパイスケーキを製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
水 40.67
Purasnowケーキ粉 21.56
ソルビトール 17.70
RCS固形物(サンプル5) 8.85
Mira-Thik 603食品デンプン改質物 1.00
Core M90(マルトデキストリン,スクラロース) 0.25
EC‐25乳化剤 2.65
Provon 190ホエータンパク質単離物 1.25
HiJel S食品デンプン‐改質 0.99
乾燥卵白 0.99
塩 0.79
GMS 90乳化剤 0.59
重曹 0.56
Pan O Lite 0.45
ドライバニラ1011320 0.40
リン酸二カルシウム二水和物 0.34
シナモン 0.29
プロピオン酸ナトリウム 0.21
ナツメグ 0.17
キサンタンゴム 0.12
Durafax 60乳化剤 0.10
粉砕クローブ 0.07
100
【0187】
下記ステップを用いてスパイスケーキを製造した:
ドライミックス手順:
RCS、Mira-Thik 603、Core M90およびソルビトールをミキサーボウルへ入れる。熱くさせすぎないよう注意しながら電子レンジでEC‐25を溶融させる(GMS 90またはDurfax 60は溶融させない)。EC‐25を加え、スピード1で5分間混ぜ、必要に応じてボウルをかきとる。スピード1で1分間混ぜながらDurfax 60を加え、必要に応じてボウルをかきとる。スピード1で1分間混ぜながらGMS90を加え、必要に応じてボウルをかきとる。フードプロセッサーでドライミックスを2分間ランさせ、毎分後にかきとる。ドライミックスをミキシングボウルへ戻す。残りの乾燥材料を篩にかけ、ミキサーをランしながらソルビトール混合物へゆっくり(1回に大匙1杯ずつ)加える。スピード1で合計5分間混ぜる。
【0188】
水混和手順:
ドライミックスをボウルへ入れる。スピード1で30秒間混ぜながら水をゆっくり加える。ボウルをかきとる。スピード2で31/2分間混ぜ、必要に応じてボウルをかきとる。8インチ層ケーキパンの端部をノンスティックスプレー調理油でスプレーし、各パンにひくため円形パーチメント紙を用いる。バター450gを各ケーキパンへ注ぐ。350°Fで37分間または仕上がるまで焼く。
【0189】
実施例36
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるチーズソースを製造した。
材料は以下であった:
チェダー 23.41
バター 5.88
水 50.50
スイートホエー 5.44
リン酸二ナトリウム(DSP) 0.73
リン酸三ナトリウム(TSP) 0.16
クエン酸ナトリウム 0.36
塩 0.78
MaxiGel 420デンプン 2.73
RCS(サンプル5) 9.09
合計 100.0
下記ステップを用いてチーズソースを製造した:全材料を混ぜる。一定攪拌下で200°Fに加熱する。チーズソースをジャーまたは容器へ熱時充填し、リッドまたはクロージャーで密封する。40°Fに冷却する。
【0190】
実施例37
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる模造モッツァレラチーズのブロックを製造した。
材料は以下であった:
【表17】
下記ステップを用いてチーズを製造した:水、クエン酸ナトリウム、カゼインおよび大豆油(120g)を加える。5分間ブレンドする。残りの大豆油を加える。ソルビン酸、塩、デンプン、抵抗性コーンシロップを加える。次いでホエーおよび乳酸を加える。5分間ブレンドする。残りの材料を加える。185°Fに調理する。
【0191】
実施例38
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる食用フィルムを製造した。理論に拘束されることなく、オリゴ糖組成物は食用フィルムで可塑剤として働くと考えられている。
材料は以下であった:
【表18】
下記ステップを用いて食用フィルムを製造した:
諸材料の分散
ビーカー中泡立て器でプルランおよびマルトデキストリンを混ぜる。水、ポリソルベート80、安息香酸ナトリウムおよび抵抗性コーンシロップ(RCS)を別のビーカーで混ぜる。湿潤材料を更に混ぜるためServodyne Mixer Headモデル50003‐30を用いる。700のRPMで開始する。ドライフレーバーミックスをゆっくり加える。すべての塊が消えたら、プルラン混合物をゆっくり加える。混合物が増粘化したら、必要に応じてRPMを(1000RPM以内で)調整する。すべての乾燥材料が存在するとき、ミキサーを止め、ビーカーの側面をかきとる。ミキサーを1000RPMに強め、更に2分間混ぜる。50gを遠心管へ注ぐ。空気を除去するため10分間遠心する。
【0192】
フィルミング手順:
0.045inにセットされたGardco調整可能ドローダウン(drawdown)を用いてフィルムを引取った。フィーラーゲージブレードを用いて適正な厚さにこれらのドローダウンを調整した。真空プレートの使用でフィルムをMylar上に引取った。フィルムを環境チャンバー中65℃および25%RHで2時間乾燥させた。それらを環境チャンバー中25℃および28%RHで一夜硬化させた。乾燥されたフィルムをプラスチックバッグへ詰めた。
【0193】
実施例39
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる低脂肪パウンドケーキを製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
パートA
ケーキ粉 28.81
RCS固形物(サンプル5) 26
水 16.27
GMS‐90乳化剤 5.92
デキストロース 4.17
無脂肪ドライミルク,高熱 1.6
STA-SLIM 150デンプン 1.29
STA-SLIM 142デンプン 0.64
塩 0.63
発酵用酸,Pan-O-Lite 0.5
重曹 0.5
バニラフレーバー#464174 0.45
アナットー色素 0.1
キサンタン 0.09
パートB
液体卵白 8.4
水 4.63
100
下記ステップを用いてパウンドケーキを製造した:パートAの乾燥材料をHobartミキサー中スピード1でブレンドする。GMS‐90乳化剤を加え、2分間ブレンドする(スピード1)。水およびアナットー色素を加え、4分間ブレンドする(スピード2)。2分間のミキシング後とミキシングの最後にボウルおよびパドルをかきとる。パートB材料を一緒に混ぜる。パートB卵白/水混合物の1/3をパートAへ加え、1分間ブレンドする(スピード2)。ミキシング後にボウルおよびパドルをかきとる。卵白/水混合物の残り2/3を配合するためパートBの第一ステップを2回繰り返す。ノンスティックスプレーでプレコートされたローフパンへ200gのバターを注ぐ。350°Fで30分間焼く。
【0194】
実施例40
ポリオールレベルを有し、本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる、オートミールチョコレートチップレーズンクッキーを製造した。
材料は以下であった:
【表19】
下記ステップを用いてオートミールレーズンクッキーを製造した:ショートニングおよびフレーバーをN‐50 Hobartミキサーにおいてスピード1で30秒間混ぜる。残りの段階1材料を加える。スピード1で1分間混ぜる。ボウルの側面をかきとる。スピード2で1分間混ぜる。段階2材料を加える。スピード1で1分間混ぜる。ボウルの側面をかきとる。スピード2で1分間混ぜる。段階3材料を加える。スピード1で1分30秒間混ぜる。ボウルの側面をかきとる。スピード1で1分30秒間繰返し混ぜる。段階4材料を加える。スピード1で15秒間混ぜる。30gドゥピースを秤量してダブルラインドベーキングパンのパーチメント上に置く。対流式オーブン中375°Fで11分間クッキー12個を焼く。
【0195】
実施例41
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるソフトチョコレートクッキーを製造した。
材料は以下であった:
材 料 %
粉,ペストリー 28.70
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 22.20
バター 20.40
RCS(サンプル5,71%ds) 10.90
卵,ホール 9.10
天然ココアN‐11‐N 3.60
弱アルカリ化ココアD‐11‐A 2.00
インスタントTENDER-JEL C食品デンプン改質物 1.90
バニラフレーバー 0.46
塩 0.44
重曹 0.30
100.00
下記ステップを用いてクッキーを製造した:Hobartミキシングボウル中スピード1で糖/RCS固形物、バターおよびRCS(71%ds)をブレンドする。卵を加える。残りの材料をドライブレンドし、この混合物に加える。350°Fで15分間焼く。
【0196】
実施例42
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるメープルシロップを製造した。
材料は以下であった:
水 80.132
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 17.00
セルロースゴム 1.00
メープルフレーバー 0.45
塩 0.45
SPLENDAスクラロース 0.35
グアーゴム 0.28
リン酸(85%) 0.15
カラメル色素 0.13
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
バターフレーバー 0.008
合計 100.00
下記ステップを用いてメープルシロップを製造した:標準ミキサーで低速を用いてスクラロース、保存料、塩、フレーバーおよび色素を水に加える。ゴムを混合物へゆっくり加え、20〜25分間水和させる。185°Fに加熱しながら抵抗性コーンシロップ固形物をブレンドする。1分間保つ。熱を除き、酸を加える。180〜185°Fで容器に充填し、1分間反転させる。75°Fに冷却する。
【0197】
実施例43
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるバーベキューソースを製造した。
材料は以下であった:
パートA
トマトペースト 27.23
水 14.7
アップルサイダービネガー 15.13
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 33.73
糖蜜 5.04
液体ヒッコリースモーク 0.30
カラメル色素 0.21
パートB
塩 2.02
スパイスブレンド 1.65
スクラロース 0.014
下記ステップを用いてバーベキューソースを製造した:パートA材料を190°Fに加熱する。乾燥材料をパートAへ加え、200°Fで15分間加熱する。容器に熱時充填し、冷却する。
【0198】
実施例44
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるフレンチドレッシングを製造した。
材料は以下であった:
大豆油 9.00
抵抗性コーンシロップ(サンプル5,71%) 47.57
ビネガー,120グレーン 12.00
水 18.59
トマトペースト 7.00
塩 2.00
MiraThik 603食品デンプン改質物 2.00
ポリソルビトール60 0.20
オニオン粉末 0.18
ガーリック粉末 0.15
キサンタンゴム 0.10
ソルビン酸 0.10
オレオレジンパプリカ 0.10
EDTA 0.01
合計 100.0
下記ステップを用いてフレンチドレッシングを製造した:容器に水および抵抗性コーンシロップを入れる。オニオン、塩、ガーリック、ソルビン酸およびEDTAをドライミックスし、水混合物へ加える。デンプンおよびキサンタンゴムを少量の油でスラリー化し、水混合物へ加え、デンプンを水和させるために5分間混ぜる。トマトペーストおよびパプリカを加える。ビネガーを加える。ポリソルビトール60を溶融させ、混合物へゆっくり加える。残りの油を加え、5分間混ぜる。0.26″(2回転)にてコロイドミルで加工する。
【0199】
実施例45
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるチキンスープ濃縮物のクリームを製造した。
材料は以下であった:
水 65.65
チキンブイヨン 11.30
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 11.00
Half & half 5.60
Rezistaデンプン 3.10
二酸化チタン 1.00
塩 0.50
糖 0.16
スパイス 0.69
キサンタンゴム 0.10
合計 100.00
下記ステップを用いてチキンスープ濃縮物のクリームを製造した:乾燥材料を混ぜる。液体材料を3〜5分間混ぜる。中速でライトニングミキサーを用いて乾燥材料をゆっくり加える。均一な分散を保証するため3〜5分間混ぜる。攪拌せずに190°Fに加熱する。5分間保つ。缶へ熱時充填し、直ちに密封する。250°Fで40分間レトルトする。缶を室温まで冷却する。提供するために、1缶のスープを等容量の2%ミルクへ加える。よく混ぜる。煮込むために加熱する(約10分間)。熱時提供する。
【0200】
実施例46
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるケチャップを製造した。
材料は以下であった:
トマトペースト 37.54
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 12.01
水 41.37
ビネガー120グレーン 7.01
ガーリック粉末 0.02
オニオン粉末 0.03
スモークフレーバー 0.001
塩 2.00
スクラロース(乾燥) 0.02
下記ステップを用いてケチャップを製造した:スパイス、RCS、スクラロースおよび塩をドライミックスする。ライトニングミキサーを用いて水、ビネガーおよびドライミックスを混ぜる。スモークフレーバーを湿潤ミックスへ加える。パドルアタッチメント装備のHobartミキサーにおいてスピード1で2分間かけてトマトペーストおよび湿潤ミックス(水、ビネガーおよびドライミックス)の1/4をブレンドする。残りの湿潤ミックスをスピード1で1分間ブレンドする。停止し、ボウルをよくかきとる。スピード1で1分間ブレンディングを続ける。ケチャップを105℃に加熱し、15秒間保つ。80℃に冷却する。Pandaホモゲナイザーを用いて150/50バールで均質化する。直ちにガラスジャーに詰める。
【0201】
実施例47
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるビーフ風味グレービーミックスを製造した。
材料は以下であった:
水 90.17
Perma-Floデンプン 3.58
ビーフフレーバー 3.25
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 10.00
糖 0.43
甘味乳ホエー 0.42
カラメル色素 0.09
スパイス 0.03
合計 100.0
下記ステップを用いてビーフ風味グレービーミックスを製造した:均一にブレンドされるまで、乾燥材料およびTALO TF-55フレーバー(水以外の全材料)をブレンドする。泡立て器を用いて、このドライミックスを冷水へ分散させる。攪拌しながら190°Fに調理する。攪拌下190°Fで10分間混合物を保つ。
【0202】
実施例48
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなるドライブレンドコーヒークリーマーを製造した。
材料は以下であった:
市販クリーマー粉末(Jerzee blend 220077) 21.8
抵抗性コーンシロップ固形物(サンプル5) 78.2
下記ステップを用いてドライブレンドコーヒークリーマーを製造した:諸材料をブレンドし、秤量して、10メッシュスクリーンからタンブルブレンダー容器、リボンブレンダーまたはパドルブレンダーへ篩分けする。処方物を10〜25分間ブレンドし、パッケージする。必要であれば、二酸化ケイ素またはアルミノケイ酸ナトリウムが凝結防止剤として加えられる。
【0203】
実施例49
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる大豆ベースドライコーヒークリーマーパウダースラリーを製造した。
材料は以下であった:
【表20】
水をバッチタンクへ加え、120〜140°Fに加熱する。カゼインナトリウムを水へ加え、10〜30分間水和させる。モノおよびジグリセリドを水素化大豆油中へ溶融させるか、または別々に溶融させる。カゼインナトリウムが水和されたら、大豆油とモノおよびジグリセリドをバッチタンクへ加える。混合物をよくブレンドする。残りの抵抗性コーンシロップをバッチタンクへ加え、混合物を170°Fに加熱し、(必要であれば)二段階ホモゲナイゼーションにより均質化し、30分間保つ。こうして生成物は350〜500°Fの入口温度および150〜200°Fの排出温度でスプレードライする準備ができる。オプションの流動層ドライヤーも用いられる。アルミノケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素も凝結防止目的に含有させてよい。リン酸塩および/または凝結防止剤も含有させうる。
【0204】
実施例50
本発明によるオリゴ糖組成物を含んでなる、スプレードライ用のココナツベースコーヒークリーマーパウダースラリーを製造した。
材料は以下であった:
【表21】
下記ステップを用いてココナツベースコーヒークリーマーパウダーを製造した:水をバッチタンクへ加え、120〜140°Fに加熱する。カゼインナトリウムを水へ加え、10〜30分間水和させる。モノおよびジグリセリドを水素化ココナツ油中へ溶融させるか、または別々に溶融させる。カゼインナトリウムが水和されたら、ココナツ油とモノおよびジグリセリドをバッチタンクへ加える。混合物をよくブレンドする。残りの材料 抵抗性コーンシロップおよびリン酸二カリウムをバッチタンクへ加え、混合物を170°Fに加熱し、(必要であれば)二段階ホモゲナイゼーションにより均質化し、30分間保つ。こうして生成物は350〜500°Fの入口温度および150〜200°Fの排出温度でスプレードライする準備ができる。オプションの流動層ドライヤーも用いられる。アルミノケイ酸ナトリウムまたは二酸化ケイ素も凝結防止目的に含有させてよい。
【0205】
実施例51
糖分を低下また減少させることで総カロリーを減らすために、抵抗性コーンシロップ固形物を用いて、アイスクリームコーティングおよび/またはコンパウンドコーティングが製造できる。繊維分は典型的コーティングと比較して有意に高められる(例えば、この実例では、5g/100gコーティングの比較コントロールに対して、33g/100gを有する)。
【表22】
下記ステップを用いてアイスクリームコーティングおよび/またはコンパウンドコーティングが製造できる:5〜125ミクロンで平均約30〜40ミクロンの粒径に固形コーンシロップを粉砕する。望ましい粒子を得られるように固形物を篩にかける。ココアパウダーおよびスクラロースを固形コーンシロップと合わせる。ショートニングを溶融させ、レシチンと合わせる。ブレンドされた乾燥材料を混ぜながら、溶融ショートニング/レシチン混合物を加え、ボウルを定期的にかきとる。所望通りに冷凍ノベルティ、ベークド製品などへ適用する。
【0206】
実施例52
抵抗性コーンシロップ(RCS)の2サンプルを前記実施例16のサンプル5の場合のように製造したが、そのうち1つは低単糖分を有すた(以下の記載で“LS”は“低糖”に関する)。単糖、二糖、三糖および四‐およびそれ以上の糖のwt%d.s.b.は以下の通りであった:
処 方 DP1 DP2 DP3 DP4+
RCS 12.5 4.7 4.1 78.7
RCS LS 1.6 4.6 4.6 89.2
2抵抗性コーンシロップおよびマルトデキストリンのサンプルをイヌに供した。血糖応答を調べるため、供給後に血液サンプルをイヌから時々採取した。経時的な血中グルコース濃度の変化が図15で示され、下記表でまとめられている。
項 目 マルトデキストリン RCS RCS LS SEM N 5 5 5
グルコースピークまでの時間,min 30 18 18 4.9グルコース曲線下の増加面積 155.1d 37.7b 73.9c 12.9相対血糖応答 100.0d 24.5b 50.1c 7.8
ab同列で異なる上付の平均は異なる(P<0.05)
SEM=平均の標準誤差
【0207】
実施例53
抵抗性コーンシロップの6サンプルを前記実施例16のサンプル5の場合のように製造した。各サンプルは72%dsシロップであり、残部が水であった。サンプルは本質的に脂肪、タンパク質または灰分を含有していなかった。6サンプルは以下であった:
RCS GR1(RCS,72%dsシロップ70%繊維,15%糖)(これらサンプルの“糖”は単および二糖の合計に関する)
RCS GR2(RCS LS,72%dsシロップ80%繊維,5%糖)
RCS GR3(RCS,50%フルクトース,72%dsシロップ)
RCS GR4(RCS,50%ソルビトール,72%dsシロップ)
RCS GR5(RCS LS,25%フルクトース,72%dsシロップ)
RCS GR6(RCS LS,25%ソルビトール,72%dsシロップ)
25g(dsb)のシロップを含有したサンプルを次のように製造した:既知重量のRCSを含有したジャグに2.838kgの濾過水を加えた。蓋をジャグに取り付け、次いですべてのシロップが溶けるまで振盪および攪拌することによりそれを十分混ぜた。12oz(350g)のこの溶液は乾燥固形ベースで25gの試験炭水化物を含有していた。
25g無水グルコースを300mLの水と混ぜることにより、コントロール溶液を調製した。
サンプルを健康なヒト対象者10名に投与した。対象者の特徴は:男性5名、女性5名;年齢35±10y;体容積指数24.0±3.8kg/m2であった。各対象者は別々の日に9回の試験を受けたが、それには6回の試験食と25gの市販炭水化物を含有した標準グルコースドリンク3回を含む。血中グルコースを絶食時と食後15、30、45、60、90および120分目に測定した。血中グルコース応答曲線下の増加面積(iAUC)を計算した。各試験食の消費後における各対象者iAUCは、同対象者により摂取された3回グルコースコントロールの平均iAUCのパーセンテージとして表示した。製品の曲線下の増加面積および相対血糖応答(RGR)は以下であった:
iAUC RGR
グルコース(25g) 124.4±13.5a 100a
RCS GR1 38.5±4.6b 32.6±3.8b
RCS GR2 25.6±3.7b 23.2±4.6b
RCS GR3 30.1±4.4b 26.2±4.2b
RCS GR4 17.4±4.1b 15.3±3.6b
RCS GR5 27.6±4.0b 25.4±4.3b
RCS GR6 20.9±4.0b 18.2±3.5b
異なる上付の値は有意に異なる(P<0.001)。どの食品間にもおいしさに統計学的有意さはなかった。
【0208】
実施例54
SweetoseR4300コーンシロップ(81%ds)を、それをホットオイルジャケット付きパドルミキサーへ77kg/hの速度で通すことにより、6%未満含水率まで蒸発させた。パドルミキサーローター速度を典型的には300〜600rpmにセットし、オイルジャケット温度を150℃〜205℃で変えた。試験の一部では、固形コーンシロップで0.1%〜0.4%リン酸固形となるような速度でリン酸を加えた。試験の一部では、リン酸の代わりにまたはそれに加えて、塩酸を25ppmで加えた。
これらの試験から集められた製品(25mg)を4mLのpH4.0緩衝液に溶解させ、10μLの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase Sigma Catalog#A‐7255)溶液と45℃で2時間インキュベートした。このインキュベートからの一部を少量のイオン交換樹脂で処理し、液体クロマトグラフィーによる糖分布分析前に濾過(0.45ミクロン)した。この分析から、三糖以上として存在することがわかった炭水化物の重量%が消化抵抗性炭水化物として定量され、下記表で%繊維として表示されている:
サンプル名 温度℃ %H3PO4 HClppm %繊維
ラン1 194 0.2% 43
ラン2 195 0.2% 25 52
ラン3 193 0.4% 25 62
ラン4 203 0.4% 25 68
ラン5 180 0.2% 27
ラン6 181 0.4% 37
ラン7 181 0.4% 25 33
ポリデキストロースコントロール 82
ポリデキストロースの実験サンプルがこの試験でコントロールとして用いられ、約82%繊維のレベルを示した。
【0209】
実施例55
SweetoseR4300コーンシロップ(81%ds)を、それをホットオイルジャケット付きパドルミキサーへ77kg/hの速度で通すことにより、3%未満含水率まで蒸発させた。パドルミキサーローター速度を典型的には800rpmにセットし、オイルジャケット温度を210℃にセットした。試験の一部では、固形コーンシロップで0.1%〜0.4%リン酸固形となるような速度でリン酸を加えた。試験の一部では、リン酸の代わりにまたはそれに加えて、塩酸を25または50ppmで加えた。
これらの試験から集められた製品(25mg)を4mLのpH4.0緩衝液に溶解させ、10μLの10mg/mLアミログルコシダーゼ酵素(Amyloglucoxidase Sigma Catalog#A‐7255)溶液と45℃で2時間インキュベートした。このインキュベートからの一部を少量のイオン交換樹脂で処理し、液体クロマトグラフィーによる糖分布分析前に濾過(0.45ミクロン)した。この分析から、三糖以上として存在することがわかった炭水化物の重量%が消化抵抗性炭水化物として定量され、下記表で%繊維として表示されている:
サンプル名 温度℃ %H3PO4 HClppm %繊維
ラン2‐1 210 0.0% 11
ラン2‐2 210 0.2% 79
ラン2‐3 210 0.0% 12
ラン2‐4 210 0.1% 43
ラン2‐5 210 0.1% 51
ラン2‐6 210 0.2% 61
ラン2‐7 210 0.3% 84
ラン2‐8 210 0.2% 25 79
ラン2‐9 210 0.0% 11
ラン2‐10 210 0.1% 43
ラン2‐11 210 0.1% 25 57
ラン2‐12 210 0.2% 53
ラン2‐13 210 0.2% 25 62
ラン2‐14 210 0.4% 56
ラン2‐15 210 0.4% 25 55
ラン2‐16 210 0.4% 50 62
ラン2‐17 210 0.0% 50 65
ラン2‐18 210 0.0% 50 59
ポリデキストロースコントロール 82
ポリデキストロースの実験サンプルがこの試験でコントロールとして用いられ、約82%繊維のレベルを示した。
【0210】
本発明の具体的態様の先の記載は、本発明のあらゆる可能な態様のリストとなるわけではない。当業者であれば、他の態様も下記請求の範囲内に属すると認めるであろう。例えば、ある特定の遅消化性または消化抵抗性組成物が上記実施例の一部で食物製品中の材料として用いられる。本発明の他の遅消化性または消化抵抗性組成物もそれらの同食物製品で代わりに用いられるが、食物製品の正確な特徴は用いられる材料の正確な性質に応じてある程度変わることがある、と認識されるべきである。多くの他の変更もここの具体例に加えうる。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】本発明の一態様のプロセスフロー図である。
【図2】実施例3で用いられた3種のデキストロース組成物中における、ある糖の分布のグラフである。
【図3】実施例4で用いられた出発物質中における、ある糖の分布のグラフである。
【図4】実施例4で酵素処理により製造された生成物中における、ある糖の分布のグラフである。
【図5】実施例4において組成物が酵素で処理されたときにおける、マルトロースおよびイソマルトース濃度に関する経時的な変化のグラフである。
【図6】実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときにおけるマルトース濃度に関する変化のグラフである。
【図7】実施例4においてデキストロースシロップが異なる濃度の酵素で処理されたときにおけるイソマルトース濃度に関する変化のグラフである。
【図8】実施例4において組成物が酵素で処理されたときにおける、ある糖の濃度に関する経時的な変化のグラフである。
【図9】実施例4において希釈組成物が酵素で処理されたときにおける、ある糖の濃度に関する経時的な変化のグラフである。
【図10】実施例5で酵素処理の結果としてある糖の形成に及ぼす、温度の効果のグラフである。
【図11】実施例5で他の酵素処理の結果としてある糖の形成に及ぼす、温度の効果のグラフである。
【図12】実施例6において組成物が酸または酵素で処理されたときにおける、糖分布の変化を比較したグラフである。
【図13】実施例6において酸で処理されたシロップの分析を示している。
【図14】実施例6において酸で処理されたシロップのクロマトグラフィー分析を示している。
【図15】イヌに本発明の組成物またはマルトデキストリンを供した後における、それらの血中グルコース濃度の変化を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の単糖または線状糖オリゴマーを含んでなり、少なくとも約70重量%の固形濃度を有する水性供給原料組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱すること、および
非線状糖オリゴマーの形成を引き起こすために十分な時間にわたりグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒と該供給原料組成物を接触させ、ここで、線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含む産生組成物が産生されること
を含んでなる、糖オリゴマーを製造するための方法。
【請求項2】
水性供給原料組成物が、少なくとも1種の単糖と、少なくとも1種の線状糖オリゴマーとを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1種の触媒が、グルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酵素が、デキストロース残基を形成させるために、α1‐2、1‐3、1‐4または1‐6グルコシル結合の開裂の速度を速める、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
酵素がグルコアミラーゼ酵素組成物である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種の触媒が酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
酸が塩酸、硫酸、リン酸またはそれらの組合せである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸が、供給原料組成物のpHを約4以下にするために十分な量で、供給原料組成物へ加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
酸が、供給原料組成物のpHを約1.0〜2.5にするために十分な量で、供給原料組成物へ加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
供給原料組成物が約70〜90%の固形濃度を有し、酸との接触時に約70〜90℃の温度で維持される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
酸がリンおよび塩酸の組合せを含んでなる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
供給原料組成物が少なくとも約75重量%固形を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
供給原料組成物が少なくとも約75〜90重量%固形を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項14】
産生組成物が、乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%の濃度で、少なくとも3の重合度を有する非線状糖オリゴマーを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
産生組成物中の非線状糖オリゴマーの濃度が、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
産生組成物が少量の残留単糖を含んでなり、方法が、膜濾過、クロマトグラフィー分別または発酵での消化により、産生組成物から少なくとも一部の残留単糖を除去することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
グルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒が酵素であり、産生組成物が次いでグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酸と接触される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
グルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒が酸であり、産生組成物が次いでグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素と接触される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
酸がリン酸、塩酸またはそれらの組合せである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
酵素と接触させた後、組成物がイオン交換樹脂と接触される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
イオン交換樹脂と接触させた後、少なくとも3の重合度を有する糖オリゴマーの組成物中における濃度が乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
デンプンの糖化により少なくとも1種のオリゴ糖と少なくとも1種の単糖を含んでなる水性組成物を産生すること、
膜濾過および連続疑似移動層クロマトグラフィーの少なくとも1つを含んでなる方法により水性組成物を分別して、単糖に富んだ流れおよび消化抵抗性オリゴ糖に富んだ流れを形成すること、および
オリゴ糖に富んだ流れを回収すること
を含んでなる、消化抵抗性または遅消化性であるオリゴ糖組成物を製造するための方法。
【請求項23】
水性組成物が、デキストロース、フルクトース、およびオリゴ糖の混合物を含んでなる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
オリゴ糖に富んだ流れが乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%のオリゴ糖を含んでなり、オリゴ糖が主に消化抵抗性または遅消化性である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
分別が、ナノ濾過または連続疑似移動層クロマトグラフィー(SSMB)を含んでなる、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
分別がナノ濾過を含んでなり、水性組成物が、デキストロース、フルクトース、およびオリゴ糖の混合物を含んでなり、オリゴ糖に富んだ流れが少量のデキストロースおよびフルクトースを含んでなり、
デキストロースの少なくとも一部がフルクトースへ変換されるように、オリゴ糖に富んだ流れを異性化酵素と接触させること、
消化抵抗性オリゴ糖に富んだ流れを膜濾過すること、
オリゴ糖に富んだ流れを水素化して、その中の単糖の少なくとも一部をアルコールへ変換すること、
オリゴ糖に富んだ流れをグルコシダーゼ酵素と接触させて、該流れに存在する残留単糖の少なくとも一部がオリゴ糖または他の単糖へ共有結合されているような転換生成物を作ること、および
オリゴ糖に富んだ流れを活性炭と接触させることによりその色を希薄化させること
の少なくとも一つを更に含んでなり、オリゴ糖に富んだ流れがヒト消化系で遅消化性である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
乾燥固形ベースで大量の線状および非線状糖オリゴマーを含んでなり、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度より大きい、炭水化物組成物。
【請求項28】
組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度が、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
少なくとも3の重合度を有する非線状糖オリゴマーの濃度が、乾燥固形ベースで少なくとも約25重量%である、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
少なくとも3の重合度を有する非線状糖オリゴマーの濃度が、乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%である、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
非線状糖オリゴマーの濃度が乾燥固形ベースで少なくとも約90重量%であり、イソマルトースの濃度が乾燥固形ベースで少なくとも約70重量%である、請求項27に記載の組成物。
【請求項32】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法により製造された炭水化物組成物。
【請求項33】
請求項27〜31のいずれか一項に記載された炭水化物組成物を含んでなる、食物製品。
【請求項34】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法により製造された炭水化物組成物を含んでなる、食物製品。
【請求項35】
炭水化物組成物が主に遅消化性または消化抵抗性である、請求項33または34に記載の食物製品。
【請求項36】
食物製品が、ベークド食品、朝食シリアル、乳製品、菓子、ジャムおよびゼリー、飲料、フィリング、押出およびシート状スナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズおよびチーズソース、食用および水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリーマー、アイシング、フロスティング、グレーズ、ペットフード、トルティーヤ、肉および魚、ドライフルーツ、乳幼児食、バターおよびブレッディングから選択される、請求項33または34に記載の食物製品。
【請求項37】
炭水化物組成物が、固形甘味料の完全もしくは部分代用品として、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項38】
炭水化物組成物が、食物繊維源として食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項39】
炭水化物組成物が、カロリー密度を減少させるために、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項40】
炭水化物組成物が、増量剤として、水分活性を減少させるため、水を管理するため、または保湿力または湿性感を増すために、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項41】
炭水化物組成物が、食物製品の脂肪分を減少させるために用いられる、請求項36に記載の食物製品。
【請求項42】
炭水化物組成物が、付着剤としてまたは表面外観用に、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項43】
炭水化物組成物が、食物製品の保存寿命を延ばすために、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項44】
糖尿病に罹患した哺乳動物に請求項33〜43のいずれか一項に記載された食物製品を供することを含んでなる、糖尿病に罹患した哺乳動物において血中グルコースをコントロールする方法。
【請求項1】
少なくとも1種の単糖または線状糖オリゴマーを含んでなり、少なくとも約70重量%の固形濃度を有する水性供給原料組成物を、少なくとも約40℃の温度に加熱すること、および
非線状糖オリゴマーの形成を引き起こすために十分な時間にわたりグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒と該供給原料組成物を接触させ、ここで、線状糖オリゴマーより高濃度の非線状糖オリゴマーを含む産生組成物が産生されること
を含んでなる、糖オリゴマーを製造するための方法。
【請求項2】
水性供給原料組成物が、少なくとも1種の単糖と、少なくとも1種の線状糖オリゴマーとを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1種の触媒が、グルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酵素が、デキストロース残基を形成させるために、α1‐2、1‐3、1‐4または1‐6グルコシル結合の開裂の速度を速める、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
酵素がグルコアミラーゼ酵素組成物である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種の触媒が酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
酸が塩酸、硫酸、リン酸またはそれらの組合せである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸が、供給原料組成物のpHを約4以下にするために十分な量で、供給原料組成物へ加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
酸が、供給原料組成物のpHを約1.0〜2.5にするために十分な量で、供給原料組成物へ加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
供給原料組成物が約70〜90%の固形濃度を有し、酸との接触時に約70〜90℃の温度で維持される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
酸がリンおよび塩酸の組合せを含んでなる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
供給原料組成物が少なくとも約75重量%固形を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
供給原料組成物が少なくとも約75〜90重量%固形を含んでなる、請求項13に記載の方法。
【請求項14】
産生組成物が、乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%の濃度で、少なくとも3の重合度を有する非線状糖オリゴマーを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
産生組成物中の非線状糖オリゴマーの濃度が、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
産生組成物が少量の残留単糖を含んでなり、方法が、膜濾過、クロマトグラフィー分別または発酵での消化により、産生組成物から少なくとも一部の残留単糖を除去することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
グルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒が酵素であり、産生組成物が次いでグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酸と接触される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
グルコシル結合の開裂または形成の速度を速める少なくとも1種の触媒が酸であり、産生組成物が次いでグルコシル結合の開裂または形成の速度を速める酵素と接触される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
酸がリン酸、塩酸またはそれらの組合せである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
酵素と接触させた後、組成物がイオン交換樹脂と接触される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
イオン交換樹脂と接触させた後、少なくとも3の重合度を有する糖オリゴマーの組成物中における濃度が乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
デンプンの糖化により少なくとも1種のオリゴ糖と少なくとも1種の単糖を含んでなる水性組成物を産生すること、
膜濾過および連続疑似移動層クロマトグラフィーの少なくとも1つを含んでなる方法により水性組成物を分別して、単糖に富んだ流れおよび消化抵抗性オリゴ糖に富んだ流れを形成すること、および
オリゴ糖に富んだ流れを回収すること
を含んでなる、消化抵抗性または遅消化性であるオリゴ糖組成物を製造するための方法。
【請求項23】
水性組成物が、デキストロース、フルクトース、およびオリゴ糖の混合物を含んでなる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
オリゴ糖に富んだ流れが乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%のオリゴ糖を含んでなり、オリゴ糖が主に消化抵抗性または遅消化性である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
分別が、ナノ濾過または連続疑似移動層クロマトグラフィー(SSMB)を含んでなる、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
分別がナノ濾過を含んでなり、水性組成物が、デキストロース、フルクトース、およびオリゴ糖の混合物を含んでなり、オリゴ糖に富んだ流れが少量のデキストロースおよびフルクトースを含んでなり、
デキストロースの少なくとも一部がフルクトースへ変換されるように、オリゴ糖に富んだ流れを異性化酵素と接触させること、
消化抵抗性オリゴ糖に富んだ流れを膜濾過すること、
オリゴ糖に富んだ流れを水素化して、その中の単糖の少なくとも一部をアルコールへ変換すること、
オリゴ糖に富んだ流れをグルコシダーゼ酵素と接触させて、該流れに存在する残留単糖の少なくとも一部がオリゴ糖または他の単糖へ共有結合されているような転換生成物を作ること、および
オリゴ糖に富んだ流れを活性炭と接触させることによりその色を希薄化させること
の少なくとも一つを更に含んでなり、オリゴ糖に富んだ流れがヒト消化系で遅消化性である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
乾燥固形ベースで大量の線状および非線状糖オリゴマーを含んでなり、非線状糖オリゴマーの濃度が線状糖オリゴマーの濃度より大きい、炭水化物組成物。
【請求項28】
組成物中における非線状糖オリゴマーの濃度が、線状糖オリゴマーの濃度より少なくとも2倍高い、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
少なくとも3の重合度を有する非線状糖オリゴマーの濃度が、乾燥固形ベースで少なくとも約25重量%である、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
少なくとも3の重合度を有する非線状糖オリゴマーの濃度が、乾燥固形ベースで少なくとも約50重量%である、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
非線状糖オリゴマーの濃度が乾燥固形ベースで少なくとも約90重量%であり、イソマルトースの濃度が乾燥固形ベースで少なくとも約70重量%である、請求項27に記載の組成物。
【請求項32】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法により製造された炭水化物組成物。
【請求項33】
請求項27〜31のいずれか一項に記載された炭水化物組成物を含んでなる、食物製品。
【請求項34】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法により製造された炭水化物組成物を含んでなる、食物製品。
【請求項35】
炭水化物組成物が主に遅消化性または消化抵抗性である、請求項33または34に記載の食物製品。
【請求項36】
食物製品が、ベークド食品、朝食シリアル、乳製品、菓子、ジャムおよびゼリー、飲料、フィリング、押出およびシート状スナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズおよびチーズソース、食用および水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリーマー、アイシング、フロスティング、グレーズ、ペットフード、トルティーヤ、肉および魚、ドライフルーツ、乳幼児食、バターおよびブレッディングから選択される、請求項33または34に記載の食物製品。
【請求項37】
炭水化物組成物が、固形甘味料の完全もしくは部分代用品として、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項38】
炭水化物組成物が、食物繊維源として食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項39】
炭水化物組成物が、カロリー密度を減少させるために、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項40】
炭水化物組成物が、増量剤として、水分活性を減少させるため、水を管理するため、または保湿力または湿性感を増すために、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項41】
炭水化物組成物が、食物製品の脂肪分を減少させるために用いられる、請求項36に記載の食物製品。
【請求項42】
炭水化物組成物が、付着剤としてまたは表面外観用に、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項43】
炭水化物組成物が、食物製品の保存寿命を延ばすために、食物製品に存在する、請求項36に記載の食物製品。
【請求項44】
糖尿病に罹患した哺乳動物に請求項33〜43のいずれか一項に記載された食物製品を供することを含んでなる、糖尿病に罹患した哺乳動物において血中グルコースをコントロールする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−66476(P2013−66476A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−258845(P2012−258845)
【出願日】平成24年11月27日(2012.11.27)
【分割の表示】特願2008−553446(P2008−553446)の分割
【原出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(593063172)テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス リミテッド ライアビリティ カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】TATE & LYLE INGREDIENTS AMERICAS LLC
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−258845(P2012−258845)
【出願日】平成24年11月27日(2012.11.27)
【分割の表示】特願2008−553446(P2008−553446)の分割
【原出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(593063172)テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス リミテッド ライアビリティ カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】TATE & LYLE INGREDIENTS AMERICAS LLC
【Fターム(参考)】
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